説明

実装構造体の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、実装構造体、液滴吐出ヘッド

【課題】少ない回数の撮像回数で基板上に複数の基板を位置合わせして固定する方法を提供する。
【解決手段】配線が配置されたフレキシブル基板6,7の位置合わせ用マーク6d,7dを撮像し、位置合わせ用マーク6d,7dの位置を測定する第1マーク測定工程と、配線と位置合わせ用マーク2aとが配置された基板2の位置合わせ用マーク2aを撮像し、位置合わせ用マーク2aの位置を測定する第2マーク測定工程と、第1マーク測定工程の測定結果と第2マーク測定工程の測定結果とを用いて、フレキシブル基板6,7の配線と基板2の配線とが対向する場所にフレキシブル基板6,7と基板2とを相対移動する基板合わせ工程と、フレキシブル基板6,7の配線と基板2の配線とを接続して固定する実装工程と、を有し、第1マーク測定工程において、位置合わせ用マーク6d,7dを1つの画像に撮像し、位置合わせ用マーク6d,7dの位置を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装構造体の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、実装構造体、液滴吐出ヘッドにかかわり、特に、基板を生産性良く実装する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビのカラーフィルタ等の微細なパターンを形成する方法の1つとして液滴吐出法が用いられている。この液滴吐出法は液滴吐出ヘッドから機能液を液滴にして基板に吐出して、基板上に微細なパターンを形成する方法である。そして、この液滴吐出ヘッドを生産性良く製造可能な構造が特許文献1に開示されている。それによると、液滴吐出ヘッドは液滴を吐出するノズルが形成されたノズル基板と振動板との間に圧力発生室が形成されている。そして、圧電素子が振動板に配置され、圧電素子が伸縮して振動板を振動させている。この振動板が振動することにより、圧力発生室に内在する機能液が加圧されて、機能液が液滴となって吐出される。
【0003】
振動板の上には凹部が形成されたリザーバ形成基板が配置され、圧電素子はこの凹部と振動板により密閉されている。振動板には圧電素子の電極が形成され、電極の一部はリザーバ形成基板によって覆われていない場所に形成されている。そして、振動板には圧電素子の電極とフレキシブル基板とが電気的に接続されている。振動板には複数の圧電素子が配置されており、圧電素子の電極も複数形成されている。そして、フレキシブル基板には複数の配線が形成され、複数の圧電素子の電極とフレキシブル基板の複数の電極とが接続されている。従って、1つのフレキシブル基板により複数の電極が接続されるので、生産性良く圧電素子の配線を接続することができている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−68989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
振動板には配線を挟んでフレキシブル基板が2個配置され、フレキシブル基板及び振動板には位置を合わせるときに用いる位置合わせ用マークが配置されていた。そして、撮像装置が位置合わせ用マークを撮像することにより、フレキシブル基板及び振動板の位置を測定していた。このとき、精度良く測定するために所定の範囲に位置合わせ用マークを移動した後、撮像装置は位置合わせ用マークを撮像していた。そして位置合わせ用マークの位置を測定していた。
【0006】
このとき、2個のフレキシブル基板における位置合わせ用マークが離れて配置されていたので、各位置合わせ用マークと同数の撮像を行って、各位置合わせ用マークの位置を測定していた。そして、少ない回数の撮像回数で振動板にフレキシブル基板を位置合わせして固定する方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
本適用例にかかる実装構造体の製造方法であって、配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の第1配線基板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する第1マーク測定工程と、配線と位置合わせ用マークとが配置された第2配線基板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する第2マーク測定工程と、前記第1マーク測定工程の測定結果と前記第2マーク測定工程の測定結果とを用いて、前記第1配線基板の配線と前記第2配線基板の配線とが対向する場所に前記第1配線基板と前記第2配線基板とを相対移動する基板合わせ工程と、前記第1配線基板の配線と前記第2配線基板の配線とを接続して固定する実装工程と、を有し、前記第1マーク測定工程において、複数の前記位置合わせ用マークを1つの画像に撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定することを特徴とする。
【0009】
この実装構造体の製造方法によれば、第1マーク測定工程において第1配線基板の位置合わせ用マークの位置を測定する。同様に、第2マーク測定工程において第2配線基板の位置合わせ用マークを測定する。そして、基板合わせ工程では第1配線基板の配線と第2配線基板の配線とが対向するように配置する。このとき、第1配線基板の位置合わせ用マークの測定値と第2配線基板の位置合わせ用マークの測定値とを用いて位置合わせを行う。従って、第1配線基板と第2配線基板とを所定の相対位置に合わせることができる。そして、実装工程において第1配線基板の配線と第2配線基板の配線とを接続して固定することにより、第1配線基板と第2配線基板とを実装している。
【0010】
第1マーク測定工程では、第1配線基板における位置合わせ用マークを撮像して、位置合わせ用マークの位置を測定する。このとき、複数の位置合わせ用マークを1つの画像に撮像して測定している。従って、1つの位置合わせ用マークを1つの画像に撮像する方法に比べて、少ない回数の撮像により、所定の個数における位置合わせ用マークの位置を測定することができる。その結果、生産性良く実装構造体を製造することができる。
【0011】
[適用例2]
上記適用例にかかる実装構造体の製造方法において、前記第1マーク測定工程の測定結果を用いて、複数の前記第1配線基板の相対位置を所定の位置に移動する基板移動工程、をさらに有することを特徴とする。
【0012】
この実装構造体の製造方法によれば、基板移動工程において第1配線基板の相対位置を所定の位置に合わせている。そして、基板合わせ工程にて複数の第1配線基板と第2配線基板との相対位置を合わせている。そして、実装工程では複数の第1配線基板と第2配線基板とを固定している。従って、複数の第1配線基板を1つずつ位置合わせした後、実装工程において第2配線基板に固定する方法に比べて、生産性良く複数の第1配線基板を第2配線基板に実装することができる。
【0013】
[適用例3]
本適用例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出するための駆動部が振動板を振動させる液滴吐出ヘッドの製造方法であって、配線と複数の位置合わせ用マークとが配置された前記振動板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する振動板マーク測定工程と、配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の配線基板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する配線基板マーク測定工程と、前記振動板マーク測定工程の測定結果と前記配線基板マーク測定工程の測定結果とを用いて、前記振動板の配線と前記配線基板の配線とが対向する場所に前記振動板と前記配線基板とを相対移動する基板合わせ工程と、前記振動板の配線と前記配線基板の配線とを接続して固定する実装工程と、を有し、前記配線基板マーク測定工程において、複数の前記位置合わせ用マークを1つの画像に撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定することを特徴とする。
【0014】
この液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、振動板マーク測定工程において振動板の位置合わせ用マークの位置を測定する。同様に、配線基板マーク測定工程において配線基板の位置合わせ用マークを測定する。そして、基板合わせ工程では振動板の配線と配線基板の配線とが対向するように配置する。このとき、振動板の位置合わせ用マークの測定値と複数の配線基板の位置合わせ用マークの測定値とを用いて位置合わせを行う。従って、振動板と複数の配線基板とを所定の相対位置に合わせることができる。そして、実装工程において振動板の配線と配線基板の配線とを接続して固定することにより、振動板と配線基板とを実装している。
【0015】
配線基板マーク測定工程では、配線基板における位置合わせ用マークを撮像して、位置合わせ用マークの位置を測定する。このとき、複数の位置合わせ用マークを1つの画像に撮像して測定している。従って、1つの位置合わせ用マークを1つの画像に撮像する方法に比べて、少ない回数の撮像により、所定の個数における位置合わせ用マークの位置を測定することができる。その結果、生産性良く液滴吐出ヘッドを製造することができる。
【0016】
[適用例4]
上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記配線基板マーク測定工程の測定結果を用いて、複数の前記配線基板の相対位置を所定の位置に移動する基板移動工程、をさらに有することを特徴とする。
【0017】
この液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、基板移動工程において配線基板の相対位置を所定の位置に合わせている。そして、基板合わせ工程にて複数の配線基板と振動板との相対位置を合わせている。そして、実装工程では複数の配線基板と振動板とを固定している。従って、複数の配線基板を1つずつ位置合わせした後、実装工程において振動板に固定する方法に比べて、生産性良く複数の配線基板を振動板に実装することができる。
【0018】
[適用例5]
本適用例にかかる実装構造体であって、配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の第1配線基板と、配線と位置合わせ用マークとが配置された第2配線基板と、を備え、前記第1配線基板の配線と前記第2配線基板の配線とが接続して実装され、複数の前記第1配線基板における前記位置合わせ用マークのうち少なくとも2つの前記位置合わせ用マークが、前記第1配線基板と前記第2配線基板とを実装するときに前記位置合わせ用マークを撮像する撮像装置の撮像範囲に配置されていることを特徴とする。
【0019】
この実装構造体によれば、第1配線基板と第2配線基板とが位置合わせ用マークにより相対位置が合わされて実装されている。そして、複数の位置合わせ用マークが撮像装置の撮像範囲に配置されている為、複数の位置合わせ用マークの位置を1回の撮像で測定することができる。従って、複数の位置合わせ用マークを1つずつ測定する場合に比べて、生産性良く位置合わせ用マークの位置が測定可能な実装構造体とすることができる。
【0020】
[適用例6]
上記適用例にかかる実装構造体であって、前記第1配線基板のうち少なくとも1つは前記第1配線基板の平面方向に凸部を有し、前記凸部に前記位置合わせ用マークが形成されていることを特徴とする。
【0021】
この実装構造体によれば、第1配線基板の凸部には位置合わせ用マークが配置されている。従って、障害物があるときにも障害物を避けて凸部を配置することにより、複数の位置合わせ用マークを接近して配置することができる。
【0022】
[適用例7]
本適用例にかかる液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するための駆動部が振動板を振動させる液滴吐出ヘッドであって、前記振動板には配線と位置合わせ用マークとが配置され、配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の配線基板を備え、前記振動板の配線と前記配線基板の配線とが接続して実装され、複数の前記配線基板における前記位置合わせ用マークのうち少なくとも2つの前記位置合わせ用マークが、前記振動板と前記配線基板とを実装するときに前記位置合わせ用マークを撮像する撮像装置の撮像範囲に配置されていることを特徴とする。
【0023】
この液滴吐出ヘッドによれば、振動板と配線基板とが位置合わせ用マークにより相対位置が合わされて実装されている。そして、複数の位置合わせ用マークが撮像装置の撮像範囲に配置されている為、複数の位置合わせ用マークの位置を1回の撮像で測定することができる。従って、複数の位置合わせ用マークを1つずつ測定する場合に比べて、生産性良く位置合わせ用マークの位置が測定可能な液滴吐出ヘッドとすることができる。
【0024】
[適用例8]
上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドであって、前記配線基板のうち少なくとも1つは前記配線基板の平面方向に凸部を有し、前記凸部に前記位置合わせ用マークが形成されていることを特徴とする。
【0025】
この液滴吐出ヘッドによれば、配線基板の凸部には位置合わせ用マークが配置されている。従って、障害物があるときにも障害物を避けて凸部を配置することにより、複数の位置合わせ用マークを接近して配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
本実施形態では、本発明の特徴的な実装構造体と、この実装構造体を製造する例について図1〜図7に従って説明する。尚、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0027】
(実装構造体)
最初に、実装構造体1について説明する。図1(a)は実装構造体の構成を示す概略斜視図であり、図1(b)は実装構造体の模式平面図である。図1に示すように、実装構造体1は配線が形成された長方形の第2配線基板としての基板2を備えている。基板2の長手方向をY方向とし、基板2の平面方向においてY方向と直交する方向をX方向とする。そして、基板2の面に対して垂直の方向をZ方向とする。基板2の上には矩形に形成された板状の第1半導体素子3、第2半導体素子4、第3半導体素子5が配置され、配線により電気的に接続されている。
【0028】
基板2の中央に第2半導体素子4が配置され、第2半導体素子4を挟んでY方向には第1半導体素子3及び第3半導体素子5が配置されている。基板2及び第1半導体素子3の上には第1配線基板としてのフレキシブル基板6が配置され、基板2及び第3半導体素子5の上には第1配線基板としてのフレキシブル基板7が配置されている。フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7は可撓性を有し第2半導体素子4を挟んで対向して配置されている。フレキシブル基板6は第2半導体素子4と対向する場所に凹部6aが形成され、フレキシブル基板7は第2半導体素子4と対向する場所に凹部7aが形成されている。そして、凹部6a及び凹部7aに第2半導体素子4が配置されている。凹部6a及び凹部7aにおいて基板2と対向する面には端子がX方向に配列して形成され、同様に、基板2においてこの端子と対向する場所には端子が形成されている。そして、フレキシブル基板6の端子と基板2の端子とが電気的に接続され、フレキシブル基板7の端子と基板2の端子とが電気的に接続されている。
【0029】
凹部6aのX方向の両側に凸部6b及び凸部6cが形成され、凸部6b及び凸部6cが第2半導体素子4をX方向から挟んで配置されている。同様に、フレキシブル基板7においても凹部7aのX方向の両側に凸部7b及び凸部7cが形成され、凸部7b及び凸部7cが第2半導体素子4をX方向から挟んで配置されている。凸部6bには円形の位置合わせ用マーク6dが形成され、凸部6cにも円形の位置合わせ用マーク6eが形成されている。同様に、凸部7bには円形の位置合わせ用マーク7dが形成され、凸部7cにも円形の位置合わせ用マーク7eが形成されている。基板2において、位置合わせ用マーク6dと位置合わせ用マーク7dとの間には位置合わせ用マーク2aが形成され、位置合わせ用マーク6eと位置合わせ用マーク7eとの間には位置合わせ用マーク2bが形成されている。
【0030】
フレキシブル基板6に形成されている端子と位置合わせ用マーク6d及び位置合わせ用マーク6eとの相対位置は精度良く形成されている。同様に、フレキシブル基板7に形成されている端子と位置合わせ用マーク7d及び位置合わせ用マーク7eとの相対位置は精度良く形成されている。基板2においても、基板2に形成された端子と位置合わせ用マーク2a及び位置合わせ用マーク2bとは精度良く形成されている。
【0031】
(実装装置)
次に基板を組み合わせて実装する実装装置10について説明する。図2(a)は実装装置の模式平面図であり、図2(b)実装装置の模式側面図である。図2に示すように、実装装置10は直方体の板状に形成された基台11を備えている。基台11の長手方向をY方向とし、同Y方向と直交する方向をX方向とする。そして、X方向及びY方向と直交する方向をZ方向とし、Z方向は重力加速度方向とする。
【0032】
基台11上のY方向には第1固定ステージ12が配置され、第1固定ステージ12の上面には、Y方向に延びる図示しない一対の案内レールが同Y方向全幅にわたり凸設されている。第1固定ステージ12の上側には、一対の案内レールに対応する図示しない直動機構を備えた第1Yステージ13が取付けられている。その第1Yステージ13の直動機構は、例えば案内レールに沿ってY方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転する第1Y軸モータ13aに連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号が第1Y軸モータ13aに入力されると、第1Y軸モータ13aが正転又は逆転して、第1Yステージ13が同ステップ数に相当する分だけ、Y方向に沿って所定の速度で往動又は、復動するようになっている。
【0033】
第1Yステージ13の上面には、X方向に延びる図示しない一対の案内レールが同X方向全幅にわたり凸設されている。第1Yステージ13の上側には、一対の案内レールに対応する図示しない直動機構を備えた第1Xステージ14が取付けられている。その第1Xステージ14の直動機構は、例えば第1Yステージ13と同様の機構と第1X軸モータ14aとを備え、X方向に沿って所定の速度で往動又は、復動するようになっている。
【0034】
第1Xステージ14の上面には、Z方向を中心とする同心円状の図示しない案内レールが凸設されている。第1Xステージ14の上側には同心円状の案内レールの中心を回転中心にして回転する回転機構を備えた第1回転ステージ15が取付けられている。その第1回転ステージ15の回転機構は、例えばハーモニックドライブ(登録商標)等の図示しない減速装置を備え、減速装置は駆動軸の回転速度を減速して出力軸を回転する。その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転する図示しない第1回転用モータに連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号が第1回転用モータに入力されると、第1回転用モータが正転又は逆転して、第1回転ステージ15が同ステップ数に相当する分だけ、Z方向を中心に所定の角度の正転又は反転をするようになっている。
【0035】
第1回転ステージ15の上面には、第1載置台16が配置されている。第1載置台16には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、第1載置台16にフレキシブル基板6を載置すると、基板チャック機構によって、そのフレキシブル基板6が第1載置台16の所定位置に位置決め固定されるようになっている。以上の第1固定ステージ12、第1Yステージ13、第1Xステージ14、第1回転ステージ15、第1載置台16等により第1ステージ17が構成されている。
【0036】
第1ステージ17のY方向と逆の方向には第2ステージ18が配置されている。第2ステージ18は第1ステージ17と同様の構成であり、基台11上に第2固定ステージ19が配置されている。第2固定ステージ19の上面には第2Yステージ20が配置され、第2Yステージ20は図示しない直動機構と第2Y軸モータ20aとを備えている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号が第2Y軸モータ20aに入力されると、第2Yステージ20が同ステップ数に相当する分だけY方向に移動するようになっている。
【0037】
第2Yステージ20の上面には第2Xステージ21が取付けられ、第2Xステージ21は図示しない直動機構と第2X軸モータ21aとを備えている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号が第2X軸モータ21aに入力されると、第2Xステージ21が同ステップ数に相当する分だけX方向に移動するようになっている。
【0038】
第2Xステージ21の上面には第2回転ステージ22が取付けられ、第2回転ステージ22は図示しない回転機構を備えている。そして、この回転機構は、第1回転ステージ15と同様な減速装置及び第2回転用モータを備え、所定のステップ数に相対する駆動信号が第2回転用モータに入力されると、第2回転ステージ22が同ステップ数に相当する分だけZ方向を中心に所定の角度の正転又は反転をするようになっている。
【0039】
第2回転ステージ22の上面には、第2載置台23が配置されている。第2載置台23には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、第2載置台23にフレキシブル基板7を載置すると、基板チャック機構によって、そのフレキシブル基板7が第2載置台23の所定位置に位置決め固定されるようになっている。以上の第2固定ステージ19、第2Yステージ20、第2Xステージ21、第2回転ステージ22、第2載置台23等により第2ステージ18が構成されている。
【0040】
第2ステージ18のY方向と逆の方向には第3ステージ24が配置されている。第3ステージ24は第1ステージ17と同様の構成であり、第1ステージ17及び第2ステージ18に比べてY方向に長く形成されている。第3ステージ24は基台11上に第3固定ステージ25が配置されている。第3固定ステージ25の上面には第3Yステージ26が配置され、第3Yステージ26は図示しない直動機構と第3Y軸モータ26aとを備えている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号が第3Y軸モータ26aに入力されると、第3Yステージ26が同ステップ数に相当する分だけY方向に移動するようになっている。
【0041】
第3Yステージ26の上面には第3Xステージ27が取付けられ、第3Xステージ27は図示しない直動機構と第3X軸モータ27aとを備えている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号が第3X軸モータ27aに入力されると、第3Xステージ27が同ステップ数に相当する分だけX方向に移動するようになっている。
【0042】
第3Xステージ27の上面には第3回転ステージ28が取付けられ、第3回転ステージ28は図示しない回転機構を備えている。そして、回転機構は第1回転ステージ15と同様な減速装置及び第3回転用モータを備え、所定のステップ数に相対する駆動信号が第3回転用モータに入力されると、第3回転ステージ28が同ステップ数に相当する分だけZ方向を中心に所定の角度の正転又は反転をするようになっている。
【0043】
第3回転ステージ28の上面には、第3載置台29が配置されている。第3載置台29には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、第3載置台29に基板2を載置すると、基板チャック機構によって、基板2が第3載置台29の所定位置に位置決め固定されるようになっている。以上の第3固定ステージ25、第3Yステージ26、第3Xステージ27、第3回転ステージ28、第3載置台29等により第3ステージ24が構成されている。
【0044】
基台11のX方向両端の上面には、Y方向に延びる一対の案内レール32及び案内レール33が同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台11の上側には、一対の案内レール32及び案内レール33に対応する図示しない直動機構を備えた第4ステージ34が取付けられている。第4ステージ34は案内レール32と摺動して移動する移動部34a及び案内レール33と摺動して移動する移動部34bを備えている。そして、移動部34a及び移動部34bにはそれぞれ支持部34c及び支持部34dが立設されている。支持部34c及び支持部34dにかけて架橋部34eが架設されている。第4ステージ34は支持部34c、支持部34d、架橋部34eにより門型に形成されているので、第4ステージ34は第1ステージ17、第2ステージ18、第3ステージ24に衝突することなくY方向に移動可能になっている。その第4ステージ34の直動機構は、例えば第1Yステージ13と同様の機構と図示しない第4Y軸モータとを備え、Y方向に沿って所定の速度で往動又は、復動するようになっている。
【0045】
第4ステージ34は架橋部34eにヒータ昇降装置35を備え、ヒータ昇降装置35の基台11側には吸引加熱装置36を備えている。そして、ヒータ昇降装置35は上下動するエアーシリンダを備え、このエアーシリンダを駆動することにより吸引加熱装置36を昇降することが可能になっている。吸引加熱装置36には吸引式の基板チャック機構が設けられ、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を吸着することが可能になっている。さらに、吸引加熱装置36は内部に加熱機構を備え、発熱することが可能になっている。
【0046】
基台11のX方向両側において第1ステージ17の付近には門型の支持部37が配置されている。支持部37は基台11の側面に立設された一対の支柱部37a及び支柱部37bと、支柱部37a及び支柱部37bとの間に架橋された架橋部37cと、により構成されている。その架橋部37cには第1撮像装置38及び第2撮像装置39が配置されている。第1撮像装置38は第1照明装置38a及び撮像レンズ38bを備え、第1照明装置38aが発光する光は撮像レンズ38bを介してフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7に照射されるようになっている。そして、第1撮像装置38は光を照射されたフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を撮像することが可能になっている。同様に、第2撮像装置39は第2照明装置39a及び撮像レンズ39bを備え、光を照射されたフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を撮像することが可能になっている。
【0047】
基台11のX方向両側において第3ステージ24の付近には門型の支持部40が配置されている。支持部40は基台11の側面に立設された一対の支柱部40a及び支柱部40bと、支柱部40a及び支柱部40bとの間に架橋された架橋部40cと、により構成されている。その架橋部40cには第3撮像装置41及び第4撮像装置42が配置されている。第3撮像装置41は第3照明装置41a及び撮像レンズ41bを備え、光を照射された基板2を撮像することが可能になっている。同様に、第4撮像装置42は第4照明装置42a及び撮像レンズ42bを備え、光を照射された基板2を撮像することが可能になっている。
【0048】
図3は、実装装置の電気制御ブロック図である。図3において、実装装置10の制御装置45はプロセッサとして各種の演算処理を行うCPU(演算処理装置)46と各種情報を記憶するメモリ47とを有する。
【0049】
第1Xステージ駆動装置48、第1Xステージ位置検出装置49、第1Yステージ駆動装置50、第1Yステージ位置検出装置51、第1回転ステージ駆動装置52、第1回転ステージ角度検出装置53は、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。さらに、第2Xステージ駆動装置56、第2Xステージ位置検出装置57、第2Yステージ駆動装置58、第2Yステージ位置検出装置59、第2回転ステージ駆動装置60、第2回転ステージ角度検出装置61は、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。さらに、第3Xステージ駆動装置62、第3Xステージ位置検出装置63、第3Yステージ駆動装置64、第3Yステージ位置検出装置65、第3回転ステージ駆動装置66、第3回転ステージ角度検出装置67は、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。さらに、第4ステージ駆動装置68、第4ステージ位置検出装置69、は、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。
【0050】
さらに、第1撮像装置38、第2撮像装置39、第3撮像装置41、第4撮像装置42は、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。さらに、第1照明装置38a、第2照明装置39a、第3照明装置41a、第4照明装置42aは、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。さらに、ヒータ昇降装置35、吸引加熱装置36、入力装置72、表示装置73も、入出力インターフェース54及びデータバス55を介してCPU46に接続されている。
【0051】
第1Xステージ駆動装置48は第1X軸モータ14aを駆動することにより、第1Xステージ14の移動を制御する装置であり、第1Xステージ位置検出装置49は第1Xステージ14の位置を検出する装置である。同様に、第1Yステージ駆動装置50は第1Y軸モータ13aを駆動することにより、第1Yステージ13の移動を制御する装置であり、第1Yステージ位置検出装置51は第1Yステージ13の位置を検出する装置である。第1回転ステージ駆動装置52は第1回転用モータ15aを駆動することにより、第1回転ステージ15の回転を制御する装置であり、第1回転ステージ角度検出装置53は第1回転ステージ15の回転角度を検出する装置である。第1Xステージ位置検出装置49、第1Yステージ位置検出装置51、第1回転ステージ角度検出装置53が第1ステージ17の位置及び回転角度を検出する。そして、第1Xステージ駆動装置48、第1Yステージ駆動装置50、第1回転ステージ駆動装置52が第1ステージ17を移動させることにより、所望の位置にフレキシブル基板6を移動及び停止することが可能となっている。
【0052】
同様に、第2Xステージ駆動装置56は第2X軸モータ21aを駆動することにより、第2Xステージ21の移動を制御する装置であり、第2Xステージ位置検出装置57は第2Xステージ21の位置を検出する装置である。同様に、第2Yステージ駆動装置58は第2Y軸モータ20aを駆動することにより、第2Yステージ20の移動を制御する装置であり、第2Yステージ位置検出装置59は第2Yステージ20の位置を検出する装置である。第2回転ステージ駆動装置60は第2回転用モータ22aを駆動することにより、第2回転ステージ22の回転を制御する装置であり、第2回転ステージ角度検出装置61は第2回転ステージ22の回転角度を検出する装置である。第2Xステージ位置検出装置57、第2Yステージ位置検出装置59、第2回転ステージ角度検出装置61が第2ステージ18の位置及び回転角度を検出する。そして、第2Xステージ駆動装置56、第2Yステージ駆動装置58、第2回転ステージ駆動装置60が第2ステージ18を移動させることにより、所望の位置にフレキシブル基板7を移動及び停止することが可能となっている。
【0053】
同様に、第3Xステージ駆動装置62は第3X軸モータ27aを駆動することにより、第3Xステージ27の移動を制御する装置であり、第3Xステージ位置検出装置63は第3Xステージ27の位置を検出する装置である。同様に、第3Yステージ駆動装置64は第3Y軸モータ26aを駆動することにより、第3Yステージ26の移動を制御する装置であり、第3Yステージ位置検出装置65は第3Yステージ26の位置を検出する装置である。第3回転ステージ駆動装置66は第3回転用モータ28aを駆動することにより、第3回転ステージ28の回転を制御する装置であり、第3回転ステージ角度検出装置67は第3回転ステージ28の回転角度を検出する装置である。第3Xステージ位置検出装置63、第3Yステージ位置検出装置65、第3回転ステージ角度検出装置67が第3ステージ24の位置及び回転角度を検出する。そして、第3Xステージ駆動装置62、第3Yステージ駆動装置64、第3回転ステージ駆動装置66が第3ステージ24を移動させることにより、所望の位置に基板2を移動及び停止することが可能となっている。
【0054】
第4ステージ駆動装置68は第4Y軸モータ34fを駆動することにより、第4ステージ34の移動を制御する装置であり、第4ステージ位置検出装置69は第4ステージ34の位置を検出する装置である。第4ステージ位置検出装置69が第4ステージ34の位置を検出して、第4ステージ駆動装置68が第4ステージ34を移動させることにより、所望の位置に吸引加熱装置36を移動及び停止することが可能となっている。
【0055】
第1撮像装置38及び第2撮像装置39はフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を撮像する装置であり、撮像した画像データをCPU46に出力することが可能となっている。同様に、第3撮像装置41及び第4撮像装置42は基板2を撮像する装置であり、撮像した画像データをCPU46に出力することが可能となっている。第1照明装置38a及び第2照明装置39aはフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7に光を照射する装置であり、第3照明装置41a及び第4照明装置42aは基板2に光を照射する装置である。第1照明装置38a、第2照明装置39a、第3照明装置41a、第4照明装置42aはCPU46の指示信号により光の照射開始と停止や照射する光の強度を変更可能になっている。
【0056】
ヒータ昇降装置35はCPU46の指示信号により吸引加熱装置36を上昇及び下降させる装置である。吸引加熱装置36はCPU46の指示信号によりフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7の吸着開始と吸着停止とを行う装置であり、さらに、CPU46の指示信号によりフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7の加熱開始と加熱停止とを行う装置である。入力装置72は、実装する各種加工条件を入力する装置であり、例えば、位置合わせ用マーク2a、位置合わせ用マーク6d、位置合わせ用マーク7d、等の座標を図示しない外部装置から受信し、入力する装置である。表示装置73は、加工条件や、作業状況を表示する装置であり、操作者は、表示装置73に表示される情報を基に、入力装置72を用いて操作を行う。
【0057】
メモリ47は、RAM、ROM等といった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には、実装装置10における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト74を記憶する記憶領域が設定される。さらに、位置合わせ用マーク2a、位置合わせ用マーク6d、位置合わせ用マーク7d、等のマーク位置の座標データであるマーク位置データ75を記憶するための記憶領域も設定される。他にも、第1照明装置38a〜第4照明装置42aが基板2等を照明するときの照明条件のデータである照明条件データ76を記憶するための記憶領域や、第1撮像装置38〜第4撮像装置42が撮像する画像のデータである撮像データ77を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、吸引加熱装置36が加熱するときの加熱条件や吸引加熱装置36を基板2に押圧するときの圧力条件等のデータである圧着条件データ78や、CPU46のためのワークエリアやテンポラリファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
【0058】
CPU46は、メモリ47内に記憶されたプログラムソフト74に従って、基板2にフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を配置するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、ステージ制御演算部79、照明制御演算部80、撮像制御演算部81、マーク位置演算部82、圧着制御演算部83などを有する。ステージ制御演算部79は第1ステージ17〜第4ステージ34を所定の場所に移動して停止するための演算を行う。照明制御演算部80は、第1撮像装置38〜第4撮像装置42が適切な画像を撮像するように光の強さを演算する。撮像制御演算部81は第1撮像装置38〜第4撮像装置42に撮像する指示をだして、位置合わせ用マーク2a等の画像を撮像する。そして、マーク位置演算部82は撮像した画像を用いてマークの位置を演算する。マーク位置演算部82は、撮像制御演算部81が演算したマーク位置のデータと第1撮像装置38〜第4撮像装置42の位置データとを用いてマーク位置の座標を演算する。圧着制御演算部83は吸引加熱装置36が基板2とフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7の圧着を実現するための演算を行う。
【0059】
(実装構造体の製造方法)
次に、上述した実装装置10を用いて、基板2にフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を配置する製造方法について図4〜図7にて説明する。図4は、基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造工程を示すフローチャートであり、図5〜図7は、基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造方法を説明する図である。
【0060】
ステップS1は、第1マーク測定工程に相当し、2つのフレキシブル基板をステージに載置した後、2つのフレキシブル基板に形成されている位置合わせ用マークの位置を測定する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、基板移動工程に相当し、2つのフレキシブル基板を移動して、位置合わせ用マークの相対位置を所定の位置にする工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は、第2マーク測定工程に相当し、基板をステージに載置した後、基板に形成されている位置合わせ用マークの位置を測定する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は、基板合わせ工程に相当し、基板の上に2つのフレキシブル基板を重ねて、位置を合わせる工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は、実装工程に相当し、基板と2つのフレキシブル基板とを接合する工程である。以上で、基板上に2つの基板が配置された実装構造体を製造する製造工程を終了する。
【0061】
次に、図5〜図7を用いて、図4に示したステップと対応させて、基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造方法を詳細に説明する。図5(a)〜図5(c)はステップS1の第1マーク測定工程に対応する図である。図5(a)に示すように、第1ステージ17の第1載置台16にフレキシブル基板6を載置した後、フレキシブル基板6を第1載置台16に吸着させる。第1載置台16には位置決め用のピンが複数配置され、位置決め用のピンの側面に接するようにフレキシブル基板6を載置することにより、フレキシブル基板6は略所定の位置に配置することができるようになっている。同様に、第2ステージ18の第2載置台23にフレキシブル基板7を載置した後、フレキシブル基板7を第2載置台23に吸着させる。第2載置台23にも位置決め用のピンが複数配置され、位置決め用のピンの側面に接するようにフレキシブル基板7を載置することにより、フレキシブル基板7は略所定の位置に配置することができるようになっている。
【0062】
次に、第1照明装置38aを点灯することにより、凸部6b及び凸部7bを照射する。そして、第1撮像装置38が凸部6b及び凸部7bを撮像する。同様に、第2照明装置39aを点灯することにより、凸部6c及び凸部7cを照射する。そして、第2撮像装置39が凸部6c及び凸部7cを撮像する。このとき、撮像する画像が鮮明になるように撮像レンズ38b及び撮像レンズ39bのフォーカス調整が事前に実施されている。
【0063】
図5(b)は、第1撮像装置38によって撮像された画像84を示している。画像84には位置合わせ用マーク6d及び位置合わせ用マーク7dが撮像されている。従って、1つの画像84を用いて位置合わせ用マーク6d及び位置合わせ用マーク7dの位置を測定することができる。
【0064】
撮像装置は撮像可能な有効画素が多い方が精度良く位置合わせ用マーク6d及び位置合わせ用マーク7dの位置を測定することができる。一方、撮像装置は有効画素が多い程、画素欠陥の無い撮像装置を製造することが難しいので、画素欠陥が無く有効画素が多い撮像装置を用意することが困難となっている。本実施形態では、例えば、縦方向及び横方向共に1000画素の画素を備えた撮像装置を採用している。そして、撮像範囲を縦横共に0.6mmになるように撮像レンズの倍率を設定することにより、測定分解能を0.6μmにしている。従って、所望の測定分解能に対して、画素数を掛算して撮像範囲を設定する。そして、その撮像範囲に2つの位置合わせ用マークが入るように位置合わせ用マークを形成した後、撮像範囲に入るように配置することにより、2つの位置合わせ用マークの位置を所望の測定分解能で測定することができる。尚、本実施形態においては、第1撮像装置38、第2撮像装置39、第3撮像装置41、第4撮像装置42共に上述の画素数を備えた撮像装置を採用している。そして、上述の撮像レンズの倍率を設定することにより、各撮像装置を用いたときの測定分解能を、例えば、0.6μmにしている。
【0065】
次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク6dの中心6f及び位置合わせ用マーク7dの中心7fの位置を演算する。中心6f及び中心7fの位置の演算は、画像84の左下の第1基準位置84aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第1基準位置84aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第1基準位置84aの座標データと第1基準位置84aを原点とする中心6f及び中心7fの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10の座標軸における中心6f及び中心7fの座標を演算する。
【0066】
図5(c)は、第2撮像装置39によって撮像された画像85を示している。画像84と同様に、画像85には位置合わせ用マーク6e及び位置合わせ用マーク7eが撮像されている。従って、1つの画像85を用いて位置合わせ用マーク6e及び位置合わせ用マーク7eの位置を測定することができる。
【0067】
次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク6eの中心6g及び位置合わせ用マーク7eの中心7gの位置を演算する。中心6g及び中心7gの位置の演算は、画像85の左下の第2基準位置85aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第2基準位置85aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第2基準位置85aの座標データと第2基準位置85aを原点とする中心6g及び中心7gの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10の座標軸における中心6g及び中心7gの座標を演算する。
【0068】
図5(d)はステップS2の基板移動工程に対応する図である。図5(d)に示すように、フレキシブル基板6が第1載置台16に載置され、フレキシブル基板7が第2載置台23に載置されている。ステージ制御演算部79は中心6f、中心6g、中心7f、中心7gを測定したデータと各中心を配置する目標の場所との差分を演算する。
【0069】
具体的には、まず、中心6fと中心6gとの中点を演算し、この中点と中点を配置する目標の場所との差分を演算する。次に、中心6fと中心6gとを結ぶ線分とX軸とがなす角度を演算する。そして、この線分と線分を配置する目標の角度との差分を演算する。続いて、演算した差分にもとづいて第1ステージ17を駆動することにより、フレキシブル基板6をXY方向に移動させ、中点のZ方向を中心にして回転させる。そして、ステージ制御演算部79は中心6f及び中心6gを目標とする場所と略同じ場所に移動する。次に、同様の方法にて、ステージ制御演算部79は中心7f及び中心7gを目標とする場所と略同じ場所に移動する。
【0070】
図6(a)〜図6(c)はステップS3の第2マーク測定工程に対応する図である。図6(a)に示すように、第3ステージ24の第3載置台29に基板2を載置した後、基板2を第3載置台29に吸着させる。第3載置台29には位置決め用のピンが複数配置され、位置決め用のピンの側面に接するように基板2を載置することにより、基板2は略所定の位置に載置することができるようになっている。
【0071】
次に、第3照明装置41a及び第4照明装置42aを点灯することにより、位置合わせ用マーク2a及び位置合わせ用マーク2bを照射する。そして、第3撮像装置41が位置合わせ用マーク2aを撮像し、第4撮像装置42が位置合わせ用マーク2bを撮像する。このとき、撮像する画像が鮮明になるように撮像レンズ41b及び撮像レンズ42bのフォーカス調整が事前に実施されている。
【0072】
図6(b)は、第3撮像装置41によって撮像された画像86を示している。画像86には位置合わせ用マーク2aが撮像されている。次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク2aの中心2cの位置を演算する。中心2cの位置の演算は、画像86の左下の第3基準位置86aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第3基準位置86aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第3基準位置86aの座標データと第3基準位置86aを原点とする中心2cの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10の座標軸における中心2cの座標を演算する。
【0073】
図6(c)は、第4撮像装置42によって撮像された画像87を示している。画像86と同様に、画像87には位置合わせ用マーク2bが撮像されている。次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク2bの中心2dの位置を演算する。中心2dの位置の演算は、画像87の左下の第4基準位置87aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第4基準位置87aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第4基準位置87aの座標データと第4基準位置87aを原点とする中心2dの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10の座標軸における中心2dの座標を演算する。
【0074】
図6(d)〜図7(c)はステップS4の基板合わせ工程に対応する図である。図6(d)に示すように、基板2が第3載置台29に載置されている。ステージ制御演算部79は中心2c及び中心2dを測定したデータと各中心を配置する目標の場所との差分を演算する。
【0075】
具体的には、まず、中心2cと中心2dとの中点を演算し、この中点と中点を配置する目標の場所との差分を演算する。次に、中心2cと中心2dとを結ぶ線分とX軸とがなす角度を演算する。そして、この線分と線分を配置する目標の角度との差分を演算する。続いて、演算した差分にもとづいて第3ステージ24を駆動することにより、基板2をXY方向に移動させ、中点のZ方向を中心にして回転させる。そして、ステージ制御演算部79は中心2c及び中心2dを目標とする場所と略同じ場所に移動する。
【0076】
次に、図7(a)に示すように、ステージ制御演算部79は第4ステージ34を移動させることにより、吸引加熱装置36をフレキシブル基板6とフレキシブル基板7との間の場所と対向する場所に移動する。続いて、ステージ制御演算部79はヒータ昇降装置35を駆動することにより、吸引加熱装置36を下降させる。そして、ステージ制御演算部79は吸引加熱装置36をフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7に接触させる。次に、ステージ制御演算部79は吸引加熱装置36の基板チャック機構を駆動することにより、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を吸引加熱装置36に吸着させる。そして、ステージ制御演算部79はヒータ昇降装置35を駆動することにより、吸引加熱装置36を上昇させる。
【0077】
次に、図7(b)に示すように、ステージ制御演算部79は第4ステージ34を移動させることにより、吸引加熱装置36を基板2と対向する場所に移動する。続いて、図7(c)に示すように、ステージ制御演算部79はヒータ昇降装置35を駆動することにより、吸引加熱装置36を下降させる。このとき、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7は吸引加熱装置36に対して位置合わせされており、吸引加熱装置36は予め設定された位置に移動する。そして、基板2も予め設定された位置に位置合わせされているので、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7と基板2とは予め設定された相対位置に配置される。
【0078】
図7(c)及び図7(d)はステップS5の実装工程に対応する図である。図7(c)に示すように、圧着制御演算部83は所定の圧力でフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を基板2に押圧する。フレキシブル基板6の凹部6aの付近及びフレキシブル基板7の凹部7aの付近で基板2と接触する場所には、予め異方性導電ペーストが塗布された後、この異方性導電ペーストが乾燥されている。続いて、圧着制御演算部83は吸引加熱装置36を発熱させることにより、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を所定の温度まで加熱させる。そして、所定の時間が経た後、圧着制御演算部83は吸引加熱装置36を冷却させる。
【0079】
その結果、図7(d)に示すように、基板2とフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7とが固着される。異方性導電ペーストには導電性の粒子が混在しており、この導電性の粒子によりフレキシブル基板6に形成された端子と基板2に形成された端子とが電気的に接続される。同様に、フレキシブル基板7に形成された端子と基板2に形成された端子とが電気的に接続される。基板2、フレキシブル基板6、フレキシブル基板7はそれぞれ位置を調整した後、配置されているので、それぞれ対応する端子は品質よく電気的に接続することができる。以上の工程により、基板上に2つの基板が配置された実装構造体を製造する製造工程を終了する。
【0080】
上述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS1の第1マーク測定工程では、位置合わせ用マーク6d,6e,7d,7eを撮像して、各位置合わせ用マークの位置を測定する。このとき、位置合わせ用マーク6dと位置合わせ用マーク7dの位置合わせ用マークを1つの画像84に撮像して測定している。同様に、位置合わせ用マーク6eと位置合わせ用マーク7eの位置合わせ用マークを1つの画像85に撮像して測定している。従って、1つの位置合わせ用マークを1つの画像に撮像する方法に比べて、少ない回数の撮像により、所定の個数における位置合わせ用マークの位置を測定することができる。その結果、生産性良く位置合わせ用マークの位置を測定することができる。
【0081】
(2)本実施形態によれば、ステップS2の基板移動工程においてフレキシブル基板6とフレキシブル基板7との相対位置を所定の位置に合わせている。そして、ステップS4の基板合わせ工程にてフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7と基板2との相対位置を合わせている。そして、ステップS5の実装工程ではフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を基板2に同時に固着している。従って、実装工程においてフレキシブル基板6と基板2とを固着した後、フレキシブル基板7と基板2とを固着する方法に比べて、生産性良くフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7とを基板2に実装することができる。
【0082】
(3)本実施形態によれば、フレキシブル基板6では凸部6bに位置合わせ用マーク6dが形成され、凸部6cに位置合わせ用マーク6eが形成されている。同様に、フレキシブル基板7では凸部7bに位置合わせ用マーク7dが形成され、凸部7cに位置合わせ用マーク7eが形成されている。従って、基板2に第2半導体素子4があるときにも第2半導体素子4を避けて凸部6b、凸部6c、凸部7b、凸部7cを配置することにより、複数の位置合わせ用マークを接近して配置することができる。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、液滴吐出ヘッドとその製造方法の一実施形態について図8〜図14を用いて説明する。この実施形態が第1の実施形態と異なるところは、実装構造体の製造方法を用いて液滴吐出ヘッドを製造する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0084】
(液滴吐出ヘッド)
最初に、液滴吐出ヘッドについて説明する。図8は液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図である。図8(a)は液状体を供給する側から見た図であり、図8(b)は液滴を吐出する側から見た図である。図8に示すように、液滴吐出ヘッド91は略直方体に形成されている。液滴吐出ヘッド91の長手方向をX方向とし、長手方向と直交する方向をY方向とする。そして、液滴吐出ヘッド91が液滴を吐出する方向をZ方向の逆の方向とする。
【0085】
液滴吐出ヘッド91は、液滴を吐出するノズル92が形成されたノズルプレート93を備えている。ノズルプレート93は液滴に対する耐腐食性と剛性のある板材であれば良く、金属板、シリコン板、ガラス板等を用いることができる。本実施形態では、例えば、ステンレス板を採用している。ノズルプレート93にはノズル92が2列配列して形成され、各列には9個のノズル92が形成されている。各列のノズル数は9個に限定されず、液滴吐出ヘッド91の要求仕様に合わせて設定できる。
【0086】
ノズルプレート93と重ねて略直方体の流路形成基板94が配置され、流路形成基板94と重ねて振動板95が配置されている。流路形成基板94は、液滴に対する耐腐食性と剛性のある板材であれば良く、金属板、シリコン板、ガラス板等を用いることができる。本実施形態では、例えば、シリコン単結晶からなる板を採用している。振動板95は液滴に対する耐腐食性と振動可能な伸縮性と強度のある板材であれば良く、金属板、シリコン板、ガラス板、強化樹脂等を用いることができる。本実施形態では、例えば、ステンレス板を採用している。
【0087】
略直方体をした一対の補強部材96及び補強部材97が振動板95の上に重ねて配置されている。補強部材96と補強部材97とは離して配置され、補強部材96及び補強部材97の間には空間が形成されている。補強部材96及び補強部材97は液滴に対する耐腐食性と剛性のある板材であれば良く、金属板、シリコン板、ガラス板等を用いることができる。本実施形態では、例えば、シリコン単結晶からなる板を採用している。補強部材96及び補強部材97にはそれぞれ導入口96a及び導入口97aが形成され、吐出する液滴を構成する液状体を供給可能になっている。
【0088】
補強部材96と重ねて配線基板としてのフレキシブル基板98が配置され、補強部材97と重ねて配線基板としてのフレキシブル基板99が配置されている。フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99は、補強部材96と補強部材97との間で一部が振動板95と固着されている。フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99は可撓性を有する基板であり、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99の振動板95と対向する面には液滴吐出ヘッド91に電気信号を供給する配線が形成されている。そして、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99の配線が形成されている面には駆動回路部100が配置されている。駆動回路部100は、液滴吐出ヘッド91に入力される電気信号から液滴を吐出する駆動信号を形成する機能を備えている。
【0089】
図9は、液滴吐出ヘッドの構造を示す概略分解斜視図である。図9に示すように、流路形成基板94においてノズル92と対向する場所には圧力室101が形成され、ノズル92と圧力室101とが連通して配置されている。従って、流路形成基板94にはノズル92と同数の圧力室101がノズル92と同様に2列配列して配置されている。流路形成基板94には流路孔102が形成され、流路孔102は各圧力室101と図示しない流路により接続されている。
【0090】
流路形成基板94と重ねて配置される振動板95には圧力室101と対向する場所に駆動部としての駆動素子103が配置されている。従って、振動板95にはノズル92と同数の駆動素子103がノズル92と同様に2列配列して配置されている。駆動素子103には下電極膜104及び上電極膜105が配置され、下電極膜104及び上電極膜105は、2列の駆動素子103の間に向かって配置されている。下電極膜104は2列の駆動素子103の間でX方向に延在する配線104aと接続されている。そして、各駆動素子103の下電極膜104は電気的に接続されている。振動板95において流路孔102と対向する場所には流路孔106が配置され、流路孔102と流路孔106とが接続して配置されている。
【0091】
駆動素子103が配置された振動板95の上に重ねて、一対の補強部材96及び補強部材97が配置されている。補強部材96に形成された導入口96aと、流路孔106、流路孔102は接続して配置され、各孔を液状体が通過可能になっている。同様に、補強部材97に形成された導入口97aと、流路孔106、流路孔102は接続して配置され、各孔を液状体が通過可能になっている。
【0092】
図10(a)は、液滴吐出ヘッドを示す模式平面図である。図10(a)に示すように、フレキシブル基板98は左下側に凸部98aを備え、右下側に凸部98bを備えている。そして、フレキシブル基板98の振動板95側の面において凸部98aと凸部98bとの間は端子が配列して配置された端子部98gとなっている。同様に、フレキシブル基板99は左上側に凸部99aを備え、右上側に凸部99bを備えている。そして、フレキシブル基板99の振動板95側の面において凸部99aと凸部99bとの間は端子が配列して配置された端子部99gとなっている。この凸部98aと凸部99aとが対向して配置され、凸部98bと凸部99bとが対向して配置されている。
【0093】
図10(b)及び図10(c)は、フレキシブル基板を示す要部模式平面図である。図10(b)に示すように、凸部98aには位置合わせ用マーク98cが形成され、凸部99aには位置合わせ用マーク99cが形成されている。そして、凸部98aと凸部99aとの間の場所における振動板95上には位置合わせ用マーク95aが形成されている。同様に、図10(c)に示すように、凸部98bには位置合わせ用マーク98dが形成され、凸部99bには位置合わせ用マーク99dが形成されている。そして、凸部98bと凸部99bとの間の場所における振動板95上には位置合わせ用マーク95bが形成されている。位置合わせ用マーク95a及び位置合わせ用マーク95bは下電極膜104または上電極膜105と同じ材料を用いて同じ工程にて製造することが可能である。
【0094】
図10(d)は液滴吐出ヘッドの構造を示す模式断面図である。図10(d)に示すように、液滴吐出ヘッド91はノズルプレート93を備え、ノズルプレート93にはノズル92が形成されている。ノズルプレート93の上側であって、ノズル92と対向する場所には、ノズル92と連通する圧力室101が形成されている。そして、図示しない供給装置に貯留されている液状体111が図示しない流路及び導入口97a、流路孔102等の流路101a及び圧力室入口101bを通って圧力室101に供給される。
【0095】
圧力室101の上側には、上下方向(Z方向)に振動して、圧力室101内の容積を拡大縮小する振動板95と、左右方向に伸縮して振動板95を振動させる駆動部としての駆動素子103が配設されている。駆動素子103は、下電極膜104、圧電素子107、上電極膜105がこの順で振動板95の上面に配置されている。振動板95の駆動素子103が配置された側の面には図示しない絶縁膜が形成され、下電極膜104及び上電極膜105に電流が流動するときにも、振動板95には電流が流動しないようになっている。そして、下電極膜104と上電極膜105との間に電圧を印加することにより圧電素子107が伸縮可能になっている。
【0096】
駆動素子103の上側(Z方向)には補強部材97が配置されている。補強部材97の駆動素子103側には凹部97bが形成され、凹部97bが駆動素子103を覆って配置されている。そして、補強部材97が駆動素子103を密閉するように配置されているので、補強部材97は駆動素子103に塵が付着することを防止できる。
【0097】
振動板95及び補強部材97の上にはフレキシブル基板99が配置されている。フレキシブル基板99の振動板95側の面には複数の図示しない配線が配置されている。そして、この配線と上電極膜105及び下電極膜104とが電気的に接続されている。補強部材96とフレキシブル基板98との間には樹脂材料等からなるレジスト108が塗布され、フレキシブル基板98に形成された電気回路に塵や水分が付着することを防止している。同様に、補強部材97とフレキシブル基板99との間にも樹脂材料等からなるレジスト108が塗布されている。さらに、振動板95のフレキシブル基板98とフレキシブル基板99との間にもレジスト108が塗布されている。
【0098】
そして、液滴吐出ヘッド91が駆動素子103を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、駆動素子103が伸縮して、振動板95が圧力室101内の容積を拡大縮小して圧力室101を加圧する。その結果、液滴吐出ヘッド91のノズル92から、縮小した容積分の液状体111が液滴112として吐出される。ノズル92、圧力室101、振動板95、駆動素子103等により液滴吐出素子113が構成され、1つの液滴吐出ヘッド91には複数の液滴吐出素子113が配列して形成されている。
【0099】
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
次に、第1の実施形態における実装構造体の製造方法を用いて、液滴吐出ヘッドを製造する製造方法について図11〜図14にて説明する。図11は、液滴吐出ヘッドを製造する製造工程を示すフローチャートであり、図12〜図14は、液滴吐出ヘッドの製造方法を説明する図である。
【0100】
ステップS11は、配線基板マーク測定工程に相当し、2つのフレキシブル基板をステージに載置した後、2つのフレキシブル基板に形成されている位置合わせ用マークの位置を測定する工程である。次にステップS12に移行する。ステップS12は、基板移動工程に相当し、2つのフレキシブル基板の相対位置を移動して、位置合わせ用マークの相対位置を所定の位置にする工程である。次にステップS13に移行する。ステップS13は、振動板マーク測定工程に相当し、基板をステージに載置した後、振動板に形成されている位置合わせ用マークの位置を測定する工程である。次にステップS14に移行する。ステップS14は、基板合わせ工程に相当し、振動板の上に2つのフレキシブル基板を重ねて、位置を合わせる工程である。次にステップS15に移行する。ステップS15は、実装工程に相当し、振動板と2つのフレキシブル基板とを接合する工程である。次にステップS16に移行する。ステップS16は、レジスト塗布工程に相当し、振動板上及び振動板とフレキシブル基板との間にレジストを塗布する工程である。以上で、液滴吐出ヘッドを製造する製造工程を終了する。
【0101】
次に、図12〜図14を用いて、図11に示したステップと対応させて、液滴吐出ヘッド91の製造方法を詳細に説明する。図12(a)〜図12(c)はステップS11の配線基板マーク測定工程に対応する図である。図12(a)に示すように、第1ステージ17の第1載置台16にフレキシブル基板98を載置した後、フレキシブル基板98を第1載置台16に吸着させる。同様に、第2ステージ18の第2載置台23にフレキシブル基板99を載置した後、フレキシブル基板99を第2載置台23に吸着させる。駆動回路部100が実装されたフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99の製造方法は公知であり説明を省略する。第1載置台16及び第2載置台23には駆動回路部100の形状に凹部が形成され、駆動回路部100をその凹部に配置してフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99を第1載置台16及び第2載置台23にそれぞれ載置する。従って、第1載置台16及び第2載置台23はフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99をそれぞれ吸着することが可能になっている。
【0102】
次に、第1照明装置38aを点灯することにより、凸部98a及び凸部99aを照射する。そして、第1撮像装置38が凸部98a及び凸部99aを撮像する。同様に、第2照明装置39aを点灯することにより、凸部98b及び凸部99bを照射する。そして、第2撮像装置39が凸部98b及び凸部99bを撮像する。
【0103】
図12(b)は、第1撮像装置38によって撮像された画像114を示している。画像114には位置合わせ用マーク98c及び位置合わせ用マーク99cが撮像されている。従って、1つの画像114を用いて位置合わせ用マーク98c及び位置合わせ用マーク99cの位置を測定することができる。
【0104】
次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク98cの中心98e及び位置合わせ用マーク99cの中心99eの位置を演算する。中心98e及び中心99eの位置の演算は、画像114の左下の第1基準位置114aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第1基準位置114aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第1基準位置114aの座標データと第1基準位置114aを原点とする中心98e及び中心99eの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10の座標軸における中心98e及び中心99eの座標を演算する。
【0105】
図12(c)は、第2撮像装置39によって撮像された画像115を示している。画像114と同様に、画像115には位置合わせ用マーク98d及び位置合わせ用マーク99dが撮像されている。従って、1つの画像115を用いて位置合わせ用マーク98d及び位置合わせ用マーク99dの位置を測定することができる。
【0106】
次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク98dの中心98f及び位置合わせ用マーク99dの中心99fの位置を演算する。中心98f及び中心99fの位置の演算は、画像115の左下の第2基準位置115aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第2基準位置115aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第2基準位置115aの座標データと第2基準位置115aを原点とする中心98f及び中心99fの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10の座標軸における中心98f及び中心99fの座標を演算する。
【0107】
図12(d)はステップS12の基板移動工程に対応する図である。図12(d)に示すように、フレキシブル基板98が第1載置台16に載置され、フレキシブル基板99が第2載置台23に載置されている。ステージ制御演算部79は中心98e、中心98f、中心99e、中心99fを測定したデータと各中心を配置する目標の場所との差分を演算する。
【0108】
具体的には、まず、中心98eと中心98fとの中点を演算し、この中点と中点を配置する目標の場所との差分を演算する。次に、中心98eと中心98fとを結ぶ線分とX軸とがなす角度を演算する。そして、この線分と線分を配置する目標の角度との差分を演算する。続いて、演算した差分にもとづいて第1ステージ17を駆動することにより、フレキシブル基板98をXY方向に移動させ、中点のZ方向を中心にして回転させる。そして、ステージ制御演算部79は中心98e及び中心98fを目標とする場所と略同じ場所に移動する。次に、同様の方法にて、ステージ制御演算部79は中心99e及び中心99fを目標とする場所と略同じ場所に移動する。
【0109】
図13(a)〜図13(c)はステップS13の振動板マーク測定工程に対応する図である。図13(a)に示すように、第3ステージ24の第3載置台29に吐出ヘッド本体116を載置した後、吐出ヘッド本体116を第3載置台29に吸着させる。吐出ヘッド本体116は、ノズルプレート93、流路形成基板94、振動板95、補強部材96、補強部材97が組み立てられたものであり、液滴吐出ヘッド91の1部分が形成された物である。吐出ヘッド本体116の製造方法は公知であり、説明を省略する。
【0110】
次に、第3照明装置41a及び第4照明装置42aを点灯することにより、位置合わせ用マーク95a及び位置合わせ用マーク95bを照射する。そして、第3撮像装置41が位置合わせ用マーク95aを撮像し、第4撮像装置42が位置合わせ用マーク95bを撮像する。このとき、撮像する画像が鮮明になるように撮像レンズ41b及び撮像レンズ42bのフォーカス調整が事前に実施されている。
【0111】
図13(b)は、第3撮像装置41によって撮像された画像117を示している。画像117には位置合わせ用マーク95aが撮像されている。次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク95aの中心95cの位置を演算する。中心95cの位置の演算は、画像117の左下の第3基準位置117aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第3基準位置117aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第3基準位置117aの座標データと第3基準位置117aを原点とする中心95cの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸における中心95cの座標を演算する。
【0112】
図13(c)は、第4撮像装置42によって撮像された画像118を示している。画像117と同様に、画像118には位置合わせ用マーク95bが撮像されている。次に、マーク位置演算部82は位置合わせ用マーク95bの中心95dの位置を演算する。中心95dの位置の演算は、画像118の左下の第4基準位置118aを原点として、X方向及びY方向の画素の個数に測定分解能を掛算して算出する。次に、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸上の第4基準位置118aの座標データをメモリ47から入力する。続いて、この第4基準位置118aの座標データと第4基準位置118aを原点とする中心95dの座標データとを用いて、マーク位置演算部82は実装装置10における座標軸における中心95dの座標を演算する。
【0113】
図13(d)〜図14(c)はステップS14の基板合わせ工程に対応する図である。図13(d)に示すように、吐出ヘッド本体116が第3載置台29に載置されている。ステージ制御演算部79は中心95c及び中心95dを測定したデータと各中心を配置する目標の場所との差分を演算する。
【0114】
具体的には、まず、中心95cと中心95dとの中点を演算し、この中点と中点を配置する目標の場所との差分を演算する。次に、中心95cと中心95dとを結ぶ線分とX軸とがなす角度を演算する。そして、この線分と線分を配置する目標の角度との差分を演算する。続いて、演算した差分にもとづいて第3ステージ24を駆動することにより、吐出ヘッド本体116をXY方向に移動させ、中点のZ方向を中心にして回転させる。そして、ステージ制御演算部79は中心95c及び中心95dを目標とする場所と略同じ場所に移動する。
【0115】
次に、図14(a)に示すように、ステージ制御演算部79は第4ステージ34を移動させることにより、吸引加熱装置36をフレキシブル基板98とフレキシブル基板99との間の場所と対向する場所に移動する。続いて、ステージ制御演算部79はヒータ昇降装置35を駆動することにより、吸引加熱装置36を下降させる。そして、ステージ制御演算部79は吸引加熱装置36をフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99に接触させる。次に、ステージ制御演算部79は吸引加熱装置36の基板チャック機構を駆動することにより、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99を吸引加熱装置36に吸着させる。そして、ステージ制御演算部79はヒータ昇降装置35を駆動することにより、吸引加熱装置36を上昇させる。
【0116】
次に、図14(b)に示すように、ステージ制御演算部79は第4ステージ34を移動させることにより、吸引加熱装置36を吐出ヘッド本体116と対向する場所に移動する。続いて、図14(c)に示すように、ステージ制御演算部79はヒータ昇降装置35を駆動することにより、吸引加熱装置36を下降させる。このとき、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99は吸引加熱装置36に対して位置合わせされており、吸引加熱装置36は予め設定された位置に移動する。そして、吐出ヘッド本体116も予め設定された位置に位置合わせされているので、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99と吐出ヘッド本体116とは予め設定された相対位置に配置される。
【0117】
図14(c)はステップS15の実装工程に対応する図である。図14(c)に示すように、圧着制御演算部83は所定の圧力でフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99を振動板95に押圧する。フレキシブル基板98の端子部98gの付近及びフレキシブル基板99の端子部99gの付近で振動板95と接触する場所には、予め異方性導電ペーストが塗布された後、この異方性導電ペーストが乾燥されている。続いて、圧着制御演算部83は吸引加熱装置36を発熱させることにより、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99を所定の温度まで加熱させる。そして、所定の時間が経た後、圧着制御演算部83は吸引加熱装置36を冷却させる。その結果、振動板95とフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99とが固着される。異方性導電ペーストによりフレキシブル基板98に形成された端子と振動板95に形成された端子とが電気的に接続される。同様に、フレキシブル基板99に形成された端子と振動板95に形成された端子とが電気的に接続される。吐出ヘッド本体116の振動板95、フレキシブル基板98、フレキシブル基板99はそれぞれ位置を調整した後、配置されているので、それぞれ対応する端子は品質よく電気的に接続することができる。
【0118】
図14(d)はステップS16のレジスト塗布工程に対応する図である。図14(d)に示すように、補強部材96とフレキシブル基板98との間にレジスト108の材料を塗布する。同様に、補強部材97とフレキシブル基板99との間にレジスト108の材料を塗布する。さらに、振動板95、フレキシブル基板98、フレキシブル基板99上の端子部98g及び端子部99gの付近にレジスト108の材料を塗布する。その後、吐出ヘッド本体116を乾燥させることにより、レジスト108を固化する。以上の工程により、液滴吐出ヘッド91を製造する製造工程を終了する。
【0119】
上述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS11の配線基板マーク測定工程では、フレキシブル基板98及びフレキシブル基板99における位置合わせ用マーク98c,98d,99c,99dを撮像して、位置合わせ用マーク98c,98d,99c,99dの位置を測定する。このとき、2つの位置合わせ用マークを1つの画像に撮像して測定している。従って、1つの位置合わせ用マークを1つの画像に撮像する方法に比べて、少ない回数の撮像により位置合わせ用マーク98c,98d,99c,99dの位置を測定することができる。その結果、生産性良く位置合わせ用マーク98c,98d,99c,99dの位置を測定できる為、生産性良く液滴吐出ヘッド91を製造することができる。
【0120】
(2)本実施形態によれば、ステップS12の基板移動工程においてフレキシブル基板98とフレキシブル基板99との相対位置を所定の位置に合わせている。そして、ステップS14の基板合わせ工程にてフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99と振動板95との相対位置を合わせている。そして、ステップS15の実装工程ではフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99と振動板95とを固着している。従って、ステップS15の実装工程においてフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99を1つずつ振動板95に固着する方法に比べて、生産性良くフレキシブル基板98及びフレキシブル基板99を振動板95に実装することができる。
【0121】
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良等を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、フレキシブル基板6の角に凸部6b及び凸部6cが形成され、フレキシブル基板7の角に凸部7b及び凸部7cが形成されていたが、凸部が配置される場所は角に限定されない。例えば、図15(a)に示すように、角以外の場所に凸部121を配置して、凸部121に位置合わせ用マーク122を配置しても良い。この場合にも、複数の位置合わせ用マーク122を1つの画像123に撮像することにより、生産性よく位置合わせ用マーク122の位置を測定することができる。さらに、凸部121を配置する場所の自由度を大きくすることができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0122】
(変形例2)
前記第1の実施形態では、フレキシブル基板6の角に凸部6b及び凸部6cが形成され、凸部6b、凸部6cにそれぞれ位置合わせ用マーク6d、位置合わせ用マーク6eを配置したが、位置合わせ用マークを配置する場所は、凸部に限定されない。さらに、位置合わせ用マークを配置する場所は基板の角に限定されない。図15(b)に示すように、基板124の辺124aに近い場所に位置合わせ用マークを配置することにより、複数の位置合わせ用マーク125を近づけて配置することができる。この場合にも、複数の位置合わせ用マークを1つの画像126に撮像することにより、生産性良く位置合わせ用マーク125の位置を測定することができる。基板124に凸部が形成されないので、外形形状が変形し難くすることができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0123】
(変形例3)
前記第1の実施形態では、2つの位置合わせ用マークを1つの画像に撮像したが、3つ以上でも良い。図15(b)に示すように、3つ以上の位置合わせ用マークを近づけることにより、1つの画像126に3つ以上の位置合わせ用マークを撮像することができる。基板124は角が直角に形成され、角に近い場所に位置合わせ用マーク125を配置することにより、1つの画像126に4つの位置合わせ用マーク125を撮像することができる。さらに、角を90度未満にすることにより、1つの画像126に5つ以上の位置合わせ用マーク125を撮像することができる。1つの画像126に撮像する位置合わせ用マーク125の数が多い方が少ない場合に比べて1つの画像で多くの位置合わせ用マーク125の位置を測定することができる。従って、生産性良く位置合わせ用マーク125の位置を測定することができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0124】
(変形例4)
前記第1の実施形態では、2つの基板を対向させて配置したが、基板は2つに限定されない。図15(c)及び図15(d)に示すように、3つ以上の基板127を連結して配置しても良い。この場合にも、複数の位置合わせ用マーク129を1つの画像128に撮像することにより、生産性良く位置合わせ用マーク129の位置を測定することができる。また、基板127の配置パターンの自由度が大きくなるので、基板127を配置し易くすることができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0125】
(変形例5)
前記第1の実施形態では、縦横方向共に1000画素の画素を備えた撮像装置を採用した。そして、撮像範囲を縦横共に0.6mmになるように撮像レンズの倍率を設定することにより、測定分解能を0.6μmにしていた。画素数と撮像レンズの倍率との組み合わせはこれに限らず、他の組み合わせでも良い。撮像装置の画素数は縦横方向共に1000画素を超えて、2000画素でも良い。測定分解能が0.3μmと小さくなるので、さらに精度良く測定することができる。また、撮像範囲を縦横共に1.2mmに広くしても良い。そして、縦横方向共に1000画素の画素を備えた撮像装置を採用することにより、測定分解能を0.6μmにしても良い。凸部とマークとを形成するときに微細さが要求されなくなるので、凸部とマークを形成し易くすることができる。また、撮像レンズの倍率を高くしても良い。この場合にも測定分解能が小さくなるので、さらに精度良く測定することができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0126】
(変形例6)
前記第1の実施形態では、位置合わせ用マーク6d,6e,7d,7eは円形に形成されたが、円形に限らない。例えば、四角形や十字形等の図形から1点が抽出できる図形であれば良い。4角形は対角を用いて中心となる点を演算し易い図形である。また、十字形も2つの直線の交差する点を抽出し易いので、特定の1点を演算し易い図形である。このような図形を用いることにより簡便に特定の1点を抽出することができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0127】
(変形例7)
前記第1の実施形態において、基板2に形成された端子と位置合わせ用マーク2a及び位置合わせ用マーク2bとは同じ材料を用いて同じ工程にて形成されても良い。位置合わせ用マーク2a及び位置合わせ用マーク2bは撮像装置にて撮像可能なマークであれば良いので、端子を同じ材料にて形成されても良い。そして、端子を形成する工程で同時に形成することにより、端子を形成する工程と、位置合わせ用マーク2a及び位置合わせ用マーク2bを形成する工程とを2つの工程で形成する場合に比べて、生産性良く位置合わせ用マーク2a及び位置合わせ用マーク2bを形成することができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0128】
(変形例8)
前記第1の実施形態では、ステップS1の第1マーク測定工程とステップS2の基板移動工程の後、ステップS3の第2マーク測定工程を実施したが、ステップの順番を変更しても良い。例えば、ステップS1とステップS2とを実施している間にステップS3を並行して実施しても良い。短い時間でステップS1からステップS3まで実施されるので、生産性良く位置合わせ用マークの位置を測定することができる。また、ステップS3を実施した後、ステップS1及びステップS2を行っても良い。この場合にも、生産性良く位置合わせ用マークの位置を測定することができる。
【0129】
さらに、ステップS1の後にステップS3を実施し、ステップS3の後にステップS2とを行っても良い。さらに、ステップS1とステップS3を同時に実施し、その後にステップS2を行っても良い。ステップS1とステップS3とを同時に実施することにより、生産性良く位置合わせ用マークの位置を測定することができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0130】
(変形例9)
前記第1の実施形態では、ステップS2の基板移動工程においてフレキシブル基板6とフレキシブル基板7との相対位置を調整した後、ステップS4の基板合わせ工程においてフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を基板2に配置した。ステップS2の後に再度ステップS1の第1マーク測定工程を行い、位置合わせ用マークの相対位置を測定して検査しても良い。そして、位置合わせ用マークの相対位置が所定の位置にあることを検査してステップS4に移行しても良い。さらに精度良くフレキシブル基板6とフレキシブル基板7との相対位置を調整することができる。
【0131】
(変形例10)
前記第1の実施形態では、ステップS1の第1マーク測定工程の後、ステップS2の基板移動工程においてフレキシブル基板6とフレキシブル基板7との相対位置を調整した後、ステップS4の基板合わせ工程においてフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を基板2に配置した。これに限らず、ステップS2を省略する方法を採用しても良い。この場合には、吸引加熱装置36はフレキシブル基板6とフレキシブル基板7とを別々に吸着可能にする。そして、ステップS1にて位置合わせ用マーク6d,6e,7d,7eの位置を測定する。そして、ステップS4において、まずフレキシブル基板6を基板2に配置する。このとき、第3ステージ24を駆動することにより、フレキシブル基板6と基板2との相対位置を所定の位置に合わせる。次に、フレキシブル基板7を基板2に配置する。このとき、第3ステージ24を駆動することにより、フレキシブル基板7と基板2との相対位置を所定の位置に合わせる。そして、ステップS5の実装工程において実装する。この方法の場合には、第1ステージ17及び第2ステージ18を移動させないので、実装装置10の第1ステージ17及び第2ステージ18が移動する機構を除くことができる。従って、実装装置10を簡便な装置にすることができる。
【0132】
(変形例11)
前記第1の実施形態では、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7は可撓性を有していた。第1半導体素子3及び第3半導体素子5のように基板2上に段差を形成する物がない場合には、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7は可撓性を有しない基板でも良い。従って、グラスファイバをエポキシ樹脂にて成形した基板や、シリコンを用いた基板等の基板を用いることができる。
【0133】
(変形例12)
前記第1の実施形態では、凸部6b,6c,7b,7cは矩形に形成されたが、矩形に限らず他の形状でも良い。例えば、楕円形や多角形でも良い。基板2上の配置する素子の形状に合わせて設定しても良い。基板2上の配置する素子の設計をし易くすることができる。この内容は前記第2の実施形態にも適用することができる。
【0134】
(変形例13)
前記第1の実施形態では、フレキシブル基板6に位置合わせ用マーク6dが配置され、フレキシブル基板7に位置合わせ用マーク7dが配置された。そして、位置合わせ用マーク6dと位置合わせ用マーク7dの略中央の場所と対向する基板2の場所に位置合わせ用マーク2aを配置した。基板2に配置する位置合わせ用マークは、フレキシブル基板6及びフレキシブル基板7を組み立てた後の位置合わせ用マーク6d及び位置合わせ用マーク7dと対向する場所に配置しても良い。第3撮像装置41が基板2に配置された位置合わせ用マークを撮像してCPU46がメモリ47に記憶する。そして、組み立てた後、第3撮像装置41が位置合わせ用マーク6dと位置合わせ用マーク7dを撮像して、CPU46が重なった位置合わせ用マークの位置を比較することにより基板2に対するフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7の位置を測定することができる。このとき、基板2の位置合わせ用マークとフレキシブル基板6及びフレキシブル基板7の位置合わせ用マークを比較することにより、位置合わせ用マーク位置の差を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】第1の実施形態にかかわり、(a)は実装構造体の構成を示す概略斜視図、(b)は実装構造体の模式平面図。
【図2】(a)は実装装置の模式平面図、(b)実装装置の模式側面図。
【図3】実装装置の電気制御ブロック図。
【図4】基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造工程を示すフローチャート。
【図5】基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造方法を説明する図。
【図6】基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造方法を説明する図。
【図7】基板上に2つの基板が配置された実装構造体の製造方法を説明する図。
【図8】第2の実施形態にかかわる滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図。
【図9】液滴吐出ヘッドの構造を示す概略分解斜視図。
【図10】(a)は液滴吐出ヘッドを示す模式平面図、(b)及び(c)はフレキシブル基板を示す要部模式平面図、(c)はフレキシブル基板を示す要部模式平面図、(d)は液滴吐出ヘッドの構造を示す模式断面図。
【図11】液滴吐出ヘッドを製造する製造工程を示すフローチャート。
【図12】液滴吐出ヘッドの製造方法を説明する図。
【図13】液滴吐出ヘッドの製造方法を説明する図。
【図14】液滴吐出ヘッドの製造方法を説明する図。
【図15】変形例にかかわる基板の配置例を示す図。
【符号の説明】
【0136】
2a,2b,6d,6e,7d,7e,95a,95b,98c,98d,99c,99d,122,125,129…位置合わせ用マーク、2…第2配線基板としての基板、6,7…第1配線基板としてのフレキシブル基板、6b,6c,7b,7c,98a,98b,99a,99b,121…凸部、95…振動板、98,99…配線基板としてのフレキシブル基板、103…駆動部としての駆動素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の第1配線基板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する第1マーク測定工程と、
配線と位置合わせ用マークとが配置された第2配線基板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する第2マーク測定工程と、
前記第1マーク測定工程の測定結果と前記第2マーク測定工程の測定結果とを用いて、前記第1配線基板の配線と前記第2配線基板の配線とが対向する場所に前記第1配線基板と前記第2配線基板とを相対移動する基板合わせ工程と、
前記第1配線基板の配線と前記第2配線基板の配線とを接続して固定する実装工程と、を有し、
前記第1マーク測定工程において、複数の前記位置合わせ用マークを1つの画像に撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定することを特徴とする実装構造体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の実装構造体の製造方法であって、
前記第1マーク測定工程の測定結果を用いて、複数の前記第1配線基板の相対位置を所定の位置に移動する基板移動工程、をさらに有することを特徴とする実装構造体の製造方法。
【請求項3】
液滴を吐出するための駆動部が振動板を振動させる液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
配線と複数の位置合わせ用マークとが配置された前記振動板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する振動板マーク測定工程と、
配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の配線基板の前記位置合わせ用マークを撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定する配線基板マーク測定工程と、
前記振動板マーク測定工程の測定結果と前記配線基板マーク測定工程の測定結果とを用いて、前記振動板の配線と前記配線基板の配線とが対向する場所に前記振動板と前記配線基板とを相対移動する基板合わせ工程と、
前記振動板の配線と前記配線基板の配線とを接続して固定する実装工程と、を有し、
前記配線基板マーク測定工程において、複数の前記位置合わせ用マークを1つの画像に撮像し、前記位置合わせ用マークの位置を測定することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
前記配線基板マーク測定工程の測定結果を用いて、複数の前記配線基板の相対位置を所定の位置に移動する基板移動工程、をさらに有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の第1配線基板と、
配線と位置合わせ用マークとが配置された第2配線基板と、を備え、
前記第1配線基板の配線と前記第2配線基板の配線とが接続して実装され、
複数の前記第1配線基板における前記位置合わせ用マークのうち少なくとも2つの前記位置合わせ用マークが、前記第1配線基板と前記第2配線基板とを実装するときに前記位置合わせ用マークを撮像する撮像装置の撮像範囲に配置されていることを特徴とする実装構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の実装構造体であって、
前記第1配線基板のうち少なくとも1つは前記第1配線基板の平面方向に凸部を有し、前記凸部に前記位置合わせ用マークが形成されていることを特徴とする実装構造体。
【請求項7】
液滴を吐出するための駆動部が振動板を振動させる液滴吐出ヘッドであって、
前記振動板には配線と位置合わせ用マークとが配置され、
配線と位置合わせ用マークとが配置された複数の配線基板を備え、
前記振動板の配線と前記配線基板の配線とが接続して実装され、
複数の前記配線基板における前記位置合わせ用マークのうち少なくとも2つの前記位置合わせ用マークが、前記振動板と前記配線基板とを実装するときに前記位置合わせ用マークを撮像する撮像装置の撮像範囲に配置されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の液滴吐出ヘッドであって、
前記配線基板のうち少なくとも1つは前記配線基板の平面方向に凸部を有し、前記凸部に前記位置合わせ用マークが形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−277750(P2009−277750A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125578(P2008−125578)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】