説明

情報記録システム

【課題】
音声データが異なる伝送路を介して記録装置に記録されるため、音声のずれや、音声品質のばらつきが発生し、会話に違和感が生じ、また、音声データが異なる伝送路を経由して記録装置に送信されるため、2音声分の音声伝送帯域が必要となる。
【解決手段】
管理センタと、複数の端末装置と、上記管理センタと上記複数の端末装置を結合する伝送路および記録装置を有し、上記管理センタは、第1の信号処理装置と表示部、マイクおよびスピーカを有し、上記第1の信号処理装置は、第1と第2の信号分割手段を有し、上記複数の端末装置の少なくとも1つは、第2の信号処理装置と、カメラ、スピーカおよびマイクを有し、上記端末装置のマイクからの音声信号と上記管理センタの上記マイクからの音声信号を上記管理センタの第1の信号処理装置から出力し、同一の伝送路を介して上記記録装置に記録するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録システムに関し、特に、異なる音声データの伝送および記録を行う情報記録システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の監視領域にそれぞれ監視カメラを設置し、各監視カメラにより撮影した監視画像を伝送回線により監視センタに伝送し、監視センタにおいて各監視カメラから送られてくる画像を表示装置、例えば、モニタに表示して犯罪、事故あるいは災害等を監視する監視カメラシステムが知られている。また、インターネット技術の発達により複数の端末装置から、例えば、画像情報や音声情報等の情報を簡単に入手することが可能になってきており、具体的な事例として、無人の金融端末装置が設置され、監視カメラの設置と共に無人の金融端末装置を使用する顧客と、銀行等の窓口担当者との情報交換を行うシステムも普及しつつある。こうした映像情報システムの分野において、カメラ映像や音声情報をディジタル化し、インターネットやLAN(Local Area Network)に代表されるIPネットワークを介して映像や音声を伝送し、顧客と銀行等の窓口担当者の映像および音声を記録する情報記録システムが実用化されつつある。この映像や音声は、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)などの記憶装置にディジタルデータとして蓄積する技術も開発されている。
【0003】
上述の情報記録システムとして画像や音声を記録するシステムについて図3を用いて説明する。図3は、情報記録システムの一例の概略構成を示すブロック図である。図3において、複数の端末装置301−1、301−2、・・・(端末装置を代表する場合は、端末装置301と称する。)は、例えば、ISDN(Integrated Services Digital Network)、LAN、インターネット等の伝送路302を介して管理センタ303に接続されている。なお、伝送路302は、端末装置301を接続する伝送路302−1、302−2および管理センタ303を接続する伝送路303−3等で構成され、伝送路302−1、302−2は、例えば、64Kbpsの比較的遅い伝送速度の伝送路であり、伝送路302−3は、100Mbpsのような比較的早い伝送速度の伝送路で構成されている。
【0004】
端末装置301−1は、カメラ310−1、マイク311−1、スピーカ312−1、信号処理装置313−1で構成されている。端末装置301−2も同様にカメラ310−2、マイク311−2、スピーカ312−2、信号処理装置313−2で構成されている。なお、カメラを代表する場合は、カメラ310と称する。同様に、マイクを代表する場合は、マイク311、スピーカを代表する場合は、スピーカ312、信号処理装置を代表する場合は、信号処理装置313と称する。他の端末装置301も同様である。管理センタ303は、信号処理装置320、表示部(モニタ)321、マイク322、スピーカ323、操作部324および記録装置325を有している。
【0005】
この情報記録システムの動作を簡単に説明する。端末装置301、例えば、301−1は、例えば、無人の支払機(図示せず。)が設置された金融機関の支店に設置されている。そして、顧客が支払機が設置された金融機関の支店に入店すると、カメラ310−1が店内の撮影を開始する。カメラ310−1が撮影した映像は、信号処理装置313−1で適宜伝送に適した映像データに変換され、伝送路302を介して管理センタ303に送信される。管理センタ303では、送られてきた映像データを信号処理装置320で元の映像信号に復元し、表示部321に表示する。
【0006】
さて、入店した顧客が無人の支払機を操作したときに、何らかのトラブルが発生したとする、例えば、操作方法が分からなくなった時、音声で質問したとする。この場合、マイク311−1からの顧客の質問の音声が信号処理装置313−1に供給され、適宜伝送に適した音声データに変換され、伝送路302を介して管理センタ303に伝送される。管理センタ303では、送られてきた音声データを信号処理装置320で元の音声信号に復元し、顧客からの質問がスピーカ323から出力される。
【0007】
この顧客からの質問を聞いた管理センタ303の窓口担当者は、無人の支払機の操作方法を説明すると、窓口担当者の音声がマイク322から信号処理装置320に供給され、信号処理装置320で適宜伝送に適した音声データに変換され、伝送路302を介して端末装置301−1に送信される。端末装置301−1では、送信されてきた窓口担当者の音声が信号処理装置313−1で元の音声信号に復元され、スピーカ312−1から顧客に無人の支払機の操作方法の説明の声が出力される。なお、他の端末装置301と管理センタ303との間についても同様である。これによって顧客と窓口担当者との間の会話(情報交換等)を行うことができ、無人の支払機が設置された金融機関の支店でも窓口担当者が対応ができて、非常に便利である。また、金融機関にとっても、支店に窓口担当者を配置する必要がないので省力化が図れる特徴がある。
【0008】
更に、この場合のカメラ310−1の映像と、マイク311−1からの顧客の質問の音声あるいはマイク322からの窓口担当者の回答の音声が記録装置325に記録されるように構成されている。しかしながら、この従来の情報記録システムでは、端末装置301のマイク311からの顧客の、例えば、質問の音声と、管理センタ303のマイク322からの窓口担当者の、例えば、回答の音声が記録装置325に両者の会話記録として記録されるが、後述するように端末装置301と管理センタ303からの音声データが異なる伝送路を経由して記録装置に送信されるため、それぞれの音声データが別々のネットワーク経路を通って伝送されることに起因する遅延やジッタあるいは損失等によって音声のずれや、音声品質にばらつきが発生する。
【0009】
このような音声のずれや、音声品質のばらつきは、会話等のように相互に密接に関係したデータでは、会話に違和感が発生する。また、端末装置301と管理センタ303からの音声データが異なる伝送路を経由して記録装置に送信されるため、システムとして記録用に2音声分の音声伝送帯域が必要となり、これらを改善した情報記録システムの実現が望まれている。
【0010】
【特許文献1】特に発見されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように従来の技術では、音声データが異なる伝送路を介して記録装置に記録されるため、音声のずれや、音声品質のばらつきが発生し、会話に違和感が生じる。また、音声データが異なる伝送路を経由して記録装置に送信されるため、システムとして記録用に2音声分の音声伝送帯域が必要となる。
【0012】
本発明の目的は、音声のずれや、音声品質のばらつきのない情報記録システムを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、伝送帯域を有効利用できる情報記録システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の情報記録システムは、管理センタと、複数の端末装置と、上記管理センタと上記複数の端末装置を結合する伝送路および記録装置を有し、上記管理センタは、第1の信号処理装置と表示部、マイクおよびスピーカを有し、上記第1の信号処理装置は、第1と第2の信号分割手段を有し、上記複数の端末装置の少なくとも1つは、第2の信号処理装置と、カメラ、スピーカおよびマイクを有し、上記端末装置のマイクからの音声信号を上記管理センタの上記第1の信号分割手段で第1と第2の音声信号に分割し、上記管理センタの上記マイクからの音声信号を上記管理センタの上記第2の信号分割手段で第3と第4の音声信号に分割し、上記第2の音声信号と上記第4の音声信号とを同一の伝送路を介して上記記録装置に記録するように構成される。
【0015】
また、本発明の情報記録システムにおいて、上記端末装置の上記カメラの映像を上記第2の音声信号と上記第4の音声信号と共に上記記録装置に記録するように構成される。
【0016】
また、本発明の情報記録システムにおいて、上記管理センタの上記第1の信号処理装置は、更に、多重化回路部を有し、上記第2の音声信号と上記第4の音声信号を上記多重化回路部で多重化し、上記記録装置に記録するように構成される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、双方向音声データ間の記録品質のばらつきを無くし、記録装置の音声を再生した場合に会話などに不自然さがない情報記録システムが実現できる。また、双方向音声を多重化したり、双方向の2音声データを1音声分のデータに圧縮することで、システムで使用できる音声伝送帯域を小さくし、伝送帯域の有効利用を図れる情報記録システムを実現でき、効果大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明の一実施例を図面を用いて説明するが、本発明の理解を良くするために、本発明者らが検討した情報記録システムについて図4を用いて説明する。図4は、本発明者らが情報記録システムとして検討した一例の概略構成のブロック図であり、端末装置301のカメラ310の映像と、マイク311からの顧客の質問の音声および管理センタ303のマイク322からの窓口担当者の回答の音声を記録するシステムについて説明する。なお、図4は、図3に示す情報記録システムの一部分の具体的構成を説明するためのブロック図であり、端末装置301、伝送路302および管理センタ303の具体的構成が示されている。また、図3と同じものには同じ符号が付されている。また、説明を簡単にするために端末装置301と管理センタ303が一対一で示されているが、複数の端末装置301の場合も同様である。また、管理センタ303は、特に、管理センタに限らず、例えば、窓口担当者が在席している場所という程度の意味でもよいが、これらを代表して管理センタと称する。
【0019】
図4において、端末装置301は、カメラ310、スピーカ311、マイク312、信号処理装置313および伝送路302と接続するためのインターフェース(I/F)402を具えている。また、信号処理装置313は、信号分割器(DIV)401を有している。伝送路302は、一般に光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の伝送路で構成され、数Kmから数十Kmの長さである。また、光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の種類は、例えば、伝送路302を伝送する信号の伝送容量(伝送速度ともいう。)に応じて選択される。中継装置403−1、403−2、・・・は、伝送路302の途中に設置され、伝送信号の増幅機能を持つもの、あるいは、光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の接続部分に配置され、異なる伝送路で信号を伝送するための信号変換、あるいは、信号の遅延量の調整機能等を有している。
【0020】
管理センタ303は、表示部(モニタ)321、マイク322、スピーカ323、信号処理装置320、記録装置325および伝送路302と接続するためのインターフェース(I/F)404を具えている。また、信号処理装置320は、信号分割器(DIV)405を有している。
【0021】
図4に示す情報記録システムの動作について説明する。まず、端末装置301では、カメラ310で撮影された映像は、信号処理装置313で、例えば、デジタル信号に変換され、また、必要に応じてMPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)等で圧縮処理され、更に、LAN等の伝送路302に送信するために、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のパケット信号に変換され、映像データV1としてインターフェース402から伝送路302を介して管理センタ303に送られる。管理センタ303では、送られてきた映像データV1を信号処理装置320で元の映像信号に変換し、表示部321に表示する。また、同時に、送られてきた映像データV1は、適宜記録のためのデータ処理(図示せず。)がなされ、記録装置325に記録される。
【0022】
端末装置301のマイク312から入力された音声信号は、信号処理装置313でデジタル信号に変換され、かつ、信号分割器401で二分割され、更に、LAN等の伝送路302に送信するために、例えば、TCP/IPのパケット信号に変換され、それぞれ音声出力S1と音声出力S2とし、インターフェース402から伝送路302を介して管理センタ303に送られる。管理センタ303では、インターフェース404の出力の内、音声出力S1は、信号処理装置320で元の信号に変換され、スピーカ323から出力される。一方、インターフェース404の出力の内、音声出力S2は、適宜記録のための信号処理(図示せず。)がなされ、記録装置325に記録される。
【0023】
また、管理センタ303のマイク322から入力された音声信号は、信号処理装置320でデジタル信号に変換され、かつ、信号分割器405で二分割され、更に、LAN等の伝送路に送信するために、例えば、TCP/IPのパケット信号に変換され、それぞれ音声出力S3と音声出力S4とし、音声出力S3は、インターフェース404から伝送路302を介して端末装置301に送られる。端末装置301では、信号処理装置313で元の信号に変換され、スピーカ311から出力される。一方、音声出力S4は、適宜記録のための信号処理(図示せず。)がなされ、端末装置301からの音声出力S2と共に記録装置325に記録される。なお、図4に示す伝送路302は、映像データV1および音声出力S1、S2、S3、S4を伝送する別々の伝送路のように示されているが、例えば、一本の光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の伝送路で構成されており、図4では、模式的に示しているに過ぎない。以下の説明でも同様である。
【0024】
而して、上述したように端末装置301から送信される映像データV1、音声出力S1、音声出力S2および管理センタ303から送信される音声出力S3、音声出力S4は、送出時にそれぞれタイムスタンプ、即ち、送出時の時刻を送信するパッケットに含めて送信されている。しかしながら、先にも説明したように伝送路302には、多数の中継装置403が接続されているので、伝送するパケット信号に遅延時間が発生する。即ち、管理センタ303のマイク322からの音声出力S4は、信号処理装置320から記録装置325に入力されるのに対して端末装置301のマイク312からの音声出力S2は、中継装置403−1、403−2が介在する伝送路302を伝送し、記録装置325に入力される。従って、両者は、異なる伝送路を伝送されるので、両者に遅延時間が発生し、音声のずれや、音声品質のばらつきが生じる。
【0025】
例えば、本発明者らの計測結果によれば、記録装置325に記録されるマイク312からの音声出力S2とマイク322からの音声出力S4との間に300m sec 〜500m sec 程度以上の遅延時間が発生する。従って、マイク312からの音声出力S2とマイク322からの音声出力S4を記録装置325に一旦記録し、これら記録音声を再生した場合、再生音声には、音声のずれや、音声品質のばらつきが発生し、顧客と窓口担当者との会話に違和感を感じ、会話が不自然であることが分かった。これらは、記録装置325までの両音声の伝送路が異なることが原因と考えられる。
【0026】
なお、図4において、端末装置301のマイク312からの音声出力S1が管理センタ303のスピーカ323で再生される音声と、管理センタ303のマイク322からの音声出力S3が端末装置301のスピーカ311で再生される音声とは、図3の情報記録システムが設置される時、顧客と窓口担当者との会話に違和感を感じないように、また、会話がスムーズとなるように中継装置403およびインターフェース402および404等を最適に調節しているので、特に、問題となることはない。また、端末装置301のカメラ310で撮影された映像データV1も記録装置325に記録されるが、映像データと音声出力S2、S4の間のずれは、会話のように双方向ではないし、また、映像データと音声出力が多少ずれたとしても特に問題とはならない。
【0027】
以下本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示す。図1において、101は、端末装置301の信号処理装置、102は、管理センタ303の信号処理装置、103は、信号分割器、104は、伝送路である。なお、図3および図4と同じものには同じ符号が付されている。また、図1は、図3に示す情報記録システムの一部分の具体的構成を説明するためのブロック図であり、端末装置301、伝送路302および管理センタ303の具体的構成が示されている。また、説明を簡単にするために端末装置301と管理センタ303が一対一で示されているが、複数の端末装置301の場合も同様である。また、管理センタ303は、特に、管理センタに限らず、例えば、窓口担当者が在席している場所という程度の意味でもよく、これらを代表して管理センタと称する。
【0028】
図1において、端末装置301は、カメラ310、スピーカ311、マイク312、信号処理部101および伝送路302と接続するためのインターフェース(I/F)402を具えている。伝送路302は、例えば、光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の伝送路で構成され、数Kmから数十Kmの長さである。また、光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の種類は、例えば、伝送路302を伝送する信号の伝送容量(伝送速度ともいう。)に応じて選択される。中継装置403−1、403−2、・・・は、伝送路302の途中に設置され、伝送信号の増幅機能を持つもの、あるいは、光ファイバー、同軸ケーブルあるいは平行2線等の接続部分に配置され、異なる伝送路で信号を伝送するための信号変換、あるいは、信号の遅延量の調整機能等を有している。
【0029】
管理センタ303は、表示部(モニタ)321、マイク322、スピーカ323、信号処理装置102、記録装置325および伝送路302と接続するためのインターフェース(I/F)404を具えている。また、信号処理装置102は、信号分割器(DIV)103(第1の信号分割手段という。)および405(第2の信号分割手段という。)を有している。なお、記録装置325は、本実施例では、管理センタ303内に設けた場合を示しているが、管理センタ303以外の場所に設けることもできる。例えば、記録装置325は、伝送路302に中継装置403を介して接続されることもある。
【0030】
さて、図1に示す情報記録システムの動作について説明する。まず、端末装置301では、図4と同様に、カメラ310で撮影された映像は、信号処理装置101で、例えば、デジタル信号に変換され、また、必要に応じてMPEG2等で圧縮処理され、更に、LAN等の伝送路302に送信するために、例えば、TCP/IPのパケット信号に変換され、映像データV1としてインターフェース402から伝送路302を介して管理センタに送られる。管理センタ303では、送られてきた映像データV1を信号処理装置102で元の映像信号に変換し、表示部321に表示する。また、同時に、送られてきた映像データV1は、適宜記録のためのデータ処理(図示せず。)がなされ、記録装置325に記録される。
【0031】
端末装置301のマイク312から入力された音声信号は、信号処理装置101でデジタル信号に変換され、また、LAN等の伝送路302に送信するために、例えば、TCP/IPのパケット信号に変換され、音声出力S5とし、インターフェース402から伝送路302を介して管理センタ303に送られる。管理センタ303では、インターフェース404の音声出力S5を信号分割器103で2分割し、一方の音声出力S6(第1の音声信号という。)は、スピーカ323に供給され、音声として出力される。他方の音声出力S7(第2の音声信号という。)は、LAN等の伝送路104を介して適宜記録のための信号処理(図示せず。)がなされ、記録装置325に記録される。
【0032】
また、管理センタ303のマイク322から入力された音声信号は、信号処理装置102でデジタル信号に変換され、かつ、信号分割器405(第2の信号分割手段という。)で二分割され、更に、LAN等の伝送路に送信するために、パケット信号に変換され、それぞれ音声出力S3(第3の音声信号という。)と音声出力S4(第4の音声信号という。)とし、音声出力S3は、インターフェース404から伝送路302を介して端末装置301に送られる。端末装置301では、信号処理装置101で元の信号に変換され、スピーカ311から出力される。一方、音声出力S4は、伝送路104を介して適宜記録のための信号処理(図示せず。)がなされ、記録装置325に記録される。ここで、端末装置301のマイク312からの音声出力S5は、信号処理装置102の信号分割器103で分割され、音声出力S7となり、この音声出力S7と管理センタ303のマイク322から信号分割器405で分割された音声出力S4とが同じ伝送路104を介して記録装置325に記録される。従って、音声出力S7と音声出力S4は、同じ伝送路104を介して記録装置325に記録され、しかも、この伝送路104は、信号処理装置102から取り出されるので、ほぼ同じ長さで、同じ伝送路であるので、遅延や音声劣化が同等な音声出力S7と音声出力S4が記録装置325に記録される。その結果、ほとんど遅延のない音声信号として記録されるので、記録装置325を再生しても両者の会話に違和感がなく、音声品質も向上した自然な会話の再生出力が得られる。
【0033】
次に、本発明の他の一実施例を図2を用いて説明する。図2において、201は、多重化回路部(マルチプレクサMUX)、202は、管理センタ303に新たに設けられたカメラ、203は、端末装置301に新たに設けられた表示部(モニタ)であり、例えば、管理センタ303の窓口担当者の映像が端末装置301の表示部203に表示するように構成されている。なお、図1と同じものには同じ符号が付されている。以下、図1と異なる部分について説明する。まず、カメラ202で撮影された映像は、信号処理装置102で、例えば、デジタル信号に変換され、また、必要に応じてMPEG2等で圧縮処理され、更に、LAN等の伝送路302に送信するために、例えば、TCP/IPのパケット信号に変換され、映像データV2としてインターフェース404から伝送路302を介して端末装置301に送られる。端末装置301では、送られてきた映像データV2を信号処理装置101で元の映像信号に変換し、表示部203に表示する。また、信号処理装置102から出力される映像データV2は、適宜記録のためのデータ処理(図示せず。)がなされ、記録装置325にも記録される。これによって端末装置301の顧客は、窓口担当者の映像を表示部203で見ることができ、また、管理センタ303の窓口担当者は、顧客の映像を表示部321で見ることができる。このような構成は、図1でも同様に構成できる。
【0034】
また、端末装置301のマイク312からの音声出力S5は、伝送路302を介して管理センタ303に送信されるが、この音声出力S5は、信号分割器103で2分割され、一方は、音声出力S6(第1の音声信号)としてスピーカ323に供給され、音声として出力されることを説明した。また、他方の音声出力S7(第2の音声信号)は、本実施例では、多重化回路部201に供給される。
【0035】
また、管理センタ303のマイク322からの音声出力は、信号分割器405で音声出力S3(第3の音声信号)とS4(第4の音声信号)に分割されることを説明した。この内、音声出力S4は、多重化回路部201に供給され、音声出力S7と多重化され、多重音声出力S8として記録装置325に記録される。このように多重化回路部201で音声出力S4と音声出力S7が多重化されるので、信号処理装置102から記録装置325までの伝送路では、多重音声出力S8となり、遅延や音声劣化がない音声が記録装置325に記録される。その結果、記録装置325を再生しても両者の会話に違和感がなく、音声品質も向上した自然な再生出力が得られる。
【0036】
なお、多重化回路部201としては、例えば、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して、アナログ的に多重する方法やデジタル信号を時分割的に多重化する方法や圧縮する方法あるいは周波数多重する方法等が考えられるが、そのいずれの方法も用いることができる。また、このように音声信号を多重化することによって伝送路の音声伝送帯域を図1に示す実施例のように別々に伝送するものに比べて少なくでき、伝送路の伝送効率を高めることができる。
【0037】
更に、図2に示す本発明の実施例では、管理センタ303に窓口担当者を撮影するカメラを設置し、端末装置301にこの窓口担当者の映像を表示する表示部を設置することによりテレビ電話のようにお互いの顔を見ながら会話することができる。また、この窓口担当者および顧客の両方の映像を記録装置325に記録することができるので顧客、窓口担当者の顔と両者の会話を記録装置325に記録でき、トラブル発生時の原因分析等に役立てることができる。
【0038】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された情報記録システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外の情報記録システムに広く適応することが出来ることは、いうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図2】本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図3】従来の情報記録システムの一例を示す図である。
【図4】本発明者らの検討した情報記録システムの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
101、102、313、320:信号処理装置、103、401、405:信号分割器、201:多重化回路部、301:端末装置、302:伝送路、303:管理センタ、202、310:カメラ、311、322:マイク、312、323:スピーカ、203、321:表示部、324:操作部、402、404:インターフェース、403:中継装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理センタと、複数の端末装置と、上記管理センタと上記複数の端末装置を結合する伝送路および記録装置を有し、上記管理センタは、第1の信号処理装置と表示部、マイクおよびスピーカを有し、上記第1の信号処理装置は、第1と第2の信号分割手段を有し、上記複数の端末装置の少なくとも1つは、第2の信号処理装置と、カメラ、スピーカおよびマイクを有し、上記端末装置のマイクからの音声信号を上記管理センタの上記第1の信号分割手段で第1と第2の音声信号に分割し、上記管理センタの上記マイクからの音声信号を上記管理センタの上記第2の信号分割手段で第3と第4の音声信号に分割し、上記第2の音声信号と上記第4の音声信号とを同一の伝送路を介して上記記録装置に記録したことを特徴とする情報記録システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報記録システムにおいて、上記端末装置の上記カメラの映像を上記第2の音声信号と上記第4の音声信号と共に上記記録装置に記録したことを特徴とする情報記録システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報記録システムにおいて、上記管理センタの上記第1の信号処理装置は、更に、多重化回路部を有し、上記第2の音声信号と上記第4の音声信号を上記多重化回路部で多重化し、上記記録装置に記録したことを特徴とする情報記録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−243533(P2007−243533A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62358(P2006−62358)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】