説明

実装済基板、電子部品実装方法、電子部品、及び配線基板

実装済基板(40)は、基板電極(22)が形成された配線基板(20)と、バンプ(13)が形成された電子部品(10)と、配線基板(20)と電子部品(10)とを接着する非導電性樹脂(30)とを備える。バンプ(13)の先端部(131)と基板電極(22)との間の領域は、先端部(131)と基板電極(22)とが接触している複数の接触領域(51)と、複数の接触領域(51)の周囲において非導電性樹脂(30)が介在する樹脂介在領域(52)とを有する。複数の接触領域(51)はバンプ(13)の先端部(131)に形成された複数の突起が押圧により基板電極(22)に接して潰れた領域であり、これにより、バンプ(13)と基板電極(22)との電気的接続の信頼性が高められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を配線基板に実装した実装済基板、該実装済基板を製造するための電子部品実装方法、並びに、前記実装済基板に用いられる電子部品、及び配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気製品の小型化に伴い、半導体のベアチップ等の電子部品を、微小ピッチにて電極が形成された配線基板に実装する技術が利用されている。この種の実装では、電子部品の電極にバンプを形成し、このバンプを介して電子部品の電極(以下、「部品電極」という。)と、配線基板の電極(以下、「基板電極」という。)とを電気的に接続する手法が多くの場合採用されており、さらに、電子部品と配線基板との間に非導電性フィルム(NCF:Non−Conductive Film)を介在させて、非導電性フィルムの接着力により電子部品と配線基板とを機械的に接合する、NSD(Non−Conductive Film Stud−Bump Direct Interconnection)工法と呼ばれるものも知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、NSD工法による実装済基板の製造方法として、以下の方法が記載されている。まず、配線基板の基板電極上に、熱硬化性樹脂から成る非導電性フィルムを貼り付ける。次に、先端が尖ったボールバンプであるスタッドバンプを形成した電子部品を、バンプと基板電極とを位置合わせして非導電性フィルムの上から所定の荷重で配線基板に押圧し、これにより、バンプの先端で非導電性フィルムを押し退けて、バンプと基板電極とを電気的に接続された状態とする。そして、この状態で非導電性フィルムを加熱して硬化させ、電子部品と配線基板とを非導電性フィルムの接着力により機械的に接合する。
【0004】
なお、電子部品を微細な基板電極に実装する手法としては、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との間に、絶縁性の樹脂に複数の細かい銀片を混入させたものである異方導電性のフィルムやペーストを介在させて、バンプと基板電極とを電気的に接続すると共に、電子部品と配線基板とを機械的に接合するものも知られている。例えば、特許文献2には、異方導電性ペーストを介在させる実装方法として、バンプの先端に微小な複数の突起を形成し、この突起を基板電極上の酸化膜を突き破って食い込んだ状態で接続させることにより、電気的接触の信頼性を高めることが記載されている。
【特許文献1】国際公開第98/30073号パンフレット
【特許文献2】特開平11−111761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来のNSD工法による実装方法において、電子部品の取扱時に先端が潰れて平らになったバンプや先端を予めレベリング、つまりバンプの先端をある程度潰して平坦化したバンプを使用すると、バンプの先端と基板電極との間の大部分に非導電性樹脂が挟まってしまい、電気的接続の信頼性が低下してしまう。また、NSD法ではバンプの先端を尖らせる必要があるため、バンプを基板電極に押し付ける距離が長くなるとともにバンプを基板電極に押し付ける荷重が大きくなる。電子部品を基板に実装する場合は、押圧時の荷重はなるべく小さい方が好ましい。
【0006】
又、前記特許文献2では、電子部品のバンプと配線基板の基板電極とは、導電性のペーストを介在させて接合することから、たとえバンプとランドとが直接に接触していなくても、両者間での導通は可能である。したがって、上述のような非導電性樹脂を介在させる場合における電気的接続の信頼性低下という問題を考慮する必要が無い。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との電気的接続の信頼性を向上することができる実装済基板、電子部品実装方法、電子部品、及び配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様の実装済基板によれば、電子部品が実装された実装済基板であって、複数の基板電極が形成された配線基板と、前記複数の基板電極に電気的にそれぞれ接続される複数のバンプが形成された電子部品と、少なくとも前記複数のバンプの周囲にて前記配線基板と前記電子部品とを接着する非導電性樹脂とを備え、前記複数のバンプのそれぞれの先端と前記先端に対向する基板電極との間の接合領域が、前記先端と前記基板電極とが接触する複数の接触領域と、前記複数の接触領域の周囲において前記非導電性樹脂が介在する樹脂介在領域とを有する。
【0008】
前記第1態様の実装済基板であって、前記複数の接触領域は、前記複数のバンプのそれぞれの前記先端に形成された複数の突起が押し潰された領域であるとしても良い。
【0009】
前記第1態様の実装済基板であって、前記複数の接触領域は、前記基板電極に形成された複数の突起が押し潰された領域であるとしても良い。
【0010】
又、前記第1態様の実装済基板において、前記接触領域は、前記接合領域の中央部では密に、周縁部では前記中央部に比して粗く形成してもよい。
【0011】
このように接合領域における単位面積当たりの接触領域の形成密度を接合領域内で変化させることで、非導電性樹脂を押し退けながらバンプと基板電極とを接合させるとき、接合領域から押し出される非導電性樹脂における流動抵抗が低減され、接合するバンプと基板電極との間に非導電性樹脂が封じ込まれてバンプと基板電極との導通が妨げられることを低減することができ、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0012】
又、前記第1態様の実装済基板において、前記樹脂介在領域は、前記接合領域の中央部から周縁部に向けて放射状に延在させてもよい。
【0013】
このように構成することで、非導電性樹脂を押し退けながらバンプと基板電極とを接合させるとき、接合領域から押し出される非導電性樹脂を効率的に排出することができる。よって、接合するバンプと基板電極との間に非導電性樹脂が封じ込まれてバンプと基板電極との導通が妨げられることを低減することができ、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0014】
又、前記第1態様の実装済基板において、前記接触領域は、前記接合領域の中央部では粗く、周縁部では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成してもよい。
【0015】
上述したように、バンプと基板電極とを接合させるときの、接合領域からの非導電性樹脂の排出性を考えると、前記接触領域は、接合領域の中央部で密に、周縁部で粗く形成されるのが好ましい。一方、バンプと基板電極とが位置ずれした場合を考慮すると、接触領域は、接合領域の周縁部で密になる方が電気的接続の信頼性は向上する。このように、接合領域からの非導電性樹脂の排出性と、バンプと基板電極とが位置ずれした場合とでは、対処方法が相反する。そこで、前記位置ずれの場合を考慮して、接触領域を接合領域の周縁部で密にするときには、接合領域を千鳥状に形成することで、ランダムに形成する場合に比べて非導電性樹脂の排出性を向上させることができる。よって、バンプと基板電極との位置ずれを考慮しつつバンプと基板電極との電気的接続の信頼性を向上させることもできる。
【0016】
又、本発明の第2態様における実装済基板は、電子部品が実装された実装済基板であって、
複数の基板電極が形成された配線基板と、
前記複数の基板電極に電気的にそれぞれ接続される複数のバンプが形成された電子部品とを備え、
前記複数のバンプのそれぞれの先端と前記先端に対向する基板電極との間の接合領域が、前記先端と前記基板電極とが接触する複数の接触領域と、前記複数の接触領域の周囲において非導電性樹脂が介在する樹脂介在領域とを有し、
前記接合領域の中央部と周縁部とにおいて前記接触領域の占める割合を異ならせる。
【0017】
前記第2態様において、前記接触領域は、前記中央部では密に、前記周縁部では前記中央部に比して粗く形成することができ、又、逆に、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成することができる。
又、前記第2態様において、前記樹脂介在領域は、前記中央部から前記周縁部に向けて放射状に延在させてもよい。
【0018】
このように接合領域における単位面積当たりの接触領域の形成密度を接合領域内で変化させることで、非導電性樹脂を介在させてバンプと基板電極とを接合させるとき、接合領域から押し出される非導電性樹脂における流動抵抗が低減され、接合するバンプと基板電極との間に非導電性樹脂が封じ込まれてバンプと基板電極との導通が妨げられることを低減することができ、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0019】
本発明の第3態様における電子部品実装方法は、電子部品を配線基板上に実装する電子部品実装方法であって、配線基板上に形成された複数の基板電極のそれぞれ、又は、電子部品に形成された複数のバンプのそれぞれに複数の突起を形成し、少なくとも前記複数の基板電極の周囲に接着性を有する非導電性樹脂を付与し、前記電子部品を前記配線基板に押圧するとともに前記非導電性樹脂を硬化させることにより、前記複数の基板電極に前記複数のバンプをそれぞれ電気的に接続する。
【0020】
前記第3態様の電子部品実装方法であって、前記複数の突起を形成するとき、前記複数のバンプ又は前記複数の基板電極に凹凸が形成された型が押圧されるようにしてもよい。
【0021】
前記第3態様において、前記複数の突起を形成するとき、前記バンプ又は前記基板電極の中央部では密に、周縁部では前記中央部に比して粗く前記突起を形成してもよく、又、逆に、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密にかつ千鳥状に前記突起を形成してもよい。
【0022】
又、本発明の第4態様の電子部品は、配線基板に実装される電子部品であって、複数の部品電極を有する前記電子部品の部品本体と、接着性を有する非導電性樹脂を挟み込みつつ配線基板上に形成された複数の基板電極と電気的に接続するために前記複数の部品電極上に形成された複数のバンプとを備え、前記複数のバンプのそれぞれが、先端部に複数の突起を備える。
【0023】
前記第4態様の電子部品であって、前記突起の最大高さRyが、2μm以上15μm以下であるようにしてもよい。
【0024】
又、前記第4態様において、前記バンプの凹凸形成面は、前記基板電極側へ凸状としてもよい。又、前記突起は、前記バンプの凹凸形成面の中央部では密に、周縁部では前記中央部に比して粗く形成してもよく、又、逆に、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成してもよい。
【0025】
又、本発明の第5態様の電子部品では、配線基板に実装される電子部品であって、
複数の部品電極を有する前記電子部品の部品本体と、
配線基板上に形成された複数の基板電極と電気的に接続するために前記複数の部品電極上に形成された複数のバンプと、を備え、
前記複数のバンプのそれぞれが、先端部における凹凸形成面に複数の突起を備え、
前記突起は、前記凹凸形成面における中央部と周縁部とにおいて形成密度を異ならせている。
【0026】
前記第5態様において、前記突起は、前記中央部では密に、前記周縁部では前記中央部に比して粗く形成してもよく、又、逆に、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成してもよい。
【0027】
又、本発明の第6態様の配線基板は、電子部品実装用の配線基板であって、基板本体と、接着性を有する非導電性樹脂を挟み込みつつ電子部品に形成された複数のバンプと電気的に接続するために形成された複数の基板電極とを備え、前記複数の基板電極のそれぞれが、電極表面に複数の突起を備える。
【0028】
前記第6態様の配線基板であって、前記電極表面の前記突起の最大高さRyが、2μm以上15μm以下であるようにしてもよい。
【0029】
又、前記第6態様において、前記突起は、前記電極表面の中央部では密に、周縁部では前記中央部に比して粗く形成してもよく、又、逆に、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密にかつ千鳥状に形成してもよい。
【0030】
又、本発明の第7態様の配線基板では、電子部品実装用の配線基板であって、
基板本体と、
電子部品に形成された複数のバンプと電気的に接続するために形成された複数の基板電極と、を備え、
前記複数の基板電極のそれぞれが、電極表面に複数の突起を備え、
前記突起は、前記表面における中央部と周縁部とにおいて形成密度を異ならせる。
【0031】
又、前記第7態様において、前記突起は、前記中央部では密に、前記周縁部では前記中央部に比して粗く形成してもよく、又、逆に、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密にかつ千鳥状に形成してもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、接合領域において、複数の接触領域及び樹脂介在領域を形成したことから、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との電気的接続の信頼性が高い実装済基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、第1の実施の形態における電子部品実装の流れを示すフローチャート、
【図2】図2は、部品本体の部品電極上にバンプを形成した状態を示す断面図、
【図3】図3は、部品本体のバンプに型を位置決めした状態を示す断面図、
【図4】図4は、部品本体のバンプに型を押圧した状態を示す断面図、
【図5】図5は、部品本体のバンプに複数の突起を形成した状態を示す断面図、
【図6】図6は、型の凹凸面の様子を示す斜視図、
【図7】図7は、配線基板の基板電極上に非導電性樹脂を付与した状態を示す断面図、
【図8】図8は、配線基板に電子部品を実装した状態である実装済基板の構成を示す断面図、
【図9】図9は、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との接触領域を示す平面図、
【図10】図10は、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との接触領域の他の例を示す平面図、
【図11】図11は、先端部が尖っているバンプが位置ずれして基板電極と十分に接触していない状態を示す断面図、
【図12】図12は、先端部に凹凸を有するバンプが位置ずれして基板電極と接触している状態を示す断面図、
【図13】図13は、本発明の第2の実施の形態において配線基板の基板電極に型を位置決めした状態を示す断面図、
【図14】図14は、配線基板の基板電極に型を押圧した状態を示す断面図、
【図15】図15は、配線基板の基板電極に複数の突起を形成した状態における配線基板の構成を示す断面図、
【図16】図16は、配線基板の基板電極上に非導電性樹脂を付与した状態を示す断面図、
【図17】図17は、配線基板に電子部品を実装した状態である実装済基板の構成を示す断面図、
【図18】図18は、図5に示す断面図の変形例であって凹凸形成面が凸状であるバンプに複数の突起を形成した状態を示す断面図、
【図19】図19は、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との接触領域の別の例を示す平面図、
【図20】図20は、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との接触領域のさらに別の例を示す平面図、
【図21】図21は、電子部品のバンプと配線基板の基板電極との接触領域のさらに他の例を示す平面図、
【図22】図22は、図19に対応した図であり、バンプ及び基板電極に形成された凹凸の粗、密を示す図、
【図23】図23は、図21に対応した図であり、バンプ及び基板電極に形成された凹凸の粗、密を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
10 電子部品
11 部品本体
12 部品電極
13 バンプ
131,131a バンプの先端部
133 突起
134 凹凸形成面
134a 中央部
134b 周縁部
20 配線基板
21 基板本体
22,22a 基板電極
30 非導電性樹脂
40 実装済基板
51 接触領域
52 樹脂介在領域
53 接合領域
53a 中央部
53b 周縁部
80,80a 型
221 電極表面
222 凹凸
223 突起
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明における実施形態について、図面を参照して以下に説明する。尚、各図において同じ部品については同じ参照符号を付している。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施の形態における電子部品実装の流れを示すフローチャートであり、電子部品の製造工程の一部であるバンプ形成工程を含んでいる。図2乃至図5は電子部品の製造工程においてバンプに複数の突起を形成する様子を説明するための図である。
【0037】
バンプ形成では、まずステップS11にて、図2に示すように、部品本体11に形成された複数の部品電極12上に複数のバンプ13が形成される。部品本体11は、半導体のベアチップであり、部品電極12は、アルミニウムにより形成されている。バンプ13は、先端が尖ったボールバンプ、いわゆるスタッドバンプであり、金ワイヤの先端を放電により溶融させ、その溶融部分を部品電極に圧着した後に、金ワイヤを圧着部分から引きちぎることにより形成される。このように形成されたバンプ13は、金ワイヤが引きちぎられることにより、先端部131が尖ったものとなる。
【0038】
次に、ステップS12にて、部品本体11に形成されたバンプ13の先端部131のそれぞれに複数の突起を含む凹凸が形成される。先端部131の凹凸は、図3に示すように凹凸形成用の型80の凹凸面81を部品電極12上のバンプ13の先端部131に対向して位置決めし、図4に示すように凹凸面81を先端部131に押圧した後、型80を離すことにより図5に示すように形成される。これにより、実装用のバンプ付き電子部品10の製造が完了する。
【0039】
図6は型80の凹凸面81の様子を示す斜視図である。型80は、ステンレス鋼により形成されており、図6に示すように、凹凸面81は多数の突起状の凹凸82を有している。凹凸82は、角錐、円錐等の種々の形状を採ることができ、特に限定するものではない。又、一つの凹凸面81に複数種類の形状の凹凸82が混在していてもよい。凹凸面81は、ステンレス鋼の表面をサンドブラストで擦ることによりランダムに凹凸82が形成されている。なお、エッチングなどにより規則的な凹凸82が形成されてもよい。一般的に、バンプ13の部品本体11に接する部分は直径約80μmとされ、先端部131は直径約40μmとされる。このことから、先端部131の大きさに合わせて数個ないし数十個の凹凸82を形成するには、図5に示すように、先端部131の表面粗さの最大高さRyが2μm以上15μm以下とされることが好ましく、5μm以上10μm以下とされることがさらに好ましい。従って、型80の凹凸面81の表面粗さの最大高さも、2μm以上15μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下となっている。そして、型80の凹凸面81をバンプ13の先端部131に押圧することにより、先端部131が前記好ましい表面粗さとされる。
上述のように表面粗さを5μm以上10μm以下とするのが好ましい理由は、後述するように、バンプ13と基板電極22との間に介在する非導電性樹脂30を押し退けてバンプ13と基板電極22とは接合するが、上述の表面粗さとすることで、接合時における非導電性樹脂30の逃げが良好となるからである。
【0040】
以上の工程を経ることにより、電子部品10は、複数の部品電極12を有する部品本体11と、部品本体11の複数の部品電極12上に形成された複数のバンプ13とを備え、複数のバンプ13のそれぞれが先端部131に凹凸132を有するものとなっている。バンプ13では、先端部131の凹凸132の複数の突起部分が次に説明する配線基板との電気的接続に利用される。
【0041】
図7及び図8は電子部品10を配線基板20へ実装する様子を示す断面図である。バンプ13の先端部131に凹凸132が形成された電子部品10が準備されると、図7に示すように、基板本体21上に基板電極22が形成された配線基板20が準備され、ステップS21では、基板電極22上、少なくとも基板電極22の周囲に接着性を有するペースト状の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が、非導電性樹脂30として付与される。基板本体21は、ガラスエポキシ樹脂やポリイミド樹脂により形成されており、基板電極22は、基板本体21に形成された配線パターン(図示省略)の一部として銅にて形成されている。
【0042】
次に、図8に示すように、電子部品10のバンプ13の先端部131が配線基板20の基板電極22と接触し得るように、電子部品10と基板本体21とが位置決めされ、電子部品10が配線基板20に向けて所定の荷重で押圧される。これにより、先端部131の凹凸132の複数の突起部分が、非導電性樹脂30を挟み込みつつ押し退けて基板電極22と接触し、基板電極22の表面にて、ある程度押し潰され、基板電極22と電気的に接続される。同時に、電子部品10が加熱され、非導電性樹脂30が硬化する(ステップS22)。
【0043】
図9はバンプ13の先端部131と基板電極22との接触界面における接合領域53を示す平面図である。バンプ13の先端部131と基板電極22との間は、図8及び図9に示すように、先端部131と基板電極22とが接触している複数の接触領域51と、複数の接触領域51の周囲において非導電性樹脂30が介在する樹脂介在領域52とを有する状態になっている。接触領域51は、バンプ13の先端部131に形成された複数の突起133が押し潰された領域であり、バンプ13と基板電極22との間で電気的に接続されている領域である。なお、エッチング等によりバンプ13に規則的な凹凸が形成される場合には、図10に例示するように接触領域51は樹脂介在領域52中に規則的に散在することとなる。
【0044】
ここで、非導電性樹脂30が硬化時に若干収縮することから、非導電性樹脂30が部品本体11と基板本体21との間に介在するとともにバンプ13の先端部131と基板電極22との間における樹脂介在領域52にも介在することにより、非導電性樹脂30の接着力により電子部品10と配線基板20とが機械的に接合され、さらに、バンプ13と基板電極22とが互いに引き寄せられて確実に電気的に接続される。
【0045】
以上の工程を経て製造された実装済基板40は、図8に示すように、複数の基板電極22が形成された配線基板20と、配線基板20の複数の基板電極22に電気的にそれぞれ接続される複数のバンプ13が形成された電子部品10と、配線基板20と電子部品10とを接着する非導電性樹脂30とを備えたものとなっており、各バンプ13の先端部131と対応する基板電極22との間の領域は、複数の接触領域51と、複数の接触領域51の周囲において非導電性樹脂30が介在する樹脂介在領域52とを有する。
【0046】
以上のように、第1の実施の形態に係る実装済基板40では、電子部品10のバンプ13の先端部131に複数の突起133を形成することにより、バンプ13と基板電極22との接触面のほぼ全域に亘って非導電性樹脂30が挟まってしまうことが防止され、電子部品10のバンプ13と配線基板20の基板電極22との電気的接続の信頼性が高められる。しかも、複数の接触領域51の周囲において非導電性樹脂30が介在する樹脂介在領域52が存在することにより、非導電性樹脂30の硬化時の収縮によりバンプ13と基板電極22とが確実に相互に引き寄せられる。その結果、バンプ13と基板電極22の電気的接続の頼性がより一層高められる。また、バンプ13の先端部131に形成された複数の突起133が押し潰されることにより広い面積で先端部131と基板電極22とが接触し、これにより、バンプ13と基板電極22との電気的接続の信頼性がより一層高められる。さらに、バンプ13の先端部が1カ所で尖っている場合に比べて実装時の荷重及び先端部の押し潰し量を低減することができる。
【0047】
ところで、例えばバンプ13の先端部が1カ所で尖っている場合、図11に示すように、バンプ13と基板電極22とが距離60だけずれて先端が基板電極22から外れると、バンプ13の先端が基板電極22から脱落するように曲がって十分に接触しない状態となってしまう。すなわち、先端部131の突起を潰して接触領域を確保する場合には、先端が基板電極22の上面に載る必要がある。このような接触不良は配線基板20が可撓性を有する場合に特に顕著となる。これに対して、第1の実施の形態に係る電子部品10のようにバンプ13の先端部131が凹凸132を有する場合、図12に示すように、バンプ13と基板電極22とが距離60だけずれてバンプ13の中央が基板電極22に載らない場合であっても、前記凹凸132の形成によりバンプ13の先端における面積が1カ所で尖っている場合に比べて大きいことから、先端部131の一部が基板電極22の表面と確実に接触し、バンプ13と基板電極22との電気的接続が確保される。
【0048】
すなわち、第1の実施の形態に係る電子部品10は、バンプ13の先端部131が凹凸132を有することにより、バンプ13と基板電極22との位置決め誤差の許容量が大きくなり、電子部品10の実装の歩留りを向上することができる。
【0049】
又、上述したように、バンプ13は、金ワイヤを引きちぎって形成されることから、大径部である台座部分と、該台座部分上に形成され台座部分に比べて小径である先端部131とから構成された2段形状であり、凹凸132は、先端部131に形成される。したがって、バンプ13と基板電極22との接合時において、バンプ13は、非導電性樹脂30を押し退け易く、かつ加圧し易い形状である。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態における電子部品実装では、第1の実施の形態における電子部品のバンプの先端部に凹凸を形成する工程(ステップS11,S12)に代えて、配線基板の基板電極に凹凸を形成する工程が設けられる。
【0051】
図13乃至図15は配線基板の製造工程の一部として基板電極に複数の突起が形成される様子を説明する断面図である。凹凸形成前の配線基板20は、第1の実施の形態と同様のものであり、ガラスエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等により形成された基板本体21上に銅の配線パターン(図示省略)の一部として基板電極22が形成されている。尚、基板電極22について、第1の実施の形態の場合とは異なる形状のものを例示している。基板電極22の表面221に対する凹凸は、図13に示すように、型80aを基板電極22に位置決めし、図14に示すように型80aを基板電極22の表面221に押圧した後、型80aを離すことにより図15に示すように形成される。以下の説明では、凹凸形成後の基板電極に符号22aを付し、その表面に符号221aを付す。
【0052】
型80aは、第1の実施の形態と同様に、ステンレス鋼により形成されており、図13に示すように基板電極22に対向する部分が突出しており、その先端面が凹凸面81aとなっている。基板電極22aの表面221aは、第1の実施の形態のバンプ13の先端部131と同様で図15に示すように表面粗さの最大高さRyが2μm以上15μm以下とされることが好ましく、5μm以上10μm以下とされることがさらに好ましい。従って、型80aの凹凸面81aの表面粗さの最大高さも、2μm以上15μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下となっている。そして、型80aの凹凸面81aを基板電極22の表面221に押圧することにより、前記好ましい表面粗さの基板電極22aとされる。
尚、基板電極22aの表面221aにおける表面粗さを上述の値とする理由は、バンプ13について上述した理由に同じである。
【0053】
以上の工程を経ることにより、図15に示すように、配線基板20は、基板本体21と、基板本体21に形成された複数の基板電極22aを含む配線パターンとを備え、複数の基板電極22aのそれぞれが、表面221aに凹凸222を有するものとなっている。基板電極22aでは、表面221aの凹凸222の複数の突起部分が次に説明する電子部品との電気的接続に利用される。
【0054】
図16及び図17は電子部品10を配線基板20へ実装する様子を示す断面図である。第2の実施の形態では、図16に示すように、部品本体11の部品電極12にバンプ13を形成した電子部品10が準備され、配線基板20の基板電極22a上、少なくとも基板電極22aの周囲に接着性を有するペースト状の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が、非導電性樹脂30として付与される。該動作は、図1に示すステップS21に相当する。なお、第1の実施の形態と異なり、バンプ13は、金により形成されたスタッドバンプの先端をレベリング、つまり前記先端をある程度潰して平坦化したものである。
【0055】
次に、図17に示すように、電子部品10のバンプ13の先端部131aが配線基板20の基板電極22aと接触し得るように位置決めされ、電子部品10が配線基板20に向けて所定の荷重で押圧される。これにより、非導電性樹脂30がバンプ13と基板電極22aとの間に挟み込まれて非導電性樹脂30が基板電極22aの表面221aの複数の突起部分223により押し退けられ、バンプ13の先端部131aは、基板電極22aの表面221aの複数の突起部分をある程度押し潰しつつ基板電極22aと電気的に接続される。同時に、電子部品10が加熱され、非導電性樹脂30が硬化する(ステップS22)。
【0056】
このとき、バンプ13の先端部131aと基板電極22aとの間の接触界面における接合領域53は、図9と同様に、先端部131aと基板電極22aとが接触している複数の接触領域51と、複数の接触領域51の周囲において非導電性樹脂30が介在する樹脂介在領域52とを有する状態になっている。接触領域51は、基板電極22aの表面221aに形成された凹凸222に含まれる複数の突起223が押し潰された領域であり、バンプ13と基板電極22aとの間で電気的に接続されている領域である。
【0057】
ここで、非導電性樹脂30が硬化時に若干収縮することから、非導電性樹脂30が部品本体11と基板本体21との間に介在するとともにバンプ13の先端部131aと基板電極22aとの接触面における樹脂介在領域52にも介在することにより、非導電性樹脂30の接着力により電子部品10と配線基板20とが機械的に接合され、さらに、バンプ13と基板電極22aとが互いに引き寄せられて確実に電気的に接続される。
【0058】
以上の工程を経て製造された実装済基板40は、図17に示すように、複数の基板電極22aが形成された配線基板20と、配線基板20の複数の基板電極22aに電気的にそれぞれ接続される複数のバンプ13が形成された電子部品10と、配線基板20と電子部品10とを接着する非導電性樹脂30とを備えたものとなっており、各バンプ13の先端部131aと基板電極22aとの間の領域は、複数の接触領域51と、複数の接触領域51の周囲において非導電性樹脂30が介在する樹脂介在領域52とを有する。
【0059】
以上のように、第2の実施の形態に係る実装済基板40では、配線基板20の基板電極22aの表面221aに複数の突起223を形成することにより、バンプ13と基板電極22aとの間のほぼ全域に亘って非導電性樹脂30が挟まることが防止され、電子部品10のバンプ13と配線基板20の基板電極22aとの電気的接続の信頼性が高められる。しかも、第1の実施の形態と同様に、複数の接触領域51の周囲において非導電性樹脂30が介在する樹脂介在領域52が存在することにより、バンプ13と基板電極22aとの電気的接続の信頼性がより一層高められる。また、基板電極22aの表面221aに形成された複数の突起223が押し潰されることにより、広い面積でバンプ13の先端部131aと基板電極22aとが接触し、電気的接続の信頼性がより一層高められる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
第1の実施の形態において、ステップS11にて形成されるバンプ13は、金ワイヤの先端を溶融して形成される、いわゆる、スタッドバンプに限られず、他の手法により形成されたボールバンプであってもよい。
【0061】
第1の実施の形態において、バンプ13の先端部131の複数の突起133は、ランダムに形成されていても規則的に形成されていてもよく、また、先端面に沿って伸びる筋状、例えば直線、曲線等の筋状の突起であってもよい。また、バンプ13の先端部131の複数の突起133は、型80の押圧に限られず、他の方法によって形成されてもよい。第2の実施の形態においても、基板電極22aの表面221aの複数の突起223は、ランダムに形成されていても規則的に形成されていてもよく、また、表面に沿って伸びる筋状、例えば直線、曲線等の筋状の突起であってもよい。また、基板電極22aの表面221aの複数の突起223は、型の押圧に限られず、他の方法によって形成されてもよい。
【0062】
例えば、図3に例示するバンプ13の尖った先端部131を予め平らな面に押圧して潰しておき、すなわちレベリングを行っておき、先端部131の平らな面にプラズマ処理、ブラスト処理、ヤスリ掛け等により凹凸が形成されてもよい。また、バンプ13は部品電極12上に形成される平らなメッキバンプであってもよく、この場合であっても凹凸が形成された型を押圧することによりバンプの表面に容易に凹凸を形成することができる。なお、メッキバンプの場合においてもプラズマ処理、ブラスト処理、ヤスリ掛け等により凹凸が形成されてもよく、さらには、部品電極12上においてメッキの成長速度にばらつきを与えることにより、あるいは、メッキ前の部品電極12上にエッチング等により凹凸を形成しておくことにより、凹凸を有するバンプを形成することも可能である。
【0063】
なお、バンプ13と基板電極22,22aとの間は通常は接触状態であるが、例えば、バンプ13が金で形成され、基板電極の表面にも金メッキが施されている場合は接合時に温度を上げるとバンプ13の金が拡散して原子レベルでの金属接合状態となる場合もある。すなわち、前記実施の形態におけるバンプ13と基板電極22,22aとの間の接触領域51では物理的な金属接合状態となっていてもよい。
第1及び第2の実施の形態において、電子部品10の部品本体11は、半導体のベアチップに限られず、例えば、パッケージ化された電子部品の様に、微小な部品電極を有する他の様々な電子部品であってよい。配線基板20の基板本体は、ガラスエポキシ樹脂やポリイミド樹脂に限られず、例えば、他の樹脂やセラミック、ガラス等により形成されたものであってもよい。
【0064】
第1及び第2の実施の形態において、非導電性樹脂は、流動性を有するペースト状ものに限られず、シート状に形成されたものが用いられてもよい。この場合、シート状の非導電性樹脂は、基板電極を覆って配線基板20上に貼り付けることにより、基板電極の周囲に付与される。
【0065】
第1及び第2の実施の形態において、型80,80aは、ステンレス鋼に限られず、バンプ又は基板電極よりも硬い材料であれば、どのような材料により形成されたものであってもよい。
【0066】
なお、バンプ形成前の電子部品、つまり部品本体11が実装施設に納入されて、電子部品のバンプ形成を実装施設にて行う場合には、バンプ13に複数の突起を形成する第1の実施の形態に係る実装方法が好適であり、一方、レベリング済みのバンプを有する電子部品が実装施設に納入されて、レベリング済みのバンプを有する電子部品が配線基板に実装される場合には、配線基板20の基板電極22に複数の突起を形成する第2の実施の形態に係る実装方法が好適である。
【0067】
又、第1実施形態において、凹凸132が形成されるバンプ13の凹凸形成面134は、図18に示すように、凸状、つまりバンプ13と基板電極22とが接合される状態において基板電極22側へ凸状とすることもできる。このように構成することで、バンプ13と基板電極22とが接合するとき、まず最初にバンプ13の中央部分が基板電極22に接触し、その後、バンプ13の周縁部に向かって接触していく。よって、バンプ13と基板電極22との間に介在する非導電性樹脂30は、バンプ13と基板電極22との間に閉じ込められることなく、バンプ13の外側へスムーズに排出可能である。したがって、バンプ13と基板電極22との電気的接続の信頼性をより向上させることができる。尚、前記凸状の凹凸形成面134の形成は、凹状の型を用いることで可能となる。
【0068】
又、第1及び第2の実施の形態において、図19に示すように、バンプ13と基板電極22,22aとの接合領域53の中央部53aでは、単位面積当たりの接触領域51の数を密に、接合領域53の周縁部53bでは中央部53aに比べて粗く形成されるように、バンプ13に凹凸132を、又は基板電極22aに凹凸222を形成するようにしてもよい。つまり、バンプ13では、図22に示すように、凹凸形成面134の中央部134aでは凹凸132を密に、その周縁部134bでは中央部134aに比べて粗く凹凸132が形成される。基板電極22aでは、図22に示すように、その表面221の中央部221cでは凹凸222を密に、その周縁部221dでは中央部221cに比べて粗く凹凸222が形成される。尚、接合領域53の中央部53a及び周縁部53bは、明確に規定される領域ではないが、例えば、接合領域53の中心から接合領域53の半径のほぼ半分までの領域を中央部53aとし、前記半径のほぼ半分から接合領域53の外周までの領域を周縁部53bとすることができる。又、バンプ13及び基板電極22aにおける中央部及び周縁部の定義も、接合領域53における上述の中央部53a及び周縁部53bの定義に対応する。
【0069】
上述したように、バンプ13及び基板電極22、22aは、介在する非導電性樹脂30を押し退けながら接合することから、中央部53aに比べて周縁部53bが粗くなるように凹凸132及び凹凸222を形成することで、接合時における非導電性樹脂30の逃げが良好となる。よって、バンプ13と基板電極22、22aとの電気的接続の信頼性をより向上させることができる。尚、図19では、接触領域51の形状を、便宜上ほぼ円形にて図示しているが、その形状は円形に限定されるものではない。
【0070】
又、第1及び第2の実施の形態において、バンプ13及び基板電極22、22aの接合時における非導電性樹脂30の逃げを良くするため、接触領域51及び樹脂介在領域52を接合領域53の全域にわたりランダムに形成するのではなく、図20に示すように、接合領域53の中央部53aから周縁部53bに向けて放射状に樹脂介在領域52が延在する樹脂排出用通路52aを形成するように、凹凸132及び凹凸222をバンプ13及び基板電極22に形成してもよい。該構成によっても、接合時に、非導電性樹脂30は樹脂排出用通路52aを通ることで容易に接合領域53の外部へ排出されることから、バンプ13と基板電極22との電気的接続の信頼性をより向上させることができる。
【0071】
又、接合時における非導電性樹脂30の逃げを考慮したときには、図19を参照して上述したように、接合領域53の周縁部53bに比べて中央部53aにおける接触領域51の数を多くするのが好ましいが、一方、図11に示すように、バンプ13と基板電極22、22aとが位置ずれしたときでも両者の電気的接続の信頼性を確保するためには、接合領域53の中央部53aに比べて周縁部53bにおける接触領域51の数を多くするのが好ましい。そこで、第1及び第2の実施の形態において、図21に示すように、接合領域53の周縁部53bにおける接触領域51が密となり、その中央部53aにおける接触領域51を周縁部53bに比べて粗くなるようにするとともに、周縁部53bでは、非導電性樹脂30が排出される際の流動抵抗を低減し逃げ易くするため、接触領域51が千鳥状の配置となるように、凹凸132及び凹凸222を形成してもよい。つまり、バンプ13では、図23に示すように、凹凸形成面134の中央部134aでは凹凸132を粗く、その周縁部134bでは中央部134aに比べて密にかつ千鳥状に凹凸132が形成される。基板電極22aでは、図23に示すように、その表面221の中央部221cでは凹凸222を粗く、その周縁部221dでは中央部221cに比べて密にかつ千鳥状に凹凸222が形成される。
【0072】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、電子部品を配線基板に実装した実装済基板、該実装済基板を製造するための電子部品実装方法、並びに、前記実装済基板に用いられる電子部品、及び配線基板に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装された実装済基板であって、
複数の基板電極(22,22a)が形成された配線基板(20)と、
前記複数の基板電極に電気的にそれぞれ接続される複数のバンプ(13)が形成された電子部品(10)と、
少なくとも前記複数のバンプの周囲にて前記配線基板と前記電子部品とを接着する非導電性樹脂(30)と、
を備え、
前記複数のバンプのそれぞれの先端(131,131a)と前記先端に対向する基板電極との間の接合領域(53)が、前記先端と前記基板電極とが接触する複数の接触領域(51)と、前記複数の接触領域の周囲において前記非導電性樹脂が介在する樹脂介在領域(52)とを有する、実装済基板。
【請求項2】
前記複数の接触領域が、前記複数のバンプのそれぞれの前記先端に形成された複数の突起(133)が押し潰された領域である、請求項1に記載の実装済基板。
【請求項3】
前記複数の接触領域が、前記基板電極に形成された複数の突起(223)が押し潰された領域である、請求項1に記載の実装済基板。
【請求項4】
前記接触領域は、前記接合領域の中央部(53a)では密に、周縁部(53b)では前記中央部に比して粗く形成される、請求項1に記載の実装済基板。
【請求項5】
前記樹脂介在領域は、前記接合領域の中央部(53a)から周縁部(53b)に向けて放射状に延在する、請求項1に記載の実装済基板。
【請求項6】
前記接触領域は、前記接合領域の中央部(53a)では粗く、周縁部(53b)では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成される、請求項1に記載の実装済基板。
【請求項7】
電子部品が実装された実装済基板であって、
複数の基板電極(22,22a)が形成された配線基板(20)と、
前記複数の基板電極に電気的にそれぞれ接続される複数のバンプ(13)が形成された電子部品(10)とを備え、
前記複数のバンプのそれぞれの先端(131,131a)と前記先端に対向する基板電極との間の接合領域(53)が、前記先端と前記基板電極とが接触する複数の接触領域(51)と、前記複数の接触領域の周囲において非導電性樹脂(30)が介在する樹脂介在領域(52)とを有し、
前記接合領域の中央部(53a)と周縁部(53b)とにおいて前記接触領域の占める割合を異ならせた、実装済基板。
【請求項8】
前記接触領域は、前記中央部では密に、前記周縁部では前記中央部に比して粗く形成される、請求項7に記載の実装済基板。
【請求項9】
前記樹脂介在領域は、前記中央部から前記周縁部に向けて放射状に延在する、請求項7に記載の実装済基板。
【請求項10】
前記接触領域は、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成される、請求項7に記載の実装済基板。
【請求項11】
電子部品(10)を配線基板(20)上に実装する電子部品実装方法であって、
配線基板上に形成された複数の基板電極(22、22a)のそれぞれ、又は、電子部品に形成された複数のバンプ(13)のそれぞれに複数の突起(133,223)を形成し、
少なくとも前記複数の基板電極の周囲に接着性を有する非導電性樹脂(30)を付与し、
前記電子部品を前記配線基板に押圧するとともに前記非導電性樹脂を硬化させることにより、前記複数の基板電極に前記複数のバンプをそれぞれ電気的に接続する、電子部品実装方法。
【請求項12】
前記複数の突起を形成するとき、前記複数のバンプ又は前記複数の基板電極に凹凸(82)が形成された型(80,80a)が押圧される、請求項11に記載の電子部品実装方法。
【請求項13】
前記複数の突起を形成するとき、前記バンプ又は前記基板電極の中央部(53a)では密に、周縁部(53b)では前記中央部に比して粗く前記突起を形成する、請求項11に記載の電子部品実装方法。
【請求項14】
前記複数の突起を形成するとき、前記バンプ又は前記基板電極の中央部(53a)では粗く、周縁部(53b)では前記中央部に比して密にかつ千鳥状に前記突起を形成する、請求項11に記載の電子部品実装方法。
【請求項15】
配線基板(20)に実装される電子部品(10)であって、
複数の部品電極(12)を有する前記電子部品の部品本体(11)と、
接着性を有する非導電性樹脂(30)を挟み込みつつ配線基板上に形成された複数の基板電極(22,22a)と電気的に接続するために前記複数の部品電極上に形成された複数のバンプ(13)と、を備え、
前記複数のバンプのそれぞれが、先端部に複数の突起(133)を備える、電子部品。
【請求項16】
前記突起の最大高さRyが2μm以上15μm以下である、請求項15に記載の電子部品。
【請求項17】
前記バンプの凹凸形成面(134)は、前記基板電極側へ凸状である、請求項15記載の電子部品。
【請求項18】
前記突起は、前記バンプの凹凸形成面(134)の中央部(134a)では密に、周縁部(134b)では前記中央部に比して粗く形成される、請求項15記載の電子部品。
【請求項19】
前記突起は、前記バンプの凹凸形成面(134)の中央部(134a)では粗く、周縁部(134b)では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成される、請求項15記載の電子部品。
【請求項20】
配線基板(20)に実装される電子部品(10)であって、
複数の部品電極(12)を有する前記電子部品の部品本体(11)と、
配線基板上に形成された複数の基板電極(22,22a)と電気的に接続するために前記複数の部品電極上に形成された複数のバンプ(13)と、を備え、
前記複数のバンプのそれぞれが、先端部における凹凸形成面(134)に複数の突起(133)を備え、
前記突起は、前記凹凸形成面における中央部(134a)と周縁部(134b)とにおいて形成密度を異ならせた、電子部品。
【請求項21】
前記突起は、前記中央部では密に、前記周縁部では前記中央部に比して粗く形成される、請求項20記載の電子部品。
【請求項22】
前記突起は、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密でかつ千鳥状に形成される、請求項20記載の電子部品。
【請求項23】
電子部品実装用の配線基板であって、
基板本体(20)と、
接着性を有する非導電性樹脂(30)を挟み込みつつ電子部品(10)に形成された複数のバンプ(13)と電気的に接続するために形成された複数の基板電極(22,22a)と、を備え、
前記複数の基板電極のそれぞれが、電極表面(221)に複数の突起(223)を備える、配線基板。
【請求項24】
前記電極表面の前記突起の最大高さRyが2μm以上15μm以下である、請求項23に記載の配線基板。
【請求項25】
前記突起は、前記電極表面の中央部(221c)では密に、周縁部(221d)では前記中央部に比して粗く形成される、請求項23記載の配線基板。
【請求項26】
前記突起は、前記電極表面の中央部(221c)では粗く、周縁部(221d)では前記中央部に比して密にかつ千鳥状に形成される、請求項23記載の配線基板。
【請求項27】
電子部品実装用の配線基板であって、
基板本体(20)と、
電子部品(10)に形成された複数のバンプ(13)と電気的に接続するために形成された複数の基板電極(22,22a)と、を備え、
前記複数の基板電極のそれぞれが、電極表面(221)に複数の突起(223)を備え、
前記突起は、前記表面における中央部(221c)と周縁部(221d)とにおいて形成密度を異ならせた、配線基板。
【請求項28】
前記突起は、前記中央部では密に、前記周縁部では前記中央部に比して粗く形成される、請求項27記載の配線基板。
【請求項29】
前記突起は、前記中央部では粗く、前記周縁部では前記中央部に比して密にかつ千鳥状に形成される、請求項27記載の配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【国際公開番号】WO2005/069364
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【発行日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517029(P2005−517029)
【国際出願番号】PCT/JP2005/000213
【国際出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】