搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置
【課題】 受入位置で比較的偏平な物品を起立姿勢で受け入れ、所定個数に達した物品を集積状態で排出位置に搬送する場合に、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができる搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置を提供する。
【解決手段】 起立姿勢の物品を集合状態で移送するバケット220の移送経路の上方かつ移送経路を挟んで両側に、後端保持部材駆動機構241,241を備える。各後端保持部材駆動機構241に、所定の経路を循環走行する一対のエンドレスチェーン254,254を配設し、該エンドレスチェーン254,254に、ほぼ等間隔かつ垂直姿勢となるように一対の後端保持部材248,248を連結する。そして、片側一対の後端保持部材248,248を単一のモータ249で移動させる。
【解決手段】 起立姿勢の物品を集合状態で移送するバケット220の移送経路の上方かつ移送経路を挟んで両側に、後端保持部材駆動機構241,241を備える。各後端保持部材駆動機構241に、所定の経路を循環走行する一対のエンドレスチェーン254,254を配設し、該エンドレスチェーン254,254に、ほぼ等間隔かつ垂直姿勢となるように一対の後端保持部材248,248を連結する。そして、片側一対の後端保持部材248,248を単一のモータ249で移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側の受入位置で受け入れた比較的偏平な物品を、起立姿勢を保持しながら集積状態で下流側の排出位置に搬送する搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置に関し、物品処理の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、スナック菓子のような物品は、袋詰めされたのちダンボール箱等に箱詰めされて出荷されることがある。そして、近年、このような箱詰め装置において、高速化による生産性の向上が益々要求される傾向にある。
【0003】
この要求に応えるものとして、例えば特許文献1に開示の箱詰め装置がある。図22に示すように、この箱詰め装置に設けられて受入位置から排出位置に比較的偏平な物品X…Xを集積状態で搬送する搬送装置Aには、該物品X…Xを保持するバケットA10と、図例上、手前側から供給される起立姿勢の物品Xを一つずつ前記バケットA10に受け入れる受入装置A20とが備えられている。
【0004】
バケットA10は、矢印y方向に走行するエンドレスチェーンA11に連結されている。受入装置A20には、バケットA10に保持された物品X…Xの最後端を交互に入れ替わって保持する第1後端保持部材A21と第2後端保持部材A22とが備えられている。各後端保持部材A21,A22の先端は、互いに交差可能に櫛歯状に形成されている。そして、各後端保持部材A21,A22は、モータA23,A24によって水平移動が、シリンダA25,A26によって垂直移動が可能とされており、それぞれ一点鎖線で示す軌跡を描いて移動するようになっている。
【0005】
この搬送装置Aによれば、上流側の受入位置において物品Xが起立姿勢で順次バケットA10に受け入れられて所定個数に達すると、該物品X…Xは下流側の排出位置に搬送されたのち排出されて箱詰めされることになる。その場合に、第1及び第2後端保持部材A21,A22は、前記軌跡のボックスモーションを行い、交互に前後入れ替わってバケットA10に収容された物品X…Xの最後端を保持する。
【0006】
すなわち、まず図例のように、第1後端保持部材A21がバケットA10に保持された物品X…Xの最後端を保持する一方、第2後端保持部材A22が新たな物品X1の受け入れに待機している。そして、新たな物品X1が両後端保持部材A21,A22が形成する受入空間に供給されると、エンドレスチェーンA11が所定ピッチだけ矢印y方向に走行し、かつ、第1後端保持部材A21が上動すると共に第2後端保持部材A22が前進することにより、第2後端保持部材A22が新たな物品X1を含む物品X…Xの最後端を保持する。上動した第1後端保持部材A21は、引き続き後退及び下動して、さらに新たな物品の受け入れに待機する。
【0007】
このように、第1及び第2後端保持部材A21,A22が、迅速に交互に入れ替わってバケットA10上の物品X…Xの最後端を保持することが可能となり、もって受入装置A20における物品受入の高速化、ひいては搬送装置Aにおける高速化が達成されるようになっている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−212338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前述した搬送装置Aでは、第1及び第2後端保持部材A21,A22に前記ボックスモーションを行なわせるために、各後端保持部材A21,A22に対してそれぞれ2つの駆動手段、つまり第1後端保持部材A21では1つのモータA23と1つのシリンダA25とを、また、第2後端保持部材A22でも1つのモータA24と1つのシリンダA26とを備えなければならず、コストの高騰や駆動制御の複雑化が懸念される。
【0010】
また、両後端保持部材A21,A22は前記ボックスモーションを行なうものであるので、物品X…Xの最後端の保持を終えた各後端保持部材A21,A22は、略直線状に上動、後退、及び下動して所定位置に待機するための時間が必要となり、さらなる高速化を図る上で問題となる。
【0011】
そこで、本発明は、受入位置で比較的偏平な物品を起立姿勢で受け入れ、所定個数に達した物品を集積状態で排出位置に搬送する場合に、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができる搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0013】
まず、請求項1に記載の発明は、巻掛伝動部材が所定経路を循環走行する構成とされた搬送手段と、前記搬送手段に連結されて物品を集積状態で保持しながら所定の受入位置から排出位置に移送する保持手段と、前記所定経路外から該保持手段に物品を受け入れる受入手段とを有する搬送装置であって、前記受入手段には、前記搬送手段の上方の両側部において、前記搬送手段の搬送方向に平行で搬送面に垂直な二面上でそれぞれ循環走行するように設けられた一対の巻掛伝動部材と、前記巻掛伝動部材に取り付けられて前記二面上でそれぞれ所定の軌跡を移動する少なくとも2つの後端保持部材とが備えられており、かつ、一つの後端保持部材が受入位置の前側に位置すると共に他の後端保持部材が後側に位置することによって物品の受入空間が形成され、その状態で前記受入空間に物品が供給されると、前記後側の後端保持部材が前進して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に前側の後端保持部材が上方に退避し、次の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって再び受入空間が形成されるように、前記一対の巻掛伝動部材をそれぞれ駆動する駆動手段が備えられていることを特徴とする。
【0014】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記受入手段には、前記各巻掛伝動部材の走行経路に平行に設けられたカム溝を有するプレート部材と、前記カム溝内を移動するカムフォロアとが備えられ、かつ、前記カムフォロアは、前記巻掛伝動部材に連結されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記受入手段の各巻掛伝動部材には、一対の後端保持部材がほぼ等間隔に備えられていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記受入手段の各巻掛伝動部材が循環走行する経路は、上方位置では、前方から後方に向かって略円弧状とされ、下方位置では、後方で下方、前方で上方、その間で前方に向かっていずれも略直線状とされていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記後端保持部材の一つが、前記受入位置の前側に位置して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に他の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって物品の受入空間が形成されているときは、前記前側の後端保持部材は、前記保持手段に保持された物品の最後端の上部を保持することを特徴とする。
【0018】
そして、請求項6に記載の発明は、受入位置で順次受け入れた物品を集積状態で搬送したのち排出位置で排出して箱詰めする箱詰め装置であって、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の搬送装置が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
まず、請求項1に記載の発明によれば、受入手段の各巻掛伝動部材を独立に駆動することにより、各巻掛伝動部材に備えられた後端保持部材で保持手段に保持された物品の最後端を交互に入れ替わって保持することが可能となり、物品の受け入れを高速化することができる。
【0020】
しかも、各後端保持部材を巻掛伝動部材を介して1つの駆動手段で駆動するので、各後端保持部材に対して2つの駆動手段を必要とした従来のものに比較すると、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができ、もって安価化や駆動制御の単純化を図ることができる。
【0021】
次に、請求項2に記載の発明によれば、カム溝とカムフォロアとを備え、かつ、カムフォロアを巻掛伝動部材に連結したので、受入手段における巻掛伝動部材の循環走行が安定化される。その場合、カム溝とカムフォロアという比較的単純な構成であるので、コストの高騰を招くことはない。
【0022】
そして、カム溝とカムフォロアとの組合せにより、巻掛伝動部材に取り付けられて移動中の後端保持部材を垂直姿勢に維持することが可能となるので、後端保持部材がばたついて周辺の部材に干渉することがなく、安定した移動が確保される。さらに、保持手段に保持された物品の最後端は垂直姿勢の後端保持部材で保持されることになるので、物品の最後端をより確実に起立姿勢で保持することが可能となる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、保持手段に保持された物品の最後端を保持する後端保持部材の数が倍増するので、受入速度の倍増が可能となり、もってさらなる高速化が実現される。その上で、各巻掛伝動部材において一対の後端保持部材をほぼ等間隔に備えたので、等間隔に備えない場合に比較して後端保持部材の動作制御が単純化される。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、巻掛伝動部材ひいては後端保持部材の走行経路の形状が具体化される。すなわち、上方位置では、後端保持部材が略円弧状に移動する区間を設けているので、従来のように直線状に上動、後退、下動する場合に比較して、後端保持部材の移動は高速化される。さらに、後端保持部材の移動は滑らかとなり、ばたつきが一層防止されて、周辺の部材への干渉がさらに防止される。
【0025】
一方、下方位置では、後端保持部材が略直線状に移動する区間を設けているので、一つの後端保持部材は略直線状に上方に退避すると共に他の後端保持部材は略直線状に前進することにより、保持手段に保持された物品の最後端の保持を両後端保持部材間で迅速かつ干渉することなく交替して行なうことができる。
【0026】
また、請求項5に記載の発明によれば、一つの後端保持部材が、物品の最後端を保持している状態から、他の後端保持部材の前進に呼応して上方に退避するとき、少し上動することによって後端保持部材同士の干渉が回避される。ひるがえると、後側の後端保持部材が接近するぎりぎりまで前側の後端保持部材で物品の最後端を保持することができるので、交替時に保持手段に保持された物品の姿勢が崩れることはない。
【0027】
そして、請求項6に記載の発明によれば、前述した特徴を有する搬送装置が備えられているので、少ない駆動手段で高速化が可能な箱詰め装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施の形態に係る箱詰め装置について説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、この箱詰め装置1には、上流側の例えば製袋包装機から供給されるスナック菓子等の比較的偏平な袋詰め物品を搬送して下流側に受け渡す受渡搬送装置10と、受入位置P1で前記受渡搬送装置10からの物品を受け入れて複数の物品を集積状態で排出位置P2に搬送する集積搬送装置20と、該集積搬送装置20によって搬送された物品を一斉に排出する排出装置30と、該排出装置30によって排出された物品をダンボール箱に箱詰めするための箱詰めテーブル40とが備えられている。
【0030】
受渡搬送装置10は、水平姿勢で供給された物品を搬送中に起立姿勢に変換するもので、図3及び図4に示すように、ベース部材10a及びケース部材10bに支持されて上流側に、走行面が水平な第1コンベア110と、該第1コンベア110の一側方(図例では左側)かつ上方に配設された走行面が垂直な第2コンベア120と、該第2コンベア120に対向配置された走行面が傾斜した第3コンベア130とが備えられている。そして、下流側に、走行面が水平な第4コンベア140と、該第4コンベア140を挟んで上方に対向配置された走行面が垂直な第5及び第6コンベア150,160とが備えられている。
【0031】
第1コンベア110の走行面は平ベルト111で形成されており、モータ112で駆動される。第2コンベア120の走行面は平ベルト121で形成されており、モータ122で駆動される。第3コンベア130の走行面は平ベルト131で形成されており、モータ132で駆動される。第4コンベア140の走行面は平ベルト141で形成されており、モータ142で駆動される。第5コンベア150の走行面は平ベルト151で形成されており、モータ152で駆動される。第6コンベア160の走行面は平ベルト161で形成されており、モータ162で駆動される。
【0032】
そして、いずれのコンベア110,120,130,140,150,160とも、全体として上流側から下流側に向けてやや前上がりとなるように配設されている。特に第3コンベア130の走行面は、上流端では下端部が第1コンベア110の走行面の当該側部に近接配置されていると共に、その位置から下流側に向けて傾斜姿勢のまま上方かつ第2コンベア120の走行面に接近するように配設されている。
【0033】
なお、前記図3及び図4では、図面の複雑化を避けるため、便宜的に部材の記載に適宜想像線を使用している。また、各コンベア110,120,130,140,150,160の平ベルト111,121,131,141,151,161では、厚みの記載を省略している。また、各平ベルト111,121,131,141,151,161を裏面から支持する天板の記載を省略している。そして、図4において、想像線で示した第3コンベア130では、走行面の傾斜を誇張して記載している。
【0034】
搬送方向aに沿って右側の第3及び第6コンベア130,160は、左側の第2及び第5コンベア120,150に対する間隔を調節可能とされており、供給される物品の形状に応じて前記間隔が設定される。特に第3コンベア130は、下方の第1コンベア110に対する傾斜角度も調整可能とされている。
【0035】
第6コンベア160の走行面は、リンク部材163a,163aを有する平行リンク機構(図3にのみ示す)163を介して対向する第5コンベアの走行面との平行状態を維持するように、ケース部材10bの延設部10cに支持されている。そして、第6コンベア160の走行面は、前記延設部10cに取り付けられたエアシリンダ164により、対向する第5コンベア150の走行面方向に付勢されている。
【0036】
前記第1、第2、第5、及び第6コンベア110,120,150,160に設けられた平ベルト111,121,151,161は、摩擦係数が小さい材質とされている。一方、前記第3及び第4コンベア130,140に設けられた平ベルト131,141は、摩擦係数が大きい材質とされている。
【0037】
そして、図5に示すように、第1コンベア110に設けられた平ベルト111は、該平ベルト111を走行させるローラ115よりも若干幅広とされ、かつ、搬送方向aに沿った両側縁部にローラ115の両端部に係合する係合部(一方のみ示す)111a,111aを有している。これにより、走行中の平ベルト111の蛇行が防止されると共に、ローラ115の駆動力が平ベルト111のほぼ全幅にわたって伝達される効果がある。なお、図示しないが、第2、第5、及び第6コンベア120,150,160においても、各平ベルト121,151,161は前述したと同様の構成とされている。
【0038】
図6に示す集積搬送装置20は、受入位置P1で上流側の受渡搬送装置10から受け入れた起立姿勢の物品Xを集積状態で排出位置P2に矢印b方向に搬送するもので、本体ケース20a内に上下流一対のシャフト211,211が回転自在に支持されており、各シャフト211には、それぞれ4つのスプロケット212…212が組み付けられている。その場合、上流側のシャフト211では、内側の2つのスプロケット212,212は固定されると共に外側の2つのスプロケット212,212は回転自在とされている。一方、下流側のシャフト211では、内側の2つのスプロケット212,212は回転自在とされると共に外側の2つのスプロケット212,212は固定されている。そして、上下流で位置対応するスプロケット212…212間に、それぞれエンドレスチェーン213…213が巻き掛けられている。
【0039】
本体ケース20a内の下方に、上下流一対のモータ214,214が設置されており、該モータ214,214の駆動力はそれぞれタイミングベルト215,215を介して前記シャフト211,211に伝達されるようになっている。すなわち、上流側に配設されたモータ214の駆動力は内側の2つのスプロケット212,212に、一方、下流側に配設されたモータ214の駆動力は外側の2つのスプロケット212,212に、それぞれ伝達されることになる。
【0040】
内側の一対のエンドレスチェーン213,213間と外側のエンドレスチェーン213,213間とに、起立姿勢の物品Xを集積状態で保持して移送する同じ構成のバケット220,220がそれぞれ連結されている。
【0041】
図7〜図9に示すように、一方のバケット220は、搬送方向bに直交するように延びる13個の底板221…221が、スペーサ222…222を介して内側のエンドレスチェーン213,213間に連結されたものである。特に両端の底板221,221は、側面視でL字状とされると共に正面視で上部が櫛歯状とされており、このバケット220には、図例の形状の12個の物品X…Xが起立姿勢かつ集積状態で保持されるようになっている。そして、図示しないが、他方のバケット220は、外側のエンドレスチェーン213,213間に連結されている。
【0042】
図6に示すように、受入位置P1には、前記バケット220,220による物品X…Xの移送経路を挟んで前記受渡搬送装置10に概ね対向する位置に、該受渡搬送装置10から受け渡される物品Xを受ける受け機構230が配設されている。
【0043】
この受け機構230には、本体ケース20a内にブラケット231を介して取り付けられたエアシリンダ232と、該エアシリンダ232の進退するロッドの先端に連結されて、支軸233を中心に回動する受け部材234とが備えられている。
【0044】
これにより、受け部材234は、実線で示す閉鎖時には受渡搬送装置10から受け渡される物品Xに対接してこれを受けてバケット220上にとどめ、一方、二点鎖線で示す開放時には物品Xが通過するに十分な開口を形成して、物品Xが矢印cで示すように移送系外に排出されるようになっている。
【0045】
例えば、下流側に設置された箱詰めテーブル40へのダンボール箱の供給が遅れて物品Xの箱詰めを行なうことができない等には、バケット220への物品集積が一旦禁止されるが、その場合に、前記受け部材234を開いて上流側からの物品Xを一時的に系外に強制排出することができる。
【0046】
また、バケット220への物品集積が禁止されると集積搬送装置20がインターロックされて、上流側の製袋包装機が停止する場合、当該箱詰め装置1への搬送経路上を包装済みの物品Xがすでに搬送されていることがある。さらに、前記搬送経路上にシールチェッカやX線検査装置等の検査装置が設置されている場合には、前記物品Xの搬送を停止することができないことがある。このような場合にも、前記受け機構230を設けたことにより、物品Xの搬送を停止することなく前記検査装置で検査を行なった上で、物品Xをバケット220に集積する代わりに系外に強制排出することができる。
【0047】
図6に示すように、受入位置P1には、前記受渡搬送装置10からバケット220に物品Xをスムーズに受け入れるための受入装置240が備えられている。
【0048】
図10〜図12に示すように、この受入装置240は、前記バケット220を介した搬送経路の上方に配設されており、搬送方向bに平行でバケット220を挟んで両側つまり搬送面に垂直な二面に、それぞれ後端保持部材駆動機構241,241が備えられている。
【0049】
各後端保持部材駆動機構241には、本体フレーム20aに支持されたベースプレート242と、該ベースプレート242に取り付けられて所定形状のカム溝243a,243bが形成されたカム243とが備えられている。また、各後端保持部材駆動機構241には、前記カム溝243a,243b内を矢印d方向に移動する3つのカムフォロア244A,244B,244Cを回転自在に支持する一対のカムフォロアベース245,245が備えられている。
【0050】
各カムフォロアベース245から前記搬送経路の上方にシャフト246が延びており、該シャフト246の前記カムフォロアベース245寄りの箇所に一対のブロック部材247,247が回転自在に組み付けられていると共に、該シャフト246の先端に下部が櫛歯状とされた平板状の後端保持部材248が吊下げ固定されている。
【0051】
図12に示すように、一つのカムフォロアベース245に対して3つ設けられたカムフォロア244A,244B,244Cのうち、2つのカムフォロア244A,244Bは、前記カム溝243a内を移動し、かつ、残りのカムフォロア244Cが所定の箇所に配設された別なるカム溝243b内を移動することにより、移動中のカムフォロアベース245は図例の姿勢に規制され、ひいては後端保持部材248が所定の姿勢つまり垂直姿勢に維持されるようになる。
【0052】
図10及び図11に示すように、前記各ベースプレート242にはモータ249が取り付けられており、該モータ249の駆動力は、タイミングベルト250を介して取付プレート251と前記ベースプレート242との間に回転自在に支持されたシャフト252に伝達されるようになっている。また、該シャフト252に一対のスプロケット253,253が組み付けられている。そして、上方のスプロケット253,253と下方の図示しないガイド部材とにわたり、一対のエンドレスチェーン254,254が巻き掛けられている。なお、後端保持部材駆動機構241につき一対のエンドレスチェーン254,254が備えられているが、これは後端保持部材248,248が組み付けられたシャフト246,246をより安定して支持するためである。
【0053】
その場合、各エンドレスチェーン254は、図11において一点鎖線で示す経路を矢印d方向に循環走行する。すなわち、前記経路は、上方位置では、前方から後方に向かって略円弧状とされ、下方位置では、後方で下方、前方で上方、その間で前方に向かっていずれも略直線状とされている。それに伴い、前記エンドレスチェーン254,254に連結された後端保持部材248,248の下端部は、符号T及び二点鎖線で示す軌跡を描いて移動し、符号Sで示す物品受入可能領域に出没すると共に、前述したバケット220の両端の底板221,221の上部と交差可能である。
【0054】
一対のエンドレスチェーン254,254は、前記ブロック部材247…247を介して前記一対のカムフォロアベース245,245に連結されている。その場合、エンドレスチェーン254,254には、一対のカムフォロアベース245,245がほぼ等間隔に備えられている。すなわち、図13に示すように、この受入装置240では、上端部が符号T′及び二点鎖線で示す軌跡を描いて矢印d方向に移動する4つの後端保持部材248A1,248A2,248B1,248B2が、図例の順番で備えられている。なお、前記後端保持部材248A1,248A2は一方の後端保持部材駆動機構241に、また、前記後端保持部材248B1,248B2は他方の後端保持部材駆動機構241にそれぞれ備えられたものである。
【0055】
排出装置30には、周知の構成のものが適用可能であるので詳述はしないが、図6に示すように、排出位置P2に配設された排出装置30は、前記受入装置240に延設されたバケット220の移動方向bに上方で直交するリニアベアリング310と、該リニアベアリング310に沿って矢印e,f方向に摺動するスライダ320とを有し、該スライダ320に、上下方向(図例において手前側と奥方側)に図示しないロッドが進退するエアシリンダ330を介して正面視コ字状のプッシャ部材340が取り付けられている。
【0056】
すなわち、排出位置P2に集積状態の物品X…Xを移送するバケット220が到達すると、この場合搬送面を跨いで位置したプッシャ部材340が矢印e方向に前進して、一方の壁部240aでバケット220から物品X…Xを一斉に掻き出し、次いでプッシャ部材340は上動、後退、及び下動したのち再び矢印e方向に前進して、今度は他方の壁部340bで前記物品X…Xを前方の箱詰めテーブル40上に載置されたダンボール箱Y方向に押し出して箱詰め工程が行われる。箱詰めが終了すると、プッシャ部材340は上動、後退、下動してホームポジションに戻り、次回の排出に待機する。
【0057】
次に、この箱詰め装置1の作用について説明する。
【0058】
まず、上流側の製袋包装機から受渡搬送装置10の上流端、つまり走行面が水平な第1コンベア110と走行面が垂直な第2コンベア120と走行面が傾斜した第3コンベア130とで構成された箇所に、比較的偏平な物品Xが水平姿勢で供給されると、図14(a)に示すように、物品Xの一側部(図例において左側)は下方の第1コンベア110の走行面によって支持されつつ、他側部(同じく右側)は前記第1コンベア110の走行面近傍で第3コンベア130の傾斜した走行面に接触する。また、第3コンベア130の走行面は上方に向かい、かつ第2コンベア120の走行面に接近するため、物品Xは第2コンベア120の走行面方向に寄せられると共に水平姿勢から次第に起立姿勢に変換されるようになる。
【0059】
そして、図14(b)に示すように、この受渡搬送装置10の下流端に近づくにつれて、第3コンベア130の走行面はさらに上方に向かい、かつ第2コンベア120の走行面にさらに接近するため、物品Xは第3コンベア130の走行面によって前記他側部ないし偏平面の一部を介してさらに第2コンベア120の走行面方向に寄せられると共に矢印で示すように回転されてさらに起立するようになり、下流端では第2及び第3コンベア120,130の走行面に挟持されて、第1コンベア110の走行面上で起立姿勢とされる。
【0060】
前段部で起立姿勢とされた物品Xは、後段部に設けられた走行面が水平な第4コンベア140と走行面が垂直な第5及び第6コンベア150,160とに支持されて一層確実に起立姿勢の状態で、下流側の集積搬送装置20に受け渡される。
【0061】
受入位置P1では、図15に示すように、一例としてバケット220上にすでに4つの物品X1〜X4が起立姿勢で集積されており、その最後端つまり物品X4の背後の上部を、上端部が符号T′で示す軌跡を描いて移動する後端保持部材248A1が保持している。これに後続する後端保持部材248B1は前記後端保持部材248A1の後側に位置し、両後端保持部材248A1,248B1によって物品受入可能領域Sより狭い受入空間S′を形成しており、新たな物品X5の受け入れに待機している。そして、残りの2つの後端保持部材248A2,248B2は、前記軌跡T′上の所定箇所に位置している。
【0062】
次いで、あらたな物品X5が起立姿勢で受入空間S′に突入すると、図16に示すように、一対の後端保持部材248B1,248B2が軌跡T′上をそれぞれ矢印方向に移動する。すなわち、先行する後端保持部材248B1は軌跡T′の下方位置を直線状に若干前進して、バケット220上の前記物品X5をすでに集積されている物品X1〜X4方向に密着するように寄せる。一方、後続の後端保持部材248B2は軌跡T′の上方位置を略円弧状に若干移動する。なお、残りの一対の後端保持部材248A1,248A2は、現状を維持する。
【0063】
次いで、図17に示すように、後端保持部材248B1がバケット220上の物品X1〜X5の最後端つまり物品X5の背後を保持すると同時に、後端保持部材248A1は軌跡T′上を矢印で示すように略直線状に上動して物品X4の背後から退避すると共に、後端保持部材248A2は矢印で示すように略直線状に下動して前記受入空間S′を形成する所定の箇所に向かおうとする。
【0064】
そして、図18に示すように、バケット220は矢印b方向に所定ピッチだけ移動すると共に、集積された物品X1〜X5の最後端を保持している後端保持部材248B1は矢印で示すように若干前進かつ上動して物品X5の背後の上部を保持するようになる。一方、後続する後端保持部材248A2は矢印で示すようにさらに下動かつ前進して、両後端保持部材248A2,248B1によって再び受入空間S′を形成し、さらに新たな物品X6の受け入れに待機する。なお、後端保持部材248A1,248B2は、前記後端保持部材248A2,248B1に連動して軌跡T′上をそれぞれ矢印で示すように移動する。
【0065】
受入装置240ではこのような動作が繰り返されて、上流側の受渡搬送装置10からの物品Xが順次起立姿勢でバケット220に受け入れられる。そして、バケット220上に所定の12個の物品X…Xが集積されると、エンドレスチェーン213,213が一斉に走行して前記バケット220を受入位置P1から排出位置P2に移送する。
【0066】
そして、排出位置P2に所定個数の物品X…Xを集積したバケット220が移送されると、排出装置30が駆動されて、プッシャ部材340によって排出された前記物品X…Xは、箱詰めテーブル40においてダンボール箱Yに箱詰めされる。
【0067】
その場合に、受入装置240の一対2組のエンドレスチェーン254…254を各組ごとに独立に駆動することにより、図15〜図18に示したように、各組のエンドレスチェーン254,254に備えられた後端保持部材248,248でバケット220に保持された物品X…Xの最後端を各組で交互に入れ替わって保持することが可能となり、物品Xの受け入れを高速化することができる。
【0068】
しかも、各組の後端保持部材248,248をエンドレスチェーン254,254を介して1つのモータ249で駆動するので、各後端保持部材に対して2つの駆動手段を必要とした従来のものに比較すると、少ない駆動手段で物品Xの受け入れを高速化することができ、もって安価化や駆動制御の単純化を図ることができる。
【0069】
次に、カム溝243a,243bとカムフォロア244A,244B,244Cとを備え、かつ、カムフォロア244A,244B,244Cをエンドレスチェーン254に連結したので、受入装置240におけるエンドレスチェーン254の循環走行が安定化される。その場合、カム溝243a,243bとカムフォロア244A,244B,244Cという比較的単純な構成であるので、コストの高騰を招くことはない。
【0070】
そして、図12に示したように、カム溝243a,243bとカムフォロア244A,244B,244Cとの組合せにより、エンドレスチェーン254に取り付けられて移動中の後端保持部材248を垂直姿勢に維持することが可能となるので、後端保持部材248がばたついて周辺の部材に干渉することがなく、安定した移動が確保される。さらに、バケット220に保持された物品X…Xの最後端は垂直姿勢の後端保持部材248で保持されることになるので、物品X…Xの最後端をより確実に起立姿勢で保持することが可能となる。
【0071】
また、バケット220に保持された物品X…Xの最後端を保持する後端保持部材248…248を合計4つ備えているので、従来の後端保持部材を2つ備えたものに比較して受入速度の倍増が可能となり、もってさらなる高速化が実現される。その上で、各エンドレスチェーン254,254において一対の後端保持部材248,248をほぼ等間隔に備えたので、等間隔に備えない場合に比較して後端保持部材248,248の動作制御が単純化される。なお、後端保持部材248…248の数が4つでも2つでも、モータ249,249は2つで済むことは、図10の記載から明らかである。
【0072】
また、エンドレスチェーン254ひいては後端保持部材248の走行経路の形状を軌跡T,T′のように具体化し、上方位置では、後端保持部材248が略円弧状に移動する区間を設けているので、従来のように直線状に上動、後退、下動する場合に比較して、後端保持部材248の移動は高速化される。さらに、後端保持部材248の移動は滑らかとなり、ばたつきが一層防止されて、周辺の部材への干渉がさらに防止される。
【0073】
一方、下方位置では、後端保持部材248が略直線状に移動する区間を設けているので、図16及び図17に示したように、一つの後端保持部材248は略直線状に上方に退避すると共に他の後端保持部材248は略直線的に前進することにより、バケット220に保持された物品X…Xの最後端の保持を両後端保持部材248,248間で迅速かつ干渉することなく交替して行なうことができる。
【0074】
また、一つの後端保持部材248が、物品X…Xの最後端を保持している状態から、他の後端保持部材248の前進に呼応して上方に退避するとき、少し上動することによって後端保持部材248,248同士の干渉が回避される。ひるがえると、後側の後端保持部材248が接近するぎりぎりまで前側の後端保持部材248で物品X…Xの最後端を保持することができるので、交替時にバケット220に保持された物品X…Xの姿勢が崩れることはない。
【0075】
そして、前述した特徴を有する集積搬送装置20が備えられているので、少ない駆動手段で高速化が可能な箱詰め装置1が実現される。
【0076】
なお、前記実施の形態に加えて、受渡搬送装置10と集積搬送装置20における受け機構230とを連動させることにより、袋詰め物品Xのシールチェックを行なってもよい。すなわち、受渡搬送装置10の後段部の第5コンベア150と平行リンク機構163が備えられた第6コンベア160とで物品Xを挟持した場合に、第6コンベア160に作用する物品Xからの押圧反力を検出し、該押圧反力に基づいてシール不良と判定した場合には、受け機構230を駆動して受け部材234を開き、当該物品Xを移送系外に強制排出することができる。
【0077】
また、前記開閉式の受け部材234に代えて、図19に示すように、固定式の受け部材234′を使用してもよい。ところで、このような受け部材234′の場合に、上流側の受渡搬送装置10から矢印a方向に突入する物品Xが前記受け部材234′との対接後に反動で受渡搬送装置10側に後退し、バケット220に集積された各物品Xの受け部材234′側の位置がばらつくことがあると、バケット220の矢印b方向への間欠移動時に振動によって一部の物品Xが二点鎖線で示すようにさらに後退して突出し、搬送姿勢が乱れたり、極端な場合にはバケット220から脱落する可能性がある。
【0078】
そのような場合には、バケット220の物品突入前方側の高さを低くすることにより、問題を解消することができる。すなわち、例えば図20に示すように、バケット220′の底板221′とエンドレスチェーン213,213とを連結する突入前方側(図例では右側)のスペーサ222′の高さを突入後方側(同じく左側)のスペーサ222″に比較して若干低くすればよい。あるいは、バケット220′を牽引する突入前方側のエンドレスチェーン213の配設高さを突入後方側のエンドレスチェーン213に比較して若干低くしてもよい。
【0079】
これにより、図21に示すように、前記バケット220′の突入前方側の高さが低く設定されているので、受渡搬送装置10から矢印a方向に突入する物品Xが前記受け部材234′との対接後に反動で受渡搬送装置10側に後退しにくくなり、また、仮に後退しようとする物品Xがあったとしても、矢印b方向への間欠搬送中の振動によって突入後の集積された各物品Xの前方位置は突入前方側に揃って安定するようになり、前述した現象の懸念が解消されるようになる。
【0080】
そして、前記間欠駆動中に、前記受け部材234′とバケット220,220′に集積された物品X…Xの突入前方側との摩擦が懸念される場合には、例えば固定式の受け部材234′に代えてコンベア式のものを使用してもよい。これにより、前記摩擦の問題が解消されて、一層円滑な物品搬送が実現されるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、受入位置で比較的偏平な物品を起立姿勢で受け入れ、所定個数に達した物品を集積状態で排出位置に搬送する場合に、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができる搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置が提供される。すなわち、本発明は、上流側の受入位置で受け入れた比較的偏平な物品を、起立姿勢を保持しながら集積状態で下流側の排出位置に搬送する搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置に関し、物品処理の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係る箱詰め装置の概略側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】受渡搬送装置の平面図である。
【図4】図3のII方向からの矢視図である。
【図5】第1コンベアの平ベルトの構造を示す図である。
【図6】集積搬送装置及び排出装置の平面図である。
【図7】バケットの平面図である。
【図8】図7のIII−III線による矢視図である。
【図9】図7のIV方向からの矢視図である。
【図10】受入装置の正面図である。
【図11】図10のVI−VI線による矢視図である。
【図12】カムフォロアの移動経路と後端保持部材の姿勢制御を説明するための要部抜粋図である。
【図13】後端保持部材の配設状態を示す幾分模式的な図である。
【図14】受渡搬送装置における物品の起立動作を説明するための幾分模式的な図であって、(a)は上流端近傍、(b)は下流端近傍における様子を示す。
【図15】受入装置の動作を端的に説明するための図であって、新たな物品の受け入れに待機している状態を示す。
【図16】同じく、新たな物品を受け入れて前方に寄せている状態を示す。
【図17】同じく、さらに新たな物品を受け入れるための準備に差し掛かりつつある状態を示す。
【図18】同じく、さらに新たな物品を受け入れる準備が整いつつある状態を示す。
【図19】固定式の受け部材を使用した場合の要部平面図である。
【図20】物品の突入前方側に傾斜したバケットの構成を説明するための図9に対応する図である。
【図21】固定式の受け部材における問題を解消したバケットの作用を説明するための図19に対応する図である。
【図22】従来の受入装置の側面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 箱詰め装置
20 集積搬送装置(搬送装置)
213 エンドレスチェーン(搬送手段側巻掛伝動部材)
220 バケット(保持手段)
240 受入装置(受入手段)
243 カム(プレート部材)
243a,243b カム溝
244A,244B,244C カムフォロア
248(248A1,248A2,248B1,248B2) 後端保持部材
249 モータ(駆動手段)
254 エンドレスチェーン(受入手段側巻掛伝動部材)
P1 受入位置
P2 排出位置
S′ 受入空間
X 物品
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側の受入位置で受け入れた比較的偏平な物品を、起立姿勢を保持しながら集積状態で下流側の排出位置に搬送する搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置に関し、物品処理の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、スナック菓子のような物品は、袋詰めされたのちダンボール箱等に箱詰めされて出荷されることがある。そして、近年、このような箱詰め装置において、高速化による生産性の向上が益々要求される傾向にある。
【0003】
この要求に応えるものとして、例えば特許文献1に開示の箱詰め装置がある。図22に示すように、この箱詰め装置に設けられて受入位置から排出位置に比較的偏平な物品X…Xを集積状態で搬送する搬送装置Aには、該物品X…Xを保持するバケットA10と、図例上、手前側から供給される起立姿勢の物品Xを一つずつ前記バケットA10に受け入れる受入装置A20とが備えられている。
【0004】
バケットA10は、矢印y方向に走行するエンドレスチェーンA11に連結されている。受入装置A20には、バケットA10に保持された物品X…Xの最後端を交互に入れ替わって保持する第1後端保持部材A21と第2後端保持部材A22とが備えられている。各後端保持部材A21,A22の先端は、互いに交差可能に櫛歯状に形成されている。そして、各後端保持部材A21,A22は、モータA23,A24によって水平移動が、シリンダA25,A26によって垂直移動が可能とされており、それぞれ一点鎖線で示す軌跡を描いて移動するようになっている。
【0005】
この搬送装置Aによれば、上流側の受入位置において物品Xが起立姿勢で順次バケットA10に受け入れられて所定個数に達すると、該物品X…Xは下流側の排出位置に搬送されたのち排出されて箱詰めされることになる。その場合に、第1及び第2後端保持部材A21,A22は、前記軌跡のボックスモーションを行い、交互に前後入れ替わってバケットA10に収容された物品X…Xの最後端を保持する。
【0006】
すなわち、まず図例のように、第1後端保持部材A21がバケットA10に保持された物品X…Xの最後端を保持する一方、第2後端保持部材A22が新たな物品X1の受け入れに待機している。そして、新たな物品X1が両後端保持部材A21,A22が形成する受入空間に供給されると、エンドレスチェーンA11が所定ピッチだけ矢印y方向に走行し、かつ、第1後端保持部材A21が上動すると共に第2後端保持部材A22が前進することにより、第2後端保持部材A22が新たな物品X1を含む物品X…Xの最後端を保持する。上動した第1後端保持部材A21は、引き続き後退及び下動して、さらに新たな物品の受け入れに待機する。
【0007】
このように、第1及び第2後端保持部材A21,A22が、迅速に交互に入れ替わってバケットA10上の物品X…Xの最後端を保持することが可能となり、もって受入装置A20における物品受入の高速化、ひいては搬送装置Aにおける高速化が達成されるようになっている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−212338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前述した搬送装置Aでは、第1及び第2後端保持部材A21,A22に前記ボックスモーションを行なわせるために、各後端保持部材A21,A22に対してそれぞれ2つの駆動手段、つまり第1後端保持部材A21では1つのモータA23と1つのシリンダA25とを、また、第2後端保持部材A22でも1つのモータA24と1つのシリンダA26とを備えなければならず、コストの高騰や駆動制御の複雑化が懸念される。
【0010】
また、両後端保持部材A21,A22は前記ボックスモーションを行なうものであるので、物品X…Xの最後端の保持を終えた各後端保持部材A21,A22は、略直線状に上動、後退、及び下動して所定位置に待機するための時間が必要となり、さらなる高速化を図る上で問題となる。
【0011】
そこで、本発明は、受入位置で比較的偏平な物品を起立姿勢で受け入れ、所定個数に達した物品を集積状態で排出位置に搬送する場合に、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができる搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0013】
まず、請求項1に記載の発明は、巻掛伝動部材が所定経路を循環走行する構成とされた搬送手段と、前記搬送手段に連結されて物品を集積状態で保持しながら所定の受入位置から排出位置に移送する保持手段と、前記所定経路外から該保持手段に物品を受け入れる受入手段とを有する搬送装置であって、前記受入手段には、前記搬送手段の上方の両側部において、前記搬送手段の搬送方向に平行で搬送面に垂直な二面上でそれぞれ循環走行するように設けられた一対の巻掛伝動部材と、前記巻掛伝動部材に取り付けられて前記二面上でそれぞれ所定の軌跡を移動する少なくとも2つの後端保持部材とが備えられており、かつ、一つの後端保持部材が受入位置の前側に位置すると共に他の後端保持部材が後側に位置することによって物品の受入空間が形成され、その状態で前記受入空間に物品が供給されると、前記後側の後端保持部材が前進して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に前側の後端保持部材が上方に退避し、次の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって再び受入空間が形成されるように、前記一対の巻掛伝動部材をそれぞれ駆動する駆動手段が備えられていることを特徴とする。
【0014】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記受入手段には、前記各巻掛伝動部材の走行経路に平行に設けられたカム溝を有するプレート部材と、前記カム溝内を移動するカムフォロアとが備えられ、かつ、前記カムフォロアは、前記巻掛伝動部材に連結されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記受入手段の各巻掛伝動部材には、一対の後端保持部材がほぼ等間隔に備えられていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記受入手段の各巻掛伝動部材が循環走行する経路は、上方位置では、前方から後方に向かって略円弧状とされ、下方位置では、後方で下方、前方で上方、その間で前方に向かっていずれも略直線状とされていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記後端保持部材の一つが、前記受入位置の前側に位置して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に他の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって物品の受入空間が形成されているときは、前記前側の後端保持部材は、前記保持手段に保持された物品の最後端の上部を保持することを特徴とする。
【0018】
そして、請求項6に記載の発明は、受入位置で順次受け入れた物品を集積状態で搬送したのち排出位置で排出して箱詰めする箱詰め装置であって、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の搬送装置が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
まず、請求項1に記載の発明によれば、受入手段の各巻掛伝動部材を独立に駆動することにより、各巻掛伝動部材に備えられた後端保持部材で保持手段に保持された物品の最後端を交互に入れ替わって保持することが可能となり、物品の受け入れを高速化することができる。
【0020】
しかも、各後端保持部材を巻掛伝動部材を介して1つの駆動手段で駆動するので、各後端保持部材に対して2つの駆動手段を必要とした従来のものに比較すると、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができ、もって安価化や駆動制御の単純化を図ることができる。
【0021】
次に、請求項2に記載の発明によれば、カム溝とカムフォロアとを備え、かつ、カムフォロアを巻掛伝動部材に連結したので、受入手段における巻掛伝動部材の循環走行が安定化される。その場合、カム溝とカムフォロアという比較的単純な構成であるので、コストの高騰を招くことはない。
【0022】
そして、カム溝とカムフォロアとの組合せにより、巻掛伝動部材に取り付けられて移動中の後端保持部材を垂直姿勢に維持することが可能となるので、後端保持部材がばたついて周辺の部材に干渉することがなく、安定した移動が確保される。さらに、保持手段に保持された物品の最後端は垂直姿勢の後端保持部材で保持されることになるので、物品の最後端をより確実に起立姿勢で保持することが可能となる。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、保持手段に保持された物品の最後端を保持する後端保持部材の数が倍増するので、受入速度の倍増が可能となり、もってさらなる高速化が実現される。その上で、各巻掛伝動部材において一対の後端保持部材をほぼ等間隔に備えたので、等間隔に備えない場合に比較して後端保持部材の動作制御が単純化される。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、巻掛伝動部材ひいては後端保持部材の走行経路の形状が具体化される。すなわち、上方位置では、後端保持部材が略円弧状に移動する区間を設けているので、従来のように直線状に上動、後退、下動する場合に比較して、後端保持部材の移動は高速化される。さらに、後端保持部材の移動は滑らかとなり、ばたつきが一層防止されて、周辺の部材への干渉がさらに防止される。
【0025】
一方、下方位置では、後端保持部材が略直線状に移動する区間を設けているので、一つの後端保持部材は略直線状に上方に退避すると共に他の後端保持部材は略直線状に前進することにより、保持手段に保持された物品の最後端の保持を両後端保持部材間で迅速かつ干渉することなく交替して行なうことができる。
【0026】
また、請求項5に記載の発明によれば、一つの後端保持部材が、物品の最後端を保持している状態から、他の後端保持部材の前進に呼応して上方に退避するとき、少し上動することによって後端保持部材同士の干渉が回避される。ひるがえると、後側の後端保持部材が接近するぎりぎりまで前側の後端保持部材で物品の最後端を保持することができるので、交替時に保持手段に保持された物品の姿勢が崩れることはない。
【0027】
そして、請求項6に記載の発明によれば、前述した特徴を有する搬送装置が備えられているので、少ない駆動手段で高速化が可能な箱詰め装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施の形態に係る箱詰め装置について説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、この箱詰め装置1には、上流側の例えば製袋包装機から供給されるスナック菓子等の比較的偏平な袋詰め物品を搬送して下流側に受け渡す受渡搬送装置10と、受入位置P1で前記受渡搬送装置10からの物品を受け入れて複数の物品を集積状態で排出位置P2に搬送する集積搬送装置20と、該集積搬送装置20によって搬送された物品を一斉に排出する排出装置30と、該排出装置30によって排出された物品をダンボール箱に箱詰めするための箱詰めテーブル40とが備えられている。
【0030】
受渡搬送装置10は、水平姿勢で供給された物品を搬送中に起立姿勢に変換するもので、図3及び図4に示すように、ベース部材10a及びケース部材10bに支持されて上流側に、走行面が水平な第1コンベア110と、該第1コンベア110の一側方(図例では左側)かつ上方に配設された走行面が垂直な第2コンベア120と、該第2コンベア120に対向配置された走行面が傾斜した第3コンベア130とが備えられている。そして、下流側に、走行面が水平な第4コンベア140と、該第4コンベア140を挟んで上方に対向配置された走行面が垂直な第5及び第6コンベア150,160とが備えられている。
【0031】
第1コンベア110の走行面は平ベルト111で形成されており、モータ112で駆動される。第2コンベア120の走行面は平ベルト121で形成されており、モータ122で駆動される。第3コンベア130の走行面は平ベルト131で形成されており、モータ132で駆動される。第4コンベア140の走行面は平ベルト141で形成されており、モータ142で駆動される。第5コンベア150の走行面は平ベルト151で形成されており、モータ152で駆動される。第6コンベア160の走行面は平ベルト161で形成されており、モータ162で駆動される。
【0032】
そして、いずれのコンベア110,120,130,140,150,160とも、全体として上流側から下流側に向けてやや前上がりとなるように配設されている。特に第3コンベア130の走行面は、上流端では下端部が第1コンベア110の走行面の当該側部に近接配置されていると共に、その位置から下流側に向けて傾斜姿勢のまま上方かつ第2コンベア120の走行面に接近するように配設されている。
【0033】
なお、前記図3及び図4では、図面の複雑化を避けるため、便宜的に部材の記載に適宜想像線を使用している。また、各コンベア110,120,130,140,150,160の平ベルト111,121,131,141,151,161では、厚みの記載を省略している。また、各平ベルト111,121,131,141,151,161を裏面から支持する天板の記載を省略している。そして、図4において、想像線で示した第3コンベア130では、走行面の傾斜を誇張して記載している。
【0034】
搬送方向aに沿って右側の第3及び第6コンベア130,160は、左側の第2及び第5コンベア120,150に対する間隔を調節可能とされており、供給される物品の形状に応じて前記間隔が設定される。特に第3コンベア130は、下方の第1コンベア110に対する傾斜角度も調整可能とされている。
【0035】
第6コンベア160の走行面は、リンク部材163a,163aを有する平行リンク機構(図3にのみ示す)163を介して対向する第5コンベアの走行面との平行状態を維持するように、ケース部材10bの延設部10cに支持されている。そして、第6コンベア160の走行面は、前記延設部10cに取り付けられたエアシリンダ164により、対向する第5コンベア150の走行面方向に付勢されている。
【0036】
前記第1、第2、第5、及び第6コンベア110,120,150,160に設けられた平ベルト111,121,151,161は、摩擦係数が小さい材質とされている。一方、前記第3及び第4コンベア130,140に設けられた平ベルト131,141は、摩擦係数が大きい材質とされている。
【0037】
そして、図5に示すように、第1コンベア110に設けられた平ベルト111は、該平ベルト111を走行させるローラ115よりも若干幅広とされ、かつ、搬送方向aに沿った両側縁部にローラ115の両端部に係合する係合部(一方のみ示す)111a,111aを有している。これにより、走行中の平ベルト111の蛇行が防止されると共に、ローラ115の駆動力が平ベルト111のほぼ全幅にわたって伝達される効果がある。なお、図示しないが、第2、第5、及び第6コンベア120,150,160においても、各平ベルト121,151,161は前述したと同様の構成とされている。
【0038】
図6に示す集積搬送装置20は、受入位置P1で上流側の受渡搬送装置10から受け入れた起立姿勢の物品Xを集積状態で排出位置P2に矢印b方向に搬送するもので、本体ケース20a内に上下流一対のシャフト211,211が回転自在に支持されており、各シャフト211には、それぞれ4つのスプロケット212…212が組み付けられている。その場合、上流側のシャフト211では、内側の2つのスプロケット212,212は固定されると共に外側の2つのスプロケット212,212は回転自在とされている。一方、下流側のシャフト211では、内側の2つのスプロケット212,212は回転自在とされると共に外側の2つのスプロケット212,212は固定されている。そして、上下流で位置対応するスプロケット212…212間に、それぞれエンドレスチェーン213…213が巻き掛けられている。
【0039】
本体ケース20a内の下方に、上下流一対のモータ214,214が設置されており、該モータ214,214の駆動力はそれぞれタイミングベルト215,215を介して前記シャフト211,211に伝達されるようになっている。すなわち、上流側に配設されたモータ214の駆動力は内側の2つのスプロケット212,212に、一方、下流側に配設されたモータ214の駆動力は外側の2つのスプロケット212,212に、それぞれ伝達されることになる。
【0040】
内側の一対のエンドレスチェーン213,213間と外側のエンドレスチェーン213,213間とに、起立姿勢の物品Xを集積状態で保持して移送する同じ構成のバケット220,220がそれぞれ連結されている。
【0041】
図7〜図9に示すように、一方のバケット220は、搬送方向bに直交するように延びる13個の底板221…221が、スペーサ222…222を介して内側のエンドレスチェーン213,213間に連結されたものである。特に両端の底板221,221は、側面視でL字状とされると共に正面視で上部が櫛歯状とされており、このバケット220には、図例の形状の12個の物品X…Xが起立姿勢かつ集積状態で保持されるようになっている。そして、図示しないが、他方のバケット220は、外側のエンドレスチェーン213,213間に連結されている。
【0042】
図6に示すように、受入位置P1には、前記バケット220,220による物品X…Xの移送経路を挟んで前記受渡搬送装置10に概ね対向する位置に、該受渡搬送装置10から受け渡される物品Xを受ける受け機構230が配設されている。
【0043】
この受け機構230には、本体ケース20a内にブラケット231を介して取り付けられたエアシリンダ232と、該エアシリンダ232の進退するロッドの先端に連結されて、支軸233を中心に回動する受け部材234とが備えられている。
【0044】
これにより、受け部材234は、実線で示す閉鎖時には受渡搬送装置10から受け渡される物品Xに対接してこれを受けてバケット220上にとどめ、一方、二点鎖線で示す開放時には物品Xが通過するに十分な開口を形成して、物品Xが矢印cで示すように移送系外に排出されるようになっている。
【0045】
例えば、下流側に設置された箱詰めテーブル40へのダンボール箱の供給が遅れて物品Xの箱詰めを行なうことができない等には、バケット220への物品集積が一旦禁止されるが、その場合に、前記受け部材234を開いて上流側からの物品Xを一時的に系外に強制排出することができる。
【0046】
また、バケット220への物品集積が禁止されると集積搬送装置20がインターロックされて、上流側の製袋包装機が停止する場合、当該箱詰め装置1への搬送経路上を包装済みの物品Xがすでに搬送されていることがある。さらに、前記搬送経路上にシールチェッカやX線検査装置等の検査装置が設置されている場合には、前記物品Xの搬送を停止することができないことがある。このような場合にも、前記受け機構230を設けたことにより、物品Xの搬送を停止することなく前記検査装置で検査を行なった上で、物品Xをバケット220に集積する代わりに系外に強制排出することができる。
【0047】
図6に示すように、受入位置P1には、前記受渡搬送装置10からバケット220に物品Xをスムーズに受け入れるための受入装置240が備えられている。
【0048】
図10〜図12に示すように、この受入装置240は、前記バケット220を介した搬送経路の上方に配設されており、搬送方向bに平行でバケット220を挟んで両側つまり搬送面に垂直な二面に、それぞれ後端保持部材駆動機構241,241が備えられている。
【0049】
各後端保持部材駆動機構241には、本体フレーム20aに支持されたベースプレート242と、該ベースプレート242に取り付けられて所定形状のカム溝243a,243bが形成されたカム243とが備えられている。また、各後端保持部材駆動機構241には、前記カム溝243a,243b内を矢印d方向に移動する3つのカムフォロア244A,244B,244Cを回転自在に支持する一対のカムフォロアベース245,245が備えられている。
【0050】
各カムフォロアベース245から前記搬送経路の上方にシャフト246が延びており、該シャフト246の前記カムフォロアベース245寄りの箇所に一対のブロック部材247,247が回転自在に組み付けられていると共に、該シャフト246の先端に下部が櫛歯状とされた平板状の後端保持部材248が吊下げ固定されている。
【0051】
図12に示すように、一つのカムフォロアベース245に対して3つ設けられたカムフォロア244A,244B,244Cのうち、2つのカムフォロア244A,244Bは、前記カム溝243a内を移動し、かつ、残りのカムフォロア244Cが所定の箇所に配設された別なるカム溝243b内を移動することにより、移動中のカムフォロアベース245は図例の姿勢に規制され、ひいては後端保持部材248が所定の姿勢つまり垂直姿勢に維持されるようになる。
【0052】
図10及び図11に示すように、前記各ベースプレート242にはモータ249が取り付けられており、該モータ249の駆動力は、タイミングベルト250を介して取付プレート251と前記ベースプレート242との間に回転自在に支持されたシャフト252に伝達されるようになっている。また、該シャフト252に一対のスプロケット253,253が組み付けられている。そして、上方のスプロケット253,253と下方の図示しないガイド部材とにわたり、一対のエンドレスチェーン254,254が巻き掛けられている。なお、後端保持部材駆動機構241につき一対のエンドレスチェーン254,254が備えられているが、これは後端保持部材248,248が組み付けられたシャフト246,246をより安定して支持するためである。
【0053】
その場合、各エンドレスチェーン254は、図11において一点鎖線で示す経路を矢印d方向に循環走行する。すなわち、前記経路は、上方位置では、前方から後方に向かって略円弧状とされ、下方位置では、後方で下方、前方で上方、その間で前方に向かっていずれも略直線状とされている。それに伴い、前記エンドレスチェーン254,254に連結された後端保持部材248,248の下端部は、符号T及び二点鎖線で示す軌跡を描いて移動し、符号Sで示す物品受入可能領域に出没すると共に、前述したバケット220の両端の底板221,221の上部と交差可能である。
【0054】
一対のエンドレスチェーン254,254は、前記ブロック部材247…247を介して前記一対のカムフォロアベース245,245に連結されている。その場合、エンドレスチェーン254,254には、一対のカムフォロアベース245,245がほぼ等間隔に備えられている。すなわち、図13に示すように、この受入装置240では、上端部が符号T′及び二点鎖線で示す軌跡を描いて矢印d方向に移動する4つの後端保持部材248A1,248A2,248B1,248B2が、図例の順番で備えられている。なお、前記後端保持部材248A1,248A2は一方の後端保持部材駆動機構241に、また、前記後端保持部材248B1,248B2は他方の後端保持部材駆動機構241にそれぞれ備えられたものである。
【0055】
排出装置30には、周知の構成のものが適用可能であるので詳述はしないが、図6に示すように、排出位置P2に配設された排出装置30は、前記受入装置240に延設されたバケット220の移動方向bに上方で直交するリニアベアリング310と、該リニアベアリング310に沿って矢印e,f方向に摺動するスライダ320とを有し、該スライダ320に、上下方向(図例において手前側と奥方側)に図示しないロッドが進退するエアシリンダ330を介して正面視コ字状のプッシャ部材340が取り付けられている。
【0056】
すなわち、排出位置P2に集積状態の物品X…Xを移送するバケット220が到達すると、この場合搬送面を跨いで位置したプッシャ部材340が矢印e方向に前進して、一方の壁部240aでバケット220から物品X…Xを一斉に掻き出し、次いでプッシャ部材340は上動、後退、及び下動したのち再び矢印e方向に前進して、今度は他方の壁部340bで前記物品X…Xを前方の箱詰めテーブル40上に載置されたダンボール箱Y方向に押し出して箱詰め工程が行われる。箱詰めが終了すると、プッシャ部材340は上動、後退、下動してホームポジションに戻り、次回の排出に待機する。
【0057】
次に、この箱詰め装置1の作用について説明する。
【0058】
まず、上流側の製袋包装機から受渡搬送装置10の上流端、つまり走行面が水平な第1コンベア110と走行面が垂直な第2コンベア120と走行面が傾斜した第3コンベア130とで構成された箇所に、比較的偏平な物品Xが水平姿勢で供給されると、図14(a)に示すように、物品Xの一側部(図例において左側)は下方の第1コンベア110の走行面によって支持されつつ、他側部(同じく右側)は前記第1コンベア110の走行面近傍で第3コンベア130の傾斜した走行面に接触する。また、第3コンベア130の走行面は上方に向かい、かつ第2コンベア120の走行面に接近するため、物品Xは第2コンベア120の走行面方向に寄せられると共に水平姿勢から次第に起立姿勢に変換されるようになる。
【0059】
そして、図14(b)に示すように、この受渡搬送装置10の下流端に近づくにつれて、第3コンベア130の走行面はさらに上方に向かい、かつ第2コンベア120の走行面にさらに接近するため、物品Xは第3コンベア130の走行面によって前記他側部ないし偏平面の一部を介してさらに第2コンベア120の走行面方向に寄せられると共に矢印で示すように回転されてさらに起立するようになり、下流端では第2及び第3コンベア120,130の走行面に挟持されて、第1コンベア110の走行面上で起立姿勢とされる。
【0060】
前段部で起立姿勢とされた物品Xは、後段部に設けられた走行面が水平な第4コンベア140と走行面が垂直な第5及び第6コンベア150,160とに支持されて一層確実に起立姿勢の状態で、下流側の集積搬送装置20に受け渡される。
【0061】
受入位置P1では、図15に示すように、一例としてバケット220上にすでに4つの物品X1〜X4が起立姿勢で集積されており、その最後端つまり物品X4の背後の上部を、上端部が符号T′で示す軌跡を描いて移動する後端保持部材248A1が保持している。これに後続する後端保持部材248B1は前記後端保持部材248A1の後側に位置し、両後端保持部材248A1,248B1によって物品受入可能領域Sより狭い受入空間S′を形成しており、新たな物品X5の受け入れに待機している。そして、残りの2つの後端保持部材248A2,248B2は、前記軌跡T′上の所定箇所に位置している。
【0062】
次いで、あらたな物品X5が起立姿勢で受入空間S′に突入すると、図16に示すように、一対の後端保持部材248B1,248B2が軌跡T′上をそれぞれ矢印方向に移動する。すなわち、先行する後端保持部材248B1は軌跡T′の下方位置を直線状に若干前進して、バケット220上の前記物品X5をすでに集積されている物品X1〜X4方向に密着するように寄せる。一方、後続の後端保持部材248B2は軌跡T′の上方位置を略円弧状に若干移動する。なお、残りの一対の後端保持部材248A1,248A2は、現状を維持する。
【0063】
次いで、図17に示すように、後端保持部材248B1がバケット220上の物品X1〜X5の最後端つまり物品X5の背後を保持すると同時に、後端保持部材248A1は軌跡T′上を矢印で示すように略直線状に上動して物品X4の背後から退避すると共に、後端保持部材248A2は矢印で示すように略直線状に下動して前記受入空間S′を形成する所定の箇所に向かおうとする。
【0064】
そして、図18に示すように、バケット220は矢印b方向に所定ピッチだけ移動すると共に、集積された物品X1〜X5の最後端を保持している後端保持部材248B1は矢印で示すように若干前進かつ上動して物品X5の背後の上部を保持するようになる。一方、後続する後端保持部材248A2は矢印で示すようにさらに下動かつ前進して、両後端保持部材248A2,248B1によって再び受入空間S′を形成し、さらに新たな物品X6の受け入れに待機する。なお、後端保持部材248A1,248B2は、前記後端保持部材248A2,248B1に連動して軌跡T′上をそれぞれ矢印で示すように移動する。
【0065】
受入装置240ではこのような動作が繰り返されて、上流側の受渡搬送装置10からの物品Xが順次起立姿勢でバケット220に受け入れられる。そして、バケット220上に所定の12個の物品X…Xが集積されると、エンドレスチェーン213,213が一斉に走行して前記バケット220を受入位置P1から排出位置P2に移送する。
【0066】
そして、排出位置P2に所定個数の物品X…Xを集積したバケット220が移送されると、排出装置30が駆動されて、プッシャ部材340によって排出された前記物品X…Xは、箱詰めテーブル40においてダンボール箱Yに箱詰めされる。
【0067】
その場合に、受入装置240の一対2組のエンドレスチェーン254…254を各組ごとに独立に駆動することにより、図15〜図18に示したように、各組のエンドレスチェーン254,254に備えられた後端保持部材248,248でバケット220に保持された物品X…Xの最後端を各組で交互に入れ替わって保持することが可能となり、物品Xの受け入れを高速化することができる。
【0068】
しかも、各組の後端保持部材248,248をエンドレスチェーン254,254を介して1つのモータ249で駆動するので、各後端保持部材に対して2つの駆動手段を必要とした従来のものに比較すると、少ない駆動手段で物品Xの受け入れを高速化することができ、もって安価化や駆動制御の単純化を図ることができる。
【0069】
次に、カム溝243a,243bとカムフォロア244A,244B,244Cとを備え、かつ、カムフォロア244A,244B,244Cをエンドレスチェーン254に連結したので、受入装置240におけるエンドレスチェーン254の循環走行が安定化される。その場合、カム溝243a,243bとカムフォロア244A,244B,244Cという比較的単純な構成であるので、コストの高騰を招くことはない。
【0070】
そして、図12に示したように、カム溝243a,243bとカムフォロア244A,244B,244Cとの組合せにより、エンドレスチェーン254に取り付けられて移動中の後端保持部材248を垂直姿勢に維持することが可能となるので、後端保持部材248がばたついて周辺の部材に干渉することがなく、安定した移動が確保される。さらに、バケット220に保持された物品X…Xの最後端は垂直姿勢の後端保持部材248で保持されることになるので、物品X…Xの最後端をより確実に起立姿勢で保持することが可能となる。
【0071】
また、バケット220に保持された物品X…Xの最後端を保持する後端保持部材248…248を合計4つ備えているので、従来の後端保持部材を2つ備えたものに比較して受入速度の倍増が可能となり、もってさらなる高速化が実現される。その上で、各エンドレスチェーン254,254において一対の後端保持部材248,248をほぼ等間隔に備えたので、等間隔に備えない場合に比較して後端保持部材248,248の動作制御が単純化される。なお、後端保持部材248…248の数が4つでも2つでも、モータ249,249は2つで済むことは、図10の記載から明らかである。
【0072】
また、エンドレスチェーン254ひいては後端保持部材248の走行経路の形状を軌跡T,T′のように具体化し、上方位置では、後端保持部材248が略円弧状に移動する区間を設けているので、従来のように直線状に上動、後退、下動する場合に比較して、後端保持部材248の移動は高速化される。さらに、後端保持部材248の移動は滑らかとなり、ばたつきが一層防止されて、周辺の部材への干渉がさらに防止される。
【0073】
一方、下方位置では、後端保持部材248が略直線状に移動する区間を設けているので、図16及び図17に示したように、一つの後端保持部材248は略直線状に上方に退避すると共に他の後端保持部材248は略直線的に前進することにより、バケット220に保持された物品X…Xの最後端の保持を両後端保持部材248,248間で迅速かつ干渉することなく交替して行なうことができる。
【0074】
また、一つの後端保持部材248が、物品X…Xの最後端を保持している状態から、他の後端保持部材248の前進に呼応して上方に退避するとき、少し上動することによって後端保持部材248,248同士の干渉が回避される。ひるがえると、後側の後端保持部材248が接近するぎりぎりまで前側の後端保持部材248で物品X…Xの最後端を保持することができるので、交替時にバケット220に保持された物品X…Xの姿勢が崩れることはない。
【0075】
そして、前述した特徴を有する集積搬送装置20が備えられているので、少ない駆動手段で高速化が可能な箱詰め装置1が実現される。
【0076】
なお、前記実施の形態に加えて、受渡搬送装置10と集積搬送装置20における受け機構230とを連動させることにより、袋詰め物品Xのシールチェックを行なってもよい。すなわち、受渡搬送装置10の後段部の第5コンベア150と平行リンク機構163が備えられた第6コンベア160とで物品Xを挟持した場合に、第6コンベア160に作用する物品Xからの押圧反力を検出し、該押圧反力に基づいてシール不良と判定した場合には、受け機構230を駆動して受け部材234を開き、当該物品Xを移送系外に強制排出することができる。
【0077】
また、前記開閉式の受け部材234に代えて、図19に示すように、固定式の受け部材234′を使用してもよい。ところで、このような受け部材234′の場合に、上流側の受渡搬送装置10から矢印a方向に突入する物品Xが前記受け部材234′との対接後に反動で受渡搬送装置10側に後退し、バケット220に集積された各物品Xの受け部材234′側の位置がばらつくことがあると、バケット220の矢印b方向への間欠移動時に振動によって一部の物品Xが二点鎖線で示すようにさらに後退して突出し、搬送姿勢が乱れたり、極端な場合にはバケット220から脱落する可能性がある。
【0078】
そのような場合には、バケット220の物品突入前方側の高さを低くすることにより、問題を解消することができる。すなわち、例えば図20に示すように、バケット220′の底板221′とエンドレスチェーン213,213とを連結する突入前方側(図例では右側)のスペーサ222′の高さを突入後方側(同じく左側)のスペーサ222″に比較して若干低くすればよい。あるいは、バケット220′を牽引する突入前方側のエンドレスチェーン213の配設高さを突入後方側のエンドレスチェーン213に比較して若干低くしてもよい。
【0079】
これにより、図21に示すように、前記バケット220′の突入前方側の高さが低く設定されているので、受渡搬送装置10から矢印a方向に突入する物品Xが前記受け部材234′との対接後に反動で受渡搬送装置10側に後退しにくくなり、また、仮に後退しようとする物品Xがあったとしても、矢印b方向への間欠搬送中の振動によって突入後の集積された各物品Xの前方位置は突入前方側に揃って安定するようになり、前述した現象の懸念が解消されるようになる。
【0080】
そして、前記間欠駆動中に、前記受け部材234′とバケット220,220′に集積された物品X…Xの突入前方側との摩擦が懸念される場合には、例えば固定式の受け部材234′に代えてコンベア式のものを使用してもよい。これにより、前記摩擦の問題が解消されて、一層円滑な物品搬送が実現されるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、受入位置で比較的偏平な物品を起立姿勢で受け入れ、所定個数に達した物品を集積状態で排出位置に搬送する場合に、少ない駆動手段で物品の受け入れを高速化することができる搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置が提供される。すなわち、本発明は、上流側の受入位置で受け入れた比較的偏平な物品を、起立姿勢を保持しながら集積状態で下流側の排出位置に搬送する搬送装置及びそれを備えた箱詰め装置に関し、物品処理の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係る箱詰め装置の概略側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】受渡搬送装置の平面図である。
【図4】図3のII方向からの矢視図である。
【図5】第1コンベアの平ベルトの構造を示す図である。
【図6】集積搬送装置及び排出装置の平面図である。
【図7】バケットの平面図である。
【図8】図7のIII−III線による矢視図である。
【図9】図7のIV方向からの矢視図である。
【図10】受入装置の正面図である。
【図11】図10のVI−VI線による矢視図である。
【図12】カムフォロアの移動経路と後端保持部材の姿勢制御を説明するための要部抜粋図である。
【図13】後端保持部材の配設状態を示す幾分模式的な図である。
【図14】受渡搬送装置における物品の起立動作を説明するための幾分模式的な図であって、(a)は上流端近傍、(b)は下流端近傍における様子を示す。
【図15】受入装置の動作を端的に説明するための図であって、新たな物品の受け入れに待機している状態を示す。
【図16】同じく、新たな物品を受け入れて前方に寄せている状態を示す。
【図17】同じく、さらに新たな物品を受け入れるための準備に差し掛かりつつある状態を示す。
【図18】同じく、さらに新たな物品を受け入れる準備が整いつつある状態を示す。
【図19】固定式の受け部材を使用した場合の要部平面図である。
【図20】物品の突入前方側に傾斜したバケットの構成を説明するための図9に対応する図である。
【図21】固定式の受け部材における問題を解消したバケットの作用を説明するための図19に対応する図である。
【図22】従来の受入装置の側面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 箱詰め装置
20 集積搬送装置(搬送装置)
213 エンドレスチェーン(搬送手段側巻掛伝動部材)
220 バケット(保持手段)
240 受入装置(受入手段)
243 カム(プレート部材)
243a,243b カム溝
244A,244B,244C カムフォロア
248(248A1,248A2,248B1,248B2) 後端保持部材
249 モータ(駆動手段)
254 エンドレスチェーン(受入手段側巻掛伝動部材)
P1 受入位置
P2 排出位置
S′ 受入空間
X 物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻掛伝動部材が所定経路を循環走行する構成とされた搬送手段と、前記搬送手段に連結されて一群の物品を保持しながら所定の受入位置から排出位置に移送する保持手段と、前記所定経路外から該保持手段に物品を受け入れる受入手段とを有する搬送装置であって、前記受入手段には、前記搬送手段の上方の両側部において、前記搬送手段の搬送方向に平行で搬送面に垂直な二面上でそれぞれ循環走行するように設けられた一対の巻掛伝動部材と、前記巻掛伝動部材に取り付けられて前記二面上でそれぞれ所定の軌跡を移動する少なくとも2つの後端保持部材とが備えられており、かつ、一つの後端保持部材が受入位置の前側に位置すると共に他の後端保持部材が後側に位置することによって物品の受入空間が形成され、その状態で前記受入空間に物品が供給されると、前記後側の後端保持部材が前進して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に前側の後端保持部材が上方に退避し、次の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって再び受入空間が形成されるように、前記一対の巻掛伝動部材をそれぞれ駆動する駆動手段が備えられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記受入手段には、前記各巻掛伝動部材の走行経路に平行に設けられたカム溝を有するプレート部材と、前記カム溝内を移動するカムフォロアとが備えられ、かつ、前記カムフォロアは、前記巻掛伝動部材に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記受入手段の各巻掛伝動部材には、一対の後端保持部材がほぼ等間隔に備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記受入手段の各巻掛伝動部材が循環走行する経路は、上方位置では、前方から後方に向かって略円弧状とされ、下方位置では、後方で下方、前方で上方、その間で前方に向かっていずれも略直線状とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記後端保持部材の一つが、前記受入位置の前側に位置して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に他の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって物品の受入空間が形成されているときは、前記前側の後端保持部材は、前記保持手段に保持された物品の最後端の上部を保持することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
受入位置で順次受け入れた物品を一群の状態で搬送したのち排出位置で排出して箱詰めする箱詰め装置であって、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の搬送装置が備えられていることを特徴とする箱詰め装置。
【請求項1】
巻掛伝動部材が所定経路を循環走行する構成とされた搬送手段と、前記搬送手段に連結されて一群の物品を保持しながら所定の受入位置から排出位置に移送する保持手段と、前記所定経路外から該保持手段に物品を受け入れる受入手段とを有する搬送装置であって、前記受入手段には、前記搬送手段の上方の両側部において、前記搬送手段の搬送方向に平行で搬送面に垂直な二面上でそれぞれ循環走行するように設けられた一対の巻掛伝動部材と、前記巻掛伝動部材に取り付けられて前記二面上でそれぞれ所定の軌跡を移動する少なくとも2つの後端保持部材とが備えられており、かつ、一つの後端保持部材が受入位置の前側に位置すると共に他の後端保持部材が後側に位置することによって物品の受入空間が形成され、その状態で前記受入空間に物品が供給されると、前記後側の後端保持部材が前進して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に前側の後端保持部材が上方に退避し、次の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって再び受入空間が形成されるように、前記一対の巻掛伝動部材をそれぞれ駆動する駆動手段が備えられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記受入手段には、前記各巻掛伝動部材の走行経路に平行に設けられたカム溝を有するプレート部材と、前記カム溝内を移動するカムフォロアとが備えられ、かつ、前記カムフォロアは、前記巻掛伝動部材に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記受入手段の各巻掛伝動部材には、一対の後端保持部材がほぼ等間隔に備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記受入手段の各巻掛伝動部材が循環走行する経路は、上方位置では、前方から後方に向かって略円弧状とされ、下方位置では、後方で下方、前方で上方、その間で前方に向かっていずれも略直線状とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記後端保持部材の一つが、前記受入位置の前側に位置して前記保持手段に保持された物品の最後端を保持すると共に他の後端保持部材が前記受入位置の後側に位置することによって物品の受入空間が形成されているときは、前記前側の後端保持部材は、前記保持手段に保持された物品の最後端の上部を保持することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
受入位置で順次受け入れた物品を一群の状態で搬送したのち排出位置で排出して箱詰めする箱詰め装置であって、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の搬送装置が備えられていることを特徴とする箱詰め装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−137456(P2006−137456A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328487(P2004−328487)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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