多相交流車両モータ
【課題】同じ全体的な物理的寸法を有する公知の多相交流車両推進モータよりも実質上大きなトルクを発生させることができる多相交流車両推進モータを提供すること。
【解決手段】1つまたは複数のディスク・ロータ・アセンブリと複数対のステータ・サブ・アセンブリを有する多相交流車両モータ。各ディスク・ロータ・アセンブリは、ディスクと、ロータの周縁部の内側のディスク内の1つまたは複数の円形の経路に沿って分散された複数の永久磁石とを有する。各ステータ・サブ・アセンブリは、対応する円形の経路で装着プレートに沿って分散された、対応する数の極部片とコイルを備える。ディスクは支持部材に回転自在に装着されているが、ステータ・サブ・アセンブリは支持部材に固定されている。
【解決手段】1つまたは複数のディスク・ロータ・アセンブリと複数対のステータ・サブ・アセンブリを有する多相交流車両モータ。各ディスク・ロータ・アセンブリは、ディスクと、ロータの周縁部の内側のディスク内の1つまたは複数の円形の経路に沿って分散された複数の永久磁石とを有する。各ステータ・サブ・アセンブリは、対応する円形の経路で装着プレートに沿って分散された、対応する数の極部片とコイルを備える。ディスクは支持部材に回転自在に装着されているが、ステータ・サブ・アセンブリは支持部材に固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の推進のために使用される多相交流モータに関する。より具体的には、本発明は、コンパクトなデザインで改良されたトルクを有する多相交流車両推進モータに関する。
【背景技術】
【0002】
多相交流車両推進モータは公知であり、自転車、オートバイ、自動車、小型トラックなどの多種多様なタイプの車両の推進のために使用されてきた。典型的なモータ設計はロータとステータである。ロータは、車両の車輪に一緒に回転するように取り付けられており、かつ複数の永久磁石を所定の磁気方向に向けてロータの円周の周りに装着している。ステータは、車両フレームに固定して装着され、かつロータの永久磁石に極めて接近して分配された複数の電磁石を備えている。電磁石のコイルが、通常三相交流またはY字構成で多相交流駆動回路と結合されている。駆動回路のための電力は、鉛酸蓄電池などの直流電源とその電池からの直流電力を交流電力に変換するための直流交流変換器回路とによって供給される。手動操作可能な制御回路によって交流駆動回路の周波数を変化させることができ、電磁石によって作成される磁場を交番させ、かつ回転させることによって様々な回転速度でロータを駆動することができる。公知の多相交流車両推進モータの例が、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,100,615号、第6,276,475号、第6,617,746号、さらに米国特許出願公開第US 2002/0135220 A1号に示されている。
【0003】
いくつかの公知の多相交流車両推進モータは、中空の円筒形のステータとステータ内に配置された環状のロータを使用している。他のモータは、中実の円筒形の内側ステータと外側環状ロータを使用している。両方のデザイン・タイプは、ステータ・コイルによって作成された変動する磁場と強く相互作用させるために、ロータの永久磁石がステータの円周(第1のタイプでの外側円周、または第2のタイプでの内側円周のいずれか)に沿って配置されなければならないという欠点がある。したがって、所与の組の物理的寸法に対して、ロータに装着される永久磁石の数とモータによって作成されるトルクは、ロータの円周面上で使用可能な表面空間の量に制限される。このことは、公知の多相交流車両推進モータの性能を過度に制限する。
【特許文献1】米国特許第6,100,615号
【特許文献2】米国特許第6,276,475号
【特許文献3】米国特許第6,617,746号
【特許文献4】米国特許出願公開第US 2002/0135220 A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、公知のモータ・デザインでの上記で述べた制限をなくし、同じ全体的な物理的寸法を有する公知の多相交流車両推進モータよりも実質上大きなトルクを発生させることが可能な多相交流車両推進モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
最も広い意味では、本発明は、周縁部とその周縁部の内側に配置されている本質的に円形の経路に沿って分散されている複数の永久磁石とを有するロータ・ディスクと、前記ロータ・ディスクと隣接する関係で配置された一対のステータ・サブ・アセンブリとを備える多相交流車両モータである。前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれが、装着プレートと、本質的に円形の経路に沿って前記装着プレート上に分散された複数の極部片と、前記複数の極部片のうちの対応するものの周囲にそれぞれ配置された複数のコイルとを備える。
【0006】
複数の永久磁石が、前記ロータ・ディスク内の2つ以上の実質上円形の経路に沿って分散させられ、前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの中の前記複数の極部片とコイルが、前記複数の永久磁石に対応するように前記装着プレートに沿って分散されている。
【0007】
本発明は、一対のステータ・サブ・アセンブリを備える単一のロータ・ディスクとして、および横方向に互いに離隔された複数のロータ・ディスクと複数対のステータ・サブ・アセンブリとして構成されることができる。
【0008】
車両モータが、車両モータのための支持部材上に好ましくは装着され、少なくとも1つのベアリング要素が、ロータ・ディスクを支持部材上で回転自在に支持するために設けられている。各装着プレートが、前記支持部材上での前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの回転を防止するために前記支持部材に固定されている。
【0009】
本発明は、一対の横方向に離隔された端壁と、前記ロータ・ディスクと前記ステータ・サブ・アセンブリを包囲するために前記端壁の間に延びる包囲壁とを有するモータ包囲部を好ましくはさらに備え、前記ロータ・ディスクが前記包囲部に取り付けられている。前記モータ包囲部の端壁が、前記モータ密封部が前記ロータ・ディスクとともに回転するように複数のベアリング要素によって前記支持部材上で回転自在に支持されている。
【0010】
本発明は、自動車、自転車、オートバイなどの様々な車両への広範囲の適用例を有する。本発明の教示に従って製造されたディスク・モータ・アセンブリは、所与のサイズのモータ・ハウジング内に装着される磁気構成要素の数が実質上多いため、従来型のモータよりも実質上大きなトルクを所与のサイズのモータに対して発生させることが可能である。また、本発明は、多相交流モータを、同じトルク出力を提供しながら、このタイプの従来型のモータよりもずっと小さなサイズに製造することができる。また、本発明の設計は、従来型の多相交流推進モータよりもかなり単純である。さらに、本発明は、円経路当たりの磁気要素の数を変化させること、円経路の数を変化させること、モータ・ハウジング内に組み込まれるディスク・ロータ・アセンブリとステータ・アセンブリの数を変化させることによって、任意の与えられた用途の推進の必要性に適合するように容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の性質と利点をさらに完全に理解するために、添付の図面とともに行われる次の詳細な説明を参照されたい。
【0012】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の第1の実施形態の断面図である。この図面でみられるように、符号10で一般に示されているディスク・モータ・アセンブリは、ディスク・ロータ・アセンブリ20とステータ・アセンブリ30を備える。ディスク・ロータ・アセンブリ20は、標準的な低摩擦ベアリング22を用いて装着シャフト40に回転自在に装着された中央ディスク部材21を備える。シャフト40は、車両のフレームに(図示せず)固定され、ディスク・モータ・アセンブリ10の装着支持部として働く。シャフト40は、たとえば自動車のアクスル・スタブを備えてもよい。ディスク部材21の両面に複数の永久磁石25iが固定されている。ディスク部材21は、デルリン、ナイロン、アルミニウムまたはその他の比較的剛性の非磁性材料などの、非磁性材料から製造されている。永久磁石25iは、安全な接着剤(たとえばエポキシ樹脂接着剤)での接着接合、熱接合、溶接またはそれと等価なものなどのいくつかの公知の技術のいずれか1つを使用してディスク部材21の面に固定されている。
【0013】
ステータ・アセンブリ30は、2つの実質上同一なサブ・アセンブリ30L、30Rを備える。各サブ・アセンブリは、装着プレート32L、32R、複数の極部片34Li、34Ri、およびそれに対応する極部片34Li、34Riの外側円周の周囲にそれぞれ配置された複数のコイル35Li、25Riを備える。極部片34Li、34Riは、好ましくはシリコーン、鋼などの適切な磁気感受性の材料から製造され、強接着、溶接などのいずれかの適切な接合技術を使用してそれらの各装着プレート32L、32Rに固定される。装着プレート32L、32Rは、ステータ・アセンブリ30がシャフト上で移動しないようにシャフト40に固定して取り付けられる。
【0014】
図2、3で最もよくわかるように、永久磁石25iは、ディスク部材21の2つの主な対向表面の周囲に円形パターンで配置されている。図1〜5の実施形態では、永久磁石25iの2つの同心円の列が、ディスク部材21の各主面上に配置されている。ディスク部材21の1つの面上の各列内の永久磁石25iは、各列の隣接する磁石が、反対の極性の磁気方向を有するように物理的に配置されている。また互いに背中合わせにディスク部材21の両側に装着された磁石25iは、加算される極性の磁気方向を有する。さらに、ディスク部材21の同じ面上の異なる列の隣接する磁石25iもまた、反対の極性の磁気方向を有するように配置されている。たとえば、隣接する磁石25−12、25−1、25−2は、南(S)−北(N)−南(S)磁気方向を有する(図2参照)。ディスク部材21の両側に装着された磁石25−1と25−25は、加極性のN−S磁気方向を有する(図3参照)。ディスク部材21の外側の列の磁石25−1とディスク部材21の同じ側面上の内側の列の磁石25−13は、N−S磁気方向を有する。
【0015】
磁石25iに対するNまたはSのいずれかを標示された図2および3に示された磁気方向は、各磁石25iの外側面での磁場の極性を示している。例示のために、図3は、N方向を有する磁石25−1とS方向を有する磁石25−25を示している。磁石25−1に対して、Nは、磁石25−1の外側面が磁石のN極であり、一方磁石25−1のS極が、ディスク部材21の外側面に対向する内側面にあることを示している。同様に、磁石25−25に対して、Sは、磁石25−25の外側面が磁石のS極であり、一方磁石25−25のN極が、ディスク部材21の外側面の向かい側にある内側面にあることを示している。すなわち、これら2つの磁石は、磁気的に加算されるように配置されている。
【0016】
図4、5は、左側ステータ・サブ・アセンブリ30Lに対する極部片34Liとコイル35Liの物理的配置を示している。右側ステータ・サブ・アセンブリは、同一の物理的配置を有する。この図面でみられるように、極部片34Liは、ロータ・ディスク21上の磁石25iの分散に適合するように2つの同心円で装着プレート32Lの面上に分散されている。好ましい実施形態では、極部片34Liの数とコイル35Liの数は、ロータ・ディスク21の対向する側面上の磁石25iの数と等しい。右側ステータ・サブ・アセンブリ30Rの極部片34Riの数とコイル35Riの数についても同じことが言える。
【0017】
図4で最もよくみられるように、コイル35Liは、電気的接続の目的で3つのグループ、グループA,グループB、グループCに分類される。たとえば、外側円のコイル35L1、35L4、35L7、35L10はグループAコイルであり、コイル35L2、35L5、35L8、35L11はグループBコイルであり、コイル35L3、35L6、35L9、35L12はグループCコイルである。内側円では、コイル35L13、35L16、35L19および35L22はグループAコイルであり、コイル35L14、35L17、35L20、35L23はグループBコイルであり、コイル35L15、35L18、35L21、35L24はグループCコイルである。右側ステータ・サブ・アセンブリ30Rのコイル35Riも同様に分類される。
【0018】
図6は、コイル・グループとの三相電機接続部を示している。グループAのコイル35Li、35Riが、入力端子aとbの間に接続される。グループBのコイル35Li、35Riが、入力端子aとcの間に接続される。グループCのコイル35Li、35Riが、入力端子bとcの間に接続される。図6に示した三相モードで動作されるとき、ロータ・ディスクの角速度が、交流入力駆動電力の周波数を変更することによって変更される。このことは、当業者に公知の従来の回路で行うことができる。
【0019】
図7は、単一のロータ・ディスク21を使用しているハブ・ディスク・モータの断面図である。この図面でみられるように、ロータ・ディスク21が、一対の端部プレート51、52と、端部プレート51、52と接続された壁密封部53とを有するハウジング50に固定されている。ロータ・ディスク21が、低摩擦ベアリング22Cを用いて支持シャフト40と回転自在に結合されている。同様に、端部プレート51、52が、それぞれ低摩擦ベアリング22L、22Rを用いて支持シャフト40と回転自在に結合されている。ステータ装着プレート32L、32Rが、ステータ・サブ・アセンブリの回転を防止するためにシャフト40に堅固に固定されている。この実施形態では、追加の磁石25i、極部片34i、コイル35iが、第3の円経路に設けられている。このことは、上記で説明した2つの円経路の実施形態に追加のトルクを与える。
【0020】
図8は、3つのディスク・ロータ・アセンブリ20L、20C、20Rと、3つの対応するステータ・アセンブリ30L、30C、30Rを有する本発明の代替となる実施形態の断面図である。ディスク・ロータとステータ・アセンブリのそれぞれは、図1〜7を参照にして上記で説明したものと同一である。この実施形態は、モータに実質上追加のトルクを供給する。この実施形態では、端部プレート51、52が、低摩擦ベアリング22L、22Rを使用して支持シャフト40上に回転自在に装着され、ロータ・ディスク21L、21C、21Rが、低摩擦ベアリング22ML、22MC、22MRを使用して支持シャフト40上に回転自在に装着され、ステータ装着プレート32iのすべてが、ステータ・アセンブリ30iの回転を防止するためにシャフト40に堅固に固定されている。
【0021】
図9は、空気タイヤ60を有する自動車の車輪のための駆動モータとして使用するように構成された図7の実施形態の断面図である。この図面でみられるように、ディスク・モータ10は、タイヤ60と同軸に配置され、車輪に駆動力を供給する。壁包囲部53が、車輪のリムの一体部品を形成してもよい。別法として、壁包囲部が、同軸で車輪に取り付けられてもよい。
【0022】
図10は、図9と同様の断面図であるが、自転車およびオートバイで使用されるものなどのスポーク付き車輪61に対する本発明の適用例を示している。この図面にみられるように、車輪61は、リム63とディスク・モータ・ハウジング50と接続された複数の個別のスポーク62を有する。ディスク・モータ・アセンブリ10が車輪61に対して同心状に装着されており、車輪・ハブを形成してもよい。シャフト40がサイクルのフォークと接続されることができる。
【0023】
ロータ・ディスクの両側に配置された別個の永久磁石を設ける代わりに、ロータ・ディスクが磁気開口群を備えてもよく、ロータ・ディスクの厚さよりも厚い単一の磁石がそれぞれの開口内に設置され、磁石の各極面が、ロータ・ディスクの対向する両面から延びてもよい。図11は、この代替となる実施形態である。この図面でみられるように、修正されたロータ・ディスク21aは、その中に形成された複数の開口23iを有する。開口23iは、その中に設置される永久磁石と同一の幾何形状を有する。たとえば、図2に示された台形状の磁石25iに対して、開口23iは、それに対応する台形形状を有する。この実施形態では、磁石25iは、各磁石25iが、事前に選択された量だけディスク21aの面から外向きにでるように、ロータ・ディスク21aの厚さよりも厚い。この構成は、必要とされる個別の磁石の総数を実質上減少させ、磁石の位置合わせ手順を単純化することができる。
【0024】
ここでわかるように、本発明の教示に従って製造されたディスク・モータ・アセンブリは、所与のサイズのモータ・ハウジング内に装着されることができる磁気構成要素の数が実質上多いため、従来型のモータよりも実質上大きなトルクを所与のサイズのモータに対して発生させることが可能である。また、本発明は、同じトルク出力を提供しながら、このタイプの従来型のモータよりもずっと小さなサイズに多相交流モータを製造することができる。また、本発明の設計は、従来型の多相交流推進モータよりもかなり単純である。さらに、本発明は、円経路当たりの磁気要素の数を変化させること、円経路の数を変化させること、モータ・ハウジング内に組み込まれるディスク・ロータ・アセンブリとステータ・アセンブリの数を変化させることによって、任意の与えられた用途の推進の必要性に適合するように容易に調整することができる。このように、本発明は、自動車、トラック、自転車、オートバイを含むがそれに限定されない様々な車両に対する広い適用例を有する。
【0025】
本発明が特定の実施形態に対して説明されてきたが、様々な修正形態、代替となる構造およびそれと等価なものが、本発明の精神から逸脱することなく採用されてもよい。たとえば、図示され説明された実施形態は2つおよび3つの同心状の円形の磁気要素経路を使用しているが、1つのみの円経路または3つ以上の円経路を使用する他の構成を採用することができる。また、モータ・ハウジング内に組み込まれるディスク・ロータ・アセンブリとステータ・アセンブリの数は、必要に応じて3個を超えて拡張されてもよい。したがって、上記のことは本発明を限定するように解釈されるべきではなく、頭記の特許請求の範囲で定義される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態の断面図である。
【図2】図1の実施形態のロータ・ディスクの正面平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】図1の実施形態の2つのステータのうちの一方の正面平面図である。
【図5】図4の線5−5に沿った拡大断面図である。
【図6】ステータ・コイルとの交流電源接続部を示す簡単に書かれた図である。
【図7】本発明の代替となる実施形態の断面図である。
【図8】本発明の別の代替となる実施形態の断面図である。
【図9】自動車の車輪のために構成された図7の実施形態の略断面図である。
【図10】スポーク付き車輪とともに使用するために構成された図7の実施形態の略断面図である。
【図11】永久磁石のための代替となる装着構成を示す図3と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0027】
10 ディスク・モータ・アセンブリ、20、20L、20C、20R ディスク・ロータ・アセンブリ、21 中央ディスク部材、21L、21C、21R、21a ロータ・ディスク、22、22ML、22MC、22MR 低摩擦ベアリング、23i 開口
25i 永久磁石、30、30L、30C、30R ステータ・アセンブリ、32L、32R 装着プレート、 34Li、34Ri 極部片、35Li、35Ri コイル、40 装着シャフト、50 ハウジング、51、52 端部プレート、53 壁密封部、60 空気タイヤ、61 スポーク付き車輪、62 スポーク、63 リム
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の推進のために使用される多相交流モータに関する。より具体的には、本発明は、コンパクトなデザインで改良されたトルクを有する多相交流車両推進モータに関する。
【背景技術】
【0002】
多相交流車両推進モータは公知であり、自転車、オートバイ、自動車、小型トラックなどの多種多様なタイプの車両の推進のために使用されてきた。典型的なモータ設計はロータとステータである。ロータは、車両の車輪に一緒に回転するように取り付けられており、かつ複数の永久磁石を所定の磁気方向に向けてロータの円周の周りに装着している。ステータは、車両フレームに固定して装着され、かつロータの永久磁石に極めて接近して分配された複数の電磁石を備えている。電磁石のコイルが、通常三相交流またはY字構成で多相交流駆動回路と結合されている。駆動回路のための電力は、鉛酸蓄電池などの直流電源とその電池からの直流電力を交流電力に変換するための直流交流変換器回路とによって供給される。手動操作可能な制御回路によって交流駆動回路の周波数を変化させることができ、電磁石によって作成される磁場を交番させ、かつ回転させることによって様々な回転速度でロータを駆動することができる。公知の多相交流車両推進モータの例が、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,100,615号、第6,276,475号、第6,617,746号、さらに米国特許出願公開第US 2002/0135220 A1号に示されている。
【0003】
いくつかの公知の多相交流車両推進モータは、中空の円筒形のステータとステータ内に配置された環状のロータを使用している。他のモータは、中実の円筒形の内側ステータと外側環状ロータを使用している。両方のデザイン・タイプは、ステータ・コイルによって作成された変動する磁場と強く相互作用させるために、ロータの永久磁石がステータの円周(第1のタイプでの外側円周、または第2のタイプでの内側円周のいずれか)に沿って配置されなければならないという欠点がある。したがって、所与の組の物理的寸法に対して、ロータに装着される永久磁石の数とモータによって作成されるトルクは、ロータの円周面上で使用可能な表面空間の量に制限される。このことは、公知の多相交流車両推進モータの性能を過度に制限する。
【特許文献1】米国特許第6,100,615号
【特許文献2】米国特許第6,276,475号
【特許文献3】米国特許第6,617,746号
【特許文献4】米国特許出願公開第US 2002/0135220 A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、公知のモータ・デザインでの上記で述べた制限をなくし、同じ全体的な物理的寸法を有する公知の多相交流車両推進モータよりも実質上大きなトルクを発生させることが可能な多相交流車両推進モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
最も広い意味では、本発明は、周縁部とその周縁部の内側に配置されている本質的に円形の経路に沿って分散されている複数の永久磁石とを有するロータ・ディスクと、前記ロータ・ディスクと隣接する関係で配置された一対のステータ・サブ・アセンブリとを備える多相交流車両モータである。前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれが、装着プレートと、本質的に円形の経路に沿って前記装着プレート上に分散された複数の極部片と、前記複数の極部片のうちの対応するものの周囲にそれぞれ配置された複数のコイルとを備える。
【0006】
複数の永久磁石が、前記ロータ・ディスク内の2つ以上の実質上円形の経路に沿って分散させられ、前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの中の前記複数の極部片とコイルが、前記複数の永久磁石に対応するように前記装着プレートに沿って分散されている。
【0007】
本発明は、一対のステータ・サブ・アセンブリを備える単一のロータ・ディスクとして、および横方向に互いに離隔された複数のロータ・ディスクと複数対のステータ・サブ・アセンブリとして構成されることができる。
【0008】
車両モータが、車両モータのための支持部材上に好ましくは装着され、少なくとも1つのベアリング要素が、ロータ・ディスクを支持部材上で回転自在に支持するために設けられている。各装着プレートが、前記支持部材上での前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの回転を防止するために前記支持部材に固定されている。
【0009】
本発明は、一対の横方向に離隔された端壁と、前記ロータ・ディスクと前記ステータ・サブ・アセンブリを包囲するために前記端壁の間に延びる包囲壁とを有するモータ包囲部を好ましくはさらに備え、前記ロータ・ディスクが前記包囲部に取り付けられている。前記モータ包囲部の端壁が、前記モータ密封部が前記ロータ・ディスクとともに回転するように複数のベアリング要素によって前記支持部材上で回転自在に支持されている。
【0010】
本発明は、自動車、自転車、オートバイなどの様々な車両への広範囲の適用例を有する。本発明の教示に従って製造されたディスク・モータ・アセンブリは、所与のサイズのモータ・ハウジング内に装着される磁気構成要素の数が実質上多いため、従来型のモータよりも実質上大きなトルクを所与のサイズのモータに対して発生させることが可能である。また、本発明は、多相交流モータを、同じトルク出力を提供しながら、このタイプの従来型のモータよりもずっと小さなサイズに製造することができる。また、本発明の設計は、従来型の多相交流推進モータよりもかなり単純である。さらに、本発明は、円経路当たりの磁気要素の数を変化させること、円経路の数を変化させること、モータ・ハウジング内に組み込まれるディスク・ロータ・アセンブリとステータ・アセンブリの数を変化させることによって、任意の与えられた用途の推進の必要性に適合するように容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の性質と利点をさらに完全に理解するために、添付の図面とともに行われる次の詳細な説明を参照されたい。
【0012】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の第1の実施形態の断面図である。この図面でみられるように、符号10で一般に示されているディスク・モータ・アセンブリは、ディスク・ロータ・アセンブリ20とステータ・アセンブリ30を備える。ディスク・ロータ・アセンブリ20は、標準的な低摩擦ベアリング22を用いて装着シャフト40に回転自在に装着された中央ディスク部材21を備える。シャフト40は、車両のフレームに(図示せず)固定され、ディスク・モータ・アセンブリ10の装着支持部として働く。シャフト40は、たとえば自動車のアクスル・スタブを備えてもよい。ディスク部材21の両面に複数の永久磁石25iが固定されている。ディスク部材21は、デルリン、ナイロン、アルミニウムまたはその他の比較的剛性の非磁性材料などの、非磁性材料から製造されている。永久磁石25iは、安全な接着剤(たとえばエポキシ樹脂接着剤)での接着接合、熱接合、溶接またはそれと等価なものなどのいくつかの公知の技術のいずれか1つを使用してディスク部材21の面に固定されている。
【0013】
ステータ・アセンブリ30は、2つの実質上同一なサブ・アセンブリ30L、30Rを備える。各サブ・アセンブリは、装着プレート32L、32R、複数の極部片34Li、34Ri、およびそれに対応する極部片34Li、34Riの外側円周の周囲にそれぞれ配置された複数のコイル35Li、25Riを備える。極部片34Li、34Riは、好ましくはシリコーン、鋼などの適切な磁気感受性の材料から製造され、強接着、溶接などのいずれかの適切な接合技術を使用してそれらの各装着プレート32L、32Rに固定される。装着プレート32L、32Rは、ステータ・アセンブリ30がシャフト上で移動しないようにシャフト40に固定して取り付けられる。
【0014】
図2、3で最もよくわかるように、永久磁石25iは、ディスク部材21の2つの主な対向表面の周囲に円形パターンで配置されている。図1〜5の実施形態では、永久磁石25iの2つの同心円の列が、ディスク部材21の各主面上に配置されている。ディスク部材21の1つの面上の各列内の永久磁石25iは、各列の隣接する磁石が、反対の極性の磁気方向を有するように物理的に配置されている。また互いに背中合わせにディスク部材21の両側に装着された磁石25iは、加算される極性の磁気方向を有する。さらに、ディスク部材21の同じ面上の異なる列の隣接する磁石25iもまた、反対の極性の磁気方向を有するように配置されている。たとえば、隣接する磁石25−12、25−1、25−2は、南(S)−北(N)−南(S)磁気方向を有する(図2参照)。ディスク部材21の両側に装着された磁石25−1と25−25は、加極性のN−S磁気方向を有する(図3参照)。ディスク部材21の外側の列の磁石25−1とディスク部材21の同じ側面上の内側の列の磁石25−13は、N−S磁気方向を有する。
【0015】
磁石25iに対するNまたはSのいずれかを標示された図2および3に示された磁気方向は、各磁石25iの外側面での磁場の極性を示している。例示のために、図3は、N方向を有する磁石25−1とS方向を有する磁石25−25を示している。磁石25−1に対して、Nは、磁石25−1の外側面が磁石のN極であり、一方磁石25−1のS極が、ディスク部材21の外側面に対向する内側面にあることを示している。同様に、磁石25−25に対して、Sは、磁石25−25の外側面が磁石のS極であり、一方磁石25−25のN極が、ディスク部材21の外側面の向かい側にある内側面にあることを示している。すなわち、これら2つの磁石は、磁気的に加算されるように配置されている。
【0016】
図4、5は、左側ステータ・サブ・アセンブリ30Lに対する極部片34Liとコイル35Liの物理的配置を示している。右側ステータ・サブ・アセンブリは、同一の物理的配置を有する。この図面でみられるように、極部片34Liは、ロータ・ディスク21上の磁石25iの分散に適合するように2つの同心円で装着プレート32Lの面上に分散されている。好ましい実施形態では、極部片34Liの数とコイル35Liの数は、ロータ・ディスク21の対向する側面上の磁石25iの数と等しい。右側ステータ・サブ・アセンブリ30Rの極部片34Riの数とコイル35Riの数についても同じことが言える。
【0017】
図4で最もよくみられるように、コイル35Liは、電気的接続の目的で3つのグループ、グループA,グループB、グループCに分類される。たとえば、外側円のコイル35L1、35L4、35L7、35L10はグループAコイルであり、コイル35L2、35L5、35L8、35L11はグループBコイルであり、コイル35L3、35L6、35L9、35L12はグループCコイルである。内側円では、コイル35L13、35L16、35L19および35L22はグループAコイルであり、コイル35L14、35L17、35L20、35L23はグループBコイルであり、コイル35L15、35L18、35L21、35L24はグループCコイルである。右側ステータ・サブ・アセンブリ30Rのコイル35Riも同様に分類される。
【0018】
図6は、コイル・グループとの三相電機接続部を示している。グループAのコイル35Li、35Riが、入力端子aとbの間に接続される。グループBのコイル35Li、35Riが、入力端子aとcの間に接続される。グループCのコイル35Li、35Riが、入力端子bとcの間に接続される。図6に示した三相モードで動作されるとき、ロータ・ディスクの角速度が、交流入力駆動電力の周波数を変更することによって変更される。このことは、当業者に公知の従来の回路で行うことができる。
【0019】
図7は、単一のロータ・ディスク21を使用しているハブ・ディスク・モータの断面図である。この図面でみられるように、ロータ・ディスク21が、一対の端部プレート51、52と、端部プレート51、52と接続された壁密封部53とを有するハウジング50に固定されている。ロータ・ディスク21が、低摩擦ベアリング22Cを用いて支持シャフト40と回転自在に結合されている。同様に、端部プレート51、52が、それぞれ低摩擦ベアリング22L、22Rを用いて支持シャフト40と回転自在に結合されている。ステータ装着プレート32L、32Rが、ステータ・サブ・アセンブリの回転を防止するためにシャフト40に堅固に固定されている。この実施形態では、追加の磁石25i、極部片34i、コイル35iが、第3の円経路に設けられている。このことは、上記で説明した2つの円経路の実施形態に追加のトルクを与える。
【0020】
図8は、3つのディスク・ロータ・アセンブリ20L、20C、20Rと、3つの対応するステータ・アセンブリ30L、30C、30Rを有する本発明の代替となる実施形態の断面図である。ディスク・ロータとステータ・アセンブリのそれぞれは、図1〜7を参照にして上記で説明したものと同一である。この実施形態は、モータに実質上追加のトルクを供給する。この実施形態では、端部プレート51、52が、低摩擦ベアリング22L、22Rを使用して支持シャフト40上に回転自在に装着され、ロータ・ディスク21L、21C、21Rが、低摩擦ベアリング22ML、22MC、22MRを使用して支持シャフト40上に回転自在に装着され、ステータ装着プレート32iのすべてが、ステータ・アセンブリ30iの回転を防止するためにシャフト40に堅固に固定されている。
【0021】
図9は、空気タイヤ60を有する自動車の車輪のための駆動モータとして使用するように構成された図7の実施形態の断面図である。この図面でみられるように、ディスク・モータ10は、タイヤ60と同軸に配置され、車輪に駆動力を供給する。壁包囲部53が、車輪のリムの一体部品を形成してもよい。別法として、壁包囲部が、同軸で車輪に取り付けられてもよい。
【0022】
図10は、図9と同様の断面図であるが、自転車およびオートバイで使用されるものなどのスポーク付き車輪61に対する本発明の適用例を示している。この図面にみられるように、車輪61は、リム63とディスク・モータ・ハウジング50と接続された複数の個別のスポーク62を有する。ディスク・モータ・アセンブリ10が車輪61に対して同心状に装着されており、車輪・ハブを形成してもよい。シャフト40がサイクルのフォークと接続されることができる。
【0023】
ロータ・ディスクの両側に配置された別個の永久磁石を設ける代わりに、ロータ・ディスクが磁気開口群を備えてもよく、ロータ・ディスクの厚さよりも厚い単一の磁石がそれぞれの開口内に設置され、磁石の各極面が、ロータ・ディスクの対向する両面から延びてもよい。図11は、この代替となる実施形態である。この図面でみられるように、修正されたロータ・ディスク21aは、その中に形成された複数の開口23iを有する。開口23iは、その中に設置される永久磁石と同一の幾何形状を有する。たとえば、図2に示された台形状の磁石25iに対して、開口23iは、それに対応する台形形状を有する。この実施形態では、磁石25iは、各磁石25iが、事前に選択された量だけディスク21aの面から外向きにでるように、ロータ・ディスク21aの厚さよりも厚い。この構成は、必要とされる個別の磁石の総数を実質上減少させ、磁石の位置合わせ手順を単純化することができる。
【0024】
ここでわかるように、本発明の教示に従って製造されたディスク・モータ・アセンブリは、所与のサイズのモータ・ハウジング内に装着されることができる磁気構成要素の数が実質上多いため、従来型のモータよりも実質上大きなトルクを所与のサイズのモータに対して発生させることが可能である。また、本発明は、同じトルク出力を提供しながら、このタイプの従来型のモータよりもずっと小さなサイズに多相交流モータを製造することができる。また、本発明の設計は、従来型の多相交流推進モータよりもかなり単純である。さらに、本発明は、円経路当たりの磁気要素の数を変化させること、円経路の数を変化させること、モータ・ハウジング内に組み込まれるディスク・ロータ・アセンブリとステータ・アセンブリの数を変化させることによって、任意の与えられた用途の推進の必要性に適合するように容易に調整することができる。このように、本発明は、自動車、トラック、自転車、オートバイを含むがそれに限定されない様々な車両に対する広い適用例を有する。
【0025】
本発明が特定の実施形態に対して説明されてきたが、様々な修正形態、代替となる構造およびそれと等価なものが、本発明の精神から逸脱することなく採用されてもよい。たとえば、図示され説明された実施形態は2つおよび3つの同心状の円形の磁気要素経路を使用しているが、1つのみの円経路または3つ以上の円経路を使用する他の構成を採用することができる。また、モータ・ハウジング内に組み込まれるディスク・ロータ・アセンブリとステータ・アセンブリの数は、必要に応じて3個を超えて拡張されてもよい。したがって、上記のことは本発明を限定するように解釈されるべきではなく、頭記の特許請求の範囲で定義される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態の断面図である。
【図2】図1の実施形態のロータ・ディスクの正面平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】図1の実施形態の2つのステータのうちの一方の正面平面図である。
【図5】図4の線5−5に沿った拡大断面図である。
【図6】ステータ・コイルとの交流電源接続部を示す簡単に書かれた図である。
【図7】本発明の代替となる実施形態の断面図である。
【図8】本発明の別の代替となる実施形態の断面図である。
【図9】自動車の車輪のために構成された図7の実施形態の略断面図である。
【図10】スポーク付き車輪とともに使用するために構成された図7の実施形態の略断面図である。
【図11】永久磁石のための代替となる装着構成を示す図3と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0027】
10 ディスク・モータ・アセンブリ、20、20L、20C、20R ディスク・ロータ・アセンブリ、21 中央ディスク部材、21L、21C、21R、21a ロータ・ディスク、22、22ML、22MC、22MR 低摩擦ベアリング、23i 開口
25i 永久磁石、30、30L、30C、30R ステータ・アセンブリ、32L、32R 装着プレート、 34Li、34Ri 極部片、35Li、35Ri コイル、40 装着シャフト、50 ハウジング、51、52 端部プレート、53 壁密封部、60 空気タイヤ、61 スポーク付き車輪、62 スポーク、63 リム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁部と、その周縁部の内側に配置されている本質的に円形の経路に沿って分散された複数の永久磁石を有するロータ・ディスクと、
前記ロータ・ディスクと隣接する関係で配置された一対のステータ・サブ・アセンブリとを備え、前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれが、装着プレートと、本質的に円形の経路に沿って前記装着プレート上に分散された複数の極部片と、前記複数の極部片のうちの対応するものの周囲にそれぞれ配置された複数のコイルと
を備える多相交流車両モータ。
【請求項2】
前記本質的に円形の経路に沿って隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項3】
前記ロータ・ディスクが表面を有し、前記永久磁石が前記表面に接着されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項4】
前記ディスクが、それに形成した複数の通し開口を有し、前記永久磁石が、前記複数の通し開口のうちの対応するものに装着されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項5】
前記複数の永久磁石が、前記ロータ・ディスク内の少なくとも2つの実質上円形の経路に沿って分散され、前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの中の前記複数の極部片とコイルが、前記複数の永久磁石に対応するように前記装着プレートに沿って分散されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項6】
前記少なくとも2つの実質上円形の経路のそれぞれに沿った隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置され、隣接する経路内の隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置されている請求項5に記載の多相交流車両モータ。
【請求項7】
前記ロータ・ディスクが表面を有し、前記永久磁石が前記表面に接着されている請求項5に記載の多相交流車両モータ。
【請求項8】
前記ディスクが、それに形成された複数の通し開口を有し、前記永久磁石が、前記複数の通し開口のうちのそれに対応するものに装着されている請求項5に記載の多相交流車両モータ。
【請求項9】
前記ロータ・ディスクが、第1と第2の面を有し、前記複数の永久磁石の第1の準複数物が、前記第1の面の本質的に円形の経路に沿って分散され、前記複数の永久磁石の第2の準複数物が、前記第2の面の本質的に円形の経路に沿って分散されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項10】
前記第1の準複数物が前記第2の準複数物内の磁石と位置合わせされ、前記面のそれぞれの上の前記本質的に円形の経路に沿って隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置され、前記第1と第2の準複数物内の位置合わせされた磁石が、追加の磁極を有して配置されている請求項9に記載の多相交流車両モータ。
【請求項11】
前記永久磁石が前記第1と第2の面に接着されている請求項9に記載の多相交流車両モータ。
【請求項12】
前記ディスクが、その中に形成された複数の通し開口を有し、前記永久磁石が、前記複数の通し開口のうちのそれに対応するものに装着されている請求項9に記載の多相交流車両モータ。
【請求項13】
複数のロータ・ディスクと横方向に互いに離隔された複数対のステータ・サブ・アセンブリをさらに備える請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項14】
前記車両モータのための支持部材と、前記支持部材上で前記ロータ・ディスクを回転自在に支持するための少なくとも1つのベアリング要素とをさらに備え、前記各装着プレートが、前記支持部材上での前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの回転を防止するために前記支持部材に固定されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項15】
一対の横方向に離隔された端壁と、前記ロータ・ディスクと前記ステータ・サブ・アセンブリを包囲するために前記端壁の間に延びる包囲壁とを有するモータ包囲部をさらに備え、前記ロータ・ディスクが前記包囲部に取り付けられている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項16】
前記車両モータのための支持部材と、前記支持部材上で前記ロータ・ディスクと前記端壁を回転自在に支持するための複数のベアリング要素とをさらに備え、前記各装着プレートが、前記支持部材上での前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの回転を防止するために前記支持部材に固定されている請求項15に記載の多相交流車両モータ。
【請求項17】
前記モータが車両の車輪に取り付けられている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項18】
前記車両が自動車である請求項17に記載の多相交流車両モータ。
【請求項19】
前記車両が自転車である請求項17に記載の多相交流車両モータ。
【請求項20】
前記車両がオートバイである請求項17に記載の多相交流車両モータ。
【請求項1】
周縁部と、その周縁部の内側に配置されている本質的に円形の経路に沿って分散された複数の永久磁石を有するロータ・ディスクと、
前記ロータ・ディスクと隣接する関係で配置された一対のステータ・サブ・アセンブリとを備え、前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれが、装着プレートと、本質的に円形の経路に沿って前記装着プレート上に分散された複数の極部片と、前記複数の極部片のうちの対応するものの周囲にそれぞれ配置された複数のコイルと
を備える多相交流車両モータ。
【請求項2】
前記本質的に円形の経路に沿って隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項3】
前記ロータ・ディスクが表面を有し、前記永久磁石が前記表面に接着されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項4】
前記ディスクが、それに形成した複数の通し開口を有し、前記永久磁石が、前記複数の通し開口のうちの対応するものに装着されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項5】
前記複数の永久磁石が、前記ロータ・ディスク内の少なくとも2つの実質上円形の経路に沿って分散され、前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの中の前記複数の極部片とコイルが、前記複数の永久磁石に対応するように前記装着プレートに沿って分散されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項6】
前記少なくとも2つの実質上円形の経路のそれぞれに沿った隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置され、隣接する経路内の隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置されている請求項5に記載の多相交流車両モータ。
【請求項7】
前記ロータ・ディスクが表面を有し、前記永久磁石が前記表面に接着されている請求項5に記載の多相交流車両モータ。
【請求項8】
前記ディスクが、それに形成された複数の通し開口を有し、前記永久磁石が、前記複数の通し開口のうちのそれに対応するものに装着されている請求項5に記載の多相交流車両モータ。
【請求項9】
前記ロータ・ディスクが、第1と第2の面を有し、前記複数の永久磁石の第1の準複数物が、前記第1の面の本質的に円形の経路に沿って分散され、前記複数の永久磁石の第2の準複数物が、前記第2の面の本質的に円形の経路に沿って分散されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項10】
前記第1の準複数物が前記第2の準複数物内の磁石と位置合わせされ、前記面のそれぞれの上の前記本質的に円形の経路に沿って隣接する磁石が、反対の磁極を有して配置され、前記第1と第2の準複数物内の位置合わせされた磁石が、追加の磁極を有して配置されている請求項9に記載の多相交流車両モータ。
【請求項11】
前記永久磁石が前記第1と第2の面に接着されている請求項9に記載の多相交流車両モータ。
【請求項12】
前記ディスクが、その中に形成された複数の通し開口を有し、前記永久磁石が、前記複数の通し開口のうちのそれに対応するものに装着されている請求項9に記載の多相交流車両モータ。
【請求項13】
複数のロータ・ディスクと横方向に互いに離隔された複数対のステータ・サブ・アセンブリをさらに備える請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項14】
前記車両モータのための支持部材と、前記支持部材上で前記ロータ・ディスクを回転自在に支持するための少なくとも1つのベアリング要素とをさらに備え、前記各装着プレートが、前記支持部材上での前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの回転を防止するために前記支持部材に固定されている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項15】
一対の横方向に離隔された端壁と、前記ロータ・ディスクと前記ステータ・サブ・アセンブリを包囲するために前記端壁の間に延びる包囲壁とを有するモータ包囲部をさらに備え、前記ロータ・ディスクが前記包囲部に取り付けられている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項16】
前記車両モータのための支持部材と、前記支持部材上で前記ロータ・ディスクと前記端壁を回転自在に支持するための複数のベアリング要素とをさらに備え、前記各装着プレートが、前記支持部材上での前記ステータ・サブ・アセンブリのそれぞれの回転を防止するために前記支持部材に固定されている請求項15に記載の多相交流車両モータ。
【請求項17】
前記モータが車両の車輪に取り付けられている請求項1に記載の多相交流車両モータ。
【請求項18】
前記車両が自動車である請求項17に記載の多相交流車両モータ。
【請求項19】
前記車両が自転車である請求項17に記載の多相交流車両モータ。
【請求項20】
前記車両がオートバイである請求項17に記載の多相交流車両モータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−135315(P2007−135315A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326354(P2005−326354)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(505418814)シリコン・バレイ・マイクロ・エム・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(505418814)シリコン・バレイ・マイクロ・エム・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]