説明

情報処理装置及びその制御方法

【課題】 一台のカメラで、複数の画像をディスプレイ一画面に並べて表示することはができない。
【解決手段】 第1の撮像対象物の映像を表示させている最中に撮像して取得した第1の撮像対象物の映像を記憶装置に記憶させる(S302)。撮影方向の制御により前記第1の撮像対象物よりも後に撮像された第1の撮像対象物とは異なる第2の撮像対象物の映像を表示装置に表示させる場合(S303)に、記憶装置に記憶された第1の撮像対象物の映像を、第2の撮像対象物の映像と併せて表示させるよう表示装置を制御する(S304)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撮像対象物の映像をディスプレイ画面に並べて表示する情報処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ会議システムでは、第1の撮像対象物(会議の参加者)をテレビジョンに表示させるだけでなく、第2の撮像対象物(例えば、ホワイトボードやプロトタイプ)をテレビジョンに表示しながら説明することによって、テレビ会議を円滑に行う場合が多い。そして、このような2つの撮像対象物を一画面に並べて表示をして議論することにより、更にテレビ会議が円滑に進む。
【0003】
特許文献1には、複数の撮像対象物を一画面にマルチ表示させる場合に関する方法が開示されている。この方法では、複数のネットワークカメラを用いて複数の撮像対象物を撮像し、撮像して得られた映像を一画面に並べて表示する。
【特許文献1】特開2006-340319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した特許文献1に記載の方法では、複数のネットワークカメラを用いて複数の撮像対象物を撮像しなければならない。つまり、一台のネットワークカメラを用いてテレビ会議を行いたい場合は、複数の撮像対象物を同時に一画面に表示することが不可能である。
【0005】
したがって、本発明は、一台のネットワークカメラで複数の撮像対象物を同時に一画面に表示できる情報処理装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、撮像装置の撮影方向を制御することで複数の撮像対象物を撮像し、該撮像により得た映像を表示装置に表示させる情報処理装置に係り、第1の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させている最中に撮像して得た前記第1の撮像対象物の映像を記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、前記撮影方向の制御により前記第1の撮像対象物よりも後に撮像された前記第1の撮像対象物とは異なる第2の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させる場合に、前記記憶装置に記憶された前記第1の撮像対象物の映像を、前記第2の撮像対象物の映像と併せて表示させるよう制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一台のネットワークカメラで複数の撮像対象物を一画面に並べて表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決手段として必須のものであるとは限らない。
【0009】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るテレビ会議システムの構成を示すブロック図である。
【0010】
100は、撮像装置105の撮影方向を制御することで複数の撮像対象物の映像を撮像し、該映像を表示装置106に表示させる情報処理装置である。情報処理装置100において、101は数値演算・制御等の処理を行う中央処理装置(CPU)であり、本発明の手順に従って演算を行う。102はディスク装置や不揮発メモリ等の外部記憶装置である。103はRAM等の一時情報を保持するメモリであり、本発明における処理を行う為の一時的なデータが保持される。104は制御メモリ(ROM)である。
【0011】
105は撮像対象物を撮像する撮像装置であり、パン、チルト、ズーム機能を備えたカメラ等である。なお、本明細書において、「映像」は静止画像、動画像を含みうるものとする。106は映像を表示する表示装置であり、モニタあるいはディスプレイ等ともいう。107は撮像装置105の遠隔操作ができる遠隔操作装置(以下、単に「リモコン」ともいう。)である。
【0012】
図2は、本実施形態における情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図2において、撮像部201は撮像装置105を用いて撮像対象物を撮像する。表示制御部202は、撮像部201で撮像された映像の表示装置106への表示を制御する。記憶制御部202は、撮像部201で生成された映像データの外部記憶装置102への記憶を制御する。遠隔操作部204は、遠隔操作装置107からの操作情報に基づき、撮像装置105のパン、チルト、ズーム等の遠隔操作を行う。
【0014】
図3は、本実施形態における情報処理装置100の処理を示すフローチャートである。
【0015】
ステップS301では、撮像部201が第1の撮像対象物を撮像し、第1の撮像対象物の映像を生成する。また、表示制御部202は、撮像部201が生成した第1の対象物の映像を表示装置106に表示する。
【0016】
ステップS302では、撮像部201が、遠隔操作部204から、第1の撮像対象物とは異なる第2の撮像対象物に撮像装置105を向ける旨の信号を受信する。また、撮像部201が、第1の撮像対象物の映像(例えば、静止画像)を生成する。生成された静止画像は、第1の撮像対象物の映像の表示の最中に、外部記憶装置102に保持される。
【0017】
ステップS303では、第2の撮像対象物に撮像装置105を向ける。
【0018】
ステップS304では、撮像部201が、第2の撮像対象物を撮像し、第2の撮像対象物の映像を生成する。また、表示制御部202は、撮像部201が生成した第2の対象物の映像および外部記憶装置102に保持されている第1の撮像対象物の静止画像を併せて表示装置106に表示する。
【0019】
以上の図3に示した制御処理の流れを、具体例を用いて示す。ここでは、2拠点で音声や映像を通信するテレビ会議システムを想定している。撮像対象物はホワイトボードと会議の参加者である。第1の撮像対象物をホワイトボード、第2の撮像対象物を会議の参加者とする。ネットワークカメラ(撮像装置105)でホワイトボードと会議の参加者を撮像する。これらの映像を2拠点のディスプレイで表示する。なお、ネットワークカメラは、パン、チルト、ズームの機能を備えており、リモコンにより遠隔操作ができる。
【0020】
図7および図8は、実施形態1におけるテレビ会議システムの動作例を示す図である。
【0021】
ステップS301では、ネットワークカメラ701がホワイトボード702を撮像し、ホワイトボード702の映像802を生成する。また、ディスプレイ801は、ネットワークカメラ701が生成したホワイトボード702の映像802を表示する。ここで、図7のテレビ会議室にあるディスプレイ703と図8のディスプレイ801は同じディスプレイである(図8(a))。
【0022】
ステップS302では、会議の参加者704を撮像するために操作された遠隔操作装置107からのリモコン信号を受信する。また、ネットワークカメラ701が、リモコン操作開始の旨の信号を受信し、ホワイトボード702の静止画像804を生成する。
【0023】
ステップS303では、リモコンの操作により、ネットワークカメラ701を会議の参加者704に向ける。
【0024】
ステップS304では、ネットワークカメラ701が参加者704を撮像し、会議の参加者704の映像803を生成する。このとき、ディスプレイ801には、ネットワークカメラ701が生成した会議の参加者704の映像803と、静止画像804が併せて表示される(図8(b))。
【0025】
ここで更に、ホワイトボード702を撮像するためにリモコン操作を開始すると、会議の参加者704の静止画像806を生成する。
【0026】
次に、リモコン操作によりネットワークカメラ701がホワイトボード702に向き、ホワイトボード702を撮像する。このとき、ディスプレイ801には、撮像したホワイトボード702の映像805と会議の参加者704の静止画像806が併せて表示される。(図8(c))
【0027】
ここで、ステップS301〜S304において、リモコン操作により初期のホワイトボードの映像のみを表示した状態に戻すように指示すると、ネットワークカメラがホワイトボードを撮像し、ディスプレイにはホワイトボードの映像のみが表示される。
【0028】
本実施形態では、ステップS303において静止画像を生成し表示したが、ある一定の間に撮像した動画像を生成し表示してもよい。
【0029】
また、本実施形態では、リモコン操作によりネットワークカメラを制御していたが、キーボードやマウス等のその他のデバイスを用いて制御してもよい。
【0030】
また、ステップS303で生成する静止画像はステップS302でリモコン信号を受信した時に生成していたが、ステップS301で映像を生成している時に静止画像を生成しても良いことはいうまでもない。
【0031】
また、第1の撮像対象物と第2の撮像対象物にディスプレイに表示する優先順位を付与し、優先順位が高いほうを表示してもよい。この場合、例えば外部記憶装置102は優先順位記憶手段として、優先順位を記憶しておく。ここで、各撮影対象物の映像は、各撮影対象物の優先順位と対応付けて記憶される。
【0032】
また、上記実施形態では、ステップS304において、会議の参加者とホワイトボードの2つの撮像対象物があった場合、会議の参加者とホワイトボードの2つの静止画像を生成し表示した。しかし、このかわりに、2つの撮像対象物に優先順位を付与し、2つのうち優先順位の高い方の撮像対象物のみ静止画像を生成し表示してもよい。あるいは、2つの撮像対象物に優先順位を付与するのではなく、2つの撮像対象物の内、一つにフラグを立て、フラグを立てた撮像対象物のみ静止画像を生成し表示してもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、2拠点で画像や音声を通信しあうテレビ会議システムを想定した。ただし、一方の拠点のテレビ会議室にあるディスプレイ703で表示する画像を、もう一方の拠点のディスプレイで表示しても良いことは言うまでもない。
【0034】
また、2拠点で通信しあうテレビ会議システムだけでなく、3拠点以上で通信しあうテレビ会議システムも考えられる。この場合、ディスプレイ703で表示する画像は、複数の拠点にあるディスプレイで表示しても良いことは言うまでもない。
【0035】
また、本実施形態ではテレビ会議システムを想定したが、本発明はこれに限らず、監視用モニタリングシステム等のネットワークカメラを用いたシステムに適用できることは言うまでもない。
【0036】
(実施形態2)
上述の実施形態1では、ステップS302で第2の撮像対象物にパン、チルト、ズームをするタイミングは、リモコン等の遠隔操作部により決定されていたが、本実施形態ではこれに限定されるものではない。
【0037】
具体的には、音声方向検知技術を用いれば、第2の撮像対象物から音声を検知し、撮像部からの第2の撮像対象物の音源方向を特定することができる。次に、撮像装置は、特定された音源方向にパン、チルト、ズームし第2の撮像対象物を撮像する。
【0038】
ここで、音声とは、撮像対象物方向から発生する音声であり、例えば会議の参加者の会話やホワイトボードを書く時に出る音である。撮像装置が適切にパン、チルト、ズームをすることができるように、雑音や短い時間の音声に反応しないように制御することが望ましい。
【0039】
図11は、本実施形態に係るテレビ会議システムの構成を示すブロック図である。情報処理装置1100における1101乃至1106の機能はそれぞれ、図1の101乃至106の機能と同じである。1107は、音声の発生方向を検知する音声方向検知装置である。
【0040】
図12は、本実施形態における情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。1201乃至1203の機能はそれぞれ、図2の201乃至203の機能と同じである。音声方向検知部1204は、音声方向検知装置1107を用いて、撮像対象物の方向から音声を検知し、撮像対象物の方向を特定する。
【0041】
図4は、本実施形態における情報処理装置1100の処理を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS1301はステップS301と同じである。すなわち、ステップS1301では、撮像部1201が第1の撮像対象物を撮像し、第1の撮像対象物の映像を生成する。また、表示制御部1202は、撮像部1201が生成した第1の対象物の映像を表示装置1106に表示する。
【0043】
ステップS1302では、音声方向検知部1204が第2の撮像対象物方向から音声を検知し第2の撮像対象物の方向を特定する。また、第1の撮像対象物の静止画像を生成する。
【0044】
ステップS1303では、方向が特定された第2の撮像対象物に撮像装置1105を向ける。
【0045】
ステップS1304は、ステップS304と同じである。すなわち、ステップS1304では、撮像部1201が、第2の撮像対象物を撮像し、第2の撮像対象物の映像を生成する。また、表示制御部1202は、撮像部1201が生成した第2の対象物の映像および外部記憶装置1102に保持されている第1の撮像対象物の静止画像を併せて表示装置1106に表示する。
【0046】
ここで本実施形態では、ステップS1303で生成する静止画像はステップS1302で音声を検知した時に生成したが、ステップS1301で映像を生成している時に静止画像を生成してもよい。
【0047】
(実施形態3)
上述の実施形態1、2では、第1と第2の2個の撮像対象物を撮像する場合を想定していた。以下の実施形態3では、K(K≧3)個の撮像対象物を撮像する場合を説明する。
【0048】
図5は、実施形態3における情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0049】
図5において、501乃至504の機能はそれぞれ、図12の1201乃至1204の機能と同じである。優先順位保持部505は、K個の撮像対象物に付与される優先順位の優先順位情報が外部記憶装置1102に保持される。
【0050】
図6は、本実施形態における情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS601では、K個の撮像対象物に対して優先順位が決定される。K個の撮像対象物と優先順位の優先順位情報が優先順位保持部505に保持される。
【0052】
ステップS602では、撮像部501が撮像対象物Mを撮像し、撮像対象物Mの映像を生成する(撮像対象物Mは、K個の撮像対象物のうち、どれか一つである。)。また、表示制御部502が、撮像部501が生成した撮像対象物Mの映像を表示装置1106に表示する。
【0053】
ステップS603では、音声方向検知部504が撮像対象物Nの方向から音声を検知し撮像対象物Nの方向を特定する。次に、方向検知された撮像対象物Nが、撮像対象物Mと異なる場合、ステップS604に移る。
【0054】
ステップS604では、撮像部501が、ステップS603の条件を満たした時に第1の撮像対象物Mの静止画像を生成する。生成された静止画像は、記憶制御部503によって外部記憶装置1102に保持される。
【0055】
ステップS605では、撮像装置1105を、音声方向検知部504が検知した撮像対象物Nに向け、撮像対象物Nを撮像し、撮像対象物Nの映像を生成する。また、表示制御部502が、撮像部501が生成した撮像対象物Nの映像および外部記憶装置1102に保持されている撮像対象物Mの静止画像を表示する。表示される静止画像は、優先順位保持部505が保持している優先順位情報をもとに、外部記憶装置1102に保持されている静止画像の中から、映像を生成している撮像対象物N以外であって、一番優先順位の高い静止画像を合わせて表示する。
【0056】
ステップS605が終了するとステップS603に戻る。ここで、ステップS605の撮像対象物NとステップS603に戻った時の撮像対象物Nは異なる。
【0057】
また、ステップS602とステップS605では、ステップS603の条件が満たされない限り、ステップS602とステップS605を継続して行う。
【0058】
以上の図6の処理の流れを、具体例を用いて示す。ここでは、テレビ会議システムを想定しており、撮像対象物はホワイトボードと会議の参加者およびプロトタイプである。ネットワークカメラでホワイトボードと会議の参加者とプロトタイプを撮像し、映像と静止画像を生成する。生成した映像と静止画像をディスプレイの2つのウィンドウで表示する。2つのウィンドウは、映像を表示するウィンドウと静止画像を表示するウィンドウである。なお、ネットワークカメラは、パン、チルト、ズームの機能を備えており、撮像部501と音声方向検知部504の機能を備えている。ネットワークカメラが、ホワイトボード、プロトタイプ、会議の参加者の順番で撮像し、最後にホワイトボードを再び撮像する。2つのウィンドウに対する3つの撮像対象物の映像と静止画像の表示方法を説明する。
【0059】
図9および図10は、本実施形態3におけるテレビ会議システムの動作例を示す図である。
【0060】
ステップS601では、ホワイトボード902と会議の参加者904とプロトタイプ905に対して優先順位を決定する。ここで優先順位を、ホワイトボード902を1番、プロトタイプ905を2番、会議の参加者904を3番とした。
【0061】
ステップS602では、ネットワークカメラ901がホワイトボード902を撮像し、ホワイトボード902の映像1002を生成する。また、ディスプレイ1001が、ネットワークカメラ901が生成したホワイトボード902の映像1002を表示する。ここで、図9のテレビ会議室にあるディスプレイ903と図8のディスプレイ1001は同じディスプレイである(図10(a))。
【0062】
ステップS603では、ネットワークカメラ901が会議のプロトタイプ905の方向から音声を検知しプロトタイプ905の方向を特定するとステップS604に移る。
【0063】
ステップS604では、ネットワークカメラ901が、ステップS603で音声を検知した時にホワイトボード902の静止画像1004を生成する。
【0064】
ステップS605では、ネットワークカメラ901が方向を検知したプロトタイプ905を撮像し、プロトタイプ905の映像1003を生成する。また、ディスプレイ1001が、ネットワークカメラ901が生成した会議のプロトタイプ905の映像1003と、静止画像1004を表示する。この時点で、生成された静止画像は、静止画像1004のみなので、静止画像1004の優先順位が一番高くなる(図10(b))。
【0065】
ここで、ステップS603に戻り、ネットワークカメラ901が会議の参加者904の方向から音声を検知し会議の参加者904の方向を特定するとステップS604に移る。
【0066】
ステップS604では、ネットワークカメラ901が、ステップS603でホワイトボード以外からの音声を検知した時にプロトタイプ905の静止画像1008を生成する。
【0067】
ステップS605では、ネットワークカメラ901が方向を検知した会議の参加者904を撮像し、会議の参加者904の映像1005を生成する。また、ディスプレイ1001が、ネットワークカメラ901が生成した会議の参加者904の映像1005を表示する。ここで、ホワイトボード902とプロトタイプ905では、ホワイトボード902のほうが優先順位が高いので、ホワイトボード902の静止画像1004をディスプレイ1001に表示する(図10(c))。
【0068】
ここで、再度、ステップS603に戻り、ネットワークカメラ901がホワイトボード902の方向から音声を検知しホワイトボード902の方向を特定するとステップS604に移る。
【0069】
ステップS604では、ネットワークカメラ901が、ステップS603で会議の参加者以外からのプロトタイプ以外からの音声を検知した時に会議の参加者904の静止画像を生成する。
【0070】
ステップS605では、ネットワークカメラ901が方向を検知したホワイトボード902を撮像し、ホワイトボード902の映像1007を生成する。また、ディスプレイ1001が、ネットワークカメラ901が生成したホワイトボード902の映像1007を表示する。ここで、会議の参加者904とプロトタイプ905では、プロトタイプ905のほうが優先順位が高いので、プロトタイプ905の静止画像1008をディスプレイ1001に表示する(図10(d))。
【0071】
本実施形態では、ディスプレイの2つのウィンドウに映像1007と静止画像1008を表示していたが、本発明ではこれに限らず、ディスプレイのウィンドウを3つ以上にし、それぞれに映像を表示してもよい。
【0072】
また、優先順位に基づき、映像の配置や表示するウィンドウの大きさを調整してもよい。
【0073】
また、ステップS605では、ディスプレイの2つのウィンドウに映像1007と静止画像1008を表示していた。しかし、一番優先度が高い撮像対象物を撮像し映像を生成している場合は、撮像した映像のみをディスプレイに表示してもよい。
【0074】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0075】
なお、本発明は、前述した実施形態の各機能を実現するプログラムを、システム又は装置に直接又は遠隔から供給し、そのシステム又は装置に含まれるコンピュータがその供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0076】
したがって、本発明の機能・処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、上記機能・処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0077】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0078】
プログラムを供給するためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0079】
また、プログラムは、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからダウンロードしてもよい。すなわち、ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードする形態も考えられる。つまり、本発明の機能・処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の構成要件となる場合がある。
【0080】
また、本発明のプログラムを暗号化してコンピュータ読み取り可能なCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムをコンピュータにインストールしてもよい。
【0081】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現されてもよい。なお、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。もちろん、この場合も、前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0082】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。このようにして、前述した実施形態の機能が実現されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施形態1に係るテレビ会議システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1における情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態1における情報処理装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図4】実施形態2における情報処理装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】実施形態3における情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態3における情報処理装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1におけるテレビ会議システムの動作例を示す図である。
【図8】実施形態1における画面表示例を示す図である。
【図9】実施形態3におけるテレビ会議システムの動作例を示す図である。
【図10】実施形態3における画面表示例を示す図である。
【図11】実施形態2におけるテレビ会議システムの構成を示す図である。
【図12】実施形態2における情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置の撮影方向を制御することで複数の撮像対象物を撮像し、該撮像により得た映像を表示装置に表示させる情報処理装置であって、
第1の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させている最中に撮像して得た前記第1の撮像対象物の映像を記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、
前記撮影方向の制御により前記第1の撮像対象物よりも後に撮像された前記第1の撮像対象物とは異なる第2の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させる場合に、前記記憶装置に記憶された前記第1の撮像対象物の映像を、前記第2の撮像対象物の映像と併せて表示させるよう制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位を記憶する優先順位記憶手段を更に備え、
前記第1の撮像対象物は、前記第2の撮像対象物よりも優先順位が高いことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位を記憶する優先順位記憶手段を更に備え、
前記記憶制御手段は、前記第1の撮像対象物の映像を、該第1の撮像対象物の優先順位と対応付けて記憶させ、
前記表示制御手段は、前記第2の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させる場合に、前記記憶装置に記憶された前記第1の撮像対象物の映像の内、前記優先順位が最も高い映像を、前記第2の撮像対象物の映像と併せて表示させるよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
音声の発生方向を検知する音声方向検知手段と、
前記音声方向検知手段で検知した方向を撮影するよう前記撮像装置を制御する手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位を記憶する優先順位記憶手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記第2の撮像対象物の映像を表示装置に表示させる場合に、該第2の撮像対象物の優先順位が最も高い場合は、該第2の撮像対象物の映像のみを前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位を記憶する優先順位記憶手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記優先順位に基づいて、前記記憶装置に記憶された静止画像又は所定の動画像を前記表示装置へ表示する際の画像の配置方法及び大きさの少なくともいずれかを調整することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
撮像装置の撮影方向を制御することで複数の撮像対象物を撮像し、該撮像により得た映像を表示装置に表示させる情報処理装置の制御方法であって、
第1の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させている最中に撮像して得た前記第1の撮像対象物の映像を記憶装置に記憶させる記憶制御工程と、
前記撮影方向の制御により前記第1の撮像対象物よりも後に撮像された前記第1の撮像対象物とは異なる第2の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させる場合に、前記記憶装置に記憶された前記第1の撮像対象物の映像を、前記第2の撮像対象物の映像と併せて表示させるよう制御する表示制御工程と、
を有することを特徴とする情報処理の制御方法。
【請求項8】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位があらかじめ記憶装置に記憶されており、前記第1の撮像対象物は、前記第2の撮像対象物よりも優先順位が高いことを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位を記憶する優先順位記憶工程を更に有し、
前記記憶制御工程は、前記第1の撮像対象物の映像を、該第1の撮像対象物の優先順位と対応付けて記憶させ、
前記表示制御工程は、前記第2の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させる場合に、前記記憶装置に記憶された前記第1の撮像対象物の映像の内、前記優先順位が最も高い映像を、前記第2の撮像対象物の映像と併せて表示させるよう制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
音声の発生方向を検知する音声方向検知工程と、
前記音声方向検知工程で検知した方向を撮影するよう前記撮像装置を制御する工程と、
を更に有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位があらかじめ記憶装置に記憶されており、前記表示制御工程は、前記第2の撮像対象物の映像を前記表示装置に表示させる場合に、該第2の撮像対象物の優先順位が最も高い場合は、該第2の撮像対象物の映像のみを前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記複数の撮像対象物それぞれの優先順位があらかじめ記憶装置に記憶されており、前記表示制御工程は、前記優先順位に基づいて、前記記憶装置に記憶された前記第1の撮像対象物の映像を前記表示装置へ表示する際の画像の配置方法及び大きさの少なくともいずれかを調整することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の情報処理装置の制御方法を該情報処理装置に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−45539(P2010−45539A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207402(P2008−207402)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】