説明

抵抗に対する温度補償のためのアレンジメント及び方法

【解決手段】本発明は、抵抗(1)に対する温度補償のためのアレンジメント及び方法を特定する。制御可能な抵抗値を有する電気抵抗(1)は、スイッチドキャパシタの形態を取る基準電気抵抗(2)と比較される。比較器(3)は、二つの抵抗値を互いに比較する。比較器(3)は、制御可能な電気抵抗(1)を動作させるための基礎として誤り信号を取り出す。このことは、温度的に安定した電気抵抗を作成する。この原理は、好ましくは、トランスインピーダンス増幅器において応用されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗に対する温度補償のためのアレンジメント、及び抵抗に対する温度補償のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体に集積化された電気抵抗は、通常、比較的高いレベルの温度依存性を有する。しかしながら、温度に依存しないように、又は、温度を補償するように集積された電気抵抗を提供することが望ましい。温度に対して反応しにくい、そのような電気抵抗は、とりわけ、高精度の相互コンダクタンス増幅器と、高精度のトランスインピーダンス増幅器と、例えば、血糖値の計測機器のような医療工学技術における装置とにおいて使用される。
【0003】
非特許文献1は、温度的に安定するようなチップ上の電気抵抗を提供する方法を示している。この文書において、集積化されていない分離した構成物として高精度な温度的に安定した外部の電気抵抗があるために、演算増幅器の相互コンダクタンスは安定する。
【0004】
非特許文献2は、上記の外部基準電気抵抗の代わりにチップ上にある電気抵抗が使用されるような方法の開発を提案している。この電気抵抗をキャリブレーションするために、複雑なアナログ回路が備えられる。また、図5中に示すように、2進法と温度計コードで等級がつけられ、且つ、多数の並列接続の基本電気抵抗に分けられた可変的なバイアス抵抗を必要とする。
【0005】
摂氏約60°の温度変化での、この原理による相互コンダクタンスの散乱は、それでもやはり約2.2%もある。このことに加えて、そのような回路の収束は、比較的遅い。
【非特許文献1】D.A.Johns, K.Martin, "Analog Integrated Circuit Design", Toronto, Ontario, Canada, Willey 1997, chapter 5.2, pp. 248~250
【非特許文献2】A. McLaren, K. Martin, "Generation of Accurate On-Chip Time Constants And Stable Transconductances", IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol. 36, No.4, April 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、集積回路を使用して実施でき、且つ、回路の複雑性を減少させ、且つ、正確なキャリブレーションを行うことができる、抵抗に対する温度補償のためのアレンジメントと方法を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
制御可能な抵抗値を持つ電気抵抗と、
スイッチドキャパシタの形態を取る基準電気抵抗と、
前記制御可能な電気抵抗と前記基準電気抵抗とに入力側が接続され、且つ、誤り信号を出力するための出力を備える比較器と、
前記抵抗値を制御するために前記比較器の前記出力に接続された前記制御可能な電気抵抗上の制御入力と、
を備える、抵抗に対する温度補償のためのアレンジメントを用いることによって本発明は上記目的を達成する。
【0008】
制御可能な電気抵抗を提供するステップと、
スイッチドキャパシタとして基準電気抵抗を提供し、動作させるステップと、
前記制御可能な電気抵抗の抵抗値と前記基準電気抵抗の抵抗値とを比較するステップと、
前記比較するステップで比較した結果に基づいて、前記制御可能な電気抵抗の前記抵抗値を制御するステップと、
を備える、抵抗に対する温度補償のための方法によって上記目的は達成される。
【0009】
提案された原理の有益な応用と改良とは、各従属項の主題である。
【0010】
提案された原理に従うと、上記基準電気抵抗は、上記電気抵抗の形態のスイッチドキャパシタによって提供される。抵抗に対する温度補償は、制御可能な電気抵抗と、スイッチドキャパシタが等価抵抗値として持つ基準電気抵抗との抵抗値に基づいて制御される電気抵抗によって成し遂げられる。
【0011】
スイッチドキャパシタの基準電気抵抗は、好ましくは、集積化された設計からなり、実際に温度独立性を有する。スイッチドキャパシタの温度依存性は、100[ppm/Kelvin]以下である。
【0012】
提案された原理の一つの応用例に沿って、制御可能な電気抵抗は、直列回路を含む。その直列回路は、好ましくは、固定値の電気抵抗と、制御可能な電気抵抗とを備える。
【0013】
上記固定値の電気抵抗は、好ましくは、集積化され、連結した電気抵抗の形態を取る。制御可能な電気抵抗は、好ましくは、制御可能な経路として使用される電気抵抗と、下記のトランジスタのゲート端子として使用される制御入力とを備える金属酸化膜半導体トランジスタ、所謂、MOSトランジスタの形態を取る。
【0014】
この場合、直列回路の全体の電気抵抗は基準電気抵抗と比較され、その何らかの相違、又は、その比較結果に基づいて制御可能な電気抵抗は制御され、直列回路の全体の電気抵抗は、それ自身によって温度を独立的に一定を保つ。
【0015】
提案された原理に従うと、制御可能な電気抵抗は、直列回路の全体の電気抵抗が一定に留まるような制御ループで制御される。
【0016】
スイッチドキャパシタの形態を取る基準電気抵抗は、好ましくは、コンデンサと、周期的な切り替えのための少なくとも一つのスイッチとから構成される。そのようなスイッチドキャパシタは、スイッチドキャパシタンスとも呼ばれる。
【0017】
スイッチドキャパシタンスの場合、基準電気抵抗は、スイッチドキャパシタによってシミュレートされる。変換スイッチがスイッチドキャパシタンスCsを入力電圧Uに接続するならば、コンデンサは、容量値と入力電圧との積に一致する電荷Qを受け取る。もう一つのスイッチ位置において、コンデンサは、再びその電荷を出力する。その結果、それぞれスイッチする周期Tsで回路の入力から出力へこの電荷を移動させる。このことは、平均して、以下の数式で表わされる電流Iを作り出す。
【0018】
[数1]
I=Cs・U/Ts=Cs・U・fs
【0019】
従って、スイッチドキャパシタンスと反応しない電気抵抗との基本的な等値は、次式で表わされる。
【0020】
[数2]
R=1/(Cs・fs)
【0021】
ただし、Rは、等価抵抗である。スイッチング周波数fsと等価アドミタンスとの間の線形性に注目すべきである。
【0022】
スイッチドキャパシタの基準電気抵抗におけるコンデンサは、例えば、重合の、又は、金属−金属結合の構造体として知られているものの形態を取っても良い。
【0023】
結果として、スイッチドキャパシタの基準電気抵抗の値は、スイッチング周波数と容量値にだけ依存する。容量値の温度係数は、比較的低く、例えば、30[ppm/Kelvin]程度である。
【0024】
そのような回路の実際の実施は、比較的簡単である。その原理は、とても早く収束し、実施するために少しの構成材だけを必要とする。加えて、費用効率の高い実施のために有用な、キャリブレーションパラメータの選択の上での高いレベルの柔軟性を提供する。
【0025】
スイッチドキャパシタの形態の基準電気抵抗を作動させるための基準クロックは、好ましくは、基準クロック発生器によって提供される。基準クロック発生器は、好ましくは周期的な切換のためのスイッチを作動させる。
【0026】
提案された原理の一つの応用例において、制御可能な電気抵抗は、増幅器の帰還経路に配置される。高い温度の不変性を有する電気抵抗だけでなく、温度独立的な相互コンダクタンスか、又は、トランスインピーダンスを有する増幅器をも提供できることを意味する。
【0027】
制御可能な電気抵抗が直列回路の形態を取る場合に、固定値の電気抵抗は、好ましくは、集積化された形でのポリシリコン抵抗の形態を取る。この直列回路における制御可能な電気抵抗は、好ましくは線形の範囲で動作する調節可能な金属酸化膜半導体トランジスタ、所謂、MOSトランジスタである。
【0028】
提案された原理の最良の応用例に従うと、共通の電流源は、第1の電流経路か、第2の電流経路のどちらかに切換可能に接続されて提供される。第1の電流経路は、制御可能な電気抵抗を備える。第2の電流経路は、スイッチドキャパシタの形態の基準電気抵抗を備える。比較器は、第1と第2の電流経路にそれぞれ接続される入力を備える。従って、両方の電流経路は、同規模の電流を運び、制御可能な電気抵抗に対する温度補償の高い正確性さえももたらす。
【0029】
さらに好ましくは、温度補償は、チョッピングの原理に基づいたキャリブレーション電流信号を使用することによりなされる。このチョッピング・キャリブレーション信号は、例えば、小規模な電流源とスイッチとを使用して生成される。この場合、そのクロック速度は、キャリブレーション信号の周波数が処理のための有効信号の有効周波数帯域から十分離れているように選択される。この場合、制御可能な電気抵抗は、好ましくは有効信号経路に配置される。有効信号経路は、有効周波数帯域における有効信号の信号処理のために設置される。有効周波数帯域は、基準クロックの周波数とは異なっている。裁断されたキャリブレーション信号は、従って、有効信号上に重ねられる。
【0030】
より良い形態を想定すると、電流源が両方の電流経路に一緒に提供されていれば、同じ電流が制御可能な電気抵抗と基準電気抵抗との両方を介して流れるので、処理と温度ドリフトは、温度補償の実行に影響し得ない。
【0031】
基準クロックに基づいたキャリブレーション電流のレベルは、好ましくは、有効信号経路のダイナミックレンジを抑えるのを防ぐために低い。
【0032】
好ましくは、両方の電流経路からの出力信号は、チョッピング信号について復調され、適正なフィルタリングの後に、お互いに比較される。そのフィルタリングは、好ましくは、その時点でチョッピング周波数に変換された有効信号を取り除くために適正である。この場合、比較器は、好ましくは、その出力が制御可能な電気抵抗を制御するために使用可能である一段式の増幅器である。制御可能な電気抵抗の抵抗値が正確に基準電気抵抗を追随することを確実にする。
【0033】
チョッピングのために有効信号が含む、有効周波数帯域外にある低振幅のキャリブレーション信号は、容易に除去できる。これは、例えば、アナログフィルタ、又は、デジタルフィルタを使用してなされる。その後の更なる処理のために有効信号が何らかのデジタル化を施されている場合に、デジタルフィルタは特に効果的に使用されうる。
【0034】
提案された原理の他の最良の応用例においては、制御可能な電気抵抗に加えて、制御可能な抵抗値を持つ追加的な制御可能な電気抵抗が提供され、有効信号経路上に配置される。従って、制御可能な抵抗値を持つ追加的な制御可能な電気抵抗は、実際の有効信号の処理のために使用され、それに対して、基準電気抵抗と比較される制御可能な電気抵抗は、補助経路上で形成される。この制御可能な電気抵抗は、又、ダミー構成材であると理解されうる。これは、チョッピング信号に重ねられる有効信号と共に実施される。このダミー電気抵抗は、等価基準電流と比較される出力電流を生成するために使用される。等価基準電流は、スイッチドキャパシタの電気抵抗において生成される。その二つの電流は、誤り増幅器を使用して比較される。誤り増幅器は、制御可能な電気抵抗と追加的な制御可能な電気抵抗とを制御するために使用される制御信号を生成する。この制御信号は、比較器によって比較された二つの電流が等しくなるまで制御可能な抵抗値を変更するために使用される。好ましくは、制御ループの安定性を保証する制御信号は、ループフィルタによって運ばれる。何れか残存することになる温度ドリフトは、基準電圧の正確性と、スイッチドキャパシタ基準電気抵抗の容量性基準要素における温度ドリフトと、クロック源の温度ドリフトと、好ましくは備えられるカレントミラー回路の温度ドリフトとに依存する。安定した基準電圧を生成するために、例えば、バンドギャップの生成アレンジメントを備えてもよい。そのようなバンドギャップは、例えば、15[ppm/Kelvin]以下の温度係数を有する。水晶クロック発生器は、例えば、1[ppm/Kelvin]よりはるかに低い温度係数を有している。従って、そのスイッチドキャパシタ基準電気抵抗の基準コンデンサは、例えば、43[ppm/Kelvin]で残存する温度ドリフトという第1の貢献をする。温度ドリフトの全ての原因を有する最悪のケースの査定をもってしても、後者は、大きく全面的に100[ppm/Kelvin]より低く残存し、加えて、それは、特に簡単な回路の実施に伴う著しい改良である。この応用例において提案されたような制御可能な電気抵抗のコピーの使用は、スイッチドキャパシタ回路から有効信号経路への電荷注入の結果として生じるかもしれない何らかの誤動作を妨げることを意味する。
【0035】
この応用例においても、制御可能な電気抵抗は、好ましくは、固定値電気抵抗と制御可能な電気抵抗とを備える直列回路において形成される。
【0036】
さらに好ましくは、誤り増幅器、すなわち、比較器は、スイッチドキャパシタ技術を使用して設計される。
【0037】
比較器によって出力される制御信号をフィルタリングするループフィルタも又、好ましくは、スイッチドキャパシタ技術を使用して設計される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明は、以下において図面を参照しながら複数の実施形態を使用してより詳細に説明される。
【0039】
図1は、提案された原理に基づいた、抵抗に対する温度補償のための模範的なアレンジメントを図示する。そのアレンジメントは、制御可能な抵抗値を有する電気抵抗1を備える。加えて、そのアレンジメントは、スイッチドキャパシタの形態の基準電気抵抗2を備える。比較器3は、二つの入力を備える。第1の入力は、制御可能な電気抵抗1の抵抗値か、又は、そこから来る信号を伝達するために制御可能な電気抵抗1に接続される。比較器3の第2の入力は、基準電気抵抗値か、又は、そこから来る値を伝達するために基準電気抵抗2に接続される。比較器の出力は、誤り信号を出力するように設計される。その誤り信号は、制御可能な電気抵抗の抵抗値と基準電気抵抗の抵抗値との間の相違に依存する。比較器3の出力は、制御可能な電気抵抗1の制御入力に接続される。
【0040】
スイッチドキャパシタの形態の基準電気抵抗2は、基準コンデンサ5とスイッチ6とから構成される。スイッチ6は、基準クロックのクロック周波数fsで動作させられる。このスイッチドキャパシタ基準電気抵抗の等価電気抵抗は、その仕様に基づいて、コンデンサ5の容量値Csと、スイッチ6を動作させる基準クロックのクロック周波数fsとの逆数の積から計算される。
【0041】
その比較器は、制御可能な電気抵抗の抵抗値と、基準電気抵抗の抵抗値とを比較する。制御可能な電気抵抗1の抵抗値において温度に関係する相違が検出されるとすぐに、その比較器は、制御可能な電気抵抗1の抵抗値が温度的に安定している基準電気抵抗の抵抗値を追随するように誤り信号を出力する。
【0042】
このことは、制御可能な電気抵抗1に対する、非常に高い正確な温度補償を成し遂げる。制御可能な電気抵抗1の抵抗値における温度依存性は、実際に十分に修正される。
【0043】
図2は、図1の回路の応用例を図示する。これらの図は、使用される構成要素と、それらが動作する方法と、その結果成し遂げられる利点とにおいて、大幅に一致する。図1における制御可能な電気抵抗1の代わりに、図2では、固定値の電気抵抗4と制御可能な電気抵抗1’とから構成される直列回路を備える。図2の回路の場合では、固定値の電気抵抗4と制御可能な電気抵抗1’とから構成される直列回路の抵抗値は、基準電気抵抗2と比較される。固定値の電気抵抗4は、ポリシリコン抵抗の形態を取るようにして、従って、制御可能な電気抵抗1’と、説明した制御ループとを使用するために補償される比較的高い温度依存性を有するようにしてもよい。従って、固定値の電気抵抗4と制御可能な電気抵抗1’との抵抗値の合計は、周辺温度において深刻な変化が生じた場合においてさえも常に一定に保たれる。
【0044】
図3は、チョッピングの原理に基づいた、図2の回路の応用例を図示する。この場合には、キャリブレーション信号が、処理のための有効信号上に重ねられる。特に、この実施形態において、固定値の電気抵抗4と制御可能な電気抵抗1’とから構成される直列回路は、演算増幅器7の出力と、演算増幅器7の反転入力との間に接続される。演算増幅器7は、トランスインピーダンス増幅器の形態を取る。制御可能な電気抵抗1’は、金属酸化膜半導体トランジスタ、所謂、MOSトランジスタの形態を取る。演算増幅器7は、有効信号源8が接続された反転入力を備える有効信号経路上に配置される。その有効信号源は、入力電流IINを出力する。演算増幅器7の出力は、ローパスフィルタ9を介して有効信号経路の出力10に接続される。
【0045】
共通の電流源11は、切換スイッチ12を用いて切換可能に、演算増幅器7の反転入力と、第2の電流経路13とのどちらかに接続される。この場合、共通の電流源11は、キャリブレーション電流ICALを出力する。演算増幅器7の非反転入力は、基準電位端子に接続される。第2の電流経路13は、順にコンデンサ5と切換スイッチ6とから構成されるスイッチドキャパシタ2の形態の基準電気抵抗を備える。その静電容量のもう一方の端子は、基準電位端子14に接続される。共通の電流源11のための切換スイッチ12と、スイッチドキャパシタ基準電気抵抗2のための切換スイッチ6との両方は、基準周波数fsの基準クロックによって制御される。演算増幅器7の出力は、第1の電流経路を形成するようにバンドパスフィルタ15を介して比較器16の入力に接続される。同様に、基準電気抵抗2を備える第2の電流経路13は、バンドパスフィルタ15を介して比較器16の第2の入力に接続される。比較器16の出力は、制御ループを形成するように、トランジスタの形態の制御可能な電気抵抗1’のゲート端子に接続される。
【0046】
集積化され、連結している固定値の電気抵抗における温度の変動は、キャリブレーション部において自動的に補償される。MOSトランジスタ1’は、その線形性の範囲で動作する。この直列回路4,1’の全ての電気抵抗は、基準電気抵抗2、スイッチドキャパシタ5の等価電気抵抗と比較される。
【0047】
基準コンデンサ5は、重合の、又は、金属−金属結合の構造体の形態を取る。基準電気抵抗2の等価基準電気抵抗は、スイッチング周波数fsと、温度係数が例えば約30[ppm/Kelvin]と比較的低いコンデンサ5の容量値とだけに依存する。
【0048】
小さいキャリブレーション電流は、コミュテーションを使用したキャリブレーション電流源11を用いて生成される。このキャリブレーション電流は、電気抵抗4,1’と基準電気抵抗2とを計測するためと、それらを比較するために使用される。この目的を達成するために、スイッチング周波数fsでの周期的な切り替えがなされる。フィルタリング部15と比較部16とは、制御信号を生成するために使用される。制御信号は、MOSトランジスタ1’のゲート−ソース間の電圧を制御して、従って比較部16の制御される経路の電気抵抗を変化させる。
【0049】
本原理の実際の実施は、非常に単純であり、発生器8と有効信号経路の出力10との間の有効信号の処理を妨害しないでバックグラウンドにおいて、キャリブレーションを連続的に行うことができる。この原理は、非常に迅速に動作し、非常に少ない構成要素のみを必要とする。さらに、高いレベルの柔軟性を提供する。
【0050】
この場合において、キャリブレーションは、裁断されたキャリブレーション電流信号を使用して適宜に行われる。このチョッピング信号は、キャリブレーション電流源11とスイッチ12とを用いて簡単に生成される。スイッチ12のためのクロックレートfsは、有効信号源8によって供給され、且つ、トランスインピーダンス増幅器7が動作する有効周波数帯域からキャリブレーション信号が十分に離れているように選択される。同じキャリブレーション電流ICALが、第2の電流経路13の基準電気抵抗と、固定値の電気抵抗4と制御可能な電気抵抗1’とから構成される第1の電流経路との両方を介して流れるため、電源11からのキャリブレーション電流における処理と温度ドリフトとは、キャリブレーションの動作の特性と質とに影響を与えない。キャリブレーション電流の振幅は、有効信号処理のダイナミックレンジが低下するのを防止するために低くてもよい。
【0051】
バンドパスフィルタ15は、簡単なチョッパーとダウンストリームフィルタリングとを使用してチョッピング信号を復調する手段を備える。そのフィルタリングは、その時点でチョッピング周波数に変換された有効信号を除去するために使用される。比較器16での比較は、出力が電気抵抗1’を調節するように使用される一段式の増幅器を使用してなされる。このことは、目標電気抵抗1’,4が直列回路のように基準電気抵抗2を追随することを確実にする。
【0052】
増幅器7の出力において有効信号は、有効周波数帯域外に低比率でキャリブレーション信号を含んでいるので、キャリブレーション信号は、ローパスフィルタ9を使用することによって簡単に除去されうる。アナログ/デジタル変換後のデジタル領域の有効信号におけるキャリブレーション構成要素の除去は、さらに簡単である。
【0053】
この場合において、キャリブレーションの原理は、トランスインピーダンス増幅器7を用いて示される。この原理は、また、技術的作用の範囲内の変更を加えた他の回路配置に本発明の文脈内で適用できることは言うまでもない。一例として、キャリブレーション信号は、電圧であってもよいし、電流であってもよい。比較とキャリブレーションとの種類は、電流比較であってもよいし、電圧比較であってもよいし、それらと類似のものであってもよい。キャリブレーション信号のレベルと周波数とは、適宜にそれらの応用例に適合させてもよい。この場合において、キャリブレーション信号の周波数は、有効信号周波数帯域から十分に離れていること、つまり、有効信号周波数帯域より高い周波数であるか、より低い周波数であることが望ましい。このことは、振幅において非常に小さいキャリブレーション信号を使用できるということを意味する。簡素化されたフィルタの設計が可能である。そのフィルタは、RCフィルタであってもよいし、GmCフィルタであってもよいし、SCフィルタであってもよい。
【0054】
図4(a)は、一例として、下位周波数fと上位周波数fとの間の、有効信号の周波数帯域を図示する。キャリブレーション信号のクロック周波数fsは、説明したフィルタの動作のために有効信号帯域から十分に離れていることが理解できる。
【0055】
図4(b)は、チョッピングの後であるが、図4(a)と同様の信号スペクトラムを図示する。この場合において、チョッピング周波数は、正確にはクロック周波数fsである。破線は、フィルタの特性と一致する。有効信号帯域は、チョッピング周波数で復調される。
【0056】
図5は、図3の回路の応用例であり、使用される構成要素と有益なその相互接続回路との点において大幅に一致する回路を図示する。図3における切換スイッチ12,6の代わりに、この場合においては、単一スイッチを備える。コンデンサ5は、直列経路のコンデンサ17によって置き換えられる。入力INと出力OUTとの間で、有効信号経路は、帰還経路1’,4と共に演算増幅器7を備える第1の電流経路として接続される。
【0057】
図6は、図中で表示するように、スイッチφ1,φ2を動作させるための模範的な信号を図示する。両方の制御信号は、同じチョッピング周波数fsで作動し、必ず重なる時間がないことが理解できる。
【0058】
図7は、複数の有効信号を処理するための複数のチャンネルを有する、図5の回路の模範的な応用例を図示する。これらは、図5を参照した例として説明されたように提案された原理に基づいてキャリブレーションされる。この場合において、そのキャリブレーションの経路は、一度に限り存在する。個々のチャンネルは、時分割多重化モードにおいて連続してキャリブレーションされる。この場合において、一つのチャンネルがキャリブレーションされ、それに対して、他の個々のチャンネルは、有効信号の処理のためだけに使用される。特に、三つのチャンネル46,47,48は、各有効信号を処理するために設置され、且つ、入力INと出力OUTとの間に形成された例として提供される。入力INと出力OUTとは、それぞれ、それらを接続するスイッチ52〜57を備える。入力側のスイッチ52,54,56は、各有効信号経路に対するキャリブレーションモードにおけるキャリブレーション信号CALSIGを供給するために、それぞれ使用される。キャリブレーション信号CALSIGは、電流源11によって供給される。各有効信号経路に対するキャリブレーションモードにおいて、出力側のスイッチ54,55,57は、サンプリング信号CALSENSEを出力するためと、例えば、図5に図示されるようなものであってもよいキャリブレーション装置58にその信号を供給するためとに使用される。キャリブレーション装置58は、キャリブレーションされる各有効信号経路46,47,48に対して制御信号CNTRを供給するために使用される。それらの有効信号経路46,47,48は、制御可能な電気抵抗1’を設置するための基礎として、順々に配置される。各制御信号CNTRを保存するために、有効信号経路の各制御接続は、一方がその制御接続に接続され、且つ、片方が地面に接続されたコンデンサ49,50,51を備える。この様に、各チャンネル46,47,48は短いクロック周期でキャリブレーションされることが可能である。結果として得られた制御信号CNTRは、コンデンサ49,50,51に保存され、制御可能な電気抵抗1’の抵抗値を定めるために使用される。続いて、次のチャンネル47,48,46がキャリブレーションされる。集積化されたコンデンサにおける比較的小さいリーク電流と、温度変化に対する比較的長い時定数とが、チャンネル46,47,48に同時のキャリブレーションなしに比較的長い期間動作させることを可能にする。従って、一つのキャリブレーション経路のみが複数の有効信号経路のために必要とされるので、精密さに関する障害が全くない場合、実際にチップ面積と電力との点において有益な節約を達成することを可能にする。さらに述べると、分離したキャリブレーション信号がそれぞれのチャンネルに対して必要であるならば、そのような正確さで提供されなかったであろう、一つの非常に正確なキャリブレーション信号で十分である。上述したように、キャリブレーション信号と有効信号とは、異なる周波数帯域を使用するので、中断せずに有効信号を処理するためにその時点でキャリブレーションされているチャンネルを使用することもまた可能である。
【0059】
図8は、図7のスイッチを動作させるための模範的なクロック信号を図示する。これらの制御信号CAL1,CAL2,…,CAL(N)は、時分割多重化モードを実現するために連続して周期的に図7のそれぞれ関連するスイッチを動作させる。従って、提案された原理に基づくキャリブレーションは、有効信号経路46,47,48のそれぞれ一つにおいてなされ、それに対して、有効信号には、残ったそれぞれのチャンネルにおけるキャリブレーション信号によって重ねられるため、特に決まった引き当てがある訳ではない。
【0060】
図9は、その出力が直列回路19を介してその反転入力に接続されるトランスインピーダンス増幅器18を備える、提案された原理の模範的な形態を図示する。その反転入力は、逆バイアスのフォトダイオード20が接続されたトランスインピーダンス増幅器の入力を形成する。帰還経路は、固定値電気抵抗20と制御可能な電気抵抗21とを含む直列回路19を備える。さらに制御可能な電気抵抗21は、制御入力と制御された経路とを有する金属酸化膜半導体トランジスタ、所謂、MOSトランジスタを備える。制御可能な電気抵抗21のための制御電圧は、以下で説明される、図10において図示される回路によって供給される。図9に示されるような受光器は、特に、温度独立的な、とても精密なトランスインピーダンスを必要とする。電気抵抗20は、前述した多結晶シリコンのような、ドープされた多結晶半導体材料で作成された半導体電気抵抗で設計されていれば、一般的に600[ppm/Kelvin]程度の温度ドリフトを有する。図9に図示されるトランスインピーダンス増幅器は、フォトダイオード電流を、さらなる処理がなされる出力電圧に変換する。そのような回路の利得は、フィードバック電気抵抗19によって決定される。高精度の利得は、例えば、血糖値を測定するためのグルコース計測装置のように、高精度のセンサの用途のために必要とされる。温度補償は、従って、温度ドリフトがほとんどない電気抵抗を作成するために必要である。特に、その温度ドリフトは、約200[ppm/Kelvin]以下でなければならない。
【0061】
提案された原理に基づき、以下で説明され、図10に示された回路は、直列回路の電気抵抗を温度ドリフトがほとんどない状態で維持するために、増幅器のトランスインピーダンスに対しても同様にするために使用されうる。
【0062】
図10は、温度を補償する方法で図9におけるトランジスタ21を調節するために使用される回路であって、出力22において調節電圧VCTRLを生成するための回路を図示する。このために、図10の回路は、直列回路19’と称される、図9の直列回路19のコピーを備える。この直列回路19’は、図9の直列回路19の関連構成物20,21のそれぞれに対応する、固定値電気抵抗20’と制御可能な電気抵抗21’とを備える。制御可能な電気抵抗21’は、同様に出力22に接続される。カレントミラー回路22の入力は、トランジスタ23の制御される経路を介して、一端が基準電位端子に接続される直列回路19’の他端に接続される。トランジスタ23は、増幅器24の出力に接続されるゲート端子を備える。増幅器24の非反転入力は、基準電圧源25に接続され、それに対して、増幅器24の反転入力は、トランジスタ23を直列回路19’に接続させる電圧ノードに接続される。1:Nの変圧率を有するカレントミラー回路22の出力は、第2のクロック位相φ2でスイッチ26を介して比較器27の反転入力に接続される。加えて、カレントミラー回路22の出力は、第1、第3、第4のクロック位相φ1、φ3、φ4でスイッチ28を介して基準電位端子に接続される。スイッチドキャパシタ基準電気抵抗29は、同様に比較器27の反転入力に接続される。スイッチドキャパシタ基準電気抵抗29が備えるコンデンサ30の各端子は、第1のクロック位相φ1で、それぞれスイッチ31,32を用いて基準電位に接続されうる。さらに、スイッチ33,34は、第2のクロック位相φ2で、比較器27の反転入力と基準電位端子との間でコンデンサ30を接続するように配置される。
【0063】
比較器27自体は、スイッチドキャパシタの増幅器の形態を取る。このために、帰還経路は、三本の平行に接続された経路を備える。比較器27の出力と反転入力との間の第1の経路は、第1のクロック位相φ1で動作するスイッチ35を備える。第2の経路は、クロック位相φ2で動作するスイッチ37と直列に接続されるコンデンサ36を備える。第2のコンデンサ38は、同様に、第3の帰還経路においてスイッチ39と直列回路を形成する。スイッチ39は、第2〜4のクロック位相φ2、φ3、φ4で閉じる。さらにスイッチ40,41は、第1と第2のコンデンサ36,38と、連結したスイッチ37,39との間のノードを基準電位端子42に接続させるために使用される。
【0064】
この場合、さらに、第1のコンデンサ36と連結しているスイッチ40は、第1と第3のクロック位相φ1、φ3で閉じる。さらに、第2のコンデンサ38に連結されているスイッチ41は、第1のクロック位相φ1で閉じる。誤り増幅器を実現する比較器27の出力は、ループフィルタを介して出力22に接続される。ループフィルタは、増幅器27の出力とさらなる増幅器44の反転入力との間のスイッチドキャパシタとして接続されたスイッチドキャパシタ43を備える。スイッチドキャパシタ43上の四つのスイッチは、第3のクロック位相φ3で増幅器27からの出力信号を用いてキャパシタに充電し、第4のクロック位相φ4で増幅器44の入力に放電するために使用される。さらに増幅器44は、出力22に接続された増幅器44の出力と、増幅器44の反転入力との間の帰還経路上にコンデンサ45を備える。増幅器44の非反転入力は、接地電位に接続される。コンデンサ43,45は、制御ループを安定させるために使用される。誤り増幅器の帰還経路上のコンデンサ36,38は、残差を決定する。
【0065】
図10に従うと、バンドギャップ電圧源25と基準電気抵抗29とは、基準構成物として使用される。使用する回路の実施と共に、このことは、非常に低い温度依存性を有する電気抵抗19を提供するために役に立つ。図10に示される回路は、出力22で制御ループを使用して温度依存性制御電圧を生成する。その制御電圧は、基準発生器を使用して生成される。MOSトランジスタ21又は21’は、さらなる電気抵抗を、温度ドリフトを補償するフィードバック電気抵抗19,19’に追加する。図10に示される制御ループにおけるこの直列回路19’の型は、出力電流IOUTを生成するために使用される。その出力電流は、スイッチドキャパシタ29によって生成された等価基準電流と比較される。二つの電流は、フィルタ43,44,45の下流で制御電圧を生成する誤り増幅器27を使用して比較される。出力電流IOUTとスイッチドキャパシタ29によって生成された基準電流とが同じになるまで、この制御電圧は、順に電気抵抗21’の抵抗値を変化させる。ループフィルタ43〜45は、制御ループを安定させ、それ自体がスイッチドキャパシタ技術を使用して設計される。残存する温度ドリフトは、従って、基準源25の精度と、基準コンデンサ30における温度ドリフトと、図10のスイッチを動作させる基準クロック源における温度ドリフトと、カレントミラー回路22における温度ドリフトとによって定まる。バンドギャップ電圧発生器25は、15[ppm/Kelvin]以下の温度係数を有する。スイッチを動作させるために、1[ppm/Kelvin]より大幅に小さい優れた温度ドリフトを有する結晶基準が使用される。主な貢献は、このように、例えば、43[ppm/Kelvin]という一般的な温度ドリフトを有する基準コンデンサ30によってなされる。全体的に、しかしながら、最も悪い場合の評価をもってしても、アレンジメントの全ての温度ドリフトは、100[ppm/Kelvin]より大幅に下回って残存し、それは意味のある改良である。図9の直列回路19における直列電気抵抗回路19’のコピーの使用は、スイッチドキャパシタ回路による有効信号経路への電荷放出の結果として生じるかもしれない、どのような誤作動も防ぐ。
【0066】
図11は、一例として四つの与えられたクロック位相φ1〜φ4におけるスイッチの制御信号の時間プロフィールを図示する。この場合において、図10における各スイッチに対するラベルは、そのスイッチが、各クロック位相で動作すること、つまり、閉じると呼ばれることを意味する。これに関連して、第1のクロック位相φ1は再設定に一致し、第2は積分に一致し、第3は増幅に一致し、第4は充電に一致する。
【0067】
詳細に、基準電気抵抗と誤り増幅器の帰還経路とにおける回路のコンデンサ30,36,38は、第1のクロック位相φ1で再設定される。演算増幅器27の出力は、アナログ接地電圧VAGNDに配置される。増幅器44の出力において、制御電圧は荷電されないままである。
【0068】
第2のクロック位相φ2で、誤り増幅器の帰還経路上のコンデンサ36,38は、平行に接続される。このクロック位相の始まりにおいて、コンデンサ30を備える基準電気抵抗は、アナログ基準電圧VAGNDに荷電され、この電荷は、二つのコンデンサ36,38へ移動させられる。第2のクロック位相の間に、コンデンサ36,38は、積分サイクルにおける出力電流IOUTによって放電する。第2のクロック位相の終わりには、基準コンデンサ30によって増加させられた基準電圧VAGNDと、第2のクロック位相φ2のクロック周期によって増加させられた出力電流IOUTとの電荷の違いは、コンデンサ36,38上に蓄えられる。
【0069】
第3のクロック位相φ3においては、説明された電荷の違いは、コンデンサ36からコンデンサ38へ電荷を移動させることによって増幅される。このために、コンデンサ36は、アナログ基準電圧VAGNDへ短絡する。誤り増幅器27の出力は、スイッチドキャパシタ43にサンプリングされる。
【0070】
第4、最後のクロック位相φ4において、その電荷は、コンデンサ43からループフィルタのコンデンサ45に移動し、図9と図10とにおけるトランジスタ21’とトランジスタ21とのゲートをある値へ調節する。この値は、電気抵抗21’と従って直列回路19’が引き続くサイクルのために有する新しい抵抗値を定める。
【0071】
図12は、誤り信号VAGND、つまり、電荷の違いとしての基準信号の模範的なプロフィールを図示する。図12から理解できるように、引き続くクロックサイクルTn+1における電荷の違いは、前のサイクルTnにおけるゲート電圧Vctrlのマッチングのためにより小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、提案された原理に基づくアレンジメントの第1の実施形態を図示する。
【図2】図2は、提案された原理に基づくアレンジメントの第2の実施形態を図示する。
【図3】図3は、チョッピングの原理を用いた、図2の回路の模範的な応用例を図示する。
【図4】図4Aと図4Bは、図3の回路におけるクロック周波数と有効周波数帯域との間の関係を図示する。
【図5】図5は、チョッピングの原理を用いた、図2の回路の他の模範的な応用例を図示する。
【図6】図6は、図3と図5とのスイッチを動作させるための模範的なクロック信号を図示する。
【図7】図7は、複数の経路のための、図5の回路の模範的な応用例を図示する。
【図8】図8は、図7のスイッチを動作させるための模範的なクロック信号を図示する。
【図9】図9は、制御可能なフィードバック電気抵抗を用いた、有効信号増幅器の実施形態を図示する。
【図10】図10は、図9の電気抵抗を動作させるための、提案された原理に基づいた回路の実施形態を図示する。
【図11】図11は、四つのクロック位相における図10のスイッチを動作させるための模範的な信号を図示する。
【図12】図12は、図10に図示される比較信号に対する模範的な信号の統計データを図示する。
【符号の説明】
【0073】
1 制御可能な電気抵抗
1’ 制御可能な電気抵抗
2 基準電気抵抗
3 比較器
4 固定値電気抵抗
5 コンデンサ
6 スイッチ
7 増幅器
8 有効信号源
9 ローパスフィルタ
10 出力
11 共通の電流源
12 切換スイッチ
13 信号経路
14 基準電位端子
15 バンドパスフィルタ
16 比較器
17 スイッチドキャパシタ
18 トランスインピーダンス増幅器
19 直列回路
20 固定値電気抵抗
20 フォトダイオード
21 制御可能な電気抵抗
22 カレントミラー回路
23 トランジスタ
24 増幅器
25 バンドギャップ
26 スイッチ
27 誤り増幅器
28 スイッチ
29 スイッチドキャパシタ
30 コンデンサ
31 スイッチ
32 スイッチ
33 スイッチ
34 スイッチ
35 スイッチ
36 コンデンサ
37 スイッチ
38 コンデンサ
39 スイッチ
40 スイッチ
41 スイッチ
42 スイッチ
43 スイッチドキャパシタ
44 増幅器
45 コンデンサ
46 チャンネル
47 チャンネル
48 チャンネル
49 コンデンサ
50 コンデンサ
51 コンデンサ
52 スイッチ
53 スイッチ
54 スイッチ
55 スイッチ
56 スイッチ
57 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御可能な抵抗値を持つ電気抵抗(1)と、
スイッチドキャパシタの形態を取る基準電気抵抗(2)と、
前記制御可能な電気抵抗(1)と前記基準電気抵抗(2)とに入力側が接続され、且つ、誤り信号を出力するための出力を備える比較器(3)と、
前記抵抗値を制御するために前記比較器(3)の前記出力に接続された前記制御可能な電気抵抗(1)上の制御入力と、
を備える、抵抗に対する温度補償のためのアレンジメント。
【請求項2】
前記制御可能な電気抵抗(1)は、固定値電気抵抗(4)と当該制御可能な電気抵抗(1’)とから構成される直列回路の形態を取る、請求項1に記載のアレンジメント。
【請求項3】
スイッチドキャパシタの形態の前記基準電気抵抗(2)は、コンデンサ(5)と、基準クロック周波数(fs)での周期的な切り替えのための少なくとも一つのスイッチ(6)とから構成される、請求項1又は2に記載のアレンジメント。
【請求項4】
スイッチドキャパシタの形態の前記基準電気抵抗(2)に接続される基準クロック発生器をさらに備える、請求項1乃至3の何れか1項に記載のアレンジメント。
【請求項5】
前記制御可能な電気抵抗(1’)は、増幅器(7)の帰還経路上に配置される、請求項1乃至4の何れか1項に記載のアレンジメント。
【請求項6】
前記制御可能な電気抵抗(1’)を含む第1の電流経路と、スイッチドキャパシタの形態の前記基準電気抵抗(2)を含む第2の電流経路との二つの電流経路に切り替え可能に接続される共通の電流源(11)をさらに備える、請求項1乃至5の何れか1項に記載のアレンジメント。
【請求項7】
前記制御可能な電気抵抗(1’)は、有効な周波数帯域の有効信号の信号処理のために設けられる有効信号経路に配置され、
前記有効な周波数帯域は、前記基準クロック周波数(fs)とは異なる、
請求項3又は6に記載のアレンジメント。
【請求項8】
前記有効信号経路は、トランスインピーダンス増幅器(7)を含み、
前記制御可能な電気抵抗(1’)は、前記トランスインピーダンス増幅器のフィードバック経路に配置され、
前記比較器(16)は、前記トランスインピーダンス増幅器(7)の出力に接続される第1の入力と、前記第2の電流経路に接続される第2の入力とを備える、
請求項7に記載のアレンジメント。
【請求項9】
時分割多重化モードにおけるキャリブレーションのためにそれぞれスイッチ(52,53;54,55;56,57)を介して共通の第2の電流経路に接続される複数の有効信号経路(46,47,48)を備える、請求項7又は8に記載のアレンジメント。
【請求項10】
制御可能な抵抗値を持ち、且つ、有効信号経路に配置された、追加的な制御可能電気抵抗(21)を備え、
前記比較器(27)の前記出力は、前記追加的な制御可能電気抵抗(21)の抵抗値を制御するために、前記追加的な制御可能電気抵抗(21)にさらに接続される、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のアレンジメント。
【請求項11】
前記比較器は、誤り増幅器としてスイッチドキャパシタ技術を使用して接続される増幅器(27)を含む、請求項10に記載のアレンジメント。
【請求項12】
集積回路技術を使用して設計される、
ことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のアレンジメント。
【請求項13】
制御可能な電気抵抗(1)を提供するステップと、
スイッチドキャパシタとして基準電気抵抗(2)を提供し、動作させるステップと、
前記制御可能な電気抵抗(1)の抵抗値と前記基準電気抵抗(2)の抵抗値とを比較するステップと、
前記比較するステップで比較した結果に基づいて、前記制御可能な電気抵抗(1)の前記抵抗値を制御するステップと、
を備える、抵抗に対する温度補償のための方法。
【請求項14】
固定抵抗値と制御可能な抵抗値との合計として、前記制御可能な電気抵抗の前記抵抗値を提供する、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
基準クロック(fs)の制御下で、切換可能なコンデンサ(5)の周期的な切り替えを通して前記基準電気抵抗(2)を提供する、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
増幅器(7)の帰還経路に前記制御可能な電気抵抗(1’)を提供する、
ことを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記制御可能な電気抵抗(1’)を含む第1の電流経路と、前記基準電気抵抗(2)を含む第2の電流経路とへ共通の電流(ICAL)を交互に供給する、
ことを特徴とする請求項13乃至16の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記制御可能な電気抵抗(1’)を使用して有効な周波数帯域(f,f)における有効信号(IIN)を処理し、
前記有効な周波数帯域(f,f)とは異なる周波数(fs)の前記基準クロックを使用して前記切換可能なコンデンサ(5)を制御する、
ことを特徴とする請求項15と17に記載の方法。
【請求項19】
前記制御可能な電気抵抗(1’)の前記抵抗値に基づいて、トランスインピーダンス増幅器(7)を使用して前記有効信号を増幅し、
増幅した前記有効信号(IIN)と、前記基準電気抵抗(2)から得た信号とを比較する、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
共通の基準電気抵抗に基づいて共通のキャリブレーション信号を使用した時分割多重化モードにおける複数の有効信号経路(46,47,48)に対して交互にキャリブレーションを行う、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
有効信号経路に追加的な制御可能電気抵抗(21)を提供し、
前記比較するステップにおける比較の結果に基づいて、前記追加的な制御可能電気抵抗(21)の前記抵抗値を制御する、
ことを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
スイッチドキャパシタ誤り増幅器(27)を使用して、前記制御可能な電気抵抗(21’)の前記抵抗値と、前記基準電気抵抗(29)の前記抵抗値とを比較する、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−537668(P2008−537668A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504699(P2008−504699)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003206
【国際公開番号】WO2006/108575
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(505395928)オーストリアマイクロシステムス アーゲー (20)
【Fターム(参考)】