説明

情報処理装置

【課題】
ユーザが入力を中断した場合や、ログアウトした場合に、入力された設定情報を削除することで他のユーザへの当該設定情報の漏洩を防止し、かつ、再度ユーザが情報処理装置の使用を開始した際に、ユーザによる設定情報の入力中断時あるいはユーザの情報処理装置からのログアウト時の直前までに入力された設定情報を再現することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】
ユーザを認証する認証部と、認証部が認証したユーザの認証を解除するとともに入力された設定情報及び画面情報を削除する認証解除部と、ユーザにより入力された設定情報及び画面情報を外部記憶媒体に記憶させる記憶部と、認証部がユーザを認証した際に、記憶部により記憶された設定情報及び画面情報を外部記憶媒体から読み出し、読み出した設定情報及び画面情報に基づいて装置設定及び画面状況を再現する再現部と、を備える情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザ認証機能を備えた情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コピー,スキャナ,プリンタ,ファックス等の複数の機能を1つの筐体内に集約した複合機等の情報処理装置においては、不特定多数のユーザが利用できるように例えば、ファックスの宛先情報等の設定情報を個々のユーザ毎に記憶する記憶部を備えるものがある。
【0003】
このような情報処理装置においては、不特定多数のユーザによる設定情報の入力を容易とするために、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク等の外部記憶媒体を用いて設定情報の再入力を簡略化することが行われている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−125823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の情報処理装置では、不特定多数のユーザによる設定情報の入力は容易になるものの、設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが情報処理装置からログアウトした場合等に、ユーザが入力した設定情報が情報処理装置に記憶されたまま残るので、他のユーザに当該設定情報が漏洩してしまうといった問題があった。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが情報処理装置からログアウトした場合に、ユーザが入力した設定情報を削除することで他のユーザへの当該設定情報の漏洩を防止し、かつ、再度ユーザが情報処理装置の使用を開始した際に、ユーザによる設定情報の入力中断時あるいはユーザの情報処理装置からのログアウト時の直前までに入力された設定情報を再現することが可能な情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる情報処理装置は、ユーザを認証する認証部と、認証部が認証したユーザの認証を解除するとともにユーザにより入力された設定情報及び画面情報を削除する認証解除部と、認証解除部がユーザの認証を解除する際に、ユーザにより入力された設定情報及び画面情報を外部記憶媒体に記憶させる記憶部と、認証部がユーザを認証した際に、記憶部により記憶された設定情報及び画面情報を外部記憶媒体から読み出し、読み出した設定情報及び画面情報に基づいて装置設定及び画面状況を再現する再現部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる情報処理装置は、情報処理装置を使用するユーザを認証する認証部を備える。また、情報処理装置は、認証部が認証したユーザの認証を解除するとともにユーザにより入力された設定情報及び画面情報を削除する認証解除部を備える。かかる構成により、設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが情報処理装置からログアウトした場合等の認証部によるユーザの認証の解除時に、ユーザが入力した設定情報は情報処理装置から削除されることになる。また、この時、記憶部は外部記憶媒体にユーザが入力した設定情報及び画面情報を記憶させる。この外部記憶媒体に記憶された設定情報及び画面情報を読み取ることで、再現部はユーザによる設定情報の入力中断時あるいはユーザの情報処理装置からのログアウト時の直前までの装置設定及び画面状況を再現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報処理装置によれば、設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが情報処理装置からログアウトした場合に、ユーザが入力した設定情報を削除することで他のユーザへの当該設定情報の漏洩を防止し、かつ、再度ユーザが情報処理装置の使用を開始した際に、ユーザによる設定情報の入力中断時あるいはユーザの情報処理装置からのログアウト時の直前までに入力された設定情報を再現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の実施形態においては、通信回線網を通じて相手先の情報処理装置とのファックス信号の送受信を行うファックス送受信部と、原稿上の画像を読み取り、読み取った画像から画像情報を生成するスキャン部と、ファックス送信部を介して受信したファックス信号に基づく画像情報やスキャン部で生成した画像情報を画像として記録媒体に印刷する印刷部とを備えた情報処理装置を一例として説明する。このような構成を有する情報処理装置は、例えば、相手先の情報処理装置から送信されたファックス信号に基づく画像情報を画像として記録媒体に印刷することが可能である。また、スキャン部で読み取った画像に基づくファックス信号をファックス送受信部を介して相手先の情報処理装置に送信することも可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる情報処理装置としての複合機100の機能構成を説明する機能構成図である。
複合機100は、スキャン部11から入力された画像情報をファックス信号に変換し、通信回線網を介して相手先の通信装置に送信するファクス送受信部10と、ユーザにより指定された設定値に基づいて原稿上の画像を読み取るスキャン部11と、ファックス送受信部10又はスキャン部11から入力された情報を画像として用紙に印刷する印刷部12と、複合機100各部を制御する所定のプログラムやユーザにより入力された設定情報を操作状態データとして一次的に記憶する図示せぬ内部メモリ部と、各種設定画面を表示し、表示した画面に対してユーザが入力した各種設定情報の入力を受付ける操作部101と、外部記憶媒体としての外部メモリ200の複合機100への着脱を検出し、また複合機100に接続された外部メモリ200に対して情報の書き込みを行う外部メモリ接続部102と、ユーザの認証を行う認証部103と、ユーザの識別情報や認証情報を記憶する認証記憶部104と、認証下にあるユーザの認証を解除する認証解除部105と、ユーザにより入力された設定情報や操作部101が表示させている画面状況等を外部メモリ200に記憶させる操作状態保存部106と、ユーザにより入力された設定情報や操作部101が表示している画面状況等を外部メモリ200から読み出して、操作部101に再現させる操作状態再現部107と、ファックス送受信部10,スキャン部11,印刷部12を管理し、ユーザの指示に基づいて実行指令を供給する機能管理部108と、操作部101,外部メモリ接続部102,認証部103,認証解除部105,操作状態保存部106,操作状態再現部107を接続するバス109とを備える。
【0011】
ファックス送受信部10は、スキャン部11から入力された画像情報としてのデジタル信号を通信回線網の信号伝送帯域及び相手先通信装置のファックス信号受信能力等に適合するように変換し、通信回線網を介して相手先の通信装置に送信する。また、相手先通信装置から送信されたファックス信号を復調してデジタル信号化する。このファックス送受信部10は、既知の所定の伝送制御手段に従ってファックス通信を行うことができる。
【0012】
スキャン部11は、例えばフラットヘッドスキャナにより構成され、原稿載置面としてのガラス面に載置された原稿に形成された画像を読み取る。具体的にはスキャン部11は、原稿に光を照射して反射光を受光するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等からなる読取センサを備えたキャリッジと、キャリッジを画像の読み取り方向に対して垂直方向に移動させるステッピングモータ等を有する。このようなスキャン部11は、ステッピングモータの駆動に伴いキャリッジを移動させることで用紙上に形成された画像をスキャンする。そして読取センサによる読み取り結果は、アナログ画像信号として出力され、A/Dコンバータによりデジタル信号化される。
【0013】
印刷部12は、少なくとも、用紙を収容する用紙トレイと、用紙を用紙トレイからピックアップするピックアップローラと、用紙を搬送する搬送ローラと、用紙を画像形成ユニットに導入する無端の搬送ベルトと、入力されたデジタル信号に基づくトナー画像を用紙上に形成する電子写真方式の画像形成ユニットと、用紙上に形成されたトナー画像を定着させる定着ユニットと、トナー画像が定着された用紙を外部に排出する排出ローラと、各ローラに駆動力を供給する駆動部と、印刷ユニットや定着ユニットを構成する所定の部材に高電圧を印加する電源部とを有する。これらの部材が協調動作することにより、ファックス送受信部10又はスキャン部11から入力されたデジタル信号に基づく画像を用紙に印刷することができる。
【0014】
内部メモリ部は、所定のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、演算装置が利用するワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを備える。
【0015】
操作部101は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の図示せぬ表示装置に対して各種設定画面の表示指令を供給する。この各種設定画面にはそれぞれ画面を一意に特定するための名称が付けられており、後ほど詳細に説明する。また、操作部101は、表示装置に表示させた各種設定画面を介して、ユーザによる設定情報の入力を受付ける。このユーザによる設定情報の入力の受付けは、例えば、表示装置に表示させたタッチパネルを用いることができる。そして、タッチパネルを介して入力された設定情報は、内部メモリに記憶される。
【0016】
外部メモリ接続部102は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェース等の外部機器接続インタフェースを備え、外部記憶媒体としての外部メモリ200の複合機100への着脱を検出する。また、外部メモリ接続部102は、後述する操作状態保存部106又は操作状態再現部107の指令に基づいてユーザにより入力された設定情報や、操作部101が表示させている画面状況等の外部メモリ200への書き込み又は読み出しを行う。
【0017】
認証部103は、ユーザが複合機100を使用する権限を有するか否かの判定を行う。この認証部103によるユーザの認証は、後述する外部メモリ200に記憶されたユーザIDとタッチパネルを介してユーザにより入力されたパスワードとの照合結果に基づいて行われる。そして、認証の結果、ユーザが複合機100を使用する権限を有していると判定すると、認証部103は、ユーザIDを認証記憶部104に記憶させることにより、このユーザが認証下にあることを把握しておく。
【0018】
認証記憶部104は、例えばハードディスクドライブ等の記憶装置を備え、認証部103により認証を受けたユーザが認証解除部105により認証を解除されるまでの間、ユーザのユーザIDを記憶する。また、認証記憶部104は、認証部103がユーザの認証の際に参照するユーザのユーザID及びパスワードから構成されるユーザ情報を記憶する。
【0019】
認証解除部105は、認証部103により認証を受けたユーザの認証を解除する。認証解除部105は、設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが複合機100からログアウトした場合等に、ユーザの認証を解除する。具体的には、認証解除部105は、一定期間、ユーザにより設定情報の入力が無い場合や、ユーザが複合機100からログアウトすると、認証記憶部104に記憶されているユーザのユーザIDを削除する。また、認証解除部105は、ユーザIDを解除する際に、ユーザにより内部メモリに記憶された設定情報を削除し、また、操作部101に対して表示させている画面の表示を停止するよう指令を供給する。認証解除部105によりユーザの認証が解除されると、複合機100を使用するためにユーザは再度認証を受けなければ使用することができなくなる。
【0020】
操作状態保存部106は、認証解除部105がユーザの認証を解除する前に、ユーザにより入力された設定情報や操作部101が表示させている画面状況等を外部メモリ200に記憶させるよう外部メモリ接続部102に指令を供給する。
【0021】
操作状態再現部107は、一旦認証が解除されたユーザが、再度認証を受けた際に、外部メモリ接続部102に対して外部メモリ200に記憶された設定情報や画面状況等を読み出すよう指令を供給する。読み出された設定情報や画面状況に基づいて操作状態再現部107は、操作部101にユーザが認証を解除される直前の画面状況を再現するよう指令を供給する。
【0022】
機能管理部108は、ファックス送受信部10,スキャン部11,印刷部12を管理する。機能管理部108は、ユーザにより入力された指令に基づいてファックス送受信、スキャン、印刷のいずれかの実行指示を供給する。
【0023】
バス109は、操作部101,外部メモリ接続部102,認証部103,認証解除部105,操作状態保存部106,操作状態再現部107を接続する信号線である。各部から信号が供給される場合には、送信先を示すヘッダを信号に付加されることで、送信先が指定される。
【0024】
外部メモリ200は、ユーザにより入力された設定情報や、操作部101が表示させている画面状況が記憶される外部記録媒体である。また、外部メモリ200には、認証部103がユーザの認証の際に使用するユーザのユーザIDが記憶される。外部メモリ200には、本発明の実施形態で用いられるUSBメモリの他、ランダム・アクセスが可能であり、また、記録・消去が容易で、高速なデータ処理が可能な着脱容易の外部記憶媒体を用いることができる。これらの一例として、フロッピー(登録商標)ディスク,非接触・接触型ICカード,磁気カード、光ディスク、リムーバブル・カートリッジ・ハードディスク等を挙げることができる。
【0025】
上記の各部材が協調動作することにより、設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが複合機100からログアウトした場合に、ユーザが入力した設定情報を削除することで他のユーザへの当該設定情報の漏洩を防止し、かつ、再度ユーザが複合機100の使用を開始した際に、ユーザによる設定情報の入力中断時あるいはユーザの情報処理装置からのログアウト時の直前までに入力された設定情報を再現することが可能となる。
【0026】
次に、上述したユーザによる設定情報の入力及び設定情報の入力の際に操作部101により表示される表示画面について説明する。図2は、ユーザが複合機100にログインする際に、操作部101により表示されるパスワード入力画面を説明する図である。
【0027】
パスワード入力画面1100は、タイトルバー1101と、入力ボックス1102と、決定ボタン1103と、疑似キーボード1103とを備える。タイトルバー1101には、画面の名称である「パスワード入力」が表示される。入力ボックス1102には、ユーザが入力中のパスワードが表示される。ただし、他のユーザによる覗き見を防止するため、入力されたパスワードに代えて「*」が入力された文字数分だけ表示される。決定ボタン1103は、パスワードの入力終了を受付けるボタンである。疑似キーボード1104は、パスワードの入力を1文字ずつ受付ける。疑似キーボード1104内の丸い形状の数字ボタンがユーザにより押下されると、押下されたボタンが入力された数字として受付けられる。入力されたパスワードは、認証部103によるユーザ認証に用いられる。
【0028】
図3は、ユーザ認証部103によるユーザ認証が完了後、ユーザが複合機100の機能を選択する際に操作部101により表示される機能選択画面1200を説明する図である。機能選択画面1200は、タイトルバー1201と、ファックス送信ボタン1202と、コピーボタン1203と、中断ボタン1001とを備える。
【0029】
タイトルバー1201には、画面の名称である「機能選択」が表示される。ファックス送信ボタン1202は、ユーザによりファックス送信機能の選択を受付けるボタンである。ユーザによりファックス送信ボタン1202が押下されると、ファックス送信機能が選択されたことを受付け、操作部101は後述するファックス送信設定画面に表示画面を切り替える。コピーボタン1203は、ユーザによるコピー機能の選択を受付けるボタンである。ユーザによりコピーボタン1203が押下されると、コピー機能が選択されたことを受付け、操作部101は、後述するコピー設定画面に表示画面を切り替える。中断ボタン1001は、ユーザによる処理の中断を受付けるボタンである。ユーザにより中断ボタン1001が押下されると、操作部101は処理を中断する。
【0030】
図4は、図3の機能選択画面1200において、ユーザによりファックス送信ボタン1202が押下された結果、操作部101が表示するファックス送信設定画面1300を説明する図である。ファックス送信設定画面1300は、タイトルバー1301と、設定値ボタン1302〜1305と、設定値表示ボックス1306〜1309と、中断ボタン1001と、キャンセルボタン1002と、開始ボタン1003とを備える。
【0031】
タイトルバー1301には、画面の名称である「ファックス送信.設定」が表示される。設定値ボタン1302〜1305には、設定値の名称が表示され、名称に対応する設定値の変更を受付ける。各設定値ボタン1302〜1305が押下されると、各名称に対応する設定値を変更するための画面が操作部101により表示される。
【0032】
設定値ボタン1302には宛先番号が表示される。ここでは、ファックスを送信する相手先のファックス番号を指定することができ、複数のファックス番号を指定することができる。設定値ボタン1303には原稿サイズが表示される。ここでは、スキャン部11で読み取らせる原稿サイズを選択することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、原稿サイズ「A4/レター/リーガル」の3種類の中から所望の原稿サイズを選択することができる。設定値ボタン1304には画質が表示される。ここでは、ファックス部10で送信させる画像の画質を選択することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、画質「低/中/高」の3種類の中から所望の画質を選択することができる。設定値ボタン1305には濃度が表示される。ここでは、スキャン部11で読み取らせる原稿上の画像濃度を選択することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、濃度「薄い/普通/濃い」の3種類の中から所望の濃度を選択することができる。
【0033】
設定値表示ボックス1306〜1309には、設定値ボタン1302〜1305において、ユーザにより指定・選択された設定値がそれぞれ表示される。設定値表示ボックス1306には、設定値ボタン1302において指定された宛先番号が表示される。設定値表示ボックス1307には、設定値ボタン1303において選択された原稿サイズが表示される。なお、設定値表示ボックス1307には、初期値として「A4」の原稿サイズが選択されていることが表示されている。設定値ボックス1308には、設定値ボタン1304において選択された画質が表示される。なお、設定値表示ボックス1308には、初期値として「低」の画質が選択されていることが表示されている。設定値ボックス1309には、設定値ボタン1305において選択された濃度が表示される。なお、設定値表示ボックス1309には、初期値として「普通」の濃度が選択されていることが表示されている。中断ボタン1001は、ユーザによる処理の中断を受付けるボタンである。ユーザにより中断ボタン1001が押下されると、操作部101は処理を中断する。キャンセルボタン1002は、ユーザによる処理のキャンセルを受付けるボタンである。ユーザによりキャンセルボタン1002が押下されると、操作部101は入力された設定値を破棄し、機能選択画面1200に表示を切り替える。開始ボタン1003は、ユーザによるファックス送信開始の実行指令を受付けるボタンである。ユーザにより開始ボタン1003が押下されると、操作部101はファックス送信開始の実行指令を機能管理部108に供給する。
【0034】
上述した設定値ボタン1302〜1305の何れかのボタンがユーザにより押下された際に、操作部101が表示する画面の一例について図5を用いて説明する。図5は、ユーザにより設定値ボタン1302が押下された結果、操作部101が表示するファックス送信宛先番号設定画面1400を説明する図である。ファックス送信宛先番号設定画面1400は、タイトルバー1401と、入力ボックス1402と、疑似キーボード1403と、加ボタン1404と、中断ボタン1001と、キャンセルボタン1002と、開始ボタン1003とを備える。
【0035】
タイトルバー1401には、画面の名称である「ファックス送信.設定.宛先番号」が表示される。入力ボックス1402には、ユーザが入力中の宛先番号が表示される。。疑似キーボード1403は、宛先番号の入力を1文字ずつ受付ける。疑似キーボード1403内の丸い形状の数字ボタンがユーザにより押下されると、押下されたボタンが入力された数字として受付けられる。加ボタン1404は、ユーザにより入力された宛先番号の追加を受付ける。ユーザにより加ボタン1404が押下されると、入力された宛先番号がファックス送信機能の設定値「宛先番号」に対応する1件の宛先番号として追加される。また、加ボタン1404が押下されると、操作部101はファックス送信設定画面1300に表示を切り替える。中断ボタン1001は、ユーザによる処理の中断を受付けるボタンである。ユーザにより中断ボタン1001が押下されると、操作部101は処理を中断する。なお、ファックス送信宛先番号設定画面1400が表示されている状態において、ユーザによる宛先番号の入力中に中断ボタン1001が押下されると操作部101は、「表示状態」の属性である、「入力中の値」として入力中の宛先番号を内部メモリに記憶させる。キャンセルボタン1002は、ユーザによる処理のキャンセルを受付けるボタンである。ユーザによりキャンセルボタン1002が押下されると、操作部101は入力された設定値を破棄し、ファックス送信設定画面1300に表示を切り替える。開始ボタン1003は、ユーザによるファックス送信開始の実行指令を受付けるボタンである。ユーザにより開始ボタン1003が押下されると、操作部101はファックス送信開始の実行指令を機能管理部108に供給する。
【0036】
図6は、図3の機能選択画面1200において、ユーザによりコピーボタン1203が押下された結果、操作部101が表示するコピー設定画面1500を説明する図である。コピー設定画面1500は、タイトルバー1501と、設定値ボタン1502〜1506と、設定値表示ボックス1507〜1511と、中断ボタン1001と、キャンセルボタン1002と、開始ボタン1003とを備える。
【0037】
タイトルバー1501には、画面の名称である「コピー.設定」が表示される。設定値ボタン1502〜1506には設定値の名称が表示され、名称に対応する設定値の変更を受付ける。各設定値ボタン1502〜1506が押下されると、各名称に対応する設定値を変更するための画面が操作部101により表示される。
【0038】
設定値ボタン1502には部数が表示される。ここでは、スキャン部11に読み取らせた原稿上の画像を用紙に印刷させる部数を設定することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、1〜99枚の用紙への印刷を設定することができる。設定値ボタン1503には拡大率が表示される。ここでは、用紙に印刷させる画像の拡大率を設定することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、25〜400%の拡大率を設定することができる。設定値ボタン1504には用紙サイズが表示される。ここでは、印刷に供される用紙サイズを選択することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、用紙サイズ「A4/レター/リーガル」の3種類の中から所望の用紙サイズを選択することができる。設定値ボタン1505には用紙に印刷させる画像の画質を選択することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、画質「低/中/高」の3種類の中から所望の画質を選択することができる。設定値ボタン1506には用紙に印刷させる画像の画像濃度を選択することができる。本実施の形態にかかる複合機100においては、濃度「薄い/普通/濃い」の3種類の中から所望の濃度を選択することができる。
【0039】
設定値表示ボックス1507〜1511には、設定値ボタン1502〜1506において、ユーザにより指定・選択された設定値がそれぞれ表示される。設定値表示ボックス1507には、設定値ボタン1502において設定された印刷部数が表示される。なお、設定値表示ボックス1507には、初期値として「1」が表示されている。設定値表示ボックス1508には設定値ボタン1503で設定された拡大率が表示される。なお、設定値表示ボックス1508には、初期値として「100%」が表示されている。設定値表示ボックス1509には、設定値ボタン1504において選択された原稿サイズが表示される。なお、設定値表示ボックス1509には、初期値として「A4」の原稿サイズが選択されていることが表示されている。設定値ボックス1510には、設定値ボタン1505において選択された画質が表示される。なお、設定値表示ボックス1510には、初期値として「中」の画質が選択されていることが表示されている。設定値ボックス1511には、設定値ボタン1506において選択された濃度が表示される。なお、設定値表示ボックス1511には、初期値として「普通」の濃度が選択されていることが表示されている。中断ボタン1001は、ユーザによる処理の中断を受付けるボタンである。ユーザにより中断ボタン1001が押下されると、操作部101は処理を中断する。キャンセルボタン1002は、ユーザによる処理のキャンセルを受付けるボタンである。ユーザによりキャンセルボタン1002が押下されると、操作部101は入力された設定値を破棄し、機能選択画面1200に表示を切り替える。開始ボタン1003は、ユーザによるコピー開始の実行指令を受付けるボタンである。ユーザにより開始ボタン1003が押下されると、操作部101はコピー開始の実行指令を機能管理部108に供給する。
【0040】
上述した設定値ボタン1502〜1506の何れかのボタンがユーザにより押下された際に、操作部101が表示する画面の一例について図7を用いて説明する。図7は、ユーザにより設定値ボタン1505が押下された結果、操作部101が表示するコピー画質設定画面1600を説明する図である。コピー画質設定画面1600は、タイトルバー1601と、値ボタン1602〜1604と、中断ボタン1001と、キャンセルボタン1002と、開始ボタン1003とを備える。
【0041】
タイトルバー1601には、画面の名称である「コピー.設定.画質」が表示される。値ボタン1602〜1604には、画質の選択項目である「高」,「中」,「低」がそれぞれ表示され、ユーザの選択を受付ける。ユーザにより何れかの値ボタン1602〜1604が選択されると、操作部101は画質の値を選択された値に変更し、コピー設定画面1500に表示を切り替える。中断ボタン1001は、ユーザによる処理の中断を受付けるボタンである。ユーザにより中断ボタン1001が押下されると、操作部101は処理を中断する。キャンセルボタン1002は、ユーザによる処理のキャンセルを受付けるボタンである。ユーザによりキャンセルボタン1002が押下されると、操作部101は機能選択画面1200に表示を切り替える。開始ボタン1003は、ユーザによるコピー開始の実行指令を受付けるボタンである。ユーザにより開始ボタン1003が押下されると、操作部101はコピー開始の実行指令を機能管理部108に供給する。
【0042】
次に、上述した設定画面に基づきユーザが設定した設定情報及び画面状況等を操作状態保存部106が外部メモリ200に保存する際の操作状態データについて説明する。図8は、操作状態データ500の一例を説明する図である。
【0043】
操作状態データ500は、XML(Extensible Markup Language)形式の文字列として保存される。「操作状態」を表す要素の子要素としては、「表示状態」と「機能の設定値」がある。「表示状態」には操作部101が表示していた画面の情報が保存され、属性として「画面の名称」及び「入力中の値」が保持される。ここで、「画面の名称」とは、操作部101が画面のタイトルバーに表示する画面の名称であり、画面の種類と1対1に対応する。また、「入力中の値」とは、ユーザによる入力の途中で中断ボタン1001が押下された場合の入力途中の値である。「機能の設定値」には操作部101が実行させようとしていた機能に対する設定値が保存される。「機能の設定値」は、属性として「機能名」を保持し、さらに複数(0〜n個)の子要素「設定値」を備える。ここで、「機能名」とは、機能の名前であり、例えば、ファックス送信機能であれば、「ファックス送信」,コピー機能であれば「コピー」とする。「設定値」とは、1つの要素に付き1つの設定値を「名前」と「値」の組で保存したものである。
【0044】
かかる構成を備える複合機100が実行する処理について以下に説明する。複合機100が実行する処理は、1)ユーザのログインにかかる処理、2)ファックス送信又はコピー機能処理、3)ユーザによる処理の中断にかかる処理に大別されるため、図9を用いて1)ユーザのログインにかかる処理を説明し、図10を用いて2)ファックス送信又はコピー機能処理を説明し、図11を用いて3)ユーザによる処理の中断にかかる処理を説明する。
【0045】
最初に、1)ユーザのログインにかかる処理について説明する。図9は、ユーザがログインする際に複合機100が実行する処理を説明するフローチャートである。
まず、外部メモリ200がユーザにより複合機100に接続されると、外部メモリ接続部102は、外部メモリ200が接続されたことを認識する(ステップS101)。
【0046】
次に、ステップS102において、外部メモリ接続部102は、外部メモリ200に記憶されているユーザIDを取得する。ここで、外部メモリ接続部102はユーザIDの取得失敗すると、再び外部メモリ200が複合機100に接続されるまで待機する(ステップS102 失敗)。外部メモリ接続部102は、ユーザIDの取得に成功すると、ユーザIDを取得した旨を操作部101及び認証部103に通知する。
【0047】
外部メモリ接続部102からユーザIDの取得の通知を受けた操作部101は、パスワード入力画面1100を表示装置に表示させる(ステップ103)。ユーザによりパスワードが入力されると、操作部101は入力されたパスワードを認証部103に通知する。次に、認証部103は、外部メモリ接続部102が取得したユーザID及び操作部101が受付けたパスワードに基づき、認証記憶部104に記憶されているユーザ情報を参照してユーザの認証を行う。ここで、認証部103によりユーザが認証された場合、認証部103は、ユーザIDを認証記憶部104に記憶させるとともに、操作状態再現部107にユーザが認証された旨を通知する(ステップS104 一致)。一方、認証部103によりユーザが認証されなかった場合、再び外部メモリ200が複合機100に接続されるまで待機する(ステップS104 不一致)
【0048】
認証部103によりユーザが認証された旨の通知を受けた操作状態再現部107は、外部メモリ接続部102に対して外部メモリ200に操作状態データが保存されているか否かを確認するよう指令を供給する。ここで、外部メモリ200に操作状態データが保存されていない場合、操作状態再現部107は処理を終了し、その旨を操作部101に通知する。操作状態再現部107の通知を受けた操作部101は、機能選択画面1200を表示装置に表示させる(ステップS105 ない)。
【0049】
一方、外部メモリ200に操作状態データが保存されている場合(ステップS105 ある)、操作状態再現部107は、外部メモリ接続部102に対して操作状態データ500を読み出すよう指令を供給する。操作状態再現部107は、外部メモリ接続部102により読み出された操作状態データ500に基づいて複合機100の操作状態を再現する(ステップS106)。具体的には、操作状態再現部107は、操作状態データに保存されている「表示状態」と「機能の設定値」を参照し、「表示状態」に保存されている「画面の名称」及び「入力中の値」を操作部101に通知する。通知を受けた操作部101は、「画面の名称」に対応する画面及び、その画面においてユーザが入力途中であった設定値を表示装置に表示させる。また、操作状態再現部107は、「機能の設定値」に保存されている機能に対する設定値に基づいて複合機100の設定値を変更する。このようなフローに従って処理が行われることにより、1)ユーザのログインにかかる処理が実行される。
【0050】
次に、2)ファックス送信又はコピー機能処理について説明する。図10は、ユーザが複合機100にログイン後、例えば、ファックス送信機能を実行する処理を説明するフローチャートである。
まず、図9で説明した処理に従い、ユーザが複合機100にログイン後(ステップS201)、操作部101は、操作状態再現部107の処理に基づいて設定画面を表示させる(ステップS202)。この場合、操作状態再現部107により操作状態が再現された場合においては、再現された画面が表示される。また、操作状態再現部107により操作状態が再現されなかった場合においては、機能選択画面1200が表示される。以下の説明においては、操作状態再現部107により操作状態が再現されなかったものとして説明する。
【0051】
例えば、機能選択画面1200において、ユーザによりファックス送信ボタン1202が押下されると、操作部101は、ファックス送信機能の選択を受付け、ファックス送信設定画面1300を表示装置に表示させる。ファックス送信設定画面1300において、ユーザが設定値ボタン1302を押下すると、操作部101はファックス送信宛先番号設定画面1400を表示装置に表示させる。ユーザが疑似キーボード1403を操作し、例えば「0001112222」と入力し、加ボタン1404を押下すると、操作部101は入力されたファックス番号を受付け、内部メモリに記憶させる。受付けられたファックス番号は、ファックス送信設定画面1300中の設定値表示ボックス1306に表示される。再度、ユーザが設定ボタン1302を押下すると、操作部101はファックス送信宛先番号設定画面1400を再度表示装置に表示させる。ここで、ユーザが疑似キーボード1403を操作し、例えば「0001113333」と入力し、加ボタン1404を押下すると、操作部101は入力されたファックス番号を受付け、内部メモリに記憶させる(ステップS203)。受付けられたファックス番号は、先ほど入力された「0001112222」のファックス番号に追加され、ファックス送信設定画面1300中の設定値表示ボックス1306に「0001112222,0001113333」と表示される。
【0052】
ユーザによる設定情報の入力の中断が無く(ステップS204 no)、ファックス送信設定画面1300中の開始ボタン1003が押下されると、操作部101はファックス送信の実行指令を受付ける(ステップS206 yes)。ファックス送信の実行指令を受付けた操作部101は、機能管理部108に対してファックス送信の実行指令を供給する。機能管理部108は、ユーザにより入力された設定情報に基づいてファックス送受信部10を操作し、ファックス送信を実行させる(ステップS207)。
【0053】
ファックス送受信部10によりファックス送信が実行された後、機能管理部108はファックス送信機能が終了した旨を認証解除部105に通知する。ファックス送信機能が終了した旨の通知を受けた認証解除部105は、ユーザの認証を解除しユーザをログアウトさせると共に、内部メモリに記憶されている操作状態データ500を削除する。また、認証解除部105は、操作部101に対して現在表示させている画面の表示を停止するよう指令を供給する。このようなフローに従って処理が行われることにより、2)ファックス送信又はコピー機能処理が実行される。
【0054】
次に、3)ユーザによる処理の中断にかかる処理について説明する。図11で説明するフローチャートは、例えば、図10のステップS204において、ユーザにより設定情報の入力が中断された場合に、複合機100が実行する処理を説明する図である。ここでは、図10のステップS204において、ユーザがファックス送信宛先番号設定画面1400中の入力ボックス1402に「0001112222,0001113333」と入力した後に、さらに疑似キーボード1403を操作し、「123」と入力後、中断ボタン1001が押下されたものとして説明する。
【0055】
まず、ステップS301において、操作部101はユーザによる操作の中断を受付けると、操作状態保存部106対して操作が中断された旨を通知する。操作の中断の通知を受けた操作状態保存部106は、内部メモリにこれまでに記憶されている操作状態データ500を外部メモリ200に記憶するよう外部メモリ接続部102に指令を供給する。指令を受けた外部メモリ接続部102は内部メモリより操作状態データ500を読み出し、操作状態データを外部メモリ200に記憶させる(ステップS302)。その後、操作状態保存部106は、認証解除部105に対して操作状態データ500を外部メモリ200に記憶させた旨を通知する。通知を受けた認証解除部105は、ユーザの認証を解除しユーザをログアウトさせると共に(ステップS303)、内部メモリに記憶されている操作状態データ500を削除する。また、認証解除部105は、操作部101に対して現在表示させている画面の表示を停止するよう指令を供給する。。このようなフローに従って処理が行われることにより、3)ユーザによる処理の中断にかかる処理が実行される。
【0056】
次に、図11で説明したような、操作が一旦中断されユーザがログアウトされた後、再度ユーザがログインする際の複合機100の処理について詳細に説明する。
ユーザが再度外部メモリ200を複合機100に接続すると、図9で説明したように、ユーザの認証が実行される。認証部103によりユーザが認証された旨の通知を受けた操作状態再現部107は、外部メモリ接続部102に対して外部メモリ200に操作状態データが保存されているか否かを確認するよう指令を供給する。
【0057】
今回の場合、図11で説明したように、外部メモリ200には操作状態データ500が記憶されているので、外部メモリ接続部102は、操作状態データ500を読み出し、読み出した操作状態データ500を操作状態再現部107に供給する。操作状態再現部107は供給された操作状態データ500に基づき操作を再現する。具体的には、操作状態再現部107は、操作状態データ500に保存されている「表示状態」の属性「画面の名称」が「ファックス送信.設定.宛先番号」であることから、操作部101に対して送信宛先番号設定画面1400を表示するよう指令を供給する。また、操作状態再現部107は、「表示状態」の属性「入力中の値」が「123」であることから、操作部101に対して送信宛先番号設定画面1400中の入力ボックス1402に「123」を表示するよう指令を供給する。指令を受けた操作部101は、表示装置に送信宛先番号設定画面1400を表示させ、さらに、送信宛先番号設定画面1400内の入力ボックス1402に「123」を表示させる。
【0058】
さらに、操作状態再現部107は、操作状態データ500に保存されている「機能の設定値」の属性「機能名」と、子要素である「設定値」のそれぞれから、ファックス送信の設定値として、宛先番号:「0001112222,0001113333」,原稿サイズ「A4],画質「中」,濃度「普通」を設定する。
【0059】
ここで、送信宛先番号設定画面1400中の入力ボックス1402に表示された「123」に続けて、ユーザが疑似キーボード1403を操作して「456789」と入力し、加ボタン1404が押下されると、操作部101は、「123456789」のファックス番号の追加を受付ける。受付けられたファックス番号は、「0001112222,0001113333」のファックス番号に追加され、ファックス送信設定画面1300中の設定値表示ボックス1306に「0001112222,0001113333,123456789」と表示される。その後、ユーザが開始ボタン1003を押下することで、ファックス送信が開始される。すなわち、スキャン部11は、原稿サイズ「A4」の原稿を画質「中」、濃度「普通」の設定で読み取りを開始する。出力されたアナログ画像信号はデジタル信号に変換された後、ファックス送受信部10に供給される。デジタル信号の供給を受けたファックス送受信部10は、デジタル信号を通信回線網の信号伝送帯域及び相手先通信装置のファックス信号受信能力等に適合するように変換し「0001112222,0001113333,123456789」のファックス番号宛に送信する。ファックス送信後の複合機100の処理は前述した通りである。
【0060】
なお、本実施形態においては、ユーザからの操作中断指令に応じて操作状態を外部メモリ200に記憶する形態としたが、ユーザにより操作状態が変更される度に操作状態を外部メモリ200に記憶されるようにし、外部メモリ接続部102が、外部メモリ200の離間を検出した段階でユーザをログアウトさせる形態としてもよい。
【0061】
以上のように、第1の実施形態によれば、設定情報の入力途中でユーザが入力を中断した場合や、ユーザが複合機100からログアウトした場合に、ユーザが入力した設定情報を削除することで他のユーザへの当該設定情報の漏洩を防止し、かつ、再度ユーザが複合機100の使用を開始した際に、ユーザによる設定情報の入力中断時あるいはユーザの複合機100からのログアウト時の直前までに入力された設定情報を再現することが可能となる。
【0062】
[第2の実施形態]
第2の実施形態においては、構成の異なる2台の複合機を用いて説明を行う。第2の実施形態にかかる複合機300は、図12に示すように、ユーザにより要求された機能を実行可能か否かを判定する機器使用可否判定部301と、ユーザにより要求された機能の設定値が設定可能か否かを判定する代替パラメータ決定部302と、第1の実施形態にかかる複合機100の操作部101に替えて操作部303と、操作状態再現部107に替えて操作状態再現部304とを新たに備える。その他の構成は第1の実施形態にかかる複合機100と同一である。また、複合機400は、図13に示すように、機器使用可否判定部301と、代替パラメータ決定部302と、第1の実施形態にかかる複合機100の操作部101に替えて操作部303と、操作状態再現部107に替えて操作状態再現部304と、印刷部12に替えて印刷部401とを新たに備える。複合機400の構成はファックス送受信部を備えない以外は、第1の実施形態にかかる複合機100と同一である。本実施形態の説明においては、第1の実施形態と同一な部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0063】
機器使用可否判定部301は、操作状態再現部304の指令に基づいて機器管理部108が管理するファックス送信、スキャン、印刷等の機能構成要素も基にして、ユーザにより要求された機能が実行可能か否かを判定する。
【0064】
代替パラメータ決定部302は、ユーザにより要求されたファックス送信、スキャン、印刷等の機能の設定値が設定可能か否かを判定し、設定が不可能である場合に代替パラメータへ変更する。代替パラメータとしては、複合機300又は400が保持する初期値を使用する。
【0065】
操作部303は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の図示せぬ表示装置に対して各種設定画面の表示指令を供給する。この各種設定画面にはそれぞれ画面を一意に特定するための名称が付けられている。また、操作部303は、表示装置に表示させた各種設定画面を介して、ユーザによる設定情報の入力を受付ける。このユーザによる設定情報の入力の受付けは、例えば、表示装置に表示させたタッチパネルを用いることができる。そして、タッチパネルを介して入力された設定情報は、内部メモリに記憶される。また、操作部303は、表示させる設定値が代替パラメータ決定部302により変更された設定である場合、当該設定内容を表示する部分の背景をハッチングさせる。
【0066】
操作状態再現部304は、一旦認証が解除されたユーザが、再度認証を受けた際に、外部メモリ接続部102に対して外部メモリ200に記憶された設定情報や画面状況等を読み出すよう指令を供給する。読み出された設定情報や画面状況に基づいて操作状態再現部304は、操作部303にユーザが認証を解除される直前の画面状況を再現するよう指令を供給する。また、操作状態再現部304は、再現しようとする操作状態が再現可能か否かを機器使用可否判定部301に判定させる。機器使用可否判定部301による判定の結果、使用不可能である場合、操作状態再現部304は操作状態を再現しない。また、操作状態再現部304は、代替パラメータ決定部302に対して実行しようとしていた機能の設定値の変更指令を供給する。
【0067】
複合機400における印刷部401は、少なくとも、用紙を収容する用紙トレイと、用紙を用紙トレイからピックアップするピックアップローラと、用紙を搬送する搬送ローラと、用紙を画像形成ユニットに導入する無端の搬送ベルトと、入力されたデジタル信号に基づくトナー画像を用紙上に形成する電子写真方式の画像形成ユニットと、用紙上に形成されたトナー画像を定着させる定着ユニットと、トナー画像が定着された用紙を外部に排出する排出ローラと、各ローラに駆動力を供給する駆動部と、印刷ユニットや定着ユニットを構成する所定の部材に高電圧を印加する電源部とを有する。これらの部材が協調動作することにより、スキャン部11から入力されたデジタル信号に基づく画像を用紙に印刷することができる。ただし、印刷部401は、コピー機能の設定値「画質」の値「高」に対応する出力を実行することができない。つまり、印刷部401は、コピー機能の設定値「画質」を「高」としてコピーを実行することができない。
【0068】
上記の各部材が協調動作することにより、ユーザはログアウトする前に使用していた複合機が他のユーザによって使用されていた場合においても、他の複合機で操作を再開することが可能となる。
【0069】
次に、ユーザによる設定情報の入力及び設定情報の入力の際に操作部303により表示される表示画面について説明する。図14は、第1の実施形態においてで説明した機能選択画面1200において、ユーザによりコピー1203が押下された結果、操作部303が表示するコピー設定画面1700を説明する図である。コピー設定画面1700は、タイトルバー1501と、設定値ボタン1502〜1506と、設定値表示ボックス1701〜1705と、中断ボタン1001と、キャンセルボタン1002と、開始ボタン1003とを備える。各部分の機能は第1の実施形態で説明したものと同一であるため、説明は省略するが、設定値が代替パラメータ決定部302により変更された設定値である場合には、その設定値表示ボックス1507〜1511の背景はハッチングされる。
【0070】
図15は、操作状態再現失敗画面1800を説明する図である。操作状再現失敗画面1800は、操作状態再現部304が操作状態の再現に失敗した際に表示される画面であり、タイトルバー1801と、メッセージボックス1802と、確認ボタン1803とを備える。
【0071】
タイトルバー1801には、画面の名称である「メッセージ.再現失敗」が表示される。メッセージボックス1802にはユーザに対するメッセージとして「操作状態を再現できませんでした」という旨が表示される。確認ボタン1803は、ユーザからの応答を受付ける。ユーザにより確認ボタン1803が押下されると、操作部303は機能選択画面1200に表示を切り替える。
【0072】
かかる構成を備える複合機300及び400が実行する処理について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態で説明した1)ユーザのログインにかかる処理、2)ファックス送信又はコピー機能処理を説明するフローチャートである。なお、本実施形態においては、図11で説明した、3)ユーザによる処理の中断にかかる処理が予め複合機300において実行されており、外部メモリ200には、図17に示す操作状態データ501が記憶されているものとする。図16は、ユーザによりコピー設定画面1700において、画質が「高」に設定された後、ユーザが複合機300からログアウトした際に外部メモリ200に記憶される操作状態データ501を説明する図である。
【0073】
まず、外部メモリ200がユーザにより複合機400に接続されると、外部メモリ接続部102は、外部メモリ200が接続されたことを認識する(ステップS101)。
【0074】
次に、ステップS102において、外部メモリ接続部102は、外部メモリ200に記憶されているユーザIDを取得する。ここで、外部メモリ接続部102はユーザIDの取得失敗すると、再び外部メモリ200が複合機400に接続されるまで待機する(ステップS102 失敗)。外部メモリ接続部102は、ユーザIDの取得に成功すると、ユーザIDを取得した旨を操作部303及び認証部103に通知する。
【0075】
外部メモリ接続部102からユーザIDの取得の通知を受けた操作部303は、パスワード入力画面1100を表示装置に表示させる(ステップ103)。ユーザによりパスワードが入力されると、操作部101は入力されたパスワードを認証部103に通知する。次に、認証部103は、外部メモリ接続部102が取得したユーザID及び操作部101が受付けたパスワードに基づき、認証記憶部104に記憶されているユーザ情報を参照してユーザの認証を行う。ここで、認証部103によりユーザが認証された場合、認証部103は、ユーザIDを認証記憶部104に記憶させるとともに、操作状態再現部304にユーザが認証された旨を通知する(ステップS104 一致)。一方、認証部103によりユーザが認証されなかった場合、再び外部メモリ200が複合機400に接続されるまで待機する(ステップS104 不一致)
【0076】
認証部103によりユーザが認証された旨の通知を受けた操作状態再現部304は、外部メモリ接続部102に対して外部メモリ200に操作状態データが保存されているか否かを確認するよう指令を供給する。ここで、外部メモリ200に操作状態データが保存されていない場合、操作状態再現部307は処理を終了し、その旨を操作部303に通知する。操作状態再現部304の通知を受けた操作部303は、機能選択画面1200を表示装置に表示させる(ステップS105 ない)。
【0077】
一方、外部メモリ200に操作状態データが保存されている場合(ステップS105 ある)、操作状態再現部304は、外部メモリ接続部102に対して操作状態データ501を読み出すよう指令を供給する。操作状態再現部304は、機器使用可否判定部301に対して外部メモリ接続部102により読み出された操作状態データ501に基づいて、複合機400でコピー機能が実行可能か否かを判定するよう指令を供給する(ステップS401)。機器使用可否判定部301は機器管理部108に対して複合機400が備える機能を問い合わせる。複合機400は印刷部401を備えているため、機器使用可否判定部301はコピー機能を実行可能であると判定し(ステップS402 可能)、その旨を操作状態再現部304に通知する。通知を受けた操作状態再現部304は、代替パラメータ決定部302に対して操作状態データ501内の「機能の設定値」を参照し、実行できない設定値である場合は、複合機400が保持する初期値に変更するよう指令を供給する。指令の供給を受けた代替パラメータ決定部302は、設定値「画質」を「高」から「中」に変更する(ステップS402)。
【0078】
操作状態再現部304は、外部メモリ接続部102により供給された操作状態データ501及び代替パラメータ決定部302が変更した設定値を基に操作状態を再現する(ステップS106)。具体的には、操作状態再現部304は、操作状態データ501に保存されている「表示状態」の属性「画面の名称」が「コピー.設定」であることから、操作部303に対してコピー設定画面1700を表示するよう指令を供給する。また、操作状態再現部304は、代替パラメータ決定部302が変更した「画質」に対応する設定値表示ボックス1704をハッチングするよう操作部303に対して指令を供給する。指令の供給を受けた操作部303は、コピー設定画面1700を表示し、かつ、設定値表示ボックス1704にハッチングを表示させる。
【0079】
さらに、操作状態再現部304は、操作状態データ501に保存されている「機能の設定値」の属性「機能名」と、子要素である「設定値」のそれぞれから、コピー機能の設定値として、部数:1,拡大率:100%,原稿サイズ「A4],画質「中」,濃度「普通」を設定する。
【0080】
その後、ユーザが開始ボタン1003を押下することで、コピーが開始される。すなわち、スキャン部11は、原稿サイズ「A4」の原稿を画質「中」、濃度「普通」の設定で読み取りを開始する。出力されたアナログ画像信号はデジタル信号に変換された後、印刷部401に供給される。デジタル信号の供給を受けた印刷部401は、デジタル信号を画像情報に変換し印刷を実行する。
【0081】
印刷部401によりコピー機能が実行された後、機能管理部108はコピー機能が終了した旨を認証解除部105に通知する。コピー機能が終了した旨の通知を受けた認証解除部105は、ユーザの認証を解除しユーザをログアウトさせると共に、内部メモリに記憶されている操作状態データ501を削除する。また、認証解除部105は、操作部303に対して現在表示させている画面の表示を停止するよう指令を供給する。
【0082】
一方、ステップS401において、機器使用可否判定部301がコピー機能は実行不可能であると判定した場合(ステップS402 不可能)、操作状態再現部304は操作部303に対して操作状態再現失敗画面1800を表示するよう指令を供給し、処理を終了する。
【0083】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、別の複合機でも処理を再開させることが可能であるため、ユーザはログアウトする前に使用していた複合機が他のユーザによって使用されていた場合においても、他の複合機で操作を再開することが可能となる。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】複合機100の機能構成を説明する機能構成図である。
【図2】操作部101により表示されるパスワード入力画面を説明する図である。
【図3】操作部101により表示される機能選択画面1200を説明する図である。
【図4】操作部101が表示するファックス送信設定画面1300を説明する図である。
【図5】操作部101が表示するファックス送信宛先番号設定画面1400を説明する図である。
【図6】操作部101が表示するコピー設定画面1500を説明する図である。
【図7】操作部101が表示するコピー画質設定画面1600を説明する図である。
【図8】操作状態データ500の一例を説明する図である。
【図9】ユーザがログインする際に複合機100が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図10】ファックス送信機能を実行する処理を説明するフローチャートである。
【図11】ユーザによる処理の中断にかかる処理について説明するフローチャートである。
【図12】複合機300の機能構成を説明する機能構成図である。
【図13】複合機400の機能構成を説明する機能構成図である。
【図14】操作部303が表示するコピー設定画面1700を説明する図である。
【図15】操作状態再現失敗画面1800を説明する図である。
【図16】ユーザのログインにかかる処理及びファックス送信又はコピー機能処理を説明するフローチャートである。
【図17】操作状態データ501の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0086】
10 ファックス送受信部
11 スキャン部
12 印刷部
100 複合機
101 操作部
102 外部メモリ接続部
103 認証部
104 認証記憶部
105 認証解除部
106 操作状態保存部
107 操作状態再現部
108 機器管理部
200 外部メモリ
300 複合機
301 機器使用可否判定部
302 代替パラメータ決定部
303 操作部
304 操作状態再現部
400 複合機
401 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを認証する認証部と、
前記認証部が認証した前記ユーザの認証を解除するとともに前記ユーザにより入力された設定情報及び画面情報を削除する認証解除部と、
前記認証解除部が前記ユーザの認証を解除する際に、前記ユーザにより入力された前記設定情報及び前記画面情報を外部記憶媒体に記憶させる記憶部と、
前記認証部が前記ユーザを認証した際に、前記記憶部により記憶された前記設定情報及び前記画面情報を前記外部記憶媒体から読み出し、読み出した前記設定情報及び前記画面情報に基づいて装置設定及び画面状況を再現する再現部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記認証部は前記外部記憶媒体から読み出した情報に基づき前記ユーザの認証を行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記外部記憶媒体は着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記再現部による前記設定情報及び前記画面状況の再現が可能か否かを判定する判定部と、
前記判断部の判断に基づき前記設定情報を変更する設定情報変更部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は前記設定情報及び前記画面状況の再現が不可能であると判定した際に、前記設定情報及び前記画面状況の再現を中止することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−187471(P2009−187471A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29275(P2008−29275)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】