説明

接合装置

【課題】接合対象をより安定して取り扱うこと。
【解決手段】カートリッジと、そのカートリッジが載せられるキャリッジと、静電チャックと、その静電チャックを駆動する圧接機構とを備えている。そのカートリッジは、所定領域の表面粗さが所定の表面粗さより大きくなるように、形成されている。このとき、そのカートリッジは、ウェハがその所定領域に接している場合で、ウェハが静電引力によりその静電チャックに吸着されているときに、ウェハとともにその静電チャックに吸着されないで、その静電チャックが移動しても移動しない。この結果、このような接合装置は、その静電チャックの吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合装置に関し、特に、複数の基板を1枚の基板に接合するときに利用される接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細な電気部品や機械部品を集積化したMEMSが知られている。そのMEMSとしては、マイクロリレー、圧力センサ、加速度センサなどが例示される。真空雰囲気で活性化されたウェハ表面同士を接触させることにより、そのウェハを接合する常温接合が知られている。このような常温接合は、そのMEMSを作製することに好適である。このような常温接合する常温接合装置は、量産性向上を指向する必要があり、そのウェハをより安定して取り扱うことが望まれている。
【0003】
特開2004−207606号公報には、薄くなった半導体ウェハでも安定的に支持できると共に、結晶方位マークが形成されているため、著しく剛性が低下した半導体ウェハであっても取り扱いが容易であり、研削によって半導体ウェハの外周に欠けが生じても常に結晶方位を認識することができるウェハサポートプレートが開示されている。そのウェハサポートプレートは、半導体ウェハを支持する支持面を有するウェハサポートプレートであって、支持された半導体ウェハの結晶方位を示す結晶方位マークが形成されていることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−207606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、接合される基板をより安定して取り扱う接合装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、基板をより安定して接合する接合装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、接合される基板の位置ずれを防止する接合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0007】
本発明による接合装置(1)は、基板が載せられるカートリッジ(7)と、カートリッジ(7)が載せられるキャリッジ(45)と、静電引力によりその基板を吸着する静電チャック(18)と、キャリッジ(45)に対して静電チャック(18)を駆動する圧接機構(11)とを備えている。カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に載せられている上基板(50−1)が静電チャック(18)に吸着されている場合で、静電チャック(18)がキャリッジ(45)から遠ざけられるときに、カートリッジ(7)がキャリッジ(45)から遠ざからないような形状に、形成されている。
【0008】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、上基板(50−1)の表面のうちのカートリッジ(7)に対向する領域からカートリッジ(7)までの平均距離が所定の距離より大きくなるように、形成されていることが好ましい。
【0009】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、カートリッジ(7)の表面のうちの上基板(50−1)に対向する領域の表面粗さが所定の表面粗さより大きくなるように、形成されていることが好ましい。また、カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)に下基板(50−2)が載せられているときに、カートリッジ(8)の表面のうちの下基板(50−2)に対向する領域の表面粗さが所定の表面粗さより大きくなるように、形成されていることが好ましい。
【0010】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、カートリッジ(7)の表面のうちの上基板(50−1)に対向する領域の面積が所定の面積より小さくなるように、形成されていることが好ましい。また、カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)に下基板(50−2)が載せられているときに、カートリッジ(8)の表面のうちの下基板(50−2)に対向する領域の面積が所定の面積より小さくなるように、形成されていることが好ましい。
【0011】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、カートリッジ(7)の表面のうちの上基板(50−1)に対向する領域の平面度が所定の平面度より大きくなるように、形成されていることが好ましい。また、カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)に下基板(50−2)が載せられているときに、カートリッジ(8)の表面のうちの下基板(50−2)に対向する領域の平面度が所定の平面度より大きくなるように、形成されていることが好ましい。
【0012】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、カートリッジ(7)の表面のうちの上基板(50−1)に対向する領域に穴(112)が形成されていることが好ましい。また、カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)に下基板(50−2)が載せられているときに、カートリッジ(8)の表面のうちの下基板(50−2)に対向する領域に穴(112)が形成されていることが好ましい。
【0013】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、カートリッジ(7)の表面のうちの上基板(50−1)に対向する領域に突起(116)が形成されていることが好ましい。また、カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)に下基板(50−2)が載せられているときに、カートリッジ(8)の表面のうちの下基板(50−2)に対向する領域に突起(116)が形成されていることが好ましい。
【0014】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)の重量が所定の重量より大きくなるように、形成されていることが好ましい。また、カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)の重量が所定の重量より大きくなるように、形成されていることが好ましい。
【0015】
キャリッジ(45)は、引っ掛け部(152)が形成されている。このとき、カートリッジ(7、8)は、カートリッジ(7、8)がキャリッジ(45)に載せられるときに引っ掛け部(152)に引っかかる引っかかり部(143)が形成されていることが好ましい。
【0016】
圧接機構(11)は、さらに、静電チャック(18)が上基板(50−1)を吸着している場合で、下基板(50−2)が載せられている他のカートリッジ(8)がキャリッジ(45)に載せられているときに、上基板(50−1)と下基板(50−2)とが接合されるように、キャリッジ(45)に対して静電チャック(18)を駆動する。
【0017】
本発明による接合装置(1)は、上基板(50−1)と下基板(50−2)とが接合される前に、上基板(50−1)の下基板(50−2)に対向する面と下基板(50−2)の上基板(50−1)に対向する面とを活性化させる活性化装置(14)をさらに備えていることが好ましい。
【0018】
カートリッジ(7)は、カートリッジ(7)に上基板(50−1)が載せられているときに、カートリッジ(7)と上基板(50−1)とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されていることが好ましい。その空間に充填された気体は、カートリッジ(7)と上基板(50−1)とが配置される雰囲気が減圧されるときに、その流路を通って外部に排気される。このため、このようなカートリッジ(7)は、その雰囲気が減圧されるときに、その気体がカートリッジ(7)に対して上基板(50−1)を移動させることを防止することができる。カートリッジ(8)は、カートリッジ(8)に下基板(50−2)が載せられているときに、カートリッジ(8)と下基板(50−2)とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されていることが好ましい。その空間に充填された気体は、カートリッジ(8)と下基板(50−2)とが配置される雰囲気が減圧されるときに、その流路を通って外部に排気される。このため、このようなカートリッジ(8)は、その雰囲気が減圧されるときに、その気体がカートリッジ(8)に対して下基板(50−2)を移動させることを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による接合装置は、静電チャックの吸着力を変化させることなく、かつ、基板に所定の加工を施すことなく、接合される基板をより安定して取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、接合装置を示す断面図である。
【図2】図2は、ステージキャリッジを示す斜視図である。
【図3】図3は、搬送装置のハンドを示す平面図である。
【図4】図4は、上カートリッジを示す平面図である。
【図5】図5は、上カートリッジを示す断面図である。
【図6】図6は、ウェハ位置決めピンを示す断面図である。
【図7】図7は、位置決め用ピンを示す断面図である。
【図8】図8は、下カートリッジを示す平面図である。
【図9】図9は、下カートリッジを示す断面図である。
【図10】図10は、上ウェハを搬送する動作を示す図である。
【図11】図11は、下ウェハを搬送する動作を示す図である。
【図12】図12は、ウェハに接触する接触面積が小さいカートリッジに印加される吸着面全体吸着力とウェハに接触する接触面積が大きいカートリッジに印加される吸着面全体吸着力との関係を示すグラフである。
【図13】図13は、比較例のカートリッジにウェハが載った状態を示す断面図である。
【図14】図14は、他の島部分を示す斜視図である。
【図15】図15は、さらに他の島部分を示す斜視図である。
【図16】図16は、さらに他の島部分を示す断面図である。
【図17】図17は、ウェハに接触する面の表面粗さが大きいカートリッジに印加される吸着力とウェハに接触する面の表面粗さが小さいカートリッジに印加される吸着力との関係を示すグラフである。
【図18】図18は、さらに他の島部分を示す断面図である。
【図19】図19は、ウェハに接触する面の平面度が大きいカートリッジに印加される吸着力とウェハに接触する面の平面度が小さいカートリッジに印加される吸着力との関係を示すグラフである。
【図20】図20は、他のカートリッジを示す平面図である。
【図21】図21は、他のキャリッジを示す側面図である。
【図22】図22は、他のカートリッジが他のキャリッジに載せられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明による接合装置の実施の形態を記載する。その接合装置1は、図1に示されているように、接合システムに適用されている。すなわち、その接合システムは、接合装置制御装置10と接合装置1とを備えている。接合装置1は、接合チャンバー2とロードロックチャンバー3とを備えている。接合チャンバー2とロードロックチャンバー3とは、内部を環境から密閉する容器である。接合装置1は、さらに、ゲートバルブ5を備えている。ゲートバルブ5は、接合チャンバー2とロードロックチャンバー3との間に介設されている。ゲートバルブ5は、接合装置制御装置10により制御されることにより、接合チャンバー2の内部とロードロックチャンバー3の内部とを接続するゲートを閉鎖し、または、そのゲートを開放する。ロードロックチャンバー3は、図示されていない蓋を備えている。その蓋は、ロードロックチャンバー3の外部と内部とを接続するゲートを閉鎖し、または、そのゲートを開放する。
【0022】
ロードロックチャンバー3は、真空ポンプ4を備えている。真空ポンプ4は、接合装置制御装置10により制御されることにより、ロードロックチャンバー3の内部から気体を排気する。真空ポンプ4としては、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、油拡散ポンプが例示される。ロードロックチャンバー3は、さらに、搬送機構6を内部に備えている。搬送機構6は、接合装置制御装置10により制御されることにより、ゲートバルブ5を介してロードロックチャンバー3の内部に配置されたウェハを接合チャンバー2に搬送し、または、ゲートバルブ5を介して接合チャンバー2に配置されたウェハをロードロックチャンバー3の内部に搬送する。
【0023】
接合チャンバー2は、真空ポンプ9を備えている。真空ポンプ9は、接合装置制御装置10により制御されることにより、接合チャンバー2の内部から気体を排気する。真空ポンプ9としては、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、油拡散ポンプが例示される。
【0024】
接合チャンバー2は、さらに、ステージキャリッジ45と位置合わせ機構12とを備えている。ステージキャリッジ45は、接合チャンバー2の内部に配置され、水平方向に平行移動可能に、かつ、鉛直方向に平行である回転軸を中心に回転移動可能に支持されている。位置合わせ機構12は、さらに、接合装置制御装置10により制御されることにより、ステージキャリッジ45が水平方向に平行移動し、または、ステージキャリッジ45が鉛直方向に平行である回転軸を中心に回転移動するように、ステージキャリッジ45を駆動する。位置合わせ機構12は、図示されていない複数のアライメント機構をさらに備えている。その複数のアライメント機構は、それぞれ、接合装置制御装置10により制御されることにより、ステージキャリッジ45に保持されるウェハの画像を撮影し、静電チャック18に吸着されるウェハの画像を撮影する。
【0025】
接合チャンバー2は、さらに、圧接機構11と圧接軸13と静電チャック18と荷重計19とを備えている。圧接軸13は、接合チャンバー2に対して鉛直方向に平行移動可能に支持されている。静電チャック18は、圧接軸13の下端に配置されている。静電チャック18は、誘電層の内部に内部電極が配置されている。その誘電層は、セラミックから形成され、平坦な面が形成されている。静電チャック18は、接合装置制御装置10により制御されることにより、その内部電極に所定の印加電圧が印加される。静電チャック18は、その内部電極に所定の印加電圧が印加されることにより、その誘電層の平坦な面の近傍に配置されるウェハを静電力によって吸着する。圧接機構11は、接合装置制御装置10により制御されることにより、接合チャンバー2に対して鉛直方向に圧接軸13を平行移動させる。圧接機構11は、さらに、静電チャック18が配置される位置を測定し、その位置を接合装置制御装置10に出力する。荷重計19は、圧接軸13に印加される荷重を測定することにより、静電チャック18により保持されたウェハに印加される荷重を測定し、その荷重を接合装置制御装置10に出力する。
【0026】
接合チャンバー2は、さらに、イオンガン14と電子源15とを備えている。イオンガン14は、静電チャック18が上方に配置されているときに、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間に向くように配置されている。イオンガン14は、接合装置制御装置10により制御されることにより、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間を通り、接合チャンバー2の内側表面に交差する照射軸に沿って、アルゴンイオンを加速して放出する。イオンガン14は、さらに、図示されていない金属ターゲットを備えている。その金属ターゲットは、そのアルゴンイオンが照射される位置に配置されている。電子源15は、イオンガン14と同様にして、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間に向くように配置されている。電子源15は、接合装置制御装置10により制御されることにより、位置合わせ機構12と静電チャック18との間の空間を通り、接合チャンバー2の内側表面に交差する他の照射軸に沿って、電子を加速して放出する。
【0027】
接合装置制御装置10は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置とリムーバルメモリドライブと入力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、接合装置制御装置10にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。そのリムーバルメモリドライブは、記録媒体が挿入されたときに、その記録媒体に記録されているデータを読み出すことに利用される。そのリムーバルメモリドライブは、特に、コンピュータプログラムが記録されている記録媒体が挿入されたときに、そのコンピュータプログラムを接合装置制御装置10にインストールするときに利用される。その入力装置は、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボードが例示される。そのインターフェースは、接合装置制御装置10に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、真空ポンプ4と搬送機構6と真空ポンプ9と圧接機構11と位置合わせ機構12とイオンガン14と電子源15と静電チャック18と荷重計19とを含んでいる。
【0028】
接合装置制御装置10にインストールされるコンピュータプログラムは、接合装置制御装置10に複数の機能を実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、入力装置を介して入力される情報に基づいて、真空ポンプ4と搬送機構6と真空ポンプ9と圧接機構11と位置合わせ機構12とイオンガン14と電子源15と静電チャック18と荷重計19とを制御する。
【0029】
図2は、ステージキャリッジ45を示している。ステージキャリッジ45は、概ね円盤状に形成されている。ステージキャリッジ45は、その円盤の軸が鉛直方向に平行になるように配置され、その円盤の上側の面に平坦な支持面46が形成されている。ステージキャリッジ45は、支持面46に複数のアライメント用孔47が形成されている。複数のアライメント用孔47は、位置合わせ機構12の複数のアライメント機構の近傍にそれぞれ配置されるように、形成されている。ステージキャリッジ45は、さらに、支持面46の外周部に複数の位置決めピン48−1〜48−2が形成されている。複数の位置決めピン48−1〜48−2は、それぞれ、円形で先細の突起に形成されている。
【0030】
図3は、搬送機構6が備えるハンド17を示している。ハンド17は、爪21−1、21−2が形成されている。爪21−1、21−2は、それぞれ、板状に形成されている。爪21−1、21−2は、1つの水平面に沿うように配置されている。爪21−1は、直線状の辺縁25−1を有している。爪21−2は、直線状の辺縁25−2を有している。爪21−1、21−2は、辺縁25−1が辺縁25−2に対向するように、かつ、辺縁25−1と辺縁25−2とが平行になるように配置されている。爪21−1は、辺縁25−1の一部に切り欠き49−1が形成されている。爪21−2は、辺縁25−2の一部に切り欠き49−2が形成されている。切り欠き49−2は、切り欠き49−1に対向するように、形成されている。
【0031】
図4は、上カートリッジ7を示している。上カートリッジ7は、アルミニウムまたはステンレス鋼から形成され、概ね円盤状に形成され、上ウェハを載せるために利用される。上カートリッジ7は、複数の位置決め穴53−1〜53−2と複数のアライメント用穴54とが形成されている。複数の位置決め穴53−1〜53−2は、円形に形成され、その円盤の外周の近傍に形成されている。複数の位置決め穴53−1〜53−2の径は、それぞれ、ステージキャリッジ45の位置決めピン48−1〜48−2の径に概ね等しい。複数の位置決め穴53−1〜53−2は、さらに、位置決め穴53−1と位置決め穴53−2との距離が位置決めピン48−1と位置決めピン48−2との距離に一致するように、形成されている。すなわち、複数の位置決め穴53−1〜53−2は、上カートリッジ7がステージキャリッジ45に置かれたときに、複数の位置決めピン48−1〜48−2に嵌まるように、配置されている。すなわち、上カートリッジ7は、複数の位置決め穴53−1〜53−2に複数の位置決めピン48−1〜48−2が嵌まるようにステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の定位置に載せられる。
【0032】
複数のアライメント用穴54は、貫通するように形成されている。複数のアライメント用穴54は、上カートリッジ7がステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の複数のアライメント用孔47にそれぞれ接続されるように形成されている。複数のアライメント用穴54は、さらに、上カートリッジ7に上ウェハが載せられたときに、その上ウェハに形成されるアライメントマークに一致するように、形成されている。
【0033】
上カートリッジ7は、さらに、その円盤の上側の面に、複数の島部分51−1〜51−4と複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3とが形成されている。複数の島部分51−1〜51−4は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、上カートリッジ7に載せられる上ウェハの外周に沿うように形成され、上端が1つの平面に沿うように形成されている。複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、上カートリッジ7に載せられる上ウェハの外周に沿うように形成されている。ウェハ位置決めピン52−2〜52−3は、特に、上カートリッジ7に載せられる上ウェハのオリエンテーションフラットに沿うように形成されている。このとき、上ウェハは、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン52−2〜52−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン52−1に接するように、上カートリッジ7に載せられるときに、上カートリッジ7の定位置に載せられる。上カートリッジ7は、さらに、上ウェハがその定位置に載せられたときに、上カートリッジ7と上ウェハ50−1とに挟まれる空間が外部に通じる流路が形成されるように、複数の島部分51−1〜51−4が形成されている。すなわち、複数の島部分51−1〜51−4は、互いに、連ならないように形成されている。
【0034】
さらに、複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、複数の島部分51−1〜51−4より高く形成され、複数の島部分51−1〜51−4の高さとその上ウェハの厚さとの和より低く形成されている。すなわち、複数の島部分51−1〜51−4は、図5に示されているように、上カートリッジ7に上ウェハ50−1が載せられたときに、上ウェハ50−1の上カートリッジ7に対向する面の外周に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、上カートリッジ7に上ウェハ50−1が載せられたときに、上ウェハ50−1の側面に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、上カートリッジ7に上ウェハ50−1が載せられたときに、上ウェハ50−1の上カートリッジ7に対向する面の裏面から突出しないように、形成されている。
【0035】
上カートリッジ7は、図6に示されているように、フランジ部分56と本体部分57とから形成されている。本体部分57は、円柱状に形成されている。その円柱の径は、ハンド17の辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より小さい。フランジ部分56は、本体部分57の円柱の側面から張り出すように形成され、円盤状に形成されている。その円盤の径は、ハンド17辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より大きい。すなわち、上カートリッジ7は、フランジ部分56が爪21−1〜21−2に載ることにより、搬送機構6に把持される。
【0036】
上カートリッジ7は、さらに、図7に示されているように、位置決め用ピン59が形成されている。位置決め用ピン59は、フランジ部分56の下側に向いている面から突出する突起に形成されている。位置決め用ピン59の径は、切り欠き49−1〜49−2の径と概ね等しい。位置決め用ピン59は、フランジ部分56の円盤の中心に関して互いに対称である2つの部分に、2つが形成されている。すなわち、位置決め用ピン59は、上カートリッジ7が搬送機構6に把持されたときに、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように、形成されている。このとき、上カートリッジ7は、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように搬送機構6に把持されるときに、ハンド17の定位置に把持される。
【0037】
図8は、下カートリッジ8を示している。下カートリッジ8は、アルミニウムから形成され、概ね円盤状に形成され、下ウェハを載せるために利用される。下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2と複数のアライメント用穴64とが形成されている。複数の位置決め穴63−1〜63−2は、円形に形成され、その円盤の外周の近傍に形成されている。複数の位置決め穴63−1〜63−2の径は、それぞれ、ステージキャリッジ45の位置決めピン48−1〜48−2の径に概ね等しい。複数の位置決め穴63−1〜63−2は、さらに、位置決め穴63−1と位置決め穴63−2との距離が位置決めピン48−1と位置決めピン48−2との距離に一致するように、形成されている。すなわち、複数の位置決め穴63−1〜63−2は、下カートリッジ8がステージキャリッジ45に置かれたときに、複数の位置決めピン48−1〜48−2に嵌まるように、配置されている。すなわち、下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2に複数の位置決めピン48−1〜48−2が嵌まるようにステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の定位置に載せられる。
【0038】
複数のアライメント用穴64は、貫通するように形成されている。複数のアライメント用穴64は、下カートリッジ8がステージキャリッジ45に置かれたときに、ステージキャリッジ45の複数のアライメント用孔47にそれぞれ接続されるように形成されている。複数のアライメント用穴64は、さらに、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハに形成されるアライメントマークに一致するように、形成されている。
【0039】
下カートリッジ8は、さらに、その円盤の上側の面に、島部分61と複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3とが形成されている。島部分61は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、下カートリッジ8に載せられる下ウェハの形状と概ね等しい形状に形成され、上端が1つの平面に沿うように形成されている。島部分61は、上端に溝65が形成されている。溝65は、上端に格子状に形成されている。溝65は、さらに、島部分61の側面に繋がるように、形成されている。
【0040】
複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、その円盤の上側の面から突出する突起に形成され、下カートリッジ8に載せられる下ウェハの外周に沿うように形成されている。ウェハ位置決めピン62−2〜62−3は、特に、下カートリッジ8に載せられる下ウェハのオリエンテーションフラットに沿うように形成されている。このとき、下ウェハは、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン62−2〜62−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン62−1に接するように、下カートリッジ8に載せられるときに、下カートリッジ8の定位置に載せられる。
【0041】
さらに、複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、島部分61より高く形成され、島部分61の高さとその下ウェハの厚さとの和より低く形成されている。すなわち、島部分61は、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハの下カートリッジ8に対向する面の大部分に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハの側面に接触するように、形成されている。複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、下カートリッジ8に下ウェハが載せられたときに、その下ウェハの下カートリッジ8に対向する面の裏面から突出しないように、形成されている。
【0042】
下カートリッジ8は、図9に示されているように、フランジ部分66と本体部分67とから形成されている。本体部分67は、円柱状に形成されている。その円柱の径は、辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より小さい。フランジ部分66は、本体部分67の円柱の側面から張り出すように形成され、円盤状に形成されている。その円盤の径は、辺縁25−1と辺縁25−2との間隔より大きい。すなわち、下カートリッジ8は、フランジ部分66が爪21−1〜21−2に載ることにより、搬送機構6に把持される。
【0043】
下カートリッジ8は、さらに、上カートリッジ7と同様にして、その位置決め用ピンが形成されている。その位置決め用ピンは、フランジ部分66の下側に向いている面から突出する突起に形成されている。その位置決め用ピンの径は、切り欠き49−1〜49−2の径と概ね等しい。その位置決め用ピンは、フランジ部分66の円盤の中心に関して互いに対称である2つの部分に、2つが形成されている。すなわち、その位置決め用ピンは、下カートリッジ8が搬送機構6に把持されたときに、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように、形成されている。このとき、下カートリッジ8は、爪21−1〜21−2の切り欠き49−1〜49−2にそれぞれ嵌まるように搬送機構6に把持されるときに、ハンド17の定位置に把持される。
【0044】
接合装置1を用いて実行される接合方法では、作業者は、まず、ゲートバルブ5を閉鎖して、真空ポンプ9を用いて接合チャンバー2の内部に真空雰囲気を生成し、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気を生成する。作業者は、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン52−2〜52−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン52−1に接するように、上カートリッジ7に上ウェハ50−1を載せる。作業者は、オリエンテーションフラットがウェハ位置決めピン62−2〜62−3に接するように、かつ、外周がウェハ位置決めピン62−1に接するように、下カートリッジ8に下ウェハ50−2を載せる。作業者は、ロードロックチャンバー3の蓋を開けて、ロードロックチャンバー3の内部に上カートリッジ7を配置し、ロードロックチャンバー3の内部に下カートリッジ8を配置する。作業者は、次いで、ロードロックチャンバー3の蓋を閉めて、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気が生成されるように真空ポンプ4を制御する。
【0045】
接合装置制御装置10は、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気が生成された後に、ゲートバルブ5を開放する。接合装置制御装置10は、まず、上ウェハ50−1を静電チャック18に保持させる。図10は、上ウェハ50−1を静電チャック18に保持させる動作を示している。接合装置制御装置10は、図10(a)に示されているように、上ウェハ50−1が載せられた上カートリッジ7がロードロックチャンバー3からステージキャリッジ45の上まで搬送されるように、搬送機構6を制御する。
【0046】
接合装置制御装置10は、図10(b)に示されているように、搬送機構6のハンド17が降下するように、搬送機構6を制御する。このとき、上カートリッジ7は、複数の位置決め穴53−1〜53−2がステージキャリッジ45の複数の位置決めピン48−1〜48−2にそれぞれ嵌まり、ステージキャリッジ45に保持される。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17がロードロックチャンバー3の内部に退避するように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、上ウェハ50−1に形成されたアライメントマークの画像が撮影されるように、位置合わせ機構12のアライメント機構を制御する。接合装置制御装置10は、上ウェハ50−1の水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、その画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する。
【0047】
接合装置制御装置10は、次いで、図10(c)に示されているように、静電チャック18の誘電層が上ウェハ50−1に接触するように、すなわち、静電チャック18が鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御し、静電チャック18が上ウェハ50−1を吸着するように、静電チャック18を制御する。このとき、上カートリッジ7の複数のウェハ位置決めピン52−1〜52−3は、上ウェハ50−1から突出しないように形成されているために、静電チャック18に接触しない。このため、接合装置1は、静電チャック18に上ウェハ50−1をより確実に接触させることができ、静電チャック18に上ウェハ50−1をより確実に保持させることができる。
【0048】
接合装置制御装置10は、図10(d)に示されているように、上ウェハ50−1が上カートリッジ7から離れるように、すなわち、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、上ウェハ50−1が上カートリッジ7から離れた後で、上ウェハ50−1が載せられていない上カートリッジ7がステージキャリッジ45からロードロックチャンバー3の内部に搬送されるように、搬送機構6を制御する。
【0049】
接合装置制御装置10は、上ウェハ50−1が静電チャック18に保持された後に、下ウェハ50−2をステージキャリッジ45に保持させる。図11は、下ウェハ50−2をステージキャリッジ45に保持させる動作を示している。接合装置制御装置10は、上ウェハ50−1を静電チャック18に保持させた後に、図11(a)に示されているように、下ウェハ50−2が載せられた下カートリッジ8がロードロックチャンバー3からステージキャリッジ45の上まで搬送されるように、搬送機構6を制御する。
【0050】
接合装置制御装置10は、図11(b)に示されているように、搬送機構6のハンド17が降下するように、搬送機構6を制御する。このとき、下カートリッジ8は、複数の位置決め穴63−1〜63−2がステージキャリッジ45の複数の位置決めピン48−1〜48−2にそれぞれ嵌まり、ステージキャリッジ45に保持される。接合装置制御装置10は、搬送機構6のハンド17がロードロックチャンバー3の内部に退避するように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、下ウェハ50−2に形成されたアライメントマークの画像が撮影されるように、位置合わせ機構12のアライメント機構を制御する。接合装置制御装置10は、下ウェハ50−2の水平方向の位置が所定の位置に配置されるように、その画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する。
【0051】
接合装置制御装置10は、次いで、ゲートバルブ5を閉鎖し、接合チャンバー2の内部に所定の真空度の接合雰囲気が生成されるように、真空ポンプ9を制御する。接合装置制御装置10は、接合チャンバー2の内部にその接合雰囲気が生成されているときに、図11(c)に示されているように、静電チャック18に保持された上ウェハ50−1とステージキャリッジ45に保持された下ウェハ50−2とが離れた状態で、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2との間に向けて粒子が放出されるように、イオンガン14を制御する。その粒子は、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とに照射され、その表面に形成される酸化物等を除去し、その表面に付着している不純物を除去する。
【0052】
接合装置制御装置10は、静電チャック18が所定の位置まで鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、さらに、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とが所定の距離だけ離れるように、すなわち、静電チャック18が所定の位置で停止するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、上ウェハ50−1に形成されたアライメントマークと下ウェハ50−2に形成されたアライメントマークとが映し出される画像が撮影されるように、位置合わせ機構12のアライメント機構を制御する。接合装置制御装置10は、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とが設計通りに接合されるように、その撮影された画像に基づいて位置合わせ機構12を制御する。
【0053】
接合装置制御装置10は、上ウェハ50−1が下ウェハ50−2に接触するように、すなわち、静電チャック18が鉛直下方向に下降するように、圧接機構11を制御する。上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とは、その接触により接合され、1枚の接合ウェハが生成される。このとき、下カートリッジ8の複数のウェハ位置決めピン62−1〜62−3は、下ウェハ50−2から突出しないように形成されているために、静電チャック18または上ウェハ50−1に接触しない。このため、接合装置1は、上ウェハ50−1に下ウェハ50−2をより確実に接触させることができ、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とをより確実に接合させることができる。さらに、このとき、下カートリッジ8の島部分61は、下ウェハ50−2の概ね全部に接触する。このため、下ウェハ50−2は、接合時に印加される荷重により破損されることが防止され、接合装置1は、より大きい荷重を上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とに印加することができる。
【0054】
接合装置制御装置10は、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するように、圧接機構11を制御する。接合装置制御装置10は、次いで、ゲートバルブ5を開放し、その接合ウェハが載せられている下カートリッジ8をステージキャリッジ45からロードロックチャンバー3に搬送されるように、搬送機構6を制御する。接合装置制御装置10は、ゲートバルブ5を閉鎖して、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気が生成されるように、真空ポンプ4を制御する。作業者は、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気が生成された後に、ロードロックチャンバー3の蓋を開けて、その接合ウェハを取り出す。
【0055】
このような常温接合方法によれば、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とは、搬送機構6に接触しないで、接合面の汚染が防止され、より確実に常温接合されることができる。この結果、接合装置1は、信頼性がより向上する。
【0056】
常温接合するためのステージと搬送装置との間のウェハの受け渡しは、一般的に、接合チャンバー内に配置されるリフトピンを用いて実行される。このような常温接合方法によれば、接合装置1は、このようなリフトピンを備える必要がなく、製造コストをより小さくすることができ、メンテナンスを軽減することができる。その物体を駆動する駆動系は、一般的に、ガスを放出し、チャンバー内に配置されたときに、そのチャンバー内の雰囲気を汚染する。このため、接合装置1は、そのリフトピンを駆動する駆動系を備えないことにより、このような放出ガスを低減することができ、ウェハが接合される雰囲気の汚染を防止することができる。この結果、接合装置1は、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2との接合面の汚染を防止し、より確実に常温接合することができ、信頼性がより向上する。
【0057】
ウェハは、大口径化、極薄化している。このとき、ウェハは、搬送機構6に直接に保持されるときに、変形し、落下、破損するおそれがある。このような常温接合方法によれば、下ウェハ50−2は、一方の面のほとんど全体が下カートリッジ8に接触して下カートリッジ8に保持されて搬送され、変形、落下、破損のおそれを低減することができる。この結果、接合装置1は、より確実に常温接合することができ、信頼性がより向上する。
【0058】
図10(d)に示されているように、上カートリッジ7に載せられている上ウェハ50−1が静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18から上カートリッジ7に吸着力が印加されることにより、上カートリッジ7は、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することがある。
【0059】
図12は、静電チャック18の内部電極に印加される印加電圧と吸着面全体吸着力との関係を示している。その吸着面全体吸着力は、上カートリッジ7に載せられている上ウェハ50−1が静電チャック18に吸着されているときに、上カートリッジ7に印加される吸着力を示し、あるいは、上ウェハ50−1と下ウェハ50-2とを接合してなる接合ウェハが下カートリッジ8に載せられている状態で、静電チャック18に吸着されているときに下カートリッジ8に印加される吸着力を示している。前者の吸着力は、通常の1組のウェハの接合シーケンス中において上ウェハを静電チャックで把持する際に発生し、後者の吸着力は、多層接合を行う場合などに、接合後のウェハを静電チャックで把持する際に発生する。その関係101は、その印加電圧が大きいほどその吸着面全体吸着力が大きいことを示している。図12は、さらに、その印加電圧と、比較例のカートリッジに載せられているウェハが静電チャック18に吸着されているときに、そのカートリッジに印加される吸着面全体吸着力との関係を示している。ここでは上カートリッジを例に挙げる。その比較例の上カートリッジは、上カートリッジ7の島部分51−1〜51−4が、上ウェハ50−1と概ね形状が等しい平坦な面を有する他の島部分に置換されたものである。このとき、その比較例の上カートリッジは、その比較例の上カートリッジに上ウェハ50−1が載せられたときに、上ウェハ50−1の表面のうちのその比較例の上カートリッジに対向する面の大部分がその島部分に接触する。その関係102は、関係101と同様にして、その印加電圧が大きいほどその吸着面全体吸着力が大きいことを示している。
【0060】
関係102と関係101とは、その印加電圧が等しいときに、上ウェハ50−1と上カートリッジとが接触する接触面積が大きいほどその上カートリッジに印加される吸着面全体吸着力が大きいことを示している。関係101は、さらに、その印加電圧が所定の電圧103であるときに、上カートリッジ7に印加される重力104に比較して、その吸着面全体吸着力がより小さいことを示している。すなわち、上カートリッジ7は、静電チャック18の内部電極に所定の電圧103が印加されるときに、上カートリッジ7が静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇しないように、上ウェハ50−1と上カートリッジとが接触する接触面積が小さく設計されている。
【0061】
このため、接合装置1は、上カートリッジ7に載せられている上ウェハ50−1が静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、上カートリッジ7が静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。
また、同様に接合後のウェハと下カートリッジ8との接触面積を調整することで吸着面全体吸着力の低減効果を得ることができる。この施策により、接合装置1は、下カートリッジ8に載せられている接合ウェハが静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、下カートリッジ8が静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。
その結果、接合装置1は、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。
【0062】
上ウェハ50−1と下ウェハ50−2に例示されるウェハ70は、図13に示されているように、変形していることがある。ウェハ70は、上カートリッジ7と下カートリッジ8とに例示されるカートリッジ71に載せられているときに、ウェハ70とカートリッジ71との間に空間72を形成する。空間72に充填されている空気は、ウェハ70を持ち上げ、ウェハ70をカートリッジ71の上を移動させることがある。
【0063】
すなわち、上カートリッジ7と上ウェハ50−1とに挟まれる空間に充填された気体は、複数の島部分51−1〜51−4の隙間を通って外部に排気される。このような排気は、上カートリッジ7と上ウェハ50−1とに挟まれた気体が上ウェハ50−1を持ち上げることを防止し、上ウェハ50−1が上カートリッジ7の上を移動することを防止する。さらに、下カートリッジ8と下ウェハ50−2とに挟まれる空間に充填された気体は、溝65を通って外部に排気される。このような排気は、下カートリッジ8と下ウェハ50−2とに挟まれた気体が下ウェハ50−2を持ち上げることを防止し、下ウェハ50−2が下カートリッジ8の上を移動することを防止する。
【0064】
なお、上ウェハ50−1は、円盤状と異なる形状に形成されている異形ウェハに置換されることもできる。このとき、上カートリッジ7は、上ウェハ50−1と同様にして、減圧時にその異形ウェハが移動しないように、その異形ウェハを載せることができる。この結果、接合装置1は、その異形ウェハの接合面の汚染を防止し、その異形ウェハをより確実に常温接合することができる。上カートリッジ7は、その異形ウェハごとに、作製されることもできる。
【0065】
なお、下ウェハ50−2は、円盤状と異なる形状に形成されている異形ウェハに置換されることもできる。このとき、下カートリッジ8は、下ウェハ50−2と同様にして、減圧時にその異形ウェハが移動しないように、その異形ウェハを載せることができる。この結果、接合装置1は、その異形ウェハの接合面の汚染を防止し、その異形ウェハをより確実に常温接合することができる。下カートリッジ8は、その異形ウェハごとに、作製されることもできる。このとき、接合装置1は、その異形ウェハごとにステージキャリッジ45を作製する必要がなく、より安価に作製されることができる。
【0066】
なお、下カートリッジ8に形成される溝65は、格子状と異なる他の形状に形成されることもできる。その形状としては、放射状が例示される。溝65は、下カートリッジ8と下ウェハ50−2とに挟まれた気体の排気の効率を向上させるために、多数であることが好ましく、太いことが好ましい。溝65は、さらに、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2と接合時に、下ウェハ50−2の変形を生じさせるため、細いことが好ましく、少数であることが好ましい。このため、溝65の形状は、下ウェハ50−2の属性により、適宜に設計されることが好ましい。
【0067】
図14は、下カートリッジ8に形成される他の島部分を示している。その島部分111は、複数の孔112が形成されている。複数の孔112は、下ウェハ50−2と島部分111とが接触する接触面積が所定の面積より小さくなるように、設計されている。島部分111が形成される下カートリッジは、既述の実施の形態における下カートリッジ8と同様にして、その下カートリッジに載せられている上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とを接合してなる接合ウェハが静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。その結果、接合装置1は、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。
【0068】
図15は、下カートリッジ8に形成される、さらに他の島部分を示している。その島部分115は、複数の突起116が形成されている。複数の突起116は、下ウェハ50−2と島部分115とが接触する接触面積が所定の面積より小さくなるように、設計されている。島部分115が形成される下カートリッジは、既述の実施の形態における下カートリッジ8と同様にして、その下カートリッジに載せられている上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とが接合してなる接合ウェハが静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。その結果、接合装置1は、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。
【0069】
図16は、上カートリッジ7および下カートリッジ8に形成される、さらに他の島部分を示している。その島部分121は、上ウェハ50−1、下ウェハ50−2に接触する面122の表面粗さが所定の表面粗さより大きくなるように、形成されている。
【0070】
図17は、静電チャック18の内部電極に印加される印加電圧と吸着力との関係を示している。その吸着力は、上カートリッジ7、下カートリッジ8に載せられているウェハが静電チャック18に吸着されているときに、上カートリッジ7、下カートリッジ8とウェハとが接触する接触面の単位面積あたりに静電チャック18から上カートリッジ7、下カートリッジ8に印加される力を示している。その関係125は、その印加電圧が大きいほどその吸着力が大きいことを示している。図17は、さらに、その印加電圧と、比較例のカートリッジに載せられているウェハが静電チャック18に吸着されているときに、そのカートリッジに印加される吸着力との関係を示している。その比較例のカートリッジは、上カートリッジ7、下カートリッジ8の島部分121の面122が、表面粗さが所定の表面粗さより小さい鏡面に置換されたものである。その関係126は、関係125と同様にして、その印加電圧が大きいほどその吸着力が大きいことを示している。
【0071】
上ウェハの場合、面122と上ウェハ50−1との平均距離d1は、鏡面と上ウェハ50−1との平均距離より大きい。一方、静電引力の大きさは、2枚の極板間の距離の自乗に反比例することが知られている。すなわち、関係126と関係125とは、その印加電圧が等しいときに、上ウェハ50−1と上カートリッジとの表面粗さが大きいほどその上カートリッジに印加される吸着力が小さいことを示している。関係125は、さらに、その印加電圧が所定の電圧103であるときに、上カートリッジ7に印加される重力を接触面の面積で除算した商127に比較して、その吸着力がより小さいことを示している。すなわち、上カートリッジ7は、静電チャック18の内部電極に所定の電圧103が印加されるときに、上カートリッジ7が静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇しないように、面122の表面粗さが所定の表面粗さより大きく設計されている。
【0072】
島部分121が形成される上カートリッジは、既述の実施の形態における上カートリッジ7と同様にして、その上カートリッジに載せられている上ウェハ50−1が静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。
同様に、島部分121が形成された下カートリッジ8が、関係125相当の面122を備える場合、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とを接合してなる接合ウェハが静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。
その結果、接合装置1は、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。
【0073】
図18は、上カートリッジ7、下カートリッジ8に形成される、さらに他の島部分を示している。その島部分131は、上ウェハ50−1、下ウェハ50−2に接触する面132の平面度が所定の平面度より大きくなるように、形成されている。すなわち、面132の凹凸の間隔は、既述の実施の形態における面122の凹凸の間隔に対して十分に大きく、かつ、上ウェハ50−1、下ウェハ50−2の径に対して十分に小さい。
【0074】
図19は、静電チャック18の内部電極に印加される印加電圧と吸着力との関係を示している。その吸着力は、上カートリッジ7、下カートリッジ8に載せられているウェハが静電チャック18に吸着されているときに、上カートリッジ7、下カートリッジ8とウェハとが接触する接触面の単位面積あたりに静電チャック18から上カートリッジ7、下カートリッジ8に印加される力を示している。その関係135は、その印加電圧が大きいほどその吸着力が大きいことを示している。図19は、さらに、その印加電圧と、比較例のカートリッジに載せられているウェハが静電チャック18に吸着されているときに、そのカートリッジに印加される吸着力との関係を示している。その比較例のカートリッジは、上カートリッジ7、下カートリッジ8の島部分131の面132が、平面度が所定の平面度より小さい平坦面に置換されたものである。その関係136は、関係135と同様にして、その印加電圧が大きいほどその吸着力が大きいことを示している。
【0075】
上ウェハの場合、面132と上ウェハ50−1との平均距離d2は、平坦面と上ウェハ50−1との平均距離より大きい。一方、静電引力の大きさは、2枚の極板間の距離の自乗に反比例することが知られている。すなわち、関係136と関係135とは、その印加電圧が等しいときに、上ウェハ50−1と上カートリッジとの平面度が小さいほどその上カートリッジに印加される吸着力が大きいことを示している。関係135は、さらに、その印加電圧が所定の電圧103であるときに、上カートリッジ7に印加される重力を接触面の面積で除算した商137に比較して、その吸着力がより小さいことを示している。すなわち、上カートリッジ7は、静電チャック18の内部電極に所定の電圧103が印加されるときに、上カートリッジ7が静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇しないように、面132の平面度が所定の平面度より大きく設計されている。
【0076】
島部分131が形成される上カートリッジは、既述の実施の形態における上カートリッジ7と同様にして、その上カートリッジに載せられている上ウェハ50−1が静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。
同様に、島部分131が形成された下カートリッジ8が、関係135相当の面132を備える場合、上ウェハ50−1と下ウェハ50−2とを接合してなる接合ウェハが静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。
その結果、接合装置1は、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。島部分131は、さらに、既述の実施の形態における島部分121に比較して、表面積をより小さく形成することができる。このため、島部分131が形成される上カートリッジは、島部分121が形成される上カートリッジに比較して、接合チャンバー2内の真空度の劣化をより防止することができる。
【0077】
図20は、他のカートリッジを示している。そのカートリッジ141は、既述の実施の形態におけるカートリッジと同様にして、島部分142が形成されている。カートリッジ141は、さらに、複数の引っ掛かり部143が形成されている。引っ掛かり部143は、孔であり、大径部分144と小径部分145とから形成されている。大径部分144は、概ね円筒状に形成されている。小径部分145は、大径部分144に接続され、概ね溝状に形成され、その溝の幅が大径部分144の円筒の直径より小さい。さらに、島部分142のうちの小径部分145の周りは、厚さがカートリッジ141の厚さより小さくなるように、その周りのウェハに対向する側に空間が形成されるように、形成されている。
【0078】
図21は、他のステージキャリッジを示している。そのステージキャリッジ151は、上側の平坦な支持面155に複数のピン152が形成されている。複数のピン152は、ステージキャリッジ151に上カートリッジ141が載せられたときに、複数の引っ掛かり部143に引っ掛かるように、形成されている。すなわち、複数のピン152の各々は、高さが上カートリッジ141の厚さより小さく、支柱部分153と頭部分154とから形成されている。支柱部分153は、概ね円柱状に形成されている。支柱部分153は、さらに、その円柱の直径が小径部分145の溝の幅より小さくなるように、かつ、高さが小径部分145の周辺の厚さより大きくなるように、形成されている。頭部分154は、概ね円盤状に形成されている。頭部分154は、さらに、その円盤の直径が支柱部分153の円柱の直径より大きくなるように、その円盤の直径が大径部分144の円筒の直径より小さくなるように、その円盤の直径が小径部分145の溝の幅より大きくなるように、形成されている。
【0079】
カートリッジ141は、まず、支柱部分153が大径部分144に挿入されるようにステージキャリッジ151に載せられた後に、図22に示されているように、支柱部分153が引っ掛かり部143に配置されるように水平方向に平行移動されることにより、ステージキャリッジ151に保持される。
【0080】
このようなカートリッジ141は、カートリッジ141に載せられているウェハが静電チャック18に吸着されている場合で、静電チャック18が鉛直上方向に上昇するときに、静電チャック18とともに鉛直上方向に上昇することが防止される。その結果、このようなカートリッジ141とステージキャリッジ151とが適用された接合装置は、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。なお、カートリッジ141の引っ掛かり部143は、貫通していない穴に置換されることもできる。このようなカートリッジとステージキャリッジ151とが適用された接合装置は、カートリッジ141と同様にして、静電チャック18の吸着力を変化させることなく、かつ、ウェハに所定の加工を施すことなく、ウェハをより安定して取り扱うことができる。
【0081】
なお、カートリッジ141の島部分142のウェハに面する領域は、ウェハに悪影響を与えないような表面性状を有していればよい。たとえば、上ウェハ50−1を載せる上カートリッジの場合に、その領域は、上ウェハ50−1に面する領域の面積が所定の面積より小さくなるように、かつ、上ウェハ50−1に面する領域が所定の表面粗さより小さくなるように、かつ、上ウェハ50−1に面する領域が所定の平面度より小さくなるように、形成されることもできる。
【符号の説明】
【0082】
1 :接合装置
2 :接合チャンバー
3 :ロードロックチャンバー
4 :真空ポンプ
5 :ゲートバルブ
6 :搬送機構
7 :上カートリッジ
8 :下カートリッジ
9 :真空ポンプ
10 :接合装置制御装置
11 :圧接機構
12 :位置合わせ機構
13 :圧接軸
14 :イオンガン
15 :電子源
17 :ハンド
18 :静電チャック
19 :荷重計
21−1〜21−2:爪
25−1:辺縁
25−2:辺縁
45 :ステージキャリッジ
46 :支持面
47 :複数のアライメント用孔
48−1〜48−2:位置決めピン
49−1〜49−2:切り欠き
50−1:上ウェハ
50−2:下ウェハ
51−1〜51−4:島部分
52−1〜52−3:複数のウェハ位置決めピン
53−1〜53−2:複数の位置決め穴
54 :複数のアライメント用穴
56 :フランジ部分
57 :本体部分
59 :位置決め用ピン
61 :島部分
62−1〜62−3:複数のウェハ位置決めピン
63−1〜63−2:複数の位置決め穴
64 :複数のアライメント用穴
65 :溝
66 :フランジ部分
67 :本体部分
70 :ウェハ
71 :カートリッジ
72 :空間
111:島部分
112:複数の孔
115:島部分
116:複数の突起
121:島部分
122:面
131:島部分
132:面
141:カートリッジ
142:島部分
143:引っ掛かり部
144:大径部分
145:小径部分
151:ステージキャリッジ
152:複数のピン
153:支柱部分
154:頭部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が載せられるカートリッジと、
前記カートリッジが載せられるキャリッジと、
静電引力により前記基板を吸着する静電チャックと、
前記キャリッジに対して前記静電チャックを駆動する圧接機構とを具備し、
前記カートリッジは、前記カートリッジに載せられている上基板が前記静電チャックに吸着されている場合で、前記静電チャックが前記キャリッジから遠ざけられるときに、前記カートリッジが前記キャリッジから遠ざからないような形状に形成されている
接合装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記上基板の表面のうちの前記カートリッジに対向する領域から前記カートリッジまでの平均距離が所定の距離より大きくなるように、形成されている
接合装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記カートリッジの表面のうちの前記上基板に対向する領域の表面粗さが所定の表面粗さより大きくなるように、形成されている
接合装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3のいずれかにおいて、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記カートリッジの表面のうちの前記上基板に対向する領域の平面度が所定の平面度より大きくなるように、形成されている
接合装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかにおいて、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記カートリッジの表面のうちの前記上基板に対向する領域の面積が所定の面積より小さくなるように、形成されている
接合装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれかにおいて、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記カートリッジの表面のうちの前記上基板に対向する領域に穴が形成されている
接合装置。
【請求項7】
請求項2〜請求項6のいずれかにおいて、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記カートリッジの表面のうちの前記上基板に対向する領域に突起が形成されている
接合装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかにおいて、
前記カートリッジは、前記カートリッジの重量が所定の重量より大きくなるように、形成されている
接合装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかにおいて、
前記キャリッジは、引っ掛け部が形成され、
前記カートリッジは、前記カートリッジが前記キャリッジに載せられるときに前記引っ掛け部に引っかかる引っかかり部が形成されている
接合装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかにおいて、
前記圧接機構は、さらに、前記静電チャックが前記上基板を吸着している場合で、下基板が載せられている他のカートリッジが前記キャリッジに載せられているときに、前記上基板と前記下基板とが接合されるように、前記キャリッジに対して前記静電チャックを駆動する
接合装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記上基板と前記下基板とが接合される前に、前記上基板の前記下基板に対向する面と前記下基板の前記上基板に対向する面とを活性化させる活性化装置
をさらに具備する接合装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれかにおいて、
前記カートリッジは、前記カートリッジに前記上基板が載せられているときに、前記カートリッジと前記上基板とに挟まれる空間を外部に接続する流路が形成されている
接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−114284(P2011−114284A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271486(P2009−271486)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】