説明

成膜方法

【課題】光散乱効果を持つZnO系膜を高い成膜速度で成膜できる生産性のよい成膜方法を提供する。
【解決手段】本発明では、成膜室1内に処理すべき基板WとZnOを主成分とするターゲット31とを配置し、真空雰囲気の成膜室1内に希ガス等のスパッタガスを導入し、ターゲット31に所定電力を投入し、プラズマ雰囲気を形成してターゲットをスパッタリングすることで、基板W表面にZnOを主成分とする薄膜を成膜する。スパッタリングによる成膜中、前記プラズマに基板Wが曝されるようにし、成膜室1内の圧力を2Pa未満に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法に関し、より詳しくは、太陽電池の製造工程において、光散乱効果を持つZnOを主成分とする薄膜からなる透明導電膜をスパッタリング法により生産性よく成膜することに用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池の透明導電膜として、低コスト化を図る等の理由から、ZnOを主成分とする薄膜(以下、「ZnO系膜」という)を用いることが主流となっている。また、このような透明導電膜に光学特性が要求される場合には、ZnO系膜をテクスチャー構造とし、散乱封じ込め効果を高め、太陽電池に適用したときに光電変換効率の向上を図ることが知られている。
【0003】
テクスチャー構造のZnO系膜を成膜する方法は、例えば特許文献1で知られている。この方法では、ZnO系膜をスパッタリング法にて成膜している。即ち、真空チャンバ内に処理すべき基板とZnOを主成分とする酸化物焼結体のターゲットとを配置し、真空雰囲気の真空チャンバ内にアルゴン等の希ガスたるスパッタガスを導入し、ターゲットに所定電力を投入してプラズマ雰囲気を形成し、ターゲットをスパッタリングすることで基板表面にZnOを主成分とする薄膜を成膜する。このとき、真空チャンバ内の圧力を2Pa以上、基板温度を100℃以上としている。
【0004】
上記方法により成膜したZnO系膜は、その表面が空隙を形成して充填されるものとなり、ZnO系膜を構成する粒単位が、粒径が1〜10μm程度でカラム状または粒状の粒塊であり、粒塊群が結晶化して膜表面が凹凸形状となる。この場合、成膜時に圧力や基板温度を上記の如く設定するのは、成膜時の圧力が2Pa未満のとき、ZnO系膜の透明性が全体的に向上してしまう一方で、基板温度が100℃未満のとき、成膜したZnO系膜の斜め入射角度の光透過率が向上し、光透過率が光入射角度に依存しなくなるためである。然し、上記特許文献1記載の方法では、スパッタリングによる成膜時の圧力を2Pa以上としているため、ターゲットから飛散したスパッタ粒子の平均自由行程が短くなって成膜速度が著しく遅くなるという問題がある。この場合、ターゲットのスパッタ面側での電子密度を高めたマグネトロン方式のスパッタリング装置を用いることが考えられるが、これでも、成膜時の圧力が高いと、成膜速度を速めるには限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−57410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、光散乱効果を持つZnO系膜を高い成膜速度で成膜できる生産性のよい成膜方法を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、成膜室内に処理すべき基板とZnOを主成分とするターゲットとを配置し、真空雰囲気の成膜室内にスパッタガスを導入し、ターゲットに所定電力を投入し、プラズマ雰囲気を形成してターゲットをスパッタリングすることで、基板表面にZnOを主成分とする薄膜を成膜する成膜方法において、スパッタリングによる成膜中、前記プラズマに基板が曝されるようにし、成膜室内の圧力を2Pa未満に保持することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、スパッタリングによる成膜時に基板を積極的にプラズマに曝すことで、即ち、ターゲットから飛散したスパッタ粒子が付着、堆積してZnO系膜が形成される際に、プラズマ中の電子やスパッタリングによって生じた二次電子を基板に作用させることで、成膜されたZnO系膜が、その膜表面に数μm程度の粒径のカラム状または粒状の粒塊が隙間を持って形成されたものとなり、結果として、膜表面が凹凸形状、即ち、テクスチャー構造で光散乱効果を持つZnO系膜となる。しかも、この成膜時、成膜室内の圧力を2Pa未満としたため、ターゲットから飛散したスパッタ粒子の平均自由行程を長くできることで、成膜速度が効果的に向上できて生産性を向上できる。
【0009】
なお、本発明のZnO系膜には、ZnO単独でなる薄膜だけでなく、ZnOに導電性を付加させるためのド−パント等を含有したものも含まれる。また、本発明のスパッタリングによる成膜には、タ−ゲットを酸化物焼結体タ−ゲットとし、アルゴン等の不活性ガスからなるスパッタガスを導入してスパッタリングを行うもののほか、Znを含む金属タ−ゲットと、不活性ガス及び酸素たる反応ガスからなるスパッタガスを導入して反応性スパッタリングにより行うものが含まれる。
【0010】
ところで、ZnO系膜を太陽電池の透明導電膜として用いるとき、太陽電池の構造によっては、ZnO系膜を、例えば発電層たるアモルファスシリコン膜の表面に形成する場合がある。このような場合、成膜時、例えば基板が加熱されてアモルファスシリコンが変質しないようにすることが求められる。本発明では、前記スパッタリングによる成膜中、基板温度を350℃以下に制御することが好ましい。これによれば、基板温度を350℃以下に制御してZnO系膜を形成しても、膜表面が凹凸形状となって光散乱効果を持つZnO系膜を成膜できることが確認された。このため、本発明は、アモルファスシリコン膜の表面にZnO系膜を形成する場合に特に有利である。
【0011】
また、本発明においては、ZnO系膜に要求される散乱効果に応じて、前記基板温度を変化させて、基板表面に形成される粒塊の粒径を制御することが望ましい。
【0012】
なお、本発明において、上記の如く、成膜時に基板をプラズマに曝す構成を実現するには、前記基板と前記ターゲットとを対向配置し、基板からターゲットに向かう方向を上方、ターゲットから基板に向かう方向を下方とし、ターゲットの上方に配置される、下方の極性を相互に異ならせて設けた複数の磁石を有する磁石ユニットにより、ターゲットの下方にトンネル状の磁場を発生させてスパッタリングするものにおいて、1)極性の異なる磁石の同磁化に換算したときの体積を相互に異なるものとし、前記磁石ユニットからの漏洩磁場を基板に作用させるか、2)前記基板の下方に他の磁石を配置し、基板に磁場を作用させるか、または、3)前記ターゲットと基板とを結ぶ基準軸の回りに設けたコイルに通電して成膜室内に垂直な磁場を更に発生させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の成膜方法を実施するスパッタリング装置の構成を示す模式図。
【図2】発明実験における基板と磁石ユニットとの位置関係を説明する図。
【図3】発明実験により得たZnO系膜のSEM写真。
【図4】発明実験及び比較実験の成膜速度を示すグラフ。
【図5】本発明の成膜方法を実施し得る変形例のスパッタリング装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、処理すべき基板Wをガラス基板とし、本発明の実施形態のZnO系膜の成膜方法を説明する。図1には、本実施形態の成膜方法を実施し得るマグネトロン方式のスパッタリング装置SMが示されている。以下では、後述する基板Wからターゲット31に向かう方向を上方、ターゲット31から基板Wに向かう方向を下方として説明する。
【0015】
スパッタリング装置SMは、例えばインライン式のものであり、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプなどを備えた真空排気手段(図示せず)を介して所定の真空度に減圧保持できる、図外の真空チャンバにより画成される成膜室1を有する。成膜室1の下部空間には基板搬送手段2が設けられている。基板搬送手段2は、公知の構造を有し、例えば、基板Wが装着されるキャリア21を有し、駆動手段を間欠駆動させて、後述するターゲットと対向した成膜位置に基板Wを順次搬送できる。成膜位置では、成膜に先立ち基板Wを所定温度に加熱できるように加熱手段を設けてもよく、加熱手段としては、ランプ加熱方式や抵抗加熱方式等の公知のものが用いられる。
【0016】
成膜室1の上部空間にはマグネトロンスパッタ電極Cが設けられている。マグネトロンスパッタ電極CはZnOを主成分とするターゲット31を備える。このようなターゲット31としては、例えば、Znを含む金属製のものやZnO単独でなる酸化物焼結体を用いることができ、また、ZnOに導電性を付加させるために、ド−パント等を含有したものも用いることができる。このようなものとしては、ZnO:Al(1.8重量%)、ZnO:Ga(5重量%)、ZnO:CuAlO(12重量%)、ZnO:AlF(5重量%)、ZnO:Ti(12重量%)等が挙げられる。
【0017】
ターゲット31は、スパッタ面31a(下面)が基板Wの輪郭より大きくなるように形成され、スパッタリングによる成膜時にターゲット31を冷却するバッキングプレート32にインジウムやスズなどのボンディング材を介して接合され、この状態でフローティングまたはアース接地して成膜室1を臨むように設置される。設置後のターゲット31の外側には、アースシールド33が配置される。また、ターゲット31は、直流電源たるスパッタ電源Eに接続され、例えば400Wの負の電位を持った直流電力が投入されるようになっている。なお、スパッタ電源Eは、直流電源に限定されるものではなく、ターゲットの種に応じて例えば交流電源(高周波電源)を用いることもできる。
【0018】
マグネトロンスパッタ電極Cは、ターゲット31の上方に設置される磁石ユニット4を更に備える。磁石ユニット4は、同心に配置したリング状の永久磁石41、42から構成される。内側の永久磁石41と外側の永久磁石42とは同一の組成を有し、下側の極性が相互に異なるように配置されている。この場合、両永久磁石41、42の同磁化に換算したときの体積を、外側の永久磁石42が大きくなるように、内側の永久磁石41と外側の永久磁石42とでその下面の表面積を変えている。これにより、両永久磁石41、42間にトンネル状の磁場Mfが発生すると共に、外側の永久磁石42からの漏洩磁場Mdが基板Wに作用するようになる。
【0019】
また、成膜室1にはガス導入手段5が設けられている。ガス導入手段5は、マスフローコントローラ52を介設したガス管51を通じてガス源53に連通し、アルゴン等の希ガス(スパッタガス)が一定の流量で導入できる。そして、Znを含む金属タ−ゲットを用いる場合には、アルゴン等の希ガスと共に、酸素等の反応ガスがスパッタガスとして導入され、反応性スパッタリングにより成膜が行われる。以下に、本実施形態の成膜方法を説明する。
【0020】
先ず、基板搬送手段2により、所定圧力に保持された成膜室1内で基板Wをターゲット31と対向した成膜位置に移送する。基板Wが成膜位置に到達すると、ガス導入手段5を介してアルゴンガス(及び酸素ガス)を所定流量で導入し、ターゲット31にスパッタ電源Eから負の電位を持った所定電力を投入する。これにより、基板Wとターゲット31との間に垂直な電界が形成され、基板Wとターゲット31と間にプラズマが発生する。そして、プラズマ中で電離したアルゴンイオンによりターゲット31がスパッタリングされ、ターゲット31から飛散したスパッタ粒子が基板W表面に付着、堆積する。このとき、外側の永久磁石42からの漏洩磁場Mdを基板Wに作用させているため、基板Wが積極的にプラズマに曝されることで、つまり、プラズマ中の電子やスパッタリングによって生じた二次電子が作用することで、成膜されたZnO系膜が、その膜表面に数μm程度の粒径のカラム状または粒状の粒塊が隙間を持って形成されたものとなり、結果として、膜表面が凹凸形状、即ち、テクスチャー構造で光散乱効果を持つZnO系膜となる。
【0021】
スパッタリングによる成膜時、真空排気手段にて真空引きされている成膜室1内の圧力が0.1Pa〜2Paの範囲となるようにスパッタガスの導入量が設定される。成膜室1内の圧力を2Pa未満としたため、ターゲット31から飛散したスパッタ粒子の平均自由行程を長くなることで、成膜速度が効果的に向上できて生産性を向上できる。なお、0.1Paより低い圧力では、プラズマ雰囲気を形成できないという不具合が生じる。
【0022】
更に、成膜開始時の基板の温度を、成膜開始時の成膜室1内の室温〜200℃の範囲の温度とする。これにより、テクスチャー構造を持つZnO系膜が得られる。このため、特に、太陽電池の発電層たるアモルファスシリコン膜の表面にZnO系膜を形成するような場合に有利である。なお、ZnO系膜は1μm程度の厚さに形成されることが一般であるが、上記の如く、プラズマに曝しながら、所定時間、スパッタリングにより成膜を行っても、基板温度は150℃程度しか上昇せず、350℃未満の温度に基板が保持されることが確認された。また、成膜開始時の基板W温度を変化させれば、基板表面に形成される粒塊の粒径を変化することが確認された。これは、加えるエネルギーの変化により、結晶の方位や成長面が変化するためであると考えられる。
【0023】
次に、以上の効果を確認するため、図1に示すスパッタリング装置を用いて次の実験を行った。発明実験では、基板として50×50mmのガラス基板を用い、また、ターゲット31は、φ4inchで、厚さ6mmのAZO(2重量%でアルミナを添加したもの)を用い、ターゲット31と基板Wとの間の距離を40mmに設定した。磁石ユニット4としては、同一の組成を有する、内径22mm、外形40mmの内側磁石41と、内径78mm、外形102mmの外側磁石42とを19mmの間隔をおいて同心に配置したものを用いた。この場合、磁場の水力成分が0となる位置での磁場強度は370Gである。また、漏洩磁場Mdの効果をより得るために、図2の如く、基板Wの半分が外側磁石42に対向する位置を成膜位置とし、当該部分のみを評価対象とした。更に、スパッタ条件としては、スパッタ電源Eからの投入電力を400W(5W/cm2)とし、成膜時の成膜室1内の圧力(0.2.0.5または2Pa)及び成膜開始時の基板温度(室温、100℃または200℃)に夫々設定し、スパッタ時間を300〜360sec(目標膜厚1μm)として基板W表面にZnO系膜を得た。
【0024】
また、従来例に相当にする比較実験として、成膜時の成膜室1内の圧力を30Pa及び成膜開始時の基板温度400℃に設定し、その他は上記発明実験と同一としてZnO系膜を得た。但し、図1の如く、基板Wがターゲット31に対向する成膜位置で成膜し、漏洩磁場Mdの影響を受け難い、即ち、プラズマに曝され難い基板Wの中央部を評価対象とした。
【0025】
以上により成膜したZnO系膜表面を目視で確認した。これによれば、発明実験では、成膜室1内の圧力が0.2Paのとき、基板温度に関係がなく、直視すると、透明であり、基板に角度を付けて見ると、白濁したもの(つまり、光散乱効果のある無色の層)であった。また、圧力が0.5Paのとき、基板温度を100℃以上にしないと、直視すると、透明であり、基板に角度を付けて見ると、白濁したものとはならないことが確認された(その他は、膜表面が褐色となった)。また、圧力が2Paのとき、基板温度を200℃以上にしないと、直視すると、透明であり、基板に角度を付けて見ると、白濁したものとはならないことが確認された。
【0026】
次に、上記発明実験で得たZnO系膜のSEM写真により膜表面を評価したところ、図3に示すように、ZnO系膜は、その膜表面に数μm程度の粒径のカラム状または粒状の粒塊が隙間を持って形成されたものとなっていることが確認された。この場合、基板温度を高くする程、各粒塊の粒径が大きくなっていることが確認でき、これにより、成膜時の基板温度を変化させれば、粒塊の粒径を制御できることが判る。
【0027】
更に、上記において得たZnO系膜の成膜速度を測定したところ、図4に示すように、圧力が0.2Paのとき、39.9Å/sec、圧力が0.5Paのとき、38.7Å/sec、圧力が2Paのとき、39.9nm/secであり、0.2〜2Paの圧力範囲では、約40Å/secの高い成膜速度で成膜できたことが確認された。また、白濁したものを公知の方法で比抵抗値を測定したところ、約3.0E2μΩ・cmであった。
【0028】
それに対して、比較実験で成膜したZnO系膜表面を目視で確認すると、発明実験のものより透光性のある白濁したものであった。この場合、成膜速度を測定したところ、約9Å/secであり、上記発明実験より著しく成膜速度が低いことが判る。また、比抵抗値も、約6.0E2μΩ・cmであった。なお、比較実験において、成膜時の成膜室1内の圧力を10Pa程度まで低くして成膜したが、これでも、成膜速度は発明実験によるものの半分以下であった。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。上記実施形態ではマグネトロン方式のスパッタリング装置SMを例に説明したが、ターゲット31と基板Wとの距離を短くして成膜時に基板Wがプラズマに曝されるようにしてもよい。また、図5に示す如く、基板Wの下方にもリング状の直方体状の永久磁石40適宜配置して基板Wに磁場を作用させて基板Wがプラズマに曝されるようにしてもよい。また、図5中、仮想線で示すように、成膜室1を画成する真空チャンバ11の外壁面に、ターゲット31及び基板Wの中心を結ぶ基準軸の回りで、上下方向に所定の間隔を存して上下一対のコイル61u、61dと、コイルに通電する電源Ecとを設け、スパッタリングによる成膜中、基板Wに等間隔で垂直な磁力線が通るように垂直磁場を発生させて基板Wがプラズマに曝されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
SM…スパッタリング装置、1…成膜室、31…ZnOを主成分とするターゲット、4…磁石ユニット、5…(スパッタガス導入用の)ガス導入手段、E…スパッタ電源、Mf…トンネル状の磁場、Md…漏洩磁場、W…基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜室内に処理すべき基板とZnOを主成分とするターゲットとを配置し、
真空雰囲気の成膜室内にスパッタガスを導入し、ターゲットに所定電力を投入し、プラズマ雰囲気を形成してターゲットをスパッタリングすることで、基板表面にZnOを主成分とする薄膜を成膜する成膜方法において、
スパッタリングによる成膜中、前記プラズマに基板が曝されるようにし、成膜室内の圧力を2Pa未満に保持することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
前記成膜中、基板温度を350℃以下に制御することを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
【請求項3】
前記基板温度を変化させて、基板表面に形成される粒塊の粒径を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の成膜方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法であって、
前記基板と前記ターゲットとを対向配置し、基板からターゲットに向かう方向を上方、ターゲットから基板に向かう方向を下方とし、ターゲットの上方に配置される、下方の極性を相互に異ならせて設けた複数の磁石を有する磁石ユニットにより、ターゲットの下方にトンネル状の磁場を発生させてスパッタリングするものにおいて、
極性の異なる磁石の同磁化に換算したときの体積を相互に異なるものとし、前記磁石ユニットからの漏洩磁場を基板に作用させることを特徴とする成膜方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法であって、
前記基板と前記ターゲットとを対向配置し、基板からターゲットに向かう方向を上方、ターゲットから基板に向かう方向を下方とし、ターゲットの上方に配置される、下方の極性を相互に異ならせて設けた複数の磁石を有する磁石ユニットにより、ターゲットの下方にトンネル状の磁場を発生させてスパッタリングするものにおいて、
前記基板の下方に他の磁石を配置し、基板に磁場を作用させることを特徴とする成膜方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法であって、
前記基板と前記ターゲットとを対向配置し、基板からターゲットに向かう方向を上方、ターゲットから基板に向かう方向を下方とし、ターゲットの上方に配置される、下方の極性を相互に異ならせて設けた複数の磁石を有する磁石ユニットにより、ターゲットの下方にトンネル状の磁場を発生させてスパッタリングするものにおいて、
前記ターゲットと基板とを結ぶ基準軸の回りに設けたコイルに通電して成膜室内に垂直な磁場を更に発生させることを特徴とする成膜方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−158823(P2012−158823A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20886(P2011−20886)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】