説明

弾球遊技機

【課題】 第1利益状態の終了から図柄変動表示手段が所定回数変動するまでの間に大当たり図柄と異なる所定の図柄となることを条件に、遊技者に有利な第2利益状態を発生させて、遊技者の興趣を増大させる。
【解決手段】 図柄変動表示手段21の停止図柄が大当たり図柄となったときに第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段34と、第1利益状態の終了後、図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間に、図柄変動表示手段21の停止図柄が所定図柄となったときに第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段35と、第1利益状態の終了後から図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間を報知する第1報知手段22と、第2利益状態の発生を報知する第2報知手段23とを備え、第1,第2報知手段22,23 を液晶表示手段13の液晶表示部20の特定部位により構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機等の弾球遊技機において、遊技球を検出する可変作動式の第1図柄始動手段と、遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換駆動可能な大入賞手段等の可変入賞手段と、第1図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、例えば3個の第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄変動表示手段と、この第1図柄変動表示手段の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに可変入賞手段を前記第1状態に変換駆動して遊技者に有利となる第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段と、遊技球を検出する第2図柄始動手段と、この第2図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、例えば1個の第2図柄が所定時間変動する第2図柄変動表示手段と、この第2図柄変動表示手段の変動後の停止図柄が当たり図柄となったときに開閉作動式の第1図柄始動手段を所定時間開放する開閉制御手段とを備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この弾球遊技機では、第1図柄変動表示手段の変動後の第1図柄が例えば「7・7・7」等の大当たり図柄であれば、第1利益状態発生手段による第1利益状態が発生し、所定条件下で大入賞手段等の可変入賞手段が最大16回まで繰り返して開閉し、その間に可変入賞手段に多数の遊技球が入賞する等、遊技者に多大な利益が還元される。
【0004】しかし、この弾球遊技機では、第1図柄変動表示手段の変動後の停止図柄が大当たり図柄となって第1利益状態が発生すれば、遊技者に多大の利益が還元される反面、その第1利益状態の終了後は、第2図柄変動表示手段の第2図柄に当たり図柄が出て第1図柄始動手段が開放し、この第1図柄始動手段に遊技球が入賞し易くなるようにするだけである。このため一旦第1利益状態が発生しても、その終了後のゲームが非常に単調になり、興趣に欠ける欠点がある。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に鑑み、第1利益状態の終了から第1図柄変動表示手段が所定回数変動するまでの間に、その変動後の停止図柄が大当たり図柄と異なる所定の図柄となることを条件に、遊技者に有利な第2利益状態を発生させるようにして、遊技者の興趣を増大できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1図柄始動手段14と、液晶表示手段13の液晶表示部20により構成され且つ前記第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に1又は複数個の第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄変動表示手段21と、該第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段34とを備えた弾球遊技機において、前記第1利益状態の終了後、前記第1図柄変動表示手段21が所定回数変動動作を行うまでの間に、該第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が前記大当たり図柄と異なる所定図柄となったときに、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段35と、前記第1利益状態の終了後から前記第1図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間であることを遊技者に報知する第1報知手段22と、前記第2利益状態が発生したことを遊技者に報知する第2報知手段23とを備え、前記第1報知手段22及び前記第2報知手段23は、前記液晶表示手段13の前記液晶表示部20の特定部位を利用して構成されたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図3は本発明の第1の実施形態を例示し、図1において、1 は遊技機本体で、開閉自在に枢着された前枠2 を有する。前枠2 には、その窓孔3 に対応して遊技盤4 が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤4 の前側にガラス扉5 と前面板6 とが開閉自在に配置されている。前面板6 には、発射用の遊技球を貯留する上皿7 が装着されている。
【0008】前枠2 の下部には、余剰球を貯留する下皿8 と、発射手段9 の発射ハンドル10とが夫々設けられている。発射手段9 は、遊技者が発射ハンドル10を把持して操作したときに打撃槌駆動用の発射モータが作動して、上皿7 から1個ずつ発射レール上に供給される遊技球を打撃槌により打撃し遊技盤4 側に発射させるようになっている。
【0009】遊技盤4 には、図2に示すように、ガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11の内側の遊技領域12に液晶表示手段13、第1図柄始動手段14、可変入賞手段15、第2図柄始動手段16、普通入賞手段17〜19等の複数個の遊技部品が配置されている。
【0010】液晶表示手段13は、液晶表示部20に第1図柄変動表示手段21、第1報知手段22、第2報知手段23を備え、その液晶表示部20の上側に第2図柄変動表示手段24が配置されている。第1図柄変動表示手段21は1個又は複数個、例えば3個の図柄表示部を左右方向に備え、その各図柄表示部に例えば「0」〜「9」までの10種類の数字図柄(第1図柄)を発光表示するようになっている。なお、第1図柄変動表示手段21は、第1図柄始動手段14が入賞した遊技球を検出することを条件に、第1図柄が乱数制御により所定時間(例えば5〜30秒程度)変動して停止するように構成されている。
【0011】第2図柄変動表示手段24は1個の図柄表示部を有し、「0」〜「9」までの10種類の数字図柄(第2図柄)を発光表示するようになっている。なお、第2図柄変動表示手段24は、第2図柄始動手段16が遊技球を検出することを条件に、その図柄表示部の第2図柄が乱数制御により所定時間(例えば10〜30秒程度)変動して停止するように構成されている。
【0012】第1図柄始動手段14は、開閉自在な左右一対の開閉爪25を備えた電動式チューリップ等の可変作動式の可変入賞口により構成され、第2図柄変動表示手段24の変動後の停止図柄が当たり図柄となったときに、開閉爪25が所定時間(例えば0.5秒程度)開放するようになっている。第2図柄始動手段16は遊技球が通過する通過ゲートにより構成されている。
【0013】可変入賞手段15は、下部側の横軸廻りに入賞口26を開閉する開閉板27と、この開閉板27を遊技者に有利な開状態(第1状態)と不利な閉状態(第2状態)とに変換駆動するソレノイド等を備えた電動開閉式であって、第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が特定図柄、例えば「7・7・7」等の大当たり図柄のときに、開閉板27が前側に開放するようになっている。可変入賞手段15内には特定領域28が設けられており、この特定領域28を入賞球が通過したときに、所謂大当たりによる第1利益状態を継続させるようになっている。
【0014】可変入賞手段15は、開放後に所定時間が経過したとき、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板27が閉じると共に、遊技球が特定領域28を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。可変入賞手段15の左右両側には、1個又は複数個(例えば2個)の普通入賞口18,19 が夫々設けられている。
【0015】図3は制御系を例示するブロック図である。29は第1乱数発生手段で、大当たり・外れ決定用乱数、停止図柄決定用乱数等の所定の乱数を繰り返し発生するようになっており、例えば第1図柄変動表示手段21の停止図柄が大当たり図柄となる大当たり発生確率が1/250の場合には、0〜249の大当たり・外れ決定用乱数を発生する。
【0016】30は第1図柄変動制御手段で、第1図柄始動手段14に遊技球が入賞することによる変動要求により第1図柄変動表示手段21の各図柄表示部の第1図柄を変動させる機能と、その変動要求に応じて第1乱数発生手段29の発生乱数を抽選して、変動開始から所定時間経過したときに、図柄乱数により決定された停止図柄で第1図柄変動表示手段21の第1図柄を停止させる機能とを有する。
【0017】なお、第1図柄変動制御手段30は、第1図柄変動表示手段21の変動動作中に第1図柄始動手段14に遊技球が入賞したときに、所定個数(例えば4個)までの入賞を記憶し、その記憶個数の範囲内で第1図柄変動表示手段21の変動終了後に変動・停止を継続させるようになっている。
【0018】31は第2乱数発生手段で、当たり・外れ決定用乱数を繰り返して発生する。32は第2図柄変動制御手段で、第2図柄始動手段16が遊技球の通過を検出することを条件に、そのときの第2乱数発生手段31の発生乱数を抽選して、第2図柄変動表示手段24の第2図柄を所定時間変動させて所定の停止図柄で停止させるようになっている。
【0019】33は開閉制御手段で、第2図柄変動表示手段24の停止図柄が所定の当たり図柄、例えば「3」か否かを判定し、所定の当たり図柄のときに第1図柄始動手段14の開閉爪25を所定時間(例えば0.5秒程度)開放させるようになっている。なお、第2図柄変動表示手段24の当たり発生確率は、例えば1/10程度の確率に設定されており、第1図柄変動表示手段21の大当たり発生確率よりも遙に高い確率に設定されている。
【0020】34は第1利益状態発生手段で、大当たり・外れ乱数及び/又は第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄から大当たり、外れの判定を行い、第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が特定図柄「7・7・7」等の大当たり図柄となったときに、可変入賞手段15を第1状態に変換駆動して遊技者に有利な第1利益状態を発生させるようになっている。
【0021】なお、この第1利益状態発生手段34は、その第1利益状態の発生後に可変入賞手段15の開閉板27を開放する制御機能の他に、その開放後に所定時間が経過したとき、又は所定数の遊技球が入賞したときに開閉板27を閉じ、また開放中に入賞した遊技球が特定領域28を通過することを条件に、最大所定回数まで開閉動作を継続させるように制御する機能を有する。
【0022】35は第2利益状態発生手段で、第1利益状態発生手段34による第1利益状態が終了してから、第1図柄変動表示手段21が所定回数(例えば50回)変動動作をするまでの間に、この第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄と異なる所定図柄となったときに、遊技者に有利な第2利益状態を発生させると共に、第1利益状態発生手段34による第1利益状態が再度発生したときに第2利益状態を終了させるように構成されている。
【0023】第2利益状態発生手段35は、計数部36と図柄判定部37と確率変動部38と終了制御部39とを備えている。計数部36は第1利益状態発生手段34の第1利益状態が終了した後に第1図柄変動表示手段21の変動動作の回数を計数し始めて、予め設定された所定回数まで計数し、所定回数を計数するまでに第2利益状態が発生しなければ第2利益状態発生手段35全体をリセットするようになっている。
【0024】図柄判定部37は、第1図柄変動表示手段21の変動動作毎にその停止図柄が大当たり図柄と異なる所定図柄、例えば「7・3・1」「7・6・7」「7・8・7」等の予め設定された所定図柄であるか否かを判定するためのもので、第1利益状態発生手段34の第1利益状態が終了した後に判定動作を開始し、その後、計数部36が第1図柄変動表示手段21の変動動作を設定回数だけ計数するまで判定動作を繰り返すようになっている。なお、図柄判定部37は第1図柄変動表示手段21の停止図柄が所定図柄であることを判定したときに、計数部36をリセットすると共に、その後の判定動作を停止するようになっている。
【0025】確率変動部38は、第2利益状態として第1図柄変動表示手段21の停止図柄が大当たり図柄となる確率を通常の例えば1/250程度の低確率から1/50程度の高確率へと変動させる確率変動機能を奏するためのもので、第1図柄変動表示手段21の停止図柄が所定図柄であることを図柄判定部37が判定したときに、次の第1図柄変動表示手段21の変動動作に先立って大当たり図柄の発生確率を通常の低確率から高確率へと変動させるようになっている。
【0026】終了制御部39は、高確率状態への変動後に第1図柄変動表示手段21の停止図柄が大当たり図柄となって第1利益状態発生手段34による第1利益状態が発生したときを第2利益状態の終了の契機として、確率変動部38を高確率から通常の低確率へと戻すようになっている。
【0027】第1報知手段22は、第1利益状態発生手段34の第1利益状態の終了後から第1図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間であることを遊技者に報知するためのものであり、第2報知手段23は、第1図柄変動表示手段21の停止図柄が所定図柄となって、第2利益状態発生手段35の第2利益状態が発生したことを遊技者に報知するためのものである。
【0028】この第1報知手段22及び第2報知手段23は、液晶表示手段13の液晶表示部20の特定部位を利用して構成されており、その第1報知手段22は第1利益状態の終了から計数部36が所定回数の計数を完了するまでの間、また第2報知手段23は第2利益状態の発生から終了までの間、液晶表示手段13の液晶表示部20の各特定部位を夫々点滅及び/又は点灯発光させて表示するようになっている。
【0029】なお、第1報知手段22及び第2報知手段23は、液晶表示部20の特定部位の色彩を変化させるようにしても良いし、液晶表示手段13の周縁部等の適当箇所に配置されたLED等の表示ランプを利用して表示するようにしても良い。また第1報知手段22及び第2報知手段23は、遊技盤4 以外の前枠2 等に設けても良い。
【0030】次に上記弾球遊技機における動作について説明する。上皿7 に遊技球がある状態で発射手段9 の発射ハンドル10を操作すると、上皿7 の遊技球が発射手段9 の発射動作に連動して発射部に1個づつ供給され、その遊技球を打撃槌で打撃してガイドレール11に沿って順次遊技盤4 側へと発射させて行く。
【0031】遊技盤4 の上部側に発射された遊技球が遊技盤4 の盤面に沿って落下する間に、その遊技球が第2図柄始動手段16に入ると、第2図柄変動制御手段32が第2乱数発生手段31からの乱数を抽選して乱数判定、その他の変動処理を行い、第2図柄変動表示手段24の第2図柄を所定時間変動させる。
【0032】第2図柄変動表示手段24の変動後の停止図柄が例えば当たり図柄となると、第1図柄始動手段14の開閉爪25が所定時間開放する。即ち、第2図柄始動手段16が遊技球を検出した時点の乱数が当たり乱数であれば、第2図柄変動表示手段24の第2図柄が当たり図柄の「3」で停止するため、その第2図柄変動表示手段24の変動後に開閉制御手段33が働いて第1図柄始動手段14の一対の開閉爪25が開放する。従って、第1図柄始動手段14に遊技球が入賞し易くなり、それだけ第1図柄変動表示手段21の第1図柄が変動し易くなる。
【0033】第1図柄始動手段14に遊技球が入賞すると、第1図柄変動制御手段30が働いて第1図柄変動表示手段21の第1図柄が同様に所定時間変動する。即ち、第1図柄始動手段14が遊技球を検出すると、第1図柄変動制御手段30がその時点の乱数を抽選して大当たり乱数か否かを判定し、その判定結果に従って、図柄乱数で決定される停止図柄で停止するように第1図柄変動表示手段21の各図柄表示部の図柄を所定時間変動させる。
【0034】第1図柄変動表示手段21の変動後の第1図柄が、「7・7・7」等のように全て一致する大当たり図柄で停止すれば、第1利益状態発生手段34が働いて可変入賞手段15の開閉板27が前側に開放する第1利益状態が発生する。このため、遊技盤4 の上部側から落下する遊技球の多くが開閉板27を経て可変入賞手段15に入賞し易くなり、一旦、第1図柄変動表示手段21側で大当たりが発生すれば、遊技者に多大な利益が還元されることになる。
【0035】なお、可変入賞手段15は、10個の遊技球が入賞するか、又は所定時間経過した時に開閉板27が閉じる。そして、開閉板27の開放中に入賞した遊技球が特定領域28を通過すれば、可変入賞手段15が再度開放し、最大16回まで開閉動作を繰り返す。
【0036】一方、第1利益状態発生手段34による第1利益状態が終了すると、第2利益状態発生手段35が働き、その計数部36が計数動作可能にセットされ、図柄判定部37が図柄判定可能にセットされると共に、液晶表示手段13の液晶表示部20の第1報知手段22が点滅発光して、その状態を遊技者に対して報知する。従って、遊技者は、第1報知手段22の表示を見れば、この第1報知手段22の表示が消えるまでの間は所謂チャンスタイムであることが判る。
【0037】その後、第1図柄始動手段14に遊技球が入賞する毎に、第1図柄変動表示手段21の第1図柄が所定時間変動して停止する変動動作を繰り返すと、第2利益状態発生手段35の計数部36がその変動動作回数を順次計数すると共に、図柄判定部37が第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が所定図柄であるか否かを逐次判定する。
【0038】そして、計数部36が所定回数計数するまでの間に、第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が例えば「7・3・1」等の所定図柄で停止すると、図柄判定部37がその停止図柄が所定図柄であることを判定して、確率変動部38が働く第2利益状態が発生する。このため確率変動部38が第1図柄変動表示手段21の停止図柄が大当たり図柄となる大当たりの発生確率を通常の1/250程度の低確率から1/50程度の高確率へと変動させるので、次回の第1図柄変動表示手段21の変動動作から、その停止図柄が大当たり図柄となる確率が大になり、遊技者に有利な状態が出現する。
【0039】また第2利益状態が発生して確率変動部38により大当たり発生確率が高確率状態になると、第2報知手段23がその事実を点灯等で遊技者に報知する。このため、遊技者は第2報知手段23の表示により高確率状態であることが判る。なお、図柄判定部37が所定図柄を判定して確率変動すると、図柄判定部37により計数部36がリセットされるので、その後、第1図柄変動表示手段21が変動動作を行っても、計数部36は計数しない。
【0040】高確率状態において第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄となって再度第1利益状態発生手段34による第1利益状態が発生すると、各部が前述と同様に動作する一方、第2利益状態発生手段35の終了制御部39が働いて確率変動部38による確率変動を高確率から通常の低確率へと戻し第2利益状態が終了すると共に、第2報知手段23による報知が終了する。
【0041】計数部36が第1図柄変動表示手段21の変動回数を所定回数計数するまでの間に、第1図柄変動表示手段21の停止図柄が所定図柄にならない場合には、所定回数の計数を以て計数部36が計数を終了し、第2利益状態発生手段35による第2利益状態は発生しない。
【0042】図4は本発明の第2の実施形態を例示し、第2利益状態発生手段35による第2利益状態が発生したときに、第2図柄変動表示手段24の当たり発生確率を変動させるようにしたものである。
【0043】即ち、第1の実施形態では、第2利益状態発生手段35による第2利益状態として、第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄となる確率が低確率から高確率へと大になるように確率変動させているが、第2利益状態発生手段35による第2利益状態が発生したときに、その第2利益状態として、第2図柄変動表示手段24の変動後の停止図柄が当たり図柄となる確率を低確率から高確率へと大になるように確率変動させても良い。
【0044】この場合にも、第2利益状態発生手段35で第2図柄変動制御手段32を制御して、第2利益状態が発生したときに、第2図柄変動表示手段24の当たり図柄の発生確率を通常の例えば1/10程度の低確率から1/2程度の高確率へと確率変動させれば良い。
【0045】従って、第2図柄変動表示手段24の当たり発生確率が大になることによって、第2図柄変動表示手段24の停止図柄が当たり図柄となって第1図柄始動手段14の開閉爪25が開放する機会が増加し、この第1図柄始動手段14に遊技球が入賞する可能性が大になるので、遊技者に有利な状態が出現し、第1の実施形態と同様に実施することができる。
【0046】図5は本発明の第3の実施形態を例示し、第2利益状態発生手段35による第2利益状態が発生したときに、第1図柄始動手段14の開放時間を長くするようにしたものである。第2利益状態発生手段35は、計数部36、図柄判定部37、開放時間制御部40、終了制御部39を備えている。
【0047】開放時間制御部40は、図柄判定部37が所定図柄と判定したときに、第1図柄始動手段14の開放時間を通常の例えば0.5〜1.0秒程度から2〜3秒程度に長くする開放時間制御機能を有し、その制御指令を開閉制御手段33に出すようになっている。なお、計数部36、図柄判定部37、終了制御部39は、機能的には第1の実施形態と同様である。
【0048】この場合にも、第2利益状態が発生すれば、第1図柄始動手段14の開放時間が長くなって遊技球が入賞し易くなり、第1図柄始動手段14に遊技球が入賞する機会が増えるので、第1図柄変動表示手段21の変動回数が増加することになり、遊技者に有利な状態が出現する。
【0049】図6は本発明の第4の実施形態を例示し、第2利益状態発生手段35による第2利益状態が発生したときに、第2図柄変動表示手段24の第2図柄の変動時間を短縮するようにしたものである。
【0050】第2利益状態発生手段35は、計数部36、図柄判定部37、変動時間制御部41、終了制御部39を備えている。変動時間制御部41は、図柄判定部37が所定図柄と判定したときに、第2図柄変動表示手段24の第2図柄の変動時間を通常の例えば10秒程度から3秒程度に短縮する変動時間短縮機能を有し、その制御指令を第2図柄変動制御手段32に出すようになっている。なお、計数部36、図柄判定部37、終了制御部39は、機能的には第1の実施形態と同様である。
【0051】この場合にも、第2利益状態が発生すれば、第2図柄変動表示手段24の第2図柄の変動時間が短くなるので、外れ乱数を抽選したときには短時間で変動動作が終了し、次の変動動作に備えることになる。このため第2図柄変動表示手段24の単位時間当たりの変動回数が増加し、これに伴って第2図柄変動表示手段24の停止図柄が当たり図柄となる可能性が大となり、遊技者に有利な状態が生じる。
【0052】図7は本発明の第5の実施形態を例示し、第2利益状態発生手段35による第2利益状態が発生したときに、第1図柄変動表示手段21の第1図柄の変動時間を短縮するようにしたものである。
【0053】第2利益状態発生手段35は、第4の実施形態と同様に計数部36、図柄判定部37、変動時間制御部41、終了制御部39を備え、その変動時間制御部41は、図柄判定部37が所定図柄と判定したときに、第1図柄変動表示手段21の第1図柄の変動時間を通常の例えば20秒程度から10秒程度に短縮する変動時間短縮機能を有し、その制御指令を第1図柄変動制御手段30に出すようになっている。この場合にも前述と同様に実施できる。
【0054】なお、本発明は、第1図柄始動手段14と、遊技者に有利な第1状態と不利な第2状態とに変換駆動可能な可変入賞手段15と、第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に1又は複数個の第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄変動表示手段21と、該第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、可変入賞手段15を第1状態に変換駆動して遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段34とを備えた弾球遊技機において、第1利益状態の終了後、第1図柄変動表示手段21が所定回数変動動作を行うまでの間に、該第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄と異なる所定図柄となったときに、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段35と、第1利益状態の終了後から第1図柄変動表示手段21が所定回数変動動作を行うまでの間であることを遊技者に報知する第1報知手段22と、大当たり図柄と異なる所定図柄となったときに遊技者に報知する第2報知手段23とを備えた構成にしても良い。
【0055】この場合、一旦第1利益状態が発生すれば、その第1利益状態の終了後から第1図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間における第1図柄変動表示手段21の停止図柄の如何によって第2利益状態が発生する可能性があり、これによって第1利益状態の終了後にも遊技者の興趣を増大できる利点がある。また遊技者は各報知手段22,23 の報知によりゲーム状態を直接又は間接的に把握できるので、その報知によって遊技者のゲームに対する意欲を喚起できる利点もある。
【0056】また、第1図柄始動手段14が可変作動式の可変入賞口であり、第2図柄始動手段16と、第2図柄始動手段16が遊技球を検出することを条件に1又は複数個の第2図柄が所定時間変動して停止する第2図柄変動表示手段24と、第2図柄変動表示手段24の変動後の停止図柄が当たり図柄となったときに第1図柄始動手段14を所定時間開放させる開閉制御手段33とを備えた構成としてもよい。
【0057】第2利益状態発生手段35は、第1図柄変動表示手段21の停止図柄が大当たり図柄となる確率又は第2図柄変動表示手段24の停止図柄が当たり図柄となる確率を大にする確率変動機能を備えたものであってもよい。
【0058】第2利益状態発生手段35は、第1図柄始動手段14の開放時間を長くする開放時間制御機能を備えたものであってもよい。
【0059】第2利益状態発生手段35は、第1図柄変動表示手段21又は第2図柄変動表示手段24の変動時間を短縮する変動時間短縮機能を備えたものであってもよい。
【0060】第2利益状態発生手段35の第2利益状態が終了する契機は、第1利益状態が次に発生したとき、又は第1図柄変動表示手段21が設定回数変動動作をしたときとしてもよい。
【0061】以上、本発明の各実施形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各実施形態に例示のものを併用しても良い。第1利益状態発生手段34によって生じる第1利益状態は、遊技者に有利なものであれば十分であり、その具体的な内容はゲーム全体の中で適宜変更可能である。第2利益状態も遊技者に有利に働くものであれば良く、その内容はゲーム全体の中で適宜変更可能であり、各実施形態に限定されるものではない。
【0062】また第2利益状態が終了する契機は、次の大当たりの発生の他、第2利益状態の発生から第1図柄変動表示手段21が所定回数(例えば100回)変動動作をしたときにしても良い。
【0063】第1報知手段22、第2報知手段23は、液晶表示手段13の液晶表示部20に表示される背景図柄、キャラクター図柄等の図柄の変化で代替することも可能である。また第1報知手段22、第2報知手段23は、その報知内容が何であるかを遊技者が直接的に把握又は認識できるように表示する必要はなく、その前後でゲーム状態に何らかの変化があることが間接的に判る程度でも良い。その他、音声で報知するようにしても良い。
【0064】また第1報知手段22に、第1利益状態の終了からの変動回数、又は所定回数までの残り変動回数を表示する表示部を設けても良い。大当たり図柄と異なる所定図柄は、1種類でも良いし、複数種類設けても良い。また計数部36の設定回数は大当たり図柄の種類によって変えても良い。
【0065】第1図柄変動表示手段21の第1図柄、第2図柄変動表示手段24の第2図柄は、何れも1個以上あれば良い。また第1図柄、第2図柄の図柄自体は、数字図柄、キャラクター図柄、その他どのような図柄でも良い。更に各実施形態では、パチンコ機について説明しているが、その他のアレンジボール機、雀球遊技機等においても同様に実施可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明では、第1利益状態の終了後、第1図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間に、該第1図柄変動表示手段21の変動後の停止図柄が大当たり図柄と異なる所定の図柄となったときに、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段35と、第1利益状態の終了後から第1図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間であることを遊技者に報知する第1報知手段22と、第2利益状態が発生したことを遊技者に報知する第2報知手段23とを備え、第1報知手段22及び第2報知手段23は、液晶表示手段13の液晶表示部20の特定部位を利用して構成されているので、一旦第1利益状態が発生すれば、その第1利益状態の終了後から第1図柄変動表示手段21が所定回数変動するまでの間における第1図柄変動表示手段21の停止図柄の如何によって第2利益状態が発生する可能性があり、これによって第1利益状態の終了後にも遊技者の興趣を増大できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す弾球遊技機の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
13 液晶表示手段
14 第1図柄始動手段
15 可変入賞手段
16 第2図柄始動手段
20 液晶表示部
21 第1図柄変動表示手段
22 第1報知手段
23 第2報知手段
24 第2図柄変動表示手段
33 開閉制御手段
34 第1利益状態発生手段
35 第2利益状態発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1図柄始動手段(14)と、液晶表示手段(13)の液晶表示部(20)により構成され且つ前記第1図柄始動手段(14)が遊技球を検出することを条件に1又は複数個の第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄変動表示手段(21)と、該第1図柄変動表示手段(21)の変動後の停止図柄が大当たり図柄となったときに、遊技者に有利な第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段(34)とを備えた弾球遊技機において、前記第1利益状態の終了後、前記第1図柄変動表示手段(21)が所定回数変動動作を行うまでの間に、該第1図柄変動表示手段(21)の変動後の停止図柄が前記大当たり図柄と異なる所定図柄となったときに、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段(35)と、前記第1利益状態の終了後から前記第1図柄変動表示手段(21)が所定回数変動するまでの間であることを遊技者に報知する第1報知手段(22)と、前記第2利益状態が発生したことを遊技者に報知する第2報知手段(23)とを備え、前記第1報知手段(22)及び前記第2報知手段(23)は、前記液晶表示手段(13)の前記液晶表示部(20)の特定部位を利用して構成されたものであることを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図7】
image rotate


【図6】
image rotate


【公開番号】特開2002−126192(P2002−126192A)
【公開日】平成14年5月8日(2002.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−283336(P2001−283336)
【分割の表示】特願平11−304359の分割
【出願日】平成10年11月25日(1998.11.25)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】