説明

所在がわかる電池

【課題】電池を使用するリモコン、懐中電灯、携帯電話などを紛失または盗まれた際、電子機器に特別な機能がなくても、簡単に所在がわかり、盗難の場合には容易に機能を犯人に気づかれないようにする。
【解決手段】電池内部または容器に、発信部6を設置し、蓄電部分8より常時直接電力の供給を受けて信号を発信する電池1とその電池からの信号を受信し、信号の状態を音、レベルメーター、モニター、光またはその組み合わせで表示する表示部16を有する探査機により発信機能付電池の所在を突き止める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関するものであり、電池に発信機能または受発信機能を持たせることにより受信機により所在がわかるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、携帯電話やリモコンといった電子機器を紛失または盗まれ、それを見つけるのに相当の時間を要することがある。
従来から、この種の問題を解決する発明としては、例えば特許公開2003−124864の紛失物発見機能付き送受信装置がある。この装置は小型の受信機を鍵などの紛失し易い物に取り付け、その物が紛失した際に携帯電話機で受信機に特定の電波を送信することにより探査機からアラーム音を鳴動させ紛失物を発見することを可能にしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記のような装置の場合、電力の供給を装置に取り付けなければならず、小型化のため十分な電力の供給が受けられない課題があった。
【0004】
また、装置を電子機器内に設置させた場合には、最初から電子機器に機能を備えておく必要があり、それ以外の機器への対応が課題であった。
【0005】
また、携帯電話などにGPS機能を搭載しているものもあるが、電源が入っていないと機能しないという課題があった。
【0006】
また、電子機器側に位置確認させるための報知機能を持たせた場合、もし、盗難であった場合に、犯人により位置確認機能を発覚される課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するための請求項1の発明は、電池内部または容器に、発信部を設置し、蓄電部分より直接電力の供給を受けて信号を発信する発信機能付電池とその発信機能付電池からの信号をアンテナおよび受信部にて受信し、その結果を音、レベルメーター、モニター、光またはその組み合わせで表示する表示部を有する探査機を特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発信機能付電池に、識別探査機からの識別信号を受け復調する受信部、固体固有のデータを記憶し識別探査機からの識別信号と比較、一致した場合に発信部に信号の発信を指示する情報処理部を設置し、それらが蓄電部分より電力の供給を受け一体化した受発信機能付電池および請求項1の探査機に、識別データを入力するボタン・ダイヤル・タッチパネルまたはその組み合わせによる入力部、変調を行い識別信号を送信する発信部を設置した識別探査機。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1、図2に基づき説明する。
【0009】
図1の1はニッケル水素電池等に発信機能を付けた発信機能付電池で、発信部6は蓄電部8より電力の供給を受けており、信号を発する発信器3、増幅器4および変調器5からなり、容器をアンテナ7として使用する。電池は、規格化された大きさであり、正極端子9、負極端子10を有し、リモコン、懐中電灯等にそのまま使用し電力を供給できる。2は探査機で、電池1から発信された電波を指向性のあるアンテナ11で感知し、受信部12の増幅器13、復調器14で増幅、復調を行い、増幅器15により適当なレベルまで増幅し、結果を表示部16にて表示する。これらは、電源17により電力の供給を受ける。探査は、探査機2を移動することにより、指向性のあるアンテナ11、信号の強弱を表示する表示部16により方向および距離を特定する。
【0010】
図2の18は携帯電話に取り付け可能な受発信機能付電池で、受信部19はアンテナ20と増幅器21、復調器22からなり、識別探査機33からの信号を受信・復調する。情報処理部23は識別番号記憶部24と情報処理機25からなり、情報処理機25において受信部19で受信・復調された識別データと識別番号記憶部24に記憶されたデータの比較を行い、一致した場合に発信部26から信号を発信する。発信部26は発信器30、変調器29、増幅器28およびアンテナ27からなる。これらは蓄電部31から電力の供給を受けており、接続部32から携帯電話機への電力の供給をする。識別探査機33は識別番号を入力する入力部38、発信部34、信号を発信するアンテナ37、信号を受信する指向性のあるアンテナ40、受信部39、増幅器43、表示部44および電力を供給する電源部45からなる。発信部34は入力部38において入力された信号を変調器35で変調し増幅器36で増幅する。受信機39は受発信器付電池18からの信号を増幅器41で増幅し、復調器42で復調を行い、さらに増幅器43により適当なレベルまで増幅する。探査は、識別探査機33を移動することにより、指向性のあるアンテナ40、信号の強弱を表示する表示部44により方向および距離を特定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、発信機が電池に設置されることにより十分な電力の供給がうけられ、発信機器を有しない電子機器にも、電源が電池によるものであれば後から容易に取り付けができ、電子機器の電源の入切に関係なく常時機能を有し、電池には何ら表示機能がないので、盗難にあった場合に犯人に機能を発覚されにくくなった。
【産業上の利用可能性】
【0012】
最新の技術では、安価で超小型さらに高性能な電子タグ等が開発されており、また、昨今の社会情勢により、外見から発覚・機能切断できない発信機能を有する電子機器のニーズが高まっており産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 1は、発信機能付電池の側面の断面図で、2は、探査機の平面図である。
【図2】 18は、受発信機能付電池の断面図で、33は、識別探査機の平面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 発信機能付電池
2 発信機能付電池を探査する探査機
3 電気的振動をつくる発信器
4 送り出す信号を増幅させる増幅器
5 変調器
6 発信部は、発信器、増幅器、変調器が配置された回路
7 電池の容器でアンテナとして使用
8 電力の充発電を行う蓄電部
9 電子機器へ電力の供給を行う正極端子
10 電子機器へ電力の供給を行う負極端子
11 発信機能付電池からの信号を受ける指向性のあるアンテナ
12 受信部
13 発信機能付電池からの信号の増幅を行う増幅器
14 復調器
15 復調した信号を増幅する増幅器
16 信号の強弱を表示する表示部
17 回路に電力を供給する電源部
18 受発信機能付電池
19 識別探査機からの信号を受ける受信部
20 アンテナ
21 識別探査機からの信号を増幅する増幅器
22 復調器
23 情報処理部
24 固有の番号を書きこんだ識別番号記憶部
25 情報処理機
26 発信部
27 アンテナ
28 増幅器
29 変調器
30 発信器
31 蓄電部
32 電子機器との接続部
33 識別探査機
34 発信部
35 変調器
36 増幅器
37 アンテナ
38 入力部
39 受信部
40 アンテナ
41 増幅器
42 復調器
43 増幅器
44 表示部
45 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の内部または容器に、蓄電部分より電力の供給を受け信号を発信する発信部を設置し一体化した発信機能付電池、およびアンテナを有し、発信機能付電池からの信号を感知すると音、レベルメーター、モニター、光またはその組み合わせにより電池の位置を特定する探査機。
【請求項2】
請求項1の発信機能付電池に識別探査機からの識別信号を受ける受信部、固体固有のデータを記憶し識別探査機からの識別信号と比較、一致した場合に発信部に信号の発信を指示する情報処理部を設置し、それらが蓄電部分より電力の供給を受けられ一体化した受発信機能付電池および請求項1の探査機に、識別番号を入力する入力部、識別信号を送信する発信部を設置した識別探査機。
【請求項3】
請求項1または請求項2の電池であって、規格化された乾電池の形状・大きさを特徴とする電池。
【請求項4】
請求項1または請求項2の電池であって、電子機器に取り付けて電気の供給が可能な形状・大きさを特徴とする電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−18470(P2007−18470A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224659(P2005−224659)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(505292133)
【Fターム(参考)】