情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラム
【課題】ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができるようにした携帯情報通信端末を提供する。
【解決手段】携帯情報通信端末の位置測定手段は、位置を測定し、電界強度検知手段は、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、制御手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、位置記憶手段は、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶し、位置情報送信手段は、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、電界強度の分布に関する地図を生成する情報処理装置に送信する。
【解決手段】携帯情報通信端末の位置測定手段は、位置を測定し、電界強度検知手段は、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、制御手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、位置記憶手段は、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶し、位置情報送信手段は、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、電界強度の分布に関する地図を生成する情報処理装置に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末と該携帯情報通信端末と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯情報通信端末にGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を搭載して、その携帯情報通信端末の位置を測定する技術がある。
また、無線通信サービスにおいて、携帯情報通信端末と基地局とが通信を行う必要がある。そして、基地局にはその基地局毎に通信可能なエリアが規定されているが、携帯情報通信端末との距離、位置関係(その間にビル等の遮蔽物がある等)等によって、その携帯情報通信端末が通信可能であるか否かが決定される。この通信可能か否かの判定には、電界強度が用いられる。例えば、携帯電話のディスプレイに3本のアンテナのアイコンが表示され、電界強度に応じて表示するアンテナアイコンの本数を決定している。
【0003】
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、PHS(Personal Handyphone System)機能に基づく位置情報とGPS機能に基づく位置情報とを適宜に切り換えて利用できるGPS機能付きPHS携帯端末を提供することを課題とし、PHSセルサイトのサービスエリア圏内にいる場合にその接続されたPHSセルサイトの所在地を現在位置情報として親機に知らせる位置情報検索サービスを受けることが可能なPHS携帯端末に、PHS送受信部と、GPS受信部と、無線送受信部と、PHSセルサイトのサービスエリア圏外にある場合に、GPS受信部からの現在位置情報を無線送受信部を介して送信するように制御する制御手段とを備えたことが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、基地局圏外に携帯端末が位置する場合にも、携帯端末の電源を切らずに消費電力を小さくできる携帯端末及びその電力制御方法を提供することを課題とし、携帯端末は、音声信号又は画像信号等を送受信するための通信制御部と、GPS衛星からの電波を受信するためのGPS受信制御部とを備え、基地局圏外と判断された場合には、電力制御部は、通信制御部への電力供給を停止し、GPS受信制御部への電力供給を開始し、また基地局圏内と判断された場合には、電力制御部は、GPS受信制御部への電力供給を停止し、通信制御部への電力供給を開始することが開示されている。
【0005】
また、基地局を建設するために、従来までは地形情報や建物情報がデータベース化されたシミュレーターを活用して、基地局建設計画を行っている。しかし、そのシミュレーターは、常に現在の状況を反映しているとは限らない。そして、無線通信不可能である不感地エリアにおいては、カスタマーセンター等に通報される情報(ある場所では通信不可能であったという情報)を元に、電波測定車両で現地まで出向いて、不感地(通信不可能地域)であるか否かを判定し、電界強度の分布に関する地図であるエリアマップの作成を行っていた。また、エリアマップもシミュレーターを元に算出したデータを元に作成していたため、誤差が生じていた。
【特許文献1】特開2000−138961号公報
【特許文献2】特開2004−320576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の技術では、現在の状況を反映しているエリアマップを作成できるとは限らないという問題点があった。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができるようにした情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末と該携帯情報通信端末と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、前記携帯情報通信端末は、位置を測定する位置測定手段と、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、前記情報処理装置に送信する位置情報送信手段を具備し、前記情報処理装置は、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段を具備することを特徴とする情報処理システム。
【0008】
[2] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末であって、位置を測定する位置測定手段と、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、電界強度の分布に関する地図を生成する情報処理装置に送信する位置情報送信手段を具備することを特徴とする携帯情報通信端末。
【0009】
[3] 前記位置記憶手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度と前記位置とを対応させて記憶することを特徴とする[2]に記載の携帯情報通信端末。
【0010】
[4] 前記制御手段は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、前記位置測定手段を起動させるように制御することを特徴とする[2]又は[3]のいずれか一項に記載の携帯情報通信端末。
【0011】
[5] 前記制御手段は、前記位置記憶手段に記憶された情報に応じて、又は前記情報処理装置から送信されてきた情報に応じて、前記所定の時間を変更させることを特徴とする[4]に記載の携帯情報通信端末。
【0012】
[6] 携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置であって、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段を具備することを特徴とする情報処理装置。
【0013】
[7] 前記携帯情報通信端末において、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、位置測定手段を起動させるように制御する場合に、位置における人数に応じて、該所定の時間に関する情報を生成する制御情報生成手段と、前記制御情報生成手段によって生成された所定の時間に関する情報を、前記携帯情報通信端末に送信する送信手段を具備することを特徴とする[6]に記載の情報処理装置。
【0014】
[8] 前記制御情報生成手段は、複数の前記携帯情報通信端末から送信されてきた位置に基づいて前記所定時間に関する情報を生成することを特徴とする[7]に記載の情報処理装置。
【0015】
[9] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末が行う位置測定方法であって、位置測定手段は、位置を測定し、電界強度検知手段は、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、制御手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、位置記憶手段は、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶することを特徴とする位置測定方法。
【0016】
[10] 携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置が行う情報処理方法であって、受信手段は、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信し、電界強度地図生成手段は、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成することを特徴とする情報処理方法。
【0017】
[11] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末に位置測定を実行させるための位置測定プログラムであって、前記携帯情報通信端末を、位置を測定する位置測定手段と、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段として機能させることを特徴とする位置測定プログラム。
【0018】
[12] 携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置に情報処理を実行させるための情報処理プログラムであって、前記情報処理装置を、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0019】
前記本発明は次のように作用する。
本発明における情報処理システムでは、携帯情報通信端末は、位置測定手段が、位置を測定し、電界強度検知手段が、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、制御手段が、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、位置記憶手段が、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶し、位置情報送信手段が、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、情報処理装置に送信し、情報処理装置は、受信手段が、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信し、電界強度地図生成手段が、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する。これによって、ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができ、シミュレーター、電波測定車両の利用のみでエリアマップを作成していた場合に比べて、最新で詳細な状況を的確に把握できるエリアマップを作成できる。
また、前記制御手段は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、前記位置測定手段を起動させるように制御する。これによって、携帯情報通信端末における電力消費を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラムによれば、ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができる。これによって、シミュレーター、電波測定車両の利用のみでエリアマップを作成していた場合に比べて、最新で詳細な状況を的確に把握できるエリアマップを作成できる。
また、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、位置を測定するようにしているので、携帯情報通信端末における電力消費を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の携帯情報通信端末の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはプログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がプログラムの場合は、記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)を含む。「所定」という用語は、予め定められたの意の他に、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じての意を含めて用いる。
【0022】
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク等で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。
以下、携帯情報通信端末として、携帯電話を主に例示して説明する。
【0023】
本実施の形態である携帯情報通信端末100は、携帯可能であって無線通信を行うものであって、図1に示すように、電界強度検知モジュール110、GPS120、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130、制御モジュール140、制御情報受取モジュール150、対応情報送信モジュール160、通信モジュール170を有している。
【0024】
電界強度検知モジュール110は、制御モジュール140と接続されており、携帯情報通信端末100が基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する。検知した電界強度が所定の強度(閾値)よりも大である場合は、無線通信が可能であり、電界強度が所定の強度以下である場合は、無線通信ができない状態であることを意味する。検知した電界強度の値を制御モジュール140に渡す。また、検知した時刻を電界強度の値に対応させて制御モジュール140に渡すようにしてもよい。
GPS120は、制御モジュール140と接続されており、GPS120の位置(GPS120は携帯情報通信端末100に内蔵されているので、携帯情報通信端末100の位置)を測定し、その測定結果を制御モジュール140に渡す。また、測定した時刻を位置に対応させて制御モジュール140に渡すようにしてもよい。また、GPS120は、制御モジュール140によって起動等の制御が行われる。例えば、GPS120は、制御モジュール140から電源オン、オフ、位置測定の制御が行われる。
【0025】
電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130は、制御モジュール140からアクセスされる。制御モジュール140によって起動されたGPS120によって測定された位置を記憶する。また、電界強度検知モジュール110によって検知された電界強度とその位置を対応させて記憶してもよい。さらに、位置又は電界強度を測定した時刻を対応させて記憶するようにしてもよい。
例えば、図6の例に示す電界強度エリア対応テーブル600のようなデータを記憶する。図6は、電界強度エリア対応テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。電界強度エリア対応テーブル600は、No.欄610、時刻欄620、位置データ欄630、電界強度欄640を有している。つまり、携帯情報通信端末100が通信不可能となった位置データとそのときの電界強度と測定等した時刻を対応させて記憶している。
No.欄610は、携帯情報通信端末100において測定された位置データと電界強度との対応を一意に識別する符号を記憶する。
時刻欄620は、電界強度検知モジュール110が電界強度を検知した時刻又はGPS120が位置を測定した時刻を記憶する。
位置データ欄630は、GPS120が測定した位置データを記憶する。この位置は、携帯情報通信端末100が通信不可能となった位置である。
電界強度欄640は、電界強度検知モジュール110が検知した電界強度の値を記憶する。この電界強度の値は、所定の強度以下のものであり、通信不可能な電界強度である。
【0026】
制御モジュール140は、電界強度検知モジュール110、GPS120、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130、制御情報受取モジュール150、対応情報送信モジュール160と接続されている。電界強度検知モジュール110によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、GPS120を起動させるように制御する。つまり、携帯情報通信端末100が通信不可能となったときに、その位置を測定させるものであり、その位置データは不感地(通信不可能地域)のエリアマップを生成するためのデータとなる。そして、GPS120によって測定された位置を電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶させる。また、電界強度検知モジュール110によって検知された電界強度をその位置と対応させて電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶させるようにしてもよい。そして、対応情報送信モジュール160に電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている内容を電界強度地図生成装置200へ送信させるように制御する。
【0027】
また、制御モジュール140は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、GPS120を起動させるよう制御するようにしてもよい。なお、この所定の時間を制御情報といい、より具体的に示す場合には時間パラメータという。このような制御情報を設けたのは、通信不可能と通信可能となる場合が頻繁に反転する場合があり、この度にGPS120の電源をオン・オフした場合は、電力の消費が大きくなることから、通信不可能となった状況から所定時間経過後にGPS120を起動して位置を測定するようにし、電力の消費を抑制するようにしたものである。
また、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶された情報に応じて制御情報を変更させるようにしてもよい。例えば、GPS120によって測定した位置が既に測定された位置(つまり、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている位置)である場合は、不感地エリアを詳細に測定するために、制御情報を短く設定するようにしてもよい。
また、通信モジュール170、制御情報受取モジュール150を介して、電界強度地図生成装置200から送信されてきた制御情報に関する情報に応じて、制御情報を変更させるようにしてもよい。例えば、電界強度地図生成装置200から送信されてきた制御情報を設定するようにしてもよい。
【0028】
制御情報受取モジュール150は、制御モジュール140、通信モジュール170と接続されている。通信モジュール170を介して、電界強度地図生成装置200から送信されてきた制御情報に関する情報を受け取り、制御モジュール140に渡す。
【0029】
対応情報送信モジュール160は、制御モジュール140、通信モジュール170と接続されている。制御モジュール140によって制御され、無線通信が可能になっているときに、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている情報を、通信モジュール170を介して、電界強度地図生成装置200に送信する。送信する情報は、例えば、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている電界強度エリア対応テーブル600がある。
なお、「無線通信が可能になっているとき」とは、無線通信が可能となった場合の直後、無線通信が可能となっている場合であって、所定時間が経過した後、又は、無線通信が可能となっている場合であって、所定時間となった場合等をいい、無線通信が可能となっている場合であればよい。また、前記所定時間となった場合とは、予め定められた定期的な時刻、例えば、午前1時、毎時0分等になったときをいい、特に、通信負荷が少ない時間帯(午前1時、2時等)を設定するようにしてもよい。
【0030】
通信モジュール170は、制御情報受取モジュール150、対応情報送信モジュール160と接続されており、電界強度地図生成装置200との情報の通信を行う。電界強度地図生成装置200から受け取った制御情報を制御情報受取モジュール150に渡し、対応情報送信モジュール160から渡された情報を電界強度地図生成装置200に送信する。
【0031】
図2は、本発明の一実施の形態の電界強度地図生成装置200のモジュール構成例を示す図である。本実施の形態である電界強度地図生成装置200は、携帯情報通信端末100と通信可能であって、図2に示すように、通信モジュール210、対応情報受取モジュール220、制御情報送信モジュール230、電界強度地図生成モジュール240、制御情報生成モジュール250、地図DB260を有している。
【0032】
通信モジュール210は、対応情報受取モジュール220、制御情報送信モジュール230と接続されており、携帯情報通信端末100との情報の通信を行う。携帯情報通信端末100から受け取った情報(少なくとも位置データを含む)を対応情報受取モジュール220に渡し、制御情報送信モジュール230から渡された制御情報を携帯情報通信端末100に送信する。
【0033】
対応情報受取モジュール220は、通信モジュール210、電界強度地図生成モジュール240と接続されており、通信モジュール210を介して、携帯情報通信端末100から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する。
制御情報送信モジュール230は、通信モジュール210、制御情報生成モジュール250と接続されており、通信モジュール210を介して、制御情報生成モジュール250によって生成された制御情報を携帯情報通信端末100に送信する。
【0034】
電界強度地図生成モジュール240は、対応情報受取モジュール220、地図DB260と接続されており、対応情報受取モジュール220によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関するエリアマップを生成する。例えば、複数の携帯情報通信端末100から送信されてきた位置データを地図上にマップ(プロット)して、不感地のエリアマップを生成する。生成したエリアマップを地図DB260に記憶させる。また、電界強度地図生成モジュール240は、そのエリアマップを、ディスプレイ等の出力装置に出力したり、プリンター等の印刷装置で印刷したり、他のシステム等に送信するようにしてもよい。
【0035】
制御情報生成モジュール250は、制御情報送信モジュール230、地図DB260と接続されており、地図DB260に記憶されているエリアマップに基づいて、制御情報に関する情報を生成する。そして、その制御情報に関する情報を制御情報送信モジュール230に渡す。例えば、地図DB260に記憶されている位置における人数に応じて、制御情報に関する情報を生成するようにしてもよいし、地図DB260に記憶されている複数の携帯情報通信端末100から送信されてきた位置に基づいて、制御情報に関する情報を生成するようにしてもよい。
【0036】
地図DB260は、電界強度地図生成モジュール240、制御情報生成モジュール250からアクセスされ、電界強度地図生成モジュール240によって生成されたエリアマップを記憶する。また、エリアマップに人数を対応付けて記憶するようにしてもよい。なお、ここで予め記憶されている人数として、そのエリア(位置、又はその位置を含む領域)に住居がある人数であってもよいし、そのエリアで携帯情報通信端末100の契約を行っている人数であってもよいし、地図DB260に記憶されている過去の送信されてきた位置データの履歴からそのエリアで携帯情報通信端末100を使用している人数であってもよい。また、人数とは、そのエリアにおける人口密度であってもよい。
【0037】
図3は、本実施の形態を実現した場合のシステム構成例を示す説明図である。
携帯情報通信端末310(MS:Mobile Station、移動端末機)は図1の例に示した携帯情報通信端末100に該当し、サーバー320が図2の例に示した電界強度地図生成装置200に該当する。
基地局361(BS:Base Station)は携帯情報通信端末310と無線通信し、移動通信網330を介して携帯情報通信端末310が他の携帯情報通信端末と無線通信を行うことを媒介する。また、基地局361には、その通信可能エリア351がある。つまり、通信可能エリア351内に携帯情報通信端末310があれば、携帯情報通信端末310は他の携帯情報通信端末と無線通信が可能となる。同様に、基地局362には通信可能エリア352があり、基地局363には通信可能エリア353がある。これら通信可能エリア351、352、353内に、携帯情報通信端末310が位置していない場合(つまり、携帯情報通信端末310が不感地エリアにある場合)は、電界強度が所定の強度以下となり、基地局361、362、363との無線通信が不可能となる結果、他の携帯情報通信端末と無線通信ができなくなる。
本実施の形態における携帯情報通信端末310は、内部にGPS120を有している。つまり、携帯情報通信端末310は、GPS衛星340からの電波を受けて、携帯情報通信端末310の位置を測定する。
【0038】
ここで、携帯情報通信端末310が、図3に示した移動線380の点線に沿って移動したとする。
通信可能エリア351、352、353外である地点381、382、383、384、385、386に携帯情報通信端末310がある場合、GPS120を用いてその位置を測定し、その測定した位置を記憶しておく。そして、携帯情報通信端末310が、地点387に移動した場合(つまり、通信可能エリア351内に移動した場合)、記憶しておいた位置(不感地エリアの位置)を基地局361、移動通信網330を介してサーバー320に送信する。
そして、また、通信可能エリア351、352、353外である地点389、390、391に移動した場合、GPS120を用いてその位置を測定し、その測定した位置を記憶しておく。そして、携帯情報通信端末310が、地点392に移動した場合(つまり、通信可能エリア353内に移動した場合)、記憶しておいた位置を基地局363、移動通信網330を介してサーバー320に送信する。
サーバー320は、携帯情報通信端末310から収集した位置に基づいて、不感地のエリアマップを生成して地図DB321に記憶させる。担当者は、この不感地のエリアマップを用いて、基地局の設置、その優先順位等を検討することになる。
【0039】
なお、本実施の形態が実装される携帯情報通信端末は、図4に示すような携帯電話400であってもよい。携帯電話400は、例えば、電話としての機能を有するように音声入力できるマイク405と、音声出力できるスピーカー404と、電話番号又は電子メール等に文字を入力するための文字入力装置であるキー402と、電波を送受信して位置データ等のデータ通信を行うためのアンテナ403と、キー402による文字入力の結果等の表示を行うディスプレイ401とを有している。また、この他にカメラ等を有していてもよい。携帯電話400内には、CPU、メモリ、通信用回路、GPS120等のハードウェアが内蔵されており、携帯情報端末を実現するためのソフトウェアであるコンピュータ・プログラムをメモリに記憶させ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、携帯情報通信端末が実現される。また、GPS120が用いるアンテナは、携帯電話400に内蔵されていてもよい。
【0040】
図5は、携帯情報通信端末100の位置測定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に電界強度検知モジュール110、GPS120、制御モジュール140による処理例を示すものである。
ステップS502では、電界強度検知モジュール110が、現在の電界強度を測定し、制御モジュール140が、その電界強度は所定の強度以下であるか否かの判断を行う。所定の強度以下である場合は不感地エリアにいるとして(Y)ステップS504へ進み、それ以外の場合(N)はステップS502へ戻る。
ステップS504では、制御モジュール140が、制御情報である時間パラメータを設定する。つまり、所定時間のタイマを設定する。そして、その時間の経過後、ステップS506へ進む。
【0041】
ステップS506では、制御モジュール140が、GPS120を起動する。例えば、GPS120の電源をオンにする。
なお、GPS120を起動する前に、電界強度検知モジュール110による電界強度の検知結果が所定の強度以下であることを確認するようにしてもよい。つまり、ステップS502の処理によって不感地エリアであることを検知した後に、所定時間経過後にも、不感地エリアであることを検知した場合(ステップS502の処理(Y)と同様)にステップS506の処理を行うようにしてもよい。
【0042】
ステップS508では、GPS120が、携帯情報通信端末100の現在の位置を測定する。
ステップS510では、制御モジュール140が、ステップS508で測定した位置は、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に既に記憶されているか否かを判断する。かかる判断において記憶されている場合(Y)はステップS514へ進み、それ以外の場合(N)はステップS512へ進む。
ステップS512では、制御モジュール140が、ステップS508で測定した位置を電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶させる。
【0043】
ステップS514では、電界強度検知モジュール110が、現在の電界強度を測定し、制御モジュール140が、その電界強度は所定の強度以下であるか否かの判断を行う。所定の強度以下である場合は不感地エリアにいるとして(Y)ステップS508へ進み、それ以外の場合(N、携帯情報通信端末100が感地エリアに移動した場合)はステップS516へ進む。
なお、ステップS514の処理の前に、ステップS504で設定された時間パラメータに従って、その時間間隔だけ待機するようにしてもよい。つまり、この場合、時間パラメータで設定された時間間隔で位置を測定することになる。
ステップS516では、制御モジュール140が、GPS120の電源をオフにして、電力の消費を抑えるようにする。つまり、再びGPS120による測定が必要となるまで電源をオフにして、ステップS502へ戻る。
【0044】
図7は、携帯情報通信端末100の送信処理例を示すフローチャートである。つまり、主に対応情報送信モジュール160による処理例を示すものである。
ステップS702では、対応情報送信モジュール160が、送信すべき位置データをメモリから読み込む。なお、予め送信すべき位置データを制御モジュール140を介して電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130内の電界強度エリア対応テーブル600からメモリに読み込んでおく。
ステップS704では、対応情報送信モジュール160が、送信すべき位置データを全て読み込んだか否かを判断する。かかる判断において全て読み込んだ場合(Y)はステップS714へ進み、それ以外の場合(N)はステップS706へ進む。
【0045】
ステップS706では、対応情報送信モジュール160が、ステップS702で読み込んだ位置データと既に送信した位置データ(電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されており、これを制御モジュール140を介して読み込む)とのマッチング処理を行う。なお、「マッチングした」とは、両者が一致する場合と、両者に差はあるが、その差は所定の値以下である場合を含む(以下、同様)。
ステップS708では、対応情報送信モジュール160が、ステップS706でのマッチング処理の結果、合致する場合(Y、つまり既に送信した位置データとマッチングした場合)はステップS712へ進み、それ以外の場合(N)はステップS710へ進む。
【0046】
ステップS710では、対応情報送信モジュール160が、ステップS702で読み込んだ位置データを送信データとする。
ステップS712では、対応情報送信モジュール160が、ステップS702で読み込んだ位置データを削除する。つまり、過去に送信した位置データを重ねて送信することはしないで、通信量の削減を図る。ステップS710、ステップS712の処理の後は、ステップS702に戻って処理を繰り返す。
ステップS714では、通信モジュール170が、対応情報送信モジュール160の指示に従って、ステップS710で送信データとされた位置データを電界強度地図生成装置200へ送信する。
【0047】
図8は、時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に制御情報受取モジュール150による処理例を示すものであり、図5の例に示したフローチャートのステップS504で設定する時間パラメータを設定するものである。
ステップS802では、制御情報受取モジュール150が、制御モジュール140を介してGPS120が測定した位置データと電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130内の位置データを取得して、両者のマッチングを行う。ただし、図7のステップS706のマッチング処理で、差が所定の値であるか否かの判断する場合での「所定の値」とは異なる値であってもよい。例えば、ステップS802のマッチング処理での所定の値は、ステップS706のマッチング処理での所定の値よりも大である値にしてもよい。つまり、時間パラメータを設定するに際して合致するか否かを判断するものであり、基本的に同じ位置データを送信しないようにした図7の処理例とは異なるからである。
【0048】
ステップS804では、制御情報受取モジュール150が、ステップS802でのマッチング処理の結果、合致する場合(Y、つまり既に測定した位置データとマッチングした場合)はステップS806へ進み、それ以外の場合(N)はステップS808へ進む。
ステップS806では、制御情報受取モジュール150が、時間パラメータを現在のものよりも短く設定する。つまり、不感地エリアにいることを検知した後に、GPS120を起動するまでの時間を短くして、より詳細に位置データを測定するようにしたものである。
【0049】
ステップS808では、制御情報受取モジュール150が、ステップS802での両者の差は所定の範囲以内であるか否かの判断を行う。かかる判断において所定の範囲内にある場合(Y)はステップS810へ進み、それ以外の場合(N)はステップS812へ進む。
ステップS810では、制御情報受取モジュール150が、時間パラメータを現在のものよりも長く設定する。既に測定した位置に近い位置にあるので、より離れた位置での測定を行うために、時間パラメータを長くする。
ステップS812では、制御情報受取モジュール150が、時間パラメータをデフォルト値に設定する。既に測定した位置とは異なる位置にあるので、予め想定した時間パラメータでの測定を行うようにする。
なお、ステップS806、S810、S812の処理は、その目的に応じて設定値を変更してもよい。
【0050】
図9は、携帯情報通信端末100における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に制御情報受取モジュール150による処理例を示すものであり、図5の例に示したフローチャートのステップS504で設定する時間パラメータを設定するものである。ここでは、電界強度地図生成装置200が設定した時間パラメータを採用するものである。
【0051】
ステップS902では、制御情報受取モジュール150が、通信モジュール170を介して、エリア毎の時間パラメータを受け取る。
ステップS904では、制御情報受取モジュール150が、ステップS902で受け取った時間パラメータに従って、エリア毎のパラメータを設定する。例えば、制御モジュール140は、図5の例のフローチャート内のステップS514の処理の前で時間パラメータに従った時間間隔を待機する場合において、GPS120が測定した位置に応じて、時間パラメータが異なることになる。これは、エリア毎に、電界強度地図生成装置200が測定間隔を制御したい場合に用いられる。
【0052】
図10は、電界強度地図生成装置200における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に制御情報生成モジュール250による処理例を示すものであり、人口密度に応じて、時間パラメータを設定するものである。
ステップS1002では、制御情報生成モジュール250が、エリアを選択する。つまり、時間パラメータを変更すべきエリアを選択する。
ステップS1004では、制御情報生成モジュール250が、そのエリアにおける人口密度は所定の値と比べて高いか否かの判断を行う。かかる判断において高い場合(Y)はステップS1006へ進み、それ以外の場合(N)はステップS1008へ進む。
【0053】
ステップS1006では、制御情報生成モジュール250が、ステップS1002で選択されたエリアにおける時間パラメータをデフォルト値よりも短く設定する。つまり、人口密度が高いので、不感地エリアであれば、感地エリアにすべき要望が高いので、詳細に不感地エリアの位置データを収集するためである。
ステップS1008では、制御情報生成モジュール250が、ステップS1002で選択されたエリアにおける時間パラメータをデフォルト値よりも長く設定する。
ステップS1010では、制御情報送信モジュール230が、通信モジュール210を介してステップS1006又はステップS1008で設定された時間パラメータを携帯情報通信端末100へ送信する。この後、携帯情報通信端末100は、図9に示したフローチャートに従った処理を行う。
【0054】
図11は、携帯情報通信端末100を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。
CPU1110、GPS1120、通信制御モジュール1130、音声処理モジュール1140、表示処理モジュール1150、キー操作受付モジュール1160、RAM1171、ROM1172、リムーバブルメディアリーダーライター1173は、バス1190を介してそれぞれ接続されている。図1に示したモジュールとの関連性を示して説明する。
【0055】
CPU1110は、プログラムに従って、制御モジュール140等の働きをする。GPS1120は、GPS用アンテナ1121と接続されており、GPS120に該当し、GPS用アンテナ1121を介して、GPS衛星340からの電波を受信する。通信制御モジュール1130は、アンテナ1131と接続されており、電界強度検知モジュール110に該当し、基地局361等を介して電界強度地図生成装置200との通信を行う。音声処理モジュール1140は、スピーカー1141、マイク1142と接続されており、通話を行うに必要な処理、つまり、マイク1142で受け付けた音声を他の携帯情報通信端末に送信するため、又は他の携帯情報通信端末から受信した音声をスピーカー1141から出力するために、音声処理を行うものである。表示処理モジュール1150は、ディスプレイ1151と接続されており、操作者のキー1161に対する操作等の結果をディスプレイ1151に出力する。キー操作受付モジュール1160は、キー1161と接続されており、キー1161に対する操作者の操作を受け付ける。RAM1171は、CPU1110が処理を行うためにデータを記憶する。ROM1172は、携帯情報通信端末100を起動するためのプログラム等が格納されている。リムーバブルメディアリーダーライター1173は、SD(Secure Digital)メモリカード等のリムーバブルメディアに対して読み書きする。
【0056】
なお、本実施の形態の電界強度地図生成装置200としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、図12に示すように、一般的なコンピュータであり、具体的には本実施の形態による処理以外にも多くの処理を高速に実行することができるサーバーとなり得るようなコンピュータである。図2に示したモジュールとの関連性を示して説明する。対応情報受取モジュール220、電界強度地図生成モジュール240、制御情報送信モジュール230、制御情報生成モジュール250等のプログラムを実行するCPU1210と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1230と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1220と、地図DB260に該当する補助記憶装置であるHD1240と、キーボード、マウス等から操作者の操作によってデータを入力又はCRTや液晶ディスプレイ等にデータを出力して操作者とのインタフェースとなるUI/F1250と、CD−R等のリムーバブルメディアに対して読み書きするリムーバブルメディアリーダーライター1260と、通信モジュール210に該当する通信ネットワークと接続するための通信回線I/F1270、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1280により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0057】
前述の実施の形態の説明において、携帯情報通信端末の例として携帯電話を主に説明したが、携帯及び無線通信可能な端末であればよい。したがって、PDA(Personal Digital Assistant)、WLAN(Wireless LAN、無線LAN)サービスに用いる情報端末、いわゆるPHS、ナビゲーションシステム等にも適用が可能である。なお、ここでの携帯可能とは、常に携帯されている必要はなく、例えば、自動車等に設置され得るようなものであってもよい。また、携帯電話方式についても、現在の3Gだけでなく、HSDPA網、HSUPA網、次世代の4G網にも活用ができる。
【0058】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納することも可能である。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能である。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に乗せて搬送することも可能である。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態の携帯情報通信端末のモジュール構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態の電界強度地図生成装置のモジュール構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態を実現した場合のシステム構成例を示す説明図である。
【図4】携帯情報通信端末の一例である携帯電話を示す説明図である。
【図5】携帯情報通信端末の位置測定処理例を示すフローチャートである。
【図6】電界強度エリア対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図7】携帯情報通信端末の送信処理例を示すフローチャートである。
【図8】時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。
【図9】携帯情報通信端末における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。
【図10】電界強度地図生成装置における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。
【図11】携帯情報通信端末を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図12】電界強度地図生成装置を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
100…携帯情報通信端末
110…電界強度検知モジュール
120…GPS
130…電界強度・エリア対応情報記憶モジュール
140…制御モジュール
150…制御情報受取モジュール
160…対応情報送信モジュール
170…通信モジュール
200…電界強度地図生成装置
210…通信モジュール
220…対応情報受取モジュール
230…制御情報送信モジュール
240…電界強度地図生成モジュール
250…制御情報生成モジュール
260…地図DB
310…携帯情報通信端末
320…サーバー
321…地図DB
330…移動通信網
340…GPS衛星
361、362、363…基地局
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末と該携帯情報通信端末と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯情報通信端末にGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を搭載して、その携帯情報通信端末の位置を測定する技術がある。
また、無線通信サービスにおいて、携帯情報通信端末と基地局とが通信を行う必要がある。そして、基地局にはその基地局毎に通信可能なエリアが規定されているが、携帯情報通信端末との距離、位置関係(その間にビル等の遮蔽物がある等)等によって、その携帯情報通信端末が通信可能であるか否かが決定される。この通信可能か否かの判定には、電界強度が用いられる。例えば、携帯電話のディスプレイに3本のアンテナのアイコンが表示され、電界強度に応じて表示するアンテナアイコンの本数を決定している。
【0003】
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、PHS(Personal Handyphone System)機能に基づく位置情報とGPS機能に基づく位置情報とを適宜に切り換えて利用できるGPS機能付きPHS携帯端末を提供することを課題とし、PHSセルサイトのサービスエリア圏内にいる場合にその接続されたPHSセルサイトの所在地を現在位置情報として親機に知らせる位置情報検索サービスを受けることが可能なPHS携帯端末に、PHS送受信部と、GPS受信部と、無線送受信部と、PHSセルサイトのサービスエリア圏外にある場合に、GPS受信部からの現在位置情報を無線送受信部を介して送信するように制御する制御手段とを備えたことが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、基地局圏外に携帯端末が位置する場合にも、携帯端末の電源を切らずに消費電力を小さくできる携帯端末及びその電力制御方法を提供することを課題とし、携帯端末は、音声信号又は画像信号等を送受信するための通信制御部と、GPS衛星からの電波を受信するためのGPS受信制御部とを備え、基地局圏外と判断された場合には、電力制御部は、通信制御部への電力供給を停止し、GPS受信制御部への電力供給を開始し、また基地局圏内と判断された場合には、電力制御部は、GPS受信制御部への電力供給を停止し、通信制御部への電力供給を開始することが開示されている。
【0005】
また、基地局を建設するために、従来までは地形情報や建物情報がデータベース化されたシミュレーターを活用して、基地局建設計画を行っている。しかし、そのシミュレーターは、常に現在の状況を反映しているとは限らない。そして、無線通信不可能である不感地エリアにおいては、カスタマーセンター等に通報される情報(ある場所では通信不可能であったという情報)を元に、電波測定車両で現地まで出向いて、不感地(通信不可能地域)であるか否かを判定し、電界強度の分布に関する地図であるエリアマップの作成を行っていた。また、エリアマップもシミュレーターを元に算出したデータを元に作成していたため、誤差が生じていた。
【特許文献1】特開2000−138961号公報
【特許文献2】特開2004−320576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の技術では、現在の状況を反映しているエリアマップを作成できるとは限らないという問題点があった。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができるようにした情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末と該携帯情報通信端末と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、前記携帯情報通信端末は、位置を測定する位置測定手段と、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、前記情報処理装置に送信する位置情報送信手段を具備し、前記情報処理装置は、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段を具備することを特徴とする情報処理システム。
【0008】
[2] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末であって、位置を測定する位置測定手段と、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、電界強度の分布に関する地図を生成する情報処理装置に送信する位置情報送信手段を具備することを特徴とする携帯情報通信端末。
【0009】
[3] 前記位置記憶手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度と前記位置とを対応させて記憶することを特徴とする[2]に記載の携帯情報通信端末。
【0010】
[4] 前記制御手段は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、前記位置測定手段を起動させるように制御することを特徴とする[2]又は[3]のいずれか一項に記載の携帯情報通信端末。
【0011】
[5] 前記制御手段は、前記位置記憶手段に記憶された情報に応じて、又は前記情報処理装置から送信されてきた情報に応じて、前記所定の時間を変更させることを特徴とする[4]に記載の携帯情報通信端末。
【0012】
[6] 携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置であって、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段を具備することを特徴とする情報処理装置。
【0013】
[7] 前記携帯情報通信端末において、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、位置測定手段を起動させるように制御する場合に、位置における人数に応じて、該所定の時間に関する情報を生成する制御情報生成手段と、前記制御情報生成手段によって生成された所定の時間に関する情報を、前記携帯情報通信端末に送信する送信手段を具備することを特徴とする[6]に記載の情報処理装置。
【0014】
[8] 前記制御情報生成手段は、複数の前記携帯情報通信端末から送信されてきた位置に基づいて前記所定時間に関する情報を生成することを特徴とする[7]に記載の情報処理装置。
【0015】
[9] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末が行う位置測定方法であって、位置測定手段は、位置を測定し、電界強度検知手段は、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、制御手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、位置記憶手段は、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶することを特徴とする位置測定方法。
【0016】
[10] 携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置が行う情報処理方法であって、受信手段は、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信し、電界強度地図生成手段は、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成することを特徴とする情報処理方法。
【0017】
[11] 携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末に位置測定を実行させるための位置測定プログラムであって、前記携帯情報通信端末を、位置を測定する位置測定手段と、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段として機能させることを特徴とする位置測定プログラム。
【0018】
[12] 携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置に情報処理を実行させるための情報処理プログラムであって、前記情報処理装置を、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0019】
前記本発明は次のように作用する。
本発明における情報処理システムでは、携帯情報通信端末は、位置測定手段が、位置を測定し、電界強度検知手段が、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、制御手段が、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、位置記憶手段が、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶し、位置情報送信手段が、無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、情報処理装置に送信し、情報処理装置は、受信手段が、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信し、電界強度地図生成手段が、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する。これによって、ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができ、シミュレーター、電波測定車両の利用のみでエリアマップを作成していた場合に比べて、最新で詳細な状況を的確に把握できるエリアマップを作成できる。
また、前記制御手段は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、前記位置測定手段を起動させるように制御する。これによって、携帯情報通信端末における電力消費を抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる情報処理システム、携帯情報通信端末、情報処理装置、位置測定方法、情報処理方法、位置測定プログラム及び情報処理プログラムによれば、ユーザーが使用している携帯情報通信端末を利用してエリアマップを作成することができる。これによって、シミュレーター、電波測定車両の利用のみでエリアマップを作成していた場合に比べて、最新で詳細な状況を的確に把握できるエリアマップを作成できる。
また、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、位置を測定するようにしているので、携帯情報通信端末における電力消費を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の携帯情報通信端末の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはプログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がプログラムの場合は、記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)を含む。「所定」という用語は、予め定められたの意の他に、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じての意を含めて用いる。
【0022】
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク等で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。
以下、携帯情報通信端末として、携帯電話を主に例示して説明する。
【0023】
本実施の形態である携帯情報通信端末100は、携帯可能であって無線通信を行うものであって、図1に示すように、電界強度検知モジュール110、GPS120、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130、制御モジュール140、制御情報受取モジュール150、対応情報送信モジュール160、通信モジュール170を有している。
【0024】
電界強度検知モジュール110は、制御モジュール140と接続されており、携帯情報通信端末100が基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する。検知した電界強度が所定の強度(閾値)よりも大である場合は、無線通信が可能であり、電界強度が所定の強度以下である場合は、無線通信ができない状態であることを意味する。検知した電界強度の値を制御モジュール140に渡す。また、検知した時刻を電界強度の値に対応させて制御モジュール140に渡すようにしてもよい。
GPS120は、制御モジュール140と接続されており、GPS120の位置(GPS120は携帯情報通信端末100に内蔵されているので、携帯情報通信端末100の位置)を測定し、その測定結果を制御モジュール140に渡す。また、測定した時刻を位置に対応させて制御モジュール140に渡すようにしてもよい。また、GPS120は、制御モジュール140によって起動等の制御が行われる。例えば、GPS120は、制御モジュール140から電源オン、オフ、位置測定の制御が行われる。
【0025】
電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130は、制御モジュール140からアクセスされる。制御モジュール140によって起動されたGPS120によって測定された位置を記憶する。また、電界強度検知モジュール110によって検知された電界強度とその位置を対応させて記憶してもよい。さらに、位置又は電界強度を測定した時刻を対応させて記憶するようにしてもよい。
例えば、図6の例に示す電界強度エリア対応テーブル600のようなデータを記憶する。図6は、電界強度エリア対応テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。電界強度エリア対応テーブル600は、No.欄610、時刻欄620、位置データ欄630、電界強度欄640を有している。つまり、携帯情報通信端末100が通信不可能となった位置データとそのときの電界強度と測定等した時刻を対応させて記憶している。
No.欄610は、携帯情報通信端末100において測定された位置データと電界強度との対応を一意に識別する符号を記憶する。
時刻欄620は、電界強度検知モジュール110が電界強度を検知した時刻又はGPS120が位置を測定した時刻を記憶する。
位置データ欄630は、GPS120が測定した位置データを記憶する。この位置は、携帯情報通信端末100が通信不可能となった位置である。
電界強度欄640は、電界強度検知モジュール110が検知した電界強度の値を記憶する。この電界強度の値は、所定の強度以下のものであり、通信不可能な電界強度である。
【0026】
制御モジュール140は、電界強度検知モジュール110、GPS120、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130、制御情報受取モジュール150、対応情報送信モジュール160と接続されている。電界強度検知モジュール110によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、GPS120を起動させるように制御する。つまり、携帯情報通信端末100が通信不可能となったときに、その位置を測定させるものであり、その位置データは不感地(通信不可能地域)のエリアマップを生成するためのデータとなる。そして、GPS120によって測定された位置を電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶させる。また、電界強度検知モジュール110によって検知された電界強度をその位置と対応させて電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶させるようにしてもよい。そして、対応情報送信モジュール160に電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている内容を電界強度地図生成装置200へ送信させるように制御する。
【0027】
また、制御モジュール140は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、GPS120を起動させるよう制御するようにしてもよい。なお、この所定の時間を制御情報といい、より具体的に示す場合には時間パラメータという。このような制御情報を設けたのは、通信不可能と通信可能となる場合が頻繁に反転する場合があり、この度にGPS120の電源をオン・オフした場合は、電力の消費が大きくなることから、通信不可能となった状況から所定時間経過後にGPS120を起動して位置を測定するようにし、電力の消費を抑制するようにしたものである。
また、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶された情報に応じて制御情報を変更させるようにしてもよい。例えば、GPS120によって測定した位置が既に測定された位置(つまり、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている位置)である場合は、不感地エリアを詳細に測定するために、制御情報を短く設定するようにしてもよい。
また、通信モジュール170、制御情報受取モジュール150を介して、電界強度地図生成装置200から送信されてきた制御情報に関する情報に応じて、制御情報を変更させるようにしてもよい。例えば、電界強度地図生成装置200から送信されてきた制御情報を設定するようにしてもよい。
【0028】
制御情報受取モジュール150は、制御モジュール140、通信モジュール170と接続されている。通信モジュール170を介して、電界強度地図生成装置200から送信されてきた制御情報に関する情報を受け取り、制御モジュール140に渡す。
【0029】
対応情報送信モジュール160は、制御モジュール140、通信モジュール170と接続されている。制御モジュール140によって制御され、無線通信が可能になっているときに、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている情報を、通信モジュール170を介して、電界強度地図生成装置200に送信する。送信する情報は、例えば、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されている電界強度エリア対応テーブル600がある。
なお、「無線通信が可能になっているとき」とは、無線通信が可能となった場合の直後、無線通信が可能となっている場合であって、所定時間が経過した後、又は、無線通信が可能となっている場合であって、所定時間となった場合等をいい、無線通信が可能となっている場合であればよい。また、前記所定時間となった場合とは、予め定められた定期的な時刻、例えば、午前1時、毎時0分等になったときをいい、特に、通信負荷が少ない時間帯(午前1時、2時等)を設定するようにしてもよい。
【0030】
通信モジュール170は、制御情報受取モジュール150、対応情報送信モジュール160と接続されており、電界強度地図生成装置200との情報の通信を行う。電界強度地図生成装置200から受け取った制御情報を制御情報受取モジュール150に渡し、対応情報送信モジュール160から渡された情報を電界強度地図生成装置200に送信する。
【0031】
図2は、本発明の一実施の形態の電界強度地図生成装置200のモジュール構成例を示す図である。本実施の形態である電界強度地図生成装置200は、携帯情報通信端末100と通信可能であって、図2に示すように、通信モジュール210、対応情報受取モジュール220、制御情報送信モジュール230、電界強度地図生成モジュール240、制御情報生成モジュール250、地図DB260を有している。
【0032】
通信モジュール210は、対応情報受取モジュール220、制御情報送信モジュール230と接続されており、携帯情報通信端末100との情報の通信を行う。携帯情報通信端末100から受け取った情報(少なくとも位置データを含む)を対応情報受取モジュール220に渡し、制御情報送信モジュール230から渡された制御情報を携帯情報通信端末100に送信する。
【0033】
対応情報受取モジュール220は、通信モジュール210、電界強度地図生成モジュール240と接続されており、通信モジュール210を介して、携帯情報通信端末100から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する。
制御情報送信モジュール230は、通信モジュール210、制御情報生成モジュール250と接続されており、通信モジュール210を介して、制御情報生成モジュール250によって生成された制御情報を携帯情報通信端末100に送信する。
【0034】
電界強度地図生成モジュール240は、対応情報受取モジュール220、地図DB260と接続されており、対応情報受取モジュール220によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関するエリアマップを生成する。例えば、複数の携帯情報通信端末100から送信されてきた位置データを地図上にマップ(プロット)して、不感地のエリアマップを生成する。生成したエリアマップを地図DB260に記憶させる。また、電界強度地図生成モジュール240は、そのエリアマップを、ディスプレイ等の出力装置に出力したり、プリンター等の印刷装置で印刷したり、他のシステム等に送信するようにしてもよい。
【0035】
制御情報生成モジュール250は、制御情報送信モジュール230、地図DB260と接続されており、地図DB260に記憶されているエリアマップに基づいて、制御情報に関する情報を生成する。そして、その制御情報に関する情報を制御情報送信モジュール230に渡す。例えば、地図DB260に記憶されている位置における人数に応じて、制御情報に関する情報を生成するようにしてもよいし、地図DB260に記憶されている複数の携帯情報通信端末100から送信されてきた位置に基づいて、制御情報に関する情報を生成するようにしてもよい。
【0036】
地図DB260は、電界強度地図生成モジュール240、制御情報生成モジュール250からアクセスされ、電界強度地図生成モジュール240によって生成されたエリアマップを記憶する。また、エリアマップに人数を対応付けて記憶するようにしてもよい。なお、ここで予め記憶されている人数として、そのエリア(位置、又はその位置を含む領域)に住居がある人数であってもよいし、そのエリアで携帯情報通信端末100の契約を行っている人数であってもよいし、地図DB260に記憶されている過去の送信されてきた位置データの履歴からそのエリアで携帯情報通信端末100を使用している人数であってもよい。また、人数とは、そのエリアにおける人口密度であってもよい。
【0037】
図3は、本実施の形態を実現した場合のシステム構成例を示す説明図である。
携帯情報通信端末310(MS:Mobile Station、移動端末機)は図1の例に示した携帯情報通信端末100に該当し、サーバー320が図2の例に示した電界強度地図生成装置200に該当する。
基地局361(BS:Base Station)は携帯情報通信端末310と無線通信し、移動通信網330を介して携帯情報通信端末310が他の携帯情報通信端末と無線通信を行うことを媒介する。また、基地局361には、その通信可能エリア351がある。つまり、通信可能エリア351内に携帯情報通信端末310があれば、携帯情報通信端末310は他の携帯情報通信端末と無線通信が可能となる。同様に、基地局362には通信可能エリア352があり、基地局363には通信可能エリア353がある。これら通信可能エリア351、352、353内に、携帯情報通信端末310が位置していない場合(つまり、携帯情報通信端末310が不感地エリアにある場合)は、電界強度が所定の強度以下となり、基地局361、362、363との無線通信が不可能となる結果、他の携帯情報通信端末と無線通信ができなくなる。
本実施の形態における携帯情報通信端末310は、内部にGPS120を有している。つまり、携帯情報通信端末310は、GPS衛星340からの電波を受けて、携帯情報通信端末310の位置を測定する。
【0038】
ここで、携帯情報通信端末310が、図3に示した移動線380の点線に沿って移動したとする。
通信可能エリア351、352、353外である地点381、382、383、384、385、386に携帯情報通信端末310がある場合、GPS120を用いてその位置を測定し、その測定した位置を記憶しておく。そして、携帯情報通信端末310が、地点387に移動した場合(つまり、通信可能エリア351内に移動した場合)、記憶しておいた位置(不感地エリアの位置)を基地局361、移動通信網330を介してサーバー320に送信する。
そして、また、通信可能エリア351、352、353外である地点389、390、391に移動した場合、GPS120を用いてその位置を測定し、その測定した位置を記憶しておく。そして、携帯情報通信端末310が、地点392に移動した場合(つまり、通信可能エリア353内に移動した場合)、記憶しておいた位置を基地局363、移動通信網330を介してサーバー320に送信する。
サーバー320は、携帯情報通信端末310から収集した位置に基づいて、不感地のエリアマップを生成して地図DB321に記憶させる。担当者は、この不感地のエリアマップを用いて、基地局の設置、その優先順位等を検討することになる。
【0039】
なお、本実施の形態が実装される携帯情報通信端末は、図4に示すような携帯電話400であってもよい。携帯電話400は、例えば、電話としての機能を有するように音声入力できるマイク405と、音声出力できるスピーカー404と、電話番号又は電子メール等に文字を入力するための文字入力装置であるキー402と、電波を送受信して位置データ等のデータ通信を行うためのアンテナ403と、キー402による文字入力の結果等の表示を行うディスプレイ401とを有している。また、この他にカメラ等を有していてもよい。携帯電話400内には、CPU、メモリ、通信用回路、GPS120等のハードウェアが内蔵されており、携帯情報端末を実現するためのソフトウェアであるコンピュータ・プログラムをメモリに記憶させ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、携帯情報通信端末が実現される。また、GPS120が用いるアンテナは、携帯電話400に内蔵されていてもよい。
【0040】
図5は、携帯情報通信端末100の位置測定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に電界強度検知モジュール110、GPS120、制御モジュール140による処理例を示すものである。
ステップS502では、電界強度検知モジュール110が、現在の電界強度を測定し、制御モジュール140が、その電界強度は所定の強度以下であるか否かの判断を行う。所定の強度以下である場合は不感地エリアにいるとして(Y)ステップS504へ進み、それ以外の場合(N)はステップS502へ戻る。
ステップS504では、制御モジュール140が、制御情報である時間パラメータを設定する。つまり、所定時間のタイマを設定する。そして、その時間の経過後、ステップS506へ進む。
【0041】
ステップS506では、制御モジュール140が、GPS120を起動する。例えば、GPS120の電源をオンにする。
なお、GPS120を起動する前に、電界強度検知モジュール110による電界強度の検知結果が所定の強度以下であることを確認するようにしてもよい。つまり、ステップS502の処理によって不感地エリアであることを検知した後に、所定時間経過後にも、不感地エリアであることを検知した場合(ステップS502の処理(Y)と同様)にステップS506の処理を行うようにしてもよい。
【0042】
ステップS508では、GPS120が、携帯情報通信端末100の現在の位置を測定する。
ステップS510では、制御モジュール140が、ステップS508で測定した位置は、電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に既に記憶されているか否かを判断する。かかる判断において記憶されている場合(Y)はステップS514へ進み、それ以外の場合(N)はステップS512へ進む。
ステップS512では、制御モジュール140が、ステップS508で測定した位置を電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶させる。
【0043】
ステップS514では、電界強度検知モジュール110が、現在の電界強度を測定し、制御モジュール140が、その電界強度は所定の強度以下であるか否かの判断を行う。所定の強度以下である場合は不感地エリアにいるとして(Y)ステップS508へ進み、それ以外の場合(N、携帯情報通信端末100が感地エリアに移動した場合)はステップS516へ進む。
なお、ステップS514の処理の前に、ステップS504で設定された時間パラメータに従って、その時間間隔だけ待機するようにしてもよい。つまり、この場合、時間パラメータで設定された時間間隔で位置を測定することになる。
ステップS516では、制御モジュール140が、GPS120の電源をオフにして、電力の消費を抑えるようにする。つまり、再びGPS120による測定が必要となるまで電源をオフにして、ステップS502へ戻る。
【0044】
図7は、携帯情報通信端末100の送信処理例を示すフローチャートである。つまり、主に対応情報送信モジュール160による処理例を示すものである。
ステップS702では、対応情報送信モジュール160が、送信すべき位置データをメモリから読み込む。なお、予め送信すべき位置データを制御モジュール140を介して電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130内の電界強度エリア対応テーブル600からメモリに読み込んでおく。
ステップS704では、対応情報送信モジュール160が、送信すべき位置データを全て読み込んだか否かを判断する。かかる判断において全て読み込んだ場合(Y)はステップS714へ進み、それ以外の場合(N)はステップS706へ進む。
【0045】
ステップS706では、対応情報送信モジュール160が、ステップS702で読み込んだ位置データと既に送信した位置データ(電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130に記憶されており、これを制御モジュール140を介して読み込む)とのマッチング処理を行う。なお、「マッチングした」とは、両者が一致する場合と、両者に差はあるが、その差は所定の値以下である場合を含む(以下、同様)。
ステップS708では、対応情報送信モジュール160が、ステップS706でのマッチング処理の結果、合致する場合(Y、つまり既に送信した位置データとマッチングした場合)はステップS712へ進み、それ以外の場合(N)はステップS710へ進む。
【0046】
ステップS710では、対応情報送信モジュール160が、ステップS702で読み込んだ位置データを送信データとする。
ステップS712では、対応情報送信モジュール160が、ステップS702で読み込んだ位置データを削除する。つまり、過去に送信した位置データを重ねて送信することはしないで、通信量の削減を図る。ステップS710、ステップS712の処理の後は、ステップS702に戻って処理を繰り返す。
ステップS714では、通信モジュール170が、対応情報送信モジュール160の指示に従って、ステップS710で送信データとされた位置データを電界強度地図生成装置200へ送信する。
【0047】
図8は、時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に制御情報受取モジュール150による処理例を示すものであり、図5の例に示したフローチャートのステップS504で設定する時間パラメータを設定するものである。
ステップS802では、制御情報受取モジュール150が、制御モジュール140を介してGPS120が測定した位置データと電界強度・エリア対応情報記憶モジュール130内の位置データを取得して、両者のマッチングを行う。ただし、図7のステップS706のマッチング処理で、差が所定の値であるか否かの判断する場合での「所定の値」とは異なる値であってもよい。例えば、ステップS802のマッチング処理での所定の値は、ステップS706のマッチング処理での所定の値よりも大である値にしてもよい。つまり、時間パラメータを設定するに際して合致するか否かを判断するものであり、基本的に同じ位置データを送信しないようにした図7の処理例とは異なるからである。
【0048】
ステップS804では、制御情報受取モジュール150が、ステップS802でのマッチング処理の結果、合致する場合(Y、つまり既に測定した位置データとマッチングした場合)はステップS806へ進み、それ以外の場合(N)はステップS808へ進む。
ステップS806では、制御情報受取モジュール150が、時間パラメータを現在のものよりも短く設定する。つまり、不感地エリアにいることを検知した後に、GPS120を起動するまでの時間を短くして、より詳細に位置データを測定するようにしたものである。
【0049】
ステップS808では、制御情報受取モジュール150が、ステップS802での両者の差は所定の範囲以内であるか否かの判断を行う。かかる判断において所定の範囲内にある場合(Y)はステップS810へ進み、それ以外の場合(N)はステップS812へ進む。
ステップS810では、制御情報受取モジュール150が、時間パラメータを現在のものよりも長く設定する。既に測定した位置に近い位置にあるので、より離れた位置での測定を行うために、時間パラメータを長くする。
ステップS812では、制御情報受取モジュール150が、時間パラメータをデフォルト値に設定する。既に測定した位置とは異なる位置にあるので、予め想定した時間パラメータでの測定を行うようにする。
なお、ステップS806、S810、S812の処理は、その目的に応じて設定値を変更してもよい。
【0050】
図9は、携帯情報通信端末100における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に制御情報受取モジュール150による処理例を示すものであり、図5の例に示したフローチャートのステップS504で設定する時間パラメータを設定するものである。ここでは、電界強度地図生成装置200が設定した時間パラメータを採用するものである。
【0051】
ステップS902では、制御情報受取モジュール150が、通信モジュール170を介して、エリア毎の時間パラメータを受け取る。
ステップS904では、制御情報受取モジュール150が、ステップS902で受け取った時間パラメータに従って、エリア毎のパラメータを設定する。例えば、制御モジュール140は、図5の例のフローチャート内のステップS514の処理の前で時間パラメータに従った時間間隔を待機する場合において、GPS120が測定した位置に応じて、時間パラメータが異なることになる。これは、エリア毎に、電界強度地図生成装置200が測定間隔を制御したい場合に用いられる。
【0052】
図10は、電界強度地図生成装置200における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。つまり、主に制御情報生成モジュール250による処理例を示すものであり、人口密度に応じて、時間パラメータを設定するものである。
ステップS1002では、制御情報生成モジュール250が、エリアを選択する。つまり、時間パラメータを変更すべきエリアを選択する。
ステップS1004では、制御情報生成モジュール250が、そのエリアにおける人口密度は所定の値と比べて高いか否かの判断を行う。かかる判断において高い場合(Y)はステップS1006へ進み、それ以外の場合(N)はステップS1008へ進む。
【0053】
ステップS1006では、制御情報生成モジュール250が、ステップS1002で選択されたエリアにおける時間パラメータをデフォルト値よりも短く設定する。つまり、人口密度が高いので、不感地エリアであれば、感地エリアにすべき要望が高いので、詳細に不感地エリアの位置データを収集するためである。
ステップS1008では、制御情報生成モジュール250が、ステップS1002で選択されたエリアにおける時間パラメータをデフォルト値よりも長く設定する。
ステップS1010では、制御情報送信モジュール230が、通信モジュール210を介してステップS1006又はステップS1008で設定された時間パラメータを携帯情報通信端末100へ送信する。この後、携帯情報通信端末100は、図9に示したフローチャートに従った処理を行う。
【0054】
図11は、携帯情報通信端末100を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。
CPU1110、GPS1120、通信制御モジュール1130、音声処理モジュール1140、表示処理モジュール1150、キー操作受付モジュール1160、RAM1171、ROM1172、リムーバブルメディアリーダーライター1173は、バス1190を介してそれぞれ接続されている。図1に示したモジュールとの関連性を示して説明する。
【0055】
CPU1110は、プログラムに従って、制御モジュール140等の働きをする。GPS1120は、GPS用アンテナ1121と接続されており、GPS120に該当し、GPS用アンテナ1121を介して、GPS衛星340からの電波を受信する。通信制御モジュール1130は、アンテナ1131と接続されており、電界強度検知モジュール110に該当し、基地局361等を介して電界強度地図生成装置200との通信を行う。音声処理モジュール1140は、スピーカー1141、マイク1142と接続されており、通話を行うに必要な処理、つまり、マイク1142で受け付けた音声を他の携帯情報通信端末に送信するため、又は他の携帯情報通信端末から受信した音声をスピーカー1141から出力するために、音声処理を行うものである。表示処理モジュール1150は、ディスプレイ1151と接続されており、操作者のキー1161に対する操作等の結果をディスプレイ1151に出力する。キー操作受付モジュール1160は、キー1161と接続されており、キー1161に対する操作者の操作を受け付ける。RAM1171は、CPU1110が処理を行うためにデータを記憶する。ROM1172は、携帯情報通信端末100を起動するためのプログラム等が格納されている。リムーバブルメディアリーダーライター1173は、SD(Secure Digital)メモリカード等のリムーバブルメディアに対して読み書きする。
【0056】
なお、本実施の形態の電界強度地図生成装置200としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、図12に示すように、一般的なコンピュータであり、具体的には本実施の形態による処理以外にも多くの処理を高速に実行することができるサーバーとなり得るようなコンピュータである。図2に示したモジュールとの関連性を示して説明する。対応情報受取モジュール220、電界強度地図生成モジュール240、制御情報送信モジュール230、制御情報生成モジュール250等のプログラムを実行するCPU1210と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1230と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1220と、地図DB260に該当する補助記憶装置であるHD1240と、キーボード、マウス等から操作者の操作によってデータを入力又はCRTや液晶ディスプレイ等にデータを出力して操作者とのインタフェースとなるUI/F1250と、CD−R等のリムーバブルメディアに対して読み書きするリムーバブルメディアリーダーライター1260と、通信モジュール210に該当する通信ネットワークと接続するための通信回線I/F1270、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1280により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0057】
前述の実施の形態の説明において、携帯情報通信端末の例として携帯電話を主に説明したが、携帯及び無線通信可能な端末であればよい。したがって、PDA(Personal Digital Assistant)、WLAN(Wireless LAN、無線LAN)サービスに用いる情報端末、いわゆるPHS、ナビゲーションシステム等にも適用が可能である。なお、ここでの携帯可能とは、常に携帯されている必要はなく、例えば、自動車等に設置され得るようなものであってもよい。また、携帯電話方式についても、現在の3Gだけでなく、HSDPA網、HSUPA網、次世代の4G網にも活用ができる。
【0058】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納することも可能である。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能である。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に乗せて搬送することも可能である。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態の携帯情報通信端末のモジュール構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態の電界強度地図生成装置のモジュール構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態を実現した場合のシステム構成例を示す説明図である。
【図4】携帯情報通信端末の一例である携帯電話を示す説明図である。
【図5】携帯情報通信端末の位置測定処理例を示すフローチャートである。
【図6】電界強度エリア対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図7】携帯情報通信端末の送信処理例を示すフローチャートである。
【図8】時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。
【図9】携帯情報通信端末における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。
【図10】電界強度地図生成装置における時間パラメータの設定処理例を示すフローチャートである。
【図11】携帯情報通信端末を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図12】電界強度地図生成装置を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
100…携帯情報通信端末
110…電界強度検知モジュール
120…GPS
130…電界強度・エリア対応情報記憶モジュール
140…制御モジュール
150…制御情報受取モジュール
160…対応情報送信モジュール
170…通信モジュール
200…電界強度地図生成装置
210…通信モジュール
220…対応情報受取モジュール
230…制御情報送信モジュール
240…電界強度地図生成モジュール
250…制御情報生成モジュール
260…地図DB
310…携帯情報通信端末
320…サーバー
321…地図DB
330…移動通信網
340…GPS衛星
361、362、363…基地局
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末と該携帯情報通信端末と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記携帯情報通信端末は、
位置を測定する位置測定手段と、
基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、
前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、
無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、前記情報処理装置に送信する位置情報送信手段
を具備し、
前記情報処理装置は、
前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段
を具備することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末であって、
位置を測定する位置測定手段と、
基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、
前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、
無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、電界強度の分布に関する地図を生成する情報処理装置に送信する位置情報送信手段
を具備することを特徴とする携帯情報通信端末。
【請求項3】
前記位置記憶手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度と前記位置とを対応させて記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯情報通信端末。
【請求項4】
前記制御手段は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、前記位置測定手段を起動させるように制御する
ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載の携帯情報通信端末。
【請求項5】
前記制御手段は、前記位置記憶手段に記憶された情報に応じて、又は前記情報処理装置から送信されてきた情報に応じて、前記所定の時間を変更させる
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯情報通信端末。
【請求項6】
携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置であって、
前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記携帯情報通信端末において、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、位置測定手段を起動させるように制御する場合に、位置における人数に応じて、該所定の時間に関する情報を生成する制御情報生成手段と、
前記制御情報生成手段によって生成された所定の時間に関する情報を、前記携帯情報通信端末に送信する送信手段
を具備することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御情報生成手段は、複数の前記携帯情報通信端末から送信されてきた位置に基づいて前記所定時間に関する情報を生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末が行う位置測定方法であって、
位置測定手段は、位置を測定し、
電界強度検知手段は、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、
制御手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、
位置記憶手段は、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する
ことを特徴とする位置測定方法。
【請求項10】
携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置が行う情報処理方法であって、
受信手段は、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信し、
電界強度地図生成手段は、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末に位置測定を実行させるための位置測定プログラムであって、
前記携帯情報通信端末を、
位置を測定する位置測定手段と、
基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、
前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段
として機能させることを特徴とする位置測定プログラム。
【請求項12】
携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置に情報処理を実行させるための情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項1】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末と該携帯情報通信端末と通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記携帯情報通信端末は、
位置を測定する位置測定手段と、
基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、
前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、
無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、前記情報処理装置に送信する位置情報送信手段
を具備し、
前記情報処理装置は、
前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段
を具備することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末であって、
位置を測定する位置測定手段と、
基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、
前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段と、
無線通信が可能になっているときに、前記位置記憶手段に記憶されている情報を、電界強度の分布に関する地図を生成する情報処理装置に送信する位置情報送信手段
を具備することを特徴とする携帯情報通信端末。
【請求項3】
前記位置記憶手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度と前記位置とを対応させて記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯情報通信端末。
【請求項4】
前記制御手段は、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、前記位置測定手段を起動させるように制御する
ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか一項に記載の携帯情報通信端末。
【請求項5】
前記制御手段は、前記位置記憶手段に記憶された情報に応じて、又は前記情報処理装置から送信されてきた情報に応じて、前記所定の時間を変更させる
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯情報通信端末。
【請求項6】
携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置であって、
前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記携帯情報通信端末において、電界強度が所定の強度以下となったときから所定の時間後に、位置測定手段を起動させるように制御する場合に、位置における人数に応じて、該所定の時間に関する情報を生成する制御情報生成手段と、
前記制御情報生成手段によって生成された所定の時間に関する情報を、前記携帯情報通信端末に送信する送信手段
を具備することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御情報生成手段は、複数の前記携帯情報通信端末から送信されてきた位置に基づいて前記所定時間に関する情報を生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末が行う位置測定方法であって、
位置測定手段は、位置を測定し、
電界強度検知手段は、基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知し、
制御手段は、前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御し、
位置記憶手段は、前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する
ことを特徴とする位置測定方法。
【請求項10】
携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置が行う情報処理方法であって、
受信手段は、前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信し、
電界強度地図生成手段は、前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
携帯及び無線通信可能な携帯情報通信端末に位置測定を実行させるための位置測定プログラムであって、
前記携帯情報通信端末を、
位置を測定する位置測定手段と、
基地局と無線通信を行う場合における電界強度を検知する電界強度検知手段と、
前記電界強度検知手段によって検知された電界強度が所定の強度以下の場合に、前記位置測定手段を起動させるように制御する制御手段と、
前記制御手段によって起動された位置測定手段によって測定された位置を記憶する位置記憶手段
として機能させることを特徴とする位置測定プログラム。
【請求項12】
携帯情報通信端末と通信を行う情報処理装置に情報処理を実行させるための情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記携帯情報通信端末から電界強度が所定の強度以下の位置を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された位置に基づいて、電界強度の分布に関する地図を生成する電界強度地図生成手段
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−93520(P2010−93520A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261195(P2008−261195)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】
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