説明

情報処理装置、データ共有方法およびデータ共有プログラム

【課題】データ共有の利便性を向上する。
【解決手段】携帯型装置1は、通話部1aによる通話機能と共有データ記憶部1bによるデータの記憶機能とを備える。通話先情報出力部1dは、通話部1aと情報処理装置2の通話機能とによる通話が開始されると、その通話先を特定して、通話先を識別する情報である通話先特定情報を出力する。アクセス制御部1eは、通話先情報出力部1dが出力した通話先特定情報を受け付けると、受け付けた通話先特定情報がアクセス制御情報記憶部1cに記憶されたアクセス制御情報に含まれているかを判定する。アクセス制御部1eは、上記通話先特定情報がアクセス制御情報に含まれている場合、情報処理装置2からの共有領域へのネットワークを介したアクセスを許可とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、データ共有方法およびデータ共有プログラムに関し、特に共有領域へのアクセスを制御する機能を有する情報処理装置、共有領域へのアクセスを制御するためのデータ共有方法およびデータ共有プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータの利用方法として、ユーザが電話による通話をしながら、相手先ユーザと同一内容の資料をコンピュータ上で閲覧して議論するということが行われている。このような利用に際して、ユーザは、資料データを自身が利用するコンピュータやネットワークを介して接続されたファイルサーバ等の共有領域に格納することで、相手先ユーザと資料を共有することができる。このような共有領域は、例えば、コンピュータやファイルサーバで実行されるオペレーティングシステム(Operating System)やアプリケーションソフト(以下、アプリケーションという)の機能によって生成することができる。
【0003】
また、ユーザは、電子メール等によって資料データを相手先ユーザのコンピュータに送信することでも、上記資料を共有することができる。しかし、この方法では、資料を更新または追加するたびに、双方のユーザの資料データを電子メールの再送信等により同期する必要がある。このため、ユーザが通話をしながら動的に資料を更新する用途としては、上記のように共有領域に資料データを格納して共有する方が利便性がよい。
【0004】
このように電話による通話時のファイル共有の方法として、双方の通話者を特定し、特定された双方の通話者のみが同時にアクセス可能な領域をサーバ上に自動的に生成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−166018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、双方のユーザから接続可能なサーバが必要となり、実現するにはシステムが大規模になるという問題がある。
また、電話とコンピュータとを同時に保有して利用する必要があるため、例えば、屋外で利用する等持ち運んで利用したいという用途に対しては、携帯性が悪いという課題がある。
【0006】
また、共有される領域は、通話時にのみ生成されるため、非通話時にユーザの意思で自由に共有領域を生成して、この領域にデータを用意しておく等の操作ができず、利便性が悪いという課題がある。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、データの共有に際して利便性の高い情報処理装置、データ共有方法およびデータ共有プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、ネットワークを介して他装置と接続可能な情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、通話部、共有データ記憶部、アクセス制御情報記憶部、通話先情報出力部およびアクセス制御部を有する。通話部は、電話による通話を行う。共有データ記憶部は、他装置と共有するデータを格納するための共有領域を提供する。アクセス制御情報記憶部は、共有領域へのネットワークを介したアクセスを許可する他装置を、少なくとも通話の通話先を特定する情報である通話先特定情報に対応付けることにより定義したアクセス制御情報を記憶する。通話先情報出力部は、通話部による通話が開始されると、通話の通話先に基づき通話先特定情報を出力する。アクセス制御部は、通話先情報出力部が出力した通話先特定情報がアクセス制御情報記憶部に記憶されたアクセス制御情報に含まれているかを判定し、通話先特定情報が含まれている場合、通話先特定情報に対応する他装置からの共有領域へのネットワークを介したアクセスを許可する。
【0009】
このような情報処理装置によれば、通話部により電話による通話が行われる。そして、通話部による通話が開始されると、通話先情報出力部により、通話の通話先に基づき通話先特定情報が出力される。更に、アクセス制御部により、通話先情報出力部が出力した通話先特定情報が、共有領域へのネットワークを介したアクセスを許可する他装置を少なくとも通話の通話先を特定する情報である通話先特定情報に対応付けることにより定義したアクセス制御情報を記憶するアクセス制御情報記憶部に記憶されたアクセス制御情報に含まれているかが判定され、通話先特定情報が含まれている場合、通話先特定情報に対応する他装置からの共有領域へのネットワークを介したアクセスが許可される。
【0010】
また、上記課題を解決するために、上記情報処理装置と同様の処理を行うデータ共有方法およびコンピュータを上記情報処理装置と同様に機能させるデータ共有プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
上記情報処理装置、データ共有方法およびデータ共有プログラムによれば、データ共有の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。まず、実施の形態の概要について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
図1は、実施の形態に係る情報処理装置の概念図である。以降説明する本実施の形態は、この情報処理装置として携帯型装置1を例示している。一方で、この情報処理装置は、携帯型装置に限定されるものではなく、据え置き型の装置であってもよい。図1に示される携帯型装置1は、端末内でのデータの記憶およびそのデータの操作が可能であり、また、ネットワークを介したデータ通信および他の情報処理装置等との音声による通話が可能な小型の端末装置である。図1では、携帯型装置1は、ネットワークを介して接続された情報処理装置2から、共有データを格納するための共有領域へのアクセスを制御する。また、携帯型装置1は、情報処理装置2との通話機能、または、情報処理装置2のユーザが利用する通話端末との間での音声通話を実現する。以下の説明では、携帯型装置1と音声通話を実現する端末装置を通話先端末(情報処理装置2を含む)と呼ぶこととする。
【0013】
携帯型装置1は、通話部1a、共有データ記憶部1b、アクセス制御情報記憶部1c、通話先情報出力部1d、アクセス制御部1eおよびデータ通信部1fを有する。
通話部1aは、電話による通話を行うためのものである。通話部1aは、携帯型装置1のユーザと通話先端末のユーザとの間での音声通話を実現する。また、通話部1aは、通話が開始されると、通話状態データを含む通話開始通知を通話先情報出力部1dに出力する。ここで、通話状態データには、最初に携帯型装置1から通話先に通話要求を発した場合には、通話先として指定した通話先端末を識別する情報が含まれる。また、通話状態データには、最初に携帯型装置1が通話先から通話要求を受信した場合には、通話先端末が通話に際して発する通話先端末を識別する情報、例えば電話番号等、が含まれる。更に、通話部1aは、通話が終了すると、通話終了通知をアクセス制御部1eに出力する。
【0014】
共有データ記憶部1bは、他の情報処理装置(図1では情報処理装置2)と共有するデータを格納するための共有領域を提供する。
アクセス制御情報記憶部1cは、共有領域へのネットワークを介したアクセスが許可された情報処理端末を、少なくとも通話部1aによる通話の通話先を特定する情報である通話先特定情報に対応付けることにより定義したアクセス制御情報を記憶する。通話先特定情報とは、例えば、公衆電話網を利用した通話の場合は電話番号であり、データ通信網を利用した通話(IP(Internet Protocol)電話による通話)の場合には、IPアドレスである。このような通話先特定情報によって、通話の相手先の端末を特定することができる。
【0015】
通話先情報出力部1dは、通話部1aによる通話が開始されると、通話先を特定し、上記通話先特定情報を出力する。通話先情報出力部1dは、通話部1aにより出力された通話開始通知を受け付けることで通話開始を検出することができる。また、通話先情報出力部1dは、上記通話開始通知に含まれる通話状態データから通話先特定情報を取得することができる。
【0016】
アクセス制御部1eは、通話先情報出力部1dが出力した通話先特定情報を受け付けると、受け付けた通話先特定情報がアクセス制御情報記憶部1cに記憶されたアクセス制御情報に含まれているかを判定し、含まれている場合、通話先特定情報に対応する情報処理装置2からの共有領域へのネットワークを介したアクセスを許可とし、上記通話が終了すると、このアクセスを不許可とする。ここで、アクセス制御部1eは、通話部1aにより出力された通話終了通知を受け付けることで、携帯型装置1のユーザと情報処理装置2のユーザとの間での通話が終了したことを検出することができる。
【0017】
また、アクセス制御部1eは、データ通信部1fを通じて、情報処理装置2から共有データ記憶部1bの共有領域へのアクセス要求を受け付ける。ここで、アクセス要求とは、例えば、共有領域へのRead(データ読み出し)要求、Write(データ更新)要求およびDelete(データ削除)要求等である。これらのアクセス要求のうち、どれを許容するかは、携帯型装置1を利用するユーザによって適宜設定することができる。アクセス制御部1eは、通話中にアクセスが許可された情報処理装置2からのアクセス要求に対してのみ共有領域への操作を可能とし、その結果をデータ通信部1fに出力する。
【0018】
データ通信部1fは、情報処理装置2からの共有データ記憶部1bの共有領域へのアクセス要求を受け付ける。データ通信部1fは、このアクセス要求をアクセス制御部1eに出力する。
【0019】
このような携帯型装置1を用いると、他の情報処理装置または通話端末との通話中の場合にのみ、通話先のユーザと共有可能な領域を、携帯型装置1内に設定することができる。そして、この共有領域に、共有したいデータを格納することで、通話先のユーザと容易にデータの共有が可能となる。また、通話が終了した時点で通話先であったユーザの共有領域へのアクセスが不可となるため、外部からの不正アクセス等に対するセキュリティ性が高い。更に、従来のように共有領域をサーバ上に生成するのではなく、自端末内に生成するため、非通話時にこの共有領域への操作が可能となり、利便性が高い。更にまた、小型の携帯型装置1によってデータの操作・記憶機能、データ通信機能および通話機能が実現されるため携帯性が高い。このため、例えば、屋外等に持ち出して利用する際に特に有効である。
【0020】
[第1の実施の形態]
以下、第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第1の実施の形態のシステム構成を示す図である。図2に示すデータ共有システムは、通話中の携帯型装置100,200の間でデータを共有するシステムである。携帯型装置100,200は、それぞれユーザA,Bにより使用される。
【0021】
本実施の形態に係るデータ共有システムでは、携帯型装置100,200が、ネットワーク10と無線のネットワークで接続されており、ネットワーク10を通じたIP通信が可能となっている。更に、携帯型装置100,200は、それぞれ携帯電話網20と無線回線で接続されている。
【0022】
携帯型装置100は、携帯電話部130およびコンピュータ部150を有する。携帯電話部130およびコンピュータ部150は、それぞれ携帯電話の機能を実現する1式のハードウェア資源と汎用的なコンピュータの機能を実現する1式のハードウェア資源とによって、それぞれが独立した情報処理部として動作可能である。ここで、1式のハードウェア資源とは、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等、単一の情報処理部を構成する上で必要となるハードウェア群である。
【0023】
携帯電話部130は、上記携帯電話網20を介して、携帯型装置200の携帯電話部230との音声通話を実現する。
コンピュータ部150は、上記ネットワーク10を介して携帯型装置200のコンピュータ部250とデータ通信を実現する。
【0024】
なお、携帯型装置200の携帯電話部230およびコンピュータ部250は、それぞれ上記の携帯電話部130およびコンピュータ部150に対応している。
この携帯型装置100,200を用いると、ユーザA,Bは、互いに無線通話をすることができ、また、同時にIP通信によるデータの送受信を行うことができる。
【0025】
ただし、上記データ共有システムにおいて、携帯型装置100の相手先の端末は、汎用的なコンピュータ等の情報処理機器であってもよい。この場合、相手先の端末とネットワーク10との接続は、無線に限らず有線であってもよい。更に、相手先の端末は、必ずしも電話による通話機能と情報処理機能とが同一の筐体で実現されていなくてもよい。
【0026】
次に、携帯型装置100のハードウェア構成について説明する。なお、以下では携帯型装置100に関して具体的に説明するが、携帯型装置200に関しても携帯型装置100と同様の構成によって実現できる。
【0027】
図3は、第1の実施の形態の携帯型装置のハードウェア構成を示す図である。携帯型装置100は、表示部101、入力部102、音声処理部103、入出力切換部104、携帯電話部130およびコンピュータ部150を有する。携帯型装置100の各部は、バス105を介して相互に接続される。
【0028】
表示部101は、各部のCPUからの命令に従って画像を表示させるモニタである。表示部101としては、例えば、液晶モニタが用いられる。
入力部102は、コンピュータ部150や携帯電話部130への入力を行う。入力部102としては、例えば、キーボードやポインティングデバイスが用いられる。
【0029】
音声処理部103は、図示しないマイクと接続され、コンピュータ部150への音声入力処理や、携帯電話部130での通話時の音声入力処理を行う。また、音声処理部103は、図示しないスピーカと接続され、コンピュータ部150の音声出力処理や、携帯電話部130での通話時の音声出力処理を行う。
【0030】
入出力切換部104は、コンピュータ部150と携帯電話部130との操作対象を切り換える。この切り換えによって、表示部101および音声処理部103への出力元を切り換えることができる。また、同様にして、入力部102および音声処理部103の入力先を切り換えることができる。ユーザは、例えば、携帯型装置100に設けられた切換スイッチ(図示せず)を操作することにより、入出力切換部104に対して、この切り換え動作の実行を指示することができる。
【0031】
次に、携帯電話部130のハードウェア構成について説明する。
携帯電話部130は、CPU131によって部全体が制御されている。CPU131には、バス136を介してRAM132、フラッシュメモリ133および無線通信モジュール134が接続されている。また、無線通信モジュール134には、アンテナ135が接続されている。
【0032】
RAM132には、CPU131に実行させるオペレーティングシステム(以下、OSと略記する)やアプリケーションのプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM132には、CPU131による処理に必要な各種データが格納される。
【0033】
フラッシュメモリ133には、携帯電話部130上のOSやアプリケーションのプログラムが格納される。また、フラッシュメモリ133には、CPU131による処理に必要な各種データが格納される。
【0034】
無線通信モジュール134は、無線通信のためのRF(Radio Frequency)回路や、送受信信号の変復調回路等を備える。携帯電話部130は、無線通信モジュール134およびアンテナ135を介して基地局20aと無線通信することで、他の携帯電話等の情報処理機器との間で音声通話を行うことが可能になる。
【0035】
次に、コンピュータ部150のハードウェア構成について説明する。
コンピュータ部150は、CPU151によって部全体が制御されている。CPU151には、バス155を介してRAM152、フラッシュメモリ153および通信モジュール154が接続されている。
【0036】
RAM152には、CPU151に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという)の少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM152には、CPU151による処理に必要な各種データが格納される。
【0037】
フラッシュメモリ153には、コンピュータ部150上のOSやアプリケーションのプログラムが格納される。また、フラッシュメモリ153には、CPU151による処理に必要な各種データが格納される。
【0038】
通信モジュール154は、例えば、無線LANインタフェースのRF処理部や信号変復調部などを含むものであり、ネットワーク10を介して他のコンピュータ等の情報処理機器との間でデータの送受信を行う。なお、本実施の形態では、通信モジュール154は、ネットワーク10との間で無線通信を行うこととしているが、例えば、LANケーブルを接続可能な有線LANインタフェースをコンピュータ部150に設けて、ネットワーク10とリンクさせてもよい。
【0039】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
次に、携帯型装置100の機能構成について説明する。
【0040】
図4は、第1の実施の形態の携帯型装置の機能を示すブロック図である。携帯型装置100は、携帯電話部130およびコンピュータ部150を有する。
まず、携帯電話部130の機能に関して説明する。
【0041】
携帯電話部130は無線通話部141および電話番号出力部142を有する。
無線通話部141は、携帯電話網20を介して携帯型装置200との間で無線通話を実現する。無線通話部141は、無線通話が開始されると通話開始通知を電話番号出力部142に出力する。この通話開始通知には、携帯型装置100から携帯型装置200に対して通話要求を発信する場合には、発信先として指定した携帯型装置200の電話番号が通話状態データとして含まれる。また、通話開始通知には、携帯型装置200から着信があった場合には、携帯型装置200から取得した携帯型装置200の電話番号が通話状態データとして含まれる。更に、無線通話部141は、無線通話が終了すると、通話終了通知をコンピュータ部150のアクセス制御部163に出力する。
【0042】
電話番号出力部142は、無線通話部141により出力された通話開始通知を受け付けると、この通話開始通知に含まれる通話状態データから通話先(携帯型装置200)の電話番号を特定し、この電話番号をコンピュータ部150のアクセス制御部163に出力する。
【0043】
次にコンピュータ部150の機能に関して説明する。
コンピュータ部150は、共有データ記憶部161、アクセス制御情報記憶部162、アクセス制御部163およびデータ通信部164を有する。
【0044】
共有データ記憶部161は、フラッシュメモリ133に設けられる。共有データ記憶部161は、携帯型装置200と共有するデータを格納するための共有領域を提供する。また、共有データ記憶部161は、共有領域へのアクセスを許可するアクセス要求元のIPアドレスを格納するためのアクセス許可テーブルを記憶する。アクセス許可テーブルには、非通話時にはIPアドレスは格納されず、例えば、共有領域へのアクセスが許可された携帯型装置200との通話時に、アクセス制御部163により携帯型装置200のIPアドレスが設定される。アクセス許可テーブルに関しては、図6で詳細に説明する。
【0045】
アクセス制御情報記憶部162は、アクセス制御情報を記憶する。アクセス制御情報は、共有データ記憶部161の共有領域へのネットワーク10を介したアクセスが許可されている携帯型装置200を、その電話番号およびその電話番号に対応したIPアドレスによって定義する。アクセス制御情報に関しては、図5で詳細に説明する。
【0046】
アクセス制御部163は、電話番号出力部142により出力された携帯型装置200の電話番号を受け付ける。そして、アクセス制御部163は、受け付けた電話番号がアクセス制御情報記憶部162に記憶されたアクセス制御情報に含まれているかを判定する。アクセス制御部163は、携帯型装置200の電話番号がアクセス制御情報に含まれていると判定した場合、その電話番号に対応する携帯型装置200のIPアドレスを共有データ記憶部161のアクセス許可テーブルに格納する。そして、アクセス制御部163は、このアクセス許可テーブルに格納されたIPアドレスを要求元とするアクセス要求に対して、共有領域へのアクセスを許可する。また、アクセス制御部163は、携帯型装置200に対して共有領域へのアクセスを許可している状態で、無線通話部141から通話終了通知を受け付けた場合、上記アクセス許可テーブルに格納されたIPアドレスを消去する。そして、このIPアドレスを要求元とする共有領域へのアクセスが不許可となる。
【0047】
また、アクセス制御部163は、データ通信部164から共有データ記憶部161の共有領域へのアクセス要求を受け付ける。ここで、アクセス要求とは、例えば、共有領域へのRead(データ読み出し)要求、Write(データ更新)要求およびDelete(データ削除)要求等である。これらのアクセス要求のうち、どれを許容するかを表す操作権限は、携帯型装置100を利用するユーザによって、例えば、アクセス制御情報の付加的な情報としてアクセス制御情報記憶部162に設けられたテーブルに適宜設定し、記憶させることができる。アクセス制御部163は、通話中にアクセスが許可された携帯型装置200からのアクセス要求に対してのみ、共有領域への操作を操作権限の範囲内で可能とし、その結果をデータ通信部164に出力する。
【0048】
データ通信部164は、携帯型装置200からネットワーク10を介した共有データ記憶部161の共有領域へのアクセス要求を受け付ける。データ通信部164は、このアクセス要求をアクセス制御部163に出力する。また、データ通信部164は、アクセス制御部163からの応答を携帯型装置200に送信する。
【0049】
次に、アクセス制御情報記憶部162に記憶されるアクセス制御情報に関して説明する。アクセス制御情報は、携帯型装置100のユーザAによって、共有領域にアクセスを許可したい情報処理機器の電話番号と電話番号に対応するIPアドレスとが予め設定される。この設定は、例えば、アクセス制御情報を設定するための専用のアプリケーションを用いて行うことができる。
【0050】
図5は、第1の実施の形態のアクセス制御情報のデータ構造例を示す図である。アクセス制御情報162aには、電話番号を示す項目およびIPアドレスを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、共有領域へのアクセス許可情報を構成する。
【0051】
電話番号を示す項目には、通話先の情報処理機器、または、情報処理機器を利用するユーザが使用する通話端末の電話番号が設定される。IPアドレスを示す項目には、共有領域へのアクセスを許可するコンピュータなどの情報処理機器や他の携帯型装置のIPアドレスが設定される。なお、共有領域にアクセスする情報処理機器が電話機能を有していない場合には、情報処理機器の近くに設置された通話端末の電話番号を設定することによって、この通話端末との通話時に上記情報処理機器からの共有領域へのアクセスを許可するように設定することもできる。
【0052】
アクセス制御情報162aには、例えば、電話番号が“090−1111−2222”であり、IPアドレスが“10.1.0.1”という情報が設定される。これは、電話番号が“090−1111−2222”という電話番号で指定される携帯型装置等との通話中に、ネットワーク10を介して共有領域へのアクセスを許可したいアクセス要求元のIPアドレスが“10.1.0.1”であることを示している。
【0053】
次に、共有データ記憶部161に記憶されるアクセス許可テーブルに関して説明する。
図6は、第1の実施の形態のアクセス許可テーブルのデータ構造例を示す図である。アクセス許可テーブル161aには、アクセス制御部163によって、アクセス制御情報162aに基づいて、通話中に共有領域へのアクセスが許可されたIPアドレスが格納される。
【0054】
アクセス許可テーブル161aには、アクセス許可IPアドレスを示す項目が設けられている。アクセス許可IPアドレスを示す項目には、共有データ記憶部161の共有領域へのアクセスが許可されたアクセス要求元のIPアドレスが設定される。
【0055】
アクセス許可テーブル161aには、例えば、アクセス許可IPアドレスが“10.1.0.1”という情報が設定される。これは、共有データ記憶部161の共有領域に対して、IPアドレスが“10.1.0.1”である要求元の携帯型装置等のアクセスが許可された状態であることを示している。
【0056】
次に、以上のような構成およびデータ構造を備える携帯型装置100において実行されるデータ共有の処理の詳細を説明する。
図7は、第1の実施の形態のデータ共有処理を示すフローチャートである。以下、図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、図7では、携帯型装置100において携帯型装置200からの着信によって通話が開始される場合を想定するものとする。
【0057】
[ステップS11]無線通話部141は、携帯型装置200からの着信を受け付ける。そして、各携帯型装置を利用するユーザ間での通話が開始される。
[ステップS12]無線通話部141は、携帯型装置200との通話に関する通話状態データを電話番号出力部142に出力する。電話番号出力部142は、受け付けた通話状態データに携帯型装置200の電話番号が含まれているかを判定する。含まれている場合、電話番号出力部142が、この電話番号をアクセス制御部163に出力して、処理がステップS13に移される。含まれていない場合、以降のデータ共有処理は行われずに、処理が完了する。なお、通話状態データに電話番号が含まれるか否かは、例えば、通話先である携帯型装置200が、自端末の電話番号を発信しているか否かによる。
【0058】
[ステップS13]アクセス制御部163は、電話番号出力部142から出力された携帯型装置200の電話番号を受け付ける。
[ステップS14]アクセス制御部163は、アクセス制御情報記憶部162に記憶されたアクセス制御情報162aに、受け付けた電話番号が含まれるかを判定する。含まれている場合、処理がステップS15に移される。含まれていない場合、以降のデータ共有処理は行われずに、処理が完了する。
【0059】
[ステップS15]アクセス制御部163は、受け付けた電話番号に対応する携帯型装置200のIPアドレスを共有データ記憶部161のアクセス許可テーブル161aに登録する。
【0060】
[ステップS16]携帯型装置200は、コンピュータ部250の機能により、共有データ記憶部161の共有領域に対するアクセスが可能となる。アクセス制御部163は、データ通信部164を介して携帯型装置200からのアクセス要求を受け付けた場合、共有領域へのアクセス要求で指定される操作(Read、Writeなど)を許可し、操作結果を応答する。
【0061】
[ステップS17]携帯型装置100と携帯型装置200との間の通話が終了する。無線通話部141は、アクセス制御部163に通話終了通知を出力する。
[ステップS18]アクセス制御部163は、無線通話部141により出力された通話終了通知を受け付けると、共有データ記憶部161に記憶されたアクセス許可テーブル161aに設定されたIPアドレスを削除する。
【0062】
[ステップS19]携帯型装置200は、共有データ記憶部161の共有領域に対するアクセスが不可能となる。
このようにして、携帯型装置100と携帯型装置200との通話中の場合、携帯型装置200は、携帯型装置100に格納された共有領域に対する操作が可能となる。なお、携帯型装置200への共有領域へのアクセスを許可とするための判定を実行するタイミングを無線通話部141による通話開始時として説明したが、通話中に携帯型装置200のコンピュータ部250から共有領域へのアクセス要求を受け付けたタイミングで上記の共有領域へのアクセスを許可とするための判定を行うようにしてもよい。
【0063】
図8は、第1の実施の形態の携帯型装置間でのデータ共有の様子を表す模式図である。携帯型装置100,200の各部の構成は、図2,4に同一の符号を付して示した構成と同じであるため、その説明を省略する。なお、携帯型装置100に関して、携帯電話部130の電話番号がA1であり、コンピュータ部150のIPアドレスがa1で表されるものとする。また、携帯型装置200に関して、携帯電話部230の電話番号がA2であり、コンピュータ部250のIPアドレスがa2で表されるものとする。そして、携帯型装置100,200の間では、相互に共有データ記憶部161,261への通話中のアクセスが認められているものとする。更に、携帯電話部130,230は、自局電話番号を通話先に対して発信する設定がなされているものとする。
【0064】
(A)は、携帯型装置100,200が非通話時である場合を示す図である。この場合、携帯型装置100,200のそれぞれのコンピュータ部150,250から、相手側の共有データ記憶部の共有領域に対してアクセスすることはできない。
【0065】
(B)は、携帯型装置100,200が通話時である場合を示す図である。携帯型装置100は、携帯型装置200から着信があった場合、携帯型装置200の携帯電話部230が発する電話番号A2を取得する。そして、携帯型装置100は、この電話番号A2に対応するコンピュータ部250のIPアドレスa2からの共有データ記憶部161の共有領域へのアクセスを許可する。また、携帯型装置100は、自機側から携帯型装置200へ発信する場合、発信する際に指定した携帯電話部230の電話番号A2に基づいて、コンピュータ部250のIPアドレスa2からの共有データ記憶部161の共有領域へのアクセスを許可する。
【0066】
なお、この時、携帯型装置200では、例えば、Readが許可されていれば、許可された共有領域に含まれるデータファイルのアイコンが表示部に表示され、それらのデータファイルを開くことができる。また、Writeが許可されていれば、更に、開いたデータファイルを更新することができる。
【0067】
更に、携帯型装置200は、携帯型装置100から着信があった場合、携帯型装置100の携帯電話部130が発する電話番号A1を取得する。そして、携帯型装置200は、この電話番号A2に対応するコンピュータ部150のIPアドレスa1からの共有データ記憶部261の共有領域へのアクセスを許可する。また、携帯型装置200は、携帯型装置100へ発信する場合、発信する際に指定した携帯電話部130の電話番号A1に基づいて、コンピュータ部150のIPアドレスa1からの共有データ記憶部261の共有領域へのアクセスを許可する。
【0068】
このように、非通話時には双方の共有領域へのアクセスを不可能とし、通話時には双方の共有領域へのアクセスを許可とすることができる。
このような携帯型装置100を用いると、他の情報処理装置または通話端末200等との通話中の場合にのみ、通話先のユーザと共有可能な領域を携帯型装置100内に自動的に生成することができる。そして、この共有領域に、共有したいデータを格納することで、通話先のユーザと容易にデータの共有が可能となる。また、通話が終了した時点で通話先であったユーザの共有領域へのアクセスが不可となるためセキュリティ性が高い。更に、従来のように共有するデータをサーバ上に格納するのではなく、自端末内に格納するため、非通話時にこのデータの参照・編集が可能となり、利便性が高い。更にまた、小型の携帯型装置100によってデータの操作・記憶機能、データ通信機能および通話機能が実現されるため携帯性が高い。このため、例えば、屋外等に持ち出して利用する際に特に有効である。
【0069】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。前述の第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0070】
図9は、第2の実施の形態のシステム構成を示す図である。図9に示すデータ共有システムは、通話中の携帯型装置100a,200aの間でデータを共有するシステムである。携帯型装置100a,200aは、それぞれユーザA,Bにより使用される。
【0071】
本実施の形態に係るデータ共有システムでは、携帯型装置100a,200aが、ネットワーク10に対して無線により接続されている。ただし、上記データ共有システムにおいて、携帯型装置100aの相手先の端末は、汎用的なコンピュータ等の情報処理機器であってもよい。この場合、相手先の端末とネットワーク10との接続は、無線に限らず有線であってもよい。ここで、ネットワーク10には、IP電話網が含まれる。携帯型装置100a,200aは、ネットワーク10を介して、例えば、VoIP(Voice over Internet Protocol)パケットデータを送受信することで、相互に音声通話を実現する。このような音声通話は、一般にIP電話と呼ばれる。また、携帯型装置100a,200aは、ネットワーク10を介して、相互にデータ通信を実現する。
【0072】
この携帯型装置100a,200aを用いると、ユーザA,Bは、互いに通話をすることができ、また、同時にIP通信によるデータの送受信を行うことができる。
次に、携帯型装置100aのハードウェア構成について説明する。なお、以下では携帯型装置100aに関して具体的に説明するが、携帯型装置200aに関しても携帯型装置100aと同様の構成によって実現できる。
【0073】
図10は、第2の実施の形態の携帯型装置のハードウェア構成を示す図である。携帯型装置100aは、CPU171によって装置全体が制御されている。CPU171には、バス105を介して、表示部101、入力部102、音声処理部103、CPU171、RAM172、フラッシュメモリ173および通信モジュール174が接続されている。ここで、表示部101、入力部102および音声処理部103は、図3に同一の符号を付して示した構成と同じであるため、その説明を省略する。
【0074】
RAM172には、CPU171に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM172には、CPU171による処理に必要な各種データが格納される。
【0075】
フラッシュメモリ173には、携帯型装置100a上のOSやアプリケーションのプログラムが格納される。また、フラッシュメモリ173には、CPU171による処理に必要な各種データが格納される。
【0076】
通信モジュール174は、例えば、無線LANインタフェースのRF処理部や信号変復調部などを含むものであり、ネットワーク10を介して他のコンピュータ等の情報処理機器との間でデータの送受信を行う。また、通信モジュール174は、データとして、例えば、VoIPパケットデータを送受信することで、他の情報処理機器との間で音声通話を行うことができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、通信モジュール174は、ネットワーク10との間で無線通信を行うこととしているが、例えば、LANケーブルを接続可能な有線LANインタフェースを設けて、ネットワーク10とリンクさせてもよい。
【0078】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
次に、携帯型装置100aの機能構成について説明する。
【0079】
図11は、第2の実施の形態の携帯型装置の機能を示すブロック図である。携帯型装置100aは、通話部181、IPアドレス出力部182、共有データ記憶部183、アクセス制御情報記憶部184、アクセス制御部185およびデータ通信部186を有する。
【0080】
通話部181は、データ通信部186を介してネットワーク10に接続された携帯型装置200aとの間での通話を実現する。通話部181は、通話が開始されると通話開始通知をIPアドレス出力部182に出力する。この通話開始通知には、携帯型装置100aから携帯型装置200aに対して通話要求を発信する場合には、発信先となる携帯型装置200aのIPアドレスが通話状態データとして含まれる。また、通話開始通知には、携帯型装置200aから着信があった場合には、携帯型装置200aから取得した携帯型装置200aのIPアドレスが通話状態データとして含まれる。更に、通話部181は、通話が終了すると、通話終了通知をアクセス制御部185に出力する。
【0081】
IPアドレス出力部182は、通話部181により出力された通話開始通知を受け付けると、この通話開始通知に含まれる通話状態データから通話先(携帯型装置200a)のIPアドレスを特定し、このIPアドレスをアクセス制御部185に出力する。
【0082】
共有データ記憶部183は、携帯型装置200aと共有するデータを格納するための共有領域を提供する。また、共有データ記憶部183は、共有領域へのアクセスを許可するアクセス要求元のIPアドレスを格納するためのアクセス許可テーブルを記憶する。アクセス許可テーブルには、非通話時にはIPアドレスは格納されず、例えば、共有領域へのアクセスが許可された携帯型装置200aとの通話時に、アクセス制御部185により携帯型装置200aのIPアドレスが設定される。
【0083】
アクセス制御情報記憶部184は、アクセス制御情報を記憶する。アクセス制御情報は、共有データ記憶部183の共有領域へのネットワーク10を介したアクセスが許可されている携帯型装置200aを、そのIPアドレスによって定義する。アクセス制御情報に関しては、図12で詳細に説明する。
【0084】
アクセス制御部185は、IPアドレス出力部182により出力された携帯型装置200aのIPアドレスを受け付ける。そして、アクセス制御部185は、受け付けたIPアドレスがアクセス制御情報記憶部184に記憶されたアクセス制御情報に含まれているかを判定する。アクセス制御部185は、携帯型装置200aのIPアドレスがアクセス制御情報に含まれていると判定した場合、そのIPアドレスを共有データ記憶部183のアクセス許可テーブルに格納する。そして、アクセス制御部185は、このアクセス許可テーブルに格納されたIPアドレスを要求元とするアクセス要求に対して、共有領域へのアクセスを許可する。また、アクセス制御部185は、携帯型装置200aに対して共有領域へのアクセスを許可している状態で、通話部181から通話終了通知を受け付けた場合、上記アクセス許可テーブルに格納されたIPアドレスを消去する。そして、このIPアドレスを要求元とする共有領域へのアクセスが不許可となる。
【0085】
また、アクセス制御部185は、データ通信部186から共有データ記憶部183の共有領域へのアクセス要求を受け付ける。ここで、アクセス要求とは、例えば、共有領域へのRead要求、Write要求およびDelete要求等である。これらのアクセス要求のうち、どれを許容するかを表す操作権限は、携帯型装置100aを利用するユーザによって適宜設定することができる。アクセス制御部185は、通話中にアクセスが許可された携帯型装置200aからのアクセス要求に対してのみ、共有領域への操作を操作権限の範囲内で可能とし、その結果をデータ通信部186に出力する。
【0086】
データ通信部186は、携帯型装置200aとの間で、通話部181の処理に使用される音声パケットデータを送受信する。また、データ通信部186は、携帯型装置200aからネットワーク10を介した共有データ記憶部183の共有領域へのアクセス要求を受け付ける。データ通信部186は、このアクセス要求をアクセス制御部185に出力する。また、データ通信部186は、アクセス制御部185からの応答を携帯型装置200aに送信する。
【0087】
次に、アクセス制御情報記憶部184に記憶されるアクセス制御情報に関して説明する。アクセス制御情報は、携帯型装置100aのユーザAによって、共有領域にアクセスを許可したい情報処理機器の電話番号と電話番号に対応するIPアドレスとが予め設定される。この設定は、例えば、アクセス制御情報を設定するための専用のアプリケーションを用いて行うことができる。
【0088】
図12は、第2の実施の形態のアクセス制御情報のデータ構造例を示す図である。アクセス制御情報184aには、IPアドレスを示す項目が設けられている。
IPアドレスを示す項目には、共有領域へのアクセスを許可するコンピュータなどの情報処理機器や他の携帯型装置のIPアドレスが設定される。
【0089】
アクセス制御情報184aには、例えば、IPアドレスが“10.1.0.1”という情報が設定される。これは、携帯型装置100aが、IPアドレス“10.1.0.1”で示される通話先端末とIP電話による通話中である場合、この端末からの共有領域へのアクセスを許可することを示している。
【0090】
なお、通話中の携帯型装置200a等から共有領域へのアクセスが許可された状態であることを示す共有データ記憶部183に記憶されるアクセス許可テーブルに関しては、図6に示したアクセス許可テーブル161aと同一の構造であるため、その説明を省略する。
【0091】
次に、以上のような構成およびデータ構造を備える携帯型装置100aにおいて実行されるデータ共有の処理の詳細を説明する。
図13は、第2の実施の形態のデータ共有処理を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、図13では、携帯型装置100aに携帯型装置200aからの着信によって通話が開始される場合を想定するものとする。
【0092】
[ステップS31]通話部181は、データ通信部186を介して携帯型装置200aからの着信を受け付け、各携帯型装置を利用するユーザ間での通話が開始する。
[ステップS32]通話部181は、携帯型装置200aとの通話に関する通話状態データをIPアドレス出力部182に出力する。IPアドレス出力部182は、受け付けた通話状態データから携帯型装置200aのIPアドレスを特定し、このIPアドレスをアクセス制御部185に出力する。アクセス制御部185は、IPアドレス出力部182から出力された携帯型装置200aのIPアドレスを受け付ける。
【0093】
[ステップS33]アクセス制御部185は、アクセス制御情報記憶部184に記憶されたアクセス制御情報184aに、受け付けたIPアドレスが含まれるかを判定する。含まれている場合、処理がステップS34に移される。含まれていない場合、以降のデータ共有処理は行われずに、処理が完了する。
【0094】
[ステップS34]アクセス制御部185は、受け付けたIPアドレスに対応する携帯型装置200aのIPアドレスを共有データ記憶部183のアクセス許可テーブルに登録する。
【0095】
[ステップS35]携帯型装置200aは、共有データ記憶部183の共有領域に対するアクセスが可能となる。アクセス制御部185は、データ通信部186を介して携帯型装置200aからのアクセス要求を受け付けた場合、共有領域へのアクセス要求で指定される操作を許可し、操作結果を応答する。
【0096】
[ステップS36]携帯型装置100aと携帯型装置200aとの間の通話が終了する。通話部181は、アクセス制御部185に通話終了通知を出力する。
[ステップS37]アクセス制御部185は、通話部181により出力された通話終了通知を受け付けると、共有データ記憶部183に記憶されたアクセス許可テーブルに設定されたIPアドレスを削除する。
【0097】
[ステップS38]携帯型装置200aは、共有データ記憶部183の共有領域に対するアクセスが不可能となる。
このようにして、携帯型装置100aと携帯型装置200aとのIP電話による通話中の間、携帯型装置200aは、携帯型装置100aに格納された共有領域に対する操作が可能となる。なお、携帯型装置200aへの共有領域へのアクセスを許可とするための判定を実行するタイミングを通話部181による通話開始時として説明したが、通話中に携帯型装置200aから共有領域へのアクセス要求を受け付けたタイミングで上記の共有領域へのアクセスを許可とするための判定を行うようにしてもよい。
【0098】
図14は、第2の実施の形態の携帯型装置間でのデータ共有の様子を表す模式図である。携帯型装置100a,200aの各部の構成は、図9,11に同一の符号を付して示した構成と同じであるため、その説明を省略する。なお、携帯型装置100aに関して、IP電話番号がB1であり、IPアドレスがb1で表されるものとする。また、携帯型装置200aに関して、IP電話番号がB2であり、IPアドレスがb2で表されるものとする。そして、携帯型装置100a,200aの間では、相互に共有データ記憶部183,283への通話中のアクセスが認められているものとする。
【0099】
(A)は、携帯型装置100a,200aが非通話時である場合を示す図である。この場合、携帯型装置100a,200aのそれぞれから、相手側の共有データ記憶部の共有領域に対してアクセスすることはできない。
【0100】
(B)は、携帯型装置100a,200aが通話時である場合を示す図である。以下、携帯型装置100aから、携帯型装置200aに対して発信する場合を説明する。携帯型装置100aは、携帯型装置200aへの発信を、携帯型装置200aのIP電話番号B2を指定した接続要求をネットワーク10の呼制御サーバ(図示せず)に送信することで行う。そして、IP電話番号B2は、呼制御サーバにより携帯型装置200aのIPアドレスに変換される。携帯型装置100aから送信された音声パケットは、このIPアドレスを含んでおり、このIPアドレスに基づいて携帯型装置200aまで転送される。携帯型装置200aに到達した音声パケットには、送信元である携帯型装置100aのIPアドレスb1が含まれており、携帯型装置200aは、このIPアドレスb1を取得して、共有データ記憶部283の共有領域へのアクセスを許可とする。更に、携帯型装置200aから携帯型装置100aに対して応答する音声パケットが送信される。携帯型装置100aは、この音声パケットに含まれる携帯型装置200aのIPアドレスb2を取得して、共有データ記憶部183の共有領域へのアクセスを許可とする。なお、携帯型装置200aから、携帯型装置100aに対して発信する場合も同様にして共有領域へのアクセスを許可とする。
【0101】
このように、非通話時には双方の共有領域へのアクセスを不可能とし、通話時には双方の共有領域へのアクセスを許可とすることができる。
このような携帯型装置100aを用いると、他の情報処理装置または通話端末200a等とのIP電話による通話中の間にのみ、通話先のユーザと共有可能な領域を携帯型装置100a内に自動的に生成することができる。そして、この共有領域に、共有したいデータを格納することで、通話先のユーザと容易にデータの共有が可能となる。また、通話が終了した時点で通話先であったユーザの共有領域へのアクセスが不可となるためセキュリティ性が高い。更に、従来のように共有するデータをサーバ上に格納するのではなく、自端末内に格納するため、非通話時にこのデータの参照・編集が可能となり、利便性が高い。更にまた、小型の携帯型装置100aによってデータの操作・記憶機能、データ通信機能および通話機能が実現されるため携帯性が高い。このため、例えば、屋外等に持ち出して利用する際に特に有効である。
【0102】
[第3の実施の形態]
以下、第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では、第1の実施の形態におけるアクセス制御情報162aを拡張して共有領域を通話先端末毎に用意し、使い分ける。第3の実施の形態におけるシステム構成、携帯型装置のハードウェア構成および携帯型装置の機能構成は、図2,3,4における第1の実施の形態のシステム構成、携帯型装置100のハードウェア構成および携帯型装置100の機能構成と同一であるため、その説明を省略する。ただし、第3の実施の形態においては、アクセス制御情報記憶部162の共有領域が、第1の共有領域S1、第2の共有領域S2、・・・、第nの共有領域Snとして提供される。
【0103】
まず、第3の実施の形態において、アクセス制御情報記憶部162に記憶されるアクセス制御情報に関して説明する。
図15は、第3の実施の形態のアクセス制御情報のデータ構造例を示す図である。アクセス制御情報162bには、電話番号を示す項目、IPアドレスを示す項目、共有領域S1を示す項目、共有領域S2を示す項目、・・・、共有領域Snを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、共有領域へのアクセス許可情報を構成する。
【0104】
電話番号を示す項目およびIPアドレスを示す項目には、図5におけるアクセス制御情報162aと同一の項目に設定される内容を同じ内容が設定されるため、その説明を省略する。共有領域S1を示す項目には、第1の共有領域S1に対してアクセスが許可されているか否かが設定される。共有領域S2を示す項目には、第2の共有領域S2に対してアクセスが許可されているか否かが設定される。そして、共有領域Snを示す項目には、第nの共有領域Snに対してアクセスが許可されているか否かが設定される。
【0105】
アクセス制御情報162bには、例えば、電話番号が“090−1111−2222”であり、IPアドレスが“10.1.0.1”であり、共有領域S1が“アクセス可”であり、共有領域S2が“アクセス不可”であるという情報が設定される。これは、電話番号が“090−1111−2222”という電話番号で指定される携帯型装置等との通話中に、ネットワーク10を介して共有領域へのアクセスを許可したいアクセス要求元のIPアドレスが“10.1.0.1”であり、更に、第1の共有領域S1へのアクセスは許可とするが、第2の共有領域S2および第nの共有領域Snへのアクセスは不許可とすることを示している。なお、第3から第n−1までの共有領域に関しては、アクセスが許可または不許可のいずれであっても構わない。
【0106】
次に、共有データ記憶部161に記憶されるアクセス許可テーブルに関して説明する。
図16は、第3の実施の形態のアクセス許可テーブルのデータ構造例を示す図である。アクセス許可テーブル161bには、アクセス制御部163により、アクセス制御情報162bに基づいて、通話中に共有領域へのアクセスが許可されたIPアドレスが格納される。共有領域毎にアクセスが許可されたIPアドレスが格納される点が、第1の実施の形態と異なる。
【0107】
アクセス許可テーブル161bには、アクセス許可IPアドレスを示す項目が設けられている。アクセス許可IPアドレスを示す項目には、更に、共有領域S1を示す項目、共有領域S2を示す項目、・・・、共有領域Snを示す項目が設けられている。共有領域S1を示す項目には、第1の共有領域S1へのアクセスが許可されているアクセス要求元のIPアドレスが設定される。共有領域S2を示す項目には、第2の共有領域S2へのアクセスが許可されているアクセス要求元のIPアドレスが設定される。そして、共有領域nを示す項目には、第nの共有領域Snへのアクセスが許可されているアクセス要求元のIPアドレスが設定される。
【0108】
アクセス許可テーブル161bには、例えば、アクセス許可IPアドレス(共有領域S1)が“10.1.0.1”であり、アクセス許可IPアドレス(共有領域S2)が“−(ハイフン)”、アクセス許可IPアドレス(共有領域Sn)が“−(ハイフン)”という情報が設定される。これは、共有データ記憶部161の第1の共有領域S1に対して、IPアドレスが“10.1.0.1”である要求元の携帯型装置等のアクセスが許可された状態であることを示している。そして、“−(ハイフン)”が設定された共有領域に関しては、外部からのアクセスが不許可とされていることを示している。
【0109】
次に、以上のような構成およびデータ構造を備える携帯型装置100において実行されるデータ共有の処理の詳細を説明する。
図17は、第3の実施の形態のデータ共有処理を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、図17では、携帯型装置100に携帯型装置200からの着信によって通話が開始される場合を想定するものとする。なお、ステップS11〜ステップS13およびステップS17は、図7にて同一の符号を付して示した処理と同じ内容であるため、その説明を省略する。
【0110】
[ステップS14a]アクセス制御部163は、アクセス制御情報記憶部162に記憶されたアクセス制御情報162bに、受け付けた電話番号が含まれるかを判定する。含まれている場合、処理がステップS15aに移される。含まれていない場合、以降のデータ共有処理は行われずに、処理が完了する。
【0111】
[ステップS15a]アクセス制御部163は、アクセス制御情報162bに基づいて、受け付けた電話番号に対応する携帯型装置200のIPアドレスと、更にそのIPアドレスを要求元としたアクセスが許可されている共有領域とを特定する。そして、アクセス制御部163は、共有データ記憶部161のアクセス許可テーブル161bの特定した共有領域の項目に、特定したIPアドレスを登録する。
【0112】
[ステップS16a]携帯型装置200は、共有データ記憶部161の上記ステップS15aで特定された共有領域に対するアクセスが可能となる。アクセス制御部163は、データ通信部164を介して携帯型装置200からのアクセス要求を受け付けた場合、要求元の端末のIPアドレスがアクセス許可IPアドレスに含まれるなら、共有領域へのアクセス要求で指定される操作を許可し、操作結果を応答する。
【0113】
[ステップS18a]アクセス制御部163は、無線通話部141により出力された通話終了通知を受け付けると、共有データ記憶部161に記憶されたアクセス許可テーブル161bに設定されたIPアドレスを削除する。
【0114】
[ステップS19a]携帯型装置200は、共有データ記憶部161の上記ステップS15aで特定された共有領域に対するアクセスが不可能となる。
このようにして、携帯型装置100と携帯型装置200との通話中の間、携帯型装置100は、携帯型装置200に対して所望の共有領域を複数の共有領域の中から自動的に判別して共有させることができる。
【0115】
図18は、第3の実施の形態の携帯型装置間でのデータ共有の様子を表す模式図である。携帯型装置100,200の各部の構成は、図2,4に同一の符号を付して示した構成と同じであるため、その説明を省略する。なお、携帯型装置100の共有データ記憶部161には、携帯型装置によってその所有するユーザを特定して、ユーザ毎に共有領域が設けられている。共有データ記憶部161には、例えば、ユーザB用共有領域161c、ユーザC用共有領域161d、ユーザD用共有領域161eおよびユーザE用共有領域161fが、各ユーザの所有する携帯型装置との通話中に、それぞれの携帯型装置のIPアドレスを要求元としたアクセスを許可することによって設けられている。ユーザAは、このような設定を、例えば、携帯型装置100で実行されるアクセス制御情報を設定するための専用のアプリケーションを用いて行うことができる。
【0116】
そして、携帯型装置100は、例えば、ユーザBが使用する携帯型装置200からの着信を受け付けると、その通話中の間のみ、携帯型装置200に対してユーザB用共有領域161cへのアクセスを許可する。ユーザBは、その他のユーザ用の領域にはアクセスすることができない。同様に、ユーザCが使用する携帯型装置(図示せず)からの着信を受け付けると、その通話中の間のみ、ユーザCが使用する携帯型装置に対してユーザC用共有領域161dへのアクセスを許可する。なお、ユーザDおよびユーザEが利用する携帯型装置からの着信を受け付けた場合に関しても同様である。
【0117】
このように、ユーザ毎に共有領域を使い分けることで、ユーザ毎に共有したい資料などのデータを予め用意することができ、第1の実施の形態の効果に加えて更に利便性が向上する。なお、本実施の形態で説明した、アクセス制御情報162bおよびアクセス許可テーブル161bのデータ構成は、第2の実施の形態のアクセス制御情報184aおよびアクセス許可テーブルにも適用することができる。第2の実施の形態のアクセス制御情報184aおよびアクセス許可テーブルに関しても、共有領域毎に許可されるアクセス要求元のIPアドレスが設定されることによって、第3の実施の形態で実現される効果と同等の効果を得ることができる。
【0118】
以上、情報処理装置、データ共有方法およびデータ共有プログラムを図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、これらに他の任意の構成物や行程が付加されてもよい。また、これらは前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0119】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、コンピュータが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記携帯型装置100処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0120】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)などがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto - Optical disk)などがある。
【0121】
上記プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータに格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0122】
上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】実施の形態に係る情報処理装置の概念図である。
【図2】第1の実施の形態のシステム構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の携帯型装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の携帯型装置の機能を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態のアクセス制御情報のデータ構造例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態のアクセス許可テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態のデータ共有処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態の携帯型装置間でのデータ共有の様子を表す模式図である。
【図9】第2の実施の形態のシステム構成を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の携帯型装置のハードウェア構成を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の携帯型装置の機能を示すブロック図である。
【図12】第2の実施の形態のアクセス制御情報のデータ構造例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態のデータ共有処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の携帯型装置間でのデータ共有の様子を表す模式図である。
【図15】第3の実施の形態のアクセス制御情報のデータ構造例を示す図である。
【図16】第3の実施の形態のアクセス許可テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図17】第3の実施の形態のデータ共有処理を示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態の携帯型装置間でのデータ共有の様子を表す模式図である。
【符号の説明】
【0124】
1 携帯型装置
1a 通話部
1b 共有データ記憶部
1c アクセス制御情報記憶部
1d 通話先情報出力部
1e アクセス制御部
1f データ通信部
2 情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他装置と接続可能な情報処理装置において、
電話による通話を行うための通話部と、
他装置と共有するデータを格納するための共有領域を提供する共有データ記憶部と、
前記共有領域への前記ネットワークを介したアクセスを許可する他装置を、少なくとも通話の通話先を特定する情報である通話先特定情報に対応付けることにより定義したアクセス制御情報を記憶するアクセス制御情報記憶部と、
前記通話部による通話が開始されると、該通話の通話先に基づき前記通話先特定情報を出力する通話先情報出力部と、
前記通話先情報出力部が出力した前記通話先特定情報が前記アクセス制御情報記憶部に記憶された前記アクセス制御情報に含まれているかを判定し、前記通話先特定情報が含まれている場合、前記通話先特定情報に対応する前記他装置からの前記共有領域への前記ネットワークを介したアクセスを許可するアクセス制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記アクセス制御部は、前記通話部による通話が終了すると、前記アクセスを不許可とする、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記共有データ記憶部には複数の前記共有領域が設けられ、
前記アクセス制御情報記憶部は、前記共有領域毎に、前記アクセスを許可する前記他装置に対応する前記通話先特定情報を設定した前記アクセス制御情報をそれぞれ記憶しており、
前記アクセス制御部は、前記共有領域毎に対応する前記アクセス制御情報を用いて、前記判定を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1の情報処理部と、
前記第1の情報処理部と並列に動作可能な第2の情報処理部と、
を有し、
前記通話部および前記通話先情報出力部が前記第1の情報処理部によって実現され、
前記アクセス制御情報記憶部および前記アクセス制御部が前記第2の情報処理部によって実現され、
前記共有データ記憶部が前記第2の情報処理部に接続される、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通話先特定情報は、通話の通話先の電話番号であり、
前記アクセス制御情報には、前記共有領域にアクセスする前記他装置の前記ネットワーク上のアドレス情報と、前記電話番号とが、対応付けて記憶されている、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アクセス制御部は、前記通話部における通話中において、前記共有領域にアクセスを要求した前記他装置から前記アドレス情報の通知を受け、前記アクセス制御情報に基づいてアクセスを許可するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通話部は、前記ネットワークと接続することで当該ネットワークを通じて通話するための機能を実現し、
前記通話先特定情報は、前記通話部による通話の通話先の前記ネットワーク上のアドレス情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は携帯型装置であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークを介して他装置と接続可能な情報処理装置のデータ共有方法において、
通話部が電話による通話を行い、
共有データ記憶部が、前記他装置と共有するデータを格納するための共有領域を提供し、
通話先情報出力部が、前記通話部による通話が開始されると、該通話の通話先に基づき該通話先を特定する情報である通話先特定情報を出力し、
アクセス制御部が、前記通話先情報出力部が出力した前記通話先特定情報が、前記共有領域への前記ネットワークを介した前記アクセスを許可する他装置を、少なくとも通話の通話先を特定する情報である通話先特定情報に対応付けることにより定義したアクセス制御情報を記憶するアクセス制御情報記憶部に記憶された前記アクセス制御情報に含まれているかを判定し、前記通話先特定情報が含まれている場合、前記通話先特定情報に対応する前記他装置からの前記共有領域への前記ネットワークを介した前記アクセスを許可する、
ことを特徴とするデータ共有方法。
【請求項10】
他装置と共有するデータを格納するための共有領域を提供する共有データ記憶部を備えたコンピュータであり、前記コンピュータに前記共有領域へのアクセスを制御するためのデータ共有プログラムにおいて、
該コンピュータに、
該コンピュータが備える通話部による通話が開始されると、該通話の通話先に基づき該通話先を特定する情報である通話先特定情報を出力するステップと、
出力された前記通話先特定情報が、前記共有領域へのネットワークを介したアクセスを許可する他装置を、少なくとも通話の通話先を特定する情報である通話先特定情報に対応付けることにより定義したアクセス制御情報に含まれているかを判定するステップと、
前記判定の結果、前記通話先特定情報が含まれている場合、前記通話先特定情報に対応する前記他装置からの前記共有領域への前記ネットワークを介した前記アクセスを許可するステップと、
を実行させるためのデータ共有プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−230370(P2009−230370A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73820(P2008−73820)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】