説明

実空間コンテンツ利用システム、コンテンツサーバ装置、コンテンツ提供方法及びそのコンテンツ提供方法を実装したプログラム

【課題】複数端末間における信号の干渉を回避し、端末の存在する空間によってアクセスが制御されたインタラクティブコンテンツを提供する。
【解決手段】コンテンツサーバ装置3が、非規則的な周期タイミングで発信された端末1を識別する端末ID及びセンサ手段21から送信された第1センサIDを受信した後に第1確認IDを生成し、前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶し、前記端末IDで特定される端末1に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信する。コンテンツサーバ装置3が、前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段21から端末から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信し、前記第1センサIDが第2センサIDと等しい、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しいか否かを確認して端末認証を行い、その認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実空間の対象に関連付けられたネットワークコンテンツへのアクセスを制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体通信環境(モバイル環境とも言う)に置かれたユーザが携帯端末のデータ通信機能を介して、各種コンテンツへアクセスすることが可能となってきている。一方、移動体通信環境に置かれたユーザに対して、周囲の情報を提供するコンテクストアウェアなサービスも普及しつつある。これらのシステムを組み合わせれば、実世界の対象にコンテンツを連携させた実空間コンテンツを実現できると言われている。
【0003】
実空間コンテンツは、コンテクストアウェア型情報提供システムを利用して実現できる(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。コンテクストアウェア情報提供システムの構成は、大別すると、空間や物体が携帯端末に直接情報を発信するタイプ1と、携帯端末自体が空間(もしくは場所)や物体のID(Identifier)を識別し、関連情報を検索するタイプ2と、携帯端末が周囲に端末IDを発信し、端末IDを認識した周囲のシステムが端末IDで特定される携帯端末に情報を送信するタイプ3とが知られている。
【0004】
タイプ1には、AM(Amplitude Modulation)微弱電波ラジオ,赤外線もしくは可視光通信を用いて特定空間内に情報を提供するシステムなどが知られている。
【0005】
タイプ2には、GPS(Global Position(Positioning) System)によって取得される端末位置情報をIDとして用いるシステムや、RFID(Radio Frequency Identification)、カメラを用いて読み取り可能なビジュアルコード(例えば、QR(Quick Response)コードなど)をIDに用いるシステムなどが知られている。また、前述のAM微弱電波ラジオ,赤外線,可視光通信によってIDを配信し、受信されたIDによって関連情報にアクセスする構成も知られている。
【0006】
タイプ3には、携帯端末が赤外線,アクティブRFID,その他の無線通信によって端末IDを周囲に発信するシステムが知られている。
【0007】
なお、上述の赤外線もしくは可視光通信に用いられる信号技術としては、赤外線信号技術,可視光LED(Light−Emitting Diode)による可視光信号技術,色相差光信号技術(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
【特許文献1】特開平9−153054号公報(段落[0018]〜[0030]等)。
【特許文献2】特許第3558104号公報(段落[0012]〜[0020]等)。
【特許文献3】特開2005−136665号公報(段落[0027]〜[0055]等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のタイプ1のシステムは、いわゆるローカル放送システムであって、限られた範囲に存在するユーザのみが視聴できる性質(即ち、空間限定性)を有する。例えば、赤外線や可視光通信を用いるシステムでは、空間に対する指向性を有し、端末を光源の方向に向けることによってコンテンツにアクセスできる。しかし、タイプ1のシステムでは、基本的に非インタラクティブな放送型コンテンツしか提供できない。
【0009】
上述のタイプ2やタイプ3のシステムでは、携帯端末の通信回線を用いてコンテンツにアクセスするため、インタラクティブなコンテンツを提供できる。しかし、通信回線で提供されるコンテンツは、一旦、ネットワーク上のアドレス(例えば、URL(Uniform Resource Locator)など)を知られれば、どこからでもアクセスされるため、空間限定性を有さない。
【0010】
また、タイプ2のシステムは、端末がコンテンツ検索キーとして使用するIDを取得するため、該IDを記憶しておけば、どこからでもコンテンツにアクセスできる。
【0011】
タイプ3のシステムに基づいて空間限定性を実現するためには、以下の課題を解決する必要がある。
【0012】
第1の課題は、タイプ3のシステムには、端末側が端末IDを発信するため、悪意を持ったユーザが自身の端末を用いて、他者の端末IDを任意の対象に送信するといった可能性を有する、ということである。即ち、この第1の課題を回避し、個々の端末が所定の空間に実際に存在することを確実に把握できることが必要である。
【0013】
第2の課題は、端末からのID送信について光信号(例えば、赤外線など)を用いる場合に、複数端末間における信号の干渉に起因する問題を回避する、ことである。複数の端末が、同時に、センサに向けて光ID信号を発信すると、その光ID信号どうしの干渉によってIDが検出できなくなる現象が知られている。即ち、多人数同時利用を可能とするために、この第2の問題を改善する必要がある。
【0014】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであり、個々の端末が所定の空間に実際に存在することを確実に把握し、複数端末間における信号の干渉を回避し、端末の存在する空間によってアクセスが制御されたインタラクティブコンテンツを提供する実空間コンテンツ利用システム、端末の存在する空間によってアクセスが制御されたインタラクティブコンテンツを提供するコンテンツサーバ装置、コンテンツ提供方法及びそのコンテンツ提供方法を実装したプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、複数のセンサ手段を接続したコンテンツサーバ装置がコンテンツを保持し、複数の端末からの該コンテンツに対するアクセスを制御する実空間コンテンツ利用システムであって、前記端末が、それらの端末ごとに固有となる乱数列に基づき、非規則的な周期を生成する信号発信周期制御手段と、前記信号発信周期制御手段によって決定される非規則的な周期タイミングで端末IDを含む端末ID信号を、ID信号発信手段を使って連続して発信し、一意な値である第1確認IDを前記コンテンツサーバ装置から受信した後、該第1確認IDを含む確認ID信号を、信号発信周期制御手段によって決定される非規則的な周期タイミングで、前記ID信号発信手段を使って一定期間連続して発信する制御手段と、を有し、前記センサ手段が、前記発信された端末ID信号を受信すると、該センサ手段を識別する第1センサID及び前記受信された端末IDをコンテンツサーバ装置に対して送信する手段、を有し、前記コンテンツサーバ装置が、端末ID及び第1センサIDを受信した後、前記第1確認IDを生成し、前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶し、前記端末IDで特定される端末に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信し、前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信し、前記記憶部に記憶された第1センサIDが受信した第2センサIDと等しく、かつ、前記記憶部に記憶された第1確認IDが受信した第2確認IDと等しいか否かを確認し、該第1センサIDが第2センサIDと等しく、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しい場合に、端末IDに対応する端末に対する認証の結果を成功と見做す端末認証手段と、前記認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御するアクセス制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、複数のセンサ手段を接続し、コンテンツを保持し、複数の端末からの該コンテンツに対するアクセスを制御するコンテンツサーバ装置であって、前記端末を識別する端末ID及びセンサ手段を識別する第1センサIDを受信した後、一意な値である第1確認IDを生成し、前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶しておき、前記端末IDで特定される端末に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信し、前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信し、前記記憶部に記憶された第1センサIDが受信した第2センサIDと等しく、かつ、前記記憶部に記憶された第1確認IDが受信した第2確認IDと等しいか否かを確認し、該第1センサIDが第2センサIDと等しく、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しい場合に、端末IDに対応する端末に対する認証の結果を成功と見做す端末認証手段と、前記認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御するアクセス制御手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記アクセス制御手段が、前記認証された端末へのみ、前記端末IDと同時に受信された第2センサIDに対応するコンテンツの参照と編集を許可する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記アクセス制御手段が、前記端末認証手段に認証されてない端末へ、コンテンツサーバ装置が保持するコンテンツの参照のみを許可し、編集を禁止する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明において、前記端末認証手段における処理を繰り返す、ことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、コンテンツサーバ装置は複数の端末と通信回線で接続され、該コンテンツサーバ装置は複数のセンサ手段を接続され、該コンテンツサーバ装置は前記端末を認証する端末認証手段と該コンテンツサーバ装置に保持されたコンテンツへのアクセスを制御するアクセス制御手段を備え、該コンテンツサーバ装置が前記複数の端末からの該コンテンツに対するアクセスを制御するコンテンツ提供方法であって、前記端末認証手段が、前記端末を識別する端末ID及びセンサ手段を識別する第1センサIDを受信した後、一意な値である第1確認IDを生成するステップ1と、前記端末認証手段が、前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶しておくステップ2と、前記端末認証手段が、前記端末IDで特定される端末に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信するステップ3と、前記端末認証手段が、前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信するステップ4と、前記端末認証手段が、前記記憶部に記憶された第1センサIDが受信した第2センサIDと等しく、かつ、前記記憶部に記憶された第1確認IDが受信した第2確認IDと等しいか否かを確認し、該第1センサIDが第2センサIDと等しく、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しい場合に、端末IDに対応する端末に対する認証の結果を成功と見做すステップ5と、前記アクセス制御手段が、前記認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御するステップ6と、を有することを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記アクセス制御手段が、前記認証された端末へのみ、前記端末IDと同時に受信された第2センサIDに対応するコンテンツの参照と編集を許可するステップ、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記アクセス制御手段が、前記端末認証手段に認証されてない端末へ、コンテンツサーバ装置が保持するコンテンツの参照のみを許可し、編集を禁止するステップ、を有することを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項6乃至8記載の発明において、前記ステップ1乃至ステップ5を繰り返すステップ、を有することを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、コンテンツ提供プログラムであって、請求項6乃至9のいずれかに記載のコンテンツ提供方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とする。
【0025】
前記の請求項1の発明によれば、端末の存在する空間が確実に特定され、端末の状態に基づいたコンテンツアクセス制御を実行できる。
【0026】
前記の請求項2,6の発明によれば、端末の存在する空間が確実に特定され、端末の状態に基づいたコンテンツアクセス制御を実行できる。
【0027】
前記の請求項3,7の発明によれば、認証された端末に対し、コンテンツの参照と編集を許可できる。
【0028】
前記の請求項4,8の発明によれば、認証された端末に対し、コンテンツの参照のみを許可でき、編集を禁止できる。
【0029】
前記の請求項5,9の発明によれば、端末の認証状態を逐次に取得できる。
【0030】
前記の請求項10の発明によれば、請求項6乃至9のいずれかに記載のコンテンツ提供方法をコンピュータプログラムとして取得できる。
【発明の効果】
【0031】
以上示したように、請求項1の発明によれば、特定の状態にある端末のみがアクセスできるインタラクティブコンテンツを実現できる。また、同一空間に複数の端末が存在する場合にも対応できる。
【0032】
請求項2,6の発明によれば、特定の状態にある端末のみがアクセスできるインタラクティブコンテンツを実現できる。
【0033】
請求項3,7の発明によれば、認証された端末が、コンテンツの参照と編集を行うことができる。
【0034】
請求項4,8の発明によれば、認証された端末が、コンテンツの参照のみを許可し、編集を禁止できる。
【0035】
請求項5,9の発明によれば、端末の認証状態を逐次に更新できる。
【0036】
請求項10の発明によれば、請求項6乃至9のいずれかに記載のコンテンツ提供方法を実装したコンピュータプログラムを提供もしくは実行できる。
【0037】
これらを以ってコンテンツサービス技術分野に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面等に基づいて詳細に説明する。
【0039】
本実施形態における実空間コンテンツ利用システムの構成を図1に基づいて説明する。
【0040】
実空間コンテンツ利用システムは、光信号を発信できる携帯端末1と、複数の光信号を受信するセンサ手段21〜24に接続され、端末認証手段3aとアクセス制御手段3bを具備するコンテンツサーバ装置3から構成される。なお、光信号は、上述の信号技術(例えば、赤外線信号,可視光LEDによる可視光信号,色相差光信号(特許文献3参照))などを用いることとする。
【0041】
コンテンツサーバ装置3は、複数のコンテンツ5、コンテンツ管理テーブル4を保持する。さらに、コンテンツサーバ装置3は、一般的なWebサーバ機能に基づいて構成される。
【0042】
携帯端末1の構成を図2に基づいて説明する。携帯端末1は、通信手段1a,CPU(Central Processing Unit)やOS(Operating System)に相当する制御手段1b,ボタンなどの入出力手段1c,光信号により端末IDなどを発信するID信号発信手段1d,信号発信タイミングを制御する信号発信周期制御手段1e,その他の基本的な手段(図示省略)を備える。
【0043】
なお、多くの携帯端末が既に備えているデータ通信用の赤外線リモコンインタフェースがID信号発信手段1dとして利用できるものとする。上述の色相差光信号は、端末のカラーディスプレイを発信源として利用できる。また、信号発信周期制御手段1eは、OS上で動作するソフトウェアとして実装できる。
【0044】
例えば、可搬性を有するアプリケーションソフトウェア(例えば、Java(登録商標)アプリケーションソフトウェア)をネットワーク経由でダウンロードし実行できる携帯電話では、該アプリケーションを用いて、ID信号発信手段1d及び信号発信周期制御手段1eを構成できる。したがって、既存の携帯電話などの携帯端末によって、実空間コンテンツ利用システムを構成できる。
【0045】
センサ手段21〜24は、用いられる光信号に応じたセンサ(例えば、赤外線受光センサ,可視光受光センサ,カラーイメージセンサ)を備える。なお、センサ手段21〜24は、天井,壁面,掲示板,パブリックディスプレイ,看板などに設置されるものとする。センサ手段21〜24は、コンテンツサーバ装置3に上述の端末IDなどの情報を送る無線通信手段(例えば、短距離無線通信)を利用できるものとする。なお、前記無線通信手段は、有線通信手段でも代替できる。即ち、センサ手段21〜24は、コンテンツサーバ装置3に論理的(ソフトウェア的)に接続されるものである。
【0046】
センサ手段21〜24を図3に基づいて説明する。なお、図3中のセンサ手段2は、図1中のセンサ手段21〜24と同一の構成であって、小型化及び低コスト化されたセンサ手段の構成例を示すものである。
【0047】
図3に示すセンサ手段2は、家電向けの短距離無線通信規格(例えば、Zigbeeなど)に対応した低消費電力無線通信手段(省電力無線通信デバイス)2aに光信号センサ手段(例えば、赤外線センサ)2bを一体化したものをセンサ手段2に備えることができる。この一体化構成では、電池による長時間駆動を可能とするため、センサ手段2を屋内に多数分散配置するコストを低減できる。なお、センサ手段2は、受信した信号を処理する制御手段2cも備えるものとする。
【0048】
また、送信情報の一部を動的に変更できるアクティブRFIDを低消費電力無線通信手段2aに採用し、赤外線センサを光信号センサ手段2bに採用して、一体化した小型デバイスをセンサ手段2として利用しても良い。
【0049】
例えば、前記小型デバイスは、端末IDを光信号(例えば、赤外線信号)によって受信した時点で、センサIDと、受信された端末IDと、端末ID受信時の受信信号強度と、をRF信号として発信する。そして、近隣に設置されるRFID信号リーダが、RF信号により前述の情報をコンテンツサーバ装置3に送信する。
【0050】
前記小型デバイスをセンサ手段2として用いても、デバイスの小型電池駆動,小型化,低コスト化が可能になるため、センサ手段2の配置を容易にできる。さらに、低消費電力無線通信手段2aと光信号センサ手段2bの組み合わせによるセンサ手段2に、太陽電池(即ち、太陽光発電モジュール)2dを具備できる。
【0051】
本実施形態における実空間コンテンツ利用システムの動作を以下に説明する。なお、以下の説明で、図1乃至図3中の符号と同じものの説明は省略する。
【0052】
実空間コンテンツ利用システムを利用するユーザは、携帯端末1から発信される光信号によって近隣のセンサ手段21〜24のいずれかが配置されたエリアを指示することで、実空間に関連付けられたコンテンツへアクセスするものである。なお、以下の説明では、携帯端末1から発信される光信号の方式に、携帯電話の赤外線信号方式を用いるものとして説明する。
【0053】
実空間コンテンツ利用システムの基本動作は次の通りである。
【0054】
まず、ユーザは携帯端末1の光信号発信方向によりセンサ手段21〜24のいずれかを指示し、所定のボタンを押してコンテンツアクセスを開始する。この時点で、制御手段1bは、ID信号発信手段1dを使って、携帯端末1を特定するための端末IDの発信を開始する。
【0055】
次に、信号発信周期制御手段1eは、携帯端末1ごとに固有となる乱数列に基づき、非規則的な周期を生成する。
【0056】
次に、ID信号発信手段1dは、信号発信周期制御手段1eによって決定される非規則的な周期タイミングで端末IDその他の信号を連続して発信する。
【0057】
ここで、送信される端末IDの信号フレーム(端末ID信号フレーム)F1のデータ構成例を図4に基づいて説明する。
【0058】
信号フレームF1は、端末IDデータ部Fb,チェックサムFdを有する。例えば、図4中では、信号フレームF1の長さを128bit長とし、2bit長のフラグFa、32bit長の端末IDデータFb、62bit長の予備領域Fc、32bit長のチェックサムFdから構成されている。なお、フラグFaは、前記信号フレームF1が端末ID信号であることを示す”00”を含む。端末IDとしては、IP(Internet Protocol)アドレスや電子メールアドレスを用いることができる。
【0059】
例えば、携帯電話の赤外線信号方式(例えば、赤外線リモコンインタフェース)を利用する場合、ID信号発信手段1dが、この信号フレームF1をマンチェスター符号化によって符号化し、38KHzの点滅を用いて送信する。
【0060】
なお、信号フレームF1は、128bit長以上のデータから構成されても良い。また、符号化方式、点滅周波数に関しても、光を用いて信号を伝達可能な各種方式が利用できるものとする。
【0061】
また、端末IDにIPアドレスを用いない場合、前記コンテンツサーバ装置3は、端末IDと携帯端末1とIPアドレスの対応付けるテーブルを具備する。基本的に、端末IDは端末への通信アドレスを含むデータを用いる。例えば、IPアドレス、もしくは、IPアドレスとポート番号をセットにしたデータを用いる。
【0062】
次に、各センサ手段21〜24は、端末IDを受信すると、その信号フレームF1をチェックし、誤りがなければ、該センサ手段21〜24を識別するセンサIDと、受信された端末IDとをコンテンツサーバ装置3の端末認証手段3aに送信する。
【0063】
次に、端末認証手段3aは、センサ手段21〜24から端末ID及びセンサIDを受信すると、図5に示す認証手順によって前記端末IDで特定される携帯端末1の認証を行う。この手順は、光信号をセンサ手段21〜24経由のID受信をアップリンクに用い、所定の通信手段をダウンリンクに用いることによって、任意の携帯端末1が特定のセンサ手段21〜24に対してID信号を送信可能な状態にあることを確認するものである。
【0064】
前記認証手順を図5に基づいて説明する。なお、以下の説明で、図1乃至図3中の符号と同じものの説明は省略する。
【0065】
まず、端末認証手段3aは、端末ID:T1及びセンサID:S1(例えば、センサ手段21から発信された端末ID:T1及びセンサID:S1)を受信する(S101)と、所定の生成方法によって、一つのコンテンツサーバ装置内で一意な数(例えば、乱数,センサIDと端末IDに基づくハッシュ)を確認ID:C1として生成する(S102)。
【0066】
次に、所定のバッファ(即ち、コンテンツサーバ装置3に備えられた記憶部)に(確認ID:C1,端末ID:T1,センサID:S1)の組を記憶しておく(S103)。
【0067】
次に、端末ID:T1で特定される携帯端末1に、インターネットや携帯電話網などの所定の通信回線を介して、確認ID:C1を送信する(S104)。
【0068】
次に、携帯端末1の制御手段1bは、所定の通信回線を介して、確認ID:C1を受信すると、ID信号発信手段1dによって、即座に該確認ID:C1を光信号として一定期間連続して発信する。なお、この発信についても、ID信号発信手段1dは、信号発信周期制御手段1eによって決定される非規則的な周期タイミングで前記確認IDを発信する。
【0069】
次に、端末認証手段3aは、確認ID:C1を端末に送信した後、センサ手段のいずれか(例えば、センサ手段21)を経由して、確認ID:C2及びセンサID:S2を受信する(S105)。なお、一定期間を経過しても確認ID:C2が受信されない場合(S108)は、端末ID:T1の携帯端末の認証を失敗と見做す(S109)。
【0070】
そして、一定期間内に、確認ID:C2及びセンサID:S2を受信した場合(S105)、センサID:S1がセンサID:S2と等しい(S1=S2)かつ確認ID:C1が確認ID:C2と等しい(C1=C2)か否かを確認する(S106)。S1=S2かつC1=C2によって、端末ID:T1を受信したセンサ手段21によって確認ID:C1が受信されたものと見做すことができる。そして、S1=S2かつC1=C2が成立した場合、端末ID:T1の携帯端末の認証は成功と見做す(S107)。S1=S2かつC1=C2が成立しなかった場合、認証は失敗と見做す。
【0071】
なお、上述の確認IDの信号フレーム(確認ID信号フレーム)の構成例を図6に示す。図6中の信号フレームF2は、確認IDであることを示す値”01”が設定された2bit長のフラグFa,64bit長の確認IDデータFe、30bit長の予備領域Ff、32bit長のチェックサムFdから構成されている。
【0072】
また、携帯端末1は、ID信号発信手段1dによって、該確認ID:C1を一定期間発信した後、再び、該携帯端末1の端末IDを送信する。そして、端末認証手段3aは、一定の周期で、上述の手順によって、端末ID:T1の携帯端末1の認証処理を行う。
【0073】
コンテンツサーバ装置3が保持するコンテンツ管理テーブル4の構成例を図7に示す。コンテンツ管理テーブル4は、センサIDとコンテンツIDとの対応を管理する。例えば、アクセス制御手段3bは、端末ID:T1の携帯端末1が認証された場合、コンテンツ管理テーブル4を参照し、センサID:S1に対応するコンテンツID:F1のコンテンツを該端末1に提供する。
【0074】
アクセス制御手段3bの動作例1を図8に基づいて説明する。コンテンツサーバ装置3は、ネットワーク技術(例えば、IPネットワーク,HTTP(HyperText Transfer Protocol))を用いてWebコンテンツを提供できる。携帯端末1がコンテンツサーバ装置3に対するコンテンツアクセスは、図8に示す手順で行われる。携帯端末1は、センサ手段21〜24のいずれかの光信号手段2bを介して端末認証手段3aに信号を送り、IPネットワークを介してアクセス制御手段3bと通信する。
【0075】
なお、以下の説明で図1乃至図3中の符号と同じものの説明は省略する。図8は、携帯端末1を中心とし、右側に端末認証手段3aとの通信シーケンス、左側にアクセス制御手段3bとの通信シーケンスを記載している。
【0076】
まず、コンテンツアクセス開始時、携帯端末1は、光信号で端末IDを発信開始する(M101〜M103)と同時に、所定のコンテンツサーバ装置のURLアドレスにコンテンツアクセスを要求する(M201)。すなわち、携帯端末1のWebブラウザによってコンテンツサーバ装置3へアクセスする。
【0077】
端末認証手段3aは、端末IDを受信する(M101)と、認証処理(S201)を開始する。アクセス制御手段3bは、コンテンツアクセスを要求されると、携帯端末1にAck(Acknowledgement:アクセス受信確認)を返す(M202)。例えば、「認証中」というメッセージを提示するHTML(HyperText Markup Language)ファイルを返信する。携帯端末1が該HTMLファイルを受信すると、携帯端末1の画面には「認証中」と表示される。
【0078】
端末認証手段3aは、認証処理(S201)が完了すると、結果をアクセス制御手段3bに通知する(M104)。アクセス制御手段3bは、認証結果が成功であれば、前記端末IDと同時に受信されたセンサIDによりコンテンツを特定し、これを前記端末IDの携帯端末1へ配信する(M203)。
【0079】
以降、端末認証手段は、定期的に認証処理を繰り返す(例えば、メッセージM105〜M107の処理)。
【0080】
コンテンツを視聴するユーザは、随時、携帯端末1によってコンテンツ参照要求やコンテンツ編集要求を送信する(M204,M206)。なお、コンテンツ参照要求とは、例えば、HTMLコンテンツに含まれるリンク情報を指定し、リンク先のコンテンツやデータを新たに参照する要求などである。コンテンツ編集要求とは、例えば、入力フォームなどを介してコメントやデータをコンテンツサーバ装置3に送信し、コンテンツの一部として追加する要求である。
【0081】
また、前記コンテンツ参照及びコンテンツ編集に対応する機能は、個々のアプリケーションコンテンツにより異なってよい。そのため、アクセス制御手段3bは、それぞれのアプリケーションコンテンツごとに、各提供機能を参照及び編集に分類し管理する場合もある。
【0082】
前記携帯端末の認証が成功している間、アクセス制御手段3bは、携帯端末1からコンテンツ参照要求を受信すると、対応するコンテンツを携帯端末1に返信する(M205)。また、コンテンツ編集要求を受信すると、対応するコンテンツを編集し結果を携帯端末1に返信する(M207)。
【0083】
アクセス制御手段3bは、前記携帯端末1の認証(S202)が失敗した(M108,M109)時点で、アクセス拒絶通知を携帯端末1に送信する(M208)。例えば、「アクセスできません」というメッセージを提示するHTMLファイルを返信する。そのアクセス拒絶通知を受信した結果、携帯端末1の画面には「アクセスできません」と表示され、アクセスが拒絶されたことがユーザに通知される。
【0084】
以降、アクセス制御手段3bは、携帯端末1からコンテンツ参照要求を受信して(M209)も、同様にアクセス拒絶通知を携帯端末1に返信する(M210)。また、コンテンツ編集要求を受信して(M211)も、アクセス拒絶通知を携帯端末1に返信する(M212)。
【0085】
次に、図9に基づいてアクセス制御手段の動作例2を説明する。図9も、図8と同様に携帯端末1を中心とし、右側に端末認証手段3aとの通信シーケンス、左側にアクセス制御手段3bとの通信シーケンスを記載している。
【0086】
まず、コンテンツアクセス開始時、携帯端末1は、光信号で端末IDを発信開始する(M301〜M303)と同時に、所定のコンテンツサーバ装置のURLアドレスにコンテンツアクセスを要求する(M401)。
【0087】
端末認証手段3aは、端末IDを受信する(M301)と、認証処理(S301)を開始する。アクセス制御手段3bは、コンテンツアクセスを要求されると、携帯端末1にAck(アクセス受信確認)を返す(M402)。
【0088】
次に、端末認証手段3aは、認証処理(S301)が完了すると、結果をアクセス制御手段3bに通知する(M304)。
【0089】
次に、アクセス制御手段3bは、認証結果が成功であれば、前記端末IDと同時に受信されたセンサIDによりコンテンツを特定し、これを前記端末IDの携帯端末1へ配信する(M403)。
【0090】
以降、端末認証手段3aは、定期的に認証処理を繰り返す(例えば、メッセージM305〜M307の処理)。
【0091】
次に、コンテンツを視聴するユーザは、随時、携帯端末1によってコンテンツ更新要求やコンテンツ編集要求を送信する(M404,M406)。
【0092】
次に、前記携帯端末1の認証が成功している間、アクセス制御手段3bは、携帯端末1からコンテンツ参照要求を受信すると、対応するコンテンツを携帯端末1に返信する(M405)。また、コンテンツ編集要求を受信すると、対応するコンテンツを編集し結果を携帯端末1に返信する(M407)。
【0093】
次に、アクセス制御手段3bは、前記携帯端末1の認証(S302)が失敗した(M308,M309)時点以降も、携帯端末1からコンテンツ参照要求を受信する(M408)と、対応するコンテンツを携帯端末1に返信する(M409)。ただし、コンテンツ編集要求を受信して(M410)も、アクセス拒絶通知を携帯端末に返信する(M411)。
【0094】
以上のように、図9の制御方法で提供されるコンテンツは、通常のWebコンテンツと同様にどこからでも参照である。ただし、コンテンツにコメントを追加するなどの特定の編集機能は、センサ手段21〜24の存在する特定の場所でのみ可能となる。
【0095】
コンテンツサーバ装置3が提供するコンテンツは、音楽や映像などのストリームメディアであってもよい。そこで、ストリームメディアを提供する場合のアクセス制御手段3bの動作例3を図10に基づいて説明する。
【0096】
まず、コンテンツアクセス開始時、携帯端末1は、光信号で端末IDを発信開始する(M501〜M503)と同時に、所定のコンテンツサーバ装置3のURLアドレスにコンテンツアクセスを要求する(M601)。
【0097】
次に、端末認証手段3aは、端末IDを受信する(M501)と、認証処理(S401)を開始する。アクセス制御手段3bは、コンテンツアクセスを要求される(M601)と、携帯端末1にAck(アクセス受信確認)を返す(M602)。
【0098】
次に、端末認証手段3aは、認証処理(M501)が完了すると、結果をアクセス制御手段に通知する(M504)。アクセス制御手段は、認証結果が成功であれば、前記端末IDと同時に受信されたセンサIDによりストリームメディアコンテンツを特定し、前記端末IDの携帯端末1への配信を開始する(M603)。
【0099】
以降、端末認証手段3aは、定期的に認証処理を繰り返す(例えば、メッセージM505〜M507の処理)。
【0100】
次に、前記携帯端末1の認証(M501)が成功している間、アクセス制御手段3bは、ストリームメディアコンテンツの配信を継続する。
【0101】
次に、アクセス制御手段3bは、前記携帯端末1の認証(S402)が失敗した(M508,M509)時点で、ストリームメディアコンテンツの配信を停止しアクセス拒絶通知を携帯端末に返信する(M604)。
【0102】
また、センサ手段21〜24は、センサID、端末IDに加えて、端末ID受信時の受信信号強度をコンテンツサーバ装置3の端末認証手段3aに送信する場合もある。
【0103】
なお、前記受信信号強度とは、一つの信号フレームを構成する光点滅信号おいて発光時の信号強度が最大となったときの値である。端末認証手段3a及びアクセス制御手段3bは、センサ手段21〜24から複数の同一の端末IDを受信した場合、受信信号強度が最大であるセンサ手段のセンサIDを用いて、上述の認証処理、アクセス制御処理を行うものとする。
【0104】
なお、本実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のCPU(Central Processing Unit)(あるいはMPU(Microprocessing Unit))が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、実現できる。
【0105】
以上のように本実施形態における実空間コンテンツ利用システムは、個々の携帯端末の状態を確実に把握し、携帯端末の存在する空間に基づいたアクセス制御を行うため、携帯端末に光信号を用いてIDを発信するID信号発信手段を備える。また、前記光信号によるIDを受信し、固有のセンサIDとともに送信する複数個のセンサ手段と、端末認証手段を具備するコンテンツサーバ装置から実空間コンテンツ利用システムは構成される。
【0106】
そして、この端末認証手段が、光信号センサ手段経由のID受信をアップリンクに用い、所定の通信手段をダウンリンクに用いた端末認証処理を行う。
【0107】
具体的には、前記端末認証手段は、センサ手段を介して受信した端末IDで特定される携帯端末へ、所定の通信回線を用いて確認IDを送信する。前記携帯端末のID信号発信手段が受信した確認IDを発信し、前記端末認証手段が、前記端末IDと同時に受信したセンサIDが、前記確認IDと同時に受信されたことをもって、前記携帯端末を認証する処理を行う。
【0108】
さらに、コンテンツサーバ装置は、アクセス制御手段を備え、端末認証結果に基づいたコンテンツアクセス制御を行う。
【0109】
また、携帯端末が、特定の空間内に滞在しているときのみ、コンテンツへのアクセスを許可するために、前記端末認証手段は、定期的に前記認証された携帯端末に対する認証処理を行い、アクセス制御手段が最近の認証結果に基づいて、携帯端末のコンテンツアクセスを制御する。
【0110】
複数端末の発信する信号間の干渉の発生を低減するために、本実施形態における携帯端末は、非規則的なタイミング周期を決定する信号発信周期制御手段を備え、前記ID信号発信手段は、前記信号発信周期制御手段により決定される非規則的なタイミング周期に信号を発信する。
【0111】
また、本実施形態によれば、実空間コンテンツ利用システムにおける携帯端末には、可搬性を有するアプリケーションソフトウェア(例えば、Java(登録商標)アプリケーションソフトウェア)として実装されたID信号発信手段や信号発信周期制御手段を既存の携帯電話へインストールしたものを利用できる。
【0112】
さらに、端末サイドの導入コストを低下でき、普及した携帯電話に対して、特定の空間でのみアクセスできるコンテンツサービスを提供できる。
【0113】
具体的な利用例として、大学の講義などにおいて、聴講者の出席を確認することが想定される。教室内にセンサ手段を配置することによって、教室内の聴講者のみが、出席登録を行うことができる。さらに、課題やテスト回答などの情報を教室内の人にのみ提供する手段として活用できる。
【0114】
また、集客を意図し、特定の店舗やイベント会場などでのみ視聴可能なプレミアコンテンツを提供するといった用途に用いることができる。特に、光信号を用いる本実空間コンテンツ利用システムは、無線LAN(Local−Area Network)基地局を利用して空間限定コンテンツを提供するシステムに比べて、提供可能エリアの細かい規定が可能になる。したがって、例えば、CD(Compact Disk)ショップなどで各音楽ジャンルのスペースにセンサ手段を設けることで、各スペースで異なるスペース限定コンテンツを提供できる。
【0115】
同様に、博物館や美術館などで、携帯電話を用いて展示品に関するコンテンツへアクセスする仕組みとしても利用できる。この際、Blogなどのユーザが編集可能なコンテンツをこのシステムを介して提供すれば、実際にその場所に訪れた人だけがメッセージを残せる仕組みとして活用できる。
【0116】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0117】
例えば、本実施形態の変形例として、携帯端末(例えば、携帯電話)の代わりに、一般的な端末(例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータ)を採用しても良い。
【0118】
また、携帯端末とセンサ手段間の通信は、前記端末ID,確認IDなどを含むデータを送受信できれば、有線通信や短距離無線通信でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施形態における実空間コンテンツ利用システムの構成図。
【図2】本実施形態における携帯端末の構成図。
【図3】本実施形態におけるセンサ手段の構成図。
【図4】本実施形態における端末ID信号フレームのデータ構成図。
【図5】本実施形態における端末手順を示すフローチャート。
【図6】本実施形態における確認ID信号フレームのデータ構成図。
【図7】本実施形態におけるコンテンツ管理テーブルの構成例を示す図。
【図8】本実施形態におけるアクセス制御手段に関する動作シーケンスの例1を示す図。
【図9】本実施形態におけるアクセス制御手段に関する動作シーケンスの例2を示す図。
【図10】本実施形態におけるアクセス制御手段に関する動作シーケンスの例3を示す図。
【符号の説明】
【0120】
1…携帯端末
1a…通信手段
1b…制御手段
1c…入出力手段
1d…ID信号発信手段
1e…信号発信周期制御手段
2,21,22,23,24…センサ手段
2a…低消費電力無線通信手段
2b…光通信センサ手段
2c…制御手段
2d…太陽電池
3…コンテンツサーバ装置
3a…端末認証手段
3b…アクセス制御手段
3c…通信手段
4…コンテンツ管理テーブル
5…コンテンツ
F1…端末ID信号フレーム
F2…確認ID信号フレーム
Fa…フラグ
Fb…端末IDデータ
Fc,Ff…予備領域
Fd…チェックサム
Fe…確認IDデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサ手段を接続したコンテンツサーバ装置がコンテンツを保持し、
複数の端末からの該コンテンツに対するアクセスを制御する実空間コンテンツ利用システムであって、
前記端末が、
それらの端末ごとに固有となる乱数列に基づき、非規則的な周期を生成する信号発信周期制御手段と、
前記信号発信周期制御手段によって決定される非規則的な周期タイミングで端末IDを含む端末ID信号を、ID信号発信手段を使って連続して発信し、
一意な値である第1確認IDを前記コンテンツサーバ装置から受信した後、該第1確認IDを含む確認ID信号を、信号発信周期制御手段によって決定される非規則的な周期タイミングで、前記ID信号発信手段を使って一定期間連続して発信する制御手段と、
を有し、
前記センサ手段が、
前記発信された端末ID信号を受信すると、該センサ手段を識別する第1センサID及び前記受信された端末IDをコンテンツサーバ装置に対して送信する手段、
を有し、
前記コンテンツサーバ装置が、
端末ID及び第1センサIDを受信した後、前記第1確認IDを生成し、
前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶し、
前記端末IDで特定される端末に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信し、
前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信し、
前記記憶部に記憶された第1センサIDが受信した第2センサIDと等しく、かつ、前記記憶部に記憶された第1確認IDが受信した第2確認IDと等しいか否かを確認し、該第1センサIDが第2センサIDと等しく、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しい場合に、端末IDに対応する端末に対する認証の結果を成功と見做す端末認証手段と、
前記認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御するアクセス制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする実空間コンテンツ利用システム。
【請求項2】
複数のセンサ手段を接続し、コンテンツを保持し、複数の端末からの該コンテンツに対するアクセスを制御するコンテンツサーバ装置であって、
前記端末を識別する端末ID及びセンサ手段を識別する第1センサIDを受信した後、一意な値である第1確認IDを生成し、
前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶しておき、
前記端末IDで特定される端末に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信し、
前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信し、
前記記憶部に記憶された第1センサIDが受信した第2センサIDと等しく、かつ、前記記憶部に記憶された第1確認IDが受信した第2確認IDと等しいか否かを確認し、該第1センサIDが第2センサIDと等しく、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しい場合に、端末IDに対応する端末に対する認証の結果を成功と見做す端末認証手段と、
前記認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御するアクセス制御手段と、
を有することを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツサーバ装置であって、
前記アクセス制御手段が、前記認証された端末へのみ、前記端末IDと同時に受信された第2センサIDに対応するコンテンツの参照と編集を許可する、
ことを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項4】
請求項2に記載のコンテンツサーバ装置であって、
前記アクセス制御手段が、前記端末認証手段に認証されてない端末へ、コンテンツサーバ装置が保持するコンテンツの参照のみを許可し、編集を禁止する、
ことを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のコンテンツサーバ装置であって、
前記端末認証手段における処理を繰り返す、
ことを特徴とするコンテンツサーバ装置。
【請求項6】
コンテンツサーバ装置は複数の端末と通信回線で接続され、
該コンテンツサーバ装置は複数のセンサ手段を接続され、
該コンテンツサーバ装置は前記端末を認証する端末認証手段と該コンテンツサーバ装置に保持されたコンテンツへのアクセスを制御するアクセス制御手段を備え、
該コンテンツサーバ装置が前記複数の端末からの該コンテンツに対するアクセスを制御するコンテンツ提供方法であって、
前記端末認証手段が、前記端末を識別する端末ID及びセンサ手段を識別する第1センサIDを受信した後、一意な値である第1確認IDを生成するステップ1と、
前記端末認証手段が、前記第1確認ID,端末ID,第1センサIDの組を、所定の記憶部に記憶しておくステップ2と、
前記端末認証手段が、前記端末IDで特定される端末に、所定の通信回線を介して、第1確認IDを送信するステップ3と、
前記端末認証手段が、前記第1確認IDを端末に送信した後、いずれかのセンサ手段から発信された第2確認ID及び該センサ手段の第2センサIDを受信するステップ4と、
前記端末認証手段が、前記記憶部に記憶された第1センサIDが受信した第2センサIDと等しく、かつ、前記記憶部に記憶された第1確認IDが受信した第2確認IDと等しいか否かを確認し、該第1センサIDが第2センサIDと等しく、かつ、第1確認IDが第2確認IDと等しい場合に、端末IDに対応する端末に対する認証の結果を成功と見做すステップ5と、
前記アクセス制御手段が、前記認証結果に基づいて、コンテンツへのアクセスを制御するステップ6と、
を有することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項7】
請求項6に記載のコンテンツ提供方法であって、
前記アクセス制御手段が、前記認証された端末へのみ、前記端末IDと同時に受信された第2センサIDに対応するコンテンツの参照と編集を許可するステップ、
を有することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項8】
請求項6に記載のコンテンツ提供方法であって、
前記アクセス制御手段が、前記端末認証手段に認証されてない端末へ、コンテンツサーバ装置が保持するコンテンツの参照のみを許可し、編集を禁止するステップ、
を有することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載のコンテンツ提供方法であって、
前記ステップ1乃至ステップ5を繰り返すステップ、
を有することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載のコンテンツ提供方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とするコンテンツ提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−22299(P2008−22299A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192415(P2006−192415)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】