説明

抗シワ剤

【課題】抗シワ剤の提供。
【解決手段】本発明は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポの抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分として含んで成る新規な抗シワ剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な抗シワ剤に関する。更に具体的には、本発明は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及び/又はフキタンポポ由来抽出物を有効成分とする抗シワ剤に関する。また、本発明は、上記抽出物を有効成分とする基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤及び皮膚のたるみ、ハリ改善剤、それらの製造方法並びに上記抽出物を用いた人工皮膚の製造方法、シワの軽減方法、皮膚のたるみ、ハリ改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人類を始めとする様々な動物の身体全体を覆う皮膚は、日光、乾燥、酸化、環境によるストレス、精神的ストレスなどの外的因子及び加齢によるシワの形成、硬化、しみ、くすみ、弾力性の低下等の変化に曝されている。ここで、皮膚は大きく分けて、表皮と真皮の二つの層から構成されている。表皮と真皮の間には基底膜と呼ばれる薄くて繊細な膜が存在する。表皮の代謝は、この基底膜を通して真皮の細胞が産生する因子や血液供給に依存している。皮膚における表皮の増殖と分化は、基底膜と真皮によって調節されている。従って、基底膜を介しての表皮・真皮間のコミュニケーションは、皮膚表皮の機能調節にとって重要な役割を担っている。
【0003】
皮膚基底膜にはアンカリング複合体と呼ばれる特殊な構造があり、表皮と真皮という2つの組織の接着やコミュニケーションを安定させる役割を果たしている。アンカリング複合体のタンパク質は、ケラチノサイトの細胞骨格であるケラチンと真皮乳頭層の結合組織タンパク質の双方にリンクしている。アンカリング複合体の重要な構成要素の一つがラミニン5である(Rousselle et al., J Cell Biol. 1991 Aug;114(3):567-76)。これまでの研究から、ラミニン5の3本鎖をコードする遺伝子の遺伝学的変異は、Herlitz接合部型表皮水疱症という重度の水疱を形成する先天性の遺伝疾患の原因であることが解明された(Aberdam et al., Nat Genet. 1994 Mar;6(3):299-304)。このことは、ラミニン5が表皮の接着に不可欠な物質であることを示している。また、ラミニン5はアンカリング・フィラメントを形成し、さらに、ラミニン5の受容体として知られているインテグリンα6β4(ヘミデスモソームに存在する細胞膜貫通型のインテグリン)と結合することが解明されている(Niessen et al., Exp Cell Res. 1994 Apr;211(2):360-7)。
【0004】
ラミニン5は、真皮乳頭層に接続しているアンカリング線維を形成するVII型コラーゲンと直接結合するだけでなく、そして更に他のラミニン6や7と複合体を形成し、この複合体がナイドジェンを介して基底膜の骨格であるIV型コラーゲンと結合することが報告されている。
【0005】
上記複合体を構成するIV型コラーゲンの発現レベルは、加齢と共に低下することが観察されており(Vazquez F et al., Maturitas 1996, 25: 209-215)、ラミニン5が結合するVII型コラーゲンに関しても、高齢者由来の皮膚線維芽細胞では若い人由来の皮膚線維芽細胞に比べて、蛋白質レベルおよびmRNAレベルで産生能が低下するとの報告(Chen et al., J. Invest. Dermatol., 102: 205-209, 1994)がある。また、VII型コラーゲンにより構成されるアンカリング線維は、正常皮膚において生理的老化および光老化に伴い減少するとの報告(辻卓夫、日皮会誌 105:963−975, 1995,Tidman et al., J. Invest Dermatol., 83: 448-453, 1984)もある。これらの個々の構成成分の特徴に加え、基底膜自体も皮膚老化に伴い多重化、断裂などの構造以上を示すことが知られており(Lavker et al., J. Invest. Dermatol. 1979 73: 59-66)、この構造変化の結果、シワ、たるみなどの老徴の発現、老化に伴う皮膚機能低下が生じるものと思われる。従って、基底膜骨格を構成するラミニン5、IV型及びVII型コラーゲンの産生を促進することは、基底膜の構造を良好な状態に保ち、皮膚老化を防ぐ上で極めて重要であると考えられる。事実、皮膚基底膜構造を詳細に観察した場合、20代後半から30代前半にかけて基底膜ダメージが高頻度に観察されることより、基底膜の構造変化が皮膚老化の誘導において重要な役割を示すことが報告されている(IFSCC Magazine, 2000 4(4): 15-23)。
【0006】
皮膚老化の防止の中でも抗シワは主要な問題の1つである。ここで、シワは大別すると溝の浅い「表皮ジワ」(小ジワ)と溝の深い「真皮ジワ」(大ジワ)に分類されるが、特に真皮ジワは基底膜の変化によるとともに、真皮層が変性・陥没して生じるため、この理由からも基底膜の維持は重要であると考えられる。
【0007】
更に、上記の基底膜の構成成分に加え、真皮中に多く存在するI型及びIII型コラーゲン(それぞれ約80%、約15%)は、加齢に伴い真皮中の絶対量が減少するため、これらの変化が真皮の弾力性及びハリの減少、シワ、あるいは真皮萎縮と関係している可能性が高いと考えられている。III型コラーゲンに着目すると、胎児から幼児組織では成人組織に比べてIII型コラーゲンの割合が高いことや、シワが目立つエーラスダンロス症候群IV型では組織中にIII型コラーゲンが存在しないことから、正常で柔らかい皮膚を構築する際に重要な成分である可能性が高いと考えられている。
【0008】
ここで、真皮中のI型及びIII型コラーゲンは線維芽細胞により合成される。この線維芽細胞をコラーゲンゲル内で培養すると、コラーゲンゲルは収縮する。収縮したコラーゲンゲルの線維密度は真皮での線維密度に近い値になる。これは、線維芽細胞がコラーゲン線維を引き寄せるために起こる現象である。実際の皮膚中においても、線維芽細胞が十分にコラーゲン線維を引き寄せることにより皮膚のハリが保たれていると考えられる。このように、抗シワ、皮膚のたるみ、はりの改善など、皮膚の恒常性維持のためには基底膜に加え、真皮の維持も重要である。
【0009】
これまでに、皮膚の恒常性維持の観点から、基底膜の主要成分であるラミニン5の産生能を増強することを目的とした大豆由来の調製物やリゾフォスファチジルコリン、リゾフォスファチジン酸並びにボコニア(Bacconia)属、プソフォカルプス(Psophocarpus)属、カシア(Cassia)属及びエリスレア(Erythraea)属に属する植物の抽出物等が提案されている(特開平11−343226号、特開2000−226308号、及び特開2003−313135号公報)。同様に、III型、IV型、VII型コラーゲンの産生促進剤については、ダイズ、ブナの芽、カッコン、西洋キヅタ、ブナ科ブナ属植物の抽出物等、様々な植物由来の抽出物が知られている(特開2001−39849号、特開2004−18471号、特開2004−75661号等)。しかしながら、基底膜の重要な構成成分であるラミニン5、IV型、VII型コラーゲン、そして真皮の重要な構成成分であるIII型コラーゲンの産生を全て促進させる物質は、カッコン抽出物以外知られていない(特開2001−39849号、特開2003−137767号及び特開2004−18471号)。
【0010】
【特許文献1】特開2001−181120公報
【特許文献2】特開2003−313113公報
【特許文献3】特開2001−288066公報
【特許文献4】特開2003−194809公報
【特許文献5】特開2004−161639公報
【特許文献6】特開2002−12548公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、新規な抗シワ剤の提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者は、特に真皮ジワに対しての抗シワ作用を得る目的で、種々の植物抽出物質について鋭意検討した結果、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ、フキタンポポが、基底膜の重要な構成要素であるラミニン5、IV型コラーゲン、VII型コラーゲン、そして真皮の重要な構成成分であるIII型コラーゲンの産生を著しく促進させ、更に皮膚に適用した場合に、皮膚老化防止作用、特に抗シワ作用及び皮膚のたるみ、ハリ改善作用を発揮することが明らかとなった。同時に、上記抽出物のうち、トショウ、ビャクジュツ、フキタンポポが抗炎症作用、創傷治癒作用を有することについても見出した。これまで、上記植物抽出物に関しては、ラミニン5を始めとする細胞外マトリックスの産生促進作用を始めとして、皮膚老化の中でも抗シワ作用については報告されていなかった。
【0013】
オランダガラシ(学名Nasturtium officinalis R. Brown):アブラナ科の一種であるオランダガラシの抽出物は、血行促進作用(特開2001−181120)、血管内皮細胞増殖因子産生促進による育毛剤としての利用(特開2003−313113)が知られている。しかしながら、皮膚老化に関する作用は知られていない。
【0014】
トショウ(学名Juniperus oxycedrus Linne):ヒノキ科の一種であるトショウの抽出物は、肌荒れなどの皮膚バリア機能改善効果(特開2001−288066)が知られているが、皮膚老化、抗シワ、皮膚のたるみ、ハリ改善に関する作用は知られていない。尚、ここでいう皮膚バリア機能改善効果とは、角質層に対するものあって、角質層以下の真皮等に対しての効果はなんら言及されていない。
【0015】
ビャクジュツ(学名 Atractylodes macrocephale):キク科の一種であるビャクジュツの抽出物は、抗肌荒れ作用(特開2003−194809)、抗白髪作用(特開2004−161639)が知られているが、皮膚老化、抗シワ、皮膚のたるみ、ハリ改善に関する作用は知られていない。
【0016】
フキタンポポ(学名 Tussilago farfara Linne):キク科の一種であるフキタンポポの抽出物は、光毒性抑制効果、例えば大気汚染物質へのUVA照射により生成した産物による老化を防止する作用(特開2002−12548)が知られているが、主にUVB照射により引き起こされるシワに対する予防/改善作用及び皮膚のたるみ、ハリ改善作用は知られていない。
【0017】
従って、本発明は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポの抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分として含んで成る抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤及び皮膚のたるみ、ハリ改善剤、並びにそれらの製法、上記抽出物を使用する人工皮膚の製造方法、シワの軽減及び皮膚のたるみ、ハリ改善のための美容方法、を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る抗シワ剤は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ、フキタンポポの抽出物を含むことにより、基底膜の重要な構成成分であるラミニン5、IV型コラーゲン、VII型コラーゲン、そして真皮の重要な構成成分であるIII型コラーゲン等の細胞外マトリックスの産生を促進する。また、細胞外マトリックスの産生が促進されることにより、基底膜及び真皮が修復し、創傷治癒がもたらされ、経皮水分蒸散量の減少、皮膚粘弾性増加等、皮膚状態の正常化、またはシワの数及び長さの減少といった抗シワ作用が達成される。正確な機構は定かではないが、これらの作用はいずれも、ラミニン等の産生が促進された結果、基底膜及び真皮が修復され、そして安定化されたことに起因するものと考えられる。従って上記抽出物はまた、基底膜細胞の融解、基底膜の表皮からの剥離、VII型コラーゲンの異常等、基底膜の不安定化を原因とする表皮水泡症についても、その症状の改善に寄与しうる。尚、本願発明の効果に関して特に注目されるべきことは、上記抽出物いずれもが、ラミニン5、III型、IV型コラーゲン及びVII型コラーゲンを単独でではなく、それら全てを産生促進させることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
抗シワ剤
本発明の抗シワ剤は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及び/又はフキタンポポの抽出物を有効成分とするものである。本明細書において使用する「抗シワ」とは、後述する「皮膚老化防止作用」のうち、皮膚のシワを防止及び/又は改善する作用、特に皮膚のシワの数及び長さの軽減を意味するが、「皮膚老化防止作用」と同義的に使用されることもある。また、本発明によって改善/防止される「シワ」は、基底膜の変化によって真皮層が陥没して生じる溝の深い真皮ジワを特に意味する。これらの作用は、例えば視感判定による角質の改善、皮膚の水分量増加、皮膚弾力性増加等の要因を考慮して判断されるものである。本発明において達成される上記作用は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物がラミニン5、III型、IV型又はVII型コラーゲン等の細胞外マトリックスの産生量を増大させることで、基底膜及び真皮が安定化し、皮膚の恒常性が改善することによるものと考えられるが、正確な機構は定かではない。従って、本発明の抗シワ剤によって得られる抗シワ作用は、細胞外マトリックス産生量の増大に起因するものに限定されないことは明らかである。尚、フキタンポポ抽出物については、UVA照射によって生じる皮膚老化又はシワの生成の予防/改善作用は知られているが(特開2002−12548)、主にUVBにより引き起こされるシワに対する予防/改善作用は知られていない。
【0020】
本明細書において使用する「皮膚老化防止作用」とは、加齢や光老化による基底膜の構造変化の蓄積に伴う皮膚の機能低下、具体的には、皮膚のシワ、たるみ、硬化等を防止、改善し、弾力のある若々しい健康な肌の状態を維持することを意味する。
【0021】
基底膜安定化剤
本発明は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分とする基底膜安定化剤を提供する。ここで、本明細書において使用する「基底膜安定化」とは、表皮と真皮の間に存在する、皮膚の恒常性維持に深く関与する基底膜において、その骨格が安定化し、そして更には修復されることを意味するものである。更に具体的には、基底膜を構成する重要な成分、特に細胞外マトリックスの産生が促進されることにより生じる基底膜への作用全般を意味することが意図される。
【0022】
細胞外マトリックス産生促進剤
本発明は更に、上記抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分とする細胞外マトリックス産生促進剤を提供する。ここで、本明細書において使用する「細胞外マトリックス」とは、当業界で一般的に認識されているものを意味し、特にラミニン5、IV型又はVII型コラーゲンを始めとする、基底膜において重要な構成成分、そしてIII型コラーゲン等の真皮の重要な構成成分を意味する。
【0023】
皮膚のたるみ、ハリ改善剤
本発明は更に、上記抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分とする皮膚のたるみ、ハリ改善剤を提供する。ここで、本明細書において使用する「皮膚のたるみ、ハリ改善」とは、乾燥、紫外線等の外界の刺激、老化によるたるみ、ハリを皮膚の弾力性の向上やひきしめにより改善することを意味し、例えばin vitroではコラーゲンゲルの収縮促進作用等により評価することができ、in vivoでは皮膚粘弾性等により評価することが出来る。
【0024】
また、上記抽出物は、抗シワ作用、基底膜安定化作用、細胞外マトリックス産生促進作用、皮膚のたるみ、ハリ改善作用及びコラーゲンゲル収縮促進作用に加え、抗炎症作用及び創傷治癒促進作用も有する。しかしながら、上述の通りこれらの作用の正確な機構は明らかでない。本明細書において使用する「抗炎症作用」及び「創傷治癒促進作用」は、本発明の植物抽出物をそれぞれ炎症部位及び創傷部位に適用した場合に、非適用部位と比較して相対的に決定されるものである。本発明により得られる創傷治癒促進作用は、細胞外マトリックスの産生が促進された結果、基底膜が安定化し、そして修復されたことによるものであると考えられる。しかしながら、当該作用は、必ずしも細胞外マトリックス産生の増大に起因するものに限定されないことは明らかである。尚、本発明において使用する抽出物の中で、オランダガラシ抽出物については、既に創傷治癒効果が報告されている(特開2003−313134)。
【0025】
上記抗炎症作用及び創傷治癒促進作用の他、本発明で使用する植物抽出物は表皮水泡症改善作用も有する。ここで、本明細書において使用する「表皮水泡症改善作用」とは、単純型表皮水疱症、接合部型表皮水疱症及び栄養障害型表皮水疱症に分類される一般的な表皮水泡症の緩和、治癒だけでなく、当該症状の予防を意図する。当該作用は、基底膜の重要な構成成分であるコラーゲン等の産生が促進され、基底膜の構造が安定化することによりもたらされる。
【0026】
本発明において使用される植物抽出物は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポに由来するものである。草本植物であるオランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポについては各植物の根、葉、茎、花等から、木本植物であるトショウについてはその根、芽、樹皮、果実、葉、花等から抽出される。
【0027】
抽出方法は溶媒抽出で行ってもよく、溶媒抽出の場合には、植物材料を必要に応じて乾燥させ、更に必要に応じて細断又は粉砕した後、水性抽出剤、例えば冷水、温水、又は沸点若しくはそれより低温の熱水、あるいは有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、1,3−ブタンジオール、エーテル等を常温で又は加熱して用いることにより抽出される。しかしながら、抽出方法は溶媒抽出に限定されず、当業界で知られている常用の手法によってもよい。上記抽出物の形態には、抽出液自体だけでなく、常用の手法により適宜希釈又は濃縮、あるいは乾燥させたものも含まれうる。
【0028】
本発明の抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤は、各抽出物を単独で、あるいは複数の抽出物を組み合わせて含んでもよい。更に別の態様として、本発明の抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤は、セリンプロテアーゼ阻害剤を更に含んで成ることもある(セリンプロテアーゼ阻害剤を添加する態様については完全に削除してしまってよろしいでしょうか。以下の記載はともかく、この一文は残しておいても構わないと思われます)。後述の実施例に記載の通り、本発明の抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤はセリンプロテアーゼ阻害剤を含むことにより、コラーゲンの分解を阻害して基底膜及び真皮を更に良好な状態に保つ。この結果、本発明によって得られる抗シワ作用、皮膚のたるみ、ハリ改善作用、創傷治癒促進作用、表皮水泡症改善作用等が更に良好なものとなることが予想される。当該セリンプロテアーゼ阻害剤としては、限定しないが、セイヨウハッカ、イチヤクソウ、オトギリソウ、ジュウヤク、アルニカ、カリン、サンザシ、セイヨウナツユキソウ、セイヨウバラ、ノバラ、ブドウ、ボタン、ホップ、ラズベリー、ローマカミツレの抽出物を挙げることができ、これらは上述のオランダガラシ等の抽出方法と同様に溶媒抽出等により抽出されうる。更に、上記セリンプロテアーゼ阻害剤にはアプロチニン、トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸等も含まれる。
【0029】
本発明で使用する上記抽出物は、皮膚老化防止作用、特に抗シワ作用及び皮膚のたるみ、ハリ改善作用を達成するのに必要な量、あるいは基底膜及び真皮の安定化又はラミニン5、III型、IV型若しくはVII型コラーゲン等の細胞外マトリックスの産生量増加を達成するのに必要な量が配合される。更に、角層又は経皮の水分量増加(肌荒れ改善)、皮膚弾力性増加、皮膚のキメの改善等の目的に応じて必要な量が配合され、そして当該配合量は配合される剤形等の種々の要因によっても変動する。限定しないが、上記抽出物は、抗シワ剤、基底膜安定化、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤の全体の質量に対して0.0001〜10質量%の濃度で、好ましくは0.001〜1質量%の濃度で配合されうる。
【0030】
本発明の抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤には、上記抽出物の他、抗シワ作用等を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品に配合可能な成分、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、増粘剤、被膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、香料、粉末、色材、水等を必要に応じて適宜配合することができる。また、L−アスコルビン酸及びその塩、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等のL−アスコルビン酸のエステル誘導体及びその塩、L−アスコルビン酸グルコシド等のL−アスコルビン酸の配糖体及びその塩、4−メトキシサリチル酸等のアルコキシサリチル酸及びその塩、ハイドロキノンβ−D−グルコ−ス、ハイドロキノンα−D−グルコ−ス等のハイドロキノンの配糖体及びその塩、トラネキサム酸、トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩等のトラネキサム酸誘導体、4−n−ブチルレゾルシン等のレゾルシン誘導体、コウジ酸、エラグ酸、リノール酸、カミツレエキス、レチノイン酸、レチノール、レチノール酢酸、レチノールパルミチン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体等、リゾフォスファチジルコリンやリゾフォスファチジン酸、大豆調製物等のラミニン5産生促進剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の抗脂漏剤、多様な目的から、ヒノキチオール、アイリス抽出物、アセンヤク抽出物、アラントイン、アロエ抽出物、イチヤクソウ抽出物、イブキジャコウ抽出物、ウコン抽出物、オウバク抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オノニス抽出物、加水分解カゼイン、加水分解酵母抽出液、カッコン抽出物、キシリトール、クララ抽出物、米抽出物加水分解液、サイコ抽出物、サフラン抽出物、酸化亜鉛、シカクマメ抽出物、シコン抽出物、シャクヤク抽出物、ショウキョウ抽出物、シリカ被覆酸化亜鉛、セージ抽出物、ゼニアオイ抽出物、センキュウ抽出物、センブリ抽出物、チンピ抽出物、トウガラシ抽出物、トウキ抽出物、トウニン抽出物、チオタウリン、ニンジン抽出物、ニンニク抽出物、ヒオウギ抽出物、ヒポタウリン、バーチ抽出物、ビワ抽出物、ブドウ抽出物、ブナの芽抽出物、ヘチマ抽出物、マジョラム抽出物、ユリ抽出物、ヨクイニン抽出物、ローズマリー抽出物、アルギニン及びその塩酸塩、セリン及びその塩酸塩等アミノ酸及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンK、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、ユビキノン等の補酵素なども適宜配合することができる。
【0031】
本発明の抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤の剤型は特に限定されるものではなく、例えば、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等の任意の剤型をとることができる。また、使用形態も特に限定されるものではなく、例えば、化粧水、乳液、クリーム、エッセンス、ゼリー、ジェル、軟膏、パック、ファンデーション等の任意の形態をとることができる。
【0032】
皮膚外用剤
更に、本発明は上記抽出物を含んで成る皮膚外用剤を提供する。ここで、本発明の皮膚外用剤は、抗シワ作用及び皮膚のたるみ、ハリ改善作用を除く皮膚老化防止作用、抗炎症作用、創傷治癒促進作用、表皮水泡症改善作用等を目的として使用される。しかしながら、本発明の皮膚外用剤はこれらの目的に限定されず、上記抽出物の細胞外マトリックス産生促進作用によりもたらされる皮膚の諸症状の改善を意図した使用が考えられる。
【0033】
本発明の皮膚外用剤に配合される物質は、抗シワ剤等について上述したものと同様であるが、これは当業者により所望の目的に応じて適切にその種類、量、濃度等が決定されうる。例えば、抗炎症作用、創傷治癒促進作用を目的とする場合、上記抽出物は、皮膚外用剤全体の質量に対して0.0001〜10質量%の濃度で、好ましくは0.001〜1質量%の濃度で配合されうる。
【0034】
抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤の製造方法
別の態様において、本発明はオランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物を水相又は油相に添加する工程を含んで成る、抗シワ剤、基底膜安定化剤、細胞外マトリックス産生促進剤又は皮膚のたるみ、ハリ改善剤の製造方法を提供する。当該方法は、上記皮膚外用剤にも適用可能である。
【0035】
人工皮膚の製造方法
更に、本発明は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポの抽出物のうちのいずれか1つ以上を人工皮膚形成培地中に添加することを特徴とする、人工皮膚の製造方法、を提供する。
【0036】
本発明における人工皮膚の製造に用いる基礎培地としては、人工皮膚の製造に従来から使用されている任意の培地を用いることができ、これらの培地としては10%の牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM);10%の牛胎児血清、トランスフェリン5μg/ml、インシュリン5μg/ml、tri−ヨードチロニン2nM、コレラトキシン0.1nM、ヒドロコーチゾン 0.4μg/mlを含むDMEM−Ham’sF12(3:1);ケラチノサイト増殖培地(KGM)と10%牛胎児血清を含むDMEMとを1:1に混合した培地、等が挙げられる。これらの基礎培地に添加される上記抽出物は、その種類により異なるが、およそ0.001質量%〜1質量%程度である。当該抽出物以外にも、抗シワ剤の態様において用いられる種々の物質が一緒に添加されてもよく、特に上述したセリンプロテアーゼ阻害剤は、コラーゲンの分解を阻害し基底膜を安定化させるために好ましいものと考えられる。
【0037】
本発明の人工皮膚の製造においてはまず、金網の上にヒト線維芽細胞を含む収縮I型コラーゲンゲルを静置する。ヒト線維芽細胞を含む収縮I型コラーゲンゲルは例えば次のようにして調製することができる。線維芽細胞懸濁コラーゲン溶液を氷上にて作製後、ペトリ皿内にてコラーゲンをゲル化させて調製する。その後、ペトリ皿壁面からゲルを剥離し、コラーゲンゲルをCO2インキュベーター内にて収縮させる。
【0038】
次に、上記コラーゲンゲルの上に、表皮細胞、例えばヒト正常表皮ケラチノサイトを培養し、表皮を形成する。皮膚細胞の培養による表皮層の形成は次のようにして行うことができる。収縮コラーゲンゲルを金網の上にのせ、さらにガラスリングをこのゲルの上にのせる。このガラスリング内に液漏れをさせないようにヒト包皮由来の表皮ケラチノサイト懸濁液を入れる。CO2インキュベーター内にてケラチノサイトを接着させ、リングを外す。上記培地を表皮層の境界まで満たし、表皮層を空気に曝しながら、培養を継続し、角層を形成させる。
【0039】
この方法によれば、線維芽細胞を含む収縮I型コラーゲンゲルから成る真皮層と、表皮層との間に十分に基底膜成分が沈着した天然皮膚に近い人工皮膚が得られる。本発明で使用する上記抽出物は、表皮細胞の播種後数日目の培地交換の際に新規な培地中に含有させるだけでなく、この段階に限定されず、必要に応じて適宜添加することができる。
【0040】
シワ軽減方法及び皮膚のたるみ、ハリ改善方法
別の態様において、本発明は、オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポの抽出物のうちのいずれか1つ以上を皮膚に適用することによりシワを軽減し、皮膚のたるみ、ハリを改善することを特徴とする美容方法、を提供する。尚、当該方法は、シワの軽減、皮膚のたるみ、ハリ改善だけでなく、上述のような細胞外マトリックスの産生促進、延いては基底膜及び真皮の安定化を必要とする皮膚の諸症状、例えば表皮水泡症を改善するための使用が意図される。当該方法において、上記抽出物が適用される対象者は概して哺乳類であり、特にヒトへの適用が考えられる。
【実施例】
【0041】
次に、本願発明を以下の実施例により更に具体的に説明する。
【0042】
(実験方法−1)
ラミニン5産生促進効果に関する試験方法
(1)表皮角質細胞の培養
表皮角質細胞はヒト包皮より単離し、カルシウム濃度の低い表皮細胞増殖培地(KGM)にて培養した。この培地には牛脳下垂体抽出液とEGFを添加した。細胞は第4代までKGMで培養後、トリプシン−EDTA処理によって接着細胞を浮遊させ、ろ過によって細胞のアグリゲートを除き、均一な細胞懸濁液を得た。遠心分離によって細胞を集め、DMEM−F12(2:1)−0.1%BSAに8×104/mlとなるように再懸濁させた。この細胞懸濁液を0.5ml、2倍濃度の薬剤を含む同培地0.5mlに加えた。培養は24穴プレートを用いて、37℃にて24時間行った。培養終了時に、培養上清をエッペンドルフチューブに移し、10000rpmで5分間遠心分離し、上清を新たなチューブに移し、ラミニン5の測定の日まで−20℃で保存した。また細胞内と培養プラスチック上に結合したラミニン5を可溶化するため、各種の界面活性剤を含むトリス塩酸緩衝液(pH7.4)を各穴に添加し、一晩−20℃で保存した。翌日、超音波処理を行い、再度凍結した。翌日、再度溶解後、10000rpmで5分間遠心分離し、上清をチューブに移し、ラミニン5の測定の日まで−20℃にて保存した。
【0043】
(2)サンドイッチELISA法によるラミニン5の測定
培養上清、細胞層に存在するラミニン5はサンドイッチELISA法にて測定した。96穴ELISAプレートの固層にラミニン5のラミニンα3鎖に対するモノクローナル抗体、BM165を結合させた。ラミニン5をサンドイッチして測定するため、もう一種の抗体としてラミニンβ3鎖に対するモノクローナル抗体である6F12を予めビオチン化(b−6F12)して用いた。本法では、機能を発揮しうるヘテロトリマー体(α3β3γ2)のみを測定し、ヘテロダイマー(β3γ2)を検出しない。b−6F12を含む3%ゼラチン・リン酸緩衝溶液を予め入れておいた各穴に試料を添加する。試料の穴内での最終希釈率は培養液が1/4、細胞層が1/10とした。抗原抗体反応は37℃で2時間行い、プレートを洗浄した後アビヂンHRP(ホースラディシュパーオキシダーゼ)溶液を添加し、更に30分から1時間反応させた。洗浄後、HRPの基質であるABTS溶液を加え、405nmの吸光度をELISAプレートリーダーにて測定した。検量線は0〜40ng/mlの範囲で作成した。
【0044】
ラミニン5の産生量は、培地中に遊離された量と細胞層に残った量との総和を算出し、植物抽出物を添加していない試料(コントロール)に対する相対的な値をもって示した。以下の表1に、各抽出物毎のラミニン5産生量の上昇率を要約する。
【0045】
【表1】

【0046】
(実験方法−2)
IV型コラーゲン、VII型コラーゲン産生促進効果に関する試験方法
(1)ヒト線維芽細胞の培養
10%FBS含有DMEM培地で培養したヒト線維芽細胞を24穴プレートに播種し、細胞が接着した後、0.25%FBS及び250μMアスコルビン酸グルコシド含有DMEM培地に置換し、薬剤を添加した。1日後、培地上清を回収、遠心分離し、得られた上清中のIV型、VII型コラーゲン測定及び、細胞についてDNA量を測定し、細胞数の指標とした。
【0047】
(2)DNA定量
DNA量の測定はHoechst社のH33342を用いた蛍光測定法で実施した。
【0048】
(3)サンドイッチELISA法によるIV型、VII型コラーゲンの測定
IV型、VII型コラーゲンは、サンドイッチELISA法によって測定した。本実施例において使用した抗体は以下の通りである。
・IV型コラーゲン特異的抗体;モノクロナール抗体JK−199およびポリクロナール抗体MO−S−CLIV
・VII型コラーゲン特異的抗体;モノクロナール抗体NP−185およびモノクロナール抗体NP−32
【0049】
薬剤を添加していない試料(コントロール)のDNAあたりのIV型、VII型コラーゲン量を100としたときの、薬剤添加試料のDNAあたりのIV型、VII型コラーゲン量を、IV型、VII型コラーゲン産生促進率とした。以下の表2に、当該コラーゲンの産生促進率を要約する。
【0050】
【表2】

【0051】
(実験方法−3)
III型コラーゲン産生促進効果に関する試験方法
(1)ヒト皮膚線維芽細胞の培養
10%FBS含有DMEM培地で培養したヒト皮膚線維芽細胞を24穴プレートに播種し、細胞が接着した後、0.25%FBS及び250μMアスコルビン酸リン酸マグネシウム含有DMEM培地に置換し、薬剤を添加した。3日後、培地上清を回収、遠心分離した。得られた上清中のIII型コラーゲン及び細胞のDNA量を測定し、細胞数の指標とした。
【0052】
(2)DNA定量
DNA量の測定はHoechst社のH33342を用いた蛍光測定法で実施した。
【0053】
(3)III型コラーゲンの測定
細胞のIII型コラーゲン生合成能は、培養上清中に分泌されるIII型コラーゲンの末端ペプチド(Procollagen type III−peptide:PIIIP)と略す。)量を測定することにより評価した。具体的には、「リアグノストPIIIP(PIIIP)測定キット(シーアイデスダイアグノスティック株式会社)」を用いて測定した。III型コラーゲンの産生量は、DNA量で割り、植物抽出物を添加していない試料(コントロール)に対する相対的な値をもって示した(表3を参照のこと)。
【0054】
【表3】

【0055】
以上の結果より、オランダガラシエキスには有意なIII型コラーゲンの産生促進作用が見出された。
【0056】
(実験方法−4)
ヒト皮膚線維芽細胞によるI型コラーゲンゲル収縮能に対する作用の評価方法
線維芽細胞(5x104 cell/ml)懸濁コラーゲン溶液(高研株式会社製 I型コラーゲンを使用)を氷上にて調製後、37℃でコラーゲンをゲル化した。その後、被験物質(コントロールとしてDMSOを使用)及び0.25%FBS含有DMEM培地を添加し、シャーレ壁面からゲルを剥離し、コラーゲン収縮を行った(各群n=3)。1,2日後、コラーゲンゲルの直径を三方向から測定し、平均値を求めた。収縮前の直径を収縮率0%とし、被験物添加後の収縮率を求めた(表4を参照のこと)。
【0057】
【表4】

【0058】
以上の結果より、オランダガラシエキスには有意なコラーゲンゲル収縮促進作用が見出された。
【0059】
(実験方法−5)
人工皮膚の製造方法
コラーゲンゲルは、ヒト真皮由来の線維芽細胞(1×105cells/ml)懸濁コラーゲン溶液を氷上にて作製後、60mmのペトリディッシュ内にて37℃でコラーゲンをゲル化した。その後シャーレ壁面からゲルを剥離し、コラーゲンゲルを金属の上にのせ、さらにガラスリング(内径12mm)をゲルの上にのせた。このガラスリング内に液漏れさせないようにヒト包皮由来表皮ケラチノサイト懸濁液を含むKGM−DMEM(1:1)混合培地を添加した。一晩インキュベートして表皮細胞を接着させ、翌日リングをはずした。上記培地を表皮層の境界まで満たし、表皮層を空気に曝しながら、角層形成を示す重層化した表皮を持つ皮膚モデルを作製した。
【0060】
表皮細胞を播種後4日目より、(1)薬剤無添加、(2)オランダガラシエキス0.3%、(3)オランダガラシエキス0.3%+セイヨウハッカエキス0.5%、(4)トショウ油0.3%、(5)トショウ油0.3%+イチヤクソウエキス0.5%、(6)ビャクジュツエキス0.3%、(7)ビャクジュツエキス0.3%+オトギリソウエキス0.5%、(8)フキタンポポエキス0.3%、(9)フキタンポポエキス0.3%+ジュウヤクエキス0.5%を含む培地に換え、その後2−3日おきに同種・同濃度の薬剤を含有する培地と交換してさらに2週間培養した。
【0061】
形成された人工皮膚は、ヘマトキシリン−エオジン染色、並びに免疫染色(抗IV型コラーゲン抗体及び抗VII型コラーゲン抗体)により染色した。IV型及びVII型コラーゲンの染色度を低い方から高い方へ順に1−5の5段階でスコア化した。以下の表に、コラーゲンの染色度のスコアを要約する。
【0062】
【表5】

【0063】
上記のように、対照(1)において、IV型コラーゲンは弱く染色されたが、VII型コラーゲンはほとんど観察されなかった。これに対し、ラミニン5・IV型コラーゲン・VII型コラーゲン産生促進作用を有するオランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ、フキタンポポはいずれもIV型・VII型コラーゲンの染色性を共に高めることが人工皮膚において確認された。さらに、セリンプロテアーゼ阻害剤のセイヨウハッカ、イチヤクソウ、オトギリソウ、ジュウヤクの各エキスはこれらの染色性をさらに高めることが明らかとなった。
【0064】
(実験方法−6)
30−45才の健常人男性3名の皮膚にオランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ、フキタンポポの各エキスをそれぞれ塗布したときの角層水分量を測定し、対照部位と比較した。対照にはイオン交換水を用いた。それぞれの検体を前腕内側2.5cm四方の正方形内に塗布し、塗布直前、1時間後の角層水分量をCorneometer CM825C(Courage+Khazaka社製)を用いて測定し水分量増加率を求めた。以下の表に、各植物抽出物を塗布した場合の角層水分量の増加率を要約する。
【0065】
【表6】

【0066】
上記より、被験物質塗布によって、角層中の水分量が上昇し、肌改善効果があることが示された。
【0067】
(実験方法−7)
40−55才の健常人女性パネルにより下記処方のクリームの連用試験を行った。パネル48名を4群に分け、各群の顔面の半分にクリーム(本発明品1−4)を、もう半分には比較品1をそれぞれ4週間、一日2回ずつ毎日塗布した。角層水分量をCorneometer CM825C、経皮水分蒸散量をTewameter TM210、皮膚の粘弾性をキュートメーター(いずれもCourage+Khazaka社製)にて測定し、それぞれ水分量の増加度、肌荒れ改善度、ハリの改善度の指標とした。キュートメーターに関しては、常法により2秒間の吸引と1秒間の開放を3回繰り返し、1回目と3回目の皮膚の伸び(Uf値、maximal amplitude)と粘性/弾性比率(Uv/Ue値)を連用前と比較した。またシリコーンレプリカ(Silflo, FLEXICO DEVELOPMENTS社製)で目尻のレプリカを採取し、シワの数、長さを測定し連用前後の値を比較した。さらにテープにより採取した角層の取れ具合から、肌のキメの整い具合と、角層の均一な取れ具合を専門パネルが視感判定した。
【0068】
結果(連用前との比較値)を以下の表7〜11に示す。また括弧内の数値はPaired Student t-testによる検定値を示す。
【0069】
【表7】

【0070】
以上の結果より、本発明品の抗シワ作用が統計学的に有意に認められた。
【0071】
【表8】

【0072】
以上の結果より、本発明品の保湿効果が統計学的に有意に認められた。
【0073】
【表9】

【0074】
以上の結果より、本発明品の肌荒れ改善効果が統計学的に有意に認められた。
【0075】
【表10】

以上の結果より、本発明品の皮膚弾力性増加が有意に確認された。
【0076】
【表11】

【0077】
以上の結果より、本発明品のキメ改善効果が有意に認められた。
【0078】
上記発明品1〜4及び比較品の組成を以下の表12に記す。尚、数値は全体に対する重量%で表す。
【0079】
【表12】

【0080】
(実験方法−8)
抗炎症、創傷治癒促進試験
8週齢のHR−1マウスに炎症または創傷を人工的に形成し、各群(n=5)に(1)薬剤無添加、(2)トショウ油5%、(3)ビャクジュツエキス5%、(4)フキタンポポエキス5%を含有する1,3−ブチレングリコールをそれぞれ0.5gずつ1日2回、5日間塗布し、5日目に炎症部位または創傷部位の状態を観察した。抗炎症作用、創傷治癒促進作用をそれぞれ低い方から高い方へ順に1−5の5段階でスコア化した。その結果を表13に要約する。
【0081】
【表13】

【0082】
表13に示すように、対照(1)において、炎症、創傷の改善度は低かった。これに対し、トショウ、ビャクジュツ、フキタンポポエキスはいずれも抗炎症作用、創傷治癒促進作用を有することがin vivoにおいて確認された。
【0083】
(実施例1−クリーム)
(1)処方
(A相)
ステアリン酸 10.0 重量%
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチル 8.0
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0
ビタミンEアセテート 0.5
ビタミンAパルミテート 0.1
マカデミアナッツ油 1.0
防腐剤 適量
香料 適量
(B相)
グリセリン 4.0
1,2−ペンタンジオール 3.0
水酸化カリウム 0.4
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
L−アルギニン塩酸塩 0.01
エデト酸三ナトリウム 0.05
オランダガラシ
1,3−ブチレングリコール抽出物 0.5
イオン交換水 残余
【0084】
(2)製法
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解する。A相をB相に加えて、乳化機で乳化する。乳化物を熱交換器を用いて冷却する。
【0085】
(実施例2−クリーム)
(1)処方
ステアリン酸 5.0 重量%
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
プロピレングリコール 10.0
トショウメタノール抽出物 0.01
苛性カリ 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
【0086】
(2)製法
イオン交換水にプロピレングリコールとトショウメタノール抽出物と苛性カリを加え溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱溶解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0087】
(実施例3−シワ予防クリーム)
(1)処方
ステアリン酸 2.0 重量%
ステアリルアルコール 7.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレン(25モル)
セチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
プロピレングリコール 5.0
ビャクジュツエタノール抽出物 0.05
ウコンエタノール抽出物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
【0088】
(2)製法
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱溶解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0089】
(実施例4−抗老化用クリーム)
(1)処方
固形パラフィン 5.0 重量%
ミツロウ 10.0
ワセリン 15.0
流動パラフィン 41.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
石けん粉末 0.1
硼砂 0.2
フキタンポポアセトン抽出物 0.05
サイコエタノール抽出物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
【0090】
(2)製法
イオン交換水に石けん粉末と硼砂を加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え反応を行う。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0091】
(実施例5−乳液)
(1)処方
ステアリン酸 1.0 重量%
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10モル)
モノオレイン酸エステル 2.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
(商品名:カーボポール941,B.F.Goodrich Chemical company)
オランダガラシ酢酸エチル抽出物 0.01
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
【0092】
(2)製法
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500とトリエタノールアミンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0093】
(実施例6−乳液)
(1)処方
マイクロクリスタリンワックス 1.0 重量%
密ロウ 2.0
ラノリン 2.0
流動パラフィン 10.0
スクワラン 5.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
プロピレングリコール 7.0
トショウ1,3−ブチレングリコール抽出物 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
【0094】
(2)製法
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかきまぜながらこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化する。乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0095】
(実施例7−乳液)
(1)処方
(A相)
スクワラン 5.0 重量%
オレイルオレート 3.0
ワセリン 2.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル
(2OEO) 1.2
月見草油 0.5
防腐剤 適量
香料 適量
(B相)
1,3−ブチレングリコール 4.5
ビャクジュツエタノール抽出液 1.5
エタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01
カッコンエタノール抽出液 1.5
エリスリトール 0.5
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
イオン交換水 残余
【0096】
(2)製法
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解する。A相をB相に加えて、乳化機で乳化する。乳化物を熱交換器を用いて冷却する。
【0097】
(実施例8−ゼリー)
(1)処方
95%エチルアルコール 10.0 重量%
ジプロピレングリコール 15.0
ポリオキシエチレン(50モル)
オレイルアルコールエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
苛性ソーダ 0.15
L−アルギニン 0.1
フキタンポポエタノール抽出物 7.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.05
エチレンジアミンテトラアセテート・
3ナトリウム・2水 0.05
メチルパラベン 0.2
香料 適量
イオン交換水 残余
【0098】
(2)製法
イオン交換水にカーボポール940を均一に溶解し、一方、95%エタノールにフキタンポポエタノール抽出物、ポリオキシエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテルを溶解し、水相に添加する。次いで、その他の成分を加えたのち苛性ソーダ、L−アルギニンで中和させ増粘する。
【0099】
(実施例9−美容液)
(1)処方
(A相)
エチルアルコール(95%) 10.0 重量%
ポリオキシエチレン(20モル)
オクチルドデカノール 1.0
パントテニールエチルエーテル 0.1
オランダガラシメタノール抽出物 1.5
メチルパラベン 0.15
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
イオン交換水 残余
【0100】
(2)製法
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化する。次いでB相を加えたのち充填を行う。
【0101】
(実施例10−パック)
(1)処方
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0 重量%
ポリオキシエチレン(60モル)
硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
トショウ抽出物 0.01
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール
(ケン化度90、重合度2,000) 13.0
エタノール 7.0
イオン交換水 残余
【0102】
(2)製法
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでこれをC相に加えたのち充填を行う。
【0103】
(実施例11−化粧水)
(1)処方
(A相)
エタノール 5.0重量%
POEオレイルアルコールエーテル 2.0
オレイルアルコール 0.1
2−エチルヘキシルーP−ジメチル
アミノベンゾエート 0.18
香料 適量
(B相)
1,3−ブチレングリコール 9.5
グリセリン 2.0
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ニコチン酸アミド 0.3
ビャクジュツ1,3−ブチレングリコール抽出物
0.1
β−シクロデキストリン 1.0
エリスリトール 0.05
イオン交換水 残余
【0104】
(2)製法
Aのアルコール相をBの水相に添加し、可溶化して化粧水を得る。
【0105】
(実施例12−固形ファンデーション)
(1)処方
タルク 43.1 重量%
カオリン 15.0
セリサイト 10.0
亜鉛華 7.0
二酸化チタン 3.8
黄色酸化鉄 2.9
黒色酸化鉄 0.2
スクワラン 8.0
イソステアリン酸 4.0
モノオレイン酸POEソルビタン 3.0
オクタン酸イソセチル 2.0
フキタンポポ
エタノール抽出物 0.5
防腐剤 適量
香料 適量
【0106】
(2)製法
タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、フキタンポポエタノール抽出物、防腐剤、香料を加え良く混練した後、容器に充填、成型する。
【0107】
(実施例13−乳化型ファンデーション(クリームタイプ))
(1)処方
(粉体部)
二酸化チタン 10.3 重量%
セリサイト 5.4
カオリン 3.0
黄色酸化鉄 0.8
ベンガラ 0.3
黒色酸化鉄 0.2
(油相)
デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5
流動パラフィン 4.5
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0
(水相)
イオン交換水 50.0
1,3−ブチレングルコール 4.5
オランダガラシエタノール抽出物 1.5
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0
防腐剤 適量
香料 適量
【0108】
(2)製法
水相を加熱撹拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加してホモミキサー処理する。更に加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、撹拌しながら香料を添加して室温まで冷却する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分として含んで成る抗シワ剤。
【請求項2】
オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分として含んで成る基底膜安定化剤。
【請求項3】
オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分として含んで成る細胞外マトリックス産生促進剤。
【請求項4】
産生促進される細胞外マトリックスの構成成分がラミニン5、III型コラーゲン、IV型コラーゲン及びVII型コラーゲンから成る群から選択される一種又は二種以上である、請求項3に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
【請求項5】
ラミニン5、III型コラーゲン、IV型コラーゲン及びVII型コラーゲンの全てを産生促進させることを特徴とする、請求項3又は4に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
【請求項6】
オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を有効成分として含んで成る、皮膚のたるみ、ハリ改善剤。
【請求項7】
オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を人工皮膚形成培地中に添加する工程を含んで成る、人工皮膚の製造方法。
【請求項8】
オランダガラシ、トショウ、ビャクジュツ及びフキタンポポ由来抽出物のうちのいずれか1つ以上を皮膚に適用することによりシワを軽減し、皮膚のたるみ、ハリを改善することを特徴とする美容方法。

【公開番号】特開2006−316050(P2006−316050A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108632(P2006−108632)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】