説明

心不全における遺伝リスク、すなわちNOS3の遺伝子変異の影響の評価方法

本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;および、(iii)任意に、心血管疾患を治療する現在最良の療法を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、それが必要な患者において;(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;および、(iii)任意に心血管疾患の治療に現在の最良の療法;を患者へ投与する段階を含む方法を提供する。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、ならびに酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。
【0002】
関連出願
本出願は、2005年4月7日に出願された米国特許出願第60/669,025号、および2005年9月16日に出願された米国特許出願第60/717,596号の、米国特許法§119の下での優先権を請求するものであり;これらの各出願の開示は、それらの全体が本明細書に参照として組み入れられている。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
遺伝的背景は、心不全患者の転帰に影響を及ぼすように見える。内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)は、血管の酸化窒素の主な供給源である。NOS3遺伝子座に、インビトロ試験および臨床試験において機能的意義が報告されている、プロモーター領域のT-796C多型、イントロン4(4a/4b多型)(27塩基対の縦列反復ユニットの数の変化)およびエキソン7(Asp298Glu多型)における共通の多型を伴う著しい遺伝的変異が存在する。
【0004】
それらの遺伝的変異を基に、心不全患者の転帰を決定することが、当該技術分野において必要とされている。本発明は、これらの、さらにはその他の重要な目的に関する。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は、それが必要な患者において;(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、ならびに酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。抗酸化薬、酸化窒素増強化合物および/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0006】
本発明は、それが必要な患者において;(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7にAsp298Glu多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。1つの態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型は、Glu298Glu変種である。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、ならびに酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。これらの抗酸化薬、酸化窒素増強化合物および/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0007】
本発明は、それが必要な患者において;(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域においてT-786C多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型は、T-786C変種またはT-786T変種である。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、ならびに酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。これらの抗酸化薬、酸化窒素増強化合物および/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0008】
本発明は、それが必要な患者において;(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の27塩基対の縦列反復イントロン4多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。さらに別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、イントロン4a/4b変種またはイントロン4b/4b変種である。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、ならびに酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。これらの抗酸化薬、酸化窒素増強化合物および/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0009】
本発明は、それが必要な患者において;(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子に少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、ならびに酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。別の態様において、患者は、ニューヨーク心臓協会の心不全機能分類I、II、III、またはIVに;例えば、II、III、またはIVに分類される。さらに別に態様において、患者は黒人患者である。これらの抗酸化薬、酸化窒素増強化合物および/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0010】
本発明のこれらおよび他の局面は、以下に詳細に説明される。
【0011】
発明の詳細な説明
本明細書を通じて使用される下記の用語は、特に指定しない限りは、以下の意味を有すると理解されるべきである。
【0012】
「患者」は、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを指し、男性および女性を含む。
【0013】
「黒人」は、アフリカ出身者またはアフリカ系アメリカ人を指す。本人が自分自身をそのように規定する場合、その人も、アフリカ系アメリカ人または黒人とすることができる。
【0014】
「有効量」は、その意図された目的を実現するために必要である、化合物および/または組成物の量を指す。
【0015】
「心不全」は、鬱血性心不全、代償性心不全、非代償性心不全、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
「代償性心不全」とは、心臓が、変更されたが安定した生理的状態で機能する、例えば前負荷の増加を通じてまたは心筋肥大の発生後の、Frank-Starling曲線の異なるが安定した時点で機能する状態を指す。代償性心不全は、末梢血管に関連した浮腫の進行性の増加、進行性腎不全、または進行性虚血性組織損傷などの、複合型(multiple)合併症を生じ得る。
【0017】
「非代償性心不全」とは、心臓が、心機能および関連したまたは依存した生理的機能が、進行性に、緩徐にまたは迅速に悪化する、変更され不安定な生理的状態で機能する状態を指す。非代償性心不全は、末梢血管に関連した浮腫の進行性の増加、進行性腎不全、または進行性虚血性組織損傷などの、複合型合併症を生じ得る。
【0018】
「心不全に関連した入院を削減すること」とは、心不全のための入院時期の延長;心不全のための初回入院時期の延長;1回の入院期間について、心不全患者が心不全のために病院で過ごす合計日数の減少(すなわち、心不全患者の1回の入院期間の短縮);複数の入院期間(すなわち、2回またはそれ以上の入院)について、心不全患者が心不全のために病院で過ごす合計日数の減少;心不全のための入院回数の減少;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
「酸素消費」は、酸素消費をモニタリングするために、呼気が連続収集されながら実施される漸増的最大努力(maximal)自転車エルゴメーター運動試験期間中に、測定することができる。呼吸困難または疲労は、典型的には、ピーク酸素消費<25ml/体重kg/分で生じる。肺疾患、閉塞性弁疾患などを伴う患者は、酸素消費が低い傾向がある。患者の酸素消費の増加は、典型的には、患者の運動耐容能の増加を生じ、患者の生活の質の改善を暗示するであろう。
【0020】
「生活の質」は、歩行、階段登り、用事遂行(do errands)、家周りの仕事、娯楽活動への参加の個人の能力、および/もしくは日中の休息の不要、ならびに/または睡眠障害もしくは息切れの不在の1つまたは複数を意味する。生活の質は、Minnesota Living with Heart Failure questionnaireを用い測定することができる。この質問票は、簡単な標準化の指導の後、自己管理される。このスコアは、各質問に対する反応のランクをまとめることにより得られる。
【0021】
「心血管疾患または障害」は、当技術分野において公知の任意の心血管疾患または障害のことをいい、心不全、再狭窄、高血圧(例えば、肺高血圧、収縮期高血圧、動揺性高血圧、特発性高血圧、低レニン高血圧、塩分感受性高血圧、低レニン、塩分感受性高血圧、血栓塞栓性肺高血圧; 妊娠による高血圧; 腎血管性高血圧; 高血圧依存性末期腎不全; 心血管手術法に関連する高血圧、左心室肥大高血圧等)、拡張機能障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞、動脈壁の硬化、アテローム性動脈硬化、アテローム発生、脳血管疾患、狭心症(慢性、安定性、不安定性および異型(プリンツメタル型)狭心症を含む)、動脈瘤、虚血性心疾患、脳虚血、心筋虚血、血栓症、血小板凝集、血小板付着、平滑筋細胞増殖、医療機器の使用に関連する血管性または非血管性の合併症、医療機器の使用に関連する創傷、血管または非血管壁の損傷、末梢血管疾患、経皮経腔冠動脈造影(percutaneous transluminal coronary angiograph)後の新生内膜過形成、血管移植、冠動脈バイパス手術、血栓塞栓事象、血管形成術後の再狭窄、冠動脈のプラーク炎症、高コレステロール血症、塞栓症、脳卒中、ショック、不整脈、心房性細動または心房粗動、脳血管の血栓閉塞および再閉塞、左心室の機能不全および肥大等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
「酸化ストレスから生じる疾患」とは、例えば、アテローム発生、アテローム症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血圧に関連する血管肥大、高リポ蛋白血症、老化による正常な血管変性、副甲状腺の反応性過形成、腎臓病(例えば、急性または慢性)、腫瘍性疾患、炎症性疾患、神経性および急性気管支肺疾患、腫瘍形成、虚血再灌流症候群、関節炎、敗血症、認知機能障害、内毒素性ショック、内毒素による臓器不全、ならびに同様の疾患などの、フリーラジカルまたはラジカル化合物の生成を含んだ任意の疾患のことをいう。
【0023】
「内皮機能不全」とは、内皮により行われるいずれかの生理学的過程における能力障害、具体的には、要因に関係のない酸化窒素の産生のことをいう。これは、例えば、アセチルコリンもしくはメタコリンに対する冠状動脈の反応性等などの、例えば侵襲的技術などにより、または、例えば、血流測定、肘の上下腕のカフ閉塞による上腕動脈流の拡張、上腕動脈の超音波検査、イメージング技術、非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)などの血中バイオマーカーの測定等などの非侵襲的技術により評価することができる。後者の測定の場合、内皮依存的な血流依存性拡張は内皮機能不全と診断された患者で低下するはずである。
【0024】
「内皮機能不全を治療する方法」としては、例えば、アテローム性動脈硬化、高血圧、糖尿病、心不全等などの、内皮機能不全によって引き起こされるまたは内皮機能不全から生じ得る疾患の発症/診断の前の治療が挙げられるが、これに限定されない。
【0025】
「内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する方法」としては、例えば、アテローム性動脈硬化、心不全、高血圧、心血管疾患、脳血管疾患、腎血管性疾患、腸間膜血管疾患、肺血管疾患、眼血管疾患、末梢血管疾患、末梢虚血性疾患等などの、内皮の不全から生じるいずれかの疾患の治療が挙げられるが、これに限定されない。
【0026】
「腎血管性疾患」とは、腎不全(例えば、急性または慢性)、腎機能不全、腎炎性浮腫、急性糸球体腎炎、乏尿性腎不全(oliguric renal failure)、重症の高血圧に関連した腎臓変質、片側性の腎実質性疾患、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎、腎機能不全に関連した腎疾患、透析または腎移植に関連した合併症、腎血管性高血圧、腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化、腎動脈狭窄、AIDS-関連腎症、免疫介在性腎疾患、アテローム塞栓性(atheroembolic)腎疾患、腎前性(pre-renal)高窒素血症等を含むが、これらに限定されない、腎臓系の任意の疾患または機能障害のことをいう。
【0027】
「プロドラッグ」とは、インビボにおいてより活性化される化合物のことをいう。
【0028】
「アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤」とは、アンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの変換を触媒する酵素を阻害する化合物のことをいう。ACE阻害剤としては、ACEの活性を阻害し、それにより昇圧物質アンギオテンシンIIの形成を減らすかまたはなくすことによってレニン-アンギオテンシン系に関与するアミノ酸およびその誘導体、ジペプチドおよびトリペプチドを含むペプチド、ならびにACEに対する抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
「アンギオテンシンIIアンタゴニスト」とは、アンギオテンシンIIの機能、合成または異化を妨害する化合物のことをいう。アンギオテンシンIIアンタゴニストとしては、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIの異化を活性化する薬剤、およびアンギオテンシンIIからのアンギオテンシンIの合成を妨害する薬剤を含むが、これらに限定されない、ペプチド化合物および非ペプチド化合物が挙げられる。レニン-アンギオテンシン系は血液動態の調節ならびに水および電解質平衡に関与する。血液量、腎臓の灌流圧、または血漿中のナトリウムの濃度を低下させる因子はこの系を活性化する傾向があり、その一方でこれらのパラメータを増大させる因子はその機能を抑制する傾向がある。
【0030】
「利尿化合物」とは、患者から排泄される尿の量を増加させる任意の化合物または薬剤のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0031】
「担体」または「賦形剤」は、化合物の投与に好適な担体物質をいい、無毒性で、組成物の任意の成分と有害となるように相互作用しない、例えば、任意の液体、ゲル、溶媒、希釈液、溶解剤等の当技術分野において公知の任意のこのような物質を含む。
【0032】
「徐放性」とは、活性な化合物の血中濃度がある期間に渡って所望の範囲内に維持される、活性な化合物および/または組成物の放出を指す。この徐放性製剤は、所望の徐放性特性を得るために、当業者に公知である任意の従来の方法を使用して調製することができる。
【0033】
「酸化窒素増強」とは、生理的条件下で内因性酸化窒素を増大できる化合物および官能基のことをいう。酸化窒素増強化合物は、酸化窒素放出化合物、酸化窒素供給化合物、酸化窒素供与体、酸化窒素付加物、ラジカル捕捉性化合物および/または活性酸素種捕捉化合物を含むが、これらに限定されない。1つの態様では、ラジカル捕捉性化合物はニトロキシド基を含む。
【0034】
「ニトロキシド基」とはスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dimutase)およびカタラーゼを模倣する能力を有する化合物であって、ラジカル捕捉剤として作用する、またはスーパーオキシドもしくは他の活性酸素種と安定なアミノキシルラジカル、すなわちN-オキシドを介して反応する、化合物のことをいう。
【0035】
「酸化窒素付加物」または「NO付加物」とは、生理的条件下で、一酸化窒素の3つの酸化還元型(NO+、NO-、NO・)のいずれかを、一酸化窒素種の生物活性が意図された作用部位で発現されるように、供与し、放出し、および/または直接的にもしくは間接的に転移し得る化合物および官能基のことをいう。
【0036】
「酸化窒素放出」または「酸化窒素供与」とは、一酸化窒素の3つの酸化還元型(NO+、NO-、NO・)のいずれかを、一酸化窒素種の生物活性が意図された作用部位で発現されるように、供与する、放出する、および/または直接的にもしくは間接的に転移する方法のことをいう。
【0037】
「酸化窒素供与体」または「NO供与体」とは、一酸化窒素種を供与する、放出するおよび/または直接的にもしくは間接的に転移する、ならびに/またはインビボで酸化窒素もしくは内皮由来血管弛緩因子(EDRF)の体内産生を刺激する、ならびに/またはインビボで酸化窒素もしくはEDRFの体内レベルを高める、ならびに/または酸化されて酸化窒素を産生する、ならびに/または酸化窒素シンターゼおよび/もしくはチトクロムP450に対する基質である化合物のことをいう。酸化窒素供与体は同様に、L-アルギニンの前駆物質、酵素アルギナーゼの阻害剤および酸化窒素メディエータである化合物を含む。
【0038】
「ヒドララジン化合物」は、下記式を有する化合物を意味する:

ここで、a、bおよびcは、各々独立して、単結合または二重結合であり;R1およびR2は、各々独立して、水素、アルキル、エステルまたは複素環であり;R3およびR4は、各々独立して、孤立電子対または水素であり、但し、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは水素ではないことを条件とする。ヒドララジン化合物の例は、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドララジン、ピルドララジン、トドララジン等を含む。
【0039】
「アルキル」とは、本明細書において規定する、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、架橋シクロアルキル基、シクロアルキル基、または複素環を指す。アルキル基はまた、例えばシクロアルキルアルキル基または複素環アルキル基等の1つまたは複数のラジカル種を含んでもよい。
【0040】
「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜約10(好ましくは、炭素原子数1〜約8、さらに好ましくは炭素原子数1〜約6)の分岐鎖状または直鎖状非環式アルキル基を指す。例示的な低級アルキル基にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソ-アミル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
【0041】
「置換低級アルキル」とは、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数のR100基で置換されている、本明細書において規定する低級アルキル基を指し、式中、各R100は、独立に、本明細書において規定する、ヒドロキシ、エステル、アミジル、オキソ、カルボキシル、カルボキサミド、ハロ、シアノ、硝酸塩、亜硝酸塩、チオニトラート、チオニトリト、またはアミノ基である。
【0042】
「ハロアルキル」とは、本明細書において規定する1つまたは複数のハロゲンが付加する、本明細書において規定する低級アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、架橋シクロアルキル基、シクロアルキル基、または複素環を指す。例示的なハロアルキル基には、トリフルオロメチル、クロロメチル、2-ブロモブチル、1-ブロモ-2-クロロ-ペンチル等が挙げられる。
【0043】
「アルケニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。例示的なアルケニル基には、プロピレニル、ブテン-1-イル、イソブテニル、ペンテン-1-イル、2,2-メチルブテン-1-イル、3-メチルブテン-1-イル、ヘキサン-1-イル、ヘプテン-1-イル、オクテン-1-イル等が挙げられる。
【0044】
「低級アルケニル」とは、炭素-炭素二重結合を1つまたは2つ含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C4炭化水素を指す。
【0045】
「置換アルケニル」とは、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数のR100基で置換されている、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指し、式中、各R100は、独立に本明細書において規定する、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシル、カルボキサミド、ハロ、シアノ、アミノ基である。
【0046】
「アルキニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含んでもよい不飽和非環式C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。例示的なアルキニルには、エチニル、プロピニル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ペンチル-1-イル、ペンチル-2-イル、3-メチルブチン-1-イル、ヘキシル-1-イル、ヘキシル-2-イル、ヘキシル-3-イル、3,3-ジメチル-ブチン-1-イル等が挙げられる。
【0047】
「架橋シクロアルキル」とは、2つ以上のシクロアルキル基、複素環基または隣接もしくは非隣接原子を介して融合されるその組合せを指す。架橋シクロアルキル基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、アルキルカルボン酸、アリール、アミジル、エステル、アルキルカルボン酸エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、オキソおよびニトロから選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。例示的な架橋シクロアルキル基にはアダマンチル、デカヒドロナフチル、キヌクリジル(quinuclidyl)、2,6-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、7-オキサビシクロ(2.2.1)ヘプチル、8-アザビシクロ(3,2,1)オクト-2-エニル等が挙げられる。
【0048】
「シクロアルキル」とは、炭素原子数約3〜約10を含む飽和または不飽和の環式炭化水素を指す。シクロアルキル基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アリール、アミジル、エステル、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、オキソ、アルキルスルフィニル、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ-1,3-ジエニル等が挙げられる。
【0049】
「複素環または複素環基」とは、1〜約4の炭素原子が1つまたは複数の窒素、酸素、および/または硫黄原子で置換されている、炭素原子数約2〜約10(好ましくは炭素原子数約4〜約6)の飽和または不飽和の環式炭化水素基を指す。硫黄はチオ、スルフィニル、またはスルホニル酸化状態であってもよい。複素環または複素環基は、芳香族炭化水素基と融合してもよい。複素環基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアルキル、ヒドロキシ、オキソ、チアール、ハロ、カルボキシル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリール、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル、アミジル、エステル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルフィニル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミドニトレート、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的な複素環基には、ピロリル、フリル、チエニル、3-ピロリニル、4,5,6-トリヒドロ-2H-ピラニル、ピリジニル、1,4-ジヒドロピリジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、インドリル、チオフェニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラゾリル、ピロリニル、ピロリンジニル、オキサゾリジニル(oxazolindinyl)1,3-ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル(imidazolindinyl)、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、チオモルホリニル、ピラジニル、ピペラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、ベンゾ(b)チオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリニル、キノリニル、2,6-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン等が挙げられる。
【0050】
「複素環化合物」とは、少なくとも1つのアリールまたは複素環を含む単環式および多環式化合物を指す。
【0051】
「アリール」とは、1つまたは2つの芳香環を含む単環系、二環系、炭素環系または複素環系を指す。例示的なアリール基には、フェニル、ピリジル、ナフチル、キノイル(quinoyl)、テトラヒドロナフチル、フラニル、インダニル、インデニル、インドイル(indoyl)等が挙げられる。アリール基は(二環式アリール基を含む)、独立にアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ハロ、シアノ、アルキルスルフィニル、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリール、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミジル、エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、カルボニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミド、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的な置換アリール基には、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、スルホンアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル等が挙げられる。
【0052】
「ヒドロキシ」は、-OHを指す。
【0053】
「ヒドロキシアルキル」は、本明細書において規定されるアルキル基に結合した、本明細書において規定されるヒドロキシ基を指す。
【0054】
「アルキルカルボニル」は、R52-C(O)-を指し、ここでR52は、本明細書において規定されるアルキル基である。
【0055】
「アリールカルボニル」は、R55-C(O)-を指し、ここでR55は、本明細書において規定されるアリール基である。
【0056】
「エステル」は、R51C(O)O-を指し、ここでR51は、本明細書において規定される、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、またはアリール複素環を指す。
【0057】
「アルキルアリール」とは、本明細書において規定するアリール基が付加されている本明細書において規定するアルキル基を指す。例示的なアルキルアリール基には、ベンジル、フェニルエチル、ヒドロキシベンジル、フルオロベンジル、フルオロフェニルエチル等が挙げられる。
【0058】
「アリール複素環」とは、本明細書において規定するアリール環を含む二環式または三環式環が、アリール環の2つの隣接炭素原子を介して、本明細書において規定する複素環に付加しているものを指す。例示的なアリール複素環には、ジヒドロインドール、1,2,3,4-テトラ-ヒドロキノリン等が挙げられる。
【0059】
「ヒドラジノ」とは、H2N-N(H)-を指す。
【0060】
本発明の1つの態様において、抗酸化薬は、小型分子抗酸化薬および抗酸化酵素を含むが、これらに限定されるものではない。好適な小型分子抗酸化薬は、ヒドララジン化合物、グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、システイン、N-アセチルシステイン、β-カロテン、ユビキノン、ユビキノール-10、トコフェロール、コエンザイムQ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)、DOXYL、PROXYLニトロキシド化合物;4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(Tempol)、M-40401、M-40403、M-40407、M-40419、M-40484、M-40587、M-40588等を含むが、これらに限定されるものではない。好適な抗酸化酵素は、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、NADPHオキシダーゼ阻害剤、例えば、アポシニン、アミノグアニジン、ONO 1714、S17834(ベンゾ(b)ピラン-4-オン誘導体)等;キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール、オキシプリノール、アンフルチゾール、ジチオカルバミン酸ジエチル、2-スチリルクロモン、クリシン、ルテオリン、ケンペロール、ケルセチン、ミリセチン、イソラムネチン、ベンゾフェノン、例えば、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,2',3',4'-ヘキサヒドロキシベンゾフェノンおよび4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン等;ベンゾチアジノン類似体、例えば2-アミノ-4H-1,3-ベンゾチアジン-4-オン、2-グアニジノ-4H-1,3-ベンゾチアジン-4-オン、およびローダニン等;N-ヒドロキシグアニジン誘導体、例えば、PR5(1-(3,4-ジメトキシ-2-クロロベンジリデンアミノ)-3-ヒドロキシグアニジン);6-フォルミルプテリン等を含むが、これらに限定されるものではない。これらの抗酸化酵素は、ウイルスベクターおよび/または非ウイルスベクターとして、遺伝子療法により送達することができる。好適な抗酸化薬は、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版), McGraw-Hill, 1995;および、Merck Index、CD-ROM版、第13版;および、STN Express, file phar and file registryなどの文献により詳細に記載されている。
【0061】
一部の態様において、抗酸化薬は、アポシニン、ヒドララジン化合物およびスーパーオキシドジムターゼ模倣体である。1つの態様において、ヒドララジン化合物は、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドララジン、ピルドララジン、トドララジンまたはそれらの薬学的に許容される塩である。別の態様において、ヒドララジン化合物は、ヒドララジンである。さらに別の態様において、ヒドララジンの薬学的に許容される塩は、塩酸ヒドララジンである。塩酸ヒドララジンは、例えば、Lederle Standard Products、Pearl River, NY;および、Par Pharmaceuticals Inc., Spring Valley, NYから市販されている。これは、白色から灰白色の結晶性粉末であり、水に溶けやすく、アルコールにやや溶けやすく、エーテルに極わずかに溶ける。
【0062】
ヒドララジン化合物などの抗酸化薬は、任意で、酸化窒素を放出する、酸化窒素の内因性レベルを増大させるか、または別の方法で一酸化窒素の生物学的活性型をインビボの細胞膜上などの、その意図された活性の部位に直接的にまたは間接的に送達するかまたは転移する酸化窒素増強化合物と組み合わせて使用される。
【0063】
一酸化窒素は3つの型: NO-(ニトロキシル)、NO・(酸化窒素)およびNO+(ニトロソニウム)で存在することができる。NO・は非常に反応性が高い短寿命の種であって、これは細胞に有害である可能性がある。このことは重大な意味を持つ。NOの薬理効果は、それが送達される形態に依存するからである。酸化窒素ラジカル(NO・)とは対照的に、ニトロソニウム(NO+)はO2またはO2-種と反応せず、NO+およびNO-を転移および/または放出できる官能性は、同様に多数の酸化還元金属の存在下において分解に抵抗性である。その結果として、荷電したNO等価物(正および/または負)の投与では、有害な副産物の生成または活性なNO基の除去が起こらない。
【0064】
「酸化窒素」という用語は、荷電していない酸化窒素(NO・)ならびにニトロソニウムイオン(NO+)およびニトロキシルイオン(NO-)などの荷電した一酸化窒素種を包含する。酸化窒素の反応型はガス状の酸化窒素によって供与されうる。一酸化窒素を放出、送達または転移する化合物は構造F-NOを有し、式中でFは一酸化窒素を放出、送達または転移する基であり、その化合物にはその意図された目的のために活性な形態でその意図された作用部位に一酸化窒素を供与するそのようなありとあらゆる化合物が含まれる。
【0065】
「酸化窒素供与体化合物」という用語は、例えば、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノンイミン、2-ヒドロキシ-2-ニトロソヒドラジン、(NONOアート(NONOate))、(E)-アルキル-2-((E)-ヒドロキシイミノ)-5-ニトロ-3-ヘキセンアミド(FK-409)、(E)-アルキル-2-((E)-ヒドロキシイミノ)-5-ニトロ-3-ヘキセンアミン、N-((2Z,3E)-4-エチル-2-(ヒドロキシイミノ)-6-メチル-5-ニトロ-3-ヘプテニル)-3-ピリジンカルボキサミド(FR 146801)、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン(N-hydroxyl nitrosamine)、ニトロシミン(nitrosimine)、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレア、ベンゾフロキサン、フロキサンおよび酸化窒素を合成する内因性酵素の基質を含めて、一酸化窒素を放出、送達または転移する任意の化合物を包含する。
【0066】
好適なNONOアートとしては、(Z)-1-(N-メチル-N-(6-(N-メチル-アンモニオヘキシル)アミノ))ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(「MAHMA/NO」)、(Z)-1-(N-(3-アンモニオプロピル)-N-(n-プロピル)アミノ)ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(「PAPA/NO」)、(Z)-1-(N-(3-アミノプロピル)-N-(4-(3-アミノプロピルアンモニオ)ブチル)-アミノ)ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(スペルミンNONOアートまたは「SPER/NO」)および(Z)-1-(N,N-ジエチルアミノ)ジアゼニウム-1,2-ジオレートナトリウム(ジエチルアミンNONOアートまたは「DEA/NO」)ならびにその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。NONOアートは米国特許第6,232,336号、同第5,910,316号および同第5,650,447号の中にも記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。「NO付加物」は、一酸化窒素の生物学的活性型に対する種々の生来的に感受性の高い結合部位または人工的に供与された結合部位でモノニトロシル化、ポリニトロシル化、モノニトロソ化および/またはポリニトロソ化されうる。
【0067】
好適なフロキサンとしては、CAS 1609、C93-4759、C92-4678、S35b、CHF 2206、CHF 2363などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
好適なシドノンイミンとしては、モルシドミン(N-エトキシカルボニル-3-モルホリノシドノンイミン)、SIN-1 (3-モルホリノシドノンイミン)、CAS936 (3-(cis-2,6-ジメチルピペリジノ)-N-(4-メトキシベンゾイル)-シドノンイミン、ピルシドミン)、C87-3754 (3-(cis-2,6-ジメチルピペリジノ)シドノンイミン、リンシドミン、C4144 (塩酸3-(3,3-ジメチル-1,4-チアザン-4-イル)シドノンイミン)、C89-4095 (塩酸3-(3,3-ジメチル-1,1-ジオキソ-1,4-チアザン-4-イル)シドノンイミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
好適なオキシムとしては、NOR-1、NOR-3、NOR-4などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
酸化窒素供与体化合物の一群は、少なくとも1つの-S-NO基を含む化合物であるS-ニトロソチオールである。これらの化合物はS-ニトロソ-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を保有しないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにその誘導体を含む);S-ニトロシル化アミノ酸(天然アミノ酸や合成アミノ酸およびそれらの立体異性体やラセミ混合物ならびにその誘導体を含む);S-ニトロシル化糖;修飾または未修飾のS-ニトロシル化オリゴヌクレオチド(好ましくは少なくとも5個の、およびより好ましくは5〜200個のヌクレオチドの);直鎖状または分枝鎖状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換S-ニトロシル化炭化水素;およびS-ニトロソ複素環化合物を含む。S-ニトロソチオールおよびそれらを調製する方法は、米国特許第5,380,758号および同第5,703,073号;国際公開公報第97/27749号;国際公開公報第98/19672号;ならびにOae et al, Org. Prep. Proc. Int., 15(3): 165-198 (1983)に記載されており、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0071】
本発明の別の態様は、ニトロソ基が含硫アミノ酸またはその誘導体の硫黄基に連結されているS-ニトロソアミノ酸である。このような化合物には、例えば、S-ニトロソ-N-アセチルシステイン、S-ニトロソ-カプトプリル、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン、S-ニトロソ-ホモシステイン、S-ニトロソ-システイン、S-ニトロソ-グルタチオン、S-ニトロソ-システイニル-グリシンなどが含まれる。
【0072】
好適なS-ニトロシル化タンパク質の中には、組織型プラスミノーゲン活性化因子(TPA)およびカテプシンBなどの酵素、リポタンパク質などの輸送タンパク質、ヘモグロビンおよび血清アルブミンなどのヘムタンパク質ならびに免疫グロブリン、抗体およびサイトカインなどの生体防御タンパク質を含む、様々な機能クラス由来のチオール含有タンパク質(ここで、NO基はアミノ酸またはそのアミノ酸誘導体の1つまたは複数の硫黄基に結合される)がある。このようなニトロシル化タンパク質は国際公開公報第93/09806号に記載されており、この開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。例としては、タンパク質中の1つまたは複数のチオールまたはその他の求核中心が修飾されているポリニトロシル化アルブミンが挙げられる。
【0073】
好適なS-ニトロソチオールのその他の例は、以下のものであり:
(i)HS(C(Re)(Rf))mSNO;
(ii)ONS(C(Re)(Rf))mRe;または
(iii)H2N-CH(CO2H)-(CH2)m-C(O)NH-CH(CH2SNO)-C(O)NH-CH2-CO2H;
ここで、mは、2から20の整数であり;
ReおよびRfは、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環式アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5、V6、-(C(Ro)(Rp))kl-U3-V5、-(C(Ro)(Rp))k1-U3-V6、-(C(Ro)(Rp))k1-U3-C(O)-V6であるか、またはReおよびRfは、それらが結合している炭素と一緒になって、カルボニル、メタンチアール(methanthial)、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、ヒドラゾン、架橋シクロアルキル基、

を形成し、
RoおよびRpは、各々独立して、水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環式アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5、V6であるか、またはRoおよびRpは、それらが結合した炭素と一緒に、カルボニル、メタンチアール、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、イミン、ヒドラゾン、架橋シクロアルキル基、

を形成し、
klは1から3の整数であり;
U3は酸素、硫黄-または-N(Ra)Riであり;
V5は-NOまたは-NO2 (すなわち、酸化された窒素)であり;
Raは孤立電子対、水素またはアルキル基であり;
Riは水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C(U3-V5)(Re)(Rf)、隣接原子との結合であってその原子または-(N2O2-)-・M1+へ二重結合をもたらす結合であり、式中M1+は有機または無機の陽イオンである。
【0074】
ReおよびRfが独立して複素環であるかまたはReおよびRfが一緒になって複素環である場合には、Riは、ラジカル内に含まれる任意の二置換窒素の置換基であってもよく、Riは本明細書において規定される通りである。
【0075】
ニトロソチオールは様々な合成方法により調製することができる。一般に、まずチオール前駆物質を調製し、次いでS-ニトロソ誘導体をもたらす酸性条件(pHが約2.5である)下でのNaNO2を用いたチオール基のニトロソ化によりS-ニトロソチオール誘導体に変換する。この目的に使用できる酸には、硫酸水溶液、酢酸水溶液および塩酸水溶液が含まれる。チオール前駆物質は同様に、不活性溶媒中での亜硝酸tert-ブチルなどの有機亜硝酸塩、またはテトラフルオロボレートニトロソニウムなどのニトロソニウム塩との反応によりニトロソ化することができる。
【0076】
酸化窒素供与体が酸化窒素を供与する、転移するまたは放出する化合物である、本発明で用いる酸化窒素供与体化合物の別の群の中には、少なくとも1つのON-O-またはON-N-基を含む化合物がある。少なくとも1つのON-O-またはON-N-基を含む化合物は、ON-O-またはON-N-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を保有しないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにその誘導体を含む); ON-O-またはON-N-アミノ酸(天然アミノ酸や合成アミノ酸およびそれらの立体異性体やラセミ混合物を含む); ON-O-またはON-N-糖; 修飾または未修飾のON-O-またはON-N-オリゴヌクレオチド(少なくとも5個のヌクレオチド、好ましくは5〜200個のヌクレオチドを含む); 直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換のON-O-またはON-N-炭化水素; ならびにON-O-、ON-N-またはON-C-複素環化合物である。少なくとも1つのON-O-またはON-N-基を含む化合物の例としては、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸tert-ブチル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソアミル、N-ニトロソアミン、N-ニトロソアミド、N-ニトロソウレア、N-ニトロソグアニジン、N-ニトロソカルバメート、N-アシル-N-ニトロソ化合物(例えば、N-メチル-N-ニトロソウレア); N-ヒドロキシ-N-ニトロソアミン、クペロン、アラノシン、ドパスチン、1,3-二置換ニトロシミノベンズイミダゾール、1,3,4-チアジアゾール-2-ニトロシミン、ベンゾチアゾール-2(3H)-ニトロシミン、チアゾール-2-ニトロシミン、オリゴニトロソシドノンイミン、3-アルキル-N-ニトロソ-シドノンイミン、2H-1,3,4-チアジアジンニトロシミンが挙げられる。
【0077】
本発明で用いる酸化窒素供与体化合物の別の群の中には、少なくとも1つのO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-基を含む化合物などの、酸化窒素を供与する、転移するまたは放出する硝酸塩がある。これらの化合物の中にはO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を保有しないタンパク質および同様にポリアミノ酸、ならびにその誘導体を含む); O2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-アミノ酸(天然アミノ酸や合成アミノ酸およびそれらの立体異性体やラセミ混合物を含む); O2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-糖; 修飾または未修飾のO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-オリゴヌクレオチド(少なくとも5個のヌクレオチド、好ましくは5〜200個のヌクレオチドを含む); 直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換のO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-炭化水素; ならびにO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-複素環化合物である。少なくとも1つのO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-基を含む化合物の例としては、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、クロニトラート、四硝酸エリスリチル、六硝酸マンニトール、ニトログリセリン、四硝酸ペンタエリスリトール、ペントリニトロール、硝酸プロパチルならびに、例えばSPM 3672、SPM 4757、SPM 5185、SPM 5186および各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,284,872号、同第5,428,061号、同第5,661,129号、同第5,807,847号および同第5,883,122号にならびに国際公開公報第97/46521号、国際公開公報第00/54756号におよび国際公開公報第03/013432号に開示されるものなどのスルフヒドリル含有アミノ酸を有する有機硝酸塩が挙げられる。
【0078】
酸化窒素供与体化合物の別の群は、酸化窒素を供与する、転移するまたは放出するN-オキソ-N-ニトロソアミンであり、式 R1''R2''N-N(O-M+)-NO、ここでR1''およびR2''がそれぞれ独立してポリペプチド、アミノ酸、糖、修飾もしくは未修飾オリゴヌクレオチド、直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換の炭化水素、または複素環基であり、M1+が例えば、アルキル置換アンモニウム陽イオンまたは第I族金属の陽イオンなどの有機または無機陽イオンである前記式により表される。
【0079】
本発明は同様に、内因性NOを刺激する、または内因性内皮由来弛緩因子(EDRF)のレベルをインビボにおいて上昇させる、または酸化されて酸化窒素を産生する、ならびに/または酸化窒素シンターゼおよび/もしくはチトクロムP450に対する基質である化合物を対象とする。このような化合物としては、例えば、インビボで酸化されて酸化窒素を産生し得る、ニトロソ化および/またはニトロシル化類似体(例えば、ニトロソ化L-アルギニン、ニトロシル化L-アルギニン、ニトロソ化N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ニトロシル化N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ニトロソ化およびニトロシル化L-ホモアルギニン)を含めてL-アルギニン、L-ホモアルギニン、およびN-ヒドロキシ-L-アルギニン、N-ヒドロキシ-L-ホモアルギニン、N-ヒドロキシデブリソキン、N-ヒドロキシペンタミジン、N-ヒドロキシグアニジン化合物、アミドキシム、ケトキシム、アルドキシム化合物が挙げられる。チトクロムP450に対する基質になり得る化合物としては、例えば、イミノ(ベンジルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-メチルフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-メトキシフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-ニトロフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、(ブチルアミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、イミノ(プロピルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(ペンチルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(プロピルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ((メチルエチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、(シクロプロピルアミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、イミノ-2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリルメチルヒドロキシルアミン、イミノ(1-メチル(2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル))メチルヒドロキシルアミン、(1,3-ジメチル(2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル))イミノメチルヒドロキシルアミン、(((4-クロロフェニル)メチル)アミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、((4-クロロフェニル)アミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、(4-クロロフェニル)(ヒドロキシイミノ)メチルアミン、および1-(4-クロロフェニル)-1-(ヒドロキシイミノ)エタンなど、例えば、シトルリン、オルニチン、グルタミン、リジンを含めてL-アルギニンの前駆物質および/またはその生理学的に許容される塩、これらのアミノ酸の少なくとも1つを含むポリペプチド、酵素アルギナーゼの阻害剤(例えば、N-ヒドロキシ-L-アルギニンおよび2(S)-アミノ-6-ボロノヘキサン酸)、例えば、ピルビン酸塩、ピルビン酸塩前駆物質、四つまたはそれ以上の炭素原子を有するα-ケト酸、四つまたはそれ以上の炭素原子を有するα-ケト酸の前駆物質を含めて酸化窒素媒介物質および/またはその生理学的に許容される塩(開示によって全体が本明細書に組み入れられる、国際公開公報第03/017996号に開示されている)、ならびに酸化窒素シンターゼに対する基質、サイトカイン、アデノシン、ブラジキニン、カルレチクリン、ビサコジルおよびフェノールフタレインが挙げられる。EDRFは内皮によって分泌される血管弛緩因子であり、酸化窒素(NO)または密接に関連するその誘導体として同定されている(Palmer et al, Nature, 327:524-526 (1987); Ignarro et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:9265-9269 (1987))。
【0080】
本発明は同様に、内因性酸化窒素を増大できる酸化窒素増強化合物を対象とする。このような化合物としては、例えば、置換2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ化合物、置換2,2,5,5-テトラメチル-3-ピロリン-1-オキシル化合物、置換2,2,5,5-テトラメチル-1-ピロリジニルオキシル化合物、置換1,1,3,3-テトラメチルイソインドリン-2-イルオキシル化合物、置換2,2,4,4-テトラメチル-1-オキサゾリジニル-3-オキシル化合物、置換3-イミダゾリン-1-イルオキシ、2,2,5,5-テトラメチル-3-イミダゾリン-1-イルオキシル化合物、OT-551、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(tempol)などを含むが、これらに限定されない、ニトロキシド含有化合物が挙げられる。好適な置換基はアミノメチル、ベンゾイル、2-ブロモアセトアミド、2-(2-(2-ブロモアセトアミド)エトキシ)エチルカルバモイル、カルバモイル、カルボキシ、シアノ、5-(ジメチルアミノ)-1-ナフタレンスルホンアミド、エトキシフルオロホスフィニルオキシ、エチル、5-フルオロ-2,4-ジニトロアニリノ、ヒドロキシ、2-ヨードアセトアミド、イソチオシアナト、イソチオシアナトメチル、メチル、マレイミド、マレイミドエチル、2-(2-マレイミドエトキシ)エチルカルバモイル、マレイミドメチル、マレイミド、オキソ、ホスホノオキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0081】
本発明の1つの態様において、酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。
【0082】
二硝酸イソソルビドは、例えば、商標名DILATRATE(登録商標)-SR(Schwarz Pharma, Milwaukee, WI);ISORDIL(登録商標)およびISORDILR TITRADOSE(登録商標)(Wyeth Laboratories Inc., Philadelphia, PA);および、SORBITRATE(登録商標)(Zeneca Pharmaceuticals, Wilmington, DE)で市販されている。希釈された二硝酸イソソルビド(1,4,3,6-ジアンヒドロ-D-グルシトール-2,5-二硝酸塩)、USP、は、白色から灰白色の粉末である。これは、エタノール、エーテルおよびクロロホルムなどの有機溶媒に極めて溶けやすいが、水には極めて溶けにくい。
【0083】
一硝酸イソソルビドは、例えば、商標名IMDUR(登録商標)(A. B. Astra, Sweden);MONOKET(登録商標)(Schwarz Pharma, Milwaukee, WI);および、ISMO(登録商標)(Wyeth-Ayerst Company, Philadelphia, PA)で市販されている。
【0084】
二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドは、非限定的に、乳糖、アルギニン、マンニトール、ソルビトール、セルロース(Avicel(登録商標))等の化合物、およびそれらの2つまたはそれ以上の組合せの添加による爆発(explosion)を防ぐために、安定化することができる。
【0085】
ヒドララジン化合物ならびに二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つは、個別の成分として、または同じ組成物の成分として投与することができる。ヒドララジン化合物ならびに二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つが個別の成分として投与される場合、これらはほぼ同じ時に患者へ投与することができる。「ほぼ同じ時」とは、1つの化合物(例えば、ヒドララジン化合物または二硝酸/一硝酸イソソルビド)の患者への投与の約30分以内に、他方の化合物(例えば、二硝酸/一硝酸イソソルビドまたはヒドララジン化合物)を患者へ投与することを意味する。「ほぼ同じ時」は、これらの化合物の同時投与も含む。
【0086】
本発明は、それが必要な患者において、心不全に関連した死亡率を低下させる;酸素消費を改善する;心不全を治療する;高血圧を治療する;心不全患者の生活の質を改善する;左心室リモデリングを阻害する;心不全に関連した入院を削減する;運動耐容能を改善する;左心室駆出率を増大させる;B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を患者へ投与する段階を含む方法を提供する。1つの態様において、抗酸化薬は、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩であり、酸化窒素増強化合物は、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドである。これらの態様において、これらの方法は、(i)ヒドララジン化合物もしくはそれらの薬学的に許容される塩、ならびに少なくとも1つの二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドを投与する段階、または(ii)ヒドララジン化合物もしくはそれらの薬学的に許容される塩、少なくとも1つの二硝酸イソソルビドおよび/もしくは一硝酸イソソルビド、ならびにアンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を投与する段階;に関与することができる。1つの態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型は、Glu298Glu変種である。さらに別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型は、T-786C変種またはT-786T変種である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の27塩基対の縦列反復イントロン4多型である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、イントロン4a/4b変種またはイントロン4b/4b変種である。別の態様において、患者は、ニューヨーク心臓協会の心不全機能分類I、II、III、またはIV;好ましくはII、III、またはIVに分類される。さらに別の態様において、患者は、黒人患者である。ヒドララジン化合物、二硝酸イソソルビドおよび/もしくは一硝酸イソソルビド、ならびに/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0087】
本発明は、それが必要な患者において、腎血管性疾患を治療する;末期腎疾患を治療する;心肥大を軽減させる;酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;内皮機能不全を治療する;内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量、を患者へ投与する段階を含む方法を提供する。1つの態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型は、Glu298Glu変種である。さらに別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型は、T-786C変種またはT-786T変種である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の27塩基対の縦列反復イントロン4多型である。別の態様において、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の少なくとも1つの多型は、イントロン4a/4b変種またはイントロン4b/4b変種である。別の態様において、患者は、ニューヨーク心臓協会の心不全機能分類I、II、III、またはIV;好ましくはII、III、またはIVに分類される。さらに別の態様において、患者は、黒人患者である。別の態様において、心血管疾患は、虚血性疾患または冠動脈疾患である。ヒドララジン化合物、二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビドおよび/または追加の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中で、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができる。
【0088】
別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、ならびに(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、ならびに(iii)β-アドレナリンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、ならびに(iii)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、ならびに(iii)アルドステロンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、ならびに(iii)ジギタリス、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、ならびに(iii)利尿薬化合物、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、ならびに(iv)β-アドレナリンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、ならびに(iv)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、ならびに(iv)アルドステロンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、ならびに(iv)利尿薬、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)β-アドレナリンアンタゴニスト、ならびに(iv)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)β-アドレナリンアンタゴニスト、ならびに(iv)アルドステロンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)β-アドレナリンアンタゴニスト、ならびに(iv)利尿薬、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、ならびに(iv)アルドステロンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、ならびに(iv)利尿薬、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アルドステロンアンタゴニスト、ならびに(iv)利尿薬、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、(iv)β-アドレナリンアンタゴニスト、ならびに(v)アルドステロンアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、(iv)β-アドレナリンアンタゴニスト、ならびに(v)アンギオテンシンIIアンタゴニスト、を投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン)、(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド)、(iii)利尿薬化合物、ならびに(iv)強心配糖体、を投与する方法が提供される。これらの態様において、ヒドララジン化合物、ならびに少なくとも1つの二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドは、個別にまたは同じ組成物の成分として投与することができ、組成物の形で、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、ジギタリス、利尿薬化合物の少なくとも1つ、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せの投与と共に、または同時に、引き続きもしくは前に、投与することができる。1つの態様において、これらの全ての化合物は単一の組成物の形で一緒に投与される。
【0089】
1つの態様において、塩酸ヒドララジンは、約30mg/日〜約400mg/日の量で投与することができ;二硝酸イソソルビドは、約10mg/日〜約200mg/日の量で投与することができるか;または、一硝酸イソソルビドは、約5mg/日〜約120mg/日の量で投与することができる。別の態様において、塩酸ヒドララジンは、約50mg/日〜約300mg/日の量で投与することができ;二硝酸イソソルビドは、約20mg/日〜約160mg/日の量で投与することができるか;または、一硝酸イソソルビドは、約15mg/日〜約100mg/日の量で投与することができる。別の態様において、塩酸ヒドララジンは、約37.5mg〜約75mgの1日に1回〜4回の量で投与することができ;二硝酸イソソルビドは、約20mg〜約40mgの1日に1回〜4回の量で投与することができるか;または、一硝酸イソソルビドは、約10mg〜約20mgの1日に1回〜4回の量で投与することができる。ヒドララジンおよび二硝酸イソソルビドまたは一硝酸イソソルビドの特定の量は、1日1回の単回投与量で;または、1日を通じて数回の複数回投与量で;または、徐放性経口製剤として;または、注射用製剤として投与することができる。
【0090】
本発明の方法の1つの態様において、患者に、塩酸ヒドララジン約225mgおよび二硝酸イソソルビド約120mgを含有する組成物を、1日1回(すなわちq.d.)投与することができる。別の本発明の方法の態様において、患者に、塩酸ヒドララジン約112.5mgおよび二硝酸イソソルビド約60mgを含有する組成物を、1日2回(すなわちb.i.d.)投与することができる。別の本発明の方法の態様において、患者に、塩酸ヒドララジン約56.25mgおよび二硝酸イソソルビド約30mgを含有する組成物を、1日2回(すなわちb.i.d.)投与することができる。別の態様において、患者に、塩酸ヒドララジン約75mgおよび二硝酸イソソルビド約40mgを含有する組成物を、1日3回(すなわちt.i.d.)投与することができる。別の本発明の方法の態様において、患者に、塩酸ヒドララジン約37.5mgおよび二硝酸イソソルビド約20mgを含有する組成物を、1日3回(すなわちt.i.d.)投与することができる。
【0091】
本明細書に記載された態様のいずれにおいても、患者に、いずれか特定の時点で、1、2または3つの組成物(例えば、2個の錠剤、2個のカプセル剤、2つの注射剤など)を投与することができる。例えば、患者に、各組成物が塩酸ヒドララジン約112.5mgおよび二硝酸イソソルビド約60mgを含有する、2つの個別の組成物を1日2回(すなわちb.i.d.)投与することができる。別の態様において、患者に、各組成物が塩酸ヒドララジン約56.25mgおよび二硝酸イソソルビド約30mgを含有する、2つの個別の組成物を1日2回(すなわちb.i.d.)投与することができる。
【0092】
本発明において、少なくとも1つのヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、ならびに少なくとも1つの二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドは、少なくとも1つのアンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体、利尿薬化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せと共に、個別の成分としてまたは同じ組成物の成分として投与することができる。これらは、1日1回の単回投与量;もしくは、1日を通じて数回の複数回投与量の個別の成分として;または、徐放性経口製剤として;または、注射用製剤として、投与することもできる。
【0093】
1つの態様において、本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善させる;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)任意にアンギオテンシン変換酵素阻害剤の有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。好適なアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)は、アラセプリル、ベナゼプリル(LOTENSIN(登録商標)、CIBACEN(登録商標))、ベナゼプリラト、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、ドゥイナプリル(duinapril)、エナラプリル、エナラプリラト、ファシドトリル、フォシノプリル、フォシノプリラト、ゲモパトリラト(gemopatrilat)、グリコプリル、イドラプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、モベルチプリル、ナフトピジル、オマパトリラト、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラト、キナプリル、キナプリラト、ラミプリル、ラミプリラト、レンチプリル(rentipril)、酢酸サララシン、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、トランドラプリラト(trandolaprilat)、ウラピジル、ゾフェノプリル、アシルメルカプトおよびメルカプトアルカノイルプラリーヌ、カルボキシアルキルジペプチド、カルボキシアルキルジペプチド、ホスフィニルアルカノイルプラリーヌ、登録番号796406、AVE 7688、BP1.137、CHF 1514、E 4030、ER 3295、FPL-66564、MDL 100240、RL 6134、RL 6207、RL 6893、SA 760、S-5590、Z 13752A等を含むが、これらに限定されるものではない。当業者には、アンギオテンシン変換酵素阻害剤が、それらの薬学的に許容される塩、水和物、酸および/または立体異性体の形で投与することができることは明らかであろう。好適なアンギオテオシン変換酵素阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第12版, バージョン12:1, 1996のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記載されている。
【0094】
いくつかの態様では、アンギオテオシン変換酵素阻害剤はベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリルまたはトランドラプリラトである。他の態様では、ベナゼプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約80ミリグラムの量で塩酸ベナゼプリルとして投与する; カプトプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約450ミリグラムの量で投与する; エナラプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約40ミリグラムの量でマレイン酸エナラプリルとして投与する; フォシノプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約60ミリグラムの量でフォシノプリルナトリウムとして投与する; リシノプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約75ミリグラムの量で投与する; モエキシプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約7.5ミリグラムから約45ミリグラムの量で塩酸モエキシプリルとして投与する; キナプリルを一日当たり単回または複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量で塩酸キナプリルとして投与する;塩酸ラミプリルを一日当たり単回または複数回投与として約1.25ミリグラムから約40ミリグラムの量で投与する; トランドラプリルを一日当たり単回または複数回投与として約0.5ミリグラムから約4ミリグラムの量で投与する; トランドラプリラトを一日当たり単回または複数回投与として約0.5ミリグラムから約4ミリグラムの量で投与する。他の態様では、アンギオテンシン変換酵素阻害剤は、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、またはトランドラプリラトである。
【0095】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)カプトプリルの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0096】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)エナラプリルの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0097】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)ラミプリルの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0098】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)リシノプリルの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0099】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)トランドラプリルの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0100】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)トランドラプリラトの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0101】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)β-アドレナリンアンタゴニストの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。好適なβ-アドレナリンアンタゴニストとしては、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カプシノロール、カルテオロール、カルベジロール(COREG (登録商標))、セリプロロール、セタモロール、シンドロール、クロラノロール、ジレバロール、ジプラフェノン、エパノロール、エルセンチリド、エスモロール、エスプロロール、ヘドロキサロール(hedroxalol)、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、ラニオロール、レボブノロール、メピンドロール、メチルプラノール(methylpranol)、メチンドール(metindol)、メチプラノロール、メトリゾラノロール(metrizoranolol)、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、ソタロールナドロール、スルフィナロール、タリプロロール(taliprolol)、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、トマロロール(tomalolol)、トリメプラノール(trimepranol)、キサモテロール、キシベノロール、2-(3-(1,1-ジメチルエチル)-アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ)-3-ピリデンカルボニトリルHCl、1-ブチルアミノ-3-(2,5-ジクロロフェノキシ)-2-プロパノール、1-イソプロピルアミノ-3-(4-(2-シクロプロピルメトキシエチル)フェノキシ)-2-プロパノール、3-イソプロピルアミノ-1-(7-メチリンダン-4-イルオキシ)-2-ブタノール、2-(3-t-ブチルアミノ-2-ヒドロキシ-プロピルチオ)-4-(5-カルバモイル-2-チエニル)チアゾール、7-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチルアミンプロポキシ)フタリド、Acc 9369、AMO-140、BIB-16S、CP-331684、Fr-172516、ISV-208、L-653328、LM-2616、SB-226552、SR-58894A、SR-59230A、TZC-5665、UK-1745、YM-430等が挙げられるが、これらに限定されない。当業者には、β-アドレナリンアンタゴニストが薬学的に許容される塩および/または立体異性体の形で投与することができることは理解されると思われる。好適なβ-アドレナリンアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記載されている。
【0102】
いくつかの態様では、β-アドレナリンアンタゴニストはアテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、ネビボロール、プロプラノロールまたはチモロールである。他の態様では、アテノロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ビソプロロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約30ミリグラムの量でフマル酸ビソプロロールとして投与する; カルベジロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約3.125ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; メトプロロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約300ミリグラムの量で酒石酸メトプロロールまたはコハク酸メトプロロールとして投与する; ネビボロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約20ミリグラムの量で塩酸ネビボロールとして投与する; プロプラノロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約40ミリグラムから約240ミリグラムの量で塩酸プロプラノロールとして投与する; チモロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約30ミリグラムの量でマレイン酸チモロールとして投与する。他の態様では、β-アドレナリンアンタゴニストは、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、またはネビボロールである。
【0103】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)ビソプロロールの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0104】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)カルベジロールの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0105】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)メトプロロールの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0106】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)ネビボロールの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0107】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)アンギオテンシンIIアンタゴニストの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。好適なアンギオテンシンIIアンタゴニストは、アンギオテンシン、アビテサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、エリサルタン、エムブサルタン(embusartan)、エノールタソサルタン(enoltasosartan)、エプロサルタン、フォンサルタン(fonsartan)、フォラサルタン(forasartan)、グリシルロサルタン(glycyllosartan)、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、ミルファサルタン(milfasartan)、メドキソミル、リピサルタン、ポミサルタン、プラトサルタン、サプリサルタン、サララシン、サルメシン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、ゾラサルタン、3-(2'(テトラゾール-5-イル)-1,1'-ビフェン-4-イル)メチル-5,7-ジメチル-2-エチル-3H-イミダゾ(4,5-b)ピリジン、アンギオテンシンIIに対する抗体、

、ACS登録番号

の化合物等を含むが、これらに限定されるものではない。好適なアンギオテンシンIIアンタゴニストは、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版), McGraw-Hill, 1995;および、Merck Index、CD-ROM版、第13版;および、STN Express, file phar and file registryなどの文献により詳細に記載されている。
【0108】
1つの態様において、アンギオテンシンIIアンタゴニストは、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オムレサルタン(omlesartan)、テルミサルタン、またはバルサルタンである。別の態様において、カンデサルタンは、カンデサルタンシレキセチルとして、1日に約15mg〜約100mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;エプロサルタンは、エプロサルタンメシラートとして、1日に約400mg〜約1600mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;イルベサルタンは、1日に約75mg〜約1200mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;ロサルタンは、ロサルタンカリウムとして、1日に約25mg〜約100mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;オムレサルタンは、オムレサルタンメドキソミルとして、1日に約5mg〜約40mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;テルミサルタンは、1日に約20mg〜約80mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;バルサルタンは、1日に約80mg〜約320mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与される。別の態様において、アンギオテンシンIIアンタゴニストは、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、またはバルサルタンである。
【0109】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)カンデサルタンの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0110】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)イルベサルタンの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0111】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)ロサルタンの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0112】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)バルサルタンの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0113】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)アルドステロンアンタゴニストの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。好適なアルドステロンアンタゴニストは、カンレノン、カンレノ酸カリウム、ドロスピレノン、スピロノラクトン、エプレレノン(INSPRA(登録商標))、エポキシメクスレノン(epoxymexrenone)、ファドロゾール、プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸,9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ,γ-ラクトン,メチルエステル,(7α,11α,17β.)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸,9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-ジメチルエステル,(7α,11α,17β.)-;3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸,9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,γ-ラクトン,(6β,7β,11α,17β)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸,9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,7-(1-メチルエチル)エステル,一カリウム塩,(7α,11α,17β.)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸,9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,7-メチルエステル,一カリウム塩,(7α,11α,17β.)-;3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1,4,6-トリエン-21-カルボン酸,9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,γ-ラクトン,(6β,7β,11α)-;3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸,9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,メチルエステル,(6β,7β,11α,17β)-;3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸,9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,一カリウム塩,(6β,7β,11α,17β)-;3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1,4,6-トリエン-21-カルボン酸,9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,γ-ラクトン,(6β,7β,11α,17β)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸,9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,γ-ラクトン,エチルエステル,(7α,11α,17β)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸,9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-,γ-ラクトン,1-メチルエチルエステル,(7α,11α,17β)-;RU-28318などを含むが、これらに限定されるものではない。当業者には、アルドステロンアンタゴニストは、それらの薬学的に許容される塩および/または立体異性体の形で投与することができることは理解されると思われる。好適なアルドステロンアンタゴニストは、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics(第9版), McGraw-Hill, 1995;および、Merck Index、CD-ROM版、第13版;および、STN Express, file phar and file registryなどの文献により詳細に記載されている。
【0114】
一部の態様において、アルドステロンアンタゴニストは、エプレレノンまたはスピロノラクトン(アルドステロンアンタゴニストのように作用するカリウム保持性利尿薬)である。1つの態様において、エプレレノンは、1日に約25mg〜約300mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与され;スピロノラクトンは、1日に約25mg〜約150mgの量で単回投与量または複数回投与量として投与される。
【0115】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)スピロノラクトンの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0116】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)エプレレノンの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。
【0117】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);ならびに、(iii)1つまたは複数の利尿薬の有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。好適な利尿薬としては、チアジド(例えば、アルチアジド、ベンドロフルメチアジド、ベンズクロルトリアジド、ベンズヒドロクロロチアジド、ベンズチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド、シクロチアジド、エピチアジド、エチアジド、ヒドロベンズチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、メチルシクロチアジド、ペンフルタジド、ポリチアジド、テクロチアジド、トリクロルメチアジド、トリフルメタジド等など); アリルセム、アンブシド、アミロリド、アミノメトラジン、アゾセミド、ベメチジド、ブメタニド、ブタゾールアミド、ブチジド、カンレノン、カルペリチド、クロルアミノフェナミド、クロラザニル、クロルメロドリン、クロルタリドン、シクレタニド、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、コニバプタン、ダグルトリル、ジクロロフェナミド、ジスルファミド、エタクリン酸、エトクスゾラミド、エトゾロン、フェノールドパム、フェンキゾン、フロセミド、インダパミド、メブチジド、メフルシド、メラルライド、メラルライド、メルカプトメリンナトリウム、マーキュマリル酸、メルサリル、メタゾラミド、メチクラン、メトラゾン、モザバプタン、ムゾリミン、N-(5-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アセトアミド、ネシリチド、パマブロム、パラフルチジド、ピレタニド、プロテオブロミン、キネタゾン、スコパリウス、スピロノラクトン、テオブロミン、チクリナフェン、トルセミド、トルバプタン、トリアムテレン、トリパミド、ウラリチド、キシパミドまたはカリウム、AT 189000、AY 31906、BG 9928、BG 9791、C 2921、DTI 0017、JDL 961、KW 3902、MCC 134、SLV 306、SR 121463、WAY 140288、ZP 120等が挙げられるが、これらに限定されない。当業者には、利尿薬がそれらの薬学的に許容される塩および/または立体異性体の形で投与することができることは理解されると思われる。好適な利尿薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記載されている。
【0118】
使われる利尿薬に応じて、低カリウム性アルカローシスを回避しながら体液平衡を最適化するために、カリウムを患者に投与することもできる。カリウムの投与は塩化カリウムの形態であっても、または、例えば、バナナもしくはオレンジジュースなどのカリウム含量の高い食料の毎日の摂取によってもよい。これらの化合物の投与方法は米国特許第4,868,179号の中にさらに詳細に記載されており、その特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0119】
いくつかの態様では、利尿薬はアミロリド、フロセミド、クロルタリドン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジドまたはトリアムテレンである。他の態様では、アミロリドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約15ミリグラムの量で塩酸アミロライドとして投与する; フロセミドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約600ミリグラムの量で投与する; クロルタリドンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約15ミリグラムから約150ミリグラムの量で投与する; クロロチアジドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約500ミリグラムから約2グラムの量で投与する; ヒドロクロロチアジドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; ヒドロフルメチアジドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する;トリアムテレンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約35ミリグラムから約225ミリグラムの量で投与する。
【0120】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つ(例えば、二硝酸イソソルビド);および、(iii)強心配糖体の有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。これらの化合物は、個別にまたは組成物の形で投与することができる。1つの態様において、強心配糖体は、ジゴキシン、アセチルジゴキシン、デスラノシド、ジギトキシン、またはメジゴキシンである。別の態様において、ジゴキシンは、少なくとも約0.7ng/ml〜約2.0ng/mlの安定した状態の血清濃度を実現するように投与される。
【0121】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するための方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、およびトランドラプリラトからなる群より選択されるアンギオテンシン変換酵素阻害剤;ならびに(iv)カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、およびネビボロールからなる群より選択されるβ-アドレナリンアンタゴニストの有効量を患者へ投与する段階を含む、方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、およびトランドラプリラトからなる群より選択されるアンギオテンシン変換酵素阻害剤;ならびに(iv)エプレレノンおよびスピロノラクトンからなる群より選択されるアルドステロンアンタゴニストを投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、トランドラプリル、およびトランドラプリラトからなる群より選択されるアンギオテンシン変換酵素阻害剤;ならびに(iv)ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択されるアンギオテンシンIIアンタゴニストを投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、およびネビボロールからなる群より選択されるβ-アドレナリンアンタゴニスト;ならびに(iv)エプレレノンおよびスピロノラクトンからなる群より選択されるアルドステロンアンタゴニストを投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、およびネビボロールからなる群より選択される、β-アドレナリンアンタゴニスト;ならびに(iv)ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択される、アンギオテンシンIIアンタゴニストを投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択されるアンギオテンシンIIアンタゴニスト;(iv)カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、およびネビボロールからなる群より選択されるβ-アドレナリンアンタゴニスト;ならびに(v)エプレレノンおよびスピロノラクトンからなる群より選択されるアルドステロンアンタゴニストを投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)カプトプリル、エナラプリル、ラミプリル、リシノプリル、トランドラプリル、およびトランドラプリラトからなる群より選択されるアンギオテンシン変換酵素阻害剤;(iv)カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、およびネビボロールからなる群より選択されるβ-アドレナリンアンタゴニスト;ならびに(v)ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択されるアンギオテンシンIIアンタゴニストを投与する方法を提供する。別の態様において、本発明は、(i)ヒドララジン化合物(例えば、塩酸ヒドララジン);(ii)二硝酸イソソルビドおよび/または一硝酸イソソルビド(例えば、二硝酸イソソルビド);(iii)ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、およびバルサルタンからなる群より選択されるアンギオテンシンIIアンタゴニスト;ならびに、(iv)エプレレノンおよびスピロノラクトンからなる群より選択されるアルドステロンアンタゴニストを投与する方法を提供する。これらの態様において、ヒドララジン化合物、ならびに二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つは、個別にまたは組成物の形で投与することができ、ならびに、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニストの少なくとも1つ、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せの投与と共に、または同時に、引き続き、または前に、組成物の形で投与することができる。1つの態様において、これらの化合物は全て、単一の組成物の形で一緒に投与される。
【0122】
本発明は、それが必要な患者において、(a)心不全に関連した死亡率を低下させる;(b)酸素消費を改善する;(c)心不全を治療する;(d)高血圧を治療する;(e)心不全患者の生活の質を改善する;(f)左心室リモデリングを阻害する;(g)心不全に関連した入院を削減する;(h)運動耐容能を改善する;(j)左心室駆出率を増大させる;(k)B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;(l)腎血管性疾患を治療する;(m)末期腎疾患を治療する;(n)心肥大を軽減させる;(o)酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;(p)内皮機能不全を治療する;(q)内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する;(r)心血管疾患を治療するために、患者の内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を決定し、引き続き患者へ、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;ならびに(iii)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿薬化合物からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せを投与する方法を提供する。これらの態様において、これらの方法は、(i)患者から試料を得る段階;(ii)血液試料を、患者の内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)の少なくとも1つの多型について分析する段階;ならびに、(iii)患者へ、(a)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;(b)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;および、(c)任意に、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体および利尿薬化合物からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物、またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せを投与する段階;を含む。本発明の1つの態様において、患者から得られ、および患者の内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における多型の分析に使用される試料は、血液試料である。患者から試料(例えば、血液試料)を得るおよび患者における内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型について分析する方法は、本明細書に説明されたものを含むが、これらに限定されるものではなく、当業者に公知のあらゆる方法を含む。
【0123】
本発明の化合物および組成物は、望ましい通常無毒の薬学的に許容される担体、補助剤および賦形剤を含有する単位剤形製剤において、経口、口腔内、非経口、吸入噴霧によるか、または外用(経皮的を含む)を含むが、これらに限定されるものではない、任意の利用可能で有効な送達システムにより投与することができる。本化合物および組成物を投与する好ましい方法は、経口投与によるものである。
【0124】
インビボにおいて投与される場合、本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される担体と組合せて、本明細書に説明された用量で投与することができる。本発明の化合物および組成物は、心不全または他の疾患もしくは障害の治療に有効であることが公知である1つまたは複数の追加の化合物、例えば、抗高脂血症化合物、例えば、スタチン等、またはHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、ベルバスタチン、セリバスタチン(BAYCOL(登録商標))、ダルバスタチン、フルインドスタチン(Sandoz XU-62-320)、フルバスタチン、グレンバスタチン、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標))、メバスタチン、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTRO(登録商標))、シムバスタチン(ZOCOR(登録商標))、ベロスタチン(シンビノリンとしても公知)、VYTORIN(商標)(エゼチミブ/シムバスタチン)、GR-95030、SQ 33,600、BMY 22089、BMY 22,566、CI 980等;ゲンフィブロジル、コリスチラミン、コレスチポール、ナイアシン、ニコチン酸、胆汁酸金属イオン封鎖剤、例えば、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、ポリ(メチル-(3-トリメチルアミノプロピル)イミノ-トリメチレンジハライド)等;プロブコール;フィブリン酸物質またはフィブレート、例えば、ベザフィブラート(Bezalip(商標))、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート(Lipidil(商標)、Lipidil Micro(商標))、ゲンフィブロジル(Lopid(商標))、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シンフィブラート、テオフィブレート等;コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤、例えば、CGS 25159、CP-529414(トルセトラピド(torcetrapid))、JTT-705、置換N-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)ベンジル]-N-(3-フェノキシフェニル)-トリフルオロ-3-アミノ-2-プロパノール、N,N-二置換トリフルオロ-3-アミノ-2-プロパノール、PD 140195(4-フェニル-5-トリデシル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール)、SC-794、SC-795、SCH 58149等と組合せて投与することもできる。ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩、ならびに二硝酸イソソルビドおよび一硝酸イソソルビドの少なくとも1つは、抗高脂血症化合物の投与と同時に、引き続き、もしくは前に投与することができるか、またはこれらは組成物の形で投与することができる。
【0125】
経口投与用の固体剤形は、カプセル、錠剤、発泡性の錠剤、咀嚼錠、ピル、粉末、サシェ、顆粒およびゲルを含むことができる。このような固体剤形において、作用化合物を、少なくとも1つの不活性希釈剤、例えばショ糖、乳糖またはデンプンと混合することができる。このような剤形は、通常の実施において、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を含有することもできる。カプセル、錠剤、発泡性の錠剤およびピルの場合、これらの剤形は、緩衝剤を含有することもできる。軟ゼラチンカプセルは、本発明の作用化合物または組成物および植物油の混合物を含むように調製することができる。硬ゼラチンカプセルは、固体の粉体担体、例えば乳糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、ゼラチンのセルロース誘導体等と組合せた、作用化合物の顆粒を含有することができる。錠剤およびピルは、腸溶性コーティングにより調製することができる。本発明の化合物を含有する経口製剤は、米国特許第5,559,121号、第5,536,729号、第5,989,591号および第5,985,325号に開示されており、それら各々の開示はそれらの全体が本明細書に参照として組み入れられている。
【0126】
経口投与用の液体剤形は、当該技術分野において通常使用される水等の不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁剤、シロップ、およびエリキシルを含むことができる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤および甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤等の、補助剤も含むことができる。
【0127】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用の水性または油性懸濁液は、好適な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を使用して公知の技術により製剤化することができる。滅菌注射用調製物は、例えば、1,3-ブタンジオール溶液のような、非経口の許容される無毒性の希釈剤または溶媒の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用することができる許容される賦形剤および溶媒には、水、リンガー液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。滅菌固定油も、溶媒または懸濁媒体として通常使用される。本発明の化合物を含有する非経口製剤は、米国特許第5,530,006号、第5,516,770号および第5,626,588号に開示されており、それら各々の開示はそれらの全体が本明細書に参照として組み入れられている。
【0128】
当業者に公知の経皮的な化合物の投与は、化合物の経皮的通過を介して患者の全身の循環に注入する薬学的化合物の送達に関係する。局所投与も、経皮パッチまたはイオン導入装置等の経皮的投与の使用に関係することがある。他の成分を経皮パッチに組み入れることもできる。例えば、1つまたは複数の保存剤またはヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム等を含むがこれらに限定されない抗菌剤と共に、組成物および/または経皮パッチを製剤化することができる。本発明の化合物および組成物の局所投与用の剤形には、クリーム、ペースト、スプレー、ローション、ゲル、軟膏等を挙げることができる。このような剤形では、本発明の組成物を、例えば保存剤としての1%または2%(wt/wt)ベンジルアルコール、乳化ワックス、グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、乳酸、精製水およびソルビトール溶液と混合して、白色で、滑らかで、均一で、不透明なクリームまたはローションを形成することができる。また、本発明の組成物はポリエチレングリコール400を含有することができる。それらを、例えば保存剤としての2%(wt/wt)ベンジルアルコール、白色ワセリン、乳化ワックスおよびテノックス(tenox) II(ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、クエン酸、プロピレングリコール)と混合して軟膏を形成することができる。織パッドまたはロール状の包帯材、例えばガーゼに、溶液、ローション、クリーム、軟膏状の本発明の組成物を含浸させてもよく、または他のこのような形態を局所的な適用に使用してもよい。本発明の組成物は、樹脂性架橋剤を本発明の組成物と共に含浸させ、不浸透性の裏材に積層したアクリル系ポリマー接着剤の1つ等の経皮的システムを使用して、局所的に適用することもできる。
【0129】
本発明の組成物は、従来の賦形剤、すなわち本発明の作用化合物と有害に反応しない、非経口的な適用に好適な薬学的に許容される有機または無機担体物質をさらに含むことができる。薬学的に許容される好適な担体には、例えば水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、芳香油、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、ペトロエトラル(petroethral)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル-セルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。薬学的製剤は滅菌し、適宜、作用化合物と有害に反応しない補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色剤、矯味矯臭剤、および/または芳香性物質等と混合することができる。非経口的な適用のために特に好適な賦形剤は、油性もしくは水性溶液および懸濁液、エマルジョンまたは植え込み物等からなる。水性懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質を含有することができ、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む。任意で、懸濁剤は安定剤も含有することができる。
【0130】
本発明の実施において有用な溶媒は、薬学的に許容される水混和性、非水性溶媒を含む。本発明の状況において、これらの溶媒は、薬学的使用に一般的に許容でき、実質的に水混和性、および実質的に非水性である溶媒を含むように解釈されるべきである。本発明の実施において使用できる薬学的に許容される水混和性の非水性溶媒は、N-メチルピロリドン(NMP);プロピレングリコール;酢酸エチル;ジメチルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ベンジルアルコール;2-ピロリドン;安息香酸ベンジル;C2〜6アルカノール;2-エトキシエタノール;2-エトキシ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールジエチルエーテル、またはエチレングリコールジメチルエーテルなどの、アルキルエステル;(S)-(-)-乳酸エチル;アセトン;グリセロール;メチルエチルケトンまたはジメチルスルホンなどの、アルキルケトン;テトラヒドロフラン;カプロラクタムなどの環状アルキルアミド;デシルメチルスルホキシド;オレイン酸;N,N-ジエチル-m-トルアミドなどの、芳香族アミン;または、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0131】
薬学的に許容される水混和性、非水性溶媒は、N-メチルピロリドン(NMP)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアルコール、2-ピロリドン、または安息香酸ベンジルを含む。エタノールも、その安定性に対する負の影響にもかかわらず、本発明の薬学的に許容される水混和性、非水性溶媒として使用することができる。従って、トリアセチンも、薬学的に許容される水混和性、非水性溶媒として使用することができ、加えてある状況においては可溶化剤として機能する。NMPは、PHARMASOLVE(登録商標)としてInternational Specialty Products(Wayne, N.J.)から入手することができる。ベンジルアルコールは、J. T. Baker, Inc.から入手することができる。エタノールは、Spectrum, Inc.から入手することができる。トリアセチンは、Mallinckrodt, Inc.から入手することができる。
【0132】
本発明の組成物はさらに、可溶化剤を含有することができる。可溶化は、溶液の形成を可能にする現象である。これは、両親媒性物質、すなわちその分散媒質中に通常不溶性または極わずかに溶解する物質の溶解度を増加する能力を有する、溶液中で極性および無極性の両方の二重特性を有する分子の存在に関連している。可溶化剤は、界面活性剤特性を有することが多い。この機能は、溶媒として作用するよりもむしろ、溶液中の溶質の溶解度を増大することができるが、例外的状況において、単独の化合物は、可溶化特性および溶媒的特性の両方を有することがある。本発明の実施において有用な可溶化剤は、トリアセチン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 300、PEG 400、またはそれらの3350との配合物等)、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80等)、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407等)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシル2セチルエーテル、ポリオキシル10セチルエーテル、およびポリオキシル20セチルエーテル、ポリオキシル4ラウリルエーテル、ポリオキシル23ラウリルエーテル、ポリオキシル2オレイルエーテル、ポリオキシル10オレイルエーテル、ポリオキシル20オレイルエーテル、ポリオキシル2ステアリルエーテル、ポリオキシル10ステアリルエーテル、ポリオキシル20ステアリルエーテル、ポリオキシル100ステアリルエーテル等)、ポリオキシルステアレート(例えば、ステアリン酸ポリオキシル30、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル50、ステアリン酸ポリオキシル100等)、ポリエトキシル化されたステアリン酸(例えば、ポリエトキシル化された12-ヒドロキシステアリン酸等)、およびトリブチリンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0133】
本発明の組成物に添加することができる他の材料は、シクロデキストリン、ならびにシクロデキストリン類似体および誘導体、ならびに本発明の組成物の安定性を増強するか、生成物を溶液中に維持するか、または本発明の組成物の投与に関連した副作用を防止することができるその他の可溶性賦形剤を含む。シクロデキストリンは、Janssen PharmaceuticalsからENCAPSIN(登録商標)として入手することができる。
【0134】
本発明の組成物は、適宜少量の湿潤剤、乳化剤、および/またはpH緩衝剤も含有することができる。本発明の組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、カプセル、徐放性製剤、または粉末であってもよい。本発明の組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリド等の担体を含有する坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、薬学用グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等の標準的な担体を含むことができる。
【0135】
例えば、リポソームへの封入、マイクロバブル、エマルジョン、微粒子、マイクロカプセル、ナノ粒子、等を含む、種々の送達系が公知であり、本発明の化合物または組成物を投与するために使用することができる。単回投与単位または徐放性剤形として必要な用量を投与することができる。
【0136】
本発明の組成物の生物学的利用能は、好適な賦形剤またはリン脂質もしくは界面活性剤等の物質の存在下において粉砕、製粉、噴霧乾燥等の従来の技法を使用して製剤を微粒化することによって増大させることができる。
【0137】
本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される塩の形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、例えばアルカリ金属塩および遊離酸、または遊離塩基の添加塩が挙げられる。薬学的に許容されるという条件付きで、塩の性質は重大ではない。薬学的に許容される好適な酸添加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。このような無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸(亜硝酸塩)、硝酸(硝酸塩)、炭酸、硫酸、リン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニック(embonic)酸(パモン(pamoic)酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸等の脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸類の有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される好適な塩基添加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される金属塩、または一級、二級、および三級アミン、環状アミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、およびプロカイン等から作製される有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらの塩全ては、例えば好適な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによって対応する化合物から従来の手段によって調製することができる。
【0138】
個々の必要量は変わる場合があるが、本発明の化合物および/または組成物の有効量の最適範囲の設定は当技術分野の範囲内であり、ならびにGoodman and Gilman, 上記を参照; The Physician's Desk Reference, Medical Economics Company, Inc., Oradell, NJ., 1995; および Drug Facts and Comparisons, Inc., St. Louis, MO, 1993への参照を含む標準的な臨床技術により決定されうる。一般に、当業者が調節することができる、本発明の化合物および組成物の有効量を提供するために必要な用量は、レシピエントの年齢、健康状態、身体状態、性別、食餌、体重、機能不全の程度、治療頻度、ならびに患者の機能不全または疾病、医学的な状態の性質および範囲、投与経路、使用する特定の化合物の活性、効果、薬学動態的および毒性プロファイル、薬物送達システムを使用するかどうか、および本発明の化合物を薬物併用の一部として投与するかどうかにより変わる。
実施例
下記実施例は、添付された特許請求の範囲の精神または範囲を例証することのみを目的とし、限定することを意図しない。
【0139】
実施例1:試験対象集団
アフリカ系アメリカ人心不全試験(A-HeFT)に登録した患者1050名(Taylor et al, New. Engl. J. Med., 351: 2049-2057 (2004);その開示は全体が本明細書に参照として組み入れられている)の中で、NYHAクラスIIIおよびIVの心不全患者358名が、心不全における遺伝子リスク評価(GRAHF)遺伝的サブ試験(sub-study)に登録した。A-HeFTの組み入れ基準は、アフリカ系アメリカ人としての自己診断、収縮期機能不全により引き起こされた心不全、アンギオテンシン変換酵素阻害剤またはアンギオテンシン受容体アンタゴニスト、およびβ遮断薬を含む神経ホルモン遮断による心不全の標準バックグラウンド療法を含んだ(Taylor et al, New. Engl. J. Med., 351: 2049-2057 (2004);その開示は全体が本明細書に参照として組み入れられている)。対象は、標準療法に加え、二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンまたはプラセボのいずれかに無作為化した。鬱血性心不全に関連した死亡率の低下に対する二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンの影響は、米国特許第6,465,463号、米国特許第6,784,177号;および、米国特許出願公開第2006/0014828 A1号、米国特許出願公開第2006/0014829 A1号およびBiDil添付文書、最終草案6月23日(2005);BiDil NDA 20-727, FDA諮問委員会の概要説明文書, 6月16日(2005)において説明され、それらの開示は全体が本明細書に参照として組み入れられている。ピッツバーグ大学の心不全診療所を基にした単一施設試験(McNamara et al., Circulation, 107: 1598-1602, (2003);その開示は全体が本明細書に参照として組み入れられている)での、GRACE(Genetic Risk Assessment of Cardiac Events)からの白人心臓コホートを、人種別の対立遺伝子頻度の比較のために使用した。
【0140】
対象は、A-HeFTの6ヶ月来院時にGRAHFに登録した。インフォームドコンセント(Consent)を得、白血球遠心分離および細胞溶解(PureGene, Gentra Systems, Minn)により、末梢血からDNAを単離した。
【0141】
実施例2:NOS3 Asp298Glu多型の分析
NOS3 Asp298Glu多型について、プライマー

および

を使用し、894位(コドン298)にG/T多型を含むエキソン7由来の248塩基対DNA断片を増幅した。ポリメラーゼ連鎖反応は、35サイクル試行した:94℃で1分間、58℃で1分間、および72℃で1分間。生成物(20μl)を、G(Glu298)では切断するがTアレル(Asp298)では切断しないBanII 3単位により、37℃で4時間以上消化し、その後遺伝子タイピングのためにゲル電気泳動に供した。NOS-3 Gアレルは、163および85塩基対の2つの断片を生じ、NOS-3 Tアレルは、単独の248塩基対断片を生じた。
【0142】
実施例3:NOS3-786 T/Cプロモーター多型の分析
NOS3-786 T/Cプロモーター多型は、TaqMan一塩基多型(SNP)ジェノタイピングアッセイを用い、タグ付けしたプライマー(Applied Biosystems, レポーター1配列=CCCTGGCT(タグ付き色素VIC)GGCTGA;レポーター2=CCCTGGCC(タグ付き色素FAM)GGCTGA)により、評価し、生成物は、Applied Biosystems 7000(Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いて測定した。
【0143】
実施例4:NOS3イントロン4多型の分析
NOS3イントロン4多型(27bp反復配列)について、プライマー

および

を使用し、27bp反復配列を含むイントロン4由来のDNA断片を増幅した。ポリメラーゼ連鎖反応は、35サイクル試行した:94℃で1分間、51℃で1分間、および72℃で1分間。これらのプライマーで、野生型アレル(アレルB)は、420bp断片(27塩基対反復配列の5コピー)を生じるが、より頻度の低いアレル(アレルA、4コピー)は、393bpバンドを生じた。6反復配列および2反復配列を含む稀なアレルも、明らかであった。生成物は、1.5%アガロースにおけるゲル電気泳動により分解した。
【0144】
実施例5:転帰解析
対象を、死の評価項目まで最大18ヶ月間経過観察した。生活の質の評価は、Minnesota Living with Heart Failure Questionnaireにより、ベースライン時および6ヶ月後来院時に行った。左心室機能は、経胸壁心エコー図により、ベースライン時および6ヶ月後来院時に評価した。A-HeFTの主要評価項目は、以下の3つの要素を伴う重み付け複合スコアであった:6ヶ月後での死亡率、心不全のための入院および生活の質の変化(Franciosa et al., J. Card Failure, 8(3): 128-135 (2002);この開示は全体が本明細書に参照として組み入れられている)。左心室リモデリングは、A-HeFT対象のサブセットにおいて、ベースライン時および6ヶ月後に経胸壁心エコー図により調査した。事象のない生存(すなわち、心不全のための死亡または初回入院)は、カプラン-マイヤーのログランク検定により、遺伝子型クラス別に分類した。複合スコアなどの連続変数を、ANOVAにより遺伝子型クラス別に比較した。NOS 遺伝子型および療法の影響の相互作用に関して、遺伝子型により解析された転帰は、最初に全般的に、その後二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンの固定された組合せ、対、プラセボの治療サブセット別に個別に比較した。
【0145】
実施例6:試験対象集団の背景
表1は、A-HeFTに登録した試験集団と比較したGRAHFに登録した試験集団の背景特徴を示す。
【0146】
(表1)A-HeFTのGRAHFサブセットの特徴

【0147】
GRAHF集団は、59%が男性であり、26%が虚血性であり、97%がNYHAクラスIIIであり、平均年齢は57歳であった。経過観察の過程を通じて、60例(17%)が心不全で入院し、12例が死亡した(3.4%)。
【0148】
実施例7:NOS3 Asp298Glu多型
NOS3 Asp298Glu多型に関して、273名の対象(78%)が、GG(Glu298Glu)であり、78名(22%)が、Asp変種(77名がヘテロ接合体および1名がAsp298Aspホモ接合体)の少なくとも1個のコピーを有した。ベースライン時の病因、医学療法、血圧、および機能クラスの比較は、Asp変種を伴うまたは伴わない対象間で有意差がなかった(表2)。このアレル頻度は、人種別で顕著に異なり、Gアレル(Glu298)は、A-HeFTの黒人コホートにおいて、GRACEの白色コホートと比べ、はるかに明らかであった(図1、p<0.001)。
【0149】
(表2)対象の人口学的特徴およびベースライン特徴に関するNOS3 Asp298Glu多型

NS=有意性なし
【0150】
実施例8:NOS3-786 T/C多型
NOS3-786プロモーター多型について、257名の対象(72%)はTTであり、91名(26%)は、Cアレル(ヘテロ接合体)の少なくとも1個のコピーを有し、2%はNOS3-786CCホモ接合体であった。ベースライン表現型の比較は、Tアレルの、より高い拡張期血圧およびより低い適格左心室駆出率(qualifying LVEF)との関連を明らかにしている(p=0.02)。プロモーター(-786 C/T)およびエキソン7(Asp298Glu)多型は、有意な連鎖不平衡であった(p<0.001)。アレル頻度は、人種別で顕著に異なり、Tアレルは、A-HeFTの黒人コホートにおいて、GRACEの白色コホートと比べ、はるかに明らかであった(図2、p<0.001)。
【0151】
実施例9:イントロン4
イントロン4の27塩基対の反復数の変化は、先に報告された4つのアレルにより、より多型性であった。Bアレル(5反復配列)が最も一般的であり、次はAアレル(4反復配列)であった。6反復配列アレル(アレルC)、および単独の2反復配列アレルも認められた。解析を簡略化するために、これらのアレルは、Aアレルのサイズを基に単純化し、単独の2反復配列アレルは「小型」として一緒にし(アレルA*)、および5Bアレルおよび6反復配列アレルも、「大型」アレルとして一緒にした(アレルB*)。イントロン4プロモーターについて、対象の171名(48%)は、B*B*であり、160名(46%)はB*A*ヘテロ接合体であり、21名(6%)はA*A*ホモ接合体であった(図3)。イントロン4多型は、エキソン7(p=0.04)多型と、連鎖不平衡であった(表3)。ベースライン表現型の比較は、B*アレルの、より高い拡張期BPおよびより低い適格LVEFとの連環(p=0.04)、およびコアラボ(core lab)によるベースラインLVEFとの連環(p=0.02)を明らかにしている(表4)。
【0152】
(表3)NOS3多型:連鎖不平衡

【0153】
(表4)NOS3多型の血圧に対する作用

NS=有意性なし
【0154】
実施例10:NOS3遺伝子型ならびに複合スコアの転帰ならびに二硝酸イソソルビドおよびヒドララジン
GRAHF亜集団において、固定された組合せでの二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンによる治療は、改善された複合スコアに向かう傾向に関連していた(プラセボ=-0.11±1.8、二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジン=0.24±1.6、p=0.057)。NOS3 Asp298Glu遺伝子型サブセットにおいて、二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンは、Glu-Gluホモ接合体間で複合スコアを改善した(プラセボ=-0.21±1.7、二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジン=0.19±1.76、p=0.049)が、Asp298アレルを伴う対象間では影響はなかった(プラセボ0.29±1.9;二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジン0.41±1.6)(図4)。Minnesota Living with Heart Failure Questionnaireにおける変化の複合スコア要素も、Glu298Glu対象における顕著な改善を示唆したが、Asp変種を伴う対象間では示さなかった(QOL要素、Glu-Gluサブセット:プラセボ-0.08±1.5;二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジン0.43±1.4、p=0.031;Asp298アレル:プラセボ0.59±1.7;二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジン0.65±1.5、p=861、図5)。-786プロモーター多型もイントロン4多型もいずれも、二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンの複合スコアに対する作用を明らかにしなかった。
【0155】
実施例11:NOS3遺伝子型および左心室リモデリング
適格LVEFおよびコアラボの両方によるベースライン駆出率は、NOS遺伝子型により有意に影響されることは明らかであった。ベースライン(コアラボ)でのLVEFは、-786Tアレルを伴う対象において有意に低かった(ベースライン-コアLVEF-遺伝子型サブセットについて%:TT/TC/CC= 34/36/42、p=0.01、表5)。イントロン4多型について、B*アレルは、より低いベースラインLVEFに連関していた(p=0.01、表5)。全般的AHeFT試験において、二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンの併用治療は、6ヶ月時点でのLVEFの増加に連環し、この作用は、より小さいGRAHFサブセットにおいて明らかであったが、有意性に到達することはできなかった(p=0.15)。NOS遺伝子型サブセット別に解析した場合、LVEFに対する治療の影響の傾向は、Glu298Gluサブセットにおいて(p=0.08)、-786TTサブセットにおいて(p=0.10)最大であることが明らかであった。
【0156】
(表5)NOS3遺伝子型および左心室駆出率

【0157】
本明細書において引用または記載した各特許、特許出願および刊行物の開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0158】
本発明を詳細に記載してきたが、当業者であれば、数多くの変更および改良を本発明に加えられること、ならびにそのような変更および改良は本発明の精神および範囲から逸脱することなく加えられることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】人種別のNOS3エキソン7(Asp298Glu)遺伝子型を示す。
【図2】人種別のNOS3プロモーター(-786T/C)遺伝子型を示す。
【図3】人種別のNOS3イントロン遺伝子型を示す。
【図4】固定用量の二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンの、NOS3エキソン7(Asp298Glu)遺伝子型を基にした複合スコアに対する影響を示す。
【図5】固定用量の二硝酸イソソルビドおよび塩酸ヒドララジンの、NOS3エキソン7(Asp298Glu)遺伝子型を基にした複合スコアの生活の質の要素に対する影響を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それが必要な患者において、心不全に関連した死亡率を低下させる;酸素消費を改善する;心不全を治療する;高血圧を治療する;心不全患者の生活の質を改善する;左心室リモデリングを阻害する;心不全に関連した入院を削減する;運動耐容能を改善する;左心室駆出率を増大させる;B-型ナトリウム利尿タンパク質レベルを減少させる;腎血管性疾患を治療する;末期腎疾患を治療する;心肥大を軽減させる;酸化的ストレスから生じる疾患を治療する;内皮機能不全を治療する;内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療するか;または、心血管疾患を治療する方法であり、ここで患者は、内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型を有し、(i)抗酸化化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも1つ;および、(ii)酸化窒素増強化合物の少なくとも1つ;を患者へ投与する段階を含む、方法。
【請求項2】
内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3)遺伝子における少なくとも1つの多型が、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型、内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型、または内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子の27塩基対の縦列反復イントロン4多型である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のエキソン7におけるAsp298Glu多型が、Glu298Glu変種である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子のプロモーター領域におけるT-786C多型が、T-786C変種またはT-786T変種である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
内皮型一酸化窒素合成酵素遺伝子におけるイントロン4多型が、イントロン4a/4b変種またはイントロン4b/4b変種である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの酸化窒素増強化合物が、二硝酸イソソルビドまたは一硝酸イソソルビドである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
抗酸化薬が、ヒドララジン化合物またはそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ヒドララジン化合物が、塩酸ヒドララジンである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
塩酸ヒドララジンおよび二硝酸イソソルビドの有効量を投与する段階を含み;ここで、塩酸ヒドララジンおよび二硝酸イソソルビドが、個別にまたは同じ組成物の成分として投与される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
患者へ、塩酸ヒドララジンを約30mg〜約400mgの量で、および二硝酸イソソルビドを約10mg〜約200mgの量で経口投与する段階を含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
(i)塩酸ヒドララジン37.5mgおよび二硝酸イソソルビド20mg、または(ii)塩酸ヒドララジン75mgおよび二硝酸イソソルビド40mgを投与する段階を含み;ここで、塩酸ヒドララジンおよび二硝酸イソソルビドは、個別にまたは同じ組成物の成分として投与される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
塩酸ヒドララジンを約225mg/日の量で、および二硝酸イソソルビドを約120mg/日の量で投与する段階を含む、請求項9記載の方法。
【請求項13】
塩酸ヒドララジンおよび二硝酸イソソルビドが、徐放性型で投与される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
塩酸ヒドララジンを約112.5mgの量で1日に1回または2回、および二硝酸イソソルビドを約60mgの量で1日に1回または2回投与する段階を含む、請求項9記載の方法。
【請求項15】
塩酸ヒドララジンおよび二硝酸イソソルビドが、徐放性型で投与される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
塩酸ヒドララジンを約75mgの量で1日に1回、2回、または3回、および二硝酸イソソルビドを約40mgの量で1日に1回、2回、または3回投与する段階を含む、請求項9記載の方法。
【請求項17】
塩酸ヒドララジンを約37.5mgの量で1日に1回、2回、または3回、および二硝酸イソソルビドを約20mgの量で1日に1回、2回、または3回投与する段階を含む、請求項9記載の方法。
【請求項18】
アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アルドステロンアンタゴニスト、強心配糖体、利尿化合物またはそれらの2つもしくはそれ以上の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を投与する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、メトプロロール、ネビボロール、またはスピロノラクトンを投与する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
患者が、ニューヨーク心臓協会の心不全機能分類I、II、III、またはIVに分類される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
患者が黒人患者である、請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−535858(P2008−535858A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505611(P2008−505611)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/013185
【国際公開番号】WO2006/110601
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(505000044)ニトロメッド インコーポレーティッド (14)
【出願人】(507333775)ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイアー エデュケーション (1)
【Fターム(参考)】