説明

安否遠隔監視方法

【課題】遠隔の被監視者を監視するとともに、被監視者のプライバシーを尊重しつつ、且つ漏れ及びノイズのない警告を行う安否遠隔監視方法を提供すること。
【解決手段】被監視者の自宅の監視端末2にはセンサ30が設けられ、被監視者の通過を常時検出する。その検出結果は安否遠隔監視サーバ4に検出履歴として蓄積される。監視者端末6は、安否遠隔監視サーバ4に記憶された所定の時間帯の検出履歴を読み出して監視データを生成する。一方、予め作成された時間帯毎に設定された比較データと比較して較差を求め、予め設定された設定較差に基づいて異常であるか否かを判定する。異常と判定された場合には、監視者に所定の警告手段で警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安否遠隔監視方法に関するものであり、詳しくは、遠隔地から適切に被監視者の異常を警告する安否遠隔監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遠隔から健康状態に不安がある在宅の独居老人などの被監視者を見守り、被監視者の状態に関する情報を監視者に送信するようなシステムがあった。例えば、特許文献1には、その図1に示すようにサービス享受者の生活状態を検知する宅内装置が備えられる。また、見守りサービスの契約を行ったサービス契約者が使用する契約者側端末と、サービス享受者に対して各種のサービス提供するサービス提供者が使用する提供者側端末と、宅内装置からの生活情報を収集、管理して各社のサービス提供を行うサービス管理装置とが設けられる。これらは、通信ネットワークを介して接続されたシステムである。そして、サービス管理装置は、宅内装置からの生活情報に基づいて、契約者側端末にサービス享受者に関連する情報を送信する機能と提供者側端末にサービス享受者に関連するサービス情報を送信する機能とを有する。そのため、サービス享受者に何ら負担をかけることなく、サービス享受者を24時間フルに見守ることができ、異常が発生した場合には、サービス契約者やサービス提供者にサービス享受者の異常に関連する情報を送信する。ここで、サービス契約者には、特許文献1に示すような画面が提供される。この画面には、サービス提供者の生活パターンを色分けし、これを時間軸に沿って表示することで、サービス享受者のその日の生活パターン(行動パターン)が一目で分かるように表示するようになっている。
【0003】
また、特許文献2では、さらに、見守り対象者宅内に配置されたセンサから出力された滞在データがサーバのデータベースに蓄積され、グラフフォーマット作成手段によって作成されたグラフフォーマットにより滞在グラフを端末に表示させる。このときの画面は、見守り対象者宅内の所定場所に対応する複数のグラフが並べて表示される。このグラフは、1日の時刻を取った縦軸xと、日を縦軸に取った縦軸yとからなる散布図上に、見守り対象者が滞在した日時をドットで示したものである。このシステムでは、またトイレに入った時から所定の異変判定時間が経過してもトイレから移動したとの判定がなされなかった時、「異変発生」と判定する。
【0004】
特許文献1,2に示すような画面表示を行うことで、監視者は遠隔から被監視者の健康状態などを把握することができ、異常を察知した場合には速やかに訪問するなどの対策を実行することができた。
【特許文献1】特開2002−74561号公報
【特許文献2】特開2004−30541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらのシステムでは、被監視者に対する行動パターンの表示に関わらず、異常を検出する方法は、所定場所での滞在時間が所定時間以上か否かを判定して行っている。そのため、被監視者の行動パターンに関係なく異常か否かが判断される。そのため、行動パターンに明らかな異常の兆候がみられても、所定場所での滞在時間が所定時間以上にならない限り被監視者に異常を通報することができないという問題があった。
【0006】
一方、行動パターンから異常を判定するといっても、その行動パターンが必ずしも明らかでないため、実際に比較するための基準を設定することが困難であるという問題があった。
【0007】
また、たとえ基準となる行動パターンが明らかになったといっても、今度はこれを基準に、刻々と変化する行動パターンを如何に判断し、漏れ及びノイズのない警告ができるかということが問題であった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その課題は、遠隔の被監視者に対して、常時異常を監視するとともに、被監視者のプライバシーを尊重しつつ、且つ漏れ及びノイズのない警告を行うことができる監視方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に係る安否遠隔監視方法では、監視用コンピュータと、所定の管理区域内の複数の検出場所に設けられ被監視者を検出する検出手段を有し、前記監視用コンピュータに検出信号のデータを送信する監視端末とにより実行される安否遠隔監視方法であって、前記監視用コンピュータが、前記監視端末により送信された検出信号のデータを入力する検出信号データ入力のステップと、前記検出信号のデータを、検出場所毎に時刻情報とともに検出履歴として検出履歴記憶手段に記憶する検出履歴記憶のステップと、指定に基づいて前記検出履歴記憶手段に記憶された所定の時間帯の検出履歴を読み出すとともに、当該検出履歴に基づいた所定の時間帯毎の数値からなる監視データと、予め作成された時間帯毎に設定された数値からなる比較データとを比較して較差を求める比較のステップと、前記比較のステップにおいて求められた較差を、予め設定された設定較差に基づいて異常であるか否かを判定する異常判定のステップと、前記異常判定のステップにより異常と判定された場合に監視者に所定の警告手段で警告する警告のステップとを実行することを要旨とする。
【0010】
この構成に係る発明では、検出手段による検出信号に基づいて監視するため、被監視者のプライバシーを尊重しつつ常時異常を監視するとともに、予め作成された時間帯毎に設定された比較データを基準として被監視者の監視データを判断するため、被監視者の行動パターンに応じた判断をすることができ、その結果、漏れ及びノイズのない警告を行うことができるという効果がある。
【0011】
請求項2に係る安否遠隔監視方法では、請求項1に記載の安否遠隔監視方法において、前記監視端末は、インターネットを介して検出信号のデータを送信し、前記監視用コンピュータは、前記監視端末から検出信号のデータをインターネットを介して受信するサーバコンピュータと、当該サーバコンピュータとインターネットを介して接続されたクライアントコンピュータとを備え、前記サーバコンピュータが、前記監視端末により送信された検出信号のデータをインターネットを介して入力する手順を含む前記検出信号データ入力のステップと、前記検出履歴記憶のステップとを実行し、前記クライアントコンピュータが、前記検出履歴記憶手段に記憶された任意の時間帯の検出履歴を、前記サーバコンピュータから読み出す手順を含む前記比較のステップと、前記異常判定のステップと、前記警告のステップとを実行することを要旨とする。
【0012】
この構成に係る発明では、監視コンピュータをクライアントサーバシステムにより構築し、機能を分担したため、サーバコンピュータにより多数のクライアントコンピュータをインターネット上で管理することができる。そのため、広域での遠隔監視が容易にできるという効果がある。
【0013】
請求項3に係る安否遠隔監視方法では、請求項1又は請求項2に記載の安否遠隔監視方法において、前記監視用コンピュータは、表示手段を備え、前記監視データと前記比較データとを、前記表示手段に時間帯毎に対照可能にグラフ表示するグラフ表示のステップをさらに備えたことを要旨とする。
【0014】
この構成に係る発明では、異常判定の基準となる比較データを、被監視者の実態である監視データと比較することで、より被監視者の行動パターンに応じた異常判定ができるという効果がある。
【0015】
請求項4に係る安否遠隔監視方法では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法では、前記監視用コンピュータが、前記比較のステップに先立ち、前記比較のステップで比較する検出場所及び時間帯を設定させる比較設定のステップをさらに備え、前記比較のステップにおいて、当該比較設定のステップで設定された検出場所及び時間帯において比較することを要旨とする。
【0016】
この構成に係る発明では、比較のステップにおいて、比較データと監視データとの比較を、検出場所と時間帯を限定して行うことができる。そのため、より被監視者の行動パターンに応じた異常判定を行うことができるという効果がある。
【0017】
請求項5に係る安否遠隔監視方法では、請求項4に記載の安否遠隔監視方法において、前記比較設定のステップにおいて検出場所及び時間帯の組合せである警告グループを複数生成させることが可能な警告グループ生成のステップをさらに備え、前記比較のステップにおいてそれぞれの警告グループの組合せ毎に、監視データが比較データとそれぞれ比較されるとともに、前記異常判定のステップにおいて異常と判定された場合には、前記警告のステップにおいて前記警告グループの単位で警告を行うことを要旨とする。
【0018】
この構成に係る発明では、複数の警告グループを生成させて異常判定を行うため、被監視者の行動パターンに応じた多面的な異常判定ができるという効果がある。
請求項6に係る安否遠隔監視方法では、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法において、前記異常判定のステップにおいて、前記異常判定のステップにおいて判定基準の閾値となる設定較差を設定させる較差設定のステップをさらに備えたことを要旨とする。
【0019】
この構成に係る発明では、異常判定の判定基準となる設定較差を、被監視者の行動パターンに合わせて設定できるため、より被監視者の行動パターンに応じた異常判定をすることができるという効果がある。
【0020】
請求項7に係る安否遠隔監視方法では、請求項6に記載の安否遠隔監視方法において、前記較差設定のステップにおいて、指定された任意の検出履歴を読み出す手順と、当該読み出された検出履歴を現在の比較データと比較可能に画面上に表示させる手順と、当該表示された画面に表示において前記設定較差を修正入力させる設定較差修正の手順とをさらに実行することを要旨とする。
【0021】
この構成に係る発明では、設定較差を、比較データと警告データとを比較しながら設定較差を修正入力できるため、より被監視者の実態にあった異常判定をすることができるという効果がある。
【0022】
請求項8に係る安否遠隔監視方法では、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法において、任意の条件で選択された過去の検出履歴を表示する検出履歴表示のステップとともに、当該表示された検出履歴に基づいて前記比較データを修正して設定させる比較データ設定のステップをさらに備えたことを要旨とする。
【0023】
この構成に係る発明では、比較データの修正に、任意の検出履歴を参照しながら修正できるため、比較データをより被監視者の行動パターンにあったものとでき、被監視者の実態にあった異常判定をすることができるという効果がある。
【0024】
請求項9に係る安否遠隔監視方法では、請求項8に記載の安否遠隔監視方法において、前記比較データ設定のステップは、指定された期間についての過去の検出履歴から、その平均を比較データとして自動的に生成することを要旨とする。
【0025】
この構成に係る発明では、過去の検出履歴の平均から比較データを自動生成するため、簡単な手順でありながら比較データをより被監視者の行動パターンにあったものとでき、被監視者の実態にあった異常判定をすることができるという効果がある。
【0026】
請求項10に係る安否遠隔監視方法では、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法において、前記警告のステップにおいて、前記監視用コンピュータは、携帯端末に電子メール若しくはデータを送信し、前記警告手段は、当該携帯端末の表示画面若しくは音声発生装置であることを要旨とする。
【0027】
この構成に係る発明では、警告手段が携帯電話の表示画面若しくは音声発生装置により監視者に警告をおこなうため、監視者は携帯電話さえ携帯していれば、被監視者の監視をすることができるという効果がある。
【0028】
請求項11に係る安否遠隔監視方法では、請求項2に記載の安否遠隔監視方法において、前記監視用コンピュータにおける前記比較のステップ、異常判定のステップ、警告のステップは、前記クライアントコンピュータに記憶されたプログラムにより実行されることを要旨とする。
【0029】
この構成に係る発明では、比較、異常判定、警告の各ステップが、クライアントコンピュータにおいて実行されるため、サーバコンピュータに負荷をかけることがないという効果がある。
【0030】
請求項12に係る安否遠隔監視方法では、請求項11に記載の安否遠隔監視方法において、前記クライアントコンピュータはウエブブラウザを備え、前記プログラムは、クライアントコンピュータから当該ウエブブラウザからサーバコンピュータにアクセスしたときにインターネットを介して前記ウエブブラウザに関連づけられてダウンロードされることを要旨とする。
【0031】
この構成に係る発明では、クライアントにウエブブラウザさえインストールされていれば、予め専用のソフトウエアなどがインストールされてなくても本発明を実行することができるという効果がある。
【0032】
請求項13にかかる安否遠隔監視方法では、請求項11又は請求項12に記載の安否遠隔監視方法において、前記クライアントコンピュータが携帯電話により構成されたことを要旨とする。
【0033】
この構成に係る発明では、携帯電話自体がクライアントコンピュータを構成するため、被監視者に対する監視や設定を携帯電話さえ携帯していればできるという効果がある。
【発明の効果】
【0034】
本発明は遠隔の被監視者に対して、常時異常を監視するとともに、被監視者のプライバシーを尊重しつつ、且つ行動パターンに基づいた異常の兆候を抽出し、漏れ及びノイズのない警告を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の安否遠隔監視方法を具体化した一実施形態であるインターネット安否遠隔監視システムによる安否遠隔監視方法を図1〜図18に従って説明する。なお、ここで「安否」とは、生死、健康に限らず、被監視者のあらゆる状態の変化に関するもので、防犯や災害の検知等も含むものである。さらに買い物行動などのマーケティング調査目的の利用を排除するものでもない。
【0036】
図1は、インターネット安否遠隔監視システム(以下適宜「本システム1」という。)の構成を示す概略図である。本システム1は、インターネット5にそれぞれ接続された監視端末2と、安否遠隔監視サーバ(以下「サーバ4」という。)と、監視者端末6、及び携帯電話網7を介してインターネット5に接続された携帯電話8を含む。ここでは、説明のため監視端末2,監視者端末6、携帯電話8は1つずつを図示したが、実際には多数の端末が管理される。
【0037】
監視端末2は、周知のCPU22、RAM23、ROM24を備えた、コンピュータ21を有する。このコンピュータ21には、インタフェース26を介して通過検出手段を構成する通過センサ30a、30b、30c、30d(以下、これらをまとめて通過センサ30という。)が接続されている。また、コンピュータ21は、インタフェース25を介して、ルータ28、モデム27に接続されている。また、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデムであるモデム27からは一般電話回線を経由して図示しないISP(Internet Service Provider )を介してインターネット5のWWW(World Wide Web、以下単に「ウエブ」ともいう。)と接続される。所定のIPアドレス等のリンク情報によりインターネット5のWWW上のサーバコンピュータであるサーバ4と常時接続可能に構成されている。もちろん回線はインターネット5と接続できればよく、ISDN回線、光ファイバ回線や専用回線などでもよい。そして、監視端末2のHDD(Hard Disk Drive )29には、例えば、Linux(登録商標)等によるサーバOS(Operating System)がインストールされる。そして、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )、HTTP(hyper Text Transfer Protocol)のプロトコルでインターネット5によりクライアントコンピュータと通信可能な送受信手段を有したサーバコンピュータとして機能している。
【0038】
通過センサ30a〜30dは、焦電型赤外線パッシブセンサにより構成され、人の通過を検出する。なお、焦電型赤外線センサは、本来的に赤外線の波長に対する依存性はないため、本実施形態ではセンサにフィルタを窓材として取り付け狭帯化しており、人の発する赤外線に特異に反応するようにして人以外の物による誤動作を防止する。もちろん、センサはその種類を問わず通過が数量的に検出できればいずれの構成でもよく、場所に応じて、光電管による検出、機械的な圧力による検出、画像認識による検出、磁気や静電気等による検出が適宜選択される。
【0039】
また、HDD29には、通過センサ30a〜30dから受信した通過信号が場所・時刻情報とともに検出信号データとして蓄積されて記憶されており、これをサーバ4に送信できるように編集するとともに、これを定期的に或いは随時送信する通信プログラムが記憶されている。
【0040】
図2は、本システム1の管理区域である被監視者の自宅を示す平面図である。図2において本実施形態の通過センサ30a〜30dの配置を示す。本実施形態では、通過センサ30aは、寝室aに配置される。また、通過センサ30bはリビングb、通過センサ30cは和室cに、通過センサ30dはキッチンdに配置される。ここでは、各通過センサ30a〜30dを各部屋の壁面に配置しているが、玄関、廊下、浴室、トイレ等に配置することもでき、またそれぞれの天井に配置してもよい。
【0041】
なお、この通過センサ30a〜30dは、インタフェースに通過信号を送信することができる。一方、実施形態では、乾電池若しくは充電池により給電されているので配線が不要であり、配設位置の変更が容易である。通過センサ30a〜30eは固有のID番号、例えば01〜04で識別され、検出した通過を信号としてインタフェースに送信する発信装置(図示を省略)を備え、インタフェース26にはこの信号を受信する送受信装置(図示を省略)を備える。
【0042】
図1に示す安否遠隔監視サーバ4は、周知のCPU42、RAM43、ROM44を備えたコンピュータ41を有する。サーバ4には、サーバOSがインストールされWWW上のサーバコンピュータとして構成されている。なお、監視端末2に対しては、データを要求して受信する監視端末2をサーバとしたクライアントコンピュータとしても機能する。また、HDDにより構成された記憶媒体に記憶された安否遠隔監視プログラム47により、このサーバ4が本システム1の全体を制御している。インタフェース45は、図示しないルータとモデムを備え、光ファイバ回線からISPを介して所定のIPアドレスによりインターネット5のWWW上の監視端末2と常時接続可能に構成されている。この送受信手段を有するサーバコンピュータであるサーバ4が常時接続のインターネット5を介して所定の管理区域内である被監視者の自宅において被監視者の検出信号をリアルタイムで監視する。また、サーバ4は、SMTP、POP3のプロトコルにより電子メールを送受信できる。図1においては、説明のため1つのコンピュータでサーバ4が構成されているが、複数のコンピュータにより構成されてもよい。即ち、WWWサーバのほか、CGIサーバ、Mailサーバ、FireWall、Proxyサーバ、DNSサーバ、DataBaseサーバ等を含む複数のコンピュータ群で機能を分散して構成することができる。
【0043】
サーバ4のコンピュータ41は、インターネット5を介して監視端末2から送信された通過センサ30a〜30dの信号を検出信号データとして、その都度リアルタイムで受信する。この検出信号データは、一旦一時記憶され、この検出信号データから検出履歴が生成されて記憶される。
【0044】
検出履歴マスタファイル46は、検出履歴記憶手段として検出履歴を記憶している。監視端末2の記憶手段であるHDD29に記憶された検出信号データは、逐次若しくは定期的にサーバ4に送信される。サーバ4では、受信した検出信号データから、監視端末2のHDD29毎に、センサ30の固有ID番号、通過時間が時系列で編集され、日付毎に、検出履歴として検出履歴マスタファイル46に記憶される。
【0045】
図4は、検出履歴マスタファイル46に記憶格納された検出履歴データの一例を概念的に示す図である。検出履歴マスタファイル46には、監視端末2のID、データの時間帯の年月日、開始時刻及び終了時刻、センサID、カウントが関係付けられてリレーショナルデータベースとして記憶される。従って、監視端末毎に、日付、時間帯、センサを特定して、カウントを集計してデータを作成することができるようになっている。
【0046】
図3は、監視者端末6の構成を示すブロック図である。監視者端末6は、周知のCPU62、RAM63、ROM64を備えた、コンピュータ61を有する。このコンピュータ61には、インタフェース65を介して、ルータ66、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデムであるモデム67に接続され、一般電話回線からISPを介してインターネット5に接続されている(図1参照)。
【0047】
そして、コンピュータ61は、外部記憶手段として構成されたHDDに記憶された監視プログラムファイル68を備える。監視プログラムファイル68には、例えばWINDOWS−XP(登録商標)等のOS、Internet Explorer(登録商標)等のウエブブラウザが含まれ、監視者端末6は、TCP/IP、HTTPのプロトコルでインターネット5により通信可能な送受信手段を有したクライアントコンピュータとして機能する。そして、WWWに存在するサーバコンピュータであるサーバ4と所定のIPアドレスにより常時接続可能に構成されている。もちろん回線は限定されずインターネット5と接続できればISDN回線、光ファイバ回線や専用回線などでもよい。
【0048】
監視プログラムファイル68は、OSやウエブブラウザに加え、監視者プログラムを備える。監視者プログラムは、例えば、ここにインストールされているウエブブラウザ上で実行されるプログラム、いわゆるプラグインソフトウエアである。例えばFLASH(登録商標)によるプログラムがサーバ4からweb経由でダウンロードされることで、ブラウザ上で各種の処理ができるように構成されている。この監視者プログラムによりクライアント監視者端末6において本発明の安否遠隔監視方法が実行される。プログラムは、FLASHに限らず、JAVA Script(登録商標)、VB Script(登録商標)など、クライアント側にダウンロードされて、処理が実行できるプログラムであればよい。このような構成では、最初、サーバ4にアクセスする時にサーバ4及びネットワークに一時的に負荷がかかる。しかしながら、その後は、監視者端末6がエージェント的な役割を果たすため、サーバ4においてCGIなどよるデータ作成などの処理を行わせるよりも、サーバ4及びネットワーク(インターネット5)に対する負荷が小さい。そのため、トータルするとサーバ4への負担は小さくなり、サーバ4は多数のクライアント(監視者端末6)を接続して管理することが可能になる。詳細は後述する。
【0049】
また、コンピュータ61は、HDDに記憶格納された監視プログラムファイル68の外に、比較データファイル69、監視データファイル70、警告設定ファイル71を備える。
【0050】
図5は、比較データファイル69に記憶された比較データを概念的に示す図である。比較データファイル69は、グループ毎に設定された時間帯毎にカウント数が予め設定されたもので、図5では、例えば、「グループ」の「01」については、「6」と表示された「午前6時から午前7時になるまで」の時間帯に想定される検出回数を「3」と示している。このように、後述する警告設定において設定されたグループ毎に、指定されたセンサ30の時間帯別の検出回数と、その合計が設定されて記憶されている。同様に、時間帯「7」は「28」回と、時間帯「8」は「20」回と設定されている。なお、グループ01においては、それ以外の「*」が記された時間帯は、比較の対象となっていない時間帯を示している。また、グループ02、03、04についても同様に設定がなされている。
【0051】
図6は、監視データファイル70に記憶された監視データを概念的に示す図である。監視データファイル70は、警告設定で設定された条件で、グループ毎に、要求された日のデータを検出履歴マスタから読み出して監視データとして記憶している。例えば、グループ01では、それぞれ時間帯「6」には4回、時間帯「7」には25回、時間帯「8」には16回の検出があったことが、検出履歴から抽出されている。
【0052】
その他図示しない記憶ファイルは、その他のプログラムや、一時記憶のエリアを備えている。なお、ここでは、各ファイルを便宜上4つで示しているが、これらは1つのHDDにまとまったものでも、あるいはさらに分散したものでもよく、また記憶媒体は、携帯端末におけるEEPROM等により構成されるものでもよい。
【0053】
また、監視者端末6は、図3に示すように、インタフェース72を介して、例えばLCDを備えたディスプレイ73からなる表示手段、キーボード74、マウス75からなる入力手段、インクジェットプリンタ等のプリンタ76からなる出力手段が接続され、コンピュータ61との入出力を行うことができる。
【0054】
次に、このように構成された本システム1における安否遠隔監視方法を説明する。図7〜9は、本システム1の監視端末2と安否遠隔監視サーバ4と監視者端末6のそれぞれの主な処理を示すフローチャートであり、それぞれの間のデータの受け渡しを示すシーケンスチャートである。
【0055】
図7に示すように、監視端末2は、センサ30から常時検出信号を受信し、検出のたびに検出信号を入力して、これをHDD29の検出信号データファイルにセンサID及び時刻情報と共に検出信号データとして蓄積する(ステップ(以下「ステップ」を「S」と略記する。)1)。そして、予め定められた送信時刻か否かを判断し(S2)、もし送信時刻であれば(S2:YES)、HDD29の検出信号データファイルに蓄積されている検出信号データを読出し、インターネット5を経由してサーバ4に検出信号データとして監視端末2のIDとともに送信する(S3)。この送信時刻は、例えば15分おきに設定される。なお、検出信号を入力したら随時送信するようにしてもよいが、回線やサーバの負荷等により適宜決定できる。
【0056】
監視端末2から送信された検出信号データは、サーバ4により受信され、検出信号データが入力される(S4)。サーバ4は、この入力された検出信号データから検出履歴を生成して、検出履歴マスタファイル46に記憶する(S6)。ここには、図4に示すように、監視端末2毎に日付により分類された、各センサごとに時間帯毎の検出回数が記憶されている。この作業は、監視端末2からデータが送信されるたびに行われ、図7においては示されていないがその後も他の処理と並行して行われている。
【0057】
続いて、サーバ4はウエブサーバとして監視者端末6からのアクセスを待つ(S7)。この状態から、監視者端末6がサーバにアクセスする(S20)。なお、詳細に説明すると、監視者端末6からは、ウエブブラウザによりURL(Uniform Resource Locator)、IPアドレスを特定してアクセスすると、サーバ4からは、要求されたhtmlのファイルを監視者端末6へ送信する。そして、サーバ4から送信されて監視者端末6のディスプレイ73に表示されたウエブページに、キーボード74からユーザID、パスワードを記入して、監視者端末6のマウス75により画面上のボタンがクリックされると、ユーザID、パスワードが暗号化されてサーバ4に送信される。
【0058】
次に、サーバ4は、CGI(Common Gate Interface )等により、図示しないユーザマスタファイルを検索して、登録されたユーザIDとパスワードによりアクセスかを認証する(S8)。正規のアクセスであれば(S8:YES)、アクセスを許可するとともに、監視者端末6に、FLASH(登録商標)による監視者プログラムをアップロードする(S9)。これと同時に、監視者端末6では、この監視者プログラムをダウンロードするとともに、ウエブブラウザにプラグインしてウエブブラウザ上で実行できるようにする(S21)。
【0059】
続いて、図8に示すように、監視者端末6では、ダウンロードされた監視者プログラムを実行する(S22)。以後、S23〜S31までの監視者端末6での処理は、この監視者プログラムにより実行される。したがって、サーバ4は、その後の処理は、要求のあった検出履歴を送信するだけで、サーバ4自体がデータを加工したりする処理を負担しない。そのため、サーバ4の負担が軽いシステムに構成されている。
【0060】
一方、監視者プログラムが実行されると(S22)、まず、警告設定ファイル71から監視者端末6で既に設定されている警告設定を読み出す。これは、監視者プログラム本体は、複数の監視者端末6で共通に使用されるため、その都度最新のプログラムがダウンロードされる。一方、警告設定は、監視される被監視者の行動パターンに合わせて個別に設定されるものであり、また、これは個人差が大きいため各監視者端末6側で、それぞれ過去に設定した内容をそれぞれの警告設定ファイル71に記憶させている。
【0061】
ここで、図14は、警告設定ファイル71の記憶内容を概念的に示した図である。警告設定ファイルには、警告の対象となるグループID、警告の検出場所であるセンサID、警告の対象となる時間帯が記憶される。また、そのそれぞれの時間帯の比較データ(図5参照)を読み出せるようにリンク情報が記憶される。また、異常判定の基準となる選択された時間帯の比較データの平均値が記憶され、判定の判断基準である設定較差も「警告差」として記憶されている。なお、図14に示す概念図には、過去の比較に用いた監視データに相当する「反応値」と、較差に相当する「差」も表示されている。
【0062】
図8に戻り説明を続けると、監視者端末6は、サーバ4に検出履歴の要求をする(S23)。これに対して、サーバ4は、常時検出履歴の要求の受信を待機しており(S10)、監視者端末6から検出履歴の要求があったと判断したときは(S11:YES)、要求された検出履歴を検出履歴マスタファイル46から読出し(S12)、要求された検出履歴を監視者端末6に送信する(S13)。
【0063】
なお、本実施形態では、デフォルト設定では、前日のデータを検出履歴として送信するようにしている。また、検出履歴の要求は、ここでは1日分のデータを単位として、午前0時を区切りとした「日」によって特定するが、時間単位で特定できるようにしてもよい。
【0064】
サーバ4から送信された(S13)、1日分の検出履歴は、監視者端末6により受信され、ここから監視データが作成される(S24)。監視データは、警告設定ファイル71に記憶された設定に基づき、比較される時間帯の検出回数が抽出される。例えば、図6に示すようにグループ01として設定された警告設定では、対象とする時間帯が、午前6時台から午前8時台いっぱいまでの3時間であり、それぞれの検出回数のみが抽出される。
【0065】
続いて、比較データファイル69から比較データが読み出される(S25)。図5に示す比較データファイル69は、警告設定で設定された時間帯について、異常か否かの判断の基準となる検出数が予め設定されている。比較データファイル69は、指定されたグループについて、指定された時間帯において異常か否かの判定基準となる数値の基準が記憶される。図5では、午前6時台に3回、午前7時台に28回、午前8時台20回とし、この数値を基準に監視データとの較差が演算される。また、この3つの時間帯の合計と算術平均が演算され記憶される。
【0066】
つづいて比較のステップが行われる(S26)。比較のステップでは、S24の手順で作成された監視データと、S25の手順で読み出された比較データとを比較して較差を求める。本実施形態の較差は、指定されたグループで設定された時間帯の合計の検出数を時間帯の数で割った平均により求めている。なお、ここでは、監視データと比較データとの差は平均で差が求められる。つまり、時間帯毎の正の差、負の差は相殺される。そして、監視データと比較データの平均の差の絶対値が、ここで言う較差となる。従って、較差の数値は符号なしの数値となる。
【0067】
続いて異常判定のステップ(S27)で、比較のステップ(S26)において求められた較差を、予め設定され警告設定ファイル71に記憶されている設定較差を読み出して、これに基づいて異常であるか否かを判定する。
【0068】
異常判定のステップ(S27)を具体的に説明すると、図14に示す警告設定ファイル71に示すように、異常判定はグループ01〜04のそれぞれについて行われる。例えば、「起床」と名付けられたグループ01の場合、監視する時間帯は「6,7,8」であり、この監視データは、図6に示す監視データファイル70のように、それぞれ「4,25,16」である。この検出数は、寝室の通過センサ30aだけから検出した検出数である。これは平均すると「15」となる。一方、図5に示す比較データファイル69のように、対応する比較データは、「3,28,20」であり、その平均は「17」である。ここで比較のステップ(S26)で較差を求めると、検出データの平均から、比較データの平均を引くと、15−17=−2となる。絶対値を採ると較差は「2」である。この較差に基づいて異常判定のステップ(S27)で判定すると、図14に示す設定較差である「警告差」が10であるので、2<10、つまり較差<設定較差となるので、異常とは判定されず警告の対象とはならない。
【0069】
次に、「食事」と名付けられたグループ02をみると、監視対象となる時間帯「11,12,13,18,19,20」は食事の準備及び食事をしていると思われる時間帯である。また、センサは「リビング、キッチン」が対象とされている。監視データの平均が14、比較データの平均が40、較差は26である。設定較差は、20であるので、較差>設定較差となり、異常と判定される。
【0070】
また、グループ03は、「休日」と名付けられ、時間帯が「13〜16」、センサは「和室」である。ここでは、休日であると和室に居る可能性は高いが不確定な要素が大きいので、設定較差が「50」、比較データの平均が「50」として、和室での検出が100回を越えるか、若しくは、まったく和室で検出されなかった場合に異常と判定することとしている。このような設定とすれば、必要以上の警告を排除することができる。この例では、監視データの平均が6、較差が44であるが、設定較差が50と大きいので、較差<設定較差となり、異常とは判定されない。
【0071】
一方、グループ04は、「外出」と名付けられ、すべての時間帯、すべてのセンサが対象となっている。また、比較データは0、設定較差は1である。従って、いずれかのセンサで1回でも検出があれば、直ちに異常と判定する。このように設定することで、本実施形態では、防犯モードとして利用することもできる。
【0072】
この場合、設定較差は、平均値で与えられており、比較のステップで演算された較差との比較が行われ、較差が設定較差より大きい場合には異常と判定する。つまり、時間帯の平均値で比較されるため、特定の時間帯で設定された比較データと著しく異なる監視データがあっても、単に検出ピークがずれているような場合は、異常と判定されない場合がある。一方、比較的大きな差がなくても、マイナス若しくはプラスの差が累積すれば異常と判定される場合もあることになる。
【0073】
なお、異常判定のステップ(S27)のアルゴリズムは、適宜変更でき、時間帯毎に異なる設定較差で異常を検出したり、或いは、検出数が少ないときだけ異常と判断するようにしてもよい。あるいは、重み付けを行ったり、事前にデータを加工するようにしてもよい。さらにこれらを適宜組合わせた判定をしてもよい。
【0074】
続いて警告のステップを説明する。異常判定のステップ(S27)で、異常と判定された場合(S28:YES)には、監視者に所定の警告手段で警告する(S29)。警告手段は、本実施形態では、監視者端末6のディスプレイ73に警告画面73b(図16参照)を表示する。
【0075】
ここで、監視者端末6のディスプレイ73に表示される画面について説明する。図15は、監視者端末6のディスプレイ73の画面表示のメイン画面73aを示すものである。このメイン画面73aは、監視者プログラムが実行された場合(図8;S22)の基本的な画面である。ここでは、比較データと監視データを3Dの棒グラフで表示する。このグラフは、底面部に、画面水平方向(ここでは「X軸方向」とする。)に時間帯毎に区切られた略前後方向(ここでは「Z軸方向」とする。)に細長い鍵盤状のエリア80を備え、そのそれぞれのエリア80の略中央部に上下方向(ここでは「Y軸方向」とする。)に伸びる立体棒グラフとして表示される監視データグラフ81が表示される。また、同じ時間帯のエリア80の画面奥側には監視データグラフと同様の態様で隣接して比較データグラフ82が表示される。したがって、同一時間帯の監視データグラフ81と、比較データグラフ82とは、一目で比較対照が容易な構成となっている。画面の左方には、棒グラフのY軸のスケール83が表示され、スケールの目盛りに対応する数値が表示されている。ここでは、中間部に「100」と表示され、上方にある目盛りには「200」と表示される。なお、この上方の目盛りは、テキストボックス84となっており、監視データの多寡により適宜数値を変更できる。例えば、ここのテキストボックス84の数値を100と記入すると、中間値は50に自動修正されるように構成される。また、監視データグラフ81、比較データグラフ82もこのスケールに合わせて高さが変更される。
【0076】
なお、画面左下には、監視データの指定日を変更するための「指定日」ボタン85が表示され、画面上で操作すると、「2004/10/14」のように年月日の順でテキストボックスが表示され指定日を変更できる。また、月間、年間カレンダーを表示してマウス75で選択するようにしてもよい。
【0077】
メイン画面73aの右上には、センサボタン86を表示する。このセンサボタン86は、寝室86a、リビング86b、和室86c、キッチン86dを備え、監視データグラフ81で検出数を表示するセンサをマウスで選択することができる。
【0078】
つまり、メイン画面73aに表示する監視データグラフ81は、「指定日」ボタン85とセンサボタン86の選択で表示すべき対象が特定されて表示される。
また、比較データグラフ82は、「1ヶ月平均」ボタン87a、「6ヶ月平均」ボタン87b、「ユーザー設定」ボタンにより表示内容を変更する。「1ヶ月平均」ボタン87aは、過去直近1ヶ月の検出履歴の平均値を比較データとして設定する。「6ヶ月平均」ボタン87bは、同様に過去6ヶ月の平均値を比較データとして設定する。そして、「ユーザー設定」ボタンは、ユーザー(監視者)が独自にマニュアル設定する。比較データの修正の手順は後に詳細する。
【0079】
また、鍵盤状のエリア80の監視データグラフ81側には、時刻88が表示される。時刻88は、そのエリア80の時間帯を示す数字0〜23を、例えば、午前0時台は「0」のように表示する。また、メイン画面73aの右下にある、「数値」ボタン89を操作することで、さらに、「平均」としてその時間帯の比較データの数値90がエリア80の時刻88の手前に表示される。また、これと同時に、「数値」として監視データの数値91が比較データの「数値」ボタン89の手前に併記される。このように数値91を表示することで、監視データグラフ81、比較データグラフ82から直観的に把握できる差を詳細に検討することができる。
【0080】
ここで、図9に戻り、フローチャートの説明を続ける。図9に示す警告のステップ(S29)では、このように構成されたメイン画面73aにおいて、警告画面が表示される。ここで、図16は、警告画面73bを示す図である。警告画面73bは、メイン画面73a中にポップアップするかたちで表示される。ここには、「2:「食事」の警告です」と表示され、グループ番号「2」と、グループ名「食事」、それと警告である旨が表示される。そして、このグループの選択しているセンサが、「センサ リビング キッチン」のように表示される。また、このグループで設定している時間帯が「時刻 11 12 13 18 19 20」のように表示される。そして、このグループで警告設定されている比較データの平均、監視データの平均、較差、設定較差が「過去=40 本日=14 差=26 警告設定20」のように表示される。この表示は、確認後任意に消去してメイン画面73aに戻ることができる。
【0081】
ここで、警告ステップ(S29)では、サーバ4に対して、警告の内容を警告メッセージとしてHTTP送信する。サーバ4は、このメッセージを、HTTPのプロトコルで受信し(S32)、サーバ4内のSMTP(Simple Mail Transfer Protocol )サーバを介して、インターネット5、携帯電話網7を経由して携帯電話8に電子メールを送信する(S33)。この電子メールは、基本的に警告画面73bと同様の内容のテキストから構成される。また、電子メールのMail Addressは、サーバ4の顧客マスタファイル(図示略)に監視者に関するデータとともに監視者からの申告により記憶されている。
【0082】
なお、異常判定のステップ(S27)で、異常でないと判定された場合(S28:NO)には、警告のステップ(S29)は、実行されず、警告画面73bは表示されない。
続いて、警告のステップ(S29)の実行後、若しくは異常判定のステップ(S27)で、異常でないと判定された場合(S28:NO)は、設定変更のステップ(S31)が実行される。設定変更のステップ(S31)では、各種の設定の変更がなされる。
【0083】
次に、設定変更のステップ(S31)を説明する。図10は、図9の設定変更のステップ(S31)の詳細を示すフローチャートである。設定変更のステップでは、「指定日」ボタン85(図15参照)をマウスで75(図3参照)で操作すると(S311:YES)、監視日変更の処理(S312)が実行され、画面上で監視日の設定が変更される。また、メイン画面73a(図15参照)のセンサボタン86の寝室86a、リビング86b、和室86c、キッチン86dをマウスで操作すると(S313:YES)、センサ変更の処理(S314)が実行され、操作したセンサボタン86の合計の結果が、監視データグラフ81と比較データグラフ82に表示される。
【0084】
また、図15に示すメイン画面73aの上部に表示された「警告設定」ボタン92をマウス75で操作すると(S315:YES)、警告設定変更の処理(S316)が実行される。
【0085】
ここで、警告設定変更の処理(S316)とは、どの時間帯でどのセンサを監視し、どのような状態になったら警告をするかを、監視者端末6がユーザに設定を変更させる処理である。図11は、警告設定変更の処理(S316)を詳細に示すフローチャートである。このフローチャートに沿って、図10に示す警告設定変更の処理(S316)を説明する。警告設定変更の処理は、グループ毎に警告設定画面73cにおいて設定する警告設定(以下「グループ設定」という。)と、グループ共通でメイン画面73aで設定するその他の設定(以下、「共通設定」という。)がある。
【0086】
そこで、まずグループ設定か否かを判断し(S600)、グループ設定であれば(S600:YES)、「警告設定」ボタン92が操作される。まず、警告設定変更の処理が開始されると、警告設定画面73cに表示が変更される。ここで、図17は、警告設定画面73cを示す図である。ここの下部にプルダウンメニューとして構成されるグループメニュー95が表示され、監視者は表示された複数のグループ(ここでは4つのグループ)からマウスで警告設定変更の対照となる任意のグループを選択する。
【0087】
ここで、本実施形態でグループと呼んでいるのは、センサ(検出場所)及び時間帯の組合せであり、比較のステップ(図8:S26)においてそれぞれのグループの組合せ毎に、選択されたセンサ及び時間帯の監視データが比較データとそれぞれ比較される。また、異常判定のステップ(図9:S27)において異常と判定する場合も、さらに警告のステップ(図9:S29)においておこなう警告も、このグループ単位で行っている。
【0088】
図11において、グループ選択(S601)が完了すると、このグループについて、警告設定変更が行われる。この説明では、「起床」と名称が登録されたグループ01について選択されたものとして説明する。このグループは、被監視者が予定通り起床したか否かを判断して被監視者の異常を検出することを目的としている。
【0089】
まず、監視すべきセンサ30(図2参照)を変更する場合は(S602:YES)、寝室86a、リビング86b、和室86c、キッチン86dをマウス操作して任意のセンサ30を選択するセンサ変更の処理を実行する(S603)。ここでは、その目的から寝室86aを選択し、他のセンサは解除している。
【0090】
続いて、時間帯を変更する場合は(S604:YES)、時間帯毎に鍵盤状に並んだエリア80から、任意の時間帯、ここでは「6,7,8」と表示されたエリア、すなわち、6時台(午前6時〜7時(7時ちょうどは含まない。以下も同様。))、7時台、8時台の時間帯をマウスでクリックする時間帯変更の処理を実行する(S605)。そうすると、例えば、エリアの色彩が白色から黒色などに変化して、このグループで監視する時間として選択した時間帯が一見して把握できる。監視を解除するには、再度マウスクリックすれば、色彩が黒色から白色に戻り、監視が解除されたことが明確に把握できる。
【0091】
続いて、設定較差を変更した場合は(S606:YES)、警告設定画面73cの下部に「平均との差」との表示と、ここに隣接したテキストボックス97が表示される。このテキストボックス97をクリックして数字を入力する設定較差変更の処理を行う(S607)。これは、監視データと比較データとの差がどれだけあった場合に警告をするかを判定する閾値となる。
【0092】
比較データを変更したい場合は(S608:YES)、比較データ変更の処理(S609)を実行する。ここで、図13は比較データ変更の処理(S609)を詳細に説明したフローチャートである。比較データ変更の処理(S609)は、図15に示すメイン画面73aの下部に表示された「1ヶ月平均」ボタン87a、「6ヶ月平均」ボタン87b、「ユーザー設定」ボタン87cの内、いずれかのボタンが操作されることにより開始され、まず、操作されたボタンによりユーザ設定か否かが判断される(S901)。ここで、「ユーザ設定」ボタン87cが操作された場合には(S901:YES)、ユーザによるマニュアル設定の処理に移行する。マニュアル設定に移行すると、図18に示す比較データ変更画面73eに示すように、比較データ入力ボックス100が、時間帯毎に表示され、それぞれのボックスは現在設定されている比較データの値が表示されている。この比較データ入力ボックス100は、マウス75で選択して数字を直接入力できるようになっている。
【0093】
ここで、比較データを設定するのに、過去の検出履歴のデータを参照しないで(S902:NO)、直接比較データを時間帯毎に入力してもよいが(S908)、過去の検出履歴を参照したい場合がある(S902:YES)。この場合は、比較データ変更画面73eの上部に表示された「戻る」ボタン101を操作する。そうすると、図15に示すメイン画面73a戻るので、指定日85に参照する検出履歴を特定する日を入力する(S903)。そうすると、指定された日の検出履歴から監視データが生成されてグラフ表示される(S904)。この状態で、「ユーザー設定」ボタン87cを操作する。そうすると、図18の比較データ変更画面73eに移行するので、「数値」ボタン89を操作すれば、選択した検出履歴(監視データ)がエリア80に表示される。表示された監視データが比較データとしては大きく異なる場合はそのデータをコピーして使えないため(S905:NO)、直接比較データを時間帯毎に入力する(S908)。
【0094】
ここで、表示された検出履歴(監視データ)をそのまま比較データとして設定する場合は(S905:YES)、「コピー」ボタン102を操作することで比較データ入力ボックス100にデータが入力される(S906)。このまま、修正しないで比較データとして設定する場合は(S907:NO)、比較データ変更の処理を終了する(終了)。また、修正のため、数値入力する場合は(S907:YES)、比較データ入力ボックス100に比較データを時間帯毎に修正入力する(S908)。
【0095】
次に、ある程度過去の検出データが蓄積され、過去の検出履歴を比較データとして利用できる場合には、そのデータを用いる。ここで、既に設定により過去の平均を用いている場合は、過去の一定期間、例えば1ヶ月の平均値とすることができるが、一旦設定すると期間の経過により、実態の数値と乖離することが考えられる。そのため、監視データ更新をしたい場合(S909:YES)、図15に示す「更新」ボタン98により、サーバ4に必要な検出履歴を要求し、この直近の1ヶ月の検出履歴に基づいて比較データを更新する(S911)。この処理は、S23、S10〜13、S24、S31の処理と同様の処理である。
【0096】
一方、過去の検出履歴をそのまま利用したい場合は(S909:NO)、「1ヶ月平均」ボタン87aまたは「6ヶ月平均」ボタン87bを操作して期間を選択する(S910)。「1ヶ月平均」ボタン87aが操作されたのであれば(S912:YES)、比較データを、直近する過去1ヶ月の検出履歴をサーバ4から読み出して、そのデータに基づいて比較データを設定する(S913)。また、同様に「6ヶ月平均」ボタン87bが操作されたのであれば(S912:NO)、比較データを、直近する過去6ヶ月の検出履歴をサーバ4から読み出して、そのデータに基づいて比較データを設定する(S914)。以上で、比較データ変更の処理(S609)を終了する(終了)。
【0097】
警告設定画面73cにおいて、警告設定が終了し、実際に警告が出るか否かを確かめたい場合がある(S620:YES)。この場合、「チェック」ボタン99をクリックすると、もし警告がある場合は、警告一覧画面73dが表示され、警告のあるグループは一覧部分に色がつき、グラフが点滅する、警告チェックの処理(S621)が実行され、警告設定が適切であったか、若しくは現在の状況がどうかをチェックできる。
【0098】
グループ設定ではない場合、つまり共通設定の場合(S600:NO)は、メイン画面73aで設定を行う。
まず、時間帯の単位を60分と15分との間で変更したい場合は(S610:YES)、図15に示すメイン画面73aの上部に表示された「60分単位/15分単位」切替ボタン94をマウスクリックで切替えることにより時間帯変更の処理(S611)が実行される。
【0099】
また、グループ名やセンサ名については、その目的や監視場所が直感的に分かるように適当な名称を付けることが望まれる。たとえば、本実施形態のグループ01のように、被監視者の毎朝の起床を確認するのが目的であるので、グループ01には、「起床」という名称をつけ、被監視者が就寝する場所のセンサボタン86を「寝室」と名付けている。この名称を変更したい場合は(S612:YES)、メイン画面73a(図15参照)の上部に表示された「名称変更」ボタン93をマウスクリックすると、図示を省略するがグループ01〜04とセンサ01〜04の名称を変更するためのテキストボックスが表示されるため、ここに、名称を入力することで名称変更の処理(S613)が実行される。
【0100】
また、メイン画面73a、警告設定画面73cにおいて、グラフ表示された監視データグラフ81、比較データグラフ82をエリア80内に数値表示させたい場合(S614:YES)、「数値」ボタン89をクリックすることで表示される(S615)。
【0101】
また、メイン画面73a、警告設定画面73cにおいて、現在、各グループがどのような警告の設定になっているか確認するために警告設定一覧表示をしたい場合(S616:YES)、画面右下の「警告一覧」ボタン96をクリックすることで、図17に示すような警告一覧画面73dが表示される(S617)。
【0102】
警告一覧画面73dには、図14に示す内容と同様に、グループ01〜04として設定された警告設定の内容が表示される。ここには、各グループの名称、選択されたセンサ名、選択された時間帯、設定較差である警告差が、各グループ毎に一覧に表示される。このため、1つの警告グループについては、各種設定が一目で分かるとともに、他の警告グループとの比較対照も極めて簡単にできる。
【0103】
また、図15に示すメイン画面73aにおいて、スケール83の単位の数値表示を変更して、監視データグラフ81及び比較データグラフ82を見やすくしたい場合がある(S618:YES)。この場合、テキストボックス84に適当な数値を入力すれば、その数値に合わせ中間目盛りを含め、監視データグラフ81及び比較データグラフ82の表示のスケールが自動修正されるY軸単位変更の処理(S619)が実行される。
【0104】
以上で、グループ設定が終了する。
グループ設定のいずれかの処理が終了し、若しくは、共通設定のいずれかの処理が終了した場合、外にも警告設定変更の処理をしたい場合には(S622:NO)、また、S601〜S610の処理を繰返し、処理がなければ終了する(S622:YES、終了)。
【0105】
以上で、図10に示す警告設定変更の処理(S316)が終了する。ここで、監視日指定変更(S311)、センサ指定変更(S313)、警告設定変更(S315)の処理がなければ(S317:YES)、図9に示す設定変更の処理(S31)を終了する。
【0106】
本実施形態は、上述のようなシステム構成において上述のような手順を実行するため、以下のような効果がある。
(1)本実施形態では、センサ30による検出信号に基づいて監視するため、映像を中継することもなく被監視者のプライバシーを尊重しつつ常時異常を監視することができるという効果がある。
【0107】
(2)また、予め被監視者の検出履歴から作成された時間帯毎に設定された比較データを基準として被監視者の監視データを判断するため、被監視者の行動パターンに応じた判断をすることができ、その結果、漏れ及びノイズのない警告を行うことができるという効果がある。
【0108】
(3)また、監視コンピュータをクライアントサーバシステムにより構築し、機能を分担したため、サーバ4により多数の監視者端末6をインターネット5上で管理することができる。特に、本システム1の警告を管理するソフトウエアは、監視者端末6のウエブブラウザ(例えばInternet Explorer)上で実行されるプログラム(例えばFLASH)であり、監視者端末6のエージェント的な働きをする。このプログラムは、監視者端末6からサーバ4へアクセスしたときにダウンロードされる。そのため、このプログラムは常に最新のものとすることができるとともに、監視者端末が増加してもサーバ4には警告の管理の負荷が殆どかからない。そのため、サーバ4は広域で且つ多数の被監視者の遠隔監視が容易にできるという効果がある。
【0109】
(4)監視者端末6のディスプレイ73の画面には、被監視者の実態である監視データグラフ81を異常判定の基準となる比較データグラフ82と比較可能に表示することで、被監視者の行動パターンを分析しやすくするとともに、比較データを修正することで異常の予測の精度を高めることができるという効果がある。
【0110】
(5)また、被監視者の「起床」に着目して監視・警告したい場合は、被監視者が起床する時間と場所を特定し、その組合せをグループとして「起床」という名称を付けることで、どのような内容の警告かが直観的に分かる。そして、被監視者の行動パターンに合わせて複数(ここでは4つ)のグループを作って監視するため、被監視者を多面的にきめ細かい監視をすることができるという効果がある。
【0111】
(6)また、異常判定の判定基準となる設定較差を、被監視者の行動パターンに合わせて設定できるため(図11、S607)、より被監視者の行動パターンに応じた重要度、必要性に対応した異常判定をすることができるという効果がある。
【0112】
(7)比較データの修正は、任意の検出履歴(監視データ)を参照しながら修正できるため、比較データをより被監視者の行動パターンにあったものとでき、被監視者の実態にあった異常判定をすることができるという効果がある。
【0113】
(8)なお、過去の検出履歴が蓄積されれば、その平均から比較データを自動生成できる。そうすれば、簡単な手順でありながら比較データを過去の実績に基づいたものとでき、被監視者の行動パターンにあったものとすることができる。
【0114】
(9)本実施形態の警告は、監視者端末6の画面に警告画面73bを表示するほか、監視者の携帯電話に電子メールで連絡することもでき、異常が発生した場合には確実に監視者に報知することができる。なお、警告手段としては、携帯端末の表示画面や着信音等を利用したものでもよい。
【0115】
(10)警告手段が携帯電話の表示画面若しくは音声発生装置により監視者に警告をおこなうため、監視者は携帯電話さえ携帯していれば、被監視者の監視をすることができるという効果がある。
【0116】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・本実施形態では、ブロック図、フローチャート等を用いて構成、手順の一例を説明しているが、本発明はこのブロック図、フローチャート等に限定されるものではなく、構成・手順の順序、付加、削除、置換は当業者により適宜なされることは言うまでもない。
【0117】
・例えば、本実施形態では、監視者端末6において、比較(S26)・異常判定(S27)・警告(S29)のステップを実行しているが、サーバ4においてこのような処理を行ってもよい。例えば、多忙なユーザに代わり、サーバ4で、監視者端末6と同等の機能を備え、警告があった場合に監視者の監視者端末6に警告を行い、携帯電話8に電子メールで警告をする。もちろん、省略できる構成は省略して構成できることはもちろんである。
【0118】
・監視者端末6は、図1ではデスクトップタイプのPCとして表現されているが、監視者端末6自体が携帯電話により構成されていてもよい。そうすることで、警告の受信のみならず、各種の設定も携帯電話から場所を選ばず行うことができる。
【0119】
・本変更例の携帯電話8は、図1に示すのと同じように、周知のセルラー方式の移動体通信機で、携帯電話網7を介してインターネット5に接続され、インターネットWWWブラウザを備えたクライアントコンピュータの機能を併せ持つ。また、メールサーバの機能を備えた安否遠隔監視サーバ4から発信された電子メールの受信が可能に構成されている。特に、本実施形態では、携帯電話に合わせた所定形式のHTML、JAVA(登録商標)、FLASH等で記述された高精細の動画を含む表示画面を表示することができ、監視者端末6の表示装置と同等の表示能力があるものを例に説明する。そして、所定のURLにアクセスして、目的のWWWサーバから目的のテキスト、静止画、動画、音声などをハイパーテキストとして得ることができる。本変更例では、具体的には、サーバ4から、所定の画面(例えば、図15〜18、若しくはこれを簡略化した図)を携帯電話8の画面に表示する。
【0120】
・なお、本実施形態では代表的な端末として監視者端末6や携帯電話8を例に説明するが、マイクロセルラー方式の携帯端末(例えば、WWWブラウザを備えたPHS(パーソナルハンディーホン・登録商標))等なども使用できる。また、端末としては電子メールの受信とインターネット5のウエブページを閲覧できるブラウザを備えたものであれば、PDA(Personal Digital Assistant)などでもよい。さらに、カーナビゲーションシステム、一般回線における家庭用有線電話機、STB(Set Top Box )、家庭用ゲーム機等その種類は問わないものである。さらに、報知を電子メールで行わず、ポケットベル(登録商標)のようなページャーにより、音声や文字で異常を報知するためには使用することができる。あるいは、報知だけなら合成音声や録音された音声による電話・ファクシミリを自動的に架電してもよい。
【0121】
・警告の設定は、本実施形態では1時間単位で設定しているが、これを例えば15分単位で管理してもよい。また、曜日毎に設定するようにしてもよい。この場合、例えば、月曜日〜金曜日と土曜・日曜に分けて、警告設定することで、さらに被監視者の行動パターンにあった警告設定を行うことができる。
【0122】
・また、本実施形態では、監視者端末6がサーバ4にアクセスしたときは、デフォルト値で、一日前の検出履歴が抽出され判定・警告されるが、例えば、各時間帯が終了した段階で、サーバ4から検出履歴の自動更新を行うような構成としてもよい。また、比較データの更新も監視者の操作により行うが、これも自動更新としてもよい。
【0123】
・本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者により改良され変更されて実施されることはいうまでもない。
なお、本願に開示された技術的思想を以下に付記する。
【0124】
(付記1)前記クライアントコンピュータは、前記監視データを当該クライアントコンピュータの表示画面に時間帯毎の棒グラフとして表示させ、当該棒グラフにおいて、監視データの数値を表す軸の目盛りが変更された場合に、その変更された数値に基づいて当該グラフを表示するグラフスケール変更のステップを実行することを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、検出回数の多寡により最も見やすいグラフとすることができる。
【0125】
(付記2)前記比較設定のステップにおいて設定されたデータを前記クライアントコンピュータの記憶手段に記憶する比較設定保存のステップを備えたことを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、比較設定のステップで設定されたデータを容易に再利用することができるとともに、サーバコンピュータには、クライアントコンピュータが増加しても管理する負荷が増加しないという効果がある。
【0126】
(付記3)前記検出信号入力のステップ及び前記比較のステップは、随時更新されて実行されることを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、常に新しい情報により監視できる。
【0127】
(付記4)前記比較のステップにおいて、指定された日の、所定の時間帯が経過するたびにその時間帯の比較を実行することを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、常に新しい情報により監視できる。
【0128】
(付記5)前記比較のステップにおいて、比較が前記検出場所毎に比較されることを特徴とする安否遠隔監視方法。検出手段にはそれぞれ識別するためのIDが付され、区別して検出信号が入力されるため、検出場所毎に集計することで、被監視者の行動を正確に把握できる。
【0129】
(付記6)前記警告グループ生成のステップにおいて生成された警告グループに名称を付与させる警告グループ名称設定のステップをさらに備えたことを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、検出場所及び時間帯毎に警告グループとして名称を付けることで、警告の目的や内容が直観的に理解することができる。
【0130】
(付記7)前記警告グループを一覧表示する設定一覧表示のステップをさらに備えたことを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、警告グループを一覧表示することで、複雑な設定でも一覧で理解できる。
【0131】
(付記8)前記比較データ設定のステップにおける設定の結果が、前記クライアントコンピュータの記憶手段に記憶する比較データ設定保存のステップを備えたことを特徴とする安否遠隔監視方法。この安否遠隔監視方法では、一旦設定した設定を再度利用することができる。
【0132】
(付記9)前記警告のステップにおいて、前記異常と判定された時間帯を他の時間帯と異なる態様で画面表示することを特徴とする安否遠隔監視方法。たとえば、図16に示すエリア80が警告を設定した時間のみ色彩が変更されて一覧で警告された時間帯が理解できる。また、点滅させればさらによい。この安否遠隔監視方法では、どの時間帯に問題があったか直観的に理解できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】インターネット安否遠隔監視システム1の構成を示す概略図。
【図2】本システム1の管理区域である被監視者の自宅を示す平面図。
【図3】監視者端末6の構成を示すブロック図。
【図4】検出履歴マスタファイル46に記憶格納された検出履歴データの一例を概念的に示す図。
【図5】比較データファイル69に記憶された比較データを概念的に示す図。
【図6】監視データファイル70に記憶された監視データを概念的に示す図。
【図7】図8、図9とともに、本システム1の主な処理を示すフローチャートであり、それぞれの間のデータの受け渡しを示すシーケンスチャート。
【図8】図7、図9とともに、本システム1の主な処理を示すフローチャートであり、それぞれの間のデータの受け渡しを示すシーケンスチャート。
【図9】図7、図8とともに、本システム1の主な処理を示すフローチャートであり、それぞれの間のデータの受け渡しを示すシーケンスチャート。
【図10】図9の設定変更のステップ(S31)の詳細を示すフローチャート。
【図11】図12とともに警告設定変更の処理(S316)を詳細に示すフローチャート。
【図12】図11とともに警告設定変更の処理(S316)を詳細に示すフローチャート。
【図13】比較データ変更の処理(S609)を詳細に説明したフローチャート。
【図14】警告設定ファイル71の記憶内容を概念的に示した図。
【図15】監視者端末6のディスプレイ73の画面表示のメイン画面73aを示す図。
【図16】監視者端末6のディスプレイ73の画面表示の警告画面73bを示す図。
【図17】監視者端末6のディスプレイ73の画面表示の警告設定画面73cを示す図。
【図18】監視者端末6のディスプレイ73の画面表示の比較データ変更画面73eを示す図。
【符号の説明】
【0134】
1…インターネット安否遠隔監視システム、2…監視端末、21…コンピュータ、22…CPU、23…RAM、24…ROM、25・26…インタフェース、27…モデム、28…ルータ、29…HDD、30a〜30e…通過センサ、4…安否遠隔監視サーバ、41…コンピュータ、42…CPU、43…RAM、44…ROM、45…インタフェース、46…検出履歴マスタファイル、47…安否遠隔監視プログラムファイル、5…インターネット、6…監視者端末、61…コンピュータ、62…CPU、63…RAM、64…ROM、65,72…インタフェース、68…監視プログラムファイル、69…比較データファイル、70…監視データファイル、71…警告設定ファイル、73…ディスプレイ、74…キーボード、75…マウス、76…プリンタ、7…携帯電話網、8…携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視用コンピュータと、
所定の管理区域内の複数の検出場所に設けられ被監視者を検出する検出手段を有し、前記監視用コンピュータに検出信号のデータを送信する監視端末と
により実行される安否遠隔監視方法であって、
前記監視用コンピュータが、
前記監視端末により送信された検出信号のデータを入力する検出信号データ入力のステップと、
前記検出信号のデータを、検出場所毎に時刻情報とともに検出履歴として検出履歴記憶手段に記憶する検出履歴記憶のステップと、
指定に基づいて前記検出履歴記憶手段に記憶された所定の時間帯の検出履歴を読み出すとともに、当該検出履歴に基づいた所定の時間帯毎の数値からなる監視データと、予め作成された時間帯毎に設定された数値からなる比較データとを比較して較差を求める比較のステップと、
前記比較のステップにおいて求められた較差を、予め設定された設定較差に基づいて異常であるか否かを判定する異常判定のステップと、
前記異常判定のステップにより異常と判定された場合に監視者に所定の警告手段で警告する警告のステップと
を実行することを特徴とする安否遠隔監視方法。
【請求項2】
前記監視端末は、インターネットを介して検出信号のデータを送信し、
前記監視用コンピュータは、
前記監視端末から検出信号のデータをインターネットを介して受信するサーバコンピュータと、
当該サーバコンピュータとインターネットを介して接続されたクライアントコンピュータとを備え、
前記サーバコンピュータが、
前記監視端末により送信された検出信号のデータをインターネットを介して入力する手順を含む前記検出信号データ入力のステップと、
前記検出履歴記憶のステップとを実行し、
前記クライアントコンピュータが、
前記検出履歴記憶手段に記憶された任意の時間帯の検出履歴を、前記サーバコンピュータから読み出す手順を含む前記比較のステップと、
前記異常判定のステップと、
前記警告のステップとを実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項3】
前記監視用コンピュータは、表示手段を備え、
前記監視データと前記比較データとを、前記表示手段に時間帯毎に対照可能にグラフ表示するグラフ表示のステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項4】
前記監視用コンピュータが、前記比較のステップに先立ち、前記比較のステップで比較する検出場所及び時間帯を設定させる比較設定のステップをさらに備え、
前記比較のステップにおいて、当該比較設定のステップで設定された検出場所及び時間帯において比較することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項5】
前記比較設定のステップにおいて検出場所及び時間帯の組合せである警告グループを複数生成させることが可能な警告グループ生成のステップをさらに備え、前記比較のステップにおいてそれぞれの警告グループの組合せ毎に、監視データが比較データとそれぞれ比較されるとともに、前記異常判定のステップにおいて異常と判定された場合には、前記警告のステップにおいて前記警告グループの単位で警告を行うことを特徴とする請求項4に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項6】
前記異常判定のステップにおいて、前記異常判定のステップにおいて判定基準の閾値となる設定較差を設定させる較差設定のステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項7】
前記較差設定のステップにおいて、指定された任意の検出履歴を読み出す手順と、当該読み出された検出履歴を現在の比較データと比較可能に画面上に表示させる手順と、当該表示された画面に表示において前記設定較差を修正入力させる設定較差修正の手順とをさらに実行することを特徴とする請求項6に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項8】
任意の条件で選択された過去の検出履歴を表示する検出履歴表示のステップとともに、
当該表示された検出履歴に基づいて前記比較データを修正して設定させる比較データ設定のステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項9】
前記比較データ設定のステップは、指定された期間についての過去の検出履歴から、その平均を比較データとして自動的に生成することを特徴とする請求項8に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項10】
前記警告のステップにおいて、前記監視用コンピュータは、携帯端末に電子メール若しくはデータを送信し、前記警告手段は、当該携帯端末の表示画面若しくは音声発生装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項11】
前記監視用コンピュータにおける前記比較のステップ、異常判定のステップ、警告のステップは、前記クライアントコンピュータに記憶されたプログラムにより実行されることを特徴とする請求項2に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項12】
前記クライアントコンピュータはウエブブラウザを備え、前記プログラムは、クライアントコンピュータから当該ウエブブラウザからサーバコンピュータにアクセスしたときにインターネットを介して前記ウエブブラウザに関連づけられてダウンロードされることを特徴とする請求項11に記載の安否遠隔監視方法。
【請求項13】
前記クライアントコンピュータが携帯電話により構成されたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の安否遠隔監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−202123(P2006−202123A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14360(P2005−14360)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(500536951)ナビ・コミュニティ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】