変形および/または温度の測定を実行する少なくとも1つの光ファイバを含む可撓性ストリップ
本発明は、土木構造物のための可撓性ストリップ(1)に関し、この可撓性ストリップは、縦軸に沿って縦方向に延びることができ、構造物が変形および/または温度に関して位置を特定し測定値を得ることを可能にする少なくとも1つの光ファイバ(20)を備え、前記光ファイバ(20)が、実質的に縦軸に沿って配置されるとともに、実質的に縦軸に沿って少なくとも部分的に強化された連続強化繊維(30)の熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれ、実質的に縦軸に沿って延びる連続強化繊維の質量WCFが、光ファイバの質量WOFの10倍以上である。本発明はまた、計測デバイスおよび関連する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木構造物中または土木構造物上で変形および/または温度の測定を実行する少なくとも1つの光ファイバを含む可撓性ストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、土木構造物中または土木構造物上の変形などの破壊、および/または温度変化の位置を特定し測定することを目標とする。このような測定は一般に、例えば構造物が損傷を受け、劣化の危険にさらされているかどうかを判定するために長期にわたって行われ、これらの試験または測定により、特に予知保全のための予防監視が可能になる。
【0003】
既知の従来技術のデバイスでは、現場で測定値を得るために、監視されるべき構造体の中または表面に光ファイバが設置される。これらの光ファイバは一般に、80から500μmの間の直径、具体的には約150μmの直径を有し、光を伝搬可能にできるコアおよびクラッドからなる中心部分と、少なくとも1つの保護外装とを備える。
【0004】
しかし、このような光ファイバを土木構造物中または土木構造物上に組み入れると不都合が生じる。これらの光ファイバは脆弱であり、設置中または設置後に、光ファイバが受ける応力(せん断応力、ファイバの望ましくない曲げ)によって損傷を受ける可能性がある。場合によっては、光ファイバは、水またはアルカリイオンが浸透する危険のある特に「厳しい」環境で、例えば、このような「厳しい」環境と長期にわたり接触することが継続することで経時的に劣化しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造物、すなわち土木構造物または土木構造物の一部分について、変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定することを可能にするデバイスを提案することであり、これにより上記の不都合が防止される。本発明の別の目的は、このようなデバイスを妥当なコストで提供すること、および構造物に容易に取り付けられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって本発明は、縦軸に沿って縦方向に延びることができる、土木構造物中または土木構造物上に取り付けるための可撓性ストリップを提案するものであり、この可撓性ストリップは、構造物の変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定することを可能にする少なくとも1つの光ファイバを備え、前記光ファイバは、縦軸にほぼ沿って配置されるとともに、ほぼ縦軸に沿って連続強化繊維により少なくとも部分的に強化されている熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれ、ほぼ縦軸に沿って延びる連続強化繊維の重量WCFが、前記光ファイバの重量WOFの10倍以上である。
【0007】
前記可撓性ストリップは、土木構造物の機械抵抗に関して実質的に中性でありうること、あるいはこの構造部を強化する役割に寄与しうることに留意されたい。しかし、可撓性ストリップの材料は、構造物の主要部分の材料とは異なる。後者は、例えば土、コンクリート、および封止材料からなる。
【0008】
本発明の可撓性ストリップにより、1つまたは複数の光ファイバは、上述の機械的および物理化学的損壊から保護され、また構造物について変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定するための、構造物(ホスト環境)と光ファイバ間の測定に適した荷重伝達を保証することができる。
【0009】
「ストリップ」とは、縦軸に沿って長手方向に延びることができ、縦軸に対し垂直な幅よりもずっと長く、この幅が厚さ(または高さ)よりもずっと幅広い部分を意味すると理解されたい。例として、このようなストリップの長さは少なくとも1メートル、例えば約3〜10メートルであり、あるいはそれよりも大幅に長く(数十〜数百メートル、さらには数キロメートル)、幅は1から30cm、例えば5から10cmの間であり、厚さは1ミリメートルから数センチメートル、例えば2から10mmの間である。
【0010】
一例として、このような可撓性ストリップは、堤防、土手、または機械的に安定化された、もしくは突き固められた土の構造物に備え付けることができる。このようなストリップはまた、自然土の中に(単純な、または方向性のドリル孔によって)導入すること、および/または封止材料(モルタル、樹脂、または他の封止材料)に埋め込むこともできる。このようなストリップはまた、金属またはコンクリートの構造要素の上に配置することもでき、さらには直接コンクリート(橋、ダム、エプロンなどの要素)の中に組み入れることもできる。ストリップはまた、転圧コンクリート(RCC)のダムの中に、建設中に組み入れることもできる。ストリップは、例えばカルスト崩壊危険地域または大規模地滑り地域の、自然土の表面の浅い溝に入れることができる。
【0011】
「非常に有意に上回っている」とは、比較されている量に対して少なくとも量が2倍であることを意味すると理解されたい。
一実施形態では、ストリップの幅は、その厚さの少なくとも5倍より大きい。
【0012】
「可撓性ストリップ」とは、その長手方向に容易に変形できるストリップを意味すると理解されたい。一例として、ストリップは、それが200mmの曲率半径まで曲げることができる場合に可撓性と考えられる。
一実施形態では、可撓性ストリップは50mmの曲率半径まで曲げることができる。
【0013】
一実施形態では、ストリップは長さが非常に長く製造されており、構造物の上または中に組み入れるのに望ましい長さのストリップを作るために切断されることができる。その可撓性のために、非常に長いストリップをスピンドルの上に巻いて、現場で使用可能なスプールまたはリールを作ることができる。したがって、非常に長いストリップを移動させ、例えば建設現場でそれを展開し、場合により所望の長さに切断することは極めて容易である。
【0014】
このストリップの可撓性により、所望の測定を実施するために用意されて前記可撓性ストリップの中に備えられた光ファイバーを維持しながら、構造物上または構造物中で遭遇する可能性のある不規則さにストリップを適合させることが可能になる。これら不規則さは、例えば、構造物の形状に関連し、また光ファイバを損傷する可能性のある、骨材、強化鋼、突き固められた土中に存在する砂利/砂、封止モルタルの構成要素などの構造構成要素が存在することに関連することがある。
【0015】
加えて、本発明者らは、少なくとも1つの光ファイバを備えるストリップの形状のデバイスを選択することが、構造物の中、例えば堤防、土手、または補強土の構造物の中の変形測定値を得るのに特に有利であることを確認した。実際、ストリップ形により、環境(測定変量)とセンサの間の良好な荷重伝達が得られ、場合により、実効的な検出領域を増大させることによって測定変量の効果の増幅につながる。
【0016】
本発明者らは、光ファイバが、可撓性ストリップの縦軸にほぼ沿って延びる連続強化繊維を含む熱可塑性ポリマーマトリックスで取り囲まれていると、可撓性ストリップの耐用寿命および荷重伝達が、特に構造物の中に挿入された場合に著しく改善されることを確認した。本発明者らは、縦軸にほぼ沿って延びる連続強化繊維の重量が光ファイバの重量の10倍以上である場合に、このような可撓性ストリップの挙動に顕著な改善が生じることを確定することができた。
【0017】
本発明では、「ほぼ軸に沿った」方向とは、この軸に対して+10°と−10°の間、特に+5°と−5°の間の方向を意味すると理解されたい。一実施形態では、連続強化繊維は、可撓性ストリップの縦軸に沿って延びる。
【0018】
一実施形態では、熱可塑性ポリマーマトリックスは、次のマトリックスのリスト、すなわちポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリエーテルの中から選ばれる。
熱可塑性ポリマーマトリックスはまた、エラストマーを含みうる。
【0019】
一実施形態では、連続強化繊維は、そのマトリックスが次のマトリックスのリスト、すなわちポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの中から選ばれるポリマー繊維である。
【0020】
上記の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、連続強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、亜麻または麻繊維など繊維作物の繊維、および金属繊維の中から選ばれる。連続強化繊維は一般に、それだけには限らないが、複数の繊維を含む糸の形で集められる。
【0021】
連続強化繊維は、互いに平行になるように、かつストリップ軸の方向に従うように実質的に配列され、またはもっぱら配列される。連続強化繊維は、組み合わせて、ひも(1つまたは複数)、編みひも(1つまたは複数)、よりひも(1つまたは複数)にすることもできる。
【0022】
一実施形態では、光を伝搬可能にできる光ファイバの中心部分は鉱物であり、より具体的にはシリカをベースとする。
【0023】
別の実施形態では、この光ファイバの中心部分は有機物(「POF」、プラスチック光ファイバ)である。
【0024】
可撓性ストリップ内の光ファイバの重量(WOF)を計算するには、中心部分(コアおよびクラッド)と、この中心部分に接合された保護被覆とが考慮に入れられる。光ファイバは、特にケーブルを作るために他の保護物で覆われることがあるが、これら他の保護物は、WOF値を計算する際に考慮に入れられない。これら他の保護物は、金属外被で構成することができ、あるいは、例えば布および/または有機物層からなる様々な被覆で構成することができる。アセンブリ全体はケーブルの形状にすることができる。
【0025】
使用される光ファイバは、シングルモードまたはマルチモードでありうる。
一実施形態では、光ファイバはブラッグ格子を含む。別の実施形態では、光ファイバは、いかなる変換要素も追加せずに直接使用される。
【0026】
可撓性ストリップの光ファイバは、光を放射すること、および光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定することが可能な測定デバイスに接続されることが意図されている。
【0027】
使用可能な測定デバイスには次の、OTDR(光学的時間領域反射計)、OTDR−R(OTDR−ラマン)、BOTDR(ブリルアンOTDR)、OBR(レイリーベースの反射率計を使用する光学後方散乱反射率計)、ブラッグ格子を使用する反射率計、干渉計計測、および旋光計計測が含まれる。
【0028】
少なくとも1つの光ファイバを含む本発明の可撓性ストリップはさらに、以下の光学的特徴の1つ以上を個々に、または任意の可能な組み合わせで有することができる。
− ほぼ縦軸に沿って延びる連続強化繊維の重量WCFは、光ファイバの重量WOFの50倍以上である。
− 可撓性ストリップは、ほぼ均一に分散された連続強化繊維を前記ポリマーマトリックスが含み、かつ、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域によって取り囲まれた、少なくとも1つの領域を備える。
− ポリマーマトリックスの領域が連続強化繊維を含み、光ファイバがなく、この領域は少なくとも部分的に光ファイバを取り囲む。
− 少なくとも1つの光ファイバが、ポリマーマトリックスが連続強化繊維を含む領域内に配置される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、ポリマーマトリックスと直接接触して設置される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、外壁をポリマーマトリックスと直接接触させた管の中に配置され、同じ光ファイバが、その全長の一部分をマトリックスと直接接触させ、その全長の別の部分を管内に有することが可能であり、この場合、同じ光ファイバの別々の部分が別々の機能を有しうる(例えば、これらの部分はそれぞれ、伸びを測定し、温度を測定する)。
− 可撓性ストリップは、ポリマーマトリックスが連続強化繊維および少なくとも1つの光ファイバを含む複数の領域を備え、これらの領域は、ストリップの長手方向に互いに平行に、ストリップの幅方向に横に並べて配置され、連続強化繊維がないポリマーマトリックスの領域によって分離される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、可撓性ストリップの縦軸にほぼ平行に配置される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、可撓性ストリップの縦軸にほぼ平行な方向のまわりに、例えば正弦波の形の経路に従って配置される。
− 光ファイバは、少なくとも0.1mmのポリマーマトリックスで覆われ、または、さらに少なくとも0.5mmのポリマーマトリックスでも覆われる。
− 可撓性ストリップの少なくとも1つの外面に、ホスト媒体と前記ストリップの間の荷重伝達を最適にできる、ほぼ明確な、ある程度の凹凸またはざらつきがある。
− 可撓性ストリップの少なくとも1つの外縁に、ホスト媒体と前記ストリップの間の荷重伝達を最適にする切り欠き部がある。
【0029】
本発明はまた、特に熱溶接によって共に接合された可撓性ストリップのアレイに関し、これらの可撓性ストリップは、上記の実施形態のいずれか1つの特徴を含む。したがって、二次元空間で測定を実施することが可能である。
【0030】
本発明はまた、変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定するデバイスに関し、このデバイスは、上記の実施形態のいずれか1つの特徴を有する少なくとも1つの可撓性ストリップまたは上記の可撓性ストリップのアレイと、可撓性ストリップの少なくとも1つの光ファイバに接続され、光を放射すること、および前記光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定することが可能な測定デバイスとを備える。
【0031】
前記デバイスの一実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップが、ポリマーマトリックスと直接接触して配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、この光ファイバは、変形測定を実施するために使用される。
【0032】
前記デバイスの一実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップが、壁をポリマーマトリックスと直接接触させた管の中に配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、この光ファイバは、温度測定を実施するために使用される。
【0033】
本発明はまた、土木構造物中または土木構造物上で変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定する方法に関し、上記特徴のいずれか1つによるデバイスを使用し、光を放射するステップと、少なくとも1つの光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定するステップとを含む。
【0034】
この方法の一実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップは、ポリマーマトリックスと直接接触して配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、前記ファイバは変形測定を実施するために使用され、またポリマーマトリックスと直接その外壁を接触させた管の中に配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、前記ファイバは、温度測定を実施するために使用され、変形測定および温度測定は同時に実施される。
【0035】
この方法の別の実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップは、ポリマーマトリックスと直接接触して配置された少なくとも1つの光ファイバと、外壁をポリマーマトリックスと直接接触させた管の中に配置された少なくとも1つの光ファイバとを備え、これら2つの光ファイバは、干渉計測定値を同時に得るために使用される。
【0036】
本発明は、ただ単に一例として提示されている以下の説明を読むことによって、また添付の図面を参照することによって、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図2】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図3】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の縦軸に垂直な断面の概略図である。
【図4】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の縦軸に垂直な断面の概略図である。
【図5】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の縦軸に垂直な断面の概略図である。
【図6】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図7】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図8】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の幅および縦軸に沿った断面の概略図である。
【図9】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の幅および縦軸に沿った断面の概略図である。
【図10a】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略上面図である。
【図10b】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略上面図である。
【図10c】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略上面図である。
【図11】本発明による互いに接合された可撓性ストリップのアレイの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図を分かりやすくするために、各図に表された様々な要素は必ずしも原寸に比例していない。同じ符号は、これらの図中の同じ要素に対応する。
【0039】
図1は、本発明の可撓性ストリップ1の一実施形態の概略斜視図を示す。
この可撓性ストリップ1は、縦軸に沿って配置された光ファイバ20を備え、光ファイバ20は、前記可撓性ストリップの幅Lおよび厚さ(高さ)eに対して垂直であり、連続強化繊維30を含む熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれている。これらの連続強化繊維30は、光ファイバ20が収納されているチャネルを形成する領域10の中に配置される。幅L1の領域10は、実質的にストリップ1のコアに配置され、連続強化繊維がないポリマー母体の領域40によって取り囲まれる。図示された例では、領域40は、連続強化繊維を含む領域10の幅を考えた場合の各側面に位置する2つの横の領域41と、前記領域10の高さを考えた場合の各側面に位置する2つの領域42とを含む。図示された可撓性ストリップ1は、ストリップに沿って横方向および縦方向に伸びる主面70と、前記ストリップに沿って高さ方向および縦方向に延びる縁部80とを含む。この例では、表面70はほぼ平坦かつ均一であり、縁部80には丸みがある。
【0040】
一例として、
L=20mm
e=3mm
L1=15mm
WOF=330dtex
(単位「dtex」は10000m当たりのgに相当する)
WCF=150000dtex
WCF/WOF=450
である。
【0041】
図2は、本発明の可撓性ストリップ1の第2の実施形態の概略斜視図を示す。この可撓性ストリップは、光ファイバ20がそれぞれ収納されるチャネルを形成する複数の領域10を含む。2つの隣接するチャネルは、強化繊維がないポリマーマトリックスの壁43によって分離される。図2に示されたストリップは、図1に示されたタイプの複数の「疑似ストリップ」50を横に並べて置くことに相当すると考えることができる。
【0042】
一例として、
L(ストリップ1の全幅)=50mm
e=4mm
WOF=1320dtex
WCF=350000dtex
WCF/WOF=265
である。
【0043】
図3の断面図で図示された別の実施形態では、可撓性ストリップ1は、光ファイバ20がそれぞれ収納されたチャネルを形成する領域10が有するような、ほぼ長方形の断面を有する。一例として、チャネルを形成する領域10とストリップの主面70の間の領域42の厚さまたは高さe2は、前記ストリップの全厚または高さeの10〜30%の間である。光ファイバ20は、ストリップの主面70から距離e1のところに位置する。図示された例では、光ファイバはストリップの中心に位置する。
【0044】
一実施形態では、光ファイバの外面と本発明の可撓性ストリップの外壁との間の厚さ、例えば厚さe1は、ポリマーマトリックス(連続強化繊維あり、またはなしで)が少なくとも0.1mmであり、さらには前記のポリマーマトリックスが少なくとも0.5mmである。
【0045】
有利なことに、図1から図3に対応する可撓性ストリップは、スピンドル上に巻いて架設スプールまたはリールを作ることができる。これらの実施形態では、上主面70が下主面70に接触して可撓性ストリップを緊密に巻くことができる。
【0046】
図4および図5は、主面が平坦ではない、本発明による可撓性ストリップの他の実施形態の断面図を示す。しかし、これらのストリップでは、スピンドル上に巻いて架設スプールまたはリールを作ることが、前述の実施形態の場合ほど緊密にできない。
【0047】
図4に表示された実施形態では、光ファイバ20は、連続強化繊維がないポリマーマトリックス中で、ストリップの中心部分45に配置され、光ファイバ20を含む中心部分45の各側面に、連続強化繊維30を含むポリマーマトリックスの領域15がある。この中心部分45の各側面に、連続強化繊維および光ファイバがないウィング44が幅方向に外へ延びる。連続強化繊維を含むポリマーマトリックスの領域15は、連続強化繊維がないポリマーマトリックスの層46で覆われる。この領域15により、ストリップの機械抵抗が確保され、ウィング44の寸法は、可撓性ストリップとそれを取り囲む媒体との間の荷重伝達を最適にするように選択することができる。
【0048】
図4の実施形態の、図5に示された一変形例では、ウィング44の中にも光ファイバ20が配置されている。
【0049】
図4および図5による各実施形態の一例として、
e(可撓性ストリップの全厚)=20mm
e3(中心部分の厚さ)=5mm
e4(領域15の最大厚)=5mm
e5(層46の厚さ)=2.5mm
WCF=150000dtex
であり、
図4の実施形態では、
WOF=990dtex
WCF/WOF=150
であり、
図5の実施形態では、
WOF=1650dtex
WCF/WOF=90
である。
【0050】
図6および図7は、少なくとも1つの光ファイバ20が拘束されないで管60に収納されている、本発明の実施形態の概略斜視図を示す。これらの実施形態は、図1のものに類似した可撓性ストリップ構成の例で示されている。これらの実施形態が、上述の他の可撓性ストリップ、または本発明による他の任意の可撓性ストリップに当てはまりうることは言うまでもない。管60の中に配置されるファイバ20は、その全長がこの管の中に配置されることがあり、あるいはその全長の一部分だけが管の中に配置され、他の部分が場合によりポリマーマトリックスと一体化してつながることがあることに留意されたい。拘束されないで「管に収納された」光ファイバは、チャネル10(図示)の中に、あるいは連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域41(図示せず)の中に組み込むことができる。
【0051】
管内に配置された光ファイバは、それが設置されている可撓性ストリップに加わる応力とは本質的に無関係であることに留意されたい。このような構成は、温度測定を行うのに特に適している。
【0052】
図7の実施形態では、管60の中に配置された光ファイバは、ポリマーマトリックスと一体的に結合した光ファイバと並設されている。このようなストリップは、管内で拘束されていないファイバを使用して温度測定値と変形測定値を同時に得るのに特に適している。温度測定値を使用して、あらゆる熱機械変形および熱光学変形に関する測定値を補正することが可能であり、したがって、本質的に機械的原因による局部変形の正確な測定値を得ることが可能である。
これら2つの光ファイバを用いて干渉計測値を得ることも可能である。
【0053】
図8および図9は、図1に示したタイプの実施形態の可撓性ストリップの幅および全長に沿った、可撓性ストリップ内のファイバの経路を示す概略断面図である。領域10が示されており、その中に、光ファイバ20が設置され、またポリマーマトリックスが連続強化繊維を含み、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域41が領域10に隣接する。
【0054】
図8の例では、光ファイバは、可撓性ストリップの縦軸に平行な方向に配置されている。この実施形態では、光ファイバは、可撓性ストリップの変形とほぼ同じように縦方向に変形する。この構成は、わずかな変形、例えば4%未満、さらには2%未満の変形が測定されるべき場合に選択されることが好ましい。実際、光ファイバが破断する前の変形は、シリカをベースとする光ファイバの場合でおおむね4%以下であると推定される。
【0055】
図9の例では、光ファイバは、可撓性ストリップの縦軸に平行な方向に波長LPで進行する正弦波の形で配置されている。この実施形態では、可撓性ストリップの変形が光ファイバの破断点よりも大きい場合に測定値を得ることが可能になりうる。可撓性ストリップが伸びるとき、光ファイバは最初のうち、それが可撓性ストリップの縦軸にほぼ平行な位置に達するまで、波長LPが大きくなる正弦波へと伸びることができる。したがって、測定範囲を大幅に増大させることが可能であり、例えば10%〜20%程度の変形を測定することが可能である。
【0056】
図10aから図10cは、本発明による可撓性ストリップの幾つかの実施形態の概略上面図を示する。図示された異なる実施形態は、媒体と可撓性ストリップの間の荷重伝達を調整する可能性を示す。
【0057】
図10aは、可撓性ストリップの主面71が、小さい凹凸を有する実施形態を示す。平均的な摩擦係数が媒体と前記可撓性ストリップの間に生じる。
【0058】
図10bは、可撓性ストリップの主面72が、例えば前記可撓性ストリップの表面に横方向に配列された隆起部73を用いて得られるかなり大きい凹凸を備える。図10aに示された構成と比較して高い摩擦係数が媒体と前記可撓性ストリップの間に得られる。
【0059】
図10cは、可撓性ストリップが、縦に伸びる中心部分75と、中心部分75と連続して配置され、それと同じ材料からなる複数のセグメント76を備える可変幅の2つの横部分とを含む一実施形態を示す。このような可撓性ストリップの縁部は、中心部分75の範囲を定める直線線分82と、横部分の最大幅の部分の範囲を定める直線線分81とを含む。図示した例では、可撓性ストリップの主面74にはわずかに凹凸がある。セグメント76があることで、図10aに示された構成と比較して、分散したアンカーにより、媒体とストリップの間の密着性が極めて大幅に増大する。
【0060】
一般に、本発明の可撓性ストリップは、当業者に知られている技法を使用して押出し成形で製造することができる。
【0061】
図11は、本発明の複数の可撓性ストリップ1がアレイ2として配置され、ストリップの交点で互いに接合される本発明の一実施形態を概略的に示す。一例として、可撓性ストリップを交点90の領域で熱溶着によって、例えばストリップの表面を100℃から200℃の温度にすることによって、接着させることが可能である。
【0062】
したがって、構造物の寸法測定用の格子を得ること、ならびに変形および/または温度の平面マッピングを得ることが可能である。
【0063】
上述の可撓性ストリップは、光を放射すること、および前記可撓性ストリップ内に備えられた光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定することが可能な測定デバイスに接続することができる。これら可撓性ストリップは、変形および/または温度の位置および測定値を決定することを可能にするデバイスを形成し、このデバイスは、構造物中または構造物上に取り付けることができる。
【0064】
可撓性ストリップは、必要に応じて、構造物内で水平または垂直に、またはある角度に配置できることに留意されたい。
【0065】
本発明は、これらのタイプの実施形態に限定されず、非限定的に解釈されるべきであり、それによってあらゆる等価な実施形態が包含される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木構造物中または土木構造物上で変形および/または温度の測定を実行する少なくとも1つの光ファイバを含む可撓性ストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、土木構造物中または土木構造物上の変形などの破壊、および/または温度変化の位置を特定し測定することを目標とする。このような測定は一般に、例えば構造物が損傷を受け、劣化の危険にさらされているかどうかを判定するために長期にわたって行われ、これらの試験または測定により、特に予知保全のための予防監視が可能になる。
【0003】
既知の従来技術のデバイスでは、現場で測定値を得るために、監視されるべき構造体の中または表面に光ファイバが設置される。これらの光ファイバは一般に、80から500μmの間の直径、具体的には約150μmの直径を有し、光を伝搬可能にできるコアおよびクラッドからなる中心部分と、少なくとも1つの保護外装とを備える。
【0004】
しかし、このような光ファイバを土木構造物中または土木構造物上に組み入れると不都合が生じる。これらの光ファイバは脆弱であり、設置中または設置後に、光ファイバが受ける応力(せん断応力、ファイバの望ましくない曲げ)によって損傷を受ける可能性がある。場合によっては、光ファイバは、水またはアルカリイオンが浸透する危険のある特に「厳しい」環境で、例えば、このような「厳しい」環境と長期にわたり接触することが継続することで経時的に劣化しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、構造物、すなわち土木構造物または土木構造物の一部分について、変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定することを可能にするデバイスを提案することであり、これにより上記の不都合が防止される。本発明の別の目的は、このようなデバイスを妥当なコストで提供すること、および構造物に容易に取り付けられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって本発明は、縦軸に沿って縦方向に延びることができる、土木構造物中または土木構造物上に取り付けるための可撓性ストリップを提案するものであり、この可撓性ストリップは、構造物の変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定することを可能にする少なくとも1つの光ファイバを備え、前記光ファイバは、縦軸にほぼ沿って配置されるとともに、ほぼ縦軸に沿って連続強化繊維により少なくとも部分的に強化されている熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれ、ほぼ縦軸に沿って延びる連続強化繊維の重量WCFが、前記光ファイバの重量WOFの10倍以上である。
【0007】
前記可撓性ストリップは、土木構造物の機械抵抗に関して実質的に中性でありうること、あるいはこの構造部を強化する役割に寄与しうることに留意されたい。しかし、可撓性ストリップの材料は、構造物の主要部分の材料とは異なる。後者は、例えば土、コンクリート、および封止材料からなる。
【0008】
本発明の可撓性ストリップにより、1つまたは複数の光ファイバは、上述の機械的および物理化学的損壊から保護され、また構造物について変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定するための、構造物(ホスト環境)と光ファイバ間の測定に適した荷重伝達を保証することができる。
【0009】
「ストリップ」とは、縦軸に沿って長手方向に延びることができ、縦軸に対し垂直な幅よりもずっと長く、この幅が厚さ(または高さ)よりもずっと幅広い部分を意味すると理解されたい。例として、このようなストリップの長さは少なくとも1メートル、例えば約3〜10メートルであり、あるいはそれよりも大幅に長く(数十〜数百メートル、さらには数キロメートル)、幅は1から30cm、例えば5から10cmの間であり、厚さは1ミリメートルから数センチメートル、例えば2から10mmの間である。
【0010】
一例として、このような可撓性ストリップは、堤防、土手、または機械的に安定化された、もしくは突き固められた土の構造物に備え付けることができる。このようなストリップはまた、自然土の中に(単純な、または方向性のドリル孔によって)導入すること、および/または封止材料(モルタル、樹脂、または他の封止材料)に埋め込むこともできる。このようなストリップはまた、金属またはコンクリートの構造要素の上に配置することもでき、さらには直接コンクリート(橋、ダム、エプロンなどの要素)の中に組み入れることもできる。ストリップはまた、転圧コンクリート(RCC)のダムの中に、建設中に組み入れることもできる。ストリップは、例えばカルスト崩壊危険地域または大規模地滑り地域の、自然土の表面の浅い溝に入れることができる。
【0011】
「非常に有意に上回っている」とは、比較されている量に対して少なくとも量が2倍であることを意味すると理解されたい。
一実施形態では、ストリップの幅は、その厚さの少なくとも5倍より大きい。
【0012】
「可撓性ストリップ」とは、その長手方向に容易に変形できるストリップを意味すると理解されたい。一例として、ストリップは、それが200mmの曲率半径まで曲げることができる場合に可撓性と考えられる。
一実施形態では、可撓性ストリップは50mmの曲率半径まで曲げることができる。
【0013】
一実施形態では、ストリップは長さが非常に長く製造されており、構造物の上または中に組み入れるのに望ましい長さのストリップを作るために切断されることができる。その可撓性のために、非常に長いストリップをスピンドルの上に巻いて、現場で使用可能なスプールまたはリールを作ることができる。したがって、非常に長いストリップを移動させ、例えば建設現場でそれを展開し、場合により所望の長さに切断することは極めて容易である。
【0014】
このストリップの可撓性により、所望の測定を実施するために用意されて前記可撓性ストリップの中に備えられた光ファイバーを維持しながら、構造物上または構造物中で遭遇する可能性のある不規則さにストリップを適合させることが可能になる。これら不規則さは、例えば、構造物の形状に関連し、また光ファイバを損傷する可能性のある、骨材、強化鋼、突き固められた土中に存在する砂利/砂、封止モルタルの構成要素などの構造構成要素が存在することに関連することがある。
【0015】
加えて、本発明者らは、少なくとも1つの光ファイバを備えるストリップの形状のデバイスを選択することが、構造物の中、例えば堤防、土手、または補強土の構造物の中の変形測定値を得るのに特に有利であることを確認した。実際、ストリップ形により、環境(測定変量)とセンサの間の良好な荷重伝達が得られ、場合により、実効的な検出領域を増大させることによって測定変量の効果の増幅につながる。
【0016】
本発明者らは、光ファイバが、可撓性ストリップの縦軸にほぼ沿って延びる連続強化繊維を含む熱可塑性ポリマーマトリックスで取り囲まれていると、可撓性ストリップの耐用寿命および荷重伝達が、特に構造物の中に挿入された場合に著しく改善されることを確認した。本発明者らは、縦軸にほぼ沿って延びる連続強化繊維の重量が光ファイバの重量の10倍以上である場合に、このような可撓性ストリップの挙動に顕著な改善が生じることを確定することができた。
【0017】
本発明では、「ほぼ軸に沿った」方向とは、この軸に対して+10°と−10°の間、特に+5°と−5°の間の方向を意味すると理解されたい。一実施形態では、連続強化繊維は、可撓性ストリップの縦軸に沿って延びる。
【0018】
一実施形態では、熱可塑性ポリマーマトリックスは、次のマトリックスのリスト、すなわちポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリエーテルの中から選ばれる。
熱可塑性ポリマーマトリックスはまた、エラストマーを含みうる。
【0019】
一実施形態では、連続強化繊維は、そのマトリックスが次のマトリックスのリスト、すなわちポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの中から選ばれるポリマー繊維である。
【0020】
上記の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、連続強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、亜麻または麻繊維など繊維作物の繊維、および金属繊維の中から選ばれる。連続強化繊維は一般に、それだけには限らないが、複数の繊維を含む糸の形で集められる。
【0021】
連続強化繊維は、互いに平行になるように、かつストリップ軸の方向に従うように実質的に配列され、またはもっぱら配列される。連続強化繊維は、組み合わせて、ひも(1つまたは複数)、編みひも(1つまたは複数)、よりひも(1つまたは複数)にすることもできる。
【0022】
一実施形態では、光を伝搬可能にできる光ファイバの中心部分は鉱物であり、より具体的にはシリカをベースとする。
【0023】
別の実施形態では、この光ファイバの中心部分は有機物(「POF」、プラスチック光ファイバ)である。
【0024】
可撓性ストリップ内の光ファイバの重量(WOF)を計算するには、中心部分(コアおよびクラッド)と、この中心部分に接合された保護被覆とが考慮に入れられる。光ファイバは、特にケーブルを作るために他の保護物で覆われることがあるが、これら他の保護物は、WOF値を計算する際に考慮に入れられない。これら他の保護物は、金属外被で構成することができ、あるいは、例えば布および/または有機物層からなる様々な被覆で構成することができる。アセンブリ全体はケーブルの形状にすることができる。
【0025】
使用される光ファイバは、シングルモードまたはマルチモードでありうる。
一実施形態では、光ファイバはブラッグ格子を含む。別の実施形態では、光ファイバは、いかなる変換要素も追加せずに直接使用される。
【0026】
可撓性ストリップの光ファイバは、光を放射すること、および光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定することが可能な測定デバイスに接続されることが意図されている。
【0027】
使用可能な測定デバイスには次の、OTDR(光学的時間領域反射計)、OTDR−R(OTDR−ラマン)、BOTDR(ブリルアンOTDR)、OBR(レイリーベースの反射率計を使用する光学後方散乱反射率計)、ブラッグ格子を使用する反射率計、干渉計計測、および旋光計計測が含まれる。
【0028】
少なくとも1つの光ファイバを含む本発明の可撓性ストリップはさらに、以下の光学的特徴の1つ以上を個々に、または任意の可能な組み合わせで有することができる。
− ほぼ縦軸に沿って延びる連続強化繊維の重量WCFは、光ファイバの重量WOFの50倍以上である。
− 可撓性ストリップは、ほぼ均一に分散された連続強化繊維を前記ポリマーマトリックスが含み、かつ、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域によって取り囲まれた、少なくとも1つの領域を備える。
− ポリマーマトリックスの領域が連続強化繊維を含み、光ファイバがなく、この領域は少なくとも部分的に光ファイバを取り囲む。
− 少なくとも1つの光ファイバが、ポリマーマトリックスが連続強化繊維を含む領域内に配置される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、ポリマーマトリックスと直接接触して設置される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、外壁をポリマーマトリックスと直接接触させた管の中に配置され、同じ光ファイバが、その全長の一部分をマトリックスと直接接触させ、その全長の別の部分を管内に有することが可能であり、この場合、同じ光ファイバの別々の部分が別々の機能を有しうる(例えば、これらの部分はそれぞれ、伸びを測定し、温度を測定する)。
− 可撓性ストリップは、ポリマーマトリックスが連続強化繊維および少なくとも1つの光ファイバを含む複数の領域を備え、これらの領域は、ストリップの長手方向に互いに平行に、ストリップの幅方向に横に並べて配置され、連続強化繊維がないポリマーマトリックスの領域によって分離される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、可撓性ストリップの縦軸にほぼ平行に配置される。
− 少なくとも1つの光ファイバが、可撓性ストリップの縦軸にほぼ平行な方向のまわりに、例えば正弦波の形の経路に従って配置される。
− 光ファイバは、少なくとも0.1mmのポリマーマトリックスで覆われ、または、さらに少なくとも0.5mmのポリマーマトリックスでも覆われる。
− 可撓性ストリップの少なくとも1つの外面に、ホスト媒体と前記ストリップの間の荷重伝達を最適にできる、ほぼ明確な、ある程度の凹凸またはざらつきがある。
− 可撓性ストリップの少なくとも1つの外縁に、ホスト媒体と前記ストリップの間の荷重伝達を最適にする切り欠き部がある。
【0029】
本発明はまた、特に熱溶接によって共に接合された可撓性ストリップのアレイに関し、これらの可撓性ストリップは、上記の実施形態のいずれか1つの特徴を含む。したがって、二次元空間で測定を実施することが可能である。
【0030】
本発明はまた、変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定するデバイスに関し、このデバイスは、上記の実施形態のいずれか1つの特徴を有する少なくとも1つの可撓性ストリップまたは上記の可撓性ストリップのアレイと、可撓性ストリップの少なくとも1つの光ファイバに接続され、光を放射すること、および前記光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定することが可能な測定デバイスとを備える。
【0031】
前記デバイスの一実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップが、ポリマーマトリックスと直接接触して配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、この光ファイバは、変形測定を実施するために使用される。
【0032】
前記デバイスの一実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップが、壁をポリマーマトリックスと直接接触させた管の中に配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、この光ファイバは、温度測定を実施するために使用される。
【0033】
本発明はまた、土木構造物中または土木構造物上で変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定する方法に関し、上記特徴のいずれか1つによるデバイスを使用し、光を放射するステップと、少なくとも1つの光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定するステップとを含む。
【0034】
この方法の一実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップは、ポリマーマトリックスと直接接触して配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、前記ファイバは変形測定を実施するために使用され、またポリマーマトリックスと直接その外壁を接触させた管の中に配置された少なくとも1つの光ファイバを備え、前記ファイバは、温度測定を実施するために使用され、変形測定および温度測定は同時に実施される。
【0035】
この方法の別の実施形態では、少なくとも1つの可撓性ストリップは、ポリマーマトリックスと直接接触して配置された少なくとも1つの光ファイバと、外壁をポリマーマトリックスと直接接触させた管の中に配置された少なくとも1つの光ファイバとを備え、これら2つの光ファイバは、干渉計測定値を同時に得るために使用される。
【0036】
本発明は、ただ単に一例として提示されている以下の説明を読むことによって、また添付の図面を参照することによって、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図2】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図3】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の縦軸に垂直な断面の概略図である。
【図4】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の縦軸に垂直な断面の概略図である。
【図5】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の縦軸に垂直な断面の概略図である。
【図6】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図7】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略斜視図である。
【図8】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の幅および縦軸に沿った断面の概略図である。
【図9】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の幅および縦軸に沿った断面の概略図である。
【図10a】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略上面図である。
【図10b】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略上面図である。
【図10c】本発明の可撓性ストリップの一実施形態の概略上面図である。
【図11】本発明による互いに接合された可撓性ストリップのアレイの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図を分かりやすくするために、各図に表された様々な要素は必ずしも原寸に比例していない。同じ符号は、これらの図中の同じ要素に対応する。
【0039】
図1は、本発明の可撓性ストリップ1の一実施形態の概略斜視図を示す。
この可撓性ストリップ1は、縦軸に沿って配置された光ファイバ20を備え、光ファイバ20は、前記可撓性ストリップの幅Lおよび厚さ(高さ)eに対して垂直であり、連続強化繊維30を含む熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれている。これらの連続強化繊維30は、光ファイバ20が収納されているチャネルを形成する領域10の中に配置される。幅L1の領域10は、実質的にストリップ1のコアに配置され、連続強化繊維がないポリマー母体の領域40によって取り囲まれる。図示された例では、領域40は、連続強化繊維を含む領域10の幅を考えた場合の各側面に位置する2つの横の領域41と、前記領域10の高さを考えた場合の各側面に位置する2つの領域42とを含む。図示された可撓性ストリップ1は、ストリップに沿って横方向および縦方向に伸びる主面70と、前記ストリップに沿って高さ方向および縦方向に延びる縁部80とを含む。この例では、表面70はほぼ平坦かつ均一であり、縁部80には丸みがある。
【0040】
一例として、
L=20mm
e=3mm
L1=15mm
WOF=330dtex
(単位「dtex」は10000m当たりのgに相当する)
WCF=150000dtex
WCF/WOF=450
である。
【0041】
図2は、本発明の可撓性ストリップ1の第2の実施形態の概略斜視図を示す。この可撓性ストリップは、光ファイバ20がそれぞれ収納されるチャネルを形成する複数の領域10を含む。2つの隣接するチャネルは、強化繊維がないポリマーマトリックスの壁43によって分離される。図2に示されたストリップは、図1に示されたタイプの複数の「疑似ストリップ」50を横に並べて置くことに相当すると考えることができる。
【0042】
一例として、
L(ストリップ1の全幅)=50mm
e=4mm
WOF=1320dtex
WCF=350000dtex
WCF/WOF=265
である。
【0043】
図3の断面図で図示された別の実施形態では、可撓性ストリップ1は、光ファイバ20がそれぞれ収納されたチャネルを形成する領域10が有するような、ほぼ長方形の断面を有する。一例として、チャネルを形成する領域10とストリップの主面70の間の領域42の厚さまたは高さe2は、前記ストリップの全厚または高さeの10〜30%の間である。光ファイバ20は、ストリップの主面70から距離e1のところに位置する。図示された例では、光ファイバはストリップの中心に位置する。
【0044】
一実施形態では、光ファイバの外面と本発明の可撓性ストリップの外壁との間の厚さ、例えば厚さe1は、ポリマーマトリックス(連続強化繊維あり、またはなしで)が少なくとも0.1mmであり、さらには前記のポリマーマトリックスが少なくとも0.5mmである。
【0045】
有利なことに、図1から図3に対応する可撓性ストリップは、スピンドル上に巻いて架設スプールまたはリールを作ることができる。これらの実施形態では、上主面70が下主面70に接触して可撓性ストリップを緊密に巻くことができる。
【0046】
図4および図5は、主面が平坦ではない、本発明による可撓性ストリップの他の実施形態の断面図を示す。しかし、これらのストリップでは、スピンドル上に巻いて架設スプールまたはリールを作ることが、前述の実施形態の場合ほど緊密にできない。
【0047】
図4に表示された実施形態では、光ファイバ20は、連続強化繊維がないポリマーマトリックス中で、ストリップの中心部分45に配置され、光ファイバ20を含む中心部分45の各側面に、連続強化繊維30を含むポリマーマトリックスの領域15がある。この中心部分45の各側面に、連続強化繊維および光ファイバがないウィング44が幅方向に外へ延びる。連続強化繊維を含むポリマーマトリックスの領域15は、連続強化繊維がないポリマーマトリックスの層46で覆われる。この領域15により、ストリップの機械抵抗が確保され、ウィング44の寸法は、可撓性ストリップとそれを取り囲む媒体との間の荷重伝達を最適にするように選択することができる。
【0048】
図4の実施形態の、図5に示された一変形例では、ウィング44の中にも光ファイバ20が配置されている。
【0049】
図4および図5による各実施形態の一例として、
e(可撓性ストリップの全厚)=20mm
e3(中心部分の厚さ)=5mm
e4(領域15の最大厚)=5mm
e5(層46の厚さ)=2.5mm
WCF=150000dtex
であり、
図4の実施形態では、
WOF=990dtex
WCF/WOF=150
であり、
図5の実施形態では、
WOF=1650dtex
WCF/WOF=90
である。
【0050】
図6および図7は、少なくとも1つの光ファイバ20が拘束されないで管60に収納されている、本発明の実施形態の概略斜視図を示す。これらの実施形態は、図1のものに類似した可撓性ストリップ構成の例で示されている。これらの実施形態が、上述の他の可撓性ストリップ、または本発明による他の任意の可撓性ストリップに当てはまりうることは言うまでもない。管60の中に配置されるファイバ20は、その全長がこの管の中に配置されることがあり、あるいはその全長の一部分だけが管の中に配置され、他の部分が場合によりポリマーマトリックスと一体化してつながることがあることに留意されたい。拘束されないで「管に収納された」光ファイバは、チャネル10(図示)の中に、あるいは連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域41(図示せず)の中に組み込むことができる。
【0051】
管内に配置された光ファイバは、それが設置されている可撓性ストリップに加わる応力とは本質的に無関係であることに留意されたい。このような構成は、温度測定を行うのに特に適している。
【0052】
図7の実施形態では、管60の中に配置された光ファイバは、ポリマーマトリックスと一体的に結合した光ファイバと並設されている。このようなストリップは、管内で拘束されていないファイバを使用して温度測定値と変形測定値を同時に得るのに特に適している。温度測定値を使用して、あらゆる熱機械変形および熱光学変形に関する測定値を補正することが可能であり、したがって、本質的に機械的原因による局部変形の正確な測定値を得ることが可能である。
これら2つの光ファイバを用いて干渉計測値を得ることも可能である。
【0053】
図8および図9は、図1に示したタイプの実施形態の可撓性ストリップの幅および全長に沿った、可撓性ストリップ内のファイバの経路を示す概略断面図である。領域10が示されており、その中に、光ファイバ20が設置され、またポリマーマトリックスが連続強化繊維を含み、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域41が領域10に隣接する。
【0054】
図8の例では、光ファイバは、可撓性ストリップの縦軸に平行な方向に配置されている。この実施形態では、光ファイバは、可撓性ストリップの変形とほぼ同じように縦方向に変形する。この構成は、わずかな変形、例えば4%未満、さらには2%未満の変形が測定されるべき場合に選択されることが好ましい。実際、光ファイバが破断する前の変形は、シリカをベースとする光ファイバの場合でおおむね4%以下であると推定される。
【0055】
図9の例では、光ファイバは、可撓性ストリップの縦軸に平行な方向に波長LPで進行する正弦波の形で配置されている。この実施形態では、可撓性ストリップの変形が光ファイバの破断点よりも大きい場合に測定値を得ることが可能になりうる。可撓性ストリップが伸びるとき、光ファイバは最初のうち、それが可撓性ストリップの縦軸にほぼ平行な位置に達するまで、波長LPが大きくなる正弦波へと伸びることができる。したがって、測定範囲を大幅に増大させることが可能であり、例えば10%〜20%程度の変形を測定することが可能である。
【0056】
図10aから図10cは、本発明による可撓性ストリップの幾つかの実施形態の概略上面図を示する。図示された異なる実施形態は、媒体と可撓性ストリップの間の荷重伝達を調整する可能性を示す。
【0057】
図10aは、可撓性ストリップの主面71が、小さい凹凸を有する実施形態を示す。平均的な摩擦係数が媒体と前記可撓性ストリップの間に生じる。
【0058】
図10bは、可撓性ストリップの主面72が、例えば前記可撓性ストリップの表面に横方向に配列された隆起部73を用いて得られるかなり大きい凹凸を備える。図10aに示された構成と比較して高い摩擦係数が媒体と前記可撓性ストリップの間に得られる。
【0059】
図10cは、可撓性ストリップが、縦に伸びる中心部分75と、中心部分75と連続して配置され、それと同じ材料からなる複数のセグメント76を備える可変幅の2つの横部分とを含む一実施形態を示す。このような可撓性ストリップの縁部は、中心部分75の範囲を定める直線線分82と、横部分の最大幅の部分の範囲を定める直線線分81とを含む。図示した例では、可撓性ストリップの主面74にはわずかに凹凸がある。セグメント76があることで、図10aに示された構成と比較して、分散したアンカーにより、媒体とストリップの間の密着性が極めて大幅に増大する。
【0060】
一般に、本発明の可撓性ストリップは、当業者に知られている技法を使用して押出し成形で製造することができる。
【0061】
図11は、本発明の複数の可撓性ストリップ1がアレイ2として配置され、ストリップの交点で互いに接合される本発明の一実施形態を概略的に示す。一例として、可撓性ストリップを交点90の領域で熱溶着によって、例えばストリップの表面を100℃から200℃の温度にすることによって、接着させることが可能である。
【0062】
したがって、構造物の寸法測定用の格子を得ること、ならびに変形および/または温度の平面マッピングを得ることが可能である。
【0063】
上述の可撓性ストリップは、光を放射すること、および前記可撓性ストリップ内に備えられた光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された光の特性を測定することが可能な測定デバイスに接続することができる。これら可撓性ストリップは、変形および/または温度の位置および測定値を決定することを可能にするデバイスを形成し、このデバイスは、構造物中または構造物上に取り付けることができる。
【0064】
可撓性ストリップは、必要に応じて、構造物内で水平または垂直に、またはある角度に配置できることに留意されたい。
【0065】
本発明は、これらのタイプの実施形態に限定されず、非限定的に解釈されるべきであり、それによってあらゆる等価な実施形態が包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸に沿って縦方向に延びることができる、土木構造物中または土木構造物上に取り付けるための可撓性ストリップ(1)であって、前記構造物の変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定することを可能にする少なくとも1つの光ファイバ(20)を備え、前記光ファイバ(20)は、前記縦軸にほぼ沿って配置されるとともに、前記縦軸にほぼ沿って連続強化繊維(30)によって少なくとも部分的に強化されている熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれ、前記縦軸にほぼ沿って延びる連続強化繊維の重量WCFが、光ファイバの重量WOFの10倍以上である、可撓性ストリップ。
【請求項2】
ほぼ均一に分散された前記連続強化繊維(30)を前記ポリマーマトリックスが含み、かつ、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域(40)によって取り囲まれた少なくとも1つの領域(10、15)を備えることを特徴とする、上記請求項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項3】
前記ポリマーマトリックスが連続強化繊維(30)を含むが光ファイバのない領域(15)が、少なくとも部分的に光ファイバ(20)を取り囲むことを特徴とする、前記請求項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項4】
前記ポリマーマトリックスが連続強化繊維(30)を含む領域(10)内に、少なくとも1つの光ファイバ(20)が配置されることを特徴とする、請求項2に記載の可撓性ストリップ。
【請求項5】
少なくとも1つの光ファイバ(20)が前記ポリマーマトリックスに直接接触して設置されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項6】
少なくとも1つの光ファイバ(20)が、外壁を前記ポリマーマトリックスに直接接触させた管(60)の中に配置されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項7】
前記ポリマーマトリックスが連続強化繊維(30)および少なくとも1つの光ファイバ(20)を含む複数の領域を備え、これらの領域が、前記ストリップの長手方向に互いに平行に、前記ストリップの幅方向に横に並べて配置され、かつ、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域(43)によって分離される、請求項4から6のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項8】
少なくとも1つの光ファイバが、前記可撓性ストリップの前記縦軸にほぼ平行に配置されることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項9】
少なくとも1つの光ファイバが、前記可撓性ストリップの前記縦軸にほぼ平行な方向のまわりに、例えば正弦波の形の経路に従って配置されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項10】
特に熱溶着によって共に接合された可撓性ストリップのアレイであって、前記可撓性ストリップが請求項1から9のいずれか一項に記載の特徴を有する、可撓性ストリップのアレイ。
【請求項11】
変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定するデバイスであって、請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの可撓性ストリップ(1)または請求項10に記載の可撓性ストリップのアレイと、可撓性ストリップの少なくとも1つの光ファイバに接続され、光を放射すること、および前記光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された前記光の特性を測定することが可能な測定デバイスとを備えるデバイス。
【請求項12】
少なくとも1つの可撓性ストリップは請求項5に記載の特徴を有し、前記ポリマーマトリックスと直接接触して配置された前記光ファイバが、変形測定を実施するために使用される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
少なくとも1つの可撓性ストリップは請求項6に記載の特徴を有し、管の中に配置された前記光ファイバが、温度測定を実施するために使用される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
土木構造物中または土木構造物上の変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定する方法であって、請求項11から13のいずれか一項に記載のデバイスを使用し、光を放射するステップと、前記デバイスの少なくとも1つの光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された前記光の特性を測定するステップとを含む方法。
【請求項15】
前記デバイスが請求項12および13の両方に記載の特徴を有すること、および前記変形測定および温度測定が同時に実施されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項1】
縦軸に沿って縦方向に延びることができる、土木構造物中または土木構造物上に取り付けるための可撓性ストリップ(1)であって、前記構造物の変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定することを可能にする少なくとも1つの光ファイバ(20)を備え、前記光ファイバ(20)は、前記縦軸にほぼ沿って配置されるとともに、前記縦軸にほぼ沿って連続強化繊維(30)によって少なくとも部分的に強化されている熱可塑性ポリマーマトリックスによって取り囲まれ、前記縦軸にほぼ沿って延びる連続強化繊維の重量WCFが、光ファイバの重量WOFの10倍以上である、可撓性ストリップ。
【請求項2】
ほぼ均一に分散された前記連続強化繊維(30)を前記ポリマーマトリックスが含み、かつ、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域(40)によって取り囲まれた少なくとも1つの領域(10、15)を備えることを特徴とする、上記請求項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項3】
前記ポリマーマトリックスが連続強化繊維(30)を含むが光ファイバのない領域(15)が、少なくとも部分的に光ファイバ(20)を取り囲むことを特徴とする、前記請求項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項4】
前記ポリマーマトリックスが連続強化繊維(30)を含む領域(10)内に、少なくとも1つの光ファイバ(20)が配置されることを特徴とする、請求項2に記載の可撓性ストリップ。
【請求項5】
少なくとも1つの光ファイバ(20)が前記ポリマーマトリックスに直接接触して設置されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項6】
少なくとも1つの光ファイバ(20)が、外壁を前記ポリマーマトリックスに直接接触させた管(60)の中に配置されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項7】
前記ポリマーマトリックスが連続強化繊維(30)および少なくとも1つの光ファイバ(20)を含む複数の領域を備え、これらの領域が、前記ストリップの長手方向に互いに平行に、前記ストリップの幅方向に横に並べて配置され、かつ、連続強化繊維のないポリマーマトリックスの領域(43)によって分離される、請求項4から6のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項8】
少なくとも1つの光ファイバが、前記可撓性ストリップの前記縦軸にほぼ平行に配置されることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項9】
少なくとも1つの光ファイバが、前記可撓性ストリップの前記縦軸にほぼ平行な方向のまわりに、例えば正弦波の形の経路に従って配置されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の可撓性ストリップ。
【請求項10】
特に熱溶着によって共に接合された可撓性ストリップのアレイであって、前記可撓性ストリップが請求項1から9のいずれか一項に記載の特徴を有する、可撓性ストリップのアレイ。
【請求項11】
変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定するデバイスであって、請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの可撓性ストリップ(1)または請求項10に記載の可撓性ストリップのアレイと、可撓性ストリップの少なくとも1つの光ファイバに接続され、光を放射すること、および前記光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された前記光の特性を測定することが可能な測定デバイスとを備えるデバイス。
【請求項12】
少なくとも1つの可撓性ストリップは請求項5に記載の特徴を有し、前記ポリマーマトリックスと直接接触して配置された前記光ファイバが、変形測定を実施するために使用される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
少なくとも1つの可撓性ストリップは請求項6に記載の特徴を有し、管の中に配置された前記光ファイバが、温度測定を実施するために使用される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
土木構造物中または土木構造物上の変形の位置および測定値、および/または温度の測定値を決定する方法であって、請求項11から13のいずれか一項に記載のデバイスを使用し、光を放射するステップと、前記デバイスの少なくとも1つの光ファイバ内で反射、後方散乱、または伝送された前記光の特性を測定するステップとを含む方法。
【請求項15】
前記デバイスが請求項12および13の両方に記載の特徴を有すること、および前記変形測定および温度測定が同時に実施されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【公表番号】特表2013−516621(P2013−516621A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547537(P2012−547537)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050047
【国際公開番号】WO2011/083286
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(508058228)テール アルメ アンテルナショナル (3)
【氏名又は名称原語表記】TERRE ARMEE INTERNATIONALE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050047
【国際公開番号】WO2011/083286
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(508058228)テール アルメ アンテルナショナル (3)
【氏名又は名称原語表記】TERRE ARMEE INTERNATIONALE
【Fターム(参考)】
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