説明

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法

【課題】高感度であること、LERが良好であること、露光ラチチュードが良好であること、及びパターン形状が良好であることを同時に満足する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生するイオン性構造部位を備えた繰り返し単位(A)と、下記一般式(B1)で表される繰り返し単位(B)と、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(C)とを有する樹脂を含有する(一般式(B1)中、Rは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し;Yは、単結合又は2価の連結基を表し;Zは、単結合又は2価の連結基を表し;Arは、芳香環基を表し;pは1以上の整数を表す。)。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超LSI、高容量マイクロチップ、インプリント用モールド構造体などの製造プロセスで行われるリソグラフィプロセスや、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法に関する。更に詳しくは、本発明は、上記プロセスに好ましく適用される電子線、X線又はEUV光用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィーによる微細加工は、近年、集積回路の高集積化に伴い、数十ナノメートルオーダーの超微細パターン形成が要求されるようになってきている。この要求に伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
また、レジスト組成物による微細加工は、直接に集積回路の製造に用いられるだけでなく、近年ではいわゆるインプリント用モールド構造体の作製等にも適用されている(例えば、特許文献3、4、及び非特許文献1を参照)。
【0004】
特にEUVリソグラフィーは、次世代若しくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、感度および解像力の高いレジストが望まれている。特にウェハー処理時間の短縮化のために高感度化は非常に重要な課題であるが、EUV用レジストにおいては、高感度化を追求しようとすると、解像力の低下のみならず、ラインエッジラフネス(LER)の悪化が起こる。従って、これらの特性を同時に満足するレジストの開発が強く望まれている。
【0005】
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストのパターンと基板界面のエッジが、レジストの特性に起因してライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることを言う。この凹凸が、レジストをマスクとするエッチング工程により加工基板に転写されると、デバイスの電気特性が劣化し、歩留りが低下するという問題が生じる。特に、0.10μm以下の超微細領域では、ラインエッジラフネスは極めて重要な改良課題となっている。高感度であることと、ラインエッジラフネスが良好であることとはトレードオフの関係にあり、これらを如何にして同時に満足させるかが非常に重要である。
【0006】
さらに、EUVリソグラフィーに於いては、露光源からのアウトバンド光(EUVの波長以外の紫外線)が発生し、露光ラチチュードやパターン形状を劣化させることが知られている(例えば、非特許文献2および3を参照)。従って、高感度であることと、ラインエッジラフネスが良好であることに加え、露光ラチチュードおよびパターン形状が良好であることも同時に満たすレジストの開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−86358号公報
【特許文献2】特開2010−237662号公報
【特許文献3】特開2004−158287号公報
【特許文献4】特開2008−162101号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】平井義彦、「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開−」、フロンティア出版、2006年6月
【非特許文献2】Proc. of SPIE Vol. 7273, 72731W, 2009
【非特許文献3】Proc. of SPIE Vol. 7636, 763626, 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記背景技術に鑑み、特に露光光源としてEUV光を用いるリソグラフィーにおいて、高感度であること、LERが良好であること、露光ラチチュードが良好であること、及びパターン形状が良好であることを同時に満足する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
【0011】
[1]活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生するイオン性構造部位を備えた繰り返し単位(A)と、
下記一般式(B1)で表される繰り返し単位(B)と、
酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(C)と
を有する樹脂(P)を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
【化1】

【0012】
一般式(B1)中、
は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し;
Yは、単結合又は2価の連結基を表し;
Zは、単結合又は2価の連結基を表し;
Arは、芳香環基を表し;
pは1以上の整数を表す。
【0013】
[2]前記繰り返し単位(B)が、下記一般式(B2)で表される繰り返し単位である[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
【化2】

【0014】
一般式(B2)中、
は、水素原子又はアルキル基を表す。
【0015】
[3]前記酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(C)が、下記一般式(C1)で表される繰り返し単位である、[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
【化3】

【0016】
一般式(C1)中、
53は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し;
54は、水素原子を表し;
55は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は芳香環基を表し;
56は、芳香環基を表し;
55及びR56は互いに結合して環を形成してもよい。
【0017】
[4]前記樹脂(P)が、更に、下記一般式(D3)で表される繰り返し単位(D)を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
【化4】

【0018】
一般式(D3)中、
43は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し;
は、単結合又は2価の連結基を表し;
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し;
nは、1〜4の整数を表す。
【0019】
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
【0020】
[6][1]〜[4]のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成することと、該膜にEUV光を露光することと、露光した膜を現像することを含むパターン形成方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特に露光光源としてEUV光を用いるリソグラフィーにおいて、高感度であること、LERが良好であること、露光ラチチュードが良好であること、及びパターン形状が良好であることを同時に満足する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも含有するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも含有するものである。
【0024】
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、軟X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
【0025】
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
【0026】
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、例えばポジ型の組成物であり、典型的にはポジ型のレジスト組成物である。以下、この組成物の構成を説明する。
【0027】
[1]樹脂(P)
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂(P)を含有する。樹脂(P)は、活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生するイオン性構造部位を備えた繰り返し単位(A)と、繰り返し単位(B)と、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(C)とを有する。以下、各繰り返し単位について説明する。
【0028】
〔繰り返し単位(B)〕
樹脂(P)が有する繰り返し単位(B)は、下記一般式(B1)で表される。
【化5】

【0029】
一般式(B1)中、
は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し;
Yは、単結合又は2価の連結基を表し;
Zは、単結合又は2価の連結基を表し;
Arは、芳香環基を表し;
pは1以上の整数を表す。
【0030】
としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、i−ブチル基があげられ、さらに置換基を有していても良く、好ましい置換基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基等があげられ、中でも置換基を有するアルキル基としては、CF基、アルキルオキシカルボニルメチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基等が好ましい。
【0031】
なお、本明細書においては、置換、無置換を記していない基名表示の場合は置換基を有するものを排除しないとして取り扱う。
【0032】
としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
【0033】
Yは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、エーテル基(酸素原子)、チオエーテル基(硫黄原子)、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、−COO−、−CONH−、−SONH−、−CF−、−CFCF−、−OCFO−、−CFOCF−、−SS−、−CHSOCH−、−CHCOCH−、−COCFCO−、−COCO−、−OCOO−、−OSOO−、アミノ基(窒素原子)、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、若しくはこれらの組み合わせからなる基があげられる。Yは、炭素数15以下が好ましく、炭素数10以下がより好ましい。
【0034】
Yは、好ましくは単結合、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、より好ましくはエーテル基、アミノ基であり、特に好ましくはエーテル基である。
【0035】
Zは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、エーテル基(酸素原子)、チオエーテル基(硫黄原子)、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、−COO−、−CONH−、−SONH−、アミノ基(窒素原子)、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、若しくはこれらの組み合わせからなる基があげられる。
【0036】
Zは、好ましくは単結合、エーテル基、カルボニル基、−COO−であり、さらに好ましくは単結合、エーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
【0037】
Arは、芳香環基を表し、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、キノリニル基、フラニル基、チオフェニル基、フルオレニル−9−オン−イル基、アントラキノニル基、フェナントラキノニル基、ピロール基等が挙げられ、フェニル基であることが好ましい。これらの芳香環基はさらに置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、フェニル基等のアリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、ヘテロ環残基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基が、アウトバンド光に起因した露光ラチチュードやパターン形状の悪化を抑制する観点から好ましい。
【0038】
pは、1以上の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。
【0039】
繰り返し単位(B)としてさらに好ましいのは以下の式(B2)で表される繰り返し単位である。
【化6】

【0040】
一般式(B2)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。Rとしてのアルキル基として好ましいものは、一般式(B1)と同様である。
【0041】
一般式(B1)もしくは一般式(B2)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【化7−1】

【0042】
【化7−2】

【0043】
【化7−3】

【0044】
【化7−4】

【0045】
【化7−5】

【0046】
本発明の樹脂(P)中における繰り返し単位(B)の含有率は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、1〜50モル%の範囲が好ましく、3〜30モル%の範囲がより好ましく、5〜15モル%の範囲が特に好ましい。
【0047】
本発明の樹脂(P)は、繰り返し単位(B)を有することで、露光ラチチュード、パターン形状(残膜量)及びラインエッジラフネスが良好で、高感度なパターンを得ることができるが、その理由としては、繰り返し単位(B)が1単位内に複数の芳香環を有することで、特にEUV露光を行った際のアウトバンド光を効率良く吸収し、その結果として、パターン形成性の悪化を抑制しているものと考えられる。
【0048】
〔繰り返し単位(A)〕
繰り返し単位(A)は、活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生するイオン性構造部位を備えた繰り返し単位である。
【0049】
繰り返し単位(A)は、より具体的には、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される繰り返し単位であることが好ましい。
【化8】

【0050】
一般式(I)中、R13は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。X11は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、−CONH−又は2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。L11は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基又はこれらの2以上を組み合わせた基を表す。X12は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、−CONH−または2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。Arは、2価の芳香環基を表す。X13は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。L12は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基を表す。Zは、活性光線又は放射線の照射によりスルホン酸基となる部位を表す。
【0051】
一般式(II)中、R23は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。Ar2は、2価の芳香環基を表す。X21は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)又は2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。L21は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、またはこれらの2以上を組み合わせた基を表す。X22は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。
【0052】
22は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基を表す。Z2は、活性光線又は放射線の照射によりスルホン酸基となる部位を表す。
【0053】
一般式(III)中、R33は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。X31は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、−CONH−又は2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。L31は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基又はこれらの2以上を組み合わせた基を表す。X32は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す。L32は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基を表す。Z3は、活性光線又は放射線の照射によりイミド酸基あるいはメチド酸基となる基を表す。
【0054】
上記一般式(I)〜(III)において、R13、R23、R33はそれぞれ、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表すが、アルキル基としては炭素数1〜4のものがあげられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、t−ブチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基などの炭素数1〜4のものが特に好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。R13、R23、R33として特に好ましい基は、水素原子、またはメチル基である。
【0055】
11、X31は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、−CONH−又は2価の窒素含有非芳香族複素環基を表す(X31は単結合であってもよい)が、上記−NR−のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4のものがあげられ、上記2価の窒素含有非芳香族複素環基は、具体的には、下記構造の2価の連結基が挙げられる。
【化9】

【0056】
11としては、−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONH−が好ましく、−COO−、−CONH−が特に好ましい。X31としては、前記X11の好ましい例に加え、単結合であることが好ましい。
【0057】
11は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基又はこれらの2以上を組み合わせた基を表すが、アルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基のような炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、アルケニレン基としては、上記アルキレン基の任意の位置に、二重結合を有する基が挙げられ、2価の脂肪族炭化水素環基は、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、ノルボルナニレン基、アダマンチレン基、ジアマンタニレン基等の2価の脂肪族炭化水素環基が好ましい例として挙げられる。これらの2以上を組み合わせた基としては、例えば、−アルキレン基−O−アルキレン基−、−アルキレン基−OCO−アルキレン基−、−2価の脂肪族炭化水素環基−O−アルキレン基−、−アルキレン基−CONH−アルキレン基−等があげられる。
【0058】
12は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−、−CONH−または2価の窒素含有非芳香族複素環基を表すが、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−がより好ましく、単結合、−S−、−OCO−、−OSO−が特に好ましい。
【0059】
Ar、Arは、2価の芳香環基を表すが、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などのアリーレン基、アラルキレン基、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を挙げることができ、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フェニル基で置換されたフェニレン基が好ましい。また、2価の芳香環基は、2価の芳香環基とアルキレン基を組み合わせた基であってもよい。この場合のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基のような炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。特に、フェニレン基とエチレン基を組み合わせた基あるいはフェニレン基とメチレン基を組み合わせた基が好ましい。
【0060】
13は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基を表すが、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−がより好ましく、−OSO−が特に好ましい。
【0061】
12、L22およびL32は、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基を表すが、これらの基は、水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、フッ化アルキル基、ニトロ基、又はシアノ基から選択される置換基で置換されていることが好ましく、水素原子の一部又は全部が、フッ素原子又はフッ化アルキル基(より好ましくはペルフルオロアルキル基)で置換された、アルキレン基、2価の芳香環基がより好ましく、水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキレン基、2価の芳香環基が特に好ましい。
【0062】
12、L22およびL32におけるアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。アルケニレン基としては、上記アルキレン基の任意の位置に、二重結合を有する基が挙げられる。2価の脂肪族炭化水素環基は、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、ノルボルナニレン基、アダマンチレン基、ジアマンタニレン基等の炭素数3〜17の2価の脂肪族炭化水素環基が好ましい例として挙げられる。2価の芳香環基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などのアリーレン基や、2価の芳香環基とアルキレン基を組み合わせた基が挙げられる。
【0063】
以下に、L12、L22およびL32の好ましい具体例を示す。
【化10】

【0064】
21は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基を表すが、−O−、−S−、−CO−、−OCO−、−SO−、−OSO−がより好ましく、−O−、−OCO−、−OSO−が特に好ましい。
【0065】
21、L31は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、これらの2以上を組み合わせた基(例えば、−アルキレン基−2価の芳香環基−、−2価の脂肪族炭化水素環基−アルキレン基−等)、若しくは、−OCO−、−COO−、−O−、−CONH−又は−S−を連結基として介して、これらの2以上を組み合わせた基(例えば、−アルキレン基−OCO−2価の芳香環基−、−アルキレン基−S−2価の芳香環基−、−アルキレン基−O−アルキレン基−2価の芳香環基−等)を表す。
【0066】
アルキレン基、アルケニレン基、及び2価の脂肪族炭化水素環基としては、一般式(I)中のL11におけるアルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基として先に記載したと同様の具体例が挙げられる。芳香環基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などのアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を挙げることができる。2価の芳香環基は、2価の芳香環基とアルキレン基を組み合わせた基であってもよい。この場合のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基のような炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。特に、フェニレン基とエチレン基を組み合わせた基あるいはフェニレン基とメチレン基を組み合わせた基が好ましい。
【0067】
22、X32は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−OSO−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基を表すが、−O−、−S−、−CO−、−OCO−、−SO−、−OSO−がより好ましく、−O−、−OCO−、−OSO−が特に好ましい。
【0068】
上記式(I)、(II)のZ、Zは、それぞれ、活性光線又は放射線の照射によりスルホン酸基となる部位を表し、上記式(III)のZは、活性光線又は放射線の照射により、イミド酸基あるいはメチド酸基となる部位を表す。上記Z、Z、Zはいずれも、オニウム塩が好ましく、スルホニウム塩あるいはヨードニウム塩がより好ましく、上記式(I)、(II)の場合は、下記一般式(ZI)あるいは(ZII)で表される構造が特に好ましい。
【化11】

【0069】
上記一般式(ZI)、一般式(ZII)において、R201、R202、R203、R204、及びR205は、各々独立に、有機基を表す。
【0070】
上記R201、R202及びR203のうちの2つ以上、又はR204とR205は、結合してアルキレン基のような環構造を形成してもよい。
【0071】
201やR204で示される有機基は、特にアリール基であることが好ましく、この場合、上記一般式(ZI)あるいは一般式(ZII)で示されるオニウム塩は、アリールスルホニウム塩あるいはアリールヨードニウム塩となる。これらのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基のような芳香環やヘテロ原子を含む複素環でもよく、より好ましくはフェニル基である。
【0072】
アリールスルホニウム塩としては、例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する基を挙げることができる。
【0073】
一般式(ZI)において、R201、R202及びR203の2つ以上がアリール基である場合、その他の基はアルキル基または1価の脂肪族炭化水素環基であってよく、これらの基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0074】
201、R202及びR203におけるアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基はさらに置換基を有してもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。また、アリール基の置換の場合、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
【0075】
前記一般式(ZI)におけるR201、R202及びR203が、いずれも、芳香環を有さない有機基を表す基である場合、R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖状又は分岐状の2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは2−オキソ脂肪族炭化水素環基である。
【0076】
2−オキソアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、アルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
【0077】
(ZI)で表わされる基の一態様として、下記一般式(ZI−1A)で表される構造が挙げられる。
【化12】

【0078】
一般式(ZI−1A)中、R1a〜R13aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。Zaは、単結合又は2価の連結基である。
【0079】
上記Zaは単結合又は2価の連結基を表すが、好ましくは、単結合か電子求引性を持たない置換基であり、更に好ましくは単結合、エーテル基、チオエーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
【0080】
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R1a〜R13aは、−W−OHで表され、式中のWは単結合又は2価の連結基を表す。好ましいWは、単結合、アルキレン基、−O−、−SO−、−CONH−である。代表的なアルコール性水酸基を含む置換基は−CHCHOHである。
【0081】
一般式(ZI−1A)中のアルコール性水酸基の数は、好ましくは1個から6個であり、更に好ましくは1個から3個である。一般式(ZI−1A)中のアルコール性水酸基を含む基の位置は、好ましくは、R9a〜R13aである。
【0082】
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有する基でない場合、これらの基は好ましくは水素原子、アルキル基(1価の脂肪族炭化水素環基を含む)、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基又はニトロ基である。
【0083】
また、(ZI)で表わされる基の別の一態様として、下記一般式(ZI−3)で表される、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する基が挙げられる。
【化13】

【0084】
一般式(ZI−3)に於いて、R及びRは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基又はビニル基を表す。R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
【0085】
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
【0086】
1c〜R7cにおいて、アルキル基は例えば炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができ、1価の脂肪族炭化水素環基は例えば炭素数3〜8の1価の脂肪族炭化水素環基を挙げることができ、アルコキシ基は例えば炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素数3〜8の環状アルコキシ基を挙げることができる。
【0087】
上記のうち、好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15であることで、これにより、樹脂(P)の溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
【0088】
及びRにおけるアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基としては、R1c〜R7cにおけると同様のアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
【0089】
及びRは、好ましくは炭素数4以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基であり、より好ましくは炭素数6以上、更に好ましくは炭素数8以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基である。
【0090】
次に、前記一般式(ZII)の場合、一般式(ZII)中、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表すが、アリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基の具体例としては、前述の(ZI−1)基で挙げたアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基と同様のものを挙げることができる。
【0091】
次に、一般式(III)のZは、活性光線又は放射線の照射により、イミド酸基あるいはメチド酸基となるオニウム塩を表すが、Zにより表わされるオニウム塩としては、スルホニウム塩あるいはヨードニウム塩が好ましく、下記一般式(ZIII)あるいは(ZIV)で表される構造が好ましい。
【化14】

【0092】
一般式(ZIII)及び(ZIV)中、Z、Z、Z、Z、Zは、各々独立に、−CO−又は−SO−を表し、より好ましくは、−SO−である。
【0093】
Rz、Rz、Rzは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アラルキル基を表す。水素原子の一部又は全部がフッ素原子又はフルオロアルキル基(より好ましくはペルフルオロアルキル基)で置換された態様がより好ましく、水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換された態様が特に好ましい。 上記アルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素数3〜6の1価の脂肪族炭化水素環基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。アラルキル基としては、炭素数1〜4のアルキレン基と上記アリール基が結合したアラルキル基が特に好ましい。
【0094】
は、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンを表わし、好ましくは上述した一般式(ZI)におけるスルホニウムカチオン及び一般式(ZII)におけるヨードニウムカチオン構造が挙げられる。
【0095】
一般式(I)の繰り返し単位に対応する重合性モノマー単位について、活性光線又は放射線の照射によりカチオンが脱離して生成するスルホン酸単位を、以下に例示する。
【化15】

【0096】
次に、一般式(II)の繰り返し単位に対応する重合性モノマー単位について、活性光線又は放射線の照射によりカチオンが離脱して生成するスルホン酸単位として、以下に例示する。
【化16】

【0097】
次に、一般式(III)の繰り返し単位に対応する重合性モノマー単位について、活性光線又は放射線の照射によりカチオンが離脱して生成するイミド酸、メチド酸単位を、以下に例示する。
【化17】

【0098】
一般式(I)〜(III)の繰り返し単位に対応する重合性化合物は、例えば、ビススルホニルハライド化合物の一方のスルホニルハライド部を選択的にアミン、アルコールなどと反応させて、スルホンアミド結合、スルホン酸エステル結合を形成した後、もう一方のスルホニルハライド部分を加水分解する方法、あるいは環状スルホン酸無水物をアミン、アルコールにより開環させる方法により得ることができる。また、US5554664、J.Fluorine Chem. 105(2000)129−136、J.Fluorine Chem. 116(2002)45−48に記載されている方法を用いても容易に合成することができる。
【0099】
一般式(I)〜(III)におけるZ〜Zにより表わされるオニウム塩のカチオンの具体例を以下に示す。
【化18−1】

【0100】
【化18−2】

【0101】
【化18−3】

【0102】
また以下の表1に、一般式(I)〜(III)の繰り返し単位に対応する重合性化合物(M)の具体例を、カチオン構造(上記例示の(Z−1)〜(Z−58))とアニオン構造(先に例示の(I−1)〜(I−16)、(II−1)〜(II−21)、(III−1)〜(III−16)における有機酸の水素原子を除いたアニオン)の組み合わせとして示す。
【表1−1】

【0103】
【表1−2】

【0104】
【表1−3】

【0105】
樹脂(P)中における繰り返し単位(A)の含有率は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、更に好ましくは3〜40モル%の範囲である。
【0106】
本発明の樹脂(P)は、上記のような側鎖に酸アニオンを発生するイオン性構造部位を有する繰り返し単位(A)を有しているため、特に、露光ラチチュードと解像性とが優れる。これは、酸が拡散しすぎることが抑制されるためであると考えられる。
【0107】
〔繰り返し単位(C)〕
繰り返し単位(C)は、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(以下、「酸分解性基を有する繰り返し単位」と称することがある)である。
【0108】
酸分解性基として好ましい基は、アルカリ可溶性の水素原子を酸により脱離する基で置換した基であって、アルカリ可溶性の水素原子を有する基としてはフェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基が好ましく、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)が特に好ましい。また、酸により脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができ、上式中、R36〜R39は各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表し、R01及びR02は各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表し、Arは1価の芳香環基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
【0109】
繰り返し単位(C)としては、下記一般式(C1)で表される繰り返し単位がより好ましい。
【化19】

【0110】
一般式(C1)中、R53は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、R54は水素原子を表し、R55は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は芳香環基を表し、R56は芳香環基を表す。R55及びR56は互いに結合して環を形成してもよい。
【0111】
一般式(C1)について、更に詳細に説明する。
【0112】
まずR53に関して以下に述べる。アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基など炭素数1〜10のアルキル基やトリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、クロロメチル基のような置換アルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。1価の脂肪族炭化水素環基としては、好ましくはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8で単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子が特に好ましい。アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R53におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
【0113】
次にR55に関して以下に述べる。アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの1〜4の炭素数のアルキル基が挙げられ、1価の脂肪族炭化水素環基としては、好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環や、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の多環の、炭素数3〜20の脂肪族炭化水素環基が挙げられ、芳香環基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0114】
56で表される芳香環基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又は、フルオレン基等の炭素数6〜20のものが好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。
【0115】
以下に、一般式(C1)で表される繰り返し単位の具体例を示す。
【化20−1】

【0116】
【化20−2】

【0117】
【化20−3】

【0118】
【化20−4】

【0119】
【化20−5】

【0120】
【化20−6】

【0121】
【化20−7】

【0122】
中でも、下記に示す繰り返し単位がより好ましい。
【化21−1】

【0123】
【化21−2】

【0124】
本発明の樹脂(P)中における繰り返し単位(C)の含有率は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、5〜80モル%の範囲が好ましく、7〜70モル%の範囲が特に好ましい。また、樹脂中の繰り返し単位(A)と繰り返し単位(C)との比率(Aのモル数/Bのモル数)は、0.04〜1.0が好ましく、0.05〜0.9がより好ましく、0.06〜0.8が特に好ましい。
【0125】
〔繰り返し単位(D)〕
本発明の樹脂(P)は、前記繰り返し単位(A)及び繰り返し単位(C)とは異なる、芳香環基を有する繰り返し単位(D)をさらに有していることが好ましい。樹脂(P)が繰り返し単位(D)を有することにより、アウトバンド光をさらに効率良く吸収することができ、パターン形成性もさらに向上する。繰り返し単位(D)としては、例えば、下記一般式(D1)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【化22】

【0126】
式(D1)中、R43は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し、Qは、芳香環基を含有する基を表す。
【0127】
43の具体例としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子が特に好ましい。
【0128】
一般式(D1)において、Qは、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基のような芳香族基であり、更に好ましくはフェニル基である。
【0129】
一般式(D1)で表される繰り返し単位としては、下記一般式(D3)で表される繰り返し単位がより好ましい。
【化23】

【0130】
式(D3)において、R43は上記一般式(D1)と同じであり、Xは単結合又は2価の連結基を表し、Arは(n+1)価の芳香環基を表し、nは1〜4の整数を表す。
【0131】
としては、単結合、−COO−、−CONH−、−OCO−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、これらとアルキレン基を連結した基が好ましく、単結合、−COO−、−CONH−、−SO−又は−SO−がより好ましい。
【0132】
Arは、nが1の場合、例えばフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができ、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が特に好ましい。nが2〜4以上の場合は、上記で挙げた2価の芳香環基に対応する3価〜5価の芳香環基が好ましい。
【0133】
以下に、樹脂(P)に含まれる繰り返し単位(D)の具体例を示すが、式中、aは0〜2の整数を表す。
【化24−1】

【0134】
【化24−2】

【0135】
【化24−3】

【0136】
樹脂(P)中の繰り返し単位(D)の含有率は、樹脂(P)全繰り返し単位に対して、5〜90モル%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜80モル%の範囲であり、更に好ましくは20〜70モル%の範囲である。樹脂(P)に含まれる繰り返し単位(D)は2種類以上を組み合わせて含んでもよい。
【0137】
本発明において、樹脂(P)における繰り返し単位(D)の含有率(モル%)は、前記繰り返し単位(C)の含有率と同等又はそれ以上であることが好ましい。
【0138】
〔繰り返し単位(E)〕
樹脂(P)は、更に、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位(E)を有することが好ましく、そのような基として、ラクトン構造、フェニルエステル構造などが挙げられる。
【0139】
繰り返し単位(E)としては、下記一般式(E1)で表される繰り返し単位がより好ましい。
【化25】

【0140】
一般式(E1)中、Vは、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を表し、Abは、単結合もしくは2価の連結基を表し、Rbは、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
【0141】
上記Vは、好ましくはエステル結合を有する基であり、中でもラクトン構造を有する基がより好ましい。
【0142】
ラクトン構造を有する基としては、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては、(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)、(LC1−17)で表されるラクトン構造が挙げられる。
【化26】

【0143】
上記構造中、Rbは置換基であり、nは0〜4の整数を表す。好ましいRbとしては、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、酸分解性基である。
【0144】
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。
【0145】
Abとしては、例えば、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂肪族炭化水素環構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基があげられ、好ましくは、単結合、−Ab−CO−で表される2価の連結基である。ここで上記Abは、直鎖状又は分岐状のアルキレン基、単環又は多環の脂肪族炭化水素環基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
【0146】
以下に、繰り返し単位(E)の具体例を示す。式中、Rxは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
【化27−1】

【0147】
【化27−2】

【0148】
樹脂(P)中の繰り返し単位(E)の含有率は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、更に好ましくは2〜40モル%の範囲である。繰り返し単位(E)は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0149】
樹脂(P)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
【0150】
例えば、一般的合成方法としては、不飽和モノマー及び重合開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤に不飽和モノマーと重合開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
【0151】
本発明に係る樹脂(P)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜60000の範囲であることがより好ましく、2000〜30000の範囲であることが特に好ましい。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THFあるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
【0152】
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。
【0153】
また本発明に係る樹脂の性能を向上させる目的で、樹脂(P)は、耐ドライエッチング性を著しく損なわない範囲で、更に他の重合性モノマー由来の繰り返し単位を含んでいても良い。使用することができる他の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0154】
本発明の樹脂(P)の含有率は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の全固形分を基準にして、30〜99.99質量%が好ましく、50〜99.97質量%がより好ましく、70〜99.95質量%が特に好ましい。
【0155】
樹脂(P)の好ましい具体例としては、例えば、前記一般式(I)〜(III)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(A)/前記一般式(B1)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(B)/前記一般式(C1)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(C)を有する樹脂、前記一般式(I)〜(III)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(A)/前記一般式(B1)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(B)/前記一般式(C1)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(C)/前記一般式(D3)で表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位(D)を有する樹脂を挙げることができる。
【0156】
樹脂(P)のより好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【化28−1】

【0157】
【化28−2】

【0158】
【化28−3】

【0159】
【化28−4】

【0160】
【化28−5】

【0161】
【化28−6】

【0162】
【化28−7】

【0163】
【化28−8】

【0164】
【化28−9】

【0165】
【化28−10】

【0166】
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて更に、塩基性化合物、酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂、従来型の光酸発生剤、界面活性剤、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、現像液に対する溶解促進性化合物、及び/又はプロトンアクセプター性官能基を有する化合物等を含有させることができる。
【0167】
[2]塩基性化合物
本願発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物として含窒素有機塩基性化合物含有することが好ましい。
【0168】
使用可能な塩基性化合物は、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
【0169】
(1)2または3級アミノ化合物
これらの化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、US6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物などが挙げられる。
【0170】
(2)含窒素複素環を有する化合物
これらの化合物の具体例としては、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ジメチルアミノピリジン、アンチピリン、ヒドロキシアンチピリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
【0171】
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
これらの化合物の具体例としては、2−[2−{2−(2,2−ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
【0172】
(4)アンモニウム塩
これらの化合物の具体例としては、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがあげられる。
塩基性化合物の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
【0173】
光酸発生剤/塩基性化合物のモル比は、2.5〜300であることが好ましい(ここでいう「光酸発生剤」は、上述した樹脂(P)における繰り返し単位(A)と、樹脂(P)以外に添加される光酸発生剤の両方を含む)。即ち、感度及び解像度の点からモル比が2.5以上であることが好ましく、露光後加熱処理までの間に経時的にパターンの太りが生じることによる解像度の低下を抑制する点から、300以下であることが好ましい。このモル比は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
【0174】
[3]酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、樹脂(P)以外に、酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂を含有していてもよい。
【0175】
酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」ともいう)は、樹脂の主鎖又は側鎖、或いは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する樹脂である。この内、酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
【0176】
酸分解性樹脂は、欧州特許254853号明細書、特開平2−25850号公報、同3−223860号公報、同4−251259号公報等に開示されているように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、若しくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
【0177】
酸分解性基として具体的には、前述した本発明の樹脂で説明した酸分解性基(例えば、樹脂(P)における繰り返し単位(C)において説明した酸分解性基)と同様の基を好ましい例として挙げることができる。
【0178】
前記アルカリ可溶性基を有する樹脂としては、例えば、以下に示す繰り返し単位を含有するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【化29】

【0179】
樹脂中の全繰り返し単位数に対する酸分解性基を有する繰り返し単位数の割合は、好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.05〜0.50、更に好ましくは0.05〜0.40である。
【0180】
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が樹脂(P)以外に酸分解性樹脂を含有する場合、配合量は、組成物の全固形分中0.1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜50質量%、更により好ましくは0.1〜30質量%である。
【0181】
[4]溶剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。特に、常圧(760mmHg)で、沸点が150℃以下の溶剤が好ましい。
【0182】
好ましい溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
【0183】
さらに好ましく使用できる溶剤としては、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。特に好ましい溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
【0184】
本発明の組成物全量中における溶剤(沸点が150℃以上のものも、そうでないものも全て含む)の使用量は、所望の膜厚等に応じて適宜調整可能であるが、一般的には、組成物の全固形分における濃度が0.3〜15質量%、好ましくは0.5〜8.0質量%、より好ましくは1.0〜4.0質量%、最も好ましくは1.0〜2.0質量%となるように調製される。
【0185】
[5]界面活性剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤が好ましく、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF177、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
【0186】
また、その他の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
【0187】
界面活性剤の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分に対し、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。 [6]酸分解性溶解阻止化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中への溶解速度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)を含有することができる。
【0188】
溶解阻止化合物としては、Proceeding of SPIE,2724, 355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、前記酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
【0189】
また、フェノール化合物のフェノール性水酸基を酸分解基で置換した構造を含有するものも好ましい。フェノール化合物としては、フェノール骨格を1〜9個含有する
ものが好ましく、更に好ましくは2〜6個含有するものである。
【0190】
[7]その他の成分
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、染料を含有してもよい。好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。
露光による酸発生効率を向上させるため、更に、光増感剤を添加することができる。 また、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、現像液に対する溶解促進性化合物を含有してもよい。本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4916210号、欧州特許第219294号に記載のものを挙げることができる。
【0191】
また、特開2006−208781号公報や、特開2007−286574号公報等に記載の、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物も、本願組成物に対して好適に用いることができる。
【0192】
[8]パターン形成方法
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、基板など支持体上に塗布され、膜を形成する。このレジスト膜の膜厚は特に規定されないが、0.02〜0.1μmであることが好ましく、0.02〜0.05μmであることがより好ましく、0.02〜0.04μmであることが最も好ましい。
【0193】
基板上に本発明の樹脂組成物を塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmであることが好ましい。
【0194】
例えば、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、精密集積回路素子、フォトマスク、インプリント用モールドなどの製造に使用されるような基板(例:シリコン、シリコン/二酸化シリコン被覆、窒化シリコン、Cr層を有する石英基板など)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、膜を形成する。なお、予め公知の反射防止膜を塗設することもできる。
【0195】
当該膜に、活性光線又は放射線、好ましくは電子線(EB)、X線又はEUV光を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。
【0196】
現像工程では、通常、アルカリ現像液を用いる。本発明の組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
【0197】
更に、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
【0198】
なお、本発明の組成物を適用して、インプリント用モールド構造体を作製する場合の詳細については、例えば、ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開−編集:平井義彦 フロンティア出版(2006年6月発行)、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報などを参照されたい。
【実施例】
【0199】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0200】
<樹脂P−1〜P−40の合成>
〔合成例1:樹脂P−13の合成〕
樹脂P−13を、下記のスキームに従って合成した。
【化30】

【0201】
(化合物(9)の合成)
100.00gの化合物(5)を、400gの酢酸エチルに溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却し、47.60gのナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液)を30分かけて滴下した。その後、これを室温で5時間に亘って撹拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えて、有機層を蒸留水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、化合物(6)(54質量%酢酸エチル溶液)131.70gを得た。
【0202】
18.52gの化合物(6)(54質量%酢酸エチル溶液)に、56.00gの酢酸エチルを加えた。これに、31.58gの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリドを加え、0℃に冷却した。12.63gのトリエチルアミンを25.00gの酢酸エチルに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、液温を0℃に維持したまま4時間に亘って撹拌した。酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、32.90gの化合物(7)を得た。
【0203】
35.00gの化合物(7)を315gのメタノールに溶解させ、0℃に冷却し、245gの1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、34.46gの化合物(8)を得た。
【0204】
28.25gの化合物(8)を254.25gのメタノールに溶解させ、23.34gのトリフェニルスルホニウムブロミドを加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去して、蒸留水を加えて、クロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を蒸留水で3回洗浄した後、溶媒を留去した。このようにして、42.07gの化合物(9)を得た。
【0205】
(樹脂(P−13)の合成)
12.45gのp−ヒドロキシスチレン(6)(53.1質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、5.71gの化合物(4)と、6.77gの化合物(9)と、2.38gの化合物(10)と、1.61gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、35.40gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に8.85gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に2時間かけて滴下した。反応溶液を4時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
【0206】
上記反応溶液を、33gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を1000gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。250gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を33gのアセトンに溶解させ、600gのメタノール/蒸留水=1/9中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。150gのメタノール/蒸留水=1/9を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、11.31gの樹脂P−13を得た。
【0207】
樹脂P−1〜P−12及びP−14〜P−48の各々についても、合成例1と同様の手法で合成した。
【0208】
上記のように合成した樹脂P−1〜P−40について、GPC(東ソー株式会社製;HLC−8120;Tsk gel Multipore HXL−M)を用いて重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を測定した。その結果を、下記表2に示す。なお、このGPC測定では、溶媒としてTHFを用いた。表2において、各樹脂の組成比を表わす数値の表中の位置は、左から右に、上記で示した樹脂P−1〜P−40の構造式における各繰り返し単位の位置に対応する。例えば、樹脂P−1の場合、表2には、左から40、40、10、10と組成比が並んでいるが、P−1の構造式の一番左に位置する繰り返し単位(D)が40質量部、左から2番目に位置する繰り返し単位(C)が40質量部、左から3番目に位置する繰り返し単位(B)が10質量部、一番右に位置する繰り返し単位(A)が10質量部であることを意味する。
【表2】

【0209】
<ポジ型レジストの作成>
以下に示す成分を(各成分量は全固形分を基準とする質量%)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=40/60の混合溶剤に溶解させ、固形分濃度1.8質量%の溶液を調製した。
【0210】
樹脂P−13 98.29質量%
トリフェニルイミダゾール 1.70質量%
PF6320(オムノバ社製、フッ素系) 0.01質量%
この溶液を0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して、実施例1の化学増幅ポジ型レジスト組成物(ポジ型レジスト溶液)を調製した。同様にして、実施例2〜40および比較例1〜4のポジ型レジスト組成物を調製した。それぞれのポジ型レジスト組成物の組成を、以下の表3に示す。
【表3】

【0211】
表3において、実施例の樹脂(P)以外に使用した化合物を以下に示す。
【0212】
〔比較例において使用した樹脂〕
【化31】

【0213】
分子量はいずれも13000であり、分散度はいずれも1.8のものを使用した。
【0214】
上記樹脂の組成比を以下に示す。以下に示す数値は、上記化学式において、左に記載されている化合物から順に記載したものである。
【0215】
PR−1:50/40/10
PR−2:50/50
PR−3:50/50
PR−4:65/30/5
〔光酸発生剤〕
【化32】

【0216】
〔有機塩基性化合物〕
N−1:テトラ−(n−ブチル)アンモニウムヒドロキシド
N−2:トリス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミン
N−3:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
N−4:トリドデシルアミン
〔界面活性剤〕
W−1: メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2: メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3: ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4: PF6320(OMNOVA(株)製)(フッ素系)
〔塗布溶剤〕
SL−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
SL−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
SL−3:乳酸エチル
SL−4:シクロヘキサノン
SL−5:γ―ブチロラクトン
<パターン形成>
上記で調製した化学増幅ポジ型レジスト組成物を、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にスピンコーターを用いて均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚50nmのポジ型レジスト膜を形成させた。
【0217】
このポジ型レジスト膜の塗布されたウェハをピッチ60nm、線幅30nmのマスクを介し、EUV光(波長13.5nm、NA0.3)を用いて、パターン露光した。照射後直ぐに、110℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)を用いて23℃で30秒間現像し、15秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥して、ピッチ60nm、線幅30nmのラインアンドスペースパターンを得た。
【0218】
<レジスト評価>
〔感度〕
上記方法により作成したレジストパターンの寸法を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380II)を用いて観察した。ピッチ60nm、線幅30nmのラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度とした。
【0219】
〔パターン形状:パターン高さ方向の膜減り量〕
上記の感度を示す照射量におけるピッチ60nm、線幅30nmのラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察し、パターンの高さ方向の膜減り量評価を行った。より具体的には、ラインパターンを真横から観察することで、パターン高さを計測し、下記式に則って、膜減り量を算出した。
【0220】
[膜減り量] = [塗布膜厚50nm] − [パターン高さ]
膜減り量が小さいほど、パターンの残膜が良好で、解像性が優れていることを意味する。
【0221】
〔露光ラチチュード(EL)〕
上記の感度を示す照射量を変化させた際にパターンサイズが30nm±10%を許容する照射量幅を求め、この値を感度で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好であることを示す。
【0222】
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
ラインエッジエッジラフネスは、線幅30nmのラインアンドスペースパターンの長手方向0.5μmの任意の50点について、エッジのあるべき基準線からの距離を上記走査型電子顕微鏡を用いて計測し、その標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す
上記のように実施例および比較例のレジスト組成物を評価した結果を表4に示す。表4から分かるように、本発明のレジスト組成物は、高感度であり、且つLER、露光ラチチュード及びパターン形状が良好であると言える。
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生するイオン性構造部位を備えた繰り返し単位(A)と、
下記一般式(B1)で表される繰り返し単位(B)と、
酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(C)と
を有する樹脂(P)を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
【化1】

一般式(B1)中、
は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し;
Yは、単結合又は2価の連結基を表し;
Zは、単結合又は2価の連結基を表し;
Arは、芳香環基を表し;
pは1以上の整数を表す。
【請求項2】
前記繰り返し単位(B)が、下記一般式(B2)で表される繰り返し単位である請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
【化2】

一般式(B2)中、
は、水素原子又はアルキル基を表す。
【請求項3】
前記酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(C)が、下記一般式(C1)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
【化3】

一般式(C1)中、
53は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し;
54は、水素原子を表し;
55は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は芳香環基を表し;
56は、芳香環基を表し;
55及びR56は互いに結合して環を形成してもよい。
【請求項4】
前記樹脂(P)が、更に、下記一般式(D3)で表される繰り返し単位(D)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
【化4】

一般式(D3)中、
43は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し;
は、単結合又は2価の連結基を表し;
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し;
nは、1〜4の整数を表す。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成することと、該膜にEUV光を露光することと、露光した膜を現像することを含むパターン形成方法。

【公開番号】特開2012−255845(P2012−255845A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127669(P2011−127669)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】