説明

情報出力装置及びプログラム

【課題】消費電力を抑制しつつ利便性を向上させる情報出力装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】非節電状態で画像形成エンジン部28の非作動状態が非節電状態制限期間継続した場合に、読取装置26及び画像形成エンジン部28に電力を供給せずに通信インタフェース24に電力を供給する第1節電状態に移行し、第1節電状態で通信インタフェース24によって出力要求情報が受信された場合に、画像形成エンジン部28に電力を供給せずに通信インタフェース24及び読取装置26の各々に電力を供給する第2節電状態に移行し、第2節電状態で読取装置26によって使用者情報が読み取られ、かつ該使用者情報が特定の使用者情報であった場合に、CPU12が非節電状態に復帰するように制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、出力データに基づいて出力を行うネットワークデバイスを備え、認証を得てネットワークデバイスが出力を行う出力システムが開示されている。この出力システムは、出力データを記憶する出力データ記憶手段と、出力データ記憶手段に出力データを保存する出力データ保存手段と、認証情報を取得する認証情報取得手段と、認証情報取得手段で取得した認証情報に基づいて出力データの利用適格を判定する利用適格判定手段と、ネットワークデバイスの電力を制御する電力制御手段と、出力データ記憶手段の出力データのうち利用適格判定手段が利用適格を有すると判定した出力データをネットワークデバイスに送信する出力データ送信手段と、ネットワークデバイスでの出力が可能となる消費電力状態である稼動状態及び稼動状態よりも消費電力を低減する状態である省電力状態を切り換える省電力切換手段と、を備え、電力制御手段が、利用適格判定手段により利用適格を有すると判定した後でかつ出力データ送信手段により出力データを送信する前に、稼動状態に移行すべき省電力解除命令を省電力切換手段に送出するように構成されている。
【0003】
また、特許文献2には、通常モードと通常モードよりも少ない電力を消費する複数種類の節電モードとで動作する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、画像形成装置の装置状態を示す装置情報を取得する装置情報取得部と、複数種類の節電モードのうち移行する一の節電モードの種類を判定する節電判定部と、を備え、節電判定部が装置情報取得部によって取得した装置情報に基づいて移行する一の節電モードの種類を判定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−277714号公報
【特許文献2】特開2007−304575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、非節電状態で出力手段の非作動状態が非節電状態制限期間継続した場合に、第1節電状態に移行し、第1節電状態で出力要求情報が受け付けられた場合に、第2節電状態に移行し、第2節電状態で受け付けられた使用者情報が特定の使用者情報であった場合に非節電状態に復帰する機能を有さない場合に比べ、消費電力を抑制しつつ利便性を向上させた、情報出力装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の情報出力装置は、出力対象情報の出力を要求する出力要求情報を電力が供給されている状態で受信する受信手段と、使用者を示す使用者情報を電力が供給されている状態で受け付ける受付手段と、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が特定の前記使用者情報であった場合に電力が供給されている状態で前記出力対象情報を出力する出力手段と、前記受信手段、前記受付手段、及び前記出力手段の各々に電力を供給する供給手段と、前記供給手段によって、前記受信手段、前記受付手段、及び前記出力手段の各々に電力が供給される非節電状態で前記出力手段の非作動状態が予め定められた非節電状態制限期間継続した場合に、前記受付手段及び前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段に電力を供給する第1節電状態に移行し、前記第1節電状態で前記受信手段によって前記出力要求情報が受信された場合に、前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段及び前記受付手段の各々に電力を供給する第2節電状態に移行し、前記第2節電状態で前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が前記特定の使用者情報であった場合に、前記非節電状態に復帰するように前記供給手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。
【0007】
また、請求項2に記載の情報出力装置は、請求項1に記載の発明において、前記使用者情報に対応させて前記出力対象情報を記憶した記憶手段を更に含み、前記出力手段が、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報に対応する前記出力対象情報が前記記憶手段に記憶されていた場合に、前記記憶手段における前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報に対応する前記出力対象情報を出力するものである。
【0008】
また、請求項3に記載の情報出力装置は、請求項1に記載の発明において、前記受信手段が、前記使用者情報が付加された前記出力対象情報を前記出力要求情報として受信し、前記出力手段が、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が前記受信手段によって受信された前記出力要求情報に含まれていた場合に、該出力要求情報に含まれる前記出力対象情報を出力するものである。
【0009】
また、請求項4に記載の情報出力装置は、請求項3に記載の発明において、前記第2節電状態が、前記第2節電状態に移行前の前記第1節電状態で前記受信手段によって受信された前記出力要求情報に含まれる前記使用者情報に対応する予め定められた第2節電状態制限期間継続した場合に、前記制御手段が前記第1節電状態に移行するように前記供給手段を制御するものである。
【0010】
また、請求項5に記載の情報出力装置は、請求項4記載の発明において、前記使用者毎に、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられるまでの時間の履歴を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段により蓄積された前記使用者毎の前記履歴に基づいて前記第2節電状態制限期間を導出する導出手段と、を更に含み、前記制御手段が、前記第1節電状態で前記受信手段によって受信された出力要求情報に含まれる前記使用者情報に対応する前記第2節電状態制限期間が導出されるように前記導出手段を制御し、前記第2節電状態が前記導出手段によって導出された前記第2節電状態制限期間継続した場合に、前記第1節電状態に移行するように前記供給手段を制御するものである。
【0011】
また、請求項6に記載の情報出力装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記第2節電状態が予め定められた第2節電状態制限期間継続した場合に、前記第1節電状態に移行するように前記供給手段を制御するものである。
【0012】
また、請求項7に記載の情報出力装置は、請求項4〜請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、前記第2節電状態から前記第1節電状態に移行した後に前記第1節電状態で前記第1節電状態の解除を指示する情報が入力された場合に、前記第1節電状態から前記第2節電状態に移行するように前記供給手段を制御するものである。
【0013】
また、請求項8に記載の情報出力装置は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の発明において、前記出力手段を、色材を記録媒体の記録面に付着させることにより前記出力対象情報を前記記録媒体に記録することにより出力する記録手段としたものである。
【0014】
一方、上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを、出力対象情報の出力を要求する出力要求情報を電力が供給されている状態で受信する受信手段、使用者を示す使用者情報を電力が供給されている状態で受け付ける受付手段、及び前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が特定の前記使用者情報であった場合に電力が供給されている状態で前記出力対象情報を出力する出力手段の各々に電力を供給する供給手段によって、前記受信手段、前記受付手段、及び前記出力手段の各々に電力が供給される非節電状態で前記出力手段の非作動状態が予め定められた非節電状態制限期間継続した場合に、前記受付手段及び前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段に電力を供給する第1節電状態に移行し、前記第1節電状態で前記受信手段によって前記出力要求情報が受信された場合に、前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段及び前記受付手段の各々に電力を供給する第2節電状態に移行し、前記第2節電状態で前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が前記特定の使用者情報であった場合に、前記非節電状態に復帰するように前記供給手段を制御する制御手段として機能させるためのものである。
【0015】
また、請求項10に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の情報出力装置を構成する制御手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、請求項9、及び請求項10に係る発明によれば、非節電状態で出力手段の非作動状態が非節電状態制限期間継続した場合に、第1節電状態に移行し、第1節電状態で出力要求情報が受け付けられた場合に、第2節電状態に移行し、第2節電状態で受け付けられた使用者情報が特定の使用者情報であった場合に非節電状態に復帰する機能を有さない場合に比べ、消費電力を抑制しつつ利便性を向上させる、という効果が得られる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、使用者情報を対応させて出力対象情報を記憶した記憶手段を有さない場合に比べ、容易に複数の使用者の各々に対応した出力対象情報を出力する、という効果が得られる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、使用者情報が付加された出力対象情報を出力要求情報としない場合に比べ、容易に出力要求情報に含まれる出力対象情報を対応する使用者毎に出力する、という効果が得られる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、第2節電状態から第1節電情報に移行しない場合に比べ、消費電力を抑制する、という効果が得られる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、出力要求情報が受信されてから使用者情報が受け付けられるまでの時間の履歴に基づいて第2節電状態制限期間を導出しない場合に比べ、節電状態の移行期間に使用者の使用スタイルが反映される、という効果が得られる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、第2節電状態から第1節電情報に移行しない場合に比べ、消費電力を抑制する、という効果が得られる。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、第1節電状態を解除しない場合に比べ、第2節電状態から第1節電状態に移行した後の解除により第2節電状態に復帰させる、という効果が得られる。
【0023】
請求項8に係る発明によれば、出力手段を記録手段としない場合に比べ、出力対象情報が記録された記録媒体が容易に得られる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る情報出力処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】実施形形態に係るCPUが情報出力処理プログラムを実行した際の画像形成装置での消費電力の推移の一例を示すタイムチャートである。
【図4】実施形態に係る第2節電状態制限期間更新処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施形態に係る情報出力処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明の情報出力装置を、入力された画像情報に応じた画像を色材を記録媒体に付着させることにより形成する画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0026】
図1には本実施形態に係る画像形成装置10の構成が示されている。同図に示されるように、画像形成装置10は、CPU(中央処理装置)12、読取専用の記憶媒体であるROM(Read Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)16、不揮発性の記憶媒体であるNVM(Non Volatile Memory)18、UI(ユーザ・インタフェース)パネル20を含んで構成された制御装置22を備えている。
【0027】
CPU12は、画像形成装置10全体の動作を司るものである。ROM14は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラム、後述する情報出力処理プログラム、第2節電状態制限期間更新処理プログラム、及び各種パラメータ等を予め記憶する記憶媒体として機能するものである。RAM16は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる記憶媒体である。NVM18は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶する記憶媒体である。
【0028】
UIパネル20は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。
【0029】
CPU12、ROM14、RAM16、NVM18、及びUIパネル20は、システムバス等のバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU12は、ROM14、RAM16、NVM18へのアクセスと、UIパネル20への各種情報の表示と、UIパネル20に対するユーザの操作指示内容の把握と、を各々行う。
【0030】
また、画像形成装置10は、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28を含んで構成されている。
【0031】
通信インタフェース24は、端末装置(ここでは、例えばパーソナル・コンピュータ)30に接続され、端末装置30から出力対象情報の出力を要求する出力要求情報等の各種情報の受信、及び端末装置30への各種情報の送信を行うためのものである。通信インタフェース24としては、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)やモデムなどが挙げられる。なお、本実施形態では、上記の出力要求情報として、記録用紙(図示省略)に形成する画像を示す画像情報に後述の使用者情報が付加された情報を用いている。
【0032】
読取装置26は、IC(Integrated Circuit)カード(図示省略)に記憶された認証用の情報(画像形成装置10の使用者を示す使用者情報)を読み取るためのICカードリーダであり、コネクタ(図示省略)を介して画像形成装置10に着脱自在に取り付けられている。具体的には、読取装置26は、コネクタを介してバスBUSに接続されている。なお、本実施形態では、読取装置26としてICカードリーダを用いているが、ICカードの代わりに磁気カードが使用されるときには、読取装置26として磁気カードリーダが用いられることは言うまでもない。また、ICカードとして、RFID(Radio Frequency Identification System;電波方式認識システム)タグが埋め込まれたカードが使用されるときには、読取装置26として当該RFIDタグと無線で通信を行うRFIDリーダが用いられる。このように、読取装置26は、使用者情報が記憶されている可搬型記憶媒体に対応したもの、すなわち、可搬型記憶媒体から該使用者情報を読み取る機能を有するものであればよい。
【0033】
画像形成エンジン部28は、ゼログラフィ方式にて記録用紙の記録面に対して画像形成を行うものであり、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のトナー(色材)によるカラー画像や、ブラックのトナーのみを用いて白黒の濃淡画像を形成する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、トナーが付着される記録媒体として記録用紙を適用しているが、これに限らず、例えば、カラーフィルタの基材となる透明ガラス基板や透明プラスチック基板なども対象となり、色材が付着して画像情報により示される画像が形成されるものであれば如何なるものあってもよい。
【0034】
通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28もまた、バスBUSに接続されている。従って、CPU12は、端末装置30からの通信インタフェース24を介した各種情報の受信と、端末装置30への通信インタフェース24を介した各種情報の送信と、読取装置26によるICカードに記憶された使用者情報の読み取り制御と、画像形成エンジン部74の作動の制御と、を各々行う。
【0035】
また、画像形成装置10は、電源装置32を含んで構成されている。電源装置32は、切替部34を介して、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28の各々に接続されており、切替部34を介して、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28の各々に対して電力を供給するものであり、電源スイッチ(図示省略)がオンされることにより、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28の各々を作動させるための電力が供給される。切替部34は、CPU12の制御によって、電力供給先の各々への電力の供給と供給停止とを切り替える。また、切替部34は、CPU12の制御によって、電力供給先の各々への電力の供給量を変更する。
【0036】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10の作用として、先ず、図2を参照しながら、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられている状態で画像形成装置10によって実行される情報出力処理について説明する。なお、図2は、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられている状態で画像形成装置10の電源スイッチがオンされた際にCPU12によって実行される情報出力処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM14に予め記憶されている。
【0037】
同図のステップ100では、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28の各々に電力が供給される非節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ102へ移行し、非節電状態となるまで待機する。
【0038】
次のステップ104では、端末装置30から送信された出力要求情報を通信インタフェース24を介して受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ106へ移行する。
【0039】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、NVM18の記憶領域が使用者毎に分けられており、CPU12により、上記ステップ104で受信した出力要求情報に含まれる画像情報が、NVM18における該画像情報に付加された使用者情報により示される使用者に対応する記憶領域に記憶され、必要に応じて該記憶領域から読み出されるようになっているが、これに限らず、予め使用者毎に所謂親展ボックスとして機能するNVMを1つずつ割り当てておき、CPU12により、使用者毎の上記ステップ104で受信した出力要求情報に含まれる画像情報が、該画像情報に付加された使用者情報により示される使用者に対応するNVMに記憶され、必要に応じて該NVMから読み出されるようにしてもよい。
【0040】
ステップ106では、読取装置26によりICカードに記憶されている使用者情報を読み取ったか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ108へ移行する。
【0041】
ステップ108では、上記ステップ104で受信した出力要求情報に上記ステップ106で読み取った使用者情報が含まれているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ144へ移行する一方、否定判定となった場合にはステップ110へ移行し、UIパネル20に対して、出力要求情報に含まれる使用者情報と読取装置26によって読み取られた使用者情報とが異なることを示す情報(例えば、「使用者情報が間違っています。」というメッセージ)を表示させる。
【0042】
一方、ステップ106において否定判定となった場合にはステップ114へ移行し、上記ステップ102の処理が終了してから予め定められた時間(以下、「非節電状態制限期間」と言う。)を経過したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ106へ移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ116へ移行する。
【0043】
ステップ116では、読取装置26及び画像形成エンジン部28への電力の供給が停止されると共に、制御装置20及び通信インタフェース24の各々に対して電力が供給される第1節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ118へ移行し、第1節電状態となるまで待機する。
【0044】
次のステップ120では、UIパネル20に対してユーザによる第1節電状態の解除を指示する指示入力が行われるまで待機した後にステップ130へ移行する。
【0045】
一方、ステップ104において否定判定となった場合にはステップ122へ移行し、上記ステップ102の処理が終了してから非節電状態制限期間を経過したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ104へ戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ124へ移行する。
【0046】
ステップ124では、第1節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ126へ移行し、第1節電状態となるまで待機する。
【0047】
次のステップ128では、端末装置30から送信された出力要求情報を通信インタフェース24を介して受信するまで待機する。
【0048】
次のステップ130では、画像形成エンジン部28への電力の供給が停止されると共に、制御装置20、通信インタフェース24、及び読取装置26の各々に対して電力が供給される第2節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ132へ移行し、第2節電状態となるまで待機する。
【0049】
次のステップ134では、読取装置26によりICカードに記憶されている使用者情報を読み取ったか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ136へ移行する。
【0050】
ステップ136では、上記ステップ104又は上記ステップ128で受信した出力要求情報に上記ステップ134で読み取った使用者情報が含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ138へ移行し、UIパネル20に対して、出力要求情報に含まれる使用者情報と読取装置26によって読み取られた使用者情報とが異なることを示す情報を表示させ、肯定判定となった場合にはステップ140へ移行する。
【0051】
ステップ140では、上記ステップ100と同様の処理を実行した後にステップ142へ移行し、上記ステップ102と同様の処理を実行した後にステップ144へ移行する。
【0052】
一方、ステップ134において否定判定となった場合にはステップ135へ移行し、上記ステップ132の処理が終了してから予め定められた時間(以下、「第2節電状態制限期間」と言う。)を経過したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ134へ戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ116へ移行する。なお、本実施形態では、第2節電状態制限期間がNVM18に使用者毎に記憶されており、上記ステップ135の処理では、NVM18に記憶されている第2節電状態制限期間のうち、上記ステップ104又は上記ステップ128で受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間が用いられる。また、本実施形態では、CPU12が後述する第2節電状態制限期間更新処理プログラムを実行することによりNVM18に記憶された第2節電状態制限期間を用いて上記ステップ135の処理を実行しているが、これに限らず、例えば、ROM14に第2節電状態制限期間としての時間を示す情報を予め記憶させておき、該情報により示される時間を用いて上記ステップ135の処理を実行するようにしてもよい。
【0053】
ステップ144では、画像形成エンジン部28に対して、上記ステップ104又は上記ステップ128で受信した出力要求情報に含まれる画像情報によって示される画像を記録用紙に形成させることにより該出力要求情報に含まれる画像情報を出力した後、本情報出力処理プログラムを終了する。
【0054】
図3には、本実施形形態に係るCPU12が情報出力処理プログラムを実行した際の画像形成装置10での消費電力の推移の一例を示すタイムチャートが示されている。
【0055】
同図に示されるように、画像形成装置10は、電源スイッチがオンされると、電源装置32から切替部34を介して、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28に電力が供給されて起動状態となり、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28の起動が完了(画像形成の準備が完了)すると、起動状態のときよりも消費電力を抑制した状態で画像形成の指示を待つ第1待機状態へ移行する。
【0056】
画像形成装置10は、第1待機状態が予め定められた時間(ここでは、例えば40分)を経過すると、第1待機状態のときよりも消費電力を抑制した状態で画像形成の指示を待つ第2待機状態へ移行し、第2待機状態が更に予め定められた時間(ここでは、例えば60分)を経過すると、第1節電状態へ移行する。すなわち、制御装置22、通信インタフェース24、読取装置26、及び画像形成エンジン部28の起動が完了してから画像形成エンジン部28の非作動状態が非節電状態制限期間(ここでは、例えば100分)継続されると、第1節電状態へ移行する。
【0057】
画像形成装置10は、第1節電状態で端末装置30から送信された出力要求情報を受信すると、消費電力を第1節電状態よりも増大し、かつ第2待機状態よりも抑制した状態で出力要求情報に含まれる画像情報に対して画像処理を施す画像処理状態へ移行し、画像処理が終了すると、消費電力を第1節電状態よりも増大し、かつ画像処理状態よりも抑制した状態で使用者の認証の完了を待つ第2節電状態へ移行する。
【0058】
画像形成装置10は、第2節電状態で使用者の認証が完了すると(上記情報出力処理プログラムにおけるステップ108又はステップ136の処理で肯定判定となると)起動状態へ移行し、起動が完了すると、消費電力を第1待機状態よりも増大し、かつ起動状態よりも抑制した状態で画像形成エンジン部28に対して画像形成を行わせる画像形成状態へ移行する。
【0059】
画像形成装置10は、画像形成状態で画像形成エンジン部28による画像形成が終了すると、第1待機状態へ移行する。
【0060】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10は、第1待機状態で出力要求情報を受信すると、第1待機状態を維持したまま画像処理及び使用者の認証を行い、起動状態を経て使用者の認証が完了すると、画像形成状態へ移行する。また、本実施形態に係る画像形成装置10は、第2待機状態で出力要求情報を受信すると、画像処理状態へ移行し、画像処理が終了すると、第2待機状態に戻り、使用者の認証が完了すると、起動状態を経て画像形成状態へ移行する。
【0061】
次に、図4を参照しながら画像形成装置10によって実行される第2節電状態制限期間更新処理について説明する。なお、図4は、画像形成装置10が第2節電状態になった際にCPU12によって実行される第2節電状態制限期間更新処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM14に予め記憶されている。なお、ここでは、錯綜を回避するために、NVM18に第2節電状態制限期間(ここでは、10分)が記憶されている場合について説明する。
【0062】
同図のステップ200では、内部タイマー(図示省略)による計時を開始した後、ステップ202へ移行し、読取装置26によってICカードに記憶されている使用者情報を読み取らせ、読み取らせた使用者情報が、上記情報出力処理プログラムのステップ104又はステップ128で受信した出力要求情報に含まれる使用者情報と一致するまで待機(上記情報出力処理プログラムのステップ136で肯定判定となるまで待機)する。
【0063】
次のステップ204では、内部タイマーによる計時を停止した後にステップ206へ移行し、内部タイマーによって計時された時間(上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間)を履歴として使用者毎に区別してNVM18に記憶することにより蓄積する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、NVM18の記憶領域を分割し、分割した記憶領域の各々を各使用者に割り当て、使用者毎の内部タイマーによって計時された時間の履歴を対応する記憶領域に記憶するようにしているが、これに限らず、使用者毎にNVMを1つずつ割り当て、使用者毎の内部タイマーによって計時された時間の履歴を対応するNVMに記憶するようにしてもよい。
【0064】
次のステップ208では、NVM18に記憶されている時間の履歴に基づいて第2節電状態制限期間を導出した後にステップ210へ移行する。本実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ208の処理として、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間の履歴で最も多くの時間が属する時間帯に対応した時間を第2節電状態制限期間として導出する処理を行っている。
【0065】
本実施形態に係る画像形成装置10では、上記ステップ208の処理を実行する際に、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間帯が、各々時間幅が異なる複数の時間帯、例えば1分未満、1分以上5分未満、5分以上10分未満、10分以上20分未満、20分以上30分未満、30分以上60分未満、及び60分以上の7つの時間帯に分けられており、1分未満の時間帯に第2節電状態制限期間として1分が、1分以上5分未満の時間帯に第2節電状態制限期間として5分が、5分以上10分未満の時間帯に第2節電状態制限期間として10分が、10分以上20分未満の時間帯に第2節電状態制限期間として20分が、20分以上30分未満の時間帯に第2節電状態制限期間として30分が、30分以上60分未満の時間帯に第2節電状態制限期間として60分が、60分以上の時間帯に第2節電状態制限期間として0分が各々割り当てられたテーブルが用いられる。該テーブルはROM14に予め記憶されている。
【0066】
従って、上記ステップ208の処理では、ROM14から上記テーブルを読み出し、該テーブルを参照して、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間が最も多い時間帯に対応した第2節電状態制限期間を導出している。例えば、下記の表1に示すように、使用者1について、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間が1分未満の時間帯に最も多い場合には第2節電状態制限期間として1分を適用し、使用者2について、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間が5分以上10分未満の時間帯に最も多い場合には第2節電状態制限期間として10分を適用し、使用者3について、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間が60分以上の時間帯に最も多い場合には第2節電状態制限期間として0分を適用する。なお、上記ステップ200の処理により内部タイマーをスタートしてから上記ステップ204の処理により内部タイマーをストップするまでの時間が最も多い時間帯がない場合には上記情報出力処理プログラムのステップ140で用いられる第2節電状態制限期間として既にNVM18に記憶されている使用者毎の第2節電状態制限期間を継続して用いる。
【0067】
【表1】

ステップ210では、上記ステップ208で導出した第2節電状態制限期間を上記情報出力処理プログラムのステップ140で用いられる第2節電状態制限期間としてNVM18に記憶することにより更新し、本第2節電状態制限期間更新処理プログラムを終了する。
【0068】
次に、図5を参照しながら、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられていない状態で画像形成装置10によって実行される情報出力処理について説明する。なお、図5は、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられていない状態で画像形成装置10の電源スイッチがオンされた際にCPU12によって実行される情報出力処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM14に予め記憶されている。
【0069】
同図のステップ300では、制御装置22、通信インタフェース24、及び画像形成エンジン部28の各々に電力が供給される第2非節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ302へ移行し、第2非節電状態となるまで待機する。
【0070】
次のステップ304では、端末装置30から送信された出力要求情報を通信インタフェース24を介して受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ318へ移行する一方、否定判定となった場合にはステップ306へ移行する。
【0071】
ステップ306では、上記ステップ302の処理が終了してから、上記非節電状態制限期間とは異なる期間とされた第2非節電状態制限期間を経過したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ304へ戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ308へ移行する。なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、上記の第2非節電状態制限期間を非節電状態制限期間よりも短い期間(ここでは、例えば非節電状態制限期間の1/4の期間(25分))としている。
【0072】
ステップ308では、画像形成エンジン部28への電力の供給が停止されると共に、制御装置22及び通信インタフェース24の各々に対して電力が供給される第3節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ310へ移行し、第3節電状態となるまで待機する。
【0073】
次のステップ312では、端末装置30から送信された出力要求情報を通信インタフェース24を介して受信するまで待機した後にステップ314へ移行し、第2非節電状態となるように切替部34を制御した後にステップ316へ移行し、第2非節電状態となるまで待機した後にステップ318へ移行する。
【0074】
ステップ318では、画像形成エンジン部28に対して、上記ステップ304又は上記ステップ312で受信した出力要求情報に含まれる画像情報によって示される画像を記録用紙に形成させることにより該出力要求情報に含まれる画像情報を出力した後、本情報出力処理プログラムを終了する。
【0075】
なお、上記実施形態では、1人の使用者によって送信された出力要求情報の受信に対して認証を行って画像形成を行う場合について説明したが、これに限らず、複数の使用者の各々によって複数の端末装置30を用いて個別に送信された出力要求情報を受信し、使用者毎に認証を行って画像形成を行うようにしてもよい。この場合、NVM18が使用者情報に対応させて画像情報を記憶するものであり、通信インタフェース24を介してCPU12によって出力要求情報が受信されてから読取装置26によってICカードの使用者情報が読み取られ、かつ読取装置26によって読み取られた使用者情報に対応する画像情報がNVM18に記憶されていた場合に、画像形成エンジン部28がNVM18における読取装置26によって読み取られた使用者情報に対応する画像情報により示される画像を記録用紙に形成する。具体的には、NVM18の記憶領域を予め使用者毎に分割して割り当てておき、CPU12が通信インタフェース24を介して受信した出力要求情報に含まれる使用者情報が付加された画像情報を、NVM18における該使用者情報により示される使用者に対応する記憶領域に記憶し、該記憶領域に対応する使用者を示す使用者情報が読取装置26によって読み取られた場合に、CPU12が該記憶領域に記憶されている画像情報を読み出して該画像情報により示される画像を記録用紙に形成させるように画像形成エンジン部28を制御する。
【0076】
また、上記実施形態では、使用者毎に、内部タイマーによって計時された時間の履歴に応じて第2節電状態制限期間を導出し、第2節電状態が該第2節電状態制限期間継続された場合に、第1節電状態に移行する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、下記の表2に示すように、使用者毎に予め第2節電状態制限期間を固定値として設定しておいてもよい。このように、第2節電状態が、第2節電状態に移行前の第1節電状態で通信インタフェース24によって受信された出力要求情報に含まれる使用者情報に対応する第2節電状態制限期間継続された場合に、第1節電状態に移行するようにCPU12が制御を行うことにより、該制御を行わない場合に比べ、容易に第2節電状態から第1節電状態への移行期間が使用者毎に固定される。
【0077】
なお、複数の出力要求情報を順次に受信し、先に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間の一部と、後に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間の一部とが重なる場合、又は複数の出力要求情報を順次に受信し、後に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間の一部と、先に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間の一部とが重なる場合には、各第2節電状態制限期間の和から重複期間を減じた期間が上記ステップ135の処理で用いられる第2節電状態制限期間となる。また、複数の出力要求情報を順次に受信し、先に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間に、後に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間が収まる場合には、先に受信した出力要求情報に含まれる使用者情報により示される使用者に対応する第2節電状態制限期間の残りの期間が上記ステップ135の処理で用いられる第2節電状態制限期間となる。
【0078】
【表2】

また、上記実施形態では、使用者毎に対応する第2節電状態制限期間を使用しているが、これに限らず、使用者に関係なく1つの第2節電状態制限期間を使用し続けてもよく、この場合、UIパネル20に対するユーザによる入力操作により第2節電状態制限期間が変更されるように画像形成装置10を構成することが好ましい。
【0079】
また、上記実施形態では、第3節電状態から第2非節電状態に復帰するトリガーとして出力要求情報を用いているが、これに限らず、例えば、ユーザがUIパネル20に対して第3節電状態から第2非節電状態への復帰を指示する情報を入力することにより第3節電状態から第2非節電状態に復帰させるようにしてもよい。また、第3節電状態から第2非節電状態への復帰を指示するプッシュ式スイッチを設け、該スイッチを押下することにより第3節電状態から第2非節電状態に復帰させるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、テーブルを参照して第2節電状態制限期間を導出する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、内部タイマーによって計時された時間の使用者毎の履歴から内部タイマーによって計時された時間の平均値を算出し、該平均値を第2節電状態制限期間としてもよいし、内部タイマーによって計時された時間の使用者毎の履歴のうちの最長時間を第2節電状態制限期間としてもよい。このように、内部タイマーによって計時された時間の使用者毎の履歴に基づいて第2節電状態制限期間を導出する方法は如何なる方法であってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、受信した出力要求情報に含まれる使用者情報が読取装置26によって読み取られた使用者情報であった場合に画像情報の出力を許可するようにしているが、これに限らず、例えば、画像形成装置10の使用を許可された使用者を示す使用者情報を画像形成装置10のROM14またはNVM18などの記憶手段に予め記憶させておき、受信した出力要求情報に含まれる使用者情報に拘らず、読取装置26によって読み取られた使用者情報が該記憶手段に記憶されている使用者情報であった場合に該出力要求情報に含まれる画像情報の出力を許可するようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、出力要求手段を使用者情報及び画像情報により構成した場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、使用者情報のみを出力要求情報としてもよい。この場合、画像形成装置10に所謂親展ボックスとして機能するNVMを使用者毎に予め設けておき、NVMに対応する使用者情報を出力要求情報として受信してから読取装置26によって使用者情報を読み取り、認証が完了した場合に該NVMに記憶されている画像情報により示される画像を画像形成エンジン部28により記録用紙に形成する形態例が挙げられる。なお、画像形成装置10にスキャナ機能及びFAX機能の少なくとも1つを付加してもよく、例えば、スキャナ機能が付加されている場合には、スキャナ機能を働かせることよって得られた画像情報をユーザが指定したNVM(該ユーザ用のNVM)に格納しておき、NVMに対応する使用者情報を出力要求情報として受信してから読取装置26によって使用者情報を読み取り、認証が完了した場合に該NVMに記憶されている画像情報により示される画像を画像形成エンジン部28により記録用紙に形成する。また、FAX機能が付加されている場合には、FAX機能を働かせることよって得られた画像情報をユーザが指定したNVMに格納しておき、NVMに対応する使用者情報を出力要求情報として受信してから読取装置26によって使用者情報を読み取り、認証が完了した場合に該NVMに記憶されている画像情報により示される画像を画像形成エンジン部28により記録用紙に形成する。
【0083】
また、上記実施形態では、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられている状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行される場合、及び読取装置26が画像形成装置10に取り付けられていない状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行される場合について説明したが、これらの場合、CPU12が、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられている状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行されたこと、及び読取装置26が画像形成装置10に取り付けられていない状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行されたことを履歴としてNVM18に記憶し、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられている状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行された後に、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられていない状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行された、との履歴がある上で、再度、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられた場合、以降、読取装置26が画像形成装置10に取り付けられている状態で画像形成装置10によって情報出力処理が実行された際には、CPU12が、非節電状態で画像形成エンジン部28の非作動状態が非節電状態制限期間継続された場合に第1節電状態に移行するように制御を行うことに代えて、非節電状態で画像形成エンジン部28の非作動状態が第2非節電状態制限期間継続された場合に第1節電状態に移行するように制御を行うことが好ましい。
【0084】
また、上記実施形態では、ICカードを用いた認証を例に挙げて説明したが、これに限らず、バイオメトリクス認証方式(指紋、眼球の虹彩、及び声紋などの身体的特徴によって本人確認を行う認証方式)を用いた認証を行うようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、画像形成エンジン部28としてゼログラフィ方式のものを適用したが、これに限らず、マグネトグラフィ方式やインクジェット記録方式のものなどを適用してもよく、色材を記録媒体の記録面に付着させることにより画像情報により示される画像を記録媒体に記録する形態のものであれば如何なるものであってもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、情報出力処理プログラム及び第2節電状態制限期間更新処理プログラムがROM14に予め記憶されている場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、情報出力処理プログラム及び第2節電状態制限期間更新処理プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USBメモリなどのコンピュータによって読み取られる記録媒体に格納した状態で提供する形態を適用してもよいし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用しても良い。
【0087】
また、上記実施形態では、画像形成エンジン部28が画像情報により示される画像を形成することにより該画像情報を出力する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、LCD(liquid crystal display)パネル(液晶表示パネル)や有機ELディスプレイなどの表示装置が画像情報により示される画像を表示することにより該画像情報を出力するようにしてもよい。また、画像情報を画像形成エンジン部28を用いて永久可視表示を行うことにより出力する形態、画像情報を表示装置を用いて可視表示を行うことにより出力する形態以外の出力形態としては、画像情報を予め指定されている端末装置30や端末装置30以外の通信機器などに転送する形態が挙げられる。
【0088】
また、上記実施形態では、出力対象情報として画像情報を用いた場合の画像形成装置の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、出力対象情報として音声情報を用いた音声再生装置を適用してもよい。この場合、音声再生装置が音声情報により示される音声を再生することにより該音声情報を出力する。この他に、出力対象情報としては、映像を示す映像情報や振動を示す振動情報などが挙げられる。このように出力対象情報は電子化された情報であれば如何なるものであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 画像形成装置
12 CPU(制御手段、導出手段)
18 NVM(記憶手段、蓄積手段)
24 通信インタフェース(受信手段)
26 読取装置(受付手段)
28 画像形成エンジン部(出力手段、記録手段)
32 電源装置(供給手段)
34 切替部(供給手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力対象情報の出力を要求する出力要求情報を電力が供給されている状態で受信する受信手段と、
使用者を示す使用者情報を電力が供給されている状態で受け付ける受付手段と、
前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が特定の前記使用者情報であった場合に電力が供給されている状態で前記出力対象情報を出力する出力手段と、
前記受信手段、前記受付手段、及び前記出力手段の各々に電力を供給する供給手段と、
前記供給手段によって、前記受信手段、前記受付手段、及び前記出力手段の各々に電力が供給される非節電状態で前記出力手段の非作動状態が予め定められた非節電状態制限期間継続した場合に、前記受付手段及び前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段に電力を供給する第1節電状態に移行し、前記第1節電状態で前記受信手段によって前記出力要求情報が受信された場合に、前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段及び前記受付手段の各々に電力を供給する第2節電状態に移行し、前記第2節電状態で前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が前記特定の使用者情報であった場合に、前記非節電状態に復帰するように前記供給手段を制御する制御手段と、
を含む情報出力装置。
【請求項2】
前記使用者情報に対応させて前記出力対象情報を記憶した記憶手段を更に含み、
前記出力手段は、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報に対応する前記出力対象情報が前記記憶手段に記憶されていた場合に、前記記憶手段における前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報に対応する前記出力対象情報を出力する請求項1記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記受信手段は、前記使用者情報が付加された前記出力対象情報を前記出力要求情報として受信し、
前記出力手段は、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が前記受信手段によって受信された前記出力要求情報に含まれていた場合に、該出力要求情報に含まれる前記出力対象情報を出力する請求項1記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2節電状態が、前記第2節電状態に移行前の前記第1節電状態で前記受信手段によって受信された前記出力要求情報に含まれる前記使用者情報に対応する予め定められた第2節電状態制限期間継続した場合に、前記第1節電状態に移行するように前記供給手段を制御する請求項3記載の情報出力装置。
【請求項5】
前記使用者毎に、前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられるまでの時間の履歴を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段により蓄積された前記使用者毎の前記履歴に基づいて前記第2節電状態制限期間を導出する導出手段と、を更に含み、
前記制御手段は、前記第1節電状態で前記受信手段によって受信された出力要求情報に含まれる前記使用者情報に対応する前記第2節電状態制限期間が導出されるように前記導出手段を制御し、前記第2節電状態が前記導出手段によって導出された前記第2節電状態制限期間継続した場合に、前記第1節電状態に移行するように前記供給手段を制御する請求項4記載の情報出力装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2節電状態が予め定められた第2節電状態制限期間継続した場合に、前記第1節電状態に移行するように前記供給手段を制御する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の情報出力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2節電状態から前記第1節電状態に移行した後に前記第1節電状態で前記第1節電状態の解除を指示する情報が入力された場合に、前記第1節電状態から前記第2節電状態に移行するように前記供給手段を制御する請求項4〜請求項6の何れか1項に記載の情報出力装置。
【請求項8】
前記出力手段を、色材を記録媒体の記録面に付着させることにより前記出力対象情報を前記記録媒体に記録することにより出力する記録手段とした請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の情報出力装置。
【請求項9】
コンピュータを、
出力対象情報の出力を要求する出力要求情報を電力が供給されている状態で受信する受信手段、使用者を示す使用者情報を電力が供給されている状態で受け付ける受付手段、及び前記受信手段によって前記出力要求情報が受信されてから前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が特定の前記使用者情報であった場合に電力が供給されている状態で前記出力対象情報を出力する出力手段の各々に電力を供給する供給手段によって、前記受信手段、前記受付手段、及び前記出力手段の各々に電力が供給される非節電状態で前記出力手段の非作動状態が予め定められた非節電状態制限期間継続した場合に、前記受付手段及び前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段に電力を供給する第1節電状態に移行し、前記第1節電状態で前記受信手段によって前記出力要求情報が受信された場合に、前記出力手段に電力を供給せずに前記受信手段及び前記受付手段の各々に電力を供給する第2節電状態に移行し、前記第2節電状態で前記受付手段によって前記使用者情報が受け付けられ、かつ前記受付手段によって受け付けられた前記使用者情報が前記特定の使用者情報であった場合に、前記非節電状態に復帰するように前記供給手段を制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の情報出力装置を構成する制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−245928(P2010−245928A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93760(P2009−93760)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】