説明

外部検査装置

【課題】個体ロール紙の下部について外部異常の検出を可能とする。
【解決手段】長尺ロール紙Rを一定の長さに切り分けてなる個体ロール紙Tを搬送する搬送手段12と、搬送手段により搬送される個体ロール紙の外部の異常を検出する検出手段15を備え、搬送手段は、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙を水平方向における両側から挟んで搬送する一対のコンベア機構12a,12bを有し、検出手段は、一対のコンベア機構により搬送される個体ロール紙を下方から外部の異常の検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺ロール紙を切り分けられた個体ロール紙の外部異常を検出する外部検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個体ロール紙の製造過程は、紙材料から幅広の紙を製造し、幅広紙を巻戻して長尺ロール紙を作成し、この長尺のロール紙を一定の長さに切断し、寸法の適否、外部の汚れの付着又は巻戻し終端部の糊付けの適否等の外部検査を行った後に包装が行われる。
例えば、特許文献1に記載の先行技術の場合、切断後の個体ロール紙を載置して搬送するトップチェーンコンベア機構と、当該コンベア機構に載置されて搬送される個体ロール紙に対して上方から長さを検出する光電センサとを備える外部検査装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−189460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の外部検査方式の場合、コンベア機構に載置された状態の個体ロール紙を上方から検査するため、個体ロール紙の下部及びその周辺については検査を行うことができないという問題があった。その場合、切断が長尺ロール紙に対して垂直に行われず、個体ロール紙の上部と下部で寸法が異なる場合等の検査を行うことができなかった。
また、上記従来の外部検査方式は、個体ロール紙の長さ検査に限らず、汚れや異物の付着、糊付け不良などの外部異常の検査にも容易に転用可能であるが、その場合でも同様に、個体ロール紙の下部及びその周辺については検査を行うことができないという問題があった。特に、個体ロール紙の表面的な異常の検査の場合、上部や両側部については、センサを使用せずに視認で検査を行うことも可能だが、載置状態にある個体ロール紙の場合には、下部は全く隠れて見えないことから、その必要性は高いものとなっていた。
また、上記問題解決策として、個体ロール紙の向きを変えて検査を行うことも容易に考えられるが、その場合、作業工程が一つ増えてしまうことから、作業効率を低下させるという問題があった。
【0005】
本発明は、作業効率を損なうことなく、搬送時に下側となる個体ロール紙の部位の外部検査を行うことを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、長尺ロール紙を一定の長さに切り分けてなる個体ロール紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される個体ロール紙の外部の異常を検出する検出手段を備え、前記搬送手段は、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙を水平方向における両側から挟んで搬送する一対のコンベア機構を有し、前記検出手段は、前記一対のコンベア機構により搬送される個体ロール紙を下方から外部の異常の検出を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、長尺ロール紙を一定の長さに切り分けてなる個体ロール紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される個体ロール紙の外部の異常を検出する検出手段を備え、前記搬送手段は、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙の最下部を挟んで水平方向における両側で下部を載置して搬送する一対のコンベア機構を有し、前記検出手段は、前記一対のコンベア機構により搬送される個体ロール紙を下方から外部の異常の検出を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記搬送手段とは別に、前記個体ロール紙を載置して搬送する他の搬送手段を有し、前記検出手段とは別に、前記他の搬送手段により搬送される個体ロール紙を上方又は側方から外部の異常の検出を行う他の検出手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明は、一対のコンベア機構により、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙を水平方向における両側から挟んで搬送するので、個体ロール紙の下方が外部から遮蔽されることなく搬送が行われる。そして、検出手段が搬送中の個体ロール紙を下方から検査するので、個体ロール紙の下部について外部の異常を検出することが可能となる。
また、個体ロール紙は向きを変える必要がないので、作業効率の低下を回避することが可能である。
なお、「外部の異常」とは、外観的な異常、さらには、外部から検出可能な異常、例えば、外部の寸法、汚れ・異物の付着、傷の有無、紙の終端を糊付けする場合には糊付け不良等である。また、「コンベア機構」とは、ベルト式、チェーン式、ネジ式、ローラー式等全般のコンベア機構を含む意味である。
【0010】
請求項2記載の発明は、一対のコンベア機構により、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙をその最下部を挟んで水平方向における両側から下部を載置して搬送するので、個体ロール紙の最下部が外部から遮蔽されることなく搬送が行われる。そして、検出手段が搬送中の個体ロール紙を下方から検査するので、個体ロール紙の最下部について外部の異常を検出することが可能となる。
また、個体ロール紙は向きを変える必要がないので、作業効率の低下を回避することが可能である。
なお、「外部の異常」、「コンベア機構」については請求項1と同様である。
【0011】
請求項3記載の発明は、他の搬送機構が個体ロール紙を載置して搬送し、他のセンサが他の搬送機構により搬送される個体ロール紙を下方以外の方向から外部の異常の検出を行うので、個体ロール紙の下方のみにかかわらず他の部位についても外部の異常を検出することが可能となる。
なお、「他のセンサ」は上方と側方等の複数方向から検出を行う複数のセンサから構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】発明の実施形態であるトイレットペーパーの外部検査装置の主要構成を示した概略構成図である。
【図2】図2(A)は第一の検出手段を搬送方向の下流側から見た配置説明図、図2(B)は第二の検出手段を搬送方向の下流側から見た配置説明図である。
【図3】トイレットペーパーの最下部を挟んで水平方向両側でトイレットペーパーの下部を載置する一対のベルトコンベア機構の配置を搬送方向下流側から見た配置説明図である。
【図4】第一及び第二の検出手段の他の配置例を搬送方向下流側から見た配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の実施形態の概略)
図1は本発明の実施形態である個体ロール紙としてのトイレットペーパーTの外部検査装置10の主要構成を示した概略構成図である。以下、これにより、外部検査装置10を詳細に説明する。
上記外部検査装置10は、幅広ペーパーを巻戻してなる長尺ロール紙Rを一定の目標長さに切断する切断装置20と切断により形成されたトイレットペーパーTを袋詰めする梱包装置(図示略)との間に設けられ、装置間で搬送される切断後のトイレットペーパーTの外部異常を検査すると共に異常と判定されたものについては製造ラインから排除する機能を有している。
なお、この外部検査装置10では、トイレットペーパーTを水平な一定方向に搬送を行うようになっており、当該一定方向を以下の説明では搬送方向Fというものとする。また、水平であって搬送方向Fに直交する方向を左右方向、搬送方向及び左右方向に直交する方向を上下方向というものとする。
【0014】
(切断装置)
切断装置20は、長尺ロール紙Rをその中心線が搬送方向Fに沿った状態を維持しながら目標となる切断長(トイレットペーパーの幅)で繰り出しを行う送り機構21と、繰り出された長尺ロール紙Rを搬送方向に垂直な切断面が形成されるように切断を行う裁断機22とから主に構成される。
上記送り機構21は、長尺ロール紙Rを載置して搬送方向に沿って搬送するベルトコンベア機構である。かかる送り機構21は、その搬送駆動源をサーボモータとし、繰り出し量が目標値となるよう精度向上が図られている。繰り出し量は、そのままトイレットペーパーTの中心線方向長さとなるため、これにより、毎回の切断によるトイレットペーパーTの寸法精度の均一化、精密化を図っている。
【0015】
裁断機22は、搬送方向Fに回転中心線を平行にして回転を行う丸刃を備え、その回転駆動機構は、搬送方向Fに回転中心線を平行にして丸刃に周回運動を付与する構造となっている。これにより、一定周期で繰り出される長尺ロール紙Rの繰り出し経路を、周回運動を行う丸刃が一定周期で通過することとなり、当該周期に同期させて長尺ロール紙を繰り出すことにより、長尺ロール紙Rから一定の長さでトイレットペーパーTの切り出しを行うことを可能としている。
【0016】
(外部検査装置)
外部検査装置10は、裁断機22から切り出されたトイレットペーパーTを受け取り可能な位置に設けられた第一のコンベア機構11と、第一のコンベア機構11からトイレットペーパーTを受け取って搬送する第二のコンベア機構12と、第二のコンベア機構12からトイレットペーパーTを受け取って梱包装置に搬送する第三のコンベア機構13と、第一のコンベア機構11によって搬送されるトイレットペーパーTの外部の異常を検出する第一の検出手段14と、第二のコンベア機構12によって搬送されるトイレットペーパーTの外部の異常を検出する第二の検出手段15と、各検出手段14,15の検出結果に応じてトイレットペーパーTを選別する選別機構16と、これら各構成を制御する図示しない制御装置とを備えている。
【0017】
上記第一のコンベア機構11は、トイレットペーパーTの載置面が水平に向けられ、搬送方向Fに沿って搬送を行うベルトコンベア機構である。この第一のコンベア機構11は、その搬送方向上流側の端部が裁断機22の丸刃に近接する位置まで延設されており、送り機構21で繰り出された長尺ロール紙Rの先端部がそのまま載置され、切断後のトイレットペーパーTはそのまま載置状態が維持されて搬送されるようになっている。
【0018】
上記第二のコンベア機構12は、第一のコンベア機構11により中心線が搬送方向Fに沿った状態で搬送されるトイレットペーパーTを左右方向の両側から挟んで搬送する一対のコンベア機構12a,12bから構成されている。これらのベルトコンベア機構12a,12bは、前端及び後端位置を揃えた状態で無端環状のベルトの互いに対向する面が同じ速度で同じ方向に搬送されるように設置されている。これらのベルトコンベア機構12a,12bは、トイレットペーパーTを挟んで搬送する必要上、左右方向における相互の間隔がトイレットペーパーTの直径と等しいか或いはトイレットペーパーTの柔軟性を考慮してトイレットペーパーTの直径よりに幾分狭い間隔となるよう対向配置されている。
また、これらベルトコンベア機構12a,12bは、その搬送方向上流側の端部が第一のコンベア機構11の下流側端部と搬送方向について一部重複するように配置されている。さらに、各ベルトコンベア機構12a,12bは、各ベルトの幅方向中間位置がトイレットペーパーTの半径と同じ高さだけ第一のコンベア機構11の載置面より高く設置されている。これらにより、第一のコンベア機構11により搬送されてきたトイレットペーパーTを、各ベルトコンベア機構12a,12bが直径の両端部の位置で挟んで保持することを可能とする。さらにまた、第一と第二のコンベア機構11,12を同じ搬送速度で駆動することにより、第一のコンベア機構11から第二のコンベア機構12へのトイレットペーパーTの受け渡しを円滑に行うことを可能としている。各コンベア機構の重複長さは、トイレットペーパーTの長さと同程度或いは幾分短く設定されている。
また、各ベルトコンベア機構12a,12bは、トイレットペーパーTを挟んで搬送する際に外側に撓むとトイレットペーパーTを保持することができなくなるので、撓みが低減するようベルトを強力に張った状態とすることが望ましい。また或いは、ベルトの背面側にトイレットペーパー側に背圧を付与するためにバックアップ用のコロを搬送方向に沿って複数設けたり、背圧を付与するためにベルトの背面に弾性体を配置しても良い。
【0019】
第三のコンベア機構13は、トイレットペーパーTの載置面が水平に向けられ、搬送方向Fに沿って搬送を行うベルトコンベア機構である。この第三のコンベア機構13は、その搬送方向上流側の端部が第二のコンベア機構12の下流側端部と搬送方向について一部重複するように配置されている。さらに、第三のコンベア機構13はその載置面が、第二のコンベア機構の各ベルトコンベア機構12a,12bのベルトの幅方向中間位置に対してトイレットペーパーTの半径と同じ距離(或いは半径より僅かに長い距離)だけ低くなるように設置されている。これにより、第二のコンベア機構12により搬送されてきたトイレットペーパーTの最下部を丁度第三のベルトコンベア機構13の載置面上に載せることを可能とする。各ベルトコンベア機構12a,12bが直径の両端部の位置で挟んで保持することを可能とする。さらにまた、第二と第三のコンベア機構12,13を同じ搬送速度で駆動することにより、第二のコンベア機構12から第三のコンベア機構13へのトイレットペーパーTの受け渡しを円滑に行うことを可能としている。なお、この場合も,各コンベア機構の重複長さは、トイレットペーパーTの長さと同程度或いは幾分短く設定されている。
【0020】
図2(A)は第一の検出手段14を搬送方向Fの下流側から見た配置説明図である。この第一の検出手段14は、第一のコンベア機構11により搬送されるトイレットペーパーTを上方から撮像する第一のカメラ14aと左方から撮像する第二のカメラ14bと右方から撮像する第三のカメラ14cとから構成されている。これにより、搬送されるトイレットペーパーTの外周面の上部と左側部と右側部の撮像画像を得ることができる。
【0021】
図2(B)は第二の検出手段15を搬送方向Fの下流側から見た配置説明図である。この第二の検出手段15は、第二のコンベア機構12により搬送されるトイレットペーパーTを下方から撮像する第四のカメラから構成されている。これにより、搬送されるトイレットペーパーTの外周面の下部の撮像画像を得ることができる。
【0022】
選別機構16は、エアーシリンダー等の進退動作を行うアクチュエータ16aと、第三のコンベア機構13から左方に分岐した排出経路16bとを備えており、制御装置の制御の下、外部に異常があると判定されたトイレットペーパーTをアクチュエータ16aにより第三のコンベア機構13の上から排出経路16bに排出することを可能としている。
【0023】
(制御装置)
制御装置は、各コンベア機構11,12の駆動源を制御し、切断後の搬送量からトイレットペーパーTが第一の検出手段14及び第二の検出手段15に位置するか否かを判定して各検出手段の位置で停止し、各検出手段14,15でトイレットペーパーTの撮像を実行させる動作制御を行う。なお、各コンベア機構11,12の駆動源の動作量からトイレットペーパーTの位置検出を行うのではなく、トイレットペーパーTの位置検出を行う専用のセンサを設けて、その検出時に各検出手段14,15での撮像を実行させても良い。また、より簡易に、トイレットペーパーTの搬送を停止させず、移動中のトイレットペーパーTに対して撮像を行い、瞬間静止画像を取得しても良い。
【0024】
さらに、上記制御装置は、各検出手段14のカメラ14a,14b,14c及び検出手段15により、トイレットペーパーTの外周面の上部、左右の側部、下部の撮像画像を得ることができ、各々の撮像画像に対して周知の画像処理により背景からトイレットペーパーTの外周面画像のみを抽出し、トイレットペーパーTの各外周面画像から汚れ等の付着物や傷の有無、搬送方向におけるトイレットペーパーTの長さ検出を行う。そして、いずれか一つ以上の撮像画像から付着物若しくは傷ありと判定された場合、又は、トイレットペーパーTの画像から検出された長さが規定寸法の許容範囲から逸脱する場合に、外部異常ありとの判定を行う。
また、制御装置は、上記以外に、各撮像画像からトイレットペーパーTの終端に付された糊付けの適否の判定を行う。かかる判定は、例えば、糊付け跡を撮像画像から抽出し、搬送方向Fに沿って適正な長さで形成されているか、途切れが生じていないか、或いはトイレットペーパーTの終端そのものが適正な形状で形成されているか、捲れ上がりが生じていないかを判定する。これらは、例えば、正常な状態の画像と異常の状態の画像とを用意し、マッチング処理等周知の方法により異常の判定を行う。
そして、いずれかの撮像画像について糊付け不良や捲れ上がりの発生があると判断された場合にも、外部異常ありとの判定を行う。
【0025】
そして、制御装置は、外部異常有りと判定されたトイレットペーパーTが各コンベア機構11,12,13の駆動源の動作量から選別機構16に到達したと判断すると、選別機構16のアクチュエータ16aを作動させて排出経路16bに排出する動作制御を実行する。なお、選別機構16に、トイレットペーパーTの有無を検出するセンサを設け、当該センサにより外部異常有りと判定されたトイレットペーパーTの検出を行って外部経路への排出を行っても良い。
【0026】
(発明の実施形態の作用効果)
以上のように、外部検査装置10は、第二のコンベア機構12において一対のベルトコンベア機構12a、12bを具備し、トイレットペーパーTを水平方向における両側から挟んで搬送するので、その下方が外部から遮蔽されることなく搬送が行われる。そして、第二の検出手段15のカメラが搬送中のトイレットペーパーTを下方から撮像し、検査が行われるので、トイレットペーパーTの下部について、汚れ、異物の付着、傷、寸法の誤差、糊付け不良等の外部の異常を検出することが可能となる。その際、トイレットペーパーTの向きを変える作業を不要とし、作業効率の低下を回避することが可能となる。
また、同様に、第一のコンベア機構11により搬送されるトイレットペーパーTを第一の検出手段14の各カメラ14a,14b,14cにより上方及び左右から撮像し、検査することができるので、第二の検出手段15と協働して全方位即ち外周面全体について前述した外部の異常を検出することが可能となる。
【0027】
(その他)
切断装置20の送り機構21及び外部検査装置10の送り機構11〜13は、いずれもベルトコンベア機構を例示したが、これに限らず、チェーン式、ネジ式、ローラー式など他のコンベア機構を採用しても良いことは言うまでもない。
また、第一及び第三の送り機構は、いずれも駆動源を有し、制御される例を示したが、これらについては、例えば、駆動源を用いず、搬送方向下流側が低位置となるよう勾配した状態で配置し、自重でトイレットペーパーTが移動するものを使用しても良い。その場合、第一の検出手段14の位置でトイレットペーパーTを一時停止させることができないので、移動させたまま撮像を行い、瞬間静止画像を取得して外部異常の判定を行っても良い。
【0028】
また、切断装置20の送り機構21及び外部検査装置10の送り機構11,13は、長尺ロール紙R又はトイレットペーパーTを載置して搬送を行うので、例えば、特開2008−189460号に開示されているような、載置部の左右方向中心位置を搬送方向Fに沿って谷状に窪ませて形成し、長尺ロール紙R又はトイレットペーパーTが左右に転動しないようにすることができ且つ長尺ロール紙R又はトイレットペーパーTの中心線と搬送方向Fとの平行状態を維持することができるようなコンベア機構を採用しても良い。
【0029】
また、切断装置20の送り機構21は、迅速且つ正確な繰り出し量で長尺ロール紙Rを繰り出せるように、長尺ロール紙Rを二つのコンベア機構で挟んで繰り出しを行ったり、長尺ロール紙Rの後端部を押圧して押し出すように繰り出しを行うアクチュエータを利用しても良い。
【0030】
さらに、外部検査装置10の第二の送り機構12は、トイレットペーパーTを中心線に対して水平な半径方向両端部から挟むようにして搬送を行うものを例示したが、これに限らず、例えば、図3に示すように、トイレットペーパーTの最下部Dを挟んで水平方向(左右方向)両側でトイレットペーパーTの下部を載置する一対のベルトコンベア機構12Aa,12Ab(ベルト式を例示するがその他いずれのコンベア機構でも良い)で搬送しても良い。
かかる場合でもトイレットペーパーTの最下部周辺に対して外部の以上の検出が可能であり、左右両側から挟んで搬送する場合と同様に機能させることが可能である。また、搬送中のトイレットペーパーTの落下を生じにくく、搬送動作の安定性から有利である。
なお、各ベルトコンベア機構12Aa,12Abは、トイレットペーパーTの周面に良好に接触するよう、図示のように、左右方向に対して傾斜配置することが望ましい。
【0031】
また、前述の例では、第一の検出手段14と第二の検出手段15とにより四方からトイレットペーパーTの撮像を行っているが、各カメラの撮像範囲が許容するならば、図4に示すように、撮像を行う合計のカメラ台数を減らしても良い。例えば、三方からの撮像でトイレットペーパーTの外周全体が撮像可能であれば、第一の検出手段14を左右の斜め上方の二方向から撮像するカメラ14Aa,14Abとし、第二の検出手段15と合わせて三台としても良い。また、全集撮像可能であればより少なく又はより多くのカメラを使用しても良い。
【0032】
また、上記実施形態では個体ロール紙としてトイレットペーパーTを例示したが、長尺ロール紙から一定長さで個体ロール紙が切り出されるものであれば、トイレットペーパーに限らず、他のロール紙にも上記外部検査装置10を適用しても良い。
また、外部異常検出装置は、切断装置と梱包装置の間に限らず、切り出された個体ロール紙が搬送される工程であれば、他の装置間での搬送工程の間に設けても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 外部検査装置
11 第一の搬送手段(他の搬送手段)
12 第二の搬送手段(搬送手段)
12a,12Aa ベルトコンベア機構(一対のコンベア機構の一方)
12b,12Ab ベルトコンベア機構(一対のコンベア機構の他方)
13 第三の搬送手段
14 第一の検出手段(他の検出手段)
15 第二の検出手段(検出手段)
R 長尺ロール紙
T トイレットペーパー(個体ロール紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺ロール紙を一定の長さに切り分けてなる個体ロール紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される個体ロール紙の外部の異常を検出する検出手段を備え、
前記搬送手段は、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙を水平方向における両側から挟んで搬送する一対のコンベア機構を有し、
前記検出手段は、前記一対のコンベア機構により搬送される個体ロール紙を下方から外部の異常の検出を行うことを特徴とする外部検査装置。
【請求項2】
長尺ロール紙を一定の長さに切り分けてなる個体ロール紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される個体ロール紙の外部の異常を検出する検出手段を備え、
前記搬送手段は、その中心線が搬送方向に平行な状態に向けられた個体ロール紙の最下部を挟んで水平方向における両側で下部を載置して搬送する一対のコンベア機構を有し、
前記検出手段は、前記一対のコンベア機構により搬送される個体ロール紙を下方から外部の異常の検出を行うことを特徴とする外部検査装置。
【請求項3】
前記搬送手段とは別に、前記個体ロール紙を載置して搬送する他の搬送手段を有し、
前記検出手段とは別に、前記他の搬送手段により搬送される個体ロール紙を上方又は側方から外部の異常の検出を行う他の検出手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の外部検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−158301(P2011−158301A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18742(P2010−18742)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】