説明

抗癌剤としての置換キナゾロン類

本発明は、式(I)で示される化学化合物又はその製薬的に受容される塩に関する、これらの化合物は、B Raf阻害活性を有し、それ故、それらの抗癌活性のために、したがって、ヒト又は動物体の治療方法に有用である。本発明はまた、前記化学化合物の製造方法、それらを含有する薬剤組成物、及び例えばヒトのような温血動物における抗癌効果の発現に用いる薬剤の製造へのそれらの使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、B−Raf阻害活性を有する化学化合物又はその製薬的に受容される塩であって、それゆえに、それらの抗癌活性のために有用であり、したがって、ヒト又は動物体の治療方法に有用である化学化合物又はその製薬的に受容される塩に関する。本発明はまた、前記化学化合物の製造方法、前記化合物を含有する薬剤組成物、及び例えばヒトのような温血動物における抗癌効果の発現に用いるための薬剤の製造における前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
古典的なRas、Raf、MAPプロテインキナーゼ/細胞外シグナル制御キナーゼキナーゼ(MEK)、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)経路は、細胞増殖、分化、生残、固定化及び血管新生を包含する、細胞環境に依存する、多様な細胞機能の制御に中心的な役割を果たす(Peyssonnaux and Eychene, Biology of the Cell, 2001, 93,3-62において考察)。この経路において、Rafファミリーのメンバーは、グアノシン三リン酸(GTP)負荷Rasに結合して、Rafタンパク質のリン酸化と活性化を生じてから、原形質膜に補充される。次に、活性化Rafは、MEKをリン酸化し、活性化し、このMEKが次には、ERKをリン酸化し、活性化する。活性化されると、ERKは細胞質から核に転位して、例えばElk−IとMycのような転写因子の活性化及び活性の制御を生じる。
【0003】
Ras/Raf/MEK/ERK経路は、不死化、増殖因子非依存性増殖、増殖阻害シグナルへの非感受性、侵入及び転移能力、血管新生の刺激並びにアポトーシス阻害を誘導することによって、発癌性表現型に寄与すると報告されている(Kolch et al., Exp.Rev. Mol. Med., 2002, 25 April, http://www.expertreviews.org/02004386h.htmにおいて考察)。実際に、ERKリン酸化は、ヒト腫瘍全体の約30%において、増強されている(Hoshino et al., Oncogene, 1999, 18, 813-822)。これは、該経路の重要メンバーの過度発現及び/又は突然変異の結果であると考えられる。
【0004】
3種類のRafセリン/スレオニン・プロテインキナーゼ・アイソフォームは、Raf−1/c−Raf、B−Raf及びA−Rafであると報告されており(Mercer and Pritchard, Biochim. Biophys. Acta, 2003, 1653, 25-40において考察)、これらの遺伝子は、遺伝子重複から発生したと考えられる。3種類のRaf遺伝子の全てが、大抵の組織で発現され、神経組織ではB−Rafが、そして尿生殖器組織ではA−Rafが高レベル発現する。高度に相同なRafファミリーメンバーは、重複するが異なる生化学的活性及び生物学的機能を有する(Hagemann and Rapp, Expt. Cell Res. 1999, 253, 34-46)。3種類のRaf遺伝子の全ての発現が、正常なネズミ発達のために必要であるが、完全な妊娠のためには、c−RafとB−Rafの両方が必要である。B−Raf−/−マウスは、E12.5において、内皮細胞のアポトーシス増加によって惹起される血管出血のために死亡する(Wojnowski et al., Nature Genet., 1997, 16, 293-297)。B−Rafは、報告によると、細胞増殖に関与する主要なアイソフォームであり、発癌性Rasの一次標的である。活性化体細胞ミスセンス突然変異は、B−Rafに関して排他的に同定されており、悪性皮膚黒色腫では66%の頻度で発生し(Davies et al., Nature, 2002, 417, 949-954)、非限定的に、乳頭状甲状腺腫瘍(Cohen et al., J. Natl. Cancer Inst., 2003, 95, 625-627)、胆管癌(Tannapfel et al., Gut, 2003, 52, 706-712)、大腸癌及び卵巣癌 (Davies et al., Nature, 2002, 417, 949-954)を含めた、広範囲なヒトの癌にも存在する。B−Rafにおける最も頻繁な突然変異(80%)は、600位におけるバリン置換のためのグルタミン酸である。これらの突然変異は、B−Rafの基底キナーゼ活性を高め、Ras及び増殖因子受容体活性化を含めた、上流増殖駆動部からのRaf/MEK/ERKシグナリングを分離して、ERKの構成的活性化を生じると考えられる。突然変異したB−Rafタンパク質は、NIH3T3細胞において(Davies et al., Nature, 2002, 417, 949-954)及びメラニン細胞において(Wellbrock et al., Cancer Res., 2004, 64, 2338-2342)トランスフォーミングし、さらに、黒色腫細胞の生存率とトランスフォーメーションのために重要であると判明している(Hingorani et al., Cancer Res., 2003, 63, 5198-5202)。Raf/MEK/ERKシグナリングカスケードの重要な駆動体(driver)として、B−Rafは、この経路に依存する腫瘍における有望な介入点を表す。
【発明の開示】
【0005】
AstraZeneca出願WO 00/55153は、例えば腫瘍壊死因子(TNF)のようなサイトカイン、特にTNFαの産生及び種々なインターロイキン、特にIL−1の産生の阻害剤である、ある一定のキナゾリノンを開示している。本発明者は、驚くべきことに、ある一定の、他の新規なキナゾリノンが強力なB−Raf阻害剤であり、したがって、腫瘍疾患の治療に有用であると期待されることを発見している。
【0006】
したがって、本発明は、式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
[式中、
環Aは、5員若しくは6員カルボサイクリル又は5員若しくは6員ヘテロサイクリルであり、この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該Nは場合によってはR20から選択される基によって置換されうる;
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、ウレイド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N’−(C−Cアルキル)ウレイド、N’,N’−(C−Cアルキル)ウレイド、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R16−又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリル基が−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R17−又はヘテロサイクリル−R17−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR10によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R11から選択される基によって置換されることができる;
は、炭素上の置換基であり、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R18−又はヘテロサイクリル−R18−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R13から選択される基によって置換されることができる;
nは、1〜4から選択され;この場合に、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい;
、R10及びR12は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R19−又はヘテロサイクリル−R19−から独立的に選択される;この場合、R、R10及びR12は、それぞれ独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができる;
16、R17及びR19は、直接結合、−O−、−N(R21)−、−C(O)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−S(O)−、−SON(R21)−又は−N(R21)SO−から独立的に選択される;この場合、R21は水素又はC−Cアルキルであり、sは0〜2である;
18は、−N(R22)−、−C(O)−、−N(R22)C(O)−、−C(O)N(R22)−、−S(O)−、−SON(R22)−又は−N(R22)SO−から選択される;この場合、R22は水素又はC−Cアルキルであり、sは0〜2である;
、R11、R13、R15及びR20は、C−Cアルキル、C−Cアルカノイル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから独立的に選択される;
14は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル又はN−メチル−N−エチルスルファモイルから選択される]
で示される化合物、又はその製薬的に受容される塩を提供する、但し、前記化合物は、2−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−(アセチルアミノ)−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−フルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;2−メトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−エトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンズアミド;3−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;4−メトキシ−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミド;又は4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドのいずれでもないことを条件とする。
【0009】
本発明の他の態様によると、式(I):
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、
環Aは、カルボサイクリル又はヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができる;
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R16−又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択され;この場合、R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R17−又はヘテロサイクリル−R17−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR10によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R11から選択される基によって置換されることができる;
は、炭素上の置換基であり、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R18−又はヘテロサイクリル−R18−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R13から選択される基によって置換されることができる;
nは、0〜4から選択され;この場合に、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい;
、R10及びR12は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R19−又はヘテロサイクリル−R19−から独立的に選択される;この場合、R、R10及びR12は、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができる;
16、R17、R18及びR19は、直接結合、−O−、−N(R21)−、−C(O)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−S(O)−、−SON(R21)−又は−N(R21)SO−から独立的に選択される;この場合、R21は水素又はC−Cアルキルであり、sは0〜2である;
、R11、R13、R15及びR20は、C−Cアルキル、C−Cアルカノイル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから独立的に選択される;
14は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル又はN−メチル−N−エチルスルファモイルから選択される]
で示される化合物、又はその製薬的に受容される塩を提供する。
【0012】
本明細書において、「アルキル」なる用語は、直鎖及び分枝鎖の両方のアルキル基を包含する。例えば「プロピル」のような、個々のアルキル基への言及は、直鎖バージョンのみを特定し、例えば「イソプロピル」のような、個々の分枝鎖アルキル基への言及は、分枝鎖バージョンのみを特定する。例えば、「C−Cアルキル」なる用語は、C−Cアルキル、C−Cアルキル、プロピル、イソプロピル及びt−ブチルを包含する。同様な約束事は、他のラジカルにも適用され、例えば「フェニルC−Cアルキル」は、フェニルC−Cアルキル、ベンジル、1−フェニルエチル及び2−フェニルエチルを包含する。「ハロ」なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
【0013】
任意の置換基が「1つ以上」の基から選択される場合には、この定義が、指定された基の1つ又は2つ以上の指定された基から選択される置換基から選択される、全ての置換基を包含することを理解すべきである。
【0014】
「ヘテロサイクリル」とは、4〜12原子を含有し、そのうちの少なくとも1つの原子が、窒素、硫黄若しくは酸素から選択される、飽和、部分的飽和若しくは不飽和の単環又は二環であり、これは、特に指定しない限り、炭素若しくは窒素結合することができ、この場合、−CH−基は場合によっては−C(O)−と交換されることができ、環の硫黄原子は場合によっては酸化されて、S−酸化物を形成することができる。「ヘテロサイクリル」なる用語の例及び適当な意味は、モルホリノ、ピペリジル、ピリジル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、インドリル、キノリル、チエニル、1,3−ベンゾジオキソリル、チアジアゾリル、ピペラジニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、チオモルホリノ、ピロリニル、ホモピペラジニル、3,5−ジオキサピペリジニル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、N−メチルピロリル、4−ピリドン、1−イソキノロン、2−ピロリドン、4−チアゾリドン、ピリジン−N−オキシド、及びキノリン−N−オキシドである。「ヘテロサイクリル」なる用語の特別な例は、ピラゾリルである。本発明の1つの態様では、「ヘテロサイクリル」は、5原子若しくは6原子を含有し、そのうちの少なくとも1つの原子が、窒素、硫黄若しくは酸素から選択される、飽和、部分的飽和又は不飽和の単環であり、これは、特に指定しない限り、炭素若しくは窒素結合することができ、−CH−基は場合によっては−C(O)−と交換されることができ、環の硫黄原子は場合によっては酸化されて、S−酸化物を形成することができる。「ヘテロサイクリル」なる用語の他の例及び適当な意味は、ピリジル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピペリジニル、アゼチジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、モルホリノ、ピペラジニル、オキシラニル、イミダゾリル及びテトラヒドロフラニルである。
【0015】
「5員若しくは6員ヘテロサイクリル」とは、5原子若しくは6原子を含有し、そのうちの少なくとも1つの原子が、窒素、硫黄若しくは酸素から選択される、飽和、部分的飽和又は不飽和の単環であり、これは、特に指定しない限り、炭素若しくは窒素結合することができ、この場合、−CH−基は場合によっては−C(O)−と交換されることができ、環の硫黄原子は場合によっては酸化されて、S−酸化物を形成することができる。「5員若しくは6員ヘテロサイクリル」なる用語の例と適当な意味は、モルホリノ、ピペリジル、ピリジル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアジアゾリル、ピペラジニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、チオモルホリノ、ピロリニル、3,5−ジオキサピペリジニル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、4−ピリドン、2−ピロリドン及び4−チアゾリドンである。
【0016】
「カルボサイクリル」とは、3〜12原子を含有する、飽和、部分的飽和又は不飽和の単環状若しくは二環状炭素環であり;この場合に、−CH−基は場合によっては−C(O)−と交換されることができる。特に、「カルボサイクリル」は、5若しくは6原子を含有する単環又は9若しくは10原子を含有する二環である。「カルボサイクリル」の適当な意味は、シクロプロピル、シクロブチル、1−オキソシクロペンチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、テトラリニル、インダニル又は1−オキソインダニルである。「カルボサイクリル」の特別な例は、フェニルである。「カルボサイクリル」の他の特別な例は、シクロプロピルである。
【0017】
「5員若しくは6員カルボサイクリル」とは、5若しくは6炭素原子を含有する、飽和、部分的飽和又は不飽和の単環状炭素環であり;この場合に、−CH−基は場合によっては−C(O)−と交換されることができる。「カルボサイクリル」の適当な意味は、シクロプロピル、シクロブチル、1−オキソシクロペンチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、及びフェニルである。「5員若しくは6員カルボサイクリル」の特別な例は、フェニルである。
【0018】
「C−Cアルカノイルオキシ」の例は、アセトキシである。「C−Cアルコキシカルボニル」の例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−及びt−ブトキシカルボニルを包含する。「C−Cアルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ及びプロポキシを包含する。「C−Cアルカノイルアミノ」の例は、ホルムアミド、アセトアミド及びプロピオニルアミノを包含する。「C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)」の例は、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル及びエチルスルホニルを包含する。「C−Cアルカノイル」の例は、プロピオニル及びアセチルを包含する。「N−(C−Cアルキル)アミノ」の例は、メチルアミノ及びエチルアミノを包含する。「N,N−(C−Cアルキル)アミノ」の例は、ジ−N−メチルアミノ、ジ−(N−エチル)アミノ及びN−エチル−N−メチルアミノを包含する。「C−Cアルケニル」の例は、ビニル、アリル及び1−プロペニルである。「C−Cアルキニル」の例は、エチニル、1−プロピニル及び2−プロピニルである。「N−(C−Cアルキル)スルファモイル」の例は、N−(メチル)スルファモイル及びN−(エチル)スルファモイルである。「N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル」の例は、N,N−(ジメチル)スルファモイル及びN−メチル−N−(エチル)スルファモイルである。「N−(C−Cアルキル)カルバモイル」の例は、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、メチルアミノカルボニル及びエチルアミノカルボニルである。「N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル」の例は、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、ジメチルアミノカルボニル及びメチルエチルアミノカルボニルである。N,N−(ジメチル)スルファモイル及びN−メチル−N−(エチル)スルファモイルである。「C−Cアルキルスルホニル」の例は、メシル、エチルスルホニル及びイソプロピルスルホニルである。「C−Cアルキルスルホニルアミノ」の例は、メシルアミノ、エチルスルホニルアミノ及びイソプロピルスルホニルアミノである。「N’−(C−Cアルキル)ウレイド」の例は、N’−メチルウレイド及びN’−エチルウレイドである。「N’,N’−(C−Cアルキル)ウレイド」の例は、N’,N’−ジメチルウレイド及びN’−メチル−N’−エチルウレイドである。
【0019】
本発明化合物の適当な製薬的に受容される塩は、例えば、充分に塩基性である本発明化合物の酸付加塩、例えば、無機酸若しくは有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸又はマレイン酸による酸付加塩である。さらに、充分に酸性である本発明化合物の適当な製薬的に受容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム若しくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム若しくはマグネシウム塩、アンモニウム塩、生理的に受容されるカチオンを放出する有機塩基による塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンによる塩である。
【0020】
式(I)で示される、一部の化合物は、キラル中心及び/又は幾何学的中心を有することができる(E−及びZ−異性体)、そして、本発明が、B−Raf阻害活性を有する、このような光学的異性体、ジアステレオマー及び幾何学的異性体の全てを包含することを理解すべきである。本発明はさらに、B−Raf阻害活性を有する、式(I)化合物のいずれかの及び全ての互変異性型に関する。
【0021】
ある一定の式(I)化合物は、溶媒和形並びに非溶媒和形、例えば水和形で存在しうることも、理解すべきである。本発明が、B−Raf阻害活性を有する、このような溶媒和形の全てを包含することを、理解すべきである。
【0022】
可変な基の特定の意味は、下記のとおりである:このような意味は、本明細書の上記又は下記で定義される、定義、特許請求の範囲又は実施態様のいずれによっても妥当である場合に用いることが可能である。
【0023】
環Aはカルボサイクリルである。
環Aはヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができる。
【0024】
環Aは5員若しくは6員カルボサイクリルである。
環Aは5員若しくは6員ヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができる。
【0025】
環Aはヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができ;この場合に、R20はC−Cアルキルである。
【0026】
環Aは、フェニル又はピラゾリルであり、この場合に、前記ピラゾリルは、場合によっては、R20から選択される基によって、窒素上で置換されることができ;この場合に、R20はC−Cアルキルである。
【0027】
環Aは、フェニル、ピリジル、チエニル又はピラゾリルであり、この場合に、前記ピラゾリルは、場合によっては、R20から選択される基によって、窒素上で置換されることができ;この場合に、R20はC−Cアルキルである。
【0028】
環Aは、フェニル又は1−t−ブチルピラゾリルである。
環Aは、フェニル、1−t−ブチルピラゾル−5−イル、1−メチルピラゾル−5−イル、ピリダ−2−イル、ピリダ−3−イル、ピリダ−4−イル、チエン−2−イル及びチエン−3−イルである。
【0029】
環Aはフェニルである。
環Aは1−t−ブチルピラゾリルである。
環Aは、1−t−ブチルピラゾル−5−イル、1−メチルピラゾル−5−イル、ピリダ−2−イル、ピリダ−3−イル、ピリダ−4−イル、チエン−2−イル及びチエン−3−イルである。
【0030】
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、ウレイド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N’−(C−Cアルキル)ウレイド、N’,N’−(C−Cアルキル)ウレイド、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ又はカルボサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる。
【0031】
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができ;この場合、
は、ヒドロキシ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル又はヘテロサイクリル−R19−から選択される;
16とR19は、直接結合又は−N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;そして、
は、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシカルボニルから選択される。
【0032】
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N’−(C−Cアルキル)ウレイド、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R16−又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
は、ヒドロキシ、アミノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル又はヘテロサイクリル−R19−から選択される;この場合、R、R10及びR12は、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができる;
16とR19は、直接結合、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−又は−C(O)N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;
とR15は、C−Cアルキル及びC−Cアルコキシカルボニルから独立的に選択される;
14はメトキシである。
【0033】
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、アゼチジニル−R16−、ピリミジニル−R16−、ピラゾリル−R16−、ピロリル−R16−、ピリジル−R16−、ピペラジニル−R16−又はモルホリノ−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;この場合、
は、ヒドロキシ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、オキシラニル−R19−、ピペリジニル−R19−、モルホリノ−R19−、ピリジル−R19−又はピロリジニル−R19−から選択される;
16とR19は、直接結合又は−N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;そして
は、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシカルボニルから選択される。
【0034】
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メチル、プロピル、プロピニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N’−メチルウレイド、メシルアミノ、シクロプロピル−R16−、ピリジル−R16−、ピロリル−R16−、ピリミジニル−R16−、ピロリジニル−R16−、ピラゾリル−R16−、ピペリジニル−R16−、アゼチジニル−R16−、1,2,3−チアジアゾリル−R16−、1,3,4−チアジアゾリル−R16−、モルホリノ−R16−又はピペラジニル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ピペラジニルは、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
は、ヒドロキシ、アミノ、メチル、メトキシ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、オキシラニル−R19−、モルホリノ−R19−、ピリジル−R19−、ピペリジニル−R19−、ピペラジニル−R19−、イミダゾリル−R19−、テトラヒドロフラニル−R19−又はピロリジニル−R19−から選択される;この場合、R、R10及びR12は、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができ;そして、前記ピペラジニルは、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができる;
16とR19は、直接結合、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−又は−C(O)N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;
とR15は、メチル、エチル、イソプロピル及びt−ブトキシカルボニルから独立的に選択される;
14はメトキシである。
【0035】
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシ、メトキシ、ピリミジン−5−イル、ピラゾル−4−イル、ピロル−2−イル、ピリダ−3−イル、モルホリノ、4−エチルピペラジン−1−イル、アゼチジン−3−イルアミノ、1−t−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−イルアミノ、N−メチルカルバモイルメチルアミノ、2-ピロリジン−1−イルエチルアミノ、2−ピリダ−2−イルエチルアミノ、2-ピペリジン−1−イルエチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、3−ジメチルアミノプロピルアミノ、オキシラン−2−イルメトキシ、2−ジメチルアミノエトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、2−モルホリノエトキシ、2−ピぺリジン−1−イルエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシから独立的に選択される。
【0036】
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メチル、3−ジメチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、3−アセチルアミノプロピル、メトキシ、N−メチルカルバモイル、N−(2−エトキシエチル)カルバモイル、N−(2−ジメチルアミノエチル)カルバモイル、N−[2−(イミダゾル−4−イル)エチル]カルバモイル、3−(アミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(アセチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(メチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、N’−メチルウレイド、メシルアミノ、2−(ジメチルアミノ)エトキシ、2−(ジエチルアミノ)エトキシ、3−(ジメチルアミノ)プロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ、2−(ピロリジノ)エトキシ、オキシラニルメトキシ、3−(1−メチルピペラジン−4−イル)プロポキシ、2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ、2−(ピリダ−2−イル)エチルアミノ、1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルアミノ、アゼチジン−3−イルアミノ、(N−メチルカルバモイル)メチルアミノ、テトラヒドロフラン−2−イルメチルアミノ、2−メトキシエチルアミノ、3−(ピペリジン−1−イル)プロピルアミノ、シクロプロピルアミノカルボニル、シクロプロピルカルボニルアミノ、ピラゾル−3−イルアミノカルボニル、1,3,4−チアジアゾル−2−イルアミノカルボニル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イルアミノカルボニル、1,2,3−チアジアゾル−4−イルカルボニルアミノ、1−エチルピペラジン−4−イル、1−イソプロピルピペラジン−4−イル、モルホリノ、アゼチジン−3−イルアミノ、ピリダ−3−イル、ピロル−2−イル、ピラゾル−4−イル、ピリミジン−5−イル、3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル、4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル、(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル及び1−メチルピペラジン−4−イルから独立的に選択される。
【0037】
は水素である。
は、C−Cアルキルから選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができ;R12は、ハロ又はシアノから選択される。
【0038】
は、炭素上の置換基であり、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルキルS(O)(式中、aは2である)、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R18−又はヘテロサイクリル−R18−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができる;
12は、ハロ又はシアノから選択される;
18は、−S(O)−又は−N(R22)SO−であり;この場合、R22は水素であり、sは0〜2である。
【0039】
は、メチル、トリフルオロメチル又は1−シアノ−1−メチルエチルから選択される。
は、フルオロ、クロロ、メチル、t−ブチル、メトキシ、メシル、シクロプロピルアミノスルホニル、アゼチジン−1−イルスルホニル、モルホリノスルホニル、メシルアミノ、トリフルオロメチル又は1−シアノ−1−メチルエチルから選択される。
【0040】
nは、0〜2から選択され;この場合、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい。
nは、0〜1から選択される。
【0041】
nは、1又は2から選択され;この場合、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい。
nは2であり;この場合、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい。
【0042】
nは1である。
nは0である。
環A、R及びnは一緒に、3−トリフルオロメチルフェニル、3−(1−シアノ−1−メチルエチル)フェニル又は1−t−ブチル−3−メチルピラゾリルを形成する。
【0043】
それ故、本発明の他の態様では、式(I)(上記に示す)[式中、
環Aはカルボサイクリル又はヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができる;
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;この場合、
は、ヒドロキシ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル又はヘテロサイクリル−R19−から選択される;
16とR19は、直接結合又は−N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;
は、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシカルボニルから選択される;
は水素である;
は、C−Cアルキルから選択される;この場合に、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができ;この場合、R12は、ハロ又はシアノから選択される;
nは1である;そして、
20はC−Cアルキルである]
で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する。
【0044】
したがって、本発明の他の態様では、式(I)(上記に示す)[式中、
環Aはカルボサイクリル又はヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができる;
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;この場合、
は、ヒドロキシ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル又はヘテロサイクリル−R19−から選択される;
16とR19は、直接結合又は−N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;
は、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシカルボニルから選択される;
は水素である;
は、C−Cアルキルから選択される;この場合に、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができ;この場合、R12は、ハロ又はシアノから選択される;
nは1である;そして、
20はC−Cアルキルである]
で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する;但し、前記化合物が、2−メチル−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−7−カルボキサミド;2,2−ジメチル−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}クロマン−6−カルボキサミド;又は4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキサキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドのいずれでもないことを条件とする。
【0045】
それ故、本発明の他の態様では、式(I)(上記に示す)[式中、
環Aは、5員若しくは6員カルボサイクリル又は5員若しくは6員ヘテロサイクリルであり;この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R20から選択される基によって置換されることができる;
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N’−(C−Cアルキル)ウレイド、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R16−又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
は水素である;
は、炭素上の置換基であり、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルキルS(O)(式中、aは2である)、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R18−又はヘテロサイクリル−R18−から選択され;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができる;
nは、1又は2から選択され;この場合、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい;
は、ヒドロキシ、アミノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル又はヘテロサイクリル−R19−から選択される;この場合、R、R10及びR12は、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができる;
とR15は、C−Cアルキル及びC−Cアルコキシカルボニルから独立的に選択される;
12は、ハロ又はシアノから選択される;
14はメトキシである;
16とR19は、直接結合、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−から独立的に選択され;この場合、R21は水素である;
18は、−S(O)−又は−N(R22)SO−であり;この場合、R22は水素であり、sは0〜2である;
20はC−Cアルキルである]
で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する;但し、前記化合物が、2−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−フルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;2−メトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−エトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンズアミド;3−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;4−メトキシ−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミド;又は4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドのいずれでもないことを条件とする。
【0046】
したがって、本発明の他の態様では、式(I)(上記に示す)[式中、
環Aは、フェニル又は1−t−ブチルピラゾリルである;
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシ、メトキシ、ピリミジン−5−イル、ピラゾル−4−イル、ピロル−2−イル、ピリダ−3−イル、モルホリノ、4−エチルピペラジン−1−イル、アゼチジン−3−イルアミノ、1−t−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−イルアミノ、N−メチルカルバモイルメチルアミノ、2-ピロリジン−1−イルエチルアミノ、2−ピリダ−2−イルエチルアミノ、2-ピペリジン−1−イルエチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、3−ジメチルアミノプロピルアミノ、オキシラン−2−イルメトキシ、2−ジメチルアミノエトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、2−モルホリノエトキシ、2−ピぺリジン−1−イルエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシから独立的に選択される;
は水素である;
は、メチル、トリフルオロメチル又は1−シアノ−1−メチルエチルから選択される;
nは1である]
で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する。
【0047】
したがって、本発明の他の態様では、式(I)(上記に示す)[式中、
環Aは、フェニル又は1−t−ブチルピラゾリルである;
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシ、メトキシ、ピリミジン−5−イル、ピラゾル−4−イル、ピロル−2−イル、ピリダ−3−イル、モルホリノ、4−エチルピペラジン−1−イル、アゼチジン−3−イルアミノ、1−t−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−イルアミノ、N−メチルカルバモイルメチルアミノ、2-ピロリジン−1−イルエチルアミノ、2−ピリダ−2−イルエチルアミノ、2-ピペリジン−1−イルエチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、3−ジメチルアミノプロピルアミノ、オキシラン−2−イルメトキシ、2−ジメチルアミノエトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、2−モルホリノエトキシ、2−ピペリジン−1−イルエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシから独立的に選択される;
は水素である;
は、メチル、トリフルオロメチル又は1−シアノ−1−メチルエチルから選択される;
nは1である]
で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する、但し、前記化合物は、4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドではないことを条件とする。
【0048】
それ故、本発明の他の態様では、式(I)(上記に示す)[式中、
環Aは、フェニル、1−t−ブチルピラゾル−5−イル、1−メチルピラゾル−5−イル、ピリダ−2−イル、ピリダ−3−イル、ピリダ−4−イル、チエン−2−イル及びチエン−3−イルである;
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メチル、3−ジメチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、3−アセチルアミノプロピル、メトキシ、N−メチルカルバモイル、N−(2−エトキシエチル)カルバモイル、N−(2−ジメチルアミノエチル)カルバモイル、N−[2−(イミダゾル−4−イル)エチル]カルバモイル、3−(アミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(アセチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(メチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、N’−メチルウレイド、メシルアミノ、2−(ジメチルアミノ)エトキシ、2−(ジエチルアミノ)エトキシ、3−(ジメチルアミノ)プロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、2-(ピペリジン−1−イル)エトキシ、2-(ピロリジノ)エトキシ、オキシラニルメトキシ、3-(1−メチルピペラジン−4−イル)プロポキシ、2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、2-(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ、2-(ピリダ−2−イル)エチルアミノ、1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルアミノ、アゼチジン−3−イルアミノ、(N−メチルカルバモイル)メチルアミノ、テトラヒドロフラン−2−イルメチルアミノ、2−メトキシエチルアミノ、3−(ピペリジン−1−イル)プロピルアミノ、シクロプロピルアミノカルボニル、シクロプロピルカルボニルアミノ、ピラゾル−3−イルアミノカルボニル、1,3,4-チアジアゾル−2−イルアミノカルボニル、5−メチル−1,3,4-チアジアゾル−2−イルアミノカルボニル、1,2,3-チアジアゾル−4−イルカルボニルアミノ、1−エチルピペラジン−4−イル、1−イソプロピルピペラジン−4−イル、モルホリノ、アゼチジン−3−イルアミノ、ピリダ−3−イル、ピロル−2−イル、ピラゾル−4−イル、ピリミジン−5−イル、3-ジメチルアミノピロリジン−1−イル、4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル、(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル、及び1−メチルピペラジン−4−イルから独立的に選択される;
は、水素である;
は、フルオロ、クロロ、メチル、t−ブチル、メトキシ、メシル、シクロプロピルアミノスルホニル、アゼチジン−1−イルスルホニル、モルホリノスルホニル、メシルアミノ、トリフルオロメチル又は1−シアノ−1−メチルエチルから選択される;
nは、1又は2から選択され;この場合、Rの意味は同一でも、異なるものでもよい]で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する、但し、前記化合物は、2−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;2−メトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;4−メトキシ−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミド;又は4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドのいずれでもないことを条件とする。
【0049】
本発明の他の態様では、本発明の好ましい化合物は、実施例のいずれかの化合物又はその製薬的に受容される塩である。
本発明の他の態様では、本発明の特定の化合物は、実施例49、58、59、62、66、71、74、81、86、97、107及び108のいずれかの化合物又はその製薬的に受容される塩である。
【0050】
本発明の他の態様は、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の製造方法(この場合、可変部分は、特に指定しない限り、式(I)で定義したとおりである)であって、
方法(a):式(II):
【0051】
【化3】

【0052】
で示されるアミンを、式(III):
【0053】
【化4】

【0054】
で示される酸又はその活性化酸誘導体と反応させる;
方法(b):式(IV):
【0055】
【化5】

【0056】
で示されるアミンを、式(V):
【0057】
【化6】

【0058】
[式中、Rはメチル又はエチルである]
で示される化合物と反応させる;
方法(c):式(VI):
【0059】
【化7】

【0060】
で示されるアミンを、式(VII):
【0061】
【化8】

【0062】
で示されるベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オンと反応させる
を含み、そして、その後に、必要な場合には、
(i)式(I)化合物を、他の式(I)化合物に転化させる工程;
(ii)任意の保護基を除去する工程;
(iii)製薬的に受容される塩を形成する工程
を含む製造方法を提供する。
【0063】
上記反応のための具体的な反応条件は、次のとおりである:
方法(a) 式(II)で示されるアミンと、式(III)で示される酸とを、適当なカップリング試薬の存在下で一緒にカップリングさせることができる。当該技術分野で知られた、標準的なペプチド・カップリング試薬を、適当なカップリング試薬として、又は例えば、カルボニルジイミダゾールとジシクロヘキシル−カルボジイミドを、任意に、例えばジメチルアミノピリジン若しくは4−ピロリジノピリジンのような触媒の存在下で、任意に、例えばトリエチルアミン、ピリジン、又は例えば2,6−ルチジン若しくは2,6−ジ−tert−ブチルピリジンのような2,6−ジ−アルキル−ピリジンのような塩基の存在下で用いることができる。適当な溶媒は、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、ベンゼン、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミドを包含する。該カップリング反応は−40〜40℃の範囲内の温度で好都合に行なうことができる。
【0064】
適当な活性化酸誘導体は、酸ハロゲン化物、例えば酸塩化物、及び活性エステル、例えばペンタフルオロフェニルエステルを包含する。これらの種類の化合物と、アミンとの反応は、当該技術分野で周知である、例えば、これらを、例えば上述した塩基のような、塩基の存在下で、及び例えば上述した溶媒のような、適当な溶媒の存在下で反応させることができる。該反応は−40〜40℃の範囲内の温度で好都合に行なうことができる。
【0065】
式(II)で示されるアミンは、スキーム1に従って製造することができる:
【0066】
【化9】

【0067】
式(IIa)、(IIb)及び(III)で示される化合物は、商業的に入手可能な化合物であるか、又はこれらは、文献で知られているか、又はこれらは、当該技術分野で知られている標準的な方法で製造することができる。
方法(b) 式(IV)で示される化合物と(V)で示される化合物は、適当な溶媒中で、例えば酢酸のような触媒によって反応させることができる。例えば、式(IV)化合物と式(V)化合物とを、エタノール及び触媒の酢酸の存在下で加熱して、式(I)化合物を得ることができる。適当な溶媒は、トルエン、ベンゼン及びイソプロピルアルコールを包含する。
【0068】
式(IV)で示されるアミンは、スキーム2に従って製造することができる:
【0069】
【化10】

【0070】
式(IVa)及び(V)で示される化合物は、商業的に入手可能な化合物であるか、又はこれらは、文献で知られているか、又はこれらは、当該技術分野で知られている標準的な方法で製造することができる。
利用することによって、
方法(c) 式(VII)で示される化合物と式(VI)で示される化合物とを、適当な溶媒中で一緒に加熱することができる。例えば、式(VII)化合物と式(VI)化合物とを、DMEの存在下で加熱することができる。他の適当な溶媒は、トルエン、ベンゼン及びジオキサンを包含する。
【0071】
式(VI)で示されるアミンは、スキーム3に従って製造することができる:
【0072】
【化11】

【0073】
式(VII)及び(VIa)で示される化合物は、商業的に入手可能な化合物であるか、又はこれらは、文献で知られているか、又はこれらは、当該技術分野で知られている標準的な方法で製造することができる。
【0074】
本発明の化合物における種々な環置換基の或るものが、上記方法の前に又は直後に、標準的な芳香族置換反応によって導入される、又は慣用的な官能基修飾によって形成されることができ、このようなものとして、本発明の方法態様に包含されることは、理解されるであろう。このような反応及び修飾は、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化及び置換基の酸化を包含する。このような反応のための試薬と反応条件は、化学技術分野で周知である。芳香族置換反応の特定の例は、濃硝酸を用いたニトロ基の導入、例えば、アシルハライド(acyl halide)とルイス酸(例えば、三塩化アルミニウム)をフリーデル・クラフツ条件下で用いるアシル基の導入;アルキルハライドとルイス酸(例えば、三塩化アルミニウム)をフリーデル・クラフツ条件下で用いるアルキル基の導入;及びハロゲノ基の導入を包含する。修飾の特定の例は、例えば、ニッケル触媒による触媒水素化による、又は塩酸の存在下での加熱しながらの鉄での処理によるニトロ基の、アミノ基への還元;アルキルチオの、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルへの酸化を包含する。
【0075】
本明細書に挙げる反応の幾つかにおいて、化合物中のいずれの感受性基をも保護することが、必要である/望ましいと考えられることも、理解されるであろう。保護が必要である/望ましい場合と、保護のための適当な方法は、当業者に知られている。慣用的な保護基を、標準的技法に従って用いることができる(説明のためには、T.W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと)。したがって、反応物が例えばアミノ、カルボキシ又はヒドロキシのような基を包含する場合には本明細書に挙げる反応の幾つかにおいて、基を保護することが、望ましいと考えられる。
【0076】
アミノ又はアルキルアミノ基のための適当な保護基は、例えばアシル基、例えばアルカノイル基(例えば、アセチル)、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル若しくはt−ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル)、又はアロイル基(例えば、ベンゾイル)である。上記保護基のための脱保護条件は、保護基の選択によって、必然的に変化する。したがって、例えば、アシル基、例えばアルカノイル若しくはアルコキシカルボニル基、又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム又は水酸化ナトリウム)のような適当な塩基による加水分解によって、除去することができる。或いは、例えばt−ブトキシカルボニル基のようなアシル基は、例えば、塩酸、硫酸若しくはリン酸若しくはトリフルオロ酢酸のような適当な酸による処理によって除去することができ、例えばベンジルオキシカルボニル基のようなアリールメトキシカルボニル基は、例えば、炭素付きパラジウムのような触媒上での水素化によって、又はルイス酸、例えば、ボロン・トリス(トリフルオロアセテート)(boron tris(trifluoroacetate))による処理によって除去することができる。第1級アミノ基のための適当な代替保護基は、例えば、フタロイル基であり、これは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミンによる処理、又はヒドラジンによる処理によって除去することができる。
【0077】
ヒドロキシ基のための適当な保護基は、例えば、アシル基、例えばアルカノイル基(例えば、アセチル)、アロイル基、例えばベンゾイル基、又はアリールメチル基、例えばベンジル基である。上記保護基のための脱保護条件は、保護基の選択によって、必然的に変化する。したがって、例えばアルカノイル又はアロイル基のようなアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム又は水酸化ナトリウム)のような適当な塩基による加水分解によって、除去することができる。或いは、例えばベンジル基のようなアリールメチル基は、例えば、炭素付きパラジウムのような触媒上での水素化によって除去することができる。
【0078】
カルボキシ基のための適当な保護基は、例えば、エステル化基、例えばメチル若しくはエチル基(これは、例えば水酸化ナトリウムのような塩基による加水分解によって除去可能である)、又は例えばt−ブチル基(これは、例えば、酸による、例えばトリフルオロ酢酸のような有機酸による処理によって除去可能である)、又は例えばベンジル基(これは、例えば、炭素付きパラジウムのような触媒上での水素化によって除去可能である)である。
【0079】
保護基は、合成におけるいずれかの都合の良い段階で、化学技術分野で周知の慣用的な手法によって除去することができる。
前述したように、本発明で定義される化合物は、該化合物のB−Raf阻害活性から生じると考えられる抗癌活性を有する。これらの性質は、例えば、以下で詳しく説明する方法を用いて評価することができる。
【0080】
B−Raf in vitro ELISAアッセイ
ヒト組み換え精製野生型His−B−Rafプロテインキナーゼの活性を、B−Raf基質ヒト組み換え精製His由来(脱タグ)MEKIのリン酸化を測定する酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)アッセイフォーマットを用いて、in vitroで測定した。該反応は、384穴プレートにおいて全反応量25μlで、種々な濃度の化合物を含む又は含まない、40mM N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸ヘミナトリウム塩(HEPES)、5mM 1,4−ジチオ−DL−トレイトール(DTT)、10mM MgCl2、1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び0.2M NaCl(1x HEPESバッファー)中で、2.5nM B−Raf、0.15μM MEKI及び10μM アデノシン三リン酸(ATP)を用いた。B−Rafと化合物とを、1x HEPESバッファー中で25℃において1時間プレインキュベートした。1x HEPESバッファー中にMEKIとATPとを添加して、反応を開始させて、25℃において50分間インキュベートして、1x HEPESバッファー中の175μM EDTA(最終濃度50mM)10μlの添加によって、反応を停止させた。次に、このアッセイミックス5μlを、1x HEPESバッファー中の50mM EDTA中に1:20で希釈して、384穴ブラック高タンパク質結合プレートに移して、4℃において一晩インキュベートした。プレートを、0.1%Tween20(TBST)含有トリス緩衝化生理食塩水中で洗浄し、Superblock(Pierce)50μlで25℃において1時間ブロックして、TBST中で洗浄し、TBS中で1:1000に希釈した、ウサギ・ポリクローナル抗ホスホ−MEK抗体(Cell Signaling)50μlと共に、25℃において2時間インキュベートして、TBSTで洗浄し、TBST中で1:2000に希釈した、ヤギ抗ウサギ・ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合抗体(Cell Signaling)50μlと共に、25℃において1時間インキュベートして、TBSTで洗浄した。蛍光発生的ペルオキシダーゼ基質(Quantablu-Pierce)を加えて、45〜60分間インキュベートした後に、QuantabluSTOP(Pierce)50μlを加えた。励起325及び発光420において、TECAN Ultraプレートリーダーを用いて、青色蛍光生成物が検出された。データをグラフ化して、Excel Fit(Microsoft)を用いて、IC50を算出した。
【0081】
上記in vitroアッセイで試験した場合に、本発明の化合物は30μM未満で活性を示した。例えば、下記結果が得られた:
【0082】
【表1】

【0083】
本発明の他の態様によると、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物を提供する。
【0084】
該組成物は、例えば錠剤若しくはカプセル剤として経口投与に、無菌の溶液、懸濁液若しくはエマルジョンとして非経口(静脈内、皮下、筋肉内、血管内若しくは注入を包含する)投与に、軟膏若しくはクリームとして局所投与に、又は座薬として直腸投与に適した形態であることができる。
【0085】
一般に、上記組成物は、慣用的な賦形剤を用いて、慣用的な方法で調製することができる。
式(I)化合物は、通常は、1〜1000mg/kgの範囲内の単位用量で投与され、これは、通常は、治療有効量を与える。10〜100mg/kgの範囲内の1日量を用いることが好ましい。しかし、この1日量は、治療されるホスト、特定の投与経路、及び治療される疾病の重症度に依存して、必然的に変化する。したがって、最適投与量は、いずれかの特定患者を治療する主治医(practitioner)が決定することができる。
【0086】
本発明の他の態様によると、療法によってヒト又は動物体を治療する方法に用いるための、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する。
本発明で定義する化合物又はその製薬的に受容される塩が、有効な抗癌剤であり、その性質がそれらのB−Raf阻害活性から生じると考えられることを、本発明者らは発見している。したがって、本発明の化合物は、B−Rafのみによって又はB−Rafによって部分的に媒介される疾患又は医学的状態の治療に有用であると期待される、即ち、該化合物類は、このような治療を必要とする温血動物にB−Raf阻害効果を発現させるために用いることができる。
【0087】
したがって、本発明の化合物は、B−Rafの阻害を特徴とする、癌の治療方法を提供する、即ち、該化合物類は、B−Rafの阻害によって単独で又は部分的に媒介される抗癌効果を発現させるために用いることができる。
【0088】
このような本発明の化合物は、B−Rafの活性化突然変異が、非限定的に、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌及び肺癌を包含する、多くのヒト癌に観察されているので、広範囲な抗癌性を有すると期待される。したがって、本発明の化合物がこれらの癌に対して抗癌活性を有するであろうと期待される。さらに、本発明の化合物が、例えば肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓のような組織における白血病、リンパ性悪性腫瘍及び例えば癌と肉腫のような充実性腫瘍の範囲に対して活性を有するであろうと、期待される。特に、このような本発明化合物は、例えば、皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発性及び再発性充実性腫瘍の成長を有利に緩慢にすると、期待される。さらに具体的には、このような本発明化合物又はその製薬的に受容される塩は、B−Rafに関連するような原発性及び再発性充実性腫瘍、特に、例えば、皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣のある一定の腫瘍を含めた、それらの成長及び拡散に関してB−Rafに有意に依存するような腫瘍の成長を阻害すると、期待される。特に、本発明化合物は、黒色腫の治療に有用である。
【0089】
したがって、本発明のこの態様によると、薬剤として用いるための上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩を提供する。
本発明の他の態様によると、例えばヒトのような温血動物におけるB−Raf阻害効果の発現に用いるために薬剤の製造への、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩の使用を提供する。
【0090】
本発明のこの態様によると、例えばヒトのような温血動物における抗癌効果の発現に用いるために薬剤の製造への、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩の使用を提供する。
【0091】
本発明の他の特徴によると、黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓における癌及び肉腫、並びに皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発性及び再発性充実性腫瘍の治療に用いるための薬剤の製造における上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩の使用を提供する。
【0092】
本発明のこの態様の他の特徴によると、B−Raf阻害効果の発現処置を必要とする、例えばヒトのような温血動物においてB−Raf阻害効果を発現させる方法であって、前記動物に上記で定義したような式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0093】
本発明のこの態様の他の特徴によると、抗癌効果の発現処置を必要とする、例えばヒトのような温血動物において抗癌効果を発現させる方法であって、前記動物に上記で定義したような式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0094】
本発明のこの態様の付加的な特徴によると、このような処置を必要とする、例えばヒトのような温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓における癌及び肉腫、並びに皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発性及び再発性充実性腫瘍を治療する方法であって、前記動物に上記で定義したような式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0095】
本発明のさらなる態様では、例えばヒトのような温血動物におけるB−Raf阻害効果の発現に用いるための、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物を提供する。
【0096】
本発明のさらなる態様では、例えばヒトのような温血動物における抗癌効果の発現に用いるための、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物を提供する。
【0097】
本発明のさらなる態様では、例えばヒトのような温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓における癌及び肉腫、並びに皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発性及び再発性充実性腫瘍の治療に用いるための、上記で定義したとおりの式(I)化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物を提供する。
【0098】
上記で定義したB−Raf阻害処置は、単独療法として適用することができる又は、本発明の化合物の他に、慣用的な手術又は放射線療法又は化学療法を包含することもできる。このような化学療法は、抗腫瘍剤の下記カテゴリーの1つ以上を包含することができる:
(i)医学的腫瘍学で用いられるような抗増殖/抗腫瘍薬とそれらの組み合わせ、例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン及びニトロソウレア);抗代謝薬(例えば、葉酸代謝拮抗薬、例えば、5−フルオロウラシル及びテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシン・アラビノシド及びヒドロキシウレア;抗腫瘍性抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン類);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド類並びに、タキソール及びタキソテレのようなタキソイド類);並びにトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びテニポシドのようなエピポドフィロトキシン類、アムサクリン、トポテカン及びカンプトテシン);
(ii)細胞分裂阻害剤、例えば、アンチエストロゲン類(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体ダウンレギュレータ(例えば、フルベストラント)、アンチアンドロゲン類(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及び酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬又はLHRH作用薬(例えば、ゴセレリン、ロイプロレリン及びブセレリン)、プロゲストゲン類(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール及びエキセメストランとして)、並びに例えばフィナステリドのような5α−レダクターゼの阻害剤;
(iii)癌細胞侵襲を阻害する作用剤(例えば、マリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤と、ウロキナーゼ・プラスミノゲン活性剤受容体機能の阻害剤);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば、このような阻害剤は、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(例えば、アンチ−erbb2抗体トラスツズマブ[HerceptinTM]とアンチ−erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシル・トランスフェラーゼ阻害剤、MEK阻害剤、チロシン・キナーゼ阻害剤及びセリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤、例えば、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ,OSI-774)及び6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033)のような、EGFRファミリー・チロシン・キナーゼ阻害剤)、例えば、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、並びに例えば、肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤を包含する;
(v)抗血管新生剤、例えば、血管内皮成長因子の効果を阻害するもの(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシツマブ[AvastinTM]、例えば、国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856 及びWO 98/13354に開示されているような化合物)並びに他の機構によって作用する化合物(例えば、リノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤及びアンギオスタチン);
(vi)血管損傷剤、例えば、Combretastatin A4と、国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO01/92224、WO02/04434 及びWO02/08213に開示されている化合物;
(vii)アンチセンス療法、例えば、ISISD2503、アンチ−ras・アンチセンスのような、上記で挙げた標的に向けられるアンチセンス療法;
(viii)遺伝子療法アプローチ、例えば、異常p53又は異常BRCA1若しくはBRCA2のような、異常な遺伝子を取り替えるためのアプローチ、例えば、シトシン・デアミナーゼ、チミジン・キナーゼ若しくは細菌性ニトロレダクターゼ酵素を用いるアプローチのようなGDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ、及び例えば多剤耐性遺伝子療法のような、化学療法若しくは放射線療法に対する患者耐性を高めるためのアプローチを包含する;
(ix)免疫療法アプローチ、例えば、インターロイキン2、インターロイキン4若しくは顆粒球−マクロファージ・コロニー刺激因子のようなサイトカインによるトランスフェクションのような、患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのex-vivo及びin-vivoアプローチ、T細胞アネルギーを減ずるためのアプローチ、例えばサイトカイン−トランスフェクションした(cytokine-transfected)樹状細胞のような、トランスフェクションした免疫細胞を用いるアプローチ、サイトカイン−トランスフェクションした腫瘍細胞系を用いるアプローチ、及び抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチを包含する;
(x)例えばCDK阻害剤(例えば、フラボピリドール)と他の細胞周期チェックポイント阻害剤(例えば、チェックポイント・キナーゼ)を包含する細胞周期阻害剤;有糸分裂と細胞質分裂レギュレーションに関与する他のキナーゼ(有糸分裂キネシン);及びヒストン・デアセチラーゼ阻害剤;並びに
(xi)エンドセリン拮抗薬、エンドセリンA拮抗薬、エンドセリンB拮抗薬及びエンドセリンAとB拮抗薬を包含する;例えば、ZD4054とZD1611(WO 96 40681)、アトラセンタン及びYM598。
【0099】
このような複合処置(conjoint treatment)は、該処置の個々の要素を同時投与、逐次投与又は分離投与することによって達成することができる。このような複合生成物(combination products)は、上述した投与量範囲内での本発明化合物と、認可された投与量範囲内の他の薬剤学的活性剤を用いる。
【0100】
式(I)化合物類とそれらの製薬的に受容される塩は、治療用薬剤へのそれらの使用の他に、新規な治療剤の探索の一部として、例えばネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスのような実験動物におけるB−Raf阻害剤の効果を評価するためのin vitro及びin vivo試験系を開発し、標準化するための薬理学的ツールとしても有用である。
【0101】
上述した、他の薬剤組成物、製法、方法、使用及び薬剤製造の特徴において、本明細書に記載する本発明化合物の代替の、好ましい実施態様も適用される。
【0102】
実施例
次に、本発明を、下記の非限定的な実施例によって、説明する、該実施例において、特に述べないかぎり、
(i)温度は、摂氏度(℃)で記載する;操作は、室温又は周囲温度で、即ち、18〜25℃の範囲内の温度で行なった;
(ii)有機溶液は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた;溶媒の蒸発は、回転蒸発装置を用いて、減圧下(600〜4000Pascals;4.5〜30mmHg)、60℃までの浴温度で行なった;
(iii)一般に、反応の経過はTLCによって追跡し、反応時間は例示のためにのみ記載する;
(iV)最終生成物は、充分なプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルと質量スペクトルデータを有した;
(v)収率は、例示のためにのみ記載するのであって、必ずしも、入念なプロセス展開によって得ることができる収率ではない;より多量な物質が必要である場合には、製造を繰り返した;
(vii)NMRデータは、記載する場合に、特に指定しない場合に、溶媒としてペルデューテリオ・ジメチルスルホキシド(DMSO−d)を用いて、400MHzにおいて測定した、内部基準としてのトリメチルシラン(TMS)に対するパート・パー・ミリオン(ppm)で記載した、主要な診断プロトンに関するデルタ値の形式である;
(vii)化学記号は、それらの通常の意味を有する;SI単位と記号を用いる;
(viii)溶媒比率は、体積:体積(v/v)表現で記載する;そして
(ix)質量スペクトルは、直接暴露プローブを用いて、化学イオン化(CI)モードでの70電子ボルトの電子エネルギーで測定した;表示した場合に、イオン化を電子衝撃(EI)、高速原子衝撃(FAB)又はエレクトロスプレー(ESP)によって行なった;m/zの値を記載する;一般に、親質量を表示するイオンのみを報告する;特に指定しないかぎり、引用した質量イオンは(MH)である;
(x)合成を、前記実施例で記載した合成と同様であると記載する場合には、使用量は、該前記実施例における使用量のミリモル比率当量(millimolar ratio equivalents)である;
(xi)下記略号が用いられている:
THF: テトラヒドロフラン;
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド;
EtOAc: 酢酸エチル;
Pd(dba): トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);
BINAP: (+/−)-2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル;
EDCI: 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩;
HOBt: ヒドロキシベンゾトリアゾール;
DCM: ジクロロメタン;及び
DMSO: ジメチルスルホキシド;
(xii)「ISCO」は、ISCO, Inc, 4700 superior street Lincoln, NE, USAから入手され、製造者の使用説明書に従って使用される、12g及び40gプレパックド・シリカゲル・カートリッジを用いる順相フラッシュ・カラムクロマトグラフィーを意味する;
(xiii)「逆相Gilson」は、Waters Corporation 34, Maple street, Milford MA,USAから入手される、移動相としての0.1%TFAを含有する水/アセトニトリル中のサイズ20mm/100及び50mm/250を有するYMC−AQC18逆相HPLCカラムを意味する。
【0103】
実施例1
N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
トルエン(13ml)中の2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(646mg,2.99mmol)と、トリエチル・オルトホルメート(738μl,4.49mmol)と、酢酸(17μl,0.30mmol)との撹拌した混合物を、還流下で2.5時間加熱した。次に、この混合物に、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド(方法2;879mg,2.99mmol)を加えて、120℃において16時間撹拌した。この混合物を25℃に冷却して、生じた沈殿を真空濾過によって回収し、乾燥させて、750mg(50%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.70 (s, 1H), 7.50-8.45 (m, 11H), 2.12 (s, 3H); m/z 503.
【0104】
実施例2〜4
下記化合物は、実施例1の方法によって、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド(方法2)又はN−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−(シアノ−ジメチル−メチル)−ベンズアミド(方法15)と、適当な出発物質を用いて製造した。
【0105】
【表2】

【0106】
実施例5
N−[4−メチル−3−(6−モルホリノ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(33mg,0.299mmol)と、Pd(dba)(18mg,10%mmol)と、BINAP(24mg,20%mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例1;100mg,0.199mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサン(3.3ml)とモルホリン(21mg,0.239mmol,1.2eq)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。この反応混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、残渣を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いて、カラムクロマトグラフィーによって精製して、35mg(34.7%)の淡黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.55 (s, 1H), 7.40-8.25 (m, 11), 3.72 (m, 4H), 3.17 (m, 4H), 2.00 (s, 3H); m/z 509.
【0107】
実施例6〜10
下記化合物は、適当なアミンと、出発物質としてのN−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例1)を用いて、実施例5の方法によって製造した。
【0108】
【表3】

【0109】
実施例11
N−[3−(6−ブロモ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
無水トルエン(5ml)中の6-ブロモ−2−メチルベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン(240mg,1mmol)と、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド(方法2;294mg,1mmol)との懸濁液を、還流において12時間加熱した。生じた固体を真空濾過によって回収し、EtOAc:ヘキサン(1:1)で洗浄し、乾燥させた(280mg,54.2%)。NMR (400 MHz): 10.62 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.85 (m, 3H), 7.79 (d, 1H), 7.52 (d, 1H), 2.20 (s, 3H), 2.10 (s, 3H); m/z 517.
【0110】
実施例12
下記化合物は、実施例11の方法によって、7−ブロモ−2−メチルベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オンを用いて製造した。
【0111】
【表4】

【0112】
実施例13
N−{3−[6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチルフェニル}−3−トリフルオロメチルベンズアミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(32mg,0.291mmol)と、Pd(dba)(18mg,10%mmol)と、BINAP(24mg,20%mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例11;100mg,0.194mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサン(3.3ml)中の1−エチル−ピペラジン(53mg,0.465mmol,2.4eq)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、次に、残渣を、ISCO系(ヘキサン−EtOAcから、DCM中の0.1%トリエチルアミンと5%メタノールへ)を用いて、カラムクロマトグラフィーによって精製して、35mg(32.8%)の淡黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.40 (s, 1H), 8.10 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.55 (m, 3H), 7.40 (m, 2H), 7.20 (m, 2H), 3.20 (m, 4H), 3.10 (m, 4H), 2.20 (q, 2H), 1.90 (s, 3H), 1.80 (s, 3H), 0.85 (t, 3H); m/z 550.
【0113】
実施例14〜15
下記実施例は、実施例13の方法によって、出発物質として、N−[3−(6−ブロモ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例11)又はN−[3−(7−ブロモ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(実施例12)と、適当なアミンを用いて合成した。
【0114】
【表5】

【0115】
実施例16
N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
トルエン(13ml)中の2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(方法3;607mg,2.8mmol)と、トリエチルオルトホルメート(622mg,700μl,4.2mmol)と、酢酸(17μl,0.30mmol)との撹拌した混合物を、還流下で2.5時間加熱した。次に、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド(方法2;827mg,2.8mmol)を加えて、該混合物を120℃において16時間撹拌した。溶媒を減圧下で5〜8mlにまで除去して、25℃に冷却した。生じた沈殿を濾過して、EtOAc:ヘキサン(1:1)によって洗浄して、真空中で乾燥させて、671mg(47.8%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.70 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.35 (m, 2H), 8.20 (d, 1H), 8.05 (m, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.85 (m, 3H), 7.50 (d, 1H), 2.11 (s, 3H); m/z 503.
【0116】
実施例17
N−[4−メチル−3−(7−モルホリン−4−イル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)フェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(33mg,0.299mmol)と、Pd(dba)(18mg,10%mmol)と、BINAP(24mg,20%mmol)と、N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例16;100mg,0.199mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサン中のモルホリン(42mg,0.478mmol,2.4eq)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、次に、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いて、カラムクロマトグラフィーによって精製して、40mg(39.6%)の淡黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.56 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.22 (d, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.95 (m, 2H), 7.79 (m, 3H), 7.31 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.00 (s, 1H), 3.70 (m, 4H), 3.30 (m, 4H), 2.05 (s, 3H); m/z 509.
【0117】
実施例18
下記化合物を、実施例17に従って、出発物質としてN−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例16)と適当なアミンを用いて、製造した。
【0118】
【表6】

【0119】
実施例19
N−[3−(6−メトキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
トルエン(13ml)中の5−メトキシアントラニル酸(500mg,2.99mmol)と、トリエチル・オルトホルメート(491μl,4.49mmol)と、酢酸(17μl,0.30mmol)との撹拌した混合物を、・・・下で2.5時間加熱した。次に、この反応混合物に、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド(方法2;750mg,3mmol)を加えて、加熱を16時間続けた。この反応混合物を25℃に冷却して、EtOAcで希釈した。次に、該溶液を1M HCl、2M NaOH、ブラインで洗浄して、NaSO(s)で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、クリーム色フォーム/固体(731mg,アニリンに基づいて70%粗収率)を得た。生成物を、ISCO系(EtOAc/ヘキサン)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、558mg(53%)のオフホワイト色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.57 (s, 1H), 7.50-8.45 (m, 11H), 3.59 (s, 3H), 2.12 (s, 3H); m/z 454.
【0120】
実施例20
N−{3−[6−(2−ジメチルアミノ−エメトキシ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチルフェニル}−3−トリフルオロメチルベンズアミド
アセトン(10ml)中のN−[3−(6−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例52;100mg,0.228mmol)と、2−ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(43mg,0.296mmol)と、炭酸カリウム(315mg,2.28mmol)と、ヨウ化ナトリウム(3.45mg,0.023mmol)との懸濁液を、60℃において18時間撹拌した。固体を濾過して、アセトンで洗浄した。生じた濾液を濃縮して、得られた生成物を、ISCO系(DCM中0.1%トリエチルアミンと5%メタノール)を用いて、カラムクロマトグラフィーによって精製して、45mg(38.8%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz):δ10.75 (s, 1H), 8.35 (m, 2H), 8.25 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.80-7.95 (m, 4H), 7.70 (s, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.50 (d, 1H), 4.40 (t, 2H), 3.22 (t, 2H), 2.65 (s, 6H), 2.10 (s, 3H); m/z 511.
【0121】
実施例21〜26
下記実施例を、実施例20の方法によって、出発物質として、N−[3−(6−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例52)と、適当なクロロ化合物を用いて合成した。
【0122】
【表7】

【0123】
実施例27
N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
DMF(20ml)中の3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−ブロモ−3H−キナゾリン−4−オン(方法18;2g,6.06mmol)と、3−(1−シアノ−1−メチルエチル)安息香酸(方法11;1.15g,6.06mmol)と、EDCI(2.3g,12.12mmol)と、HOBt(818mg,6.06mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(1.17g,9.09mmol,1.5eq)との混合物を,25℃において72時間撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈して、水、ブラインで洗浄し、NaSO(s)で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、油状物を得て、これを、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いて、カラムクロマトグラフィーによって精製して、1.61g(53%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.55 (s, 1H), 7.55-8.50 (m, 11H), 2.15 (s, 3H), 1.80 (s, 6H); m/z 502.
【0124】
実施例28〜46
下記化合物を、3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−8−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(方法39)と適当なカルボン酸から、実施例27に記載したように合成した。
【0125】
【表8】

【0126】
【表9】

【0127】
【表10】

【0128】
【表11】

【0129】
【表12】

【0130】
実施例47
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[4−メチル−3−(6−モルホリノ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)フェニル]ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(29mg,0.24mmol)と、Pd(dba)(15mg,10%mmol)と、BINAP(20mg,20%mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27;80mg,0.16mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサン(3.3ml)とモルホリン(33mg,0.38mmol,2.4eq)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、最初に、ISCO系(DCM中0.5%トリエチルアミン、5%メタノール)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、次に、Gilson HPLC(アセトニトリル−水中0.1%TFA)を用いる逆相クロマトグラフィーによって精製して、25mg(30.9%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.31 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.30-7.69 (m, 8H), 3.65 (t, 4H), 3.15 (t, 4H), 1.95 (s, 3H), 1.60 (s, 6H); m/z508.
【0131】
実施例48
下記化合物を、実施例47に従って、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27)及び適当なアミンを出発物質として用いて製造した。
【0132】
【表13】

【0133】
実施例49
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{3−[6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチルフェニル}ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、炭酸セシウム(194mg,0.599mmol)と、Pd(dba)(36.5mg,10%mmol)と、トリ−t−ブチルホスフィン(ヘキサン中10重量%,160μl,20%mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27;200mg,0.399mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサンと,1−エチルピペリジン(91mg,0.798mmol,2.0eq)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で165℃において20分間照射した。この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、次に、ISCO系(DCM中0.2%トリエチルアミン、5%メタノール)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、110mg(51.6%)の淡黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.58 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.35 (m, 2H), 7.23 (m, 3H), 7.60 (m, 2H), 7.45 (d, 1H), 4.01 (m, 2H), 3.60 (m, 2H), 3.20 (m, 6H), 2.10 (s, 3H), 1.73 (s, 6H), 1.30 (t, 3H); m/z 535.
【0134】
実施例50
下記化合物を、実施例49に従って、出発物質として、N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例51)を用いて製造した。
【0135】
【表14】

【0136】
実施例51
N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
トルエン(8ml)中の2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(方法3;273mg,1.26mmol)と、トリエチル・オルトホルメート(280mg,310μl,1.89mmol)と、酢酸(7μl,0.13mmol)との撹拌した混合物を、還流下で2.5時間加熱した。次に、この混合物に、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(方法15;370mg,1.26mmol)を加えて、120℃において32時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、得られた生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、131mg(20.8%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.50 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.08 (m, 2H), 8.00 (d, 1H), 7.76-7.90 (m, 4H), 7.65 (m, 1H), 7.49 (d, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.80 (s, 6H); m/z 502.
【0137】
実施例52
N−[3−(6−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド
N−[3−(6−メトキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンズアミド(実施例19;1.8g,4.0mmol)とBBr(DCM中1.0M溶液10ml)とを、DCM(10ml)中で20時間撹拌した。この反応を水によってクエンチして、次に、2M NaOHで希釈した。水層をDCM(10ml)で洗浄してから、2M HClで酸性化して、EtOAc(10ml)で抽出した。一緒にした有機層(organics)をNaSO(s)で乾燥させ、減圧下で濃縮して、白色固体(1.4g,85%粗収率)を得た。NMR (400 MHz): d10.8 (s, 1H), 7.3-8.2 (m, 11H), 3.3 (brs, 1H); m/z: 440.
【0138】
実施例53
N−(3−{7−[1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルアミノ]−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(33mg,0.299mmol)と、Pd(dba)(18mg,10%mmol)と、BINAP(24mg,20%mmol)と、N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド (実施例51;100mg,0.199mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。ジオキサン中の3−アミノ−アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(82mg,0.478mmol,2.4eq)を注射器から滴加した。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。次に、この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、次に、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いて、カラムクロマトグラフィーによって精製して、80mg(67.9%)の黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.25 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.72 (m, 2H), 7.60 (d, 1H), 7.56 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 6.65 (d, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.10 (m, 3H), 3.51 (m, 2H), 1.87 (s, 3H), 1.53 (s, 6H), 1.21 (s, 9H); m/z593.
【0139】
実施例54
下記化合物を、実施例53に従って、例示した出発物質と適当なアミンを用いて製造した。
【0140】
【表15】

【0141】
実施例56
N−{3−[7−(アゼチジン−3−イルアミノ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチルフェニル}−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
N−(3−{7−[1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルアミノ]−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例53;79mg,0.133mmol)を、ジオキサン中の4M HClによって処理した。この混合物を25℃において2時間撹拌した。該懸濁液をジエチルエーテル(4ml)で希釈し、30分間撹拌した。淡黄色固体(65mg,100%)を濾過によって回収し、エチルエーテルで洗浄して、乾燥させた。NMR (400 MHz): 10.61 (s, 1H), 9.33 (br, 2H), 8.42 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.05 (m, 2H), 7.90 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.50 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 6.75 (s, 1H), 4.63 (m, 1H), 4.42 (m, 2H), 4.00 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 1.80 (s, 6H); m/z493.
【0142】
実施例57
下記化合物を、実施例56に従って、出発物質としてN−(3−{6−[1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルアミノ]−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル}−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例55)を用いて製造した。
【0143】
【表16】

【0144】
実施例58
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[4−メチル−3−(4−オキソ−7−ピリミジン−5−イル−4H−キナゾリン−3−イル)フェニル]−ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、炭酸セシウム(259mg,0.796mmol)と、Pd(PPh(17mg,7.5%mmol)と、5−ピリミジン・ボロン酸(30mg,0.239mmol)と、N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例51;100mg,0.199mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサンと,水(4:1)(3ml)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で165℃において20分間照射した。次に、この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、最初に、ISCO系(DCM中0.5%トリエチルアミン、5%メタノール)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、次に、Gilson HPLC(アセトニトリル−水中0.1%TFA)を用いる逆相クロマトグラフィーによって精製して、20mg(20%)の淡黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.45 (s, 1H), 9.26 (s, 2H), 9.21 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.00 (m, 2H), 7.90 (d, 1H), 7.80 (m, 2H), 7.70 (d, 1H), 7.55 (m, 1H), 7.40 (d, 1H), 2.00 (s, 3H), 1.59 (s, 6H); m/z 501.
【0145】
実施例59〜61
下記化合物を、実施例58に従って合成した。
【0146】
【表17】

【0147】
実施例62
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[3−(8−メトキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]ベンズアミド
無水トルエン(5ml)中の8−メトキシベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン(157mg,0.887mmol)と、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(方法15;260mg,0.887mmol)との懸濁液を25時間加熱還流させた。固体を濾別し、メタノールとDCMによって洗浄した。濾液を濃縮して、得られた生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、65mg(16.2%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.55 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.81 (m, 2H), 7.60-7.65 (m, 2H), 7.50 (m, 2H), 4.00 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.80 (s, 6H); m/z 453.
【0148】
実施例63
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[3−(8−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]ベンズアミド
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[3−(8−メトキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]ベンズアミド(実施例62;45mg,0.1mmol)を、DCM(2ml)中の1M BBr中に懸濁させ、次に、メタノールによってクエンチした。溶媒を減圧下で除去し、得られた生成物をGilson HPLC(アセトニトリル−水中0.1%TFA)を用いる逆相クロマトグラフィーによって精製して、40mg(91.8%)の緑色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.53 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.60 (m, 2H), 7.40 (m, 2H), 7.30 (d, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.80 (s, 6H); m/z 439.
【0149】
実施例64
N−[3−(8−クロロ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
トルエン(20ml)中の2−アミノ−3−クロロ−安息香酸(2.5g,14.6mmol)と、トリエチルクロロホルメート(15ml)と、酢酸(0.5ml)との撹拌した混合物を還流下で4時間加熱した。この混合物に、N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(方法15;2.53g,8.6mmol)を加えて、還流下で16時間撹拌した。生成物を濾過によって回収して、2.5g(63.8%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.58 (s, 1H) 8.50 (s, 1H), 8.25 (d, 1H), 8.10 (m, 2H), 8.00 (d, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.65 (m, 2H), 7.50 (d, 1H), 2.13 (s, 3H), 1.80 (s, 6H); m/z 457.
【0150】
実施例65
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[8−(N−メチルカルバモイルメチルアミノ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(60mg,0.493mmol)と、Pd(dba)(18mg,10%mmol)と、BINAP(24mg,20%mmol)と、N−[3−(8−クロロ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例64;90mg,0.197mmol)と、H−Gly−NMe塩酸塩(58.9mg,0.474mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサン(3ml)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。次に、この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、最初に、ISCO系(DCM中0.5%トリエチルアミン、5%メタノール)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、次に、Gilson HPLC(アセトニトリル−水中0.1%TFA)を用いる逆相クロマトグラフィーによって精製して、35mg(35%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.30 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.70-7.81 (m, 3H), 7.61 (m, 3H), 7.42 (m, 1H), 7.26 (d, 1H), 6.75 (d, 1H), 6.40 (s, 1H), 2.62 (s, 2H), 2.45 (d, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.53 (s, 6H); m/z 509.
【0151】
実施例66
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[4−オキソ−8−(1H−ピラゾル−4−イル)−4H−キナゾリン−3−イル]−フェニル}−ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、炭酸セシウム(257mg,0.788mmol)と、Pd(PPh(17mg,7.5%mmol)と、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(46.5mg,0.24mmol)と、N−[3−(8−クロロ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例64;90mg,0.197mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサンと水(4:1)(3ml)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で165℃において20分間照射した。次に、この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、最初に、ISCO系(DCM中0.5%トリエチルアミン、5%メタノール)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、次に、Gilson HPLC(アセトニトリル−水中0.1%TFA)を用いる逆相クロマトグラフィーによって精製して、20mg(20%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.25 (s, 1H), 8.12 (d, 3H), 7.90 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.80 (s, 1h), 7.70 (d, 1H), 7.50 (m, 2H), 7.41 (d, 1H), 7.35 (m, 3H), 7.21 (d, 1H), 1.85 (s, 3H), 1.50 (s, 6H); m/z489.
【0152】
実施例67
N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−1−t−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
DCM(5ml)中の3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−ブロモ−3H−キナゾリン−4−オン(方法18;100mg,0.46mmol)と、2-tert−ブチル−5−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル・クロリド(93mg,0.46mmol)と、トリエチルアミン(92mg,0.92mmol)との溶液を、25℃において1時間撹拌した。この反応混合物を水(10ml)によってクエンチし、DCM(3x30ml)によって抽出した。有機層をNaSO(s)上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、得られた生成物をISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、40mg(17.6%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.09 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.70 (d, 1H), 6.90 (s, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 1.90 (s, 9H); m/z495.
【0153】
実施例68
N−[3−(6−モルホリノ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−1−t−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
マイクロ波バイアルに、ナトリウムtert−ブトキシド(8mg,0.06mmol)と、Pd(dba)(4mg,10%mmol)と、BINAP(5mg,20%mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−1−t−ブチル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(実施例67;20mg,0.04mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、これを窒素雰囲気下でフラッシュした。次に、1,4−ジオキサン中のモルホリン(9mg,0.097mmol)を注射器から滴加した。このバイアルをマイクロ波中で175℃において30分間照射した。次に、この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、最初に、ISCO系(DCM中0.5%トリエチルアミン、5%メタノール)を用いるカラムクロマトグラフィーによって、次に、Gilson HPLC(アセトニトリル−水中0.1%TFA)を用いる逆相クロマトグラフィーによって精製して、15mg(75%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.70 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.65 (m, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.40 (d, 1H), 6.55 (s, 1H), 3.80 (t, 4H), 3.21 (t, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.62 (s, 9H); m/z 501.
【0154】
実施例69
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[4−オキソ−6−[(3−イルプロピル)アミノ]キナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド
不活性雰囲気下で、50ml密閉管に、電磁気撹拌バー、Pd(dba)(45mg,0.049mmol)と、BINAP(91mg,0.147mmol)と、トルエン(5ml)とを装入した。この複合物を25℃において5分間撹拌させてから、ナトリウムt−ブトキシド(0.191g,2.00mmol)と、(3−ピペリジン−1−イルプロピル)アミン−3−ピペリジン−1−イルプロパン−1−アミン(0.208g,1.47mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27;0.250g,0.49mmol)とを加えた。この反応混合物を100℃において12時間加熱し、冷却し、水(100ml)によってクエンチし、EtOAc(2x100ml)で抽出した。一緒にした有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、粗生成物を得て、これを40gのSiO上で、溶離剤としてEtOAc−MeOH(4:1)を用いて精製して、白色固体として、0.220g(80%)を得た。NMR 400 MHz): 10.53 (s, 1H), 9.65 (m, 1H), 8.05 (s, 2H), 7.93 (d, 1H), 7.82-7.74 (m, 2H), 7.61 (d, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.21 (dd, 1H), 7.16 (d, 1H), 3.39 (d, 2H), 3.20-3.12 (m, 5H), 2.87-2.85 (m, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.04-1.98 (m, 4H), 1.80-1.62 (m, 3H), 1.74 (s, 6H); m/z 563.
【0155】
実施例70〜74
下記化合物を、実施例69に記載したように、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27)と適当なアミンから合成した。
【0156】
【表18】

【0157】
【表19】

【0158】
実施例75
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{3−[6−[3−(ジメチルアミノ)プロポキシ]−4−オキシキナゾリン−3(4H)−イル]−4−メチルフェニル}ベンズアミド
不活性雰囲気下で、10ml密閉管に、電磁気撹拌バー、Pd(OAc)(8mg,0.012mmol)と、BINAP(91mg,0.147mmol)と、トルエン(1.5ml)とを装入した。この触媒を25℃において5分間撹拌させてから、炭酸セシウム(0.244g,0.75mmol)と、N,N−ジメチルアミノプロパノール(0.061g,0.600mmol)と、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27;0.150g,0.300mmol)とを加えた。この反応混合物を40℃において12時間加熱し、冷却し、水(50ml)によってクエンチし、EtOAc(2x50ml)で抽出した。一緒にした有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、粗生成物を得て、これを40gのSiO上で、溶離剤としてEtOAc−MeOH(4:1)を用いて精製して、白色固体として、0.039g(25%)を得た。NMR (400 MHz): 10.52 (s, 1H), 10.06 (m, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.05 (t, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.62-7.57 (m, 2H), 7.52 (dd, 1H), 7.44 (d, 1H), 4.21 (t, 2H), 3.27-3.20 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.78 (s, 3H), 2.20-2.15 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.74 (s, 6H); m/z 524.
【0159】
実施例76〜77
下記化合物を、実施例75に記載したように、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27)と適当なアルコールから合成した。
【0160】
【表20】

【0161】
【表21】

【0162】
実施例78
N−シクロプロピル−3−(2−メチル−5−{[3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}フェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボキサミド
無水DMF(2ml)中の3−[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−8−カルボン酸(実施例2;47mg,0.10mmol)と、シクロプロピルアミン(0.1ml)と、HATU(45mg,0.12mmol)と、DIEA(64.5mg,0.5mmol)との混合物を25℃において2時間撹拌した。次に、この混合物に、水(5ml)を加えて、固体が水から沈殿し始めるまで、減圧下で濃縮した。固体を濾過によって回収して、ヘキサン−EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製して、35mgの白色固体(69.1%)を得た。NMR (400MHz): 10.73 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.49 (d, 2H), 8.40 (d, 1H), 8.32 (m, 2H), 8.05 (d, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.85 (m, 2H), 7.75 (t, 1H), 7.50 (d, 1H), 3.00 (m, 1H), 2.15 (s, 3H), 0.85 (m, 2H), 0.60 (m, 2H); m/z507.
【0163】
実施例79
下記化合物を、実施例78の方法によって、3−[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−8−カルボン酸(実施例2)と適当なアミンを用いて製造した。
【0164】
【表22】

【0165】
実施例80
3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボキサミド
無水DMF(2ml)中の3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボン酸(実施例3;100mg,0.21mmol)と、メチルアミン塩酸塩(134mg,2mmol)と、HATU(98mg,0.26mmol)と、DIEA(277mg,2.1mmol)との混合物を、25℃において2時間撹拌した。生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いて精製して、70mgの白色固体(69.6%)を得た。NMR (400MHz): 10.36 (s, 1H), 9.60 (t, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.45 (t, 1H), 7.30 (d, 1H), 2.79 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.60 (s, 6H); m/z479.
【0166】
実施例81〜90
下記化合物を、実施例80の方法によって、3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボン酸(実施例3)、3−[2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−8−カルボン酸(実施例2)又は6−ブロモ−3−{5−[3−(シアノ−ジメチル−メチル)−ベンゾイルアミノ]−2−メチル−フェニル}−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−8−カルボン酸(実施例4)と、適当な出発物質を用いて製造した。
【0167】
【表23】

【0168】
【表24】

【0169】
【表25】

【0170】
実施例91
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{3−[8−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]−4−メチルフェニル}ベンズアミド
DCM(5ml)中のN−[3−(8−アミノ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチル−フェニル]−3−(シアノ−ジメチル−メチル)−ベンズアミド(実施例106;100mg,0.23mmol)と、シクロプロパンカルボニルクロリド(0.2ml)と、トリエチルアミン(46mg,0.46mmol)との混合物を、25℃において12時間撹拌した。生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)によって精製して、45mgの白色固体(38.7%)を得た。NMR (400 MHz): 10.60 (s, 1H), 10.20 (s, 1H), 8.70 (d, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.00 (m, 4H), 7.85 (d, 1H), 7.75 (m, 2H), 7.62 (d, 1H), 2.35 (m, 1H), 2.18 (s, 3H), 1.80 (s, 6H), 0.95 (m, 4H); m/z 506.
【0171】
実施例92〜93
下記化合物を、実施例91の方法によって、N−[3−(8−アミノ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチル−フェニル]−3−(シアノ−ジメチル−メチル)−ベンズアミド(実施例106)と適当な出発物質を用いて製造した。
【0172】
【表26】

【0173】
実施例94
3−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−{4−メチル−3−[8−(3−メチル−ウレイド)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−フェニル}ベンズアミド
トルエン(10ml)中の3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボン酸(実施例3;150mg,0.32mmol)と、ジフェニルホスホリル・アジド(177mg,0.64mmol)と、DIEA(83mg,0.64mmol)との懸濁液を還流下で5時間撹拌した。次に、この懸濁液にメチルアミン(THF中2M、5ml)を加えて、反応混合物を再び、還流下で1時間撹拌した。透明な溶液をメチルアミンの第2回部分(THF中2M、5ml)で処理して、生じた混合物を100℃において2日間撹拌した。生成物をISCO系(ヘキサン−EtOAc)によって精製して、30mgの白色固体(19%)を得た。NMR (400 MHz): 10.30 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.47 (d, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.65 (m, 2H), 7.59 (d, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.30 (m, 2H), 7.06 (m, 1H), 2.50 (d, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.60 (s, 6H); m/z495.
【0174】
実施例95
3−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−{3−[8−(2−メトキシ−エチルアミノ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチル−フェニル}ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、炭酸セシウム(161mg,0.49mmol)と、Pd(dba)(30mg,10%mmol)と、トリ−t−ブチルホスフィン(0.15ml)と、N−[3−(8−クロロ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例64;150mg,0.329mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。次に、1,4−ジオキサン(3ml)中の2−メチキシエチルアミン(49mg,0.658mmol)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で165℃において20分間照射した。この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、次に、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、90mg(55.3%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.30 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.70 (m, 3H), 7.45 (m, 1H), 7.30-7.20 (m, 3H), 6.80 (d, 1H), 5.92 (t, 1H), 3.45 (m, 2H), 3.25 (m, 5H), 1.90 (s, 3H), 1.60 (s, 6H); m/z 496.
【0175】
実施例96
下記化合物を、実施例95の方法によって、6−ブロモ−3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−N−シクロプロピル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボキサミド(実施例90)と適当な出発物質を用いて製造した。
【0176】
【表27】

【0177】
実施例97
3−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−[4−メチル−3−(4−オキソ−7−ピリジン−3−イル−4H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−ベンズアミド
マイクロ波バイアルに、炭酸セシウム(389mg,1.196mmol)と、Pd(PPh(26mg,7.5%mmol)と、N−[3−(7−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例51;150mg,0.299mmol)と、3−ピリジン・ボロン酸(36.7mg,0.299mmol)とを装入した。このバイアルに、セプタムを装着して、窒素でパージした。1,4−ジオキサン−水(4:1)(3ml)を注射器から加えた。このバイアルをマイクロ波中で165℃において20分間照射した。次に、この混合物をシリカゲル・パッドに通して濾過して、DCMで洗浄した。濾液を濃縮して、生じた固体を、Gilson HPLC(5〜95%アセトニトリル−0.1%TFA)によって精製して、83mg(55.6%)を得た。NMR (400 MHz): 10.35 (s, 1H), 9.05 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.90 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.50 (m, 3H), 7.42 (t, 1H), 7.25 (d, 1H), 1.95 (s, 3H), 1.60 (s, 6H); m/z 500.
【0178】
実施例98
3−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−{3−[8−(2−ジエチルアミノ−エトキシ)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチル−フェニル}ベンズアミド
アセトン(10ml)中の3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[3−(8−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]ベンズアミド(実施例63;96mg,0.219mmol)と、2−ジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(49mg,0.285mmol)と、炭酸カリウム(302mg,2.19mmol)と、ヨウ化ナトリウム(3mg,0.0219mmol)との懸濁液を、12時間還流させた。固体を濾過し、アセトンで洗浄して、廃棄した。濾液を濃縮して、生じた残渣をGilson HPLC(5〜90%アセトニトリル−0.1%TFA)によって精製して、65mgの白色固体(55.3%)を得た。NMR (400 MHz): 10.68 (s, 1H), 10.40 (s, br, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.90 (m, 3H), 7.80 (d, 1H), 7.60 (m, 3H), 7.50 (d, 1H), 4.60 (t, 2H), 3.50 (m, 6H), 2.15 (s, 3H), 1.80 (s, 6H), 1.35 (t, 6H); m/z 539.
【0179】
実施例99
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{3−[6−[3−(ジメチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル]−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]−4−メチルフェニル}ベンズアミド
N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27;0.250g,0.500mmol)を、アセトニトリル(4.00ml)に加えた。トリエチルアミン(0.350ml,2.50mmol)を加えて、続いて、N,N−ジメチルプロパ−2−イン−1−アミン(0.103g,1.25mmol)を加えた。撹拌しながら、Pd(PPh(57mg,0.05mmol)とCuI(10mg,0.050mmol)を加えて、この反応を60℃に4時間加温した。次に、この反応をEtOAc(50ml)で希釈し、SiOパッドに通して濾過し、真空濃縮した。粗生成物を40gのSiO上で溶離剤としてEtOAc−MeOH(10:1)を用いて精製して、0.203g(81%)を得た。NMR (400 MHz): 11.02 (brs, 1H), 10.60 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.34 (d, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.98 (dd, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.59 (t, 1H), 7.44 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 2.88 (s, 3H), 2.87 (s, 3H) 2.07 (s, 3H), 1.74 (s, 6H); m/z 504.
【0180】
実施例100〜102
下記化合物を、実施例99の方法によって、N−[3−(6−ブロモ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド(実施例27)と適当な出発アルキンを用いて製造した。
【0181】
【表28】

【0182】
実施例103
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[6−[3−(メチルアミノ)プロピル]−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[6−[3−(メチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル]−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド(実施例100;0.05g,0.102mmol)をMeOH(5ml)中に溶解した。次に、炭素付きパラジウム(10重量%)を加えて、反応を1気圧の窒素下におき、25℃において8時間撹拌した。この反応混合物をセライトに通して濾過して、真空中で濃縮して、粗生成物を得て、これを、40gのSiO上で、溶離剤としてEtOAc−MeOH(4:1)を用いて精製して、0.040g(79%)の白色固体を得た。NMR (400 MHz): 10.53 (s, 1H), 8.40-8.38 (m, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.93 (d, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.80-7.76 (m, 3H), 7.59 (t, 1H), 7.45 (d, 1H), 3.00 (s, 3H), 2.98-2.96 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.85-1.82 (m, 2H), 1.74 (s, 6H), 1.65-1.62 (m, 2H); m/z 494.
実施例104〜105
下記化合物を、実施例103の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0183】
【表29】

【0184】
実施例106
N−[3−(8−アミノ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチル−フェニル]−3−(シアノ−ジメチル−メチル)−ベンズアミド
tert−ブタノール中の3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボン酸(実施例3;466mg,1mmol)と、ジフェニルホスホリル・アジド(550mg,2mmol)と、DIEA(258mg,2mmol)との懸濁液を、12時間撹拌還流させた。透明な溶液を25℃に冷却し、減圧下で濃縮した。生じた残渣をISCO系(ヘキサン−EtOAc)によって精製して、293mgを得た。次に、該固体をジオキサン中4M HCl(3ml)によって、25℃において2時間処理して、減圧下で濃縮した。生じた残渣をGilson HPLC(5〜95%アセトニトリル−0.1%水)によって精製して、153mgの白色固体(35%)を得た。NMR (400 MHz): 10.40 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.70 (m, 3H), 7.49 (t, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (m, 2H), 6.98 (d, 1H), 1.95 (s, 3H), 1.60 (s, 6H); m/z 438.
【0185】
実施例107〜108
下記化合物を、実施例27に記載したように、3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(方法40)又は3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(方法41)と、3−(1−シアノ−1−メチルエチル)安息香酸(方法11)から合成した。
【0186】
【表30】

【0187】
出発物質の製造
方法1
N−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド
DCM(100ml)中の4-メチル−3−ニトロ−フェニルアミン(3.64g,24mmol)と3−トリフルオロメチル−ベンゾイルクロリド(5g,24mmol)との溶液を、トリエチルアミン(4.85g,48mmol)で処理した。この混合物を25℃において20分間撹拌した。次に、この反応を水(50ml)でクエンチして、15分間撹拌した。固体を真空濾過によって回収し、ヘキサンで洗浄した。濾液から、固体の二次収量を回収し、総収量7.78g(100%)の白色−淡黄色固体を得た。NMR (400 MHz): 7.35 (m, 1H), 7.66 (m, 1H), 7.87 (m, 2H), 8.15 (m, 2H), 8.40 (s, 1H), 10.62 (s, 1H); m/z 324.
【0188】
方法2
N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド
DMF(2ml)中のN−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−3−トリフルオロメチルベンズアミド(方法1,324mg,1mmol)と、塩化スズ(II)(1.33g,7mmol)との懸濁液を25℃において12時間撹拌した。この混合物を25%NaOH(10ml)で処理して、クロロホルム(3x50ml)で抽出した。有機相を一緒にして、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮した。得られた生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として270mg(92%)を得た。NMR (400 MHz): 10.00 (s, 1H), 8.05 (m, 2H), 7.80 (m, 1H), 7.60 (m, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.70m (m, 2H), 4.70 (s, 2H), 1.87 (s, 3H); m/z 294.
【0189】
方法3
2−アミノ−4−ブロモ安息香酸
エタノール(84ml)中の2−アミノ−4−ブロモ安息香酸エチルエステル(6g,24.5mmol)の溶液を、水酸化ナトリウム(水17ml中1.97g)によって処理した。この反応混合物を25℃において12時間撹拌した。蒸留によって、エタノールを除去して、得られた懸濁液を水(200ml)で希釈して、10%HClによってpH=1〜3まで酸性化した。白色固体を濾過によって回収し、水で洗浄し、高真空によって乾燥させた(5.2g,98.3%)。NMR (400 MHz): 7.50 (d, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.55 (d, 1H); m/z 216.
【0190】
方法4
3−シアノメチル−安息香酸メチルエステル
DMF(25ml)と水(1ml)中のメチル−3−(ブロモメチル)ベンゾエート(13.5g,58.9mmol)とシアン化ナトリウム(4.33g,88.4mmol)との懸濁液を、75℃において5時間撹拌した。この反応混合物を水(50ml)によってクエンチして、EtOAc(3x100ml)で抽出した。一緒にした有機層をNaSO(s)によって乾燥させ、減圧下で濃縮した。生じた残渣を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、7.2g(70%)の無色油状物を得た。NMR (400 MHz): 7.90 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.50 (m, 1H), 4.10 (s, 2H), 3.80 (s, 3H); m/z 175.
【0191】
方法5〜6
下記化合物を、方法4の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0192】
【表31】

【0193】
方法7
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)安息香酸メチルエステル
無水DMSO(80ml)中の3−シアノメチル−安息香酸メチルエステル(方法4;7.2g,41.1mmol)の溶液を、水素化ナトリウム(60%,4.9g,123.3mmol,3eq)によって処理した。次に、ヨウ化メチルを0℃において滴加した。この反応混合物を25℃において12時間撹拌した。次に、反応混合物を水(200ml)によってクエンチして、EtOAcによって抽出した。一緒にした有機層をNaSO(s)によって乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、5.5g(66%)の無色油状物を得た。NMR (400 MHz): 8.05 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.55 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 1.62 (s, 6H); m/z 203.
【0194】
方法8〜10
下記化合物を、方法7の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0195】
【表32】

【0196】
方法11
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)安息香酸
THF/MeOH/HO(3:1:1)(100ml)中の3−(1−シアノ−1−メチルエチル)安息香酸メチルエステル(方法7;5.5g,27.1mmol)の溶液を、水(20ml)中の水酸化リチウム(1.95g)によって処理した。この混合物を25℃において12時間撹拌した。揮発性溶媒を蒸発によって除去して、得られた溶液を水で希釈して、次に、10%HClによってpH=1〜3まで酸性化した。生じた白色固体(4.83g,94%)を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。NMR (400 MHz): 13.00 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 1.60 (s, 6H); m/z 189.
【0197】
方法12
下記化合物を、方法11の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0198】
【表33】

【0199】
方法13
メチル・3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルベンゾエート
無水トルエン(2L)中の2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(97g,0.45mmol)の懸濁液を窒素下で、過剰なトリメチルオルトホルメート(250ml,2.25mol)で処理した。触媒量の酢酸(1ml)を注射器から加え、不均質な白色反応混合物を3時間還流させた。次に、この反応混合物を40℃に冷却して、メチル・3−アミノ−4−メチルベンゾエート(74g,0.45mol)を、無水トルエン(1L)の添加によって得られたスラリーとして加えた。この反応混合物を20時間還流させ、次に冷却し、EtOAc(1.5L)によって希釈し、1M HCl(aq)(1x600ml)、2M NaOH(aq)(2x400ml)及びブライン(2x300ml)によって連続的に洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、黄褐色固体を得た。EtOAc/ヘキサンからの再結晶によって、目的生成物を白色固体(105g,理論量167gの63%)として得た。NMR (300 MHz): δ8.37 (s, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.1 (m, 3H), 7.74 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.18 (s, 3H); m/z 374.
【0200】
方法14
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)ベンズアミド
DMF(30ml)中の4−メチル−3−ニトロアニリン(2.74g,18mmol)と、3−(1−シアノ−1−メチルエチル)安息香酸(方法11;3.4g,18mmol)と、EDCI(6.9g,36mmol)と、HOBt(2.43g,18mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(3.48g,27mmol)との混合物を、25℃において12時間撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、次に、水とブラインで洗浄した。有機相をNaSO(s)で乾燥させた。溶媒を減圧によって除去し、得られた生成物を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、4.4g(53%)を得た。NMR (400 MHz): 10.50 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.40-7.95 (m, 6H), 3.20 (s, 3H), 1.65 (s, 6H); m/z 323.
【0201】
方法15
N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド
抱水ヒドラジン(100ml)とエタノール(100ml)中の3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)ベンズアミド(方法14;4g,13.9mmol)と炭素付き5%パラジウムとの懸濁液を、3時間加熱還流させ、次に、80℃において12時間撹拌した。濾過によって、パラジウム/炭素を除去し、濾液を濃縮した。残渣を、ISCO系(ヘキサン−EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、3.7g(91%)の橙色ガムを得た。NMR (400 MHz): 9.95 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.55 (m, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.80-6.87 (m, 2H), 4.85 (s, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.85 (s, 6H); m/z 293.
【0202】
実施例16
3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチル安息香酸
メチル・3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルベンゾエート(方法13;50g,0.13mmol)を、窒素下、6M HCl(1.2L)中で6時間還流させた。この反応混合物を冷却し、得られた生成物を濾過によって回収した。固体を水によって洗浄して、痕跡量のHClを除去した。該物質を真空下で乾燥させ、次に、少量の温エタノールと共に摩砕した。得られた生成物を濾過によって回収して、白色微粉状固体を得た。NMR (300 MHz): δ8.38 (s, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.07 (dd, 1H), 8.00 (m, 2H), 7.74 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 2.17 (s, 3H); m/z 359.
【0203】
方法17
N−ベンジルオキシカルボニル−3−(6−ブロモ−4−オキシキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルアニリン
3−(6−ブロモ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチル安息香酸(方法16;8g,22mol)を無水トルエン(50ml)中に懸濁させ、窒素下で、トリエチルアミン(3.3ml,24mmol)で処理した。撹拌しながら、ジフェニルホスホリル・アジド(4.9ml,23mmol)を滴加し、続いて、ベンジルアルコール(4.6ml,44mmol)を加えた。この不均質な反応混合物を12時間加熱還流させた。次に、反応混合物を冷却して、激しく撹拌しながら、水(250ml)を加えた。層を分離し、水層をEtOAcによって数回抽出した。一緒にした有機層を、水(1x25ml)、飽和NaHCO(aq)(1x50ml)及びブライン(1x25ml)によって連続的に洗浄し、次に、NaSO(s)によって乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、白色固体を得た。NMR (300 MHz): 10.0 (br s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.06 (dd, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.35-7.55 (m, 8H), 2.17 (s, 3H); m/z: 465.
【0204】
方法18
3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−ブロモ−3H−キナゾリン−4−オン
N−ベンジルオキシカルボニル−3−(6−ブロモ−4−オキシキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルアニリン(方法17;4g,10mmol)を、酢酸中30%HBr中に懸濁させ、窒素雰囲気下、25℃において、24時間激しく撹拌した。過剰な酢酸を減圧下で除去し、激しく撹拌しながら、水(200ml)を加えた。層を分離し、水層をEtOAcによって数回抽出した。一緒にした有機層を、水(1x25ml)、飽和NaHCO(aq)(1x50ml)及びブライン(1x25ml)によって連続的に洗浄し、次に、NaSO(s)によって乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、白色固体を得た。NMR (300 MHz): 7.5-8.2 (m, 7H), 7.2 (s, 2H), 2.15 (s, 3H); m/z 330.
【0205】
方法19
2−メチル−2−(4−メチルピリジン−2−イル)プロパンニトリル
2−フルオロ−4−メチルピリジン(1.00g,9.00mmol)と、2−メチルプロパンニトリル(2.48g,36mmol)を無水トルエン(30ml)中に溶解した。カリウム・ヘキサメチルジシラジド(13.5mmol)を加えて、この反応を1時間還流させた。次に、反応を、飽和NHCl水溶液(50ml)によってクエンチして、該混合物をEtOAc(2x50ml)で抽出した。一緒にした有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗反応生成物を得て、これを40gのSiO上、溶離剤としてのヘキサン−EtOAc(5:1)で精製して、0.870g(60%)を得た;m/z 161.
【0206】
方法20
2−(1−シアノ−1−メチルエチル)イソニコチン酸
2−メチル−2−(4−メチルピリジン−2−イル)プロパンニトリル(方法19;0.870g,5.43mmol)を、水(15ml)中に溶解した。この反応混合物を60℃に加熱し、KMnO(4.3g,27mmol)を加えた。この反応を2時間、加熱還流させ、次に、セライト・パッドに通して濾過した。1N HClを細心に添加して、pHを4に調節して、水相をEtOAc(4x25ml)で抽出した。有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗反応生成物を得て、これを40gのSiO上で、溶離剤としてEtOAc−MeOH(10:1)を用いて精製して、0.700g(68%)を得た;m/z 191.
【0207】
方法21
下記化合物を、方法20の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0208】
【表34】

【0209】
方法22
メチル・3−(ブロモメチル)−4−クロロベンゾエート
メチル・4−クロロ−3−メチルベンゾエート(2.50g,13.54mmol)、N−ブロモスクシンイミド(3.00g,16.93mmol)及び四塩化炭素(50ml)に、アゾビス(イソブチロニトリル)(500mg)を加えた。この溶液を、撹拌しながら、80℃に4時間加熱してから、25℃に冷却した。該反応混合物をセライト・パッドに通して濾過して、濾液を真空濃縮した。粗生成物を40gのSiO上で、溶離剤としてヘキサン−EtOAc(10:1)を用いて精製して、2.70g(76%)を得た;m/z 264.
【0210】
方法23
tert−ブチル(ジフェニル)(3−チエニルメトキシ)シラン
無水DMF(86ml)と、イミダゾール(8.94g,131.4mmol)とを、3−チエニルメタノール(5.0g,43.8mmol)に加えた。この反応混合物を0℃に冷却し、tert−ブチルクロロジフェニルシラン(15.0g,54.7mmol)で処理して、6時間撹拌させた。反応を25℃に加温してから、飽和NHCl水溶液(250ml)の添加によってクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3x125ml)で抽出した。一緒にした有機相をブライン(1x100ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。粗反応生成物を、120gのSiO上、溶離剤としてヘキサン−EtOAc(10:1)を用いて精製して、14.8g(96%)を得た;m/z 353.
【0211】
方法24
2−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−メチルプロパンニトリル
THF(5.8ml)を、2−メチル−2−(2−チエニル)プロパンニトリル(方法10;0.260g,1.71mmol)に加えて、この反応混合物を−78℃に冷却した。冷却した反応に、1.26mlのtert−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M溶液)を注射器から滴加した。得られた明黄色混合物を1時間撹拌させてから、無水DMF(0.330ml,4.27mmol)を注射器から加えた。この反応を−78℃において6時間撹拌してから、飽和NHCl水溶液(25ml)の添加によってクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3x25ml)で抽出した。一緒にした有機相をブライン(1x50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、標題化合物、0.271g(88%)を無色油状物として得た; m/z 180.
【0212】
方法25
下記化合物を、方法24の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0213】
【表35】

【0214】
方法26
[4−({[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−2−チエニル]メタノール
4−({[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)チオフェン−2−カルブアルデヒド(方法25;3.99g,10.48mmol)をメタノール(50ml)中に溶解した。NaBH(0.792g,20.96mmol)を1回で加えた。1時間後に、反応を飽和NHClの溶液(25ml)の添加によって細心にクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3x125ml)で抽出した。一緒にした有機相をブライン(1x250ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗反応生成物を得て、これを120gのSiO上で、溶離剤としてヘキサン/EtOAc(5:2)を用いて精製して、標題化合物3.99gを無色油状物として得た(98%); m/z 384.
【0215】
方法27
{[5−(ブロモメチル)−3−チエニル]メトキシ}(tert−ブチル)ジフェニルシラン
[4−({[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−2−チエニル]メタノール(方法26;4.2g,10.98mmol)に、無水THF(45ml)を加えた。三臭化リン(3.56g,13.17mmol)を注射器から滴加し、この反応を25℃において1時間撹拌させてから、飽和NaHCO水溶液(250ml)によってクエンチした。この反応混合物をEtOAc(2x250ml)によって抽出し、一緒にした有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗反応生成物を得て、これを120gのSiO上で、溶離剤としてヘキサン−EtOAc(10:1)を用いて精製して、3.70g(76%)を得た; m/z 447.
【0216】
方法28
2−[4−(ヒドロキシメチル)−2−チエニル]−2−メチルプロパンニトリル
2−[4−({[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−2−チエニル]−2−メチルプロパンニトリル(方法9;0.880g,2.10mmol)に、無水THF(25ml)を加えた。THF中テトラブチルアンモニウム・フルオリドの1M溶液(5.25mmol)を注射器から滴加し、この反応を25℃において12時間撹拌させてから、飽和NHCl水溶液(50ml)によってクエンチした。この反応混合物をEtOAc(2x50ml)によって抽出し、一緒にした有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗反応生成物を得て、これを40gのSiO上で、溶離剤としてヘキサン−EtOAc(2:1)を用いて精製して、0.270g(71%)を得た; m/z 182.
【0217】
方法29
2−(4−ホルミル−2−チエニル)−2−メチルプロパンニトリル
DMSO(0.277g,3.55mmol)に、DCM(10ml)を加えた。該反応を−78℃に冷却し、塩化オキサリル(0.225g,1.78mmol)を注射器から滴加し、この温度において、反応を30分間撹拌させた。次に、DCM中の2−[4−(ヒドロキシメチル)−2−チエニル]−2−メチルプロパンニトリル(方法28;0.270g,1.48mmol)の1M溶液を注射器から滴加し、この温度において、反応を30分間撹拌させた。次に、トリエチルアミン(0.718g,7.40mmol)を加えて、反応を撹拌しながら、1時間にわたって25℃に温度上昇させてから、飽和NaHCO水溶液(250ml)によってクエンチした。この反応混合物をEtOAc(2x50ml)によって抽出し、一緒にした有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗反応生成物を得て、これを40gのSiO上で、溶離剤としてヘキサン−EtOAc(10:1)を用いて精製して、0.262g(99%)を得た; m/z 180.
【0218】
方法30
5−(1−シアノ−1−メチルエチル)チオフェン−2−カルボン酸
2−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−メチルプロパンニトリル(方法24;0.271g,1.51mmol)に、第3級ブチルアルコール(7.5ml)と2−メチル−2−ブテン(4.5ml)を加えた。この反応混合物を、HO(7ml)中のNaClO(1.22g,13.60mmol)とNaHPO(1.45g,10.57mmol)とのプレミックス水溶液によって滴加処理した。該反応混合物を25℃において30分間撹拌してから、揮発物を減圧下で除去した。得られた粗生成物を、飽和NaHCO水溶液(1x50ml)によって洗浄し、EtOAc(3x25ml)で抽出した。一緒にした有機相をブライン(1x50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空濃縮して、白色固体として0.265g(90%)を得た; m/z 196.
【0219】
方法31
下記化合物を、方法30の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0220】
【表36】

【0221】
方法32
3-(モルホリン−4−イルスルホニル)安息香酸
DCM(10ml)中の3-(クロロスルホニル)安息香酸(1.00g,4.53mmol)の溶液を、モルホリン(3.95ml,45.3mmol,10eq)によって処理した。30分間後に、反応を10%HClでクエンチし、EtOAcで抽出した。有機相(organics)をNaCl(sat)によって洗浄してから、NaSO(s)によって乾燥させた。次に、有機相を減圧下で取り出し、1.10g(89%)を得た; m/z 272.
【0222】
方法33〜34
下記化合物を、方法32の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0223】
【表37】

【0224】
方法35
tert−ブチル(4−メチル−3−ニトロフェニル)カルバメート
4−メチル−3−ニトロアニリン(10.0g,0.066mol)の溶液を、THF(25ml)中に65℃において溶解した。THF(20ml)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(17.2g,0.079mol,1.2eq)を30分間にわたって滴加した。次に、該混合物を窒素下で12時間還流させた。この反応を25℃に冷却して、溶媒を減圧下で除去して、褐色油状物を得た。この油状物をヘキサン−EtOAc(4:1)(200ml)中に溶解して、該溶液にシリカゲル(30g)を加えた。この溶液を5分間撹拌し、シリカを濾過によって除去した。次に、該シリカをヘキサン−EtOAc(4:1)によって、もはや生成物が検出されなくなるまで、繰り返して洗浄した。該溶媒を一緒にして、減圧下で濃縮した。得られた黄色固体をヘキサンで洗浄し、風乾させて、14.2gの目的生成物(85%)を得た。NMR (300 MHz): 8.07 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.26 - 7.30 (m, 1H), 6.66 (s, 1H), 2.55 (s, 3H), 1.55 (s, 9H).
【0225】
方法36
tert−ブチル(3−アミノ−4−メチルフェニル)カルバメート
tert−ブチル(4−メチル−3−ニトロフェニル)カルバメート(方法35;10.0g,39.6mmol)の溶液を、EtOH(220ml)中に溶解した。この溶液を10%Pd/C(650mg)で処理して、Parr水素化装置に50psiの水素圧で12時間入れた。得られた溶液をセライトに通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して、8.68g(98%)を得た。NMR (300 MHz): 6.86 - 6.98 (m, 2H), 6.48 (d, 1H), 6.36 (s, 1H), 3.59 (s, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.42 - 1.50 (m, 9H).
【0226】
方法37
8−メトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
2−アミノ−3−メトキシ安息香酸(10.0g,59.8mmol)と、トリエチルオルトホルメート(45ml,270mmol)と、酢酸(1ml)との溶液を、トルエン(100ml)中で、水を除去するためにDean−Starkトラップを用いて、12時間還流させた。次に、溶媒を減圧下で除去した。残留固体をDCM中に溶解し、水で洗浄した。該溶液をNaSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。NMR (300 MHz): 7.77 - 7.89 (m, 2H), 7.51 (t, 1H), 7.31 (d, 1H), 4.01 (s, 3H).
【0227】
方法38
tert−ブチル[3−(8−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]カルバメート
8−メトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(方法37;200mg,1.13mmol)とtert−ブチル(3−アミノ−4−メチルフェニル)カルバメート(方法36;138mg,1.13mmol)の溶液を、トルエン(10ml)中で12時間還流させた。溶媒を減圧下で除去して、残渣を、EtOAc−DCM(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製して、90mgの白色固体(21%)を得た。NMR (300 MHz): 9.56 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.53 (t, 2H), 7.38 - 7.48 (m, 2H), 7.25 - 7.33 (m, 1H), 3.89 - 3.95 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.45 (s, 9H).
【0228】
方法39
3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−8−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン
ジオキサン(25ml)中のtert−ブチル[3−(8−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)−4−メチルフェニル]カルバメート(方法38;1.00g,2.62mmol)の溶液を、HCl(ジオキサン中4M,25ml)で処理した。この混合物を25℃において12時間撹拌した。溶媒の約50%を減圧下で除去して、残留溶液を15mlの水に溶解した。該溶液のpHを、NHOHの添加によって12に調節した。次に、該混合物をEtOAcで3回抽出した。一緒にした溶媒をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、淡黄色フォームとして0.4g(54%)を得た。NMR (300 MHz): 7.91 - 8.02 (m, 2H), 7.48 (t, 1H), 7.22 - 7.28 (m, 2H), 7.14 (d, 1H), 6.69 - 6.75 (m, 1H), 6.56 (s, 1H), 6.04 - 6.16 (m, 1H), 4.05 (s, 3H), 2.04 (s, 3H).
【0229】
方法40
3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)キナゾリン−3(4H)−オン
2−アミノ−N−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ベンズアミド(方法42)を、トリエチルオルトホルメートと反応させることによって、3−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)キナゾリン−3(4H)−オンを製造した。
【0230】
方法41
下記化合物を、方法40の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0231】
【表38】

【0232】
方法42
2−アミノ−N−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ベンズアミド
5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(2−メチル−5−ニトロフェニル)−2−ニトロベンズアミド(方法44)を、H及びPd/Cによって還元させることによって、2−アミノ−N−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ベンズアミドを製造した。
【0233】
方法43
下記化合物を、方法42の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0234】
【表39】

【0235】
方法44
5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(2−メチル−5−ニトロフェニル)−2−ニトロベンズアミド
5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ニトロ安息香酸(方法46)の、2−メチル−5−ニトロアニリンとのアミド結合カップリングによって製造した。
【0236】
方法45
下記化合物を、方法44の方法によって、適当な出発物質を用いて製造した。
【0237】
【表40】

【0238】
方法46
5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ニトロ安息香酸
5−フルオロ−2−ニトロ安息香酸を1−メチル−1,4−ジアゼパンと反応させることによって、5−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ニトロ安息香酸を製造した。
【0239】
方法47
下記化合物を、方法47の方法によって、適当なアミンを用いて製造した。
【0240】
【表41】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
環Aは、5員若しくは6員カルボサイクリル又は5員若しくは6員ヘテロサイクリルであり、この場合、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は場合によってはR20から選択される基によって置換されうる;
、R、R、R及びRは、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、ウレイド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N’−(C−Cアルキル)ウレイド、N’,N’−(C−Cアルキル)ウレイド、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R16−又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択される;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRは、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
は、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R17−又はヘテロサイクリル−R17−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR10によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R11から選択される基によって置換されることができる;
は、炭素上の置換基であり、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R18−又はヘテロサイクリル−R18−から選択される;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R13から選択される基によって置換されることができる;
nは、1〜4から選択され;この場合に、Rの意味は、同一でも、異なるものでもよい;
、R10及びR12は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、C−CアルキルS(O)(式中、aは0〜2である)、C−Cアルコキシカルボニル、N−(C−Cアルキル)スルファモイル、N,N−(C−Cアルキル)スルファモイル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R19−又はヘテロサイクリル−R19−から独立的に選択される;この場合、R、R10及びR12は、それぞれ独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができる;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができる;
16、R17及びR19は、直接結合、−O−、−N(R21)−、−C(O)−、−N(R21)C(O)−、−C(O)N(R21)−、−S(O)−、−SON(R21)−又は−N(R21)SO−から独立的に選択される;この場合、R21は水素又はC−Cアルキルであり、sは0〜2である;
18は、−N(R22)−、−C(O)−、−N(R22)C(O)−、−C(O)N(R22)−、−S(O)−、−SON(R22)−又は−N(R22)SO−から選択される;この場合、R22は水素又はC−Cアルキルであり、sは0〜2である;
、R11、R13、R15及びR20は、C−Cアルキル、C−Cアルカノイル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N,N−(C−Cアルキル)カルバモイル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから独立的に選択される;
14は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル又はN−メチル−N−エチルスルファモイルから選択される]
で示される化合物、又はその製薬的に受容される塩;
但し、前記化合物は、2−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−(アセチルアミノ)−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−フルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;2−メトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;3−エトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンズアミド;3−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;4−メトキシ−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミド;又は4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドのいずれでもないことを条件とする。
【請求項2】
環Aが、フェニル、ピリジル、チエニル又はピラゾリルであり;前記ピラゾリルが、場合によっては、R20から選択される基によって窒素上で置換されることができ、R20がC−Cアルキルである、
請求項1に記載の式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項3】
、R、R、R及びRが、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、C−Cアルキル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル、N’−(C−Cアルキル)ウレイド、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R16−又はヘテロサイクリル−R16−から独立的に選択され;この場合、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、水素ではなく;R、R、R、R及びRが、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のRによって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリル基が−NH−部分を含有する場合には、該窒素は、場合によっては、Rから選択される基によって置換されることができる;
が、ヒドロキシ、アミノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、N−(C−Cアルキル)アミノ、N,N−(C−Cアルキル)アミノ、C−Cアルカノイルアミノ、N−(C−Cアルキル)カルバモイル又はヘテロサイクリル−R19−から選択され;この場合に、R、R10及びR12が、相互から独立的に、場合によっては、1つ以上のR14によって炭素上で置換されることができ;そして、前記ヘテロサイクリルが−NH−部分を含有する場合には、該窒素が、場合によっては、R15から選択される基によって置換されることができ;
16とR19が、直接結合、−N(R21)−、−N(R21)C(O)−又は−C(O)N(R21)−から独立的に選択され、この場合に、R21が水素である;
とR15が、C−CアルキルとC−Cアルコキシカルボニルから独立的に選択され;そして、R14がメトキシである、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項4】
が水素である、請求項1〜3のいずれかに記載の式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項5】
が、炭素上の置換基であって、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CアルキルS(O)(式中、aは2である)、C−Cアルキルスルホニルアミノ、カルボサイクリル−R18−又はヘテロサイクリル−R18−から選択され;この場合、Rは、場合によっては、1つ以上のR12によって炭素上で置換されることができ;
12がハロ又はシアノから選択され;
18が−S(O)−又は−N(R22)SO−であり;この場合、R22は水素であり、sは0〜2である、
請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項6】
nが、1又は2から選択され;この場合、Rの意味は同一でも、異なるものでもよい、請求項1〜5のいずれかに記載の式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項7】
式(I):
【化2】

[式中、
環Aは、フェニル、1−t−ブチルピラゾル−5−イル、1−メチルピラゾル−5−イル、ピリダ−2−イル、ピリダ−3−イル、ピリダ−4−イル、チエン−2−イル及びチエン−3−イルであり;
、R、R、R及びRは、水素、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メチル、3−ジメチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、3−アセチルアミノプロピル、メトキシ、N−メチルカルバモイル、N−(2−エトキシエチル)カルバモイル、N−(2−ジメチルアミノエチル)カルバモイル、N−[2−(イミダゾルー4−イル)エチル]カルバモイル、3−(アミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(アセチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(メチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、3−(ジメチルアミノ)プロパ−1−イン−1−イル、N’−メチルウレイド、メシルアミノ、2−(ジメチルアミノ)エトキシ、2−(ジエチルアミノ)エトキシ、3−(ジメチルアミノ)プロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、2-(ピペリジン−1−イル)エトキシ、2-(ピロリジノ)エトキシ、オキシラニルメトキシ、3-(1−メチルピペラジン−4−イル)プロポキシ、2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、2-(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ、2-(ピリダ−2−イル)エチルアミノ、1−(t−ブトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルアミノ、アゼチジン−3−イルアミノ、(N−メチルカルバモイル)メチルアミノ、テトラヒドロフラン−2−イルメチルアミノ、2−メトキシエチルアミノ、3−(ピペリジン−1−イル)プロピルアミノ、シクロプロピルアミノカルボニル、シクロプロピルカルボニルアミノ、ピラゾル−3−イルアミノカルボニル、1,3,4-チアジアゾル−2−イルアミノカルボニル、5−メチル−1,3,4-チアジアゾル−2−イルアミノカルボニル、1,2,3-チアジアゾル−4−イルカルボニルアミノ、1−エチルピペラジン−4−イル、1−イソプロピルピペラジン−4−イル、モルホリノ、アゼチジン−3−イルアミノ、ピリダ−3−イル、ピロル−2−イル、ピラゾル−4−イル、ピリミジン−5−イル、3-ジメチルアミノピロリジン−1−イル、4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル、(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル、及び1−メチルピペラジン−4−イルから独立的に選択される;
は、水素である;
は、フルオロ、クロロ、メチル、t−ブチル、メトキシ、メシル、シクロプロピルアミノスルホニル、アゼチジン−1−イルスルホニル、モルホリノスルホニル、メシルアミノ、トリフルオロメチル又は1−シアノ−1−メチルエチルから選択される;
nは、1又は2から選択され;この場合、Rの意味は同一でも、異なるものでもよい]で示される化合物又はその製薬的に受容される塩;
但し、前記化合物は、2−クロロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}イソニコチンアミド;3,5−ジフルオロ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;2−メトキシ−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;4−メトキシ−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミド;又は4−メチル−N−[4−メチル−3−(2−メチル−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル]ベンズアミドのいずれでもないことを条件とする。
【請求項8】
式(I):
【化3】

で示される化合物であって、下記化合物:
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)-N−{3−[6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル]−4−メチルフェニル}ベンズアミド;
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)-N−[4−メチル−3−(4−オキソ−7−ピリミジン−5−イル−4H−キナゾリン−3−イル)フェニル]ベンズアミド;
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)-N−{4−メチル−3−[4−オキソ−7−(1H−ピラゾル−4−イル)−4H−キナゾリン−3−イル]フェニル}ベンズアミド;
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)-N−[3−(8−メトキシ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−4−メチルフェニル]ベンズアミド;
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)-N−{4−メチル−3−[4−オキソ−8−(1H−ピラゾル−4−イル)−4H−キナゾリン−3−イル]フェニル}ベンズアミド;
N−{3−[6−(1,4’−ビピペリジン−1’−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]−4−メチルフェニル}−3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンズアミド;
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{3−[6−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]−4−メチルフェニル}ベンズアミド;
3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−N−(2−メトキシエチル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボキサミド;
3−(5−{[3−(1−シアノ−1−メチルエチル)ベンゾイル]アミノ}−2−メチルフェニル)−4−オキソ−N−1,3,4−チアジアゾル−2−イル−3,4−ジヒドロキナゾリン−8−カルボキサミド;
3−(シアノ−ジメチル−メチル)−N−[4−メチル−3−(4−オキソ−7−ピリジン−3−イル−4H−キナゾリン−3−イル)フェニル]ベンズアミド;
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド;及び
3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−{4−メチル−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル]フェニル}ベンズアミド
から選択される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項9】
可変部分が、特に指定しない限り、請求項1で定義したとおりである、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の製造方法であって、
方法(a):式(II):
【化4】

で示されるアミンを、式(III):
【化5】

で示される酸又はその活性化酸誘導体と反応させる;
方法(b):式(IV):
【化6】

で示されるアミンを、式(V):
【化7】

[式中、Rはメチル又はエチルである]
で示される化合物と反応させる;
方法(c):式(VI):
【化8】

で示されるアミンを、式(VII):
【化9】

で示されるベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オンと反応させる
を含み、そして、その後に、必要な場合には、
(i)式(I)で示される化合物を、式(I)で示される他の化合物に転化させる工程;
(ii)任意の保護基を除去する工程;
(iii)製薬的に受容される塩を形成する工程
を含む製造方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物。
【請求項11】
薬剤として用いるための、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩。
【請求項12】
例えばヒトのような温血動物におけるB−Raf阻害効果の発現に用いるための薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の使用。
【請求項13】
例えばヒトのような温血動物における抗癌効果の発現に用いるための薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の使用。
【請求項14】
黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓における癌及び肉腫、並びに皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発及び再発充実性腫瘍の治療に用いるための薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の使用。
【請求項15】
B−Raf阻害効果を発現させる治療を必要とする、例えばヒトのような温血動物においてB−Raf阻害効果を発現させる方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項16】
抗癌効果を発現させる治療を必要とする、例えばヒトのような温血動物において抗癌効果を発現させる方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項17】
治療を必要とする、例えばヒトのような温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓における癌及び肉腫、並びに皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発及び再発充実性腫瘍の治療方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩の有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項18】
例えばヒトのような温血動物におけるB−Raf阻害効果の発現に用いるための、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物。
【請求項19】
例えばヒトのような温血動物における抗癌効果の発現に用いるための、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物。
【請求項20】
例えばヒトのような温血動物における黒色腫、乳頭状甲状腺腫瘍、胆管癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、白血病、リンパ性悪性腫瘍、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、胸部及び膵臓における癌及び肉腫、並びに皮膚、結腸、甲状腺、肺及び卵巣の原発及び再発充実性腫瘍の治療に用いるための、請求項1〜8のいずれかに記載した、式(I)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩を製薬的に受容される希釈剤又はキャリヤーと共に含む薬剤組成物。

【公表番号】特表2008−502666(P2008−502666A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516027(P2007−516027)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002327
【国際公開番号】WO2005/123696
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】