説明

情報表示システム

【課題】渋滞情報を表示する地図とともに日時を指定可能に画面に表示し、指定された日時に対応した渋滞情報を表示するようにして、日時の変化に対応した渋滞情報の変化を紙芝居的に表示することができ、渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができるようにする。
【解決手段】地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図を表示する表示部と、渋滞度を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、日時を指定する日時指定部と、前記渋滞度を示す渋滞度表示マークを前記地図上の道路に対応した位置に表示させ、かつ、前記日時指定部を前記地図とともに表示させる表示制御部とを有し、前記日時が指定されると、指定された日時における渋滞度を示す渋滞度表示マークを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載されるナビゲーション装置においては、道路地図データに基づいて、設定された出発地から目的地までの最適な経路を探索して、表示手段に表示するようになっている。この場合、前記出発地から目的地までの距離が最短となるように経路を設定したり、所要時間が最短となるように経路を設定したりするようになっている。
【0003】
また、交通情報センタが配信する交通情報を取得したり、車両が走行した際の走行履歴データを記憶手段に蓄積させたりして、所定の日付、曜日、時間帯等における統計的な渋滞情報を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、所望の日付、曜日、時間帯等を指定すると、指定された日付、曜日、時間帯等における渋滞情報が地図上に表示されるので、各道路上の渋滞情報を容易に把握することができる。
【特許文献1】特開平9−113290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、日付、曜日、時間帯等の条件を変更する場合、表示装置の表示画面を、渋滞情報が地図上に表示された画面から、操作用の画面に切り換えて、前記条件を指定するようになっている。そのため、該条件を変更して同じ地図上における渋滞情報の条件による変化を把握しようとしても、渋滞情報が地図上に表示された画面と画面とが表示される間に操作用の画面が表示されるので、渋滞情報の条件による変化を感覚的に把握することが困難であった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、渋滞情報を表示する地図とともに日時を指定可能に画面に表示し、指定された日時に対応した渋滞情報を表示するようにして、日時の変化に対応した渋滞情報の変化を紙芝居的に表示することができ、渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができる情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の情報表示システムにおいては、地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図を表示する表示部と、渋滞度を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、日時を指定する日時指定部と、前記渋滞度を示す渋滞度表示マークを前記地図上の道路に対応した位置に表示させ、かつ、前記日時指定部を前記地図とともに表示させる表示制御部とを有し、前記日時が指定されると、指定された日時における渋滞度を示す渋滞度表示マークを表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報表示システムにおいては、渋滞情報を表示する地図とともに日時を指定可能に画面に表示し、指定された日時に対応した渋滞情報を表示するようになっている。そのため、日時の変化に対応した渋滞情報の変化を紙芝居的に表示することができ、渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【0010】
図において、11は本実施の形態における図示されない情報表示システムの表示部の表示画面である。前記情報表示システムは、例えば、乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両に搭載されたナビゲーション装置であるが、図に示されるような表示画面11を表示することができる表示部を備える装置であれば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯情報端末、携帯電話機、PHS(Personal Handy−Phone System)電話機、ゲーム機等いかなるものであってもよい。また、前記情報表示システムは、単一の装置でなく、複数の装置からなるものであってもよい。例えば、前記情報表示システムは、ナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と通信可能に接続された情報提供サーバとから成り、該情報提供サーバがナビゲーション装置から送信した要求に応じて経路探索等のナビゲーション処理を実行し、その結果をナビゲーション装置に送信して表示させるシステムであってもよい。また、前記情報表示システムは、パーソナルコンピュータ及び該パーソナルコンピュータとインターネットを介して接続されたウェブサーバとから成り、前記パーソナルコンピュータからウェブサーバのホームページにアクセスし、該ホームページにおいて実行された経路探索等のナビゲーション処理の結果を取得して、前記パーソナルコンピュータに表示させるシステムであってもよい。なお、本実施の形態においては、情報表示システムが、単独でナビゲーション処理を実行する機能を備える車両に搭載されたナビゲーション装置であるものとして説明する。
【0011】
この場合、該ナビゲーション装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。前記ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、ビーコンセンサ、ジャイロセンサ等によって現在位置を検出する現在位置検出処理部、道路データ、探索データ等を含む地図データ等を記憶する記憶手段としてのデータ記録部、入力された情報に基づいて、設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理、経路の走行案内処理、地点や施設の検索を行うPOI(Point of Interest)検索処理等のナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部、入力部、表示部、音声入力部、音声出力部及び通信部を有し、設定された目的地までの経路を探索して案内を行うようになっている。
【0012】
そして、前記データ記録部は、探索データ等を含む地図データを記憶する。すなわち、前記データ記録部は、各種のデータファイルから成るデータベースを備え、経路を探索するための探索データの他、前記表示部の表示画面11に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、他の案内情報を表示したりするために、施設データ等の各種のデータを記録する。なお、前記データ記録部には、道路を構成する単位であるリンクに関する情報も含まれている。また、前記データ記録部には、所定の情報を音声出力部によって音声出力するための各種のデータも記録される。
【0013】
また、前記入力部は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、前記ナビゲーション装置本体に配設された操作キー、押しボタン、ジョグダイヤル、十字キー等から成るものであるが、リモートコントローラであってもよい。なお、表示部がタッチパネルである場合には、前記表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチから成るものであることが望ましい。この場合、通常のタッチパネルのように前記操作スイッチに触れる、すなわち、タッチすることによって、入力を行うことができる。
【0014】
そして、前記表示部の表示画面11には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等が表示される。前記表示部としては、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。ここでは、前記表示部が入力部としての機能も兼ね備えるタッチパネルであり、前記表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチにタッチすることによって、入力を行うことができるものとして説明する。
【0015】
本実施の形態において、ナビゲーション装置は、機能の観点から、入力された出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部、渋滞区間の位置、渋滞区間の長さ、渋滞区間の車速、渋滞区間の渋滞度等の渋滞情報を含む交通情報を取得して処理する交通情報処理部、操作者が所望の日付、曜日、時刻等の日時に対応する渋滞情報を表示させるために操作して日時を指定する日時指定部、表示部の表示画面11に表示されている道路について、指定された時刻における渋滞度を算出する渋滞度算出部、及び、表示部の動作を制御して地図及び日時指定部を表示させる表示制御部を有する。
【0016】
ここで、前記経路探索部は、通常のナビゲーション装置と同様に、出発地から目的地までの経路を探索する。なお、出発地は、通常、車両の現在位置が自動的に入力されるが、操作者が任意の地点を出発地として入力することもできる。そして、前記経路探索部は、データ記録部に格納されたデータベースにアクセスして、出発地から目的地までの距離が最短となるように経路を探索したり、所要時間が最短となるように経路を探索するが、交通情報処理部が取得した交通情報を参照して経路を探索してもよい。なお、該経路が案内の対象としての経路、すなわち、案内経路として設定されると、前記表示部の表示画面11に前記案内経路や該案内経路に沿った案内情報が表示されたり、音声出力部から案内情報が音声出力されることによって、経路案内が行われる。
【0017】
また、前記交通情報処理部は、例えば、VICS(R)(道路交通情報通信システム:Vehicle Information & Communication System)によって提供される交通情報であるVICS(R)情報、その他の交通情報提供センタが提供する交通情報、プローブカー等のプローブ手段が提供する交通情報等の交通情報を取得することができる。
【0018】
なお、本実施の形態において、前記交通情報処理部が取得する交通情報は、渋滞情報としての渋滞度を含むものであり、交通情報提供センタに配設されるサーバから配信されるものであるとして説明する。この場合、前記サーバは、予測リンク旅行時間パターンに基づいて、指定された道路を構成するリンクに関して指定時刻における渋滞予測情報を作成するようになっている。
【0019】
この際、前記サーバは、各リンクを通過するために必要な所要時間としてのリンク旅行時間を求め、該旅行時間と該当するリンクのリンク長とから車速を算出し、算出された車速に対応する渋滞度を求める。ここで、車速と渋滞度との対応はあらかじめ定義付けられており、例えば、一般道においては、車速が10〔km/h〕以下である場合は「渋滞」、10〔km/h〕を超えて20〔km/h〕以下である場合は「混雑」、20〔km/h〕を超えている場合は「渋滞なし」、と定義されている。なお、車速と渋滞度との対応は、道路の種別等に応じて適宜変更することができる。そして、前記サーバは、渋滞度として、「渋滞」、「混雑」及び「渋滞なし」を配信する。なお、前記渋滞予測情報の作成、渋滞度の決定等は、ナビゲーション装置において行うようにしてもよい。また、本実施の形態において、前記渋滞度は、「渋滞」、「混雑」及び「渋滞なし」の3段階であるが、前記渋滞度は2段階であってもよいし、4段階以上の段階であってもよい。
【0020】
そして、前記表示制御部は、図に示されるように、地図の描画を行って表示部の表示画面11に表示させる。この場合、前記交通情報処理部が取得して処理した渋滞情報を表示部の表示画面11に表示させる。そして、地図上の道路における渋滞区間の渋滞度を表示させる場合には、渋滞度に応じて、「渋滞」であることを示す渋滞度表示マーク13a、及び、「混雑」であることを示す渋滞度表示マーク13bを渋滞区間に対応する位置に沿って表示させる。なお、前記渋滞度表示マーク13a及び渋滞度表示マーク13bを統合的に説明する場合には、渋滞度表示マーク13として説明する。また、渋滞度が「渋滞なし」の場合には、渋滞度表示マーク13を表示しないこととする。
【0021】
図に示される例において、前記渋滞度表示マーク13は、模様によって渋滞度を直感的に把握することができるようにデザインされているが、前記渋滞度表示マーク13の形状、模様、色合い等のデザインは、渋滞度を識別可能に把握することができるものであればいかなるデザインであってもよい。例えば、渋滞度表示マーク13a及び渋滞度表示マーク13bを、それぞれ、赤、黄等の色で表示するようにしてもよい。また、図に示される例において、渋滞度表示マーク13は、渋滞度が3段階の場合に対応したものであるが、渋滞度が2段階や、4段階以上である場合に対応するようにしてもよい。
【0022】
ここで、前記渋滞度表示マーク13は、図に示されるように、表示画面11上における道路上の渋滞区間に対応する位置に表示される。なお、図において、12は車両の現在位置を示す現在位置マークであり、該現在位置マーク12における矢印の方向が車両の進行方向を示している。なお、前記渋滞度表示マーク13を表示画面11上に表示させるか否かは、操作者が入力部を操作することによって設定することができる。さらに、操作者が操作することによって、前記渋滞度表示マーク13の形態を任意に設定して、例えば、該渋滞度表示マーク13を車両の進行方向前方におけるすべての道路上の渋滞区間に対応する位置に表示させるようにしたり、前記渋滞度表示マーク13を経路探索部によって探索された経路についてのみ表示させるようにすることもできる。ここでは、図に示されるように、前記渋滞度表示マーク13は、車両の進行方向前方における道路であれば、経路探索部によって探索された経路以外の道路についても表示されるようになっているものとして説明する。
【0023】
さらに、前記表示制御部は、日時指定部としての日付指定部14及び時刻指定部15を地図とともに表示部の表示画面11に表示させる。前記日付指定部14は、日付が指定可能な表示形態であればいかなる表示形態で表示されていてもよいが、複数の日付が同時に表示される一覧表示又はリスト表示の表示形態であることが望ましい。そして、本実施の形態において、前記日付指定部14は、1ケ月分のカレンダー(図に示される例においては2004年7月のカレンダー)の表示形態を備え、各日付欄の模様によって該当する日付の渋滞度が示されている。例えば、7月1日(木曜日)の渋滞度は「渋滞なし」であり、7月2日(金曜日)の渋滞度は「渋滞」であり、7月3日(土曜日)の渋滞度は「混雑」であることが分かる。なお、各日付の渋滞度は、時刻指定部15に示される時刻(図に示される例においては18:00)における渋滞度である。すなわち、指定された時刻における渋滞度であり、渋滞度算出部によって算出される。この場合、日付欄に示される渋滞度は、各渋滞度を識別可能に把握することができるのであればいかなる表示形態であってもよく、例えば、「渋滞なし」を青色で、「混雑」を黄色で、「渋滞」を赤色で表示するようにしてもよい。
【0024】
また、各日付の渋滞度は、あらかじめ指定された道路区間における渋滞度を示すものである。前記道路区間は、任意に指定することができ、例えば、出発地から目的地までの経路を構成する道路のすべての区間であってもよいし、特定の道路における特定のリンクであってもよいし、特定のエリアに含まれるすべての道路区間であってもよいし、表示画面11に表示されている範囲に含まれるすべての道路区間であってもよいし、現在位置マーク12を中心とした所定の半径内に含まれるすべての道路区間であってもよいし、表示画面11に表示されているカーソルを中心とした所定の半径内に含まれるすべての道路区間であってもよい。ここでは、各日付の渋滞度は、表示画面11に表示されている範囲に含まれるすべての道路区間の渋滞度を示しているものとして説明する。
【0025】
この場合、前記各日付の渋滞度は、該当する日付において、表示画面11に表示されている範囲に含まれるすべての道路区間の渋滞度を代表するものとする。この渋滞度は、表示画面11に表示されている範囲に含まれる所定の渋滞度のリンクの本数、又は、所定の渋滞度のリンクのリンク長の総和に基づいて決定される。具体的には、表示画面11に表示されている範囲に含まれるすべてのリンクの総本数に対し、所定の渋滞度のリンクの本数が閾(しきい)値、例えば、30〔%〕以上であれば、該当する日付の渋滞度を前記所定の渋滞度とすることができる。すなわち、30〔%〕以上の本数のリンクが「渋滞」であれば、該当する日付の渋滞度を「渋滞」とすることができる。また、表示画面11に表示されている範囲に含まれるすべてのリンクの総距離に対し、所定の渋滞度のリンクのリンク長の総和が閾値、例えば、30〔%〕以上であれば、該当する日付の渋滞度を前記所定の渋滞度とすることもできる。
【0026】
一方、地図上の道路に沿って表示されている渋滞度表示マーク13が示す渋滞度は、日付指定部14において指定された日付(図に示される例においては7月20日(火曜日))の渋滞度である。そして、操作者は、手の指16によって該当する日付欄にタッチすることによって所望の日付を指定することができる。なお、手の指16以外のもの、例えば、ロッド状の部材等を使用してタッチしてもよい。そして、指定された日付の日付欄は、選択された日付を識別することができるように、他の日付欄と異なる表示形態で表示される。図に示される例においては、数字が大きく表示され、かつ、数字の下に横線が表示されている。
【0027】
また、前記時刻指定部15は、指定された時刻が表示される時刻表示欄15aと時刻を指定するための時刻指定ボタン15bとを有する。なお、図に示される例においては、該時刻指定ボタン15bは、時刻表示欄15aの左右に2つ表示され、一方の時刻指定ボタン15bにタッチすると時刻表示欄15aに表示されている時刻が進み、他方の時刻指定ボタン15bにタッチすると時刻表示欄15aに表示されている時刻が戻るようになっている。そのため、操作者は、手の指16でいずれかの時刻指定ボタン15bにタッチすることによって、時刻表示欄15aに表示されている時刻を所望の時刻に変更して、指定することができる。
【0028】
次に、前記構成のナビゲーション装置の動作について説明する。ここでは、指定された日時における渋滞度を表示する動作について説明する。
【0029】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の時刻が変更された場合の表示画面を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の日付が変更された場合の表示画面を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、操作者は、表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等にタッチして、渋滞度を表示させるメニューを選択する。これにより、図1に示されるような表示画面11が表示される。この場合、初期設定(デフォルト)として、所定の条件に基づいて決められた日付及び時刻、例えば、前記渋滞度を表示させるメニューを選択した時点における渋滞度を示す渋滞度表示マーク13が表示されることが望ましい。
【0031】
そして、前記操作者は、日時を指定する。この場合、前記操作者は、手の指16によって、日付指定部14において該当する日付欄にタッチすることによって所望の日付を指定する。また、時刻指定部15における時刻指定ボタン15bにタッチすることによって、時刻表示欄15aに表示されている時刻を所望の時刻に変更して指定する。
【0032】
続いて、ナビゲーション装置は、指定された日時における表示画面11内での渋滞度を取得する。この場合、表示画面11に表示されている範囲に含まれるすべての道路区間における渋滞度であって、指定された日付の指定された時刻における渋滞度を取得する。そして、渋滞度及び指定された日時を表示して処理を終了する。すなわち、図1に示されるような渋滞情報を表示する表示画面11を表示して処理を終了する。
【0033】
また、表示画面11に表示されている渋滞情報を他の日付又は時刻に対応するものに変更する場合にも、前述した動作が繰り返される。例えば、図1に示されるような表示画面11に表示されている渋滞情報を他の時刻に対応するものに変更する場合、操作者は手の指16によって時刻指定ボタン15bにタッチし、所望の時刻に変更する。すると、表示画面11が図2に示されるようなものに変更される。図2は時刻が7:00に変更された場合であり、地図上の道路に沿って表示されている渋滞度表示マーク13が示す渋滞度は、7月20日(火曜日)の7:00における渋滞度である。なお、指定された時刻が1800:から7:00に変更されたので、図2に示されるように、日付指定部14における各日付欄が示す該当する日付の渋滞度も変更される。
【0034】
このように、地図上に渋滞情報としての渋滞度が表示されている表示画面11における時刻指定ボタン15bにタッチして他の時刻を指定すると、同じ地図上において渋滞度が指定された時刻に対応して変更される。そのため、操作者は、時刻の変化による渋滞度の変化を、複数齣(こま)の静止画を連続的に表示させた動画を視認するのと同様の感覚で、視覚的に容易に把握することができる。すなわち、時刻の変化に対応した渋滞情報の変化が紙芝居的に表示されるので、操作者は渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができる。
【0035】
さらに、図2に示されるような表示画面11に表示されている渋滞情報を他の日付に対応するものに変更する場合、操作者は手の指16によって日付指定部14の該当する日付欄にタッチし、所望の日付に変更する。すると、表示画面11が図3に示されるようなものに変更される。図3は日付が7月26日(月曜日)に変更された場合であり、地図上の道路に沿って表示されている渋滞度表示マーク13が示す渋滞度は、7月26日(月曜日)の7:00における渋滞度である。なお、指定された日付が20日から26日に変更されたので、図3に示されるように、日付指定部14における7月26日(月曜日)の表示欄における数字が大きく表示され、かつ、数字の下に横線が表示されている。
【0036】
このように、地図上に渋滞情報としての渋滞度が表示されている表示画面11における日付指定部14にタッチして他の日付を指定すると、同じ地図上において渋滞度が指定された日付に対応して変更される。そのため、操作者は、日付の変化による渋滞度の変化を、複数齣の静止画を連続的に表示させた動画を視認するのと同様の感覚で、視覚的に容易に把握することができる。すなわち、日付の変化に対応した渋滞情報の変化が紙芝居的に表示されるので、操作者は渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができる。
【0037】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 日時を指定する。
ステップS2 指定された日時における表示画面11内での渋滞度を取得する。
ステップS3 渋滞度及び指定された日時を表示して処理を終了する。
【0038】
このように、本実施の形態においては、表示部の表示画面11に、渋滞情報としての渋滞度を示す渋滞度表示マーク13を表示する地図とともに、日時指定部としての日付指定部14及び時刻指定部15を表示するようになっている。そして、日付指定部14を操作して日付を指定すると、同じ地図上において渋滞度表示マーク13の表示が指定された日付に対応して変更される。また、時刻指定部15を操作して日付を指定すると、同じ地図上において渋滞度表示マーク13の表示が指定された時刻に対応して変更される。そのため、日付又は時刻の変化に対応した渋滞情報の変化が紙芝居的に表示されるので、操作者は、渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができる。
【0039】
また、日付指定部14は、1ケ月分の日付欄を含むカレンダーを備え、各日付欄の表示形態によって該当する日付の渋滞度を示すようになっている。そのため、操作者は、長期間、すなわち、1ケ月間に亘(わた)る渋滞情報の変化を概括的に容易に把握することができる。また、曜日毎の渋滞情報の変化を把握することもできる。さらに、時刻指定部15を操作して時刻を指定すると、日付指定部14における各日付欄が示す該当する日付の渋滞度も時刻に対応して変更される。そのため、長期間、すなわち、1ケ月間に亘る渋滞情報の時刻に対応する変化が紙芝居的に表示されるので、操作者は、渋滞情報の変化を視覚的に容易に把握することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0041】
図5は本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【0042】
本実施の形態においては、図5に示されるように、時刻指定部15の表示が省略され、日付指定部14が、指定された日付が表示される日付表示欄14aと日付を指定するための日付指定ボタン14bを有する。なお、図5に示される例においては、前記日付指定ボタン14bは、日付表示欄14aの左右に2つ表示され、一方の日付指定ボタン14bにタッチすると日付表示欄14aに表示されている日付が進み、他方の日付指定ボタン14bにタッチすると日付表示欄14aに表示されている日付が戻るようになっている。そのため、操作者は、手の指16でいずれかの日付指定ボタン14bにタッチすることによって、日付表示欄14aに表示されている日付を所望の日付に変更して、指定することができる。
【0043】
このように、本実施の形態においては、日時指定部の表示が簡素化されているので、日時指定部の表示スペースを小さくすることができる。そのため、日時指定部によって地図が覆い隠される面積を狭くすることができるので、表示画面11が小さい場合に適している。また、日付表示欄14aの日付の文字を比較的大きく表示することができるので、表示画面11が小さい場合であっても、視認性が低下することがない。
【0044】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0045】
図6は本発明の第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の日付指定部を示す図である。
【0046】
本実施の形態においては、図6(a)に示されるように、日付指定部14の表示形態が、前記第1の実施の形態よりも詳細なものとなっている。すなわち、前記日付指定部14は、前記第1の実施の形態と同様に、1ケ月分のカレンダー(図6(a)に示される例においては2004年7月のカレンダー)の表示形態を備えているが、図6(b)に拡大して示されるように、各日付欄17が日付を示す日付枠17aと渋滞度を示す渋滞度枠17bとに分割されている。さらに、該渋滞度枠17bは3分割され、中央の枠は図示されない時刻指定部15に表示されている指定された時刻に対応する渋滞度を示し、左側の枠は前記指定された時刻より所定の時間だけ前の時刻に対応する渋滞度を示し、右側の枠は前記指定された時刻より所定の時間だけ後の時刻に対応する渋滞度を示している。なお、前記所定の時間は、例えば、15分であるが、任意に設定することができる。
【0047】
図6に示される例においては、指定された時刻が13:00であるので、渋滞度枠17bにおける左側の枠は12:45の渋滞度を示し、中央の枠は13:00の渋滞度を示し、右側の枠は13:15の渋滞度を示している。この場合、7月3日(土曜日)の渋滞度は、12:45において「渋滞なし」であり、13:00において「混雑」であり、13:15において「渋滞」であることが分かる。
【0048】
このように、本実施の形態においては、日付指定部14の日付欄17に各日付における指定時刻及びその前後の時刻の渋滞度を示すようになっている。そのため、操作者は、各日付における指定時刻前後の渋滞情報の変化を容易に把握することができる。
【0049】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0050】
図7は本発明の第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の時刻対応渋滞度表示欄を示す図である。
【0051】
本実施の形態においては、図7に示されるように、日付指定部14の表示が省略され、時刻指定部15が、指定された時刻が表示される時刻表示欄15a、時刻を指定するための時刻指定ボタン15bに加えて、時刻対応渋滞度表示欄15cを有する。この場合、該時刻対応渋滞度表示欄15cは、長手方向に時刻の変化を示す帯状になっていて、指定された日付に対応する24時間における時刻の変化に対応する渋滞度の変化を、表示形態の変化によって示すようになっている。また、図7に示される例において、前記時刻指定ボタン15bが前記時刻対応渋滞度表示欄15cの帯上をスライドするカーソルになっているので、操作者は、手の指16でタッチして時刻指定ボタン15bをスライドさせ、前記時刻対応渋滞度表示欄15cの所望の時刻に対応する位置に移動させることによって、時刻表示欄15aに表示されている時刻を所望の時刻に変更して、指定することができる。
【0052】
このように、本実施の形態においては、時刻対応渋滞度表示欄15cが表示されるので、指定された日付における時刻毎の渋滞度を視覚的に容易に把握することができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の時刻が変更された場合の表示画面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の日付が変更された場合の表示画面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の日付指定部を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の時刻対応渋滞度表示欄を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
13、13a、13b 渋滞度表示マーク
14 日付指定部
15 時刻指定部
17 日付欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図を表示する表示部と、
(c)渋滞度を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)日時を指定する日時指定部と、
(e)前記渋滞度を示す渋滞度表示マークを前記地図上の道路に対応した位置に表示させ、かつ、前記日時指定部を前記地図とともに表示させる表示制御部とを有し、
(f)前記日時が指定されると、指定された日時における渋滞度を示す渋滞度表示マークを表示することを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
(a)前記日時指定部により時刻が指定されると、前記表示部に表示されている道路について、指定された時刻における渋滞度を算出する渋滞度算出部を有し、
(b)前記表示制御部は算出された指定された時刻における渋滞度を表示させる請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
(a)前記日時指定部は日付欄を含むカレンダーを備え、
(b)前記表示制御部は各日付欄に指定された時刻における渋滞度を表示させる請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記渋滞度算出部は前記表示部に表示されている道路における渋滞区間の割合に応じて指定された時刻における渋滞度を算出する請求項2又は3に記載の情報表示システム。
【請求項5】
(a)地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図を表示する表示部と、
(c)渋滞度を含む渋滞情報を取得する交通情報処理部と、
(d)時刻を指定する時刻指定部と、
(e)前記渋滞度を示す渋滞度表示マークを前記地図上の道路に対応した位置に表示させ、かつ、前記時刻指定部を前記地図とともに表示させる表示制御部とを有し、
(f)前記時刻が指定されると、指定された時刻における渋滞度を示す渋滞度表示マークを表示することを特徴とする情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−91476(P2006−91476A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277388(P2004−277388)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】