説明

廃棄物をガス化する可燃ガス生成装置および可燃ガス製造方法

【課題】廃棄物を熱分解して生成されるガスの発熱量を従来よりも高めることができる可燃ガス生成装置を提供すること。
【解決手段】廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成する流動床式ガス化炉3と、流動床式ガス化炉3で生成された熱分解ガス中のタールおよび未反応残渣を熱分解して改質ガスを生成するプラズマ炉4と、流動床式ガス化炉3および乾燥予熱炉2に供給する水蒸気をプラズマ炉4で生成された改質ガスの熱を利用して発生させる熱交換器5と、バグフィルタ6の後段に配設され、改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて排出するスクラバー7と、を備える可燃ガス生成装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を熱分解してガス化する可燃ガス生成装置および可燃ガス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化対策として低炭素社会の実現が目指されている。従来、都市ごみなどのごみ焼却処理施設においては、廃熱ボイラからの蒸気でタービンを駆動して発電し、施設内の電力の一部をまかなうなどして、ごみ焼却により発生する廃熱が有効利用されていた。ここで、都市ごみなどの廃棄物からのさらなるエネルギー回収を考えた場合、廃熱ボイラ−蒸気タービンによるエネルギー回収(発電)よりも、廃棄物を熱分解してガス化し、そのガスを利用してガスエンジン又はガスタービンにより発電する方がエネルギー回収率は高い。一方、廃棄物から生成される可燃ガスでガスエンジンを稼働させるには、当該可燃ガスの発熱量(単位:kcal/Nm)を高める必要がある。
【0003】
ここで、ガスエンジンは燃料ガスの熱量が低い場合、ノッキングを生じやすく、また、燃料ガスに負荷変動がある場合もガスエンジンに適用し難い。このため燃料ガスの熱量が低い場合、化石燃料である都市ガスと混合して熱量を安定化させる必要がでてくる。このため、ガス化されたガスを汎用的なガスエンジンに用いるためにはガスのカロリーとして一般的に2000kcal/Nm以上が必要とされている。また、ガスタービンで燃料ガスの熱量が低い場合、燃焼室で失火する可能性があるため、燃焼室を長くする必要があるが、航空機転用エンジンなどは燃焼室長さを変更することが難しく、機種選定も大きく制限される。
【0004】
従来、都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物を熱分解してガス化させる技術としては、例えば特許文献1に記載された技術がある。特許文献1に記載されたガス化技術は、生成ガス改質室またはガス化炉に水蒸気プラズマトーチを設け、この水蒸気プラズマトーチからのプラズマにより有機物のガス化を促進しようとするものである。
【0005】
【特許文献1】特開2003−147373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術のように、水蒸気プラズマを用いて廃棄物のガス化を促進するだけでは、都市ごみなどの廃棄物から生成されるガスの発熱量を十分に高めることはできない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄物を熱分解して生成されるガスの発熱量を従来よりも高めることができる可燃ガス生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成するガス化炉と、前記ガス化炉で生成された熱分解ガス中の少なくとも未反応残渣を熱分解して改質ガスを生成する改質炉と、前記改質炉で生成された改質ガスの熱を利用して、前記ガス化炉内に供給する水蒸気を発生する熱交換器と、前記改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて排出する水蒸気分離手段と、を備える可燃ガス生成装置を提供する。
【0009】
この構成によると、ガス化炉における廃棄物の熱分解に水蒸気を用い、その後、改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて当該改質ガスから分離し排出することにより、改質ガス中の可燃成分の比率を高めることができ、その結果、改質ガスの発熱量を従来よりも高めることができる。また、改質ガスの熱を利用して廃棄物の熱分解に供する水蒸気を発生させているので、エネルギー回収率を高めることができる。
【0010】
また本発明において、前記水蒸気分離手段は、前記熱交換器内を通過して温度低下した前記改質ガスの温度を60℃以下にまでさらに下げるガス洗浄装置であることが好ましい。
【0011】
この構成によると、改質ガスは洗浄されるとともに当該改質ガスに含まれる水蒸気(水分)は凝縮して分離除去される。これにより、改質ガスの発熱量をより高めることができる。なお、改質ガスの温度を60℃以下とすることで、改質ガスに含まれる水蒸気量(水分)は約20%以下となり、改質ガスの熱量を高めることができるため、ガスエンジンやガスタービンに好適に使用できる。
【0012】
さらに本発明において、前記ガス化炉で生成された熱分解ガス中の未反応残渣とガスとを分離する分離手段と、前記分離手段で分離した未反応残渣を前記改質炉に供給する未反応残渣供給手段と、を備えることが好ましい。
【0013】
この構成によると、改質炉に供給される被処理物は、そのほとんどが未反応残渣となる。したがって、改質炉で加えられる熱の大部分を未反応残渣の加熱および熱分解に利用することができ、改質炉でのエネルギーロスを抑えることができる。
【0014】
さらに本発明において、前記ガス化炉に投入される前の前記廃棄物を、前記熱交換器で発生した水蒸気の熱で乾燥させる乾燥予熱炉を備えることが好ましい。
【0015】
廃棄物には水分が40〜50%以上含有されることがあるが、これをガス化炉に直接投入した場合、廃棄物の有する有効エネルギーの大部分が廃棄物の乾燥に用いられるため、実際の可燃ガス発生量が少なくなるおそれがあるが、この構成によると、ガス化炉に投入される前の廃棄物を予め乾燥および予熱しておくことにより、ガス化炉で消費される熱量を抑えることができる。また、この廃棄物の乾燥および予熱は、改質ガスの熱を利用して発生させた水蒸気の熱で行うので、エネルギーを有効利用できる。
【0016】
さらに本発明において、前記ガス化炉が流動床式ガス化炉であることが好ましい。
【0017】
流動床式ガス化炉は、ストーカ式炉など他の形式の炉と比較して廃棄物が熱分解されやすい温度に炉内温度を維持し易い炉である。すなわち、この構成によると、流動床式ガス化炉を用いることで、他の形式の炉と比較して熱分解ガスを多くかつ安定して生成させることができる。
なお、ガス化炉に流動床式ガス化炉を利用し、砂層の流動化ガスを例えば空気とした場合、砂層を流動させるための空気量と、部分燃焼に必要な空気量とが必ずしもマッチせず、砂層の流動のために多量の空気(酸素を含む)を投入すれば、酸化反応(燃焼)が進みすぎて砂層の温度が上昇しすぎるという問題があった。これに対して、流動床式ガス化炉内に供給するガスとして水蒸気を用いると、砂層の良好な流動状態と、砂層の適切な温度状態とを両立させることができる。
【0018】
また本発明は、その第2の態様によれば、本発明の可燃ガス生成装置と、前記改質ガスにより運転されるコージェネレーションシステムと、を備える廃棄物発電設備を提供する。この廃棄物発電設備によると、従来よりも、エネルギー回収率を飛躍的に高めることができる。
【0019】
さらに本発明は、その第3の態様によれば、ガス化炉内に投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成するガス化工程と、前記生成された熱分解ガス中の少なくとも未反応残渣を改質炉内で熱分解して改質ガスを生成するガス改質工程と、前記生成された改質ガスの熱を利用して水蒸気を発生させ、当該水蒸気を前記ガス化炉内に供給する水蒸気供給工程と、前記改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて排出する水蒸気分離工程と、を備える可燃ガス製造方法を提供する。
【0020】
この構成によると、ガス化炉における廃棄物の熱分解に水蒸気を用い、その後、改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて当該改質ガスから分離し排出することにより、改質ガス中の可燃成分の比率を高めることができ、その結果、改質ガスの発熱量を従来よりも高めることができる。また、改質ガスの熱を利用して廃棄物の熱分解に供する水蒸気を発生させているので、エネルギー回収率を高めることができる。
【0021】
また本発明において、前記水蒸気分離工程は、ガス洗浄装置にて前記改質ガスの温度を60℃以下にまで下げる工程であることが好ましい。
【0022】
この構成によると、改質ガスは洗浄されるとともに当該改質ガスに含まれる水蒸気(水分)は凝縮して分離除去される。これにより、改質ガスの発熱量をより高めることができる。なお、改質ガスの温度を60℃以下とすることで、改質ガスに含まれる水蒸気量(水分)は約20%以下となり、改質ガスの熱量を高めることができるため、ガスエンジンやガスタービンに好適に使用できる。
【0023】
さらに本発明において、前記ガス化炉で生成された熱分解ガス中の未反応残渣とガスとを分離する未反応残渣分離工程と、前記分離した未反応残渣を前記改質炉に供給する未反応残渣供給工程と、を備えることが好ましい。
【0024】
この構成によると、改質炉に供給される被処理物は、そのほとんどが未反応残渣となる。したがって、改質炉で加えられる熱の大部分を未反応残渣の加熱および熱分解に利用することができ、改質炉でのエネルギーロスを抑えることができる。
【0025】
さらに本発明において、前記ガス化炉が流動床式ガス化炉であることが好ましい。
【0026】
前記したように、流動床式ガス化炉は、ストーカ式炉など他の形式の炉と比較して廃棄物が熱分解されやすい温度に炉内温度を維持し易い炉である。すなわち、この構成によると、流動床式ガス化炉を用いることで、他の形式の炉と比較して熱分解ガスを多くかつ安定して生成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る可燃ガス生成装置100を備えた廃棄物発電設備101のブロック図である。
【0028】
(可燃ガス生成装置の構成)
図1に示すように、本実施形態の可燃ガス生成装置100は、処理工程の上流側から順に、給塵機1と、乾燥予熱炉2と、流動床式ガス化炉3と、プラズマ炉4と、熱交換器5と、バグフィルタ6と、スクラバー7と、ガスホルダー8とを備えている。
【0029】
(給塵機)
給塵機1は、廃棄物を定量的に乾燥予熱炉2に供給するものであり、例えばスクリューコンベヤ式のものが使用される。ここで、本実施形態では、都市ごみと廃プラスチックとを混合した廃棄物(以下、混合廃棄物と呼ぶ)を処理して可燃ガス(例えばCO、H、CHなど)を生成している。都市ごみは、比較的発熱量の低い低熱量廃棄物であり、廃プラスチックは、都市ごみに比して発熱量の高い高熱量廃棄物である。都市ごみに高熱量廃棄物である廃プラスチックを混合した混合廃棄物を用いることで、より高い発熱量の可燃ガスを生成することができる。また、一般的に都市ごみは、その性状変動が大きいため、生成される可燃ガスの発熱量の変動も大きくなってしまうが、都市ごみに比して性状のバラつきのない廃プラスチックを混合利用することで、生成される可燃ガスの発熱量の変動を5抑えることができる。なお、処理対象としては、都市ごみに限らず、さまざまな一般廃棄物、産業廃棄物などを対象とすることができる。また、都市ごみに混合する高熱量廃棄物としては、廃プラスチックの他に、下水処理施設から排出される脱水汚泥、廃タイヤ、紙くず、ゴム、廃油、廃油スラッジ、木質バイオマスなどがある。
【0030】
また、給塵機1の前後いずれかには、破砕機(不図示)が配置され、この破砕機により都市ごみおよび廃プラスチックは、破砕処理される。細かく破砕されることで、後段の乾燥予熱炉2における乾燥効率も向上し、流動床式ガス化炉3における熱分解効率も向上する。このように熱分解効率を向上させることによって、流動床式ガス化炉3で発生するチャーなどの未反応残渣やタールの量を低減することができ、流動床式ガス化炉3における可燃ガスの発生量の増加が期待できる。なお、破砕処理された都市ごみおよび廃プラスチックは、一旦、ピットやヤードに入れられ、その後、給塵機1で乾燥予熱炉2に供給される。
【0031】
(乾燥予熱炉)
乾燥予熱炉2は、混合廃棄物が流動床式ガス化炉3に投入される前に、当該混合廃棄物を加熱して乾燥するためのものである。乾燥予熱炉2としては、例えば外熱式キルンが挙げられる。混合廃棄物の乾燥および予熱には、後段のプラズマ炉4で発生した熱を熱交換器5にて熱回収して得られた水蒸気が用いられる。また、混合廃棄物を乾燥および予熱したことにより前記水蒸気は凝縮して水となるが、乾燥予熱炉2に接続した凝縮水タンク10に排出され、ポンプPにより再び熱交換器5に供給されることになる。また、熱交換器5からの水蒸気は、流動床式ガス化炉3にも供給され、その水蒸気は系外に排水される。そのため、凝縮水タンク10の水量が所定量以下に低下した場合には、凝縮水タンク10に水が補給される。なお、処理対象である廃棄物の有する発熱量が高い場合は、乾燥予熱炉2を設けない場合がある。
【0032】
(ガス化炉)
流動床式ガス化炉3は、乾燥予熱炉2より投入された混合廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成するためのものである。流動床式ガス化炉3の炉床には、流動床である砂層31が設けられている。また、流動床式ガス化炉3は、炉底から水蒸気および酸素が供給されるように形成される。更に炉底から導入する水蒸気の温度が低い場合、流動床式ガス化炉の底部を加熱するための加熱機構(例えば炉底外部にジャケットを設けて外部から加熱もしくはバーナーを設けて直接加熱)を設けても良い。なお、流動床式ガス化炉3のほかに、例えば固定床式ガス化炉やストーカ式炉を用いることも可能である。廃棄物を酸素濃度の低い状態で効率よく部分燃焼させてより多くの可燃ガスを発生させることができ、かつ、700℃以上に維持し易いという点から流動床式ガス化炉を利用することが好ましい。
【0033】
ここで、流動床式ガス化炉3は、酸素比0.1〜0.5で運転されることが好ましく、流動床式ガス化炉の運転温度としては砂層の温度が400℃〜800℃、更には500℃〜750℃、更には700℃〜750℃とすることが好ましい。また、流動床式ガス化炉上部(砂層上部のフリーボード部分)の温度としては650〜900℃、更には700℃〜900℃、更には800℃〜900℃が好ましい。砂層の温度が400℃以下の場合、タールやチャーが発生しやすく、廃棄物を効率よくガス化して可燃ガスを取り出し難い。また、800℃を越えると廃棄物に含まれる塩の影響により、砂層が焼き固まるおそれがあり砂層が流動化せずに運転できなくなるおそれがある。
【0034】
一方、フリーボード部においても、温度が400℃以下である場合、タールやチャーが分解しないことから可燃ガスの生成量が低下するおそれがある。フリーボード部の温度を650℃以上、更には700℃以上、更には800℃以上にすることで、一度生成したタールやチャーをフリーボード部で熱分解することができ、流動床ガス化炉における可燃ガスの発生量を高めることができる。なお、酸素比とは、廃棄物を完全燃焼させる際に必要とされる必要最低限の酸素量に対する設定供給酸素量の比率のことをいう。
【0035】
(改質炉)
プラズマ炉4は、流動床式ガス化炉3で生成された熱分解ガス中のタールおよび未反応残渣(主にチャー)をプラズマで熱分解して改質ガスを生成するための改質炉であり、当該プラズマを発生させるプラズマトーチを具備してなるものである。なお、改質炉としてはプラズマを用いず(プラズマトーチを設けない)、マイクロ波を利用した加熱炉や炉内に空気を吹き込んで前段の流動床式ガス化炉3内温度よりも高い温度で運転する炉(例えば旋回溶融炉)としてもよい。この場合、空気比は0.1〜0.3程度とされる。ここで、空気比とは、廃棄物を完全燃焼させる際に必要とされる必要最低限の空気量に対する設定供給空気量の比率のことをいう。なお、炉(例えば旋回溶融炉)内に空気ではなく酸素を吹き込んでもよい。この場合の酸素吹き込み量は、酸素比という表現を用いることになり、その値は0.1〜0.3程度となる。空気を用いると空気中の窒素が生成された改質ガスを希釈するおそれがあるが、酸素を用いることで改質ガスの希釈を防止できる。
【0036】
改質炉としてプラズマ炉を利用した場合、排気量を少なくでき、設備がコンパクトになるという効果があり、旋回溶融炉を利用した場合、設備の消費電力が少なくでき、送電端効率を高くできるという効果がある。なお、改質炉の温度としては800〜 1100℃が好ましい。800℃以下であれば前記ガス化炉で発生したチャーやタールを分解することができず、また、1100℃以上であれば、チャーや灰分を溶融するために無駄な熱量が使用されるため、得られる改質ガスの発熱量が少なくなる。
【0037】
(熱交換器)
熱交換器5は、プラズマ炉4で生成された改質ガスの熱(換言すれば、プラズマ炉3で発生した熱)を利用して、流動床式ガス化炉3内および乾燥予熱炉2に供給する水蒸気を発生させるためのものである。熱交換器5には、凝縮水タンク10からポンプPにより水が供給される。熱交換器5としては、例えば蒸気ボイラが挙げられる。ただし、改質ガスには塩素等が含有されており、通常の水管を有する蒸気ボイラでは材質選定で制限がある。ここで、本実施形態において発生させる水蒸気は、混合廃棄物の乾燥または流動床式ガス化炉3の流動化ガスに用いるものである。そのため、水蒸気に高温・高圧が求められない場合、耐火材を張ったダクトの裏側に水管を通して水蒸気を発生させるジャケットタイプの熱交換器を用いてもよい。なお、これら熱交換器(蒸気ボイラやジャケットタイプの熱交換器)で発生した水蒸気は、ブロワー(図示せず)によって流動床式ガス化炉3内や乾燥予熱炉2に供給される。
【0038】
なお、熱交換器5で発生する水蒸気量が、流動床式ガス化炉3および乾燥予熱炉2で消費される水蒸気量よりも多く、蒸気タービンをまわすのに十分な量の余剰水蒸気がある場合には、熱交換器5と、流動床式ガス化炉3および乾燥予熱炉2とを結ぶ蒸気経路からあらたに蒸気経路を分岐し、そこに発電用の蒸気タービンを設けてもよい。この構成によれば余剰水蒸気を利用して更に発電を行うことができるため、システム全体としての発電量を向上させることができる。
【0039】
(バグフィルタ)
バグフィルタ6は、プラズマ炉4で生成された改質ガス中に含まれる粉塵を除去するためのものであり、熱交換器5の後段に設けられる。
【0040】
(ガス洗浄装置)
スクラバー7(ガス洗浄装置)は、プラズマ炉4で生成された改質ガス中に含まれる水蒸気を凝縮させて排出する役割と、当該改質ガス中に含まれる酸性ガスを除去する役割とを担う水蒸気分離手段である。スクラバー7は、その上部からスクラバー内へアルカリ剤(例えば水酸化ナトリウム水溶液)が供給されるように形成されている。水蒸気が凝縮した凝縮水は、スクラバー7のドレンから系外に排出される。スクラバー7は、バグフィルタ6の後段に設けられる。本実施形態では、スクラバー7を通過した改質ガスの温度が約60℃となるようにスクラバー7は設計されている。
【0041】
なお、スクラバー7からの凝縮水は中和、ろ過(例えば砂ろ過および/又は膜ろ過)を行い、水蒸気生成のための補給水として利用することが好ましい。このようにスクラバー排水を水蒸気用の補給水として利用することによって、当該処理装置から系外へ排出する廃棄物(ここでは排水)の量を低減することができ、また、系外から処理装置に導入する補給水の量も低減することができる。
【0042】
(ガスホルダー)
ガスホルダー8は、スクラバー7を出た改質ガス(可燃ガス)を貯留しておくものであり、スクラバー7の後段に配置される。
【0043】
(廃棄物発電設備の構成)
次に、廃棄物発電設備101の構成について図1を参照しつつ説明する。廃棄物発電設備101は、前記した可燃ガス生成装置100にガスエンジン9を加えてなるものである。
【0044】
(ガスエンジン)
ガスエンジン9は、ガスホルダー8から供給された改質ガス(可燃ガス)を燃料ガスとして運転され、ジェネレータG(発電機)をまわして発電する一方、その排熱を利用して蒸気や温熱(温水)を取り出すコージェネレーションシステムである。なお、コージェネレーションシステムとして、ガスエンジン9の代りにガスタービンを用いてもよいし燃料電池を用いてもよい。
【0045】
(可燃ガス製造方法)
次に、可燃ガス生成装置100を用いた可燃ガスの製造方法について説明する。
【0046】
(廃棄物供給工程)
まず、都市ごみと廃プラスチックとを混合した混合廃棄物を、給塵機1により定量的に乾燥予熱炉2に供給する。なお、混合廃棄物は、給塵機1の前後いずれかに配置された破砕機(不図示)により破砕処理された状態で、乾燥予熱炉2に供給される。
【0047】
(乾燥工程)
次に、混合廃棄物を乾燥予熱炉2にて乾燥および予熱する。混合廃棄物の乾燥および予熱には、熱交換器5から送られてきた水蒸気の熱を用いる。具体的には、間接加熱式のロータリーキルン等が利用され、回転する円筒容器内に混合廃棄物が供給されると共に、円筒容器を覆うジャケット内に水蒸気が供給され、水蒸気の熱によって混合廃棄物が間接的に加熱される。なお、乾燥予熱炉は特にロータリーキルンに限定されず、廃棄物を水蒸気の熱によって間接的に加熱できるもので有ればよい。混合廃棄物は、約200℃に予熱される。ここで、流動床式ガス化炉3に投入される前の混合廃棄物を予め乾燥および予熱しておくことにより、流動床式ガス化炉3で消費される熱量を抑えることができる。また、混合廃棄物は、流動床式ガス化炉3内にて分散しやすくなり、混合廃棄物の熱分解効率が向上する。
【0048】
なお、乾燥温度としては特に200℃に限定されず、水を確実に蒸発できる温度であればよく、また、乾燥段階で熱分解を起こさない温度であれば良い。このような温度としては混合廃棄物を100℃〜220℃、更には120℃〜200℃に加熱することが好ましい。
【0049】
(ガス化工程)
約200℃に予熱された混合廃棄物は、流動床式ガス化炉3に投入される。混合廃棄物のガス化工程では、酸素比を0.1〜0.5とし、流動床式ガス化炉3の砂層31の温度を約700℃に維持する運転をおこなって、混合廃棄物を熱分解する。ここでは、熱交換器5から送られてきた水蒸気を炉底から炉内に供給して砂層31を流動させる。また、炉底から酸素を供給して混合廃棄物を部分燃焼させる。なお、混合廃棄物に含まれる不燃物は炉底より抜き出されて系外に排出される。
【0050】
ここで、ガス化炉に流動床式ガス化炉を利用した場合、砂層を流動させるために流動化ガスをガス化炉内に投入する必要があるが、砂層を流動化させるための空気量が部分酸化に必要な空気量に比べて大きいため、流動化のために多量の空気を投入すると、ガス化炉内で酸化反応(燃焼)が進みすぎて砂層の温度が上昇しすぎる傾向にある。また、空気中の窒素が発生した可燃ガスを希釈するおそれがある。特に、混合廃棄物において高熱量廃棄物である廃プラスチックの割合が高い場合(混合廃棄物の熱量が高い場合)に、砂層31を流動させるガスとして、水蒸気ではなく空気(酸素含有)を用いると、前述した通り砂層31の温度が上昇しすぎて砂層31が焼き固まってしまい流動しなくなってしまう場合がある。これに対して、水蒸気を用いると燃焼による発熱を抑制でき、高熱量廃棄物であっても砂層温度を一定温度以下に維持することができる。すなわち、処理対象である廃棄物が高カロリーの場合、砂層31を流動させるガスとしては水蒸気が適している。また、空気には窒素が多く含まれているので、生成される熱分解ガスが窒素で希釈されてしまいその発熱量が低下してしまう。一方、水蒸気を利用した場合、後段の水蒸気分離工程にて水蒸気を容易に分離することができる。また、水性ガス化反応による可燃性ガスの発生が期待できる。さらに、水蒸気によって砂層を十分に流動化することができる。この観点からも、砂層31を流動させるガスとしては、分離除去が容易な水蒸気が適している。本実施形態においては流動床を流動させるために水蒸気を用い、廃棄物の部分酸化には別途、必要最小限の酸素を投入することにより得られる可燃ガスの量を増加させることができる。
【0051】
(ガス改質工程)
流動床式ガス化炉3にて生成した約700℃の熱分解ガスは、次に、プラズマ炉4に入る。この熱分解ガス中には、タールおよび未反応残渣(主にチャー)が含まれている。これらタールおよび未反応残渣は、プラズマ炉4において約1000℃のプラズマにより熱分解され、流動床式ガス化炉3にて生成した熱分解ガスは改質される(改質ガスとなる)。
なお、プラズマ炉としては通常、空気を使用することが多いが、水蒸気や炭化水素等を利用したプラズマ炉を使用することが可燃性ガスの熱量を維持あるいは向上させる点から好ましい。これは、水蒸気を利用した場合、可燃性ガス中に水蒸気が混入するものの、後段の水蒸気分離工程にて水蒸気が除去されるため可燃性ガスが希釈されるおそれもなく、また、水性ガス化反応により可燃性ガスが増加することも期待できるため、結果的に可燃性ガスの熱量を維持もしくは向上できるものと考える。また、炭化水素を利用した場合も炭化水素の分解に伴い可燃性ガスが生成するものと考えられ、結果的に可燃性ガスの熱量を向上できるものと考える。
【0052】
(水蒸気供給工程)
プラズマ炉4にて改質された約1000℃の改質ガスは、熱交換器5に供給される。一方、熱交換器5には凝縮水タンク10から水が供給される。熱交換器5内にて高温の改質ガスから水へ熱が移動し、水は水蒸気となり、改質ガスの温度は約200℃まで低下する。発生した水蒸気は、流動床式ガス化炉3および乾燥予熱炉2に供給される。
【0053】
(粉塵除去工程)
約200℃の改質ガスはバグフィルタ6に供給され、当該改質ガス中に含まれる粉塵が除去される。
【0054】
(水蒸気分離工程)
次に、バグフィルタ6内を通過した改質ガスは、スクラバー7に供給される。スクラバー7内にて改質ガスが水酸化ナトリウム水溶液と接触し、改質ガス中の酸性ガスが除去されるとともに、改質ガスの温度が低下して改質ガス中の水蒸気は凝縮除去される。凝縮水はスクラバー7下部のドレンから系外に排出される。凝縮水については前述した通り、一定の処理をした後、補給水として再利用することが好ましい。
【0055】
ここで、スクラバー7内を改質ガスを通過させることで改質ガスの温度は約60℃にまで下がる。このように、改質ガスはその温度を60℃以下まで下げられることが好ましい。さらに好ましくは、40℃以下まで下げられることである。なお、下限温度は常温である。スクラバー7を出た改質ガス(可燃ガス)は、ガスホルダー8に貯留される。改質ガスの温度を60℃以下とすることで、改質ガスに含まれる水蒸気量(水分)は約20%以下となり、改質ガスの温度を40℃以下とすることで改質ガスに含まれる水蒸気量を7%以下とすることができる。これによって流動床式ガス化炉で添加した水蒸気を回収、再利用できると共に、水蒸気を除去し改質ガスの濃度を高めることができるので結果的に得られる改質ガスの発熱量を高めることができる。また、水蒸気を除去することで体積も小さくなるため、後段のガスホルダーも小さくできる。
【0056】
以上、説明したように、可燃ガス生成装置100によると、流動床式ガス化炉3における混合廃棄物の熱分解に水蒸気を用い、その後、スクラバー7にて改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて当該改質ガスから分離し排出することにより、改質ガス中の可燃成分の比率を高めることができ、その結果、改質ガスの発熱量を従来よりも高めることができる。また、改質ガスの熱を利用して、廃棄物の乾燥および熱分解に供する水蒸気を発生させているので、エネルギー回収率を高めることができている。
【0057】
(ガス発電)
ガスホルダー8から改質ガス(可燃ガス)をガスエンジン9に供給し、ガスエンジン9を運転して発電する。また、ガスエンジン9の排熱を利用して蒸気や温熱(温水)を取り出す。ガスエンジン9を利用した廃棄物発電設備101によると、従来よりも、エネルギー回収率を飛躍的に高めることができる。
【0058】
(他の実施形態)
図2は、本発明の可燃ガス生成装置および廃棄物発電設備の他の実施形態を示すブロック図である。本実施形態については、前記実施形態との相違点に重点をおいて説明する。また、前記実施形態の構成機器と同じ構成機器については同一の符号を付している。
【0059】
(可燃ガス生成装置および廃棄物発電設備の構成)
本実施形態の可燃ガス生成装置102およびそれを備えた廃棄物発電設備103と前記実施形態の可燃ガス生成装置100および廃棄物発電設備101との主な相違は、本実施形態に係る可燃ガス生成装置102および廃棄物発電設備103がサイクロン11(未反応残渣分離手段)を備えていることである。
【0060】
(未反応残渣分離手段)
サイクロン11は、その内部で流動床式ガス化炉3からの熱分解ガスを旋回させ、遠心力と重力を利用して、熱分解ガス中の未反応残渣(主にチャー)を分離するものである。このサイクロン11は、流動床式ガス化炉3とプラズマ炉4との間に配置される。熱分解ガス中から分離された未反応残渣は、サイクロン11底部からプラズマ炉4に供給される。一方、未反応残渣が除去された熱分解ガスは、サイクロン11の上部からプラズマ炉4を経由することなく、そのまま熱交換器5へ導入される。
【0061】
(未反応残渣供給手段)
また、可燃ガス生成装置102は、スクリューフィーダ13を備えている。スクリューフィーダ13は、サイクロン11内で分離した未反応残渣をプラズマ炉4に供給するための未反応残渣供給手段である。このスクリューフィーダ13は、サイクロン11の出口付近に設置される。未反応残渣供給手段としては、スクリューフィーダ13以外に、プッシャーなどが挙げられる。
【0062】
(可燃ガス製造方法)
本実施形態では、流動床式ガス化炉3で生成された熱分解ガスが、そのまま全量、プラズマ炉4に供給されるのではなく、熱分解ガス中から分離された未反応残渣がプラズマ炉4に供給に供給され、未反応残渣が除去された熱分解ガスは、プラズマ炉4を経由することなく、そのまま熱交換器5へ導入される。
【0063】
(未反応残渣分離工程)
流動床式ガス化炉3で生成された熱分解ガスは、まずサイクロン11に供給される。そして、このサイクロン11内で熱分解ガス中の未反応残渣が分離される。
【0064】
(未反応残渣供給工程)
次に、サイクロン11内で分離された未反応残渣は、スクリューフィーダ13によりサイクロン11底部から抜かれてプラズマ炉4に供給される。ここで、プラズマ炉4への未反応残渣の供給は、連続式でもよいしバッチ式でもよい。連続式とは、スクリューフィーダ13を常時、稼動せて連続して未反応残渣をプラズマ炉4に供給することをいう。一方、バッチ式とは、サイクロン11底部に所定量の未反応残渣が溜まったらスクリューフィーダ13を稼動させて未反応残渣をプラズマ炉4に供給し、サイクロン11底部の未反応残渣が所定量以下になったらスクリューフィーダ13を停止する運転方法のことをいう。
【0065】
なお、プラズマ炉4への未反応残渣の供給は、スクリューフィーダ13やプッシャーではなく、流動床式ガス化炉3で生成された熱分解ガスの一部を利用したガス輸送方式であってもよい。図2に点線で示したガス輸送用管12を設け、熱分解ガスの流れによる吸引作用によりサイクロン11底部から未反応残渣を抜いてプラズマ炉4に供給してもよい。このガス輸送方式においても、プラズマ炉4への未反応残渣の供給は、連続式でもよいしバッチ式でもよい。ガス輸送用管12などに設けたバルブ(不図示)により、サイクロン11底部から未反応残渣を抜くタイミングを調整することができる。
なお、サイクロンの後段に別途、未反応残渣貯留部を設け、サイクロンで分離した未反応残渣を未反応残渣貯留部にて貯留する構成としても良い。
【0066】
次に、サイクロン11により未反応残渣が除去された熱分解ガスと、プラズマ炉4で改質された改質ガスとは、熱交換器5の手前で混合し、当該混合したガスが熱交換器5に入る。
【0067】
本実施形態によると、流動床式ガス化炉3を出た熱分解ガス中から未反応残渣を分離し、未反応残渣を多く含む被処理物のみをプラズマ炉4に供給するので、プラズマ炉4で加えられる熱が可燃ガスの加温に利用されにくく、その大部分を未反応残渣の加熱および熱分解反応に利用することができ、改質炉でのエネルギーロスを大幅に抑えることができる。また、改質炉に供給されるガス量が減るため、炉を小型化できる。
【0068】
なお、改質炉としては、プラズマ炉4や旋回溶融炉ではなく、マイクロ波を利用した加熱方式の加熱炉(マイクロ波加熱炉)を用いてもよい。マイクロ波加熱炉を用いた場合、改質炉で生成した改質ガスが希釈されにくい。改質炉が例えば旋回溶融炉の場合、空気(もしくは酸素)を炉内に供給する必要があり、プラズマ炉4であっても同様に、作動ガスとして空気などが必要である。これに対して、マイクロ波加熱炉では特にこれらのガスを必要としないからである。
さらに、熱分解の対象となるチャーやタールはマイクロ波を吸収しやすいことから、マイクロ波を利用するとチャーやタールを効率的に加熱でき、また、均一に加熱できるという利点がある。また、加熱する際のエネルギーロスも少ない。
【0069】
また、改質炉への未反応残渣の供給をバッチ式とする場合、改質炉内の温度を運転しない間も一定の高温状態に保つ必要があり、場合によっては改質炉の立ち上げ、立ち下げを頻繁に行う可能性もある。改質炉としてマイクロ波加熱炉を用いた場合、当該マイクロ波加熱炉は煩雑な操作を行うことなしに容易に運転開始と停止を行うことができるという利点がある。
【0070】
なお、本実施形態ではタールについて特に記載していないが、未反応残渣と共に改質炉に供給されたものについては第一の実施形態同様に改質炉にて分解され、改質ガスとなる。また、熱分解ガスに搬送されるタールを未反応残渣分離工程で分離するために、別途吸着材を設置する構成としてもよい。この場合、タールを吸着した吸着材ごとガス化炉または改質炉に投入することでタールを分解することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
例えば、本実施形態においては熱交換器を通過した改質ガスをバグフィルタに直接導入しているが、熱交換器で改質ガスの温度を十分に減温できない場合、バグフィルタの前段に減温塔を設けて改質ガスの温度を低下させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る可燃ガス生成装置を備えた廃棄物発電設備のブロック図である。
【図2】本発明の可燃ガス生成装置および廃棄物発電設備の他の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
1:給塵機
2:乾燥予熱炉
3:流動床式ガス化炉
4:プラズマ炉
5:熱交換器
7:スクラバー
100:可燃ガス生成装置
101:廃棄物発電設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成するガス化炉と、
前記ガス化炉で生成された熱分解ガス中の少なくとも未反応残渣を熱分解して改質ガスを生成する改質炉と、
前記改質炉で生成された改質ガスの熱を利用して、前記ガス化炉内に供給する水蒸気を発生する熱交換器と、
前記改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて排出する水蒸気分離手段と、
を備える、可燃ガス生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の可燃ガス生成装置において、
前記水蒸気分離手段は、前記熱交換器内を流れて温度低下した前記改質ガスの温度を60℃以下にまでさらに下げるガス洗浄装置であることを特徴とする、可燃ガス生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の可燃ガス生成装置において、
前記ガス化炉で生成された熱分解ガス中の未反応残渣とガスとを分離する分離手段と、
前記分離手段で分離した未反応残渣を前記改質炉に供給する未反応残渣供給手段と、
を備えることを特徴とする、可燃ガス生成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の可燃ガス生成装置において、
前記ガス化炉に投入される前の前記廃棄物を、前記熱交換器で発生した水蒸気の熱で乾燥させる乾燥予熱炉を備えることを特徴とする、可燃ガス生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の可燃ガス生成装置において、
前記ガス化炉が流動床式ガス化炉であることを特徴とする、可燃ガス生成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の可燃ガス生成装置と、
前記改質ガスにより運転されるコージェネレーションシステムと、
を備える、廃棄物発電設備。
【請求項7】
ガス化炉内に投入された廃棄物を熱分解して熱分解ガスを生成するガス化工程と、
前記生成された熱分解ガス中の少なくとも未反応残渣を改質炉内で熱分解して改質ガスを生成するガス改質工程と、
前記生成された改質ガスの熱を利用して水蒸気を発生させ、当該水蒸気を前記ガス化炉内に供給する水蒸気供給工程と、
前記改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて排出する水蒸気分離工程と、
を備える、可燃ガス製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の可燃ガス製造方法において、
前記水蒸気分離工程は、ガス洗浄装置にて前記改質ガスの温度を60℃以下にまで下げる工程であることを特徴とする、可燃ガス製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の可燃ガス製造方法において、
前記ガス化炉で生成された熱分解ガス中の未反応残渣とガスとを分離する未反応残渣分離工程と、
前記分離した未反応残渣を前記改質炉に供給する未反応残渣供給工程と、
を備えることを特徴とする、可燃ガス製造方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれかに記載の可燃ガス製造方法において、
前記ガス化炉が流動床式ガス化炉であることを特徴とする、可燃ガス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−77260(P2010−77260A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246582(P2008−246582)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】