情報伝送システム、情報伝送装置、情報管理装置、プログラム
【課題】著作権を有するデジタル情報を伝送したことに起因する不正な複製を抑制する。
【解決手段】著作権パターンの有無に基づき、伝送対象情報に添付される著作権を有するか否かを判定する(S130〜S153)。著作権を有する場合に送信先がイントラネット外なら送信を禁止する(S171−NO)。著作権を有する場合に送信先が自ドメイン内なら送信を許可するが(S171−YES)、著作権保護用のセキュリティ設定が必要であると判定し(S180−YES)、セキュリティ設定後の情報の送信を許可する(S190)。著作権ありの場合にセキュリティ設定後の情報が自ドメイン外に送信されることはない。著作権が無い場合には、自ドメイン内/外の双方への送信を許可するとともに、著作権保護用のセキュリティ設定はしない(S171−YES,S180−NO)。
【解決手段】著作権パターンの有無に基づき、伝送対象情報に添付される著作権を有するか否かを判定する(S130〜S153)。著作権を有する場合に送信先がイントラネット外なら送信を禁止する(S171−NO)。著作権を有する場合に送信先が自ドメイン内なら送信を許可するが(S171−YES)、著作権保護用のセキュリティ設定が必要であると判定し(S180−YES)、セキュリティ設定後の情報の送信を許可する(S190)。著作権ありの場合にセキュリティ設定後の情報が自ドメイン外に送信されることはない。著作権が無い場合には、自ドメイン内/外の双方への送信を許可するとともに、著作権保護用のセキュリティ設定はしない(S171−YES,S180−NO)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝送システム、情報伝送装置、情報管理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一方の機器から他方の機器へ通信手段を介して情報を伝送する仕組みがある。たとえば、スキャナで画像を取り込み、その画像をネットワークを介してプリンタに伝送するのが一例である。また、ワープロソフトや図形作成ソフトなどで電子的に作成されたデータををネットワークを介してプリンタに伝送して出力するのが一例である。
【0003】
たとえば、特許文献1の仕組みでは、様々な情報が表現されたコンテンツデータを出力機器に固有のファイルフォーマットに基づき、複数のモジュールのイベントとして一時的に保持し、保持したコンテンツデータに対してユーザが印刷装置への印刷を指示した場合、コンテンツデータが印刷可能か否かを判定し、印刷不可と判定した場合、著作権保護のために定められた情報に基づき、印刷不可のコンテンツデータに加工を施し、加工が施されたコンテンツデータをファイルとしてバッファに蓄積し、そのファイルを印刷装置へ出力する。著作権を有するコンテンツに対しては、予め定めた情報に基づく加工を施したデータを印刷することになる。
【0004】
特許文献2の仕組みでは、コピー元画像を読み取り、電子透かしで埋め込まれた識別コードを読み出す。その識別コードをキーに外部データベースに、コピー元画像の関連情報(コピー許諾条件、撮影データ、撮影対象物データ、著作権データ、コピー元画像が元もとの原画から改編が加えらているか否かの判定情報、コピー元画像の原像情報など)を問い合わせる。そして、その問い合わせ結果を元に必要なイメージ情報を生成し、プリントアウトする。読み込んだ電子透かしからID情報を取得し、サーバ問合せの結果によってコピーデータを加工するようにしている。
【0005】
特許文献3の仕組みでは、文章、写真、音楽、映像などの著作権の保護と、著作権者の利益を守るために、複製、コピーの許諾、課金を容易に行なって、社会に流通した著作物の監視して不正複製を制限するようにしている。そのために、具体的には、著作権を保護して著作物の使用の許諾と課金、流通を管理するために通信網上に著作物管理サイトを設けて、これに接続した著作権サーバを備えて、著作物を登録して管理する。社会に流通している著作物の監視を適宜行なって不正なコピーを防止し、紙、電子ペーパのオフラインでのコピーは、著作物上に基準マークを印字して、この移動量より頒布量を計測し流通経路を特定して、適正な課金をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−241949号公報
【特許文献2】特開2001−350759号公報
【特許文献3】特開2003−303247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、著作権を有するデジタル情報を伝送したことに起因する不正な複製を抑制することのできる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定部と、前記著作権判定部による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部と、を備えた情報伝送システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部を有する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、をさらに備え、
前記第1の著作権判定部は、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記著作権判定部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部を有する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、を有し、前記伝送制御部は、前記第1の著作権判定部が著作権有りと判定しているときにはその結果を採用し、前記第1の著作権判定部が著作権無しと判定しているときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、をさらに備え、前記著作権判定部は、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の内の何れか一項に記載の発明において、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域以外のときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を禁止する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6の内の何れか一項に記載の発明において、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を許可するとともに、前記伝送対象情報に対して著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6の内の何れか一項に記載の発明において、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定した場合において、前記伝送対象情報が著作権保護用の付加情報を付け加えることができない形式のものであるときには、前記伝送対象情報を著作権保護用の付加情報を付け加えることができる形式のものに変換した後に著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、伝送対象情報の著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部を備えた情報伝送装置である。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、をさらに備えた。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出して情報管理装置に送信する識別符号抽出部をさらに備え、前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を前記情報管理装置から受け取る。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、をさらに備えた。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項11または12に記載の発明において、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、をさらに備え、前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取る。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項11または12に記載の発明において、前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取り、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を採用する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、を備えた情報管理装置である。
【0025】
請求項18に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像情報と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、を備えた情報管理装置である。
【0026】
請求項19に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第1の著作権判定部と、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第2の著作権判定部と、を備えた情報管理装置である。
【0027】
請求項20に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定工程と、前記著作権判定工程による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御工程と、を電子計算機に実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
請求項1,10,20に記載の発明によれば、著作権を有するデジタル情報を伝送したことに起因する不正複製を抑制することができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、伝送対象情報に著作権の識別符号が付されているか否かを判定指標として、不正複製を抑制するための制御を行なうことができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、情報の取得場所と情報の画像様式を判定指標として、不正複製を抑制するための制御を行なうことができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、伝送対象情報に著作権の識別符号が付されているか否かに基づく著作権有無の判定結果と、伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式に基づく著作権有無の判定結果を参照して、不正複製を抑制するための制御を行なうことができる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、情報の取得場所と情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、著作権を有する情報が同一の通信領域外にて不正複製されることを防止できる。
【0035】
請求項8に記載の発明によれば、著作権を有する情報を同一の通信領域内へ送信する場合であっても、不正複製を抑制することができる。
【0036】
請求項9に記載の発明によれば、取得した伝送対象情報が著作権保護用の付加情報を付け加えることができない形式のものであっても、不正複製を抑制することができる。
【0037】
請求項11に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0038】
請求項12,17に記載の発明によれば、情報管理装置との協調処理にて、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0039】
請求項13に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0040】
請求項14に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にでき、かつ、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果と伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定結果を参照して、不正複製を抑制することができる。
【0041】
請求項15,18に記載の発明によれば、情報管理装置との協調処理にて、情報の取得場所と情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0042】
請求項16,19に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、情報管理装置との協調処理にて、情報の取得場所と情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にでき、かつ、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果と伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定結果を参照して、不正複製を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】情報伝送システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態の情報送信装置の構成例を示す図である。
【図3】第1実施形態の情報受信装置の構成例を示す図である。
【図4】第1実施形態の情報送受信装置の構成例を示す図である。
【図5】第1実施形態の情報管理装置の構成例を示す図である。
【図6】第1実施形態の情報伝送システムの全体の処理手順を説明するフローチャートである。
【図6A】第1実施形態の情報伝送システムの全体の処理を、適用システムとの対応で示した図である。
【図6B】第1実施形態の情報伝送システムでの具体的な事例における著作権情報と出力処理の関係を説明する図である。
【図7】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権判別処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。
【図7A】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権なしの場合の送信処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。
【図7B】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第1例を説明するフローチャートである。
【図7C】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第2例を説明するフローチャートである。
【図8】情報伝送システムの第2実施形態を示す図である。
【図9】第2実施形態の情報送信装置の構成例を示す図である。
【図10】第2実施形態の情報送受信装置の構成例を示す図である。
【図11】第2実施形態の情報管理装置の構成例を示す図である。
【図12】第2実施形態の情報伝送システムの全体の処理手順を説明するフローチャート(第1例)である。
【図12A】第2実施形態の情報伝送システムの全体の処理手順を説明するフローチャート(第2例)である。
【図12B】第2実施形態の情報伝送システムでの具体的な事例における著作物パターンおよび情報取得場所と著作物の関係を説明する図である。
【図13】第2実施形態の情報伝送システムにおける著作物判別処理の具体的な手順を説明するフローチャート(第1例)である。
【図13A】第2実施形態の情報伝送システムにおける著作物判別処理の具体的な手順を説明するフローチャート(第2例)である。
【図14】情報電送装置を、電子計算機を利用して構成するときの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。各機能要素について実施形態別に区別する際には、A,B…などのように大文字の英語の参照子を付して記載し、特に区別しないで説明する際にはこの参照子を割愛して記載する。図面においても同様である。
【0045】
<システム構成:第1実施形態>
図1は、情報伝送システムの第1実施形態を示す図である。第1実施形態の情報伝送システム1Aは、情報送信装置3A、情報受信装置4A、情報送受信装置5A、情報管理装置6A、メールサーバ7A、接続中継装置90Aを備える。情報送信装置3A、情報受信装置4A、情報送受信装置5Aを纏めて情報伝送装置とも称する。情報送信装置3Aと情報受信装置4Aと情報送受信装置5Aが、通信手段の一例である通信網9を介して接続されている。
【0046】
情報送信装置3A、情報受信装置4A、情報送受信装置5Aにはそれぞれ、装置のネットワーク上の位置(画像データの送信元や宛先)を特定するアドレス情報が付与される。アドレス情報は、たとえば、装置固有に与えられた管理番号(装置ID)、ネットワーク上のIP(Internet Protocol )アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスなど、ネットワーク上で各装置3,4,5を一意に特定し得るものであればよい。
【0047】
図では、2つの情報送信装置3A(3A_1,3A_2)と、2つの情報受信装置4A(4A_1,4A_2)と、2つの情報送受信装置5A(5A_1,5A_2)が、通信網9を介して接続されている。
【0048】
図では、情報送信装置3A_1、情報受信装置4A_1、情報送受信装置5A_1がLAN(Local Area Network)である第1通信網9_1で接続された第1ドメイン8_1(第1領域)と、情報送信装置3A_2、情報受信装置4A_2、情報送受信装置5A_2がLANである第2通信網9_2で接続された第2ドメイン8_2(第2領域)が、公共通信回線の一例であるインターネットなどの第3通信網9_3で接続されている。接続中継装置90Aは第1通信網9_1と第3通信網9_3の間に介在している。
【0049】
情報送受信装置5Aは、情報送信装置3Aと情報受信装置4Aの両機能を備えるものである。図1との対応では、情報送信装置3A_1と情報受信装置4A_1の機能を纏めたのが情報送受信装置5A_1であり、情報送信装置3A_2と情報受信装置4A_2の機能を纏めたのが情報送受信装置5A_2である。
【0050】
情報送信装置3Aとしては、たとえば、原稿を読み取る情報処理(画像入力処理)を行なうものである場合は、少なくとも原稿読取り機能部を備えていればよく、この場合、情報送信装置3Aは情報入力装置として機能する。情報受信装置4Aとしては、たとえば、受信した情報に基づき出力する情報処理(情報出力処理)を行なうものである場合は、少なくとも情報出力機能部(情報出力機能部)を備えていればよく、この場合、情報受信装置4Aは情報出力装置として機能する。全体として、情報伝送システム1が情報入出力システムとなる。
【0051】
情報管理装置6Aは、いわゆるサーバ機能を備え、アドレスデータ(アドレス帳データ、宛先アドレスデータ)を利用者ごとに管理し、著作権パターンを管理し、また、課金管理を行なう。メールサーバ7Aは、電子メールの伝送を管理する。
【0052】
接続中継装置90は、情報の電送を中継するもので、いわゆるルータ機能を備える。
【0053】
<情報送信装置:第1実施形態>
図2は、第1実施形態の情報送信装置3Aの構成例を示す図である。情報送信装置3Aが備える機能部には300番台の参照子を付して示す。
【0054】
情報送信装置3Aは、情報取得部310、著作権情報処理部330、伝送制御部350、通信処理部360、操作部390、および認証カードリーダ396を備える。
【0055】
情報取得部310は、送信対象の情報(デジタル情報)を取得するもので、画像読取部312と情報受付部314を有する。画像読取部312は、文書の画像を光学的読取り手段で読み取るもので、いわゆるスキャナ装置が該当する。読み取った画像ファイルのフォーマットは、任意でよい。たとえばBMP(ビットマップ)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、PDF(Portable Document Format)などが考えられる。情報受付部314は、他の電送装置や可搬型の記憶媒体などから電子データ(画像データや文書データ)を受け付ける。
【0056】
著作権情報処理部330は、情報取得部310が取得した出力対象情報から得られる著作権の識別符号(識別パターン)を著作権符号(著作権パターン)と照合し、得られる著作権有無情報から出力対象情報が著作権を有するか判断して、判断結果を伝送制御部350に渡す。この機能の実現のため、著作権情報処理部330は、識別符号抽出部332、著作権符号格納部334、符号照合部336、および著作権判定部338(第1の著作権判定部)を有する。
【0057】
識別符号抽出部332は、情報取得部310が取得した出力対象情報から著作権の識別符号を抽出して符号照合部336に渡す。著作権の識別符号は、情報が著作権を有するか否かを識別するためのもので、たとえば原稿(文書)に添付されていてもよいし、原稿とは別の情報記録片に記録されていてもよい。著作権の識別符号(符号画像)の表現の仕方は、画像読取部312で読み取ることができるようなものであればよい。たとえば、2次元状のドットパターンで識別符号を表現するもの(いわゆる2次元バーコード)、棒状の線で識別符号を表現する一般的な1次元バーコード、象形文字的に識別符号を表現するものなどを適用し得る。また、著作権の識別符号は、可視のものであることは必須ではなく、たとえば電子化された情報において「電子透かし」として設定されるものでもよい。本明細書では、このような「電子透かし」も著作権の識別符号であるとして扱う。
【0058】
著作権符号格納部334は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための著作権符号(著作権パターン:照合情報の一例)を複数種類格納する照合情報格納部の一例である。著作権符号格納部334は、符号照合部336での照合処理に参照される著作権符号(著作権パターン)を記憶媒体(たとえばハードディスク装置などの不揮発性のもの)に格納する。「不揮発性」に関しては後述する。
【0059】
符号照合部336は、識別符号抽出部332が抽出した識別符号と予め用意しておいた著作権符号を照合(比較)し、照合結果(著作権有無情報)を著作権判定部338に渡す。
【0060】
照合用の著作権符号は、著作権符号格納部334にて用意しておいてもよいし情報管理装置6にて用意しておいてもよい。照合用の著作権符号を情報管理装置6にて用意する場合、情報送信装置3には著作権符号格納部334や符号照合部336や著作権判定部338を配置せずに、情報管理装置6に配置する構成を採るとよい。
【0061】
換言すると、情報管理装置6にて著作権の照合処理を行なうシステム構成にする場合には、著作権情報処理部330は著作権符号格納部334、符号照合部336、著作権判定部338を備えていなくてもよい。情報送信装置3に著作権符号格納部334を備えるシステム構成にする場合には、定期的にパターンファイルを更新するようにするのがよい。パターンファイルの更新は、たとえば、可搬型の記憶媒体を利用するものでもよいし、情報管理装置6を利用して、定期的にパターンファイルを配信するようにしてもよい。
【0062】
著作権判定部338は、符号照合部336による照合結果に基づき、情報取得部310が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定し、判定結果を伝送制御部350に通知する。
【0063】
伝送の対象となる情報は、著作権を有するものに限らず、著作権を有しないものでもよく、本実施形態の伝送制御部350は、伝送を指示された情報が著作権を有するか否かと指示された伝送先の関係に基づいて出力処理を制御する。
【0064】
ここで、「出力処理を制御する」とは、出力処理を許可する場合において伝送先が公共通信回線を経由するか否かに基づき出力処理を許可するか否かを制御することや、送信を指示された情報が著作権を有するか否かでセキュリティ設定を付加するか否かを制御することを意味する。
【0065】
たとえば、伝送制御部350は、著作権判定部338による著作権有無の判定結果と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。この機能の実現のため、伝送制御部350は、伝送先情報取得部352、送信可否判定部354、編集要否判定部356、および送信情報編集部358を有する。
【0066】
伝送先情報取得部352は、情報取得部310が取得した出力対象情報の伝送先情報を取得する。たとえば、伝送先情報取得部352は、情報管理装置6からアドレスデータを取得して送信可否判定部354と編集要否判定部356に渡す。
【0067】
送信可否判定部354は、著作権判定部338が判定した出力対象情報が著作権を有するか否かの判定結果と伝送先情報取得部352が取得した出力対象情報の伝送先情報との関係に基づいて送信可否を判定する。
【0068】
編集要否判定部356は、出力対象情報に設定されている著作権の状況と伝送先情報に応じて出力対象情報に対する編集の要否を判定し、編集が必要と判定したときには送信情報編集部358に編集を指示する。送信情報編集部358は、送信可否判定部354の指示に基づき出力対象情報に対して著作権に関わる編集を加える。
【0069】
たとえば、送信可否判定部354は、伝送先が自ドメイン内か別のドメインか、公共通信回線(たとえばインターネット)である第3通信網9_3を経由するドメインか、に応じて、つまり伝送先が同一の通信領域であるか否かに基づき伝送可否を判定する。具体的には、第3通信網9_3を経由しないドメイン(たとえばイントラネット内の端末が宛先)への送信は許可するが、第3通信網9_3を経由するドメインへの送信は禁止する。送信を禁止する手法としては、そのような禁止ドメインへの宛先(アドレス)が選択されたときは送信を禁止するか、また、そのような禁止ドメインへの宛先(アドレス)を選択できないようにする。選択できないようにする手法としては、操作画面上において、禁止ドメインへの宛先の表示をしないか、または、表示する場合でも許可ドメインへのアドレスとは異なる表示にし(たとえば薄く表示する)、かつ、仮に選択されたとしてもその選択指示を受け付けない。
【0070】
編集要否判定部356は、送信可否判定部354が送信を許可した場合(たとえばイントラネット内の端末が宛先の場合)でも、出力対象情報に著作権が設定されているときには、著作権管理に関する画像編集を行なうように送信情報編集部358に指示する。著作権管理に関する画像編集としては、出力対象情報に著作権管理用の情報を付加すること(いわゆるセキュリティ設定)が考えられる。著作権管理用の情報を付加する事例として、たとえば、受信側で情報を使用(複製・印刷など)するためパスワード設定や、使用を許可する範囲の設定が考えられる。受信側では、少なくとも受信した情報の閲覧は許可されるが、その他は設定されている使用許可の範囲となる。使用を許可する範囲としては、複製(コピー)および印刷に関して、双方を許可する、何れか一方のみを許可(禁止)する、双方を禁止する(つまり閲覧のみを許可する)、などが考えられる。
【0071】
送信情報編集部358は、編集要否判定部356から画像編集が指示されないときには、情報取得部310が取得した情報をそのまま出力対象情報として通信処理部360に渡す。一方、編集要否判定部356から著作権管理に関する画像編集が指示されたときには、情報取得部310から取得した情報が著作権管理用の情報を付加し得るフォーマットのときはその情報に著作権管理用の情報を付加し、また、信情報取得部310から取得した情報が著作権管理用の情報を付加し得ないフォーマットのときはその情報を著作権管理用の情報を付加し得るフォーマットに変換した後に著作権管理用の情報を付加、それらを出力対象情報として通信処理部360に渡す。
【0072】
たとえば、著作権管理用の情報は、TIFFファイルには付加し得ないがPDFファイルには付加し得る。画像読取部312が取得した画像ファイルがPDFフォーマットであれば、送信情報編集部358はそのPDFファイルにパスワードなどのセキュリティ設定を自動的に付加する。また、画像読取部312が取得した画像ファイルがTIFFフォーマットであれば、送信情報編集部358は、TIFFファイルをPDFファイルに変換してから、自動的にセキュリティ設定を付加する。また、ファイルフォーマットを問わず、鍵(パスワード)付きの圧縮ファイルに変換することも考えられる。
【0073】
また、情報受付部314が受け付ける情報の種類は様々であるが、その中にも著作権管理用の情報を付加し得るものとし得ないものがある。情報受付部314が取得した情報ファイルが著作権管理用の情報を付加し得るものであれば、送信情報編集部358はその情報ファイルにセキュリティ設定を自動的に付加する。また、画像読取部312が取得した情報ファイルが著作権管理用の情報を付加し得えないものであれば、送信情報編集部358は、その情報ファイルをPDFファイルに変換してから、自動的にセキュリティ設定を付加する。
【0074】
通信処理部360は、通信インタフェース部362と送信部364を有する。通信インタフェース部362は、通信網9を介して他の装置と通信を行なうためのインタフェース機能を持つ。送信部364は、画像編集部350から受け取った情報を通信インタフェース部362を介して他の装置へ送る。
【0075】
操作部390は、情報送信装置3Aのユーザ操作を受け付けるもので、図示しないが、キーボードやマウスなどの指示入力装置や操作画面を表示する操作パネルなどを有する。操作パネルはタッチパネル式にしてもよい。
【0076】
認証カードリーダ396は、利用者認証用のカード(認証カード)の情報を読み取る。
【0077】
<情報受信装置:第1実施形態>
図3は、第1実施形態の情報受信装置4Aの構成例を示す図である。情報受信装置4Aが備える機能部には400番台の参照子を付して示すとともに、情報送信装置3Aの機能部と共通するものには300番台を400番台に代えて示す。
【0078】
情報受信装置4Aは、情報送信装置3Aにおける画像読取部310と著作権情報処理部330と通信処理部360の送信部364に対応する機能部を備えていない代わりに、通信処理部460が受信部466を備え、さらに認証処理部470と画像出力部480を備える。
【0079】
受信部466は、情報送信装置3Aや情報送受信装置5Aから送信された情報を通信インタフェース部462を介して受信する。
【0080】
認証処理部470は、セキュリティ設定判定部472と、認証情報受付部474を有する。セキュリティ設定判定部472は、受信部466が受信した情報にセキュリティ設定が付加されているか否かを判定する。認証情報受付部474は、受信部466が受信した情報にセキュリティ設定が付加されているとセキュリティ設定判定部472が判定したとき、情報の利用に当たり、認証カードリーダ496によるID認証の他に、操作部490を介しての利用者にパスワード入力を求める。認証処理部470は、正当なパスワード入力があったときにのみ受信部466が受信した情報の利用を許可する。
【0081】
画像出力部480は、受信部466が受信した情報に基づき画像を出力するもので、いわゆる印刷装置や表示装置が該当する。出力媒体としては表示媒体(たとえば陰極線管表示装置や液晶表示装置など)や印刷媒体(用紙やOHPフィルムなど)の何れでもよい。
【0082】
<情報送受信装置:第1実施形態>
図4は、第1実施形態の情報送受信装置5Aの構成例を示す図である。情報送受信装置5Aが備える機能部には500番台の参照子を付して示すとともに、情報送信装置3Aや情報受信装置4Aの機能部と共通するものには300番台や400番台を500番台に代えて示す。
【0083】
情報送受信装置5Aは情報送信装置3Aと情報受信装置4Aの両機能を備えるものであり、情報送信装置3Aと情報受信装置4Aの各機能部を備えるとともに、それぞれで共通する機能部を1つにした状態のものである。各機能部は、情報送信装置3Aや情報受信装置4Aが備えるものと同様であるので、ここでは説明を割愛する。
【0084】
<情報管理装置:第1実施形態>
図5は、第1実施形態の情報管理装置6Aの構成例を示す図である。
【0085】
情報管理装置6Aは、通信処理部660の他に、著作権情報処理部630が、伝送先情報格納部633、著作権符号格納部634、符号照合部636、および著作権判定部638を備える。また、情報管理装置6Aは、アドレスデータ管理部670と課金管理部672を備える。アドレスデータ管理部670は、利用者ごとのアドレスデータを管理する。課金管理部672は、利用者ごとに、サービス内容に応じた課金管理を行なう。
【0086】
伝送先情報格納部633は、利用者ごとにアドレスデータ(宛先アドレス帳)を格納する。著作権符号格納部634は情報送信装置3Aの著作権符号格納部334と同様の機能を持ち、符号照合部636は情報送信装置3Aの符号照合部336と同様の機能を持ち、著作権判定部638は情報送信装置3Aの著作権判定部338と同様の機能を持つ。
【0087】
<全体動作:第1実施形態>
図6〜図6Aは、第1実施形態の情報伝送システム1Aの全体処理を説明する図である。ここで、図6は、第1実施形態の情報伝送システム1Aの全体の処理手順を説明するフローチャートである。図6Aは、第1実施形態の情報伝送システム1Aの全体処理を、適用システムとの対応で示した図である。後述の各処理手順の説明では、第1ドメイン8_1側の各装置が備える機能部には参照子“_1”を付し、第2ドメイン8_2側の各装置が備える機能部には参照子“_2”を付して区別する。ここでは、照合用の著作権符号を情報送信装置3Aや情報送受信装置5Aにて用意し照合を行なうシステム構成の場合で説明する。なお、著作権符号は「著作権パターン」で記述する。
【0088】
第1ドメイン8_1の装置(情報送信装置3A_1や情報送受信装置5A_1)においては、情報取得部310_1,510_1が取得した情報を自ドメイン内または第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)へ通信網9を介して配信する。
【0089】
このとき、第1ドメイン8_1の装置において、情報取得部310_1,510_1は出力対象情報を取得し(S110)、識別符号抽出部332_1,532_1は出力対象情報を取得から著作権の識別符号を抽出して著作権パターンとして符号照合部336_1,536_1に渡す(S130)。
【0090】
符号照合部336_1,536_1は、予め著作権符号格納部334_1,534_1に用意している著作権パターンと識別符号抽出部332_1,532_1が抽出した著作権パターンを照合し、照合結果を著作権判定部338_1,538_1に渡す(S140)。
【0091】
著作権判定部338_1,538_1は、符号照合部336_1,536_1による照合結果に基づき、情報取得部310_1,510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定し、判定結果を伝送制御部350_1,550_1に通知する(S153)。
【0092】
伝送制御部350_1,550_1は、著作権判定部338_1,538_1による著作権有無の判定結果と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。
【0093】
たとえば、伝送制御部350_1,350_1においては、伝送先情報取得部352_1,552_1は、情報管理装置6からアドレスデータを取得する(S160)。送信可否判定部354_1,554_1は、著作権判定部338_1,538_1が判定した出力対象情報が著作権を有するか否かの判定結果と伝送先情報取得部352_1,552_1が取得したアドレスデータとの関係に基づいて送信可否を判定する(S170)。
【0094】
送信可否判定部354_1,554_1が送信を禁止したときには、装置は処理を中止する(S171−NO)。送信可否判定部354_1,554_1が送信を許可したときには(S171−YES)、編集要否判定部356_1,556_1は、出力対象情報に設定されている著作権の状況と伝送先情報に応じて出力対象情報に対する編集の要否を判定する(S180)。
【0095】
編集要否判定部356_1,556_1は、編集が必要と判定したときには送信情報編集部358_1,558_1に著作権管理に関する編集を指示する(S180−YES,S182)。送信情報編集部358_1,558_1は、送信可否判定部354_1,554_1の指示に基づき出力対象情報に対してセキュリティ設定を付加してから出力対象情報として送信部364_1,564_1に渡す(S190)。送信部364_1,564_1は、画像編集部350_1,550_1から受け取った情報を通信インタフェース部362_1,562_1を介して、自ドメイン内の装置(情報受信装置4A_1や他の情報送受信装置5A_1)へ配信する。この場合は、後述のように、第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)への配信は許可されていない。つまり、著作権ありの場合にセキュリティ設定後の情報が自ドメイン外に送信されることはない(図中の×印)。
【0096】
送信情報編集部358_2,558_2は、編集要否判定部356_1,556_1から画像編集が指示されないときには(S180−NO)、情報取得部310_1,510_1が取得した情報をそのまま出力対象情報として送信部364_1,564_1に渡す。送信部364_1,564_1は、画像編集部350_1,550_1から受け取った情報を通信インタフェース部362_1,562_1を介して、自ドメイン内または第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)へ配信する。たとえば、著作権が無い場合には、自ドメイン内/外の双方への送信を許可するとともに、著作権保護用のセキュリティ設定も行なわない(S171−YES,S180−NO)。
【0097】
第1ドメイン8_1の装置は、装置の継続使用が指示されたときはステップS110に戻り(S198−YES)、装置の継続使用が指示されないときは処理を終了する(S198−NO)。
【0098】
なお、情報管理装置6は情報出力サービスに応じた課金処理を行なう。このとき、課金処理の仕組みそのものについては、著作権をするか否かで相違はないが、本実施形態では、著作権有無の判断を行なうので、著作料を含めた課金をするようにしてもよい。
【0099】
第2ドメイン8_2側の装置(情報送信装置3A_2や情報送受信装置5A_2)から、情報取得部310_2が取得した情報を第1ドメイン8_1の装置(情報受信装置4A_1や情報送受信装置5A_1)へ配信する場合は、詳細な説明を割愛するが、前記の説明において、参照子を“_1”から“_2”に代えて考えればよい。
【0100】
図6に示した手順において、ステップS100〜S140の処理を著作権判別処理と称し、ステップS160,S171−NOの系統の処理を著作権なしの場合の送信処理と称し、ステップS160,S171−YESの系統の処理を著作権ありの場合の送信処理と称する。以下では、これらの各処理について、さらに具体的に説明する。
【0101】
<著作権情報と出力処理の関係>
図6Bは、第1実施形態の情報伝送システム1Aでの具体的な事例における著作権情報と出力処理の関係を説明する図である。ここでは、出力対象の情報に著作権が設定されているか否かとサービス内容の対応関係を図表として示している。
【0102】
本実施形態におけるサービス内容としては、予備表示(プレビュー表示)、複写(コピー)、原稿の読取りから電子メールでの送信までの一連の処理(Scan to e-Mail:読取り&配信)の3つを想定する。
【0103】
「予備表示」とは、正規の出力処理前に画像を表示手段で確認する機能を意味する。正規の出力処理は、本実施形態では、情報の送信処理や印刷出力処理を意味する。
【0104】
たとえば、認証カードリーダ396,596で認証カードの情報を読み取ったときに利用者情報が取得されなかったときは、伝送制御部350,550は、予備表示のみを許可する。利用者情報が取得された場合において配信対象情報に著作権が設定されていないときには、伝送制御部350,550は、予備表示、複写、読取り&配信の何れも許可する。このとき、情報管理装置6は、複写や読取り&配信の処理に応じた課金処理を行なう。この場合の読取り&配信では、配信対象情報のファイルフォーマットは任意であり、一例として、TIFFファイルやPDFファイルを電子メールに添付して送信する。
【0105】
利用者情報が取得された場合において、配信対象情報に著作権が設定されていて、かつ、伝送先が公共通信回線を経由しないドメイン(ドメインOK)のときには、伝送制御部350.550は、予備表示、複写、読取り&配信の何れも許可する。このとき、情報管理装置6は、複写や読取り&配信の処理に応じた著作料を含む課金処理を行なう。この場合の読取り&配信では、配信対象情報のファイルフォーマットは任意ではなく、著作権管理に適したフォーマット(著作権管理用の情報を付加し得るフォーマット)とする。一例として、PDFファイルにセキュリティ設定をしたパスワード付きのPDFファイルにして、電子メールに添付して送信する。
【0106】
利用者情報が取得された場合において、配信対象情報に著作権が設定されていて、かつ、伝送先が公共通信回線を経由するドメイン(ドメインNG)のときには、伝送制御部350.550は、予備表示と複写は許可するが、読取り&配信は禁止する。このとき、情報管理装置6は、複写の処理に応じた著作料を含む課金処理を行なう。
【0107】
<著作権判別処理:第1実施形態>
図7は、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権判別処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。ここでは、照合用の著作権符号を情報管理装置6にて用意し、また、第1ドメイン8_1側の装置として情報送受信装置5A_1を使用するとともに、情報送受信装置5A_1には符号照合部536_1を配置せずに、情報管理装置6に符号照合部636を配置するシステム構成の場合で説明する。
【0108】
著作権の存在する原情報には、著作権を検出できる著作権パターンが記されている。たとえば、著作権の存在する原本には、画像読取部512での読取り時に、著作権を検出できる著作権パターンが、電子透かしや2次元バーコードなどで記されている。
【0109】
利用者は、画像読取部512_1に読取り対象の原本(原稿)をセットし(S212)、認証カードリーダ396で利用者情報(ID情報)を読み込ませた後に、原稿の読取りを指示する(S214)。送信情報取得部510_1は、読み込んだ認証カードに利用者情報が設定されていないなどのために利用者情報の取得に失敗したときには、画像読取部512_2に読取りの実行を指示し(S216)、読み取られた画像データに基づく予備表示のみのサービスを許可する(S218)。
【0110】
送信情報取得部510_1は、読み込んだ認証カードから利用者情報を取得できたときは、画像読取部512_2に読取りの実行を指示する(S220)。伝送制御部550_1は、読み取られた画像データに基づく予備表示を希望するか否かを利用者に問い合わせる(S226)。伝送制御部550_1は、予備表示の指示を受け付けたときは(S226−YES)、読み取られた画像データに基づく予備表示を行なう(S228)。
【0111】
識別符号抽出部532_1は、出力対象情報から電子透かしや2次元バーコードなどの符号情報を著作権パターンとして抽出し、その著作権パターンを送信情報取得部510_1が取得した利用者情報とともに、情報管理装置6に送信する(S231)。
【0112】
情報管理装置6は、アドレスデータを伝送先情報格納部633に保有しており、利用者情報から利用者に該当するアドレスデータを用意する。たとえば、情報管理装置6は、利用者情報から利用者を識別し、識別した利用者に対応するアドレスデータ(宛先アドレス帳)を伝送先情報格納部633から読み出す(S242)。
【0113】
情報管理装置6は、著作権パターンを著作権符号格納部634に保有しており、第1ドメイン8_1側の装置から送信された著作権パターンから著作権の有無や課金情報を判断する。著作権パターンを情報管理装置6で一元管理することで、パターンデータの更新が容易に実施される。たとえば、符号照合部636は、予め著作権符号格納部634に用意している著作権パターンと識別符号抽出部532_1から送信されたが著作権パターンを照合する(S244)。著作権判定部638は、その照合結果に基づき、送信情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する(S246)。
【0114】
情報管理装置6は、アドレスデータと著作権判定部638の処理結果である著作権有無情報を第1ドメイン8_1側の情報送受信装置5A_1に送信する(S248)。受信部566_1は、情報管理装置6から、アドレスデータと著作権有無情報を受信し、アドレスデータを送信情報取得部510_1に渡し、著作権有無情報を伝送制御部550_1に渡す(S252)。
【0115】
送信制御部550_1は、ステップS260またはステップ280へ移行して、著作権判定部638による著作権有無の判定結果と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する(S254)。
【0116】
<送信処理:著作権なし:第1実施形態>
図7Aは、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権なしの場合の送信処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。この著作権なしの場合の送信処理は、図7に示したステップS254でNO(つまり著作権なし)の場合の送信処理である。
【0117】
たとえば、利用者は、複写または読取り&配信のサービスを選択する(S260)。著作権を有しない情報の場合において(S254−NO)、複写サービスが選択されたときは(S260−複写)、伝送制御部550_1は、画像読取部512_1で取得した画像データをそのまま複写印刷として出力するコピーサービスの実行を指示し、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S262)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報を更新し(S276)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0118】
著作権を有しない情報の場合において(S254−NO)、配信サービスが選択されたときは(S260−配信)、伝送制御部550_1は先ず、送信情報取得部510_1が取得しているアドレスデータに基づき、利用者が送信可能な全ての宛先アドレスの操作画面への表示を指示し、利用者よる伝送先の選択を受け付ける(S266)。
【0119】
伝送制御部550_1はさらに、配信する情報のファイルフォーマットの選択を利用者より受け付ける(S270)。ここでは、一例として、TIFFまたはPDFフォーマット化されたデジタルデータの送信を想定する。
【0120】
TIFFフォーマットが選択された場合は(S270−TIFF)、伝送制御部550_1は、送信情報編集部358にてTIFFフォーマットでデータを作成し、指定された宛先への電子メール(e-Mail)に添付して送信を実行するとともに、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S272)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報を更新し(S276)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0121】
PDFフォーマットが選択された場合は(S270−PDF)、伝送制御部550_1は、送信情報編集部358にてPDFフォーマットでデータを作成し、指定された宛先への電子メールに添付して送信を実行するとともに、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S272)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報を更新し(S276)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0122】
<送信処理:著作権あり(第1例):第1実施形態>
図7Bは、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第1例を説明するフローチャートである。この著作権ありの場合の送信処理の第1例は、図7に示したステップS254でYES(つまり著作権あり)の場合の送信処理である。
【0123】
たとえば、利用者は、複写または読取り&配信のサービスを選択する(S280)。著作権を有する情報の場合において(S254−YES)、複写サービスが選択されたときは(S280−複写)、伝送制御部550_1は、画像読取部512_1で取得した画像データに複製物であることを識別する情報を付加し複写印刷として出力するコピーサービスの実行を指示し、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S282)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報(著作料を含む)を更新し(S296)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0124】
著作権を有する情報の場合において(S254−YES)、配信サービスが選択されたときは(S280−配信)、伝送制御部550_1は、公共通信回線である第3通信網9_3を経由する伝送先への送信を禁止し、第3通信網9_3を経由しない伝送先への送信のときには、送信情報編集部558_1でセキュリティ設定を付加してから送信するように制御する。
【0125】
この機能の実現に当たり、第1例においては、伝送制御部550_1は、送信情報取得部510_1が取得している利用者のアドレスデータに基づき、利用者が送信可能な全ての宛先アドレスではなくイントラネット内の端末のアドレスのみの操作画面への表示を指示し、利用者よる伝送先の選択を受け付ける(S286)。このとき、送信可否判定部554_1は、アドレスデータ中の各アドレスについて、伝送先が自ドメイン内か第3通信網9_3を経由するドメインかを判定する。伝送先がイントラネットを超え第3通信網9_3を経由するドメインの端末へのアドレスは操作画面に表示されないため、利用者は、第3通信網9_3を経由する伝送先への送信を指示し得ない。
【0126】
編集要否判定部556_1は、出力対象情報に設定されている著作権の状況と伝送先情報に応じて出力対象情報に対する編集の要否を判定する(S180)。編集要否判定部556_1は、編集が必要と判定したときには送信情報編集部558_1に著作権管理に関する編集を指示する(S180−YES,S182)。
【0127】
伝送制御部550_1が伝送先の選択を受け付けると、著作権ありの情報のイントラネット内の端末への配信サービスであるので、編集要否判定部556_1は、送信情報編集部558_1に、セキュリティ設定の付加を指示する(S290)。つまり、伝送制御部550_1は、イントラネット内の端末については、セキュリティ設定が付加された情報配信のみを許可する。
【0128】
セキュリティ設定が付加された情報配信として、ここでは一例として、PDFフォーマット化されたデジタルデータだけが送信可能であり、データには自動的にパスワードなどのセキュリティ設定を付加するものとする。このため、送信情報編集部558_1は、送信情報取得部510が取得している情報がPDFファイルでないときにはPDFフォーマット化されたデジタルデータに変換する。
【0129】
送信情報編集部558_1は、PDFフォーマット化されたデジタルデータに対して、セキュリティ設定を自動的に付加し、指定された宛先への電子メールに添付して送信を実行するとともに、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S292)。このとき、伝送制御部550_1は、自動的に設定したデータを開くためのパスワードを操作画面に表示する。利用者は、この表示されたパスワードを控えておき、PDFフォーマット化されたデジタルデータの配信とは別の通知により受信者側にそのパスワードを通知する。
【0130】
情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報(著作料を含む)を更新し(S296)、継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0131】
情報送受信装置5A_1は、装置の継続使用が指示されたときはステップS212に戻り(S298−YES)、装置の継続使用が指示されないときは処理を終了する(S298−NO)。
【0132】
第2ドメイン8_2側の情報送受信装置5A_2から、送信情報取得部510_2が取得した情報を第1ドメイン8_1の装置(情報受信装置4A_1や情報送受信装置5A_1)へ配信する場合は、詳細な説明を割愛するが、前記の説明において、参照子を“_1”から“_2”に代えて考えればよい。
【0133】
<送信処理:著作権あり(第2例):第1実施形態>
図7Cは、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第2例を説明するフローチャートである。この著作権ありの場合の送信処理の第2例は、図7に示したステップS254でYES(つまり著作権あり)の場合の送信処理である。
【0134】
第2例と第1例との相違は、公共通信回線である第3通信網9_3を経由する伝送先への送信を禁止し、第3通信網9_3を経由しない伝送先への送信のときには、送信情報編集部558_1でセキュリティ設定を付加してから送信するように制御する際の仕組みにある。
【0135】
この機能の実現に当たり、第2例においては、伝送制御部550_1は、送信情報取得部510_1が取得している利用者のアドレスデータに基づき、利用者が送信可能な全ての宛先アドレスの操作画面への表示を指示し、利用者による伝送先の選択を受け付ける(S286)。
【0136】
伝送制御部550_1は、利用者により選択されたアドレスがイントラネット内(つまり自ドメイン内)であるか否かを判定する(S288)。イントラネット内の端末へのアドレスが選択されている場合には(S288−YES)、伝送制御部550_1は、第1例と同様にして選択されたアドレスへの情報配信を制御する(S292)。
【0137】
一方、イントラネットを超え第3通信網9_3を経由するドメインの端末へのアドレスが選択されている場合には(S288−NO)、伝送制御部550_1は、そのアドレスへの情報配信を禁止する(S294)。この場合、伝送制御部550_1は、情報配信を禁止する旨を操作画面に表示する、または、音声通により、利用者に通知するとよい。
【0138】
<第1実施形態の纏め>
たとえば、スキャナ装置は、紙幣など一部の特殊な原稿を除いて、読取り対象には殆ど制約はなく、容易に複製物を作成できる。この対策として、著作権の存在する原本のスキャンデータに対しては複製であることを判別可能な加工をコピー印刷時に施すことが考えられる。
【0139】
しかしながら、印刷出力とは異なり、デジタルデータの状態では判別のために施された加工を作為的に消去することが印刷物よりも容易であり、デジタルデータとしての複製の氾濫を抑制する手段としては十分とは言えない。また、デジタルデータに複製の判別加工が加えられることにより、生成物の内容を判読することが困難になる場合もある。
【0140】
また、スキャナ装置がネットワークに接続されていた場合、公共通信回線(インターネットなど)を介した配信・閲覧が可能となるため、容易な操作で複製の氾濫が短時間で行なわれてしまう危惧もある。
【0141】
これに対して、第1実施形態の情報伝送システム1においては、送信を指示された情報が著作権を有するか否かを判定し、著作権を有すると認識した場合は、伝送先が公共通信回線を経由するか否かに基づき送信可否を制御するとともに、送信を許可する場合でも、著作権が設定されているときには自動的にセキュリティ設定を付加してから送信する。
【0142】
このため、著作権を有することが検知されたデジタルデータは、公共通信回線への送信が制限(禁止)される。加えて、イントラネットへの送信であっても、ファイルを開く際に必要な認証情報(パスワード)を自動的に付加することで、複製データの作成は正当な者に制限され、複製の氾濫は抑制される。
【0143】
<システム構成:第2実施形態>
図8は、情報伝送システムの第2実施形態を示す図である。
【0144】
第2実施形態の情報伝送システム1Bは、第1実施形態の情報伝送システム1Aをベースに、さらに、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bの送信機能部や情報管理装置6Bを少し変更している。情報送信装置3Bが情報送信装置3Aと異なり、情報送受信装置5Bが情報送受信装置5Aと異なり、情報管理装置6Bが情報管理装置6Aと異なるが、その他は、第1実施形態と相違なく、システム構成図としては第1実施形態と同じようになっている。
【0145】
<情報送信装置:第2実施形態>
図9は、第2実施形態の情報送信装置3Bの構成例を示す図である。
【0146】
情報送信装置3Bは、第1実施形態の情報送信装置3Aをベースに、さらに、著作権確度処理部340を備えている。伝送制御部350は、著作権確度処理部340の判定結果を参照して、出力対象情報の送信可否や著作権管理に関する編集要否を判定する。つまり、第2実施形態では、情報送信装置3(特に出力対象情報を取り込む機能部)の設置場所を出力制御の判定指標に加える点に特徴がある。
【0147】
なお、第2実施形態の仕組みは、情報取得部310が取得した出力対象情報に電子透かしや2次元バーコードなどの明確な著作権パターンが存在せず、著作権情報処理部330では著作権パターンを検知できない場合への対処のものである。よって、この機能だけに着目したときには、第2実施形態の仕組みとしては著作権情報処理部330を備えていることは必須ではない。
【0148】
しかしながら、現実的には、情報取得部310が取得した出力対象情報に著作権パターンが存在するか否かに関わらず、著作権のあるものや著作権のある可能性の高い情報に関しては、複製の氾濫を抑制する仕組みにすることが好ましい。著作権確度処理部340だけでも著作権情報処理部330と同様の機能を果たし得ると考えられるが、出力対象情報に著作権パターンが存在するのであれば、その情報を使用する方が著作権有無の判定はより確実であると考えられる。よって、ここで示す構成例では、著作権情報処理部330も備える場合で示す。
【0149】
著作権確度処理部340は、著作物様式(著作物パターン、著作物の画像パターン、認知特徴)と出力対象情報を取得する情報取得部310の設置場所に基づき、出力対象情報の著作物様式が著作権を有する確度、つまり出力対象情報が著作権を有する確度を判断する。この機能の実現のため、著作権確度処理部340は、情報取得場所判定部342、著作物様式格納部344(著作物パターン格納部)、様式照合部346、著作権確度判定部347、および著作権判定部348(第2の著作権判定部)を有する。
【0150】
情報取得場所判定部342は、情報取得部310の設置場所、つまり出力対象情報の取得場所の情報を取得して著作権確度判定部347に通知する。
【0151】
著作物様式格納部344は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための著作物様式(著作物パターン:照合情報の一例)を複数種類格納する照合情報格納部の一例である。著作物様式格納部344は、様式照合部346での照合処理に参照される著作物様式を記憶媒体(たとえばハードディスク装置などの不揮発性のもの)に格納する。
【0152】
様式照合部346は、情報取得部310が取得した出力対象情報の画像パターンと予め用意しておいた著作物様式の各特徴を照合(比較)し、照合結果(著作物様式照合情報)を著作権確度判定部347に渡す。
【0153】
照合用の著作物様式は、著作物様式格納部344にて用意しておいてもよいし情報管理装置6にて用意しておいてもよい。照合用の著作物様式を情報管理装置6にて用意する場合、情報送信装置3には著作権確度処理部340の前記各部(344〜348)を配置せずに、情報管理装置6に配置する構成を採るとよい。この場合、伝送対象情報の画像情報を情報管理装置6に通知する画像情報通知部343を情報送信装置3に備えるようにする。画像情報通知部343は、情報取得部310で取得した画像そのものを情報管理装置6に通知するようにしてもよいし、画像情報通知部343にて画像の特徴(画像様式)を抽出してから、その画像様式を情報管理装置6に通知するようにしてもよい。後者の方が伝送情報量が少なくて済む。照合用の著作物様式を情報管理装置6で一元管理することで、様式データの更新が容易に実施される。
【0154】
換言すると、情報管理装置6にて著作物様式の照合処理を行なうシステム構成にする場合には、著作権確度処理部340は著作物様式格納部344および様式照合部346を備えていなくてもよい。情報送信装置3に著作物様式格納部344を備えるシステム構成にする場合には、定期的に様式ファイルを更新するようにするのがよい。様式ファイルの更新は、たとえば、可搬型の記憶媒体を利用するものでもよいし、情報管理装置6を利用して、定期的に様式ファイルを配信するようにしてもよい。
【0155】
著作権確度判定部347は、情報取得場所判定部342から通知された出力対象情報の取得場所の情報と様式照合部346による著作物様式の照合結果に基づき、出力対象情報が著作権を有する確度を判定し、判定結果を著作権判定部348に通知する。著作権判定部348は、著作権判定部348による判定結果に基づき、出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する。
【0156】
伝送制御部350は、著作権確度処理部340の判定結果と指示された伝送先の関係に基づいて出力処理を制御する。特に、著作権情報処理部330も備えている第2実施形態の構成においては、伝送制御部350は、著作権情報処理部330の著作権判定部338による判定結果が著作権有りであれば、その判定結果を採用し、著作権判定部338による判定結果が著作権なしであれば、著作権確度処理部340の判定結果(著作権を有する確度に基づく著作権有無の判定結果)を採用する。
【0157】
<情報送受信装置:第2実施形態>
図10は、第2実施形態の情報送受信装置5Bの構成例を示す図である。第2実施形態の情報送受信装置5Bは第2実施形態の情報送信装置3B(≠3A)と情報受信装置4B(=4A)の両機能を備えるものであり、情報送信装置3Bと情報受信装置4Bの各機能部を備えるとともに、それぞれで共通する機能部を1つにした状態のものである。各機能部は、情報送信装置3Bや情報受信装置4Bが備えるものと同様であるので、ここでは説明を割愛する。なお、図では、情報送信装置3Bの場合と同様に著作権情報処理部530も備える形態で示しているが、著作権情報処理部530を備えない形態をとってもよい。
【0158】
<情報管理装置:第2実施形態>
図11は、第2実施形態の情報管理装置6Bの構成例を示す図である。なお、図では、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bの場合と同様に著作権情報処理部630も備える形態で示しているが、著作権情報処理部630を備えない形態をとってもよい。
【0159】
情報管理装置6Bは、第1実施形態の情報管理装置6Aをベースに、著作権確度処理部640として、著作物様式格納部644、様式照合部646、著作権確度判定部647、および著作権判定部648を備える。
【0160】
著作物様式格納部644は情報送信装置3Bの著作物様式格納部344と同様の機能を持ち、様式照合部646は情報送信装置3Bの様式照合部346と同様の機能を持つ。著作権確度判定部647は情報送信装置3Bの著作権確度判定部647と同様の機能を持ち、著作権判定部648は情報送信装置3Bの著作権判定部648と同様の機能を持つ。
【0161】
<全体動作:第2実施形態>
図12〜図12Aは、第2実施形態の情報伝送システム1Bの全体の処理手順を説明するフローチャートである。ここで、図12に示す第1例は、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bが著作権情報処理部330_1,530_1と著作権確度処理部340_1,540_1の双方を備えている場合であり、図12Aに示す第2例は、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bが著作権情報処理部330_1,530_1を備えず著作権確度処理部340_1,540_1を備える場合である。処理ステップ番号を300番台で示すとともに、第1実施形態と同様・類似の処理ステップについては100番台を300番台に代えて示す。
【0162】
後述の各処理手順の説明では、第1ドメイン8_1側の各装置が備える機能部には参照子“_1”を付し、第2ドメイン8_2側の各装置が備える機能部には参照子“_2”を付して区別する。ここでは、照合用の著作物様式を情報送信装置3にて用意し照合を行なうシステム構成の場合で説明する。なお、著作物様式は「著作物パターン」で記述する。
【0163】
最初に、図12に示す第1例の場合で説明する。第1ドメイン8_1の装置(情報送信装置3A_1や情報送受信装置5A_1)においては、情報取得部310_1,510_1が取得した情報を自ドメイン内または第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)へ通信網9を介して配信する。
【0164】
このとき、第1ドメイン8_1の装置において、情報取得部310_1,510_1は出力対象情報を取得する(S310)。識別符号抽出部332_1,532_1は出力対象情報を取得から著作権の符号情報を抽出してそれを著作権パターンとして符号照合部336_1,536_1に渡す(S330)。
【0165】
なお、識別符号抽出部332_1,536_1が著作権パターンとなり得る符号情報を抽出しているときは(S330−YES)、第1実施形態と同様の処理に移行する。第1実施形態の仕組み(具体的には著作権情報処理部330_1,530_1)によって著作権パターンとなり得る符号情報の存在を認識し得たときには、情報取得部310_1,530_1が取得した情報(たとえば画像読取部312_1,512_1が読み取った原本)に著作権パターンが付与されていたと言うことであるから、著作権判定部338_1,538_1の判定結果を優先するのである。
【0166】
一方、識別符号抽出部332_1,532_1が著作権の符号情報(著作権パターン)を抽出していないときは(S330−NO)、様式照合部346_1,546_1は、予め著作物様式格納部344_1,544_1に用意している著作物パターンと情報取得部310_1,510_1が取得した情報に含まれている著作物パターンを照合し、照合結果を著作権確度判定部347_1,547_1に渡す(S340)。
【0167】
著作権確度判定部347_1,547_1は、情報取得場所判定部342_1,542_1から通知された出力対象情報の取得場所の情報と、様式照合部346_1,546_1による照合結果に基づき、情報取得部310_1,510_1が取得した出力対象情報が著作権を有する確度(著作物パターン該当確度)を判定し、判定結果を著作権判定部348_1,548_1に通知する(S350)。
【0168】
著作権判定部348_1,548_1は、著作物パターン該当確度に基づき、情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する(S353)。
【0169】
伝送制御部350_1,550_1は、著作権判定部348_1,548_1による判定結果(著作権を有する確度に基づく著作権有無の判定結果)と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。以下、第1実施形態と同様である。
【0170】
つまり、第2実施形態では、情報取得部310_1,510_1が取得した情報から著作権符号を検知できたときには第1実施形態と同様の処理にて著作権を有するか否かを判断するが、情報取得部310_1,510_1が取得した情報から著作権符号を検知できないときには情報取得部310_1,510_1の設置場所(詳しくは情報の取得場所)と出力対象情報に含まれる著作物様式の特徴に基づき、出力対象情報が著作権を有するか否かを判断する。
【0171】
なお、前記の説明は、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bが著作権情報処理部330_1,530_1と著作権確度処理部340_1,540_1の双方を備えている場合で説明したが、著作権情報処理部330_1,530_1を備えていない場合には、図12Aに示す第2例のように、図12にけるステップS330での判定処理を割愛することになる。
【0172】
図12〜図12Aに示した手順において、ステップS300〜S340の処理を著作物判別処理と称し、ステップS360,S371−NOの系統の処理を著作権なしの場合の送信処理と称し、ステップS360,S371−YESの系統の処理を著作権ありの場合の送信処理と称する。著作権なしの場合の送信処理と著作権ありの場合の送信処理は第1実施形態の場合と相違ない。以下では、著作物判別処理について、さらに具体的に説明する。
【0173】
<著作物様式および情報取得場所と著作物の関係>
図12Bは、第2実施形態の情報伝送システム1Bでの具体的な事例における著作物パターンおよび情報取得場所と著作物の関係を説明する図である。著作物パターンおよび情報取得場所は、第1実施形態の著作権情報と対応する。ここでは、出力対象の情報が著作物であるか否かを著作物パターンおよび情報取得場所の関係から特定する考え方を図表で示している。
【0174】
たとえば、情報取得部310が取得する情報が著作権を有するものであっても、必ずしも電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号(著作権パターン)が付されているとは限らない。第1実施形態では、著作権情報処理部330にて電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号が付されているか否かで、情報取得部310が取得する情報が著作権を有するか否かを判定する。そのため、第1実施形態では、情報取得部310が取得した情報が著作権を有するものであっても、電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号が付されていないと、その情報が著作権を有すると判定することは不可能である。
【0175】
一方、著作物には、書籍、漫画、雑誌、絵画集など様々なものがあるが、それらに含まれる文字、ページ番号、章番号、図、写真などの配置のパターン(纏めて画像パターンと記す)には、ある程度の規則性があると考えられる。また、書籍、漫画、雑誌、絵画集などの著作物が置かれる場所にもある程度の規則性があると考えられる。たとえば、公共の場所に設置されるスキャナ装置は、設置場所ごとに読取り対象となる原本がある程度限定されるため、読取り結果の画像から得られる特徴から、原本に著作権を有する可能性を推定し得る。
【0176】
第2実施形態は、これらの規則性に着目して、電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号が付されていない情報であっても、著作権を有するか否か(より正確には著作権を有する確度)を判定するようにする。判定対象の画像パターンが著作物の画像パターンとどの程度一致するか(著作物パターン該当確度)で、判定対象物が著作権を有するか否かを判定するのである。
【0177】
図12B(1)は、情報取得場所(情報取得部310の設置場所)、著作物パターン、著作物パターンに該当するものが情報取得場所に置かれている確度(著作物パターン該当確度)の関係を例示する図表である。
【0178】
第2実施形態では、著作物ごとにその画像の特徴(著作物パターン)を定義しておく。そして、処理対象情報の画像の特徴(画像パターン)と各著作物の著作物パターンを照合してどの著作物パターンと一致するかを判定し、さらに著作物が置かれていた場所も勘案して、処理対象情報が著作物である可能性を評価する。
【0179】
ここでは、著作物として、書籍(本)、漫画、雑誌の3種を例示する。これに対応して、著作物パターンとしては、書籍の場合の著作物パターン1、漫画の場合の著作物パターン2、雑誌の場合の著作物パターン3、の3種を考える。著作物パターン該当確度は、「高」、「中」、「低」の3段階に分類するものとする。
【0180】
著作物が置かれていた場所も勘案するに当たっては、一例として、次のように考える。図書館の場合、著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の置かれる確度は、書籍、雑誌、漫画の順に低くなると考えられる。よって、情報取得部310が取得する情報も、書籍、雑誌、漫画の順に低くなると考えてよい。
【0181】
漫画喫茶の場合、著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の置かれる確度は、漫画が圧倒的に高く、雑誌や書籍は低いと考えられる。よって、情報取得部310が取得する情報も、漫画である可能性が高く、書籍や雑誌である可能性は低い考えてよい。
【0182】
ビジネススポットの場合、著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の置かれる確度は、雑誌が比較的高く、漫画や書籍は中程度と考えられる。
【0183】
図12B(2)は、各著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の著作物パターンの特徴を例示する図表である。ここでは、文字配置、ページ番号配置、章番号配置、図が存在する度合い、写真が存在する度合い、を特徴抽出に当たっての着目ポイントとする。
【0184】
書籍(著作物パターン1)の場合について説明する。文字は、ページ全体に均等に配置され、フォントやサイズの変化が小さい傾向があると考えられる。ページ番号は上辺または下辺に配置される傾向があると考えられる。章番号は上辺または下辺に配置される傾向があると考えられる。図や写真は少ないと考えられる。
【0185】
漫画(著作物パターン2)の場合について説明する。文字は、ページの限られた箇所に存在し、また、その数は少ない傾向があると考えられる。ページ番号は下辺に配置されるか付されない傾向があると考えられる。章番号は付されない傾向があると考えられる。図は多いが写真は少ない傾向があると考えられる。
【0186】
雑誌(著作物パターン3)の場合について説明する。文字は、図や写真と並んで配置され、また、フォントやサイズの変化が大きい傾向があると考えられる。ページ番号は上辺または下辺に配置される傾向があると考えられる。章番号は上辺に配置されるか付されない傾向があると考えられる。図や写真が多い傾向があると考えられる。
【0187】
図12B(3)は、著作物パターン該当確度と著作権有無の判定の関係を例示する図表である。著作権確度判定部347は、図12B(1)および図12B(2)に示す関係を参照して、情報取得部310が取得した情報(判定対象情報)が、著作権を有する確度(著作物パターン該当確度)を判定する。
【0188】
著作権判定部348は、著作権確度判定部347が判定した著作物パターン該当確度に基づき、情報取得部310が取得した情報が著作権を有するか否かを判定する。その判定の閾値は任意でよいが、少なくとも、著作物パターン該当確度に基づく切り分けを行なうようにする。たとえば、図12B(3−1)に示す第1例のように、著作物パターン該当確度が「中」以上となる場合は著作権を有すると判定し、著作物パターン該当確度が「低」のときは著作権を有しないと判定する。また、図12B(3−2)に示す第2例のように、著作物パターン該当確度が「高」のときは著作権を有すると判定し、著作物パターン該当確度が「中」以下のときは著作権を有しないと判定してもよい。
【0189】
<著作物判別処理:第2実施形態>
図13〜図13Aは、第2実施形態の情報伝送システム1Bにおける著作物判別処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。処理ステップ番号を400番台で示すとともに、第1実施形態と同様・類似の処理ステップについては200番台を400番台に代えて示す。
【0190】
ここでは、照合用の著作権パターンを情報管理装置6にて用意し、また、第1ドメイン8_1側の装置として情報送受信装置5B_1を使用するとともに、情報送受信装置5B_1には符号照合部536_1を配置せずに、情報管理装置6に符号照合部636を配置し、さらに、情報送受信装置5B_1に著作権確度処理部540_1の各部を配置するシステム構成の場合で説明する。
【0191】
図13に示す第1例は、情報送受信装置5Bが著作権情報処理部530と著作権確度処理部540の双方を備えている場合であり、図13Aに示す第2例は、情報送受信装置5Bが著作権情報処理部530を備えず著作権確度処理部540を備える場合である。
【0192】
最初に、図13に示す第1例の場合で説明する。利用者は情報取得部310の設置場所の設定を行なう。設置場所判定部520_1は、その設置場所の情報を取得し伝送制御部550_1に通知しておく(S402)。その後、ステップS428の予備表示に関する処理までは第1実施形態と同様である。
【0193】
予備表示に関する処理後、識別符号抽出部532_1は、出力対象情報から著作権パターンの抽出を試みる(S430)。識別符号抽出部532_1が著作権パターンを抽出したときは(S430−YES)、第1実施形態のステップS231に移行して、第1実施形態と同様の処理を行なう。
【0194】
一方、識別符号抽出部532_1が著作権パターンを抽出していないときは(S430−NO)、識別符号抽出部532_1は送信情報取得部510_1が取得した利用者情報のみを情報管理装置6に送信する(S431)。
【0195】
利用者情報を受信した情報管理装置6は、アドレスデータを伝送先情報格納部633に保有しており、利用者情報から利用者に該当するアドレスデータを用意する。たとえば、情報管理装置6は、利用者情報から利用者を識別し、識別した利用者に対応するアドレスデータ(宛先アドレス帳)を伝送先情報格納部633から読み出す(S442)。情報管理装置6は、アドレスデータを第1ドメイン8_1側の情報送受信装置5B_1に送信する(S448)。受信部566_1は、情報管理装置6から、アドレスデータを受信し、アドレスデータを送信情報取得部510_1に渡す(S452)。
【0196】
この過程で、情報送受信装置5B_1において、様式照合部546_1は、予め著作物様式格納部544_1に用意している著作物パターン(図12B(1),(2)に示した著作物パターン1〜3)と情報取得部510_1が取得した情報に含まれている画像パターンの各特徴を照合し、照合結果を著作権確度判定部547_1に渡す(S444)。
【0197】
著作権確度判定部547_1は、情報取得場所判定部542_1から通知された出力対象情報の取得場所の情報と、様式照合部546_1による照合結果に基づき、情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有する確度(著作物パターン該当確度)を判定し、判定結果を著作権判定部548_1に通知する(S445)。
【0198】
つまり、著作権確度処理部540_1は、送信情報取得部510_1が取得した情報の画像パターンが著作物パターン1〜3の特徴と一致するか否かを判断する。加えて、著作権確度処理部540_1は、設置場所の設定から、認知した特徴から選択した著作物パターンが著作権を有する確度を判断する。
【0199】
著作権判定部548_1は、図12B(3−1)に示す第1例または図12B(3−2)に示す第2例に従って、著作物パターン該当確度に基づき、情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する(S446)。
【0200】
以下、伝送制御部550_1は、第1実施形態と同様に、著作権を有するか否かと(S454)、出力対象情報の伝送先と、サービス内容に応じて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。
【0201】
なお、前記の説明は、情報送受信装置5B_1が著作権判定部538_1と著作権確度処理部540_1の双方を備えている場合で説明したが、著作権判定部538_1を備えていない場合には、図13Aに示す第2例のように、図13にけるステップS430での判定処理を割愛することになる。
【0202】
このように、第2実施形態の仕組みでは、送信情報取得部510_1が取得した出力対象情報(たとえば画像読取部512_1が読み取った原稿)に著作権を示す著作権パターンが含まれていない場合でも、伝送制御部550_1は第1実施形態と同様の出力制御を行なう。すなわち、第1例の処理手順では、著作権パターンが情報に含まれているか否かだけでなく、情報の取得場所と情報に含まれる画像パターンの特徴に基づき判定される著作物パターン該当確度も判定指標として、送信を指示された情報が著作権を有するか否かを判定している。第2例の処理手順では、著作権パターンが情報に含まれているか否かは判定指標とせずに、情報の取得場所と情報に含まれる画像パターンの特徴に基づき判定される著作物パターン該当確度を判定指標として、送信を指示された情報が著作権を有するか否かを判定している。
【0203】
何れにしても、著作権を有すると認識した場合は、伝送先が公共通信回線を経由するか否かに基づき送信可否を制御するとともに、送信を許可する場合でも、著作権が設定されているときには自動的にセキュリティ設定を付加してから送信する点では第1実施形態と相違がない。
【0204】
このため、第2実施形態の仕組みでも、著作権を有すると判定したたデジタルデータは、公共通信回線への送信が制限(禁止)される。加えて、イントラネットへの送信であっても、ファイルを開く際に必要な認証情報(パスワード)を自動的に付加することで、複製データの作成は正当な者に制限され、複製の氾濫は抑制される。
【0205】
<電子計算機による構成>
図14は、情報伝送装置(情報送信装置3、情報受信装置4、情報送受信装置5)の制御構成の他の構成例を示すブロック図である。ここでは、パーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築される情報伝送装置の制御構成のより現実的なハードウェア構成を示している。
【0206】
すなわち、本実施形態において、情報伝送処理に関わる制御処理を行なう情報伝送装置の制御構成の仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現される。よって、本実施形態に係る仕組みを、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体が発明として抽出される。ソフトウェアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などが容易に変更されることとなる。
【0207】
前述の一連の情報伝送処理はハードウェアまたはソフトウェアの単独に限らずその両者の複合構成によっても実現され得る。ソフトウェアによる処理を実行する場合、処理手順を示したプログラムを、ハードウェアに組み込まれたコンピュータ内の記憶媒体に組み込んで(インストールして)実行させたり、各種処理が実行可能な汎用の電子計算機にプログラムを組み込んで実行させる。
【0208】
情報伝送処理機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。また、このプログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなど、その他の記録媒体にプログラムを格納してもよい。さらに、ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、有線または無線などの通信網を介して提供されてもよい。たとえば、他のサーバなどからインターネットなどのネットワークを経由してプログラムをダウンロードして取得したり、更新したりしてもよい。
【0209】
さらに、情報伝送処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0210】
たとえば、コンピュータシステム900は、CPU(Central Processing Unit )やマイクロプロセッサ(microprocessor)で構成された中央制御部910と、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)、または随時読出し・書込みが可能なメモリであるRAM(Random Access Memory)などを具備する記憶部912と、操作部914と、図示を割愛したその他の周辺部材を有している。
【0211】
中央制御部910は、コンピュータが行なう演算と制御の機能を超小型の集積回路に集約させたCPUを代表例とする電子計算機の中枢をなすものと同様のものである。ROMには情報伝送処理機能用の制御プログラムなどが格納される。操作部914は、利用者による操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。
【0212】
なお、コンピュータシステム900の制御系としては、メモリカードなどの図示を割愛した外部記録媒体を挿脱可能に構成し、またインターネットなどの通信網との接続が可能に構成するとよい。このためには、制御系は、中央制御部910や記憶部912の他に、可搬型の記録媒体の情報を読み込むメモリ読出部920や外部との通信インタフェース手段としての通信I/F922を備えるようにするとよい。メモリ読出部920を備えることで外部記録媒体からプログラムのインストールや更新に対応する。通信I/F922を備えることで、通信網を介しプログラムのインストールや更新に対応する。基本的な情報伝送処理の仕組みは前記実施形態と同様である。
【0213】
なお、ここでは、情報伝送装置の制御構成をコンピュータにてソフトウェア上で実現する構成例で説明しているが、本実施形態の情報伝送処理を実現するための情報伝送装置の制御構成の各部(機能ブロックを含む)の具体的手段は、ハードウェア、ソフトウェア、通信手段、これらの組み合わせ、その他の手段を用いることができ、このこと自体は当業者において自明である。また、機能ブロック同士が複合して1つの機能ブロックに集約されてもよい。また、コンピュータにプログラム処理を実行させるソフトウェアは、組合せの態様に応じて分散してインストールされる。
【0214】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0215】
また、前記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0216】
たとえば、前記実施形態では、伝送対象情報から著作権パターンを抽出したとき、その抽出した著作権パターンを、予め格納してある複数種の著作権パターンと照合してから伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定している。しかしながら、抽出した著作権パターンと予め格納してある複数種の著作権パターンとの照合を行なうことは必須ではなく、たとえば、著作権パターンであると想定している電子透かしや2次元バーコードが抽出されたら伝送対象情報は著作権ありと判定することも考えられる。ただし、抽出した電子透かしや2次元バーコードなどの符号情報が、販売管理用のものであるなど、本実施形態で想定している著作権パターンでないこともある。第1・第2実施形態(処手順理の第1例)では、このような場合でも、適正に著作権の有無が判定される。
【符号の説明】
【0217】
1…情報伝送システム、3…情報送信装置、4…情報受信装置、5…情報送受信装置、6…情報管理装置、7…メールサーバ、9…通信網、310,510…情報取得部、312,512…画像読取部、314,514…情報受付部、330,530,630…著作権情報処理部、332,532…識別符号抽出部、334,534,634…著作権符号格納部、336,536,636…符号照合部、338,538,638…著作権判定部、340,540,640…著作権確度処理部、342,542…情報取得場所判定部、343,543…画像情報通知部、344,544,644…著作物様式格納部、346,546,646…様式照合部、347,547,647…著作権確度判定部、348,548,648…著作権判定部、350,550…伝送制御部、352,552…送信先情報取得部、354,554…送信可否判定部、356,556…編集要否判定部、358,558…送信情報編集部、360,460,560,660…通信処理部、362,462,562,662…通信インタフェース部、364,564,664…送信部、390,490,590…操作部、396,496,596…認証カードリーダ、466,566,666…受信部、470,570…認証処理部、472,572…セキュリティ設定判定部、474,574…認証情報受付部、480,580…画像出力部、670…アドレスデータ管理部、672…課金管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝送システム、情報伝送装置、情報管理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一方の機器から他方の機器へ通信手段を介して情報を伝送する仕組みがある。たとえば、スキャナで画像を取り込み、その画像をネットワークを介してプリンタに伝送するのが一例である。また、ワープロソフトや図形作成ソフトなどで電子的に作成されたデータををネットワークを介してプリンタに伝送して出力するのが一例である。
【0003】
たとえば、特許文献1の仕組みでは、様々な情報が表現されたコンテンツデータを出力機器に固有のファイルフォーマットに基づき、複数のモジュールのイベントとして一時的に保持し、保持したコンテンツデータに対してユーザが印刷装置への印刷を指示した場合、コンテンツデータが印刷可能か否かを判定し、印刷不可と判定した場合、著作権保護のために定められた情報に基づき、印刷不可のコンテンツデータに加工を施し、加工が施されたコンテンツデータをファイルとしてバッファに蓄積し、そのファイルを印刷装置へ出力する。著作権を有するコンテンツに対しては、予め定めた情報に基づく加工を施したデータを印刷することになる。
【0004】
特許文献2の仕組みでは、コピー元画像を読み取り、電子透かしで埋め込まれた識別コードを読み出す。その識別コードをキーに外部データベースに、コピー元画像の関連情報(コピー許諾条件、撮影データ、撮影対象物データ、著作権データ、コピー元画像が元もとの原画から改編が加えらているか否かの判定情報、コピー元画像の原像情報など)を問い合わせる。そして、その問い合わせ結果を元に必要なイメージ情報を生成し、プリントアウトする。読み込んだ電子透かしからID情報を取得し、サーバ問合せの結果によってコピーデータを加工するようにしている。
【0005】
特許文献3の仕組みでは、文章、写真、音楽、映像などの著作権の保護と、著作権者の利益を守るために、複製、コピーの許諾、課金を容易に行なって、社会に流通した著作物の監視して不正複製を制限するようにしている。そのために、具体的には、著作権を保護して著作物の使用の許諾と課金、流通を管理するために通信網上に著作物管理サイトを設けて、これに接続した著作権サーバを備えて、著作物を登録して管理する。社会に流通している著作物の監視を適宜行なって不正なコピーを防止し、紙、電子ペーパのオフラインでのコピーは、著作物上に基準マークを印字して、この移動量より頒布量を計測し流通経路を特定して、適正な課金をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−241949号公報
【特許文献2】特開2001−350759号公報
【特許文献3】特開2003−303247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、著作権を有するデジタル情報を伝送したことに起因する不正な複製を抑制することのできる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定部と、前記著作権判定部による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部と、を備えた情報伝送システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部を有する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、をさらに備え、
前記第1の著作権判定部は、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記著作権判定部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部を有する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、を有し、前記伝送制御部は、前記第1の著作権判定部が著作権有りと判定しているときにはその結果を採用し、前記第1の著作権判定部が著作権無しと判定しているときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、をさらに備え、前記著作権判定部は、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の内の何れか一項に記載の発明において、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域以外のときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を禁止する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6の内の何れか一項に記載の発明において、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を許可するとともに、前記伝送対象情報に対して著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6の内の何れか一項に記載の発明において、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定した場合において、前記伝送対象情報が著作権保護用の付加情報を付け加えることができない形式のものであるときには、前記伝送対象情報を著作権保護用の付加情報を付け加えることができる形式のものに変換した後に著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、伝送対象情報の著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部を備えた情報伝送装置である。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、をさらに備えた。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出して情報管理装置に送信する識別符号抽出部をさらに備え、前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を前記情報管理装置から受け取る。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、をさらに備えた。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項11または12に記載の発明において、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、をさらに備え、前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取る。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項11または12に記載の発明において、前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取り、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を採用する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、を備えた情報管理装置である。
【0025】
請求項18に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像情報と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、を備えた情報管理装置である。
【0026】
請求項19に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第1の著作権判定部と、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第2の著作権判定部と、を備えた情報管理装置である。
【0027】
請求項20に記載の発明は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定工程と、前記著作権判定工程による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御工程と、を電子計算機に実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
請求項1,10,20に記載の発明によれば、著作権を有するデジタル情報を伝送したことに起因する不正複製を抑制することができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、伝送対象情報に著作権の識別符号が付されているか否かを判定指標として、不正複製を抑制するための制御を行なうことができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、情報の取得場所と情報の画像様式を判定指標として、不正複製を抑制するための制御を行なうことができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、伝送対象情報に著作権の識別符号が付されているか否かに基づく著作権有無の判定結果と、伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式に基づく著作権有無の判定結果を参照して、不正複製を抑制するための制御を行なうことができる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、情報の取得場所と情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、著作権を有する情報が同一の通信領域外にて不正複製されることを防止できる。
【0035】
請求項8に記載の発明によれば、著作権を有する情報を同一の通信領域内へ送信する場合であっても、不正複製を抑制することができる。
【0036】
請求項9に記載の発明によれば、取得した伝送対象情報が著作権保護用の付加情報を付け加えることができない形式のものであっても、不正複製を抑制することができる。
【0037】
請求項11に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0038】
請求項12,17に記載の発明によれば、情報管理装置との協調処理にて、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0039】
請求項13に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0040】
請求項14に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にでき、かつ、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果と伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定結果を参照して、不正複製を抑制することができる。
【0041】
請求項15,18に記載の発明によれば、情報管理装置との協調処理にて、情報の取得場所と情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にできる。
【0042】
請求項16,19に記載の発明によれば、情報伝送装置にて、情報管理装置との協調処理にて、情報の取得場所と情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定を適正にでき、かつ、著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果と伝送対象情報の取得場所と伝送対象情報の画像様式とに基づく著作権有無の判定結果を参照して、不正複製を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】情報伝送システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態の情報送信装置の構成例を示す図である。
【図3】第1実施形態の情報受信装置の構成例を示す図である。
【図4】第1実施形態の情報送受信装置の構成例を示す図である。
【図5】第1実施形態の情報管理装置の構成例を示す図である。
【図6】第1実施形態の情報伝送システムの全体の処理手順を説明するフローチャートである。
【図6A】第1実施形態の情報伝送システムの全体の処理を、適用システムとの対応で示した図である。
【図6B】第1実施形態の情報伝送システムでの具体的な事例における著作権情報と出力処理の関係を説明する図である。
【図7】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権判別処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。
【図7A】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権なしの場合の送信処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。
【図7B】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第1例を説明するフローチャートである。
【図7C】第1実施形態の情報伝送システムにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第2例を説明するフローチャートである。
【図8】情報伝送システムの第2実施形態を示す図である。
【図9】第2実施形態の情報送信装置の構成例を示す図である。
【図10】第2実施形態の情報送受信装置の構成例を示す図である。
【図11】第2実施形態の情報管理装置の構成例を示す図である。
【図12】第2実施形態の情報伝送システムの全体の処理手順を説明するフローチャート(第1例)である。
【図12A】第2実施形態の情報伝送システムの全体の処理手順を説明するフローチャート(第2例)である。
【図12B】第2実施形態の情報伝送システムでの具体的な事例における著作物パターンおよび情報取得場所と著作物の関係を説明する図である。
【図13】第2実施形態の情報伝送システムにおける著作物判別処理の具体的な手順を説明するフローチャート(第1例)である。
【図13A】第2実施形態の情報伝送システムにおける著作物判別処理の具体的な手順を説明するフローチャート(第2例)である。
【図14】情報電送装置を、電子計算機を利用して構成するときの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。各機能要素について実施形態別に区別する際には、A,B…などのように大文字の英語の参照子を付して記載し、特に区別しないで説明する際にはこの参照子を割愛して記載する。図面においても同様である。
【0045】
<システム構成:第1実施形態>
図1は、情報伝送システムの第1実施形態を示す図である。第1実施形態の情報伝送システム1Aは、情報送信装置3A、情報受信装置4A、情報送受信装置5A、情報管理装置6A、メールサーバ7A、接続中継装置90Aを備える。情報送信装置3A、情報受信装置4A、情報送受信装置5Aを纏めて情報伝送装置とも称する。情報送信装置3Aと情報受信装置4Aと情報送受信装置5Aが、通信手段の一例である通信網9を介して接続されている。
【0046】
情報送信装置3A、情報受信装置4A、情報送受信装置5Aにはそれぞれ、装置のネットワーク上の位置(画像データの送信元や宛先)を特定するアドレス情報が付与される。アドレス情報は、たとえば、装置固有に与えられた管理番号(装置ID)、ネットワーク上のIP(Internet Protocol )アドレス、MAC(Media Access Control)アドレスなど、ネットワーク上で各装置3,4,5を一意に特定し得るものであればよい。
【0047】
図では、2つの情報送信装置3A(3A_1,3A_2)と、2つの情報受信装置4A(4A_1,4A_2)と、2つの情報送受信装置5A(5A_1,5A_2)が、通信網9を介して接続されている。
【0048】
図では、情報送信装置3A_1、情報受信装置4A_1、情報送受信装置5A_1がLAN(Local Area Network)である第1通信網9_1で接続された第1ドメイン8_1(第1領域)と、情報送信装置3A_2、情報受信装置4A_2、情報送受信装置5A_2がLANである第2通信網9_2で接続された第2ドメイン8_2(第2領域)が、公共通信回線の一例であるインターネットなどの第3通信網9_3で接続されている。接続中継装置90Aは第1通信網9_1と第3通信網9_3の間に介在している。
【0049】
情報送受信装置5Aは、情報送信装置3Aと情報受信装置4Aの両機能を備えるものである。図1との対応では、情報送信装置3A_1と情報受信装置4A_1の機能を纏めたのが情報送受信装置5A_1であり、情報送信装置3A_2と情報受信装置4A_2の機能を纏めたのが情報送受信装置5A_2である。
【0050】
情報送信装置3Aとしては、たとえば、原稿を読み取る情報処理(画像入力処理)を行なうものである場合は、少なくとも原稿読取り機能部を備えていればよく、この場合、情報送信装置3Aは情報入力装置として機能する。情報受信装置4Aとしては、たとえば、受信した情報に基づき出力する情報処理(情報出力処理)を行なうものである場合は、少なくとも情報出力機能部(情報出力機能部)を備えていればよく、この場合、情報受信装置4Aは情報出力装置として機能する。全体として、情報伝送システム1が情報入出力システムとなる。
【0051】
情報管理装置6Aは、いわゆるサーバ機能を備え、アドレスデータ(アドレス帳データ、宛先アドレスデータ)を利用者ごとに管理し、著作権パターンを管理し、また、課金管理を行なう。メールサーバ7Aは、電子メールの伝送を管理する。
【0052】
接続中継装置90は、情報の電送を中継するもので、いわゆるルータ機能を備える。
【0053】
<情報送信装置:第1実施形態>
図2は、第1実施形態の情報送信装置3Aの構成例を示す図である。情報送信装置3Aが備える機能部には300番台の参照子を付して示す。
【0054】
情報送信装置3Aは、情報取得部310、著作権情報処理部330、伝送制御部350、通信処理部360、操作部390、および認証カードリーダ396を備える。
【0055】
情報取得部310は、送信対象の情報(デジタル情報)を取得するもので、画像読取部312と情報受付部314を有する。画像読取部312は、文書の画像を光学的読取り手段で読み取るもので、いわゆるスキャナ装置が該当する。読み取った画像ファイルのフォーマットは、任意でよい。たとえばBMP(ビットマップ)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、PDF(Portable Document Format)などが考えられる。情報受付部314は、他の電送装置や可搬型の記憶媒体などから電子データ(画像データや文書データ)を受け付ける。
【0056】
著作権情報処理部330は、情報取得部310が取得した出力対象情報から得られる著作権の識別符号(識別パターン)を著作権符号(著作権パターン)と照合し、得られる著作権有無情報から出力対象情報が著作権を有するか判断して、判断結果を伝送制御部350に渡す。この機能の実現のため、著作権情報処理部330は、識別符号抽出部332、著作権符号格納部334、符号照合部336、および著作権判定部338(第1の著作権判定部)を有する。
【0057】
識別符号抽出部332は、情報取得部310が取得した出力対象情報から著作権の識別符号を抽出して符号照合部336に渡す。著作権の識別符号は、情報が著作権を有するか否かを識別するためのもので、たとえば原稿(文書)に添付されていてもよいし、原稿とは別の情報記録片に記録されていてもよい。著作権の識別符号(符号画像)の表現の仕方は、画像読取部312で読み取ることができるようなものであればよい。たとえば、2次元状のドットパターンで識別符号を表現するもの(いわゆる2次元バーコード)、棒状の線で識別符号を表現する一般的な1次元バーコード、象形文字的に識別符号を表現するものなどを適用し得る。また、著作権の識別符号は、可視のものであることは必須ではなく、たとえば電子化された情報において「電子透かし」として設定されるものでもよい。本明細書では、このような「電子透かし」も著作権の識別符号であるとして扱う。
【0058】
著作権符号格納部334は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための著作権符号(著作権パターン:照合情報の一例)を複数種類格納する照合情報格納部の一例である。著作権符号格納部334は、符号照合部336での照合処理に参照される著作権符号(著作権パターン)を記憶媒体(たとえばハードディスク装置などの不揮発性のもの)に格納する。「不揮発性」に関しては後述する。
【0059】
符号照合部336は、識別符号抽出部332が抽出した識別符号と予め用意しておいた著作権符号を照合(比較)し、照合結果(著作権有無情報)を著作権判定部338に渡す。
【0060】
照合用の著作権符号は、著作権符号格納部334にて用意しておいてもよいし情報管理装置6にて用意しておいてもよい。照合用の著作権符号を情報管理装置6にて用意する場合、情報送信装置3には著作権符号格納部334や符号照合部336や著作権判定部338を配置せずに、情報管理装置6に配置する構成を採るとよい。
【0061】
換言すると、情報管理装置6にて著作権の照合処理を行なうシステム構成にする場合には、著作権情報処理部330は著作権符号格納部334、符号照合部336、著作権判定部338を備えていなくてもよい。情報送信装置3に著作権符号格納部334を備えるシステム構成にする場合には、定期的にパターンファイルを更新するようにするのがよい。パターンファイルの更新は、たとえば、可搬型の記憶媒体を利用するものでもよいし、情報管理装置6を利用して、定期的にパターンファイルを配信するようにしてもよい。
【0062】
著作権判定部338は、符号照合部336による照合結果に基づき、情報取得部310が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定し、判定結果を伝送制御部350に通知する。
【0063】
伝送の対象となる情報は、著作権を有するものに限らず、著作権を有しないものでもよく、本実施形態の伝送制御部350は、伝送を指示された情報が著作権を有するか否かと指示された伝送先の関係に基づいて出力処理を制御する。
【0064】
ここで、「出力処理を制御する」とは、出力処理を許可する場合において伝送先が公共通信回線を経由するか否かに基づき出力処理を許可するか否かを制御することや、送信を指示された情報が著作権を有するか否かでセキュリティ設定を付加するか否かを制御することを意味する。
【0065】
たとえば、伝送制御部350は、著作権判定部338による著作権有無の判定結果と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。この機能の実現のため、伝送制御部350は、伝送先情報取得部352、送信可否判定部354、編集要否判定部356、および送信情報編集部358を有する。
【0066】
伝送先情報取得部352は、情報取得部310が取得した出力対象情報の伝送先情報を取得する。たとえば、伝送先情報取得部352は、情報管理装置6からアドレスデータを取得して送信可否判定部354と編集要否判定部356に渡す。
【0067】
送信可否判定部354は、著作権判定部338が判定した出力対象情報が著作権を有するか否かの判定結果と伝送先情報取得部352が取得した出力対象情報の伝送先情報との関係に基づいて送信可否を判定する。
【0068】
編集要否判定部356は、出力対象情報に設定されている著作権の状況と伝送先情報に応じて出力対象情報に対する編集の要否を判定し、編集が必要と判定したときには送信情報編集部358に編集を指示する。送信情報編集部358は、送信可否判定部354の指示に基づき出力対象情報に対して著作権に関わる編集を加える。
【0069】
たとえば、送信可否判定部354は、伝送先が自ドメイン内か別のドメインか、公共通信回線(たとえばインターネット)である第3通信網9_3を経由するドメインか、に応じて、つまり伝送先が同一の通信領域であるか否かに基づき伝送可否を判定する。具体的には、第3通信網9_3を経由しないドメイン(たとえばイントラネット内の端末が宛先)への送信は許可するが、第3通信網9_3を経由するドメインへの送信は禁止する。送信を禁止する手法としては、そのような禁止ドメインへの宛先(アドレス)が選択されたときは送信を禁止するか、また、そのような禁止ドメインへの宛先(アドレス)を選択できないようにする。選択できないようにする手法としては、操作画面上において、禁止ドメインへの宛先の表示をしないか、または、表示する場合でも許可ドメインへのアドレスとは異なる表示にし(たとえば薄く表示する)、かつ、仮に選択されたとしてもその選択指示を受け付けない。
【0070】
編集要否判定部356は、送信可否判定部354が送信を許可した場合(たとえばイントラネット内の端末が宛先の場合)でも、出力対象情報に著作権が設定されているときには、著作権管理に関する画像編集を行なうように送信情報編集部358に指示する。著作権管理に関する画像編集としては、出力対象情報に著作権管理用の情報を付加すること(いわゆるセキュリティ設定)が考えられる。著作権管理用の情報を付加する事例として、たとえば、受信側で情報を使用(複製・印刷など)するためパスワード設定や、使用を許可する範囲の設定が考えられる。受信側では、少なくとも受信した情報の閲覧は許可されるが、その他は設定されている使用許可の範囲となる。使用を許可する範囲としては、複製(コピー)および印刷に関して、双方を許可する、何れか一方のみを許可(禁止)する、双方を禁止する(つまり閲覧のみを許可する)、などが考えられる。
【0071】
送信情報編集部358は、編集要否判定部356から画像編集が指示されないときには、情報取得部310が取得した情報をそのまま出力対象情報として通信処理部360に渡す。一方、編集要否判定部356から著作権管理に関する画像編集が指示されたときには、情報取得部310から取得した情報が著作権管理用の情報を付加し得るフォーマットのときはその情報に著作権管理用の情報を付加し、また、信情報取得部310から取得した情報が著作権管理用の情報を付加し得ないフォーマットのときはその情報を著作権管理用の情報を付加し得るフォーマットに変換した後に著作権管理用の情報を付加、それらを出力対象情報として通信処理部360に渡す。
【0072】
たとえば、著作権管理用の情報は、TIFFファイルには付加し得ないがPDFファイルには付加し得る。画像読取部312が取得した画像ファイルがPDFフォーマットであれば、送信情報編集部358はそのPDFファイルにパスワードなどのセキュリティ設定を自動的に付加する。また、画像読取部312が取得した画像ファイルがTIFFフォーマットであれば、送信情報編集部358は、TIFFファイルをPDFファイルに変換してから、自動的にセキュリティ設定を付加する。また、ファイルフォーマットを問わず、鍵(パスワード)付きの圧縮ファイルに変換することも考えられる。
【0073】
また、情報受付部314が受け付ける情報の種類は様々であるが、その中にも著作権管理用の情報を付加し得るものとし得ないものがある。情報受付部314が取得した情報ファイルが著作権管理用の情報を付加し得るものであれば、送信情報編集部358はその情報ファイルにセキュリティ設定を自動的に付加する。また、画像読取部312が取得した情報ファイルが著作権管理用の情報を付加し得えないものであれば、送信情報編集部358は、その情報ファイルをPDFファイルに変換してから、自動的にセキュリティ設定を付加する。
【0074】
通信処理部360は、通信インタフェース部362と送信部364を有する。通信インタフェース部362は、通信網9を介して他の装置と通信を行なうためのインタフェース機能を持つ。送信部364は、画像編集部350から受け取った情報を通信インタフェース部362を介して他の装置へ送る。
【0075】
操作部390は、情報送信装置3Aのユーザ操作を受け付けるもので、図示しないが、キーボードやマウスなどの指示入力装置や操作画面を表示する操作パネルなどを有する。操作パネルはタッチパネル式にしてもよい。
【0076】
認証カードリーダ396は、利用者認証用のカード(認証カード)の情報を読み取る。
【0077】
<情報受信装置:第1実施形態>
図3は、第1実施形態の情報受信装置4Aの構成例を示す図である。情報受信装置4Aが備える機能部には400番台の参照子を付して示すとともに、情報送信装置3Aの機能部と共通するものには300番台を400番台に代えて示す。
【0078】
情報受信装置4Aは、情報送信装置3Aにおける画像読取部310と著作権情報処理部330と通信処理部360の送信部364に対応する機能部を備えていない代わりに、通信処理部460が受信部466を備え、さらに認証処理部470と画像出力部480を備える。
【0079】
受信部466は、情報送信装置3Aや情報送受信装置5Aから送信された情報を通信インタフェース部462を介して受信する。
【0080】
認証処理部470は、セキュリティ設定判定部472と、認証情報受付部474を有する。セキュリティ設定判定部472は、受信部466が受信した情報にセキュリティ設定が付加されているか否かを判定する。認証情報受付部474は、受信部466が受信した情報にセキュリティ設定が付加されているとセキュリティ設定判定部472が判定したとき、情報の利用に当たり、認証カードリーダ496によるID認証の他に、操作部490を介しての利用者にパスワード入力を求める。認証処理部470は、正当なパスワード入力があったときにのみ受信部466が受信した情報の利用を許可する。
【0081】
画像出力部480は、受信部466が受信した情報に基づき画像を出力するもので、いわゆる印刷装置や表示装置が該当する。出力媒体としては表示媒体(たとえば陰極線管表示装置や液晶表示装置など)や印刷媒体(用紙やOHPフィルムなど)の何れでもよい。
【0082】
<情報送受信装置:第1実施形態>
図4は、第1実施形態の情報送受信装置5Aの構成例を示す図である。情報送受信装置5Aが備える機能部には500番台の参照子を付して示すとともに、情報送信装置3Aや情報受信装置4Aの機能部と共通するものには300番台や400番台を500番台に代えて示す。
【0083】
情報送受信装置5Aは情報送信装置3Aと情報受信装置4Aの両機能を備えるものであり、情報送信装置3Aと情報受信装置4Aの各機能部を備えるとともに、それぞれで共通する機能部を1つにした状態のものである。各機能部は、情報送信装置3Aや情報受信装置4Aが備えるものと同様であるので、ここでは説明を割愛する。
【0084】
<情報管理装置:第1実施形態>
図5は、第1実施形態の情報管理装置6Aの構成例を示す図である。
【0085】
情報管理装置6Aは、通信処理部660の他に、著作権情報処理部630が、伝送先情報格納部633、著作権符号格納部634、符号照合部636、および著作権判定部638を備える。また、情報管理装置6Aは、アドレスデータ管理部670と課金管理部672を備える。アドレスデータ管理部670は、利用者ごとのアドレスデータを管理する。課金管理部672は、利用者ごとに、サービス内容に応じた課金管理を行なう。
【0086】
伝送先情報格納部633は、利用者ごとにアドレスデータ(宛先アドレス帳)を格納する。著作権符号格納部634は情報送信装置3Aの著作権符号格納部334と同様の機能を持ち、符号照合部636は情報送信装置3Aの符号照合部336と同様の機能を持ち、著作権判定部638は情報送信装置3Aの著作権判定部338と同様の機能を持つ。
【0087】
<全体動作:第1実施形態>
図6〜図6Aは、第1実施形態の情報伝送システム1Aの全体処理を説明する図である。ここで、図6は、第1実施形態の情報伝送システム1Aの全体の処理手順を説明するフローチャートである。図6Aは、第1実施形態の情報伝送システム1Aの全体処理を、適用システムとの対応で示した図である。後述の各処理手順の説明では、第1ドメイン8_1側の各装置が備える機能部には参照子“_1”を付し、第2ドメイン8_2側の各装置が備える機能部には参照子“_2”を付して区別する。ここでは、照合用の著作権符号を情報送信装置3Aや情報送受信装置5Aにて用意し照合を行なうシステム構成の場合で説明する。なお、著作権符号は「著作権パターン」で記述する。
【0088】
第1ドメイン8_1の装置(情報送信装置3A_1や情報送受信装置5A_1)においては、情報取得部310_1,510_1が取得した情報を自ドメイン内または第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)へ通信網9を介して配信する。
【0089】
このとき、第1ドメイン8_1の装置において、情報取得部310_1,510_1は出力対象情報を取得し(S110)、識別符号抽出部332_1,532_1は出力対象情報を取得から著作権の識別符号を抽出して著作権パターンとして符号照合部336_1,536_1に渡す(S130)。
【0090】
符号照合部336_1,536_1は、予め著作権符号格納部334_1,534_1に用意している著作権パターンと識別符号抽出部332_1,532_1が抽出した著作権パターンを照合し、照合結果を著作権判定部338_1,538_1に渡す(S140)。
【0091】
著作権判定部338_1,538_1は、符号照合部336_1,536_1による照合結果に基づき、情報取得部310_1,510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定し、判定結果を伝送制御部350_1,550_1に通知する(S153)。
【0092】
伝送制御部350_1,550_1は、著作権判定部338_1,538_1による著作権有無の判定結果と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。
【0093】
たとえば、伝送制御部350_1,350_1においては、伝送先情報取得部352_1,552_1は、情報管理装置6からアドレスデータを取得する(S160)。送信可否判定部354_1,554_1は、著作権判定部338_1,538_1が判定した出力対象情報が著作権を有するか否かの判定結果と伝送先情報取得部352_1,552_1が取得したアドレスデータとの関係に基づいて送信可否を判定する(S170)。
【0094】
送信可否判定部354_1,554_1が送信を禁止したときには、装置は処理を中止する(S171−NO)。送信可否判定部354_1,554_1が送信を許可したときには(S171−YES)、編集要否判定部356_1,556_1は、出力対象情報に設定されている著作権の状況と伝送先情報に応じて出力対象情報に対する編集の要否を判定する(S180)。
【0095】
編集要否判定部356_1,556_1は、編集が必要と判定したときには送信情報編集部358_1,558_1に著作権管理に関する編集を指示する(S180−YES,S182)。送信情報編集部358_1,558_1は、送信可否判定部354_1,554_1の指示に基づき出力対象情報に対してセキュリティ設定を付加してから出力対象情報として送信部364_1,564_1に渡す(S190)。送信部364_1,564_1は、画像編集部350_1,550_1から受け取った情報を通信インタフェース部362_1,562_1を介して、自ドメイン内の装置(情報受信装置4A_1や他の情報送受信装置5A_1)へ配信する。この場合は、後述のように、第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)への配信は許可されていない。つまり、著作権ありの場合にセキュリティ設定後の情報が自ドメイン外に送信されることはない(図中の×印)。
【0096】
送信情報編集部358_2,558_2は、編集要否判定部356_1,556_1から画像編集が指示されないときには(S180−NO)、情報取得部310_1,510_1が取得した情報をそのまま出力対象情報として送信部364_1,564_1に渡す。送信部364_1,564_1は、画像編集部350_1,550_1から受け取った情報を通信インタフェース部362_1,562_1を介して、自ドメイン内または第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)へ配信する。たとえば、著作権が無い場合には、自ドメイン内/外の双方への送信を許可するとともに、著作権保護用のセキュリティ設定も行なわない(S171−YES,S180−NO)。
【0097】
第1ドメイン8_1の装置は、装置の継続使用が指示されたときはステップS110に戻り(S198−YES)、装置の継続使用が指示されないときは処理を終了する(S198−NO)。
【0098】
なお、情報管理装置6は情報出力サービスに応じた課金処理を行なう。このとき、課金処理の仕組みそのものについては、著作権をするか否かで相違はないが、本実施形態では、著作権有無の判断を行なうので、著作料を含めた課金をするようにしてもよい。
【0099】
第2ドメイン8_2側の装置(情報送信装置3A_2や情報送受信装置5A_2)から、情報取得部310_2が取得した情報を第1ドメイン8_1の装置(情報受信装置4A_1や情報送受信装置5A_1)へ配信する場合は、詳細な説明を割愛するが、前記の説明において、参照子を“_1”から“_2”に代えて考えればよい。
【0100】
図6に示した手順において、ステップS100〜S140の処理を著作権判別処理と称し、ステップS160,S171−NOの系統の処理を著作権なしの場合の送信処理と称し、ステップS160,S171−YESの系統の処理を著作権ありの場合の送信処理と称する。以下では、これらの各処理について、さらに具体的に説明する。
【0101】
<著作権情報と出力処理の関係>
図6Bは、第1実施形態の情報伝送システム1Aでの具体的な事例における著作権情報と出力処理の関係を説明する図である。ここでは、出力対象の情報に著作権が設定されているか否かとサービス内容の対応関係を図表として示している。
【0102】
本実施形態におけるサービス内容としては、予備表示(プレビュー表示)、複写(コピー)、原稿の読取りから電子メールでの送信までの一連の処理(Scan to e-Mail:読取り&配信)の3つを想定する。
【0103】
「予備表示」とは、正規の出力処理前に画像を表示手段で確認する機能を意味する。正規の出力処理は、本実施形態では、情報の送信処理や印刷出力処理を意味する。
【0104】
たとえば、認証カードリーダ396,596で認証カードの情報を読み取ったときに利用者情報が取得されなかったときは、伝送制御部350,550は、予備表示のみを許可する。利用者情報が取得された場合において配信対象情報に著作権が設定されていないときには、伝送制御部350,550は、予備表示、複写、読取り&配信の何れも許可する。このとき、情報管理装置6は、複写や読取り&配信の処理に応じた課金処理を行なう。この場合の読取り&配信では、配信対象情報のファイルフォーマットは任意であり、一例として、TIFFファイルやPDFファイルを電子メールに添付して送信する。
【0105】
利用者情報が取得された場合において、配信対象情報に著作権が設定されていて、かつ、伝送先が公共通信回線を経由しないドメイン(ドメインOK)のときには、伝送制御部350.550は、予備表示、複写、読取り&配信の何れも許可する。このとき、情報管理装置6は、複写や読取り&配信の処理に応じた著作料を含む課金処理を行なう。この場合の読取り&配信では、配信対象情報のファイルフォーマットは任意ではなく、著作権管理に適したフォーマット(著作権管理用の情報を付加し得るフォーマット)とする。一例として、PDFファイルにセキュリティ設定をしたパスワード付きのPDFファイルにして、電子メールに添付して送信する。
【0106】
利用者情報が取得された場合において、配信対象情報に著作権が設定されていて、かつ、伝送先が公共通信回線を経由するドメイン(ドメインNG)のときには、伝送制御部350.550は、予備表示と複写は許可するが、読取り&配信は禁止する。このとき、情報管理装置6は、複写の処理に応じた著作料を含む課金処理を行なう。
【0107】
<著作権判別処理:第1実施形態>
図7は、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権判別処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。ここでは、照合用の著作権符号を情報管理装置6にて用意し、また、第1ドメイン8_1側の装置として情報送受信装置5A_1を使用するとともに、情報送受信装置5A_1には符号照合部536_1を配置せずに、情報管理装置6に符号照合部636を配置するシステム構成の場合で説明する。
【0108】
著作権の存在する原情報には、著作権を検出できる著作権パターンが記されている。たとえば、著作権の存在する原本には、画像読取部512での読取り時に、著作権を検出できる著作権パターンが、電子透かしや2次元バーコードなどで記されている。
【0109】
利用者は、画像読取部512_1に読取り対象の原本(原稿)をセットし(S212)、認証カードリーダ396で利用者情報(ID情報)を読み込ませた後に、原稿の読取りを指示する(S214)。送信情報取得部510_1は、読み込んだ認証カードに利用者情報が設定されていないなどのために利用者情報の取得に失敗したときには、画像読取部512_2に読取りの実行を指示し(S216)、読み取られた画像データに基づく予備表示のみのサービスを許可する(S218)。
【0110】
送信情報取得部510_1は、読み込んだ認証カードから利用者情報を取得できたときは、画像読取部512_2に読取りの実行を指示する(S220)。伝送制御部550_1は、読み取られた画像データに基づく予備表示を希望するか否かを利用者に問い合わせる(S226)。伝送制御部550_1は、予備表示の指示を受け付けたときは(S226−YES)、読み取られた画像データに基づく予備表示を行なう(S228)。
【0111】
識別符号抽出部532_1は、出力対象情報から電子透かしや2次元バーコードなどの符号情報を著作権パターンとして抽出し、その著作権パターンを送信情報取得部510_1が取得した利用者情報とともに、情報管理装置6に送信する(S231)。
【0112】
情報管理装置6は、アドレスデータを伝送先情報格納部633に保有しており、利用者情報から利用者に該当するアドレスデータを用意する。たとえば、情報管理装置6は、利用者情報から利用者を識別し、識別した利用者に対応するアドレスデータ(宛先アドレス帳)を伝送先情報格納部633から読み出す(S242)。
【0113】
情報管理装置6は、著作権パターンを著作権符号格納部634に保有しており、第1ドメイン8_1側の装置から送信された著作権パターンから著作権の有無や課金情報を判断する。著作権パターンを情報管理装置6で一元管理することで、パターンデータの更新が容易に実施される。たとえば、符号照合部636は、予め著作権符号格納部634に用意している著作権パターンと識別符号抽出部532_1から送信されたが著作権パターンを照合する(S244)。著作権判定部638は、その照合結果に基づき、送信情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する(S246)。
【0114】
情報管理装置6は、アドレスデータと著作権判定部638の処理結果である著作権有無情報を第1ドメイン8_1側の情報送受信装置5A_1に送信する(S248)。受信部566_1は、情報管理装置6から、アドレスデータと著作権有無情報を受信し、アドレスデータを送信情報取得部510_1に渡し、著作権有無情報を伝送制御部550_1に渡す(S252)。
【0115】
送信制御部550_1は、ステップS260またはステップ280へ移行して、著作権判定部638による著作権有無の判定結果と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する(S254)。
【0116】
<送信処理:著作権なし:第1実施形態>
図7Aは、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権なしの場合の送信処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。この著作権なしの場合の送信処理は、図7に示したステップS254でNO(つまり著作権なし)の場合の送信処理である。
【0117】
たとえば、利用者は、複写または読取り&配信のサービスを選択する(S260)。著作権を有しない情報の場合において(S254−NO)、複写サービスが選択されたときは(S260−複写)、伝送制御部550_1は、画像読取部512_1で取得した画像データをそのまま複写印刷として出力するコピーサービスの実行を指示し、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S262)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報を更新し(S276)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0118】
著作権を有しない情報の場合において(S254−NO)、配信サービスが選択されたときは(S260−配信)、伝送制御部550_1は先ず、送信情報取得部510_1が取得しているアドレスデータに基づき、利用者が送信可能な全ての宛先アドレスの操作画面への表示を指示し、利用者よる伝送先の選択を受け付ける(S266)。
【0119】
伝送制御部550_1はさらに、配信する情報のファイルフォーマットの選択を利用者より受け付ける(S270)。ここでは、一例として、TIFFまたはPDFフォーマット化されたデジタルデータの送信を想定する。
【0120】
TIFFフォーマットが選択された場合は(S270−TIFF)、伝送制御部550_1は、送信情報編集部358にてTIFFフォーマットでデータを作成し、指定された宛先への電子メール(e-Mail)に添付して送信を実行するとともに、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S272)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報を更新し(S276)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0121】
PDFフォーマットが選択された場合は(S270−PDF)、伝送制御部550_1は、送信情報編集部358にてPDFフォーマットでデータを作成し、指定された宛先への電子メールに添付して送信を実行するとともに、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S272)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報を更新し(S276)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0122】
<送信処理:著作権あり(第1例):第1実施形態>
図7Bは、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第1例を説明するフローチャートである。この著作権ありの場合の送信処理の第1例は、図7に示したステップS254でYES(つまり著作権あり)の場合の送信処理である。
【0123】
たとえば、利用者は、複写または読取り&配信のサービスを選択する(S280)。著作権を有する情報の場合において(S254−YES)、複写サービスが選択されたときは(S280−複写)、伝送制御部550_1は、画像読取部512_1で取得した画像データに複製物であることを識別する情報を付加し複写印刷として出力するコピーサービスの実行を指示し、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S282)。情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報(著作料を含む)を更新し(S296)、後述の継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0124】
著作権を有する情報の場合において(S254−YES)、配信サービスが選択されたときは(S280−配信)、伝送制御部550_1は、公共通信回線である第3通信網9_3を経由する伝送先への送信を禁止し、第3通信網9_3を経由しない伝送先への送信のときには、送信情報編集部558_1でセキュリティ設定を付加してから送信するように制御する。
【0125】
この機能の実現に当たり、第1例においては、伝送制御部550_1は、送信情報取得部510_1が取得している利用者のアドレスデータに基づき、利用者が送信可能な全ての宛先アドレスではなくイントラネット内の端末のアドレスのみの操作画面への表示を指示し、利用者よる伝送先の選択を受け付ける(S286)。このとき、送信可否判定部554_1は、アドレスデータ中の各アドレスについて、伝送先が自ドメイン内か第3通信網9_3を経由するドメインかを判定する。伝送先がイントラネットを超え第3通信網9_3を経由するドメインの端末へのアドレスは操作画面に表示されないため、利用者は、第3通信網9_3を経由する伝送先への送信を指示し得ない。
【0126】
編集要否判定部556_1は、出力対象情報に設定されている著作権の状況と伝送先情報に応じて出力対象情報に対する編集の要否を判定する(S180)。編集要否判定部556_1は、編集が必要と判定したときには送信情報編集部558_1に著作権管理に関する編集を指示する(S180−YES,S182)。
【0127】
伝送制御部550_1が伝送先の選択を受け付けると、著作権ありの情報のイントラネット内の端末への配信サービスであるので、編集要否判定部556_1は、送信情報編集部558_1に、セキュリティ設定の付加を指示する(S290)。つまり、伝送制御部550_1は、イントラネット内の端末については、セキュリティ設定が付加された情報配信のみを許可する。
【0128】
セキュリティ設定が付加された情報配信として、ここでは一例として、PDFフォーマット化されたデジタルデータだけが送信可能であり、データには自動的にパスワードなどのセキュリティ設定を付加するものとする。このため、送信情報編集部558_1は、送信情報取得部510が取得している情報がPDFファイルでないときにはPDFフォーマット化されたデジタルデータに変換する。
【0129】
送信情報編集部558_1は、PDFフォーマット化されたデジタルデータに対して、セキュリティ設定を自動的に付加し、指定された宛先への電子メールに添付して送信を実行するとともに、既定の課金が行なわれるように情報管理装置6(外部サーバ)に利用情報を送信を指示する(S292)。このとき、伝送制御部550_1は、自動的に設定したデータを開くためのパスワードを操作画面に表示する。利用者は、この表示されたパスワードを控えておき、PDFフォーマット化されたデジタルデータの配信とは別の通知により受信者側にそのパスワードを通知する。
【0130】
情報管理装置6において課金管理部672は、利用者の課金情報(著作料を含む)を更新し(S296)、継続使用判定処理(ステップS298)へ移行する。
【0131】
情報送受信装置5A_1は、装置の継続使用が指示されたときはステップS212に戻り(S298−YES)、装置の継続使用が指示されないときは処理を終了する(S298−NO)。
【0132】
第2ドメイン8_2側の情報送受信装置5A_2から、送信情報取得部510_2が取得した情報を第1ドメイン8_1の装置(情報受信装置4A_1や情報送受信装置5A_1)へ配信する場合は、詳細な説明を割愛するが、前記の説明において、参照子を“_1”から“_2”に代えて考えればよい。
【0133】
<送信処理:著作権あり(第2例):第1実施形態>
図7Cは、第1実施形態の情報伝送システム1Aにおける著作権ありの場合の送信処理の具体的な手順の第2例を説明するフローチャートである。この著作権ありの場合の送信処理の第2例は、図7に示したステップS254でYES(つまり著作権あり)の場合の送信処理である。
【0134】
第2例と第1例との相違は、公共通信回線である第3通信網9_3を経由する伝送先への送信を禁止し、第3通信網9_3を経由しない伝送先への送信のときには、送信情報編集部558_1でセキュリティ設定を付加してから送信するように制御する際の仕組みにある。
【0135】
この機能の実現に当たり、第2例においては、伝送制御部550_1は、送信情報取得部510_1が取得している利用者のアドレスデータに基づき、利用者が送信可能な全ての宛先アドレスの操作画面への表示を指示し、利用者による伝送先の選択を受け付ける(S286)。
【0136】
伝送制御部550_1は、利用者により選択されたアドレスがイントラネット内(つまり自ドメイン内)であるか否かを判定する(S288)。イントラネット内の端末へのアドレスが選択されている場合には(S288−YES)、伝送制御部550_1は、第1例と同様にして選択されたアドレスへの情報配信を制御する(S292)。
【0137】
一方、イントラネットを超え第3通信網9_3を経由するドメインの端末へのアドレスが選択されている場合には(S288−NO)、伝送制御部550_1は、そのアドレスへの情報配信を禁止する(S294)。この場合、伝送制御部550_1は、情報配信を禁止する旨を操作画面に表示する、または、音声通により、利用者に通知するとよい。
【0138】
<第1実施形態の纏め>
たとえば、スキャナ装置は、紙幣など一部の特殊な原稿を除いて、読取り対象には殆ど制約はなく、容易に複製物を作成できる。この対策として、著作権の存在する原本のスキャンデータに対しては複製であることを判別可能な加工をコピー印刷時に施すことが考えられる。
【0139】
しかしながら、印刷出力とは異なり、デジタルデータの状態では判別のために施された加工を作為的に消去することが印刷物よりも容易であり、デジタルデータとしての複製の氾濫を抑制する手段としては十分とは言えない。また、デジタルデータに複製の判別加工が加えられることにより、生成物の内容を判読することが困難になる場合もある。
【0140】
また、スキャナ装置がネットワークに接続されていた場合、公共通信回線(インターネットなど)を介した配信・閲覧が可能となるため、容易な操作で複製の氾濫が短時間で行なわれてしまう危惧もある。
【0141】
これに対して、第1実施形態の情報伝送システム1においては、送信を指示された情報が著作権を有するか否かを判定し、著作権を有すると認識した場合は、伝送先が公共通信回線を経由するか否かに基づき送信可否を制御するとともに、送信を許可する場合でも、著作権が設定されているときには自動的にセキュリティ設定を付加してから送信する。
【0142】
このため、著作権を有することが検知されたデジタルデータは、公共通信回線への送信が制限(禁止)される。加えて、イントラネットへの送信であっても、ファイルを開く際に必要な認証情報(パスワード)を自動的に付加することで、複製データの作成は正当な者に制限され、複製の氾濫は抑制される。
【0143】
<システム構成:第2実施形態>
図8は、情報伝送システムの第2実施形態を示す図である。
【0144】
第2実施形態の情報伝送システム1Bは、第1実施形態の情報伝送システム1Aをベースに、さらに、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bの送信機能部や情報管理装置6Bを少し変更している。情報送信装置3Bが情報送信装置3Aと異なり、情報送受信装置5Bが情報送受信装置5Aと異なり、情報管理装置6Bが情報管理装置6Aと異なるが、その他は、第1実施形態と相違なく、システム構成図としては第1実施形態と同じようになっている。
【0145】
<情報送信装置:第2実施形態>
図9は、第2実施形態の情報送信装置3Bの構成例を示す図である。
【0146】
情報送信装置3Bは、第1実施形態の情報送信装置3Aをベースに、さらに、著作権確度処理部340を備えている。伝送制御部350は、著作権確度処理部340の判定結果を参照して、出力対象情報の送信可否や著作権管理に関する編集要否を判定する。つまり、第2実施形態では、情報送信装置3(特に出力対象情報を取り込む機能部)の設置場所を出力制御の判定指標に加える点に特徴がある。
【0147】
なお、第2実施形態の仕組みは、情報取得部310が取得した出力対象情報に電子透かしや2次元バーコードなどの明確な著作権パターンが存在せず、著作権情報処理部330では著作権パターンを検知できない場合への対処のものである。よって、この機能だけに着目したときには、第2実施形態の仕組みとしては著作権情報処理部330を備えていることは必須ではない。
【0148】
しかしながら、現実的には、情報取得部310が取得した出力対象情報に著作権パターンが存在するか否かに関わらず、著作権のあるものや著作権のある可能性の高い情報に関しては、複製の氾濫を抑制する仕組みにすることが好ましい。著作権確度処理部340だけでも著作権情報処理部330と同様の機能を果たし得ると考えられるが、出力対象情報に著作権パターンが存在するのであれば、その情報を使用する方が著作権有無の判定はより確実であると考えられる。よって、ここで示す構成例では、著作権情報処理部330も備える場合で示す。
【0149】
著作権確度処理部340は、著作物様式(著作物パターン、著作物の画像パターン、認知特徴)と出力対象情報を取得する情報取得部310の設置場所に基づき、出力対象情報の著作物様式が著作権を有する確度、つまり出力対象情報が著作権を有する確度を判断する。この機能の実現のため、著作権確度処理部340は、情報取得場所判定部342、著作物様式格納部344(著作物パターン格納部)、様式照合部346、著作権確度判定部347、および著作権判定部348(第2の著作権判定部)を有する。
【0150】
情報取得場所判定部342は、情報取得部310の設置場所、つまり出力対象情報の取得場所の情報を取得して著作権確度判定部347に通知する。
【0151】
著作物様式格納部344は、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための著作物様式(著作物パターン:照合情報の一例)を複数種類格納する照合情報格納部の一例である。著作物様式格納部344は、様式照合部346での照合処理に参照される著作物様式を記憶媒体(たとえばハードディスク装置などの不揮発性のもの)に格納する。
【0152】
様式照合部346は、情報取得部310が取得した出力対象情報の画像パターンと予め用意しておいた著作物様式の各特徴を照合(比較)し、照合結果(著作物様式照合情報)を著作権確度判定部347に渡す。
【0153】
照合用の著作物様式は、著作物様式格納部344にて用意しておいてもよいし情報管理装置6にて用意しておいてもよい。照合用の著作物様式を情報管理装置6にて用意する場合、情報送信装置3には著作権確度処理部340の前記各部(344〜348)を配置せずに、情報管理装置6に配置する構成を採るとよい。この場合、伝送対象情報の画像情報を情報管理装置6に通知する画像情報通知部343を情報送信装置3に備えるようにする。画像情報通知部343は、情報取得部310で取得した画像そのものを情報管理装置6に通知するようにしてもよいし、画像情報通知部343にて画像の特徴(画像様式)を抽出してから、その画像様式を情報管理装置6に通知するようにしてもよい。後者の方が伝送情報量が少なくて済む。照合用の著作物様式を情報管理装置6で一元管理することで、様式データの更新が容易に実施される。
【0154】
換言すると、情報管理装置6にて著作物様式の照合処理を行なうシステム構成にする場合には、著作権確度処理部340は著作物様式格納部344および様式照合部346を備えていなくてもよい。情報送信装置3に著作物様式格納部344を備えるシステム構成にする場合には、定期的に様式ファイルを更新するようにするのがよい。様式ファイルの更新は、たとえば、可搬型の記憶媒体を利用するものでもよいし、情報管理装置6を利用して、定期的に様式ファイルを配信するようにしてもよい。
【0155】
著作権確度判定部347は、情報取得場所判定部342から通知された出力対象情報の取得場所の情報と様式照合部346による著作物様式の照合結果に基づき、出力対象情報が著作権を有する確度を判定し、判定結果を著作権判定部348に通知する。著作権判定部348は、著作権判定部348による判定結果に基づき、出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する。
【0156】
伝送制御部350は、著作権確度処理部340の判定結果と指示された伝送先の関係に基づいて出力処理を制御する。特に、著作権情報処理部330も備えている第2実施形態の構成においては、伝送制御部350は、著作権情報処理部330の著作権判定部338による判定結果が著作権有りであれば、その判定結果を採用し、著作権判定部338による判定結果が著作権なしであれば、著作権確度処理部340の判定結果(著作権を有する確度に基づく著作権有無の判定結果)を採用する。
【0157】
<情報送受信装置:第2実施形態>
図10は、第2実施形態の情報送受信装置5Bの構成例を示す図である。第2実施形態の情報送受信装置5Bは第2実施形態の情報送信装置3B(≠3A)と情報受信装置4B(=4A)の両機能を備えるものであり、情報送信装置3Bと情報受信装置4Bの各機能部を備えるとともに、それぞれで共通する機能部を1つにした状態のものである。各機能部は、情報送信装置3Bや情報受信装置4Bが備えるものと同様であるので、ここでは説明を割愛する。なお、図では、情報送信装置3Bの場合と同様に著作権情報処理部530も備える形態で示しているが、著作権情報処理部530を備えない形態をとってもよい。
【0158】
<情報管理装置:第2実施形態>
図11は、第2実施形態の情報管理装置6Bの構成例を示す図である。なお、図では、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bの場合と同様に著作権情報処理部630も備える形態で示しているが、著作権情報処理部630を備えない形態をとってもよい。
【0159】
情報管理装置6Bは、第1実施形態の情報管理装置6Aをベースに、著作権確度処理部640として、著作物様式格納部644、様式照合部646、著作権確度判定部647、および著作権判定部648を備える。
【0160】
著作物様式格納部644は情報送信装置3Bの著作物様式格納部344と同様の機能を持ち、様式照合部646は情報送信装置3Bの様式照合部346と同様の機能を持つ。著作権確度判定部647は情報送信装置3Bの著作権確度判定部647と同様の機能を持ち、著作権判定部648は情報送信装置3Bの著作権判定部648と同様の機能を持つ。
【0161】
<全体動作:第2実施形態>
図12〜図12Aは、第2実施形態の情報伝送システム1Bの全体の処理手順を説明するフローチャートである。ここで、図12に示す第1例は、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bが著作権情報処理部330_1,530_1と著作権確度処理部340_1,540_1の双方を備えている場合であり、図12Aに示す第2例は、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bが著作権情報処理部330_1,530_1を備えず著作権確度処理部340_1,540_1を備える場合である。処理ステップ番号を300番台で示すとともに、第1実施形態と同様・類似の処理ステップについては100番台を300番台に代えて示す。
【0162】
後述の各処理手順の説明では、第1ドメイン8_1側の各装置が備える機能部には参照子“_1”を付し、第2ドメイン8_2側の各装置が備える機能部には参照子“_2”を付して区別する。ここでは、照合用の著作物様式を情報送信装置3にて用意し照合を行なうシステム構成の場合で説明する。なお、著作物様式は「著作物パターン」で記述する。
【0163】
最初に、図12に示す第1例の場合で説明する。第1ドメイン8_1の装置(情報送信装置3A_1や情報送受信装置5A_1)においては、情報取得部310_1,510_1が取得した情報を自ドメイン内または第2ドメイン8_2の装置(情報受信装置4A_2や情報送受信装置5A_2)へ通信網9を介して配信する。
【0164】
このとき、第1ドメイン8_1の装置において、情報取得部310_1,510_1は出力対象情報を取得する(S310)。識別符号抽出部332_1,532_1は出力対象情報を取得から著作権の符号情報を抽出してそれを著作権パターンとして符号照合部336_1,536_1に渡す(S330)。
【0165】
なお、識別符号抽出部332_1,536_1が著作権パターンとなり得る符号情報を抽出しているときは(S330−YES)、第1実施形態と同様の処理に移行する。第1実施形態の仕組み(具体的には著作権情報処理部330_1,530_1)によって著作権パターンとなり得る符号情報の存在を認識し得たときには、情報取得部310_1,530_1が取得した情報(たとえば画像読取部312_1,512_1が読み取った原本)に著作権パターンが付与されていたと言うことであるから、著作権判定部338_1,538_1の判定結果を優先するのである。
【0166】
一方、識別符号抽出部332_1,532_1が著作権の符号情報(著作権パターン)を抽出していないときは(S330−NO)、様式照合部346_1,546_1は、予め著作物様式格納部344_1,544_1に用意している著作物パターンと情報取得部310_1,510_1が取得した情報に含まれている著作物パターンを照合し、照合結果を著作権確度判定部347_1,547_1に渡す(S340)。
【0167】
著作権確度判定部347_1,547_1は、情報取得場所判定部342_1,542_1から通知された出力対象情報の取得場所の情報と、様式照合部346_1,546_1による照合結果に基づき、情報取得部310_1,510_1が取得した出力対象情報が著作権を有する確度(著作物パターン該当確度)を判定し、判定結果を著作権判定部348_1,548_1に通知する(S350)。
【0168】
著作権判定部348_1,548_1は、著作物パターン該当確度に基づき、情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する(S353)。
【0169】
伝送制御部350_1,550_1は、著作権判定部348_1,548_1による判定結果(著作権を有する確度に基づく著作権有無の判定結果)と出力対象情報の伝送先に基づいて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。以下、第1実施形態と同様である。
【0170】
つまり、第2実施形態では、情報取得部310_1,510_1が取得した情報から著作権符号を検知できたときには第1実施形態と同様の処理にて著作権を有するか否かを判断するが、情報取得部310_1,510_1が取得した情報から著作権符号を検知できないときには情報取得部310_1,510_1の設置場所(詳しくは情報の取得場所)と出力対象情報に含まれる著作物様式の特徴に基づき、出力対象情報が著作権を有するか否かを判断する。
【0171】
なお、前記の説明は、情報送信装置3Bや情報送受信装置5Bが著作権情報処理部330_1,530_1と著作権確度処理部340_1,540_1の双方を備えている場合で説明したが、著作権情報処理部330_1,530_1を備えていない場合には、図12Aに示す第2例のように、図12にけるステップS330での判定処理を割愛することになる。
【0172】
図12〜図12Aに示した手順において、ステップS300〜S340の処理を著作物判別処理と称し、ステップS360,S371−NOの系統の処理を著作権なしの場合の送信処理と称し、ステップS360,S371−YESの系統の処理を著作権ありの場合の送信処理と称する。著作権なしの場合の送信処理と著作権ありの場合の送信処理は第1実施形態の場合と相違ない。以下では、著作物判別処理について、さらに具体的に説明する。
【0173】
<著作物様式および情報取得場所と著作物の関係>
図12Bは、第2実施形態の情報伝送システム1Bでの具体的な事例における著作物パターンおよび情報取得場所と著作物の関係を説明する図である。著作物パターンおよび情報取得場所は、第1実施形態の著作権情報と対応する。ここでは、出力対象の情報が著作物であるか否かを著作物パターンおよび情報取得場所の関係から特定する考え方を図表で示している。
【0174】
たとえば、情報取得部310が取得する情報が著作権を有するものであっても、必ずしも電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号(著作権パターン)が付されているとは限らない。第1実施形態では、著作権情報処理部330にて電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号が付されているか否かで、情報取得部310が取得する情報が著作権を有するか否かを判定する。そのため、第1実施形態では、情報取得部310が取得した情報が著作権を有するものであっても、電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号が付されていないと、その情報が著作権を有すると判定することは不可能である。
【0175】
一方、著作物には、書籍、漫画、雑誌、絵画集など様々なものがあるが、それらに含まれる文字、ページ番号、章番号、図、写真などの配置のパターン(纏めて画像パターンと記す)には、ある程度の規則性があると考えられる。また、書籍、漫画、雑誌、絵画集などの著作物が置かれる場所にもある程度の規則性があると考えられる。たとえば、公共の場所に設置されるスキャナ装置は、設置場所ごとに読取り対象となる原本がある程度限定されるため、読取り結果の画像から得られる特徴から、原本に著作権を有する可能性を推定し得る。
【0176】
第2実施形態は、これらの規則性に着目して、電子透かしや2次元バーコードなどによる著作権符号が付されていない情報であっても、著作権を有するか否か(より正確には著作権を有する確度)を判定するようにする。判定対象の画像パターンが著作物の画像パターンとどの程度一致するか(著作物パターン該当確度)で、判定対象物が著作権を有するか否かを判定するのである。
【0177】
図12B(1)は、情報取得場所(情報取得部310の設置場所)、著作物パターン、著作物パターンに該当するものが情報取得場所に置かれている確度(著作物パターン該当確度)の関係を例示する図表である。
【0178】
第2実施形態では、著作物ごとにその画像の特徴(著作物パターン)を定義しておく。そして、処理対象情報の画像の特徴(画像パターン)と各著作物の著作物パターンを照合してどの著作物パターンと一致するかを判定し、さらに著作物が置かれていた場所も勘案して、処理対象情報が著作物である可能性を評価する。
【0179】
ここでは、著作物として、書籍(本)、漫画、雑誌の3種を例示する。これに対応して、著作物パターンとしては、書籍の場合の著作物パターン1、漫画の場合の著作物パターン2、雑誌の場合の著作物パターン3、の3種を考える。著作物パターン該当確度は、「高」、「中」、「低」の3段階に分類するものとする。
【0180】
著作物が置かれていた場所も勘案するに当たっては、一例として、次のように考える。図書館の場合、著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の置かれる確度は、書籍、雑誌、漫画の順に低くなると考えられる。よって、情報取得部310が取得する情報も、書籍、雑誌、漫画の順に低くなると考えてよい。
【0181】
漫画喫茶の場合、著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の置かれる確度は、漫画が圧倒的に高く、雑誌や書籍は低いと考えられる。よって、情報取得部310が取得する情報も、漫画である可能性が高く、書籍や雑誌である可能性は低い考えてよい。
【0182】
ビジネススポットの場合、著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の置かれる確度は、雑誌が比較的高く、漫画や書籍は中程度と考えられる。
【0183】
図12B(2)は、各著作物(書籍、漫画、雑誌の3種)の著作物パターンの特徴を例示する図表である。ここでは、文字配置、ページ番号配置、章番号配置、図が存在する度合い、写真が存在する度合い、を特徴抽出に当たっての着目ポイントとする。
【0184】
書籍(著作物パターン1)の場合について説明する。文字は、ページ全体に均等に配置され、フォントやサイズの変化が小さい傾向があると考えられる。ページ番号は上辺または下辺に配置される傾向があると考えられる。章番号は上辺または下辺に配置される傾向があると考えられる。図や写真は少ないと考えられる。
【0185】
漫画(著作物パターン2)の場合について説明する。文字は、ページの限られた箇所に存在し、また、その数は少ない傾向があると考えられる。ページ番号は下辺に配置されるか付されない傾向があると考えられる。章番号は付されない傾向があると考えられる。図は多いが写真は少ない傾向があると考えられる。
【0186】
雑誌(著作物パターン3)の場合について説明する。文字は、図や写真と並んで配置され、また、フォントやサイズの変化が大きい傾向があると考えられる。ページ番号は上辺または下辺に配置される傾向があると考えられる。章番号は上辺に配置されるか付されない傾向があると考えられる。図や写真が多い傾向があると考えられる。
【0187】
図12B(3)は、著作物パターン該当確度と著作権有無の判定の関係を例示する図表である。著作権確度判定部347は、図12B(1)および図12B(2)に示す関係を参照して、情報取得部310が取得した情報(判定対象情報)が、著作権を有する確度(著作物パターン該当確度)を判定する。
【0188】
著作権判定部348は、著作権確度判定部347が判定した著作物パターン該当確度に基づき、情報取得部310が取得した情報が著作権を有するか否かを判定する。その判定の閾値は任意でよいが、少なくとも、著作物パターン該当確度に基づく切り分けを行なうようにする。たとえば、図12B(3−1)に示す第1例のように、著作物パターン該当確度が「中」以上となる場合は著作権を有すると判定し、著作物パターン該当確度が「低」のときは著作権を有しないと判定する。また、図12B(3−2)に示す第2例のように、著作物パターン該当確度が「高」のときは著作権を有すると判定し、著作物パターン該当確度が「中」以下のときは著作権を有しないと判定してもよい。
【0189】
<著作物判別処理:第2実施形態>
図13〜図13Aは、第2実施形態の情報伝送システム1Bにおける著作物判別処理の具体的な手順を説明するフローチャートである。処理ステップ番号を400番台で示すとともに、第1実施形態と同様・類似の処理ステップについては200番台を400番台に代えて示す。
【0190】
ここでは、照合用の著作権パターンを情報管理装置6にて用意し、また、第1ドメイン8_1側の装置として情報送受信装置5B_1を使用するとともに、情報送受信装置5B_1には符号照合部536_1を配置せずに、情報管理装置6に符号照合部636を配置し、さらに、情報送受信装置5B_1に著作権確度処理部540_1の各部を配置するシステム構成の場合で説明する。
【0191】
図13に示す第1例は、情報送受信装置5Bが著作権情報処理部530と著作権確度処理部540の双方を備えている場合であり、図13Aに示す第2例は、情報送受信装置5Bが著作権情報処理部530を備えず著作権確度処理部540を備える場合である。
【0192】
最初に、図13に示す第1例の場合で説明する。利用者は情報取得部310の設置場所の設定を行なう。設置場所判定部520_1は、その設置場所の情報を取得し伝送制御部550_1に通知しておく(S402)。その後、ステップS428の予備表示に関する処理までは第1実施形態と同様である。
【0193】
予備表示に関する処理後、識別符号抽出部532_1は、出力対象情報から著作権パターンの抽出を試みる(S430)。識別符号抽出部532_1が著作権パターンを抽出したときは(S430−YES)、第1実施形態のステップS231に移行して、第1実施形態と同様の処理を行なう。
【0194】
一方、識別符号抽出部532_1が著作権パターンを抽出していないときは(S430−NO)、識別符号抽出部532_1は送信情報取得部510_1が取得した利用者情報のみを情報管理装置6に送信する(S431)。
【0195】
利用者情報を受信した情報管理装置6は、アドレスデータを伝送先情報格納部633に保有しており、利用者情報から利用者に該当するアドレスデータを用意する。たとえば、情報管理装置6は、利用者情報から利用者を識別し、識別した利用者に対応するアドレスデータ(宛先アドレス帳)を伝送先情報格納部633から読み出す(S442)。情報管理装置6は、アドレスデータを第1ドメイン8_1側の情報送受信装置5B_1に送信する(S448)。受信部566_1は、情報管理装置6から、アドレスデータを受信し、アドレスデータを送信情報取得部510_1に渡す(S452)。
【0196】
この過程で、情報送受信装置5B_1において、様式照合部546_1は、予め著作物様式格納部544_1に用意している著作物パターン(図12B(1),(2)に示した著作物パターン1〜3)と情報取得部510_1が取得した情報に含まれている画像パターンの各特徴を照合し、照合結果を著作権確度判定部547_1に渡す(S444)。
【0197】
著作権確度判定部547_1は、情報取得場所判定部542_1から通知された出力対象情報の取得場所の情報と、様式照合部546_1による照合結果に基づき、情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有する確度(著作物パターン該当確度)を判定し、判定結果を著作権判定部548_1に通知する(S445)。
【0198】
つまり、著作権確度処理部540_1は、送信情報取得部510_1が取得した情報の画像パターンが著作物パターン1〜3の特徴と一致するか否かを判断する。加えて、著作権確度処理部540_1は、設置場所の設定から、認知した特徴から選択した著作物パターンが著作権を有する確度を判断する。
【0199】
著作権判定部548_1は、図12B(3−1)に示す第1例または図12B(3−2)に示す第2例に従って、著作物パターン該当確度に基づき、情報取得部510_1が取得した出力対象情報が著作権を有するか否かを判定する(S446)。
【0200】
以下、伝送制御部550_1は、第1実施形態と同様に、著作権を有するか否かと(S454)、出力対象情報の伝送先と、サービス内容に応じて、出力対象情報の指示された伝送先への送信を許可するか否かや出力対象情報の編集を制御する。
【0201】
なお、前記の説明は、情報送受信装置5B_1が著作権判定部538_1と著作権確度処理部540_1の双方を備えている場合で説明したが、著作権判定部538_1を備えていない場合には、図13Aに示す第2例のように、図13にけるステップS430での判定処理を割愛することになる。
【0202】
このように、第2実施形態の仕組みでは、送信情報取得部510_1が取得した出力対象情報(たとえば画像読取部512_1が読み取った原稿)に著作権を示す著作権パターンが含まれていない場合でも、伝送制御部550_1は第1実施形態と同様の出力制御を行なう。すなわち、第1例の処理手順では、著作権パターンが情報に含まれているか否かだけでなく、情報の取得場所と情報に含まれる画像パターンの特徴に基づき判定される著作物パターン該当確度も判定指標として、送信を指示された情報が著作権を有するか否かを判定している。第2例の処理手順では、著作権パターンが情報に含まれているか否かは判定指標とせずに、情報の取得場所と情報に含まれる画像パターンの特徴に基づき判定される著作物パターン該当確度を判定指標として、送信を指示された情報が著作権を有するか否かを判定している。
【0203】
何れにしても、著作権を有すると認識した場合は、伝送先が公共通信回線を経由するか否かに基づき送信可否を制御するとともに、送信を許可する場合でも、著作権が設定されているときには自動的にセキュリティ設定を付加してから送信する点では第1実施形態と相違がない。
【0204】
このため、第2実施形態の仕組みでも、著作権を有すると判定したたデジタルデータは、公共通信回線への送信が制限(禁止)される。加えて、イントラネットへの送信であっても、ファイルを開く際に必要な認証情報(パスワード)を自動的に付加することで、複製データの作成は正当な者に制限され、複製の氾濫は抑制される。
【0205】
<電子計算機による構成>
図14は、情報伝送装置(情報送信装置3、情報受信装置4、情報送受信装置5)の制御構成の他の構成例を示すブロック図である。ここでは、パーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサなどから構築される情報伝送装置の制御構成のより現実的なハードウェア構成を示している。
【0206】
すなわち、本実施形態において、情報伝送処理に関わる制御処理を行なう情報伝送装置の制御構成の仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現される。よって、本実施形態に係る仕組みを、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体が発明として抽出される。ソフトウェアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などが容易に変更されることとなる。
【0207】
前述の一連の情報伝送処理はハードウェアまたはソフトウェアの単独に限らずその両者の複合構成によっても実現され得る。ソフトウェアによる処理を実行する場合、処理手順を示したプログラムを、ハードウェアに組み込まれたコンピュータ内の記憶媒体に組み込んで(インストールして)実行させたり、各種処理が実行可能な汎用の電子計算機にプログラムを組み込んで実行させる。
【0208】
情報伝送処理機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。また、このプログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなど、その他の記録媒体にプログラムを格納してもよい。さらに、ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、有線または無線などの通信網を介して提供されてもよい。たとえば、他のサーバなどからインターネットなどのネットワークを経由してプログラムをダウンロードして取得したり、更新したりしてもよい。
【0209】
さらに、情報伝送処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0210】
たとえば、コンピュータシステム900は、CPU(Central Processing Unit )やマイクロプロセッサ(microprocessor)で構成された中央制御部910と、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)、または随時読出し・書込みが可能なメモリであるRAM(Random Access Memory)などを具備する記憶部912と、操作部914と、図示を割愛したその他の周辺部材を有している。
【0211】
中央制御部910は、コンピュータが行なう演算と制御の機能を超小型の集積回路に集約させたCPUを代表例とする電子計算機の中枢をなすものと同様のものである。ROMには情報伝送処理機能用の制御プログラムなどが格納される。操作部914は、利用者による操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。
【0212】
なお、コンピュータシステム900の制御系としては、メモリカードなどの図示を割愛した外部記録媒体を挿脱可能に構成し、またインターネットなどの通信網との接続が可能に構成するとよい。このためには、制御系は、中央制御部910や記憶部912の他に、可搬型の記録媒体の情報を読み込むメモリ読出部920や外部との通信インタフェース手段としての通信I/F922を備えるようにするとよい。メモリ読出部920を備えることで外部記録媒体からプログラムのインストールや更新に対応する。通信I/F922を備えることで、通信網を介しプログラムのインストールや更新に対応する。基本的な情報伝送処理の仕組みは前記実施形態と同様である。
【0213】
なお、ここでは、情報伝送装置の制御構成をコンピュータにてソフトウェア上で実現する構成例で説明しているが、本実施形態の情報伝送処理を実現するための情報伝送装置の制御構成の各部(機能ブロックを含む)の具体的手段は、ハードウェア、ソフトウェア、通信手段、これらの組み合わせ、その他の手段を用いることができ、このこと自体は当業者において自明である。また、機能ブロック同士が複合して1つの機能ブロックに集約されてもよい。また、コンピュータにプログラム処理を実行させるソフトウェアは、組合せの態様に応じて分散してインストールされる。
【0214】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0215】
また、前記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0216】
たとえば、前記実施形態では、伝送対象情報から著作権パターンを抽出したとき、その抽出した著作権パターンを、予め格納してある複数種の著作権パターンと照合してから伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定している。しかしながら、抽出した著作権パターンと予め格納してある複数種の著作権パターンとの照合を行なうことは必須ではなく、たとえば、著作権パターンであると想定している電子透かしや2次元バーコードが抽出されたら伝送対象情報は著作権ありと判定することも考えられる。ただし、抽出した電子透かしや2次元バーコードなどの符号情報が、販売管理用のものであるなど、本実施形態で想定している著作権パターンでないこともある。第1・第2実施形態(処手順理の第1例)では、このような場合でも、適正に著作権の有無が判定される。
【符号の説明】
【0217】
1…情報伝送システム、3…情報送信装置、4…情報受信装置、5…情報送受信装置、6…情報管理装置、7…メールサーバ、9…通信網、310,510…情報取得部、312,512…画像読取部、314,514…情報受付部、330,530,630…著作権情報処理部、332,532…識別符号抽出部、334,534,634…著作権符号格納部、336,536,636…符号照合部、338,538,638…著作権判定部、340,540,640…著作権確度処理部、342,542…情報取得場所判定部、343,543…画像情報通知部、344,544,644…著作物様式格納部、346,546,646…様式照合部、347,547,647…著作権確度判定部、348,548,648…著作権判定部、350,550…伝送制御部、352,552…送信先情報取得部、354,554…送信可否判定部、356,556…編集要否判定部、358,558…送信情報編集部、360,460,560,660…通信処理部、362,462,562,662…通信インタフェース部、364,564,664…送信部、390,490,590…操作部、396,496,596…認証カードリーダ、466,566,666…受信部、470,570…認証処理部、472,572…セキュリティ設定判定部、474,574…認証情報受付部、480,580…画像出力部、670…アドレスデータ管理部、672…課金管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定部と、
前記著作権判定部による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部と、
を備えた情報伝送システム。
【請求項2】
前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部を有する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項3】
前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
をさらに備え、
前記第1の著作権判定部は、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する
請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項4】
前記著作権判定部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部を有する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項5】
前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、
を有し、
前記伝送制御部は、前記第1の著作権判定部が著作権有りと判定しているときにはその結果を採用し、前記第1の著作権判定部が著作権無しと判定しているときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項6】
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
をさらに備え、
前記著作権判定部は、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する
請求項4または5に記載の情報伝送システム。
【請求項7】
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域以外のときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を禁止する
請求項1〜6の内の何れか一項に記載の情報伝送システム。
【請求項8】
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を許可するとともに、前記伝送対象情報に対して著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する
請求項1〜6の内の何れか一項に記載の情報伝送システム。
【請求項9】
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定した場合において、前記伝送対象情報が著作権保護用の付加情報を付け加えることができない形式のものであるときには、前記伝送対象情報を著作権保護用の付加情報を付け加えることができる形式のものに変換した後に著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する
請求項1〜6の内の何れか一項に記載の情報伝送システム。
【請求項10】
伝送対象情報の著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部
を備えた情報伝送装置。
【請求項11】
前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、
をさらに備えた請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項12】
前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出して情報管理装置に送信する識別符号抽出部をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を前記情報管理装置から受け取る
請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項13】
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、
をさらに備えた請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項14】
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、
をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する
請求項11または12に記載の情報伝送装置。
【請求項15】
前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取る
請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項16】
前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取り、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を採用する
請求項11または12に記載の情報伝送装置。
【請求項17】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、
を備えた情報管理装置。
【請求項18】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像情報と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、
を備えた情報管理装置。
【請求項19】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第1の著作権判定部と、
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第2の著作権判定部と、
を備えた情報管理装置。
【請求項20】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定工程と、
前記著作権判定工程による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御工程と、
を電子計算機に実行させるプログラム。
【請求項1】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定部と、
前記著作権判定部による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部と、
を備えた情報伝送システム。
【請求項2】
前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部を有する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項3】
前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
をさらに備え、
前記第1の著作権判定部は、前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する
請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項4】
前記著作権判定部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部を有する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項5】
前記著作権判定部は、前記伝送対象情報に含まれている著作権の識別符号に基づいて、伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記伝送対象情報の画像の様式とに基づいて、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、
を有し、
前記伝送制御部は、前記第1の著作権判定部が著作権有りと判定しているときにはその結果を採用し、前記第1の著作権判定部が著作権無しと判定しているときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する
請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項6】
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
をさらに備え、
前記著作権判定部は、前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する
請求項4または5に記載の情報伝送システム。
【請求項7】
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域以外のときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を禁止する
請求項1〜6の内の何れか一項に記載の情報伝送システム。
【請求項8】
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定したときには、前記伝送対象情報の伝送を許可するとともに、前記伝送対象情報に対して著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する
請求項1〜6の内の何れか一項に記載の情報伝送システム。
【請求項9】
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報の伝送先が同一の通信領域であるときに、前記伝送対象情報が著作権を有すると前記著作権判定部が判定した場合において、前記伝送対象情報が著作権保護用の付加情報を付け加えることができない形式のものであるときには、前記伝送対象情報を著作権保護用の付加情報を付け加えることができる形式のものに変換した後に著作権保護用の付加情報を付け加えるように制御する
請求項1〜6の内の何れか一項に記載の情報伝送システム。
【請求項10】
伝送対象情報の著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御部
を備えた情報伝送装置。
【請求項11】
前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出する識別符号抽出部と、
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記識別符号抽出部が抽出した識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第1の著作権判定部と、
をさらに備えた請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項12】
前記伝送対象情報から著作権の識別符号を抽出して情報管理装置に送信する識別符号抽出部をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を前記情報管理装置から受け取る
請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項13】
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、
をさらに備えた請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項14】
前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定し、その著作権有無の判定結果を前記伝送制御部に通知する第2の著作権判定部と、
をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記第2の著作権判定部による著作権有無の判定結果を採用する
請求項11または12に記載の情報伝送装置。
【請求項15】
前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取る
請求項10に記載の情報伝送装置。
【請求項16】
前記伝送対象情報の画像情報を情報管理装置に通知する画像情報通知部をさらに備え、
前記伝送制御部は、前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を情報管理装置から受け取り、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権有りのときにはその結果を採用し、前記著作権の識別符号に基づく著作権有無の判定結果が著作権無しのときには前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づく前記伝送対象情報の著作権有無の判定結果を採用する
請求項11または12に記載の情報伝送装置。
【請求項17】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、
を備えた情報管理装置。
【請求項18】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像情報と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する著作権判定部と、
を備えた情報管理装置。
【請求項19】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
前記伝送対象情報から抽出された著作権の識別符号を情報伝送装置から受け取り、この識別符号と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する符号照合部と、
前記符号照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第1の著作権判定部と、
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定するための照合情報を複数種類格納する照合情報格納部と、
情報伝送装置から受け取った前記伝送対象情報の画像の様式と前記照合情報格納部に格納されている照合情報を照合する様式照合部と、
前記伝送対象情報が取得された場所と前記様式照合部による照合結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有する確度を判定する著作権確度判定部と、
前記著作権確度判定部による判定結果に基づき、前記伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定して、その著作権有無の判定結果を前記情報伝送装置に送信する第2の著作権判定部と、
を備えた情報管理装置。
【請求項20】
伝送対象情報が著作権を有するか否かを判定する著作権判定工程と、
前記著作権判定工程による著作権有無の判定結果と、前記伝送対象情報の伝送先に基づいて、前記伝送対象情報の前記伝送先への伝送を許可するか否かや前記伝送対象情報に対する著作権保護用の編集を制御する伝送制御工程と、
を電子計算機に実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図13A】
【図14】
【公開番号】特開2010−198400(P2010−198400A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43335(P2009−43335)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]