工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラム
【課題】工程管理を支援することができる工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】工程管理支援システムは、工程管理支援サーバ1と、工程管理支援データベース2と、通信ネットワーク3を介して接続された作業者用端末4と、作業者用端末4に接続されたリライタブル装置5と、を備えている。リライタブル装置5は、管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す。作業者用端末4は、前工程の終了に関する情報から前工程が行われているかを判別し、前工程が行われていると判別したときに、当該工程の作業内容に関する情報を表示する。
【解決手段】工程管理支援システムは、工程管理支援サーバ1と、工程管理支援データベース2と、通信ネットワーク3を介して接続された作業者用端末4と、作業者用端末4に接続されたリライタブル装置5と、を備えている。リライタブル装置5は、管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す。作業者用端末4は、前工程の終了に関する情報から前工程が行われているかを判別し、前工程が行われていると判別したときに、当該工程の作業内容に関する情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の製造工程を有する製品の工程管理においては、工程の内容を指示したカードやロット表等を用いて、作業者が製造工程の管理を行っている。近年の製品の多品種少量化等により、工程管理の重要性が高まっており、工程抜け・作業抜けをなくすように、工程管理を支援する各種の方法及びシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、所定の工程毎に工程管理に関する情報を記憶した記憶領域と該記憶領域に記憶した工程管理情報を可視情報として書き換え可能に表示するための表示領域とを有する情報記録媒体と、その情報記録媒体の表示領域に表示された可視情報を書き換えするための書き換え可能装置とを用いて、効率的な工程管理を行うシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2004−295402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工程管理においては、さらに、工程抜け・作業抜け等の問題をより確実に防止することが求められており、このような工程管理を支援することができるシステムが求められている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、工程管理を支援することができる工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる工程管理支援システムは、
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムであって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段と、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段と、
を備える、ことを特徴とする。
【0007】
前記管理する工程が終了したか否かを判別する終了判別手段と、
前記終了判別手段により前記管理する工程が終了したと判別したときに、当該工程の次工程の作業内容に関する情報を受信する受信手段と、
前記記憶媒体に記憶されている情報を前記受信手段により受信された前記次工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の終了に関する情報に書き替える書替手段と、を、
さらに備えることが好ましい。
【0008】
前記記憶媒体は、工程の作業者が可視可能な可視領域を備え、
前記前工程判別手段により前記前工程が行われていないと判別したときに、前記記憶媒体の可視領域に、前工程が終了しておらず不適合であることを示す情報を表示する不適合表示手段を、
さらに備える、ことが好ましい。
【0009】
本発明の第2の観点にかかる工程管理支援方法は、
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援方法であって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出ステップと、
前記読出ステップで読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別ステップと、
前記前工程判別ステップで前工程が行われていると判別したときに、前記読出ステップで読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示ステップと、
を備える、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムとして機能させるためのプログラムであって、
コンピュータを、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、工程管理を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態にかかる工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムについて説明する。本実施の形態では、記憶媒体としての書き替え可能な(リライタブル)カードを作業指示票(カード)に用いて製品の工程管理を支援する場合を例に本発明の工程管理支援システム等を説明する。図1に本実施の形態の工程管理支援システムの構成を示す。
【0013】
図1に示すように、工程管理支援システムは、工程管理支援サーバ1と、工程管理支援データベース2と、通信ネットワーク3と、通信ネットワーク3を介して接続された作業者用端末4(4a〜4n)と、作業者用端末4(4a〜4n)に接続されたリライタブル装置5(5a〜5n)と、管理者用端末6と、リライタブル装置7と、を備えている。
【0014】
工程管理支援サーバ1は、工程管理支援システムに関する各種の処理をするためのものである。図2に工程管理支援サーバ1の構成図を示す。図2に示すように、工程管理支援サーバ1は、通信制御部11と、処理制御部12と、データ記憶部13と、を備えている。
【0015】
通信制御部11は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、工程管理支援サーバ1と通信ネットワーク3とを接続する。通信制御部11は、例えば、通信ネットワーク3を介して、作業者用端末4から工程管理に関する情報を受信する。
【0016】
処理制御部12は、通信制御部11を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、データ記憶部13から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
【0017】
データ記憶部13は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0018】
工程管理支援データベース2は、工程管理支援システムに関する各種の情報を記憶するデータベース(DB)である。図3に工程管理支援データベース2の構成を示す。図3に示すように、工程管理支援データベース2は、管理者情報DB21と、製品情報DB22と、製造工程情報DB23と、部品情報DB24と、治具・工具情報DB25、受注情報DB26と、進捗情報DB27と、画像情報DB28と、を備えている。
【0019】
管理者情報DB21は、工程管理支援システムの管理者に関する情報を記憶するデータベースである。管理者情報DB21には、例えば、図4に示すように、管理者ID、氏名、メールアドレス、パスワード等が記憶されている。ここで、管理者IDは、管理者の識別情報である。パスワードは、管理者が工程管理支援システムにログインするためのパスワードである。
【0020】
製品情報DB22は、工程管理支援システムで取り扱う製品に関する情報を記憶するデータベースである。製品情報DB22には、例えば、図5に示すように、製品番号、製品名、製造工程等が記憶されている。製造工程は、その製品の製造に必要な製造工程である。
【0021】
製造工程情報DB23は、製品の製造工程に関する情報を記憶するデータベースである。製造工程情報DB23には、例えば、図6に示すように、製造工程名、部品、治具・工具等が記憶されている。部品は、その製造工程で使用する部品である。治具・工具は、その製造工程で必要な治具・工具である。
【0022】
部品情報DB24は、工程管理支援システムで取り扱う部品に関する情報を記憶するデータベースである。部品情報DB24には、例えば、図7に示すように、部品番号、部品名、収納場所等が記憶されている。なお、この収納場所に収納されている部品には、部品番号等が記憶されたバーコードが貼付されており、後述する工程管理処理では、このバーコードの読み込みによって部品収集に関する情報が管理されている。
【0023】
治具・工具情報DB25は、工程管理支援システムで取り扱う治具・工具に関する情報を記憶するデータベースである。治具・工具情報DB25には、図7に示す部品情報DB24と同様に、治具・工具番号、治具・工具名、収納場所等が記憶されている。なお、この収納場所に収納されている治具・工具にも、部品と同様にバーコードが貼付され、治具・工具収集に関する情報が管理されている。
【0024】
受注情報DB26は、製品の受注に関する情報を記憶するデータベースである。受注情報DB26には、例えば、図8に示すように、受注番号、製品番号、個数、納期、納品先等が記憶されている。また、受注情報DB26には、後述するカード作成処理によるカード作成の有無に関する情報が記憶されている。
【0025】
進捗情報DB27は、製品製造の進捗状況に関する情報を記憶するデータベースである。進捗情報DB27には、例えば、図9に示すように、受注番号、製品番号、個数、進捗状況等が記憶されている。進捗状況には、各工程ごとの工程終了日時等が記憶されている。
【0026】
画像情報DB28は、後述する各処理で表示される様々な画像を構成する情報を記憶するデータベースであり、これらの画像を生成するための様々な素材の画像、各種フォームなどを記憶する。
【0027】
通信ネットワーク3は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに基づくインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークである。
【0028】
作業者用端末4は、例えば、通信機能を備え、表示部を有するコンピュータなどから構成されている。図10に作業者用端末4の構成を示す。図10に示すように、作業者用端末4は、通信部41と、制御部42と、記憶部43と、表示部44と、入力部45と、を備えている。
【0029】
通信部41は、所定の通信装置から構成され、リライタブル装置5と作業者用端末4とを接続する。また、通信部41は、通信ネットワーク3を介して、工程管理支援サーバ1と作業者用端末4とを接続する。
制御部42は、通信部41を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。制御部42は、例えば、CPUを備え、記憶部43から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
記憶部43は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)等の出力装置を含む。
入力部45は、キーボードやタッチパネル等から構成され、任意のデータ・情報を入力する。
【0030】
この作業者用端末4は、作業者が作業を行う各作業場に配置されている。例えば、準備工程を行う作業場には作業者用端末4a、A工程を行う作業場には作業者用端末4bのように、各作業場にそれぞれ作業者用端末4が配置されている。作業者用端末4は、例えば、リライタブル装置5から受信した情報を表示部44に表示したり、リライタブルカードに書き込む情報をリライタブル装置5に送信したりする。また、作業者用端末4は、リライタブル装置5から受信した情報を、通信ネットワーク3を介して、工程管理支援サーバ1に送信する。
【0031】
リライタブル装置5は、工程管理支援システムで用いられるリライタブルカードの読み取り、及び、書き替えを行う装置である。リライタブル装置5は、作業者用端末4に接続されており、各作業場にそれぞれ配置されている。
【0032】
図11にリライタブルカードの一例を示す。図11に示すように、リライタブルカード8は、表示領域81と、記憶領域82とを備えている。
【0033】
表示領域81は、作業内容を指示する情報を表示する領域であり、作業を行う工程に関する情報が表示される。本実施の形態では、図11に示すように、製品番号、工程名が表示されている。
【0034】
記憶領域82は、例えば、ICチップ等から構成され、作業内容を指示する情報を記憶する領域である。例えば、記憶領域82には、製造する製品、終了した前工程及び前工程終了時間、本工程で用いる部品、治具・工具、工程の内容を示す図等が記憶されている。これらの内容は、後述する工程管理処理、または、カード作成処理により、記憶領域82に記憶される。この記憶された内容は、リライタブルカード8をリライタブル装置5により読み込ませることにより、作業者用端末4に表示させることができる。
【0035】
図12にリライタブル装置5の構成を示す。図12に示すように、リライタブル装置5は、通信制御部51と、処理制御部52と、データ記憶部53と、読み取り部54と、書き替え部55と、備えている。
【0036】
通信制御部51は、所定の通信装置から構成され、リライタブル装置5と作業者用端末4とを接続する。
処理制御部52は、通信制御部51を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部52は、例えば、CPUを備え、データ記憶部53から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
データ記憶部53は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0037】
読み取り部54は、例えば、カードリーダから構成され、リライタブルカードに書き込まれた情報を読み取り、読み取った情報を、通信制御部51を介して、作業者用端末4に送信する。
書き替え部55は、作業者用端末4から、通信制御部51を介して、送信された情報を受信し、受信した情報を記憶し、リライタブルカードに書き込まれた情報を書き替える。
【0038】
管理者用端末6は、例えば、通信機能を有するコンピュータなどから構成されている。管理者用端末6は、例えば、後述する、ログイン、受注情報登録処理などの処理における操作入力等に用いられる。
【0039】
リライタブル装置7は、図12に示すように、通信制御部71と、処理制御部72と、データ記憶部73と、読み取り部74と、書き替え部75と、を備えている。これらの構成については、リライタブル装置5と同様である。
【0040】
次に、以上のように構成された工程管理支援システムを用いた工程管理支援方法(工程管理支援処理)について説明する。以下、事前登録、ログイン、受注情報登録処理、カード作成処理、工程管理処理、進捗状況確認処理の順に説明する。
【0041】
(事前登録)
工程管理支援システムを管理者が利用するには、工程管理支援システムに事前登録し、本システムにログインすることが必要になる。
【0042】
管理者は、管理者用端末6から通信ネットワーク3を介して工程管理支援サーバ1に、管理者の氏名、メールアドレス等の情報を送信する。工程管理支援サーバ1(処理制御部12)は、管理者の氏名等の情報を受け取ると、管理者ID及びパスワードを発行し、例えば、メールで管理者用端末6に管理者ID及びパスワードを送信する。また、処理制御部12は、受信した所定の情報、管理者ID及びパスワードを管理者情報DB21に登録する。これにより、管理者による事前登録が完了する。
【0043】
(ログイン)
管理者は、管理者用端末6から通信ネットワーク3を介して、工程管理支援サーバ1により提供されるWebサイトにアクセスし、受信したID(ログイン名)及びパスワードを入力する。処理制御部12は、送信されたログイン名及びパスワードから管理者であると認めると、例えば、図13に示すようなメニュー画面の情報(HTML形式の情報)を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6に送信し、管理者用端末6にメニュー画面を表示する。メニュー画面には、図13に示すように、受注情報を登録する「受注情報登録処理」、カードを作成する「カード作成処理」、作業の進捗状況を確認する「進捗状況確認処理」等のメニュー欄が配置されている。管理者は、管理者用端末6を操作して、このメニュー画面から「受注情報登録処理」等をクリックすることにより、受注情報の登録等の処理を行うことができる。
【0044】
(受注情報登録処理)
受注情報登録処理は、本システムの管理者が、受注された製品に関する受注情報を登録する処理である。図14は、受注情報登録処理を説明するためのフローチャートである。
【0045】
まず、処理制御部12は、図13に示すメニュー画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6にメニュー画面を表示させる(ステップS1)。管理者は、管理者用端末6を操作して、「受注情報登録処理」をクリックすることにより、受注情報を登録することができる。
【0046】
次に、処理制御部12は、メニュー画面から「受注情報登録処理」が選択されているか否かを判別する(ステップS2)。すなわち、管理者がメニュー画面から「受注情報登録処理」をクリックしたか否かを判別する。処理制御部12は「受注情報登録処理」がクリックされていないと判別すると(ステップS2;No)、この処理を終了する。
【0047】
処理制御部12は、「受注情報登録処理」がクリックされていると判別すると(ステップS2;Yes)、図示しない登録用画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6に送信し、管理者用端末6に登録用画面を表示する(ステップS3)。管理者は、管理者用端末6を操作することにより、登録用画面に必要な内容を入力することができる。
【0048】
続いて、処理制御部12は、必要な情報が登録されているか否かを判別する(ステップS4)。例えば、処理制御部12は、管理者用端末6から登録用画面を使用して送信された情報に、製品番号(製品名)、個数、納期、納品先が登録されているか否かを判別する。処理制御部12は、必要な情報が登録されていると判別すると(ステップS4;Yes)、この処理を終了する。
【0049】
(カード作成処理)
カード作成処理は、製品の製造工程の最初の工程である準備工程で用いられる作業指示票としてのカード(リライタブルカード)を作成する処理である。なお、本実施の形態では、カード作成処理において、製品の製造工程の最初の工程である準備工程用のカードを作成し、他の工程については、後述するように、各工程終了後に、新たに次の工程のカードを作成する。図15は、カード作成処理を説明するためのフローチャートである。
【0050】
まず、処理制御部12は、図13に示すメニュー画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6にメニュー画面を表示させる(ステップS11)。管理者は、管理者用端末6を操作して、「カード作成処理」をクリックすることにより、受注情報を登録することができる。
【0051】
次に、処理制御部12は、メニュー画面から「カード作成処理」が選択されているか否かを判別する(ステップS12)。処理制御部12は「カード作成処理」がクリックされていないと判別すると(ステップS12;No)、この処理を終了する。
【0052】
処理制御部12は、「カード作成処理」がクリックされていると判別すると(ステップS12;Yes)、受注情報DB26に記憶されている情報、及び、画像情報DB28に記憶されている情報から、カード作成対象となる製品、すなわち、受注情報DB26にカードが作成されていない旨の情報が記憶されている製品の一覧を示す製品一覧画面を作成し、作成した製品一覧画面を管理者用端末6に送信して、管理者用端末6に製品一覧画面を表示する(ステップS13)。管理者は、管理者用端末6を操作して製品を選択することにより、カードを作成する製品を特定することができる。
【0053】
続いて、処理制御部12は、カードを作成する製品が特定されているか否かを判別する(ステップS14)。処理制御部12は、カードを作成する製品が特定されていると判別すると(ステップS14;Yes)、製品情報DB22、製造工程情報DB23、部品情報DB24、及び、治具・工具情報DB25に記憶されている情報から必要な情報を抽出する(ステップS15)。具体的には、特定された製品の製造工程、製造工程で必要な部品、治具・工具、及び、これらの収納場所等に関する情報を抽出する。なお、本実施の形態では、準備工程用のカードを作成することから、特定された製品の準備工程で必要な部品、治具・工具、及び、これらの収納場所等に関する情報を抽出する。
【0054】
次に、処理制御部12は、抽出した情報を管理者用端末6に送信する(ステップS16)。管理者は、送信された情報を管理者用端末6で受信すると、受信した情報に基づいてリライタブル装置7を操作してカードを作成する。管理者は、例えば、管理者用端末6を操作して、受信した情報をリライタブル装置7に送信するとともに、処理制御部72に書き替え部75を制御させ、送信した情報をカードに書き込む。これにより、管理者は、準備工程で使用可能なカードを作成することができる。そして、管理者は、カードを作成すると、管理者用端末6を操作して、カードを作成した旨の情報を工程管理支援サーバ1に送信する。
【0055】
続いて、処理制御部12は、管理者用端末6からカードを作成した旨の情報を受信したか否かを判別する(ステップS17)。処理制御部12は、カードを作成した旨の情報を受信すると(ステップS17;Yes)、カードを作成した旨の情報を受注情報DB26に登録し(ステップS18)、この処理を終了する。
【0056】
(工程管理処理)
工程管理処理は、カード作成処理等で作成されたカード(リライタブルカード)を作業指示票(カード)として用いることにより、工程管理を支援する処理である。工程管理処理では、作業者用端末4、及び、リライタブル装置5が用いられる。図16は、工程管理処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、作業者は、各工程の作業を行う前に、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入する。作業者用端末4の制御部42は、リライタブル装置5にカードが挿入されたか否かを判別する(ステップS21)。制御部42は、リライタブル装置5にカードが挿入されたと判別すると、この工程の前の工程が終了しているか否かを判別する(ステップS22)。すなわち、リライタブルカード8の記憶領域82には、製造する製品の終了した前工程及び前工程終了時間が記憶されており、この記憶された前工程が、本工程の前工程であるか否かを判別する。
【0058】
制御部42は、本工程の前工程であると判別すると(ステップS22;Yes)、リライタブルカード8の記憶領域82に記憶された本工程で用いる部品、治具・工具等のリストを作業者用端末4の表示部44に表示する(ステップS23)。作業者は、この作業場、または、所定の収納場所に収納された治具・工具、部品等を収集し、これを作業者用端末4に登録する。例えば、作業者は、部品、治具・工具等に貼り付けられたバーコードを読み込むことにより、部品、治具・工具等の収集を作業者用端末4に登録する。
【0059】
制御部42は、バーコードが読み込まれたか否かを判別する(ステップS24)。制御部42は、バーコードが読み込まれたと判別すると(ステップS24;Yes)、読み込まれた部品等をチェックし(ステップS25)、読み込まれていない部品等があるか否かを判別する(ステップS26)。制御部42は、読み込まれていない部品等があると判別すると(ステップS26;Yes)、ステップS24に戻る。
【0060】
制御部42は、読み込まれていない部品等がないと判別すると(ステップS26;No)、記憶領域82に記憶された具体的な作業手順(作業内容)を示す画面を作業者用端末4の表示部44に表示する(ステップS27)。作業者は、作業者用端末4の表示部44に表示された画面に従って作業を行うことにより、この工程の作業を行う(終了する)ことができる。
【0061】
次に、制御部42は、作業が終了したか否かを判別する(ステップS28)。制御部42は、例えば、記憶領域82に記憶された作業手順を示す画面が終了したか否かを判別する。制御部42は、作業が終了したと判別すると(ステップS28;Yes)、終了時間を記憶し、記憶した終了時間、及び、この工程が終了した旨の情報を工程管理支援サーバ1に送信する(ステップS29)。
【0062】
ステップS29によりこの工程が終了した旨の情報が送信されると、工程管理支援サーバ1の処理制御部12は、図17に示す次工程情報送信処理を実行する。まず、この情報を受信したか否かを判別する(ステップS41)。処理制御部12は、この情報を受信したと判別すると(ステップS41;Yes)、製品情報DB22、製造工程情報DB23、部品情報DB24、及び、治具・工具情報DB25に記憶されている情報から必要な情報を抽出する(ステップS42)。具体的には、この工程の終了時間、この製品の次の製造工程、製造工程で必要な部品、治具・工具、及び、これらの収納場所等に関する情報を抽出する。そして、処理制御部12は、抽出した情報を作業者用端末4に送信する(ステップS43)。また、処理制御部12は、この工程の終了時間を進捗情報DB27に登録し(ステップS44)、この処理を終了する。
【0063】
続いて、制御部42は、受信した情報に基づいてリライタブル装置5を操作してカードの内容を書き替える(ステップS30)。制御部42は、受信した情報をリライタブル装置5に送信するとともに、リライタブル装置5の処理制御部52に書き替え部55を制御させ、送信した情報をカードに書き込ませる。これにより、カードの内容が次の工程の内容に書き替えられる。そして、制御部42は、この処理を終了する。
【0064】
一方、制御部42は、本工程の前工程が終了していないと判別すると(ステップS22;No)、本工程の前工程が終了していない旨の情報を、作業者用端末4の表示部44に表示して作業者に報知するとともに、工程管理支援サーバ1及び管理者用端末6に送信し(ステップS31)、ステップS30に進む。この場合、ステップS30では、制御部42は、本工程の前工程でない旨の情報に基づいてリライタブル装置5を操作して、例えば、図18に示すように、前工程が終了しておらず不適合であることを明示したカード(不適合カード)に書き替える。
【0065】
このように、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入することにより、この工程の前工程が終了しているか否かを簡単かつ確実に判別することができる。
【0066】
(進捗状況確認処理)
進捗状況確認処理は、受注製品の進捗状況を確認する処理である。
処理制御部12は、図13に示すメニュー画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6にメニュー画面を表示させる。次に、処理制御部12は、メニュー画面から「進捗状況確認処理」が選択されているか否かを判別し、選択されていると判別すると、進捗情報DB27、及び、画像情報DB28に記憶されている情報に基づいて進捗状況を示す画面を作成して管理者用端末6に送信し、管理者用端末6に進捗状況を示す画面を表示する。
【0067】
このように、管理者は、管理者用端末6を操作して、メニュー画面から「進捗状況確認処理」をクリックするだけで進捗情報DB27に登録されている、受注製品の現在の進捗状況を確認することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、工程管理処理において、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入することにより、この工程の前工程が終了しているか否かを判別しているので、作業者に負担をかけることなく、簡単かつ確実に工程の抜けを防止することができる。このように、工程管理を支援することができる。
【0069】
本実施の形態によれば、工程管理処理において、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入することにより、具体的な作業手順(作業内容)を示す画面が作業者用端末4の表示部44に表示されるので、作業者は、作業者用端末4の表示部44に表示された画面に従って作業を行うことにより、簡単にこの工程の作業を行うことができる。このように、工程管理を支援することができる。
【0070】
本実施の形態によれば、前工程が終了していないときには、前工程が終了しておらず不適合であることを明示した不適合カードに書き替えているので、これらの部品等を誤って使用することを防止することができる。
【0071】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0072】
上記実施の形態では、記憶媒体としてリライタブルカードを用いた場合を例に本発明を説明したが、カード(記憶媒体)を挿入することにより、この工程の前工程が終了しているか否かを判別できればよい。また、各工程の作業場に配置されている作業者用端末4は、リライタブル装置5に接続されていなくてもよい。この場合、作業者用端末4には、例えば、カード読み取り可能なカードリーダが接続されている。
【0073】
カード作成処理において、製品の製造工程の最初の工程である準備工程用のカードを作成し、他の工程については、各工程終了後に、新たに次の工程のカードを作成する場合を例に本発明を説明したが、例えば、カード作成工程において、製造工程ごとのカードを作成してもよい。
【0074】
上記実施の形態では、工程管理処理において、終了時間を工程管理支援サーバ1に送信する場合を例に本発明を説明したが、例えば、終了時間の他に、開始時間を送信してもよい。開始時間は、例えば、工程管理処理のステップS22で前の工程が終了していると判別した時間を、その工程の作業開始時間とし、ステップS29で、終了時間とともに工程管理支援サーバ1に送信する。これにより、進捗情報DB27にその工程の開始時間と終了時間が登録される。
【0075】
また、進捗情報DB27にその工程の開始時間と終了時間が登録されると、各工程の作業時間が登録される。例えば、作業者に関する情報を記憶した作業者用カード(ID)を設け、各工程の作業と、作業者とを対応付けることにより、作業者ごとの評価を容易にすることができる。また、例えば、作業者ごとに、各工程の作業に関する基準時間を設け、この基準時間より短い時間で作業できた場合には所定のポイントを与えることにより、作業者に作業時間短縮のための意欲を与えることができる。
【0076】
上記実施の形態では、リライタブル装置5にカードを挿入し、部品等のリスト、作業内容等を作業者用端末4の表示部44に表示する場合を例に本発明を説明したが、例えば、部品等のリスト、作業内容等をシートに印字してもよい。この場合、印字したシートにペンでチェックを入れることにより、簡単かつ確実に工程の抜けを防止することができるとともに、この工程の作業を簡単に行うことができる。この場合、例えば、作業終了後、スキャナを用いて作業情報を電子化すれば、これらの情報を保存、活用することができる。
【0077】
本実施の形態にかかる工程管理支援サーバ1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する工程管理支援サーバ1を構成することができる。
【0078】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態に係る工程管理支援システムの構成を示す図である。
【図2】図1の工程管理支援サーバの構成を示す図である。
【図3】図1の工程管理支援データベースの構成を示す図である。
【図4】管理者情報データベースの一例を示す図である。
【図5】製品情報データベースの一例を示す図である。
【図6】製造工程情報データベースの一例を示す図である。
【図7】部品情報データベースの一例を示す図である。
【図8】受注情報データベースの一例を示す図である。
【図9】進捗情報データベースの一例を示す図である。
【図10】作業者用端末の構成を示す図である。
【図11】リライタブルカードの一例を示す図である。
【図12】リライタブル装置の構成を示す図である。
【図13】メニュー画面の一例を示す図である。
【図14】受注情報登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】カード作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】工程管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】次工程情報送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】不適合カードの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 工程管理支援サーバ
2 工程管理支援データベース
3 通信ネットワーク
4 作業者用端末
5 リライタブル装置
6 管理者用端末
7 リライタブル装置
11 通信制御部
12 処理制御部
13 データ記憶部
21 管理者情報データベース
22 製品情報データベース
23 製造工程情報データベース
24 部品情報データベース
25 治具・工具情報データベース
26 受注情報データベース
27 進捗情報データベース
28 画像情報データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の製造工程を有する製品の工程管理においては、工程の内容を指示したカードやロット表等を用いて、作業者が製造工程の管理を行っている。近年の製品の多品種少量化等により、工程管理の重要性が高まっており、工程抜け・作業抜けをなくすように、工程管理を支援する各種の方法及びシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、所定の工程毎に工程管理に関する情報を記憶した記憶領域と該記憶領域に記憶した工程管理情報を可視情報として書き換え可能に表示するための表示領域とを有する情報記録媒体と、その情報記録媒体の表示領域に表示された可視情報を書き換えするための書き換え可能装置とを用いて、効率的な工程管理を行うシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2004−295402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工程管理においては、さらに、工程抜け・作業抜け等の問題をより確実に防止することが求められており、このような工程管理を支援することができるシステムが求められている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、工程管理を支援することができる工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる工程管理支援システムは、
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムであって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段と、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段と、
を備える、ことを特徴とする。
【0007】
前記管理する工程が終了したか否かを判別する終了判別手段と、
前記終了判別手段により前記管理する工程が終了したと判別したときに、当該工程の次工程の作業内容に関する情報を受信する受信手段と、
前記記憶媒体に記憶されている情報を前記受信手段により受信された前記次工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の終了に関する情報に書き替える書替手段と、を、
さらに備えることが好ましい。
【0008】
前記記憶媒体は、工程の作業者が可視可能な可視領域を備え、
前記前工程判別手段により前記前工程が行われていないと判別したときに、前記記憶媒体の可視領域に、前工程が終了しておらず不適合であることを示す情報を表示する不適合表示手段を、
さらに備える、ことが好ましい。
【0009】
本発明の第2の観点にかかる工程管理支援方法は、
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援方法であって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出ステップと、
前記読出ステップで読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別ステップと、
前記前工程判別ステップで前工程が行われていると判別したときに、前記読出ステップで読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示ステップと、
を備える、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムとして機能させるためのプログラムであって、
コンピュータを、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、工程管理を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態にかかる工程管理支援システム、工程管理支援方法及びプログラムについて説明する。本実施の形態では、記憶媒体としての書き替え可能な(リライタブル)カードを作業指示票(カード)に用いて製品の工程管理を支援する場合を例に本発明の工程管理支援システム等を説明する。図1に本実施の形態の工程管理支援システムの構成を示す。
【0013】
図1に示すように、工程管理支援システムは、工程管理支援サーバ1と、工程管理支援データベース2と、通信ネットワーク3と、通信ネットワーク3を介して接続された作業者用端末4(4a〜4n)と、作業者用端末4(4a〜4n)に接続されたリライタブル装置5(5a〜5n)と、管理者用端末6と、リライタブル装置7と、を備えている。
【0014】
工程管理支援サーバ1は、工程管理支援システムに関する各種の処理をするためのものである。図2に工程管理支援サーバ1の構成図を示す。図2に示すように、工程管理支援サーバ1は、通信制御部11と、処理制御部12と、データ記憶部13と、を備えている。
【0015】
通信制御部11は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、工程管理支援サーバ1と通信ネットワーク3とを接続する。通信制御部11は、例えば、通信ネットワーク3を介して、作業者用端末4から工程管理に関する情報を受信する。
【0016】
処理制御部12は、通信制御部11を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、データ記憶部13から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
【0017】
データ記憶部13は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0018】
工程管理支援データベース2は、工程管理支援システムに関する各種の情報を記憶するデータベース(DB)である。図3に工程管理支援データベース2の構成を示す。図3に示すように、工程管理支援データベース2は、管理者情報DB21と、製品情報DB22と、製造工程情報DB23と、部品情報DB24と、治具・工具情報DB25、受注情報DB26と、進捗情報DB27と、画像情報DB28と、を備えている。
【0019】
管理者情報DB21は、工程管理支援システムの管理者に関する情報を記憶するデータベースである。管理者情報DB21には、例えば、図4に示すように、管理者ID、氏名、メールアドレス、パスワード等が記憶されている。ここで、管理者IDは、管理者の識別情報である。パスワードは、管理者が工程管理支援システムにログインするためのパスワードである。
【0020】
製品情報DB22は、工程管理支援システムで取り扱う製品に関する情報を記憶するデータベースである。製品情報DB22には、例えば、図5に示すように、製品番号、製品名、製造工程等が記憶されている。製造工程は、その製品の製造に必要な製造工程である。
【0021】
製造工程情報DB23は、製品の製造工程に関する情報を記憶するデータベースである。製造工程情報DB23には、例えば、図6に示すように、製造工程名、部品、治具・工具等が記憶されている。部品は、その製造工程で使用する部品である。治具・工具は、その製造工程で必要な治具・工具である。
【0022】
部品情報DB24は、工程管理支援システムで取り扱う部品に関する情報を記憶するデータベースである。部品情報DB24には、例えば、図7に示すように、部品番号、部品名、収納場所等が記憶されている。なお、この収納場所に収納されている部品には、部品番号等が記憶されたバーコードが貼付されており、後述する工程管理処理では、このバーコードの読み込みによって部品収集に関する情報が管理されている。
【0023】
治具・工具情報DB25は、工程管理支援システムで取り扱う治具・工具に関する情報を記憶するデータベースである。治具・工具情報DB25には、図7に示す部品情報DB24と同様に、治具・工具番号、治具・工具名、収納場所等が記憶されている。なお、この収納場所に収納されている治具・工具にも、部品と同様にバーコードが貼付され、治具・工具収集に関する情報が管理されている。
【0024】
受注情報DB26は、製品の受注に関する情報を記憶するデータベースである。受注情報DB26には、例えば、図8に示すように、受注番号、製品番号、個数、納期、納品先等が記憶されている。また、受注情報DB26には、後述するカード作成処理によるカード作成の有無に関する情報が記憶されている。
【0025】
進捗情報DB27は、製品製造の進捗状況に関する情報を記憶するデータベースである。進捗情報DB27には、例えば、図9に示すように、受注番号、製品番号、個数、進捗状況等が記憶されている。進捗状況には、各工程ごとの工程終了日時等が記憶されている。
【0026】
画像情報DB28は、後述する各処理で表示される様々な画像を構成する情報を記憶するデータベースであり、これらの画像を生成するための様々な素材の画像、各種フォームなどを記憶する。
【0027】
通信ネットワーク3は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに基づくインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークである。
【0028】
作業者用端末4は、例えば、通信機能を備え、表示部を有するコンピュータなどから構成されている。図10に作業者用端末4の構成を示す。図10に示すように、作業者用端末4は、通信部41と、制御部42と、記憶部43と、表示部44と、入力部45と、を備えている。
【0029】
通信部41は、所定の通信装置から構成され、リライタブル装置5と作業者用端末4とを接続する。また、通信部41は、通信ネットワーク3を介して、工程管理支援サーバ1と作業者用端末4とを接続する。
制御部42は、通信部41を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。制御部42は、例えば、CPUを備え、記憶部43から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
記憶部43は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)等の出力装置を含む。
入力部45は、キーボードやタッチパネル等から構成され、任意のデータ・情報を入力する。
【0030】
この作業者用端末4は、作業者が作業を行う各作業場に配置されている。例えば、準備工程を行う作業場には作業者用端末4a、A工程を行う作業場には作業者用端末4bのように、各作業場にそれぞれ作業者用端末4が配置されている。作業者用端末4は、例えば、リライタブル装置5から受信した情報を表示部44に表示したり、リライタブルカードに書き込む情報をリライタブル装置5に送信したりする。また、作業者用端末4は、リライタブル装置5から受信した情報を、通信ネットワーク3を介して、工程管理支援サーバ1に送信する。
【0031】
リライタブル装置5は、工程管理支援システムで用いられるリライタブルカードの読み取り、及び、書き替えを行う装置である。リライタブル装置5は、作業者用端末4に接続されており、各作業場にそれぞれ配置されている。
【0032】
図11にリライタブルカードの一例を示す。図11に示すように、リライタブルカード8は、表示領域81と、記憶領域82とを備えている。
【0033】
表示領域81は、作業内容を指示する情報を表示する領域であり、作業を行う工程に関する情報が表示される。本実施の形態では、図11に示すように、製品番号、工程名が表示されている。
【0034】
記憶領域82は、例えば、ICチップ等から構成され、作業内容を指示する情報を記憶する領域である。例えば、記憶領域82には、製造する製品、終了した前工程及び前工程終了時間、本工程で用いる部品、治具・工具、工程の内容を示す図等が記憶されている。これらの内容は、後述する工程管理処理、または、カード作成処理により、記憶領域82に記憶される。この記憶された内容は、リライタブルカード8をリライタブル装置5により読み込ませることにより、作業者用端末4に表示させることができる。
【0035】
図12にリライタブル装置5の構成を示す。図12に示すように、リライタブル装置5は、通信制御部51と、処理制御部52と、データ記憶部53と、読み取り部54と、書き替え部55と、備えている。
【0036】
通信制御部51は、所定の通信装置から構成され、リライタブル装置5と作業者用端末4とを接続する。
処理制御部52は、通信制御部51を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部52は、例えば、CPUを備え、データ記憶部53から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
データ記憶部53は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0037】
読み取り部54は、例えば、カードリーダから構成され、リライタブルカードに書き込まれた情報を読み取り、読み取った情報を、通信制御部51を介して、作業者用端末4に送信する。
書き替え部55は、作業者用端末4から、通信制御部51を介して、送信された情報を受信し、受信した情報を記憶し、リライタブルカードに書き込まれた情報を書き替える。
【0038】
管理者用端末6は、例えば、通信機能を有するコンピュータなどから構成されている。管理者用端末6は、例えば、後述する、ログイン、受注情報登録処理などの処理における操作入力等に用いられる。
【0039】
リライタブル装置7は、図12に示すように、通信制御部71と、処理制御部72と、データ記憶部73と、読み取り部74と、書き替え部75と、を備えている。これらの構成については、リライタブル装置5と同様である。
【0040】
次に、以上のように構成された工程管理支援システムを用いた工程管理支援方法(工程管理支援処理)について説明する。以下、事前登録、ログイン、受注情報登録処理、カード作成処理、工程管理処理、進捗状況確認処理の順に説明する。
【0041】
(事前登録)
工程管理支援システムを管理者が利用するには、工程管理支援システムに事前登録し、本システムにログインすることが必要になる。
【0042】
管理者は、管理者用端末6から通信ネットワーク3を介して工程管理支援サーバ1に、管理者の氏名、メールアドレス等の情報を送信する。工程管理支援サーバ1(処理制御部12)は、管理者の氏名等の情報を受け取ると、管理者ID及びパスワードを発行し、例えば、メールで管理者用端末6に管理者ID及びパスワードを送信する。また、処理制御部12は、受信した所定の情報、管理者ID及びパスワードを管理者情報DB21に登録する。これにより、管理者による事前登録が完了する。
【0043】
(ログイン)
管理者は、管理者用端末6から通信ネットワーク3を介して、工程管理支援サーバ1により提供されるWebサイトにアクセスし、受信したID(ログイン名)及びパスワードを入力する。処理制御部12は、送信されたログイン名及びパスワードから管理者であると認めると、例えば、図13に示すようなメニュー画面の情報(HTML形式の情報)を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6に送信し、管理者用端末6にメニュー画面を表示する。メニュー画面には、図13に示すように、受注情報を登録する「受注情報登録処理」、カードを作成する「カード作成処理」、作業の進捗状況を確認する「進捗状況確認処理」等のメニュー欄が配置されている。管理者は、管理者用端末6を操作して、このメニュー画面から「受注情報登録処理」等をクリックすることにより、受注情報の登録等の処理を行うことができる。
【0044】
(受注情報登録処理)
受注情報登録処理は、本システムの管理者が、受注された製品に関する受注情報を登録する処理である。図14は、受注情報登録処理を説明するためのフローチャートである。
【0045】
まず、処理制御部12は、図13に示すメニュー画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6にメニュー画面を表示させる(ステップS1)。管理者は、管理者用端末6を操作して、「受注情報登録処理」をクリックすることにより、受注情報を登録することができる。
【0046】
次に、処理制御部12は、メニュー画面から「受注情報登録処理」が選択されているか否かを判別する(ステップS2)。すなわち、管理者がメニュー画面から「受注情報登録処理」をクリックしたか否かを判別する。処理制御部12は「受注情報登録処理」がクリックされていないと判別すると(ステップS2;No)、この処理を終了する。
【0047】
処理制御部12は、「受注情報登録処理」がクリックされていると判別すると(ステップS2;Yes)、図示しない登録用画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6に送信し、管理者用端末6に登録用画面を表示する(ステップS3)。管理者は、管理者用端末6を操作することにより、登録用画面に必要な内容を入力することができる。
【0048】
続いて、処理制御部12は、必要な情報が登録されているか否かを判別する(ステップS4)。例えば、処理制御部12は、管理者用端末6から登録用画面を使用して送信された情報に、製品番号(製品名)、個数、納期、納品先が登録されているか否かを判別する。処理制御部12は、必要な情報が登録されていると判別すると(ステップS4;Yes)、この処理を終了する。
【0049】
(カード作成処理)
カード作成処理は、製品の製造工程の最初の工程である準備工程で用いられる作業指示票としてのカード(リライタブルカード)を作成する処理である。なお、本実施の形態では、カード作成処理において、製品の製造工程の最初の工程である準備工程用のカードを作成し、他の工程については、後述するように、各工程終了後に、新たに次の工程のカードを作成する。図15は、カード作成処理を説明するためのフローチャートである。
【0050】
まず、処理制御部12は、図13に示すメニュー画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6にメニュー画面を表示させる(ステップS11)。管理者は、管理者用端末6を操作して、「カード作成処理」をクリックすることにより、受注情報を登録することができる。
【0051】
次に、処理制御部12は、メニュー画面から「カード作成処理」が選択されているか否かを判別する(ステップS12)。処理制御部12は「カード作成処理」がクリックされていないと判別すると(ステップS12;No)、この処理を終了する。
【0052】
処理制御部12は、「カード作成処理」がクリックされていると判別すると(ステップS12;Yes)、受注情報DB26に記憶されている情報、及び、画像情報DB28に記憶されている情報から、カード作成対象となる製品、すなわち、受注情報DB26にカードが作成されていない旨の情報が記憶されている製品の一覧を示す製品一覧画面を作成し、作成した製品一覧画面を管理者用端末6に送信して、管理者用端末6に製品一覧画面を表示する(ステップS13)。管理者は、管理者用端末6を操作して製品を選択することにより、カードを作成する製品を特定することができる。
【0053】
続いて、処理制御部12は、カードを作成する製品が特定されているか否かを判別する(ステップS14)。処理制御部12は、カードを作成する製品が特定されていると判別すると(ステップS14;Yes)、製品情報DB22、製造工程情報DB23、部品情報DB24、及び、治具・工具情報DB25に記憶されている情報から必要な情報を抽出する(ステップS15)。具体的には、特定された製品の製造工程、製造工程で必要な部品、治具・工具、及び、これらの収納場所等に関する情報を抽出する。なお、本実施の形態では、準備工程用のカードを作成することから、特定された製品の準備工程で必要な部品、治具・工具、及び、これらの収納場所等に関する情報を抽出する。
【0054】
次に、処理制御部12は、抽出した情報を管理者用端末6に送信する(ステップS16)。管理者は、送信された情報を管理者用端末6で受信すると、受信した情報に基づいてリライタブル装置7を操作してカードを作成する。管理者は、例えば、管理者用端末6を操作して、受信した情報をリライタブル装置7に送信するとともに、処理制御部72に書き替え部75を制御させ、送信した情報をカードに書き込む。これにより、管理者は、準備工程で使用可能なカードを作成することができる。そして、管理者は、カードを作成すると、管理者用端末6を操作して、カードを作成した旨の情報を工程管理支援サーバ1に送信する。
【0055】
続いて、処理制御部12は、管理者用端末6からカードを作成した旨の情報を受信したか否かを判別する(ステップS17)。処理制御部12は、カードを作成した旨の情報を受信すると(ステップS17;Yes)、カードを作成した旨の情報を受注情報DB26に登録し(ステップS18)、この処理を終了する。
【0056】
(工程管理処理)
工程管理処理は、カード作成処理等で作成されたカード(リライタブルカード)を作業指示票(カード)として用いることにより、工程管理を支援する処理である。工程管理処理では、作業者用端末4、及び、リライタブル装置5が用いられる。図16は、工程管理処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、作業者は、各工程の作業を行う前に、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入する。作業者用端末4の制御部42は、リライタブル装置5にカードが挿入されたか否かを判別する(ステップS21)。制御部42は、リライタブル装置5にカードが挿入されたと判別すると、この工程の前の工程が終了しているか否かを判別する(ステップS22)。すなわち、リライタブルカード8の記憶領域82には、製造する製品の終了した前工程及び前工程終了時間が記憶されており、この記憶された前工程が、本工程の前工程であるか否かを判別する。
【0058】
制御部42は、本工程の前工程であると判別すると(ステップS22;Yes)、リライタブルカード8の記憶領域82に記憶された本工程で用いる部品、治具・工具等のリストを作業者用端末4の表示部44に表示する(ステップS23)。作業者は、この作業場、または、所定の収納場所に収納された治具・工具、部品等を収集し、これを作業者用端末4に登録する。例えば、作業者は、部品、治具・工具等に貼り付けられたバーコードを読み込むことにより、部品、治具・工具等の収集を作業者用端末4に登録する。
【0059】
制御部42は、バーコードが読み込まれたか否かを判別する(ステップS24)。制御部42は、バーコードが読み込まれたと判別すると(ステップS24;Yes)、読み込まれた部品等をチェックし(ステップS25)、読み込まれていない部品等があるか否かを判別する(ステップS26)。制御部42は、読み込まれていない部品等があると判別すると(ステップS26;Yes)、ステップS24に戻る。
【0060】
制御部42は、読み込まれていない部品等がないと判別すると(ステップS26;No)、記憶領域82に記憶された具体的な作業手順(作業内容)を示す画面を作業者用端末4の表示部44に表示する(ステップS27)。作業者は、作業者用端末4の表示部44に表示された画面に従って作業を行うことにより、この工程の作業を行う(終了する)ことができる。
【0061】
次に、制御部42は、作業が終了したか否かを判別する(ステップS28)。制御部42は、例えば、記憶領域82に記憶された作業手順を示す画面が終了したか否かを判別する。制御部42は、作業が終了したと判別すると(ステップS28;Yes)、終了時間を記憶し、記憶した終了時間、及び、この工程が終了した旨の情報を工程管理支援サーバ1に送信する(ステップS29)。
【0062】
ステップS29によりこの工程が終了した旨の情報が送信されると、工程管理支援サーバ1の処理制御部12は、図17に示す次工程情報送信処理を実行する。まず、この情報を受信したか否かを判別する(ステップS41)。処理制御部12は、この情報を受信したと判別すると(ステップS41;Yes)、製品情報DB22、製造工程情報DB23、部品情報DB24、及び、治具・工具情報DB25に記憶されている情報から必要な情報を抽出する(ステップS42)。具体的には、この工程の終了時間、この製品の次の製造工程、製造工程で必要な部品、治具・工具、及び、これらの収納場所等に関する情報を抽出する。そして、処理制御部12は、抽出した情報を作業者用端末4に送信する(ステップS43)。また、処理制御部12は、この工程の終了時間を進捗情報DB27に登録し(ステップS44)、この処理を終了する。
【0063】
続いて、制御部42は、受信した情報に基づいてリライタブル装置5を操作してカードの内容を書き替える(ステップS30)。制御部42は、受信した情報をリライタブル装置5に送信するとともに、リライタブル装置5の処理制御部52に書き替え部55を制御させ、送信した情報をカードに書き込ませる。これにより、カードの内容が次の工程の内容に書き替えられる。そして、制御部42は、この処理を終了する。
【0064】
一方、制御部42は、本工程の前工程が終了していないと判別すると(ステップS22;No)、本工程の前工程が終了していない旨の情報を、作業者用端末4の表示部44に表示して作業者に報知するとともに、工程管理支援サーバ1及び管理者用端末6に送信し(ステップS31)、ステップS30に進む。この場合、ステップS30では、制御部42は、本工程の前工程でない旨の情報に基づいてリライタブル装置5を操作して、例えば、図18に示すように、前工程が終了しておらず不適合であることを明示したカード(不適合カード)に書き替える。
【0065】
このように、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入することにより、この工程の前工程が終了しているか否かを簡単かつ確実に判別することができる。
【0066】
(進捗状況確認処理)
進捗状況確認処理は、受注製品の進捗状況を確認する処理である。
処理制御部12は、図13に示すメニュー画面を画像情報DB28から読み出して、管理者用端末6にメニュー画面を表示させる。次に、処理制御部12は、メニュー画面から「進捗状況確認処理」が選択されているか否かを判別し、選択されていると判別すると、進捗情報DB27、及び、画像情報DB28に記憶されている情報に基づいて進捗状況を示す画面を作成して管理者用端末6に送信し、管理者用端末6に進捗状況を示す画面を表示する。
【0067】
このように、管理者は、管理者用端末6を操作して、メニュー画面から「進捗状況確認処理」をクリックするだけで進捗情報DB27に登録されている、受注製品の現在の進捗状況を確認することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、工程管理処理において、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入することにより、この工程の前工程が終了しているか否かを判別しているので、作業者に負担をかけることなく、簡単かつ確実に工程の抜けを防止することができる。このように、工程管理を支援することができる。
【0069】
本実施の形態によれば、工程管理処理において、作業を行う作業場に配置されたリライタブル装置5にカードを挿入することにより、具体的な作業手順(作業内容)を示す画面が作業者用端末4の表示部44に表示されるので、作業者は、作業者用端末4の表示部44に表示された画面に従って作業を行うことにより、簡単にこの工程の作業を行うことができる。このように、工程管理を支援することができる。
【0070】
本実施の形態によれば、前工程が終了していないときには、前工程が終了しておらず不適合であることを明示した不適合カードに書き替えているので、これらの部品等を誤って使用することを防止することができる。
【0071】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0072】
上記実施の形態では、記憶媒体としてリライタブルカードを用いた場合を例に本発明を説明したが、カード(記憶媒体)を挿入することにより、この工程の前工程が終了しているか否かを判別できればよい。また、各工程の作業場に配置されている作業者用端末4は、リライタブル装置5に接続されていなくてもよい。この場合、作業者用端末4には、例えば、カード読み取り可能なカードリーダが接続されている。
【0073】
カード作成処理において、製品の製造工程の最初の工程である準備工程用のカードを作成し、他の工程については、各工程終了後に、新たに次の工程のカードを作成する場合を例に本発明を説明したが、例えば、カード作成工程において、製造工程ごとのカードを作成してもよい。
【0074】
上記実施の形態では、工程管理処理において、終了時間を工程管理支援サーバ1に送信する場合を例に本発明を説明したが、例えば、終了時間の他に、開始時間を送信してもよい。開始時間は、例えば、工程管理処理のステップS22で前の工程が終了していると判別した時間を、その工程の作業開始時間とし、ステップS29で、終了時間とともに工程管理支援サーバ1に送信する。これにより、進捗情報DB27にその工程の開始時間と終了時間が登録される。
【0075】
また、進捗情報DB27にその工程の開始時間と終了時間が登録されると、各工程の作業時間が登録される。例えば、作業者に関する情報を記憶した作業者用カード(ID)を設け、各工程の作業と、作業者とを対応付けることにより、作業者ごとの評価を容易にすることができる。また、例えば、作業者ごとに、各工程の作業に関する基準時間を設け、この基準時間より短い時間で作業できた場合には所定のポイントを与えることにより、作業者に作業時間短縮のための意欲を与えることができる。
【0076】
上記実施の形態では、リライタブル装置5にカードを挿入し、部品等のリスト、作業内容等を作業者用端末4の表示部44に表示する場合を例に本発明を説明したが、例えば、部品等のリスト、作業内容等をシートに印字してもよい。この場合、印字したシートにペンでチェックを入れることにより、簡単かつ確実に工程の抜けを防止することができるとともに、この工程の作業を簡単に行うことができる。この場合、例えば、作業終了後、スキャナを用いて作業情報を電子化すれば、これらの情報を保存、活用することができる。
【0077】
本実施の形態にかかる工程管理支援サーバ1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する工程管理支援サーバ1を構成することができる。
【0078】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態に係る工程管理支援システムの構成を示す図である。
【図2】図1の工程管理支援サーバの構成を示す図である。
【図3】図1の工程管理支援データベースの構成を示す図である。
【図4】管理者情報データベースの一例を示す図である。
【図5】製品情報データベースの一例を示す図である。
【図6】製造工程情報データベースの一例を示す図である。
【図7】部品情報データベースの一例を示す図である。
【図8】受注情報データベースの一例を示す図である。
【図9】進捗情報データベースの一例を示す図である。
【図10】作業者用端末の構成を示す図である。
【図11】リライタブルカードの一例を示す図である。
【図12】リライタブル装置の構成を示す図である。
【図13】メニュー画面の一例を示す図である。
【図14】受注情報登録処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】カード作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】工程管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】次工程情報送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】不適合カードの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 工程管理支援サーバ
2 工程管理支援データベース
3 通信ネットワーク
4 作業者用端末
5 リライタブル装置
6 管理者用端末
7 リライタブル装置
11 通信制御部
12 処理制御部
13 データ記憶部
21 管理者情報データベース
22 製品情報データベース
23 製造工程情報データベース
24 部品情報データベース
25 治具・工具情報データベース
26 受注情報データベース
27 進捗情報データベース
28 画像情報データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムであって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段と、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段と、
を備える、ことを特徴とする工程管理支援システム。
【請求項2】
前記管理する工程が終了したか否かを判別する終了判別手段と、
前記終了判別手段により前記管理する工程が終了したと判別したときに、当該工程の次工程の作業内容に関する情報を受信する受信手段と、
前記記憶媒体に記憶されている情報を前記受信手段により受信された前記次工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の終了に関する情報に書き替える書替手段と、を、
さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援システム。
【請求項3】
前記記憶媒体は、工程の作業者が可視可能な可視領域を備え、
前記前工程判別手段により前記前工程が行われていないと判別したときに、前記記憶媒体の可視領域に、前工程が終了しておらず不適合であることを示す情報を表示する不適合表示手段を、
さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援システム。
【請求項4】
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援方法であって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出ステップと、
前記読出ステップで読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別ステップと、
前記前工程判別ステップで前工程が行われていると判別したときに、前記読出ステップで読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示ステップと、
を備える、ことを特徴とする工程管理支援方法。
【請求項5】
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムとして機能させるためのプログラムであって、
コンピュータを、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムであって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段と、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段と、
を備える、ことを特徴とする工程管理支援システム。
【請求項2】
前記管理する工程が終了したか否かを判別する終了判別手段と、
前記終了判別手段により前記管理する工程が終了したと判別したときに、当該工程の次工程の作業内容に関する情報を受信する受信手段と、
前記記憶媒体に記憶されている情報を前記受信手段により受信された前記次工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の終了に関する情報に書き替える書替手段と、を、
さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援システム。
【請求項3】
前記記憶媒体は、工程の作業者が可視可能な可視領域を備え、
前記前工程判別手段により前記前工程が行われていないと判別したときに、前記記憶媒体の可視領域に、前工程が終了しておらず不適合であることを示す情報を表示する不適合表示手段を、
さらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援システム。
【請求項4】
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援方法であって、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出ステップと、
前記読出ステップで読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別ステップと、
前記前工程判別ステップで前工程が行われていると判別したときに、前記読出ステップで読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示ステップと、
を備える、ことを特徴とする工程管理支援方法。
【請求項5】
複数の製造工程を有する製品の工程管理を支援する工程管理支援システムとして機能させるためのプログラムであって、
コンピュータを、
管理する工程の作業内容に関する情報、及び、当該工程の前工程の終了に関する情報を記憶する記憶媒体に記憶されている情報を読み出す読出手段、
前記読出手段で読み出した前工程の終了に関する情報に基づいて、前工程が行われているかを判別する前工程判別手段、
前記前工程判別手段により前工程が行われていると判別したときに、前記読出手段により読み出した当該工程の作業内容に関する情報を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−77169(P2008−77169A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−252685(P2006−252685)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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