説明

建設機械のキャビン

【課題】 補強構造による重量増加等の弊害の発生を回避しながら、転倒等に対する荷重支持性能を高める。
【解決手段】 機械の転倒等によって右側のリアピラー25に加えられる側方荷重F1を、右下がりに傾斜して設けた荷重伝達梁32を介して左側リアピラー26に伝え、アッパーフレームを構成するセンターセクション6の縦リブ9で受けるようにした。また、右側リアピラー26の前方に短柱状の補助ピラー35を設けて連結部材36で連結し、後方荷重F2を支えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベル等の建設機械のキャビンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルのキャビンを例にとって説明する。
【0003】
油圧ショベルは、図5に示すようにクローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に搭載された上部旋回体2と、この上部旋回体2に装着された作業アタッチメント3とによって構成され、上部旋回体2にキャビン4が設けられる。
【0004】
図6に上部旋回体2の本体としてのアッパーフレーム5の構成を示す。なお、ここでは図の簡略化のために必要最小限のフレーム構成要素のみを示している。 このアッパーフレーム5は、センターセクション6の左側(キャビン4内に着座したオペレータから見た左側。以下にいう左右及び前後の方向性について同じ)に、キャビン4が搭載される左サイドデッキ7、右側に各種機器類が搭載される右サイドデッキ8がそれぞれ設けられて成っている。
【0005】
センターセクション6には、左右両側に垂直に立ち上がる縦リブ9,10が設けられ、この縦リブ9,10の前部に図5に示す作業装置3が取付けられるとともに、後部にカウンタウェイト11が搭載される。
【0006】
キャビン4は、図7に示す骨組としてのキャビンフレーム12に外装材(パネル材や、前後左右各ウィンドの窓ガラス等)が取付けられて構成される。
【0007】
従来のキャビン4を構成するキャビンフレーム12は、前部左右両側に立設されたフロントピラー13,14と、後部左右両側に立設されたリアピラー15,16と、左側のフロント、リア両ピラー13,15間に立設されたセンターピラー17と、左側のフロント、リア両ピラー13,15の上端間に架け渡された左ルーフメンバー18と、右側のフロント、リア両ピラー14,16の上端間に架け渡された右ルーフメンバー19と、左右のフロントピラー13,14の上端間に架け渡された上フロントクロスメンバー20と、左右のリアピラー15,16の上端間に架け渡された上リアクロスメンバー21とによって構成されている。
【0008】
なお、図7では、図の簡略化のために左サイドデッキ7上にキャビンフレーム12の各ピラー13〜17を直接立設した状態で示しているが、実際には左サイドデッキ7上に防振マウントを介してフロアプレートを取付け、このフロアプレート上に各ピラー13〜17を立設する構成がとられる。この点は、後述する本発明の実施形態を示す図1〜図4についても同じである。
【0009】
このキャビンフレーム12には、大別して、機械の転倒(横転)等による左側方からの荷重(以下、側方荷重という)F1と、後方からの荷重(同、後方荷重という)F2と、上方からの下向き垂直の荷重(同、垂直荷重という)F3とが作用する。
【0010】
従って、オペレータの安全確保の観点から、これらの荷重によってキャビンフレーム12が変形してもオペレータの空間、とくにオペレータが位置する後部の空間が確保されることが求められる。
【0011】
このような要求に対し、従来のキャビンフレーム12においては、左右のフロントピラー13,14と上フロントクロスメンバー20で前面側の門形構造体、左右のリアピラー15,16とリアクロスメンバー21で後面側の門形構造体を構成し、この前後の門形構造体を左右のルーフメンバー18,19で連結した構成をとっている。
【0012】
また、このようなキャビンフレーム12を補強する手段として、左右両側面部において前後方向の中間部から後上向きに延びる幅広のピラーを追加した構成(特許文献1参照)や、前後両側の門形構造体同士を板状のルーフ材で連結した構成(特許文献2参照)等、種々のものが提案されている。
【特許文献1】特開2000−327462号公報
【特許文献2】特開2001−123482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、門形構造体のみで荷重を支える図示のキャビンフレーム12では、側方、後方、垂直各荷重F1,F2,F3に対する支持性能の点で必ずしも十分ではなかった。
【0014】
一方、門形構造に補強を加えた各公知構造によると、高い補強効果を得ようとすれば補強構造が大がかりとなってキャビンフレームの大幅な重量増加を招き、あるいは補強メンバーによってキャビン内からの視界が悪化する等の弊害が生じていた。
【0015】
これに対し、たとえば左右のリアピラー15,16を単に梁材で連結する等の比較的小規模の補強を加える技術では、十分な補強効果が得られない。
【0016】
そこで本発明は、補強構造による弊害の発生を回避しながら、転倒等に対する荷重支持性能を大幅に高めることができる建設機械のキャビンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の発明は、下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体のアッパーフレームは、作業装置が取付けられるセンターセクションと、このセンターセクションの左側に設けられたキャビン取付用のデッキとを備え、上記センターセクションは、少なくとも上記デッキに隣接する左側に垂直に立ち上がる縦リブを備えた建設機械のキャビンにおいて、骨組となるキャビンフレームの構成要素として、前部左右両側にフロントピラー、後部左右両側にリアピラー、左側のフロント、リア両ピラー間にセンターピラーがそれぞれ設けられ、上記右側リアピラーは、左側から加えられる側方荷重を上記センターセクションの縦リブに伝達し得るように縦リブに接して設けられ、かつ、上記左側リアピラーに左側から加えられる側方荷重を上記右側リアピラーに伝達する荷重伝達梁が左右のリアピラー間に設けられたものである。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、荷重伝達梁の右側端がセンターセクションの縦リブに向かい、左側端がこの右側端よりも高い位置で左側リアピラーに連結されることにより、荷重伝達梁が右下がりに傾斜して設けられたものである。
【0019】
請求項3の発明は、下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体のアッパーフレームは、作業装置が取付けられるセンターセクションと、このセンターセクションの左側に設けられたキャビン取付用のデッキとを備えた建設機械のキャビンにおいて、骨組となるキャビンフレームの構成要素として、前部左右両側にフロントピラー、後部左右両側にリアピラー、左側のフロント、リア両ピラー間にセンターピラーがそれぞれ設けられるとともに、上記右側リアピラーの前方に同ピラーよりも短い補助ピラーが設けられ、右側リアピラーとこの補助ピラーとが連結部材によって連結されたものである。
【0020】
請求項4の発明は、下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体のアッパーフレームは、作業装置が取付けられるセンターセクションと、このセンターセクションの左側に設けられたキャビン取付用のデッキとを備え、上記センターセクションは、少なくとも上記デッキに隣接する左側に垂直に立ち上がる縦リブを備え、かつ、次の要件を具備するものである。
【0021】
(A) 骨組となるキャビンフレームの構成要素として、前部左右両側にフロントピラー、後部左右両側にリアピラー、左側のフロント、リア両ピラー間にセンターピラーがそれぞれ設けられていること。
【0022】
(B) 上記右側リアピラーは、左側から加えられる側方荷重を上記センターセクションの縦リブに伝達し得るように縦リブに接して設けられる一方、上記左側リアピラーに左側から加えられる側方荷重を上記右側リアピラーに伝達する荷重伝達梁が左右のリアピラー間に設けられていること。
【0023】
(C) この荷重伝達梁は、右側端がセンターセクションの縦リブに向かい、左側端がこの右側端よりも高い位置で左側リアピラーに連結されることにより右下がりに傾斜して設けられていること。
【0024】
(D) 上記右側リアピラーの前方に同ピラーよりも短い補助ピラーが設けられ、右側リアピラーとこの補助ピラーとが連結部材によって連結されていること。
【0025】
請求項5の発明は、請求項3または4の構成において、連結部材は、センターセクションの縦リブに荷重伝達可能に接する状態で設けられたものである。
【0026】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、左側リアピラーとセンターピラーの下部間に左補強梁が架け渡されたものである。
【発明の効果】
【0027】
上部旋回体のアッパーフレームを構成するセンターセクションには、前記のように作業装置及びカウンタウェイト等を取付けるための高剛性・高強度の縦リブが設けられている。
【0028】
請求項1,2の発明によると、この縦リブに着目し、側方荷重を左リアピラー、荷重伝達梁、右リアピラーを介して縦リブに伝え、この縦リブで受ける構成としたから、側方荷重に対する支持性能を飛躍的に高め、とくに機械転倒時におけるキャビンの左右方向の変形抑制効果を高めることができる。
【0029】
この場合、請求項2の発明によると、側方荷重が左側リアピラーの高い位置に加えられる可能性が高いことに着目し、荷重伝達梁を右下がりに傾斜して設けることにより、側方荷重を左側の高い位置で受けて低い縦リブに伝達する構成としたから、側方荷重を縦リブに効率良く伝達でき、しかも荷重伝達梁の幅寸法と重量を必要最小限に小さく抑えることができる。
【0030】
一方、請求項3〜5の発明によると、右側リアピラーの前方に同ピラーよりも短い補助ピラーを立て、この補助ピラーと右側リアピラーとを連結部材によって連結したから、後方荷重(垂直荷重によって前向きに働く荷重成分を含む)に対する支持性能を高めることができる。
【0031】
しかも、補助ピラーは短柱であるため、右サイドウィンドによる右側方視界を妨げるおそれがない。
【0032】
請求項4,5の発明によると、請求項1〜3の発明を組み合わせ、側方荷重を縦リブで受けるとともに、後方荷重を補助ピラーで支える構成としたから、複合効果としてキャビンの荷重支持性能を格段にアップさせることができる。
【0033】
この場合、請求項5の発明によると、補助ピラーを設ける構成において、連結部材を、センターセクションの縦リブに荷重伝達可能に接する状態で設けたから、側方荷重をこの連結部材でも縦リブに伝達することができることで耐側方荷重の性能をさらに高めることが可能となる。
【0034】
また、請求項6の発明によると、左側リアピラーとセンターピラーの下部間に左補強梁を架け渡したから、側方荷重による左側リアピラーのねじれを抑え、かつ、後方荷重をセンターピラーでも支えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施形態を図1〜図4によって説明する。
【0036】
なお、実施形態において、アッパーフレームのセンターセクション6の左側に左デッキ7が設けられ、この左デッキ7にキャビンが設置される点、及びセンターセクション6の左右両側に縦リブ9,10が垂直に設けられている点は従来と同じである。
【0037】
実施形態にかかるキャビンのキャビンフレーム22は、左右のフロントピラー23,24と、左右のリアピラー25,26と、センターピラー27と、左右のルーフメンバー28,29と、前後のクロスメンバー30,31とを備え、前面側及び後面側に門形構造体が構築されるとともに、この両側門形構造体同士がルーフメンバー28,29で連結された構成を基本としている。
【0038】
なお、後側クロスメンバー31は、図示のように板材(厚板、または薄板の周縁を曲げ加工した板材)によって形成され、左右のルーフメンバー28,29の後部間に架け渡された構成となっている。
【0039】
このキャビンフレーム22においては、第1の特徴点として、左右のリアピラー25,26間に荷重伝達梁32が設けられている。
【0040】
この荷重伝達梁32は断面コの字形の枠材(四角パイプ材等でもよい)から成り、図示のように右下がりの傾斜状態、すなわち、右端がセンターセクション6の左側の縦リブ9に向かい、左側端がこの右側端よりも少し高い位置で左側リアピラー25に連結されることにより、右下がりの斜め梁として取付けられている。
【0041】
ここで、左側縦リブ9には上端に水平な張り出し部9a(図3,4参照)が一体に設けられ、荷重伝達梁32の右端はこの張り出し部9aの高さ位置で右側リアピラー26に連結されている。
【0042】
また、右側リアピラー26は、図3に示すようにこの左側縦リブ9の張り出し部9aに接する状態で左サイドデッキ7に立設されている。
【0043】
さらに、荷重伝達梁32は、図3に示すように全体がリアウィンドWrよりも下方に位置する状態で設けられている。
【0044】
この第1の特徴点としての構成によると、図3,4に示すように、機械の転倒時に左側リアピラー25に作用する側方荷重F1が、荷重伝達梁32を介して右側リアピラー26に伝えられ、最終的に左側縦リブ9で受けられる。
【0045】
この左側縦リブ9は、前記のように作業装置及びカウンタウェイト等を取付けるために高剛性・高強度に形成されているため、側方荷重F1を確実に支持することができる。
【0046】
これにより、キャビンフレーム22の側方荷重F1に対する支持性能を飛躍的に高め、とくに機械転倒時におけるキャビンの左右方向の変形を効果的に抑制することができる。
【0047】
この場合、転倒時には側方荷重F1が左側リアピラー25の高さ方向の中間部かそれよりも高い位置に加えられる可能性が高い点に着目し、荷重伝達梁32を、左側が高い位置で左側リアピラー25に連結された右下がりの傾斜状態で取付けているため、側方荷重F1を左側縦リブ9に効率良く伝達することができる。
【0048】
しかも、荷重伝達梁32を斜め梁とすることにより、荷重伝達梁32の幅寸法と重量を必要最小限に小さく抑えることができる。
【0049】
このため、キャビンの軽量化の要請に応えることができるとともに、荷重伝達梁32をリアウィンドWrよりも下方に位置させることが可能となり、後方視界を確保することができる。
【0050】
なお、この実施形態では、側方荷重に対する補強の意味で荷重伝達梁32の上下両側にも水平な梁材33,34が設けられている。但し、これは必要に応じて設ければよい。
【0051】
次に第2の特徴点として、右側リアピラー26の前方に、同ピラー26よりも短い短柱状の補助ピラー35が立設され、この補助ピラー35と右側リアピラー26の下部とが水平な連結部材36によって連結されている。
【0052】
補助ピラー35は、図2に示すように所定の右側方視界を確保するための右サイドウィンドWsに侵入しない高さ寸法とされている。
【0053】
また、連結部材36は、図3,4に示すように左側縦リブ9(張り出し部9a)に荷重伝達可能に接する状態で設けられている。
【0054】
なお、この実施形態では、連結部材36そのものを高剛性・高強度とするために図示のように扁平な四角パイプ材を上下に積層連結した構成とされているが、必要な剛性・強度を確保できるものであれば単体の四角パイプ材または型材等を用いてもよい。
【0055】
この第2の特徴点としての構成によると、右側リアピラー26に加えられる後方荷重F2(垂直荷重F3によって前向きに働く荷重成分を含む)が連結部材36を介して補助ピラー35に伝えられ、支持されるため、キャビン右側部分での耐後方荷重性能を高めることができる。
【0056】
しかも、補助ピラー35は短柱であるため、右サイドウィンドWsによる右側方視界を妨げるおそれがない。
【0057】
また、連結部材36を、センターセクション6の縦リブ9に荷重伝達可能に接する状態で設けたから、側方荷重F1をこの連結部材36でも縦リブ9に伝達することができる。このため、耐側方荷重の性能をさらに高めることができる。
【0058】
第3の特徴点として、左側リアピラー25とセンターピラー27の下部間に左補強梁37が架け渡されている。
【0059】
この左補強梁37を設けることにより、側方荷重F1による左側リアピラー25のねじれを抑え、かつ、後方荷重F2をセンターピラー27でも支えることが可能となる。
【0060】
なお、この左補強梁37についても、剛性・強度アップのために右側の連結部材36と同様に四角パイプ材を上下に積層連結した構成をとっているが、単体の四角パイプ材等を用いてもよい。
【0061】
以上の第1〜第3の特徴的な構成により、複合効果として各方向荷重F1,F2,F3に対する荷重支持性能を格段に高め、キャビンの各方向の変形、とくにオペレータが位置するキャビン後部の変形を抑えて、機械転倒時等にオペレータを確実に保護することができる。
【0062】
ところで、第1の特徴点としての構成に関して、荷重伝達梁32は、側方荷重をできるだけ幅狭軽量の梁材によって効率良く縦リブ9に伝達するという観点で上記実施形態のように斜め梁構成とするのが望ましいが、必要に応じて幅広のパイプ材や型材、パネル材等の大面積を持ったものを荷重伝達梁として設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態にかかるキャビンフレームの斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】油圧ショベルの概略側面図である。
【図6】同ショベルのアッパーフレームの平面図である。
【図7】従来のキャビンフレームの斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
5 アッパーフレーム
6 センターセクション
7 サイドデッキ
9 センターセクションの縦リブ
22 キャビンフレーム
23,24 左右のフロントピラー
25,26 左右のリアピラー
27 センターピラー
32 荷重伝達梁
35 補助ピラー
36 連結部材
37 左補強梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体のアッパーフレームは、作業装置が取付けられるセンターセクションと、このセンターセクションの左側に設けられたキャビン取付用のデッキとを備え、上記センターセクションは、少なくとも上記デッキに隣接する左側に垂直に立ち上がる縦リブを備えた建設機械のキャビンにおいて、骨組となるキャビンフレームの構成要素として、前部左右両側にフロントピラー、後部左右両側にリアピラー、左側のフロント、リア両ピラー間にセンターピラーがそれぞれ設けられ、上記右側リアピラーは、左側から加えられる側方荷重を上記センターセクションの縦リブに伝達し得るように縦リブに接して設けられ、かつ、上記左側リアピラーに左側から加えられる側方荷重を上記右側リアピラーに伝達する荷重伝達梁が左右のリアピラー間に設けられたことを特徴とする建設機械のキャビン。
【請求項2】
荷重伝達梁の右側端がセンターセクションの縦リブに向かい、左側端がこの右側端よりも高い位置で左側リアピラーに連結されることにより、荷重伝達梁が右下がりに傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1記載の建設機械のキャビン。
【請求項3】
下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体のアッパーフレームは、作業装置が取付けられるセンターセクションと、このセンターセクションの左側に設けられたキャビン取付用のデッキとを備えた建設機械のキャビンにおいて、骨組となるキャビンフレームの構成要素として、前部左右両側にフロントピラー、後部左右両側にリアピラー、左側のフロント、リア両ピラー間にセンターピラーがそれぞれ設けられるとともに、上記右側リアピラーの前方に同ピラーよりも短い補助ピラーが設けられ、右側リアピラーとこの補助ピラーとが連結部材によって連結されたことを特徴とする建設機械のキャビン。
【請求項4】
下部走行体上に上部旋回体が旋回自在に搭載され、この上部旋回体のアッパーフレームは、作業装置が取付けられるセンターセクションと、このセンターセクションの左側に設けられたキャビン取付用のデッキとを備え、上記センターセクションは、少なくとも上記デッキに隣接する左側に垂直に立ち上がる縦リブを備え、かつ、次の要件を具備することを特徴とするた建設機械のキャビン。
(A) 骨組となるキャビンフレームの構成要素として、前部左右両側にフロントピラー、後部左右両側にリアピラー、左側のフロント、リア両ピラー間にセンターピラーがそれぞれ設けられていること。
(B) 上記右側リアピラーは、左側から加えられる側方荷重を上記センターセクションの縦リブに伝達し得るように縦リブに接して設けられる一方、上記左側リアピラーに左側から加えられる側方荷重を上記右側リアピラーに伝達する荷重伝達梁が左右のリアピラー間に設けられていること。
(C) この荷重伝達梁は、右側端がセンターセクションの縦リブに向かい、左側端がこの右側端よりも高い位置で左側リアピラーに連結されることにより右下がりに傾斜して設けられていること。
(D) 上記右側リアピラーの前方に同ピラーよりも短い補助ピラーが設けられ、右側リアピラーとこの補助ピラーとが連結部材によって連結されていること。
【請求項5】
連結部材は、センターセクションの縦リブに荷重伝達可能に接する状態で設けられたことを特徴とする請求項3または4記載の建設機械のキャビン。
【請求項6】
左側リアピラーとセンターピラーの下部間に左補強梁が架け渡されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建設機械のキャビン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−46396(P2007−46396A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233939(P2005−233939)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】