説明

抗痛覚過敏剤として有用なキナゾリノン誘導体

本発明は、ヒトバニロイド拮抗活性を示す化合物である、式I
【化1】


〔式中、
はhal;
【化2】


であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
さらなるラジカルは明細書で定義の意味を有する。〕
のキナゾリノン;その製造法、医薬としてのその使用およびそれらを含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、新規キナゾリノン誘導体、その製造法、医薬としてのその使用およびそれらを含む医薬組成物に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、第一の態様において、遊離塩基または酸付加塩形の式I
【化1】

〔式中、
はhal;
【化2】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化3】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化4】

であり;
YはOまたはNR13であり;
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16は独立してH;hal;またはC−Cアルキルである。〕
のキナゾリノンを提供する。
【0003】
本明細書で使用する用語は、以下の意味を有する:
“C−Cアルキル”は、直鎖または分枝鎖CからC−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを意味する。
【0004】
“C−Cアルコキシ”は直鎖または分枝鎖CからC−アルキル−オキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソプロポキシを意味する。
“hal”は、I、Br、ClまたはFであり得るハロゲンを意味する。
【0005】
本発明の化合物は遊離形または塩形、例えば酸付加塩形で存在する。本発明は、遊離形ならびに塩形、例えばトリフルオロ酢酸塩または塩酸塩としての式Iの化合物を包含すると理解すべきである。本発明にしたがった薬学的使用のための適当な薬学的に許容される酸付加塩は、特に塩酸塩を含む。
【0006】
式Iにおいて、以下の意味が独立して、集合して、または任意の組み合わせまたはサブコンビネーションで好ましい:
(a)R
【化5】

であり;
(b)Rがイソプロピルであり;
(c)Rがメチルまたはアミノ;より好ましくはメチルであり;
(d)Rが、上記のようなメタ位;またはより好ましくはRはメタ位であり、かつC−CアルコキシまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシであり;
(e)Rがパラ位であり、かつhal;より好ましくはClであり;
(f)RがHまたはハロゲン;より好ましくはHであり;
(g)RまたはRがHまたはメチル;より好ましくはメチルであり;
(h)R14がC−Cアルコキシ;より好ましくはメトキシであり;
(i)R12がメチルであり;
(k)R13がメチルであり;
(l)nが0または1または2であり;そして
(m)RおよびR10が水素またはフルオロである。
【0007】
前記に加えて、本発明は式Iの化合物の製造法も提供し、該方法は当業者が既知の方法を適用した適当な出発化合物のカップリングを含む。
【0008】
より特に、本発明は:
a)RがNHではない式Iの化合物の製造のために、式II
【化6】

〔式中、RおよびRは、式Iで定義の通りである。〕
の化合物と、式III
【化7】

〔式中、Rは、式Iで定義の通りである。〕
の化合物を、酸、例えば塩化水素の存在下で反応させるか;または
b)RがNHである式Iの化合物の製造のために、式IV
【化8】

〔式中、RおよびRは、式Iで定義の通りである。〕
の化合物と、2−エチル−2−チオシュードウレアヒドロブロミドを反応させ;
得られた化合物を遊離形または塩形、例えば、酸付加塩形で回収する
段階を含む、方法を提供する。
【0009】
上記の方法により得られた式Iの化合物は、さらに、例えば実施例1に記載のように、すなわち、6−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンの6−(4−クロロ−3−シクロプロピルメトキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンへの変換により誘導体化し得る。
【0010】
式IIIの化合物は既知であるか、または、対応する既知の化合物から、例えば実施例1または2に記載のように製造し得る。式IVの化合物は既知であるか、または、対応する既知の化合物から、例えば実施例59に記載のように製造し得る。
【0011】
式IIの化合物は新規であり、本発明の一部を構成する。それらは、対応する出発物質から、当業者の一般的な知識にしたがい、例えば、実施例1および2に記載のように製造し得る。例えば、式V
【化9】

〔式中、Rは、上記で式Iに関して定義の意味を有する。〕
の酸を、それ自体既知の方法でエステルに変換し、式VI
【化10】

〔式中、Rは、上記で式Iに関して定義の意味を有する。〕
のニトロ化合物を得る。式VIのニトロ化合物を、次いで、例えば、パラジウム/活性炭素のような適当な触媒の存在下の水素と反応させることにより、還元して対応する式VII
【化11】

〔式中、Rは、上記で式Iに関して定義の意味を有する。〕
のアミンを得る。得られた式VIIのアミンを、次いで、例えば最初に硫酸銀(I)および2番目にヨウ化物と適当な溶媒中で反応させて、式VIII
【化12】

〔式中、Rは、上記で式Iに関して定義の意味を有する。〕
のヨウ化物とし得る。
【0012】
得られた、式VIIIのヨウ化物を、式IX
【化13】

〔式中、Rは、上記で式Iに関して定義の意味を有する。〕
のボロン酸と反応させ、式IIの化合物を提供し得る。
【0013】
上記の方法にしたがった反応混合物の製造およびこのようにして得た化合物の精製は、既知の方法にしたがい行い得る。
酸付加塩は既知の方法で遊離塩基から製造し得、逆も可能である。
【0014】
光学的に純粋な形の式Iの化合物は、対応するラセミ体から、既知の方法にしたがい、例えばキラルマトリックスでのHPLCにより得ることができる。あるいは、光学的に純粋な出発物質を使用できる。
【0015】
立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物を、その対応する異性体にそれ自体既知の方法で、適当な分離法により分離できる。ジアステレオマー混合物は、例えば、個々のジアステレオマーに、分画結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分散および類似の方法などの手段により分離し得る。この分離は、出発化合物のレベルで、または、式Iの化合物それ自体のレベルのいずれかで行い得る。エナンチオマーは、ジアステレオマー塩の形成を介して、例えば、エナンチオマー−純粋キラル酸との塩形成により、またはキラルリガンドのクロマトグラフィー基質を使用したクロマトグラフィーの手段により、例えば、HPLCにより、分離し得る。
【0016】
所望により行う付加的方法段階において、反応に参加すべきではない出発化合物の官能基は、非保護形で存在し得るか、例えば、下記の保護基の1個またはそれ以上により保護され得る。保護基を次いで、そこに記載の方法の一つにしたがい完全にまたは部分的に除去する。
【0017】
保護基はすでに前駆体に存在し得、望ましくない二次反応に関係する官能基を保護しなければならない。それ自体容易に、すなわち、望ましくない二次反応なしに、典型的に、加溶媒分解、還元、光分解およびまた酵素活性により、例えば生理学的条件と類似の条件下で除去し、最終生成物に存在しないのが、保護基の特徴である。専門家は、どの保護基が上記および下記の反応に適しているか知っているか、または、容易に確立できる。
【0018】
このような官能基の保護基による保護、保護基それ自体、および、その除去は、例えば、J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New York 1981、“The Peptides”;Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982およびJochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974のような標準参考資料に記載されている。
【0019】
本明細書に記載のすべての方法段階は既知の反応条件下、好ましくは特に記載のものの下、好ましくは使用する試薬に対して不活性であり、それらを溶解することができるような溶媒または希釈剤の非存在下、または通常存在下、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換体、典型的に、例えばH+形のカチオン交換体の非存在下または存在下、反応のタイプおよび/または反応物に依存して、低温、常温または高温、例えば−100℃から約190℃の範囲、好ましくは約−80℃から約150℃、例えば−80から−60℃、室温、−20から40℃または使用する溶媒の沸点で、大気圧下または密閉容器中、適当な場合、加圧下で、および/または不活性雰囲気、例えばアルゴンまたは窒素下で行うことができる。
【0020】
式Iの化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩(以後:本発明の薬剤)は、有利な薬理学的活性を有し、医薬として有用である。特に、本発明の薬剤は、バニロイド拮抗活性を有する。より特に、本発明の薬剤、例えば実施例1−60の化合物は、例えばヒトバニロイドレセプター・タイプ1(VR1)で活性である。
【0021】
本発明の薬剤とのバニロイドレセプターの相互作用は、以下の試験1で証明される。
【0022】
試験1:蛍光アッセイ
ヒトVR1イオンチャネルを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、標準プロトコールにしたがい調製する[McIntyre et al., British Journal of Pharmacology 132: 1084-1094 (2001)]。試験化合物の活性を、カルシウム感受性色素を利用した蛍光アッセイを使用して試験し、細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定する。細胞を40,000/ウェルの密度で96ウェルCostar黒色、透明底プレートに蒔き、37℃で5%CO中、MEM培地で、一晩培養する。アッセイの日、細胞を0.01%pluronic F-127を含むアッセイ緩衝液[10mM N−2−(ヒドロキシエチルピペラジン−N'−[2−エタンスルホン酸)(HEPES)、pH7.4]を含むハンクス平衡塩類溶液(HBSS、Invitrogen)]中で作った2μMフラ−2/AM(Molecular Probes)中、40分、室温でインキュベートする。2回アッセイ緩衝液で洗浄後、100μlアッセイ緩衝液、または適当な場合試験化合物(最終1nMから10μMの範囲)を各ウェルに添加し、プレートを10分、室温でインキュベートし、次いで、Molecular Devices Flexstationに置く。蛍光を1分間にわたり、4秒間隔で、340および380nmの励起波長および520nmの放射波長を使用して測定する。ヒトバニロイドレセプター1イオンチャネルを、アゴニストカプサイシンまたは低pHのいずれかの適用により刺激する。約17秒で、必要最終濃度の6倍で産生した20μlのカプサイシンを細胞に移す。pH実験に関して、100μl HBSS単独、pH7.4(試験化合物含有)を細胞に添加し、HBSS中の20μlの60mM 2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)を細胞に移す。この溶液のpHを、1:6に希釈した場合に所望のpHとなるように調節する。340および380nmでの励起後の蛍光強度の比率を各時点で計算する。アゴニスト−誘発反応を、刺激後の4つの時点における平均比率から基底比率を引いたものとして計算する。
【0023】
上記の試験において、本発明の薬剤はCa−取り込みを約1nMから約10μM、とりわけ25から100nM、とりわけ50または60nMの範囲で有効に遮断する。
【0024】
上記の観点から、本発明の薬剤は、ヒトVR1活性化が役割を担うまたは関与する疾患および状態の予防および処置に有用である。このような状態は特に慢性疼痛、すなわち、痛覚過敏の処置のため、特に、重篤な慢性疼痛の処置のため;ヘルペス後神経痛、切断手術(“幻肢疼痛”)、反射性交感神経性ジストロフィーおよび他の慢性神経損傷に関連する神経因性疼痛;炎症性疼痛、例えば慢性炎症性疼痛、骨および関節疼痛(骨関節症)、癌疼痛、筋膜疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)および周術期疼痛(例えば火傷、捻挫、骨折などに関連する一般的手術、外科的介入に続く、婦人科的手術);または喘息、例えば、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、炎症性疾患、例えば炎症性気道疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患における;石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症、綿肺症、および鼻炎;例えばクローン病、潰瘍性大腸炎または膵炎の治療における、例えば胃腸管または子宮の痙攣の処置のための、平滑筋弛緩、炎症性腸疾患、膀胱炎、例えば間質性膀胱炎、膵炎およびブドウ膜炎;炎症性皮膚疾患およびリウマチ性関節炎、炎症性皮膚疾患、例えば乾癬および湿疹における慢性疼痛を含む。
【0025】
特に鎮痛剤としての活性は、例えば、以下の試験2に記載のような、標準試験形法にしたがい証明し得る。
【0026】
試験2:ラットの神経因性疼痛モデルにおける抗痛覚過敏効果
末梢神経痛を、左座骨神経の部分的結紮により誘発する。機械的痛覚過敏を、同側性(結紮した)および対側性(非結紮)後ろ足において、標準的足加圧法を使用して、足を引っ込める閾値から評価する。薬剤の効果を結紮後11−15日に試験する。左(結紮)足の平均の足を引っ込める閾値±s.e.m.を、右(非結紮)足のものと比較する。医薬化合物を、例えば20%クレモフォア/水中の、1mlの容量で投与する。投薬後痛覚過敏値を、右(非結紮)足の投薬飴値との比較により得る;これは、右足における任意の薬剤効果の付加的比較なしに、得られた痛覚過敏の減少の真の測定を可能にする。医薬化合物の一回経口投与は、部分的に脱神経したラット後ろ足における機械的痛覚過敏の非常に有効な消失をする。医薬化合物は、機械的痛覚過敏の消失を30mg/kgで産生し、急速な活性の発生かつ長期間にわたる作用を示す。このように、医薬化合物は、神経因性疼痛のラットモデルにおいて、経口投与に続いて、強力で有効な抗神経過敏剤である。
【0027】
好ましいのは、式中、
がhal;
【化14】

であり;
XがNまたはCRであり;
がC−Cアルキルであり;
GaC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
がH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化15】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aが
【化16】

であり、
YがOまたはNR13であり;
そして、nが0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRが独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRが独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10が独立してHまたはhalであり;
11がH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12がH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13がHまたはC−Cアルキルであり;
14がH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16が独立してH;hal;またはC−Cアルキルである、
式Iのキナゾリノンである。
【0028】
非常に好ましいのは、式中、
がhal;
【化17】

であり;
XがNまたはCRであり;
がC−Cアルキルであり;
がC−Cアルキルまたはアミノであり;
がhal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ置換されているC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aが
【化18】

であり;
YがOまたはNR13であり;
そして、nが0、1または2であり;
およびRが独立してH;hal;またはC−Cアルコキシであり;
およびRが独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10が独立してHまたはhalであり;
12がHであり;
13がC−Cアルキルであり;
14がH;またはC−Cアルコキシであり;そして
15およびR16がHである、
式Iのキナゾリノンである。
【0029】
よりさらに好ましいのは、式中、
がhal;
【化19】

であり;
がhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
がC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
がH;hal;ヒドロキシ;C−Cアルキル;C−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;ハロゲノC−Cアルコキシ;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化20】

であり;
ここで、nが0、1、2、3、4、5または6であり;
、R、R11およびR14が独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12がHまたはC−Cアルキルであり;そして
およびR10が独立してHまたはhalである;
遊離塩基または酸付加塩形の、式Iのキナゾリノンである。
【0030】
最も好ましいのは、下記実施例に記載されている化合物である。
【0031】
上記の適用に関して、適当な投与量は、もちろん、例えば、用いる化合物、宿主、投与の形態および処置する状態の性質と重症度に依存して変化する。しかしながら、一般に、十分な結果が、約0.05から約150、好ましくは約0.1から約100mg/kg動物体重の一日量で得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトにおいて指示される一日投与量は、約0.5から約5000、好ましくは約1から約500mgの本発明の薬剤の範囲であり、簡便には、例えば、一日4回までに分割して、または、徐放性形で投与する。
【0032】
本発明の薬剤は、インビボで単独でまたは他の薬剤、例えば、特異的COX−2阻害剤(例えばセレコキシブ、COX189、およびロフェコキシブ)のようなシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、または一般に非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)(例えばアセチルサリチル酸、プロピオン酸誘導体)、三環式抗鬱剤(例えばアナフラニール(登録商標)、Asendin(登録商標)、Aventyl(登録商標)、Elavil(登録商標)、Endep(登録商標)、Norfranil(登録商標)、Norpramin(登録商標)、Pamelor(登録商標)、Sinequan(登録商標)、スルモンチール(登録商標)、Tipramine(登録商標)、Tofranil(登録商標)、Vivactil(登録商標)、Tofranil-PM(登録商標))、抗痙攣剤(例えばギャバペンチン)、GABAアゴニスト(例えばL−バクロフェン)、オピオイドおよびCBレセプターアゴニスト、例えばCBレセプターアゴニストを含む、ヒトVR1活性化が役割を担うまたは関与する疾患および状態の処置に有効な薬剤と組み合わせて、投与できる。
【0033】
本発明にしたがった組み合わせパートナーの別々の投与のための医薬組成物および固定された組み合わせの投与のための医薬組成物、すなわち、少なくとも二つの組み合わせパートナーを含む一つのガレヌス組成物は、それ自体既知の方法で製造でき、したがって、ヒトを含む哺乳類への経口または直腸のような経腸、および、非経腸投与に適しており、治療的有効量の少なくとも一つの薬理学的活性組み合わせパートナー単独、または、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体との組み合わせを含み、特に、経腸または非経腸投与に適している。
【0034】
医薬組成物は、例えば、約0.1%から約99.9%、好ましくは約20%から約60%の活性成分を含む。経腸または非経腸投与のための組み合わせ治療のための医薬組成物は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセルまたは坐薬、およびさらにアンプルのような、単位投与形のものである。特に指定しない限り、これらはそれ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程により製造する。各投与形の個々の投与量に包含される組み合わせパートナーの単位含量は、必要な有効量が複数の投与単位の投与により到達できるため、それ自体有効量を構成しなくてもよい。
【0035】
さらに、本発明は任意の上記の状態の処置のための医薬の製造のための、本発明の薬剤の使用を提供する。
【0036】
さらなる態様において、本発明は、処置を必要とする対象における、上記の任意の状態の処置法であり、該対象に治療的有効量の本発明の薬剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0037】
以下の実施例は、本発明を説明する。
略語
【表1】

【0038】
実施例1:6−(4−クロロ−3−シクロプロピルメトキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンの製造
a)4−イソプロピル−2−ニトロ−安息香酸の製造:撹拌した2−ニトロ−4−シメン(8g、0.0446mol)のt−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(10g、0.0574mol)溶液を、110℃で10時間加熱する。濃い赤色の溶液を室温に冷却し、過剰の試薬および副産物を減圧下除去する。残渣をtert.ブタノール(600ml)に溶解し、酢酸カリウム(51.35g、0.372mol)の水(150ml)溶液を添加する。過マンガン酸カリウム(51.35g、0.325mol)をこの混合物に徐々に添加し、わずかに発熱性である。3時間後、混合物をセライトを通して濾過し、セライトパッドを水(500ml)およびメタノール(1000ml)で洗浄する。揮発物を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルと水に分配する。水性層を塩酸を使用してpH3まで酸性化し、混合物を酢酸エチル(3×150ml)で抽出する。合わせた酢酸エチル抽出物を飽和塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下蒸発して、4−イソプロピル−2−ニトロ−安息香酸を茶色固体として得る。これは、次段階に精製せずに使用するのに十分に純粋である。1H NMR(CDCl3, 400MHz)δH(ppm)10.0(1H, br s), 7.82(1H, d, J = 8.0Hz), 7.64(1H, d, J = 1.5Hz), 7.50(1H, dd, J = 1.5, 8.0Hz), 3.05(1H, m), 1.30(6H, d, J = 6.9Hz)。
【0039】
b)4−イソプロピル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステルの製造:撹拌した4−イソプロピル−2−ニトロ−安息香酸(6.7g、0.032mol)の乾燥DMF(100ml)溶液に、室温で、炭酸セシウム(16.0g、0.049mol)を添加する。30分後、ヨードメタン(6.84g、0.048mol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌する。混合物を水(500ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×100ml)で抽出する。合わせたEtOAc抽出物を水(200ml)、飽和塩水(100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して赤色油状物を得る。シクロヘキサン/酢酸エチル(10:1)を溶離剤として使用した、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製により、4−イソプロピル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステルを得る。
【0040】
c)2−アミノ−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステルの製造:撹拌した4−イソプロピル−2−ニトロ−安息香酸メチルエステル(6.0g、0.027mol)のメタノール(200ml)溶液に、室温でアルゴン下10%パラジウム/活性炭素(5.4g)を添加する。懸濁液の空気を抜き、水素で3回パージし、次いで、室温で18時間撹拌する。反応を次いでアルゴン雰囲気下に置き、セライトのパッドを通して濾過する。セライトパッドを酢酸エチルで洗浄し、濾液および洗浄液を減圧下蒸発して、無色油状物を得る。シクロヘキサン/酢酸エチル(10:1)を溶離剤として使用した、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製により2−アミノ−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステルを得る。
【0041】
d)2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステルの製造:撹拌した2−アミノ−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(4.73g、0.0245mol)のエタノール(100ml)溶液に、室温で、硫酸銀(I)(7.64g、0.0245mol)を添加する。ヨウ素(6.23g、0.0245mol)のエタノール(200ml)溶液を均圧化滴下漏斗を介して室温で添加し、混合物を次いで室温で1時間撹拌する。粗反応混合物のセライトのパッドを通した濾過の後、エタノールを蒸発し、残渣を水/酢酸エチルに分配し、酢酸エチル(3×100ml)で抽出する。酢酸エチル抽出物を合わせ、飽和塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して赤色固体を得る。粗生成物は直接使用し得、またはシクロヘキサン/酢酸エチル(10:1)を溶離剤として使用した、シリカゲルクロマトグラフィー、続くヘキサンからの再結晶により、2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステルを得る。1H NMR(CDCl3, 400MHz)δH(ppm)8.25(1H, s), 6.55(1H, s), 5.69(2H, br s), 3.85(3H, s), 3.06(1H, m), 1.19(6H, d, J = 6.8Hz)。
【0042】
e)4−クロロ−3−フルオロベンゼンボロン酸の製造:撹拌した4−ブロモ−1−クロロ−2−フルオロベンゼン(25g、0.119mol)およびホウ酸トリイソプロピル(30.5ml、0.131mol)の乾燥THF(500ml)溶液を、アルゴン下−100℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5M溶液、52.5ml、0.131mol)を15分にわたり滴下する。反応混合物を徐々に室温まで18時間にわたり暖め、その後2M塩酸(250ml)でクエンチし、室温で一晩撹拌する。THFを減圧下除去し、水性残渣を水(500ml)で希釈し、混合物をジエチルエーテル(3×200ml)で抽出する。合わせたエーテル抽出物を飽和塩水(200ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発し、真空で乾燥して4−クロロ−3−フルオロベンゼンボロン酸と機能的に同等なシクロトリボロキサンの無色固体混合物を得る。
【0043】
f)4−アミノ−4'−クロロ−3'−フルオロ−6−イソプロピル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルの製造:撹拌した4−クロロ−3−フルオロベンゼンボロン酸(12.3g、0.071mol)、2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(18g、0.0564mol)および1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(1.35g、1.65mmol)の乾燥DMF(250ml)中の混合物に、アルゴン下、炭酸ナトリウム(2M水性溶液140ml、0.28mol)を添加する。混合物を80℃で16時間加熱し、室温に冷却し、ジエチルエーテル(500ml)に注ぐ。エーテル層を分離し、水(3×250ml)および次いで飽和塩水(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下蒸発して、褐色油状物を得る。シクロヘキサンおよび次いでシクロヘキサン/酢酸エチル(50:1)を溶離剤として使用した、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製により純粋生成物を得る。不純生成物含有フラクションを併せ、蒸発し、n−ヘキサンと微量の酢酸エチルから再結晶し、4−アミノ−4'−クロロ−3'−フルオロ−6−イソプロピル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを得る。
【0044】
g)6−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンの製造:塩化水素ガスを4−アミノ−4'−クロロ−3'−フルオロ−6−イソプロピル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(12.6g、0.039mol)の乾燥アセトニトリル(250ml)溶液を通して15分、室温でバブリングする。次いでバブリングを停止し、混合物を還流温度で2時間加熱し、室温に冷却し、揮発物を減圧下除去する。無色残渣を水(500ml)に注ぎ、重炭酸ナトリウムを少しずつもはやCO発生が起こらなくなるまで添加する。混合物をジクロロメタン(3×200ml)で抽出し、DCM抽出物を合わせ、連続的に水(50ml)および飽和塩水(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、約50ml容量のDCMまで減圧下濃縮する。得られた懸濁液を濾過し、n−ヘキサンで洗浄し、乾燥して表題化合物を無色固体として得る。濾液および洗浄液を蒸発してベージュ色固体を得、それをヘキサン/DCM中で超音波処理し、濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥してさらに純粋な6−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンを得る。
【0045】
h)6−(4−クロロ−3−シクロプロピルメトキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンの製造:撹拌した6−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オン(6g、0.0185mol)およびシクロプロピルカルビノール(7.35ml、0.09mol)の乾燥N−メチルピロリジノン(75ml)溶液に、少しずつ、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、3.6g、0.09mol)を添加する。添加が完了したとき、混合物を60℃で2時間加熱し、室温に冷却し、水(300ml)に注ぐ。混合物をシクロヘキサン(2×100ml)で抽出して鉱油を除き、次いで酢酸エチル(5×100ml)で抽出する。酢酸エチル抽出物を合わせ、水(200ml)および次いで飽和塩水(100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して無色固体を得る。これを酢酸エチルから再結晶して6−(4−クロロ−3−シクロプロピルメトキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンを乾燥後に得る。1H NMR(CDCl3, 400MHz)δH(ppm)11.51(1H, br s), 8.06(1H, s), 7.69(1H, s), 7.41(1H, d, J = 7.8Hz), 6.87-6.84(2H, m), 3.91(2H, d, J = 6.7Hz), 3.14(1H, m), 2.57(3H, s), 1.33(1H, m), 1.22(6H, d, J = 6.8Hz), 0.67(2H, m), 0.39(2H, m);HPLC RT=6.8分(Phenomenex Luna C18 3ミクロンカラム(30×4.6mm);勾配溶出:3.0mL/分で10分間にわたり10−100%MeCNの水溶液(+0.08%ギ酸));MH+ 383。
【0046】
実施例2:6−(4−クロロ−3−プロポキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンの製造
a)4−ブロモ−1−クロロ−2−プロポキシベンゼンの製造:撹拌したn−プロパノール(10.8ml、0.143mol)の乾燥DMF(250ml)溶液に、0℃で、少しずつ、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、5.72g、0.143mol)を添加する。添加が完了したとき、混合物を0℃で発泡が収まるまで撹拌する。このようにして産生したナトリウムプロポキシドを冷却(0℃)した4−ブロモ−1−クロロ−2−フルオロベンゼン(10g、0.048mol)の乾燥DMF(40ml)溶液に添加し、次いで18時間にわたり室温に暖める。DMFの容量を真空で減少させ、残渣を水(500ml)に注ぐ。混合物をジエチルエーテル(3×200ml)で抽出し、エーテル抽出物を合わせ、水(250ml)および次いで飽和塩水(100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して無色油状物を得る。シクロヘキサンを溶離剤として使用したシリカゲル(110g)カラムクロマトグラフィーでの精製により、4−ブロモ−1−クロロ−2−プロポキシベンゼンを得る。
【0047】
b)4−クロロ−3−プロポキシベンゼンボロン酸の製造:撹拌した4−ブロモ−1−クロロ−2−イソプロポキシベンゼン(11.98g、0.048mol)およびホウ酸トリイソプロピル(12.26ml、0.053mol)の乾燥THF(200ml)溶液を、アルゴン下−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液の21.1ml、0.053mol)を滴下する。反応混合物を徐々に室温に8時間にわたり暖め、その後、2M塩酸(100ml)でクエンチし、室温で一晩撹拌する。ほとんどのTHFを減圧下除去し、混合物をジエチルエーテル(500ml)で希釈する。エーテル層を分離し、水(3×200ml)および次いで飽和塩水(100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して無色固体を得る。これをn−ヘキサンと超音波処理し、濾過し、乾燥して4−クロロ−3−プロポキシベンゼンボロン酸を対応するシクロボロキサンとの2:1混合物として得る。1H NMR(CDCl3, 400MHz)δH(ppm)7.72-7.68(2H, m), 7.50(1H, d, J = 7.8Hz), 7.39(0.5H, d, J = 7.8Hz), 7.31(0.5H, br d), 7.19(0.5H, dd, J 1.2, 7.8Hz), 4.59(0.77H, br s, B(OH)2 partially exchanged), 4.14(2H, t, J = 6.5Hz), 4.04(1H, t, J = 6.5Hz), 1.97-1.91(2H, m), 1.90-1.83(1H, m), 1.13(3H, t, J = 7.4Hz), 1.08(1.5H, t, J = 7.4Hz)。
【0048】
c)4−アミノ−4'−クロロ−6−イソプロピル−3'−プロポキシ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルの製造:撹拌した4−クロロ−3−プロポキシベンゼンボロン酸(4.4g、0.021mol)、2−アミノ−5−ヨード−4−イソプロピル−安息香酸メチルエステル(5.24g、0.0164mol)および1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(0.4g、0.49mmol)の乾燥DMF(100ml)中の混合物にアルゴン下炭酸ナトリウム(2M水性溶液41ml、0.082mol)を添加する。混合物を80℃で16時間加熱し、室温に冷却し、ジエチルエーテル(500ml)に注ぐ。エーテル層を分離し、水(3×200ml)および次いで飽和塩水(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下蒸発して、褐色シロップを得る。シクロヘキサンおよび次いでシクロヘキサン/酢酸エチル(50:1)を溶離剤として使用した、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー、続くn−ヘキサンからの再結晶による精製により、4−アミノ−4'−クロロ−6−イソプロピル−3'−プロポキシ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを得る。
【0049】
d)6−(4−クロロ−3−プロポキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オンの製造:塩化水素ガスを4−アミノ−4'−クロロ−6−イソプロピル−3'−プロポキシ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(4.9g、0.0136mol)の乾燥アセトニトリル(100ml)溶液を通して、15分、室温でバブリングする。次いでバブリングを停止し、混合物を還流温度で90分加熱し、室温に冷却し、揮発物を減圧下除去する。無色残渣を水(500ml)と酢酸エチル(250ml)に分配し、重炭酸ナトリウムをもはやCO発生が起こらなくなるまで添加する。酢酸エチル相を分離し、連続的に水(200ml)および飽和塩水(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で蒸発する。得られた無色固体を沸騰n−ヘキサン(250ml)に懸濁し、酢酸エチル(250ml)を固体が溶解するまで添加する。冷却すると、無色結晶生成物(6−(4−クロロ−3−プロポキシ−フェニル)−7−イソプロピル−2−メチル−3H−キナゾリン−4−オン)となり、さらに純粋な物質を母液の蒸発により回収する。1H nmr(CDCl3, 400MHz)δH(ppm)10.36(1H, br s), 8.06(1H, s), 7.68(1H, s), 7.41(1H, d, J = 8.0Hz), 6.86(1H, d, J = 1.8Hz), 6.83(1H, dd, J = 1.8, 8.0Hz), 4.01(2H, t, 6.5Hz), 3.15(1H, m), 2.55(3H, s), 1.91-1.85(2H, m), 1.22(6H, d, J = 6.8Hz), 1.08(3H, t, J = 7.4Hz);計算値C 68.01%、H 6.25%、N 7.55%;実測値C 67.71%、H 6.00%、N 7.46%;融点236℃;HPLC RT=7.04分(Phenomenex Luna C18 3ミクロンカラム(30×4.6mm);勾配溶出:3.0mL/分で10分間にわたり10−100%MeCNの水溶液(+0.08%ギ酸));MH+ 371。
【0050】
以下の実施例において、Rがイソプロピルであり、Rがメチルである式Iの化合物を、上記実施例に準じて製造する:
【表2】

【表3】

【0051】
実施例59:2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−7−イソプロピル−3H−キナゾリン−4−オンの製造
a)4−アミノ−4'−クロロ−6−イソプロピルビフェニル−3−カルボン酸の製造:4−アミノ−4'−クロロ−6−イソプロピルビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル[上記実施例に準じて製造](0.95g、3.13mmol)のメタノール(20mL)中の懸濁液を、窒素雰囲気下、5M KOH溶液(12mL)で処理し、混合物を80℃で1時間加熱する。室温に冷却して、混合物を酢酸エチル(50mL)と水(100mL)に分配し、抽出する。水性相を新鮮な酢酸エチル(50mL)で洗浄する。水性相をconc.HCl溶液でpH3に酸性化し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出する。合わせた有機層を乾燥し(無水MgSO)、濾過し、溶媒を減圧下除去して、粗表題化合物を褐色半固体残渣として得る。これをさらに精製せずに使用するが、小量のサンプルをフラッシュクロマトグラフィー(1:1酢酸エチル−ヘキサン)で分析目的で精製する。
【0052】
b)6−(4−クロロフェニル)−7−イソプロピル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオンの製造:撹拌した4−アミノ−4'−クロロ−6−イソプロピルビフェニル−3−カルボン酸(0.8g、2.76mmol)の無水ジオキサン(15mL)中の懸濁液を、室温でクロロギ酸トリクロロメチル(2.18g、11.04mmol)で処理する。混合物を還流温度で6時間加熱する。室温に冷却すると、メタノール(3mL)を添加し、混合物を減圧下蒸発により濃縮する。残った褐色固体を無水エタノールから再結晶して、表題化合物をオフホワイト色結晶として得る。
【0053】
c)2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−7−イソプロピル−3H−キナゾリン−4−オンの製造:撹拌した6−(4−クロロフェニル)−7−イソプロピル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(0.216g、0.68mmol)、2−エチル−2−チオシュードウレアヒドロブロミド(0.126g、0.68mmol)およびNaCO(0.145g、1.37mmol)のMeCN(10mL)中の懸濁液を、還流温度で35分加熱する。コンデンサーを外し、溶媒のバルクを除く。m−キシレン(6mL)を添加し、コンデンサーを再び設置し、油浴の温度を150℃に上げる。NaOHの小ペレットを添加し、混合物を還流温度で2.5時間加熱する。室温に冷却すると、混合物を0.5M NaOH溶液(150mL)と酢酸エチル(50mL)に分配し、抽出する。水性相を新鮮な酢酸エチル(50mL)で抽出する。合わせた有機層を塩水(100mL)で逆洗し、乾燥する(無水MgSO)。溶媒を減圧下除去して、粗表題化合物をオフホワイト色固体として得る。これを無水エタノールから再結晶し、純粋化合物を得る。Mp 326−330℃。1H nmr(DMSO-d6, 400MHz)δH(ppm)10.89(1H, s, D2Oと交換), 7.58(1H, s), 7.5-7.47(2H, dd, J=1.8, 8.4 Hz), 7.33-7.31(2H, dd, J=1.8, 6.5 Hz), 7.18(1H, s), 6.31(2H, br s, D2Oと交換), 2.98-2.94(1H, m), 1.13-1.12(6H, d, J=6.8 Hz)。HPLC RT=4.4分(Phenomenex Luna C18 3ミクロンカラム(30×4.6mm);勾配溶出:3.0mL/分で10分間にわたり10−100%MeCNの水溶液(+0.08%ギ酸));MH+ 314.06(100%)。
【0054】
以下の実施例において、Rがイソプロピルであり、RがNHである式Iの化合物を、上記実施例59に準じて製造する:
【表4】

【0055】
以下の実施例において、Rがイソプロピルであり、Rがメチルである式Iの化合物を、実施例1または2に準じて製造する:
【表5】

HPLC条件:
*Phenomenex Kingsorb 3ミクロンC18カラム(30×4.6mm)、勾配溶出3.0mL/分で10分間にわたり10−100%MeCNの水溶液(+0.1%TFA)。
**Phenomenex Luna逆相C18 3ミクロン30×4.6mm;勾配溶出10分(流速=3.0mL/分)にわたり、10%MeCNの水(+0.08%ギ酸)溶液から100%MeCN。
【0056】
実施例72:軟カプセル
各々0.05gの前記実施例に記載の式Iの化合物の一つを含む、5000個の軟ゼラチンカプセルを以下のように製造する:
【表6】

製造法:粉砕した活性成分をLauroglykol(登録商標)(プロピレングリコールラウレート、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)に懸濁し、湿式微粉機で約1から3μmの粒子サイズまで挽く。次いでカプセル充填機を使用して混合物の0.419gずつを軟ゼラチンカプセルに充填する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基または酸付加塩形の式I
【化1】

〔式中、
はhal;
【化2】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化3】

または
−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化4】

であり;
YはOまたはNR13であり;
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16はH;hal;またはC−Cアルキルである;
但し、RとRが両方ともヨードまたはクロロであり、Rがメチルである式Iの化合物、および、RとRが両方ともフルオロおよびブロモから選択され、Rがブチルである式Iの化合物を除く。〕
のキナゾリノン。
【請求項2】
がhal;
【化5】

であり;
XがNまたはCRであり;
がC−Cアルキルであり;
がC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
がH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化6】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aが
【化7】

であり;
YがOまたはNR13であり;
そしてnが0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRが独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRが独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10が独立してHまたはhalであり;
11がH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12がH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13がHまたはC−Cアルキルであり;
14がH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16が独立してH;hal;またはC−Cアルキルである、
遊離塩基または酸付加塩形の、請求項1記載の式Iのキナゾリノン。
【請求項3】
がhal;
【化8】

であり;
XがNまたはCRであり;
がC−Cアルキルであり;
がC−Cアルキルまたはアミノであり;
がhal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ置換されているC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aが
【化9】

であり;
YがOまたはNR13であり、
そしてnが0、1または2であり;
およびRがH;hal;またはC−Cアルコキシであり;
およびRが独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10が独立してHまたはhalであり;
12がHであり;
13がC−Cアルキルであり;
14がH;またはC−Cアルコキシであり;そして
15およびR16がHである、
遊離塩基または酸付加塩形の、請求項1または2に記載のキナゾリノン。
【請求項4】
がhal;
【化10】

であり;
がhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
がC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
がH;hal;ヒドロキシ;C−Cアルキル;C−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;ハロゲノC−Cアルコキシ;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化11】

であり;
ここで、nが0、1、2、3、4、5または6であり;
、R、R11およびR14が、独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12がHまたはC−Cアルキルであり;そして
およびR10が、独立してHまたはhalである;
但し、RとRの両方がヨードまたはクロロであり、Rがメチルである式Iの化合物、および、RとRの両方がフルオロおよびブロモから選択され、Rがブチルである式Iの化合物は除く、
遊離塩基または酸付加塩形の、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項5】
式II
【化12】

〔式中、RおよびRは、請求項1で定義の通りである。〕
の化合物。
【請求項6】
請求項1記載の式Iの化合物、またはその塩の製造法であり、
a)RがNHではない式Iの化合物の製造のために、式II
【化13】

〔式中、RおよびRは、請求項1で定義の通りである。〕
の化合物と、式III
【化14】

〔式中、Rは、請求項1で定義の通りである。〕
の化合物を反応させるか;または
b)RがNHである式Iの化合物の製造のために、式IV
【化15】

〔式中、RおよびRは、請求項1で定義の通りである。〕
の化合物と、2−エチル−2−チオシュードウレアヒドロブロミドを反応させ;
そして、得られた化合物を、遊離または塩形で回収する
段階を含む、方法。
【請求項7】
医薬として使用するための、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
バニロイドレセプター活性化が役割を担う疾患または状態の処置または予防に使用するための、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式I
【化16】

〔式中、
はhal;
【化17】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化18】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化19】

であり;
YはOまたはNR13であり、
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16は独立してH;hal;またはC−Cアルキルである。〕
のキナゾリノン。
【請求項9】
遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の、請求項1から4のいずれかに記載の化合物を、薬学的担体または希釈剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項10】
バニロイドレセプター活性化が役割を担うまたは関与する疾患または状態の処置または予防のための医薬としての、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式I
【化20】

〔式中、
はhal;
【化21】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化22】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化23】

であり;
YはOまたはNR13であり;
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16は独立してH;hal;またはC−Cアルキルである。〕
のキナゾリノンの使用。
【請求項11】
バニロイドレセプター活性化が役割を担うまたは関与する疾患または状態の処置または予防用医薬の製造のための、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式I
【化24】

〔式中、
はhal;
【化25】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化26】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化27】

であり、
YはOまたはNR13であり;
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16は独立してH;hal;またはC−Cアルキルである。〕
のキナゾリノンの使用。
【請求項12】
バニロイドレセプター活性化が役割を担うまたは関与する疾患または状態を処置または予防する方法であり、それを必要とする哺乳類に、治療的有効量の、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式I
【化28】

〔式中、
はhal;
【化29】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化30】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化31】

であり;
YはOまたはNR13であり;
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16は独立してH;hal;またはC−Cアルキルである。〕
のキナゾリノンを投与することを含む、方法。
【請求項13】
式I
【化32】

〔式中、
はhal;
【化33】

であり;
XはNまたはCRであり;
はhal;ニトロ;C−Cアルキルカルボニル;C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
はC−Cアルキル;C−Cアルコキシまたはアミノであり;
はH;hal;ヒドロキシ;アミノ;C−Cアルキル−アミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cアルキル;非置換またはハロゲンもしくはヒドロキシによりモノ−、ジ−またはトリ置換されたC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルコキシ;C−CアルコキシC−Cアルキル;シクロアルキル残基をC−Cアルキルで置換され得るC−CシクロアルキルまたはC−CシクロアルキルC−Cアルコキシ;C−Cアルコキシカルボニル;C−Cアルケニルオキシ;(C−Cアルキル)N−C−Cアルコキシ;C−Cアルキル−スルファニル;C−Cアルキル−スルファニルC−Cアルコキシ、
【化34】

または−O−[CH]−Aであり、ここで、Aは
【化35】

であり;
YはOまたはNR13であり;
そして、nは0、1、2、3、4、5または6であり;
およびRは独立してH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
およびRは独立してHまたはC−Cアルキルであり;
およびR10は独立してHまたはhalであり;
11はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
12はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;
13はHまたはC−Cアルキルであり;
14はH;hal;C−Cアルコキシ;またはC−Cアルキルであり;そして
15およびR16は独立してH;hal;またはC−Cアルキルである。〕
のキナゾリノン、および担体を含む、バニロイドレセプター活性化が役割を担うまたは関与する疾患または状態の処置のための医薬組成物。


【公表番号】特表2006−503875(P2006−503875A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542493(P2004−542493)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011276
【国際公開番号】WO2004/033435
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】