投影用ズームレンズおよび投写型表示装置
【課題】投影用ズームレンズにおいて、複数枚の非球面レンズを用いることなく、高性能で小型とし、広画角かつ高変倍比を達成し得る、DMDを用いた投影プロジェクタ装置に好適なものとする。
【解決手段】拡大側から順に、負の屈折力の第1群G1と、正の屈折力の第2群G2と、正の屈折力の第3群G3と、正または負の屈折力の第4群G4とからなり、広角端から望遠端への変倍時に、第2群G2、第3群G3および第4群G4が拡大側に移動する一方、第1群G1が若干縮小側に移動する。また、下記条件式(1)を満足する。0.95<frw/frt<1.05 (1):frwは第2群G2、第3群G3および第4群G4の広角端での合成焦点距離、frtは第2群G2、第3群G3および第4群G4の望遠端での合成焦点距離である。
【解決手段】拡大側から順に、負の屈折力の第1群G1と、正の屈折力の第2群G2と、正の屈折力の第3群G3と、正または負の屈折力の第4群G4とからなり、広角端から望遠端への変倍時に、第2群G2、第3群G3および第4群G4が拡大側に移動する一方、第1群G1が若干縮小側に移動する。また、下記条件式(1)を満足する。0.95<frw/frt<1.05 (1):frwは第2群G2、第3群G3および第4群G4の広角端での合成焦点距離、frtは第2群G2、第3群G3および第4群G4の望遠端での合成焦点距離である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写型表示装置等に搭載される4群構成の投影用ズームレンズおよびその投写型表示装置に関し、特に、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)表示装置のライトバルブからの映像情報を担持した光束をスクリーン上に拡大投影する投影用ズームレンズおよび投写型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DMD表示装置をライトバルブとして用いた投影プロジェクタ装置(投写型表示装置)が注目されている。
【0003】
DMDは、ビデオ信号により10度以上程度の範囲で傾きを変えることができる高反射率の矩形状の微小な鏡(ミラー素子)を、CMOS半導体技術を用いてシリコンメモリチップ上に形成してなるものであり、このDMDを用いた投影プロジェクタ装置は、上記ミラー素子の角度を変えることで光源からの光の反射方向を制御し、所望の反射光のみをスクリーン上に集束させて所望の映像の投影を可能となるようにしている。
【0004】
このDMDでは、例えば基板上に数百万個以上の鏡を縦横に配列し、これら多数の鏡を全て独立してデジタル制御することができるため、各鏡が各々映像中の1画素に対応することとなる。
また、液晶表示装置と異なり照射光を偏光とする必要がないので光の損失が少なく、階調表現の正確性という点でも優れている。
【0005】
このようにDMD表示装置は、多くの利点を有するものであるが、このような利点の実効を担保すべく、DMD表示装置に搭載される光学系に対してもより高度な要望がなされるようになってきている。さらに、DMDを用いた投影プロジェクタ装置に対し、持ち運びに便利な携帯性の良いものへの要求が高まってきているが、光学系としてもこのような携帯性に対する要求に対応していく必要がある。
【0006】
ところで、DMDを用いた投影プロジェクタ装置では、色合成や照明光・投影光の分離のためのプリズムを投影レンズの縮小側に配置せずに照明系を構成する、いわゆる時分割式のものも多く採用されている。この場合、上記プリズム等を配置するスペースが不要となり、また投影レンズの縮小側をテレセントリックにする必要がないことから、縮小側の瞳をパネルに近い位置に設定し、レンズのさらなる小型化を図ることが求められる。その上でデバイスの解像度に見合った高画質が要求されることになるが、設置性の観点からはさらに広画角や高変倍比のズームも必要となる。
【0007】
上述したような要求をある程度満たし得るズームレンズ系としては、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−271668号公報
【特許文献2】特開2006−078705号公報
【特許文献3】特願2006−094052号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載された従来技術は、広画角・高変倍比をはじめとして、上述した種々の要求に応えうるものとなっている。しかしながら、特許文献1記載の構成によって収差を良好に維持するためには、その実施例からも明らかなように、複数枚の非球面レンズを配することが必要とされていた。
このため、光学系の加工や組立の負担が増大し、製造コストが上昇する要因となっていた。
【0010】
なお、上記特許文献2に記載された従来技術は、縮小側がテレセントリックに構成された系であるから、小型化を重要な課題とする本願発明とは基本的に相容れないものである。また、本願出願人は、3群ズームレンズではあるが、本願発明と類似した課題を達成し得る、投影用ズームレンズおよび投写型表示装置を、既に特許庁に開示している(上記特許文献3参照)。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、複数枚の非球面レンズを用いることなく、広画角、高変倍比およびコスト低減を達成することができ、高性能かつコンパクトで明るく、DMDを用いた投影プロジェクタ装置に好適な投影用ズームレンズおよび投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と、正の屈折力の第2レンズ群と、正の屈折力の第3レンズ群と、正または負の屈折力の第4レンズ群とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が拡大側に移動し、下記条件式(1)を満足することを特徴とするものである。
0.95<frw/frt<1.05 (1)
ただし、
frw :前記第2、第3および第4レンズ群の広角端での合成焦点距離
frt :前記第2、第3および第4レンズ群の望遠端での合成焦点距離
【0013】
また、下記条件式(2)、(3)を満足することが好ましい。
|M4/f4|<|M1/f1|<|M2/f2|<|M3/f3| (2)
0.4<|M3/f3|<0.8 (3)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0014】
また、上記条件式(2)、(3)に替えて下記条件式(4)、(5)を満足してもよい。
|M4/f4|<|M2/f2|<|M1/f1|<|M3/f3| (4)
0.2<|M3/f3|<0.6 (5)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0015】
また、前記第4レンズ群中の、負の屈折力が最も強いレンズを構成する硝材のd線に対する屈折率Ndが以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
Nd>1.75 (6)
【0016】
また、前記第4レンズ群の最も縮小側に、縮小側に凸面を向けた正レンズを配することが好ましい。
【0017】
また、前記第4レンズ群には、1枚の非球面レンズが配されていることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明の投写型表示装置は、光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、上述したいずれかの投影用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投影用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明の投影用ズームレンズおよび投写型表示装置によれば、レンズ系を4群構成とし、パワーと変倍機能を各群に適切に配分したため、複数枚の非球面レンズを使用せずとも、収差のバランスを良好なものとしつつ1.6倍程度以上の変倍比を有するとともに、広角端においてF値が2.05〜2.20程度と明るい、広角な系とすることができる。
【0020】
さらに、所定の条件式を満足することにより、小型化をさらに促進しつつ諸収差をさらに良好なものとすることができる。
【0021】
また、条件式(1)を満足することにより、レンズ系全体を、近似的にレトロフォーカス型2群ズームレンズと見なすことができ、広画角で長いバックフォーカスの系とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示す実施形態(実施例1のものの広角端における状態を代表させて示している)に係る投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、および正または負の屈折力を有する第4レンズ群G4とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群G2、前記第3レンズ群G3および前記第4レンズ群G4が拡大側に移動し、その後段には、カバーガラス(フィルタ部)2およびDMD1が配設される。なお、図中Xは光軸を表している。
【0023】
ここで第1レンズ群G1は、拡大側から順に、正レンズよりなる第1レンズL1、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第2レンズL2、負レンズよりなる第3レンズL3、縮小側に凸面を向けた正レンズよりなる第4レンズL4および拡大側に凹面を向けた負レンズよりなる第5レンズL5を配設してなる。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、対抗する面が互いに近接するように(実施例1〜4)、または接合するように(実施例5〜8)配設される。互いに単独とすればレンズ設計の自由度が向上し、互いに接合すれば光学調整(アライメント調整)が容易となるので、状況に応じて適宜選択すればよい。
【0024】
また、第2レンズ群G2は、単一の正レンズよりなる第6レンズL6からなる。
また、第3レンズ群G3は、単一の正レンズよりなる第7レンズL7からなる。
【0025】
さらに、第4レンズ群G4は、拡大側から順に、縮小側に凹面を向けた負レンズよりなる第8レンズL8、拡大側に凹面を向けた負レンズよりなる第9レンズL9、ならびに縮小側に凸面を向けた正レンズよりなる第10レンズL10および第11レンズL11からなる。なお、特に、第11レンズL11を、縮小側に凸面を向けた正レンズとしているので、系の縮小側のコンパクト化を促進することができる。
【0026】
なお、上記各レンズ群のレンズ構成は上記の形状のものに限られるものではなく、また、負レンズあるいは正レンズを1枚以上増減させることが可能である。
【0027】
なお、上記各レンズのうち第8レンズL8のみが非球面レンズとされ、その余は全て球面レンズとされており、複数枚の非球面レンズを用いていないので製造コストの低廉化が図られる。なお、1枚の非球面レンズを用いる場合、これを最終レンズ群(第4レンズ群G4)中に配設することにより収差補正の効率化を図ることができる。
【0028】
なお、本実施形態のものでは、レンズ材料には、原則としてガラスが用いられるが、耐熱性や温度条件等の各種条件が適合すれば、プラスチックを用いることも可能である。特に、非球面レンズにおいてプラスチックを用いることは製造性および低コスト化の面で有利である。
【0029】
ここで、本実施形態における非球面は、下記非球面式により表される。
【0030】
【数1】
【0031】
また、本実施形態の投影用ズームレンズは、広角側から望遠側に移行する変倍時において、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4がいずれも拡大側に移動し、一方、第1レンズ群G1が若干縮小側に移動する構成とされている。なお、変倍時において第1レンズ群G1を固定とすることも可能である。
【0032】
また、本実施形態に係る投影用ズームレンズは、下記条件式(1)を満足するだけではなく、下記条件式(2)、(3)を満足するように構成されている。
0.95<frw/frt<1.05 (1)
|M4/f4|<|M1/f1|<|M2/f2|<|M3/f3| (2)
0.4<|M3/f3|<0.8 (3)
ただし、
frw :第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4の広角端での合成焦点距離
frt :第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4の望遠端での合成焦点距離
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0033】
また、上記条件式(2)、(3)に替えて下記条件式(4)、(5)を満足してもよい。
|M4/f4|<|M2/f2|<|M1/f1|<|M3/f3| (4)
0.2<|M3/f3|<0.6 (5)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0034】
また、前記第4レンズ群G4中の、負の屈折力が最も強いレンズを構成する硝材のd線に対する屈折率Ndが以下の条件式(6)を満足するように構成されている。
Nd>1.75 (6)
【0035】
ここで、上述した条件式(1)〜(6)の技術的意義について説明する。
条件式(1)〜(5)は変倍時における各レンズ群の変倍分担を適切に設定するためのものである。
【0036】
上記条件式(1)を満足させることにより、第1レンズ群G1を前群とし、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4をまとめて後群として見た場合、レンズ系全体として、近似的にレトロフォーカス型2群ズームレンズと見なすことができる。
このように、レトロフォーカス型2群ズームレンズと近似したタイプに構成することで、広画角で長いバックフォーカスとする、との要求に対応することができる。
【0037】
一方、このようにレトロフォーカス型2群ズームレンズと近似したタイプに構成した場合には、F値を小さくして明るいレンズ系としようとすると、後群のレンズ外径が大径化する傾向にあり、レンズ系の大型化を招来する。
【0038】
そこで、上記条件式(2)、(3)または(4)、(5)を満足させ、変倍時に移動する第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を構成する各レンズの屈折力配分が適切となるように調整することにより、広角端でF2.05〜2.20程度の明るさを達成しつつ、実用的なコンパクトサイズで構築可能となるようにしている。
【0039】
したがって、これら条件式(1)、(2)および(3)の全て、または(1)、(4)および(5)の全てを満足することが、明るいレンズ系としつつ、その明るさに見合った収差補正およびレンズ系大型化の抑制という作用効果を得る上で望ましい。
【0040】
さらに、上記条件式(6)は第4レンズ群G4中で、最も負の屈折力が強いレンズ(各実施例では第9レンズL9)を構成する硝材のd線に対する屈折率を規定したものであり、球面収差と色収差を良好にするための範囲を規定するものである。すなわち、この条件式(6)の下限を下回ると球面収差と色収差の補正が困難となる。
【0041】
次に、本発明に係る投写型表示装置の実施形態について簡単に説明しておく。図49は本実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。
【0042】
図49に示すように、光源101より出射された光束は、光軸に垂直な断面における光束の光量分布の均一化を図るロッドインテグレータ102を通過した後、図示されないカラーホイールによって、3原色光(R、G、B)の各光に時系列的に選択変換され、DMD103に照射される。このDMD103においては、入射光の色の切り替わりに応じて、その色光用への変調切替が行われ、DMD103により適宜変調された投影光は、投影用ズームレンズ104に入射し、最終的にはスクリーン105に到達する。
【実施例】
【0043】
以下、具体的な実施例を用いて、本発明の投影用ズームレンズをさらに説明する。
<実施例1>
実施例1に係る投影用ズームレンズ(広角端)の概略構成を図1に示す。この投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、および正または負の屈折力の第4レンズ群G4とからなり、広角端から望遠端への変倍時に第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が拡大側に移動し、その後段には、カバーガラス(フィルタ部)2およびDMD1が配設される。なお、図中Xは光軸を表している。
【0044】
ここで第1レンズ群G1は、拡大側から順に、拡大側に凸面を向けた正メニスカスレンズよりなる第1レンズL1、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズよりなる第2レンズL2および第3レンズL3、両凸レンズよりなる第4レンズL4ならびに両凹レンズよりなる第5レンズL5を配設してなる。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、対向する面が互いに間隙を介して近接するように配設される。
【0045】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔(以下、これらを総称して軸上面間隔という)D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表1に示す。なお、表中の数字は、拡大側からの順番を表すものである(以下の表3、5、7、9、11、13、15において同じ)。また、表1の上段には、焦点距離f(mm)、バックフォーカスBfw(mm)、FNo、画角2ω(度)の値が示されている(以下の表3、5、7、9、11、13、15において同じ)。
【0046】
なお、表1中の数値において、3つの数値が段階的に記載されているものは、左端の数値が広角端の値を示し、中央の数値が中間位置の値を示し、右端の数値が望遠端の値を示す(以下の表3、5、7、9、11、13、15において同じ)。
【0047】
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表2には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
また、実施例1の投影用ズームレンズによれば、表1および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0051】
また、図2は、実施例1の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0052】
さらに、図11は実施例1の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図12、13および14は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。なお、非点収差図には、サジタル像面およびタンジェンシャル像面に対する収差が示されている(以下の図15、19、23、27、37、41、45において同じ)。
【0053】
これらの収差図から明らかなように、実施例1の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0054】
また、実施例1の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.2度と広角なものとすることができる。
【0055】
<実施例2>
実施例2に係る投影用ズームレンズの概略構成を図3に示す。実施例2に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。
【0056】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表3に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表4には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
また、実施例2の投影用ズームレンズによれば、表3および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0060】
また、図4は、実施例2の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0061】
さらに、図15は実施例2の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図16、17および18は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例2の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0062】
また、実施例2の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.0度と広角なものとすることができる。
【0063】
<実施例3>
実施例3に係る投影用ズームレンズの概略構成を図5に示す。実施例3に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。
【0064】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表5に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表6には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
また、実施例3の投影用ズームレンズによれば、表5および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0068】
また、図6は、実施例3の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0069】
さらに、図19は実施例3の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図20、21および22は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例3の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0070】
また、実施例3の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.2度と広角なものとすることができる。
【0071】
<実施例4>
実施例4に係る投影用ズームレンズの概略構成を図7に示す。実施例4に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。
【0072】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表7に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表8には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
また、実施例4の投影用ズームレンズによれば、表7および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0076】
また、図8は、実施例4の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0077】
さらに、図23は実施例4の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図24、25および26は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例4の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0078】
また、実施例4の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.2度と広角なものとすることができる。
【0079】
<実施例5>
実施例5に係る投影用ズームレンズの概略構成を図9に示す。実施例5に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した各実施例のものとは異なっている。
【0080】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表9に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表10には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
また、実施例5の投影用ズームレンズによれば、表9および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0084】
また、図10は、実施例5の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0085】
さらに、図27は実施例5の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図28、29および30は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例5の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0086】
また、実施例5の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0087】
<実施例6>
実施例6に係る投影用ズームレンズの概略構成を図31に示す。実施例6に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した実施例5のものと同様である。
【0088】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表11に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表12には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A16の値を示す。
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】
【0091】
また、実施例6の投影用ズームレンズによれば、表11および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.847)。
【0092】
また、図32は、実施例6の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0093】
さらに、図37は実施例6の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図38、39および40は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例6の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0094】
また、実施例6の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0095】
<実施例7>
実施例7に係る投影用ズームレンズの概略構成を図33に示す。実施例7に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した実施例5のものと同様である。
【0096】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表13に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表14には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A16の値を示す。
【0097】
【表13】
【0098】
【表14】
【0099】
また、実施例7の投影用ズームレンズによれば、表13および表17に示すように、条件式(1)、(4)〜(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.847)。
【0100】
また、図34は、実施例7の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0101】
さらに、図41は実施例7の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図42、43および44は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例7の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0102】
また、実施例7の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0103】
<実施例8>
実施例8に係る投影用ズームレンズの概略構成を図35に示す。実施例8に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した実施例5のものと同様である。
【0104】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表15に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表16には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A16の値を示す。
【0105】
【表15】
【0106】
【表16】
【0107】
また、実施例8の投影用ズームレンズによれば、表15および表17に示すように、条件式(1)、(4)〜(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.847)。
【0108】
また、図36は、実施例8の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0109】
さらに、図45は実施例8の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図46、47および48は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例8の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0110】
また、実施例8の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0111】
【表17】
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施例1に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図2】実施例1の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図3】本発明の実施例2に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図4】実施例2の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図5】本発明の実施例3に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図6】実施例3の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図7】本発明の実施例4に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図8】実施例4の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図9】本発明の実施例5に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図10】実施例5の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図11】実施例1の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図12】実施例1の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図13】実施例1の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図14】実施例1の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図15】実施例2の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図16】実施例2の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図17】実施例2の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図18】実施例2の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図19】実施例3の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図20】実施例3の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図21】実施例3の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図22】実施例3の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図23】実施例4の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図24】実施例4の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図25】実施例4の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図26】実施例4の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図27】実施例5の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図28】実施例5の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図29】実施例5の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図30】実施例5の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図31】本発明の実施例6に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図32】実施例6の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図33】本発明の実施例7に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図34】実施例7の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図35】本発明の実施例8に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図36】実施例8の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図37】実施例6の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図38】実施例6の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図39】実施例6の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図40】実施例6の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図41】実施例7の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図42】実施例7の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図43】実施例7の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図44】実施例7の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図45】実施例8の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図46】実施例8の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図47】実施例8の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図48】実施例8の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図49】本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図
【符号の説明】
【0113】
L1〜L11 レンズ
G1〜G4 レンズ群
X 光軸
1、103 DMD
2 カバーガラス(フィルタ部)
101 光源
102 ロッドインテグレータ
104 投影用ズームレンズ
105 スクリーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写型表示装置等に搭載される4群構成の投影用ズームレンズおよびその投写型表示装置に関し、特に、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)表示装置のライトバルブからの映像情報を担持した光束をスクリーン上に拡大投影する投影用ズームレンズおよび投写型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DMD表示装置をライトバルブとして用いた投影プロジェクタ装置(投写型表示装置)が注目されている。
【0003】
DMDは、ビデオ信号により10度以上程度の範囲で傾きを変えることができる高反射率の矩形状の微小な鏡(ミラー素子)を、CMOS半導体技術を用いてシリコンメモリチップ上に形成してなるものであり、このDMDを用いた投影プロジェクタ装置は、上記ミラー素子の角度を変えることで光源からの光の反射方向を制御し、所望の反射光のみをスクリーン上に集束させて所望の映像の投影を可能となるようにしている。
【0004】
このDMDでは、例えば基板上に数百万個以上の鏡を縦横に配列し、これら多数の鏡を全て独立してデジタル制御することができるため、各鏡が各々映像中の1画素に対応することとなる。
また、液晶表示装置と異なり照射光を偏光とする必要がないので光の損失が少なく、階調表現の正確性という点でも優れている。
【0005】
このようにDMD表示装置は、多くの利点を有するものであるが、このような利点の実効を担保すべく、DMD表示装置に搭載される光学系に対してもより高度な要望がなされるようになってきている。さらに、DMDを用いた投影プロジェクタ装置に対し、持ち運びに便利な携帯性の良いものへの要求が高まってきているが、光学系としてもこのような携帯性に対する要求に対応していく必要がある。
【0006】
ところで、DMDを用いた投影プロジェクタ装置では、色合成や照明光・投影光の分離のためのプリズムを投影レンズの縮小側に配置せずに照明系を構成する、いわゆる時分割式のものも多く採用されている。この場合、上記プリズム等を配置するスペースが不要となり、また投影レンズの縮小側をテレセントリックにする必要がないことから、縮小側の瞳をパネルに近い位置に設定し、レンズのさらなる小型化を図ることが求められる。その上でデバイスの解像度に見合った高画質が要求されることになるが、設置性の観点からはさらに広画角や高変倍比のズームも必要となる。
【0007】
上述したような要求をある程度満たし得るズームレンズ系としては、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−271668号公報
【特許文献2】特開2006−078705号公報
【特許文献3】特願2006−094052号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載された従来技術は、広画角・高変倍比をはじめとして、上述した種々の要求に応えうるものとなっている。しかしながら、特許文献1記載の構成によって収差を良好に維持するためには、その実施例からも明らかなように、複数枚の非球面レンズを配することが必要とされていた。
このため、光学系の加工や組立の負担が増大し、製造コストが上昇する要因となっていた。
【0010】
なお、上記特許文献2に記載された従来技術は、縮小側がテレセントリックに構成された系であるから、小型化を重要な課題とする本願発明とは基本的に相容れないものである。また、本願出願人は、3群ズームレンズではあるが、本願発明と類似した課題を達成し得る、投影用ズームレンズおよび投写型表示装置を、既に特許庁に開示している(上記特許文献3参照)。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、複数枚の非球面レンズを用いることなく、広画角、高変倍比およびコスト低減を達成することができ、高性能かつコンパクトで明るく、DMDを用いた投影プロジェクタ装置に好適な投影用ズームレンズおよび投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と、正の屈折力の第2レンズ群と、正の屈折力の第3レンズ群と、正または負の屈折力の第4レンズ群とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が拡大側に移動し、下記条件式(1)を満足することを特徴とするものである。
0.95<frw/frt<1.05 (1)
ただし、
frw :前記第2、第3および第4レンズ群の広角端での合成焦点距離
frt :前記第2、第3および第4レンズ群の望遠端での合成焦点距離
【0013】
また、下記条件式(2)、(3)を満足することが好ましい。
|M4/f4|<|M1/f1|<|M2/f2|<|M3/f3| (2)
0.4<|M3/f3|<0.8 (3)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0014】
また、上記条件式(2)、(3)に替えて下記条件式(4)、(5)を満足してもよい。
|M4/f4|<|M2/f2|<|M1/f1|<|M3/f3| (4)
0.2<|M3/f3|<0.6 (5)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0015】
また、前記第4レンズ群中の、負の屈折力が最も強いレンズを構成する硝材のd線に対する屈折率Ndが以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
Nd>1.75 (6)
【0016】
また、前記第4レンズ群の最も縮小側に、縮小側に凸面を向けた正レンズを配することが好ましい。
【0017】
また、前記第4レンズ群には、1枚の非球面レンズが配されていることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明の投写型表示装置は、光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、上述したいずれかの投影用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投影用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明の投影用ズームレンズおよび投写型表示装置によれば、レンズ系を4群構成とし、パワーと変倍機能を各群に適切に配分したため、複数枚の非球面レンズを使用せずとも、収差のバランスを良好なものとしつつ1.6倍程度以上の変倍比を有するとともに、広角端においてF値が2.05〜2.20程度と明るい、広角な系とすることができる。
【0020】
さらに、所定の条件式を満足することにより、小型化をさらに促進しつつ諸収差をさらに良好なものとすることができる。
【0021】
また、条件式(1)を満足することにより、レンズ系全体を、近似的にレトロフォーカス型2群ズームレンズと見なすことができ、広画角で長いバックフォーカスの系とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示す実施形態(実施例1のものの広角端における状態を代表させて示している)に係る投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、および正または負の屈折力を有する第4レンズ群G4とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群G2、前記第3レンズ群G3および前記第4レンズ群G4が拡大側に移動し、その後段には、カバーガラス(フィルタ部)2およびDMD1が配設される。なお、図中Xは光軸を表している。
【0023】
ここで第1レンズ群G1は、拡大側から順に、正レンズよりなる第1レンズL1、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第2レンズL2、負レンズよりなる第3レンズL3、縮小側に凸面を向けた正レンズよりなる第4レンズL4および拡大側に凹面を向けた負レンズよりなる第5レンズL5を配設してなる。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、対抗する面が互いに近接するように(実施例1〜4)、または接合するように(実施例5〜8)配設される。互いに単独とすればレンズ設計の自由度が向上し、互いに接合すれば光学調整(アライメント調整)が容易となるので、状況に応じて適宜選択すればよい。
【0024】
また、第2レンズ群G2は、単一の正レンズよりなる第6レンズL6からなる。
また、第3レンズ群G3は、単一の正レンズよりなる第7レンズL7からなる。
【0025】
さらに、第4レンズ群G4は、拡大側から順に、縮小側に凹面を向けた負レンズよりなる第8レンズL8、拡大側に凹面を向けた負レンズよりなる第9レンズL9、ならびに縮小側に凸面を向けた正レンズよりなる第10レンズL10および第11レンズL11からなる。なお、特に、第11レンズL11を、縮小側に凸面を向けた正レンズとしているので、系の縮小側のコンパクト化を促進することができる。
【0026】
なお、上記各レンズ群のレンズ構成は上記の形状のものに限られるものではなく、また、負レンズあるいは正レンズを1枚以上増減させることが可能である。
【0027】
なお、上記各レンズのうち第8レンズL8のみが非球面レンズとされ、その余は全て球面レンズとされており、複数枚の非球面レンズを用いていないので製造コストの低廉化が図られる。なお、1枚の非球面レンズを用いる場合、これを最終レンズ群(第4レンズ群G4)中に配設することにより収差補正の効率化を図ることができる。
【0028】
なお、本実施形態のものでは、レンズ材料には、原則としてガラスが用いられるが、耐熱性や温度条件等の各種条件が適合すれば、プラスチックを用いることも可能である。特に、非球面レンズにおいてプラスチックを用いることは製造性および低コスト化の面で有利である。
【0029】
ここで、本実施形態における非球面は、下記非球面式により表される。
【0030】
【数1】
【0031】
また、本実施形態の投影用ズームレンズは、広角側から望遠側に移行する変倍時において、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4がいずれも拡大側に移動し、一方、第1レンズ群G1が若干縮小側に移動する構成とされている。なお、変倍時において第1レンズ群G1を固定とすることも可能である。
【0032】
また、本実施形態に係る投影用ズームレンズは、下記条件式(1)を満足するだけではなく、下記条件式(2)、(3)を満足するように構成されている。
0.95<frw/frt<1.05 (1)
|M4/f4|<|M1/f1|<|M2/f2|<|M3/f3| (2)
0.4<|M3/f3|<0.8 (3)
ただし、
frw :第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4の広角端での合成焦点距離
frt :第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4の望遠端での合成焦点距離
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0033】
また、上記条件式(2)、(3)に替えて下記条件式(4)、(5)を満足してもよい。
|M4/f4|<|M2/f2|<|M1/f1|<|M3/f3| (4)
0.2<|M3/f3|<0.6 (5)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【0034】
また、前記第4レンズ群G4中の、負の屈折力が最も強いレンズを構成する硝材のd線に対する屈折率Ndが以下の条件式(6)を満足するように構成されている。
Nd>1.75 (6)
【0035】
ここで、上述した条件式(1)〜(6)の技術的意義について説明する。
条件式(1)〜(5)は変倍時における各レンズ群の変倍分担を適切に設定するためのものである。
【0036】
上記条件式(1)を満足させることにより、第1レンズ群G1を前群とし、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4をまとめて後群として見た場合、レンズ系全体として、近似的にレトロフォーカス型2群ズームレンズと見なすことができる。
このように、レトロフォーカス型2群ズームレンズと近似したタイプに構成することで、広画角で長いバックフォーカスとする、との要求に対応することができる。
【0037】
一方、このようにレトロフォーカス型2群ズームレンズと近似したタイプに構成した場合には、F値を小さくして明るいレンズ系としようとすると、後群のレンズ外径が大径化する傾向にあり、レンズ系の大型化を招来する。
【0038】
そこで、上記条件式(2)、(3)または(4)、(5)を満足させ、変倍時に移動する第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を構成する各レンズの屈折力配分が適切となるように調整することにより、広角端でF2.05〜2.20程度の明るさを達成しつつ、実用的なコンパクトサイズで構築可能となるようにしている。
【0039】
したがって、これら条件式(1)、(2)および(3)の全て、または(1)、(4)および(5)の全てを満足することが、明るいレンズ系としつつ、その明るさに見合った収差補正およびレンズ系大型化の抑制という作用効果を得る上で望ましい。
【0040】
さらに、上記条件式(6)は第4レンズ群G4中で、最も負の屈折力が強いレンズ(各実施例では第9レンズL9)を構成する硝材のd線に対する屈折率を規定したものであり、球面収差と色収差を良好にするための範囲を規定するものである。すなわち、この条件式(6)の下限を下回ると球面収差と色収差の補正が困難となる。
【0041】
次に、本発明に係る投写型表示装置の実施形態について簡単に説明しておく。図49は本実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。
【0042】
図49に示すように、光源101より出射された光束は、光軸に垂直な断面における光束の光量分布の均一化を図るロッドインテグレータ102を通過した後、図示されないカラーホイールによって、3原色光(R、G、B)の各光に時系列的に選択変換され、DMD103に照射される。このDMD103においては、入射光の色の切り替わりに応じて、その色光用への変調切替が行われ、DMD103により適宜変調された投影光は、投影用ズームレンズ104に入射し、最終的にはスクリーン105に到達する。
【実施例】
【0043】
以下、具体的な実施例を用いて、本発明の投影用ズームレンズをさらに説明する。
<実施例1>
実施例1に係る投影用ズームレンズ(広角端)の概略構成を図1に示す。この投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、および正または負の屈折力の第4レンズ群G4とからなり、広角端から望遠端への変倍時に第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が拡大側に移動し、その後段には、カバーガラス(フィルタ部)2およびDMD1が配設される。なお、図中Xは光軸を表している。
【0044】
ここで第1レンズ群G1は、拡大側から順に、拡大側に凸面を向けた正メニスカスレンズよりなる第1レンズL1、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズよりなる第2レンズL2および第3レンズL3、両凸レンズよりなる第4レンズL4ならびに両凹レンズよりなる第5レンズL5を配設してなる。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、対向する面が互いに間隙を介して近接するように配設される。
【0045】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔(以下、これらを総称して軸上面間隔という)D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表1に示す。なお、表中の数字は、拡大側からの順番を表すものである(以下の表3、5、7、9、11、13、15において同じ)。また、表1の上段には、焦点距離f(mm)、バックフォーカスBfw(mm)、FNo、画角2ω(度)の値が示されている(以下の表3、5、7、9、11、13、15において同じ)。
【0046】
なお、表1中の数値において、3つの数値が段階的に記載されているものは、左端の数値が広角端の値を示し、中央の数値が中間位置の値を示し、右端の数値が望遠端の値を示す(以下の表3、5、7、9、11、13、15において同じ)。
【0047】
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表2には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
また、実施例1の投影用ズームレンズによれば、表1および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0051】
また、図2は、実施例1の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0052】
さらに、図11は実施例1の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図12、13および14は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。なお、非点収差図には、サジタル像面およびタンジェンシャル像面に対する収差が示されている(以下の図15、19、23、27、37、41、45において同じ)。
【0053】
これらの収差図から明らかなように、実施例1の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0054】
また、実施例1の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.2度と広角なものとすることができる。
【0055】
<実施例2>
実施例2に係る投影用ズームレンズの概略構成を図3に示す。実施例2に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。
【0056】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表3に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表4には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
また、実施例2の投影用ズームレンズによれば、表3および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0060】
また、図4は、実施例2の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0061】
さらに、図15は実施例2の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図16、17および18は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例2の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0062】
また、実施例2の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.0度と広角なものとすることができる。
【0063】
<実施例3>
実施例3に係る投影用ズームレンズの概略構成を図5に示す。実施例3に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。
【0064】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表5に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表6には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
また、実施例3の投影用ズームレンズによれば、表5および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0068】
また、図6は、実施例3の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0069】
さらに、図19は実施例3の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図20、21および22は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例3の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0070】
また、実施例3の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.2度と広角なものとすることができる。
【0071】
<実施例4>
実施例4に係る投影用ズームレンズの概略構成を図7に示す。実施例4に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。
【0072】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表7に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第15面と第16面)は各々非球面とされており、表8には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
また、実施例4の投影用ズームレンズによれば、表7および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0076】
また、図8は、実施例4の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0077】
さらに、図23は実施例4の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図24、25および26は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例4の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0078】
また、実施例4の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.2度と広角なものとすることができる。
【0079】
<実施例5>
実施例5に係る投影用ズームレンズの概略構成を図9に示す。実施例5に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した各実施例のものとは異なっている。
【0080】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表9に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表10には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A20の値を示す。
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
また、実施例5の投影用ズームレンズによれば、表9および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.805)。
【0084】
また、図10は、実施例5の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0085】
さらに、図27は実施例5の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図28、29および30は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例5の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0086】
また、実施例5の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0087】
<実施例6>
実施例6に係る投影用ズームレンズの概略構成を図31に示す。実施例6に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した実施例5のものと同様である。
【0088】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表11に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表12には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A16の値を示す。
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】
【0091】
また、実施例6の投影用ズームレンズによれば、表11および表17に示すように、条件式(1)〜(3)、(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.847)。
【0092】
また、図32は、実施例6の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0093】
さらに、図37は実施例6の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図38、39および40は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例6の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0094】
また、実施例6の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0095】
<実施例7>
実施例7に係る投影用ズームレンズの概略構成を図33に示す。実施例7に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した実施例5のものと同様である。
【0096】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表13に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表14には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A16の値を示す。
【0097】
【表13】
【0098】
【表14】
【0099】
また、実施例7の投影用ズームレンズによれば、表13および表17に示すように、条件式(1)、(4)〜(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.847)。
【0100】
また、図34は、実施例7の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0101】
さらに、図41は実施例7の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図42、43および44は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例7の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0102】
また、実施例7の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0103】
<実施例8>
実施例8に係る投影用ズームレンズの概略構成を図35に示す。実施例8に係る投影用ズームレンズのレンズ構成は、実施例1のものと略同様であり、重複する説明については省略する。なお、第4レンズL4および第5レンズL5は、互いに接合レンズとして構成されている点において、上述した実施例5のものと同様である。
【0104】
この投影用ズームレンズの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔D(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表15に示す。
また、上記第8レンズL8の各面(第14面と第15面)は各々非球面とされており、表16には、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A3〜A16の値を示す。
【0105】
【表15】
【0106】
【表16】
【0107】
また、実施例8の投影用ズームレンズによれば、表15および表17に示すように、条件式(1)、(4)〜(6)が全て満足されている(第4レンズ群G4中で、最も負のパワーが強い第9レンズL9の硝材の屈折率Nd9=1.847)。
【0108】
また、図36は、実施例8の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示すものである。
【0109】
さらに、図45は実施例8の投影用ズームレンズの、広角端、中間位置および望遠端の各々における、球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図であり、図46、47および48は、各々、広角端、中間位置および望遠端における、波長546.07nmの光に対する横収差図である。
これらの収差図から明らかなように、実施例8の投影用ズームレンズによれば、各収差を極めて良好に補正することができる。
【0110】
また、実施例8の投影用ズームレンズによれば、光学性能を良好なものとしつつ、変倍比を1.59倍以上と、1.6倍近くのものとすることができる。また、広角端における画角2ωも67.4度と広角なものとすることができる。
【0111】
【表17】
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施例1に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図2】実施例1の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図3】本発明の実施例2に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図4】実施例2の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図5】本発明の実施例3に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図6】実施例3の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図7】本発明の実施例4に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図8】実施例4の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図9】本発明の実施例5に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図10】実施例5の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図11】実施例1の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図12】実施例1の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図13】実施例1の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図14】実施例1の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図15】実施例2の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図16】実施例2の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図17】実施例2の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図18】実施例2の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図19】実施例3の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図20】実施例3の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図21】実施例3の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図22】実施例3の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図23】実施例4の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図24】実施例4の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図25】実施例4の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図26】実施例4の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図27】実施例5の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図28】実施例5の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図29】実施例5の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図30】実施例5の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図31】本発明の実施例6に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図32】実施例6の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図33】本発明の実施例7に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図34】実施例7の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図35】本発明の実施例8に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図
【図36】実施例8の投影用ズームレンズにおける、変倍時のレンズ移動軌跡を示す概略図
【図37】実施例6の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図38】実施例6の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図39】実施例6の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図40】実施例6の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図41】実施例7の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図42】実施例7の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図43】実施例7の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図44】実施例7の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図45】実施例8の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図
【図46】実施例8の投影用ズームレンズの広角端における横収差を示す収差図
【図47】実施例8の投影用ズームレンズの中間位置における横収差を示す収差図
【図48】実施例8の投影用ズームレンズの望遠端における横収差を示す収差図
【図49】本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図
【符号の説明】
【0113】
L1〜L11 レンズ
G1〜G4 レンズ群
X 光軸
1、103 DMD
2 カバーガラス(フィルタ部)
101 光源
102 ロッドインテグレータ
104 投影用ズームレンズ
105 スクリーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡大側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と、正の屈折力の第2レンズ群と、正の屈折力の第3レンズ群と、正または負の屈折力の第4レンズ群とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が拡大側に移動し、下記条件式(1)を満足することを特徴とする投影用ズームレンズ。
0.95<frw/frt<1.05 (1)
ただし、
frw :前記第2、第3および第4レンズ群の広角端での合成焦点距離
frt :前記第2、第3および第4レンズ群の望遠端での合成焦点距離
【請求項2】
下記条件式(2)、(3)を満足することを特徴とする請求項1記載の投影用ズームレンズ。
|M4/f4|<|M1/f1|<|M2/f2|<|M3/f3| (2)
0.4<|M3/f3|<0.8 (3)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【請求項3】
下記条件式(4)、(5)を満足することを特徴とする請求項1記載の投影用ズームレンズ。
|M4/f4|<|M2/f2|<|M1/f1|<|M3/f3| (4)
0.2<|M3/f3|<0.6 (5)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【請求項4】
前記第4レンズ群中の、負の屈折力が最も強いレンズを構成する硝材のd線に対する屈折率Ndが以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズ。
Nd>1.75 (6)
【請求項5】
前記第4レンズ群の最も縮小側に、縮小側に凸面を向けた正レンズを配したことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズ。
【請求項6】
前記第4レンズ群中には、1枚の非球面レンズが配されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズ。
【請求項7】
光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、請求項1〜6のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投影用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とする投写型表示装置。
【請求項1】
拡大側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と、正の屈折力の第2レンズ群と、正の屈折力の第3レンズ群と、正または負の屈折力の第4レンズ群とからなり、広角端から望遠端への変倍時に前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が拡大側に移動し、下記条件式(1)を満足することを特徴とする投影用ズームレンズ。
0.95<frw/frt<1.05 (1)
ただし、
frw :前記第2、第3および第4レンズ群の広角端での合成焦点距離
frt :前記第2、第3および第4レンズ群の望遠端での合成焦点距離
【請求項2】
下記条件式(2)、(3)を満足することを特徴とする請求項1記載の投影用ズームレンズ。
|M4/f4|<|M1/f1|<|M2/f2|<|M3/f3| (2)
0.4<|M3/f3|<0.8 (3)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【請求項3】
下記条件式(4)、(5)を満足することを特徴とする請求項1記載の投影用ズームレンズ。
|M4/f4|<|M2/f2|<|M1/f1|<|M3/f3| (4)
0.2<|M3/f3|<0.6 (5)
ただし、
Mn :第nレンズ群の広角端位置と望遠端位置との移動距離
fn :第nレンズ群の焦点距離
【請求項4】
前記第4レンズ群中の、負の屈折力が最も強いレンズを構成する硝材のd線に対する屈折率Ndが以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズ。
Nd>1.75 (6)
【請求項5】
前記第4レンズ群の最も縮小側に、縮小側に凸面を向けた正レンズを配したことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズ。
【請求項6】
前記第4レンズ群中には、1枚の非球面レンズが配されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズ。
【請求項7】
光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、請求項1〜6のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投影用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とする投写型表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
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【図34】
【図35】
【図36】
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【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
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【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
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【図48】
【図49】
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【図28】
【図29】
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【図35】
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【図38】
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【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【公開番号】特開2008−176261(P2008−176261A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54359(P2007−54359)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】
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