説明

廃棄トナー回収装置及び画像形成装置

【課題】収縮状態の廃棄トナー容器の装着時に容器の伸長作業を不要にできる廃棄トナー回収装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置に設けられた容器収容部と、廃棄トナー導入口371及び伸縮自在な容器本体351を有する廃棄トナー容器350と、廃棄トナー容器350を保持した状態で容器収容部に収容可能な容器保持部材と、容器保持部材に設けられ且つ廃棄トナー容器350の第1保持箇所360を保持する第1保持部322、廃棄トナー容器350の第1保持箇所360から容器本体351の伸縮方向Xに離間した第2保持箇所345を保持する第2保持部381及び第1保持部322と第2保持部381とを離間させる保持部離間機構385を有する容器伸長部380とを備え、容器保持部材は、容器収容部への容器保持部材の装着動作に連動して第1保持部322と第2保持部381とを離間させるように保持部離間機構385を操作する連動機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄トナーを回収する廃棄トナー回収装置及び廃棄トナー回収装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、像担持体である感光体ドラムと転写部材である転写ローラとを、接触又は近接させて転写ニップを形成し、この転写ニップに用紙を挿通して、感光体ドラムの表面に形成されたトナー画像を用紙に転写させる転写方式(直接転写方式)が広く用いられている。このような直接転写方式では、トナー画像を用紙に転写させた後に、微量のトナーが用紙に転写されずに感光体ドラムの表面に残留してしまうことがある。このようなトナーを「残留トナー」という。感光体ドラムの表面における残留トナーは、次の新たな画像形成の障害となるので、クリーニング部によるクリーニングが必要となる。
【0003】
また、感光体ドラムの表面に形成されたトナー画像を、中間転写ベルト等の中間転写体に一次転写し、その後、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を用紙に二次転写する転写方式(間接転写方式)も用いられている。このような間接転写方式では、感光体ドラムの表面のみならず、中間転写体の表面にも微量のトナーが用紙に転写されずに残留してしまうことがある。中間転写体の表面における残留トナーも、クリーニング部によるクリーニングが必要となる。
【0004】
クリーニング部に回収されたトナーは、廃棄トナーとして、スクリュー等の搬送部材により搬送管の中を搬送され、廃棄トナー回収装置によって回収される。廃棄トナー回収装置は、一般的に、廃棄トナーを収容する廃棄トナー容器を備えており、廃棄トナーは、廃棄トナー容器に収容される。
【0005】
廃棄トナー容器の収容量は、満杯になった後の廃棄トナー容器の交換回数を削減できるという観点からは大きい方が好ましいが、収容量の大きい廃棄トナー容器では、使用前において廃棄トナー容器全体の大きさが大きいため、持ち運びが不便であると共に保管用のスペースを広く確保する必要があるという問題が生じる。このような問題を解決すべく、下記特許文献1には、伸縮自在な廃棄トナー容器を用いる廃棄トナー回収装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】公開平7−319351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の廃棄トナー回収装置においては、収縮状態の未使用の廃棄トナー容器を装着する際に、収縮状態の廃棄トナー容器を伸長させる作業が必要であり、廃棄トナー容器の交換作業性が低い。
【0008】
従って、本発明は、収縮状態の未使用の廃棄トナー容器を装着する際に、収縮状態の廃棄トナー容器を伸長させる作業を不要にでき、廃棄トナー容器の交換作業性を向上させることができる廃棄トナー回収装置、及び該廃棄トナー回収装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像形成装置の装置本体に設けられた容器収容部と、廃棄トナーが導入される廃棄トナー導入口と、該廃棄トナー導入口から導入された廃棄トナーが貯留される伸縮自在な容器本体とを有する廃棄トナー容器と、前記廃棄トナー容器を保持した状態で前記容器収容部に収容可能な容器保持部材と、前記容器保持部材に設けられ、前記廃棄トナー容器における第1保持箇所を保持する第1保持部と、前記廃棄トナー容器における前記第1保持箇所から前記容器本体の伸縮方向に離間した第2保持箇所を保持する第2保持部と、前記第1保持部と前記第2保持部とを離間させる保持部離間機構とを有する容器伸長部と、を備え、前記容器保持部材は、前記容器収容部への該容器保持部材の装着動作に連動して前記第1保持部と前記第2保持部とを離間させるように前記保持部離間機構を操作する連動機構を備える廃棄トナー回収装置に関する。
【0010】
また、前記容器伸長部は、前記保持部離間機構によって前記第1保持部と前記第2保持部とを離間させることにより前記容器本体を伸長させることが好ましい。
【0011】
また、前記保持部離間機構は、前記第1保持部と前記第2保持部とを接近可能に構成され、前記容器伸長部は、前記保持部離間機構により前記第1保持部と前記第2保持部とを接近させる過程において、前記第1保持部による前記第1保持箇所の保持及び/又は前記第2保持部による前記第2保持箇所の保持を解除可能に構成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記容器保持部材は、前記容器収容部からの前記容器保持部材の脱離動作に連動して前記第1保持部と前記第2保持部とを接近させるように前記保持部離間機構を操作する連動機構を備えることが好ましい。
【0013】
また、前記連動機構は、前記容器収容部への前記容器保持部材の装着方向に延びる第1ラックと、前記第1保持部と前記第2保持部との離間方向に延びる第2ラックと、前記第1ラックと噛み合う第1ピニオン及び前記第2ラックと噛み合う第2ピニオンを有する2段ピニオンと、を主体として構成されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記転写部により前記被転写材に転写されたトナー画像を該被転写材に定着させる定着部と、前記像担持体及び/又は転写部に残留した残留トナーを除去するクリーニング部と、前記廃棄トナー回収装置と、を備え、前記廃棄トナー回収装置は、前記クリーニング部により除去された残留トナーを廃棄トナーとして回収する画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、収縮状態の未使用の廃棄トナー容器を装着する際に、収縮状態の廃棄トナー容器を伸長させる作業を不要にでき、廃棄トナー容器の交換作業性を向上させることができる廃棄トナー回収装置、及び該廃棄トナー回収装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1から図3により、本実施形態における画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、カバー部120が閉状態となっているコピー機1の斜視図である。図2は、コピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。図3は、カバー部120が開状態となっているコピー機1の斜視図である。
【0017】
図1から図3に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、コピー機1における上方側に配置される画像読取装置200と、コピー機1における下方側に配置され画像読取装置200からの画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
【0018】
画像読取装置200について説明する。
図2に示すように、画像読取装置200は、蓋部70と、原稿Gの画像を読み込む読取部201と、を備える。
蓋部70は、読取部201に対して不図示の連結部により開閉可能に連結される。蓋部70は、後述する読取面202Aを保護する機能を有する。
【0019】
読取部201は、読取面202Aと、内部空間204に配置される光源としてのランプ240と、複数のミラー221、222及び223と、読取面202Aと平行な方向に移動する第1枠体211及び第2枠体212と、結像レンズ230と、読取手段としてのCCD235と、CCD235により読み取られた画像データに対して所定の処理をすると共に該画像データを装置本体M側に出力させるCCD基板236と、を備える。
【0020】
読取面202Aは、原稿Gが載置されるコンタクトガラス202の垂直方向上面に沿って形成される。
上述のランプ240及びミラー221は、第1枠体211に収容される。また、ミラー222及び223は、第2枠体212に収容される。
【0021】
読取部201の内部空間204において、複数のミラー221、222及び223は、原稿Gからの光を結像レンズ230に入光させるための光路Hを形成する。また、第1枠体211が副走査方向Xに一定速度Aで移動すると共に、第2枠体212が副走査方向Xに一定速度A/2で移動するため、画像読み取り動作時においても、光路Hの長さは一定に維持される。これにより、読取面202Aに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
【0022】
装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部と、用紙Tを画像形成部に給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部とを有する。
【0023】
図1及び図3に示すように、装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体100により構成される。ケース体100は、ケース本体110と、カバー部120とを有する。ケース本体110は、装置本体Mの略全体を覆っている。
【0024】
カバー部120は、ケース体100の前面側に設けられている。カバー部120は、ケース体100に対して水平方向に回動可能となっている。カバー部120の回動によってケース本体110の内部の前面部分が露出する。これにより、ユーザは、後述するトナーカートリッジ5a、5b、5c、5dの交換、廃棄トナー容器350の交換、用紙詰まり(JAM)の回復、メンテナンス等をケース本体110の前面から行うことができる。
【0025】
図2に示すように、画像形成部は、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対抗ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0026】
図2に示すように、給排紙部は、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bとを備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbと、後処理搬送路Lcとの集合体である。
【0027】
以下、画像形成部及び給排紙部の各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部について説明する。
画像形成部においては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部においては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対抗ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0028】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
【0029】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0030】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0031】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部201により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0032】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を現像する(感光体ドラムの表面にトナー画像を形成する)。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置可能な現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0033】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0034】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、カバー部120が回動移動されることで外部に露出されるように配置される。言い換えると、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれを交換する場合、カバー部120はトナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれが交換可能な程度に外部に露出されるように、水平方向外側に移動される(図3参照)。
【0035】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
【0036】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラからなる対抗ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0037】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0038】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとの間で、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0039】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0040】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0041】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナーを所定の回収機構へ搬送させて、回収させる。
【0042】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0043】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。
【0044】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。2次転写ローラ8と対抗ローラ18との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0045】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融して用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融し、用紙Tに定着される。
【0046】
次に、給排紙部について説明する。
図2に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する2個の給紙カセット52が上下に配列されて配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図2において左側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
【0047】
装置本体Mの右側面(図2において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0048】
装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50a及び第2排紙部50bは、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。第1排紙部50a及び第2排紙部50bの詳細については後述する。
【0049】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路L1と、2次転写ローラ8から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から第1排紙部50aまでの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を後処理装置(図示せず)に搬送する後処理搬送路Lcとを備える。
【0050】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、後処理搬送路Lcが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出された用紙Tの搬送方向を、第1排紙部50aに向かう第3搬送路L3又は第2排紙部50bに向かう後処理搬送路Lcに整流させる(切り換える)。
【0051】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0052】
戻し搬送路Lbは、用紙Tの両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0053】
第3搬送路L3における端部には、第1排紙部50aが形成される。第1排紙部50aは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第1排紙部50aは、装置本体Mの右側面側(図2において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。第1排紙部50aは、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
【0054】
第1排紙部50aにおける開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が転写され第1排紙部50aから排紙された用紙Tが積層して集積される。
【0055】
後処理搬送路Lcにおける端部には、第2排紙部50bが形成される。第2排紙部50bは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第2排紙部50bは、装置本体Mの左側面側(図2において左側、後処理装置が連結される側)に向けて開口している。第2排紙部50bは、後処理搬送路Lcを搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第2排紙部50bにおける開口側には、後処理装置(図示せず)が連結される。後処理装置は、画像形成装置(コピー機1)から排出される用紙の後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0056】
次に、主搬送路L1〜L3(第1搬送路L1、第2搬送路L2及び第3搬送路L3を合わせて以下「主搬送路」ともいう)及び戻り搬送路Lbにおける紙詰まり(JAM)を解消するための構造について簡単に説明する。
図2に示すように、装置本体Mの左側面側(図2において左側)には、主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbが主に上下方向に延びるように並列している。装置本体Mの左側面側(図2において左側)には、装置本体Mの側面の一部を形成するように、カバー体40が設けられている。カバー体40は、その下端部において、支点軸43を介して装置本体Mに連結されている。支点軸43は、その軸方向が主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbを横断する方向に沿って配設されている。カバー体40は、支点軸43を中心として閉位置(図2に示す位置)と開位置(図示せず)との間を回動自在に構成されている。
【0057】
カバー体40は、支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第1のカバー部41と、同じ支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第2のカバー部42とから構成されている。第1のカバー部41は、第2のカバー部42よりも装置本体Mの外側(側面側)に位置する。なお、図2において、左下がりの破線でハッチングされた部分が第1のカバー部41であり、右下がりの破線でハッチングされた部分が第2のカバー部42である。
【0058】
カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41は、その外面側が装置本体Mの外面(側面)の一部を形成している。
また、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第2のカバー部42は、その内面側(装置本体M側)が主搬送路L1〜L3の一部を形成している。
更に、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41の内面側と第2のカバー部42の外面側とが、戻り搬送路Lbの少なくとも一部を形成している。つまり、戻り搬送路Lbは、第1のカバー部41と第2のカバー部42との間に形成されている。
【0059】
本実施形態のコピー機1は、このような構成のカバー体40を備えることにより、主搬送路L1〜L3で紙詰まり(JAM)が発生した際には、カバー体40を図2に示す閉位置から、開位置(図示せず)に回動して主搬送路L1〜L3を開放することにより、主搬送路L1〜L3に詰まった用紙を処理することができる。一方、戻り搬送路Lbで紙詰まりが発生した際には、カバー体40を開位置に回動した後、支点軸43を中心に第2のカバー部42を装置本体M側(図2において右側)に回動させて戻り搬送路Lbを開放することにより、戻り搬送路Lbに詰まった用紙を処理することができる。
【0060】
上述したカバー部120は、給紙カセット52と排紙集積部M1との間に配置されるようケース本体110に取り付けられる。カバー部120は、図1に示す閉状態と、図3に示す開状態とに開閉可能に構成される。カバー部120が開状態において、ケース本体110に形成された開口が露出され(図3参照)、カバー部120が閉状態において、ケース本体110に形成された開口が覆われる(図1参照)。カバー部120は、図3に示す開状態からケース本体110の前面に向かって回動移動される(閉じられる)ことにより、ケース本体110の前面に形成された開口を覆う閉状態となる。図3に示すように、カバー部120が開状態において、ケース本体110の開口から複数のトナーカートリッジ5a、5b、5c、5d、廃棄トナー回収装置300等が外部に露出される。そして、カバー部120が開状態から閉状態に回動移動される(閉じられる)ことにより、カバー部120は、フレーム部151及びトナーカートリッジ5a、5b、5c、5dを覆った隠蔽状態となる。
【0061】
次に、本発明の一実施形態の廃棄トナー回収装置300について、図1から図3に加えて、図4から図18を用いて説明する。本実施形態の廃棄トナー回収装置300は、画像形成部におけるドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによって感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面から除去された残留トナー(以下「廃棄トナー」という)を回収する装置である。
【0062】
図4は、本発明の一実施形態の廃棄トナー回収装置300を示す外観斜視図である。図5は、容器保持部材320を外した形態の廃棄トナー回収装置300を示す外観斜視図である。図6は、廃棄トナー容器350を保持した状態の容器保持部材320を示す外観斜視図である。図7は、仮想的にスクリュー駆動機構330を露出させた状態で、容器保持部材320を示す斜視図である。図8は、廃棄トナー容器350を保持すると共に保持部カバー325を開いた状態の容器保持部材320を示す外観斜視図である。図9は、廃棄トナー回収装置300の構成を概念的に示す縦断面図である。図10は、伸長状態における廃棄トナー容器350を示す外観斜視図である。図11は、収縮状態における廃棄トナー容器350を示す外観斜視図である。
【0063】
図12は、伸長操作前の状態における容器保持部材320について保持部カバー325を省略して示す斜視図である。図13は、移動操作機構385を構成する主な部材を容器保持部材320の裏面側から視た状態で概念的に示す図である。図14は、伸長操作前の状態における容器伸長部380を構成する主な部材を示す斜視図である。図15は、伸長操作後の状態における容器保持部材320について保持部カバー325を省略して示す斜視図である。
【0064】
図16は、伸長操作後の状態における容器伸長部380を構成する主な部材を示す斜視図である。図17は、保持部カバー325の解除操作バー325aによるロック解除操作を説明する斜視図である。図18(A)は、容器収容部304の容器収容空間306の奥を示す斜視図である。図18(B)は、容器収容空間306の奥に第1ラック386が係合した状態を示す縦断面図である。図18(C)は、容器収容空間306の奥において第1ラック386の係合が外れている状態を示す縦断面図である。
【0065】
図4から図11に示すように、本実施形態の廃棄トナー回収装置300は、回収装置ケース301と、回収装置ケース301の内部に設けられた廃棄トナー収集機構310と、回収装置ケース301に着脱自在な容器保持部材320と、容器保持部材320に保持された状態で回収装置ケース301に装着される廃棄トナー容器350と、を備えている。また、廃棄トナー回収装置300は、廃棄トナー容器350に廃棄トナーが満杯に収容されたこと(廃棄トナー容器350が満杯になったこと)を検出する廃棄トナー量検出手段としての廃棄トナー量検出ユニット390を備えている。
【0066】
図3に示すように、本実施形態の廃棄トナー回収装置300は、装置本体Mの正面側に設けられている。そのため、装置本体Mは、カバー部120を開放すると、廃棄トナー回収装置300の正面が露出して、廃棄トナー容器350の交換などのメンテナンス作業を容易に行えるようになっている。なお、図2では、廃棄トナー回収装置300の図示を省略している。
【0067】
以下、本実施形態の廃棄トナー回収装置300の各部の構成を詳細に説明する。
回収装置ケース301は、その正面形状が略矩形で前後方向の厚さが薄い箱状に形成されている。前述のように、回収装置ケース301には、廃棄トナー収集機構310と、容器保持部材320と、廃棄トナー容器350と、廃棄トナー量検出ユニット390と、が設けられる。
【0068】
また、図3から図5に示すように、回収装置ケース301は、その上面に、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれの着脱を案内する凹状ガイド303a、303b、303c、303dを備えている。
回収装置ケース301は、その下部に、容器保持部材320に保持された状態の廃棄トナー容器350を収容する容器収容部304を備えている。容器収容部304は、廃棄トナー容器350が導入される容器導入口305と、容器導入口305から導入される廃棄トナー容器350を収容可能な容器収容空間306とを有する。
【0069】
図9に示すように、廃棄トナー収集機構310は、回収装置ケース301の内部の上部に配置されており、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによって感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面から除去された廃棄トナーを収集すると共に、収集した廃棄トナーを、容器保持部材320に保持された廃棄トナー容器350に搬送する。
【0070】
図4及び図5に示すように、容器保持部材320は、装置本体Mの前後方向にスライドして、容器収容部304に出し入れ可能に構成されている。図6から図8に示すように、容器保持部材320は、保持部カバー325を上方に回動させることにより上部が開放する容器保持部321に、上方から廃棄トナー容器350を挿入して保持可能になっている。
【0071】
また、容器保持部材320は、容器保持部321に保持された廃棄トナー容器350における開放した蓋部372が突き当たる突き当て片324を備えている。突き当て片324は、蓋部372が全開して容器保持部材320の前面よりも前側に位置することを防止するために設けられる。
【0072】
廃棄トナー容器350は、廃棄トナーが導入される廃棄トナー導入口371と、廃棄トナー導入口371から導入された廃棄トナーが貯留される容器本体351とを備える。廃棄トナー導入口371と容器本体351とは、キャップ370、収容搬送部360等を介して連通している。廃棄トナー導入口371は、キャップ370に形成されている。
【0073】
次に、廃棄トナー収集機構310について詳述する。図9に示すように、廃棄トナー収集機構310は、4本の収集管311a、311b、311c、311dと、連通管312と、搬送スパイラル313と、モータ314と、吐出管315とを備えている。
4本の収集管311a、311b、311c、311dは、それぞれ4箇所のドラムクリーニング部11a、11b、11c、11d(図2参照)に対応した箇所に配置されている。そして、各収集管311a、311b、311c、311dは、それぞれドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dから排出される廃棄トナーを収集し得るように、それぞれドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dに接続されている。
4本の収集管311a、311b、311c、311dは、廃棄トナーの搬送方向の下流側の端部近傍において、1本の連通管312に連結している。これにより、各ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dから排出された廃棄トナーは、1本の連通管312に収集される。
【0074】
連通管312は、装置本体Mの横方向(左右方向)に延びており、連通管312の内部には、モータ314に連結された搬送スパイラル313が、連通管312の全長に亘って配置されている。これにより、モータ314によって搬送スパイラル313を回転させると、連通管312の内部の廃棄トナーを、連通管312の下流側の端部近傍(図9において左側)に搬送できるようになっている。
【0075】
連通管312の下流側の端部近傍には、吐出管315が連結されている。吐出管315は、連通管312から下方に向かって延びている。これにより、連通管312の内部を搬送された廃棄トナーは、吐出管315の内部を下方に自由落下し、吐出管315の下端から排出される。
廃棄トナー容器350を保持した容器保持部材320が容器収容部304に装着された状態(以下「容器装着状態」ともいう)において、吐出管315の下側には、廃棄トナー導入口371(図6、図9、図10等参照)が位置するようになっている。
【0076】
次に、廃棄トナー量検出ユニット390について詳述する。廃棄トナー量検出ユニット390は、廃棄トナー容器350が廃棄トナーで満杯になったことを検出し、その検出情報(以下「廃棄トナー満杯情報」という)を制御装置(図示せず)に出力する。この制御装置は、廃棄トナー量検出ユニット390から廃棄トナー満杯情報が入力されると、この廃棄トナー満杯情報に基づいて、例えば、コピー機1に所定の制御を行ったり、使用者に廃棄トナー容器350の交換を促す表示を行う。
【0077】
図9に示すように、廃棄トナー量検出ユニット390は、発光部としての発光素子392と、受光部としての受光素子393とを備えている。
廃棄トナー量検出ユニット390においては、発光素子392と受光素子393とは、発光素子392から発光された光を受光素子393が受光するように対向して配置されている。これにより、廃棄トナー量検出ユニット390は、受光素子393の受光による電気信号によって、発光素子392と受光素子393との間の介在物の有無を検出することができる。
【0078】
図9に示すように、廃棄トナー量検出ユニット390を構成する発光素子392及び受光素子393は、廃棄トナー収集機構310の連通管312に一体成形されたキャップガイド302に設けられている。キャップガイド302は、一対のガイド部302a、302bを備えている。一対のガイド部302a、302bは、回収装置ケース301に装着された状態における廃棄トナー容器350のキャップ370を挟むように対向して位置する。キャップガイド302においては、一方のガイド部302aに発光素子392が設けられ、他方のガイド部302bに受光素子393が設けられている。
【0079】
次に、廃棄トナー容器350について詳述する。
なお、以下の説明においては、図面にも示すように、容器保持部材320の左右方向(長手方向)を「X軸方向」と呼び、X軸と直交する水平な前後方向を「Y軸方向」と呼び、X軸及びY軸と直交する上下方向をZ軸方向と呼ぶ。
X軸方向は、副走査方向Xと一致し、容器保持部材320に保持された廃棄トナー容器350の軸心方向とも一致する。X軸方向は、容器本体351の伸縮方向でもあり、後述する「第1保持部」と「第2保持部」との離間方向及び接近方向でもある。また、X軸方向において、容器保持部材320に保持された廃棄トナー容器350における廃棄トナー導入口371側を「X1方向」と呼び、その反対方向を「X2方向」と呼ぶ。
【0080】
また、Y軸方向は、主走査方向Yと一致し、容器収容部304への廃棄トナー容器350の装着方向とも一致する。また、Y軸方向において、容器保持部材320を容器収容部304に向けて移動させる方向を「Y1方向」と呼び、その反対方向(容器収容部304から容器保持部材320を引き出す方向)を「Y2方向」と呼ぶ。
前述のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、容器保持部材320に保持されていると仮定した場合における廃棄トナー容器350にも適用される。
【0081】
図9から図11に示すように、廃棄トナー容器350は、容器本体351と、収容搬送部360と、キャップ370とを備えている。収容搬送部360は、容器本体351の開口部351a側とキャップ370とを連通させる。キャップ370には、廃棄トナー導入口371が形成されている。
【0082】
容器本体351は、廃棄トナー導入口371から導入された廃棄トナーが貯留される部材である。容器本体351は、その先端部に円形の開口部351aを有し、その他端部に底部351bを有する。
容器本体351は、半透明の可撓性を有する樹脂によって、その断面形状が所定直径の円形の蛇腹状に形成されている。これにより、容器本体351は、その蛇腹形状によって、図11に示す収縮状態と、図10に示す伸長状態との間で、伸縮可能となっている。廃棄トナー容器350は、収縮状態を維持するロック機構340を備えている。
【0083】
容器本体351の底部351bは、廃棄トナー容器350全体の底部になる。容器本体351は、開口部351aから底部351bに向かう方向が容器本体351の長手方向(X軸方向)となるように延びている。容器本体351の内部には、収容搬送部360から延びる送り出しスクリュー363が配置されている。
【0084】
図9から図11に示すように、収容搬送部360は、導入管路361と排出管路362とが直角に接続された形状のL字状の管路と、廃棄トナー送り出し部材としての送り出しスクリュー363とを備えて構成される。
収容搬送部360は、容器本体351の開口部351a側に連結されている。導入管路361の上端側の開口部には、廃棄トナー導入口371を備えるキャップ370が装着されている。
排出管路362における下流側の端部は、容器本体351の長手方向(X2方向)に延びており、容器本体351の内部に所定長さ入り込んでいる。排出管路362の中心軸は、容器本体351の中心軸と一致している。
【0085】
図9に示すように、送り出しスクリュー363は、機軸363aと、機軸363aの周囲から立設する羽根部363bとを備えている。廃棄トナー容器350が装置本体M(容器収容部304)に装着された状態において、機軸363aは、水平方向(X軸方向)に延びている。羽根部363bは、薄い板状であり、機軸363aの周囲に螺旋状に立設されている。図11に示す収縮状態の容器本体351の内部において、送り出しスクリュー363は、その先端が容器本体351の底部351bと干渉しない長さに設定されている。送り出しスクリュー363の羽根部363bの外縁と、排出管路362の内周面との間には、所定の隙間が設定されている。送り出しスクリュー363は、機軸363aを中心とする回転に伴って、機軸363aが延びる方向(X軸方向)に廃棄トナーを送り出す。
【0086】
収容搬送部360の内部におけるX1方向側の壁面には、この壁面を貫通する貫通軸受け364が設けられている。送り出しスクリュー363における機軸363aの一方の端部は、貫通軸受け364を貫通して収容搬送部360に回転自在に支持されている。これにより、送り出しスクリュー363は、廃棄トナー容器350の内部に、その軸心を廃棄トナー容器350の中心軸に一致させて回転自在に設けられている。
【0087】
図9に示すように、貫通軸受け364から突出する送り出しスクリュー363の機軸363aの一方の端部には、従動側カップリング366が連結されている。図10及び図11に示すように、従動側カップリング366は、機軸363a(図9参照)の一方の端部に装着された円形基板366aと、円形基板366aから突設された1個の係合突起366bとを備える。係合突起366bは、薄い板状であり、円形基板366aの中心から円形基板366aの径方向外側に位置する。
【0088】
そして、廃棄トナー容器350が容器保持部材320の容器保持部321の所定位置に保持された状態において、従動側カップリング366は、スクリュー駆動機構330の出力軸332に設けられた駆動側カップリング338と係合するようになっている。すなわち、廃棄トナー容器350が容器保持部材320の容器保持部321の所定位置に保持された状態において、駆動側カップリング338(出力軸332)の回転によって、従動側カップリング366が回転する。これにより、駆動側カップリング338は従動側カップリング366に回転力を伝達する(送り出しスクリュー363を回転駆動する)。
【0089】
図6から図9に示すように、廃棄トナー容器350は、廃棄トナー容器350の中心軸が水平方向(X軸方向)に延びるように、容器保持部材320の容器保持部321に保持される。つまり、廃棄トナー容器350は、横倒しの状態(その長手方向を水平方向に配置させた状態)で容器保持部材320の容器保持部321に保持される。
【0090】
次に、容器保持部材320について詳述する。
図6から図8に示すように、容器保持部材320は、その平面視形状が略矩形の箱状であって、X軸方向の中央部が上側に開放する容器保持部321となっている。容器保持部材320における上側でX軸方向の中央部には、容器保持部321を開閉可能に覆う保持部カバー325が設けられている。容器保持部材320における上側でX2方向側の端部には、端部カバー326が設けられている。容器保持部材320は、更に、スクリュー駆動機構330と、容器伸長部380と、を備えている。
【0091】
保持部カバー325は、容器保持部321における上側の開放部の全体を覆う形状を有し、そのX2方向側の端部において端部カバー326にY軸方向に延びる支持軸(図示せず)を支点として回動可能に支持されている。これにより、保持部カバー325は、支持軸を支点とする回動によって、容器保持部321の上側の開放部を開閉し得るようになっている。保持部カバー325は、閉じた状態では解除操作可能な閉止フック(図示せず)によって係止され、解除操作されない限り閉じた状態を維持するようになっている。
【0092】
また、保持部カバー325におけるX1方向側の端部(自由端)の下側には、Y軸方向に一対の解除操作バー325a,325aが突設されている。解除操作バー325aは、薄い板状であり、容器保持部321に未使用の廃棄トナー容器350を装着する際に、そのロック機構340の係合を解除操作する際に用いられる(詳細は後述)。
【0093】
また、容器保持部材320は、送り出し部材駆動機構としてのスクリュー駆動機構330を備えている。スクリュー駆動機構330の大部分は、容器保持部材320にX1方向側の端部に設けられたギアボックス322に収納されている。
図6から図8に示すように、スクリュー駆動機構330は、その大部分がギアボックス322に被覆されて設けられている。なお、図7では、ギアボックス322の上部を仮想的に透過して、スクリュー駆動機構330を露出させている。
【0094】
図7に示すように、スクリュー駆動機構330は、入力軸331と、出力軸332と、入力軸331及び出力軸332を連係するギア群333とを備えて構成されている。入力軸331には、装置本体M(図2参照)から回転力(駆動力)が入力され、この回転力は、ギア群333を介して、出力軸332から出力されるようになっている。つまり、入力軸331から入力された回転力により、出力軸332が回転するようになっている。
【0095】
入力軸331の軸心の方向は、容器収容部304への容器保持部材320の装着方向(Y軸方向)に延びている。出力軸332の軸心の方向は、入力軸331の軸心の方向と直交すると共に水平な方向(X軸方向)に延びている。ギア群333は、互いに噛み合わさる複数の平歯車及びかさ歯車によって構成され、互いに軸心が直交する入力軸331と出力軸332とを、両者間に回転力を伝達可能に連係している。
【0096】
図9に示すように、出力軸332の軸端には、トルクリミッタ337を介して駆動側カップリング338が設けられている。そして、駆動側カップリング338は、容器保持部材320に保持された状態における廃棄トナー容器350の従動側カップリング366と係合し、従動側カップリング366を回転させることによって、廃棄トナー容器350の内部に設けられた送り出しスクリュー363を回転駆動するようになっている。つまり、出力軸332の軸心の方向と、廃棄トナー容器350における送り出しスクリュー363の軸心の方向とは、いずれもX軸方向であり、一致している。
【0097】
ここで、スクリュー駆動機構330を収容するギアボックス322は、図12及び図15に示すように、Y軸方向の中央部に、上側及び容器保持部321側に開放する中央凹部322aを備えており、平面視においてコ字状を呈している。駆動側カップリング338は、この中央凹部322aに露出している。
【0098】
廃棄トナー容器350は、その収容搬送部360がこのギアボックス322の中央凹部322aに嵌ることで位置決めされて容器装着状態となる。廃棄トナー容器350は、収容搬送部360がギアボックス322の中央凹部322aに嵌って位置決めされた状態において、その中心軸が水平方向に延びるように、容器保持部材320の容器保持部321に保持される。つまり、廃棄トナー容器350は、横倒しの状態(その長手方向を水平方向に配置させた状態)で容器保持部材320の容器保持部321に保持される。この容器装着状態で、廃棄トナー容器350の従動側カップリング366は、駆動側カップリング338と係合状態となるようになっている。
【0099】
スクリュー駆動機構330によれば、図4に示す容器装着状態において、装置本体M(図2参照)から入力軸331に回転力が伝達(入力)され、その回転力は、ギア群333を介して出力軸332に伝達される。出力軸332は、トルクリミッタ337、駆動側カップリング338及び従動側カップリング366を介して、容器保持部材320に保持された状態における廃棄トナー容器350の送り出しスクリュー363を回転駆動する。
【0100】
本実施形態の廃棄トナー回収装置300によれば、廃棄トナー容器350が容器保持部材320の容器保持部321に保持された状態において、前述のスクリュー駆動機構330によって、送り出しスクリュー363が回転駆動される。そして、廃棄トナー収集機構310の吐出管315から排出され且つキャップ370の廃棄トナー導入口371から導入される廃棄トナー(図示せず)を、送り出しスクリュー363によって容器本体351の底部351b側(奥側)に向けて搬送して容器本体351に収容する。これにより、水平方向に保持された廃棄トナー容器350に、廃棄トナーを効率良く収容することができる。すなわち、自由落下させるのみでは、廃棄トナーを廃棄トナー容器350の奥側まで効率良く収容することはできないが、送り出しスクリュー363により廃棄トナーを廃棄トナー容器350の奥側に向けて送り込むことで、廃棄トナーを廃棄トナー容器350に高い充填効率で収容することができる。
【0101】
次に、図9から図11を参照して、キャップ370について詳述する。図9から図11に示すように、導入管路361の上端側の開口部には、キャップ370が装着されている。キャップ370は、光を透過可能な樹脂(例えば透明なポリプロピレン等)によって形成されている。キャップ370は、その上端部に、廃棄トナー導入口371と、廃棄トナー導入口371を開閉自在に塞ぐ蓋部372とを備えている。
【0102】
図9から図11に示すように、キャップ370は、廃棄トナー導入口371よりも下側の部分に、対向する平行な第1光透過部373a及び第2光透過部373bからなる平行平面部373を備えている。第1光透過部373a及び第2光透過部373bは、いずれも光を透過する。
蓋部372は、廃棄トナー導入口371の周縁部にヒンジ部372aを介して連結されている。蓋部372は、ヒンジ部372aの屈曲によって、廃棄トナー導入口371を塞いだり(閉じたり)、あるいは開放することができるようになっている。
【0103】
廃棄トナー容器350が容器保持部材320に保持された状態において、キャップ370の蓋部372は、容器保持部材320の正面側に且つ上方に回動して開くようになっている。容器保持部材320に保持された廃棄トナー容器350は、蓋部372が開き、廃棄トナー導入口371が露出した状態で、回収装置ケース301の容器収容部304に収容される。
【0104】
なお、図4及び図5に示すように、容器収容部304は、廃棄トナー容器350が導入される容器導入口305と、容器導入口305から導入される廃棄トナー容器350を収容可能な容器収容空間306とを有する。
図5に示すように、容器導入口305は、容器保持部材320に保持された廃棄トナー容器350における容器本体351を含む大部分が導入される主容器導入口305aと、廃棄トナー容器350におけるキャップ370を含む部分が導入される副容器導入口305bとを有する。
また、容器収容空間306は、容器保持部材320に保持された廃棄トナー容器350における容器本体351を含む大部分が収容される主容器収容空間306aと、廃棄トナー容器350におけるキャップ370を含む部分が収容される副容器収容空間306bとを有する。
【0105】
再度、キャップ370について説明する。図8に示すように、図4に示す容器装着状態において、キャップ370の平行平面部373は、キャップガイド302のガイド部302a、302bの間に位置する。キャップガイド302には、前述のように、廃棄トナー量検出ユニット390の発光素子392及び受光素子393が設けられている。すなわち、キャップガイド302の一方のガイド部302aに発光素子392が設けられ、他方のガイド部302bに受光素子393が設けられている。
【0106】
従って、平行平面部373は、一方のガイド部302aに設けられた発光素子392と、他方のガイド部302bに設けられた受光素子393との間に位置する。換言すると、発光素子392は、第1光透過部373aの外側に配置され、受光素子393は、第2光透過部373bの外側に配置される。そのため、発光素子392から発光された光(廃棄トナー量検出ユニット390の検出光)は、キャップ370の平行平面部373を透過して、受光素子393に到達する(受光される)。
これにより、廃棄トナー量検出ユニット390は、発光素子392から発光され且つ第1光透過部373a及び第2光透過部373bを介して受光素子393に受光される光の有無を検出することにより、廃棄トナー容器350に収容された廃棄トナーの量が満杯であるか否かを検出する。
【0107】
次に、容器保持部材320に設けられる容器伸長部380(移動操作機構385を含む)について、図12から図16を参照して詳述する。
【0108】
図12から図16に示すように、容器伸長部380は、容器保持部材320の一部を構成しており、ギアボックス322と、容器保持部321の下部に配設されたスライドベース381と、スライドベース381を移動操作する移動操作機構385と、を主体として構成されている。
【0109】
ギアボックス322は、前述したように、その中央部に、上方及び容器保持部321側に開放する中央凹部322aを備えている。この中央凹部322aは、廃棄トナー容器350の収容搬送部360が嵌る形状を有しており、嵌められた収容搬送部360(廃棄トナー容器350)を保持するようになっている。すなわち、このギアボックス322(中央凹部322a)は本発明における「第1保持部」に該当する。また、廃棄トナー容器350の収容搬送部360は本発明における「第1保持箇所」に該当する。
【0110】
スライドベース381は、平面視形状が矩形の基板381aと係合側板381bとを備えている。
基板381aは、移動操作機構385における第2ラック387に固定されており、容器保持部321の下部に、X軸方向に移動可能に設けられている。
係合側板381bは、板状で、基板381aにおけるX軸方向(移動方向)に対して左右両側となる側縁(Y軸方向の両側縁)にそれぞれ所定の高さで一対立設されている。係合側板381bにおけるY2方向側には、Z軸方向に延びる操作側縁381cが形成されている。
【0111】
スライドベース381は、基板381aの上面と左右一対の係合側板381b,381bとの間において、廃棄トナー容器350の被係止部345(詳細は後述)を保持することができる。すなわち、このスライドベース381は本発明における「第2保持部」に該当する。また、廃棄トナー容器350の被係止部345は、「第1保持箇所」であるギアボックス322から、容器本体351の伸縮方向(X軸方向)に離間しており、本発明における「第2保持箇所」に該当する。
【0112】
移動操作機構385は、Y軸方向に移動可能に設けられた第1ラック386と、X軸方向に移動可能に設けられた第2ラック387と、第1ラック386及び第2ラック387にそれぞれ噛み合う2段ピニオン388とを有して構成されている。
【0113】
第1ラック386は、平面視形状が細長い矩形の薄板状であって、その一方のY軸方向に延びる長辺に、第1ラックギア386aが形成されている。第1ラック386は、容器保持部321の底板の底面側に形成されたガイド溝(図示せず)に、第1ラックギア386aをX2方向に向けて保持されて、Y軸方向にスライド移動自在に設けられている。第1ラック386におけるY1方向側の先端部は、幅が狭くなった操作端386bとなっている。また、第1ラック386の底面(下面)における操作端386bの近傍には、係合突起386cが形成されている。
【0114】
第2ラック387は、平面視形状が細長い矩形の薄板状であって、その一方のX軸方向に延びる長辺に、第2ラックギア387aが形成されている。第2ラック387は、容器保持部321の底板の上面側に形成されたガイド溝(図示せず)に、第2ラックギア387aをY1方向に向けて保持されて、X軸方向にスライド移動自在に設けられている。この第2ラック387の上面に、スライドベース381が固定されている。
第1ラック386と第2ラック387とは、正面視では上下に重なって配置され、平面視では十字状に交差するように配置されている。
【0115】
2段ピニオン388は、第1ピニオン388aと第2ピニオン388bとが、それぞれの中心軸を一致させて重なった形態で一体的に形成されている。2段ピニオン388は、容器保持部材320の背面側にY1方向に突設された支持板327に、2段ピニオン388の中心軸がZ軸方向に延びるように回転自在に設けられている。2段ピニオン388は、第1ラック386の第1ラックギア386a及び第2ラック387の第2ラックギア387aと対向する領域に位置している。すなわち、2段ピニオン388は、第1ラック386に対してX2方向側で且つ第2ラック387に対してY1方向側の領域に位置している。
【0116】
2段ピニオン388は、第1ピニオン388aが第1ラック386の第1ラックギア386aと噛み合うと共に、第2ピニオン388bが第2ラック387の第2ラックギア387aと噛み合うようになっている。これにより、2段ピニオン388は、第1ラック386と第2ラック387とを連動することができる。すなわち、2段ピニオン388によれば、第1ラック386のY軸方向への移動に連動して、第2ラック387をX軸方向に移動することができ、また、第2ラック387のX軸方向への移動に連動して、第1ラック386をY軸方向に移動することができる。
【0117】
移動操作機構385においては、第1ラック386をY軸方向に移動操作すると、2段ピニオン388を介して、第2ラック387がX軸方向に移動される。その結果、第2ラック387に固定されたスライドベース381も、X軸方向に移動する。すなわち、図12から図14に示すように、第1ラック386の操作端386bが容器保持部材320の背面側(Y1方向側)に突出している状態から、図15及び図16に示すように、第1ラック386が容器保持部材320の正面側(Y2方向側)に押し込まれる(移動すると)と、第1ラック386と2段ピニオン388との配置関係から、2段ピニオン388は、平面視において反時計回りに回転し、第2ラック387をX2方向に移動させる。
【0118】
次に、廃棄トナー容器350を保持した容器保持部材320を容器収容部304に装着させる手順については説明する。容器保持部材320は、第1ラック386の下面に設けられた係合突起386cが容器収容部304の第2係合孔308d(詳細は後述)と係合した状態で、容器収容部304に装着される。
容器収容部304に第1ラック386が係合する構造について説明する。図18(A)から図18(C)に示すように、容器収容部304におけるY1方向の奥には、第1係合孔308b及び第2係合孔308dが設けられている。
【0119】
第1係合孔308bは、容器収容部304の容器収容空間306の主容器収容空間306aにおける背面壁308aの下端に形成されている。第1係合孔308bには、第1ラック386の操作端386bが係合する。
第2係合孔308dは、容器収容部304の容器収容空間306の主容器収容空間306aにおける底板308の最深部に形成されている。第2係合孔308dには、第1ラック386の係合突起386cが係合する。
【0120】
すなわち、図18(A)に示すように、背面壁308aに形成された第1係合孔308bは、第1ラック386の操作端386bが嵌入可能な形を有し、背面壁308aと底板308cとの角部に隣接して形成されている。
底板308cに形成された第2係合孔308dは、第1ラック386の係合突起386cが嵌る形状を有し、第1係合孔308bと隣接する位置に形成されている。
【0121】
そして、図18(B)に示すように、背面壁308aに形成された第1係合孔308bに、第1ラック386の操作端386bが入り込む。そして、底板308cに形成された第2係合孔308dに第1ラック386の係合突起386cが入り込む。この状態で、第1ラック386は、底板308cと平行に配置する。
【0122】
このように第2係合孔308dに対して係合突起386cが係合することで、第1ラック386は、容器収容空間306に対して相対移動が不能となる。その結果、容器保持部材320(図18には図示せず)が容器収容部304から引き出されると、第1ラック386は、容器保持部材320からY1方向に相対的に引き出される。その反対に、容器保持部材320が容器収容部304に押し込まれる際には、第1ラック386は、容器保持部材320にY2方向に相対的に押し込まれる。
【0123】
容器保持部材320を容器収容部304から取り外す場合には、図18(C)に示すように、第1ラック386の操作端386bにおける第1係合孔308bに位置する部位を支点として、容器保持部材320を上方に回動させて、第1ラック386の係合突起386cを第2係合孔308dから外すことで、容器保持部材320を正面側(Y2方向側に)に引き抜くことができる。容器保持部材320を容器収容部304に装着する際には、これとは反対の操作を行えばよい。
【0124】
上記のように、第1ラック386が容器収容部304における第1係合孔308b及び第2係合孔308dに係合された状態において、容器保持部材320が容器収容部304の容器収容空間306から引き出されると、図12から図14に示すように、第1ラック386が容器保持部材320から背面側(Y1方向側)に引き出された状態となる。この状態において、第2ラック387に固定されたスライドベース381は、その移動範囲における最もX1方向側に位置する。この位置はスライドベース381の初期位置となる。
【0125】
そして、容器保持部材320が容器収容部304からの引き出された状態から、容器保持部材320が容器収容部304にY1方向に押し込まれると、その押し込み過程において、第1ラック386は、容器保持部材320にY2方向に押し込まれる。容器保持部材320が容器収容部304に完全に装着された状態では、図15に示すように、第1ラック386は、容器保持部材320にほぼ押し込まれた状態となる。この状態において、図15及び図16に示すように、第2ラック387に固定されたスライドベース381は、その移動範囲において最もX2方向側に位置する。この位置はスライドベース381における移動完了位置となる。
【0126】
つまり、スライドベース381は、移動操作機構385による操作によって、容器保持部材320が容器収容部304から引き出された状態では、容器保持部材320におけるX1方向側の初期位置に位置し、一方、容器保持部材320が容器収容部304に押し込まれた(装着された)状態では、容器保持部材320におけるY2方向側の移動完了位置に位置する。
【0127】
次に、廃棄トナー容器350(容器本体351)を収縮状態に維持するロック機構340について説明する。
図10及び図11に示すように、ロック機構340は、収容搬送部360に設けられた係止部341と、容器本体351に設けられた被係止部345とを主体として構成されている。
係止部341は、収容搬送部360の排出管路362に設けられた一対の係止基部342,342に、それぞれ、係合爪部343と解除操作バー受け部344とを備えて構成される。
【0128】
係止基部342は、容器本体351の中心軸を挟んで水平方向(Y軸方向)に一対設けられている。係止基部342は、排出管路362の外面に連接すると共に、容器本体351の開口部351aの外周側に配置される。係止基部342は、容器本体351の開口部351aの外周形状に合わせて湾曲している。
【0129】
係合爪部343は、係止基部342から容器本体351の底部351b側(Y2方向側)に向けて、容器本体351の中心軸と平行に延出している。係合爪部343におけるX軸方向の内面は、容器本体351の中心軸と平行な平面となっている。係合爪部343の外面には、爪343aと係合解除突起343bとが設けられている。
【0130】
爪343aは、係合爪部343におけるY2方向の先端部に設けられ、係合爪部343の外面からY軸方向に直角に立ち上がった段部から爪343aのY2方向の先端側が漸次薄くなる先細り形状に形成されている。
係合解除突起343bは、係合爪部343の外面からY軸方向に起立しており、Z軸方向に延びている。係合解除突起343bの上端部は、下側に且つY軸方向外側に傾斜する勾配の操作面となっている。係合解除突起343bは、爪343aからX1方向側へ所定距離離間した位置に設けられている。
【0131】
解除操作バー受け部344は、係合爪部343の下方に離間して設けられ、係止基部342におけるY軸方向の外面に突設された受け板344aと、受け板344aの下部に形成された係止凹部344bとを備えて構成される。
受け板344aは、薄板状で、係止基部342における係合解除突起343bの下方に、Z軸方向に延設するように設けられる。
【0132】
係止凹部344bは、受け板344aよりもY軸方向内側に形成される凹部である。係止凹部344bも、係合解除突起343bの下方に位置している。係止凹部344bには、保持部カバー325における解除操作バー325aの先端部が嵌入し得るようになっている。
【0133】
被係止部345は、容器本体351の底部351bと連結された基部円板346と、基部円板346の外周部からX1方向に向けて延設された一対の被係止基部347,347とを備えて構成される。
一対の被係止基部347,347は、係止部341における一対の係止基部342,342とそれぞれ対向する位置に設けられている。各被係止基部347において、係止部341の爪343aと対応する部位には、矩形の係合孔347aが形成されている。
【0134】
各被係止基部347には、被操作突起347bが突設されている。被操作突起347bは、前述したスライドベース381における係合側板381bの操作側縁381cに当設する。詳細には、被操作突起347bは、廃棄トナー容器350が容器保持部材320に保持された状態において、スライドベース381のX軸方向の移動による係合側板381bの移動域と干渉する位置及び大きさに形成されている。これにより、被操作突起347bがスライドベース381の操作側縁381cよりもX2方向側に位置した状態で、スライドベース381がX2方向に移動すると、スライドベース381は、操作側縁381cが被操作突起347bに当接した状態で、被操作突起347bを押圧することができる。つまり、スライドベース381によって被係止部345をX2方向に移動操作することができる。
【0135】
その反対に、スライドベース381がX1方向に移動する場合には、操作側縁381cは被操作突起347bから離間するため(被操作突起347bに接触しないため)、被係止部345を移動操作することはない。換言すると、容器伸長部380は、ギアボックス322とスライドベース381とを接近させる(スライドベース381をギアボックス322に接近させる)過程において、スライドベース381による被係止部345の保持を解除可能に構成されている。
【0136】
ロック機構340においては、蛇腹状の容器本体351を圧縮して収縮状態とし、係止部341の爪343aと被係止部345の係合孔347aとを対向させた状態で爪343aと係合孔347aとを更に接近させる。この際に、被係止基部347の内面で爪343aの外面がY軸方向内側に押圧され、係止部341がY軸方向内側に弾性変形する。更に、爪343aを係合孔347aにY軸方向内側から外側に向けて係止して、図11に示すように爪343aと係合孔347aとは係止状態になる。
【0137】
このように、ロック機構340は、収縮状態の容器本体351の伸長を拘束して、容器本体351の収縮状態を維持する。この収縮状態において、係止部341の係合解除突起343bは、被係止基部347の先端縁よりX1方向側に位置するようになっている。
【0138】
上記収縮状態の廃棄トナー容器350は、容器保持部材320に保持された状態において、保持部カバー325を閉じる方向の回動動作に伴って、ロック機構340により容器本体351の収縮状態のロックが解除操作され、容器本体351の伸長が可能となるようになっている。
【0139】
すなわち、保持部カバー325を閉じる方向の回動動作に伴って、図17に示すように、保持部カバー325における解除操作バー325aの先端部が、ロック機構340における係合解除突起343bの上端の操作面に当接して、この操作面を押圧する。これにより、操作面の傾斜に応じて係合爪部343がY軸方向内側に弾性変形し、爪343aが被係止部345の係合孔347aから外れ、係止部341と被係止部345との係合(すなわちロック機構340のロック)が解除される。その結果、容器本体351は、自由状態となって、容器伸長部380による伸長が可能となる。蛇腹状の容器本体351には、多かれ少なかれ復元力が生じるため、係止部341と被係止部345とは離間し、ロック機構340によるロックが完全に解除される。
【0140】
次に、廃棄トナー容器350を交換する際における、容器保持部材320の各部の作用について、図10から図18を参照して説明する。
未使用の廃棄トナー容器350は、図11に示す収縮状態で供給され、収縮状態のまま容器保持部材320の容器保持部321に装着される(図14参照)。
【0141】
ここでは、満杯状態の廃棄トナー容器350が容器保持部材320に保持された状態で回収装置ケース301の容器収容部304に装着されている状態から容器保持部材320を引き出し、容器保持部材320から満杯状態の廃棄トナー容器350を取り出し、その代わりに、未使用の廃棄トナー容器350を容器保持部材320に保持させ、未使用の廃棄トナー容器350を容器保持部材320に保持させた状態で容器収容部304に装着させて、廃棄トナー容器350を交換する手順について説明する。
【0142】
まず、容器保持部材320を回収装置ケース301の容器収容部304から引き出す。この容器保持部材320の引き出し動作に伴って、スライドベース381は、容器伸長部380の作用によって、図12に示すようにX1方向側の初期位置へと移動する。
【0143】
詳述すると、図12には示していないが、容器保持部材320には、満杯状態で且つ伸長状態の廃棄トナー容器350が保持されているものとする。また、容器保持部材320が引き出される前には、スライドベース381は、伸長状態における廃棄トナー容器350の被係止部345を保持する伸長完了位置に位置する。従って、スライドベース381は、容器保持部材320の引き出し動作に伴って、伸長完了位置から初期位置に移動することとなる。
ここで、スライドベース381が伸長完了位置から初期位置に移動する際には、スライドベース381の操作側縁381cは、廃棄トナー容器350における被係止部345の被操作突起347bからX1方向に離間するため、被係止部345を移動操作することなく自由に移動することができる。
【0144】
図8に示すように、保持部カバー325を開放した状態で、容器保持部321から満杯状態の廃棄トナー容器350が取り出される。そして、収縮状態の未使用の廃棄トナー容器350が容器保持部321に装着される。すなわち、未使用の廃棄トナー容器350における収容搬送部360がギアボックス322の中央凹部322aに嵌め込まれると共に、図14に示すように廃棄トナー容器350の被係止部345が、初期位置に位置するスライドベース381に保持される。このように被係止部345がスライドベース381に保持された状態では、未使用の廃棄トナー容器350における被係止部345の被操作突起347bは、スライドベース381の操作側縁381cに対してX2方向側に位置する。
【0145】
その後、保持部カバー325が閉方向に回動操作されて、図6に示すように、容器保持部321の上部の開放部が閉ざされる。
この保持部カバー325を閉じる方向の回動動作に伴って、保持部カバー325における一対の解除操作バー325aは、未使用の廃棄トナー容器350を収縮状態に維持しているロック機構340を解除する操作を行う。
【0146】
すなわち、保持部カバー325を閉じる方向の回動動作によって、保持部カバー325における解除操作バー325aの先端部は、ロック機構340の係合解除突起343b(図17では解除操作バー325aに隠れており、図示されていない)における上端の操作面に当接し、係合爪部343をY軸方向内側に弾性変形させる。これにより、爪343aが被係止部345の係合孔347aから外れ、ロック機構340によるロックが解除される。その結果、容器本体351は、伸長自在な自由状態となる。
【0147】
保持部カバー325が閉じた状態では、図17に示すように、解除操作バー325aは、係止部341の解除操作バー受け部344における受け板344aのX2方向側に位置する。また、解除操作バー325aの先端部は、係止凹部344bに上側から嵌入する。これにより、未使用の廃棄トナー容器350における収容搬送部360(係止部341)は、保持部カバー325(解除操作バー325a)によってX軸方向の両方向及び上方向に移動不能に固定される。すなわち、未使用の廃棄トナー容器350におけるX1方向の端部は、X1方向及びX2方向の両方向に移動不能に固定されると共に、保持部カバー325によって上側にも移動不能となる。
【0148】
その後、容器保持部材320は、回収装置ケース301の容器収容部304に押し込まれ、装着状態となる。容器収容部304への容器保持部材320の装着動作に伴って、スライドベース381は、容器伸長部380の作用によって、X1方向側の初期位置からX2方向側の伸長完了位置へと移動する。
【0149】
詳述すると、スライドベース381が初期位置から伸長完了位置に移動する際に、スライドベース381の操作側縁381cの移動域は、未使用の廃棄トナー容器350における被係止部345の被操作突起347bと干渉する。これにより、スライドベース381は、その移動によって、未使用の廃棄トナー容器350の底部351b側(被係止部345)を伸長完了位置まで移動操作する。このとき、解除操作バー受け部344の受け板344aが保持部カバー325の解除操作バー325aに当接した状態にあるため、廃棄トナー容器350における収容搬送部360がX2方向側に移動することはない。
そして、図16に示すように、未使用の廃棄トナー容器350における容器本体351は、伸長状態まで伸長された状態となる。すなわち、未使用の廃棄トナー容器350は、伸長状態で容器保持部材320に保持される。
【0150】
以上の説明の通り、本実施形態において、移動操作機構385は、「第1保持部」であるギアボックス322と「第2保持部」であるスライドベース381と離間させることにより容器本体351を伸長させると共に、「第1保持部」と「第2保持部」とを接近させるものであるから、本発明における「保持部離間機構」に該当する。
また、移動操作機構385は、容器収容部304への容器保持部材320の装着動作に連動して「第1保持部」と「第2保持部」とを離間させるように「保持部離間機構」を操作すると共に、容器収容部304からの容器保持部材320の脱離動作に連動して「第1保持部」と「第2保持部」とを接近させるように「保持部離間機構」を操作するものであるから、本発明における「連動機構」にも該当する。
【0151】
以上の構成を有する本実施形態のコピー機1によれば、例えば以下の効果が奏される。
本実施形態によれば、容器伸長部380は、廃棄トナー容器350を保持した状態でコピー機1の装置本体Mに設けられた容器収容部304に収容可能な容器保持部材320に設けられ、容器保持部材320は、容器収容部304への容器保持部材320の装着動作に連動してギアボックス322とスライドベース381とを離間させるように構成される移動操作機構(連動機構)385を備えている。そのため、容器保持部材320を容器収容部304に装着する動作に連動して、容器保持部材320に保持された収縮状態の廃棄トナー容器350を自動的に伸長させることができる。従って、収縮状態の未使用の廃棄トナー容器350を装着する際に、収縮状態の廃棄トナー容器350を伸長させる作業を不要にでき、廃棄トナー容器350の交換作業性を向上することができる。
【0152】
また、本実施形態によれば、廃棄トナー容器350における収容搬送部(第1保持箇所)360を保持するギアボックス(第1保持部)322と、収容搬送部360から容器本体351の伸縮方向(X軸方向)に離間した被係止部(第2保持箇所)345を保持するスライドベース(第2保持部)381と、ギアボックス322とスライドベース381とを離間させる移動操作機構(保持部離間機構)385とを有する容器伸長部380を備えている。そのため、コンパクトな収縮状態でギアボックス322とスライドベース381とに保持された廃棄トナー容器350における容器本体351を、容器伸長部380によってギアボックス322とスライドベース381とを離間させることで伸長させることができる。このように、伸縮自在な容器本体351を有する廃棄トナー容器350を、動力を利用しない簡便な構成で収縮状態から伸長させることができる。
【0153】
また、本実施形態によれば、移動操作機構385は、ギアボックス322とスライドベース381とを接近可能に構成され、容器伸長部380は、移動操作機構385によりギアボックス322とスライドベース381とを接近させる過程において、スライドベース381による被係止部345の保持を解除可能に構成されている。そのため、廃棄トナーが収容されて伸長状態にある廃棄トナー容器350を、収縮状態の未使用の廃棄トナー容器350に交換する際に、伸長状態にある廃棄トナー容器350における被係止部345におけるスライドベース381による保持は解除され、廃棄トナー容器350を収縮させることがない。従って、伸長状態にある廃棄トナー容器350が容器保持部材320に装着された状態において、収縮状態の廃棄トナー容器350の被係止部345と対応する位置にスライドベース381を移動させて、未使用の廃棄トナー容器350の装着を容易に行える状態とすることが可能となる。
【0154】
移動操作機構(連動機構)385は、容器収容部304からの容器保持部材320の脱離動作に連動してギアボックス322とスライドベース381とを接近させるように構成されている。そのため、容器保持部材320を容器収容部304から引き出す動作に連動して、廃棄トナー容器350の被係止部345を保持するスライドベース381を、新たに保持させる収縮状態の廃棄トナー容器350の被係止部345と対応する位置(初期位置)に移動させることができる。従って、スライドベース381を初期位置に戻す作業が不要となり、廃棄トナー容器350の交換作業性が格段に向上する。
【0155】
移動操作機構385は、容器収容部304への容器保持部材320の装着方向(Y1方向)に延びる第1ラック386と、ギアボックス322とスライドベース381との離間方向(Y2方向)に延びる第2ラック387と、第1ラック386と噛み合う第1ピニオン388a及び第2ラック387と噛み合う第2ピニオン388bを有する2段ピニオンと、を主体として構成されているため、単純で低コストに構成することができる。
【0156】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、画像形成装置としてコピー機1について説明しているが、これに限定されず、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
【0157】
上記実施形態では、容器伸長部380は、第1保持部としてのギアボックス322を固定し、第2保持部としてのスライドベース381をX軸方向に移動させることにより、ギアボックス322とスライドベース381とを離間させており、これにより、収縮状態の廃棄トナー容器350の容器本体351を伸長させている。しかし、本発明は、このような構成に制限されず、第1保持部と第2保持部とが相対的に離間するように構成されていればよい。
【0158】
例えば、第2保持部を固定し、第1保持部をX軸方向に移動させることにより、第1保持部と第2保持部とを離間させる構成でもよい。この場合、容器伸長部は、保持部離間機構により第1保持部と第2保持部とを接近させる過程において、第1保持部による第1保持箇所の保持を解除可能に構成されていてもよい。
【0159】
あるいは、第1保持部をX1方向に移動させ、第2保持部をX2方向に移動させることにより、ギアボックス322とスライドベース381とを離間させる構成でもよい。この場合、容器伸長部は、保持部離間機構により第1保持部と第2保持部とを接近させる過程において、第1保持部による第1保持箇所の保持及び第2保持部による第2保持箇所の保持の両方を解除可能に構成されていてもよい。
【0160】
また、上記実施形態では、保持部離間機構及び連動機構としての移動操作機構385を、ラックとピニオンとの組み合わせによって構成しているが、保持部離間機構は、これに制限されず、送りねじを用いた構成とする等、適宜変更可能である。
【0161】
廃棄トナー容器350は、容器保持部材320を用いずに容器収容部304に収容される構成を有していてもよい。
前記実施形態は、中間転写ベルト7を用いて複数色のトナー画像を用紙Tに転写するカラーの間接転写方式の画像形成装置であるが、画像形成装置の種類は、これに制限されず、中間転写ベルトを用いない直接転写方式の画像形成装置や、モノクロ印刷用の画像形成装置であってもよい。
【0162】
また、前記実施形態においては、廃棄トナー回収装置300は、廃棄トナー収集機構310を介して、感光体ドラム2に残留した残留トナーを除去する4箇所のドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dから排出される廃棄トナーを回収するものであるが、これに制限されない。例えば、廃棄トナー回収装置は、転写部(中間転写ベルト7など)に残留した残留トナーを除去する転写部クリーニング部(図示せず)から排出される廃棄トナーを回収するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】カバー部120が閉状態となっているコピー機1の斜視図である。
【図2】コピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図3】カバー部120が開状態となっているコピー機1の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の廃棄トナー回収装置300を示す外観斜視図である。
【図5】容器保持部材320を外した形態の廃棄トナー回収装置300を示す外観斜視図である。
【図6】廃棄トナー容器350を保持した状態の容器保持部材320を示す外観斜視図である。
【図7】仮想的にスクリュー駆動機構330を露出させた状態で、容器保持部材320を示す斜視図である。
【図8】廃棄トナー容器350を保持すると共に保持部カバー325を開いた状態の容器保持部材320を示す外観斜視図である。
【図9】廃棄トナー回収装置300の構成を概念的に示す縦断面図である。
【図10】伸長状態における廃棄トナー容器350を示す外観斜視図である。
【図11】収縮状態における廃棄トナー容器350を示す外観斜視図である。
【図12】伸長操作前の状態における容器保持部材320について保持部カバー325を省略して示す斜視図である。
【図13】移動操作機構385を構成する主な部材を容器保持部材320の裏面側から視た状態で概念的に示す図である。
【図14】伸長操作前の状態における容器伸長部380を構成する主な部材を示す斜視図である。
【図15】伸長操作後の状態における容器保持部材320について保持部カバー325を省略して示す斜視図である。
【図16】伸長操作後の状態における容器伸長部380を構成する主な部材を示す斜視図である。
【図17】保持部カバー325の解除操作バー325aによるロック解除操作を説明する斜視図である。
【図18】(A)は、容器収容部304の容器収容空間306の奥を示す斜視図である。(B)は、容器収容空間306の奥に第1ラック386が係合した状態を示す縦断面図である。(C)は、容器収容空間306の奥において第1ラック386の係合が外れている状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0164】
1……コピー機(画像形成装置)、2a、2b、2c、2d……感光体ドラム(像担持体)、8……2次転写ローラ、9……定着部、11a、11b、11c、11d……ドラムクリーニング部(クリーニング部)、16a、16b、16c、16d……現像器、300……廃棄トナー回収装置、301……回収装置ケース、304……容器収容部、310……廃棄トナー収集機構、320……容器保持部材、322……ギアボックス(第1保持部)、345……被係止部(第2保持箇所)、350……廃棄トナー容器、351……容器本体、360……収容搬送部(第1保持箇所)、371……廃棄トナー導入口、380……容器伸長部、381……スライドベース(第2保持部)、385……移動操作機構(保持部離間機構,連動機構)、386……第1ラック、387……第2ラック、388……2段ピニオン、388a……第1ピニオン、388b……第2ピニオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に設けられた容器収容部と、
廃棄トナーが導入される廃棄トナー導入口と、該廃棄トナー導入口から導入された廃棄トナーが貯留される伸縮自在な容器本体とを有する廃棄トナー容器と、
前記廃棄トナー容器を保持した状態で前記容器収容部に収容可能な容器保持部材と、
前記容器保持部材に設けられ、前記廃棄トナー容器における第1保持箇所を保持する第1保持部と、前記廃棄トナー容器における前記第1保持箇所から前記容器本体の伸縮方向に離間した第2保持箇所を保持する第2保持部と、前記第1保持部と前記第2保持部とを離間させる保持部離間機構とを有する容器伸長部と、
を備え、
前記容器保持部材は、前記容器収容部への該容器保持部材の装着動作に連動して前記第1保持部と前記第2保持部とを離間させるように前記保持部離間機構を操作する連動機構を備える廃棄トナー回収装置。
【請求項2】
前記容器伸長部は、前記保持部離間機構によって前記第1保持部と前記第2保持部とを離間させることにより前記容器本体を伸長させる請求項1に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項3】
前記保持部離間機構は、前記第1保持部と前記第2保持部とを接近可能に構成され、
前記容器伸長部は、前記保持部離間機構により前記第1保持部と前記第2保持部とを接近させる過程において、前記第1保持部による前記第1保持箇所の保持及び/又は前記第2保持部による前記第2保持箇所の保持を解除可能に構成されている請求項1又は2に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項4】
前記容器保持部材は、前記容器収容部からの前記容器保持部材の脱離動作に連動して前記第1保持部と前記第2保持部とを接近させるように前記保持部離間機構を操作する連動機構を備える請求項3に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項5】
前記連動機構は、前記容器収容部への前記容器保持部材の装着方向に延びる第1ラックと、前記第1保持部と前記第2保持部との離間方向に延びる第2ラックと、前記第1ラックと噛み合う第1ピニオン及び前記第2ラックと噛み合う第2ピニオンを有する2段ピニオンと、を主体として構成されている請求項1〜4のいずれかに記載に廃棄トナー回収装置。
【請求項6】
表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
前記転写部により前記被転写材に転写されたトナー画像を該被転写材に定着させる定着部と、
前記像担持体及び/又は転写部に残留した残留トナーを除去するクリーニング部と、
請求項1から5のいずれかに記載の廃棄トナー回収装置と、
を備え、
前記廃棄トナー回収装置は、前記クリーニング部により除去された残留トナーを廃棄トナーとして回収する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−139581(P2010−139581A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313827(P2008−313827)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】