排気スモークセンサ
【課題】エンジン排気通路に設けた光透過式スモークセンサにおいて、開度固定の減圧部では、排気流量が小さいときに外気から光学素子への取り込み空気量が不足して光学面が汚れ、排気流量が大きいときに圧力損失の増大によりエンジンの燃費が悪化する。
【解決手段】外気圧及び管内排気圧センサ107で測定した大気圧と排気絞り弁102の近傍の排気圧との差圧と、所定値とを比較して排気絞り弁102の目標開度を決定し、弁開度センサ103で測定した排気絞り弁102の開度が決定目標開度となるように排気絞り弁102の開度を制御して、空気通路の取り込み空気による発光素子105と受光素子106の光学面の汚れと過熱を抑止するとともに排気絞り弁102による排気の圧力損失を抑制すること。また、発光素子と受光素子の温度センサ108からの測定温度に基づいて排気絞り弁102の目標開度を決定して同様に排気絞り弁102の開度制御すること。
【解決手段】外気圧及び管内排気圧センサ107で測定した大気圧と排気絞り弁102の近傍の排気圧との差圧と、所定値とを比較して排気絞り弁102の目標開度を決定し、弁開度センサ103で測定した排気絞り弁102の開度が決定目標開度となるように排気絞り弁102の開度を制御して、空気通路の取り込み空気による発光素子105と受光素子106の光学面の汚れと過熱を抑止するとともに排気絞り弁102による排気の圧力損失を抑制すること。また、発光素子と受光素子の温度センサ108からの測定温度に基づいて排気絞り弁102の目標開度を決定して同様に排気絞り弁102の開度制御すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気通路に設けた光透過式のスモークセンサにおいて、光学面の汚れと過熱を抑える技術に関するものであり、特に排気流量が多くなった場合の圧力損失を低減させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの排気通路に設けた光透過式のスモークセンサは、光学面の汚れによる検出感度の低下に加え、排気熱による光学面への熱伝達により光学面の耐用温度上限を超える場合がある。そこで、スモークセンサの光学面の汚れと過熱に影響されることなく安定した分析を行う従来技術として、例えば、特許文献1に開示の技術が知られている。この特許文献1によると、ガス流路内に、流路を狭くし流れを速くしてその流れに沿った固定開度の減圧部を形成し、この減圧部の内部に光学系の光学面を設けるとともに、ガス流路外から空気を光学面経由で取り込むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、減圧部の通路面積が固定であるため、排気流量が小さくなると吸入空気流量が不足し、排気流量が大きくなると圧力損失の増大によりエンジンの燃費が悪化するという課題があった。
【0005】
本発明は、エンジンの排気通路に設けた光透過式のスモークセンサにおいて、光学系の光学面の汚れと過熱を抑え、特に排気流量が多くなった場合の圧力損失を低減させることができるスモークセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度を決定し、さらに、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記決定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する構成とする。
【0007】
また、エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、前記発光素子と受光素子の光学面の温度を測定する光学面温度検出手段と、前記排気絞り弁開度検出手段からの測定値を演算するとともに、前記光学面温度検出手段からの前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した発光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Aを算出するとともに、前記測定した受光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Bを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bの内の小さい方の目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する構成とする。
【0008】
前記スモークセンサにおいて、前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算するとともに、前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Cを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bと前記目標開度Cの内の最も小さい目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排気流量に関わらず、排気通路外からの取り込み空気流量の過不足を最小限に抑えると共に、排気通路の減圧部による圧力損失を抑えることができる。これにより、光学面の汚れや過熱が抑えられ、スモーク検出感度の低下が抑えられると同時に、排気圧力損失に伴う燃費の悪化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るスモークセンサの全体構成とその接続構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るスモークセンサとこれを用いたエンジン廻りの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスモークセンサの第1の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るスモークセンサの第2の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るスモークセンサの第3の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に関する排気絞り弁開度と受光素子または発光素子の光学面温度との関係の一例を示すグラフである。
【図7】本実施形態に関する排気絞り弁開度と圧力損失との関係の一例を示すグラフである。
【図8】本実施形態に関する排気絞り弁開度の補正についてゲージ圧との関係で算出する具体例を示すグラフである。
【図9】本実施形態に関する排気絞り弁開度の補正について受光素子または発光素子の光学面温度との関係で算出する具体例を示すグラフである。
【図10】本実施形態に関する排気絞り弁の弁開度を排気処理装置と光学面の汚れ・過熱からの要求を基に決定する手法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るスモークセンサとこれに関連する周辺の構成について、まず、図1と図2を参照しながら以下説明する。図2は、本発明の実施形態に係るスモークセンサとこれを用いたエンジン廻りの構成を示す図であり、エンジン19の上流からエアクリーナ17、エアフローセンサ2、吸気絞り弁28、過給器のコンプレッサ6(b)、インタークーラ16、吸気圧力および吸気温度センサ30(a),(b)、吸入空気量を調整するスロットル13、吸気圧力および吸気温度センサ14、吸気管20(a),(b)、燃料噴射弁(以下、インジェクタ)5が配置されている。スロットル13は電子制御スロットルであることが好ましく、電気式アクチュエータによってスロットルバルブを駆動するものである。
【0012】
排気管23には、排気圧力および排気温度センサ3と、排気浄化装置7の前後の圧力と温度を測定するセンサ21(a),(b)と、排気絞り弁を付設したスモークセンサ27とが配されており、吸気管20(a),(b)へ排気ガスを再循環する排気ガス再循環ガス通路9,26には、排気ガス再循環ガス熱交換器10,31と、排気ガス再循環ガス流量制御弁11,29とが設置されている。
【0013】
本実施形態に関連する吸気量制御手段は、吸気絞り弁28、排気絞り弁を付設したスモークセンサ27、排気ガス再循環ガス流量制御弁11,29、コンプレッサ6(b)、インタークーラ16、スロットル13からなり、吸気量検出手段は、エアフローセンサ2、吸気圧力および吸気温度センサ30(a),(b)、吸気圧力および吸気温度センサ14からなる。図2に示す構成において、排気ガス再循環ガス圧力および温度センサ12、排気圧力および排気温度センサ3、エアフローセンサ2は、排気ガス再循環ガス流量を測定する際に用いられる。
【0014】
インジェクタ5は燃焼室18に直接燃料噴射する形式のものである。インジェクタ5からは、アクセル開度センサ1の開度信号αなどから演算される目標エンジントルクに応じて所定の燃料量が噴射され、その燃料量は、スロットル13の開度信号θtp、排気ガス再循環ガス流量制御弁11の開度信号θegr、コンプレッサ6(b)の過給圧Ptinの出力値などに応じて適宜補正する。エンジンコントロールユニット(以下、ECU)8は、アクセル開度α、ブレーキ状態などのユーザ要求、車速などの車両状態、エンジン冷却水温および排気温度などのエンジン運転条件に応じて、エンジン19の燃焼モードや制御量などを決定するものである。
【0015】
次に、図2に示す排気絞り弁を付設したスモークセンサ27の構成例について、図1を参照しながら以下説明する。ここで、スモークセンサ27は、図1に示す発光素子105、光学通路104、受光素子106のみを指称するものではなくて、排気絞り弁102、排気絞り弁102の弁開度検出手段、排気絞り弁102付近の排気圧検出手段107、大気圧の検出手段107、発光素子及び受光素子の光学面の温度検出手段108、外部空気を光学面経由で排気通路に取り込む取り込み空気通路、種々の検出手段からの測定値を演算して排気絞り弁の弁開度を制御する演算制御手段、などの一群の構成要素からなるものを指称する。すなわち、スモークセンサ27は、発光・受光素子に関連する一群の構成からなるものとして定義する。
【0016】
排気絞り弁102はモータを付設した弁開度センサ103により駆動される。排気管101に備えた排気絞り弁102付近に光学通路104を設け、両端に発光素子105と受光素子106を配している。すなわち、光学通路104は排気管101の排気通路を横断するように構成される。発光素子105から発した光は光学通路104を通り、排気を透過して受光素子106に送られる。受光素子106に送られる受光量は排気濃度に応じて変化する。受光素子106は受光量に応じて出力電圧を変化させることで、外部へ排気濃度を出力する。
【0017】
発光素子105と受光素子106の周囲には隙間を設け、排気絞り弁102による減圧により隙間と光学面と光学通路104を介して外気を取り込むようになっている(不図示)。発光素子105と受光素子106の光学面近傍には温度センサ108(a),(b)が設けられ、発光素子105と受光素子106の温度測定に用いられる。排気管101の光学通路104近傍には外気圧および排気管内圧センサ107が設けられ(外気圧と内圧をそれぞれ測定する2つの検出器から構成される)、光学通路104内の通気方向の判定に用いられる(外気圧と内圧の大小を比較して通気の方向を判定する)。なお、発光素子105と受光素子106の代わりにフォトリフレクタやフォトインタラプタを用いても良い。
【0018】
次に、本発明の実施形態に係るスモークセンサの第1の動作手順について、図3に示すフローチャートを参照しながら、以下説明する。図示するスモークセンサの動作は、周期的に測定と演算と制御出力を繰り返すものである。
【0019】
最初に、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107によって大気圧を検出する(ブロック1001)。次に、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107より排気圧を検出する(ブロック1002)。そして、ブロック1001とブロック1002にて測定した圧力の差分を排気ゲージ圧(排気圧−大気圧)として算出する(ブロック1004)。
【0020】
次に、ブロック1004にて算出した排気ゲージ圧と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1005)。さらに、モータを付設した弁開度センサ103により排気絞り弁102の開度を検出する(ブロック1003)。
【0021】
続いて、ブロック1003にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1005にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度を算出する(ブロック1006)。次に、排気絞り弁102の開度がブロック1006にて算出した目標開度となるようにモータを付設した弁開度センサ103を駆動する(ブロック1007)。このような手順の実行によって、排気絞り弁102による圧力損失を過大にすることなく、排気スモークを検出可能となる。換言すると、例えば、排気絞り弁102を絞って(通路の絞り態様が固定ではなくて可変である)圧力損失を大にするとスモークセンサ設置箇所の管内圧力が小となって外気からの取り込み空気量が増加し、光学面の汚れと過熱を抑止することができるのである。なお、排気と外気の通過量をみると、外気量をほとんど無視できる程度の多量の排気であるので、スモークセンサとしての排気濃度の検出機能には影響を及ぼさない。
【0022】
次に、本発明の実施形態に係るスモークセンサの第2の動作手順について、図4に示すフローチャートを参照しながら、以下説明する。図示するスモークセンサの動作は、周期的に測定と演算と制御出力を繰り返すものである。
【0023】
最初に、モータを付設した弁開度センサ103によって排気絞り弁102の開度を検出する(ブロック1104)。さらに、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(a)により発光素子105の光学面温度を検出する(ブロック1101)。次に、ブロック1101にて算出した発光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1102)。続いて、ブロック1104にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1102にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Aを算出する(ブロック1103)。
【0024】
次に、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(b)により受光素子106の光学面温度を検出する(ブロック1105)。さらに、ブロック1105にて算出した受光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1106)。続いて、ブロック1104にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1106にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Bを算出する(ブロック1107)。
【0025】
次に、ブロック1103で算出した排気絞り弁102の目標開度Aとブロック1107で算出した排気絞り弁102の目標開度Bを比較し、小さい方(目標弁開度をより絞る方)を目標開度として選出する(ブロック1108)。小さい方を選出する理由は、弁開度をより絞って取り込み空気量を多くし光学面の温度をより低下させる際に、発光素子と受光素子の内で光学面の温度をより低下させる必要のある方の素子を選択することにある(いずれか一方の素子の光学面温度の上昇を避けるように安全サイドを選択する)。
【0026】
次に、排気絞り弁102の開度がブロック1008にて選出した目標開度となるようにモータを付設した弁開度センサ103を駆動する(ブロック1009)。このようにして、排気絞り弁102を絞ることで排気圧力を下げ大気からの取り込み量を多くして光学面温度を低下させるのであるが、その際、排気絞り弁102を適宜に調節することで(固定の絞りではなくて)、排気絞り弁102による圧力損失を過大にすることなく、排気スモークの濃度検出が可能となる。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係るスモークセンサの第3の動作手順について、図5に示すフローチャートを参照しながら、以下説明する。図示するスモークセンサの動作は、周期的に測定と演算と制御出力を繰り返すものである。
【0028】
最初に、モータを付設した弁開度センサ103により排気絞り弁102の開度を検出する(ブロック1204)。次に、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(a)により発光素子105の光学面温度を検出する(ブロック1201)。続いて、ブロック1201にて算出した発光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1202)。そして、ブロック1204にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1202にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Aを算出する(ブロック1203)。
【0029】
次に、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(b)により受光素子106の光学面温度を検出する(ブロック1205)。そして、ブロック1205にて算出した受光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1206)。続いて、ブロック1204にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1206にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Bを算出する(ブロック1207)。
【0030】
また、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107により大気圧を検出する(ブロック1212)。そして、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107により排気圧を検出する(ブロック1208)。続いて、ブロック1212とブロック1208にて測定した圧力の差分を排気ゲージ圧(排気圧−大気圧)として算出する(ブロック1209)。さらに、ブロック1209にて算出した排気ゲージ圧と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1210)。続いて、ブロック1204にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1210にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Cを算出する(ブロック1211)。
【0031】
次に、ブロック1203で算出した排気絞り弁102の目標開度Aとブロック1207で算出した排気絞り弁102の目標開度Bとブロック1211で算出した排気絞り弁102の目標開度Cを比較し、小さい方を目標開度として選出する(ブロック1213)。目標弁開度の小さい方を選出することで、発光素子と受光素子のいずれかの素子の光学面温度が上昇して破損することを避けるように安全サイドを選出する。
【0032】
次に、排気絞り弁102の開度がブロック1213にて選出した目標開度となるようにモータを付設した弁開度センサ103を駆動する(ブロック1214)。このように、上述した第1と第2の手順と同様に、排気絞り弁102による圧力損失を過大にすることなく、排気スモークの濃度検出が可能となる。
【0033】
次に、本実施形態に係るスモークセンサの特徴の1つである、絞り弁による排気通路での圧力損失が増大することによりエンジンの燃費が悪化(排気通路を絞ることでエンジンへの吸気空気量が低減して燃費が低下する)することを抑制する機能について、図6と図7を参照しながら以下説明する。
【0034】
図6は本実施形態における排気絞り弁開度の変化に伴う受光素子光学面または発光素子光学面の温度変化の一例を示したものであり、図7は本実施形態における排気絞り弁開度と排気流量の変化に伴う圧力損失との関係の一例を示したものである。
【0035】
排気絞り弁の開度を小さくすることで排気圧が低下し取り込み空気量が多くなって受光素子光学面または発光素子光学面の温度が降下するが、同時に圧力損失が増大し、エンジン出力や燃費など、基本性能へ悪影響が及ぶことになる。このため、必要な測定精度を確保できる範囲内で、出来るだけ排気絞り弁の開度を大きくすることが必要とされる。
【0036】
しかしながら、図7の符号2001に示すように、排気絞り弁の開度が固定の場合(上記特許文献1の場合、図示例で弁開度P1)は、排気流量が小さい場合でも必要な減圧を得られる様にするため、排気絞り弁の開度を小さくする必要があり、排気流量の増加に伴い、必要以上の圧力損失が生じることになる(図7で、排気流量大のときに、圧力損失は排気流量小に比べて大きくなる)。そこで、図7の符号2002に示す適切な圧力損失値が保てるように、図7の符号2003に従い排気流量に応じて排気弁開度を調節(図示例で、排気流量中のときに弁開度P2、排気流量大のときに弁開度P3)することが、圧力損失の増大(エンジン燃費の悪化)を避ける上で有効となる。
【0037】
図8は、図3に示す第1の動作手におけるブロック1005における排気絞り弁開度の過不足算出の一例である。ゲージ圧(排気圧−大気圧)がゼロより小さい場合は、圧力差により外気が排気管内に取り込まれることになり、発光素子と受光素子は冷却されていると考えられ、排気絞り弁開度はより開く方向にする。
【0038】
しかし、実際には排気温度や外気温度の上昇により、発光素子と受光素子の使用上限温度を超える場合がある。また、排気スモークセンサ自体の熱容量により、発光素子と受光素子の冷却には時間遅れが生じることがある。また、排気ガス圧の脈動の内でそのガス圧瞬時値が小のときに排気が光学面を介して大気に出る場合があり、すなわち排気の一部が逆流して光学面を汚すことがある。これらを考慮し、排気絞り弁の開閉切り替えはゲージ圧がゼロとなる状態ではなく、より小さなゲージ圧を基準とすることが好ましい。
【0039】
図9は、図4に示す第2の動作手順におけるブロック1106における排気絞り弁開度の過不足算出の一例である。受光素子または発光素子の光学面温度が所定値より小さい場合は、発光素子または受光素子の耐熱性能に余裕があると考えられ、排気絞り弁開度はより開く方向にする。
【0040】
しかし、排気スモークセンサ自体の熱容量により、発光素子と受光素子の冷却には時間遅れが生じることがある。これを考慮して、排気絞り弁の開閉切り替えは発光素子または受光素子の使用上限温度となる状態ではなく、より小さな温度を基準とすることが好ましい。
【0041】
なお、エンジン始動時は始動性優先のため、空燃比が濃くなる上、A/Fセンサの測定精度が低い。このため、エンジン始動から一定時間が経過するまでは排気が増大し、排気スモークセンサの光学面を汚す可能性が高くなる。このため、エンジン始動から一定時間は上述した排気絞り弁の目標開度よりも更に小さく目標開度を設定することで、取り込み空気量を多くして汚れを防止することができる。
【0042】
図10は、排気絞り弁102の弁開度決定方法の一例を示したものである。排気絞り弁は、上述したように光学素子の光学面の汚れと過熱を抑える手段であるとともに(図10に示す横軸初期のエンジン始動時に、排気絞り弁目標開度よりも開度をさらに小にして取り込み空気量を多くし汚れと過熱を抑止する。図10に示す破線3002)、図2に示す排気処理装置(例えば、触媒)7の効率を高めることに応用され、排気音を低減することにも応用される(図10に示す横軸初期のエンジン始動時に排気絞り弁102の開度を大きくして、触媒を通る排気ガスの流れを円滑にし、排気音を低減する。図10に示す一点鎖線3001)。このように、光学面の汚れと過熱、触媒効率と排気音低減の観点で、排気絞り弁に対するそれぞれの弁開度要求値が異なる場合に、安全サイドを見込んで最も小さな値を適用することが必要である(図10に示す実線3003)。
【符号の説明】
【0043】
1:アクセル開度センサ、2:吸入空気流量センサ、3:排気圧力および排気温度センサ、5:インジェクタ、6(a) :コンプレッサ、6(b):タービン、7:排気処理装置、8:ECU、9:排気ガス再循環ガス通路A、10:熱交換器、11:排気ガス再循環ガス流量制御弁、12:排気ガス再循環ガス圧力および温度センサ、13:スロットル、14:吸気圧センサ、15:燃料ポンプ、16:インタークーラ、17:エアクリーナ、18:燃焼室、19:エンジン、
20:吸気管、21(a):触媒診断用センサ(上流側)、21(b):触媒診断用センサ(下流側)、22:燃料配管、23:排気管、24:吸入空気流量、25:排気ガス再循環ガス流量、26:排気ガス再循環ガス通路B、27:排気絞り弁および排気スモークセンサ、28:吸気絞り弁、29:排気ガス再循環ガス流量制御弁、30:吸気圧力および吸気温度センサ、31:排気ガス再循環ガス熱交換器、
101:排気管、102:排気絞り弁、103:モータおよび弁開度センサ、104:光学通路、105:発光素子、106:受光素子、107:外気圧および排気管内圧センサ、108:温度センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気通路に設けた光透過式のスモークセンサにおいて、光学面の汚れと過熱を抑える技術に関するものであり、特に排気流量が多くなった場合の圧力損失を低減させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの排気通路に設けた光透過式のスモークセンサは、光学面の汚れによる検出感度の低下に加え、排気熱による光学面への熱伝達により光学面の耐用温度上限を超える場合がある。そこで、スモークセンサの光学面の汚れと過熱に影響されることなく安定した分析を行う従来技術として、例えば、特許文献1に開示の技術が知られている。この特許文献1によると、ガス流路内に、流路を狭くし流れを速くしてその流れに沿った固定開度の減圧部を形成し、この減圧部の内部に光学系の光学面を設けるとともに、ガス流路外から空気を光学面経由で取り込むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、減圧部の通路面積が固定であるため、排気流量が小さくなると吸入空気流量が不足し、排気流量が大きくなると圧力損失の増大によりエンジンの燃費が悪化するという課題があった。
【0005】
本発明は、エンジンの排気通路に設けた光透過式のスモークセンサにおいて、光学系の光学面の汚れと過熱を抑え、特に排気流量が多くなった場合の圧力損失を低減させることができるスモークセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度を決定し、さらに、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記決定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する構成とする。
【0007】
また、エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、前記発光素子と受光素子の光学面の温度を測定する光学面温度検出手段と、前記排気絞り弁開度検出手段からの測定値を演算するとともに、前記光学面温度検出手段からの前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した発光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Aを算出するとともに、前記測定した受光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Bを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bの内の小さい方の目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する構成とする。
【0008】
前記スモークセンサにおいて、前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算するとともに、前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Cを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bと前記目標開度Cの内の最も小さい目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排気流量に関わらず、排気通路外からの取り込み空気流量の過不足を最小限に抑えると共に、排気通路の減圧部による圧力損失を抑えることができる。これにより、光学面の汚れや過熱が抑えられ、スモーク検出感度の低下が抑えられると同時に、排気圧力損失に伴う燃費の悪化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るスモークセンサの全体構成とその接続構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るスモークセンサとこれを用いたエンジン廻りの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスモークセンサの第1の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るスモークセンサの第2の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るスモークセンサの第3の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に関する排気絞り弁開度と受光素子または発光素子の光学面温度との関係の一例を示すグラフである。
【図7】本実施形態に関する排気絞り弁開度と圧力損失との関係の一例を示すグラフである。
【図8】本実施形態に関する排気絞り弁開度の補正についてゲージ圧との関係で算出する具体例を示すグラフである。
【図9】本実施形態に関する排気絞り弁開度の補正について受光素子または発光素子の光学面温度との関係で算出する具体例を示すグラフである。
【図10】本実施形態に関する排気絞り弁の弁開度を排気処理装置と光学面の汚れ・過熱からの要求を基に決定する手法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るスモークセンサとこれに関連する周辺の構成について、まず、図1と図2を参照しながら以下説明する。図2は、本発明の実施形態に係るスモークセンサとこれを用いたエンジン廻りの構成を示す図であり、エンジン19の上流からエアクリーナ17、エアフローセンサ2、吸気絞り弁28、過給器のコンプレッサ6(b)、インタークーラ16、吸気圧力および吸気温度センサ30(a),(b)、吸入空気量を調整するスロットル13、吸気圧力および吸気温度センサ14、吸気管20(a),(b)、燃料噴射弁(以下、インジェクタ)5が配置されている。スロットル13は電子制御スロットルであることが好ましく、電気式アクチュエータによってスロットルバルブを駆動するものである。
【0012】
排気管23には、排気圧力および排気温度センサ3と、排気浄化装置7の前後の圧力と温度を測定するセンサ21(a),(b)と、排気絞り弁を付設したスモークセンサ27とが配されており、吸気管20(a),(b)へ排気ガスを再循環する排気ガス再循環ガス通路9,26には、排気ガス再循環ガス熱交換器10,31と、排気ガス再循環ガス流量制御弁11,29とが設置されている。
【0013】
本実施形態に関連する吸気量制御手段は、吸気絞り弁28、排気絞り弁を付設したスモークセンサ27、排気ガス再循環ガス流量制御弁11,29、コンプレッサ6(b)、インタークーラ16、スロットル13からなり、吸気量検出手段は、エアフローセンサ2、吸気圧力および吸気温度センサ30(a),(b)、吸気圧力および吸気温度センサ14からなる。図2に示す構成において、排気ガス再循環ガス圧力および温度センサ12、排気圧力および排気温度センサ3、エアフローセンサ2は、排気ガス再循環ガス流量を測定する際に用いられる。
【0014】
インジェクタ5は燃焼室18に直接燃料噴射する形式のものである。インジェクタ5からは、アクセル開度センサ1の開度信号αなどから演算される目標エンジントルクに応じて所定の燃料量が噴射され、その燃料量は、スロットル13の開度信号θtp、排気ガス再循環ガス流量制御弁11の開度信号θegr、コンプレッサ6(b)の過給圧Ptinの出力値などに応じて適宜補正する。エンジンコントロールユニット(以下、ECU)8は、アクセル開度α、ブレーキ状態などのユーザ要求、車速などの車両状態、エンジン冷却水温および排気温度などのエンジン運転条件に応じて、エンジン19の燃焼モードや制御量などを決定するものである。
【0015】
次に、図2に示す排気絞り弁を付設したスモークセンサ27の構成例について、図1を参照しながら以下説明する。ここで、スモークセンサ27は、図1に示す発光素子105、光学通路104、受光素子106のみを指称するものではなくて、排気絞り弁102、排気絞り弁102の弁開度検出手段、排気絞り弁102付近の排気圧検出手段107、大気圧の検出手段107、発光素子及び受光素子の光学面の温度検出手段108、外部空気を光学面経由で排気通路に取り込む取り込み空気通路、種々の検出手段からの測定値を演算して排気絞り弁の弁開度を制御する演算制御手段、などの一群の構成要素からなるものを指称する。すなわち、スモークセンサ27は、発光・受光素子に関連する一群の構成からなるものとして定義する。
【0016】
排気絞り弁102はモータを付設した弁開度センサ103により駆動される。排気管101に備えた排気絞り弁102付近に光学通路104を設け、両端に発光素子105と受光素子106を配している。すなわち、光学通路104は排気管101の排気通路を横断するように構成される。発光素子105から発した光は光学通路104を通り、排気を透過して受光素子106に送られる。受光素子106に送られる受光量は排気濃度に応じて変化する。受光素子106は受光量に応じて出力電圧を変化させることで、外部へ排気濃度を出力する。
【0017】
発光素子105と受光素子106の周囲には隙間を設け、排気絞り弁102による減圧により隙間と光学面と光学通路104を介して外気を取り込むようになっている(不図示)。発光素子105と受光素子106の光学面近傍には温度センサ108(a),(b)が設けられ、発光素子105と受光素子106の温度測定に用いられる。排気管101の光学通路104近傍には外気圧および排気管内圧センサ107が設けられ(外気圧と内圧をそれぞれ測定する2つの検出器から構成される)、光学通路104内の通気方向の判定に用いられる(外気圧と内圧の大小を比較して通気の方向を判定する)。なお、発光素子105と受光素子106の代わりにフォトリフレクタやフォトインタラプタを用いても良い。
【0018】
次に、本発明の実施形態に係るスモークセンサの第1の動作手順について、図3に示すフローチャートを参照しながら、以下説明する。図示するスモークセンサの動作は、周期的に測定と演算と制御出力を繰り返すものである。
【0019】
最初に、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107によって大気圧を検出する(ブロック1001)。次に、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107より排気圧を検出する(ブロック1002)。そして、ブロック1001とブロック1002にて測定した圧力の差分を排気ゲージ圧(排気圧−大気圧)として算出する(ブロック1004)。
【0020】
次に、ブロック1004にて算出した排気ゲージ圧と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1005)。さらに、モータを付設した弁開度センサ103により排気絞り弁102の開度を検出する(ブロック1003)。
【0021】
続いて、ブロック1003にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1005にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度を算出する(ブロック1006)。次に、排気絞り弁102の開度がブロック1006にて算出した目標開度となるようにモータを付設した弁開度センサ103を駆動する(ブロック1007)。このような手順の実行によって、排気絞り弁102による圧力損失を過大にすることなく、排気スモークを検出可能となる。換言すると、例えば、排気絞り弁102を絞って(通路の絞り態様が固定ではなくて可変である)圧力損失を大にするとスモークセンサ設置箇所の管内圧力が小となって外気からの取り込み空気量が増加し、光学面の汚れと過熱を抑止することができるのである。なお、排気と外気の通過量をみると、外気量をほとんど無視できる程度の多量の排気であるので、スモークセンサとしての排気濃度の検出機能には影響を及ぼさない。
【0022】
次に、本発明の実施形態に係るスモークセンサの第2の動作手順について、図4に示すフローチャートを参照しながら、以下説明する。図示するスモークセンサの動作は、周期的に測定と演算と制御出力を繰り返すものである。
【0023】
最初に、モータを付設した弁開度センサ103によって排気絞り弁102の開度を検出する(ブロック1104)。さらに、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(a)により発光素子105の光学面温度を検出する(ブロック1101)。次に、ブロック1101にて算出した発光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1102)。続いて、ブロック1104にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1102にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Aを算出する(ブロック1103)。
【0024】
次に、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(b)により受光素子106の光学面温度を検出する(ブロック1105)。さらに、ブロック1105にて算出した受光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1106)。続いて、ブロック1104にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1106にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Bを算出する(ブロック1107)。
【0025】
次に、ブロック1103で算出した排気絞り弁102の目標開度Aとブロック1107で算出した排気絞り弁102の目標開度Bを比較し、小さい方(目標弁開度をより絞る方)を目標開度として選出する(ブロック1108)。小さい方を選出する理由は、弁開度をより絞って取り込み空気量を多くし光学面の温度をより低下させる際に、発光素子と受光素子の内で光学面の温度をより低下させる必要のある方の素子を選択することにある(いずれか一方の素子の光学面温度の上昇を避けるように安全サイドを選択する)。
【0026】
次に、排気絞り弁102の開度がブロック1008にて選出した目標開度となるようにモータを付設した弁開度センサ103を駆動する(ブロック1009)。このようにして、排気絞り弁102を絞ることで排気圧力を下げ大気からの取り込み量を多くして光学面温度を低下させるのであるが、その際、排気絞り弁102を適宜に調節することで(固定の絞りではなくて)、排気絞り弁102による圧力損失を過大にすることなく、排気スモークの濃度検出が可能となる。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係るスモークセンサの第3の動作手順について、図5に示すフローチャートを参照しながら、以下説明する。図示するスモークセンサの動作は、周期的に測定と演算と制御出力を繰り返すものである。
【0028】
最初に、モータを付設した弁開度センサ103により排気絞り弁102の開度を検出する(ブロック1204)。次に、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(a)により発光素子105の光学面温度を検出する(ブロック1201)。続いて、ブロック1201にて算出した発光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1202)。そして、ブロック1204にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1202にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Aを算出する(ブロック1203)。
【0029】
次に、光学通路104に取り付けられた温度センサ108(b)により受光素子106の光学面温度を検出する(ブロック1205)。そして、ブロック1205にて算出した受光素子105の光学面温度と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1206)。続いて、ブロック1204にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1206にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Bを算出する(ブロック1207)。
【0030】
また、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107により大気圧を検出する(ブロック1212)。そして、排気管101に取り付けられた外気圧および排気管内圧センサ107により排気圧を検出する(ブロック1208)。続いて、ブロック1212とブロック1208にて測定した圧力の差分を排気ゲージ圧(排気圧−大気圧)として算出する(ブロック1209)。さらに、ブロック1209にて算出した排気ゲージ圧と所定値を比較し、排気絞り弁102開度の過不足を算出する(ブロック1210)。続いて、ブロック1204にて検出した排気絞り弁102の開度にブロック1210にて算出した排気絞り弁102開度の過不足分を加算して排気絞り弁102の目標開度Cを算出する(ブロック1211)。
【0031】
次に、ブロック1203で算出した排気絞り弁102の目標開度Aとブロック1207で算出した排気絞り弁102の目標開度Bとブロック1211で算出した排気絞り弁102の目標開度Cを比較し、小さい方を目標開度として選出する(ブロック1213)。目標弁開度の小さい方を選出することで、発光素子と受光素子のいずれかの素子の光学面温度が上昇して破損することを避けるように安全サイドを選出する。
【0032】
次に、排気絞り弁102の開度がブロック1213にて選出した目標開度となるようにモータを付設した弁開度センサ103を駆動する(ブロック1214)。このように、上述した第1と第2の手順と同様に、排気絞り弁102による圧力損失を過大にすることなく、排気スモークの濃度検出が可能となる。
【0033】
次に、本実施形態に係るスモークセンサの特徴の1つである、絞り弁による排気通路での圧力損失が増大することによりエンジンの燃費が悪化(排気通路を絞ることでエンジンへの吸気空気量が低減して燃費が低下する)することを抑制する機能について、図6と図7を参照しながら以下説明する。
【0034】
図6は本実施形態における排気絞り弁開度の変化に伴う受光素子光学面または発光素子光学面の温度変化の一例を示したものであり、図7は本実施形態における排気絞り弁開度と排気流量の変化に伴う圧力損失との関係の一例を示したものである。
【0035】
排気絞り弁の開度を小さくすることで排気圧が低下し取り込み空気量が多くなって受光素子光学面または発光素子光学面の温度が降下するが、同時に圧力損失が増大し、エンジン出力や燃費など、基本性能へ悪影響が及ぶことになる。このため、必要な測定精度を確保できる範囲内で、出来るだけ排気絞り弁の開度を大きくすることが必要とされる。
【0036】
しかしながら、図7の符号2001に示すように、排気絞り弁の開度が固定の場合(上記特許文献1の場合、図示例で弁開度P1)は、排気流量が小さい場合でも必要な減圧を得られる様にするため、排気絞り弁の開度を小さくする必要があり、排気流量の増加に伴い、必要以上の圧力損失が生じることになる(図7で、排気流量大のときに、圧力損失は排気流量小に比べて大きくなる)。そこで、図7の符号2002に示す適切な圧力損失値が保てるように、図7の符号2003に従い排気流量に応じて排気弁開度を調節(図示例で、排気流量中のときに弁開度P2、排気流量大のときに弁開度P3)することが、圧力損失の増大(エンジン燃費の悪化)を避ける上で有効となる。
【0037】
図8は、図3に示す第1の動作手におけるブロック1005における排気絞り弁開度の過不足算出の一例である。ゲージ圧(排気圧−大気圧)がゼロより小さい場合は、圧力差により外気が排気管内に取り込まれることになり、発光素子と受光素子は冷却されていると考えられ、排気絞り弁開度はより開く方向にする。
【0038】
しかし、実際には排気温度や外気温度の上昇により、発光素子と受光素子の使用上限温度を超える場合がある。また、排気スモークセンサ自体の熱容量により、発光素子と受光素子の冷却には時間遅れが生じることがある。また、排気ガス圧の脈動の内でそのガス圧瞬時値が小のときに排気が光学面を介して大気に出る場合があり、すなわち排気の一部が逆流して光学面を汚すことがある。これらを考慮し、排気絞り弁の開閉切り替えはゲージ圧がゼロとなる状態ではなく、より小さなゲージ圧を基準とすることが好ましい。
【0039】
図9は、図4に示す第2の動作手順におけるブロック1106における排気絞り弁開度の過不足算出の一例である。受光素子または発光素子の光学面温度が所定値より小さい場合は、発光素子または受光素子の耐熱性能に余裕があると考えられ、排気絞り弁開度はより開く方向にする。
【0040】
しかし、排気スモークセンサ自体の熱容量により、発光素子と受光素子の冷却には時間遅れが生じることがある。これを考慮して、排気絞り弁の開閉切り替えは発光素子または受光素子の使用上限温度となる状態ではなく、より小さな温度を基準とすることが好ましい。
【0041】
なお、エンジン始動時は始動性優先のため、空燃比が濃くなる上、A/Fセンサの測定精度が低い。このため、エンジン始動から一定時間が経過するまでは排気が増大し、排気スモークセンサの光学面を汚す可能性が高くなる。このため、エンジン始動から一定時間は上述した排気絞り弁の目標開度よりも更に小さく目標開度を設定することで、取り込み空気量を多くして汚れを防止することができる。
【0042】
図10は、排気絞り弁102の弁開度決定方法の一例を示したものである。排気絞り弁は、上述したように光学素子の光学面の汚れと過熱を抑える手段であるとともに(図10に示す横軸初期のエンジン始動時に、排気絞り弁目標開度よりも開度をさらに小にして取り込み空気量を多くし汚れと過熱を抑止する。図10に示す破線3002)、図2に示す排気処理装置(例えば、触媒)7の効率を高めることに応用され、排気音を低減することにも応用される(図10に示す横軸初期のエンジン始動時に排気絞り弁102の開度を大きくして、触媒を通る排気ガスの流れを円滑にし、排気音を低減する。図10に示す一点鎖線3001)。このように、光学面の汚れと過熱、触媒効率と排気音低減の観点で、排気絞り弁に対するそれぞれの弁開度要求値が異なる場合に、安全サイドを見込んで最も小さな値を適用することが必要である(図10に示す実線3003)。
【符号の説明】
【0043】
1:アクセル開度センサ、2:吸入空気流量センサ、3:排気圧力および排気温度センサ、5:インジェクタ、6(a) :コンプレッサ、6(b):タービン、7:排気処理装置、8:ECU、9:排気ガス再循環ガス通路A、10:熱交換器、11:排気ガス再循環ガス流量制御弁、12:排気ガス再循環ガス圧力および温度センサ、13:スロットル、14:吸気圧センサ、15:燃料ポンプ、16:インタークーラ、17:エアクリーナ、18:燃焼室、19:エンジン、
20:吸気管、21(a):触媒診断用センサ(上流側)、21(b):触媒診断用センサ(下流側)、22:燃料配管、23:排気管、24:吸入空気流量、25:排気ガス再循環ガス流量、26:排気ガス再循環ガス通路B、27:排気絞り弁および排気スモークセンサ、28:吸気絞り弁、29:排気ガス再循環ガス流量制御弁、30:吸気圧力および吸気温度センサ、31:排気ガス再循環ガス熱交換器、
101:排気管、102:排気絞り弁、103:モータおよび弁開度センサ、104:光学通路、105:発光素子、106:受光素子、107:外気圧および排気管内圧センサ、108:温度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、
前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、
前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、
前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、
前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、
前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、
前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度を決定し、さらに、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記決定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項2】
エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、
前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、
前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、
前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、
前記発光素子と受光素子の光学面の温度を測定する光学面温度検出手段と、
前記排気絞り弁開度検出手段からの測定値を演算するとともに、前記光学面温度検出手段からの前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した発光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Aを算出するとともに、前記測定した受光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Bを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bの内の小さい方の目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項3】
請求項2において、
前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、
前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、
前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算するとともに、前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Cを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bと前記目標開度Cの内の最も小さい目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項4】
請求項1、2または3において、
前記演算制御手段は、エンジンの始動時から一定時間経過時までの空燃比の濃い期間において、前記決定した目標開度又は前記選定した目標開度よりもさらに小さい目標開度を設定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記設定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れを抑止する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項1】
エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、
前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、
前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、
前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、
前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、
前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、
前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度を決定し、さらに、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記決定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項2】
エンジンの排気通路に設けた光透過式の発光素子と受光素子をもつスモークセンサであって、
前記排気通路を減圧させる排気絞り弁と、
前記排気絞り弁の近傍に設置され、前記排気通路の外部の空気を前記発光素子と受光素子の光学面経由で前記排気通路に取り込む空気通路と、
前記排気絞り弁の開度を測定する排気絞り弁開度検出手段と、
前記発光素子と受光素子の光学面の温度を測定する光学面温度検出手段と、
前記排気絞り弁開度検出手段からの測定値を演算するとともに、前記光学面温度検出手段からの前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した発光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Aを算出するとともに、前記測定した受光素子の光学面温度と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Bを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bの内の小さい方の目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項3】
請求項2において、
前記排気絞り弁の近傍の減圧した排気圧を測定する排気圧検出手段と、
前記排気通路の外部の大気圧を測定する大気圧検出手段と、
前記排気絞り弁開度検出手段、前記排気圧検出手段、前記大気圧検出手段からの測定値を演算するとともに、前記発光素子と受光素子の光学面温度の測定値を演算し、前記排気絞り弁の開度を制御する演算制御手段と、を備え、
前記演算制御手段は、前記測定した排気圧と大気圧の差である差圧と、予め規定された所定値と、を比較して前記排気絞り弁の目標開度Cを算出し、さらに、前記目標開度Aと前記目標開度Bと前記目標開度Cの内の最も小さい目標開度を選定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記選定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れと過熱を抑止するとともに前記排気絞り弁による排気の圧力損失を抑制する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【請求項4】
請求項1、2または3において、
前記演算制御手段は、エンジンの始動時から一定時間経過時までの空燃比の濃い期間において、前記決定した目標開度又は前記選定した目標開度よりもさらに小さい目標開度を設定し、前記排気絞り弁開度検出手段で測定した排気絞り弁の開度が前記設定した目標開度となるように前記排気絞り弁の開度を制御して、前記空気通路の取り込み空気による前記光学面の汚れを抑止する
ことを特徴とするスモークセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−237189(P2011−237189A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106423(P2010−106423)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]