説明

多結晶シリコン層の製造方法、薄膜トランジスタ、それを含む有機電界発光表示装置及びその製造方法

【課題】多結晶シリコン層の製造方法、薄膜トランジスタ、それを含む有機電界発光表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、基板100を提供する工程と、上記基板100上にバッファ層110を形成する工程と、上記バッファ層110上に金属触媒層115を形成する工程と、上記金属触媒層115の金属触媒をバッファ層110に拡散する工程と、上記金属触媒層115を除去する工程と、上記バッファ層110上に非晶質シリコン層120Aを形成する工程と、上記基板100を熱処理して上記非晶質シリコン層120Aを多結晶シリコン層に結晶化する工程とを含むことを特徴とする多結晶シリコン層の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコン層の製造方法、それを用いた薄膜トランジスタ、それを含む有機電界発光表示装置及びその製造方法に関する。特に、バッファ層内に金属触媒を拡散した後にバッファ層内の金属触媒を用いて非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する製造方法を提供し、その後に、半導体層として用いる場合に残留金属触媒が減少されて、特性が向上する薄膜トランジスタ、それを含む有機電界発光表示装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、多結晶シリコン層は、高い電界効果移動度とともに高速動作回路に適用でき、また、CMOS回路の構成が可能であるという長所から薄膜トランジスタ用の半導体層の用途として多く用いられる。このような多結晶シリコン層を用いた薄膜トランジスタは、主にアクティブマトリクス液晶ディスプレイ装置(AMLCD)の能動素子と有機電界発光素子(OLED)のスイッチング素子及び駆動素子とに用いられる。
【0003】
上記非晶質シリコンを多結晶シリコンに結晶化する方法としては、固相結晶化法(SPC:Solid Phase Crystallization)、エキシマレーザ結晶化法(Excimer Laser Crystallization)、金属誘導結晶化法(MIC:Metal Induced Crystallization)、金属誘導側面結晶化法(MILC:Metal Induced Lateral Crystallization)などがある。
【0004】
金属を用いて非晶質シリコン層を結晶化する方法は、固相結晶化よりも低い温度で、短時間に結晶化することができる長所を有するため、近年盛んに研究されている。金属を用いた結晶化方法には、金属誘導結晶化法と金属誘導側面結晶化法、SGS結晶化(Super Grain Silicon Crystallization)法などがある。しかし、金属触媒を用いる上記方法の場合、金属触媒による汚染で薄膜トランジスタの素子特性が低下するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、金属触媒を用いて結晶化された半導体層において、半導体層に残留する金属触媒量を減少することができる多結晶シリコン層の製造方法と、電気的特性が向上した薄膜トランジスタ及びその製造方法と、有機電界発光表示装置及びその製造方法と、を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多結晶シリコン層の製造方法、薄膜トランジスタ、それを含む有機電界発光表示装置及びその製造方法に関し、より詳しくは、基板を提供する工程と、上記基板上にバッファ層を形成する工程と、上記バッファ層上に金属触媒層を形成する工程と、上記金属触媒層の金属触媒をバッファ層に拡散する工程と、上記金属触媒層を除去する工程と、上記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する工程と、上記基板を熱処理して上記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する工程とを含むことを特徴とする多結晶シリコン層の製造方法を提供する。
【0007】
そして、基板と、上記基板上に位置するバッファ層と、上記バッファ層上に位置する半導体層と、上記半導体層を含む基板上に位置するゲート絶縁膜と、上記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極と、上記半導体層に電気的に接続するソース/ドレイン電極とを含み、上記バッファ層と上記半導体層とが接触する界面に金属シリサイドを含むことを特徴とする薄膜トランジスタ及びその製造方法に関し、上記薄膜トランジスタを含む有機電界発光表示装置及びその製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッファ層内に金属触媒を拡散させた後、バッファ層内の金属触媒により非晶質シリコン層の界面に金属シリサイドを形成して結晶化を行うことによって、非晶質シリコン層内の金属触媒及び金属シリサイドの量を最小化することで、半導体層の特性を向上させ、特性が向上した薄膜トランジスタ及びそれを含む有機電界発光表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明に係る多結晶シリコン層の製造方法に関する図である。
【図1B】図1Aに後続する図である。
【図1C】図1Bに後続する図である。
【図1D】図1Cに後続する図である。
【図1E】従来の金属触媒による多結晶シリコン層のシード群領域の写真である。
【図1F】本発明に係る多結晶シリコン層のシード群領域の写真である。
【図1G】本発明に係る多結晶シリコン層のセコエッチング写真である。
【図1H】従来の金属触媒による多結晶シリコン層のセコエッチング写真である。
【図1I】本発明に係る多結晶シリコン層とシードの位置を示すEDS分析結果のグラフである。
【図1J】従来の金属触媒による多結晶シリコン層とシードの位置を示すEDS分析結果のグラフである。
【図2A】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタを示す図である。
【図2B】図2Aに後続する図である。
【図2C】図2Bに後続する図である。
【図2D】図2Cに後続する図である。
【図2E】図2Dに後続する図である。
【図3A】本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタを示す図である。
【図3B】図3Aに後続する図である。
【図4A】本発明の第4実施形態による薄膜トランジスタを示す図である。
【図4B】図4Aに後続する図である。
【図4C】図4Bに後続する図である。
【図5A】本発明の第5実施形態による有機電界発光表示装置を示す図である。
【図5B】図5Aに後続する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をより詳しく説明するために本発明の好適な実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、本発明はここで説明される実施形態に限定されず、他の形態によって具体化されることができる。
【0011】
<第1の実施形態>
図1Aないし図1Dは、本発明の一実施形態による結晶化工程の断面図である。
【0012】
まず、図1Aに示すように、ガラスまたはプラスチックのような基板100上にバッファ層110を形成する。上記バッファ層110は、化学的気相蒸着(Chemical Vapor Deposition)法または物理的気相蒸着(Physical Vapor Deposition)法を用いてシリコン酸化膜、シリコン窒化膜のような絶縁膜を用いて単層またはそれらの複数層に形成される。好ましくは、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との複数層構造にバッファ層を形成し、基板から発生する不純物の拡散を防止するために、下層はシリコン窒化膜で形成し、上層は金属触媒を拡散させるバッファ層として、その後蒸着される非晶質シリコンとの接着特性を考慮してシリコン酸化膜で形成する。
【0013】
このとき、上記バッファ層110は、上記基板100から発生する水分または不純物の拡散を防止するか、その後熱処理でバッファ層内に拡散された金属触媒をシリコン層の結晶化の際に供給することで、金属シリサイドを形成してシリコン層の結晶化が行われるように機能する。
【0014】
このようなバッファ層110は10〜5000Åで形成されるが、5000Å以上の場合は、結晶化熱処理時に基板の曲げ及び収縮等が生じ、10Å未満の場合には上記バッファ層内に存在する金属触媒量が少なくなるので、その後に形成される非晶質シリコン層に拡散される量も少なくなって多結晶シリコン層を結晶化することが困難である。
【0015】
そして、図1Bに示すように、上記バッファ層110上部に金属触媒を蒸着して金属触媒層115を形成する。このとき、上記金属触媒は、Ni、Pd、Ag、Au、Al、Sn、Sb、Cu、Tr、及びCdからなる群より選択されるいずれか1つを用いることができるが、好ましくはニッケルNiを用いる。このとき、上記金属触媒層115は、上記バッファ層110上に1011〜1015atoms/cmの面密度に形成されるが、上記金属触媒が1011atoms/cmの面密度よりも少なく形成された場合には、結晶化の核であるシード量が少なくなるので、上記非晶質シリコン層がSGS法による多結晶シリコン層に結晶化することが困難であり、上記金属触媒が1015atoms/cmの面密度よりも多く形成された場合には、非晶質シリコン層に拡散する金属触媒量が多くなるので、残留金属触媒量が多くなって上記多結晶シリコン層をパターニングして形成される半導体層の特性が低下することになる。
【0016】
その後、上記基板100を熱処理10して上記金属触媒層115の金属触媒を上記バッファ層110に拡散させた後、上記金属触媒層115を除去する。
【0017】
このとき、上記熱処理10工程は、200〜900℃の温度範囲で数秒ないし数時間行って上記金属触媒Aを拡散させることになるが、上記温度と時間で行った場合に、過多な熱処理工程による基板の変形などを防止することができ、製造コスト及び収率の面からも好ましい。上記熱処理150工程は、炉(furnace)工程、RTA(Rapid Thermal Annealing)工程、UV工程またはレーザ(Laser)工程のうちのいずれか1つの工程を用いることができる。
【0018】
続いて、図1Cに示すように、金属触媒A’を含む上記バッファ層110上に非晶質シリコン層120Aを形成する。その後、上記基板100を熱処理すると上記バッファ層110内に残留する金属触媒115aによって上記非晶質シリコン層120Aが多結晶シリコン層120に結晶化される。すなわち、上記バッファ層内部に拡散した金属触媒115aが非晶質シリコン層のシリコンと結合して金属シリサイドを形成し、上記金属シリサイドが結晶化の核であるシード(seed)を形成することで、上記シードから結晶が成長して非晶質シリコン層が多結晶シリコン層に結晶化することになる。
【0019】
このとき、上記非晶質シリコン層120Aを形成する前に、上記バッファ層110上に、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはこれらの二重層の絶縁膜を形成することができる。このように上記絶縁膜を形成すると、非晶質シリコン層120Aに拡散する金属触媒の量を調節することができるので、結晶の大きさをさらに大きくでき、半導体層内の金属触媒量も少なくすることができる。
【0020】
そして、上記では、非晶質シリコン層の熱処理前に金属触媒層を除去し、その後結晶化を行っているが、金属触媒層を除去せず結晶化を行うこともできる。
【0021】
図1Dに示すように、上記方法で形成されたシードAは多結晶シリコン層120Bとバッファ層110との界面に位置され、シードはバッファ層の上部界面からバッファ層下部に10nmになる地点までに位置することになる。また、上記シードAから結晶が成長して上記非晶質シリコン層120Aを多結晶シリコン層120Bに結晶化させて、本発明の一実施形態による多結晶シリコン層が製造される。
【0022】
図1Eは上記方法であるバッファ層内の金属触媒によって結晶化された多結晶シリコン層のシード群領域の断面TEM写真であり、図1Fは一般のSGS法で非晶質シリコン層上部に拡散された金属触媒によって結晶化された多結晶シリコン層のシード群領域の断面TEM写真である。
【0023】
図1E及び図1Fに見られるように、本発明に係る多結晶シリコン層はバッファ層と多結晶シリコン層とが接する界面にシードが集まって形成された面状形態のシード群領域を含み、一般の非晶質シリコン層上部に拡散された金属触媒による結晶化法、例えば、SGS法で形成された多結晶シリコン層とバッファ層とが接する界面には三角錐状のシード群領域を含むことが観察されている。その理由として本願発明の場合は、金属触媒がバッファ層に蒸着された後に拡散するように熱処理したことで、広がった形態のシード群領域を有することになったためであって、一般的なSGS法の場合は金属触媒が上部表面から直接拡散し、下降してシリコン層とバッファ層との界面に集まるために、本願発明の結晶化法とは異なった形態のシード群領域を形成することになる。
【0024】
図1Gは本発明に係る多結晶シリコン層をセコエッチング(secco−etch)した際の写真であり、図1Hは非晶質シリコン層の上部に金属触媒が拡散して結晶化された多結晶シリコン層をセコエッチングした際の写真である。上記図1Gと図1Hを対比すると、本発明による図1Gの場合はグレーンバウンダリ(grain boundary)内にシードが観察されず、一般的なSGS法による図1Hはグレーンバウンダリ内にシードが位置していることが明確に観察される。その理由として本発明による結晶化法はシードがバッファ層と非晶質シリコン層との界面に含まれていてバッファ層に広く形成されるからである。
【0025】
図1Iは本発明による多結晶シリコン層のシード群領域におけるEDS分析結果を示すグラフであり、図1Jは一般的な金属触媒による多結晶シリコン層のシード群領域におけるEDS分析結果に関するグラフである。上記のように、図1Iの多結晶シリコン層X、金属シリサイドZ、バッファ層Yの位置をよく調べてみると、本願発明の金属シリサイドZはバッファ層Y内の約10nm位置まで存在するのに対して、図1Jでは金属シリサイドZが多結晶シリコン層X及び界面だけに多量存在していて、バッファ層内には存在しないことがわかる。
【0026】
よって、本願発明のように、バッファ層内に拡散された金属触媒によって結晶化された多結晶シリコン層は、既存の方法に比べて、多結晶シリコン層およびシードの形態と、シリコン層の内部及びバッファ層に存在するシード群領域の形態とが異なっているため、半導体素子として形成した場合、より優れる素子を形成することができる。
【0027】
<第2の実施形態>
図2Aないし図2Eは本発明に係る薄膜トランジスタを示す図であり、上記第1実施形態に記載した多結晶シリコン層の製造方法を用いて薄膜トランジスタを形成する。
【0028】
図2Aに示すように、上記基板100を準備し、上記基板100上にバッファ層110を形成する。
【0029】
そして、図2Bに示すように、上記バッファ層110上に金属触媒層115を形成した後、基板を熱処理して上記金属触媒層115の金属触媒をバッファ層に拡散させる。
【0030】
その後、図2Cに示すように、上記金属触媒層115を除去した後、上記バッファ層110上に非晶質シリコン層120Aを形成した後熱処理し、上記バッファ層110内に存在する金属触媒による上記非晶質シリコン層120Aを結晶化して多結晶シリコン層に形成する。
【0031】
上記の第1実施形態のように、非晶質シリコン層120Aの形成前にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層を形成した後に非晶質シリコン層120Aを形成して熱処理し結晶化することができる。
【0032】
そして、上述では非晶質シリコン層を熱処理前に金属触媒層を除去して結晶化を行っていたが、金属触媒層を除去せず結晶化を行うこともできる。
【0033】
そして、図2Dに示すように、上記結晶化した多結晶シリコン層をパターニングして半導体層120を形成する。その後、上記基板100全面にわたってゲート絶縁膜130を形成し、上記半導体層120に対応するゲート電極140を形成する。ここで、上記ゲート絶縁膜130は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層とすることができる。そして、ゲート電極140は、ゲート絶縁膜130上にアルミニウム(Al)またはアルミニウム−ネオジム(Al−Nd)のようなアルミニウム合金の単一層や、クロム(Cr)またはモリブデン(Mo)合金の上にアルミニウム合金が積層された多重層をゲート電極用金属層(図示せず)として形成し、写真エッチング工程により上記ゲート電極用金属層をエッチングして形成する。
【0034】
その後、図2Eに示すように、上記基板100全面にわたって層間絶縁膜150を形成し、上記半導体層120に電気的に接続するソース/ドレイン電極160a,160bを形成して本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタを完成する。
【0035】
<第3の実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態における多結晶シリコン層の製造方法を利用して形成した薄膜トランジスタに関するものであり、図3A及び図3Bは上記薄膜トランジスタを示す図である。
【0036】
まず、図3Aに示すように、基板200を準備し、上記基板200上にバッファ層210を形成する。そして、第1実施形態に記載した方法で結晶化された多結晶シリコン層からなる半導体層220を形成する。第1実施形態と同じ方法で形成された多結晶シリコン層をパターニングして上記半導体層220を用いるので、上記半導体層220と上記バッファ層210との間にはシードAが存在することになる。
【0037】
その後、上記半導体層220の一部領域を開口させ、上記半導体層に接続するソース/ドレイン電極230a,230bを形成する。
【0038】
そして、図3Bに示すように、上記基板200全面にわたってゲート絶縁膜240を形成する。その後、上記半導体層220に対応するゲート電極250を形成し、上記基板全面にわたって層間絶縁膜260を形成して本発明の第3実施形態による薄膜トランジスタを完成させる。
【0039】
<第4の実施形態>
図4Aないし図4Cは、本発明の第1実施形態による多結晶シリコン層の方法を利用して形成した薄膜トランジスタに関するものである。
【0040】
まず、図4Aに示すように、基板300上に図1の実施形態で示された方法と同じ方法で、金属触媒が拡散したバッファ層310を形成する。そして、上記バッファ層310表面をオゾン(O)で洗浄する。
【0041】
そして、図4Bに示すように、上記バッファ層310上に第1実施形態で示す方法で形成した多結晶シリコン層になる半導体層320を形成する。
【0042】
このとき、上記オゾン(O)洗浄処理により上記バッファ層310表面には酸化膜が形成されるため、結晶化して半導体層320を形成する非晶質シリコン層と上記バッファ層310との間において拡散層の役割を果たし、これが非晶質シリコン層に拡散される金属触媒を調節し、グレーンサイズ(粒子径)のさらに大きい多結晶シリコン層を形成することができる。
【0043】
その後、上記のように、基板300上に、ゲート絶縁膜330、ゲート電極340、層間絶縁膜350及びソース/ドレイン電極360a,360bを形成し、本発明の第4実施形態による薄膜トランジスタが完成する。
【0044】
第4実施形態では、上記第2実施形態に、バッファ層のオゾン(O)の洗浄処理だけを追加しており、その他の工程は第2実施形態と同様である。
【0045】
<第5の実施形態>
図5A及び図5Bは、第5実施形態に係る有機電界発光表示装置に関するものであって、第5実施形態は第2実施形態で形成された薄膜トランジスタを含む有機電界発光表示装置であるため、同一内容は省略するものとする。
【0046】
図5Aに示すように、第1実施形態で形成された薄膜トランジスタを備える基板100上に、基板全面にわたって保護膜170を形成し、上記保護膜170上に平坦化膜175を形成する。このとき、上記保護膜170は省略することもできる。
【0047】
そして、上記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極160a,160bに電気的に接続する第1電極180を形成する。
【0048】
その後、図5Bに示すように、上記第1電極180上に一部を開口し、画素を定義する画素定義膜185を形成する。そして、上記第1電極180上部に有機発光層を含む有機膜層190を形成する。上記有機膜層190は正孔注入層、正孔輸送層及び電子輸送層などをさらに含むことができる。
【0049】
その後、上記基板全面にわたって第2電極195を形成して第5実施形態による有機電界発光表示装置を完成する。
【0050】
上述では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、添付の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0051】
10 熱処理、
100 基板、
110 バッファ層、
115 金属触媒層、
115a 金属触媒、
120A 非晶質シリコン層、
120B 多結晶シリコン層、
A シード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を提供する工程と、
前記基板上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に金属触媒層を形成する工程と、
前記金属触媒層の金属触媒をバッファ層に拡散する工程と、
前記金属触媒層を除去する工程と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する工程と、
前記基板を熱処理して前記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する工程と、
を含むことを特徴とする多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項2】
前記金属触媒層は、Ni、Pd、Ag、Au、Al、Sn、Sb、Cu、Tr、及びCdからなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項3】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åに形成することを特徴とする請求項1または2に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項4】
前記バッファ層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びこれらの二重層のうちのいずれか1つで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項5】
熱処理で前記金属触媒を前記バッファ層に拡散させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項6】
前記熱処理は、前記バッファ層と前記非晶質シリコン層とを直接接触させた後に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項7】
前記非晶質シリコン層を結晶化することは、前記バッファ層と前記非晶質シリコン層との界面に形成される金属シリサイドから結晶を成長させて形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項8】
前記金属触媒層を除去した後、前記バッファ層上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多結晶シリコン層の製造方法。
【請求項9】
基板と、
前記基板上に位置するバッファ層と、
前記バッファ層上に位置する半導体層と、
前記半導体層を含む基板上に位置するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極と、
前記半導体層に電気的に接続するソース/ドレイン電極と、を含み、前記バッファ層と前記半導体層とが接触する界面に金属シリサイドを含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記バッファ層内部には、金属触媒が含まれていることを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項11】
前記金属触媒は、Ni、Pd、Ag、Au、Al、Sn、Sb、Cu、Tr、及びCdからなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項12】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項13】
前記バッファ層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びこれらの二重層のうちのいずれか1つで形成することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項14】
前記金属シリサイドが集まったシード群領域は、面状であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項15】
前記金属シリサイドは、前記バッファ層上部界面からバッファ層内の下部に10nmまで位置することを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項16】
前記バッファ層と前記半導体層との間にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つをさらに含むことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項17】
基板を提供する工程と、
前記基板上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に金属触媒層を形成する工程と、
前記金属触媒層の金属触媒をバッファ層に拡散する工程と、
前記金属触媒層を除去する工程と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する工程と、
前記基板を熱処理して前記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する工程と、
前記多結晶シリコン層をパターニングして半導体層を形成する工程と、
前記基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極と絶縁され、前記半導体層と接続するソース/ドレイン電極を形成する工程とを含み、前記熱処理は前記バッファ層と前記非晶質シリコン層とが直接接触するように形成した後に行われることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項18】
前記金属触媒層は、金属触媒を1011〜1015atoms/cmに形成することを特徴とする請求項17に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項19】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åになるように形成することを特徴とする請求項17または18に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項20】
熱処理で前記金属触媒をバッファ層に拡散させることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項21】
前記熱処理は、200〜900℃で行うことを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項22】
前記金属触媒層を除去した後、前記バッファ層上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つを形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項23】
基板と、
前記基板上に位置するバッファ層と、
前記バッファ層上に位置する半導体層と、
前記半導体層の一部を開口させて前記半導体層上に位置するソース/ドレイン電極と、
前記ソース/ドレイン電極を含む基板全面に位置するゲート絶縁膜と、
前記半導体層に対応して前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極と、を含み、前記バッファ層と前記半導体層とが接触する界面に金属シリサイドを含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項24】
前記バッファ層内部には、金属触媒が含まれていることを特徴とする請求項23に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項25】
前記金属触媒層は、Ni、Pd、Ag、Au、Al、Sn、Sb、Cu、Tr、及びCdからなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項23または24に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項26】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åであることを特徴とする請求項23〜25のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項27】
前記バッファ層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びこれらの二重層のうちのいずれか1つであることを特徴とする請求項23〜26のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項28】
前記金属シリサイドが集まったシード群領域は、面状であることを特徴とする請求項23〜27のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項29】
前記金属シリサイドは、前記バッファ層の上部界面からバッファ層内の下部に10nmまで位置することを特徴とする請求項28に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項30】
前記バッファ層と前記半導体層との間にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つをさらに含むことを特徴とする請求項23〜29のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項31】
基板を提供する工程と、
前記基板上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に金属触媒層を形成する工程と、
前記基板をオゾン洗浄処理する工程と、
前記金属触媒層を除去する工程と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する工程と、
前記基板を熱処理して前記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する工程と、
前記多結晶シリコン層をパターニングして半導体層を形成する工程と、
前記基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極と絶縁され、前記半導体層と接続するソース/ドレイン電極を形成する工程とを含み、前記熱処理は前記バッファ層と前記非晶質シリコン層とが直接接触するように形成した後に行われることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項32】
前記金属触媒層は、金属触媒を1011〜1015atoms/cmに形成することを特徴とする請求項31に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項33】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åになるように形成することを特徴とする請求項31または32に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項34】
熱処理で前記金属触媒をバッファ層に拡散させることを特徴とする請求項31〜33のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項35】
前記熱処理は、200〜900℃で行うことを特徴とする請求項31〜34のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項36】
前記金属触媒層を除去した後、前記バッファ層上にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項31〜35のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項37】
基板と、
前記基板上に位置するバッファ層と、
前記バッファ層上に位置する半導体層と、
前記半導体層を含む基板上に位置するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極と、
前記半導体層に電気的に接続するソース/ドレイン電極と、を含み、前記バッファ層と前記半導体層とが接触する界面に金属シリサイドを含むことを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項38】
前記バッファ層内部には、金属触媒が含まれていることを特徴とする請求項37に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項39】
前記金属触媒層は、Ni、Pd、Ag、Au、Al、Sn、Sb、Cu、Tr、及びCdからなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項37または38に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項40】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åであることを特徴とする請求項37〜39のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項41】
前記バッファ層は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びこれらの二重層のうちのいずれか1つであることを特徴とする請求項37〜40のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項42】
前記金属シリサイドが集まったシード群領域は、面状であることを特徴とする請求項37〜41のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項43】
前記金属シリサイドは、前記バッファ層上部の界面からバッファ層内の下部に10nmまで位置することを特徴とする請求項37〜42のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項44】
前記バッファ層と前記半導体層との間に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つをさらに含むことを特徴とする請求項37〜43のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項45】
基板を提供する工程と、
前記基板上にバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層上に金属触媒層を形成する工程と、
前記金属触媒層を除去する工程と、
前記バッファ層上に非晶質シリコン層を形成する工程と、
前記基板を熱処理して前記非晶質シリコン層を多結晶シリコン層に結晶化する工程と、
前記多結晶シリコン層をパターニングして半導体層を形成する工程と、
前記基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極と絶縁され、前記半導体層と接続するソース/ドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース/ドレイン電極に電気的に接続する第1電極、有機膜層、及び第2電極を形成する工程と、を含み、前記熱処理は前記バッファ層と前記非晶質シリコン層とが直接接触するように形成した後に行われることを特徴とする有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項46】
前記金属触媒層は、金属触媒を1011〜1015atoms/cmに形成することを特徴とする請求項45に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項47】
前記バッファ層の厚さは、10〜5000Åになるように形成することを特徴とする請求項45または46に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項48】
熱処理で前記金属触媒をバッファ層に拡散させることを特徴とする請求項45〜47のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項49】
前記熱処理は、200〜900℃で行うことを特徴とする請求項45〜48のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
【請求項50】
前記金属触媒層を除去した後、前記バッファ層上に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層のうちのいずれか1つを形成することをさらに含むことを特徴とする請求項45〜49のいずれか1項に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1I】
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【図1J】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【公開番号】特開2011−109064(P2011−109064A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180954(P2010−180954)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】