説明

多機能処理装置

【課題】設定されているモードに対して適切な機能を間違えることなく選択させて実行することのできる多機能処理装置を提供する。
【解決手段】複数の機能から所望の機能を選択して処理する多機能処理装置において、異なる機能が割り当てられ、所望の機能を選択するために操作される複数の操作ボタン33と、操作された操作ボタン33の機能が、設定されているモードに対して適切であるか否かを判定する制御手段13と、制御手段13により不適切と判定されたとき、操作された操作ボタン33に割り当てられた機能の説明情報を出力する出力手段27と、を備える。そして、制御手段13により適切と判定されたとき、操作された操作ボタン33に割り当てられた機能を実行し、制御手段13により不適切と判定され、且つ、再度同じ操作ボタン33が操作されたとき、再度操作された操作ボタン33に割り当てられた機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能処理装置に関し、特に、操作手段の操作に従い、複数の機能から所望の機能を選択して処理する多機能処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載されて経路案内を行うカーナビゲーション装置が広範に利用されている。カーナビゲーション装置では、GPS衛星等から取得した情報に従って車両の現在位置を算出し、現在位置から利用者が入力した目的地までの案内経路を地図情報に従って探索し、探索された案内経路をディスプレイに表示させることができる。この場合、利用者は、表示された案内経路に従い、目的地まで円滑に移動することができる。
【0003】
ところで、昨今のカーナビゲーション装置には、案内経路を求めて表示する機能だけでなく、DVD等に記憶された動画を音声とともに再生する機能、受信したテレビ番組を表示する機能、CDやハードディスク等に記憶された楽曲を再生する機能、離れた場所にいる人と会話をする電話機能等、多数の機能が搭載されている。これらの機能は、カーナビゲーション装置の操作ボタン、あるいは、リモートコントローラの操作ボタンを操作することで選択される。同様に、楽曲のボリュームや音質等も操作ボタンの操作によって調整することができる。なお、カーナビゲーション装置に限らず、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末においても、多機能化が進んでいる。
【0004】
これらの多機能処理装置には、異なる機能が割り当てられ、所望の機能を選択するために操作される複数の操作ボタンが設けられている。この場合、誤操作により、現在起動されている機能に対して、適切でない操作ボタンが操作される可能性がある。例えば、カーナビゲーション装置を用いて経路探索を行っている場合において、目的地を入力しなければならないにも関わらず、楽曲を再生する操作ボタンが操作される、といった誤操作が行われてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1(特開平8−79356号公報)には、利用者が操作ボタンを操作したとき、その操作ボタンに対応する音声を出力させることにより、操作された操作ボタンが適切なものであるか否かを利用者が確認することのできる電話ダイヤル音声装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−79356号公報(段落[0020])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された先行技術は、利用者が電話ダイヤルを操作する際に、正しいダイヤル番号が選択されたか否かを音声で確認できるだけであり、誤ったダイヤル番号が選択されたことを確認できたとしても、電話機をそのままの状態にしておくと、誤った相手に繋がってしまう。このような事態を回避するためには、ダイヤル番号を誤って選択したことを確認した時点で、利用者が直ちに電話機を切断する操作が必要である。
【0008】
また、特許文献1に開示された先行技術を、上述したカーナビゲーション装置等の多機能処理装置に適用した場合、操作ボタンを操作して機能を選択したとき、利用者は、その機能の説明を音声によって確認することができる。しかしながら、機能を確認できるだけであるため、選択された機能が所望の機能でない場合であっても、その機能がそのまま実行されてしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、設定されているモードに対して適切な機能を間違えることなく選択させて実行することのできる多機能処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
複数の機能から所望の機能を選択して処理する多機能処理装置において、異なる機能が割り当てられ、所望の機能を選択するために操作される複数の操作手段と、操作された前記操作手段の機能が、設定されているモードに対して適切であるか否かを判定する判定手段(例えば、制御手段13)と、前記判定手段により不適切と判定されたとき、操作された前記操作手段に割り当てられた機能の説明情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1記載の多機能処理装置において、前記判定手段により適切と判定されたとき、操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行する機能実行手段(例えば、経路探索手段20、動画再生手段21、楽曲再生手段22等)を、更に備えることを特徴とする。
【0012】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2記載の多機能処理装置において、前記機能実行手段は、前記判定手段により不適切と判定され、且つ、再度同じ前記操作手段が操作されたとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行することを特徴とする。
【0013】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項2又は3記載の多機能処理装置において、前記操作手段が操作されてから同じ前記操作手段が再度操作されるまでの時間を計測する計時手段を備え、前記機能実行手段は、前記時間が所定時間以内のとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行することを特徴とする。
【0014】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4記載の多機能処理装置において、前記出力手段は、前記所定時間が経過した後、同じ前記操作手段が再度操作されたとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能の確認情報を出力することを特徴とする。
【0015】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多機能処理装置において、前記操作手段は、前記機能実行手段を選択するための機能選択信号を出力するリモートコントローラを構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1にかかる発明においては、複数の機能から所望の機能を選択して処理する多機能処理装置において、異なる機能が割り当てられ、所望の機能を選択するために操作される複数の操作手段と、操作された前記操作手段の機能が、設定されているモードに対して適切であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により不適切と判定されたとき、操作された前記操作手段に割り当てられた機能の説明情報を出力する出力手段と、を備える。
【0017】
かかる構成によれば、利用者によって操作された操作手段に割り当てられた機能が、設定されているモードに対して不適切と判定されたとき、その機能の実行に先立ち、当該操作手段に割り当てられた機能の説明情報が出力されるため、利用者は、選択された機能が所望の機能であるか否かを、機能が実行される前に確認することができる。
【0018】
請求項2にかかる発明においては、請求項1記載の多機能処理装置において、前記判定手段により適切と判定されたとき、操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行する機能実行手段(例えば、経路探索手段20、動画再生手段21、楽曲再生手段22等)を、更に備える。かかる構成によれば、不適切な機能が実行されてしまう事態を回避することができる。
【0019】
本願の請求項3にかかる発明においては、請求項2記載の多機能処理装置において、前記機能実行手段は、前記判定手段により不適切と判定され、且つ、再度同じ前記操作手段が操作されたとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行する。かかる構成によれば、操作が不適切と判定された場合であっても、利用者が再度同じ操作手段を操作したときには、利用者の意図に従った所望の機能を実行させることができる。
【0020】
請求項4にかかる発明においては、請求項2又は3にかかる発明において、前記操作手段が操作されてから同じ前記操作手段が再度操作されるまでの時間を計測する計時手段を備え、前記機能実行手段は、前記時間が所定時間以内のとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行する。かかる構成によれば、出力された機能の説明情報に基づいて利用者が選択した所望の機能を速やかに実行することができる。
【0021】
請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかる発明において、前記出力手段は、前記所定時間が経過した後、同じ前記操作手段が再度操作されたとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能の確認情報を出力する。かかる構成によれば、選択された機能について、利用者に再考させることができる。
【0022】
請求項6にかかる発明においては、請求項1〜5のいずれか1項にかかる発明において、前記操作手段は、前記機能実行手段を選択するための機能選択信号を出力するリモートコントローラとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置及びそれを操作するリモートコントローラの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置及びリモートコントローラにおける処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための多機能処理装置を例示するものであって、本発明をこの多機能処理装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の多機能処理装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0025】
図1は、本発明の実施例にかかる多機能処理装置であるナビゲーション装置10及びそれを操作するリモートコントローラ11の要部構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、リモートコントローラ11を用いて赤外線通信によりリモート操作される。
【0026】
ナビゲーション装置10は、以下に説明する実施例では、車両に搭載されて、利用者に目的地までの経路案内を行う機能を有するとともに、動画再生及び楽曲再生の機能を併せ持っているものとする。なお、ナビゲーション装置10は、ユーザが所持する携帯電話やPDA等の携帯端末とし、徒歩や電車、バス等の交通機関を利用して移動する際における経路案内や目的地の関連情報を提供するとともに、動画、楽曲、テレビ等を視聴できるものであってもよい。
【0027】
ナビゲーション装置10は、制御手段13(判定手段)を備える。制御手段13は、CPU14、ROM15、RAM16からなるプロセッサで構成され、ROM15、RAM16に記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置10の各部の動作を制御する。
【0028】
現在位置検出手段17は、地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報及び位置情報を含む電波を受信するGPS受信機等で構成される。3個以上のGPS衛星からの電波を受信して処理することにより、車両の現在位置を算出することができる。また、現在位置検出手段17は、距離センサ、方位センサ、舵角センサ等からなる自立航法装置を用いることもできる。
【0029】
計時手段19は、リモートコントローラ11の後述する複数の操作ボタン33の1つが操作されてから、同じ操作ボタン33が再度操作されるまでの時間を計測する。
【0030】
経路探索手段20は、利用者が後述する入力手段25又は操作ボタン33を用いて目的地を入力することにより、後述する情報記憶手段23に記憶された地図情報を参照し、現在位置又は利用者によって指定された出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索するものであり、機能実行手段の1つである。なお、経路探索手段20は、外部の図示しない情報配信サーバから、最新の地図情報をネットワークを経由して取得するように構成してもよい。
【0031】
案内経路の探索は、現在位置又は出発地に対応する道路ノードから目的地に対応する道路ノードに至るリンクとノードをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(走行距離)又は総所要時間等が最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0032】
動画再生手段21は、DVD、RAM16、図示しないハードディスク、情報記憶手段23等に記憶された動画を再生する機能実行手段の1つである。
【0033】
楽曲再生手段22は、CD、RAM16、図示しないハードディスク、情報記憶手段23等に記憶された楽曲を再生する機能実行手段の1つである。
【0034】
モード検出手段18は、ナビゲーション装置10に設定されているモードを検出する。この場合、モードとは、経路探索手段20による経路探索モード、動画再生手段21による動画再生モード、及び、楽曲再生手段22による楽曲再生モードであり、また、各モードにおける設定状態、例えば、経路探索モードにおける目的地設定モード、動画再生手段21及び楽曲再生手段22における再生モード、ミュートモード、早送りモード、巻き戻しモード等の設定機能である。
【0035】
情報記憶手段23は、経路探索のための地図情報、施設情報、交通機関の時刻情報及び乗り換え情報等を記憶するとともに、必要に応じて、動画再生手段21によって再生される動画情報、楽曲再生手段22によって再生される楽曲情報等を記憶する。地図情報としては、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータ、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータ、地形図データが含まれる。また、情報記憶手段23は、利用者によって選択されたナビゲーション装置10の機能の説明や、機能の実行を確認するためのテキストデータ、音声データ、又は、画像データを記憶する。
【0036】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データ及び案内地点の位置座標が記憶されている。
【0037】
道路リンクデータには、始点及び終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0038】
地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、駐車場をはじめとする施設位置、施設形状、施設名称を含む施設データからなる背景データが含まれる。
【0039】
赤外線信号受信手段24は、リモートコントローラ11の後述する赤外線信号発信手段32から送信される機能選択信号を受信する。
【0040】
入力手段25は、ナビゲーション装置10における操作入力や、出発地、目的地、情報を検索するための検索条件等を設定する各種キー、タッチパネル等から構成される。入力手段25は、リモートコントローラ11の後述する操作ボタン33と同等の機能を有し、ナビゲーション装置10に対して各種情報を直接入力することが可能である。この場合、入力手段25は、操作手段として機能する。
【0041】
機能報知処理手段26は、利用者が入力手段25やリモートコントローラ11の操作ボタン33を操作した際に、選択されたナビゲーション装置10の機能にかかる説明情報や、機能の実行の確認情報等を出力手段27を用いて報知するための処理を行う。
【0042】
出力手段27は、地図画像、案内経路、施設の写真やテキストからなる施設情報等を表示し、又は、これらの情報及び警告を含む音声情報を出力するものであり、液晶ディスプレイ、スピーカ等で構成される。また、出力手段27は、機能報知処理手段26による処理結果である機能の説明情報や機能を実行する際の確認情報を表示し、又は、これらを音声として出力する。
【0043】
リモートコントローラ11は、制御手段28を備える。制御手段28は、CPU29、ROM30、RAM31からなるプロセッサで構成され、ROM30、RAM31に記録された制御プログラムに従ってリモートコントローラ11の各部の動作を制御する。
【0044】
赤外線信号発信手段32は、ナビゲーション装置10の赤外線信号受信手段24に対して、複数の操作ボタン33の1つを操作することで生成された機能選択信号を発信する。
【0045】
操作ボタン33は、ナビゲーション装置10が備える異なる複数の機能の1つを選択するための複数の操作手段であり、各操作ボタン33に対して所望の機能が割り当てられる。
【0046】
ボタン識別手段34は、利用者によってどの操作ボタン33が操作されたのかを識別するものであり、操作ボタン33毎の機能選択信号を生成する。
【0047】
信号発信処理手段35は、ボタン識別手段34によって生成された機能選択信号を、赤外線信号発信手段32を介してナビゲーション装置10に発信する処理を行う。
【0048】
本実施例にかかるナビゲーション装置10においては、ナビゲーション装置10に対して設定されているモードに基づいて、リモートコントローラ11で操作された操作ボタン33が当該モードにおいて操作される事が適切であるか否かを、制御手段13により判定する。操作が不適切と判定されたときは、操作された操作ボタン33に割り当てられた機能の説明情報を出力し、適切と判定されたときは、操作された操作ボタン33に割り当てられた機能を実行する。また、本実施例にかかるナビゲーション装置10においては、制御手段13により不適切と判定され、且つ、再度同じ操作ボタン33が操作されたときに、再度操作された操作ボタン33に割り当てられた機能を実行する。
【0049】
従って、利用者によって操作された操作手段に割り当てられた機能が、設定されているモードに対して不適切と判定されたとき、その機能の実行に先立ち、当該操作手段に割り当てられた機能の説明情報が出力されるため、利用者は、選択された機能が所望の機能であるか否かを、機能が実行される前に確認することができる。従って、不適切な機能が実行されてしまう事態を回避することができる。また、不適切と判定された場合であっても、利用者が再度同じ操作手段を操作したときには、利用者の意図に従った所望の機能を実行させることができる。
【0050】
次に、図2に示す処理フローチャートに基づき、本実施例のナビゲーション装置10の動作を説明する。なお、ナビゲーション装置10は、車両に搭載されており、リモートコントローラ11は、当該車両内でナビゲーション装置10を操作するものとして説明する。
【0051】
利用者がリモートコントローラ11の操作ボタン33の1つを選択して操作すると(ステップS101、YES)、ボタン識別手段34は、操作された操作ボタン33を識別し、その操作ボタン33に割り振られている機能に対応した機能選択信号を生成する。生成された機能選択信号は、信号発信処理手段35により処理され、赤外線信号発信手段32を介してナビゲーション装置10の赤外線信号受信手段24に発信される。
【0052】
リモートコントローラ11から赤外線信号受信手段24を介して機能選択信号を受信したナビゲーション装置10は、モード検出手段18において、ナビゲーション装置10に既に設定されているモードを検出するとともに、計時手段19は、操作ボタン33が操作され、ステップS105で再度同じ操作ボタン33が操作されるまでの時間の計測を開始する。(ステップS102)。例えば、モード検出手段18は、経路探索手段20による経路探索モード、動画再生手段21による動画再生モード、楽曲再生手段22による楽曲再生モードのいずれのモードが設定されているのかを検出する。また、例えば、経路探索モードにおける目的地設定モード、動画再生手段21及び楽曲再生手段22における再生モード、ミュートモード、早送りモード、巻き戻しモード等のいずれのモードが設定されているのかを検出してもよい。
【0053】
次いで、制御手段13は、利用者により操作された操作ボタン33の機能が、ステップS102で検出したモードに対して適切な機能であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0054】
例えば、検出されたモードが経路探索手段20による経路探索モードの目的地設定モードであり、所定の操作ボタン33を操作して利用者が目的地を決定すべきところ、誤って、楽曲を再生、あるいは、巻き戻すための操作ボタン33が操作された場合、制御手段13は、不適切な機能の操作ボタン33が操作されたものと判定する。また、検出されたモードが楽曲再生手段22による楽曲再生モードであり、楽曲の再生中に、誤って、動画再生手段21による動画停止の操作ボタン33が操作された場合、制御手段13は、不適切な機能の操作ボタン33が操作されたものと判定する。
【0055】
その他、楽曲再生モードのミュート機能が選択されている状態において、再度ミュート機能の操作ボタン33が操作された場合、早送り中に、再生及び巻き戻し以外の操作ボタン33が操作された場合、巻き戻し中に、再生及び早送り以外の操作ボタン33が操作された場合、再生中に、再度再生の操作ボタン33が操作された場合等、検出されたモードから推測して、利用者が選択する可能性の少ない操作ボタン33が操作された場合、モード判定手段18は、不適切な機能の操作ボタン33が操作されたものと判定する。
【0056】
なお、判定は、例えば、モード検出手段18により検出されたモードと、操作ボタン33との対応関係を規定したテーブルを情報記憶手段23に記憶させておき、このテーブルを引用して判定を行うようにすることができる。
【0057】
不適切な操作ボタン33が操作されたと判定されたとき(ステップS103、NO)、制御手段13は、機能報知処理手段26を制御して、利用者が操作した操作ボタン33の機能の報知処理を行う(ステップS104)。すなわち、機能報知処理手段26は、利用者が操作した操作ボタン33に対応する機能選択信号に基づき、選択された当該機能を説明するためのテキストデータ、音声データ、又は、画像データ等の説明情報を情報記憶手段23から読み出し、出力手段27を介して当該機能を説明する報知処理を行う。
【0058】
例えば、利用者が操作した操作ボタン33が楽曲再生手段22の楽曲を再生する機能を選択するものである場合、「楽曲を再生しますか?」といった音声案内や、楽曲再生モードが選択されたことを示す画像表示を行うことができる。
【0059】
利用者は、報知された機能の説明に基づき、操作した操作ボタン33に割り当てられている機能が、自分の選択しようとした所望の機能であるか否かを判断することができる。この場合、例えば、経路探索モードが設定されており、操作ボタン33を操作して利用者が目的地を決定すべきところ、誤って、楽曲を再生するための操作ボタン33が操作された場合、利用者は、誤った機能の操作ボタン33が選択されたことを知ることができる。
【0060】
ステップS104において、誤った操作ボタン33が操作された可能性を示唆する報知がなされたにも関わらず、利用者が再度同じ操作ボタン33を操作した場合(ステップS105、YES)、計時手段19で計測した時間(操作ボタン33が操作されてから再度同じ操作ボタン33が操作されるまでの時間)が所定時間以内であるとき(ステップS106、NO)、利用者が意識的に当該操作ボタン33を操作したものと判断し、制御手段13は、例えば、楽曲再生手段22に対して楽曲を再生する機能の実行を指示させる。楽曲再生手段22は、制御手段13の指示に従って楽曲の再生を開始する(ステップS107)。
【0061】
また、ステップS101で操作ボタン33が操作され、ステップS105で再度同じ操作ボタン33が操作されるまでの時間が所定時間を経過しているとき(ステップS106、YES)、制御手段13は、機能報知処理手段26を制御し、選択された機能を確認するためのテキストデータ、音声データ、又は、画像データ等の確認情報を情報記憶手段23から読み出し、出力手段27を介して機能確認の報知処理を行う(ステップS108)。
【0062】
例えば、利用者が操作ボタン33を操作してから所定時間経過後に再度操作ボタン33が操作された場合、利用者による操作ボタン33の操作ミスが生じている可能性があるため、「押し間違えですか?」といった音声等による確認を行うことができる。この確認情報の出力により、利用者は、操作を継続するか、異なる操作を行うかを再考することができる。
【0063】
また、利用者が操作ボタン33を再度操作しない場合であって(ステップS105、NO)、ナビゲーション装置10の電源がOFFにされていれば、当然全ての処理が終了する(ステップS109、YES)。また、ナビゲーション装置10の電源がONであるときには、ステップS101からの処理が繰り返される(ステップS109、NO)。
【0064】
一方、利用者により操作された操作ボタン33の機能が、ステップS102で検出したモードに対する適切な機能であると判定された場合(ステップS103、YES)、利用者が操作した操作ボタン33の機能に関する説明情報を出力手段27から出力することなく、その機能を直ちに実行する(ステップS107)。
【0065】
以上、詳細に説明したように、本実施例のナビゲーション装置10及びリモートコントローラ11によれば、リモートコントローラ11を操作して所望の機能を実行させる際、利用者が操作した操作ボタン33に割り当てられている機能にかかる説明情報が出力されるため、その説明に基づいて、適切な機能が選択されたか否かを判断することができる。また、当該説明を確認した後、再度操作ボタン33が操作されるまでは、選択された機能が実行されることがないため、利用者は、所望の機能のみを確実に実行させることができる。
【0066】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0067】
例えば、本発明の多機能処理装置は、車両に搭載されたナビゲーション装置10に限られるものではなく、例えば、携帯電話やPDA等の携帯端末にも同様にして適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
10・・・ナビゲーション装置
11・・・リモートコントローラ
13、28・・・制御手段
14、29・・・CPU
17・・・現在位置検出手段
18・・・モード検出手段
19・・・計時手段
20・・・経路探索手段
21・・・動画再生手段
22・・・楽曲再生手段
23・・・情報記憶手段
24・・・赤外線信号受信手段
25・・・入力手段
26・・・機能報知処理手段
27・・・出力手段
32・・・赤外線信号発信手段
33・・・操作ボタン
34・・・ボタン識別手段
35・・・信号発信処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能から所望の機能を選択して処理する多機能処理装置において、
異なる機能が割り当てられ、所望の機能を選択するために操作される複数の操作手段と、
操作された前記操作手段の機能が、設定されているモードに対して適切であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により不適切と判定されたとき、操作された前記操作手段に割り当てられた機能の説明情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする多機能処理装置。
【請求項2】
前記判定手段により適切と判定されたとき、操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行する機能実行手段を、更に備えることを特徴とする請求項1記載の多機能処理装置。
【請求項3】
前記機能実行手段は、前記判定手段により不適切と判定され、且つ、再度同じ前記操作手段が操作されたとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行することを特徴とする請求項2記載の多機能処理装置。
【請求項4】
前記操作手段が操作されてから同じ前記操作手段が再度操作されるまでの時間を計測する計時手段を備え、前記機能実行手段は、前記時間が所定時間以内のとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能を実行することを特徴とする請求項2又は3記載の多機能処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記所定時間が経過した後、同じ前記操作手段が再度操作されたとき、再度操作された前記操作手段に割り当てられた機能の確認情報を出力することを特徴とする請求項4記載の多機能処理装置。
【請求項6】
前記操作手段は、前記機能実行手段を選択するための機能選択信号を出力するリモートコントローラを構成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多機能処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−164054(P2011−164054A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30055(P2010−30055)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】