説明

接着剤配合及び多層アセンブリ

本願に記載の発明は、様々な用途のための接着剤配合及び多層アセンブリの製造におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、接着剤配合及び、例えば、さまざまな用途のシート、フィルム等の多層アセンブリの製造におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンポリマー等の材料及び紙材料から製造される物は、そのような材料を含み、家庭用洗剤として使用される高密度ポリエチレンから紙袋まで、様々な用途で市場に広く受け入れられている。さまざまな用途では、耐久性を有し、好ましくは再利用可能であるかまたは再生利用可能な材料を、費用効率の良い方法で製造することが必要とされる。
【0003】
製品を包装するために一枚のシート、または製品を入れる袋に変形されてパッケージに使用される多層ポリマーまたは紙フィルムは、産業及び使用者の観点の両方からの厳しい基準を満たさなければならない。これらの基準は、フィルムの強度及びその摩擦の性質を含み得る。このような基準は、多層シートを作製する材料の性質だけでなく、その他のパラメータのなかでとりわけ使用される接着剤の性質によって決定される隣接するフィルム表面の接着力にも依存し得る。
【0004】
互いの表面の接着は、典型的に、その過半数がポリマー、粘着付与剤、ろう及び添加剤を含む熱溶融性接着剤を使用することによって行われる。このような接着剤中にポリマーが存在すると、例えば高圧等の高エネルギーを使用せずに薄い結合を生成する性能が制限される。適用(例えば、ラミネート)の間に非常に低い圧力またはゼロ圧力が必要とされる場合、薄層結合は不可能である。さらに、このような接着剤は、微細多孔層に含浸する接着性能を制限する粘度のために、薄層として適用することはさらに困難である。多くの用途において、積層または結合される層が厚い接着剤によって結合される場合、アセンブリは剥離しやすい。
【0005】
周知の接着剤配合は典型的に、例えばポリマー基板における非晶質領域への浸透または木材、紙、革、織物及びエッチング加工された金属等の多孔質基板への浸透による基板への高速膨張を妨げる高分子量ポリマー材料を含む。さらに、高分子量ポリマーは、ろう及び添加剤との適合性が低く、相分離が発生し得る。
【0006】
このようなポリマー材料は典型的に石油系であるため、それらを含む接着剤配合は環境への負担が大きく、それらの価格は将来激的に上昇するであろうことが予測される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、薄い接着層(例えば基板の浸潤、膨張及び/または含浸、並びに冷却後、10マイクロメートル未満または5マイクロメートル未満)が望ましい場合、及び/または低圧及び低温の使用が限定因子である場合(例えば積層体またはラベルの外表面上に溶接線の跡が残らないようにするため、及び/または約30秒未満の非常に高速な基板の浸潤及び/または膨張が必要とされるような場合)、例えば2つ以上の表面を積層する等、結合用の改良された接着剤配合が必要である。
【0008】
言い換えると、低粘度を有する接着剤配合が必要であり、当技術分野での多くの接着剤配合の代替として、低温及び低圧での適用と同時に低エネルギー且つ環境に優しいことが必要である。さらに、薄い結合ラインを有するアセンブリを製造することができるように、結合された積層間に最小限の接着剤が残るかまたは余分な接着剤が残らず、結合される基板への速やかな含浸または基板の膨張を示すことができる接着剤配合が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は、このような所望の特性を有する熱溶融接着剤配合を開発した。例えばポリオレフィンまたは極性ポリマー等からなる典型的にフィルムまたはシート状、あるいはそのような表面を備えたポリマー基板を結合し、高品質の積層体を提供する性能は、天然物または半天然物の革新的組み合わせに根拠がある。この革新的組み合わせは、同一もしくは関連天然成分または半天然成分を採用し得、同一または類似した接着性能を有する組み合わせを与える合成または半合成成分を同等に採用し得る。
【0010】
天然または半天然物は、例えばフィルムまたはシート状の例えばポリオレフィンまたはその他の熱可塑性ポリマー表面を単純且つ低価格で互いに結合することができ、さらなる処理及び成形に適した例えば多層アセンブリなどの形成を可能にする天然ワックス、天然希釈剤、及び天然膨張剤、または同等の合成成分を含む。
【0011】
従って、本発明は、第1基板と第2基板を結合するための非反応性接着剤(特に、適用後に再溶融または再溶解し得る接着剤)配合を提供する。前記結合は、低粘度、低融点、適用に要するエネルギー投入量(例えば、温度及び/または圧力)が最小限である、結合される多孔性または繊維状基板への高速含浸(約30秒未満)を示す、結合されるポリマー基板の高速膨張(約30秒未満)を示す、結合される基板に実質的に含浸及び/または膨張する、薄い結合ライン(10ミクロン未満、さらには5ミクロン未満の厚さ)を有する結合アセンブリを生成する、環境に優しい、生物分解性である、再パルプ化可能である、のうちの1つ以上の特性を有する接着剤配合によって提供され、これらの特性のすべてはここに記載するとおりである。
【0012】
いくつかの実施形態では、ここに記載するとおり、非反応性接着剤配合が、低粘度及び低融点を特徴とする。
【0013】
別の実施形態では、ここに記載するとおり、非反応性接着剤配合が、薄い結合ラインを有する結合アセンブリの製造を可能にする粘度を特徴とする。
【0014】
さらなる実施形態では、非反応性接着剤配合は、
(1)以下の1つ以上を含む少なくとも1つの低分子量材料と、
(i)第1基板及び第2基板の少なくとも一方への化学親和力
(ii)第1基板及び第2基板のいずれかの溶解パラメータと実質的に同一あるいは1.5ユニット大きいまたは小さい溶解パラメータ
(2)少なくとも1つの膨張促進剤と、
(3)任意で少なくとも1つの添加剤と、
を含む。
【0015】
ここで、「基板」との用語は、典型的にシート、リーフ、フィルム、または任意のその他3次元構造の形状を有する固体物への広範囲の定義に言及する。基板は、任意の厚さ及び構造であってよく、異なる(または同一の)材料の異なる領域を含む複合基板の形態であってもよい。基板をその化学組成に関して例えば「ポリオレフィン基板」と言及する場合、接着剤配合と接する表面の組成を考慮してよい。例えば、本発明の文脈において、「ポリオレフィン基板」は、ポリオレフィン表面を有するかまたはその表面の特定領域(1つ以上)がポリオレフィンの性質を有する物体を意味する。このような基板は、金属シートなどの基底材料の表面の少なくとも1部分がポリオレフィンなどで被覆されたポリオレフィンの連続性(または非連続性)シートまたはフィルムであり得る。別のものと結合される基板が、例えば金属基材が部分的にポリオレフィンで被覆された形態である例えば「ポリオレフィン基板」である場合、本発明に従ってポリオレフィン被膜の少なくとも1部分を介して結合がなされる。
【0016】
従って、「第1基板及び第2基板の少なくとも一方への化学親和力を有する少なくとも1つの低分子量材料」との表現は、接着剤配合が適用される基板の表面の領域への化学親和力を意味する。
【0017】
少なくとも1つの低分子量材料は、接着剤が適用される基板表面と同一または類似の物理特性を有するように選択する。いくつかの実施形態では、低分子量材料は、第1及び/または第2基板への化学親和力を有する。ここで使用する「化学親和力」との用語は、共有結合、イオン相互作用、極性相互作用(ファンデルワールス力相互作用から水素結合相互作用に及ぶ)、水素結合の1つ以上を介して、第1基板及び第2基板の一方または両方の表面と相互作用する少なくとも1つの低分子量材料の性質を意味する。
【0018】
別の実施形態では、低分子量材料は、第1基板及び/第2基板と同一または類似の溶解パラメータを有する。溶解パラメータとは、MPa1/2の単位で測定された材料間の相互作用の程度の数値予測を提供するヒルデブランド溶解パラメータ(δ)を意味する。
【0019】
さらなる実施形態では、少なくとも1つの低分子量材料は、基板の一方または両方への化学親和力を有し、さらに基板のいずれかまたは両方と同一の溶解パラメータを有する。
【0020】
実施形態によっては、少なくとも1つの低分子量材料は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される平均分子量(MW)がそれぞれ約5000ダルトン(Da)未満であるような材料の2つ以上の組み合わせである。実施形態によっては、分子量は約2500Da未満であり、別の実施形態では約1000Da未満である。
【0021】
本発明の接着剤配合に採用される少なくとも1つの低分子量材料は、例えば半結晶ポリマーの場合は135℃で0.5dL/g未満、非晶質ポリマー、オリゴマーまたは非ポリマー有機化合物の有機溶媒の場合は30℃で0.5dL/g未満の固有粘度を有する材料から選択してよい。
【0022】
従って、少なくとも1つの低分子量材料は、Clariant社製造のLicocene(登録商標)などの非晶質プロピレンホモポリマー、Eastoflex(登録商標)P1010、M1010、E1060及びD178などのエチレンコポリマー(Eastman社製造)、例えば無水マレイン酸、アクリル酸、グリシジル、ヒドロキシル、アミド、及びエステルなどの極性基で酸化またはグラフト処理したポリマーまたはオリゴマーから選択してよい。このような極性ポリマーまたはオリゴマーは、例えばEpolene(登録商標)E−20及びE−25として知られる変性ポリオレフィン(Eastman社製造)、Licocene PEMA 4221 TP及びPEOX 4241(Clariant社製造)である。実施形態によっては、少なくとも1つの低分子量材料は、Indopol(登録商標)H−6000(BP chemicals社製造)などのポリブテン樹脂から選択される。
【0023】
本発明の接着剤配合に採用される少なくとも1つの膨張剤は、接着剤が適用される基板へと(任意の物理的機構を介して相溶性ブレンドに)より効果的に拡散する性能を有する接着剤配合を与えるように選択される。その結果、本発明の配合に少なくとも1つの膨張剤を使用することによって、(1)結合の形成のために結合される基板上に加える圧力が小さくなるかまたは圧力を加えなくてよい、(2)結合を得るために使用する温度が実質的に低下する、という利点がある。
【0024】
少なくとも1つの膨張剤は、ポリマー基板(例えばポリマー表面)を膨張させることができる低分子量化合物である。採用される少なくとも1つの膨張剤は、
1.結合される第1基板及び第2基板のいずれかまたは両方の溶解パラメータと実質的に同一またはそれより1.5ユニット小さいかまたは大きい溶解パラメータ
2.100マイクロメートルの厚さの基板で、適用後最大1分以内に結合領域の基板の重量減少(即ち膨張による重量の増加)が少なくとも10%認められるように、常温あるいは基板のいずれかまたは両方の最大アニーリング温度または軟化点より20℃高い温度から基板のいずれかまたは両方の最大アニーリング温度または軟化点より75℃低い温度までの温度で表面の膨張を促進する性能
3.基板または結合された基板から浸出しない
4.結合から24時間後に、基板の弾性率を少なくとも5%低下させる性能
のうちの1つ以上を有するように選択される。
【0025】
このような膨張剤は、500Da未満の平均分子量を有するものから選択してよい。
【0026】
別の実施形態では、少なくとも1つの膨張剤は、屈曲性、非分枝炭素鎖を有する化合物のうちから選択される。膨張剤の非限定的な例は、脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、トールオイル脂肪酸(木材パルプ化工程の副産物として得られる長鎖不飽和脂肪酸を含有する混合物)及びベヘン酸;重合脂肪酸及び水素化重合脂肪酸(ダイマー酸及びトリマー酸を生成するために、例えばC18以上のモノカルボン酸などの長鎖不飽和脂肪酸を粘土触媒の存在下で約200〜250℃まで加熱することによって製造される);脂肪アルコール、例えば1−エイコサノール、1−ドコサノール(ベヘン酸アルコール)、ドトリアコンタノール、テトラトリアコンタノール、ペンタトリアコンタノール、テトラコンタノール、テトラアコンタノール、ドペンタアコンタノール、テトラヘキサアコンタノール、ドヘキサアコンタノール及びそれらのエステル、カルバメート及びエーテルを含む;パラフィンオイル及びワックス;蜜ろう;木ろう;脂肪族アミドワックス、例えばステアラミドワックス、ベヘンアミドワックス及びビスステアラミドワックス;脂肪酸ワックス;アミンワックス;植物性ろう、例えばカルナウバろう及びキャスターワックス;ポリエチレンワックス;合成パラフィンろう;水酸化脂肪酸ワックス;オキサゾリンワックス、マイクロクリスタリンワックス;変性微マイクロクリスタリンワックス;酸化ミネラルワックス、例えばモンタンワックス;笹の葉ろう、特定の蜜ろう、カランダワックス、イボタろう、綿ろう、クランベリーろう、特定のベイマツ樹皮、エスパルトワックス、特定の亜麻、インディアンコーン、マダガスカルコーンワックス、オーリカリーワックス、オゾケライトワックス、ヤシろう、ピートろう、米ぬかろう、シェラックろう(shallas wax)、サイザル麻ろう、ソルガム種子ろう、サルオガセモドキろう、精製サトウキビろう、及びそれらの混合物である。
【0027】
実施形態によっては、少なくとも1つの膨張剤は、前記脂肪酸のエステル、アミド、無水物、及び塩誘導体から選択される。
【0028】
実施形態によっては、結合される少なくとも1つの前記第1及び第2基板が低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンのコポリマーを含むポリプロピレン(PP)及びエチレンα‐オレフィンプラストマーなどの非極性材料である場合、接着剤配合は、非晶質プロピレンホモポリマー、例えばEastoflex P1010(190℃で1,000cpsの粘度を有する);ポリプロピレン/プロピレン−エチレンコポリマー、例えばEastoflex M1010(190℃で1,000cpsの粘度を有する);プロピレン−エチレンコポリマー、例えばEastoflex E1060(190℃で6,000cpsの粘度を有する)及びEastoflex D178(190℃で3,000cpsの粘度を有する)から選択された低粘度ポリマーと、例えばステアリン酸、グリセロールモノオレイン酸塩、パラフィンオイルまたはパラフィンろうなどの少なくとも1つの膨張剤とを含む。ここで、EastoflexポリマーはEastman社製造のものである。
【0029】
別の実施形態では、前記接着剤配合または本発明による一般的な任意の配合が非石油系成分(すなわち、果実、植物、種子及び動物由来の材料)を含む場合、蜜ろう、カルナウバろう、ステアラミドワックス、ベヘンアミドワックスから選択された天然ワックス、及び少なくとも1つの希釈剤及び/あるいは脂肪酸または脂肪アルコールなどの少なくとも1つの膨張剤をさらに含み得る。
【0030】
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの前記第1基板及び第2基板がポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ポリビニル(PVC)、セルロースエステル、ポリアミド、ポリカーボネート及びエチレンビニルアセテート(EVA)などのポリエステルから選択された極性基板である場合、本発明による配合は、酸化または化学変性ポリオレフィン、例えばEpolene E−20及びE−25(Eastman社製造)、並びにLicocene PEMA 4221 TP及びPEOX 4241(Clariant社製造);ポリブテン樹脂、例えばIndopol H−6000(BP chemical社製造);から選択された低粘度ポリマーと、例えば脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ダイマー酸、蜜ろう及びパラフィンろうなどの少なくとも1つの膨張剤とを含む。
【0031】
実施形態によっては、前記少なくとも1つの低分子量材料は蜜ろうである。
【0032】
いくつかの実施形態では、接着剤配合は、
(1)蜜ろうと、パラフィンろうと、木ろうと、カルナウバろうとから選択された少なくとも1つのワックス、及び
(2)ヒドロキシステアリン酸ヒドロキシオクタコサニル
を含む。
【0033】
実施形態によっては、接着剤配合は、蜜ろうと、パラフィンろうと、木ろうと、カルナウバろうとから選択された2つのワックスを含む。関連実施形態では、前記2つのワックスは、蜜ろう及びパラフィンろうである。別の実施形態では、2つのワックスは、蜜ろう及び木ろうである。
【0034】
さらなる実施形態では、蜜ろうは、天然蜜ろうと、合成蜜ろうとから選択される。蜜ろうは、例えば、炭化水素、エステル(モノ、ジ、及びトリ)、ヒドロキシエステル、酸エステル、ポリエステル、酸、及びアルコールなどの複数の成分の混合物を含む。蜜ろうの主成分は、長鎖脂肪族アルコールのパルミチン酸エステル、パルミトレイン酸エステル、ヒドロキシパルミチン酸エステル、及びオレイン酸エステルである。本発明で使用する蜜ろうは、62から64℃の融点及び15℃で0.958から0.970g/cmの密度を有する任意の天然または市販の蜜ろうであってよい。
【0035】
カルナウバろうは、カルナウバヤシの葉由来の天然または市販のワックスである。ワックスは、主に、脂肪酸、脂肪アルコール及び炭化水素のエステルを含む。本発明で使用するカルナウバろうは、78〜85℃の融点及び約0.97の相対密度を有する任意の天然または市販のカルナウバろうであってよい。
【0036】
パラフィンろうは、約47から64℃の融点を有する白色、無臭固体である。本発明では典型的に、パラフィンを、本発明による表面の結合に必要な特定の特性を有するようにパラフィンろうに適合するステアリンと組み合わせて使用する。
【0037】
木ろうは、ここで使用するその他のワックスと同様に、パルミチン、ステアリン及びオレインなどの化合物の混合物を含む淡黄色固体である。本発明で使用する木ろうは、51から54℃の範囲の融点を有する任意の天然または市販のワックスであってよい。
【0038】
接着剤配合は、希釈剤、接着促進剤、熱安定剤、顔料、染料、光安定剤、充填剤、繊維、ナノ粒子、カーボンブラック、粘着付与剤及びカップリング剤から選択された少なくとも1つの添加剤をさらに含んでよい。
【0039】
実施形態によっては、接着剤配合は、溶融状態で接着剤配合の粘度を低下させることができるように選択された低分子量化合物である少なくとも1つの希釈剤を含む。このような希釈剤の非限定的な例は、ポリブテン、パラフィンオイル、シリコーンオイル、植物油、例えばコーン油、ヒマシ油、亜麻油、可塑剤、例えばアジピン酸アルキル、フタル酸アルキル及びリン酸エステル、有機溶媒、例えばケトン、エステル、アルコール及び芳香族化合物である。
【0040】
他の実施形態において、接着剤配合は、低分子量化合物であり、配合において混和性であり、例えばオレフィン基板などの基板への親和力及び/または反応性を有する少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの接着促進剤を含む。少なくとも1つの官能基は、基板への反応性を有しても有していなくてもよい。
【0041】
このような接着促進剤の非限定的な例は、化合物1グラムあたり水酸化カリウム10ミリグラムより大きな酸価を有するポリマー及びオリゴマー、有機シラン、有機チタネート、有機ジルコネート、、Bayer社製造のカップリング剤2001などのジイソシアネート及びポリイソシアネート、並びにArizona chemical社製造のSilvaros PR295など例えば分子あたり2つ以上の酸性基を有する化合物などの有機酸である。
【0042】
本発明の接着剤配合は、特定の用途に対する機能性を微調整するために、多数の方法で形成され得る。実施形態によっては、接着剤配合は、190℃での粘度が250‐5cps(ASTM D3236に準拠するとmPa・s)、及び/または177℃での粘度が300−5cps、及び/または150℃での粘度が1000−5cps、及び/または140℃での粘度が2000−5、及び/または125℃での粘度が5000−5であることを特徴とする。ここで、粘度はサーモセル粘度計(Brookfield社製造)スピンドルSC4−18で測定した。
【0043】
本発明の接着剤配合は、様々な種類の基板の結合に使用され得る。従って、本発明はさらに、例えば、第1基板と第2基板及び任意で追加の基板を結合するなど、少なくとも2つの基板を互いに結合するプロセスにおいて、本発明による接着剤配合の使用を提供する。
【0044】
実施形態によっては、前記第1及び第2基板の一方がポリオレフィンである。別の実施形態では、前記基板の両方がポリオレフィンである。このようなポリオレフィン基板の非限定的な例は、ポリエチレン、エチレンコポリマー及びターポリマー、エチレンビニルアセテート、そのホモポリマーまたはコポリマーを含むポリプロピレン、並びにエチレンα‐オレフィンプラストマーからなるもの、あるいはこれらの表面を含むものである。
【0045】
実施形態によっては、ポリオレフィン基板/表面はポリエチレンである。
【0046】
本発明による接着剤配合はさらに、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエステル、イオノマー、セルロースエステル、塩化ポリビニル、紙、革木材、コンクリート、セラミックス、ガラス、金属、一例としてアルミニウム及び鉄類、金属酸化物、金属リン酸塩、金属クロム酸塩、並びに塩化ポリビニリデンなどのバリア層などの極性基板を結合するのに有用である。
【0047】
第1基板及び第2基板は、互いに独立して、それぞれが金属または金属合金基板、紙、及びその他のセルロース系繊維基板、例えば木材、織物、段ボール及び天然繊維などから選択された極性基板であってよい。このような極性表面は、定義したように、互いにまたは1つ以上のオレフィン基板に結合され得る。
【0048】
第1基板と第2基板を結合するための本発明による方法は、
(1)第1基板及び第2基板を得る段階と、
(2)本発明の流動性接着剤配合を、前記第1基板及び前記第2基板の一方または両方の表面の少なくとも1領域に適用する段階と、
(3)任意で前記第1基板及び第2基板の一方または両方を互いに接するように配置する段階、すなわち、基板の一方または両方の表面に適用した接着剤配合が他方の基板の表面と接触する状態にする段階と、
(4)前記第1基板と前記第2基板が結合するように、互いに接触している第1基板及び第2基板に対して、少なくとも所望の結合領域に、少なくとも1つの温度及び圧力を加える段階と、
を含む。
【0049】
実施形態によっては、前記流動性接着剤配合は、液体形態であり、例えば接着剤配合の融点を超える温度で得られる液体形態である。
【0050】
さらなる実施形態では、互いに接触している前記第1基板及び第2基板に適用される温度が、常温と、いずれかの基板の最大アニーリング温度または軟化温度の20℃上から75℃下の温度との間の温度である。実施形態によっては、温度は常温(25〜27℃)である。
【0051】
実施形態によっては、本発明による方法は、結合を促進するために基板に圧力を加える段階を必要としない。別の実施形態では、加える圧力は最大0.1MPaである。別の実施形態では、加える圧力は最大0.01MPaである。
【0052】
さらなる実施形態では、加える圧力は最大1MPaである。
【0053】
ここで使用する「結合」との用語は、例えばフィルム、平面などの2つ以上の基板を互いに合わせることに関する任意の用語を意味する。接着剤配合を採用した結合の結果、1つ以上の結合点を有する2つ以上のフィルムのアセンブリまたは一方の表面が他方に完全に積層した「積層体」が形成される。本発明の積層体は、アセンブリ、一例として1つ以上のフィルムの表面上の1つ以上の結合点を介して、任意の数のフィルム(例えば基板または層)が互いに結合された積層体であってよい。本発明によるアセンブリは、同一または異なるフィルム材料であってもよい。アセンブリは、積層された積層体または積層されたアセンブリであってよく、ここで1枚以上のフィルムのアセンブリは、同軸上に位置しているかまたは各フィルム間の結合点がそれらの1つ以上の端部であるような連続したアセンブリである。本発明によるアセンブリは、1つ以上の側部で密閉され、袋を形成する両方のフィルムの内部表面が実質的に結合されていない袋の形態をとってもよい。袋は、2枚以上の分離したフィルム、または袋を形成するために軸の1つの周囲で折り畳まれた単一の連続したフィルムから得られる配置であってもよい。
【0054】
従って、本発明は、アセンブリ、例えば両方のフィルムの表面上の少なくとも1領域を介して互いに結合した少なくとも2枚のフィルムを含む積層体を提供する。ここで、前記結合は本発明による接着剤配合によって提供されるものである。
【0055】
実施形態によっては、少なくとも2枚のフィルム(または少なくとも1枚の折りたたまれたフィルム)は同軸上に配置される。別の実施形態では、少なくとも2枚のフィルム(または少なくとも1枚の折りたたまれたフィルム)は、連続した表面を形成するように配置される。
【0056】
実施形態によっては、少なくとも2枚のフィルムは、少なくとも1つの非連続領域を介して互いに結合される。別の実施形態では、少なくとも2枚のフィルムは、1つ以上の連続領域を介して互いに結合される。実施形態によっては、少なくとも2枚のフィルムは、それらの表面の各々で複数の領域を介して互いに結合される。別の実施形態では、少なくとも2枚のフィルムの結合は、1枚のフィルムの全表面を別のフィルムの全表面に結合することで成し遂げられる。
【0057】
それらの表面上の少なくとも1領域を介して前記少なくとも2つの基板を結合する接着層(2つの基板の間の接着材料)は、以下の1つ以上を特徴とする:
(1)10マイクロメートル未満の厚さ(接着剤の冷却後24時間以上経過した結合工程の最後に測定)
(2)結合された表面の各々への少なくとも1マイクロメートルの浸透、ここで、前記浸透は、表面細孔への含浸及び/または非晶質領域の膨張及び/または基板表面の一方または両方における結晶領域の融解または溶解によるものである。結果は、元の基板及び接着剤の混合を含む改良基板である。
【0058】
従来の結合または積層方法に反して、本発明による接着剤配合の使用は、積層体の間に接着剤を実質的に含まないアセンブリまたは積層体の製造を可能にすることは、当業者に明らかである。理論に制約されることを望まなければ、このような特有の特性は、接着剤分子のフィルム材料への含浸及び/またはそこへの浸透を可能にする膜の膨張に起因する。
【0059】
実際に、本発明による接着剤配合を使用して製造されたアセンブリの領域が結合箇所から除去された場合、及びアセンブリを形成している基板が分離された場合、いずれの基板表面にも接着材料は認められない。そのように分離された基板のいずれかの示差走査熱量測定(DSC)分析は、少なくとも2つの融解ピークまたは軟化領域(PVCまたはポリカーボネートなどの非晶質基板)の存在を示し、一方は典型的に高温での融解ピークである基板自体に関連するものであり、もう一方は接着剤、あるいは接着剤が浸透、膨張または含浸した部分に関連するものである。2つの基板のアセンブリが、ここに記載した特性を有さない接着剤を使用して形成された場合、これは観測されない。このようなアセンブリからの領域が除去された場合及び基板が分離された場合、分離された積層の間に相当量の接着剤が認められる。接着剤を除去して、いずれかの基板のDSCを測定すると、基板のみに関連する単一の融解ピークが観測される。接着剤に関する第2の融解ピークは観測されない。
【0060】
従って、液体または気体への低透過性;向上した化学耐性;高強度及び剥離耐性;低価格な原料及び結合及び/または積層されたアセンブリの単位面積あたり低エネルギー;単位面積を生成するための低エネルギー消費;より低温及び低圧は薄い基板に害が少ないためより薄い基板が可能である;溶接シーム及びアセンブリの典型的な脆性を防止する結合領域において軟化及び可塑化された基板;石油系化合物の低含有量;生物分解性;及び、紙ベースの積層体で再パルプ化可能、の1つ以上を多数の用途、例えばパッケージ及び構造積層に与えるように、より優れた物理特性を有する物が製造され得る。
【0061】
本発明によるアセンブリまたは積層体は、2枚以上のフィルムのアセンブリである。実施形態によっては、アセンブリは、一般的に個別のフィルム、層である多層アセンブリであり、前記層は、第1、外部または表面層;中心または第2層;及び第3、外部または表面層と記載され、第2層は第1層と第3層との間に位置するが、このような構成は参照の目的にすぎない。
【0062】
多層アセンブリは、第1層と第2層との間及び/または第2層と第3層との間に追加の層を備えてよい。以下でさらに説明するように、個別の層は、材料、厚さ、寸法、色、構造などの点において相違しても同一であってもよい。
【0063】
アセンブリの個別の層は、本発明の接着剤配合で互いに結合される。しかしながら、本発明によるアセンブリは、ここに記載する接着剤に追加して、市販またはその他周知の接着剤材料を利用してもよい。
【0064】
アセンブリとして言及したが、当然のことながら、多層構造は、層の性質(例えばプラスチック対木材または金属層など)、個々の層の厚さ、最終製品の構造、接着剤材料およびその量、並びに様々な工程パラメータに依存して、0.1ミリメートルから数ミリメートルまたはそれ以上の厚さを有し得るシートまたはフィルムである。
【0065】
このように調製された本発明の多層アセンブリは、前記接着剤配合またはそれを含む配合で互いに結合(閉塞、接着)された2層以上の個別の層を備え得る。実施形態によっては、アセンブリは2から20層を備える。別の実施形態では、アセンブリは2から15層を備える。さらに別の実施形態では、本発明のアセンブリは2または4から10層を備え、例えばアセンブリは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10層である。
【0066】
別の実施形態では、アセンブリは、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20層である。
【0067】
上記のように、アセンブリが2層を備える場合、前記層の一方または両方は、所望の結合領域の少なくとも1領域に接着剤配合を被覆され得る。例えば、少なくとも1つの結合領域が2枚の同軸上に配置されたフィルムの中央である場合、フィルムの一方または両方の中央の領域に接着剤配合を適用してよい。少なくとも1つの所望の結合領域が、それぞれが連続または非連続の2領域である場合、各フィルムの各2結合領域に、または一方のフィルムの一方の領域及び第2フィルムの他方の領域に接着剤配合を適用してよい。第3の層がある場合、第1層と第3層との間に配置される層は、その表面の一方または両方に接着剤配合を被覆してよい。
【0068】
従って、本発明の方法は、前記第2層の第2面の上に第3層を配置する段階と、3層アセンブリを確実に結合する段階とをさらに含む。
【0069】
その結果得られる多層アセンブリは、任意の材料または任意の材料の組み合わせ、及び任意の厚さでからなり得る。典型的に、個々の単一の層は、ホモポリマー、コポリマーまたはそれらの混合を含む。
【0070】
実施形態によっては、層は、低密度ポリエチレン(LDPE)、例えば高度の長鎖分岐及び約0.915から約0.935g/ccの範囲の密度を有するLDPEであるかまたはそれを含む。本発明の多層アセンブリの製造における使用に適したLDPEは、ビニール袋などの再利用可能なLDPE、市販のLDPE及び予備成形LDPEを含む任意のLDPEである。適切なLDPE及びその製造方法は、当業者にとって周知である。
【0071】
別の実施形態では、層は、高密度ポリエチレン(HDPE)であるかまたはそれを含む。
【0072】
さらに別の実施形態では、層は、ポリプロピレン(PP)であるかまたはそれを含む。
【0073】
さらに別の実施形態では、層は、木材繊維及びその他の木材製品を含む。
【0074】
別の実施形態では、層は、天然繊維、鉱物繊維、合繊繊維またはそれらの混合物からなる織物層である。
【0075】
さらに別の実施形態では、層は、さまざまな厚さ及び組成の金属層である。
【0076】
本発明の多層アセンブリを構成する複数の層は、それぞれ異なる材料、構造、色、厚さ、及び異なる物理特性を有してよい。
【0077】
実施形態によっては、多層アセンブリは、LDPE層から構成される。別の実施形態では、アセンブリはLDPE及びHDPEの層から構成される。さらなる実施形態では、内部層はLDPEであり、外部層はHDPEである。
【0078】
層表面の接着剤配合での被覆は、ブラッシング、スプレー及びディッピング、押し出しコーティング、カーテン式コーティング、及びローラーコーティングなどの当業者に周知の任意の方法で行ってよい。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態では、第2の特定の層と結合させるように特定の層を本発明による接着剤材料で被覆する段階を、2層の間に予め作製された接着剤配合の固体シートを配置する段階に代えてもよい。このような本発明による1つ以上の接着剤配合の予め作製されたシートは、例えば接着剤配合を融点より低い温度で、例えば熱及び圧力の下で所望の寸法、厚さ及び濃度のシートに成形することによって調製してよい。
【0080】
ブラッシング、スプレーまたはディッピングによって層の表面に適用するか、あるいは結合される層の間にシートとして配置するかのいずれかの接着剤配合を使用した任意の少なくとも2層の結合は、アセンブリ全体の厚さにも依存して、以下の任意の1つの方法によって行われ得る:
1.組み立てられた層を、室温で、層の結合に十分な時間の間プレスする方法、
2.組み立てられた層を、室温より高い温度で、層の結合に十分な時間の間熱プレスする方法、
3.組み立てられた層を、使用する各接着剤配合の融点より高い温度で、層の結合に十分な時間の間熱プレスする方法、
4.組み立てられた層を、上記の(1)から(3)の任意の1つの方法を含むプロセスの異なる段階で熱プレスする方法、及び
5.接着剤配合の融点より高い温度で組み立てられた層をプレスせずに加熱する方法。
【0081】
実施形態によっては、使用する接着剤材料の融点を超える温度でアセンブリを熱プレスする。実施形態によっては、前記温度は45から120℃の間、45から100℃の間、45から85℃の間、50から150℃の間、70から150℃の間、または90から150℃の間である。
【0082】
いくつかの実施形態ではプレスを必要としない場合もあるが、プレスが望ましい場合は当業者に周知の任意のプレスを行ってよい。製造される多層アセンブリが大規模の場合、プレスは、一度に一箇所であってよく、アセンブリの全幅をプレス可能なローラーの下で連続であってもよく、また、同じサイズのプレスの下であってもよい。
【0083】
採用されるプレス時間及び圧力は、層の材料、使用する接着剤配合の厚さ、種類、使用する接着剤の量、必要とされる多層アセンブリのサイズ、所望の構造及びその他の工程因子、またはそれらの組み合わせなど様々な因子に依存する。
【0084】
典型的に、プレス時間は数秒から数分の間である。実施形態によっては、プレス時間は10から120秒の間である。別の実施形態では、プレス時間は10から60秒の間である。
【0085】
実施形態によっては、使用するプレス圧力も変化し得る。1実施形態では、最小圧力は約200g/cms(20Pa、1MPa未満)である。別の実施形態では、適用する圧力は200g/cmsから1000g/cmsの間である。さらに別の実施形態では、適用する圧力は200g/cmsから500g/cmsである。
【0086】
プロセスにおいて、最終製品に少なくとも1つの物理特性または化学特性を与えるために、着色剤、UV安定剤、難燃剤、湿度シーラー、強化材料、金属微粒子、繊維及びその他のものなどの添加剤を加えてよい。添加剤は、層を組み立てる工程において加えてよく、任意の層または接着剤配合の一部として加えてもよい。
【0087】
さらに、印刷層または同様のものを第1層または第3層あるいはその両方の表面上に配置してよい。同様に、第4層を第1層または第3層の表面に積層してもよい。
【0088】
本発明の別の側面では、本発明の方法によって製造された多層アセンブリを提供する。
【0089】
本発明のさらに別の側面では、少なくとも2層を備えた多層アセンブリであって、蜜ろう、ヒドロキシステアリン酸ヒドロキシオクタコサニル、パラフィンろう、木ろう、カルナウバろう、ゼラチンを含む接着剤配合によって結合が提供される多層アセンブリを提供する。
【0090】
別の側面では、本発明の多層アセンブリのいずれか1つから製造されるかまたはそれを含む物を提供する。
【0091】
ここで数値範囲が示される場合は必ず、示された範囲内の数値(部分または全体)を含むことを意味する。ここで、第1数値と第2数値との「間の範囲」及び第1数値「から」第2数値「までの範囲」との表現は同じ意味で使用され、第1数値及び第2数値を含んでその間のいかなる部分及び全体を含むことを意味する。
【0092】
所定の範囲を使用して実施形態が説明された場合、その範囲は単に便宜上且つ簡略のために与えただけであり、本発明の範囲の限定として解釈してはならない。従って、範囲の記載は、範囲内の個々の数値だけでなく、特に記載されたあらゆる可能な小範囲を含むように考慮されなければならない。例えば、「60から75℃の間の融点」は、特に記載された小範囲、例えば60から74、60から73、60から72など、61から75、61から74、61から73、61から72など、60から75、60から74など、並びにその範囲内の個々の数値、例えば60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74及び75℃を含んで考慮されなければならない。
【0093】
当然のことながら、明確にするために別々の実施形態で説明した本発明の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供され得る。反対に、簡略化のために1つの実施形態で説明した本発明のさまざまな特徴は、別々にまたは任意の適切な組み合わせにおいて、または本発明のその他説明された実施形態に適切に提供され得る。さまざまな実施形態で説明された特定の特徴は、それらの要素がなければ実施不可能でない限り、それらの実施形態に必要不可欠な特徴として考慮すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明による2層アセンブリの縦断面図である。
【図2】パラフィンフィルムで被覆された2層アセンブリの縦断面図である。
【図3】本発明による2層アセンブリの構成を図示する。
【図4】本発明による4層アセンブリの縦断面図である。
【図5】本発明による強化アセンブリの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
発明を理解し、実際に実施され得る方法を理解するために、ここで添付の図面を参照して、非限定的な実施例を通して実施形態について説明する。
【0096】
上記において説明し、以下の特許請求の範囲においてクレームする本発明のいくつかの実施形態及び側面は、以下の実施例において裏付けられる。
【実施例1】
【0097】
(実施例1)ポリエチレンフィルムを結合するための低融点接着剤
LDPEフィルム(厚さ75マイクロメートル)を結合するための熱溶融性接着剤として使用するために、本発明による2つの低融点配合を試験した。以下の表1に配合及び積層条件を示す。それぞれの配合及び実質的に単一成分の接着剤配合からなる配合の溶接温度、溶接圧力、接着層厚さ(冷却後)、せん断接着強度、及び剥離強度を測定した。
【0098】
表1の結果が示唆するように、本発明による接着剤配合4または5によってポリエチレンフィルムを互いに結合して調製したアセンブリ(例えば積層体)は、その他の配合と比較して高い剥離強度及びせん断接着強度を示し、層の結合がより効果的であることを示唆している。
【0099】
【表1】

【実施例2】
【0100】
(実施例2)ポリエチレンフィルムとPVCフィルムを結合するための低融点接着剤
Eastman社製造のEpolene(登録商標)E14 100グラムと、蜜ろう100グラムと、ステアリン酸アミド及びオレイルアミン10グラムと、Arizona Chemical社製造のテルペンフェノール粘着付与剤Sylvares TP 2040 HM E 20グラムとの混合物を調製した。混合物を110℃で混合した。混合物は、150℃で約100センチポアズの粘度を示した。
【0101】
非可塑化PVCフィルムと低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムとの間に接着剤を適用し、0.01Mpaの圧力下で30秒間110℃で積層した。接着剤は両方の基板によって膨張され、積層領域は柔軟性を有することが確認された。2つの薄層を剥離させる試みにより、基板に不具合が生じた。
【実施例3】
【0102】
(実施例3)ポリプロピレンフィルムとポリアミド6フィルムを結合するための低融点接着剤
Clariant社製造のLicocene PP MA 1452 50グラムと、パラフィンろう75グラムと、ステアリン酸10グラムと、Arizona Chemical社製造テルペンフェノール粘着付与剤Sylvares TP 2040 HM E 20グラムのとの混合物を調製した。混合物を130℃で混合した。混合物は、150℃で約150センチポアズの粘度を示した。
【0103】
ポリプロピレンランダムコポリマーフィルムとポリアミド6フィルムとの間に接着剤を適用し、0.02Mpaの圧力下で45秒間125℃で積層した。接着剤は両方の基板によって膨張され、積層領域は柔軟性を有した。2つの薄層を剥離させる試みにより、基板に不具合が生じた。
【実施例4】
【0104】
(実施例4)多層の構成
ここで説明する接着剤配合を使用して複数の層を互いに結合した多層アセンブリが得られる。以下の実施形態は、本発明による接着剤配合を採用して、本発明に従って製造される多層アセンブリの代表的実施例である。
【0105】
図面に示した層の厚さは比例するものではなく、接着材料または接着層の厚さは層と比較すると薄いことに留意しなければならない。実際には、接着剤は基板に浸透するため、結合されたフィルム間の接着層は想定されない。図面に示した同一または類似の厚さを有する2つの層は、本発明の全ての実施形態において必ずしも同じ厚さを有するとは限らない。
【0106】
さらに、図示したアセンブリは長方形であるが、本発明に従って調製されるアセンブリは任意の形状であってよい。
【0107】
図1に示すように、低密度ポリプロピレン(LDPE)の下部薄層10とLDPEの上部薄層20とを積層することによって、2層アセンブリMA1を製造する。層10の積層は、該層10の1面を本発明の接着剤配合AD1で被覆し、その上部に上部層20を配置することによって行う。別の方法では、接着剤を層20の1面または層20の1面と層10の1面との両方に塗布してよい。
【0108】
アセンブリMA1が実際に積層体であると同時に、2層がその表面上の1箇所以上の非連続領域を介して互いに結合され得ることに留意すべきである。
【0109】
この実施例では、配合は上記実施例1の配合である。
【0110】
同様に、図2に示す2層アセンブリMA2は、蜜ろう系配合AD2の層または被膜によって互いに結合された第1層30と第2層40とを備えたアセンブリである。プレスの前に上部層40をパラフィン薄層50でさらに被覆する。採用されるパラフィンは、純パラフィンろうであるかまたは硬度または柔軟性等の所望の物理特性を得るために有効量のステアリン酸を含んでよい。実施形態によっては、パラフィンろうは5から15重量%のステアリンを含む。
【0111】
図3はアセンブリMA3を表し、本実施例において、該アセンブリは、その融点付近の温度に維持した流動性接着剤に浸漬され、その後、HDPEが断片70によって完全にまたは部分的に被覆されるようにHDPE層60上に配置される複数の再生利用可能なLDPE断片70を採用する。その後、断片70をLDPEまたはHDPEの薄層80で被覆することでアセンブリMA4が得られ、続いて90から150℃の温度で40秒間プレスする。その結果得られたアセンブリは、その後の用途で切断または成形され得るポリエチレンの3層アセンブリである。場合によっては、中間の再生利用可能な断片70の文字及び/または色が視認できるように層60がより濃色であり、層80が透明であることが望ましい。
【0112】
図4にポリエチレン層の多層アセンブリMA5を例示する。図4に示すように、このようなアセンブリは、HDPE及び/またはLDPEの2層以上の層90及び100を接着材料を間に介さずに互いに接して配置することによって製造することができる。層100の上に、実施例1、2または3の接着剤配合の固体シート110、HDPE及び/またはLDPEの2層以上の層120及び130を配置する。その後、アセンブリを上記のように40秒間プレスし、4層アセンブリが得られる。薄層130の上部及び/または層90の下部に追加の層を配置してもよい。
【0113】
図4は偶数の層を備えた対称アセンブリを図示するが、非対称アセンブリを製造することも可能である。
【0114】
例えば実施例1の配合の単一の中間シートを採用した全ての層の結合は、シートの厚さに依存する。多層アセンブリが厚いほど、接着フィルムも厚くなければならない(特に、全ての層を接着するためにはより多くの配合が必要とされる)。
【0115】
ここで例示するアセンブリは、プレス(または熱プレス)の前に処理してもよく、またはゼラチン薄層を備えたアセンブリを得るためにその後ゼラチンで処理してもよい。アセンブリの薄層の一方または両方へのゼラチンの適用は、表面をゼラチンでブラッシングする、スプレーまたはゼラチンにアセンブリを浸漬することによって直接行ってよく、ゼラチンで被覆する表面上にゼラチンに浸した布を配置してアセンブリ及び布をプレスすることによって間接的に行ってもよい。プレス条件の下で、ゼラチンが溶融し、布と接する面上に層が形成される。同様にアセンブリの他方の面にもこの方法を繰り返してよい。
【0116】
本発明の方法は、内部に組み込まれた強化構造を備えた強化アセンブリMA6の形成においても使用することができる。図5において実証されるように、ポリエチレンシート140をポリマーまたは金属メッシュ150で強化し、本発明による接着配合の被膜160(図示せず)で被覆する。本発明の別の実施形態に関して上記で説明したように、接着被膜160をさらにポリエチレン層170(図示せず)で被覆する。プレスの前に、ゼラチンに浸した布をアセンブリ上に配置し、上記のようにアセンブリを40秒間熱プレスすることで、切断または最終製品への更なる処理を施され得る強化多層アセンブリが得られる。
【0117】
別の方法として、図5のメッシュを金属シートまたはその他の強化材料に代えてもよい。
【0118】
本発明の多層アセンブリは、ガス遮蔽層、接着層、薬剤層、難燃層、及び同様のものなどの層をさらに含んでもよい。任意の層に適した材料は、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリビニルアルコール、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレンメチルアクリレートコポリマー(EMA)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、イオノマー、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、K−resin(スチレン/ブタジエンブロックコポリマー)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、同様のもの、及びそれらの混合物を含む。
【0119】
本発明によって製造された多層アセンブリは、切断、ソーイング、またはさらなる用途のための単一のシートとして処理することによってさらに処理してよい。
【0120】
上記で例示したアセンブリは非常に安定である。層は互いに分離しない。層を機械的に分離しようとすると、多層アセンブリ本体からはがれる。アセンブリは防水性である。
【0121】
当然のことながら、開示された概念及び特定の側面は、本発明と同じ目的を実効するためにその他のアセンブリ及び積層体を設計または修正するための基準として当業者は容易に利用できる。さらに、ここに記載された発明と同等の構成が発明の精神及び範囲を逸脱しないことも当業者には明らかである。特に、便宜上一般的に2、3または4層アセンブリとして記載したが、本発明は4層より多くを備えた多層アセンブリを含むものである。
【符号の説明】
【0122】
10 下部層
20 上部層
30 第1層
40 第2層
50 パラフィン薄膜
60 HDPE層
70 LDPE断片
80、90、110、120、130 層
140 ポリエチレンシート
150 メッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板を結合するための非反応性接着剤配合であって、前記配合が、
(1)以下の1つ以上を含むように選択される少なくとも1つの低分子量材料と、
(i)前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方への化学親和力
(ii)前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方の溶解パラメータと実質的に同一あるいは1.5ユニット大きいかまたは小さい溶解パラメータ
(2)少なくとも1つの膨張促進剤と、
(3)任意で少なくとも1つの添加剤と、
を含むことを特徴とする接着剤配合。
【請求項2】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方への化学親和力を有するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項3】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方と相互作用する性能を有するように選択され、前記相互作用が、共有結合、イオン性相互作用、極性相互作用、及び水素結合の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤配合。
【請求項4】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方と同一の溶解パラメータを有するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項5】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の溶解パラメータより1.5ユニット大きいかまたは小さい溶解パラメータを有するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項6】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、それぞれが約5,000Da未満の平均分子量を有するような材料の2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項7】
前記平均分子量が、約2,500Da未満であることを特徴とする請求項6に記載の接着剤配合。
【請求項8】
前記平均分子量が、約1,000Da未満であることを特徴とする請求項6に記載の接着剤配合。
【請求項9】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、135℃で0.5デシリットル/グラム未満の固有粘度を有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項10】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、30℃で0.5デシリットル/グラム未満の固有粘度を有する少なくとも1つの有機溶媒の溶液であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項11】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、天然由来ろう、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸カルバメート、脂肪アルコールエステル、無水脂肪アルコール、脂肪アルコール塩、脂肪アルコールアミド、脂肪アルコールカルバメート、そのエステルまたはアミドまたはカルバメートを含む二量化または三量化または重合脂肪酸、非晶質プロピレンホモポリマー;エチレンコポリマー;及びポリブテン樹脂から選択されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項12】
前記少なくとも1つの低分子量材料が、Licocene(登録商標)、Eastoflex(登録商標) P1010、Eastoflex M1010、Eastoflex E1060、Eastoflex D178、Epolene(登録商標) E−20、Epolene E−25、Licocene PEMA 4221 TP、PEOX 4241、及びIndopol(登録商標) H−6000から選択されることを特徴とする請求項11に記載の接着剤配合。
【請求項13】
前記少なくとも1つの膨張剤が、相溶性ブレンドを前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方へと拡散及び膨張させる性能を有するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項14】
前記少なくとも1つの膨張剤が、
1.前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方と実質的に同一の溶解パラメータ、または第1基板または第2基板のいずれかの溶解パラメータより1.5小さいかまたは大きい溶解パラメータを有する、
2.いずれかの基板の最大アニーリング温度または軟化温度の20℃上から75℃下の温度で、前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方の膨張を促進する性能を有する、
3.前記第1基板または第2基板の弾性率を、結合の24時間後の測定時に少なくとも5%低下させる性能を有する、
の1つ以上を特徴とする請求項13に記載の接着剤配合。
【請求項15】
前記少なくとも1つの膨張剤が、500Da未満の分子量を有することを特徴とする請求項13に記載の接着剤配合。
【請求項16】
前記少なくとも1つの膨張剤が、脂肪酸またはその誘導体、脂肪アルコールまたはその誘導体、重合脂肪酸、水酸化重合脂肪酸、パラフィンオイル、オイル、可塑剤、粘着付与剤、ワックス、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項17】
前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、トールオイル脂肪酸、ベヘン酸、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項16に記載の接着剤配合。
【請求項18】
前記脂肪酸誘導体が、エステル、アミド、無水物、カルバメートまたは前記脂肪酸の塩から選択されることを特徴とする請求項16に記載の接着剤配合。
【請求項19】
前記脂肪アルコールが、1−エイコサノール、1−ドコサノール(ベヘン酸アルコール)、ドトリアコンタノール、テトラトリアコンタノール、ペンタトリアコンタノール、テトラコンタノール、テトラアコンタノール、ドペンタアコンタノール、テトラヘキサアコンタノール、ドヘキサアコンタノール及びそれらのエステル、カルバメート及びエーテルから選択されることを特徴とする請求項18に記載の接着剤配合。
【請求項20】
前記ワックスが、蜜ろう、木ろう、脂肪族アミドワックス、脂肪酸ワックス、アミンワックス、植物ろう、ポリエチレンワックス、合成パラフィンろう、水素化脂肪酸ワックス、オキサゾリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、変性マイクロクリスタリンワックス、酸化ミネラルワックス、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項16に記載の接着剤配合。
【請求項21】
前記脂肪族アミドワックスが、ステアラミドワックス、ベヘンアミドワックス、及びビスステアラミドワックスから選択されることを特徴とする請求項20に記載の接着剤配合。
【請求項22】
前記少なくとも1つの膨張剤が、笹の葉ろう、蜜ろう、カランダワックス、イボタろう、綿ろう、クランベリーろう、エスパルトワックス、インディアンコーンワックス、マダガスカルコーンワックス、オーリカリーワックス、オゾケライトワックス、ヤシろう、ピートろう、米ぬかろう、シェラックろう、サイザル麻ろう、ソルガム種子ろう、サルオガセモドキろう、精製サトウキビろうから選択されることを特徴とする請求項20に記載の接着剤配合。
【請求項23】
前記少なくとも1つの添加剤が、希釈剤、接着促進剤、熱安定剤、顔料、染料、光安定剤、充填剤、繊維、ナノ粒子、カーボンブラック、粘着付与剤、及びカップリング剤から選択されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項24】
前記少なくとも1つの希釈剤が、ポリブテン、パラフィンオイル、シリコーンオイル、植物油、可塑剤、及び有機溶媒から選択されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項25】
前記少なくとも1つの接着促進剤が、前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方への親和力及び/または反応性を有する少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項26】
前記少なくとも1つの接着促進剤が、化合物1グラムあたり水酸化カリウム10ミリグラムより大きな酸価を有するポリマーまたはオリゴマー、有機シラン、有機チタネート、有機ジルコネート、、ジイソシアネート、ポリイソシアネート、及び有機酸から選択されることを特徴とする請求項25に記載の接着剤配合。
【請求項27】
190℃で250−5cps(ASTM D3236に準拠するとmPa・s)の粘度を有することを特徴とする請求項1から26のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項28】
177℃で300−5cpsの粘度を有することを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項29】
150℃で1000−5cpsの粘度を有することを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項30】
140℃で2000−5cpsの粘度を有することを特徴とする請求項1から29のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項31】
少なくとも第1基板と第2基板の結合に使用する請求項1から30のいずれか一項に記載の接着剤配合。
【請求項32】
前記第1基板及び第2基板の一方が、ポリオレフィン基板であることを特徴とする請求項31に記載の接着剤配合。
【請求項33】
前記基板の両方が、ポリオレフィン基板であることを特徴とする請求項31に記載の接着剤配合。
【請求項34】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、エチレンコポリマー及びターポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン及びそのコポリマー、並びにエチレンα‐オレフィンプラストマーから選択されることを特徴とする請求項31に記載の接着剤配合。
【請求項35】
前記第1基板及び第2基板の少なくとも一方が非極性材料であり、前記少なくとも1つの低分子量材料が非晶質プロピレンホモポリマー、ポリプロピレン/プロピレンエチレンコポリマー、プロピレン‐エチレンコポリマーから選択されるものであり、前記少なくとも1つの膨張剤がステアリン酸、グリセロールモノオレイン酸、パラフィンオイル、及びパラフィンろうから選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項36】
前記第1及び第2基板の少なくとも一方が極性基板であり、前記少なくとも1つの低分子量材料が酸化または化学変性ポリオレフィン、ポリブテン樹脂から選択されるものであり、前記少なくとも1つの膨張剤が脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ダイマー酸、蜜ろう、及びパラフィンろうから選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載の接着剤配合。
【請求項37】
前記極性基板が、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエステル、イオノマー、セルロースエステル、塩化ポリビニル、紙、革木材、コンクリート、セラミック、ガラス、及び金属から選択されることを特徴とする請求項36に記載の接着剤配合。
【請求項38】
第1基板と第2基板を結合する方法であって、前記方法が、
(1)互いに結合される第1基板及び第2基板を得る段階と、
(2)請求項1から39のいずれか一項に記載の流動性形態の接着剤配合を、前記第1基板及び第2基板の一方または両方の少なくとも1領域に適用する段階と、
(3)前記第1基板及び第2基板の一方または両方を、互いに接触するように、任意でアニーリングする段階と、
(4)前記第1基板と第2基板を結合するように、互いに接触している第1基板及び第2基板に対して少なくとも所望の結合領域に、温度及び圧力の少なくとも1つを適用する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項39】
前記流動性形態の前記接着剤配合が液体形態であることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記液体形態が、前記接着剤配合の融点より高い温度で得られることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
互いに接触している前記第1基板及び第2基板に適用される前記温度が、常温と、いずれかの基板の最大アニーリング温度または軟化温度の20℃上から75℃下の温度との間の温度であることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記温度が常温であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記結合が、圧力の適用を必要としないことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
適用される前記圧力が、最大0.1メガパスカル(MPa)であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
適用される前記圧力が、最大0.01メガパスカル(MPa)であることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
適用される前記圧力が、最大1メガパスカル(MPa)であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
基板の表面上の少なくとも1領域を介して互いに結合した少なくとも2つの基板の多層アセンブリであって、前記結合が請求項1から37のいずれか一項に記載の接着剤配合によって提供されることを特徴とする多層アセンブリ。
【請求項48】
積層体であることを特徴とする請求項47に記載のアセンブリ。
【請求項49】
3以上の基板を備えることを特徴とする請求項47に記載のアセンブリ。
【請求項50】
前記少なくとも2つの基板が、同軸上に配置されたことを特徴とする請求項47から49のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項51】
前記少なくとも2つの基板が、連続した表面を形成するように配置されたことを特徴とする請求項47から50のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項52】
前記少なくとも2つの基板が、少なくとも1つの非連続領域を介して互いに結合されたことを特徴とする請求項47から51のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項53】
前記少なくとも2つの基板が、1つ以上の連続領域を介して互いに結合されたことを特徴とする請求項47から52のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項54】
前記少なくとも2つの基板が、各々の表面上の複数領域を介して互いに結合されたことを特徴とする請求項47から53のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項55】
(1)10マイクロメートル未満の厚さ
(2)結合した基板の各々への少なくとも1マイクロメートルの浸透
の1つ以上を特徴とする接着層を備えることを特徴とする請求項47から54の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項56】
基板の表面上の少なくとも1領域を介して互いに結合した少なくとも2つの基板の多層アセンブリであって、結合した前記少なくとも1領域が、少なくとも1つの基板に関連する少なくとも1つの融解ピークと、前記基板に含浸した接着剤に関連する少なくとも1つの第2ピークとを示す示差走査熱量測定(DSC)曲線を有し、前記DSCが前記少なくとも2つの基板の分離後に測定されたことを特徴とする多層アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−538142(P2010−538142A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523642(P2010−523642)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際出願番号】PCT/IL2008/001196
【国際公開番号】WO2009/031148
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(310017703)エルヤ・リサイクリング・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】