説明

抗酸化剤および該抗酸化剤を含む化粧料

【課題】高い抗酸化効果を有する抗酸化剤及び該抗酸化剤を含有し、強い肌荒れの予防・改善効果を発揮し、なおかつ皮膚に対する刺激性が少なく安全性に優れた化粧料を提供すること。
【解決手段】アンマロク(Phyllanthus emblica)・サピンヅストリホリアツス(Sapindus trifoliatus)・アカシアコンシナ(Acacia concinna)から選ばれた少なくとも1種の植物から電解還元水で抽出した抽出物を含む抗酸化剤と、該抗酸化剤を含有することを特徴とする化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌に対して低刺激性で、抗酸化効果や肌荒れ予防・改善効果が高い抗酸化剤並びに該抗酸化剤を配合した基礎化粧料、メイクアップ化粧料、頭髪化粧料などの化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の研究で、皮膚に紫外線があたると活性酸素が発生することがわかった。活性酸素は皮脂を過酸化させ、皮膚細胞にダメージを与える。そして細胞の機能を低下させ、正常な角化の阻害やコラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックスの産生の阻害を引き起こす。さらにコラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックスの分解や架橋を促進し、その結果皮膚に柔軟性や弾力性が無くなり、シワ・タルミや肌荒れが起こる。
係る酸化による皮膚の老化を予防・改善するために、様々な抗酸化剤の検索、配合検討がなされている。例えば、係る抗酸化剤としてトコフェロ−ル(ビタミンE) 、アスコルビン酸(ビタミンC)、ブチルヒドロキシアニソ−ル(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、セサモ−ル二量体、キク科へテロテカ属植物抽出物、サルオガセ科サルオガセ属植物の抽出物等を挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、これまで様々な抗酸化剤が開発されてきたが、合成抗酸化剤は安全性上の問題があり、添加量が制限されており、また天然系の抗酸化剤は有効性の点で必ずしも十分といえない面があり、より安全で有効性の高い抗酸化剤ならびにこれを含む化粧料が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、前述の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、アンマロク、サピンヅストリホリアツスおよびアカシアコンシナから電解還元水を含む溶媒で抽出したエキスにそれぞれ強い抗酸化効果を見出し、さらに高い安全性を確認したことから、ここに優れた有効性と安全性を有する抗酸化剤ならびに係る抗酸化剤を含有し、皮膚老化の症状の防止・改善に優れた効果を発揮する化粧料を提供することを見出した。
さらに、本明細書において用いる化粧料とは、化粧料以外に医薬部外品も含む。
【0005】
本発明で用いる上記の3種類の植物について、アンマロクに関しては、これまでの皮膚における有効性および化粧料への配合実績については、葉、皮や果実からのエタノールチンキを使用することを特徴とする化粧料(特表平02−504638)、果実から水やアルコールなどの抽出物からなる過酸化脂質生成抑制剤(特開平04−069343)、果実や根からの抽出物を含む抗酸化剤と、該抗酸化剤を含有することを特徴とする組成物(特開2002−249772)、果皮、葉などからの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤、活性酸素消去剤(特開2003−081749)などがある。
サピンヅストリホリアツスやシカカイに関しては、桑抽出物との併用(特開2005−239715)がある。
しかしながら、上記の3種類の植物をそれぞれ又は2種類以上混合して電解還元水で抽出した抽出物が、従来の抽出物より強い抗酸化効果を示し、ヒトにおいても肌荒れの予防・改善に顕著な効果を示すことは、従来全く知られておらず、本発明をもって初めて明らかになったしだいである。
【0006】
【特許文献1】特開2001−139944号公報
【特許文献2】特開平11−180886号公報
【特許文献3】特開平10−182413号公報
【特許文献4】特表平02−504638公報
【特許文献5】特開平04−069343公報
【特許文献6】特開2002−249772公報
【特許文献7】特開2003−081749公報
【特許文献8】特開2005−239715公報
【発明の効果】
【0007】
上述したように、本発明は、従来の、水やアルコール、有機溶媒などで抽出したアンマロク、サピンヅストリホリアツス及び/又はアカシアコンシナの抽出物に比べ、強い抗酸化効果を有し、かつ安全性の高い、電解還元水抽出物を有効成分とする抗酸化剤および該抗酸化剤を化粧料に配合することで、シワ・タルミや肌荒れを予防・改善し、安全性の高い化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に使用する上記3種類の植物について説明する。
アンマロク(別名;アムラ)は、学名がPhyllanthus emblicaである東南アジア原産の小果樹で、パキスタンからインドネシアにかけて分布する。本植物は、果実が食用や媒染剤として強壮剤として、樹皮が染料として、葉を煎じた液が目の洗浄に用いられている。
サピンヅストリホリアツス(別名;リタ)は、学名がSapindus trifoliatusである樹木で、インドから中国、東南アジアにかけて分布する。本植物は、果皮が強壮、止血、去痰薬として、花を煎じた液で眼を洗うと、充血、痛み止めの効果があるといわれている。
アカシアコンシナ(別名;シカカイ)は、学名がAcacia concinnaである樹木で、インドなどに分布する。
また、電解還元水とは、水を電気分解することで、電解槽の陰極側に生成する、還元性をもった浸透圧の高い水のことである。人工透析への応用やアトピー性皮膚炎の改善に飲用されたケースがあるが、皮膚に塗布した知見はこれまで無い。
【0009】
抽出に用いる部位は、葉、茎、樹皮、花、実、根等の植物体の一部又は全草であり、好ましくは、果実を用いるのがよい。
【0010】
抽出物の調製は、アンマロク、サピンヅストリホリアツスおよびアカシアコンシナを、必要ならば予め異物を取り除いたあと、そのままもしくは乾燥した上、必要に応じて細切あるいは粉砕し、浸漬法及び向流分配法等の常法に従って電解還元水と接触せしめることによって行うことができる。
各植物体と抽出溶媒の比率は特に限定するものではないが、植物体の重量に対して5倍量から50倍量の溶媒で抽出するのが好ましい。また、上記の2種類又は3種類の植物を混合して抽出する場合、混合比率は特に限定するものではないが、等量で混合することが好ましい。
【0011】
抽出溶媒は電解還元水であるが、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノールなどの低級アルコール、或いはプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコール)又はアセトンなどのケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステルなどのエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルムなどの有機溶媒を、電解還元水と単独或いは2種類以上の任意の混液として使用することができる。又、各々の溶媒抽出物が組み合わされた状態でも使用できる。
【0012】
尚、製造方法は特に制限されるものはないが、浸漬法の場合、通常、常温・常圧下での溶媒の融点から沸点の範囲であれば良く、抽出後は濾過又はイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすれば良い。更に必要ならば、その効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色などの精製処理を加えても良く、脱臭・脱色などの精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いれば良く、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えば良い。
【0013】
又、抽出液のpHは特に限定はないが、主に2〜8の範囲とすることが好ましく、pH調整剤として、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、リン酸などを用いてもよい。
さらに、必要ならば減圧濃縮などにより適当な濃度として用いてもよいし、場合によってはスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って、粉末化することもできる。
【0014】
本発明のアンマロク、サピンヅストリホリアツス、アカシアコンシナの抽出物を含む化粧料とは具体的に、皮膚化粧料及び頭髪化粧料をいい、更に具体的には化粧水(ローション)、乳液、クリーム、オイル、軟膏、パック、リップ、口紅、ファンデーション、アイライナー、頬紅、マスカラ、アイシャドウー、マニキュア・ペディキュア、爪被覆剤、爪被覆除去剤、ひげ剃り用剤、シャンプ-、リンス、ヘアトリートメント、ヘアトニック、ヘアスプレー、ヘアクリーム、ヘアローション、整髪料、育毛料、パーマネント液、染毛料、ハンドソープ・ボディーソープ、歯磨き剤、洗口料及び洗顔料・石鹸類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明の化粧料に配合されるアンマロク、サピンヅストリホリアツス、アカシアコンシナの抽出物の量は、特に限定はないが、単独及び併用する場合において、一般に化粧料全量に対して、乾燥固形物に換算して合計0.0001〜10.0重量%、好ましくは合計0.0005〜5.0重量%、特に好ましくは合計0.001〜3.0重量%である。
【0016】
本発明の化粧料は、アンマロク、サピンヅストリホリアツス、アカシアコンシナの抽出物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、油性原料、界面活性剤、保湿剤、増粘剤高分子、皮膜剤高分子、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、粉体成分及び生理活性成分などを任意の量で、単独、併用して配合し、製造することができる。
【0017】
生理活性成分としては、例えばアスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン誘導体、アランジウムサルビフォリウム(Alangium salviifolium(Linn.F.)Wang)抽出物、ペルトフォラムダシュラチス(Peltophorum dasyrachis(Miq.)Kurz ex Baker)抽出物及びピテセロビウムテニュクライブ(Pithecellobium tenue craib)抽出物などが挙げられる。
【0018】
以下に実施例、試験例及び処方例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0019】
実施例1
アンマロク、サピンヅストリホリアツス及びアカシアコンシナの各果実の乾燥物それぞれ20gを電解還元水600mlで5℃・18時間抽出した。得られた抽出液をろ過し、491.3gの褐色の抽出液(蒸発残留物:1.92%)を得た。
実施例2
アンマロク、サピンヅストリホリアツス及びアカシアコンシナの各果実の乾燥物それぞれ20gを50%の1,3−ブチレングリコ−ルを含む電解還元水600mlで室温・1週間抽出した。得られた抽出液をろ過し、521.8gの褐色の抽出液(蒸発残留物:2.81%)を得た。
比較例1
アンマロク、サピンヅストリホリアツス及びアカシアコンシナの各果実の乾燥物それぞれ20gを50%の1,3−ブチレングリコ−ルを含む精製水600mlで室温・1週間抽出した。得られた抽出液をろ過し、491.4gの褐色の抽出液(蒸発残留物:3.02%)を得た。
【0020】
試験例1
フリーラジカル消去活性評価
安定な有機ラジカルである1,1−diphenyl−2−picryhydrazyl(DPPH)を用いて、本発明のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物のフリーラジカル消去作用を調べた。
〔試験方法〕
0・5mMの1,1−diphenyl−2−picryhydrazyl(DPPH)溶液(50%エタノール−0.1M酢酸緩衝液(pH5.5))3mLに、実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物、比較例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合水抽出物又は電解還元水0.3mlをそれぞれ添加し37℃、10分インキュベート後517nmの吸光度を測定した。なお、ポジティブコントロールとして、実施例1の抽出物の代わりに0.1%α―トコフェロール溶液を添加した場合及びブランクとして試料を添加していない場合も実施した。
ブランクの吸光度に対する各試料の吸光度の相対値を求め、ラジカル残存率(%)とした。
【0021】
〔結果〕
結果を表1に示す。
【表1】

【0022】
表1の結果から本発明のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物は、アンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合水抽出物に比べ、高いラジカルスカベンジ効果を有することが判る。さらに、この効果は電解還元水そのものの効果ではなく、電解還元水により抽出された抗酸化成分によるものだということが判る。
尚、ポジティブコントロールとして用いたα−トコフェロールも顕著にラジカルを消去したことから、試験系は正常であるといえる。
【0023】
常法により処方例1〜11に示す化粧料を調製した。
【0024】
処方例1クリ−ム
下記成分A、別に下記成分Bを75℃に加温溶解し、それぞれA液及びB液とする。A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分Cを加え、クリ−ムを調製した。
成分A
ホホバ油 3.0重量%
スクワラン 2.0重量%
メチルポリシロキサン 0.5重量%
ステアリルアルコ−ル 0.5重量%
セチルアルコ−ル 0.5重量%
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5重量%
モノステアリン酸グリセリル 5.0重量%
モノステアリン酸ジグリセリル 1.5重量%
モノステアリン酸デカグリセリル 3.0重量%
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1重量%
成分B
キサンタンガム 0.1重量%
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物 10.0重量%
グリセリン 1.0重量%
1,3−ブチレングリコ−ル 5.0重量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.2重量%
精製水 62.0重量%
成分C
香料 0.1重量%
【0025】
処方例2 化粧水
下記成分Aを混合溶解させA液とし、これとは別に下記成分Bを混合溶解させてB液とし、A液とB液を均等に混合し、化粧水を調製した。
成分A
ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2重量%
エチルアルコ−ル 5.0重量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.2重量%
香料 0.1重量%
成分B
クインスシ−ドエキス 8.0重量%
グリセリン 3.0重量%
1,3―ブチレングリコ−ル 5.0重量%
実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
精製水 75.5重量%
【0026】
処方例3 乳液
下記成分A、別に成分Bを75℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分Cを加え、乳液を調製した。
成分A
ホホバ油 1.0重量%
スクワラン 2.0重量%
ベヘニルルコ−ル 1.0重量%
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0重量%
テトラグリセリン縮合シリノレイン酸 0.1重量%
モノオレイン酸プロピレングリコ−ル 0.5重量%
モノステアリン酸グリセリル 1.0重量%
モノミレスチン酸ヘキサグリセリン 1.0重量%
モノミリスチン酸デカグリセリン 0.5重量%
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1重量%
成分B
クインスシ−ドエキス 5.0重量%
ホホバ葉エキス 2.0重量%
実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
1,3ブチレングリコ−ル 3.0重量%
精製水 78.7重量%
成分C
香料 0.1重量%
【0027】
処方例4 石けん
石けん製造の常法により下記成分を混合して石けんを生成した。
成分
石けん素地 53.2重量%
スクロ−ル 19.4重量%
ホホバ油 0.25重量%
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
濃グリセリン 6.5重量%
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.15重量%
常水 18.0重量%
【0028】
処方例5 クレンジングジェル
下記成分A、別に成分Bを70℃で加熱溶解させてそれぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで攪拌する。攪拌しながら50℃まで冷却し、成分Cを加え、クレンジングジェルを調製した。
成分A
モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0重量%
流動パラフィン 58.8重量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.3重量%
成分B
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
濃グリセリン 5.9重量%
ソルビト−ル 5.0重量%
精製水 9.4重量%
成分C
香料 0.1重量%
【0029】
処方例6 パック剤
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化し、ついでC相を加えて均一に溶解し、パック剤を調製した。
A相
ジプロピレングリコ−ル 5.0重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0重量%
B相
オリ−ブ油 5.0重量%
酢酸トコフェノ−ル 0.2重量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2重量%
C相
亜硫酸水素ナトリウム 0.03重量%
ポリビニルアルコ−ル 13.0重量%
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
ホホバ葉エキス 1.0重量%
エタノ−ル 7.0重量%
精製水 62.77重量%
【0030】
処方例7 乳化型ファンデ−ション
下記成分Aを充分に混合粉砕した粉末部Aとし、成分BをB液、成分CをC液とする。C液を加熱攪拌後、Aを添加しホモミキサ−処理し、さらに加熱混合したB液を加えてホモミキサ−処理する。攪拌しながら50℃まで冷却し、成分Dを加え、さらに室温まで冷却して乳化型ファンデ−ションを調製した。
成分A
二酸化チタン 10.3重量%
セリサイト 5.4重量%
カオリン 3.0重量%
黄色酸化鉄 0.7重量%
ベンガラ 0.4重量%
黒色酸化鉄 0.2重量%
成分B
デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5重量%
流動パラフィン 8.5重量%
成分C
セスキオレイン酸ソルビタン 3.0重量%
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物1.5重量%
1,3−ブチレングリコ−ル 5.0重量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2重量%
精製水 50.1重量%
成分D
香料 0.2重量%
【0031】
処方例8 固形ファンデ−ション
下記成分Aをブレンダ−で均一に混合し、これに成分Bを加え、よく混練して固形ファンデ−ションを調製した。
成分A
タルク 42.4重量%
カオリン 15.5重量%
セリサイト 10.0重量%
亜鉛華 7.0重量%
二酸化チタン 3.8重量%
黄色酸化鉄 2.9重量%
黒色酸化鉄 0.2重量%
成分B
スクワラン 8.0重量%
イソステアリン酸 4.0重量%
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0重量%
オクタン酸イソセチル 2.0重量%
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物1.0重量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.1重量%
香料 0.1重量%
【0032】
処方例9 ヘア−トニック
下記成分Aに成分Bを加え、攪拌溶解した後、成分Cを加えてさらに攪拌してヘア−トニックを調製した。
成分A
エタノ−ル 50.0重量%
成分B
グリセリン 3.0重量%
L−メント−ル 0.1重量%
センブリエキス 2.0重量%
実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
香料 0.2重量%
成分C
オタネニンジンエキス 3.0重量%
精製水 36.7重量%
【0033】
処方例10 シャンプ−
下記成分を加温均一に混合してシャンプ−を調製した。
成分
N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノ−ルアミン 25.0重量%
ラウリン酸ジエタノ−ルアミド 5.0重量%
ミリスチン酸カリウム 5.0重量%
ジステアリン酸エチレングリコ−ル 2.0重量%
ポリエチレングリコ−ル400 15.0重量%
ホホバ油 1.0重量%
実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%
クロルキシレノ−ル 0.1重量%
ビタミンE 0.1重量%
パラオキシ安息香酸エステル 0.2重量%
香料 0.3重量%
精製水 43.3重量%
【0034】
処方例11 浴用剤
下記成分により常法でもって浴用剤を調製した。
成分
乾燥硫酸ナトリウム 40.0重量%
炭酸水素ナトリウム 57.5重量%
オリ−ブ油 0.2重量%
実施例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物0.1重量%
軽質無水ケイ酸 0.3重量%
香料 1.7重量%
黄色202号の(1) 0.2重量%
【0035】
比較処方例1 化粧水
処方例2における実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%のみを比較例1のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合水抽出物10.0重量%に代えて、化粧水を調製した。
【0036】
対照例 化粧水
処方例2における実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物10.0重量%のみを精製水に変えて、化粧水を調製した。
【0037】
試験例2肌荒れ改善試験
処方例1、比較処方例2及び対照例の各化粧水について、モニターテストにより肌荒れに対する改善度合いを確認した。
〔試験方法〕
文書に同意を得た20〜40歳の健常である男女各15名を被験者とし、左右上腕内側部を試験区として各化粧料を、朝夕1回ずつ4週間にわたって適量塗布し、塗布部位の肌荒れの状態を、以下の判定基準に基づいて目視で判定を行った。
【0038】
〔判定基準〕
有効 :対照例に比較して明らかな肌荒れ改善が認められた
やや有効:対照例に比較して肌荒れ改善効果が認められた
効果なし:対照例とほぼ同程度であった
【0039】
結果を表2に示す。
【表2】

【0040】
表2から明らかなように、比較処方例1に比べてアンマロク・ムクロジ・アカシアコンシナ混合物の電解還元水抽出物を配合した化粧料(処方例2)は、優れた肌荒れ改善効果を有することが認められた。
【0041】
試験例3皮膚刺激性
〔試料〕
本発明品:実施例2のアンマロク果実・サピンヅストリホリアツス果実・アカシアコンシナ果実混合電解還元水抽出物を日局親水ワセリンに10重量%になるように練合したもの。
ブランク:日局親水ワセリン
〔試験方法〕。
文書にて同意を得た成人男女10名の上腕内側部をエタノールで皮脂を除去し、試験区とした。フィンチャンバーに各試料を0.2gずつ浸漬させたろ紙を乗せ、試験区に24時間閉塞パッチを行った。その後、フィンチャンバーを除去し、除去後1時間、24時間、48時間後に、パッチ部位の紅斑・浮腫の程度を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づいて目視で判定した。
〔判定基準〕
(紅斑)
スコア0:紅斑なし
スコア1:ごく軽度の紅斑
スコア2:明らかな紅斑
スコア3:中程度から強い紅斑
スコア4:深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成

(浮腫)
スコア0:浮腫なし
スコア1:ごく軽度の浮腫
スコア2:明らかな浮腫(周囲と明らかな区別可能)
スコア3:中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
スコア4:強い浮腫(さらに周囲にも広がり)

【0042】
結果を表3に示す。
【表3】

【0043】
表3の結果から明らかな通り、抽出物は皮膚に対する刺激が無く、安全性にきわめて優れていることが判る。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンマロク(Phyllanthus emblica)、サピンヅストリホリアツス(Sapindus trifoliatus)及びアカシアコンシナ(Acacia concinna)から選ばれた少なくとも1種の植物から電解還元水で抽出した抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項2】
アンマロク(Phyllanthus emblica)、サピンヅストリホリアツス(Sapindus trifoliatus)及びアカシアコンシナ(Acacia concinna)の3種の植物から電解還元水で抽出した抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項3】
アンマロク(Phyllanthus emblica)、サピンヅストリホリアツス(Sapindus trifoliatus)及びアカシアコンシナ(Acacia concinna)の3種の植物の果実から電解還元水で抽出した抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項4】
請求項1乃至2乃至3項に記載の抗酸化剤を、乾燥固形分に換算して合計0.0001〜10.0重量%配合したことを特徴とする化粧料。

【公開番号】特開2009−57312(P2009−57312A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225253(P2007−225253)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(399091120)株式会社ピカソ美化学研究所 (29)
【Fターム(参考)】