説明

弾球遊技機

【課題】大入賞口の後方に広いスペースを確保できて設計自由度の高い弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤20の遊技領域21に配設された第2アタッカ装置32は、大入賞口の入口である開口40を開閉するアタッカ扉39と、大入賞口の内底面に設けられたアウト孔36eに入球した遊技球を検知する矩形板状のセンサユニット37と、センサユニット37を通過した遊技球を誘導して遊技盤20の裏面側へ排出する回収通路路36cとを備えており、これらセンサユニット37と回収通路路36cとを平面的にオーバーラップした状態で大入賞口(凹部36a)の下方に配置し、大入賞口の後方に可動役物装置25の移動スペースSを確保した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される弾球遊技機に係り、特に、大当たり発生時に開放動作されるアタッカ装置を備えた弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機に代表される弾球遊技機の中には、遊技盤の遊技領域に可変表示装置や始動入賞口等を配設し、遊技領域に向けて発射された遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機に電子抽選を行い、その抽選結果に基づいて可変表示装置が図柄の変動表示および停止表示を行うようにした機種が存在する。電子抽選の抽選結果には当たりとハズレがあり、抽選結果が当たりの場合には、可変表示装置の表示画面に所定の特別図柄の組合せが表示され、通常モードから特別遊技モードへと移行する。この特別遊技モードでは、可変表示装置の真下位置等に配設したアタッカ装置が開放動作され、それに伴って露呈する大入賞口に遊技球が入るので、遊技者は多くの賞球を獲得できるようになっている。
【0003】
従来より知られている一般的なアタッカ装置は、前面を開口して横長形状の内底面を有する大入賞口と、大入賞口の開口部を開閉するアタッカ扉とを備えており、アタッカ扉はソレノイド等によって駆動されるようになっている。大入賞口の内部にはアウト孔が設けられており、大入賞口に入賞した遊技球はアウト孔を通ってセンサユニットで検知された後、センサユニットに連通する回収通路に導かれて遊技盤の裏面側へと排出される(例えば、特許文献1参照)。このセンサユニットは長手方向の一端部に貫通孔を有する矩形板状の近接スイッチであり、貫通孔に連通する回収通路の下端部は遊技球の排出口となっている。なお、センサユニットには高周波発振回路を搭載した回路基板が収納されており、この発振回路の検知コイルが貫通孔を包囲するように配置されている。また、センサユニットは長手方向に沿う軸線が遊技盤の前後方向と一致する姿勢で遊技盤の裏面側に取り付けられ、センサユニットの貫通孔に連通する回収通路も遊技盤の裏面側に設けられており、これらセンサユニットと回収通路は遊技盤の裏面後方に確保された逃げスペース内に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−164244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の弾球遊技機において、可動態様を変化させることができる役物を遊技盤の適宜位置に配置し、この役物の可動態様によって電子抽選の結果を遊技者に示唆するようにした可動役物装置が広く採用されており、かかる可動役物装置を可変表示装置の側方に近接配置して遊技の演出効果を高めるようにした機種も提案されている。この場合、遊技盤の裏面後方に役物の移動スペースが必要となるため、前述した従来のアタッカ装置を可動役物装置の下方位置に設置しようとすると、遊技盤の裏面から突出するセンサユニットと回収通路によって役物の移動が妨げられてしまうことになる。すなわち、従来の弾球遊技機では、アタッカ装置(大入賞口)の後方に広い逃げスペースを必要とするため、アタッカ装置の設置場所が限定されてしまい、このことが設計上の自由度を制約する大きな要因となっていた。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、大入賞口の後方に広いスペースを確保できて設計自由度の高い弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、前記遊技領域に設けられた横長形状の内底面を有する大入賞口と、この大入賞口の開口部を開閉するアタッカ扉と、前記大入賞口の内底面に設けられたアウト孔に入球した遊技球を検知するセンサユニットと、このセンサユニットを通過した遊技球を誘導して前記遊技盤の裏面側へ排出する回収通路とを備えた弾球遊技機において、前記センサユニットは長手方向の一端部に遊技球の通過用の貫通孔を有する矩形板状に形成されており、このセンサユニットを前記大入賞口の下方に配置して両者を平面的にオーバーラップさせると共に、前記回収通路を前記センサユニットと平面的にオーバーラップする下部スペース内で屈曲させてその下端部に排出口を設けるようにした。
【0008】
このように構成された弾球遊技機では、大入賞口に入賞した遊技球を検知する矩形板状のセンサユニットと、このセンサユニットを通過した遊技球を遊技盤の裏面側へ排出する回収通路とが、いずれも平面的にオーバーラップした状態で大入賞口の下方に配置されているため、大入賞口の後方に広いスペースを確保してそこを他の部材の移動スペース等として利用することができ、大入賞口の設置場所を含めて設計上の自由度を高めることができる。
【0009】
上記の構成において、大入賞口の上方にセンサユニットと平行に延びる回路基板を配置し、この回路基板に実装した光源の光によって大入賞口の内底面を照射させると、アタッカ扉の開放時に上方からの光によって大入賞口の内底面を明るく照らすことができて好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の弾球遊技機は、大入賞口に入賞した遊技球を検知する矩形板状のセンサユニットと、このセンサユニットを通過した遊技球を遊技盤の裏面側へ排出する回収通路とが、いずれも平面的にオーバーラップした状態で大入賞口の下方に配置されており、これらセンサユニットと回収通路を遊技盤の板厚を越えない狭い空間内に配設することによって、大入賞口の後方に広いスペースを確保することができるため、当該スペースを例えば可動役物装置の移動スペース等として利用することが可能となり、大入賞口の設置場所を含めて設計上の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態例に係る弾球遊技機の外観斜視図である。
【図2】該弾球遊技機からガラス扉と前面ボードを取り外して示す斜視図ある。
【図3】該弾球遊技機の背面図である。
【図4】該弾球遊技機に備えられる遊技盤ユニットの斜視図である。
【図5】該遊技盤ユニットの正面図である。
【図6】該遊技盤ユニットの遊技盤に配設されるアタッカ装置の斜視図である。
【図7】該アタッカ装置を背面側から見た斜視図である。
【図8】該アタッカ装置の正面図である。
【図9】該アタッカ装置の背面図である。
【図10】該アタッカ装置の側面図である。
【図11】該アタッカ装置の平面図である。
【図12】該アタッカ装置の底面図である。
【図13】該アタッカ装置に備えられる主要部品の分解斜視図である。
【図14】図9のA−A線に沿う断面図である。
【図15】図10のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1と図2に示すように、本実施形態例に係る弾球遊技機(パチンコ機)は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容された遊技盤ユニット3と、本体枠2の前面にヒンジ4を介して開閉自在に取り付けられたガラス扉5と、ガラス扉5の下側で本体枠2の前面に開閉自在に取り付けられた前面ボード6と、前面ボード6の右下隅部に取り付けられた発射ハンドル7等を具備しており、前面ボード6には遊技球を収容する受皿8が設けられている。ガラス扉5の中央部には大きな開口5aが形成されており、この開口5aを覆うように透明なガラス板9が取り付けられている。また、ガラス扉5の上部にはスピーカ10が左右に1個ずつ取り付けられており、これらスピーカ10から遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。
【0013】
図3に示すように、遊技盤ユニット3は本体枠2の背面側に露出しており、この遊技盤ユニット3には、主制御処理部11、特別図柄表示制御部12、普通図柄表示制御部13、演出制御処理部14、ランプ制御処理部15、音声制御処理部16等が設けられている。また、本体枠2の背面側には、支払制御処理部17、発射制御処理部18、賞球支払装置19等が設けられており、これらは遊技盤ユニット3を包囲する位置に配置されている。
【0014】
遊技盤ユニット3の前面は図2において簡略化して示されているが、図4と図5に示すように、この遊技盤ユニット3の前面には合板材からなる遊技盤20が取り付けられており、遊技盤20の盤面(前面)に形成された遊技領域21はガラス扉5のガラス板9を通して外部から目視可能となっている。遊技領域21はガイドレール22等によって略円形状に区画されており、発射ハンドル7が遊技者によって任意角度に回転操作されると、本体枠2の前面下部に設けられた図示せぬ発射装置が受皿8に保留された遊技球を遊技領域21に向けて連続的に打ち出すようになっている。
【0015】
遊技領域21内の上部中央付近には中央役物ユニット23が配設されており、この中央役物ユニット23は、中央部に矩形状の開口24aを有する装飾体24と、装飾体24の右側壁に配設された可動役物装置25とを具備している。中央役物ユニット23の裏面側には液晶パネル(LCD)からなる可変表示装置26が配設されており、この可変表示装置26の表示画面は装飾体24の開口24aから露出している。装飾体24には開口24aの下辺に沿って左右方向へ延びるステージ27が設けられており、このステージ27の中央部には誘導溝27aが形成されている。この誘導溝27aの真下位置には上面に入賞孔を有する単純構造の第1始動入賞口28が配設されており、ステージ27上を転動して誘導溝27aから落下した遊技球が高い確率で第1始動入賞口28に入賞するようになっている。第1始動入賞口28の真下には第2始動入賞口29が近接配置されており、この第2始動入賞29は一対の可動片を有する電動チューリップ構造の始動入賞口となっている。そして、これら始動入賞口28,29のいずれか一方に遊技球が入賞すると、それを契機として特別図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選結果に基づいて可変表示装置26の表示画面上で演出用図柄の変動表示および停止表示が行われる。また、中央役物ユニット23の左側の遊技領域21には通過チャッカー30が配設されており、遊技球がこの通過チャッカー30を通過すると、それを契機として普通図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に第2始動入賞口29の両可動片を一時的に開放して遊技球の入賞を許可するようになっている。
【0016】
可動役物装置25は前述した特別図柄に係る電子抽選の結果を役物の可動態様によって遊技者に示唆することができる装置であり、本実施形態例の場合、柄部材25aと鞘部材25bを組み合わせた刀役物としての可動役物装置25が用いられている。ここで、柄部材25aは下方へ延びる刀身(図示せず)を有しており、これら柄部材25aと刀身は装飾体24に固定されている。一方、鞘部材25bは装飾体24に移動可能に保持されており、通常の遊技状態で鞘部材25bは上昇位置に保持されて刀身を覆っているが、スーパーリーチ時等にモータ(図示せず)を駆動源として鞘部材25bが下方へ移動すると、刀身が鞘部材25bから露出するようになっている。そのため、装飾体24の内部には鞘部材25bの移動を許容する移動スペースS(図11,12参照)が確保されており、この移動スペースSは遊技盤20の裏面後方に上下方向に沿って画成されている。
【0017】
第2始動入賞口29の真下の遊技領域21内には第1アタッカ装置31が配設されており、この第1アタッカ装置31の斜め右上には第2アタッカ装置32が配設されている。内部構造については図示省略されているが、この第1アタッカ装置31は、前面を開口して横長形状の内底面を有する大入賞口や、大入賞口に入賞した遊技球を検知するセンサユニットや、大入賞口の開口部を開閉するアタッカ扉や、アタッカ扉を駆動するソレノイド等を具備している。また、第2アタッカ装置32の詳細な内部構成については後ほど詳細に説明するが、この第2アタッカ装置32の後方に前述した鞘部材25bの移動スペースSが確保されている。これら両アタッカ装置31,32は、第1および第2始動入賞口28,29のいずれか一方に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、当たりとなって大当たり遊技状態(特別遊技モード)へ移行した場合に作動される装置である。具体的には、特別図柄の抽選結果が第1の大当たり(例えば通常大当たり)の場合、第1アタッカ装置31のアタッカ扉が複数回繰り返し開放動作してその大入賞口を露呈させ、特別図柄の抽選結果が第2の大当たり(例えば確変大当たり)の場合、第2アタッカ装置32のアタッカ扉が複数回繰り返し開放動作してその大入賞口を露呈させる。第1および第2アタッカ装置31,32のアタッカ扉は1回の開放動作について例えば30秒経過するまで、あるいは遊技球が大入賞口に例えば10個入賞するまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回繰り返した後に大当たりが終了する。
【0018】
その他、遊技領域21内には、遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口33や、遊技球の流下経路を担う遊技釘と風車(いずれも図示せず)等が配設されており、いずれの始動入賞口28,29や一般入賞口33にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域21の最下端部に設けられたアウト口34から遊技盤20の裏面側に排出されるようになっている。
【0019】
図6〜図15に示すように、前述した第2アタッカ装置32は、遊技盤20の盤面(前面)に取り付けられた支持ベース35と、支持ベース35の裏面に取り付けられた本体ケース36と、本体ケース36の内部に保持されたセンサユニット37と、本体ケース36の裏面に取り付けられたソレノイド38と、ソレノイド38を駆動源として動作されるアタッカ扉39等を具備している。
【0020】
支持ベース35は有色透明な合成樹脂からなる成形品であり、その上部位置に横長矩形状の開口40が形成されている。支持ベース35の裏面には開口40の下辺を挟んだ左右両側に軸受凹部(図示せず)が形成されており、アタッカ扉39はこれら軸受凹部を支点として支持ベース35と本体ケース36との間に回動可能に保持されている。支持ベース35の前面には金属メッキを施した化粧板41がネジ止めされており、開口40は化粧板41の上縁部に形成された切欠き41a内に露出している。化粧板41の切欠き41aを挟んだ左右両側には支持突起41bが形成されており、これら支持突起41bに化粧シール42aを貼着した前面ガード42がネジ止めされている。ここで、支持突起41bの突出量は遊技球の直径(11mm)よりも幾分大きめ(約13mm)に設定されており、開口40と前面ガード42との間には遊技球の通過経路が確保されている。なお、前面ガード42はアタッカ扉39がゴト行為によって不正に開放されることを阻止する機能を有しており、ゴト師と呼ばれる不正者が本体枠2とガラス扉5の隙間からピアノ線等を挿入したとしても、そのピアノ線等を前面ガード42で邪魔してアタッカ扉39に触れさせないようにしている。また、支持ベース35の外縁部には遊技球の流路を規定するレール部材43がネジ止めされており、このレール部材43によって遊技領域21の右下隅部が区画されている。さらに、支持ベース35には開口40の上辺と右側部に沿って延びるスリット35aが形成されており、このスリット35aに対して導光体44が支持ベース35の裏面側から挿入・保持されている。
【0021】
本体ケース36は透明な合成樹脂からなる成形品である。図14に示すように、この本体ケース36は遊技盤20に形成された切欠孔20a内に収容されており、前面を開口した凹部36aと、凹部36aの下方に形成された保持孔36bと、保持孔36bの下方に形成された回収通路36cとを有している。凹部36aの前面は遊技盤20の前面に取り付けられた支持ベース35の開口40と連通しており、これら凹部36aと開口40によって大入賞口が形成されている。図15に示すように、大入賞口の内底面である凹部36aの底面は右下がりの傾斜面となっており、この傾斜面の下面側にはセレーション形状の反射部36dが形成されている。また、凹部36aの傾斜面の下流側にはアウト孔36eが形成されており、このアウト孔36eは回収通路36cの上端に連通している。
【0022】
本体ケース36の保持孔36bは凹部36aの長手方向に沿って左右へ延びており、この保持孔36b内にセンサユニット37が収納されている。センサユニット37は保持孔36bに対して本体ケース36の裏面側から挿入されており、本体ケース36の裏面にネジ止めされたカバー45によって保持孔36bからの脱落が防止されている。このセンサユニット37は長手方向の一端部に貫通孔37aを有する矩形板状の近接スイッチであり、貫通孔37aはアウト孔36eの内部に配置されている。図示省略されているが、センサユニット37には高周波発振回路を搭載した回路基板が収納されており、この発振回路の検知コイルが貫通孔37aを包囲するように巻回されている。また、回収通路36cはアウト孔36eから屈曲して斜め下方へ直線的に延びており、その背面の大部分はカバー45によって覆われているが、下端部は遊技盤20の裏面側に開口して排出口36fとなっている。ここで、大入賞口を形成する凹部36aに対してセンサユニット37は平面的にオーバーラップしており、このセンサユニット37と回収通路36cも平面的にオーバーラップしているため、凹部(大入賞口)36aとセンサユニット37および回収通路36cの三者は遊技盤20の切欠孔20a内で互いに平面的にオーバーラップしている。したがって、センサユニット37と回収通路36cは遊技盤20の裏面から突出しておらず、これらセンサユニット37と回収通路36cの後方が前述した可動役物装置25の移動スペースSとなっている。
【0023】
ソレノイド38はL字形のブラケット46に取り付けられており、このブラケット46は移動スペースSの側方位置で本体ケース36の裏面にネジ止めされている。ソレノイド38は内蔵のコイル(図示せず)に通電することによってプランジャー38aが引き込み動作されるプルタイプであり、プランジャー38aには駆動アーム47がピン結合されている。この駆動アーム47は本体ケース36を貫通してアタッカ扉39に係合しており、ソレノイド38の通電によってプランジャー38aが引き込み動作されると、アタッカ扉39が回動して大入賞口の入口である開口40を開放するようになっている。
【0024】
本体ケース36の上面には複数のスナップ爪36gが形成されており、これらスナップ爪36gに回路基板48が係止されている。回路基板48は凹部36aを挟んでセンサユニット37と平行に延びており、その上下両面に複数のLED49,50が実装されている。上面側の各LED49は水平方向に光を発するホリゾンタルタイプで、これらLED49から発せられた光によって導光体44が照光されるようになっている。また、下面側の各LED50は垂直方向に光を発するバーチカルタイプで、これらLED50から発せられた光は凹部36aを通って下面側の反射部36dに照射されるようになっている。したがって、アタッカ扉39の開放時に各LED50を点灯させることにより、大入賞口の内底面の下面側に形成された反射部36dを明るく光らせることができる。
【0025】
このように構成された第2アタッカ装置32において、通常、大入賞口の入口である開口40はアタッカ扉39によって閉じられており、第2アタッカ装置32の上方から流下した遊技球はアタッカ扉39と前面ガード42の間を通ってアウト口34まで誘導される。また、特別図柄の抽選結果が第2の大当たり(例えば確変大当たり)となった場合、ソレノイド38への通電によってアタッカ扉39が複数回繰り返し開放動作して大入賞口(開口40)を露呈させるため、第2アタッカ装置32の上方や側方から流下した遊技球を大入賞口に入賞させることができる。大入賞口に入賞した遊技球は、本体ケース36の凹部36aの底面に沿ってアウト孔36eに入球した後、センサユニット37の貫通孔37aを通過して回収通路36cの下端部まで誘導され、最終的に排出口36fから遊技盤20の裏面側へと排出される。
【0026】
なお、第1アタッカ装置31の後方には移動スペースSを確保する必要がないため、第1アタッカ装置31は従来例で説明したものと同様の構成となっており、そのセンサユニットと回収通路は遊技盤20の裏面後方に突出している。ただし、第1アタッカ装置31を第2アタッカ装置32と同様の構成にしても良い。
【0027】
以上説明したように、本実施形態例に係る弾球遊技機では、第2アタッカ装置32の大入賞口(開口40)に入賞した遊技球を検知する矩形板状のセンサユニット37と、このセンサユニット37を通過した遊技球を遊技盤20の裏面側へ排出する回収通路路36cとが、いずれも平面的にオーバーラップした状態で本体ケース36の凹部36aの下方に配置されているため、大入賞口である凹部36aの後方に広いスペースを確保することができる。したがって、当該スペースを可動役物装置25の移動スペースSとして利用することが可能となり、第1アタッカ装置31や第2アタッカ装置32の設置場所等を含めて設計上の自由度を高めることができる。
【0028】
また、第2アタッカ装置32の大入賞口(凹部36a)の上方にセンサユニット37と平行に延びる回路基板48を配置すると共に、凹部36aの内底面の下面側にセレーション形状の反射部36dを形成し、回路基板48の下面に実装したLED(光源)49の光によって反射部36dを照射させるようにしたので、アタッカ扉39の開放時に上方からの光によって大入賞口の内底面を明るく照らすことができる。
【0029】
なお、上記実施形態例では、遊技盤20の遊技領域21に第1アタッカ装置31と第2アタッカ装置32を配設した弾球遊技機について説明したが、第1アタッカ装置31についてはこれを省略することも可能である。
【符号の説明】
【0030】
3 遊技盤ユニット
20 遊技盤
20a 切欠孔
21 遊技領域
22 中央役物ユニット
24 装飾体
25 可動役物装置
25a 柄部材
25b 鞘部材
26 可変表示装置
28 第1始動入賞口
29 第2始動入賞口
30 通過チャッカー
31 第1アタッカ装置
32 第2アタッカ装置
35 支持ベース
36 本体ケース
36a 凹部(大入賞口)
36b 保持孔
36c 回収通路
36d 反射部
36e アウト孔
36f 排出口
37 センサユニット
37a 貫通孔
38 ソレノイド
38a プランジャー
39 アタッカ扉
40 開口(大入賞口)
45 カバー
46 ブラケット
47 駆動アーム
48 回路基板
50 LED(光源)
S 移動スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、前記遊技領域に設けられた横長形状の内底面を有する大入賞口と、この大入賞口の開口部を開閉するアタッカ扉と、前記大入賞口の内底面に設けられたアウト孔に入球した遊技球を検知するセンサユニットと、このセンサユニットを通過した遊技球を誘導して前記遊技盤の裏面側へ排出する回収通路とを備えた弾球遊技機において、
前記センサユニットは長手方向の一端部に遊技球の通過用の貫通孔を有する矩形板状に形成されており、このセンサユニットを前記大入賞口の下方に配置して両者を平面的にオーバーラップさせると共に、前記回収通路を前記センサユニットと平面的にオーバーラップする下部スペース内で屈曲させてその下端部に排出口を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記大入賞口の上方に前記センサユニットと平行に延びる回路基板を配置し、この回路基板に実装した光源の光によって前記大入賞口の内底面を照射するようにしたことを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−177416(P2011−177416A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46517(P2010−46517)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】