説明

多層プリント配線板形成用の積層体並びにその製造方法、及び該積層体を用いて形成された多層プリント配線板

【課題】導電性パンブと基板シート間における接触抵抗が低減された多層プリント配線板形成用の積層体並びにその製造方法、及び積層体を用いた形成された多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】第1金属シート2、第2金属シート3、非導電性シート4、及び非導電性シートを貫通することで第1金属シートと第2金属シートを接続させる導電性バンプ、を含む多層プリント配線板形成用の積層体であって、積層体が、導電性バンプと金属シートとの間にアンカー層6、7を含み、導電性バンプが平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子及びバインダー樹脂を含み、アンカー層が、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である、多層プリント配線板形成用の積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント配線板形成用の積層体並びにその製造方法、及び該積層体を用いて形成された多層プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、銅箔等の基板シートの表面に略円錐状の導電性バンプが形成された導電性バンプ付基板シートと、プリプレグ等の非導電性シート(絶縁シート)とを交互に重ね合わせることにより形成される多層プリント配線板が知られている。このような多層プリント配線板においては、基板シートの表面に形成された導電性バンプが非導電性シートを貫通することによって、該非導電性シートの両側にある基板シート同士が導電性バンプによって電気的に接続されるようになっている(例えば、特許文献1乃至3等参照)。このような層間接続技術は、B2 it法(Buried Bump Interconnection Technology)としてよく知られている。
【0003】
近年、各種電子機器の小型化、高機能化にともなって、電子部品の高実装密度の要求は高まっており、配線基板の配線も高密度化が求められるになってきている。このような配線の高密度化に対応するためには、導電性バンプの微細化(小径化)が必要であるが、導電性バンプを微細化すると、導電性パンブと基板シートとの接触面積が小さくなって十分な導通が得られなくなり、導電性パンブと基板シート間における接触抵抗が大きくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3167840号公報
【特許文献2】特開2004−6577号公報
【特許文献3】特開2002−305376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、導電性パンブと基板シート間における接触抵抗が低減された多層プリント配線板形成用の積層体並びにその製造方法、及び該積層体を用いた形成された多層プリント配線板を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
第1金属シート、第2金属シート、該第1金属シートと該第2金属シートとの間に挟まれる非導電性シート、及び該非導電性シートを貫通することで該第1金属シートと該第2金属シートを接続させる導電性バンプ、を含む多層プリント配線板形成用の積層体であって、該積層体が、該導電性バンプと該第1金属シートとの間に第1アンカー層を含み、及び/又は該導電性バンプと該第2金属シートの間に第2アンカー層を含み、該導電性バンプが平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子及びバインダー樹脂を含み、該第1アンカー層が、該導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び該第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層であり、該第2アンカー層が、該導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び該第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である、多層プリント配線板形成用の積層体
を提供するものである。
【0007】
本発明は、さらに
上記の多層プリント配線板形成用の積層体を用いて形成された多層プリント配線板
を提供するものである。
【0008】
本発明は、さらに
(1)第1金属シート上に、バインダー樹脂及び平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子を含む導電性ペーストを塗工した後、加熱することにより該導電性ペーストを硬化させて、該第1金属シート上に導電性パンプを形成する工程、
(2)該導電性パンプが形成された第1金属シート上に非導電性シートを積層配置した後、加圧することにより該導電性バンプを該非導電性シートに貫通させる工程、及び
(3)第2金属シートを、該導電性バンプによって貫通された該非導電性シート上に積層配置し、加熱しながら加圧する工程を含む多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法であって、該工程(1)が該第1金属シートと該導電性バンプとの間に第1アンカー層を設ける工程を含み、及び/又は該工程(3)が該第2金属シートと該導電性バンプの間に第2アンカー層を設ける工程を含み、該第1アンカー層が、該導電性ペーストの金属微粒子を構成する金属及び該第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層であり、該第2アンカー層が、該導電性ペーストの金属微粒子を構成する金属及び該第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である、多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、導電性パンブと基板シート間における接触抵抗を低減することができる。これによって、導電性バンプを微細化させても十分な導通が得られ、多層プリント配線板における配線の高密度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の多層プリント配線板形成用の積層体の一つの実施形態を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の多層プリント配線板形成用の積層体並びにその製造方法、及び該積層体を用いた形成された多層プリント配線板について説明する。
【0012】
本発明の多層プリント配線板形成用の積層体(以後、単に「積層体」と呼ぶこともある)は、第1金属シート、第2金属シート、該第1金属シートと該第2金属シートとの間に挟まれる非導電性シート、及び該非導電性シートを貫通することで該第1金属シートと該第2金属シートを接続させる導電性バンプ、を含み、さらに、該導電性バンプと該第1金属シートとの間に第1アンカー層を含み、及び/又は該導電性バンプと該第2金属シートの間に第2アンカー層を含む。
ここで、導電性バンプは平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子及びバインダー樹脂を含み、第1アンカー層は導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層であり、第2アンカー層は導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である。
図1は、本発明の積層体の一つの実施形態を示すものである。積層体1では、第1金属シート2と第2金属シート3との間に非導電性シート4が挟まれており、導電性バンプ5が非導電性シート4を貫通することで第1金属シート2と第2金属シート3を電気的に接続している。本実施形態においては、導電性バンプ5と第1金属シート2との間に第1アンカー層6が設けられ、かつ導電性バンプ5と第2金属シート3の間に第2アンカー層7が設けられている。
【0013】
本発明においては、第1アンカー層が導電性バンプと第1金属シートの間に設けられることによって、導電性バンプと第1金属シート間の抵抗低減を可能にしている。同様に、第2アンカー層が導電性バンプと第2金属シートの間に設けられることによって、導電性バンプと第2金属シート間の抵抗低減を可能にしている。一般に、層が増加すると抵抗も増加する傾向があるが、驚くべきことに本発明においては第1アンカー層及び第2アンカー層の増設は、抵抗低減に寄与している。
本発明の積層体が前記第1アンカー層と前記第2アンカー層の両方を含む場合、いずれか一方を設ける場合に比べて、第1金属シートと第2金属シート間の抵抗がより大きく低減される。
【0014】
[第1金属シート、第2金属シート]
本発明の第1金属シート及び第2金属シートを構成する金属は、導電性の金属であれば特に限定されない。例えば、金、銀、銅ならびにAlなどの金属及びこれら金属を含む合金などの導電体箔を使用することができるが、導電性とコストの両面を考慮すると、銅箔を使用することが好ましい。
第1金属シート及び第2金属シートを構成する金属は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
第1金属シート及び第2金属シートの厚さは、特に限定されるものではないが、10〜100μm程度が好ましい。
【0015】
[非導電性シート]
本発明の非導電性シートとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ4フッ化エチレン6フッ化プロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいはブタジエンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴムなどのゴム類が挙げられる。
これら合成樹脂は、単独でもよいが、絶縁性無機物や有機物系の充填物を含有してもよく、さらに、ガラスクロスやマット、有機合成繊維布やマット、あるいは紙などの補強材と組み合わせて成るシートであってもよい。
非導電性シートの厚さは、特に限定されるものではないが、20〜400μm程度が好ましい。
【0016】
[導電性バンプ]
本発明の導電性バンプは、平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子及びバインダー樹脂を含むものである。
本発明の平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子としては、例えば銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉、白金粉、パラジウム粉、半田粉、前記金属の合金粉末等の金属粉末等を使用することができる。これらの導電性粉末は二種以上併用することもできる。導電性とコストの両面を考慮すると、銀粉が好ましい。
導電性粉末の形態は、本発明の目的に反しない限り任意である。本発明では、例えば樹枝状、りん片状、球状、フレーク状、凝集状の形態のもの、特に好ましくは、球状もしくはりん片状と球状の混合物、を使用することができる。
金属微粒子の平均粒径は0.5〜5μmであるが、0.5μm未満であると導電性が悪化し、5μmを超えると導電性バンプの微細化が難しくなる。平均粒径は、好ましくは0.8〜4.5μmであり、より好ましくは1.0〜4.0μmである。
なお、上記平均粒径はレーザー回折法により測定した値である。
【0017】
本発明のバインダー樹脂としては、従来から用いられてきた導電性ペーストのバインダー樹脂の中から適当なものを選択して使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0018】
導電性バンプは、所定の位置に精度よく貫通型の導体配線部を形成するため、非導電性シートを容易に貫挿し得るように略円錐形または略角錐形に選択,設定されることが望ましい(ここで、略円錐形及び略角錐形は、厳密なものでなく、非導電性シートを貫挿し得る程度に先端が尖っていればよい)。なお、導電性バンプの先端は、非導電性シートを貫挿する際には尖っているが、第2金属シートと当接して、導通し得る状態となる際には塑性変形し、導電性バンプは略円錐台形または略角錐台形になる。
導電性バンプは、平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子とバインダー樹脂とを混合して調製された導電性ペーストをメタルマスクなどのマスクを用いて印刷することで形成される。印刷方法としてはスクリーン印刷などが挙げられる。
導電性ペースト中における金属微粒子の含有量は、バインダー樹脂成分の合計100質量部に対して、300質量部以上が好ましく、900質量部以上がより好ましく、1200質量部以上がさらに好ましい。導電性バンプの抵抗は、金属微粒子を多く配合するほど低下させることができる。一方で、金属微粒子の含有量が多すぎると、他の特性、例えば、第1金属シートや第2金属シートとの接着性や、導電性バンプの成形性、とのバランスが悪くなるため、金属微粒子の含有量は6000質量部以下が好ましく、5000質量部以下がより好ましく、4800質量部以下がさらに好ましい。
導電性ペーストは必要に応じて更に溶剤を含んでもよい。また、顔料、チクソトロピー付与剤、消泡剤、分散剤、防錆剤、還元剤等も、必要に応じて含まれる。
マスクの形状、開口径、厚さを調節し、一方導電性ペーストの粘性、チキソトロピー、表面張力、またはマスクの表面張力などの物性値を調節することにより導電性バンプを所望の形状に形成することができる。アスペクト比の高い導電性バンプを形成したい場合には、マスクを厚くし、開口径を小さくしてもよい、またはマスクを同じ位置に再配置し、スクリーン印刷を繰り返すようにしてもよい。
【0019】
[第1アンカー層、第2アンカー層]
本発明の第1アンカー層は、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又は、ハンダからなる層である。
また、本発明の第2アンカー層は、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又は、ハンダからなる層である。
第1アンカー層及び第2アンカー層の厚さとしては、金属シート/金属微粒子間を少量で充填する観点から、好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.5〜2μmである。
【0020】
[ナノ粒子]
本発明の第1アンカー層がナノ粒子を含んでなる層である場合の当該ナノ粒子は、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成され、1〜100nmの平均一次粒子径を有する。なお、当該平均一次粒子径は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて測定した値である。
第1アンカー層としてナノ粒子を含んでなる層を形成するには、例えば、第1金属シート上に、ナノ粒子を含むペースト(以後、“第1ナノ粒子ペースト”とも呼ぶ)、導電性ペーストを順次塗布(印刷)し、加熱することで、第1金属シートと導電性バンプの間に第1アンカー層を形成する方法が挙げられる。
第1ナノ粒子ペーストは、ナノ粒子以外の成分として溶剤等を含んでもよいが、第1アンカー層形成時には、実質的にはナノ粒子のみから形成されていることが、抵抗低減効果の観点から好ましい。ナノ粒子は、第1アンカー層が形成された段階では、その一部、又は全部が焼結体となっていてもよい。
第1アンカー層としてナノ粒子を含んでなる層を形成した際に抵抗低減効果が得られる理由については明らかではないが、次のように推測される。
第1アンカー層を設けない場合、マクロの視点では、第1金属シートと導電性バンプの界面全体が導通経路のように見えるが、実際には第1金属シートと導電性バンプ中の金属微粒子が点接触しているものであり、さらに、導電性バンプに含まれるバインダー成分(導電性ではない)を加味すると、実効的な導通経路は少ないと考えられる。
一方で、第1アンカー層として、ナノ粒子を含んでなる層を設けた場合、ナノ粒子は粒径が導電性バンプの金属微粒子と比較してはるかに小さい為、第1金属シートとナノ粒子の接触点は多く、実効的な導通経路は多くなる。特に、第1アンカー層が実質的にはナノ粒子のみからなる場合には、バインダー成分等による阻害が無いため、実効的な導通経路は大きくなる。また、第1アンカー層と導電性バンプの界面についても、粒径の小さいナノ粒子が、導電性バンプ中の金属微粒子の間隙に入り込むようにして、金属微粒子と接触するため、金属微粒子とナノ粒子の接触点は多く、実効的な導通経路は大きくなる。また、ナノ粒子同士が加熱時に焼結体を形成するためアンカー層内部の抵抗も低下する。
さらに、ナノ粒子は導電性バンプの金属微粒子を構成する金属または第1金属シートを構成する金属と共通の金属を構成成分として有していることにより、導電性バンプまたは第1金属シートとの馴染みがよく、抵抗低減に寄与していると考えられる。
【0021】
第1アンカー層のナノ粒子は、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属で構成される方がより好ましく、ナノ粒子を構成する金属と導電性バンプの金属微粒子を構成する金属がともに銀であることが特に好ましい。
第1アンカー層のナノ粒子の平均一次粒子径は1〜100nmであり、1nm未満であると製造上困難であり、100nmを超えると低温焼結が困難である。第1アンカー層のナノ粒子の平均一次粒子径は、好ましくは5〜50nmである。
【0022】
本発明の第2アンカー層がナノ粒子を含んでなる層である場合の当該ナノ粒子は、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成され、1〜100nmの平均一次粒子径を有する。なお、当該平均一次粒子径は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて測定した値である。
第2アンカー層としてナノ粒子を含んでなる層を形成するには、例えば、第2金属シート上に、ナノ粒子を含むペースト(以後“第2ナノ粒子ペースト”とも呼ぶ)を予め塗布しておいて、非導電性シートを貫挿した導電性バンプの先端と当接させ、加熱することで、第2金属シートと導電性バンプの間に第2アンカー層を形成する方法が挙げられる。
第2ナノ粒子ペーストは、ナノ粒子以外の成分として溶剤等を含んでもよいが、第2アンカー層形成時には、実質的にはナノ粒子のみから形成されていることが、抵抗低減効果の観点からは、好ましい。ナノ粒子は、第2アンカー層が形成された段階では、その一部、又は全部が焼結体となっていてもよい。
【0023】
第2アンカー層としてナノ粒子を含んでなる層を形成した際に抵抗低減効果が得られる理由については、第1アンカー層としてナノ粒子を含んでなる層を形成した際に抵抗低減効果が得られる理由として上述した理由が同様に推測される。
第2アンカー層のナノ粒子は導電性バンプの金属微粒子を構成する金属で構成される方がより好ましく、ナノ粒子を構成する金属と導電性バンプの金属微粒子を構成する金属がともに銀であることが特に好ましい。
第2アンカー層のナノ粒子の平均一次粒子径は1〜100nmであり、1nm未満であると製造上困難であり、100nmを超えると低温焼結が困難である。第2アンカー層のナノ粒子の平均一次粒子径は、好ましくは5〜50nmである。
また、第1アンカー層のナノ粒子と第2アンカー層のナノ粒子は、同一であっても異なってもよいが、製造工程の簡略化という観点からは、同一である方が好ましい。
【0024】
[ハンダ]
本発明の第1アンカー層がハンダからなる層である場合のハンダ、及び第2アンカー層がハンダからなる層である場合のハンダとしては、公知のハンダ(鉛とスズを主成分とした合金)及び公知の無鉛ハンダ(スズを主成分とし、鉛の含有量を0.10質量%以下にした合金)を使用できる。環境負荷の低減という観点からは、無鉛ハンダが好ましく、その具体例としては、SnAgCu系ハンダ、SnZnBi系ハンダ、SnCu系ハンダ、SnAgInBi系ハンダ、SnZnAl系ハンダ等が挙げられる。
【0025】
第1アンカー層としてハンダからなる層を形成する場合、例えば、第1金属シート上に、ハンダペースト、導電性ペーストを順次塗布(印刷)し、加熱することで、第1金属シートと導電性バンプの間に第1アンカー層が形成される。
第1アンカー層としてハンダからなる層を形成した際に抵抗低減効果が得られる理由については明らかではないが、次のように推測される。
上述したように、第1アンカー層を設けない場合、第1金属シートと導電性バンプ中の金属微粒子が点接触することによる導通され、その実効的な導通経路は少ないと考えられる。
一方で、第1アンカー層として、ハンダからなる層を設けた場合、ハンダは第1金属シートとの界面において第1金属シートの金属との合金を形成するようにして接着するため、実効的な導通経路が多くなる。また、第1アンカー層と導電性バンプの界面についても、ハンダが導電性バンプ中の金属微粒子の間隙に入り込むようにして、金属微粒子と接触し、金属微粒子の金属と金属結合を形成するようにして接着されるため、実効的な導通経路は多くなる。
本発明の第1アンカー層のハンダは、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む合金であることが、抵抗低減の観点から好ましい。導電性バンプの金属微粒子を構成する金属または第1金属シートを構成する金属と共通の金属を構成成分として有していることにより、導電性バンプまたは第1金属シートとの馴染みがよく、抵抗低減に寄与しているためと考えられる。
例えば、第1アンカー層のハンダがSnAgCu系ハンダ、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属が銀、第1金属シートを構成する金属が銅である様態が好ましい。
【0026】
第2アンカー層としてハンダからなる層を形成する場合、例えば、第2金属シート上に、ハンダペーストを予め塗布しておいて、非導電性シートを貫通した導電性バンプの先端と当接させ、加熱することで、第2金属シートと導電性バンプの間に第2アンカー層が形成される。
第2アンカー層としてハンダからなる層を形成した際に抵抗低減効果が得られる理由については、第1アンカー層としてハンダからなる層を形成した際に抵抗低減効果が得られる理由として上述した理由が同様に推測される。
本発明の第2アンカー層のハンダは、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む合金であることが、抵抗低減の観点から好ましい。導電性バンプの金属微粒子を構成する金属または第2金属シートを構成する金属と共通の金属を構成成分として有していることにより、導電性バンプまたは第2金属シートとの馴染みがよく、抵抗低減に寄与しているためと考えられる。
例えば、第2アンカー層のハンダがSnAgCu系ハンダ、導電性バンプの金属微粒子を構成する金属が銀、第2金属シートを構成する金属が銅である様態が好ましい。
また、第1アンカー層のハンダと第2アンカー層のハンダは、同一であっても異なってもよいが、製造工程の簡略化という観点からは、同一である方が好ましい。
【0027】
[多層プリント配線板]
本発明の多層プリント配線板は上述した多層プリント配線板形成用の積層体を用いて形成される。例えば、積層体の第1金属シート及び第2金属シートのうちランド領域と回路パターン(所定の領域)がマスクされ、その後エッチングなどによって、第1金属シート及び第2金属シートのうちランド領域と回路パターン以外が除去されて、回路が形成される。このようにして2層からなるプリント配線基板が生成される。より多くの層からなる多層プリント配線基板を生成する場合には、金属シート、非導電性シート、及び導電性バンプを用いて積層を繰り返せばよい。本発明における多層プリント配線板においては、少なくともその一部において上述した多層プリント配線板形成用の積層体が用いられていればよく、すべての積層工程において金属シートと導電性バンプとの間にアンカー層を設ける必要はないが、抵抗低減効果の観点からは、すべての金属シートと導電性バンプとの間にアンカー層を設ける方が好ましい。
【0028】
[多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法]
本発明の多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法は、
(1)第1金属シート上に、バインダー樹脂及び平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子を含む導電性ペーストを塗工した後、加熱することにより該導電性ペーストを硬化させて、該第1金属シート上に導電性パンプを形成する工程、
(2)該導電性パンプが形成された第1金属シート上に非導電性シートを積層配置した後、加圧することにより該導電性バンプを該非導電性シートに貫通させる工程、及び
(3)第2金属シートを、該導電性バンプによって貫通された該非導電性シート上に積層配置し、加熱しながら加圧する工程
を含む多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法であって、該工程(1)が該第1金属シートと該導電性バンプとの間に第1アンカー層を設ける工程を含み、及び/又は該工程(3)が該第2金属シートと該導電性バンプの間に第2アンカー層を設ける工程を含む。
ここで第1アンカー層は導電性ペーストの金属微粒子を構成する金属及び第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層であり、第2アンカー層は導電性ペーストの金属微粒子を構成する金属及び第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である。
【0029】
工程(1):
工程(1)では、第1金属シート上に、平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子とバインダー樹脂とを混合して調製された導電性ペーストを塗工した後、加熱することにより該導電性ペーストを硬化させて、該第1金属シート上に導電性パンプを形成する。
導電性ペーストの塗工方法は特に限定されないが、メタルマスクなどのマスクを用いて印刷する方法が挙げられる。加熱処理の温度、処理時間等は、用いる導電性ペーストの種類を考慮して適宜定めることができるが、一般的には150〜200℃程度で、10〜60分程度処理することが好ましい。
工程(1)が第1金属シートと導電性バンプとの間に第1アンカー層を設ける工程を含む場合は、例えば、第1金属シート上に、第1ナノ粒子ペースト又は第1ハンダペーストを塗工し、その上に、導電性ペーストを塗工する。その後、加熱することで、第1金属シートと導電性バンプの間に第1アンカー層を設けることができる。第1ナノ粒子ペースト又は第1ハンダペーストの塗工方法についても特に限定はされないが、メタルマスクなどのマスクを用いて印刷する方法が挙げられる。
【0030】
工程(2):
工程(2)では、導電性パンプが形成された第1金属シート上に非導電性シートを積層配置した後、加圧することにより該導電性バンプを該非導電性シートに貫通させる。
加圧処理における圧力は、導電性バンプの硬度や用いる非導電性シートの種類等を考慮して適宜定めることができるが、一般的には0.2〜0.4MPa程度が好ましい。
【0031】
工程(3):
工程(3)では、第2金属シートを、導電性バンプによって貫通された非導電性シート上に積層配置し、加熱しながら加圧する。
本工程において、第1金属シートと第2金属シートが導電性バンプを介して、電気的に接続されることになる。また、第1金属シートと第2金属シートが、非導電性シートによって接着される。
加熱及び加圧の条件は、導電性バンプの硬度や用いる非導電性シートの種類を考慮して適宜定めることができるが、一般的には100〜200℃程度に加熱しながら、10〜100MPa程度で加圧することが好ましい。
工程(3)が第2金属シートと導電性バンプとの間に第2アンカー層を設ける工程を含む場合は、例えば、第2金属シートの導電性バンプと当接する部分に、予め第2ナノ粒子ペーストまたは第2ハンダペーストを塗工しておく方法が挙げられる。予め第2ナノ粒子ペーストまたは第2ハンダペーストを塗工しておいた第2金属シートを、第2ナノ粒子ペーストまたは第2ハンダペーストが導電性バンプと当接するようにして、加熱しながら加圧することで、第2金属シートと導電性バンプの間に第2アンカー層を設けることが可能となる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は以下に記載する方法になんら限定されるものではない。
【0033】
(1)積層体の作製
[実施例1](第1アンカー層としてナノ粒子を含む層を設けた構成)
ナノ銀ペーストを以下の方法により作製した。
炭酸銀64gとラウリルアミンn−C1225NH279gを三つ口フラスコに固体のまま入れ、N2雰囲気下で120℃まで加熱した。120℃で5時間保持した後、70℃に降温するまで放置し、70℃にてメタノールを加えて数回洗浄し、得られた粉末を減圧下で乾燥させた。得られた粉末を走査型透過電子顕微鏡(STEM)により観察した結果、平均一次粒子径は7.5nmであった。得られた粉末にターピネオール10gを加え十分に攪拌し、ナノ銀ペーストを得た。
銀ペーストを以下の方法により作製した。
フェノールメラミン樹脂100質量部に対してブチルカブビトールアセテート130質量部を均一に混合し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に平均粒径1μmの略球形銀粉(DOWAハイテック株式会社製、AG2−1C)900質量部を配合し、ヘラを用いてかき混ぜて軽くなじませた後、三本ロールミルを用いて分散し、銀ペーストを得た。
このようにして作製したナノ銀ペースト及び銀ペーストを以下の通り、積層体Aの作製工程で使用した。
銅箔上に、ナノ銀ペースト、銀ペーストを順次塗布し、200℃で20分加熱することで、銅箔上に、ナノ銀の第1アンカー層を介して導電性バンプを形成させた。この上にプリプレグを積層配置した後、0.2〜0.4MPaで加圧することにより、導電性バンプをプリプレグに貫通させた。さらにその上に、銅箔を積層し、175℃に加熱しながら、40MPaで加圧した。このようにして、ナノ銀を含んでなる第1アンカー層を有する積層体Aを得た。
【0034】
[実施例2](第1アンカー層としてハンダからなる層を設けた構成)
銀ペーストを実施例1と同様の方法で作製し、以下の通り積層体Bの作製工程で使用した。
銅箔上に、SnAgCu系ハンダペースト(千住金属社製、「M705−BPS」)、銀ペーストを順次塗布し、250℃で20分加熱することで、銅箔上に、SnAgCu系ハンダの第1アンカー層を介して導電性バンプを形成させた。この上にプリプレグを積層配置した後、0.3MPaで加圧することにより、導電性バンプをプリプレグに貫通させた。さらにその上に、銅箔を積層し、175℃に加熱しながら、40MPaで加圧した。このようにして、SnAgCu系ハンダからなる第1アンカー層を有する積層体Bを得た。
【0035】
[実施例3](第1アンカー層及び第2アンカー層としてナノ粒子を含む層を設けた構成)
ナノ銀ペースト及び銀ペーストを実施例1と同様の方法で作製し、以下の通り積層体Cの作製工程で使用した。
銅箔上に、ナノ銀ペースト、銀ペーストを順次塗布し、200℃で20分加熱することで、銅箔上に、ナノ銀からなる第1アンカー層を介して導電性バンプを形成させた。この上にプリプレグを積層配置した後、0.3MPaで加圧することにより、導電性バンプをプリプレグに貫通させた。さらにその上に、予めナノ銀ペーストを塗布しておいた銅箔をナノ銀ペーストと導電性バンプが当接するように積層し、175℃に加熱しながら、40MPaで加圧した。このようにして、このようにして、ナノ銀を含む第1アンカー層及び第2アンカー層を有する積層体Cを得た。
【0036】
[実施例4](第1アンカー層及び第2アンカー層としてハンダからなる層を設けた構成)
銀ペーストを実施例1と同様の方法で作製し、以下の通り積層体Dの作製工程で使用した。
銅箔上に、SnAgCu系ハンダペースト(千住金属社製、「M705−BPS」)、銀ペーストを順次塗布し、250℃で20分加熱することで、銅箔上に、ハンダの第1アンカー層を介して導電性バンプを形成させた。この上にプリプレグを積層配置した後、0.3MPaで加圧することにより、導電性バンプをプリプレグに貫通させた。さらにその上に、予めSnAgCu系ハンダペースト(千住金属社製、「M705−BPS」)を塗布しておいた銅箔を、SnAgCu系ハンダペーストと導電性バンプが当接するように積層し、175℃に加熱しながら、40MPaで加圧した。このようにして、このようにして、SnAgCu系ハンダからなる第1アンカー層及び第2アンカー層を有する積層体Dを得た。
【0037】
[比較例1](第1アンカー層も第2アンカー層も設けない構成)
銀ペーストを実施例1と同様の方法で作製し、以下の通り積層体Eの作製工程で使用した。
銅箔上に、銀ペーストを塗布し、200℃で20分加熱することで、銅箔上に導電性バンプを形成させた。この上にプリプレグを積層配置した後、0.3MPaで加圧することにより、導電性バンプをプリプレグに貫通させた。さらにその上に、銅箔を積層し、175℃に加熱しながら、40MPaで加圧した。このようにして、第1アンカー層も第2アンカー層も有さない積層体Eを得た。
【0038】
(2)抵抗の測定
上記実施例1〜4と比較例1で得た積層体A〜Eに対して、抵抗の測定を以下のようにおこなった。
ミリオームハイテスタ(3560 ACミリオームハイテスタ、日置電機株式会社)を用いて、積層体の第1金属シート(銅箔)および第2金属シート(銅箔)の露出している面に対し、+−端子をそれぞれ接触させることにより抵抗の測定を実施した。
【0039】
実施例1〜4と比較例1の評価結果を以下の表1に示す。
【表1】

【符号の説明】
【0040】
1 積層体
2 第1金属シート
3 第2金属シート
4 非導電性シート
5 導電性バンプ
6 第1アンカー層
7 第2アンカー層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属シート、
第2金属シート、
該第1金属シートと該第2金属シートとの間に挟まれる非導電性シート、及び
該非導電性シートを貫通することで該第1金属シートと該第2金属シートを接続させる導電性バンプ、
を含む多層プリント配線板形成用の積層体であって、
該積層体が、該導電性バンプと該第1金属シートとの間に第1アンカー層を含み、及び/又は該導電性バンプと該第2金属シートの間に第2アンカー層を含み、
該導電性バンプが平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子及びバインダー樹脂を含み、
該第1アンカー層が、該導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び該第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層であり、
該第2アンカー層が、該導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び該第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である、
多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項2】
前記第1アンカー層と前記第2アンカー層の両方を含む、請求項1に記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項3】
前記第1アンカー層が前記ナノ粒子を含んでなる層である、請求項1又は2に記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項4】
前記第1アンカー層のナノ粒子が前記導電性バンプの金属微粒子を構成する金属で構成される、請求項3に記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項5】
前記第2アンカー層が前記ナノ粒子を含んでなる層である、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項6】
前記第2アンカー層のナノ粒子が前記導電性バンプの金属微粒子を構成する金属で構成される、請求項5に記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項7】
前記第1アンカー層が前記ハンダからなる層である、請求項1〜2及び5〜6のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項8】
前記第1アンカー層のハンダが前記導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び前記第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む合金である、請求項7に記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項9】
前記第2アンカー層がハンダからなる層である、請求項1〜4及び7〜8のいずれかに記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項10】
前記第2アンカー層のハンダが前記導電性バンプの金属微粒子を構成する金属及び前記第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む合金である、請求項9に記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項11】
前記導電性バンプの金属微粒子を構成する金属が銀である、請求項1〜10のいずれかに記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項12】
前記第1金属シート及び前記第2金属シートを構成する金属が銅である、請求項1〜12のいずれかに記載の多層プリント配線板形成用の積層体。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の多層プリント配線板形成用の積層体を用いて形成された多層プリント配線板。
【請求項14】
(1)第1金属シート上に、バインダー樹脂及び平均粒径0.5〜5μmの金属微粒子を含む導電性ペーストを塗工した後、加熱することにより該導電性ペーストを硬化させて、該第1金属シート上に導電性パンプを形成する工程、
(2)該導電性パンプが形成された第1金属シート上に非導電性シートを積層配置した後、加圧することにより該導電性バンプを該非導電性シートに貫通させる工程、及び
(3)第2金属シートを、該導電性バンプによって貫通された該非導電性シート上に積層配置し、加熱しながら加圧する工程
を含む多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法であって、
該工程(1)が該第1金属シートと該導電性バンプとの間に第1アンカー層を設ける工程を含み、及び/又は該工程(3)が該第2金属シートと該導電性バンプの間に第2アンカー層を設ける工程を含み、
該第1アンカー層が、該導電性ペーストの金属微粒子を構成する金属及び該第1金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層であり、
該第2アンカー層が、該導電性ペーストの金属微粒子を構成する金属及び該第2金属シートを構成する金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属で構成される平均一次粒子径1〜100nmのナノ粒子を含んでなる層であるか、又はハンダからなる層である、
多層プリント配線板形成用の積層体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−74626(P2012−74626A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219955(P2010−219955)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】