説明

患者が選択可能な膝関節の関節形成術デバイス

膝関節内の関節面を修復する方法およびデバイスを本明細書で開示する。関節面修復は、患者ごとに注文製作可能または高度に選択可能であり、最適な嵌合および機能を実現することに向けて適合される。また、注文に応じた修復を行うのを可能にするキットも提供する。本発明は、膝関節の一部を、周囲構造体および組織との解剖学的または近似解剖学的嵌合を達成する1つ以上のインプラントと置換する新規なデバイスおよび方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、整形外科用方法、システム、デバイスに関するものであり、更に詳しくは、膝関節用方法、システム、デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
様々な種類の軟骨、例えば、硝子軟骨と繊維軟骨がある。硝子軟骨は、骨の関節面にて、例えば、関節内で見られ、可動関節の特性を示す円滑な滑走運動を司る。関節軟骨は、下層の骨にしっかりと取り付けられ、ヒトの関節においては一般的に5mm未満であり、関節および関節内の部位によってかなりの変動がある。
【0003】
成人の軟骨は修復能力に限界があり、したがって、リウマチ様および変形性関節症もしくはリウマチ様または変形性関節症などの病気または外傷によって引き起こされた軟骨の損傷は、重大な肉体的奇形および衰弱に至る可能性がある。さらに、ヒトの関節軟骨が経年変化するにつれて、引張特性が変化する。膝関節軟骨の表層には、人生のうち30年代まで引張強度の増加があり、その後は、タイプIIコラーゲンの検出可能な損傷が関節面に発生するために、引張強度は年とともに顕著に減少する。深層部の軟骨にも、加齢と共に引張強度の漸進的な減少があるが、コラーゲン含有量は、外観的には減少しないように見える。これらの観察結果から、高齢化と共に軟骨の機械的、したがって、構造的な組織の変化があり、これらの変化は、十分に発達すれば、軟骨に外傷的損傷が発生しやすい可能性があることがわかっている。
【0004】
損傷が起こると、関節修復への対応は、多くの研究方法を介したものとなる可能性がある。1つの研究方法は、細胞(例えば、軟骨細胞、軟骨細胞前駆細胞、間質細胞、間葉幹細胞など)と共に移植されるマトリクス、組織足場、または他の担体の使用を含む。これらの解決策は、軟骨および半月の修復および関節置換に向けた潜在的な治療として説明されている。国際公開である1999年10月14日に公開されたFofonoffの特許文献1、2001年12月6日に公開されたSimon他の特許文献2、2001年3月15日に公開されたMannsmannの特許文献3、2001年9月4日に付与されたVibe−Hansen他の特許文献4、1998年12月1日に付与されたNauphtonの特許文献5、1998年6月23日に付与されたSchwartz他の特許文献6、1986年9月2日に付与されたCaplan他の特許文献7、1991年8月29日に付与されたVacanti他の特許文献8、1993年3月30日に付与されたCaplan他の特許文献9、1993年7月13日に付与されたCaplan他の特許文献10、2001年12月11日に付与されたHardwick他の特許文献11、2001年8月28日に付与されたRueger他の特許文献12、1989年7月11日に付与されたGrandeの特許文献13も参照されたい。しかしながら、同種移植片系および自家移植片系および組織足場などの生体置換材料による臨床転帰は、これらの材料の大部分では置換対象であることを意図する疾患のない正常なヒト組織と類似のまたは全く同じ形態学的配置または構造が達成されないことからこれまで不確実なものとなっている。更に、これらの生体置換材料の機械的耐久性は、不確実なものであることには変りはない。
【0005】
通常、軟骨の深刻な損傷または損失は、プロテーゼデバイス、例えば、シリコーン(例えば、整容的修復用)または金属合金による関節の置換によって処置される。例えば、2002年5月7日に付与されたSchmotzerの特許文献14、2001年3月20日に付与されたAfriat他の特許文献15、2000年10月3日に付与されたAteshian他の特許文献16を参照されたい。これらのプロテーゼデバイスの移植は、通常、元の軟骨によって可能となる完全な機能の回復がない下層の組織および骨の損失に関連したものであり、一部のデバイスについて、著しい量の組織および骨の損失に関連した深刻な長期的な厄介な問題としては、感染、骨融解、また、移植部の緩みなどを挙げることができる。
【0006】
更に、関節形成術は、侵入性が高く、関節形成術には、1つ以上の骨の関節面全体、または関節面の大部分の外科的切除が必要である。これらの処置については、骨髄腔は、プロテーゼのステムを装着するためにリーマ仕上げされる。リーマ仕上げすると、結果的に、患者の骨ストックの損失が発生する。1997年1月14日に付与されたScott他の特許文献17では、楕円ドーム形膝蓋骨用プロテーゼが開示されている。このプロテーゼは、関節摺動面として2つの顆を含む大腿骨構成要素を有する。2つの顆は、接合して第2の滑車溝を形成し、大腿骨構成要素に対して関節でつなぐ脛骨構成要素上に乗る。滑車溝と係合するために膝蓋骨構成要素が設置される。2000年7月18日に付与されたLetot他の特許文献18では、脛骨構成要素と、非対称形の係合を介して脛骨構成要素と係合されるようになっている半月板構成要素とを含む膝用プロテーゼが開示されている。
【0007】
関節をプロテーゼデバイスと置換する際に様々な材料を使用することができ、例えば、整容的修復用の、シリコーンなど、または、適切な金属合金が妥当である。例えば、2002年9月3日に付与されたRunningの特許文献19、2002年5月14日に付与されたMiehlke他の特許文献20、2002年5月7日に付与されたSchmotzerの特許文献14、2002年2月5日に付与されたKrakovits他の特許文献21、2001年3月20日に付与されたAfriat他の特許文献15、2000年10月3日に付与されたAteshianの特許文献16、2000年1月11日に付与されたKaufman他の特許文献22を参照されたい。これらプロテーゼデバイスの移植は通常、元の軟骨によって可能となる完全な機能回復がない下層の組織および骨の損失に関連したものであり、一部のデバイスについては、著しい量の組織および骨の損失に伴う深刻な長期的な合併症によって、移植部の緩みが引き起こされる可能性がある。このような複雑な問題の1つとして、骨融解がある。プロテーゼが関節から緩んでしまうと、原因に関係なく、プロテーゼは、置換が必要となる。患者の骨ストックは限りがあることから、可能な関節置換手術の回数も、関節形成については限りがある。
【0008】
理解できるように、関節形成術は、侵入性が高く、関節形成術には、修復に関与する1つ以上の骨の関節面全体、または関節面の大部分の外科的切除が必要である。一般的に、これらの処置については、骨髄腔は、プロテーゼのステムを骨の内側に装着するためにかなり広範囲にわたってリーマ仕上げされる。リーマ仕上げすると、結果的に、患者の骨ストックの損失が発生し、経時的に、その後の骨融解は、プロテーゼの緩みに至ることが多い。更に、移植部と骨が合わさる区域は、経時的に劣化して、プロテーゼは、最終的には交換が必要となる。患者の骨ストックは限りがあることから、可能な関節置換手術の回数も、関節形成については限りがある。つまり、15年から20年、また、場合によっては更に短い期間のうちに、患者は、治療法の選択肢がなくなる可能性があり、最終的には関節が痛み、機能しなくなってしまうことになる。
【0009】
2001年3月27日に付与されたFell他の特許文献23および2003年5月6日に付与されたFell他の特許文献24では、骨切除が不要な外科移植可能な膝用プロテーゼが開示されている。このプロテーゼは、1つ以上の直線縁部を有して、形状がほぼ楕円であると説明されている。したがって、これらのデバイスは、生体および下層の骨、もしくは生体または下層の骨における残りの軟骨の実際の形状(輪郭)に実質的に合致するように設計されてはいない。したがって、移植部の一体化は、患者の取り囲む軟骨および下層の骨、もしくは取り囲む軟骨または下層の骨とプロテーゼとの間の厚みおよび曲率の差により極めて困難となる可能性がある。2003年4月29日に付与されたAicher他の特許文献25では、単顆状膝関節プロテーゼが説明されている。
【0010】
脛骨と大腿骨の両方に取り付けられるわけではない介入膝デバイスがこれまで説明されている。例えば、非特許文献1、では、脛骨に剛性に取り付けられなかった凸状下面を用いた関節半置換術が説明されている。骨に装着されるデバイスもこれまで説明されている。2通りの装着デザインが一般的に用いられる。マッキーバデザインは、上面斜視図から見て「t」字形状のクロス・バー部材であり、このクロス・バー部材は、「t」字部分が骨表面を貫通するようにデバイスの骨合わせ面から延在し、一方、「t」が延在する起点である周囲面は、骨表面と当接する。マッキーバ著「脛骨プラトー・プロテーゼ」第7章、86ページを参照されたい。代替装着デザインは、マッキントッシュデザインであり、マッキントッシュデザインでは、「t」字形状のフィンの代わりに一連の複数の平らな鋸歯状、つまり歯が使用される。非特許文献2を参照されたい。
【0011】
1985年3月5日に付与されたWallの特許文献26では、ステンレス鋼製またはナイロン製ストランドの補強材を伴うシリコーンゴムまたはテフロン(登録商標)などの材料で構成されたプロテーゼデバイスの半月が説明されている。1978年3月25日に付与されたGoodfellow他の特許文献27では、プラスチックで作られた半月構成要素が説明されている。半月障害部の再建も炭素繊維−ポリウレタン−ポリ(L−ラクチド)でこれまで試行されている(非特許文献3)。また、半月障害部の再建は、生体吸収性材料および組織足場材で可能である。
【0012】
しかしながら、現在市販されているデバイスでは、必ずしも、関節面との理想的な整合および結果的に生じる関節の一致が得られるわけではない。整合不良および関節一致不良が発生すると、例えば、関節が不安定になる可能性がある。更に、これらの解決策では、いずれも、膝手術を受ける患者のほぼ80%は、外側が健康であり、内側顆と膝蓋骨を修復することが必要であるにすぎないことが考慮されていない。更に、外側顆の損傷があるのは、10%にすぎない。したがって、患者の90%は、顆表面全体の修復が不要なのである。
【特許文献1】国際公開第99/51719号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/91672号パンフレット
【特許文献3】国際公開第01/17463号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,283,980号明細書
【特許文献5】米国特許第5,842,477号明細書
【特許文献6】米国特許第5,769,899号明細書
【特許文献7】米国特許第4,609,551号明細書
【特許文献8】米国特許第5,041,138号明細書
【特許文献9】米国特許第5,197,985号明細書
【特許文献10】米国特許第5,226,914号明細書
【特許文献11】米国特許第6,328,765号明細書
【特許文献12】米国特許第6,281,195号明細書
【特許文献13】米国特許第4,846,835号明細書
【特許文献14】米国特許第6,383,228号明細書
【特許文献15】米国特許第6,203,576号明細書
【特許文献16】米国特許第6,126,690号明細書
【特許文献17】米国特許第5,593,450号明細書
【特許文献18】米国特許第6,090,144号明細書
【特許文献19】米国特許第6,443,991号明細書
【特許文献20】米国特許第6,387,131号明細書
【特許文献21】米国特許第6,344,059号明細書
【特許文献22】米国特許第6,013,103号明細書
【特許文献23】米国特許第6,206,927号明細書
【特許文献24】米国特許第6,558,421号明細書
【特許文献25】米国特許第6,554,866号明細書
【特許文献26】米国特許第4,502,161号明細書
【特許文献27】米国特許第4,085,466号明細書
【非特許文献1】Platt他、(1969)、「Mould Arthroplasty of the Knee」、Journal of Bone and Joint Surgery 51B(1):76ページ〜87ページ
【非特許文献2】Potter著、「Arthroplasty of the Knee with Tibial Metallic Implants of the McKeever and Maclntosh Design」、Surg.Clins.of North Am.49(4):903ページ〜915ページ(1969年)
【非特許文献3】Leeslag他、Biological and Biomechanical Performance of Biomaterials(Christel他編)Elsevier Science Publishers B.V.、Amsterdam、1986年、347ページ〜352ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、修復対象である実際の損傷が考慮される、軟骨置換システムと周囲軟骨との一体化を助長する方法および構成を含む、関節修復の構成の必要性があることに変りはない。更に、患者の生来の膝関節解剖学的形状により酷似する種々の表面を実現することによって、関節矯正処置の解剖学的結果を向上させるインプラントまたはインプラントシステムの必要性がある。更に、機能的関節の向上を実現するインプラントまたはインプラントシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要約)
本発明は、膝関節(例えば、軟骨、関節半月および骨、もしくは軟骨、関節半月または骨)の一部(例えば、病変区域および病変区域より若干広い区域、もしくは病変区域または病変区域より若干広い区域)を、周囲構造体および組織との解剖学的または近似解剖学的嵌合を達成する1つ以上のインプラントと置換する新規なデバイスおよび方法を提供する。デバイスおよび方法、もしくはデバイスまたは方法が下層の関節骨に関連した要素を含む場合、本発明は、その骨関連要素は、軟骨下骨との近似解剖学的整合を達成することができることを規定するものである。また、本発明は、単一の切断部またはいくつかの相対的に小さな切断部を伴う移植部位の準備に対応する。また、非対称形の構成要素を設置して、生来の膝関節解剖学的形状に酷似する解決策を提供することによって修復関節の解剖学的機能性を向上させることができる。解剖学的結果が向上するので、修復関節の機能的結果が向上する。また、本発明は、最適な関節矯正の達成に使用される1つ以上のインプラントを含むキットを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
当業者が本発明を作り、かつ使用することを可能にするために以下の説明を提示する。説明する種々の実施形態に対する様々な改変は、当業者に容易に明らかになると考えられ、また、本明細書において定義する一般原理は、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用することができる。したがって、本発明は、示す種々の実施形態に限定されることを意図したものではなく、本明細書で開示する種々の原理および特徴に矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。開示する本発明を完全に理解するのに必要な範囲で、本出願で引用される全ての付与された特許、特許公開、特許出願の明細書および図面は、引用により本明細書に組み入れられる。
【0016】
当業者によって認識されるように、本明細書で列挙する種々の方法は、事象の列挙する順番と同様に、論理的に可能である列挙する事象の任意の順番で実行することができる。更に、値の範囲が提示される場合、了解事項として、その範囲の上限と下限の間の、全ての介在する値、および、その記載範囲における任意の他の記載の、または介在する値は、本発明の範囲内に包含される。また、説明する本発明の種々の変形による必要に応じた特徴は、独立して、または、本明細書で説明する特徴のいずれかの1つ以上と組み合わせて定め、かつ請求することができることが企図されている。
【0017】
本発明の実施方法では、特記のない限り、エックス線画像化および処理、エックス線断層合成、Aスキャン、Bスキャン、Cスキャンを含む超音波、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)、磁気共鳴映像法(MRI)、光干渉断層撮影、単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、および陽電子放射型断層撮影(PET)という種々の従来のデジタル方法を、当技術分野の技能の範囲内で採用することができる。当該手法は、文献で十分に説明されており、本明細書で説明する必要はない。例えば、エックス線構造決定、実践的ガイド、第2版、共編者StoutおよびJensen、1989年、出版社:John Wiley & Sons、身体CT:実践的アプローチ、編者Slone、1999年、出版社:マグローヒル、エックス線診断:内科医アプローチ、編者Lam、1998年、出版社:Springer−Verlag、歯科放射線学:エックス線画像の理解、編者Laetitia Brocklebank、1997年、出版社:オックスフォード大学出版局を参照されたい。また、医学画像必須物理学(第2版)、Jerrold T.Bushberg他共著を参照されたい。
【0018】
本発明は、関節修復、特に、関節軟骨修復、および、被検者への様々な軟骨修復材一体化の助長の種々の方法および構成を提供する。とりわけ、本明細書で説明する各種の手法は、例えば、サイズ、軟骨厚みおよび曲率、もしくはサイズ、軟骨厚みまたは曲率の関して特定の被検者に適する軟骨修復材の注文製作に対応するものである。関節軟骨表面の形状(例えば、サイズ、厚みおよび曲率、もしくはサイズ、厚みまたは曲率)は、損傷していない軟骨つまり被検者の元の軟骨との正確にまたは近似解剖学的に適合するものであるとき、修復の成功が高められる。修復材は、移植前に成形することができ、当該成形加工は、例えば、欠陥部を取り囲む任意の「正常な」軟骨の曲率または厚みおよび欠陥部の下層の骨の曲率、もしくは欠陥部を取り囲む任意の「正常な」軟骨の曲率または厚みまたは欠陥部の下層の骨の曲率に関する情報が得られるように電磁画像を基本とすることができる。したがって、本発明は、とりわけ、部分関節置換に関する侵入性が最小である種々の方法に対応するものである。これらの方法で必要な骨ストックの損失は最小にすぎないか、場合によっては、皆無となる。更に、現行の手法と異なり、本明細書で説明する種々の方法は、インプラントと周囲または隣接軟骨および/または軟骨下骨との正確または近似解剖学的な適合を達成することで、関節面の完全性を回復する一助となる。
【0019】
本発明の種々の利点としては、(i)関節修復の注文設計、結果的には、修復処置後の患者に関する有効性および快適性レベルの促進、(ii)一部の実施形態における、手術中に修復される欠陥部の外科医による測定の不要化、(iii)移植処置中の外科医による材料成形の不要化、(iv)骨または組織画像に基づくかまたは手術中の厳密な調査法に基づいた修復材曲率を評価する種々の方法の実現、(v)骨ストックが最小のみ、場合によっては皆無の種々の関節修復方法の実現、(vi)手術後の関節適合性の向上、(vii)一部の実施形態における、手術後の患者回復の向上、(viii)関節可動域など、手術後の機能の向上を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0020】
したがって、本明細書で説明する種々の方法は、欠陥部(例えば、移植部位)または関節面により正確に適合する関節修復材の設計および使用に対応し、したがって、関節の修復を向上させるものである。
【0021】
(I.関節および整合の評価)
本明細書で説明する種々の方法および構成を用いて、軟骨の病気(例えば、変形性関節症)、骨損傷、軟骨損傷、外傷、および、酷使または年齢による劣化、もしくは、軟骨の病気(例えば、変形性関節症)、骨損傷、軟骨損傷、外傷、または、酷使または年齢による劣化から生じる欠陥を治療することができる。本発明は、とりわけ、衛生実務担当者が当該欠陥を評価しかつ治療することを可能にするものである。当該区域のサイズ、容積、および形状は、欠陥部を有する軟骨の領域のみを含むことができるが、軟骨欠陥部を取り囲む軟骨の隣接部分も含むことが好ましい。
【0022】
当業者によって認識されるように、サイズ、曲率および厚み、もしくはサイズ、曲率または厚みの測定結果は、任意の適切な手法を用いて取得することができる。例えば、1次元、2次元および3次元、もしくは、1次元、2次元または3次元の測定結果は、適切な機械的手段、レーザ装置、電磁または光学式追跡システム、モールド、硬化して「表面輪郭を復元する」関節面に適用される材料、および、当技術分野で公知の1つ以上の画像化法、もしくは、適切な機械的手段、レーザ装置、電磁または光学式追跡システム、モールド、硬化すると「表面輪郭を復元する」関節面に適用される材料、または、当技術分野で公知の1つ以上の画像化法を用いて取得することができる。測定結果は、非侵入性的におよび手術中に、もしくは、非侵入性的にまたは手術中に(例えば、プローブまたは他の外科装置を用いて)取得することができる。当業者によって認識されるように、修復デバイスの厚みは、患者の解剖学的形状および軟骨損傷部の深さ、および、関節面上の任意の特定の場所で矯正される骨、もしくは、患者の解剖学的形状または軟骨損傷部の深さ、または関節面上の任意の特定の場所で矯正される骨によって、任意の特定の地点で変動する可能性がある。
【0023】
図1Aは、関節を評価する際に施術者によって取られるステップを示すフローチャートである。まず、施術者は、目標関節の測定結果を取得する(10)。測定結果を取得するステップは、関節の画像を撮ることで達成することができる。このステップは、必要に応じて繰り返しして(11)、関節評価プロセスを更に精緻化するために複数の画像を取得することができる。施術者が必要な測定結果を取得すると、その情報を用いて評価される目標関節のモデル図を生成する(30)。このモデル図は、断層撮影マップまたは画像の形とすることができる。関節のモデル図は、1次元、2次元、または3次元とすることができる。関節のモデル図として、物理モデルを挙げることができる。所望であれば、2つ以上のモデルを作成することができる(31)。元のモデルまたはその後に作成したモデルのいずれか、またはその両方を用いることができる。関節のモデル図が生成された(30)後、施術者は、対向する関節面のミラー、またはその組み合わせを設置することで、例えば、関節面上の既存の軟骨から、矯正された状態で、目標関節の投影モデル図を必要に応じて生成する(40)ことができる。やはり、このステップは、必要または希望に応じて繰り返す(41)ことができる。その後、施術者は、関節の断層撮影状態と関節の投影画像との差を用いて、矯正関節解剖学的形状を達成する上で適切な関節インプラントを選択する(50)ことができる。当業者によって認識されるように、この選択プロセス(50)は、希望に応じて頻繁に繰り返して(51)、所望の結果を達成することができる。更に、施術者は、例えば、エックス線を取得することで目標関節の測定結果を取得して(10)、その後、適切な関節置換インプラントを選択する(50)ことができることが企図されている。
【0024】
当業者によって認識されるように、施術者は、矢印32で示すように、目標関節のモデル図を生成するステップ(30)から適切な関節置換インプラントを選択するステップ(50)に直接進むことができる。更に、適切な関節置換インプラントの選択(50)後、目標関節の測定結果を取得するステップ(10)、目標関節のモデル図を生成するステップ30、投影モデルを生成するステップ(40)を、フロー24、25、26で示すように、連続的にまたは並行して繰り返すことができる。
【0025】
図1Bは、関節を評価する際に施術者によって取られるステップを示す代替フローチャートである。まず、施術者は、目標関節の測定結果を取得する(10)。測定結果を取得するステップは、関節の画像を撮ることで達成することができる。このステップは、必要に応じて繰り返しして(11)、関節評価プロセスを更に精緻化するために複数の画像を取得することができる。施術者が必要な測定結果を取得すると、その情報を用いて評価される目標関節のモデル図を生成する(30)。このモデル図は、断層撮影マップまたは画像の形とすることができる。関節のモデル図は、1次元、2次元、または3次元とすることができる。このプロセスを必要または希望に応じて、繰り返す(31)ことができる。このプロセスは、関節のモデルとして、物理モデルを挙げることができる。関節のモデル図が評価された(30)後、施術者は、矯正された状態で目標関節の投影モデル図を必要に応じて生成する(40)ことができる。このステップは、必要または希望に応じて繰り返す41ことができる。その後、関節の断層撮影状態と関節の投影画像との差を用いて、所望のインプラントデザインを達成するために必要に応じた頻度で設計プロセスを繰り返して(53)、施術者は、矯正関節解剖学的形状を達成する上で適切な関節インプラントを設計する(52)ことができる。また、施術者は、レール、竜骨、リップ、小杭、十字形ステム、または繋留具、クロス・バー、など、更なる特徴部を設置することによって目標関節におけるインプラントの性能が高められるか否かを評価することができる。
【0026】
当業者によって認識されるように、施術者は、矢印38に示すように、目標関節のモデル図を生成するステップ(30)から適切な関節置換インプラントを設計するステップ(52)に直接進むことができる。先に示したフローと同様に、適切な関節置換インプラントの設計(52)後、目標関節の測定結果を取得するステップ10、目標関節のモデル図を生成するステップ30、投影モデルを生成するステップ40を、フロー42、43、44で示すように、連続的にまたは並行して繰り返すことができる。
【0027】
図1Cは、患者ごとにインプラントを選択するプロセスを示すフローチャートである。まず、本発明が実施されるときに、先に説明した手法または適切でありかつ当技術分野で公知であるものを用いて、病変軟骨または軟骨損失の区域のサイズを測定する(100)。このステップは、希望に応じて複数回繰り返す(101)ことができる。軟骨欠陥部のサイズが測定されると、隣接軟骨の厚みを必要に応じて測定する(110)ことができる。このプロセスも、希望に応じて繰り返す(111)ことができる。軟骨損失の測定または隣接軟骨の厚みの測定後に、関節面の曲率を測定する(120)。あるいは、軟骨下骨を測定することができる。認識されるように、インプラント表面に対する最良のデザインの展開を助長するために、修復される関節の表面または合わせ面を度々測定することができる。
【0028】
種々の表面が測定されると、ユーザは、インプラント・ライブラリに含まれた最良に適合するインプラントを選択する(130)か、または、患者専用のインプラントを生成する(132)。これらのステップを希望または必要に応じて繰り返して、患者に対する最良に適合するインプラントを達成する(131、132)ことができる。当業者によって認識されるように、インプラントを選択または設計するプロセスを患者のMRIまたはエックス線に含まれる情報に照らして試験すると、デバイスの種々の面は、患者の関節面に対する良好な適合を達成することを確認することができる。試験は、例えば、インプラント画像を患者の関節の画像の上に重ね合わせることで達成することができる。適切なインプラントが選択または設計されたと判断されると、インプラント部位の準備(140)を、例えば、軟骨または骨を関節面から除去することで行うことができるか、または、インプラントを関節内に配置する(150)ことができる。
【0029】
選択または設計された関節インプラントは、生来の関節解剖学的形状を模倣する対向する関節面との合わせ面を呈すると同時に関節の既存の面との解剖学的または近似解剖学的嵌合を達成する。この例においては、関節の所望の結果的に得られる表面並びに関節の既存の表面を評価することができる。この手法は、骨の中に繋留されないインプラントに特に有用である。
【0030】
当業者によって認識されるように、本発明を実践する内科医または他の者は、目標関節の測定結果を取得し(10)、その後、適切な関節置換インプラントを設計する(52)かまたは選択する(50)ことができる。
【0031】
(II.修復材)
様々な材料が、本発明の実践において使用され、様々な材料としては、プラスチック、金属、結晶なし金属、セラミック、生体物質(例えば、コラーゲンまたは他の細胞外液マトリクス材)、ハイドロキシアパタイト、細胞(幹細胞、軟骨細胞など)またはその組み合わせがあるが、これらに限定されない。欠陥部、関節面および軟骨下骨、もしくは欠陥部、関節面または軟骨下骨に関して取得された情報(例えば、測定結果)に基づいて、修復材を形成または選択することができる。更に、本明細書で説明するこれらの手法の1つ以上を用いると、特定の軟骨欠陥部に嵌入されることになる曲率を有する軟骨修復または再生材は、関節面の輪郭および形状に従うことになり、かつ、周囲軟骨の厚みに適合することになる。修復材は、種々の材料の任意の組み合わせを含むことができるが、一般的に、少なくとも1つの非柔軟材料、例えば、簡単に曲がったり、または変更されたりしない材料を含む。
【0032】
(A.金属およびポリマー修復材)
現在、関節置換システムでは、例えば、下層の骨の中に繋留されるプロテーゼ(例えば、膝プロテーゼの場合では大腿骨)を含む金属およびポリマーもしくは金属またはポリマー材料が採用されることが多い。例えば、2001年3月20日に付与されたAfriat他の米国特許第6,203,576号および2001年11月27日に付与されたOgle他の米国特許第6,322,588号および両特許で引用されている参考文献を参照されたい。様々な金属が、本発明の実践において有用であり、任意の判定基準に基づいて選択することができる。例えば、材料選択は、所望の剛性度を与える弾性を基本とすることができる。適切な金属の非制限的な例としては、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、銅、錫、鉛、アンチモン、ビスマス、亜鉛、チタン、コバルト、ステンレス鋼、ニッケル、鉄合金、Elgiloy(登録商標)などのコバルト合金、コバルト・クロム・ニッケル合金、MP35N、ニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、Nitinol(登録商標)、ニッケル・チタン合金、アルミニウム、マンガン、鉄、タンタル、Liquidmetal(登録商標)合金(LiquidMetal Technologies、www.liquidmetal.comから販売)などの結晶なし金属、例えば、患者の体液または組織に接触した移植物質の石灰化を阻害するために緩やかに多価金属イオンを形成することができる他の金属、およびその組み合わせがある。
【0033】
適切な合成ポリマーとしては、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ビニールポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリエーテル・エーテル・ケトン、酢酸エチレンビニール、ポリスルホン、ニトロセルロース、類似の共重合体、およびその混合体があるが、これらに限定されない。デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、ゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル・アルコール、ポリ[N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド]、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(エプシロン・カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ジメチルグリコール酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)など、生体吸収性合成ポリマーも使用することができ、同様の共重合体も使用することができる。
【0034】
他の材料、例えば、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK(登録商標))として知られるポリケトンも妥当であろう。これは、英国ランカシャーのVictrexから販売されている医療移植用に承認された非充填PEEKである材料PEEK 450Gを含む(Victrexは、www.matweb.comにあり、または、Boedeker www.boedeker.comを参照されたい)。この材料の他の供給元としては、インド共和国Panoliに所在するGharda(www.ghardapolymers.com)がある。
【0035】
選択される材料は充填することもできることに注意されたい。例えば、30%硝子充填または30%炭素充填など、他の等級のPEEKも市販、かつ、企図されている。ただし、当該材料が、移植可能なデバイスでの使用についてFDAまたは他の規制機関による許可が与えられていることを条件とする。硝子充填PEEKは、膨張率を低減し、非充填のその部分に対してPEEKの曲げ弾性率を増大するものである。結果的に得られる生成物は、強度、剛度、または安定性の向上に理想的であると知られている。炭素充填PEEKは、PEEKの圧縮強度および剛度を高め、その膨張率を下げることが知られている。炭素充填PEEKでは、耐磨耗性および負荷担持能力が得られる。
【0036】
認識されるように、疲労に耐え、良好な復元力を有し、撓み可能および偏向可能、もしくは撓み可能または偏向可能であり、吸湿性が非常に低く、良好な耐摩耗性および磨耗強さ、もしくは耐摩耗性または磨耗強さを有する他の適切な生体適合性のある熱可塑性重縮合物材料も、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。インプラントは、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)で構成することもできる。
【0037】
使用することができる他の材料としては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)一般的に、ポリアリルエーテルエーテルケトンがある。更なる他のポリケトンを他の熱可塑性物質と同様に使用することができる。
【0038】
インプラントに使用することができる妥当なポリマーの参照は、以下の文書に行うことができ、その全ては、開示内容全体が引用により本明細書に組み入れられる。これらの文書としては、2002年1月10日付け、「生体適合性ポリマー材料」と題したPCT公開国際公開第02/02158号A1、2002年1月3日付け、「生体適合性ポリマー材料」と題したPCT公開国際公開第02/00275号A1、2002年1月3日付け、「生体適合性ポリマー材料」と題したPCT公開国際公開第02/00270号A1がある。
【0039】
これらのポリマーは、従来のポリマー処理法を含む様々なアプローチのいずれかによって準備することができる。好適なアプローチとしては、例えば、重大な構造上の特徴を有する諸ポリマー成分の生成に適切な射出成形、反応射出成形およびステレオリソグラフィなど、急速プロトタイプ作成法がある。物理的磨耗または化学変換によって基板をテクスチャード加工もしくは多孔化すると金属被覆の一体化を助長させることができる。押出し法、注入法、圧縮成形法および機械加工法もしくは押出し法、注入法、圧縮成形法または機械加工法など、他のプロセスも妥当である。一般的に、ポリマーは、その物理的特性かつ機械的特性のために選ばれ、関節面間での物理的負荷の担持および分散に適切である。
【0040】
2つ以上の金属およびポリマー、もしくは金属またはポリマーを互いに組み合わせて使用することができる。例えば、1つ以上の金属含有基板は、1つ以上の領域においてポリマーで被覆することができるか、または、1つ以上のポリマー含有基板は、1つ以上の領域において1つ以上の金属で被覆することができる。
【0041】
システムまたはプロテーゼは、多孔質または多孔質被覆とすることができる。多孔質表面構成要素は、金属、セラミック、ポリマーを含む様々な材料で作ることができる。これらの表面構成要素は、様々な金属で形成された種々の構造核に、様々な手段によって順に固定することができる。適切な多孔質被覆材としては、金属、セラミック、ポリマー(例えば、シリコーンゴム、ポリエチレンテレフタラートおよびその組み合わせ、もしくはシリコーンゴム、ポリエチレンテレフタラートまたはその組み合わせなどの生物学的に中立なエラストマー)またはその組み合わせがあるが、これらに限定されない。例えば、1971年9月20日に付与されたHahnの米国特許第3,605,123号、1794年5月7日に付与されたTronzoの米国特許第3,808,606号、1974年10月29日に付与されたTronzoの米国特許第3,843,975号、1967年4月18日に付与されたSmithの米国特許第3,314,420号、1976年10月26日に付与されたScharbachの米国特許第3,987,499号、ドイツのOffenlegungsschrift第2,306,552号を参照されたい。2つ以上の被覆層が存在する可能性があり、層は、同じまたは異なる多孔性を有する可能性がある。例えば、1976年2月17日に付与されたKahn他の米国特許第3,938,198号を参照されたい。
【0042】
被覆は、粉末ポリマーで核を取り囲んで、硬化するまで加熱して、内部連絡された孔の内部網を有する被覆を形成することで施すことができる。孔の捩れ(例えば、孔を通る経路の直径までの長さの目安)は、プロテーゼデバイス上で用いられるこのような被覆が成功する可能性を評価する際に重要なものとなる可能性がある。また、1980年7月22日に付与されたMorrisの米国特許第4,213,816号を参照されたい。多孔質被覆は、全体として粉体を基材に結合する温度の上昇を受ける、粉体と物品の形で施すことができる。適切なポリマーおよび粉体被覆もしくはポリマーまたは粉体被覆の選択は、例えば、各々のメルト・インデックスに基づいて、本明細書で引用される教示内容および参考文献を考慮して決定することができる。
【0043】
(B.修復用生体物質)
また、修復材は、1つ以上の生体物質を単独にまたは非生体物質と組み合わせて含むことができる。例えば、任意の基材を設計または成形することができ、基部となるように、胎生軟骨細胞などの適切な軟骨置換または再生材料を適用することができる。その後、この細胞は、軟骨欠陥部を取り囲む軟骨の厚み(および曲率、もしくは厚みまたは曲率)になるまで基部と共に成長させることができる。培養中、生体外でまたは生体内で様々な基材上で細胞(例えば、軟骨細胞)を成長させる条件は、例えば、1995年12月26日に付与されたSlivka他の米国特許第5,478,739号、1998年12月1日に付与されたNaughton他の米国特許第5,842,477号、2001年9月4日に付与されたVibe−Hansen他の米国特許第6,283,980号、2002年4月2日に付与されたSalzmann他の米国特許第6,365,405号で説明されている。適切な基材の非制限的な例としては、プラスチック、組織足場、骨置換材料(例えば、ハイドロキシアパタイト、生体吸収性材料)または軟骨置換または再生材料を成長させるのに適切な任意の他の材料がある。
【0044】
生体ポリマーは、自然発生とするか、または、発酵などにより体外で生成することができる。適切な生体ポリマーとしては、コラーゲン、エラスチン、絹、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸、腸線縫合糸、多糖類(例えば、セルロースおよびデンプン)およびその混合体があるが、これらに限定されない。生体ポリマーは、生体吸収性とすることができる。
【0045】
本明細書で説明する種々の方法で使用される生体物質は、自家移植片(同じ被検者からの)、同種移植片(同じ種の別の個体)および異種移植片(別の種)、もしくは、自家移植片(同じ被検者からの)、同種移植片(同じ種の別の個体)または異種移植片(別の種)とすることができる。また、2002年3月21日に公開されたAlexander他の国際特許公開国際公開第902/22014号、および、1997年8月7日に公開されたLeeのPCT公開国際公開第97/27885号を参照されたい。特定の実施形態においては、材料の再吸収、インプラント部位を取り囲む組織の炎症および瘢痕化もしくは炎症または瘢痕化を含め、被移植体に対する免疫学上の合併症の危険が小さくなる可能性があるために、自己組織材料が好適である。
【0046】
本発明の1つの実施形態においては、プローブを使用して組織をドナー部位から摘出し、かつ、移植者部位を準備する。ドナー部位は、異種移植片、同種移植片、または自家移植片内に位置する可能性がある。プローブを使用して、ドナー組織試料と移植者部位との良好な解剖学的適合を達成する。プローブは、ドナー組織試料と移植者部位との均一な、もしくはほぼ均一な適合を達成するように特別設計される。プローブは、例えば、円筒形とすることができる。プローブの遠位端は、一般的に、組織への侵入を容易にするために鋭利である。更に、プローブの遠位端は、一般的に、組織を受け入れるために中空である。プローブは、遠位端から定義された距離、例えば、遠位端から1cmの距離に縁部を有することができ、縁部は、摘出に向けた組織への侵入の定義された深さを達成するために使用することができる。縁部は、外部のものとすることができるか、または、プローブの中空部分の内側にすることができる。例えば、整形外科医は、プローブを手に取り、膝関節などの関節の場合には、物理圧で軟骨、軟骨下骨、下層の骨髄内へ前進させることができる。外科医は、外縁部または内縁部が軟骨表面に達するまでプローブを前進させることができる。その時点で、縁部は、組織への更なる侵入を防止することにより、その結果、組織への一定および再現可能な侵入が達成される。プローブの遠位端は、1つ以上の刃、鋸状の構造体、もしくは組織切断機構を含むことができる。例えば、プローブの遠位端は、幾つかの小さな刃から成る絞り状の機構を含むことができる。刃は、手動か、電動かまたは電気式機構を用いて移動させることができ、その結果、組織が切り開かれて組織試料が下層の組織から分離される。一般的に、これは、ドナーおよび移植者において繰り返されることになる。絞り形状の刃機構の場合、個々の刃は、絞りを閉じることによって組織試料をドナー部位から分離するように移動させることができる。
【0047】
本発明の別の実施形態においては、レーザ装置または高周波装置をプローブ遠位端の内側に一体化することができる。レーザ装置または高周波装置を使用すると、組織を切り開いたり、かつ、組織試料を下層の組織から分離したりすることができる。
【0048】
本発明の1つの実施形態においては、同じプローブをドナーと移植者において使用することができる。別の実施形態において、寸法が若干異なる類似形状のプローブを使用することができる。例えば、移植者において使用されるプローブは、ドナーにおいて使用されるものよりも若干小さいものとすることができ、その結果、組織試料つまり組織移植部と移植者部位との密接な適合が達成される。移植者において使用されるプローブは、ドナーにおいて使用されるものよりも若干短くすることもでき、その結果、ドナー材料における下層の組織からの組織試料の分離または切断中における任意の損失組織について矯正が行われる。
【0049】
任意の修復用生体物質を殺菌処理すると、細菌、ウィルス、イースト菌、カビ、マイコプラズマ、寄生虫などの生物学的汚染物質を不活性化することができる。殺菌処理は、例えば、ガンマ放射線など、任意の適切な手法を用いて行うことができる。
【0050】
本明細書で説明する生体物質のいずれかをロボット装置を使用して摘出することができる。ロボット装置は、組織摘出に向けた電子画像からの情報を使用することができる。
【0051】
特定の実施形態においては、軟骨置換材料は、特定の生化学的組成を有する。例えば、欠陥部を取り囲む軟骨の生化学的組成は、組織試料採取および化学分析によって、または、種々の画像化法によって評価することができる。例えば、Alexanderの国際公開第02/22014号では、軟骨内のグリコサミノグリカン含有量をモニターするための関節軟骨の画像化に向けたガドリニウムの使用が説明されている。その後、移植部位を取り囲む軟骨と類似の生化学的組成を達成するように、軟骨置換または再生材料を作る、もしくは培養することができる。所望の生化学的組成の達成に使用される培養条件としては、例えば、濃度の変化を挙げることができる。軟骨置換または再生材料の生化学的組成は、例えば、濃度および特定の栄養素の暴露時間、および成長因子を制御することで影響を与えることができる。
【0052】
(III.デバイス設計)
(A.軟骨モデル)
軟骨の厚みおよび曲率に関する情報を用いて、関節軟骨および下層の骨の表面の物理的モデルを作成することができる。この物理的モデルは、関節内の限られた区域を表すことができるか、または、関節全体を包含することができる。また、このモデルでは、半月の有無ならびに軟骨の一部または全ての有無を考慮することができる。例えば、膝関節においては、物理的モデルは、内側大腿顆または外側大腿顆のみ、大腿顆と切欠き領域の両方、内側脛骨プラトー、外側脛骨プラトー、脛骨プラトー全体、内側膝蓋骨、外側膝蓋骨、膝蓋骨全体、または関節全体を包含することができる。軟骨の病変区域の場所の判断は、国際公開第02/22014号で説明されているように、例えば、3D座標系または3Dユークリッド距離を用いて行うことができる。
【0053】
このようにして、修復対象欠陥部のサイズを判断することができる。このプロセスでは、例えば、患者のほぼ80%は、健康な外側構成要素を有することを考慮している。明らかなように、欠陥部の全てではないが一部では、含まれる軟骨は全体とまではいかないものとなる。したがって、本発明の1つの実施形態においては、1つ以上の軟骨欠陥部を取り囲む正常または病変が軽度の軟骨の厚みを測定する。この厚み測定結果は、一ヵ所、好ましくは複数箇所、例えば、2ヵ所、4ヵ所から6ヵ所、7ヵ所から10ヵ所、11ヵ所以上、または、残りの軟骨の全体的な長さにわたって取得することができる。更に、欠陥部のサイズが判断されると、健康な周囲組織ができるだけ多く維持されるように妥当な治療(例えば、関節修復システム)を選択することができる。
【0054】
他の実施形態においては、関節面の曲率を測定して、修復材を設計および成形、もしくは設計または成形することができる。更に、残りの軟骨の厚みと関節面の曲率の両方を測定して、修復材を設計および成形、もしくは設計または成形することができる。あるいは、軟骨下骨の曲率を測定することができ、結果的に得られる測定結果を使用すると軟骨置換材料の選択または成形のいずれかを行うことができる。例えば、軟骨下骨の輪郭を利用して、仮想軟骨表面を再形成することができる。病変軟骨区域の縁部を特定することができる。病変区域における軟骨下骨形状を測定することができる。そこで、軟骨下骨表面を軟骨表面にコピーすることで仮想輪郭を作成することができ、この軟骨下骨表面のコピーによって、病変軟骨の区域の縁部が接続される。デバイスを設計する際には、種々の輪郭は、既存の軟骨と合わさるように、または、軟骨の一部または前部の除去に対応するように構成することができる。
【0055】
図2Aは、膝関節の脛骨プラトーでの移植に適切な本発明の関節インプラント200の若干斜視による平面図を示す。図2Aに示すように、インプラントは、例えば、図1Aおよび図1Bに関して先述したように、二重表面評価を用いてら生成することができる。
【0056】
インプラント200は、上面202と、下面204と、周縁部206とを有する。上面202は、対向する関節面を受ける、この例においては、大腿骨を受けるように部分的に凹面である合わせ面を形成するように形成される。この凹面は、対向する関節面に対する面、例えば、凹面が連絡する大腿骨の合わせ面の負の面となるように可変的凹面とすることができる。当業者によって認識されるように、負の窪みは、完全なものである必要はない。
【0057】
インプラント200の上面202は、様々な方法のいずれかで成形することができる。例えば、上面202の成形は、表面を脛骨プラトー上の既存の軟骨表面および骨表面、もしくは軟骨表面または骨表面から突出させることで行うことができるか、または、大腿顆と係合したときにインプラントの補助面を最適化するために大腿顆を再現するように成形することができる。あるいは、上面202は、対向する大腿顆に向けて構成されるインプラントの下面と合わさるように構成することができる。
【0058】
下面204は、脛骨プラトーとの解剖学的または近似解剖学的嵌合をなすように関節の脛骨プラトーと適合、またはほぼ適合するように凸面を有する。脛骨プラトーの形状によっては、下面は、部分的に凸面とすることもできる。したがって、下面204は、既存の表面内に適合する脛骨プラトーに対する面になる。既存の表面に適合するように、または、関節表面再建後に表面に適合するように形成することができる。
【0059】
当業者によって認識されるように、下面204の凸面は、完全な凸面である必要はない。むしろ、下面204は、脛骨プラトーの既存の表面または表面再建したプラトー内で適合する凹凸部分から成る可能性の方が高い。従って、下面は、本質的に、可変的に凸面でありかつ凹面である。
【0060】
図2Bは、図2Aの関節インプラントの平面図を示す。図2Bに示すように、インプラントの外部形状208は、長形化することができる。長形の形態は、楕円、準楕円、長円などを含め様々な形状を取ることができる。しかしながら、認識されるように、外部寸法は、一般的に不規則なものであり、したがって、真の幾何学的な形状、例えば、楕円は形成されない。当業者によって認識されるように、インプラントの実際の外部形状は、矯正対象の関節欠陥部の性質によって変動する可能性がある。従って、長さL対幅Wの比率は、例えば、0.25から2.0の間、更に具体的には、0.5から1.5の間で変動する可能性がある。図2Bに更に示すように、インプラント200の軸線に沿った長さは、インプラントの幅に沿った種々の地点で切り取られたときには変動する。例えば、図2に示すように、L≠L≠Lである。
【0061】
ここで図2Cから図2Eを参照すると、図2Bに示すインプラントの横断面は、C−C、D−D、E−Eの線に沿って示されている。インプラントは、それぞれ、厚みt1、t2、t3を有する。横断面で示すように、インプラントの厚みは、長さLと幅Wの両方に沿って変動する。インプラント200の特定の場所での実際の厚みは、置換対象の軟骨および骨、もしくは軟骨または骨と、複製対象の関節合わせ面の厚みの関数である。更に、長さLまたは幅Wに沿った任意の場所でのインプラント200の外形は、置換対象の軟骨および骨、もしくは軟骨または骨の関数である。
【0062】
図2Fは、図2Aのインプラント200の側面図である。この例においては、第1の端部hでのインプラント200の高さは、第2の端部hでのインプラントの高さと異なる。更に、上縁部208は、下方の方向に全体的な傾斜部を有することができる。しかしながら、図示するように、上縁部208の実際の傾斜は、長さに沿って変動し、場合によっては、正の傾斜とすることができる。更に、下縁部210は、下方の方向に全体的な傾斜部を有することができる。図示するように、下縁部210の実際の傾斜は、長さに沿って変動し、場合によっては、正の傾斜とすることができる。当業者によって認識されるように、個々の患者の解剖学的形状によっては、hとhが、本発明の範囲に逸脱することなく、同等であるか、または、実質的に同等であるインプラントを作成することができる。
【0063】
図2Gは、インプラント200の下面204を脛骨プラトー1022上に静置し、大腿骨1024がインプラント200の上面202に載置するように、膝関節1020内に移植されたインプラント200を示す、体内の矢状面に沿って切り取られた横断面図である。図2Hは、膝関節1020内に移植されたインプラント200を示す、体内の冠状面に沿って切り取られた横断面図である。この図から明らかなように、インプラント200は、上部関節面224内に適合するように位置決めされる。当業者によって認識されるように、関節面は、必要に応じて、内側面または外側面とすることができる。
【0064】
図2Iは、上から見た、つまり、上部図から切り取られた図を示す、膝関節1020内に移植されたインプラント200を示す体の軸方向の面に沿った図である。図2Jは、内側に、即ち、脛骨プラトーの縁部1023に向かって骨の近くに延在し、ならびに、前方と後方に延在するように、インプラントが若干大きい代替実施形態の図である。
【0065】
図2Kは、別の実施形態による、本発明のインプラント200の横断面である。この実施形態においては、下面204は、関節繋留部212を更に含む。この実施形態において示すように、関節繋留部212は、インプラント200の下面204から延在して、例えば、関節の骨の中に突出する突出部、竜骨、または垂直部材を成す。当業者によって認識されるように、竜骨は、直立状態であるか、または、体の面内に静置することができる。
【0066】
更に、図2Lに示すように、関節繋留部212は、底部斜視から、関節繋留部212がクロスつまり「x」の外観を有するように横材214を有することができる。当業者によって認識されるように、関節繋留部212は、様々な他の形態を取りながらも、関節におけるインプラント200の安定性を増大させるという同じ目的を達成することができる。これらの形態としては、ピン、球状部、玉、歯などがあるが、これらに限定されない。更に、1つ以上の関節繋留部212を希望に応じて設置することができる。図2Mおよび図2Nは、側面図および正面図からの、二重構成要素インプラントの代替実施形態の横断面を示す。
【0067】
図2Mに示す別の実施形態においては、大腿骨または大腿骨インプラントの表面に対するインプラントの若干の並進運動が得られるように1つ以上の横材220を下面204上に設置することが望ましいであろう。その場合、横材は、インプラントの表面と一体に形成することができるか、または、インプラント200の下面204の溝部222内に適合する1つ以上の別々の部品片とすることができる。溝部は、図2N1に示すような単一の導管を成すことができるか、または、図2N2に示すような2つ以上の導管を有することができる。いずれの場合においても、クロス・バーは、図2N1から図2N2に示すような導管内に適合する。クロス・バー部材220は、図2Pに示すような中実または中空筒または管構造体を成すことができる。2つ以上の筒220が並進運動を行うように連絡する場合、一方または両方の横材の表面に沿って溝221を設けて、筒をクロス・バー部材内に連結させることができ、インプラント200に対するクロス・バーの運動が更に安定する。当業者によって認識されるように、クロス・バー部材220は、本発明の範囲から逸脱することなく、インプラントと一体に形成することができる。
【0068】
図2Qから図2Rに示すように、脛骨プラトーの表面は、クロス・バー部材を受けるために導管を表面上に形成することで準備されることが予想され、したがって、関節内にしっかりと着座するインプラントの能力が助長され、同時に、膝関節が動いているときの軸線周りの運動が得られる。
【0069】
図2S(1)から図2S(9)は、インプラント200の代替実施形態を示す。図2Sに示すように、縁部は、鋭利な隅部を弛めるために斜切される。図2S(1)は、単一の隅肉部または斜切部230を有するインプラントを示す。隅肉部は、脛骨棘の後方部分に対してインプラント前方部上に配置される。図2S(2)に示すように、2つの隅肉部230、231が設けられ、後方面取り部に向けて使用される。図2S(3)においては、後方面取り部に向けて2つの切断面を創出するために第3の隅肉部234が設けられる。
【0070】
ここで図2S(4)を参照すると、インプラントの接線部が除外されて、3つの後方の曲線ができる。図2S(5)は、接線伝播の結果を示す。図2S(6)は、底部曲線が接線伝播なしに選択されるときのデザインに対する影響を示す。接線伝播および選択の結果を図2S(7)に示す。図2S(8)および図2S(9)でわかるように、結果的に得られる隅部は、より柔らかい縁部を有するが、0.5mm未満の関節面を犠牲にする。当業者によって認識されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、更なる切断面を追加することができる。
【0071】
図2Tは、脛骨プラトー250の表面がインプラントに対応するように変更されるインプラント200の代替実施形態を示す。図2T(1)および図2T(2)に示すように、脛骨プラトーは、関節面251の半分のみに向けて、または全面252に向けて変更することができる。図2T(3)と図2T(4)に示すように、後方から前方の面は、平坦260または勾配付き262とすることができる。勾配付けは、前方面に対して正または負とすることができる。また、勾配付けは、図2Tのインプラントに対して用いることができ、勾配部は、面または体内に静置するか、または、体の面に対して斜めである。更に、装着機構を設置して、インプラントを変更面に繋留することができる。図2T(5)から図2T(7)に示すように、竜骨264を設置することができる。竜骨264は、面、例えば、矢状面または冠状面内に着座することができるか、または、面内に着座することができない(図2T(7))。図2T(8)は、脛骨プラトー全体を覆うインプラントを示す。これらインプラントの上面は、図1に関して説明した諸ステップに基づいて決定されるような関節の突出形状に合致するように設計され、一方、下面は、関節の改変面に対応するように平坦または実質的に平坦であるように設計される。
【0072】
ここで図3Aから図3AIを参照すると、図2Aのインプラントの対向する関節面の実現に適切なインプラントが示されている。このインプラントは、大腿骨1024の下面(例えば、脛骨プラトーと合わさる大腿顆)上の欠陥部を矯正するものであり、単独で、即ち、大腿骨1024上で、または別の関節修復デバイスと組み合わせて使用することができる。デバイスの表面の形成は、図2のインプラントに関して先述した種々の手法を用いて達成することができる。
【0073】
図3Aは、湾曲合わせ面302と、凸状関節当接面304とを有するインプラント300の斜視図を示す。関節当接面304は、インプラントの骨との結合を助長するために設置される繋留具306を考慮して大腿骨との解剖学的、もしくは近似解剖学的嵌合を成す必要はない。この例においては、繋留具306は、切欠き頭部を有する小杭として示されている。切欠き部は、骨内の繋留プロセスを助長するものである。しかしながら、繋留プロセスを助長する他の構成を有する小杭または十字形ステムと同様に、切欠き部のない小杭を使用することができる。インプラントの小杭および他の部分は、多孔質被覆処理することができる。インプラントは、骨セメントなし、骨セメント使用を問わず、挿入することができる。インプラントは、軟骨下骨と当接するように設計することができ、即ち、軟骨下骨の輪郭に実質的に従うことができる。これには、小杭穴の設置のため以外、除去する必要がある骨はなく、その結果、骨ストックが大幅に維持される、という利点がある。
【0074】
繋留具306は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の形態を取りながら、関節内でのインプラント300の安定性を増大させるという同じ目的を達成することができる。これらの形態としては、ピン、球状部、玉、歯などがあるが、これらに限定されない。更に、1つ以上の関節繋留部306を希望に応じて設置することができる。図3に示すように、インプラント300を繋留するのに3つのピンが使用されている。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、より多くのまたはより少ない関節繋留具、十字形ステム、またはピンを使用することができる。
【0075】
図3Bは、インプラントを骨に繋留するための3つの繋留具306の使用を更に示す骨合わせ面304の若干斜視の上面図を示す。各繋留具306は、頭部312が頂部にあるステム310を有する。図3Cに示すように、ステム310は、骨合わせ面304から延在する筒または円筒を形成するように平行な壁部を有する。ステムの1つの部分は、頭部312に近位である狭窄頚状部314を成す。当業者によって認識されるように、壁部は、平行である必要はないが、むしろ、円錐部状に成形されるように傾斜状態とすることができる。更に、頚状部314は、なくてもよく、また、頭部312もなくてもよい。先に論じたように、本発明の範囲から逸脱することなく、繋留に適切な他の構成を用いることができる。
【0076】
ここで図3Dを参照すると、インプラント300の脛骨プラトー合わせ面302が示されている。この図から明らかであるように、表面は、プラトーの凹面と合わさるために凸状または実質的に凸状の曲面となっている。図3Eは、インプラント300を骨に繋留するための3つの小杭306の使用を更に示すインプラント300の上面304を示す。図示するように、3つの小杭306は、三角形を形成するように位置決めされる。しかしながら、当業者によって認識されるように、1つ以上の小杭を使用することができ、互いに対する小杭306の配向は、図示するようなものか、または、所望の繋留を可能にする任意の他の適切な配向とすることができる。図3Fは、図3Eに示す線F−Fに沿って切り取られたインプラント300の横断面を示す。一般的に、小杭は、小杭が大腿顆に対して垂直であるようにインプラントの表面上に配向され、これによって、結果的に、小杭がインプラントの表面に垂直方向になる恐れはない。
【0077】
図3Gは、外側顆1002と内側顆1004とを有する大腿骨1000の軸方向の図を示す。また、外側上顆1008と内側上顆1010と共に、顆間窩を1006と示す。また、大腿骨1012の膝蓋骨面が示されている。図3Aに示すインプラント300は、外側顆の一部を覆うように示されている。また、インプラント300を顆に繋留するのを助長する小杭306が示されている。
【0078】
図3Hは、前方斜視からの膝関節1020を示す。インプラント300は、顆を覆うように移植される。図3Iに示すように、インプラント300は、図2に示すものなど、脛骨プラトー内の欠陥部を矯正するように設計されたインプラント200と連絡するように位置決めされる。
【0079】
図3Jおよび図3Kは、顆上に配置されるインプラント300を示す。この実施形態においては、関節を準備する際に顆表面上に作られた切断部と合わさるように少なくとも1つの平坦面つまり面取り切断部360が設けられる。平坦面360は、一般的に、インプラント300の近位面304全体を包含するものではない。
【0080】
図4Aは、一般的な人工膝関節全置換術(「TKA」)主要膝499のデザインを示す。面取り切断部495と同様に、後方切断部498、前方切断部497、遠位切断部496が設けられる。
【0081】
図4Bおよび図4Cは、別のインプラント400を示す。図4Bに示すように、インプラント400は、大腿骨1012の膝蓋骨面と共に外部大腿顆と内部大腿顆の両方を覆うように構成される。インプラント400は、外側顆構成要素410と、内側顆構成要素420と、外側顆構成要素410を内側顆構成要素420と結合すると同時に大腿骨1012の膝蓋骨面の少なくとも一部を覆うブリッジ部430とを有する。インプラント400は、所望であれば、図2に示すものなど、1つ以上のインプラントと必要に応じて対向することができる。図4Cは、図4Bのインプラントの側面図である。図4Cに示すように、インプラント400の上面402は、大腿顆の曲率に対応するように湾曲している。曲率は、既存の大腿顆の一方または両方の実際の曲率に、または、関節表面再建後の大腿顆の一方または両方の曲率に対応するように構成することができる。1つ以上の小杭430を設置して、インプラントを骨に繋留するのを助長することができる。当業者によって認識されるように、インプラントは、第2の顆に接触する表面が、改変された顆表面に合わさる1つ以上の平坦面を有すると同時に、第1の顆に接触する上面が既存の顆と合わさるように構成されるように構成することができる。
【0082】
図4Dは、図4Bに示すインプラント400の正面図を示す。この図から認識されるように、インプラント400の下面404は、大腿顆の形状に合致するように構成され、例えば、健康な大腿顆の形状が、損傷なしの関節における脛骨面に現れることになる。
【0083】
図4Eおよび図4Fは、下面(即ち、脛骨プラトー合わせ面)からのインプラントの斜視図を示す。
【0084】
図4Gは、外側顆1002と内側顆1004とを有する大腿骨1000の軸方向の図を示す。外側上顆1008と共に顆間窩1006も示されている。図4Bに示すインプラント400は、大腿骨1012の顆および膝蓋骨面の両方を覆うように示されている。また、インプラント400を顆に繋留するのを助長する小杭430も示されている。
【0085】
図4Hは、前方斜視からの膝関節1050を示す。インプラント400は、両方の顆上に移植される。図4Iに示すように、インプラント400は、図2に示すものなど、脛骨プラトー内の欠陥部を矯正するように設計されたインプラント200と連絡するように位置決めされる。
【0086】
当業者によって認識されるように、インプラント400は、インプラントを顆上にスナップ嵌合するように設計することができるような復元力を有する材料から製造することができる。あるいは、スナップ嵌合の必要なく、表面に合致するように形成することができる。
【0087】
図5Aおよび図5Bは、損傷顆の修復に適切な更に別のインプラント500を示す。図5Aに示すように、インプラント500は、外側大腿顆または内側大腿顆510のうちの一方のみを覆うように構成される。このインプラントは、インプラント500が、大腿骨512の膝蓋骨面の少なくとも一部も覆うという点において図3のインプラントと異なる。
【0088】
図4のインプラントと同様に、このインプラントは、図2に示すものなど、1つ以上のインプラントまたは対向する関節面に必要に応じて対向することができ、かつ、図3のインプラントなど、他のインプラントと組み合わせることができる。図5Cは、図5Aの斜視側面図である。図5Cに示すように、インプラント500の上面502は、インプラントが合わさる大腿顆と、インプラントが覆う大腿骨の膝蓋骨面の部分の曲率に対応するように湾曲している。1つ以上の小杭530を設置して、インプラントを骨に繋留するのを助長することができる。更に、インプラントが合わさる関節面の表面上に必要に応じて設けられる切断部に合致する斜め面503を顆構成要素に内面502上に設けることができる。
【0089】
図5Dは、図5Aに示すインプラント500の斜視正面図を示す。この図から認識されるように、インプラント500の下面504は、大腿顆の突出する形状に合致するように構成され、例えば、健康な形状の大腿顆が、損傷なしの関節における脛骨面に現れることになる。
【0090】
図5Eは、頂部513から線(面17)まで、および、線(面18)から底部515まで延在する斜線3点負荷支持区域を示すインプラント500の図である。上面から延在する小杭530も示されている。図5Fは、小杭530が上面から延在するインプラント500の上面を示す。また、図5Fは、線(面18)からインプラントの頂部513まで延在する斜線片持ち負荷支持区域を示す。各支持条件の載荷力および方向は、生理的負荷接点に基づく。表1は、Seth Greenwaldによる研究から引用した生理的載荷を示す。
【0091】
【表1】

平均体重74kg(163lb)で身長173cmの60歳男性とした場合の体重(BW)。
「TKAにおける脛骨プラトー面応力:ポリマー欠陥に影響を及ぼす要素、シリーズIII−後方安定化デザイン」Paul D.Pastak、理学士、Christine S.Heim、理学士、A.Seth Greenwald、哲学博士共著、オハイオ州クリーブランド、シナイ山医療センター整形外科研究所、第62回AAOS年次例会、1995年にて発表。
【0092】
本出願で説明するインプラント500を使用すれば、3点載荷が構成1から行われる(2900N)。最悪な場合の載荷状況を再現するために、75/25の負荷分布(2900Nの75%=2175N)が用いられる。載荷は、軸受け面上の籠の真下およびこの籠に垂直に位置する6mm径の円形区域に集中させる。
【0093】
図5Fに示す片持式載荷を参照すると、載荷は、構成3、つまり、90°から75/25の負荷分布(3625Nの75%=2719N)から行われる。上記の例の場合と同様に、載荷は、後方顆の平坦な切断面に垂直に、内側顆の最後方部分の中心部に位置する6mm径の円形区域に集中させることになる。
【0094】
図5Gおよび図5Hは、インプラント500の内側および外側もしくは内側または外側に沿って1つ以上のレール521を実現するレールデザインを有するインプラント500の代替実施形態を示す。レール521は、斜め面503と連絡する前に、内側517および外側519もしくは内側517または外側519の一部に沿って延在するように位置決めすることができる。認識されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、単一の側面レール521を設置することができる。
【0095】
図5Iは、竜骨デザインを有するインプラント500の別の実施形態を示す。竜骨523(もしくは中央に形成されるレール)は、インプラントの上面に設置される。この実施形態においては、竜骨523は、側面ではなく、インプラントの表面上に位置する。認識されるように、竜骨は、図示するように、中心部に配置されるか、実質的に中心部に配置されるか、または中心から偏位して位置することができる。斜め面503を設けて改変関節面と連絡することができる。あるいは、関節面が磨耗もしくは改変される場合、切断部503は、磨耗または改変面と合わさるように構成することができる。
【0096】
図5Jは、外側顆1002と内側顆1004とを有する大腿骨1000の軸方向の図を示す。また、外側上顆1008と内側上顆1010と共に、顆間窩を1006と示す。また、大腿骨1012の膝蓋骨面が示されている。図5Aに示すインプラント500は、外側顆と大腿骨1012の膝蓋骨面の一部を覆うように示されている。また、インプラント500を顆と膝蓋骨面とに繋留するのを助長する小杭530が示されている。
【0097】
図5Kは、前方斜視からの膝関節1020を示す。インプラント500は、顆を覆うように移植される。図5Lは、インプラント500が内側顆1004を覆っている状態の膝関節1020を示す。図5Kおよび図5Lに示すように、膝蓋骨面に対応するインプラント500の形状は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な曲率を呈することができる。
【0098】
ここで図5Mおよび図5Nを参照すると、インプラント500は、図2に示すものなど、脛骨プラトー内の欠陥部を矯正するように設計されたインプラント200と連絡するように位置決めされている。
【0099】
本発明の別の実施形態においては、インプラント500は、顆表面に実質的に合致するが、図5Oに示すような骨上の斜めの切断部に対応する少なくとも1つの平坦部分を有する上面502を有することができる。
【0100】
ここで図5Pおよび図5Qを参照すると、インプラント500が、前方切断部と後方切断部との間で7°の角度で側面から見た状態で示されている。
【0101】
図5Rおよび図5Sは、関節面と、前方切断部561と、後方切断部562と合わさる形に合った面560とを有するインプラント500を示す。図5Sは、若干異なる角度から見た同じインプラント500を示す。図5Tは、関節面と、後方切断部562と、遠位切断部563と、面取り切断部564とに合わさる面560を有する別のインプラント500を示す。この実施形態においては、前方切断部は設けられていない。図5Uは、側面斜視から見た図5Tのインプラント500を示す。種々の切断部は、一般的に、TKAで必要とされる切断部を下回る、即ち、一般的に10mm未満である。このインプラントの種々の切断部のデザインは、必要であれば、後日行う膝に対する再建手術に対応するものである。
【0102】
図6Aから図6Gは、インプラントの表面形状が導出される横断面610、620の図的表現部と共に図5のインプラント500を示す。図6Aは、抽出表面形状600の上に着座するインプラント500の正面図を示す。このインプラント500の図は、大腿骨の膝蓋骨面(または滑車領域)を覆って軟骨表面に近似する合わせ面を実現するインプラントのブリッジ部分512に付随した切欠き部514を示す。当業者によって認識されるように、内側顆向けに成形されたインプラントの形状は、解剖学的形状の差異のために、必ずしも外側顆向けに形成されたインプラントの鏡像になるわけではない。したがって、内側顆および大腿骨の膝蓋骨面向けに設計されるインプラントにおいては、切欠き部514は存在しない。したがって、インプラントは、滑車領域の全てまたは一部を含むか、または滑車領域を完全に除外するように設計することができる。
【0103】
図6Bは、別の導出された表面形状601にわたって層化されたインプラント500の底面図を示す。図6Cは、図6Aに示す抽出表面形状600を通過するインプラント500を示す底面図である。図6Dは、抽出表面600を覆うインプラントの顆翼形部を示す図6Cの拡大図である。図6Eは、表面形状600の図的表現部を覆うように位置決めされたインプラント500の正面後方図を示す。図6Fは、前方図であり、図6Gは、底面後方図である。
【0104】
図7Aから図7Cは、先のインプラント500と類似の関節を矯正するインプラント700を示す。しかしながら、インプラント700は、2つの構成要素から成る。第1の構成要素710は、そのデザインによって、内側または外側いずれかの大腿顆と係合する。第2の構成要素720は、大腿骨の膝蓋骨面と係合する。前出の種々の実施形態について論じたように、大腿骨の表面の外反変形または内反変形および平坦化、もしくは外反変形または内反変形または平坦化に対してデザインを補正する大腿骨の生来の形状の突出部に基づいて、遠位面722(例えば、脛骨プラトーに面する面)が形成されるようにインプラント700の表面を構成することができる。あるいは、遠位面は、脛骨プラトーと最適に合わさるように設計された表面が得られるように、脛骨プラトーの形状に基づいて形成することができる。近位面724(例えば、大腿顆と係合する面)は、損傷した状態かまたは改変状態で大腿骨の表面を再現するように構成することができる。同様に、近位面は、例えば、面取り切断部を成す1つ以上の平坦化部分726を有することができる。更に、近位面は、竜骨、歯、十字形ステムなど、大腿骨への装着728を助長する機構を含むことができる。顆インプラントの内側対向部分は、テーパ面730を有し、一方、膝蓋骨構成要素の外側対向部分も、各構成要素が相手側構成要素に対するテーパ面730となるようにテーパ面を有する。
【0105】
内側および外側の表面を独立した関節面に分割することで、図7に示すように、インプラントによって、軟骨下骨に対する等角面の適合が向上する。更に、大腿骨の外部前方部分は、骨損失の原因になる可能性がある応力から遮断される。また、インプラントの各構成要素の小形化によって、より小さい切開部を用いて関節内にインプラントを配置することができる。最終的に、膝蓋骨構成要素の磨耗が改善される。
【0106】
図8Aから図8Fは、インプラント810を伴う膝蓋骨00を示す。インプラント810は、所望であれば、1つ以上の小杭、十字形ステム、または、他の繋留機構を有することができる。当業者によって認識されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書の教示内容を用いて他のデザインに到達することができる。図8Aは、無傷膝蓋骨800の斜視図を示す。図8Bは、膝蓋骨800の1つの表面がインプラントに合わさる滑らかな表面802を形成するために切断された膝蓋骨800を示す。図8Cは、滑らかな表面802上にインプラント810が位置決めされた膝蓋骨800を示す。インプラント810は、膝蓋骨の滑らかな面802に当接する板構造体812と、板部812上に位置決めされたドーム部814を有して、ドーム部が、膝蓋骨綾の場所に適合するように本来の場所に位置決めされるようになっている。インプラント810は、図示するように、板部の縁部が膝蓋骨の実際の縁部から1mm偏位されるように構成することができる。当業者によって認識されるように、板部812およびドーム部814は、単一ユニットとして形成することができるか、または、複数の構成要素から形成することができる。図8Dは、膝蓋骨800上に位置決めされたインプラント810の側面図である。図示するように、ドーム部は、中心部から偏位されるようにインプラント上に位置決めされる。ドーム部の必要に応じた位置決めは、膝蓋骨綾の位置によって決まることになる。
【0107】
ここで図8Eと図8Fを参照すると、インプラント810は、インプラントのドーム部814の位置が膝蓋骨綾の場所に対応することを示すために変更されていない膝蓋骨800上に重ね合わされた状態で示されている。
【0108】
図8Gから図8Jは、膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。図8Gは、膝蓋骨への繋留のために延在する小杭854を有する平坦下面852を有する未加工材として開始段階でのインプラント850を示す。関節面もしくは上面860は、丸く山盛りにしたドーム部856と、骨切断部と適合するように機械加工することができる円形板部分858とを有する。関節面860は、周縁を有するドーム部を有する、「帽子」またはソンブレロの外観を呈する。ドーム部856の中心部は、軸受け面の中心部でもある。周縁858は、特定の患者のニーズに合致するように切断される。図8Jは、図8Gから図8Iに示す未加工部から形成されたインプラントを示す。図8Iは、例示を目的として、複数の可能な切断線862、862’を示す。
【0109】
図9Aから図9Cは、移植されたインプラントの組み合わせを有する膝1020の側面図を示す。図9Aにおいては、顆900を覆うインプラントが示されている。適切なインプラントは、例えば、図3から図8に示すものとすることができ、認識されるように、前方から後方に覆われた顆の一部は、重量担持面全体、その一部、または、重量担持面より大きい表面を含むことができる。したがって、例えばインプラントは、溝終点部前、または溝終点部後に終端するように構成することができる(例えば、関節面上の負荷担持が停止する区域と一致する大腿骨上の溝)。図9Aから図9Bに示すように、膝蓋骨インプラント900も設置することができる。図9Cは、顆インプラント900と、膝蓋骨インプラント800と、脛骨プラトー用インプラント200とを有する膝を示す。
【0110】
図10Aから図10Dは、1つ以上の先述したインプラントが移植された膝関節の冠状面の代替図を示す。図10Aは、脛骨インプラント200が配置された膝を示す。図10Bは、顆インプラント300が配置された膝を示す。先述したように、本明細書で教示する複数のインプラントは、関節の運動を回復するために関節内に設置することができる。図10Cは、2つのインプラントを有する膝関節を示す。まず、脛骨インプラント200を脛骨プラトー上に設置し、第2のインプラント300を対向する顆上に設置する。当業者によって認識されるように、インプラントは、お互いに合わせ面を与える(図示するように)ように、または、与えないように設置することができる。例えば、脛骨インプラント200が膝の内部に配置され、顆インプラント300が外側に配置された場合、他の組み合わせが当業者によって認識されると考えられる。ここで図10Dを参照すると、2区画顆インプラント500と共に脛骨インプラント200が設置されている。先に論じたように、これらのインプラントは、膝関節の同じ側と関連づけることができるが、関連づけなくてもよい。
【0111】
関節形成システムは、脛骨形状、大腿骨形状、および膝蓋骨形状もしくは脛骨形状、大腿骨形状または膝蓋骨形状の種々の面を反映するように設計することができる。脛骨形状および大腿骨形状は、軟骨、骨またはその両方を含むことができる。更に、インプラントの形状は、半月板などの他の関節構造体の種々の部分または全ての構成要素も含むことができる。半月板は、特に、歩行つまり載荷中に圧縮可能である。こういう理由から、インプラントは、載荷もしくは物理的活動中に半月板の圧縮に対応する半月形状の種々の面を組み込むように設計することができる。例えば、インプラント200の下面204は、軟骨または骨またはその両方を含む脛骨プラトーの形状に適合するように設計することができる。インプラント200の上面202は、脛骨関節面(特に半月板に覆われていない区域において)と半月板の複合材とすることができる。従って、デバイスの外側面は、半月板高さを反映したものとすることができる。これは、圧縮に対応して、例えば、未圧縮半月板高さの20%、40%、60%、または80%とすることができる。
【0112】
同様に、インプラント300の上面304は、軟骨、骨またはその両方を含む大腿顆の形状に適合するように設計することができる。インプラント300の下面302は、脛骨プラトー(特に半月板に覆われていない区域において)の表面と半月板の複合材とすることができる。したがって、デバイスの外側面の少なくとも一部は、半月板高さを反映したものとすることができる。これは、圧縮に対応して、例えば、未圧縮半月板高さの20%、40%、60%、または80%とすることができる。これらの同じ特性は、図4から図8に示すインプラントにも適用することができる。
【0113】
一部の実施形態においては、半月形状を反射する装置の外側面は、別の、好ましくは圧縮可能な材料で作ることができる。圧縮可能な材料が選択された場合、半月板の圧縮性と生体機械的挙動に実質的に適合するように設計されることが好ましい。デバイス全体は、一般に、そのような材料または非金属材料で作ることができる。
【0114】
修復対象の任意の関節面の半月板の高さおよび形状は、画像化テストで直接測定することができる。半月板の一分または全体が損傷した場合、半月板の高さおよび形状は、対側関節の測定結果から、または、半月板寸法に関する推定値が得られる可能性がある他の関節構造の測定結果を用いて導出することができる。
【0115】
別の実施形態においては、インプラント300、400または500の上面は、大腿骨に従って成形することができる。形状は、脛骨プラトーに対する大腿骨の動作パターンから導出することができることが好ましく、その結果、大腿顆が曲がったり、拡張したり、回転したり、並進したり、脛骨および半月板上で滑ったりしたときに大腿骨形状および脛骨大腿骨接触区域の変動に対応する。
【0116】
動作パターンは、X線透視法、MRI、歩行分析およびその組み合わせなどの、当技術分野で公知である任意の現在または将来の試験を用いて測定することができる。
【0117】
関節形成部は、2つ以上の構成要素を有することができ、一方は、脛骨面と本質的に合わさり、他方は、大腿骨構成要素と実質的に関節摺動する。2つの構成要素は、平坦な対向面を有することができる。あるいは、対向面は、湾曲面とすることができる。曲率は、脛骨形状、関節動作中を含む大腿骨形状、半月板形状およびその組み合わせを反映するものとすることができる。
【0118】
単一構成要素システムの例としては、プラスチック、ポリマー、金属、金属合金、結晶なし金属、生体物質、またはその組み合わせがあるが、これらに限定されない。特定の実施形態においては、下層の骨に対向する修復システムの表面は、滑らかなものにすることができる。他の実施形態においては、下層の骨に対向する修復システムの表面は、多孔質または多孔質被覆処理とすることができる。別の態様においては、下層の骨に対向する修復システムの表面は、例えば、周囲組織の内部成長を助長するために1つ以上の溝をつけて設計される。デバイスの外面は、階段状のデザインを有することができ、これは、生体機械的応力を変更する上で有利である可能性がある。必要に応じて、フランジをデバイス上の1つ以上の位置に追加することができる(例えば、修復システムが回転するのを防止するために、または、トグルを制御して骨髄腔内への沈降を防止するか、もしくはトグルを制御するかまたは骨髄腔内への沈降を防止するために)。フランジは、円錐または円筒形デザインの一部とすることができる。下層の骨に対向する修復システムの一部または全ては、平坦とすることができ、これは、インプラントの深さを制御し、かつ、トグルを防止する一助となることができる。
【0119】
複数構成要素のシステムの非制限的な例としては、金属、プラスチック、金属合金、結晶なし金属、1つ以上の生体物質の組み合わせがある。関節面修復システムの1つ以上の構成要素は、生体物質(例えば、軟骨細胞または幹細胞などの細胞が単独であるかまたは生体吸収性材料または組織足場などの基材内に播種された組織足場、同種移植片、自家移植片、またはその組み合わせ)および非生体物質(例えば、ポリエチレンまたはクロム・コバルトなどのコバルト合金)、もしくは生体物質(例えば、軟骨細胞または幹細胞などの細胞が単独であるかまたは生体吸収性材料または組織足場などの基材内に播種された組織足場、同種移植片、自家移植片、またはその組み合わせ)または非生体物質(例えば、ポリエチレンまたはクロム・コバルトなどのコバルト合金)で構成することができる。
【0120】
したがって、修復システムは、単一材料または材料の組み合わせの1つ以上の区域を含むことができ、例えば、関節面修復システムは、第1及び第2の構成要素を有することができる。第1の構成要素は一般的に、損失軟骨組織と類似のサイズ、厚み、曲率を有するように設計され、一方、第2の構成要素は、一般的に、軟骨下骨と類似の曲率を有するように設計される。更に、第1の構成要素は、類似の弾性および軸方向載荷または剪断力に対する耐性を含むがこれらに限定されない、関節軟骨と類似の生体機械的特性を有することができる。第1及び第2の構成要素は、2つの異なる金属または金属合金から成ることができる。システムの1つ以上の構成要素(例えば、第2の部分)は、骨を含むがこれに限定されない生体物質、または、ハイドロキシアパタイト、タンタル、クロム合金、コロム・コバルト、または他の金属合金を含むがこれらに限定されない非生体物質で構成することができる。
【0121】
関節面修復システムの1つ以上の領域(例えば、第1の部分および第2の部分、もしくは第1の部分または第2の部分の外縁部)は、例えば、関節面修復システムと患者の正常な軟骨との境界面が、経時的に、硝子質または繊維軟骨で埋められることを可能にするために生体吸収性とすることができる。同様に、1つ以上の領域(例えば、関節面修復システムの第1の部分および第2の部分もしくは関節面修復システムの第1の部分または第2の部分の外縁部)は、多孔質とすることができる。多孔率の度合いは、多孔率の度合いが一般的に関節面修復システムの中心部に向かって減少する場所については多孔質領域を通じて線形にまたは非線形に変る可能性がある。孔は、軟骨細胞、軟骨マトリクス、および結合組織の内部成長が確保されるように設計することができ、その結果、滑らかな境界面が関節面修復システムと周囲軟骨との間に達成される。
【0122】
修復システム(例えば、複数の構成要素によるシステムにおける第2の構成要素)は、メチルメタクリル樹脂、注入可能なヒドロキシまたはカルシウム・アパタイト材料などの接着剤状の材料を使用して患者の骨に装着することができる。
【0123】
特定の実施形態においては、関節面修復システムの1つ以上の部分は、移植時には成形しやすいか、流動性か、または変形可能であるとすることができ、かつ、その後に硬化することができる。硬化は、例えば、1秒から2時間以内(またはその間の任意の時期)、好ましくは1秒から30分以内(またはその間の任意の時期)、更に好ましくは、1秒と10分との間(またはその間の任意の時期)に起こることができる。
【0124】
関節面修復システムの1つ以上の構成要素は、注入物を受けるようにすることができる。例えば、関節面修復システムの外面は、1つ以上の開口部を有することができる。開口部は、ねじ、管材、針、または、挿入して所望の深さまで前進させて、例えば、関節面修復システムを通過して骨髄腔内に入ることができる他の装置を受けるようにサイズ処理することができる。その後、メチルメタクリレートなどの注入可能物質および注入可能なヒドロキシまたはカルシウム・アパタイト材料を開口部(もしくは開口部に挿通された管材)を介して骨髄腔に導入することができ、その結果、関節面修復システムが骨髄腔と接合される。同様に、ねじ、または、ピン、または、他の繋留機構を開口部に挿入し、下層の軟骨下骨および骨髄または骨端まで前進させて骨への関節面修復システムの固定を達成することができる。ねじまたはピンの部分または全ての構成要素は、生体吸収性とすることができ、例えば、骨髄腔内に突出するねじの遠位部分は、生体吸収性とすることができる。外科手術後の原初期中、ねじは、関節面修復システムの主要な固定を行うことができ、その後、関節面修復システムの下面に沿った多孔質被覆区域内への骨の内部成長が、骨に対する関節面修復システムの主要な安定化剤として引き継ぐことができる。
【0125】
関節面修復システムは、ピンまたはねじまたは他の装着機構を使用して患者の骨に繋留することができる。この装着機構は、生体吸収性とすることができる。ピンまたはねじ、または装着機構を挿入して、軟骨以外のもので覆われた骨の部分から、または、関節の非重量担持面から関節面修復システムに向かって前進させることができる。
【0126】
関節面修復システムと周囲の正常な軟骨との境界面は、角度をつける、例えば、下層の軟骨下骨に対して90°の角度で配向することができる。適切な角度は、本明細書の教示内容を考慮して決定することができ、特定の場合においては、90°以外の角度は、関節面修復システムと周囲の正常な軟骨との境界面に沿った負荷分布に関して種々の利点を有することができる。
【0127】
関節面修復システムと周囲の正常な軟骨および骨、もしくは関節面修復システムと周囲の正常な軟骨または骨との境界面は、薬剤または生理活性剤、例えば、正常な軟骨および骨、もしくは正常な軟骨または骨への修復システムの生物学的な一体化を促す材料で被覆することができる。境界面の表面積は、例えば、薬剤または生理活性剤への境界面の露出を増大させるために不規則なものとすることができる。
【0128】
(E.先存修復システム)
本明細書で説明するように、様々なサイズ、曲率、厚みの修復システムを取得することができる。これらの修復システムは、目録を作りかつ保管してシステム・ライブラリを作成することができ、その後に、このライブラリから、個々の患者の妥当なシステムを選択することができる。即ち、特定の被検者において欠陥または関節面が評価され、適切な形状およびサイズを有する先存修復システムが、更なる操作(例えば、成形)および移植に向けてライブラリから選択される。
【0129】
(F.ミニプロテーゼ)
先に説明したように、本明細書で説明する種々の方法および構成は、関節面の一部のみ、例えば、関節面上の病変軟骨または損失軟骨の区域の置換に使用することができる。これらのシステムにおいて、関節面修復システムは、病変または損失軟骨の区域のみを置換するように設計することができるか、または、病変または損失軟骨の区域から、例えば、3mmまたは5mm突出して正常な隣接軟骨内に延在することができる。特定の実施形態においては、プロテーゼは、置換率が関節面(例えば、単一の大腿顆などの任意の特定の関節面)の約70%から80%未満(またはその間の任意の値)、好ましくは、約50%から70%未満(またはその間の任意の値)、更に好ましくは、約30%から50%(またはその間の任意の値)、更に好ましくは、約20%から30%未満(またはその間の任意の値)、更に一層好ましくは関節面の約20%未満である。
【0130】
プロテーゼは、複数の構成要素、例えば、骨の表面を覆う軟骨の欠陥部を覆うように成形される構成要素に装着された、骨の中に移植される構成要素(例えば、金属製デバイス)を含むことができる。更なる構成要素、例えば、中間板、半月修復システムなどを含むこともできる。各構成要素が取って代わるのは関節面の全てとまでは行かないことが企図されている。しかしながら、各構成要素は、関節面の同じ部分に取って代わるものでなくてもよい。即ち、プロテーゼは、置換率が骨の30%未満である骨に移植される構成要素と、置換率が軟骨の60%である軟骨構成要素とを有することができる。プロテーゼは、各構成要素が取って代わるのが関節面全体とまでは行かないことを条件として、任意の組み合わせを含むことができる。
【0131】
関節面修復システムは、周囲または隣接軟骨または骨との近似解剖学的嵌合または適合を達成するように形成または選択することができる。一般的に、関節面修復システムは、外面に位置する外縁部が周囲または隣接軟骨と整合するように形成および選択、もしくは形成または選択される。
【0132】
したがって、関節修復システムは、関節面、例えば、大腿顆の重量担持部分(または重量担持部分よりも多くまたは少なく)に取って代わるように設計することができる。重量担持面は、正常な日常生活の活動(例えば、正常な歩行)中の2つの対向する関節面間の接触区域を指す。このようにして、大腿顆上でおよび脛骨上で少なくとも1つ以上の重量担持部分に取って代わることができる。
【0133】
他の実施形態においては、病変軟骨または軟骨損失の区域は、重量担持区域において特定することができ、重量担持区域の一部のみ、具体的には、病変軟骨を含む部分もしくは軟骨損失の区域を関節面修復システムと置換することができる。
【0134】
別の実施形態において、関節修復システムは、関節面、例えば、顆の実質的に全てに取って代わるように設計または選択することができる。
【0135】
別の実施形態において、例えば、広範性の軟骨損失を有する患者においては、関節修復システムは、重量担持面よりも若干大きな区域に取って代わるように設計することができる。
【0136】
特定の態様においては、修復対象欠陥部は、1つの関節面、一般的に、最も病変が激しい表面上のみに位置する。例えば、激しい軟骨損失が内側大腿顆にあるが、脛骨においては病変がそれほど激しくない患者においては、関節面修復システムを適用することができるのは、内側大腿顆のみである。本明細書で説明する任意の方法においては、関節面修復システムは、隣接する正常な軟骨との正確なまたは近似解剖学的嵌合を達成するように設計されることが好ましい。
【0137】
他の実施形態においては、2つ以上の関節面を修復することができる。修復の区域は、一般的に、病変軟骨または軟骨損失の区域、または、重量担持面内の病変軟骨または軟骨損失の区域よりも若干大きな区域に限られることになる。
【0138】
別の実施形態において、関節面修復部(例えば、下層の骨または骨髄の方を指しているシステムの表面)の1つ以上の構成要素は、多孔質または多孔質被覆とすることができる。骨組織内部成長による金属性プロテーゼの固定を高める様々な異なる金属多孔質被覆がこれまで提案されている。したがって、例えば、1974年12月24日に付与されたPilliarの米国特許第3,855,638号では、骨プロテーゼとして使用することができる外科用プロテーゼデバイスが開示されており、このプロテーゼデバイスは、中実金属性材料基板と、基板の表面の少なくとも一部に付着され、かつ基板の表面の少なくとも一部を覆うように延在する同じ中実金属性材料の多孔質被覆部とから成る複合構造体を含む。多孔質被覆部は、被覆部において複数の接合された間質性孔を画定するために互いとの接触地点にて共に接合された金属性材料の複数の小さな離散的粒子から成る。複数の単層内に配分される可能性がある粒子のサイズおよび間隔は、平均間質性孔サイズが約200ミクロンを上回らないようなものとすることができる。更に、孔サイズの分布は、基質被覆境界面から被覆部表面まで実質的に均一なものとすることができる。別の実施形態において、関節面修復システムは、薬または薬供給に用いることができる薬理学的治療液を含む治療薬を装荷・放出することができる1つ以上のポリマー材を含むことができる。ポリマー材は、例えば、多孔質被覆区域の内側に配置することができる。ポリマー材を用いて、治療薬、例えば、骨または軟骨成長促進剤を放出することができる。この実施形態は、関節面修復システムの種々の部分を生体吸収性とすることができる他の実施形態と組み合わせることができる。例えば、関節面修復システムの第1の層または第1の層の種々の部分は、生体吸収性とすることができる。第1の層がますます吸収状態になるにつれて、軟骨成長促進剤の局地的な放出は、軟骨細胞の内部成長およびマトリクス形成を助長することができる。
【0139】
本明細書で説明する種々の方法および構成のいずれにおいても、関節面修復システムは、種々のサイズ、曲率、厚みで予め製造することができる。あるいは、関節面修復システムは、個々の患者ごとに注文製作品とすることができる。
【0140】
(IV.製造)
(A.成形)
特定の例においては、修復材の成形は、形成(所望の厚みまでの成長)の前後に、例えば、所要軟骨材の厚みが均質でない場合(例えば、軟骨置換または再生材料の部分が異なると、必要な厚みが異なる場合)に必要となる。
【0141】
置換材料は、任意の適切な手法で成形することができ、任意の適切な手法としては、鋳造法、機械的摩耗、レーザ摩耗または切除、高周波処理、凍結融解壊死治療、露出時間および栄養物の濃度の変動、酵素または成長因子、軟骨厚みに影響を与えるかまたは変化を与えるのに適切な任意の他の手段があるが、これらに限定されない。例えば、2000年3月23日に公開されたMansmanの国際公開第00/15153号を参照されたい。酵素消化が用いられた場合、軟骨置換または再生材料の特定の部分は、酵素のより高い投与量に晒される可能性があるか、または、上記の材料の異なる部分における軟骨置換または再生材料の異なる厚みおよび曲率を達成する手段として晒される時間が長くなる可能性がある。
【0142】
材料は、例えば、予め選択された厚みおよび曲率、もしくは予め選択された厚みまたは曲率が既に入力されている装置を使用して、その後、所望の形状を達成する入力情報を用いて装置をプログラムして、手動および自動的に、もしくは手動または自動的に成形することができる。
【0143】
軟骨修復材の成形に加えて、または、軟骨修復材の成形の代わりに、修復材の一体化を高めるために任意の適切な手法によって移植部位(例えば、骨表面、任意の残留軟骨材など)を成形することもできる。
【0144】
(B.サイズ処理)
関節修復システムは、周囲または隣接軟骨、軟骨下骨、半月板および他の組織、もしくは、周囲または隣接軟骨、軟骨下骨、半月板または他の組織との近似解剖学的嵌合または適合を達成するように形成または選択することができる。修復システムの形状は、電子画像の分析結果(MRI、CT、デジタル断層合成、光干渉断層撮影など)を基本とすることができる。関節修復システムが病変軟骨または損失軟骨の区域に取って代わることを目的としている場合には、電子画像において健康な軟骨の形状の仮想再建が得られる方法を用いて近似解剖学的嵌合を達成することができる。
【0145】
本発明の1つの実施形態においては、軟骨欠陥部または病変軟骨の区域全体にわたって健康な軟骨を挿入することで軟骨欠陥部の位置での正常に近い軟骨表面を再建することができる。これは、例えば、パラメトリック曲面(例えば、B−スプライン曲面)によって健康な軟骨を描写することによって達成することができ、パラメトリック曲面が健康な軟骨の輪郭に従い、かつ、軟骨欠陥部または病変軟骨の区域の橋渡しをするように制御地点がパラメトリック曲面に向けて配置される。パラメトリック曲面の連続性特性によって、周囲の健康な軟骨の輪郭で軟骨欠陥部または病変軟骨の区域の橋渡しをする部分の円滑な一体化が得られることになる。軟骨欠陥部の区域または病変軟骨の区域を覆うパラメトリック曲面の部分を用いて、周囲軟骨と合わさる関節修復システムの形状または形状の一部を判断することができる。
【0146】
別の実施形態においては、軟骨欠陥部または病変軟骨の区域の位置での正常に近い軟骨表面は、形態画像処理を用いて再建することができる。第1のステップにおいては、軟骨は、手動、半自動および自動、もしくは手動、半自動または自動セグメント化法(例えば、手動トレース、領域拡張、活線、モデルベースのセグメント化)を用いて電子画像から抽出することができ、その結果、2値画像が得られる。軟骨内の欠陥部は、妥当に選択した構造化要素で2Dまたは3Dで行われる形態学的閉演算で埋めることができる窪みのように見える。閉演算は、一般的に、侵食が後に発生する膨張と定義される。膨張演算子は、構造化要素の少なくとも1つの画素がソース画像内の領域の内側に静置する場合には出力画像内の現在画素を1に設定する。侵食演算子は、構造化要素全体がソース画像内の領域の内側に静置する場合には出力画像内の現在画素を1に設定する。軟骨欠陥部または病変軟骨の区域が埋められると、軟骨欠陥部の区域または病変軟骨の区域を覆う新しい表面ができ、この新しい表面は、周囲軟骨または軟骨下骨と合わさる関節修復システムの形状または形状の一部の判断に使用することができる。
【0147】
先述したように、関節修復システムは、周囲または隣接軟骨および軟骨下骨、もしくは周囲または隣接軟骨または軟骨下骨との近似解剖学的嵌合または適合を達成するように、様々なサイズ、曲率、厚みのライブラリもしくはデータベースから形成または選択することができる。これらのシステムは、個々の患者ごとに予め製作するかまたは注文製作することができる。手術前に周囲または隣接軟骨または軟骨下骨または半月板および他の組織との関節修復システムの嵌合または適合を制御するために、移植されることになる解剖学的位置を覆うように関節修復システムを投影するソフトウェアプログラムを使用することができる。適切なソフトウェアは、市販されており、かつ、熟練プログラマーによって容易に改変または設計されるか、もしくは、市販されているか、または、熟練プログラマーによって容易に改変または設計される。
【0148】
更に別の実施形態においては、関節面修復システムは、1つ以上の3D画像を用いて移植部位を覆うように投影することができる。軟骨および軟骨下骨、もしくは軟骨または軟骨下骨および他の解剖学的構造体は、手動、半自動、および自動的セグメント化法もしくは手動、半自動、または自動的セグメント化法を用いて、MRIまたはCTなどの3D電子画像から抽出する。軟骨および軟骨下骨、もしくは軟骨または軟骨下骨および他の解剖学的構造体ならびに関節修復システムの3D図は、例えば、多角形またはNURBS表面または他のパラメトリック曲面図を用いて生成する。様々なパラメトリック曲面図の説明については、例えば、Foley,J.D.他共著、コンピュータ・グラフィックス:原理およびCでの実践、Addison−Wesley、第2版、1995年)を参照されたい。
【0149】
軟骨および軟骨下骨、もしくは軟骨または軟骨下骨および他の解剖学的構造体および関節修復システムの3D図は、共通の座標系に合併することができる。その後、関節修復システムは、所望の移植部位に配置することができる。軟骨、軟骨下骨、半月板、および他の解剖学的構造体および関節修復システムの図は、3D画像、例えば、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)OpenGL(登録商標)(SGI社によって開発された高度3Dグラフィックス機能の標準ライブラリ、PCベースのビデオ・カード用ドライバの一部として販売、例えば、NVIDIAビデオ・カードについて、www.nvidia.com、または、3Dlabs製品についてはwww.3dlabs.comから、またはUnix(登録商標)ワークステーション用システム・ソフトウェアの一部として)、または、DirectX(登録商標)(Microsoft Windows(登録商標)ベースPCシステム用マルチメディアAPI、www.microsoft.comから入手可能)にされる。様々な角度から、例えば、対話式または非対話式に、リアルタイムでまたは非リアルタイムで回転または移動させることで、軟骨、軟骨下骨、半月板、または他の解剖学的物体、および関節修復システムを示す3D画像を作ることができる。
【0150】
ソフトウェアは、関節修復システムが、手術道具および計器を含め、軟骨および軟骨下骨、もしくは軟骨または軟骨下骨に対する最良の嵌合で、例えば、先述した手法の一部を用いて自動的に選択されるように設計することができる。あるいは、オペレータは、手術道具および計器を含め、関節修復システムを選択して投影するか、または適切なツールおよび手法を用いて移植部位上にドラッグすることができる。オペレータは、移植部位に対して3次元で関節修復システムを移動および回転させることができ、かつ、関節修復システムと移植部位との嵌合の目視検査を行うことができる。目視検査は、コンピュータ支援とすることができる。この手順は、満足な嵌合が達成されるまで繰り返すことができる。この手順は、オペレータが手動で行うことができるか、または、全部または一部においてコンピュータ支援とすることができる。例えば、ソフトウェアは、オペレータがテストすることができる第1の試行インプラントを選択することができる。オペレータは、嵌合を評価することができる。ソフトウェアは、インプラントと周囲軟骨または軟骨下骨または半月板または他の組織との整合不良区域を強調表示するように設計および使用することができる。その後、この情報に基づいて、ソフトウェアまたはオペレータは、別のインプラントを選択してその整合を試験することができる。当業者は、本明細書で説明する目的に向けて適切なコンピュータプログラムを容易に選択、改変、および作成、もくしは容易に選択、改変、または作成することができるであろう。
【0151】
別の実施形態においては、移植部位は、1つ以上の横断面2D画像を用いて視覚化することができる。一般的に、一連の2D横断面画像が使用されることになる。2D画像は、当業者に公知である種々の方法およびツールを用いて、CT、MRT、デジタル断層合成、超音波、または光干渉断層撮影などの画像化試験で生成することができる。その後、関節修復システムをこれらの1つ以上の2D画像上に重ね合わせることができる。2D横断面画像は、他の面で、例えば、矢状面から冠状面などまで、再構築することができる。等方性データセット(例えば、スライス厚みが面内解像度と同じまたはほぼ同じであるデータセット)または近等方性データセットも使用することができる。例えば、分割画面表示を用いて複数の面を同時に表示することができる。また、オペレータは、任意の所望の配向でリアルタイムまたは近リアルタイムで2D画像をスクロールすることができ、オペレータは、これを行いながら、組織体積の画像を回転することができる。関節修復システムの表示は、一般的に、軟骨、軟骨下骨、半月板または他の組織を示す2D画像の面を適合させて、異なる表示面、例えば、矢状面、冠状面、または軸方向面を利用して横断面で行うことができる。あるいは、関節修復システムについて3次元表示を使用することができる。2D電子画像および関節修復システムの2Dまたは3D図を共通の座標系に合併することができる。その後、関節修復システムを所望の移植部位に配置することができる。解剖学的構造体、移植部位および関節修復システムの一連の2D横断面の表示は、対話式に(例えば、オペレータは、一連のスライスをスクロールすることができる)または非対話式に(例えば、一連のスライスを通過するアニメーションとして)、リアルタイムまたは非リアルタイムで行うことができる。
【0152】
(C.高速プロトタイプ作成)
高速プロトタイプ作成は、物体のコンピュータモデルから3次元オブジェクトを作製する手法である。専用プリンタを使用して複数の2次元層からプロトタイプを作製する。コンピュータソフトウェアは、オブジェクトの種々の図を複数の明瞭な2次元層に区分し、その後、3次元プリンタは、ソフトウェアによって区分された層ごとに材料層を作製する。様々な作製された層を合わせると、所望のプロトタイプが形成される。高速プロトタイプ作成法に関する更なる情報は、2002年6月27日公開の、Russell他の米国特許公開第2002/0079601号A1で入手可能である。高速プロトタイプ作成の使用の利点は、有害または影響を及ぼす化合物を安全に使用する自由形態の作製方法の使用を可能にするということである。これらの化合物を安全に賦形剤エンベロープ内に組み込むことができ、これによって、作業者に対する暴露が低減される。
【0153】
粉体ピストンおよびビルドベッドが設置される。粉体は、粉体にするかまたは液体で結合することができる任意の材料(金属、プラスチックなど)を含む。粉体は、供給源からスプレッダでベッド表面上に延ばされる。層の厚みは、コンピュータによって制御される。その後、プリントヘッドは、粉体の結合が望まれる場所に結合流体を粉体層に沈殿させる。粉体が再びビルドベッド内に延ばされると、このプロセスが繰り返され、結合流体の沈殿は、デバイス形成の3次元場所に対応するように各層にて制御される。このプロセスの更に論じた内容については、例えば、2003年9月18日公開の、Monkhouse他の米国特許公開第2003/017365号A1を参照されたい。
【0154】
高速プロトタイプ作成では、セクションIで先述したように、取得された2次元画像を使用して、プロトタイプ作成機の層の各々について2次元形状の各々を判断することができる。このシナリオにおいては、各2次元画像スライスであれば、2次元プロトタイプスライドに対応するであろう。あるいは、欠陥部の3次元形状は、先述したように判断して高速プロトタイプ作成プロセスに向けて2次元スライスに分解することができる。3次元モデルを使用する利点は、高速プロトタイプ作成機に使用された2次元スライスは、取られた2次元画像と同じ面に沿うか、または、全体で異なる面に沿うものとすることができるということである。
【0155】
高速プロトタイプ作成は、種々の鋳造法と組み合わせて、または、種々の鋳造法と共に使用することができる。例えば、高速プロトタイプ作成を用いて内寸法が関節修復システムに対応するシェルまたは容器を作ることができる。プラスチックまたはワックス状の材料がこの目的に使用される。その後、容器の内側は、その後の鋳造に向けて、例えば、セラミックで被覆することができる。このプロセスを用いて、個人用鋳造品を生成することができる。
【0156】
高速プロトタイプ作成は、関節修復システムの製造に使用することができる。高速プロトタイプ作成は、製造設備にて行うことができる。あるいは、手術中の測定を行った後に手術室において行うことができる。
【0157】
(V.外科的手法)
患者に外科手術を行う前に、外科医は、例えばエレクトAPエックス線を使用して膝の整合を手術前に判断することができる。手術前の評価を行う際には、存在する任意の外側の膝蓋骨棘を特定することができる。
【0158】
標準的な外科的手法を用いて、患者は、麻酔が掛けられ、修復対象の膝関節の部分に接近するために切開が行われる。内部入口を初めに利用して関節の関節鏡検査を可能にすることができる。その後、内部入口を手術切開部に組み込み、標準的な外側入口を用いることができるか、もしくは、内部入口を手術切開部に組み込むか、または、標準的な外側入口を用いることができる。
【0159】
妥当な切開が行われると、靭帯構造体の完全性を含め、露出部分が完全であるか検査する。APエックス線で特定されたかまたは関節内に存在する恐れがある一切の骨棘または骨増殖体の他に、必要であれば、半月板の部分を除去する可能性がある。骨増殖体の除去を助長するために、外科医は、更なる内側および内側後部骨増殖体を露出させるために膝を曲げることができる。更に、骨増殖体は、このプロセス中に膝蓋骨から除去することができる。必要であれば、内側および外側もしくは内側または外側の半月板も、この時点で、所望であれば、半月板の周縁と共に除去することができる。
【0160】
当業者によって認識されるように、内側十字靭帯の評価は、脛骨増殖体の除去を助長するために必要であろう。
【0161】
関節面が準備されると、所望のインプラントを関節に挿入することができる。
【0162】
(A.脛骨プラトー)
図2のデバイス200を内側に挿入するために、膝蓋腱部の内側で小切開である関節切開を行う。切開が行われると、内側顆を露出させて、適切なナイフおよび湾曲オステオトームを使用して継ぎ目よりも約1cm下まで内側スリーブを準備する。内側スリーブを準備した後、Z鉤を内側脛骨プラトー周りに配置して、脛骨および大腿骨に沿って半月板の前方部分および骨増殖体を除去する。この時点において、膝は、約60°以上まで曲げられるはずである。Z鉤を除去してインプラントを大腿骨の最も遠位の面に当てて、かつ脛骨プラトー縁部を覆うように配置する。インプラントをまっすぐ押し返す。一部の例においては、外反応力を印加すると、インプラントの挿入が助長される場合がある。
【0163】
図2のデバイスを外側に挿入するために、膝蓋腱部の外側に小切開である関節切開を行う。切開が行われると、外側顆を露出させて、適切なナイフおよび湾曲オステオトームを使用して継ぎ目よりも約1cm下まで外側スリーブを準備する。外側スリーブを準備した後、Z鉤を外側脛骨プラトー周りに配置して、脛骨および大腿骨に沿って半月板の前方部分および骨増殖体を除去する。Z鉤を除去して、インプラントを大腿骨の遠位面に当てて、かつ脛骨プラトー縁部を覆うように配置する。インプラントを45°に保持して、外側骨棘に向かって外側から内側への押しでインプラントを回転させて外側顆に当接させる。一部の例においては、内反応力を印加すると、インプラントの挿入が助長される場合がある。
【0164】
図2に示す任意のインプラントが移植されたら、デバイスを脛骨プラトーのAP境界から0mmから2mm以内に位置決めしてかつ境界を覆うように重ね合わせるべきである。その後、動きの範囲の確認を行ってインプラントの最小の並進があることを確認するべきである。位置決めを確認したら、当技術分野で公知である手法を用いて創傷縫合を行う。
【0165】
当業者によって認識されるように、脛骨プラトーの表面の更なる治療が、インプラント200の構成によっては望ましいであろう。例えば、図2Kに示す竜骨212などの繋留機構または図2Mと図2Nに示す並進運動横材222、221に対応するために、1つ以上の導管または溝部を脛骨プラトーの表面上に形成することができる。
【0166】
(B.顆修復システム)
図3に示すデバイス300を挿入するために、修復対象の顆によっては、膝蓋骨の上部境界に近位して約1cmから始まる前方から内側または前方から後方の皮膚切開を行う。切開は、一般的に、例えば、膝蓋骨の縁部に沿って6cmから10cmの範囲とすることができる。当業者によって認識されるように、状況によっては、これよりも長い切開を必要とする場合がある。
【0167】
余分の深い滑膜を切除して関節への接近を向上させることを必要とする場合がある。更に、脂肪体の全てまたは一部を切除して、反対側の関節の検査を可能にすることもできる。
【0168】
一般的に、骨増殖体は、重大になることがあり得る膝蓋骨縁部上の一切の骨増殖体と共に、大腿骨および脛骨の内縁部および外縁部もしくは内縁部または外縁部の全体から除去される。
【0169】
可能であるが、一般的に、デバイス300には、デバイス移植前の遠位大腿骨の切除は不要である。しかしながら、所望であれば、骨切断を行ってインプラント用表面を実現することができる。
【0170】
この接合点では、患者の脚は、90°屈曲位置に配置される。その後、遠位大腿骨軟骨を覆うIガイドを顆上に配置することができる。ガイドによって、外科医は、インプラント300を正確に顆上に配置することを可能にする開口の配置を判断することができる。ガイドが所定の位置にある状態で、穴を顆内に穿設して深さが1mmから3mmの開口を創出する。開口が創出されると、ガイドが除去され、インプラント300が、顆表面上に設置される。接着剤を使用して、顆へのインプラント300の接着を助長することができる。
【0171】
例えば、図3の2つのインプラント300、または、図4のインプラント400を用いて2つ以上の顆が修復されるべきである場合、または、例えば、図5のインプラント500を用いて顆および膝蓋骨面の一部が修復されるべきである場合、本明細書で説明する外科的手法であれば、例えば、関節に接近するためのより大きな切開部を実現したり、インプラントの小杭を受ける更なる開口を実現したりするなどのために改変されるであろう。
【0172】
(C.膝蓋骨修復システム)
図7に示すデバイスを挿入するために、膝蓋腱部に対して外側または内側に行いかつ図2に関して先述した切開を行うことが妥当であろう。まず、膝蓋骨を外側に外転させ、脂肪体および滑膜を膝蓋骨周辺部周りから後方に曲げる。所望であれば、骨増殖体を除去することができる。生来の膝蓋骨620を表面再建する前に、可動域に関する幾つかの操作を介して膝を手に取って不全脱臼が存在するか否か判断するべきである。不全脱臼が存在する場合、インプラント600を内方転位させることが必要であろう。その後、平坦面がインプラントに呈示されるように生来の膝蓋骨を平面にまたは平坦に切断することができる。その後、一般的に、膝蓋骨620の幾何学的中心部をインプラント600の幾何学的中心部と整合させる。インプラント600を膝蓋骨620に繋留するために、1つ以上の穴もしくは開口612を膝蓋骨面に創出してインプラント600の小杭610を受け入れることができる。
【0173】
(VI.キット)
先述した1つ以上のインプラントは、外科医が外科手術中に使用する1つ以上のインプラントを選択することができるように、キット内で共に組み合わせることができる。
【0174】
本発明の種々の実施形態の以上の説明は、例示および説明を目的として提示したものである。網羅的であったり、または、本発明を開示した正確な形態に限定したりすることを意図したものではない。多くの改変および変形が、当業者に明らかとなろう。種々の実施形態は、本発明の諸原理および実際的な適用を最良に説明することによって、他の当業者が本発明および様々な実施形態を企図した特定の使用に適切である様々な改変と共に理解することを可能にするために選びかつ説明したものである。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1A】図1Aは、選択されたインプラントを受ける前に既存の関節面が変更されないかまたは実質的に変更されない、本発明による、修復を必要とする関節を評価する方法のブロック図である。
【図1B】図1Bは、修復を達成するために適切なインプラントを設計する前に既存の関節面が変更されないかまたは実質的に変更されない、本発明による、修復を必要とする関節を評価する方法のブロック図である。
【図1C】図1Cは、インプラントを開発し、かつ患者にインプラントを使用する方法のブロック図である。
【図2A】図2Aは、膝関節の脛骨プラトーでの移植に適切な本発明の関節インプラントの斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのインプラントの平面図である。
【図2C】図2Cは、図2Bに示す線C−Cに沿った図2Bのインプラントの横断面図である。
【図2D】図2Dは、図2Bに示す線D−Dに沿った横断面図である。
【図2E】図2Eは、図2Bに示す線E−Eに沿った横断面図である。
【図2F】図2Fは、図2Aのインプラントの側面図である。
【図2G】図2Gは、矢状面に平行な平面に沿って切り取られた、移植状態で示す図2Aのインプラントの横断面図である。
【図2H】図2Hは、冠状面に平行な平面に沿って切り取られた、移植状態で示す図2Aのインプラントの横断面図である。
【図2I】図2Iは、軸方向の平面に平行な平面に沿って切り取られた、移植状態で示す図2Aのインプラントの横断面図である。
【図2J】図2Jは、内側に(脛骨プラトーの縁部に向かって)前方かつ後方に延在して骨に近づく若干大きなインプラントを示す。
【図2K】図2Kは、竜骨の形の繋留具を示す図2Aの関節インプラントの代替実施形態の側面図である。
【図2L】図2Lは、繋留具を示す図2Aの関節インプラントの代替実施形態の底面図である。
【図2M】図2Mは、横材の形の繋留具を示す。
【図2N】図2Nから図2Oは、下面がクロス・バーを受けるトラフを有するのを示すインプラントの代替実施形態である。
【図2O】図2Nから図2Oは、下面がクロス・バーを受けるトラフを有するのを示すインプラントの代替実施形態である。
【図2P】図2Pは、様々なクロス・バーを示す。
【図2Q】図2Qから図2Rは、膝関節内に移植されたデバイスを示す。
【図2R】図2Qから図2Rは、膝関節内に移植されたデバイスを示す。
【図2S】図2S(1)から図2S(9)は、1つの縁部に沿った面取り切断部を更に有する脛骨プラトーに適切な別のインプラントを示す。
【図2T】図2T1から図2T8は、インプラントが合わさる平坦または斜めの面を創出するように関節の表面が変更される、脛骨インプラントの代替実施形態を示す。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、それぞれ、下面および上面の視点から見た大腿顆上での使用に適切な関節インプラントの斜視図である。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、それぞれ、下面および上面の視点から見た大腿顆上での使用に適切な関節インプラントの斜視図である。
【図3C】図3Cは、図3Aのインプラントの側面図である。
【図3D】図3Dは、インプラントの下面の図である。
【図3E】図3Eは、インプラントの上面の図である。
【図3F】図3Fは、インプラントの横断面である。
【図3G】図3Gは、インプラントが取り付けられた大腿骨の軸方向図である。
【図3H】図3Hは、インプラントが大腿顆上に取り付けられる、膝蓋骨なしの膝関節の前方図である。
【図3I】図3Iは、図2に示すものなど、脛骨プラトーに適切なインプラントと共に大腿顆上に図3Aのインプラントが移植された膝関節の前方図である。
【図3J】図3Jから図3Kは、少なくとも1つの面取り切断部を更に有する大腿顆上で使用される関節インプラントの代替実施形態を示す。
【図3K】図3Jから図3Kは、少なくとも1つの面取り切断部を更に有する大腿顆上で使用される関節インプラントの代替実施形態を示す。
【図4A】図4Aは、従来技術による、大腿顆に適切なインプラントを示す。
【図4B】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Bは、上面からのインプラントの若干斜視による図である。
【図4C】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Cは、図4Bのインプラントの側面図である。
【図4D】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Dは、インプラントの下面の平面図である。
【図4E】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Eおよび図4Fは、インプラントの斜視側面図である。
【図4F】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Eおよび図4Fは、インプラントの斜視側面図である。
【図4G】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Gは、インプラントが取り付けられた大腿骨の軸方向図である。
【図4H】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Hは、インプラントが大腿顆に取り付けられる膝蓋骨なしの膝関節の前方図である。
【図4I】図4Bから図4Iは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントを示す。図4Iは、図2に示すものなど、脛骨プラトーに適切なインプラントと共に図4Bのインプラントが大腿顆上に移植された膝関節の前方図である。
【図5A】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Aは、面取り切断部を示すインプラントの下面の正面図である。
【図5B】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Bは、インプラントの上面の若干斜視の図である。
【図5C】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Cは、第1の方向からのインプラントの斜視側面図である。
【図5D】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Dは、第2の方向からのインプラントの若干斜視の図である。
【図5E】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Eから図5Fは、軸受け負荷を示すインプラントの側面図である。
【図5F】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Eから図5Fは、軸受け負荷を示すインプラントの側面図である。
【図5G】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Gおよび図5Hは、インプラントが外側レールを有する代替実施形態を示す。
【図5H】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Gおよび図5Hは、インプラントが外側レールを有する代替実施形態を示す。
【図5I】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Iは、インプラントが繋留竜骨を有する別の実施形態を示す。
【図5J】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Jは、インプラントが大腿顆上に取り付けられた大腿骨の軸方向図である。
【図5K】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Kは、インプラントが大腿顆上に取り付けられる膝蓋骨なしの膝関節の前方図である。
【図5L】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Lは、図2に示すものなど、脛骨プラトーに適切なインプラントと共に図5Aのインプラントが大腿顆上に移植された膝関節の前方図である。
【図5M】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Mから図5Nは、膝関節内に移植されたデバイスを示す。
【図5N】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Mから図5Nは、膝関節内に移植されたデバイスを示す。
【図5O】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Oは、顆の部分的除去に対応するデバイスの代替実施形態を示す。
【図5P】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Pから図5Sは、1つ以上の面取り切断部を有するインプラントの代替実施形態を示す。
【図5Q】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Pから図5Sは、1つ以上の面取り切断部を有するインプラントの代替実施形態を示す。
【図5R】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Pから図5Sは、1つ以上の面取り切断部を有するインプラントの代替実施形態を示す。
【図5S】図5Aから図5Sは、大腿顆上の配置に適切な別のインプラントの図である。図5Pから図5Sは、1つ以上の面取り切断部を有するインプラントの代替実施形態を示す。
【図6A】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図6B】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図6C】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図6D】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図6E】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図6F】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図6G】図6Aから図6Gは、表面マップを含む横断面データ点の図形図と共に図5に示すようなデバイスを示す。
【図7A】図7Aから図7Cは、2分割構成を有する、大腿顆の一部に適切な、デバイスの代替デザインを示す。
【図7B】図7Aから図7Cは、2分割構成を有する、大腿顆の一部に適切な、デバイスの代替デザインを示す。
【図7C】図7Aから図7Cは、2分割構成を有する、大腿顆の一部に適切な、デバイスの代替デザインを示す。
【図8A】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8B】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8C】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8D】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8E】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8F】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8G】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8H】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8I】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図8J】図8Aから図8Jは、膝蓋骨全体(図8A)と、インプラントを取り付けるために切断された膝蓋骨(図8B)とを示す。適切な膝蓋骨インプラントの正面図および側面図(図8Cから図8D)を示し、膝蓋骨綾に対するインプラントドーム部の場所を示すために膝蓋骨全体の上に重ね合わされたインプラントの図を示す。図8Eから図8Fは、膝蓋骨を覆うように重ね合わされたインプラントを示す。図8Gから図8Jは、未加工材(図8G)に基づく膝蓋骨インプラントの代替デザインを示す。
【図9A】図9Aから図9Cは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の代表的な側面図を示す。図9Aは、顆インプラントおよび膝蓋骨インプラントを有する膝を示す。
【図9B】図9Aから図9Cは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の代表的な側面図を示す。図9Bは、顆インプラントが後方の方向に顆表面の大部分を覆う、顆インプラントおよび膝蓋骨インプラントを有する膝の代替図を示す。
【図9C】図9Aから図9Cは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の代表的な側面図を示す。図9Cは、インプラントが顆と、膝蓋骨と、脛骨プラトーとの上に設置される膝関節を示す。
【図10A】図10Aから図10Dは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の正面図を示す。図10Aは、脛骨インプラントを有する膝を示す。
【図10B】図10Aから図10Dは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の正面図を示す。図10Bは、顆インプラントを有する膝を示す。
【図10C】図10Aから図10Dは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の正面図を示す。図10Cは、2区画顆インプラントと脛骨インプラントとを有する膝を示す。
【図10D】図10Aから図10Dは、教示されたデバイスのいずれかを(内側に取り付けられた状態で)有する膝関節の正面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と下面とを有する、大腿顆に適切なインプラントであって、前記上面が、前記大腿骨の前記顆の少なくとも一部と滑車に対向し、前記下面が、脛骨面の重量負荷部分の少なくとも一部と膝蓋骨に対向し、更に、前記上面または下面のうちの一方の少なくとも一部が、前記大腿骨と脛骨面とのうちの一方の形状に実質的に適合する3次元形状を有するインプラント。
【請求項2】
前記上面と前記下面が、前記インプラントの前記上面が当接し、かつ、前記インプラントの前記下面が当接する関節面のうちの少なくとも1つの形状に実質的に適合する3次元形状を有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記インプラントが、患者の軟骨欠陥部の厚みを有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項4】
前記インプラントが、患者の軟骨欠陥部の85%の厚みを有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記インプラントが、患者の軟骨欠陥部の65%と100%の間の厚みを有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項6】
前記インプラントが、所定の偏位値を加えた軟骨欠陥部の厚みを有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項7】
前記偏位値が、軸線不整合を調整するために選択され得る、請求項6に記載のインプラント。
【請求項8】
前記インプラントが、金属または金属合金を含む材料で構成される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項9】
前記材料が、1つ以上の生物活性材料を含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項10】
前記インプラントが、生物活性材料で被覆される、請求項6に記載のインプラント。
【請求項11】
前記インプラントが、金属または金属合金およびポリマーで構成される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項12】
綾と、小杭と、ピンと、十字形ステムと、横材と、歯と、突出部とから成る群から選択される装着用構造体を、前記上面と前記下面のうちの少なくとも一方に更に有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項13】
複数の装着用構造体を更に有する、請求項12に記載のインプラント。
【請求項14】
前記装着用構造体の相対配向が、対称と、非対称形と、列と、円と、三角形と、無作為とから成る群から選択される、請求項13に記載のインプラント。
【請求項15】
前記インプラントが、前記大腿骨の膝蓋骨表面の一部を覆う、請求項1に記載のインプラント。
【請求項16】
前記上面と下面の各々が、前記インプラントの少なくとも一部を通る長手方向の軸線に対する傾斜を有し、更に、前記下面の傾斜に対する前記上面の傾斜が、正と、負と、ゼロとから成る群から選択される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項17】
前記インプラントが、第1の関節面及び第2の関節面のうちの一方の形状に近似する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項18】
前記インプラントの顆合わせ面が、顆表面と合わさる少なくとも1つの平面を有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項19】
大腿顆表面が、前記インプラントを受けるために準備される、請求項18に記載のインプラント。
【請求項20】
前記顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項19に記載のインプラント。
【請求項21】
大腿顆表面が、骨を除去することによって準備される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項22】
前記顆表面が、軟骨を除去することによって準備される、請求項21に記載のインプラント。
【請求項23】
前記顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項21に記載のインプラント。
【請求項24】
前記インプラントが、インプラント・ライブラリから選択される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項25】
前記インプラントが、10cm以下の切開部を介して外科的に移植される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項26】
前記インプラントが、6cm以下の切開部を介して外科的に移植される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項27】
関節可動域が、正常な関節運動の80%と99.9%の間まで回復される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項28】
関節可動域が、正常な関節運動の90%と99.9%の間まで回復される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項29】
関節可動域が、正常な関節運動の95%と99.9%の間まで回復される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項30】
関節可動域が、正常な関節運動の98%と99.9%の間まで回復される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項31】
前記インプラントが、前記大腿骨上の第2の顆の少なくとも一部に対向するように形成される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項32】
前記インプラントが、内側または外側のうちの一方の前記上面から延在するレールを更に含む、請求項1に記載のインプラント。
【請求項33】
前記インプラントが、前記上面から延在する竜骨を更に含み、前記竜骨が、前記内側および外側から陥凹した位置内にある、請求項1に記載のインプラント。
【請求項34】
前記上面の一部は、平面内に着座する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項35】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と合わさる、請求項34に記載のインプラント。
【請求項36】
前記インプラントが、健康な関節の解剖学的形状を模倣する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項37】
前記インプラントが、外科手術前の関節の解剖学的形状を模倣する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項38】
前記インプラントが、目標とされた関節の解剖学的形状を模倣する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項39】
前記インプラントが、靭帯均衡化を行うことなく外科手術中に関節腔内に配置される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項40】
前記インプラントが、顆インプラントと膝蓋骨合わせインプラントとで構成されたシステムである、請求項1に記載のインプラント。
【請求項41】
1つの場所での前記インプラントの厚みが、外反変形と、内反変形と、平坦化のうちの少なくとも1つに対応するように調整される、請求項1に記載のインプラント。
【請求項42】
斜切縁部を更に有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項43】
面取り切断部を更に有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項44】
隅肉部を更に有する、請求項1に記載のインプラント。
【請求項45】
前記隅肉部が、脛骨棘後部の外部にある、請求項44に記載のインプラント。
【請求項46】
膝を修復するためのキットであって、
上面と下面とを有する顆インプラントであって、前記上面が、大腿顆の少なくとも一部と滑車とに対向し、前記下面が、脛骨面の重量負荷部分の少なくとも一部と膝蓋骨とに対向し、更に、前記上面または下面のうちの少なくとも一方が、前記大腿骨面と脛骨面とのうちの一方の形状に実質的に適合する3次元形状を有する顆インプラントと、
上面と下面とを有する顆インプラントであって、前記上面が、前記大腿顆の少なくとも一部に対向し、前記下面が、脛骨面の重量負荷部分の少なくとも一部に対向し、更に、前記上面または下面のうちの少なくとも一方が、前記大腿骨面と脛骨面のうちの一方の形状に実質的に適合する3次元形状を有する顆インプラントと、
膝蓋骨の大腿骨合わせ面と係合する第1の表面と、滑車と係合する第2の表面とを有する膝蓋骨インプラントと、
上面と下面とを有する、脛骨プラトーに適切なインプラントであって、前記上面が、大腿骨の少なくとも一部に対向し、前記下部分が、前記脛骨面の少なくとも一部に対向し、更に、前記上面または下面のうちの少なくとも一方が、前記大腿骨面と脛骨面のうちの一方の形状に実質的に適合する3次元形状を有するインプラントと
から選択される1つ以上のインプラントを含む、キット。
【請求項47】
膝関節用プロテーゼデバイスであって、
上面と、下面と、湾曲側縁部が間に延在する頂部と下部とを有する大腿顆構成要素と、
前記プロテーゼデバイスの前記頂部に沿った滑車溝構成要素と
を含み、
前記大腿顆構成要素の前記下部が、前記関節表面上の分界溝の前で終端するプロテーゼデバイス。
【請求項48】
前記デバイスが、患者の軟骨欠陥部によって決まる厚みを有する、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項49】
前記デバイスが、患者の軟骨欠陥部の約85%の厚みを有する、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項50】
前記デバイスが、患者の軟骨欠陥部の65%と100%の間の厚みを有する、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項51】
前記デバイスが、所定の偏位値を加えた患者の軟骨欠陥部の厚みを有する、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項52】
前記デバイスが、金属または金属合金を含む材料で構成される、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項53】
少なくとも1つの表面に装着用構造体を更に有する、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項54】
前記装着用構造体が、綾と、小杭と、ピンと、横材と、十字形ステムと、歯と、突出部とから選択される、請求項53に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項55】
前記インプラントが、内側または外側のうちの一方の前記上面から延在するレールを更に含む、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項56】
前記インプラントが、前記上面から延在する竜骨を更に含み、前記竜骨が、前記内側および外側から陥凹した位置内にある、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項57】
前記上面の一部は、平面内に着座する、請求項47に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項58】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と合わさる、請求項57に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項59】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と実質的に合わさる、請求項57に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項60】
膝関節用プロテーゼデバイスであって、
湾曲側縁部が間にある頂部と下部とを有する大腿顆構成要素と、
前記デバイスの前記頂部に沿った滑車溝構成要素と
を含み、前記大腿顆構成要素の前記下部が、前記膝関節表面上の分界溝にて終端するプロテーゼデバイス。
【請求項61】
前記デバイスが、患者の軟骨欠陥部によって決まる厚みを有する、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項62】
前記デバイスが、患者の軟骨欠陥部の約85%の厚みを有する、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項63】
前記デバイスが、患者の軟骨欠陥部の65%と100%の間の厚みを有する、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項64】
前記デバイスが、所定の偏位値を加えた患者の軟骨欠陥部の厚みを有する、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項65】
前記デバイスが、金属または金属合金を含む材料で構成される、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項66】
少なくとも1つの表面に装着用構造体を更に有する、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項67】
前記装着用構造体が、綾と、小杭と、ピンと、横材と、十字形ステムと、歯と、突出部とから選択される、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項68】
前記インプラントが、内側または外側のうちの一方の前記上面から延在するレールを更に含む、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項69】
前記インプラントが、前記上面から延在する竜骨を更に含み、前記竜骨が、前記内側および外側から陥凹した位置内にある、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項70】
前記上面の一部は、平面内に着座する、請求項60に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項71】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と合わさる、請求項70に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項72】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と実質的に合わさる、請求項70に記載のプロテーゼデバイス。
【請求項73】
大腿顆表面が、前記インプラントを受けるために準備される、請求項60に記載のインプラント。
【請求項74】
前記大腿顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項73に記載のインプラント。
【請求項75】
大腿顆表面が、骨を除去することによって準備される、請求項60に記載のインプラント。
【請求項76】
前記顆表面が、軟骨を除去することによって準備される、請求項75に記載のインプラント。
【請求項77】
前記顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項75に記載のインプラント。
【請求項78】
前記インプラントが、健康な関節の解剖学的形状を模倣する、請求項60に記載のインプラント。
【請求項79】
前記インプラントが、外科手術前の関節の解剖学的形状を模倣する、請求項60に記載のインプラント。
【請求項80】
前記インプラントが、目標とされた関節の解剖学的形状を模倣する、請求項60に記載のインプラント。
【請求項81】
前記インプラントが、靭帯均衡化を行うことなく外科手術中に関節腔内に配置される、請求項60に記載のインプラント。
【請求項82】
前記インプラントが、顆インプラントと膝蓋骨合わせインプラントとで構成されたシステムである、請求項60に記載のインプラント。
【請求項83】
1つの場所での前記インプラントの厚みが、外反変形と、内反変形と、平坦化のうちの少なくとも1つに対応するように調整される、請求項60に記載のインプラント。
【請求項84】
斜切縁部を更に有する、請求項60に記載のインプラント。
【請求項85】
面取り切断部を更に有する、請求項60に記載のインプラント。
【請求項86】
隅肉部を更に有する、請求項60に記載のインプラント。
【請求項87】
前記隅肉部が、脛骨棘後部の外部にある、請求項86に記載のインプラント。
【請求項88】
膝関節内の遠位大腿骨に適切な、上面と下面とを有するインプラントであって、前記上面が、脛骨大腿骨関節面の大腿骨面と連絡するように構成され、前記下面が、前記脛骨大腿骨関節面の脛骨面と連絡するように構成されるインプラント。
【請求項89】
移植ステップの前に、骨切断が前記大腿骨の表面上で行われる、請求項88に記載のインプラント。
【請求項90】
前記骨切断が後部である、請求項88に記載のインプラント。
【請求項91】
前記インプラントが、大腿顆に沿った高い後部延長部を有する、請求項90に記載のインプラント。
【請求項92】
前記膝関節が、高度の膝湾曲を有する、請求項91に記載のインプラント。
【請求項93】
前記上面または下面のうちの一方の少なくとも一部が、合わさる関節表面の形状に実質的に適合する3次元形状を有する、請求項88に記載のインプラント。
【請求項94】
前記上面または下面のうちの一方の前記部分の長さが2cmを上回る、請求項88に記載のインプラント。
【請求項95】
前記インプラントが、内側または外側のうちの一方の前記上面から延在するレールを更に含む、請求項88に記載のインプラント。
【請求項96】
前記インプラントが、前記上面から延在する竜骨を更に含み、前記竜骨が、前記内側および外側から陥凹した位置内にある、請求項88に記載のインプラント。
【請求項97】
前記上面の一部が、平面内に着座する、請求項88に記載のインプラント。
【請求項98】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と合わさる、請求項97に記載のインプラント。
【請求項99】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と実質的に合わさる、請求項88に記載のインプラント。
【請求項100】
装着用構造体を更に有し、前記装着用構造体が、綾と、小杭と、ピンと、横材と、十字形ステムと、歯と、突出部とから選択される、請求項88に記載のインプラント。
【請求項101】
膝蓋骨大腿骨関節面と脛骨大腿骨関節面との大腿骨面に取って代わる大腿骨構成要素と、
前記脛骨大腿骨関節面の脛骨面に取って代わる脛骨構成要素と
を含むインプラントシステム。
【請求項102】
前記大腿骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部によって決まる厚みを有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項103】
前記脛骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部によって決まる厚みを有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項104】
前記大腿骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部の約85%の厚みを有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項105】
前記大腿骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部の65%と100%の間の厚みを有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項106】
前記大腿骨構成要素が、所定の偏位値を加えた患者の軟骨欠陥部の厚みを有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項107】
前記大腿骨構成要素が、金属または金属合金を含む材料で構成される、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項108】
少なくとも1つの表面に装着用構造体を更に有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項109】
前記装着用構造体が、綾と、小杭と、ピンと、横材と、十字形ステムと、歯と、突出部とから選択される、請求項108に記載のインプラントシステム。
【請求項110】
前記大腿骨構成要素の前記上面が、大腿顆上の骨切断部に合わさるように設計された実質的に平坦な部分を有する、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項111】
1つ以上の構成要素が、エックス線サイズ処理を用いてサイズ処理される、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項112】
1つ以上の構成要素が、標準的な鋳造法を用いて製造される、請求項101に記載のインプラントシステム。
【請求項113】
前記インプラントが、内側または外側のうちの一方の前記上面から延在するレールを更に含む、請求項101に記載のインプラント。
【請求項114】
前記インプラントが、前記上面から延在する竜骨を更に含み、前記竜骨が、前記内側および外側から陥凹した位置内にある、請求項101に記載のインプラント。
【請求項115】
前記上面の一部は、平面内に着座する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項116】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と合わさる、請求項115に記載のインプラント。
【請求項117】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と実質的に合わさる、請求項101に記載のインプラント。
【請求項118】
前記脛骨構成要素が、プレート上に位置決めされたドーム部を有する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項119】
前記ドーム部が、前記ドーム部の頂点が前記プレートの中心に偏心であるように前記プレート上に位置決めされる、請求項118に記載のインプラント。
【請求項120】
前記ドーム部の頂点が、膝蓋骨綾に対応するように位置決めされる、請求項118に記載のインプラント。
【請求項121】
大腿顆表面が、前記インプラントを受けるために準備される、請求項101に記載のインプラント。
【請求項122】
前記大腿顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項121に記載のインプラント。
【請求項123】
前記大腿顆表面が、軟骨を除去することによって準備される、請求項121に記載のインプラント。
【請求項124】
前記大腿顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項121に記載のインプラント。
【請求項125】
前記インプラントが、健康な関節の解剖学的形状を模倣する、請求項121に記載のインプラント。
【請求項126】
前記インプラントが、外科手術前の関節の解剖学的形状を模倣する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項127】
前記インプラントが、目標とされた関節の解剖学的形状を模倣する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項128】
前記インプラントが、靭帯均衡化を行うことなく外科手術中に関節腔内に配置される、請求項101に記載のインプラント。
【請求項129】
前記インプラントが、顆インプラントと膝蓋骨合わせインプラントとで構成されたシステムである、請求項101に記載のインプラント。
【請求項130】
1つの場所での前記インプラントの厚みが、外反変形と、内反変形と、平坦化のうちの少なくとも1つに対応するように調整される、請求項101に記載のインプラント。
【請求項131】
斜切縁部を更に有する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項132】
面取り切断部を更に有する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項133】
隅肉部を更に有する、請求項101に記載のインプラント。
【請求項134】
前記隅肉部が、脛骨棘後部の外部にある、請求項133に記載のインプラント。
【請求項135】
膝蓋骨大腿骨関節面と脛骨大腿骨関節面との大腿骨面に取って代わる大腿骨構成要素と、
前記脛骨大腿骨関節面の脛骨面に取って代わる脛骨構成要素と、
前記膝蓋骨大腿骨関節面の膝蓋骨面に取って代わるように設計された膝蓋骨構成要素と
を含むインプラントシステム。
【請求項136】
前記大腿骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部によって決まる厚みを有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項137】
前記脛骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部によって決まる厚みを有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項138】
前記大腿骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部の約85%の厚みを有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項139】
前記大腿骨構成要素が、患者の軟骨欠陥部の65%と100%の間の厚みを有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項140】
前記大腿骨構成要素が、所定の偏位値を加えた患者の軟骨欠陥部の厚みを有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項141】
前記大腿骨構成要素が、金属または金属合金を含む材料で構成される、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項142】
少なくとも1つの表面に装着用構造体を更に有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項143】
前記装着用構造体が、綾と、小杭と、ピンと、横材と、ロール・バーと、十字形ステムと、歯と、突出部とから選択される、請求項142に記載のインプラントシステム。
【請求項144】
前記大腿骨構成要素の前記上面が、大腿顆上の骨切断部に合わさるように設計された実質的に平坦な部分を有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項145】
1つ以上の構成要素が、エックス線サイズ処理を用いてサイズ処理される、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項146】
1つ以上の構成要素が、標準的な鋳造法を用いて製造される、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項147】
前記インプラントが、内側または外側のうちの一方の前記上面から延在するレールを更に含む、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項148】
前記インプラントが、前記上面から延在する竜骨を更に含み、前記竜骨が、前記内側および外側から陥凹した位置内にある、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項149】
前記上面の一部は、平面内に着座する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項150】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と合わさる、請求項149に記載のインプラントシステム。
【請求項151】
平面内に着座する前記上面の前記一部が、前記大腿骨面上の平面切込み部と実質的に合わさる、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項152】
前記脛骨構成要素が、プレート上に位置決めされたドーム部を有する、請求項135に記載のインプラントシステム。
【請求項153】
前記ドーム部が、前記ドーム部の頂点が前記プレートの中心に偏心であるように前記プレート上に位置決めされる、請求項152に記載のインプラントシステム。
【請求項154】
前記ドーム部の頂点が、膝蓋骨綾に対応するように位置決めされる、請求項152に記載のインプラントシステム。
【請求項155】
大腿顆表面が、前記インプラントを受けるために準備される、請求項135に記載のインプラント。
【請求項156】
前記大腿顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項155に記載のインプラント。
【請求項157】
前記大腿顆表面が、軟骨を除去することによって準備される、請求項155に記載のインプラント。
【請求項158】
前記大腿顆表面が、前記インプラントの前記少なくとも1つの平面と合わさるために少なくとも1つの平面を形成することによって準備される、請求項155に記載のインプラント。
【請求項159】
前記インプラントが、健康な関節の解剖学的形状を模倣する、請求項155に記載のインプラント。
【請求項160】
前記インプラントが、外科手術前の関節の解剖学的形状を模倣する、請求項135に記載のインプラント。
【請求項161】
前記インプラントが、目標とされた関節の解剖学的形状を模倣する、請求項135に記載のインプラント。
【請求項162】
前記インプラントが、靭帯均衡化を行うことなく外科手術中に関節腔内に配置される、請求項135に記載のインプラント。
【請求項163】
前記インプラントが、顆インプラントと膝蓋骨合わせインプラントとで構成されたシステムである、請求項135に記載のインプラント。
【請求項164】
1つの場所での前記インプラントの厚みが、外反変形と、内反変形と、平坦化のうちの少なくとも1つに対応するように調整される、請求項135に記載のインプラント。
【請求項165】
斜切縁部を更に有する、請求項135に記載のインプラント。
【請求項166】
面取り切断部を更に有する、請求項135に記載のインプラント。
【請求項167】
隅肉部を更に有する、請求項135に記載のインプラント。
【請求項168】
前記隅肉部が、脛骨棘後部の外部にある、請求項167に記載のインプラント。
【請求項169】
膝関節用プロテーゼデバイスであって、
湾曲側縁部が間にある頂部と下部とを有する大腿顆構成要素と、
前記プロテーゼデバイスの前記頂部に沿った滑車溝構成要素と
を含み、
前記大腿顆構成要素の前記下部が、前記膝関節表面上の分界溝の前で終端するプロテーゼデバイス。
【請求項170】
膝関節用プロテーゼデバイスであって、
湾曲側縁部が間にある頂部と下部とを有する大腿顆構成要素と、
前記プロテーゼデバイスの前記頂部に沿った滑車溝構成要素と
を含み、
前記大腿顆構成要素の前記下部が、前記膝関節表面上の分界溝の近くで終端するプロテーゼデバイス。
【請求項171】
膝関節用プロテーゼデバイスであって、
湾曲側縁部が間にある頂部と下部とを有する大腿顆構成要素と、
前記デバイスの前記頂部に沿った滑車溝構成要素と
を含み、
前記大腿顆構成要素の前記下部が、前記膝関節表面上の分界溝を越えて終端するプロテーゼデバイス。
【請求項172】
膝蓋骨大腿骨関節面と脛骨大腿骨関節面の大腿骨面に取って代わる大腿骨構成要素と、
前記脛骨大腿骨関節面の脛骨面に取って代わる脛骨構成要素と
を含み、
前記脛骨構成要素と大腿骨構成要素のうちの少なくとも一方が、非対称形であるインプラントシステム。
【請求項173】
膝蓋骨大腿骨関節面と脛骨大腿骨関節面の大腿骨面に取って代わる大腿骨構成要素と、
前記脛骨大腿骨関節面の脛骨面に取って代わる脛骨構成要素と、
前記膝蓋骨大腿骨関節面の膝蓋骨面に取って代わるように設計された膝蓋骨構成要素と
を含み、
前記脛骨構成要素と、大腿骨構成要素、膝蓋骨構成要素のうちの少なくとも1つが、非対称形であるインプラントシステム。
【請求項174】
膝関節用プロテーゼデバイスであって、
上面と、下面と、曲面が間に延在する頂部と下部とを有する大腿顆構成要素と、
前記プロテーゼデバイスの前記頂部に沿った滑車溝構成要素と
を含み、
前記大腿顆構成要素の前記下部が、分界溝の後に終端するプロテーゼデバイス。
【請求項175】
実質的に平面的な面を有する第1の表面と、部分的に平面的な面を有する第2の表面とを有する脛骨インプラントであって、部分的に平面的な面を有する前記第2の表面が、ドーム部構造体を更に含む脛骨インプラント。
【請求項176】
前記ドーム部が、膝蓋骨綾に対応するように位置決めされた頂点を有する、請求項174に記載の脛骨インプラント。
【請求項177】
前記ドーム部が、前記ドーム部の前記頂点が前記インプラントの中心に偏心であるように前記第2の表面上に位置決めされる、請求項175に記載の脛骨インプラント。
【請求項178】
実質的に平面的な面を有する第1の表面と、部分的に平面的な面を有する第2の表面とを有する脛骨インプラントであって、部分的に平面的な面を有する前記第2の表面が、前記平面的な面が前記ドーム部周りのリップを成すように、前記部分的に平面的な面上に位置するドーム部構造体を更に含む脛骨インプラント。
【請求項179】
前記ドーム部周りの前記リップが、前記ドーム部の円周部周りに対称である、請求項178に記載の脛骨インプラント。
【請求項180】
前記ドーム部周りの前記リップが、前記ドーム部の円周部周りに非対称形である、請求項178に記載の脛骨インプラント。
【請求項181】
前記インプラントが、未加工材を形成する、請求項178に記載の脛骨インプラント。
【請求項182】
前記平面的な面の縁部が、患者専用の様式で変更される、請求項178に記載の脛骨インプラント。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N1】
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【図2N2】
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【図2O1】
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【図2O2】
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【図2P】
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【図2Q】
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【図2R】
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【図2S−1】
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【図2S−2】
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【図2S−3】
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【図2S−4】
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【図2S−5】
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【図2S−6】
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【図2S−7】
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【図2S−8】
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【図2S−9】
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【図2T(1)】
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【図2T(2)】
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【図2T(3)】
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【図2T(4)】
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【図2T(5)】
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【図2T(6)】
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【図2T(7)】
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【図2T(8)】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図5M】
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【図5N】
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【図5O】
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【図5P】
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【図5Q】
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【図5R】
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【図5S】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【公表番号】特表2008−521493(P2008−521493A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543429(P2007−543429)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/042421
【国際公開番号】WO2006/058057
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(507168177)コンフォーミス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】