説明

振動モータ

本発明に従う振動モータは、貫通ホールを規定するケースと、上記ケースに支持される軸と、上記軸に回転可能に結合された回転子と、上記軸の周囲に配置され、上記回転子と対向する固定子と、上記回転子を電気的に接続するブラシと、上記ブラシと電気的に接続され、上記ケースの内側に配置される第1基板と、上記第1基板と電気的に接続され、上記ケースの外側に配置される第2基板と、上記貫通ホール内に配置されて上記第1基板と第2基板とを電気的に接続する接続端子及び上記接続端子の上に部分的に形成された腐食防止剤と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信機器のような電子装置には受信信号または入力信号として振動を発生する振動モータが内蔵される。
【0003】
振動モータは、コイルを持つ偏心回転子及び上記回転子と対向するようにマグネットが設けられた固定子がケースの内部に設置される。したがって、上記コイルに電流が供給されれば、上記コイルと上記マグネットの作用によって上記回転子が回転しながら振動を発生する。
【0004】
一方、電子装置の小型化及びスリム化に従い、振動モータも小型化及びスリム化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、振動モータを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、スリム化した振動モータを提供することにある。
【0007】
本発明の更に別の目的は、厚さを増加させなくてもトルクを増加させることができる振動モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従う振動モータは、貫通ホールを規定するケースと、上記ケースに支持される軸と、上記軸に回転可能に結合された回転子と、上記軸の周囲に配置され、上記回転子と対向する固定子と、上記回転子を電気的に接続するブラシと、上記ブラシと電気的に接続され、上記ケースの内側に配置される第1基板と、上記第1基板と電気的に接続され、上記ケースの外側に配置される第2基板と、上記貫通ホール内に配置されて上記第1基板と第2基板とを電気的に接続する接続端子及び上記接続端子の上に部分的に形成された腐食防止剤と、を含む。
【0009】
本発明に従う振動モータは、上部ケース及び貫通ホールを規定する下部ケースを含むケースと、上記ケースに支持される軸と、上記軸側に回転可能に結合された回転子と、上記下部ケースに配置され、上記回転子と対向する固定子と、上記回転子を電気的に接続するブラシと、上記ブラシと電気的に接続され、上記下部ケースの上に設けられる第1基板と、上記第1基板と電気的に接続され、上記貫通ホール内に配置されるコンタクト端子と、上記コンタクト端子と電気的に接続され、上記貫通ホール内に配置される接続端子と、上記接続端子と電気的に接続され、上記下部ケースの下に設けられる第2基板と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、振動モータを提供できる。
【0011】
本発明によれば、スリム化した振動モータを提供できる。
【0012】
本発明によれば、厚さを増加させなくてもトルクを増加させることができる振動モータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る振動モータの断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る振動モータを説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る振動モータにおける第2基板に形成された接続端子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態に従う振動モータを詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る振動モータの断面図であり、図2は本発明の実施形態に係る振動モータにおける第1基板、下部ケース、及び第2基板を説明する図であり、図3は本発明の実施形態に係る振動モータにおける第2基板に形成された接続端子を説明する図である。
【0016】
図1乃至図3に示すように、上部ケース111及び下部ケース115を含むケース110が設けられる。上記ケース110は回転子140と固定子150が設けられる空間を規定し、上記上部ケース111は上記下部ケース115の上側に配置されて上記下部ケース115と結合される。
【0017】
上記上部ケース111と下部ケース115を同一または相異する材料で形成することができ、例えば、上記上部ケース111を金属材料で形成し、上記下部ケース115はプリント回路基板(PCB)で構成することもできる。但し、本実施形態では、上記上部ケース111と下部ケース115が全て金属材料で形成されたものが開示されている。
【0018】
上記ケース110の内には軸120が設けられ、上記軸120にはベアリング130が配置される。上記軸120は一方の側が上記上部ケース111に支持され、他方の側が上記下部ケース115に支持される。例えば、上記軸120を上記上部ケース111及び/または下部ケース115に溶接して固定することもできる。
【0019】
上記ベアリング130と上記上部ケース111との間に第1ワッシャ131を配置することができ、上記ベアリング130と上記下部ケース115との間に第2ワッシャ132を配置することができる。
【0020】
上記下部ケース115の上面中央部側には、上記軸120を覆いかぶせる形態で配置された第1基板160が固定され、上記下部ケース115の下面には、上記第1基板160と電気的に接続される第2基板170が結合される。
【0021】
上記第1基板160には、上記第2基板170と電気的に接続されるコンタクト端子161が形成されるが、上記コンタクト端子161は、上記下部ケース115に形成された貫通孔117を通過して上記第2基板170に電気的に接続される。
【0022】
上記下部ケース115の下面には、上記第2基板170が挿入されて安置される安置溝116が形成される。上記第2基板170が上記安置溝116に挿入されて設置されることによって、上記第2基板170の厚さだけ振動モータの厚さを小さくすることができる長所がある。したがって、スリムな振動モータを提供できる。
【0023】
上記安置溝116の外側の上記下部ケース115の下面を、振動モータが取り付けられる製品の基板210に自動化工程であるリフロー(Reflow)工程を通じて固定できる。
一方、上記下部ケース115の上部には、リング形状の固定子150が設けられる。上記固定子150はマグネットで構成することができる。
【0024】
上記ベアリング130には、上記固定子150と相互作用して回転する回転子140が結合される。上記回転子140が回転すると、回転子の偏心により振動を発生させる。
【0025】
上記回転子140は、回転子基板141、コイル143、重り147、及び支持部材149を含む。
【0026】
上記回転子基板141は、下面に形成された整流子145を含み、上記回転子基板141の上面には、上記回転子基板141と電気的に接続された上記コイル143が設けられる。
【0027】
上記重り147は、金属材料で形成することができ、偏心により振動力を発生させる。
【0028】
上記支持部材149は、合成樹脂材の射出によって、上記回転子基板141、コイル143、及び重り147を一体にして支持し、上記ベアリング130に結合される。
【0029】
上記第1基板160の上にはブラシ167が設けられ、上記ブラシ167は、上記整流子145と弾性接触しながら電気的に接続されて上記コイル143に電力を供給する。
【0030】
したがって、上記製品の基板210から供給された電力は、上記第2基板170、コンタクト端子161、第1基板160、ブラシ167、及び、上記整流子145を含む回転子基板141を通じて上記コイル143に供給される。
【0031】
上記コイル143に電力が供給されると、上記回転子140と固定子150との相互作用により上記回転子140が回転する。
【0032】
一方、上記第2基板170の下面には、上記製品の基板210と電気的に接続される電源端子171が形成され、上記第2基板170の上面には、上記接続端子161と電気的に接続される接続端子173が形成される。
【0033】
上記接続端子173は、上記第2基板170を貫通するビア172と電気的に接続されて上記第2基板170の上面に配置される。
【0034】
上記ビア172及び接続端子173は、銅(Cu)または銅を含む合金で形成できる。
【0035】
上記連結端子173の一部分は、腐食を防止するための腐食防止剤176が塗布される。上記腐食防止剤176は、インクで形成することができ、絶縁特性を有する。
【0036】
上記腐食防止剤176が塗布されていない上記接続端子173の部分は、上記コンタクト端子161と電気的に接続される。例えば、上記接続端子173と上記コンタクト端子161は、ハンダ付け方式により貼り付けることができ、上記腐食防止剤176が塗布されていない上記接続端子173には、ハンダ付け特性を向上させるためのメッキ層(図示せず)を形成できる。例えば、上記メッキ層は金で形成できる。
【0037】
上記腐食防止剤176は、上記接続端子173の上側及び上記接続端子173と隣接した第2基板170の上側に形成され、上記腐食防止剤176及び上記接続端子173が占めるスペースは、上記下部ケース115の貫通孔117より小さい。
【0038】
そして、上記腐食防止剤176及び上記接続端子173は、上記下部ケース115の貫通孔117と対応する上記第2基板170の上に形成される。
【0039】
したがって、上記下部ケース115と上記第2基板170とを結合した場合、上記腐食防止剤176及び上記接続端子173は、上記下部ケース115の貫通ホール117の内に配置される。
【0040】
結果的に、上記接続端子173及び腐食防止剤176の厚さだけ上記安置溝116の深さを小さく形成できる。
【0041】
例えば、上記接続端子173は、0.02〜0.05mmの厚さで形成され、上記腐食防止剤176は、0.03〜0.05mmの厚さで形成できる。したがって、上記接続端子173及び腐食防止剤176が上記下部ケース115の貫通ホール117の内に配置される場合、厚さを0.05〜0.1mm減少させることができる。
【0042】
したがって、上記接続端子173及び腐食防止剤176の厚さだけ上記振動モータをスリムに形成するか、上記下部ケース115と上部ケース111との間のスペースをさらに大きくして上記回転子140または固定子150が占める厚さを増加させて振動モータのトルクを増加させることができる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態に従い本発明を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想から外れない範囲内で変更及び変形したものも本発明に属することは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に従う振動モータは、振動が要求される多様な電子機器に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通ホールを規定するケースと、
前記ケースに支持される軸と、
前記軸に回転可能に結合された回転子と、
前記軸の周囲に配置され、前記回転子と対向する固定子と、
前記回転子を電気的に接続するブラシと、
前記ブラシと電気的に接続され、前記ケースの内側に配置される第1基板と、
前記第1基板と電気的に接続され、前記ケースの外側に配置される第2基板と、
前記貫通ホール内に配置されて前記第1基板と第2基板とを電気的に接続する接続端子及び前記接続端子の上に部分的に形成された腐食防止剤と、
を含むことを特徴とする振動モータ。
【請求項2】
前記第1基板にはコンタクト端子が形成されて前記接続端子と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項3】
前記腐食防止剤が形成されていない前記接続端子の上にはメッキ層が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項4】
前記腐食防止剤はインクで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項5】
前記腐食防止剤は、絶縁特性を有することを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項6】
前記ケースに安置溝が形成され、前記安置溝内に前記第2基板が配置されることを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項7】
前記第2基板に電源端子が形成され、前記電源端子は、前記第2基板を貫通するビアを通じて前記接続端子と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項8】
前記接続端子及び腐食防止剤が占めるスペースは前記貫通ホールのスペースより小さいことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項9】
上部ケース及び貫通ホールを規定する下部ケースを含むケースと、
前記ケースに支持される軸と、
前記軸側に回転可能に結合された回転子と、
前記下部ケースに配置され、前記回転子と対向する固定子と、
前記回転子と電気的に接続するブラシと、
前記ブラシと電気的に接続され、前記下部ケースの上に設けられる第1基板と、
前記第1基板と電気的に接続され、前記貫通ホール内に配置されるコンタクト端子と、
前記コンタクト端子と電気的に接続され、前記貫通ホール内に配置される接続端子と、
前記接続端子と電気的に接続され、前記下部ケースの下に設けられる第2基板と、
を含むことを特徴とする振動モータ。
【請求項10】
前記接続端子及び前記第2基板の上に部分的に形成された腐食防止剤を含み、前記腐食防止剤は前記貫通ホール内に配置されることを特徴とする請求項9に記載の振動モータ。
【請求項11】
前記接続端子の上に部分的に形成されたメッキ層を含むことを特徴とする請求項9に記載の振動モータ。
【請求項12】
前記腐食防止剤はインクで形成されたことを特徴とする請求項10に記載の振動モータ。
【請求項13】
前記腐食防止剤は絶縁特性を有することを特徴とする請求項10に記載の振動モータ。
【請求項14】
前記下部ケースの下面に安置溝が形成され、前記安置溝内に前記第2基板が配置されることを特徴とする請求項9に記載の振動モータ。
【請求項15】
前記第2基板の下面に電源端子が形成され、前記電源端子は、前記第2基板を貫通するビアを通じて前記接続端子と電気的に接続されることを特徴とする請求項9に記載の振動モータ。
【請求項16】
前記接続端子及び腐食防止剤が占めるスペースは、前記貫通ホールのスペースより小さいことを特徴とする請求項10に記載の振動モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−504090(P2011−504090A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534886(P2010−534886)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006817
【国際公開番号】WO2009/066930
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(508375996)エルジー イノテック カンパニー,リミティド (38)
【Fターム(参考)】