説明

接点機構、カード検出装置、及びカード検出方法

【課題】着脱部材の挿入により変位する可動接片と固定接片との摺動距離をより多く確保して、導通による検出精度の信頼性を向上させ、また、コネクタの大型化を防止する。
【解決手段】着脱部材(カード4)を検出する接点機構であって、可動接点部14と、固定接点対とを備える構成である。可動接点部は、着脱部材の挿入に応じて位置変化を生じる。固定接点対は、第1の固定接点部10及び第2の固定接点部12を有し、前記位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部が導通する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱部材の嵌合又は着脱の状態を検出する接点機構に関し、例えば、カード等の挿入に応じて変位させた可動接点を、固定した接点に対して接触させ、その導通状態を検出する接点機構、カード検出装置及びカード検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機やカメラ等の電子機器の記録手段として用いられる着脱可能なメモリーカードに対し、機器でのカードの有無を検出する手段として、カードの挿入により接触端子を移動させ、この接触端子と検出側の端子との接触による導通を検出するものがある。
【0003】
斯かるカード検出に関し、可動接点と固定接点を有し、樹脂性のアクチュエータを備え、挿入されたカードによって可動接点を動作させて固定接点と導通させること(特許文献1)、可動接触片と、この可動接触片に待機時に接触している固定接触片からなるスイッチ、カバーのスライド時に可動接触片が操作子により固定接触片から離れてスイッチが開となること(特許文献2)が知られている。
【0004】
また、カードが挿入口内の最奥部まで差し込まれることで、アクチュエータと検出接点部とを弾接して、カード検出のスイッチを構成すること(特許文献3)、カードの挿入によりスライド部材が移動することで可動接点が変位し、相手方接点と接触することや、可動接点及び相手方接点には、摺動接点部及び突き合わせ接点部を備えること(特許文献4)、カードの挿入により第1のスイッチ端子が変位し、第2のスイッチ端子と接触又は未接触となることでカードの検出をすること(特許文献5)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−185822号公報
【特許文献2】特開2008−234881号公報
【特許文献3】特開平11−097110号公報
【特許文献4】特開2007−242269号公報
【特許文献5】特開2006−107971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、これらのカード検出では、カードの挿入により可動側の接触端子と検出側の接触端子との接触により、その導通検出から嵌合を判断するが、例えば接触端子の接点部にゴミが付着したり、電子機器等の封孔処理剤等の影響を受けて接触不良となる場合がある。
【0007】
斯かる接触不良を回避するため、端子同士を摺動させる手法があるが、従来の接触端子では摺動量が少なく、十分なワイピング効果を得ることが困難であった。また、摺動量を多く取るため、例えば、挿入されたカードに接触する可動側の接触端子の凸部を大きくすると、摺動させる固定側の接触端子も大型化し、電子機器等のカードコネクタの全体を大きくする必要があった。その他、カードの挿入方向に対して抵抗力が増加する等、電子機器等への実装が困難となる。
【0008】
斯かる要求や課題について、特許文献1〜5にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
【0009】
そこで、本開示の接点機構、カード検出装置又はカード検出方法の目的は、接触させる可動接点部と固定接点部との摺動距離をより多く確保することにある。
【0010】
また、本開示の接点機構、カード検出装置又はカード検出方法の他の目的は、カード挿入による導通状態の検出精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本開示の接点機構、カード検出装置及びカード検出方法では、挿入した着脱部材によって可動接点部が位置変化し、この可動接点部の位置変化によって固定接点対に摺動しながら接触させる。そして、接触した可動接点部が固定接点対を導通状態にする構成である。
【0012】
そこで、上記目的を解決するため、本開示の接点機構では、着脱部材を検出する接点機構であって、可動接点部と、固定接点対とを備える構成である。可動接点部は、着脱部材の挿入に応じて位置変化を生じる。固定接点対は、第1の固定接点部及び第2の固定接点部を有し、位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とが導通する。
【0013】
また、上記目的を解決するため、本開示のカード検出装置では、カードの着脱を検出する検出装置であって、可動接点部と、固定接点対とを備える構成である。可動接点部は、着脱可能なカードの挿入に応じて位置変化を生じる。固定接点対は、第1の固定接点部及び第2の固定接点部を有し、前記カードが挿入された際に、位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とが導通する。そして、固定接点対の導通によって前記カードを検出する構成である。
【0014】
また、上記目的を解決するため、本開示のカード検出方法では、カードの着脱を検出する検出方法であって、摺動接触させるステップと、導通を検出するステップとを含む構成である。摺動接触させるステップでは、着脱可能なカードの挿入に応じて可動接点部に位置変化を生じさせることにより、第1の固定接点部と第2の固定接点部との間に前記可動接点部を摺動接触させる。導通を検出するステップでは、前記可動接点部と前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部との導通を検出する。
【発明の効果】
【0015】
本開示の接点機構、カード検出装置又はカード検出方法によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
(1) 可動接点部と固定接点対との摺動によるワイピング効果が高められ、カード挿入の検出精度を向上させることができる。
【0017】
(2) カード挿入による可動接点部の位置変化を大きくしても、摺動させる固定接点側が変位しないので、カード用コネクタやカード検出機能を備える機器の大型化を防止できる。
【0018】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係るカード検出装置の一例を示す図である。
【図2】図1に示すカード検出装置の側面図である。
【図3】可動接片の構成例を示す図である。
【図4】可動接片と固定接片の接触状態例を示す図である。
【図5】スライダに設置された可動接片の構成例を示す斜視図である。
【図6】スライダに設置された可動接片の構成例を示す正面図である。
【図7】可動接片の接点部の位置変化の状態例を示す図である。
【図8】カードの一部挿入時の状態例を示す図である。
【図9】カードによりコンタクトが押圧を受けて位置変化した状態を示す図である。
【図10】カードの先端部がスライダに接触する位置まで挿入した状態を示す図である。
【図11】コネクタの奥までカードを挿入した状態を示す図である。
【図12】コンタクトの位置変化による摺動状態を示す図である。
【図13】カード挿入方向へ移動したコンタクトの摺動状態の一例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態に係るハートカム機構の溝の構成例を示す図である。
【図15】ハートカム機構の段差の構成例を示す模式図である。
【図16】第3の実施の形態に係るカード検出装置の構成例を示す図である。
【図17】カード挿入時のカード検出状態の例を示す図である。
【図18】可動接片の位置変化による摺動状態を示す図である。
【図19】可動接片の位置変化に対して、摺動距離が小さい場合の比較例を示す図である。
【図20】可動接片の接触部を大きくした場合の比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1の実施の形態〕
【0021】
第1の実施の形態は、接点機構、カード検出装置及びカード検出方法の一例であって、カードの挿入により位置変化する可動接点部をスライダに設置した構成例を示す。
【0022】
第1の実施の形態について、図1、図2、図3及び図4を参照する。図1は、第1の実施の形態に係るカード検出装置の一例を示す図、図2は、図1に示すカード検出装置の側面図、図3は、可動接片の構成例を示す図、図4は、可動接片と固定接片の接触状態例を示す図である。なお、図1、図2、図3及び図4に示す構成及び配置は一例であって、これに限られない。
【0023】
コネクタ2は、着脱部材の一例であるメモリ用のカード4等の挿入又は着脱による嵌合を検出する接点機構、カード検出装置又はカード検出方法の一例であって、例えば、挿入又は着脱可能な記録媒体であるカード4を所定の位置で保持し、データ等の読み込み又は書込みを行う装置である。このコネクタ2は、図1に示すように、例えば、ハウジング6、スライダ8、コンタクト(A)10、コンタクト(B)12、コンタクト(C)14等を含む構成である。そして、コンタクト14との接触によるコンタクト10とコンタクト12との導通状態によって、カードの有無を検出する。
【0024】
ハウジング6は、挿入されるカード4を保持する保持手段の一例であって、例えば、コネクタ2からカード4が意図せず抜け落ちるのを防止している。このハウジング6は、後述するスライダ8、コネクタ2へのカード4の有無を検出するカード検出手段等を備えた筐体部を構成する。ハウジング6は、例えば、電気的に絶縁性の樹脂部材をモールド等で形成しており、後述の挿入又は着脱検出において、挿入されたカード4に対して不要に導通状態となるのを防止している。
【0025】
スライダ8は、コネクタ2に挿入されたカード4の位置決め手段、又はカード4をコネクタ2から排出させる排出手段の一例であって、カード4の挿入に応じて移動する。このスライダ8は、ハウジング6の内側に設置され、例えば、挿入されるカード4の側面及び前面の一部に接触し、図示しない電子機器等の端子部に対して、カード4に構成された端子の位置決めを行う。これにより、電子機器とカード4との間でデータ等の読出しや書込みの処理が行われる。また、カード4の排出処理では、スライダ8によって、ハウジング6の排出位置までカード4が導かれる。スライダ8は、スプリング16やピン18等を含む構成であり、ハウジング6に接続したスプリング16の伸縮によって位置決め及び排出動作を行っている。
【0026】
コンタクト10及びコンタクト12は、第1及び第2の固定接点部を含む固定接片の一例であって、固定接点対を構成する。コンタクト10及びコンタクト12は、例えば、導電性の金属等で構成すればよく、ハウジング6内の側面側に配置されている。このコンタクト10、12は、それぞれの一端をハウジング6外に突出させており、例えば、図示しない電子機器等の基板上のカード検出手段に接続している。コンタクト10、12は、例えば、対向して配置されており、その一端側には、図2に示すように、後述するコンタクト14と接触する接点部20、22が構成されている。そして、この接点部20、22同士を接近させて、所定の間隔で対向させた対向部23を構成している。この対向部23の間隔は、後述するように、挿入したコンタクト14をコンタクト10とコンタクト12とで挟持し、重合するように設定されており、例えば、挿入されるコンタクト14の接点部24(図3)の厚さよりも狭く設定される。なお、この実施の形態では、コンタクト10及びコンタクト12の一部を接近させて対向部23を構成しているが、例えば、コンタクト10及びコンタクト12の全体で対向部23を構成してもよい。また、コンタクト10及びコンタクト12は、コンタクト14を挟持可能な構成として、例えば、板バネで構成してもよい。
【0027】
コンタクト14は、カード検出装置等の可動接点部を含む可動接片の一例であって、導電性の金属等で構成すればよい。このコンタクト14は、図3に示すように、一端側にコンタクト10、12に接触させる接点部24と、挿入されたカード4と接触させる接触部26と、他端側に端部28とを備える構成である。コンタクト14は、例えば、図1に示すように、スライダ8内に配置されており、端部28側をスライダ8に固定している。接触部26は、例えば、可動接片の一部を「く」字状に変形させて凸部を形成しており、この接触部26が、挿入されたカード4に接触することでカード4からの押圧を受ける。
【0028】
コンタクト14の接点部24は、例えば、接触部26よりも可動方向に幅が広く、また、厚さの薄い平面部30で構成されている。そして、図4に示すように、可動接点部と固定接点対との接触によるカード検出では、コンタクト14の接点部24をコンタクト10、12の対向部23に挿入し、接点部20、22で挟持して、重合させる。これにより、コンタクト14を介してコンタクト10とコンタクト12との間で導通し、カード4の挿入又は着脱の検出を行う。
【0029】
なお、このコンタクト14の接点部24は、コンタクト14と一体に形成してもよく、又は平面状の別部材をコンタクト14の平面部30として設置してもよい。
【0030】
次に、スライダに構成した可動接点部について、図5、図6及び図7を参照する。図5は、スライダに設置した可動接片の構成例を示す斜視図、図6は、スライダに設置した可動接片の構成例を示す正面図、図7は、可動接片の接点部の位置変化の状態例を示す図である。なお、図5、図6及び図7に示す構成は一例であって、これに限られない。
【0031】
スライダ8は、例えば、L字状に形成されており、L字状の2辺の交点部分の内側には、挿入されるカード4の切り欠き部分に当接するように斜面部32が形成されている。スライダ8には窓部34が形成されており、図5に示すように、この窓部34内にコンタクト14の接触部26が配置されている。そして、図6に示すように、窓部34から接触部26が突出され、スライダ8に沿ってカード4が挿入されると、カード4がこの接触部26に接触し、コンタクト14が押圧を受ける。
【0032】
また、コンタクト14の端部28は、スライダ8に設置させる設置部であり、カード4からの押圧に対して、コンタクト14がスライダ8からずれないように固定されている。このような構成により、スライダ8内に配置したコンタクト14の接触部26は、図7に示すように、カード4からの押圧によりX1 の位置変化が生じ、この接触部26の位置変化に応じて、接点部24が変位する。
【0033】
次に、カード検出におけるコネクタ内のスライダや可動接片の状態について、図8、図9、図10及び図11を参照する。図8は、カードの一部挿入時の状態例を示す図、図9は、カードによりコンタクトが押圧を受けて位置変化した状態を示す図、図10は、カードの先端部がスライダに接触する位置まで挿入した状態を示す図、図11は、コネクタの奥までカードを挿入した状態を示す図である。なお、図8、図9、図10及び図11に示す構成は一例であって、これに限られない。
【0034】
まず、スライダ8やピン18、及びスプリング16 等の配置構成例について説明する。
【0035】
スライダ8は、カード4の挿入方向に対して前後にスライド動作を行い、挿入されるカード4の位置決め、排出処理等を行う。図8に示すように、ピン18は一端側をスライダ8の上面に接続し、他端側をカード4の挿入方向に対して突き当たる位置のハウジング6上に設置する。そして、そのピン18に沿って、スライダ8の前面部とハウジング6とで挟み込むようにスプリング16を設置している。このピン18及びスプリング16は、スライダ8に対する付勢手段の一例であって、カード4の挿入によるスライダ8の移動に対して、反力を加える。
【0036】
また、スライダ8には、このピン18及びスプリング16による反力を利用した位置決め手段として、ハートカム機構を用いた溝36を備えている。スライダ8側に設置されたピン18の先端部は溝36に係合させており、カード4の挿入によるスライダ8の移動に応じて、ピン18の先端部が溝36内を移動する。この溝36には、ハートカム機構が形成する各頂点として、例えば、P1 、P2 、P3 、P4 が設定されている。なお、この溝36の内部に設定された各頂点P2 、P3 、P4 には、例えば、段差等の逆走防止手段を設けてもよい。
【0037】
このような構成において、スライダ8の移動と、溝36におけるピン18の移動との関係について説明する。図8に示すように、カード4がコネクタ2に一部挿入されている状態、又は未挿入状態であって、スライダ8が移動していない場合には、スプリング16が最も長い状態となり、ピン18の先端部が溝36の頂点P1 に位置する。そして、図9、図10に示すように、スライダ8がカード4の挿入によって押し込まれると、図11に示すように、スライダ8の前進により、スプリング16がピン18に沿って圧縮される。この場合、ピン18の長さは変わらずに、ピン18の先端部は溝36に沿って移動する。頂点P1 から頂点P2 へのピン18の先端部の変位量は、カード4の挿入によるスライダ8の移動量に対応しており、ピン18が頂点P2 に達することは、スライダ8がコネクタ2の最大挿入位置まで押し込まれたことを示している。
【0038】
ピン18は、溝36の頂点P2 に達すると、その位置に固定されず、スプリング16の反力により、頂点P3 側へと導かれる。即ち、この頂点P2 から頂点P3 への移動により、スライダ8とカード4は、コネクタ2の挿入口側へと押し戻される。溝36は例えば、逆V字状に形成され、この頂点P3 では、スプリング16の反力に対向して、ピン18の先端部が留められるので、スライダ8及びカード4の挿入位置が固定される。
【0039】
カード4の排出には、例えば、所謂プッシュ/プッシュ型を利用しており、カード4を再びコネクタ2の挿入方向に押し込むことで、ピン18が頂点P3 から頂点P4 側を通過して、頂点P1 側へと戻る。これにより、スプリング16が元の長さに戻り、スライダ8がカード未挿入時の位置に戻ることで、カード4の排出処理が行われる。
【0040】
次に、カード検出方法について説明する。
【0041】
このカード検出方法では、挿入されたカード4からの押圧により、可動接片であるコンタクト14の接点部24が位置変化し、この接点部24が固定接片であるコンタクト10、12に挟まれることで摺動接触する。また、スライダ8に設置されたコンタクト14は、コンタクト10、12に挟まれ、接触した状態で、カード4の挿入方向に移動する。このように、コンタクト14を介してコンタクト10、12が導通状態となることでカード4の検出が行われる。このとき、コンタクト14の接点部24は、押圧による位置変化及びスライダ8の移動による位置変化により、コンタクト10とコンタクト12との間で摺動する。
【0042】
まず、カード4がコネクタ2の所定位置まで挿入されていない状態、又はカード未挿入状態では、図8に示すように、コンタクト14の接触部26にカード4が接触せず、接点部24はスライダ8の内部に位置している。従って、コンタクト14と、コンタクト10及びコンタクト12とが接触せず非導通であり、例えば、図示しないカード検出判定手段等において、カード4は挿入されていないと判断される。
【0043】
コネクタ2の所定位置として、コンタクト14の接触部26の位置までカード4が挿入されると、図9に示すように、コンタクト14は、カード4からの押圧を受ける。これにより、コンタクト14の接点部24が変位し、スライダ8に設けられた窓部38から突出する。この変位によりコンタクト14の接点部24は、コンタクト10、12の接点部20、22に対して挟み込まれて接触し、導通状態となる。
【0044】
さらに、コネクタ2の内部にカード4を挿入すると、図10に示すように、カード4の先端部分とスライダ8とが接触する。そして、図11に示すように、カード4の挿入によって、スライダ8とともにコンタクト14もカード挿入方向に位置変化する。この位置変化によって、コンタクト14の接点部24は、接触しているコンタクト10、12の接点部20、22に対して摺動する。
【0045】
カード4がコネクタ2の奥まで押し込まれると、ピン18が溝36の頂点P2 に移動し、スライダ8の挿入方向への移動を制限する。そして、カード4への押し込みを解除すると、ピン18が溝36の頂点P3 に移動し、カード4が固定される。このとき、コンタクト14の接点部24は、接点部20、22に挟まれた状態であり、コンタクト10とコンタクト12とが導通状態となっている。
【0046】
また、カード4の排出時には、既述のように、再びカード4を挿入方向に押し込むことで、スライダ8とともにコンタクト14が押し込まれる。この動作においても、コンタクト14の接点部24が、接触しているコンタクト10、12の接点部20、22に対して摺動する。また、スライダ8が初期位置(図8)まで戻るときにも、コンタクト14の接触部24がコンタクト10、12の接点部20、22との間で、カード挿入方向に対して逆方向に摺動しながら移動する。そして、カード4がコネクタ2の所定位置(図8)まで排出されると、カード4によるコンタクト14への押圧が解除される。これにより、コンタクト10とコンタクト12との導通状態が解除され、既述のカード検出装置において、カード4が未挿入状態であると判断される。
【0047】
次に、コンタクト10、12と、コンタクト14との摺動について、図12及び図13を参照する。図12は、コンタクトの位置変化による摺動状態を示す図、図13は、カード挿入方向へ移動したコンタクトの摺動状態を示す図である。なお、図12及び図13に示す構成は一例であって、これに限定されない。
【0048】
まず、カード4の押圧によるコンタクト14の位置変化に応じた摺動について説明する。コンタクト14は、既述のように、カード4の挿入により押圧を受けることで位置変化を生じる。そして、図12に示すように、接触部26が押圧によって、例えば、X1 だけ変位すると、接点部24が位置PA からPB へと位置変化する。この位置変化により、接点部24は、コンタクト10及びコンタクト12の対向部23内に挟入されることで、例えば、距離X2 の摺動が行われる。なお、図12に示す摺動距離X2 は、接点部24の任意の一点における例を示したものであり、コンタクト10とコンタクト12との接触位置によって摺動距離は異なる。
【0049】
次に、カード挿入方向への移動による摺動について説明する。図13のAは、コンタクト14の移動前の状態を示している。このとき、コンタクト14の接点部24の一部は、カード4挿入による接点部24の位置変化により、コンタクト10、12に接触している。図13のBは、コンタクト14が距離y1 だけ移動し、接点部24がコンタクト10の接点部20とコンタクト12の接点部22との間の対向部23で挟持され、重合した状態を示している。図13において、接点部24と、接点部20、22との接触開始の位置をPC 、カード挿入方向への移動後の位置をPD としている。
【0050】
そして、既述のように、コンタクト14の接点部24は、移動前にコンタクト10、12に接触していることから、摺動距離y2 は、コンタクト14の接点部24の移動距離y1 に対応する。即ち、位置PC におけるコンタクト14とコンタクト10、12との接触状態に応じて、摺動距離y2 は移動距離y1 と同等又はy1 より短い距離となる。
【0051】
以上より、コンタクト14の接点部24は、コンタクト10、12に対し、押圧による位置変化の方向にX2 、カード4の挿入方向にy2 の摺動距離を得ることができる。
【0052】
斯かる構成によれば、カードの挿入による可動接片の位置変化及び移動に関し、対向して配置した固定接片に、可動接片を挟入させることで、可動接片の接点部の摺動距離をより多く取ることができる。また、摺動距離を大きく取るために可動接片の変位量を大きくしても、それに伴って固定接片側が変位することがないので、コネクタ等のカード検出装置の大型化を防止することができる。
【0053】
〔第2の実施の形態〕
【0054】
第2の実施の形態は、ハートカム機構の構成例に関する。
【0055】
次に、第2の実施の形態について、図14及び図15を参照する。図14は、第2の実施の形態に係るハートカム機構の溝の構成例を示す図、図15は、ハートカム機構の段差の構成例を示す模式図である。なお、図14及び図15に示す構成は一例であって、これに限られない。また、図14の構成において、図8〜図11と同一部分には、同一符号を付している。
【0056】
既述のように、ハートカム機構は、スライダ8の移動制御によるカード4の位置決め手段又は、カード4の排出手段等を構成している。これにより、例えば、スライダ8の内部に備えられ、スライダ8の移動によって位置変化する可動接片の移動制御手段としても機能する。
【0057】
ハートカム機構の溝36の内部には、図14に示すように、各頂点P1 、P2 、P3 、P4 を備え、これらの各頂点間には、例えば、複数箇所に構成された段差による高低差を利用したピン18の逆走防止手段を備えている。図14のA、B、C・・・Lの符号は、溝36の底面について、高さが異なる位置を示しており、図15には、溝36の各A〜Lまでの底面の高低状態例を示している。
【0058】
この溝36の底面の高低差による逆走防止手段では、図15に示すように、例えば、頂点P2 において、ピン18が位置Cから位置Dへと移動することで、上面から下面へと移動する。同様に、頂点P3 において、位置Fから位置Gへと移動し、頂点P4 において、位置Iから位置Jへと移動し、頂点P1 において、位置Lから位置Aへと移動することで、それぞれ上面から下面へと移動する。これにより、各頂点P1 〜P4 の直前に設けられた段差によって、ピン18の逆走を防止できる。
【0059】
これにより、ハートカム機構では、カード4が挿入されることで、スライダ8の移動により、ピン18が頂点P1 からP2 を介してP3 へと移動し、これに伴って、可動接片であるコンタクト14も同時に移動する。従って、カード未挿入状態を示す頂点P1 から、カード4の挿入状態を示す頂点P3 までの直線距離が、コンタクト14の移動距離y1 に対応する。
【0060】
斯かる構成によれば、上記の実施の形態と同様に、より多くの摺動距離を取ることができ、ワイピング効果が高められる。ハートカム機構により、スライダの移動経路や停止位置を決め、また、逆走防止手段により、カード挿入による可動接片の移動や停止位置が決まるので、固定接片に対する接触及び摺動等の精度を向上させ、カード挿入の検出精度の信頼性を向上させることができる。
【0061】
〔第3の実施の形態〕
【0062】
第3の実施の形態は、可動接片の位置変化による摺動の変形例に関する。
【0063】
次に、第3の実施の形態について、図16、図17及び図18を参照する。図16は、第3の実施の形態に係るカード検出装置の構成例を示す図、図17は、カード挿入時のカード検出状態の例を示す図、図18は、可動接片の位置変化による摺動状態を示す図である。なお、図16、図17及び図18に示す構成は一例であって、これに限定されない。また、図16、図17及び図18において、図1等と同等の構成には、同一の符号を付している。
【0064】
コネクタ40は、接点機構、カード検出装置、カード検出方法の一例であって、図16に示すように、カード保持手段であるハウジング6、可動接片であるコンタクト14、第1及び第2の固定接点部であるコンタクト10、12等を含む構成である。
【0065】
そして、このコネクタ40では、コンタクト14をハウジング6に設置し、カード挿入方向への移動を行わないカード検出手段を構成している。この場合、コンタクト14は、例えば、カード4に対して平行に配置し、その一端側をハウジング6側に、例えば、所謂片持ち梁の状態で固定している。そして、図17に示すように、カード4がコネクタ40内に挿入されると、コンタクト14の中央部に形成された接触部26がカード4からの押圧を受ける。これにより、コンタクト14の接点部24は、例えば、てこの原理により、位置変化する。
【0066】
コンタクト10、12は、例えば、既述のように、対向して配置しており、所定の間隔で対向させた対向部23(図16)を構成している。そして、コンタクト14の接点部24を対向部23に挿入し、コンタクト10、12の接点部20、22により挟持することにより、重合状態となる。
【0067】
このように、コンタクト14の接点部24がコンタクト10の接点部20とコンタクト12の接点部22とに挟み込まれて摺動接触する。この場合、図18に示すように、例えば、コンタクト14の変位量をX1 とすると、接点部24の任意の位置の摺動距離はX3 となる。
【0068】
なお、このコネクタ40は、第1の実施の形態に対して、可動接片であるコンタクト14を移動させない構成を例示した実施の形態であり、コネクタ40にスライダの設置を制限する構成を示すものではない。従って、カード保持手段、位置決め手段、排出手段として、図示しないスライダを備えてもよい。
【0069】
斯かる構成によれば、カードの挿入により位置変化する可動接片を、第1及び第2の固定接片に挟み込んで摺動接触させることで、可動接片の接点部への摺動距離を大きく取ることができる。また、摺動距離を大きく取ることにより、カード検出精度の信頼性を向上させるとともに、コネクタが大型化するのを防止することができる。
【0070】
〔比較例〕
【0071】
次に、上記実施の形態に対する比較例として、図19及び図20を参照する。図19は、可動接片の位置変化に対して、摺動距離が小さい場合の比較例を示す図、図20は、可動接片の接触部を大きくした場合の比較例を示す図である。
【0072】
この比較例に示すカード検出装置100は、例えば、カード挿入により位置変化する可動接片102と、この可動接片102の変位方向に対して垂直方向に摺動させる固定接片104を含む構成である。斯かる構成において、図19に示すように、カード4の挿入に応じた可動接片102の変位量が小さければ、コネクタ等のカード検出装置の大型化は防止できるが、摺動量が少ないので、充分なワイピング効果を得るのが困難となる。
【0073】
また、図20に示すカード検出装置110は、可動接片112の変位量を大きくするために、カード4との接触部114である凸部を大きくした構成である。このように構成すすると、固定接片116に対する摺動量は増加する。しかし、接触する固定接片116の配置角度を大きくしたり、又は、可動接片114の変位量に合わせて、カード4から離した位置に配置させる必要がある等、全体としてコネクタ等のカード検出装置の大型化が必要になる。さらに、カード4を挿入するために、より大きな力を要することにもなる。これに対し、上記実施の形態に示す構成によれば、このような不都合を生じることがない。
【0074】
〔他の実施の形態〕
【0075】
(1) 上記実施の形態では、カード4の挿入に応じて位置変化したコネクタC14が接触することで、コンタクト10とコンタクト12とを導通させる構成であるが、これに限られず、コンタクト14の接触により導通を解除する構成としてもよい。例えば、図2に示すコネクタ2において、固定接片であるコンタクト10とコンタクト12を接触させて配置し、カード4の挿入が検出されない場合には常に導通状態にする。即ち、対向部23の間隔を0にする。そして、カード4がコネクタ2に挿入されると、既述のように、可動接片であるコンタクト14の接点部24が位置変化して、コンタクト10とコンタクト12との対向部23に挟入し、重合することで、その導通状態を解除する。この場合、コンタクトC14は、例えば、電気的に導通させない絶縁体として、樹脂等で形成すればよい。
【0076】
このコネクタ2では、コンタクト14の接点部24は、コンタクト10、12の対向部23に挟み込まれて摺動接触する。斯かる構成によっても、カード用コネクタを大型化させずに、多くの摺動距離を得ることができる。また、接触するコンタクト10及びコンタクト12と、コンタクト14とを摺動することで、ワイピング効果を得ることができ、カード挿入の検出精度を向上させることができる。さらに、付随的な効果として、カード4に接触するコンタクト14を絶縁体等で構成できるので、カード挿入時に、カード4側に対して不要に導通となるのを防止することができる。
【0077】
(2) 上記実施の形態では、カード4からの押圧に応じた位置変化で生じる摺動、又はこの押圧で生じる摺動とともにカード挿入方向への移動で生じる摺動を行う場合について例示したが、これに限られず、例えば、カード挿入方向への移動で生じる摺動のみを行う構成としてもよい。即ち、上記構成において、スライダ8に構成したコンタクト14に対し、カード4からの押圧による接点部24の位置変化(図10)では、コンタクト10、12に接触しない構成としてもよい。
【0078】
斯かる構成によれば、カードの挿入方向への移動に応じて、多くの摺動距離を得ることができるとともに、コネクタ2の大型化を防止することができる。また、コンタクト14の変位及び移動の2つをカード検出の条件とすることで、カード検出の精度を高めることができる。
【0079】
(3) 上記実施の形態において例示したコンタクト14やスライダ6の形状や構成は、限定されるものではなく、例えば、挿入されるカードの種類、形状に応じて構成を変更してもよい。
【0080】
(4) 上記実施の形態では、カード4の挿入又は着脱を導通状態で検出する固定接点対として、第1及び第2の固定接片であるコンタクト10、12を示したが、これに限られず、複数の可動接点部を備えた構成でもよい。そして、これらの固定接点対に対して、カードの挿入により、可動接点部を摺動接触させ、この可動接点部を介して、固定接点対を導通状態にする構成を用いることができる。斯かる構成によっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0081】
次に、以上述べた実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0082】
(付記1) 着脱部材の挿入に応じて位置変化を生じる可動接点部と、
第1の固定接点部及び第2の固定接点部を有し、位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とが導通する固定接点対と、
を備えることを特徴とする接点機構。
【0083】
(付記2) 前記固定接点対は、前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とを所定の間隔で対向させた対向部を構成し、位置変化した前記可動接点部を該対向部で挟持することを特徴とする付記1記載の接点機構。
【0084】
(付記3) 前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とは、前記可動接点部の厚さよりも狭い間隔で対向することを特徴とする付記2記載の接点機構。
【0085】
(付記4) 前記可動接点部は、前記着脱部材の挿入に応じて、前記着脱部材の挿入方向に移動するスライダ部に設置され、該スライダ部とともに位置変化を生じることを特徴とする付記1ないし3のいずれかに記載の接点機構。
【0086】
(付記5) 前記可動接点部は、挿入された前記着脱部材との接触により、押圧を受ける接触部を備え、該押圧によって位置変化を生じることを特徴とする付記1又は2記載の接点機構。
【0087】
(付記6) 前記可動接点部は、挿入された前記着脱部材からの押圧により、その一部を前記スライダ部から突出させることを特徴とする付記4記載の接点機構。
【0088】
(付記7) カードの着脱を検出するカード検出装置であって、
着脱可能なカードの挿入に応じて位置変化を生じる可動接点部と、
第1の固定接点部及び第2の固定接点部を有し、前記カードが挿入された際に、位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とが導通する固定接点対と、
を備え、固定接点対の導通によって前記カードを検出することを特徴とするカード検出装置。
【0089】
(付記8) 前記固定接点対は、前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とを所定の間隔で対向させた対向部を構成し、位置変化した前記可動接点部を該対向部で挟持することを特徴とする付記7記載のカード検出装置。
【0090】
(付記9) 前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とは、前記可動接点部の厚さよりも狭い間隔で対向することを特徴とする付記8記載のカード検出装置。
【0091】
(付記10) 内部に前記可動接点部を配置し、前記カードの挿入に応じて、前記カードの挿入方向に位置変化するスライダ部を備え、
前記可動接点部は、前記カードの挿入に応じて、該スライダとともに位置変化を生じることを特徴とする付記7ないし9のいずれかに記載のカード検出装置。
【0092】
(付記11) 前記可動接点部は、挿入された前記カードとの接触により、押圧を受ける接触部を備え、該押圧によって位置変化を生じることを特徴とする付記7又は8記載のカード検出装置。
【0093】
(付記12) 前記可動接点部は、挿入された前記カードからの押圧により、その一部を前記スライダ部から突出させることを特徴とする付記10記載のカード検出装置。
【0094】
(付記13) 挿入されるカードを保持する筐体部を備え、
前記固定接点対は、該筐体部に設置されることを特徴とする付記7又は8記載のカード検出装置。
【0095】
(付記14) カードの着脱を検出するカード検出方法であって、
着脱可能なカードの挿入に応じて可動接点部に位置変化を生じさせることにより、第1の固定接点部と第2の固定接点部との間に前記可動接点部を摺動接触させるステップと、
前記可動接点部と前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部との導通を検出するステップと、
を含むことを特徴とするカード検出方法。
【0096】
(付記15) 前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とを所定の間隔で対向させた対向部に、位置変化した前記可動接点部を挟入させるステップと、
を含むことを特徴とする付記14記載のカード検出方法。
【0097】
(付記16) 内部に前記可動接点部を配置したスライダ部を前記カードの挿入に応じて、その挿入方向に移動させるステップと、
前記カードの挿入に応じて、前記可動接点部を該スライダとともに位置変化させるステップと、
を含むことを特徴とする付記14又は15記載のカード検出方法。
【0098】
(付記17) 挿入された前記カードからの押圧により、前記可動接点部の一部を前記スライダ部から突出させるステップと、
を含むことを特徴とする付記16記載のカード検出方法。
【0099】
以上説明したように、接点機構、カード検出装置及びカード検出方法の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本開示の接点機構、カード検出装置及びカード検出方法は、カード等の着脱部材の挿入に応じて位置変化した可動接点部を、対向した第1及び第2の固定接点部に摺動接触させることで、より多くの摺動距離が得られ、ワイピング効果が高められるので、挿入されたカード等の検出精度を向上させることができ、有用である。
【符号の説明】
【0101】
2 コネクタ
4 カード
6 ハウジング
8 スライダ
10、12、14 コンタクト
16 スプリング
18 ピン
20、22 接点部
23 対向部
24 接点部
26 接触部
28 端部
30 平面部
32 斜面部
34 窓部
36 溝
1 、P2 、P3 、P4 頂点(ハートカム)
38 窓部
40 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱部材の挿入に応じて位置変化を生じる可動接点部と、
第1の固定接点部及び第2の固定接点部を有し、位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とが導通する固定接点対と、
を備えることを特徴とする接点機構。
【請求項2】
前記固定接点対は、前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とを所定の間隔で対向させた対向部を構成し、位置変化した前記可動接点部を該対向部で挟持することを特徴とする請求項1記載の接点機構。
【請求項3】
前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とは、前記可動接点部の厚さよりも狭い間隔で対向することを特徴とする請求項2記載の接点機構。
【請求項4】
前記可動接点部は、前記着脱部材の挿入に応じて、前記着脱部材の挿入方向に移動するスライダ部に設置され、該スライダ部とともに位置変化を生じることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の接点機構。
【請求項5】
カードの着脱を検出するカード検出装置であって、
着脱可能なカードの挿入に応じて位置変化を生じる可動接点部と、
第1の固定接点部及び第2の固定接点部を有し、前記カードが挿入された際に、位置変化した前記可動接点部が前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部に摺動接触し、該可動接点部を介して前記第1の固定接点部と前記第2の固定接点部とが導通する固定接点対と、
を備え、固定接点対の導通によって前記カードを検出することを特徴とするカード検出装置。
【請求項6】
カードの着脱を検出するカード検出方法であって、
着脱可能なカードの挿入に応じて可動接点部に位置変化を生じさせることにより、第1の固定接点部と第2の固定接点部との間に前記可動接点部を摺動接触させるステップと、
前記可動接点部と前記第1の固定接点部及び前記第2の固定接点部との導通を検出するステップと、
を含むことを特徴とするカード検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−14311(P2011−14311A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156075(P2009−156075)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】