説明

天然高麗人参または高麗人参を含む高麗人参類の形成層由来植物幹細胞株を有効成分として含有する老化防止または抗酸化用組成物

本発明は天然高麗人参または高麗人参を含む高麗人参類(Panax ginseng)の形成層由来細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を有効成分として含有する老化防止または抗酸化用組成物に関する。本発明に係る組成物は、本発明に係る細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物は、既存抗老化剤と抗酸化剤の副作用を最小化して、皮膚に安全であると共に、皮膚老化の主な原因である紫外線露出による活性酸素を抑制する抗酸化作用を示し、老化に係る因子を効果的に減少または抑制できるため、老化予防及び抑制に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然高麗人参(山参)または高麗人参を含む高麗人参類の形成層由来細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を有効成分として含有する老化防止または抗酸化用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界的に約30万種の植物が知られており、多様な生理活性を示す有用成分が植物に含まれていていることが明らかになっている。前記有用成分は細胞の正常な代謝過程において副産物として生産されて、細胞内の特殊な場所に蓄積される、二次代謝産物であり、生化学的、生態学的観点から見ると、微生物や外部動物から植物体自身を防御したり、生理活性面で有利な物質という点で関心が高まっている。植物が生産する二次代謝産物としては、アルカロイド(alkaloids)、フラボノイド(flavonoids)、カロチノイド(carotenoids)、グリコシド(glycosides)、テルペノイド(terpenoids)等がある。
【0003】
このような二次代謝産物には、保湿、皮膚鎮静及び収束(skin soothing and toning)、紫外線遮断、美白、角質除去、皮膚老化防止、抗酸化、皮膚のシワ改善、抗菌、抗炎症、抗癌等の効果を示すことが多い。従って、植物由来の有用性分を含有する多様な化粧品が開発されている。そこで、「桑の枝から分離したムルベリン(mulberrin)を含有する美白化粧料」(韓国登録特許第25582号)、「草豆冠抽出物を含有する化粧料」(韓国登録特許第295875号)、「高麗人参抽出物を含有する皮膚老化防止用化粧料組成物」(韓国登録特許第361433号)、及び「カジメ抽出物を含有するシワ改善化粧料組成物」(韓国特許出願第2001−25580号)等が開示されている。その他にも栗の皮、紅景天、蒼耳子(オナモミ)、フクベ、スオウ(Caesapinia sappan L.)、虎杖根、マロウ(mallow)、ペパーミント(peppermint)、榛の木、ハーブ、シラカバ、クチナシ、茯苓、ザクロ、ヤナギ、緑豆、バラ等多様な植物の抽出物を含有する種々の化粧品が開発されている。このように植物由来の有用成分は二次代謝産物として生合成経路が複雑であって、植物から直接抽出して用いられている。
【0004】
一方、皮膚は人体の一次防御膜として体内の諸器官を温度及び湿度変化と紫外線、汚染物質等の外部環境の刺激から保護し、体温調節などの生体恒常性維持に重要な役割を果たしている。しかし、外部から受ける過度な物理的、化学的刺激及びストレス、栄養欠乏などは皮膚の正常機能を低下させて弾力損失、角質化、シワ生成などの皮膚老化現象を促進させるが、このような現象を防止してより健康でかつ弾力のある皮膚を維持するために従来各種動物、植物、微生物などから得た生理活性物質が強化された化粧品を使うことによって皮膚の固有機能を維持させて皮膚細胞を活性化させて、皮膚老化を効果的に抑制するための努力がなされて来た。しかし、このような既存の化粧品原料は多くはその効能が微弱であったり皮膚への副作用を誘発するなど様々な問題を有している。
【0005】
そこで、本発明者等は既存抗老化剤及び抗酸化剤の副作用を最小化して、老化防止効果及び抗酸化効果が優れた天然物由来組成物を開発しようと鋭意努力した結果、高麗人参類の形成層由来の同質の細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物が老化及び酸化に対し優れた抑制効果を有することを確認し、本発明の完成に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、既存抗老化剤及び抗酸化剤の副作用を最小化した老化防止及び抗酸化活性を現わす天産物由来組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成するために、本発明は高麗人参類(Panax ginseng)の形成層から誘導され、以下の特性を有する細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する老化防止または抗酸化用組成物を提供する:
(a)先天的未分化状態(Innately undifferentiated)であり;
(b)同質の細胞株(homogeneous cell line)であり;及び
(c)多数の液包(vacuole)を有する形態学的特徴を示す。
【0008】
本発明はまた、前記細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する老化防止用化粧料組成物を提供する。
【0009】
本発明はまた、前記細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗老化能または抗酸化能を有する機能性食品を提供する。
【0010】
本発明の他の特徴及び具現例は次の詳細な説明及び添付された特許請求の範囲からより一層明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る細胞株の誘導過程及び天然高麗人参の形成層由来細胞株を示す写真である。
【図2】正常ヒト皮膚繊維芽細胞(NHF)に本発明の天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液を濃度別に処理して、皮膚繊維芽細胞に細胞毒性を示すか否かを確認したグラフである(Wet:ginseng wet cell, Dry:ginseng dry cell, Medium:ginseng cell-cultured medium, E1:elicitation 1 stage, E2:elicitation 2 stage, G:growth stage)。
【図3】正常ヒト皮膚繊維芽細胞(NHF)に天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液を濃度別に処理して0.5%FBSの最小栄養状態で培養して、天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液による繊維芽細胞の細胞増殖効能を確認したグラフである(Wet:ginseng wet cell, Dry:ginseng dry cell, Medium:ginseng cell-cultured medium, E1:elicitation 1 stage, E2:elicitation 2 stage, G:growth stage)。
【図4】正常ヒト皮膚繊維芽細胞(NHF)に天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液を濃度別に処理して紫外線のUVBで処理して、天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液によって、紫外線照射によって増加したMMP−1発現が抑制されるか否かを確認したグラフである(Wet:ginseng wet cell, Dry:ginseng dry cell, Medium:ginseng cell-cultured medium, E1:elicitation 1 stage, E2:elicitation 2 stage, G:growth stage, RA:retinoic acid)。
【図5】正常ヒト皮膚繊維芽細胞(NHF)に天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液を濃度別に処理して紫外線のUVBで処理して、天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液によって、紫外線照射によって増加した活性酸素が抑制されるか否かを確認したグラフである(Wet:ginseng wet cell, Dry:ginseng dry cell, Medium:ginseng cell-cultured medium, E1:elicitation 1 stage, E2:elicitation 2 stage, G:growth stage)。
【図6】紫外線照射してMMP−1を誘導する際に、本発明に係る細胞株抽出物及び培養液の、MMP−1生成抑制効果を示すグラフである。
【図7】本発明に係る細胞株抽出物及び培養液の、紫外線照射によって発生する活性酸素種除去効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
他の定義がない限り、本明細書で使われた全ての技術的及び科学的用語は本発明が属する技術分野において熟練した専門家によって通常に分かるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書において使われた命名法は本技術分野においてよく知られており、通常使われるものである。
【0013】
本発明の詳細な説明等において使われる主要用語の定義は下記の通りである。
本願において「形成層(cambium)」とは、植物の幹と根を太くなるようにして、植物が、大きく生長できるようにする組織である。形成層は細胞分裂が最も活発に起きる分裂組織で、植物組織培養の切片体としての使用時において、細胞の高速及び大量生産が可能だと報告されている(韓国登録特許第0533120)。
【0014】
本願において、「破砕物」とは、細胞を、界面活性剤(detergent)等を利用した化学的方法または物理的方法等で破砕して得た細胞溶解物を意味し、細胞株の「抽出物」とは、細胞を溶媒に溶かして分離した物質であり、蒸留または蒸発を利用して濃縮される。また、細胞株の「培養液」とは、細胞を培養させた後、細胞を除去して残った細胞培養溶液を意味する。追加的に本願において「培養物」とは、培養液及び/または培養された細胞株を含む物質であり、この時培養された細胞株は培養条件によって分化したり有用物質の生産能及び/または分泌能が向上した細胞株を全て含む概念である。
【0015】
本願において「先天的な未分化状態」とは、脱分化過程を経て、未分化状態として存在するのではない、本来から分化前状態を維持することをいう。
【0016】
本発明は一観点において、高麗人参類の形成層由来細胞株、その破砕物、その抽出物またはその培養物のいずれか一つ以上を有効成分として含有する老化防止または抗酸化用組成物に関する。本発明において、高麗人参類は、天然高麗人参または高麗人参を含む(Lian M. L. et al., J. Plant Biology, 45:201, 2002; Han J. Y. et al., J. Plant Biology, 49:26, 2006; Teng W. L. et al., Tissue and Organ Culture, 68:233, 2002)。この時、本発明で前記天然高麗人参または高麗人参は露地栽培高麗人参または組織培養高麗人参(不定根及び不定根由来細胞株)を含む。
【0017】
本発明に係る高麗人参類の形成層由来細胞株は、(a)先天的未分化状態であること;(b)同質の細胞株であること;及び(c)多数の液包を有する形態学的特徴を有することを特徴とする。また、追加的に(a)懸濁培養時に単細胞状態で存在すること;(b)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株と比べて、バイオリアクターにおいて剪断ストレス(shear stress)に対して低い感受性を有すること;及び(c)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株に比べて、生長速度が速く、安定して培養されることを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記細胞株は以下の工程を含む分離方法によって取得されたことを特徴とする:
(a)高麗人参類の形成層含有貯蔵根組織を取得する工程;
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織に浸透ストレスを加えた後、IAA(Indole-3-acetic acid)またはIBA(Indole-3-butyric acid)を含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導する工程;及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収する工程。
【0019】
この時、前記(b)工程において、形成層特異的に細胞株を誘導するため、望ましくは前記IAAまたはIBAを含む培地で培養する前に、浸透ストレス工程を行って、形成層以外の一般組織、即ち、皮層(cortex)、篩部(phloem)、木部(xylem)、髄(pith)は、分裂能を失い、この後IAAまたはIBAのように形成層分裂特異的なホルモンで処理して培養する場合、壊死するようにさせる。この時浸透剤は0.5〜2Mの含有量で処理して、冷蔵または常温で16時間〜24時間浸透ストレスを加えた後、処理した浸透ストレスを除去することが望ましいが、浸透剤の濃度、処理時間及び温度は植物体別、組織別状態によって変わりうるため、これに限定されることはない。また、前記(b)工程において、前記IAAまたはIBAは0.1〜5mg/Lの含有量として含まれることが望ましい。
【0020】
また、前記(c)工程は望ましくは誘導された形成層由来細胞株を2,4−D(2,4-dichlorophenoxyacetic acid)、ピクロラム(picloram)及びIBAのいずれか一つ以上を含む培地で増殖させた後、形成層由来細胞株を回収することを特徴とする。この時、前記2,4−D、ピクロラム及びIBAのうちいずれか一つは望ましくは1〜5mg/L、さらに望ましくは2mg/Lの含有量として用いる。
【0021】
本発明において前記培養物は、前記細胞株をエリシターとして3〜5重量%の原糖または砂糖;及び/またはジャスモン酸メチル(methyl jasmonate)、キトサン、フェニルアラニン(phenylalanin)、安息香酸、ABA、サリチル酸(salicylic acid)及び酢酸ナトリウム(sodium acetate)のいずれか一つ以上を含む培地で、追加的に培養する工程をさらに行って、取得されたことを特徴とする。この時、望ましくは、前記培地は3〜5重量%の原糖または砂糖;及びジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母(yeast)抽出物、キトサン、グルコマンナン(glucomannan)、グルカン(glucan)、フェニルアラニン、安息香酸(benzoic acid)、サリチル酸、アラキドン酸(arachidonic acid)、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン(mevalonalonate N-benzolyglycine)、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン(ethephon)、馬尿酸(hippuric acid)、硝酸セリウムアンモニウム(ammonium ceric nitrate)、AgNO、硫酸バナジル(vanadyl sulfate)、p−アミノ安息香酸(p-aminobenzoic acid)、ブラシノステロイド(brassinosteroids)、アルギン酸ナトリウム(sodium alginate)、酢酸ナトリウム(sodium acteate)でからなる群から選択された少なくとも1つの物質;を含む培地であることを特徴とする。
【0022】
本発明においてまた、前記細胞株にエリシターとして紫外線、熱、エチレン、抗真菌剤、抗生剤、重金属塩及び高塩濃度などで処理して、物理的・化学的ストレスを加えて、取得された培養物を利用してもよい。
【0023】
本発明において使用した培地は、通常の植物組織培養のための培地で、例えば、N6倍地、SH培地、MS培地、AA培地、LS培地、B5倍地、WPM培地、LP培地、White培地、GD培地、DKW培地、DCR培地などが挙げられるが、これに限定されない。
【0024】
本発明において、前記抽出物は蒸溜水、アルコール、アセトン、DMSO(Dimethyl Sulfoxide)及びこれらの混合溶媒からなる群から選択される溶媒を利用して抽出されることが好ましい。この時、前記アルコールとしては、メタノール、エタノールなど炭素数が1乃至5のアルコールを使用してもよい。
【0025】
本発明においてまた、前記抽出物は、前記細胞株を、蒸溜水、メタノール及びアセトンで順次溶媒分画して獲得されたことを特徴とする。
【0026】
本発明の一実施例においては、前記細胞株抽出物及び培養液を皮膚真皮の構成成分のコラーゲンを合成する繊維芽細胞に処理して、繊維芽細胞の増殖効能が優れていることを見出し、本発明に係る細胞株抽出物及び培養液が皮膚弾力を増加させる効果があることを確認しており、また、他の実施例においては皮膚コラーゲンを分解して、皮膚のシワを形成させるMMP−1の発現を抑制する効果を確認して、シワ防止及び改善効果があることが示された。それと共に、本発明のさらに他の実施例においてはUVによって誘導される活性酸素抑制効能があることを見出し、抗酸化効果があることを確認したが、抗酸化活性を有する組成物は老化を予防する効果があることは当業界の通常の知識を有する者には広く知られた事実であるため、本発明に係る組成物が老化防止効果を有することは自明である。
【0027】
さらに、本発明のまた他の実施例においては、客観性を担保するために外部分析機関に抗老化能及び抗酸化実験を依頼して、本発明に係る細胞株抽出物及びその培養液は老化防止効果が優れていると知られているRA及び天然高麗人参抽出物に比べて、老化防止効果が非常に優れていることを確認し、さらに本発明に係る細胞株及び培養液の場合、露地天然高麗人参抽出物に比べて、はるかに強力な抗酸化効果を有することを確認することができた。
【0028】
従って、本発明においては前記細胞株を含有する組成物が老化防止効果及び抗酸化活性を示すことを提示する具体的な実施例がないとしても、前記調べた通りその細胞株抽出物が老化防止効果及び抗酸化活性を有することを確認したが、本発明に係る細胞株自体またはその破砕物を含有した組成物の場合にも老化防止効果及び抗酸化活性を示すことができるということは当業界の通常の知識を有する者には自明である。
【0029】
本発明に係る細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のうちいずれか一つを含有する老化防止または抗酸化用組成物は、これらを各々単独で含んだり、一つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含んで医薬組成物として提供されてもよく、前記細胞株または細胞株の破砕物、抽出物または培養液は疾患及びそれの重症程度、患者の年齢、体重、健康状態、性別、投与経路及び治療期間などによって適切な薬学的に有効な量として医薬組成物に含まれてもよい。
【0030】
本明細書において、「薬学的に許容される組成物」とは、生理学的に許容され、ヒトに投与される時、通常胃腸障害、めまいのようなアレルギー反応またはこれと類似する反応を起こさない組成物のことをいう。前記担体、賦形剤及び希釈剤としては、例えば、ラキトース、テクストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、燐酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、マグネシウムステアレート及び鉱物油が挙げられる。
【0031】
前記医薬組成物は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などをさらに含んでもよい。また、本発明の医薬組成物は、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続または遅延された放出を提供することができるよう当業界に公知の方法を用いて剤形化される。剤形は、粉末、顆粒、精製、エマルジョン、シロップ、エアゾール、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射溶液、滅菌粉末の形態であってもよい。
【0032】
本発明はさらに他の観点において、前記高麗人参類の形成層由来細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を有効成分として含有する老化防止用化粧料組成物に関する。
【0033】
本願において「機能性化粧品」とは、一般化粧品に本発明に係る細胞株またはその抽出物または培養液を添加することによって一般化粧品の機能性を向上させた化粧品を意味する。例えば、本発明の細胞株またはその破砕物、抽出物または培養液を含有する老化防止用化粧料組成物を利用して、機能性化粧品を提供することができる。
【0034】
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分としての細胞株またはその破砕物、抽出物または培養液以外に化粧料組成物に通常利用される成分を含み、例えば、溶媒、安定化剤、溶解化剤、乳化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常の補助剤、さらに担体を含んでもよい。
【0035】
本発明の化粧料組成物は、当業界において通常製造されるいかなる剤形として製造されるが、望ましくは、化粧水、栄養ローション、栄養クリーム、マッサージクリーム、栄養エッセンス、パック、メーキャップベース、ファンデーション、ボディーオイル、ヘアオイル、シャンプー、リンスで構成された群から選択された剤形で製造されることを特徴とする。
【0036】
このような化粧料組成物の剤形例に係わることなく本発明の細胞株、その抽出物、その破砕物、及びその培養物のいずれか一つ以上を含有して、抗酸化効果を有し、皮膚に発生したフリーラジカルを消去して細胞内抗酸化保護効果があって、フリーラジカルなどの作用による酸化によって生じる皮膚老化の予防及び遅延効果を発揮することができる。
【0037】
本発明はさらに他の観点において、前記高麗人参類の形成層由来細胞株、その破砕物、抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗老化能または抗酸化能を有する機能性食品に関する。
【0038】
本願において「機能性食品」とは、一般食品に本発明に係る細胞株、その細胞株の破砕物、抽出物または培養液を添加することによって食品の機能性を向上させたことを意味する。
【実施例】
【0039】
以下、実施例を通して、本発明をより一層詳細に説明する。この実施例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこの実施例によって制限されると解釈されないことは当業界の通常の知識を有する者には自明である。
【0040】
特に、下記実施例においては天然高麗人参の形成層由来細胞株の抽出物またはその培養液の皮膚老化防止効果を確認したが、その細胞株またはその破砕物自体を使用しても同じ結果が得られることは当業界の通常の知識を有する者には自明である。
【0041】
[実施例1]天然高麗人参の形成層由来細胞株の製造
[1−1]植物材料の用意
図1(a)のAは本発明において使用した天然高麗人参の典型的な特徴を示す。天然高麗人参を用意した後、天然高麗人参の主根部を使うために流水で表面に付いている土やその他の汚れを除去し、液体洗剤を利用して主根の表面を洗った後、流水に放置した。きれいに洗った組織は、クリーンベンチ内に準備された滅菌フラスコに入れて、70%エタノールで30秒乃至1分程度殺菌した。その後、滅菌水で濯いで1%乃至1.5%次亜鉛素酸ナトリウム(sodium hypochlorite, Junsei, Japan)を利用して、5分乃至15分程度で消毒液で処理した。この時、消毒液が効果的に組織内に侵入するようにするためにTWEEN20(Polyoxyethylenesorbitan monolaurate, Junsei, Japan)を数滴落として処理した。この過程が終わると滅菌水で3回乃至5回濯いだ。その後に殺菌処理した組織の褐変化を防止するために抗酸化剤が含まれたBIM(browning inhibition medium)に殺菌された主根を入れて30分乃至1時間程度十分培養し、滅菌されたろ紙に置いて水気を除去した。
【0042】
使用されたBIMの組成及び使用濃度は表1に示す。
【表1】

【0043】
ここで、塩濃度は全体の1/4に該当する量だけ添加する。
前記処理された材料を、褐変されるのを防止するために抗酸化剤が含まれたCS溶液(cutting solution、表2)が入った滅菌皿に置いて、表皮を薄く剥がし半分に分けて、各部分において分裂能が旺盛な形成層の部分が含まれるようにして、横×縦×高さ=0.5〜0.7cm×0.5〜0.7cm×0.2〜0.5mmの大きさに切断した。図1(a)のBは天然高麗人参の主根部において形成層が含まれるように前記の大きさで切断して切片体を製造した様子を示す。
【0044】
【表2】

【0045】
[1−2]天然高麗人参主根部形成層含有切片体への浸透剤の処理
前記実施例1−1で製造された切片体は、分化した組織、即ち、篩部、木部、髄等を壊死させて分裂組織である形成層だけを生存させるために、浸透ストレス処理を行った。前記形成層含有切片体をろ紙が敷かれた前播種培地(培地1、表3)にブロティング(blotting)して、1Mスクロース(Duchefa, Netherland)溶液が入れられたフラスコに入れて、冷蔵状態で16〜24時間浸透ストレス処理した後、0.05Mスクロース溶液(sucrose solution)で5分間、0.1Mスクロース溶液で5分間処理して、高濃度のスクロースによるストレスを解除した。その後、前記浸透ストレスが解除された形成層含有切片体をろ紙が敷かれた前播種培地(培地1)に置いて水気を除去した。
【0046】
【表3】

【0047】
[1−3]天然高麗人参の形成層含有切片体から形成層起源の同質的細胞株誘導
形成層起源の分裂能を有する同質的細胞株を誘導するために、前記実施例1−2で浸透ストレス処理した切片体を細胞株誘導培地(培地2、表4)に播種した。播種に使用された培地は下記表4に示したとおりである。播種された切片体は、22±1℃暗条件で培養した。
【0048】
【表4】

【0049】
この時、浸透処理をしないで直ちに同質性細胞株誘導培地に播種した切片体においては表5に示した通り播種初期(2〜3日)に早く形成層中心に黄色く反応し、時間が経つと共に、切片体全体が黄色く変色する。形成層中心の黄色い反応を示す切片体を形成層起源の分裂能を有する同質性細胞株分離及び増殖最適培地(培地3)に継代して、継続的な同質性細胞株誘導及び増殖を試みたが褐変が深刻化され、時間が経っても褐変反応の他になんら反応も見られなかった。
【0050】
一方、浸透処理を行ってから解除した後、同質性細胞株誘導培地に播種した切片体は、表5に記載した通り、他の組織においては細胞が誘導されなく、形成層だけにおいて特異的に同質性細胞が誘導されることが観察された。即ち、浸透処理を行った後、解除して、播種した切片体においては培養3〜7日の間に切片体の形成層部位が薄い黄色に変わり始めた。それから約7〜14日後、薄い黄色に変わった部位において丸い細胞株が誘導されることを観察した。図1(a)のCは天然高麗人参の形成層含有切片体の中で、形成層特異的分裂能を有する同質性細胞株が誘導された模様を示す。
【0051】
一方、浸透処理を行った切片体を、形成層特異的分裂能を有する同質性細胞株誘導培地でない通常の高麗人参、天然高麗人参など高麗人参類培養に使用する2、4−Dを含む培地を使用し、培養した際には培養7〜10日の間に切片体全体が黄色に変わり始めて、それから約7〜14日後、全体切断面において細胞が誘導されることが観察された。
【0052】
【表5】

【0053】
[1−4]分離した天然高麗人参形成層由来の同質性細胞株の増殖
前記実施例1−3で誘導された形成層起源の分裂能を有する同質性細胞株を利用して増殖に使用した。培地は下記表6に示した基本塩(salt)組成を元に表7に示したように形成層起源の分裂能を有する同質性細胞株の増殖最適培地を使用した。
【0054】
【表6】

【0055】
【表7】

【0056】
図1(a)のCに示したように浸透ストレス処理と培地2を使用して、形成層だけにおいて特異的に同質性細胞が誘導された後、表7に示した培地3で継代した結果、形成層起源の分裂能を有する同質性細胞が継続的に分裂・増殖して、培養約10〜20日後に形成層起源の分裂能を有する同質性細胞株を分離することができた。このように分離した天然高麗人参形成層由来同質性細胞株を同一培地で培養して、分裂能を有する同質性細胞株を再度増殖させた。図1(a)のDは分離した形成層特異的同質性細胞株を培地3で増殖させた様子を示す。
【0057】
[1−5]分離した細胞株の特性観察
前記天然高麗人参形成層由来同質性細胞株を下記表8の液状培地が含まれたフラスコに入れて、暗条件で25±1℃で100rpmの回転攪拌機(shaker)で培養した。継代培養周期は2週間に固定することによって培養細胞が常に対数生長期状態で高活力を維持できるようにした。一方、高麗人参の子葉由来カルス(callus)も<表8>の培地4で培養して、本発明に係る天然高麗人参形成層由来同質性細胞株と比較した。
【0058】
【表8】

【0059】
先ず細胞凝集程度(biological microscope CX31, Olympus, Japan)を見ると、表9のように本発明に係る細胞株は懸濁培養時95%以上の単細胞状態で存在することが確認でき、図1(b)に示したように、多数の液包を有する形態学的特徴が観察でき、未分化状態であることを確認することができた。
【0060】
【表9】

【0061】
一方、大量培養の可能性を調べるために、3Lの内容積を有する空気浮揚式バイオリアクター(airlift bioreactor、ソンウォンサイテク、Korea)で高麗人参の子葉(cotyledon)由来カルスと本発明に係る天然高麗人参の形成層由来同質性細胞を培養した。培地は表8の液状培地を使用し、暗条件で25±1℃で一定に維持した。
【0062】
その結果、表10に示したように、高麗人参の子葉由来培養物の倍加時間(doubling time)は、フラスコにおいては21日であるのに対してリアクター(reactor)においては28日と長くなった。即ち、フラスコ培養時に本発明に係る形成層由来細胞株が形成層以外の組織由来細胞株に比べて、生長速度においても3〜5倍程度の高い増殖率を示すことを確認し、大量リアクターにおいては本発明に係る形成層由来細胞株が形成層以外の組織由来細胞株に比べて、5〜9倍の高い増殖率を示すことを確認した。これは異質な細胞株はリアクター内における生長輪生成と培養中の植物培養体凝集性と細胞壁が固くて、剪断(shear)に対する感受性により細胞生存率(cell viability)が急激に減少したのが原因であると判断された。
【0063】
一方、本発明に係る天然高麗人参の形成層由来細胞培養物の倍加時間は3〜4日であり、フラスコと反応器との間には差が見られないか却って短縮された。形成層由来同質性細胞培養物はバイオリアクター内の生長輪面積を極力小さく形成して、培養器に簡単な刺激を与えて、培地を動かすと内壁のリング(ring)が簡単に解消された。また、凝集が小さく、多くの液包を有しており、剪断に対する感受性が低く、細胞生存率の減少を起こさなかった。即ち、本発明に係る形成層由来細胞株は大量培養のためのバイオリアクターで攪拌作用に係る剪断ストレスに対し、低い感受性を有するため、バイオリアクター内において急速大量生長の可能性を確認した。従って、本発明に係る形成層由来細胞株が形成層以外の組織由来細胞株に比べて、剪断ストレスに対し5〜9倍の低い感受性を有することが分かった。
【0064】
【表10】

【0065】
[1−6]エリシターの処理
前記実施例1−5のように14日間懸濁培養した細胞株を利用して、三つの処理区に分けて、実験を行った。
【0066】
即ち、(1)前記14日間懸濁培養した細胞株(Growth stage)、(2)前記14日間懸濁培養した細胞株を滅菌水に原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μMを添加した培地で14日間暗培養した細胞株(Elicitation 1)及び(3)前記14日間懸濁培養した細胞株にジャスモン酸メチル100μMを添加した培地で14日間暗培養した細胞株(Elicitation 2)を各々除去して、以下の実験を行った。
【0067】
[実施例2]天然高麗人参の形成層由来細胞株の抽出物製造
実施例1で製造された三つ処理区の細胞株から下記のとおり有効物質を抽出した。
(1)DMSO抽出物の製造
(i)培養液を除去した細胞株及び凍結乾燥細胞株500gに500mLのDMSOを加えて、50℃で6時間攪拌させながら、溶解させた。
(ii)前記溶解後、3,000gで10分間遠心分離させ上層液を取ることによってDMSO可溶性物質を得た。
(iii)前記で得たDMSO可溶性物質を、回転真空濃縮機を利用して濃縮した。
(iv)濃縮試料を、凍結乾燥器を利用して、乾燥させてDMSO抽出物を得た。
(2)蒸溜水抽出物、メタノール抽出物及びアセトン抽出物の製造
(i)培養液を除去した細胞株及び凍結乾燥細胞株500gに500mLの蒸溜水を加えて、50℃で6時間攪拌させながら溶解させた。
(ii)前記溶解後、3,000gで10分間遠心分離させて上層液を取ることによって蒸溜水可溶性物質を得た。
(iii)前記蒸溜水可溶性物質を得た後、残った蒸溜水不溶性物質に500mLのメタノール(methanol)を添加させて、室温で6時間攪拌して、溶解させた。
(iv)前記溶解後、3,000gで10分間遠心分離させて上層液を取ることによってメタノール可溶性物質を得た。
(v)前記メタノール可溶性物質を得た後、残ったメタノール不溶性物質に500mLのアセトン(acetone)を添加させて、室温で6時間攪拌して溶解させた。
(vi)前記溶解後、3,000gで10分間遠心分離させて、上層液を取ることによってアセトン可溶性物質を得た。
(vii)前記で得た蒸溜水、メタノール、アセトン可溶性物質を、回転真空濃縮機を利用して濃縮した。
(viii)濃縮試料を、凍結乾燥器を利用して、乾燥させて蒸留水、メタノール、アセトンに溶かして、蒸溜水抽出物、メタノール抽出物、アセトン抽出物を得た。
(3)対照群の製造
(i)凍結乾燥した天然高麗人参根500gに500mLのDMSOを加えて、50℃で6時間攪拌させながら、溶解させた。
(ii)前記溶解後、3,000gで10分間遠心分離させ上層液を取ることによってDMSO可溶性物質を得た。
(iii)前記で得たDMSO可溶性物質を、回転真空濃縮機を利用して濃縮した。
(iv)濃縮試料を、凍結乾燥器を利用して、乾燥させて天然高麗人参対照群のDMSO抽出物を得た。
【0068】
[実施例3]細胞毒性確認
試験に使用された試料の使用濃度範囲を決めるために、下記のとおり細胞毒性を確認した。
【0069】
試験に使用されたNHF(normal human fibroblast)細胞は胎児の陰茎包皮から分離培養した。細胞培養液はDMEM(Invitroge Gibco life tech. Vienna, Austriea)培地に56℃で30分間加熱して、非動化した牛胎児血清(FBS, Hyclone, Logan, Utah, USA)を10%、ペニシリン(penicillin)(100unit/mL)とストレプトマイシン(streptomycin)(100μg/mL)及び300μg/mL−glutamineを添加して調製した。細胞は前記培養液を使用して、37℃、95%湿度、5%COインキュベーターで培養し、通常細胞が互いに融合する直前である3〜4日間隔で継代培養を行った。このように培養したNHF細胞は本実施例と下記実施例4及び5の実験に使用された。
【0070】
前記NHF(p5)細胞(normal human fibroblast cell)を96ウェルプレート(well plate)に5,000細胞/ウェルになるべく分株し、24時間後実施例2で製造した天然高麗人参形成層細胞株DMSO抽出物及びその培養液を濃度別(細胞株DMSO抽出物(Wet)及び乾燥細胞株抽出物(Dry)はppm、培養液(Media)は%)に処理して、48時間増殖させた。対照群は抽出物及び培養液で処理しない無処理区として。その後、WST−1溶液を1/100に薄めて、分株後2時間後吸光度を測定した。
【0071】
その結果、表11及び図2に示したように、実験した使用濃度範囲で毒性を示さないことを確認することができた。80%以上の生存率を示す場合を毒性がない細胞として確認した。Elicitation1は実施例1−6の原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μMで処理した細胞株のDMSO抽出物を、Elicitation2は実施例1−6のジャスモン酸メチル100uMで処理した細胞株のDMSO抽出物を、Growthは実施例1−6の14日間懸濁培養した細胞株(Growth stage)のDMSO抽出物を示し、Mediaは前記細胞株抽出物製造時の除去した培養液を示す。
【0072】
【表11】

【0073】
[実施例4]繊維芽細胞(Fibroblast)の増殖効能測定−抗老化効果の確認
3.5%の牛胎児血清が含まれたDMEM(Doubecco’s Modified Eagle’s Media)培地で培養したヒト繊維芽細胞(NHF cell)を96ウェル平板培養器(96-well microtiter plate)に5,000細胞/ウェルになるべく分株し、24時間スターベーション(starvation)した後、実施例2で製造した天然高麗人参の形成層由来同質性細胞株DMSO抽出物及びその培養培地を濃度別(細胞株DMSO抽出物(Wet)及び乾燥細胞株抽出物(Dry)はppm、培養液(Media)は%)に48時間0.5%FBS最小栄養培地状態で処理した。
【0074】
培養後、WST−1溶液を1/100に薄めて、分株後、2時間過ぎて、0.2%MTT(3-[4,5-dimethylthiazol-2-yl]-2,5-diphenyl tetrazolium bromide)溶液を各ウェル当たり50μLずつ添加して、さらに37℃温度で4時間培養した後、生成されたホルマザン(formazane)をDMSOで溶解させた。溶解したホルマザンの吸光度はマイクロプレートリーダー(microplate reader)を利用して、570nmで測定した。天然高麗人参の形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養培地を処理した実験群とこれを含有しない対照群の吸光度を各々比較した後、その結果を表12に示した。「10%FBS」は、動物細胞培養時最大増殖のための栄養培地濃度であるFBS10%で培養したことを示す。Controlは陰性対照群として、細胞株抽出物または培養液の添加なしに0.5%FBS最小栄養培地で培養した。
【0075】
【表12】

【0076】
表12及び図3に示したように、陰性対照群(Control)と対比して、本発明に係る細胞株抽出物及び細胞株培養液は繊維芽細胞増殖効能があることが確認でき、特に凍結乾燥した細胞株抽出物(Dry)で繊維芽細胞増殖効能が優れていることを確認することができた。
【0077】
また、凍結乾燥した細胞株抽出物(Dry)を培養工程に従って比較した結果、Elicitation1で繊維芽細胞増殖効能が最も優れていることが確認され、Elicitation2とGrowth stageにおいては類似することを確認した。即ち、前記繊維芽細胞は皮膚真皮の構成成分であるコラーゲンを合成するため、本発明に係る細胞株抽出物は皮膚弾力を増加させる効能があることを確認することができた。
【0078】
[実施例5]UVによるMMP−1発現抑制効能確認−抗老化効果の確認
紫外線露出によってMMPが増加する場合、増加したMMPsは皮膚のコラーゲンを分解して、皮膚のシワを形成させるため、紫外線によって増加したMMP−1発現が天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液によって抑制される効果を確認するために以下の実験を行った。
NHF(p6)を12ウェルプレートに75,000細胞/ウェルになるべく分株し24時間スターベーション(starvation)した後、40mJのUVBを照射して、各試料を濃度別に48時間処理して、キット(Amersham, RPN 2610)を利用して、実験を行った。陽性対照群としては10uMのレチノイン酸(retinoic acid)を使用した。
【0079】
【表13】

【0080】
その結果、表13及び図4に示したように、本発明に係る細胞株抽出物及び細胞株培養液は陰性対照群(Control UV)と比較して、有効にMMP−1の発現を抑制することが示され、シワ防止及び改善効果があることが明らかになった。特に、原糖及びジャスモン酸メチルで処理したElicitation1とジャスモン酸メチルだけで処理したElicitation2の細胞株培養液を、全て0.1%を試料として処理した場合、シワ改善効果が強いと知らされたレチノイン酸に比べても非常に優れた効果を有することが明らかになった。
【0081】
[実施例6]UVによる活性酸素抑制効能測定−抗酸化効果の確認
紫外線によって増加した活性酸素が天然高麗人参形成層由来同質性細胞株抽出物またはその培養液によって抑制される効果を確認するために、96ウェル black plateにHaCaT cell(German Cancer Research Institute, Heidelberg, Germany)を30,000細胞/ウェルになるように分株し、各試料を濃度別に3時間処理した。3時間後、HBSSで1度洗浄してDCF50uMを各ウェルに処理して37度で20分間反応させた。HBSSで2度洗浄した後、Luminatorを利用して、初期吸光度を測定した。これにUVB30mJを照射した後、37度で2時間培養後、吸光度を測定した。Controlは試料及びUVBを添加しないものであり、UVBは試料の添加なしにUVBだけで処理したものを示す。
【0082】
【表14】

【0083】
その結果、前記表14及び図5に示したように、本発明に係る細胞株抽出物の場合、培養液を除去した細胞株を利用した場合(Wet)と凍結乾燥細胞株を利用した場合(Dry)共にElicitation1の細胞株抽出物で優れた抗酸化効果を示すことを確認した。Elicitation2工程とGrowth工程において似類することを確認した。また、Elicitation1工程の凍結乾燥細胞株抽出物(Dry)50ppm処理群において抗酸化効能が最も優れていることが確認された。
【0084】
[実施例7]ジンセノーサイド(ginsenoside)成分の確認
天然高麗人参抽出物のジンセノーサイド成分が皮膚老化防止及び抗酸化に効果があると知られているが、そこで本発明に係る細胞株抽出物及びその培養液の皮膚老化防止及び抗酸化効果がこのようなジンセノーサイド成分の効果によるものであるか否かを調べるためにジンセノーサイド含有量を測定した。即ち、実施例2で製造した工程別天然高麗人参の形成層由来同質性細胞株と天然高麗人参は凍結乾燥させた後、凍結乾燥された細胞株20mgをメタノール600uLに1時間抽出して遠心分離後、上層液を分離する。分離した抽出物のジンセノーサイド含有量はUPLCを利用して測定し、含有量は標準Re、Rb1、Rb2、Rdと比較して示した。また、培養液は、Elicitation1工程の培養液を0.2umシリンジフィルターを利用してろ過した後、HPLCを利用して測定し、含有量は標準Re、Rb1、Rb2、Rdと比較して示した。
【0085】
【表15】

【0086】
その結果、前記表15に示されたように、Elicitation2の工程で最も高くジンセノーサイドが示されるが、これは対照群の天然高麗人参抽出物と対比して、約167倍の差を示し、成長工程の天然高麗人参形成層由来細胞株でも細胞株培養液では全くジンセノーサイドが検出されなかったため、本発明に係る細胞株抽出物及びその培養液の皮膚老化防止及び抗酸化効果はジンセノーサイドによる効果ではなく、本発明の方法で分離した細胞株は通常の天然高麗人参細胞と活性成分が異なることが分かった。
【0087】
[実施例8]紫外線照射によって誘導されるコラーゲン分解酵素(MMP−1)生成抑制効果確認(2)
本発明に係る天然高麗人参形成層由来細胞株の老化防止活性と露地天然高麗人参の老化防止活性を比較するために、韓国慶煕大学皮膚生命工学センターに依頼して、下記のとおり前記センター標準業務指針に従って実験を行った。
【0088】
先ず、繊維芽細胞(MCTT社、韓国)を2×10/(24ウェル)に接種して12時間培養し付着後、FBS無添加DMEM培地で12時間スターベーション(starvation)した。DPBSバッファーで洗浄して365nm 100mJ/cmを照射した。そして、試料として実施例2の原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μMで処理した凍結乾燥細胞株のDMSO抽出物(Elicitation 1)を1、10及び50ppmの濃度で、そして実施例2の培養液を0.05、0.1及び1体積%の濃度でFBS無添加DMEM培地で濃度別に24時間処理した。この時、陽性対照群としてRA(Retinoic acid)を1μM処理し、追加対照群として実施例2の天然高麗人参根凍結乾燥物のDMSO抽出物を1、10及び50ppmの濃度で処理した。その後、培地を回収して、遠心分離と上澄み液中のMMP−1の量をELISA(Amersham)方法で定量した。WST−1溶液を利用して生存率を測定して補正した。
【0089】
その結果、図6に示したように、本発明に係る細胞株抽出物の場合、約55%(1ppm)、約67%(10ppm)、約83%のMMP−1抑制能を示し、細胞株培養液の場合にも約49%(0.05体積%)、約63%(0.1体積%)、約70%(1体積%)のMMP−1抑制能を示し、老化防止効果が優れていると知られている陽性対照群RAと比較しても細胞株抽出物10ppm及び50ppm使用群及び培養液0.1体積%及び1体積%使用群において老化防止効果がさらに優れていることが確認された。
【0090】
特に、露地天然高麗人参根元の凍結乾燥DMSO抽出物である対照群と対比しても、細胞株抽出物と細胞株培養液共に顕著にMMP−1発現を阻害することが明らかになり、より詳しくは露地天然高麗人参の対応細胞株抽出物の場合、27〜51%の抑制能を示し、細胞株培養液の場合、16〜27%の向上した抑制能を示すと確認された。
【0091】
従って、本発明に係る細胞株抽出物及びその培養液は老化防止効果が優れていると知られているRA及び天然高麗人参抽出物に比べて、老化防止効果が非常に優れていることが明らかになり、老化防止用組成物として特に有用であることがわかった。
【0092】
[実施例9]紫外線照射によって発生する活性酸素種除去効果確認(2)
本発明に係る天然高麗人参形成層由来細胞株の抗酸化活性と露地天然高麗人参の抗酸化活性を比較するために、韓国慶煕大学皮膚生命工学センターに依頼して、下記のとおり前記センター標準業務指針に従って実験を行った。
【0093】
先ず、ヒト角質形成細胞株(HaCaT:German Cancer Research Institute, Heidelberg, Germany)を10%FBSが添加されたDMEM培地で培養した。3×10/(96ウェル)を、96ウェルプレートに接種して12時間培養し付着させた。実施例2の原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μMで処理した凍結乾燥細胞株のDMSO抽出物(Elicitation 1)を1、10及び50ppmの濃度で、そして実施例2の培養液を1、5及び10体積%の濃度でFBS無添加DMEM培地に添加して、3時間処理した。この時、陽性対照群としてNAC(N-acetyl-cysteine)を10mM処理し、追加対照群として実施例2の天然高麗人参根凍結乾燥物のDMSO抽出物を1、10及び50ppmの濃度で処理した。
【0094】
その次に、HBSSバッファーで洗浄してDCF−DA50uM(HBSS)を37℃で20分間培養した。また、HBSSバッファーで2回洗浄してHBSS30uLを添加して、365nm 200mJ/cmを照射した。37℃で2時間培養後、蛍光度(excitation, 485nm; emission, 535nm; Infinite M-200, Tecan)を測定し、WST−1溶液を利用して、生存率を測定して、補正した。試料の活性酸素種除去効果は紫外線照射を行わなかった群の蛍光度を100にして紫外線照射群と比較した。
【0095】
図7に示したように、陰性対照群(UV処理区)の対応活性酸素種除去効果を確認した結果、対照群の天然高麗人参抽出物の場合、17〜26%の抑制能を示すのに対して、本発明に係る細胞株抽出物及び培養液の場合、各々28〜36%及び35〜58%とさらに顕著な減少値を有することが確認された。従って、本発明に係る細胞株及び培養液の場合、露地天然高麗人参抽出物に比べて、はるかに強力な抗酸化効果を有することを確認することができた。
【0096】
[実施例10]薬学製剤製造例
[製剤例1]錠剤の製造
実施例2で製造された細胞株抽出物100mgをとうもろこし澱粉100mg、乳糖100mg及びステアリン酸マグネシウム2mgを混合して、通常の錠剤製造方法によって製造した。
【0097】
[製剤例2]カプセル剤の製造
実施例2で製造された細胞株抽出物500mgを軟質ゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造する。
【0098】
[製剤例3]シロップ剤の製造
実施例1で製造された細胞株1g、異性化糖10g、マンニトール5g、適量の精製水の含有量で通常の液製剤の製造方法によって100mLのシロップ剤を製造した。
【0099】
[製剤例4]注射剤の製造
実施例2で製造された細胞株抽出物200mgを、ポリオキシエチレン水素化カストロオイルを含有する生理食塩水200mgに加熱溶解させて、混合抽出物を0.1%の濃度で含有する注射剤を製造した。
【0100】
[実施例11]化粧品製剤製造例
[剤形例1]柔軟化粧水(スキンローション)の製造

【0101】
[剤形例2]栄養化粧水(乳液)の製造

【0102】
[剤形例3]栄養クリームの製造

【0103】
[剤形例4]マッサージクリームの製造

【0104】
[剤形例5]パックの製造

【0105】
[実施例12]機能性食品の製造:機能性飲み物の製造
[製造例1]
実施例1で製造した細胞株200mgを96mLの水に溶解させた後、補助剤としてビタミンC500mg、矯味剤としてクエン酸、オリゴ糖を各々1g加え、保存剤として安息香酸ナトリウム0.05gを加えた後、精製水を加えて、全量を100mLにして、機能性飲み物を製造した。
【0106】
[製造例2]
実施例2で製造した細胞株抽出物200mgを96mLの水に溶解させた後、補助剤としてビタミンC500mg、矯味剤としてクエン酸、オリゴ糖を各々1g加え、保存剤として安息香酸ナトリウム0.05gを加えた後、精製水を加えて、全量を100mLにして、機能性飲み物を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上説明したように、本発明に係る組成物は、既存抗老化剤と、抗酸化剤の吹く採用を最小化して皮膚に安全であると共に、皮膚老化の主な原因である紫外線露出による活性酸素を抑制する抗酸化作用を示し、老化に係る因子を効果的に減少または抑制できるため、老化予防及び抑制に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高麗人参類の形成層から誘導され、以下の特性を有する細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する老化防止または抗酸化用組成物:
(a)先天的未分化状態であり;
(b)同質の細胞株であり;及び
(c)多数の液包を有する形態学的特徴を示す。
【請求項2】
前記細胞株は以下の特性を追加的に有することを特徴とする請求項1に記載の老化防止または抗酸化用組成物:
(a)懸濁培養時に単細胞状態で存在し;
(b)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株と比べて、バイオリアクターにおいて剪断ストレスに対して低い感受性を有し;及び
(c)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株に比べて、生長速度が速く、安定して培養される。
【請求項3】
前記細胞株は以下の工程を含む分離方法によって取得されたことを特徴とする請求項1に記載の老化防止または抗酸化用組成物:
(a)高麗人参類の形成層含有貯蔵根組織を取得する工程;
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織に浸透ストレスを加えた後、IAAまたはIBAを含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導する工程;及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収する工程。
【請求項4】
前記培養物は前記細胞株を3〜5重量%の原糖または砂糖;またはジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母抽出物、キトサン、グルコマンナン、グルカン、フェニルアラニン、安息香酸、サリチル酸、アラキドン酸、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン、馬尿酸、硝酸セリウムアンモニウム、AgNO、硫酸バナジル、p−アミノ安息香酸、ブラシノステロイド、アルギン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群から選択される物質一つ以上を含む培地で、追加的に培養して取得したものであることを特徴とする請求項1に記載の老化防止または抗酸化用組成物。
【請求項5】
高麗人参類は、天然高麗人参または高麗人参であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の老化防止または抗酸化用組成物。
【請求項6】
前記抽出物は蒸溜水、アルコール、アセトン、DMSO及びこれらの混合溶媒からなる群から選択される溶媒を利用して抽出されたことを特徴とする請求項1に記載の老化防止または抗酸化用組成物。
【請求項7】
前記抽出物は、前記細胞株を蒸溜水、メタノール及びアセトンで順次溶媒分画して獲得されたことを特徴とする請求項1に記載の老化防止または抗酸化用組成物。
【請求項8】
高麗人参類の形成層から誘導され、以下の特性を有する細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する老化防止用化粧料組成物:
(a)先天的未分化状態であり;
(b)同質の細胞株であり;及び
(c)多数の液包を有する形態学的特徴を示す。
【請求項9】
前記細胞株は以下の特性を追加的に有することを特徴とする請求項8に記載の老化防止用化粧料組成物:
(a)懸濁培養時に単細胞状態で存在し;
(b)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株と比べて、バイオリアクターにおいて剪断ストレスに対して低い感受性を有し;及び
(c)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株に比べて、生長速度が速く、安定して培養される。
【請求項10】
前記細胞株は以下の工程を含む分離方法によって取得されたことを特徴とする請求項8に記載の老化防止用化粧料組成物:
(a)高麗人参類の形成層含有貯蔵根組織を取得する工程;
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織に浸透ストレスを加えた後、IAAまたはIBAを含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導する工程;及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収する工程。
【請求項11】
前記培養物は前記細胞株を3〜5重量%の原糖または砂糖;またはジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母抽出物、キトサン、グルコマンナン、グルカン、フェニルアラニン、安息香酸、サリチル酸、アラキドン酸、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン、馬尿酸、硝酸セリウムアンモニウム、AgNO、硫酸バナジル、p−アミノ安息香酸、ブラシノステロイド、アルギン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群から選択される物質一つ以上を含む培地で、追加的に培養して取得したものであることを特徴とする請求項8に記載の老化防止用化粧料組成物。
【請求項12】
前記組成物はMMP−1生成を抑制することを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の老化防止用化粧料組成物。
【請求項13】
高麗人参類の形成層から誘導され、以下の特性を有する細胞株、その破砕物、その抽出物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗老化能または抗酸化能を有する機能性食品:
(a)先天的未分化状態であり;
(b)同質の細胞株であり;及び
(c)多数の液包を有する形態学的特徴を示す。
【請求項14】
前記細胞株は以下の特性を追加的に有することを特徴とする請求項13に記載の抗老化能または抗酸化能を有する機能性食品:
(a)懸濁培養時に単細胞状態で存在し;
(b)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株と比べて、バイオリアクターにおいて剪断ストレスに対して低い感受性を有し;及び
(c)高麗人参類の形成層以外の組織由来細胞株に比べて、生長速度が速く、安定して培養される。
【請求項15】
前記細胞株は以下の工程を含む分離方法によって取得されたことを特徴とする請求項13に記載の抗老化能または抗酸化能を有する機能性食品:
(a)高麗人参類の形成層含有貯蔵根組織を取得する工程;
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織に浸透ストレスを加えた後、IAAまたはIBAを含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導する工程;及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収する工程。
【請求項16】
前記培養物は前記細胞株を3〜5重量%の原糖または砂糖;またはジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母抽出物、キトサン、グルコマンナン、グルカン、フェニルアラニン、安息香酸、サリチル酸、アラキドン酸、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン、馬尿酸、硝酸セリウムアンモニウム、AgNO、硫酸バナジル、p−アミノ安息香酸、ブラシノステロイド、アルギン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群から選択される物質一つ以上を含む培地で、追加的に培養して取得したものであることを特徴とする請求項13に記載の抗老化能または抗酸化能を有する機能性食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−522884(P2011−522884A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513433(P2011−513433)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003176
【国際公開番号】WO2009/151302
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(510077978)株式会社ウンファ (11)
【Fターム(参考)】