説明

情報表示装置

【課題】
複数の人間が携帯電話を所有している際に、混乱の起きないようなプログラム処理を、低負荷で行うことにある。
【解決手段】
携帯電話が複数台ある際、システムを管理する携帯電話を定め、その携帯電話がシステム全体を統括制御する。システムを管理する携帯電話はロケータ機能を備えるか、または運転手の所有する携帯電話を優先して用いる。携帯電話で実行されるプログラムの機能は、ロケータ機能,表示機能,音声再生機能,操作機能,画面作成転送機能,電話管理機能に分割され、携帯電話の処理負荷に応じてそれぞれの携帯電話で処理を分担する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率良くユーザに情報を提示する携帯情報端末とその情報を表示する情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に携帯電話のディスプレイは基本的に表示枠が狭いため、一度に多量の情報を表示するには不適である。特に携帯電話でナビゲーションを行う場合、画面が狭いため情報の視認性が低くなり、走行中に画面を注視したり操作を行ったりすることができないナビゲーション装置の表示装置としては不便である。そこで、携帯電話から表示情報を送信し、外部装置にて受信・表示するシステムとして、特開2003−244289号公報や特開2002−162920号公報に記載の技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−244289号公報
【特許文献2】特開2002−162920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話に代表される携帯端末の画面をより大きな表示面積を持つ外部表示装置に表示させるという上記の従来技術では、携帯電話と外部表示装置との関係を1対1で対応させている。このため、携帯電話が普及した今日では、携帯電話を所有する人が増え、このような携帯電話の所有者が各自でアプリを動作させる場合、携帯電話の台数分の外部表示装置が用意できない場合には、1つの外部表示装置を複数の携帯電話で共有することになる為、利用者に混乱が生じる恐れがある。特にカーナビゲーション装置においては、たとえば、複数の携帯電話でそれぞれ別々の目的地を設定した場合、外部表示装置が出力する誘導表示またはガイダンス音声発話がどの目的地に対する進行方向なのかわからなくなる可能性もある。また、操作においても、複数の携帯電話において別々の目的地を設定しようとすると、実際に設定されている目的地を利用者が誤認識する可能性がある。
【0005】
逆に、一台の携帯電話で複数の外部表示装置に転送しようとすると、一台の携帯電話に処理が集中し、処理負荷や消費電力が増大してアプリケーションの実行に支障を来す恐れもある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数の携帯電話の操作画面を外部の情報表示装置に出力する場合、処理の負荷分散を行い、1台の携帯電話に処理不可が集中することを回避し、また、複数の携帯電話で独自に操作を行う際に、競合の発生を回避して、複数の人間が携帯電話を所有している際においても、混乱の起きないようなアプリ動作を行う情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては、画面表示機能と、操作入力機能と、通信機能とを有するプログラム実行機能を有する複数台の携帯電話を備え、携帯電話のうち一つは、他の携帯電話のプログラム動作を規制する管理機能を有することを特徴とする。
【0008】
また、該携帯電話のプログラム実行機能は、音声再生機能と画面表示機能と操作入力機能と通信機能と全体制御機能とに分割され、全体制御機能は、各機能を有効または無効にする機能を有し、管理機能を有する携帯電話は、各携帯電話の全体制御機能を制御することにより、各携帯電話の各機能を有効または無効にすることができるシステム全体制御機能を有する。携帯電話の全体制御機能は、携帯電話の場所を判別する機能を有する。
【0009】
携帯電話のシステム全体制御機能は、管理機能を有する携帯電話の処理負荷を検知する手段と、処理負荷が増大した際において管理機能を有する携帯電話の音声再生機能を無効にし、他の携帯電話のいずれか一つにおいて音声再生機能を有効にする。各携帯電話の操作入力機能は、システム全体における操作の優先度を示す情報を有し、システム全体制御機能は、各携帯電話の操作入力が競合したことを検知する競合検知手段と、競合検知手段が競合を検知した際において操作の優先度により優先度の低い携帯電話の操作入力機能を無効にする。
【0010】
各携帯電話の全体制御機能は、携帯電話の状態を検知する状態検知手段を有し、システム全体制御機能は、各携帯電話の状態がシステムにおける処理を続行不可能にした際において、該携帯電話のシステムにおける処理を行う機能を無効にし、該機能が可能な他の携帯電話において該機能を有効にする。管理機能を有する携帯電話の状態が管理機能を続行不可能にした際において、管理機能を有する携帯電話は、管理機能を代行することが可能な他の携帯電話に管理機能の代行を行うように必要な情報を送信する。管理機能または管理機能の代行機能を有する全ての携帯電話の状態が管理機能を続行不可能にした際において、管理機能を有する携帯電話は、システム全体を終了させる。システム全体制御機能は、携帯電話の場所および車両情報により、画面表示機能や操作入力機能の有効または無効を決定する。
【0011】
また、該携帯電話から送信される画像情報を表示することを特徴とする外部表示装置が存在する。該携帯電話は、管理機能を有する携帯電話からの指示により外部表示装置に表示する画像情報の作成処理を分担する。該外部表示装置は、管理機能を有する携帯電話からの指示により他の外部表示装置へ画像情報を送信する。システム全体制御機能は、外部表示装置が複数ある場合、画像の送信元となる携帯電話のIDと、送信先となる外部表示装置のIDとを指定し、該携帯電話に対して該外部表示装置へ画像情報を送信するよう指令する。外部表示装置は、運転席か後部座席かのどちらかであるという情報を有し、システム全体制御機能は、助手席・後部座席乗車判別機能と、外部表示装置が後部座席に存在し後部座席に誰も乗車していない場合には後部座席の画像送信を中止する機能を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、携帯電話が複数台ある際、メインの携帯電話を決め、メインの携帯電話が全体制御を行うことにより、他の携帯電話と協調して統一された誘導案内を行うことができるため、複数の人間が携帯電話を所有している際においても、混乱の起きないようなアプリ動作を行うことができる。
【0013】
また、携帯電話におけるアプリ機能を分割し、他の携帯電話と機能を分担させることにより、アプリ機能における処理の負荷を軽減することができる。
【0014】
さらに、携帯電話において電池残量低下などによりアプリ機能の処理が続行不可能となった際に、他の携帯電話に処理を移行させることにより、システム全体のロバスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る情報表示装置をカーナビに適用した際の実施例を、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の実施例における、システムの全体構成である。本システムは、GPS
(Global Positioning System) 用衛星3,基地局6,ネットワーク8、そして自動車1内に持ち込まれている携帯電話100,102,外部表示装置110,111,ECU
(Electric Control Unit)12から構成されている。
【0017】
外部表示装置110,111は、携帯電話100,102の情報を表示するためのものであり、携帯電話と外部表示装置の間は無線通信により、外部表示装置への操作入力,外部表示装置の表示情報,ECUからの車両情報などを表す信号の送受が行われるが、有線通信でもよい。ECU12は自動車の電子制御を行う機能を持ち、車速信号やパーキングブレーキ信号,座席の乗車状況、具体的にはシートベルトロックオン信号を収集する情報は、このECUを介して取得される。
【0018】
携帯電話100には、携帯電話内の情報を表示する携帯電話ディスプレイ1000,外部表示装置との通信を行う無線アンテナ1001,GPS衛星3からの測位用電波を受信するGPS受信アンテナ1002,基地局6との間で携帯電話100からの要求を送信し、またサーバ20からの経路案内に必要な情報などを受信する通信を行う通話アンテナ
1003が装備されている。外部表示装置110には携帯電話との無線通信を行うための送受信アンテナ1100が装備されている。
【0019】
図2は自動車1内のシステム構成図である。
【0020】
携帯電話100は、携帯電話ディスプレイ1000の他に、処理部1050,外部表示装置と通信を行う無線通信部1060,基地局との通信を行う無線通信部1070,GPSユニット1080,音声出力装置1090,操作入カ装置1091を備えている。処理部1050は、携帯電話100あるいは外部表示装置110で出力する画面または音声情報を作成するために、外部表示画面作成機能1051および携帯電話表示機能1052を備えている。外部表示画面作成機能1051は、外部表示装置110の表示部1102に表示する外部表示装置用コンテンツ情報を作成する。携帯電話表示機能1052は、携帯電話ディスプレイ1000に出カする携帯電話用コンテンツ情報を作成する。外部表示装置用の無線通信部1060は、外部表示装置用の無線アンテナ1001を介して外部表示装置110と情報の遣り取りを行い、外部表示画面作成機能1051で作成した画面または音声情報から成るコンテンツ情報を送信し、ECU12を介して収集した車両情報および外部表示装置110の操作入カ部1104からの入力情報を受信する。
【0021】
無線通信部1070は、基地局6を介して、サーバ20へ情報の要求を送信し、サーバ20からの応答情報を受信する。GPSユニット1080は、GPS受信アンテナ1002で受信したGPS衛星3からの測位用電波をロケータ機能で処理するためのGPSデータに変換する。音声出力装置1090は、携帯電話表示機能1052により作成された画面に対応する音声データを抽出し、音声として出カする。操作入カ装置1091は、携帯電話100への操作入カを受け付け、この操作入カを信号に変換して操作入力機能に送信する役割を持つ。操作入力装置1091の例としては、リモコン,キーボード,マウス,タッチパネル、マイクなどがある。
【0022】
外部表示装置110は、外部表示装置用のコンテンツ情報の内容を表示する表示部1102,ECU12から車速信号およびパーキングブレーキ信号などの車両情報を収集する車両情報収集部1103,外部表示装置110への操作入カを受け付けてこの操作入カを信号として変換する操作入カ部1104,外部表示装置で出力するコンテンツ情報を受信し、また収集された車両情報および操作入力を送信する無線通信部1101を備えている。
【0023】
携帯電話100の処理部1050が備える機能には、ロケータ機能,携帯電話表示機能1052,音声再生機能,操作入力機能,外部表示画面作成機能1051,全体制御機能,システム全体制御機能,持ち主判別機能,電話管理機能がある。
【0024】
ロケータ機能は、携帯電話100に内蔵されているGPS受信アンテナ1002で受信した測位電波に基づくGPSデータによって地表における絶対座標を測位する機能、乃至はECU12から送信されるパーキングブレーキ信号や自車速度の情報を送受信アンテナ1001で受信し、これを用いて自動車1または携帯電話100の相対座標を計測する機能である。さらに携帯電話100が地図情報を内蔵している場合にはその地図情報を用いて、地図の内どの道路もしくは施設に存在するかを算出するマップマッチ機能を備えることも可能である。
【0025】
携帯電話表示機能1052は、携帯電話100内の情報を画像として携帯電話ディスプレイ1000に表示する機能のことである。携帯電話100における携帯電話表示機能は、運転席用表示機能,助手席用表示機能,後部座席用表示機能とに分かれている。運転席用表示機能は、携帯電話100の持ち主が運転席にいる場合に、携帯電話ディスプレイ
1000に表示する機能である。運転中においては運転手が携帯電話ディスプレイ1000を注視するのを防ぐため、他の表示機能よりも簡易表示にすることが特徴である。助手席用表示機能は、携帯電話100の持ち主が助手席にいる場合の表示機能であり、携帯電話ディスプレイ1000に画面を表示する機能である。利用者が助手席にいる場合、運転手のナビの補助となることが多いので、他の表示機能よりも詳細に表示することが特徴である。後部座席用表示機能は、携帯電話100の持ち主が後部座席にいる場合の表示機能であり、携帯電話ディスプレイ1000に通常の画面を表示する機能である。
【0026】
音声再生機能は、携帯電話100の音声出力機能を用いて、例えば誘導音声を音声出力装置1090で再生する機能である。誘導音声出力の場合、「およそ100m先右方向です」「まもなく目的地付近です」等といった音声を再生する。この音声再生は、誘導音声の波形データを再生する場合と、誘導内容のテキスト情報から音声合成により誘導音声を生成する場合のどちらでも良い。操作入力機能は、携帯電話100の操作入力装置1091により変換されたキー操作の信号を受け付け、操作された各キーに対応した処理を行う機能である。外部表示画面作成機能とは、外部表示装置110に表示する画像を作成して外部表示装置110へ転送する機能のことである。
【0027】
全体制御機能とは、携帯電話100内の各機能を統括し、それぞれの機能を動作させるか否かを制御する機能のことである。例えば、経路誘導の際に誘導音声再生を止めたい場合などには、全体制御機能は音声再生機能だけを停止させて音声出力を止めることが出来る。システム全体制御機能は、携帯電話100乃至102の内、どの携帯電話でどの機能を有効にするかを制御する機能のことである。このシステム全体制御機能により、他の携帯電話表示機能や誘導音声再生機能を有効または無効にすることが可能である。
【0028】
持ち主判別機能は、携帯電話100の持ち主が、車内のどの座席に座っている人のものか対応関係を決める機能であり、携帯電話の操作者が運転手であるか、助手席にいる人であるか、後部座席にいる人であるかを判別するための機能である。この機能の実現には、座席に設けられたクレードル・コネクタに接続し、そのクレードル・コネクタから読み取ったIDと座席の対応関係から座席を判別するという方法がある。他の手段としては、各携帯電話の利用者に自分の着座した座席を入力させて判別するという方法がある。3点目は持ち主が運転手かどうかに関する情報を予め携帯電話100に記録しておく方法、または盗難防止機能を応用して、解錠コードを内蔵した携帯電話100を運転席に座る人のものと判断する方法がある。
【0029】
電話管理機能は、携帯電話100がどのような状態にあるか、例えば通話中か否か、電池残量や処理の負荷はどれくらいか、他プログラム起動中か否か、などの内部状態を検知する手段である。
【0030】
外部表示装置110の処理部1106は、表示機能,通信機能,操作入力機能,座席情報格納機能,車両情報収集機能を備えている。表示機能は、携帯電話100から送信された画像または外部表示装置110自身でレンダリングした画像を表示する機能である。通信機能は、無線通信部1101によって、携帯電話100または他の外部表示装置111との通信を行う機能であり、携帯電話100から画像を受信するだけでなく、その画像を他の外部表示装置111へ送信する機能や、他の外部表示装置111から送信された画像を受信する機能も有する。操作入力機能は、操作入力部1104に対する操作入力を受け付ける機能である。
【0031】
座席情報格納機能は、外部表示装置110が運転席に取り付けられているか、もしくは後部座席に取り付けられているかという座席情報を記憶部1105に格納し、またその情報を読み出す機能である。この座席情報は、例えば、外部表示装置110を取り付けた者が取り付け時に手入力することによって作成される。車両情報収集機能は、車両情報収集部1103によってECU12からの情報、例えばパーキングブレーキ信号や各座席のシートベルトのON/OFF信号,車速信号を収集する機能である。
【0032】
図3は携帯電話100の全体制御機能で管理に用いられる機能管理データ26の構成図を示したものである。機能管理データ26には、システムメインフラグ261,ロケータ機能有効フラグ262,携帯電話ディスプレイ表示機能情報263,誘導音声再生機能有効フラグ264,操作入力機能情報265,外部表示画面作成・転送機能情報266,持ち主判別情報267,電話管理情報268が格納される。
【0033】
システムメインフラグ261は、この携帯電話100がシステム管理権限を有するか否かを示す情報であり、基本的には車内で利用可能な携帯電話の内、このシステムメインフラグ261がONになる1台だけである。ロケータ機能有効フラグ262は、ロケータ機能が有効か否か、および携帯電話100にロケータ機能が搭載されているか否かを示す情報である。携帯電話ディスプレイ表示機能情報263は、携帯電話ディスプレイ1000に対する表示を有効にするか否か、もし有効であればどのような情報を表示するかを示す情報である。誘導音声再生機能有効フラグ264は、音声再生機能により誘導音声の出力を有効にするか否かを示す情報である。操作入力機能情報265は、操作入力機能が有効か否かという情報や、操作が競合した際の優先順位などの情報が含まれている。外部表示画面作成・転送機能情報266は、外部表示装置110にどの画面を表示し、また他のどの外部表示装置に画面を転送するかを示す情報である。更に、外部表示装置110の表示画面において、上端,下端,左端,右端等あるいは画面の座標位置の指定により、どの位置に画像を表示するかという情報も含む。持ち主判別情報267は、持ち主判別機能により作成され、携帯電話100の持ち主が運転手か、助手席にいる人か、後部座席にいる人かを判別する座席の情報が含まれている。電話管理情報268は、処理の負荷,電池残量,通話中か否か、他プログラム起動中か否かなど、携帯電話100の動作状態の情報が格納される。
【0034】
図4はシステム全体制御機能で用いられるシステム機能管理データ27の構成図を示したものである。システム機能管理データ27は、携帯電話数271,前述の携帯電話機能管理データ26,座席情報272,外部表示装置管理情報23から成り立っている。
【0035】
携帯電話数271は、システムで登録されている携帯電話の数を示している。座席情報272は、各座席において乗車している人がいるか否かを示したものであり、ECU12からの各座席シートベルトON/OFF信号または座席シート重量計により作成される。
【0036】
外部表示装置管理情報23は、外部表示装置110,111の情報を管理するためのものであり、外部表示装置数231,外部表示装置数分の外部表示装置情報232,0組以上の外部表示装置間画面転送情報233,0組以上の携帯電話−外部表示装置間画面転送情報234から成り立っている。
【0037】
外部表示装置情報232は、それぞれの外部表示装置の機能に関する情報であり、運転席または後部判定フラグ2321,外部表示装置ID2322,操作入力機能情報2323を記憶している。運転席または後部判定フラグ2321は、対応する外部表示装置が運転席側、または後部座席側のどちらに設置されているかを示した情報であり、外部表示装置内の座席情報格納機能により作成された情報を無線通信部1060を介して受信し、格納している。外部表示装置ID2322は、システム全体制御機能により割り振った外部表示装置のIDである。操作入力機能情報2323は、対応する外部表示装置の操作入力デバイスの種類、および操作入力機能が有効か否かを示す情報、さらには外部表示装置の操作入力デバイスの操作が競合した際の優先順位などが含まれている。
【0038】
外部表示装置間画面転送情報233は、ある外部表示装置110から他の外部表示装置111へ画像を転送する際に転送先と転送元を指定する情報であり、転送先外部表示装置ID2331,転送元外部表示装置ID2332が格納されている。
【0039】
携帯電話−外部表示装置間画面転送情報234は、携帯電話100から外部表示装置
110へ画像を転送する際に転送先と転送元を指定する情報であり、転送先外部表示装置ID2341,転送元携帯電話ID2342と転送する画像のIDである送信画像ID
2343が格納されている。
【0040】
図5は上記の自動車1内のシステムにおける誘導音声再生方法を示したものである。この例では、車内で利用可能な携帯電話が3台有り、それぞれ携帯電話103,104,
105とする。また、機能管理データ26内のシステムメインフラグ261がONになっているのは携帯電話103だけであり、他の携帯電話104,105のシステムメインフラグ261はOFFになっており、この車内のシステムを管理する携帯電話は、携帯電話103であるものとする。そして、誘導情報は携帯電話103から出力される状態となっているものとする。即ち、携帯電話103の誘導音声再生機能有効フラグ264がONになっており、他の携帯電話104,105については誘導音声再生機能有効フラグ264がOFFになっており、携帯電話103が誘導音声再生を行うようになっている。ここで、携帯電話103のシステム負荷が高くなると、携帯電話103はシステム全体制御機能を用いて、自機及び他の携帯電話の電話管理情報268を参照してそれぞれのシステム負荷を比較し、もっとも負荷の低い携帯電話105を選択する。そして、自機の誘導音声再生機能有効フラグ264をOFFにし、無線通信部1060を介して選択した携帯電話
105の誘導音声再生機能有効フラグ264をONにし、この携帯電話105に誘導音声再生を行わせるようにする。
【0041】
図6は、上記の自動車1内のシステムにおける操作入力時および操作入力が競合したときの動作を示したものである。この例では、車内には、利用可能な携帯電話103と、2台の外部表示装置112,113が有り、初期状態では携帯電話103または外部表示装置112ないし113のどれでも操作入力可能であるとする。この場合、システム全体制御機能が携帯電話103と外部表示装置112,113の間で操作入力の競合を検知した際に、システム全体制御機能は、携帯電話103の操作入力機能情報265および外部表示装置112,113それぞれの操作入力機能情報2323を調べる。携帯電話103の操作入力機能情報265及び外部表示装置112,113それぞれの操作入力機能情報
2323において、優先度の高い携帯電話または外部表示装置のみ、操作入力機能を有効とし、その他の携帯電話または外部表示装置の操作入力機能を無効とする。この例の場合、運転席側の外部表示装置112と後部座席の外部表示装置113で操作入力が競合するため、優先度が低く設定されている外部表示装置113の操作入力を不可に変更している。操作入力の競合は、ある携帯電話または外部表示装置でOKボタンが押された後に、他の携帯電話または外部表示装置でキャンセルボタンが選択されるという一連の動作が何回も続いたことを、システムメインフラグがONになっている携帯電話のシステム全体制御機能が判別することによって検知される。競合による操作制限の解除は、一連の入力が終了した際に行われる。
【0042】
図7は、外部表示画面作成・転送機能情報266をカーナビゲーションに適用する例を示したものである。外部表示画面作成・転送機能情報266には、地図表示画面情報2661,TBT(Turn-by-turn)表示画面情報2662,到達距離表示画面情報2663,交差点拡大図表示画面情報2664,レーン情報表示画面情報2665,目的地設定表示画面情報2666を格納する。地図表示画面情報2661は、現在地周辺地図などの地図表示画面を転送するか否かを示す情報である。TBT表示画面情報2662は、次の誘導地点、たとえば交差点における進行方向矢印表示画面を転送するか否かを示す情報である。到達距離表示画面情報2663は、次の誘導地点までの距離、または目的地までの到達距離表示画面を転送するか否かを示す情報である。交差点拡大図表示画面情報2664は、誘導地点における交差点付近の拡大地図表示画面を転送するか否かを示す情報である。レーン情報表示画面情報2665は、走行中の道路の車線、および経路上において進むべき車線を行うか否かを示す情報である。目的地設定表示画面情報2666は、目的地設定を行う際に表示する画面を転送するか否かを示す情報である。これらの各情報2661〜2666には、画面の転送位置や表示領域を指定する情報も含まれているものとする。
【0043】
図8は、外部表示装置110に対して複数の携帯電話106,107,108で作成した画面を転送して、外部表示装置110で合成し、その合成した画像を更に他の外部表示装置117に転送するというシステムの動作例を示した図である。この例は、複数の携帯電話106,107,108でそれぞれ独立に経路誘導が行われている場合、各携帯電話における誘導画面を1つの外部表示装置に集約し、複数の外部表示装置にて表示する例である。携帯電話106では、外部表示画面作成・転送機能情報266にて、TBT表示画面情報2662および到達距離表示画面情報2663のみがONとなっているので、TBT画像と到達距離表示の画像301を携帯電話106の外部表示画面作成機能1051により作成して無線通信部1060を介して外部表示装置110へ転送する。携帯電話107では、外部表示画面作成・転送機能情報266にて、誘導時の表示画面については交差点拡大図表示画面情報2664およびレーン情報表示画面情報2665がONとなっているので、交差点拡大図表示画面とレーン情報表示画面の画像302を携帯電話107の外部表示画面作成機能1051により作成して無線通信部1060を介して外部表示装置110へを転送する。携帯電話108では、外部表示画面作成・転送機能情報266にて、地図表示画面情報2661のみがONとなっているので、他の携帯電話の場合と同様にして地図表示画面の画像303を作成して転送する。外部表示装置110の表示機能では、各携帯電話の外部表示画面作成・転送機能情報266のそれぞれ該当する表示画面情報に記憶されている転送位置・領域の情報を参照することにより、それぞれの携帯電話から転送された画像を指定された位置、あるいは領域に表示する。
【0044】
また、システムメインフラグ261がONになっている携帯電話のシステム全体制御機能は、システム機能管理データ27における外部表示装置間画面転送情報233を外部表示装置110へ送信する。外部表示装置110は、受信した外部表示装置間画面転送情報233の中に、自機の外部表示装置IDが転送元外部表示装置ID2332に指定されている情報が存在する場合には、その外部表示装置間画面転送情報で転送先外部表示装置
ID2331に指定されている外部表示装置に対して、通信機能を用いて画面を送信する。この例の場合、転送先外部表示装置IDとして外部表示装置117が指定されているものとし、外部表示装置117では、受信した画面を表示する。
【0045】
図9は、上記の例と同様にして、複数の外部表示装置114,115に対して複数の携帯電話106,107,109で作成した画面を転送する例を示した図である。外部表示装置114ないし115への携帯電話106,107,109の割り当ては、各携帯電話のシステム全体制御機能がシステム機能管理データ27における携帯電話−外部表示装置間画面転送情報234を参照することにより決定される。この図の例では外部表示装置
114に対しては、携帯電話106と携帯電話107が、外部表示装置115に対しては、携帯電話109が、それぞれ割り当てられているものとする。
【0046】
図10は、携帯電話で通話する際の、処理の分担変更、特に管理機能の委譲を説明する図である。初期状態においてシステムメインフラグ261がONになっている携帯電話
103の、ロケータ機能が動作状態にあり、携帯電話の電話管理情報268もプログラム動作可能となっている。ここで、携帯電話のユーザが携帯電話を通話に使用する場合、電話管理情報268が通話中になる。この時、携帯電話では通話機能が優先されるため、プログラムの動作が出来なくなるため、ナビゲーションプログラムも動作しなくなり、誘導情報が出力されなくなる。そこで、携帯電話の103のシステム全体制御機能は、ロケータ機能を持ち、その機能を使用可能に出来る他の携帯電話105を選択し、そのシステムメインフラグ261をONにし、システム機能管理データ27を送信してシステム機能管理を携帯電話105へ委譲する。その後、システム機能管理を委譲された携帯電話105の全体制御機能はロケータ機能をONにして、携帯電話103の処理を引き継ぐ。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、実施例のカーナビゲーションに限らず、テレビ,ラジオ,マルチメディアプレイヤーなどに応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例におけるシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施例における自動車内のシステムの構成図である。
【図3】本発明の実施例における、全体制御機能において管理に用いられる機能管理データの構成図である。
【図4】本発明の実施例における、システム全体制御機能で用いられるシステム機能管理データの構成図である。
【図5】本発明の実施例における、システムにおける誘導音声再生切り替え操作を説明する図である。
【図6】本発明の実施例における、システムにおける操作入力の競合発生時の動作を説明する図である。
【図7】本発明の実施例における、外部表示画面作成・転送機能情報の例である。
【図8】本発明の実施例において、外部表示装置に対する複数の携帯からの画面転送動作を説明する図である。
【図9】本発明の実施例において、複数の外部表示装置に対する複数の携帯からの画面転送動作を説明する図である。
【図10】本発明の実施例において、通話処理発生時の処理の分担変更動作を示した図である。
【符号の説明】
【0049】
1…自動車、3…GPS衛星、6…基地局、8…ネットワーク、12…ECU、20…サーバ、21…ゲートウエイ、100,102…携帯電話、110,111…外部表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声再生機能と、画面表示機能と、操作入力機能と、通信機能とを有し、プログラム実行機能を有する複数台の携帯電話において、
携帯電話のうち一つは、他の携帯電話のプログラム動作を規制する管理機能を有し、該全体制御機能は、音声再生機能と、画面表示機能と操作入力機能と通信機能の各機能を有効または無効にする機能を有し、
該全体制御機能を有する携帯電話は、各携帯電話の全体制御機能を制御して、各携帯電話の前記各機能を有効または無効にすることができるシステム全体制御機能を有する
ことを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
請求項1において、システム全体制御機能は、管理機能を有する携帯電話の処理負荷を検知する手段と、処理負荷が増大した際において管理機能を有する携帯電話の音声再生機能を無効にし、他の携帯電話のいずれか一つにおいて音声再生機能を有効にすることを特徴とする携帯電話。
【請求項3】
請求項1において、各携帯電話の操作入力機能は、システム全体における操作の優先度を示す情報を有し、システム全体制御機能は、各携帯電話の操作入力が競合したことを検知する競合検知手段と、競合検知手段が競合を検知した際において操作の優先度により優先度の低い携帯電話の操作入力機能を無効にすることを特徴とする携帯電話。
【請求項4】
請求項1において、各携帯電話の全体制御機能は、携帯電話の状態を検知する状態検知手段を有し、管理機能を有する携帯電話の処理の不可に応じて、システム全体制御機能を有する携帯電話は、該携帯電話のシステムにおける処理を行う機能を無効にし、管理機能を代行することが可能な他の携帯電話に管理機能の代行を行うように必要な情報を送信し、該機能が可能な他の携帯電話において該機能を有効にすることを特徴とする携帯電話。
【請求項5】
請求項1において、各携帯電話で分担して作成された画像情報を受信し、各携帯電話に対して指定された画像表示位置に各画像を表示することを特徴とする外部表示装置。
【請求項6】
請求項5において、管理機能を有する携帯電話のシステム全体制御機能は、外部表示装置が複数ある場合、画像の送信元となる携帯電話のIDと、送信先となる外部表示装置のIDとを指定し、該携帯電話からの指定に基づき送信先の外部表示装置へ画像情報を転送することを特徴とする外部表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−339690(P2006−339690A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158287(P2005−158287)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】