説明

搬送車用駆動装置、およびこの駆動装置を備えた搬送装置

【課題】物品搬送用の搬送車を、この搬送車に固着した駆動装置の駆動により所望位置にまで移動可能にさせる場合に、搬送車に比較して駆動装置の数量を少なくさせることにより、駆動装置の効率的活用と設備投資額の軽減を図り、かつ、各搬送車と駆動装置とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにできるようにする。
【解決手段】駆動装置5は、物品3搬送用の搬送車4を路面2に沿って移動させるよう駆動する。駆動装置5は、搬送車4の後部に着脱可能とされる駆動ユニット46と、駆動ユニット46とは別体に設けられ、搬送車4の前部側に固着されて路面2上を歩行するオペレータAにより把持可能とされるハンドル49と、このハンドル49の近傍に配置され、オペレータAの操作により、駆動ユニット46の駆動状態を可変とするスイッチ装置103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品を収納、取り出し可能とする搬送車を所望位置にまで移動させるよう駆動するようにした搬送車用駆動装置、およびこの駆動装置を備えた搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記搬送装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報の搬送装置は、所謂ピッキング台車と呼ばれるもので、オペレータの「運転」により物流センター内を移動可能とされている。この物流センターには、多くの物品を種類別に保管する物品棚群が設けられている。
【0003】
上記搬送装置は、物品搬送用の搬送車と、この搬送車を路面に沿って移動させるよう駆動する駆動装置とを備えている。また、この駆動装置は、上記搬送車の後部に一体的に固着されて駆動力を出力する駆動ユニットと、上記搬送車の後部に一体的に固着され、上記駆動装置の後方域で路面上を歩行するオペレータにより把持可能とされるハンドルとを備えている。
【0004】
そして、オペレータによる上記搬送装置の「運転」によって、この搬送装置を移動させようとするときには、まず、オペレータは上記搬送装置の後方域に移動する。次に、上記駆動装置の駆動ユニットを駆動させて搬送車を移動させると共に、オペレータが上記ハンドルを把持して上記搬送車を操向操作する。
【0005】
上記物流センターにおいての搬送装置による作業は、例えば、次のようになされる。即ち、注文先からの注文に応じて、上記物品棚群の中からその注文物品を注文数だけ注文先別に抽出し、これらを上記搬送装置に収納する。次に、この搬送装置を次工程の梱包部所へ移動し、この搬送装置から上記注文物品を取り出して梱包する。
【特許文献1】特開2003−212319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の技術には、次のような問題点がある。
【0007】
第1に、上記搬送装置による作業をより具体的に説明すると、これは、従来、一般的に次のようなものである。即ち、予め、多数の搬送装置が待機した待機位置から複数のオペレータが、適宜、所望の搬送装置を「運転」して、まず、この搬送装置への物品の収納を行い、次に、次工程の梱包部所へ移動して、搬送装置ごと梱包部所へ引き渡す。次に、オペレータは再び初期の待機位置に戻り、そこに待機している他の搬送装置を「運転」して、この搬送装置への収納作業や梱包部所への搬送装置の移動作業を繰り返す。
【0008】
一方、上記梱包部所に引き渡された搬送装置は、この梱包部所での物品の取出しが済むまで待機させられる。そして、この取り出しが済むと、再び初期の待機位置に戻される。
【0009】
ここで、上記した梱包部所での待機中の搬送装置には駆動装置は本来不要である。しかし、上記従来の技術では、これら各搬送装置の搬送車には、それぞれ取り外し不能な状態で駆動装置が固着されている。このため、待機中の搬送装置は無用な駆動装置を備えることとなって、非効率であるし、設備投資額も増大してしまう。また、この搬送装置の占有空間が無用に大型になるという不都合もある。
【0010】
第2に、上記搬送車への物品の収容、取り出し時に、オペレータにより物品が移動させられる方向は、上記搬送車の幅方向に向かうこととされている。このため、オペレータにより上記搬送車へ物品を収容させたり、この搬送車から物品を取り出したりするという物品の「取り扱い作業」は、上記搬送車の外側方域に位置する路面上のオペレータによってなされる。一方、上記搬送装置の「運転」時に、この搬送装置のハンドルを操作することが要求されるオペレータは、前記したように、搬送装置の後方域に位置している。
【0011】
このため、上記物品の「取り扱い作業」をすることと、搬送装置の「運転」をすることとを繰り返す作業をする場合には、上記オペレータは上記搬送装置の搬送車の外側方域と搬送装置の後方域とを頻繁に往き来する必要が生じ、よって、上記オペレータによる上記各作業は極めて煩雑になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、物品搬送用の搬送車を、この搬送車に固着した駆動装置の駆動により所望位置にまで移動可能にさせる場合に、上記搬送車に比較して駆動装置の数量を少なくさせることにより、駆動装置の効率的活用と設備投資額の軽減を図り、かつ、各搬送車と駆動装置とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにできるようにすることである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、オペレータにより搬送車へ物品を収容させたり、この搬送車から物品を取り出したりするという物品の「取り扱い作業」をすることと、オペレータにより搬送装置の「運転」をすることとを繰り返す場合に、上記オペレータによる上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業が容易にできるようにすることである。
【0014】
請求項1の発明は、物品3搬送用の搬送車4を路面2に沿って移動させるよう駆動する搬送車用駆動装置において、
上記搬送車4の後部に着脱可能とされる駆動ユニット46と、この駆動ユニット46とは別体に設けられ、上記搬送車4の前部側に固着されて路面2上を歩行するオペレータAにより把持可能とされるハンドル49と、このハンドル49の近傍に配置され、上記オペレータAの操作により、上記駆動ユニット46の駆動状態を可変とするスイッチ装置103とを備えた搬送車用駆動装置である。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記搬送車4が、前、後車輪13,14を備えて路面2に沿って移動可能な台車8と、この台車8に支持されて物品3を収納可能とする収納台9とを備え、上記搬送車4の後部に上記駆動ユニット46を固着させたとき、上記後車輪14が路面2から上方に離脱するようにしたものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の発明に加えて、上記駆動ユニット46が、基体57と、この基体57に取り付けられてこの基体57を路面2上に支持する左、右車輪61と、これら車輪61を回転駆動させる駆動体62と、上記基体57から上方に向けて突設されるユニットハンドル68と、上記基体57から前方に向かい突出して上記搬送車4の後部に着脱可能とされる固着部75と、上記基体57から後方に向けて突出し、オペレータAにより踏動可能とされる踏押部87とを備え、上記固着部75を上記搬送車4の後部に係合させながら、上記ユニットハンドル68と踏押部87とを操作して上記基体57側を中心として上記固着部75を上方回動Gさせたとき、この固着部75に上記搬送車4の後部が持ち上げられて上記後車輪14が路面2から離脱すると共に、上記搬送車4の後部に上記固着部75が固着されて、上記搬送車4の後部に上記駆動ユニット46が固着されるようにしたものである。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記搬送車4に対する物品3の収納、取り出し時のこの物品3の移動方向Wを搬送車4の幅方向とし、上記ハンドル49が上記搬送車4の外側方に向かって突出するようにしたものである。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つの発明に加えて、上記搬送車4に対し、上記ハンドル49とスイッチ装置103とを着脱可能にしたものである。
【0019】
請求項6の発明は、特に、図10に例示するように、請求項3の発明に加えて、上記搬送車4から離脱させた駆動ユニット46の左、右車輪61と踏押部87とを路面2に当接させることにより、上記駆動ユニット46を路面2上に自立可能にしたものである。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1に記載の駆動装置5と搬送車4とを備えた搬送装置である。
【0021】
請求項8の発明は、請求項7の発明に加えて、上記搬送車4に対し、上記ハンドル49とスイッチ装置103とを着脱可能にし、上記駆動ユニット46側と、上記ハンドル49およびスイッチ装置103側とを連結するケーブル109,114を設け、このケーブル109,114を上記搬送車4の上面にその上方から掛止、離脱可能となるようこの搬送車4を形成したものである。
【0022】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0023】
本発明による効果は、次の如くである。
【0024】
請求項1の発明は、物品搬送用の搬送車を路面に沿って移動させるよう駆動する搬送車用駆動装置において、
上記搬送車の後部に着脱可能とされる駆動ユニットと、この駆動ユニットとは別体に設けられ、上記搬送車の前部側に固着されて路面上を歩行するオペレータにより把持可能とされるハンドルと、このハンドルの近傍に配置され、上記オペレータの操作により、上記駆動ユニットの駆動状態を可変とするスイッチ装置とを備えている。
【0025】
このため、路面上を歩行するオペレータがハンドルを把持してスイッチ装置を操作することにより、搬送車に固着した駆動装置を駆動させて上記搬送車を所望位置にまで移動させる場合において、複数の搬送車のうち、正に移動させようとする搬送車に対し上記駆動装置を着脱可能に固着させることにより、上記搬送車を所望位置に移動させることができる。
【0026】
よって、複数の搬送車に対し駆動装置を兼用させることができ、その分、上記搬送車に比較して駆動装置の数量を少なくできる。この結果、上記駆動装置の効率的活用と設備投資額の軽減とを図ることができ、かつ、上記のように駆動装置が少なくて足りる分、各搬送車と駆動装置とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにすることができる。
【0027】
請求項2の発明は、上記搬送車が、前、後車輪を備えて路面に沿って移動可能な台車と、この台車に支持されて物品を収納可能とする収納台とを備え、上記搬送車の後部に上記駆動ユニットを固着させたとき、上記後車輪が路面から上方に離脱するようにしている。
【0028】
このため、上記搬送車の後部に駆動装置の駆動ユニットを固着させたとき、これら搬送車と駆動装置とにより構成される搬送装置は、上記搬送車の前車輪と駆動ユニットとにより路面上に支持される。よって、上記後車輪に邪魔されることなく、上記駆動ユニットの駆動力が路面側に伝達される。このため、上記駆動ユニットの駆動により、上記搬送車は路面に沿ってより確実に、かつ、安定して所望位置にまで移動させられる。
【0029】
請求項3の発明は、上記駆動ユニットが、基体と、この基体に取り付けられてこの基体を路面上に支持する左、右車輪と、これら車輪を回転駆動させる駆動体と、上記基体から上方に向けて突設されるユニットハンドルと、上記基体から前方に向かい突出して上記搬送車の後部に着脱可能とされる固着部と、上記基体から後方に向けて突出し、オペレータにより踏動可能とされる踏押部とを備え、上記固着部を上記搬送車の後部に係合させながら、上記ユニットハンドルと踏押部とを操作して上記基体側を中心として上記固着部を上方回動させたとき、この固着部に上記搬送車の後部が持ち上げられて上記後車輪が路面から離脱すると共に、上記搬送車の後部に上記固着部が固着されて、上記搬送車の後部に上記駆動ユニットが固着されるようにしている。
【0030】
このため、上記搬送車の後部に上記駆動ユニットを固着させる固着作業をする場合には、まず、この駆動ユニットの後方域で、ユニットハンドルを把持すると共に、上記踏押部を踏む。次に、上記固着部を搬送車の後部に係合させながら、上記ユニットハンドルを後方回動させ、かつ、上記踏押部を踏み込む。そして、上記基体側を中心として上記固着部を上方回動させる。すると、この固着部の上方回動に伴い上記後車輪が路面から離脱すると共に、上記搬送車の後部に駆動ユニットが固着される。
【0031】
よって、上記搬送車の後部への駆動ユニットの固着作業は、オペレータが手と足とを用いることにより、ワンタッチ式にでき、この固着作業は容易にできる。つまり、上記駆動装置の効率的活用と設備投資額の軽減を図り、かつ、各搬送車と駆動装置とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにできるものでありながら、上記搬送車に固着した駆動装置の駆動により、物品の搬送作業が容易にできる。
【0032】
請求項4の発明は、上記搬送車に対する物品の収納、取り出し時のこの物品の移動方向を搬送車の幅方向とし、上記ハンドルが上記搬送車の外側方に向かって突出するようにしている。
【0033】
このため、オペレータにより上記搬送車へ物品を収容させたり、この搬送車から物品を取り出したりするという物品の「取り扱い作業」は、上記搬送車の外側方域に位置する路面上のオペレータによってなされる。一方、上記搬送車と駆動装置とによる搬送装置の「運転」時におけるオペレータも、上記搬送車の外側方域に位置する路面上のオペレータによってなされる。
【0034】
よって、上記物品の「取り扱い作業」をすることと、搬送装置の「運転」をすることとを繰り返す場合でも、上記オペレータは上記搬送装置の搬送車の外側方域において上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業を共にすることができる。この結果、オペレータAが搬送装置の搬送車の外側方域と搬送装置の後方域とを頻繁に往き来する必要があった従来の技術に比べて、上記オペレータによる上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業は、極めて容易にできる。つまり、上記物品の搬送作業が、より容易にできる。
【0035】
請求項5の発明は、上記搬送車に対し、上記ハンドルとスイッチ装置とを着脱可能にしている。
【0036】
このため、路面上を歩行するオペレータがハンドルを把持してスイッチ装置を操作することにより、搬送車に固着した駆動装置を駆動させて上記搬送車を所望位置にまで移動させる場合において、複数の搬送車のうち、正に移動させようとする搬送車に対し上記ハンドルとスイッチ装置とを着脱可能に固着させることにより、上記搬送車を所望位置に移動させることができる。
【0037】
よって、複数搬送車に対しハンドルやスイッチ装置を兼用させることができ、その分、上記搬送車に比較してハンドルやスイッチ装置の数量を少なくできる。この結果、上記ハンドルやスイッチ装置の効率的な活用と設備投資額の軽減とを図ることができる。
【0038】
特に、上記搬送車に固着されたハンドルは、上記搬送車から外方に突出しがちであるため、上記ハンドルを使用しない場合には、このハンドルを搬送車から離脱させてやれば、この搬送車周りの作業空間においてハンドルが邪魔になるということが防止されて、作業上有益である。
【0039】
請求項6の発明は、上記搬送車から離脱させた駆動ユニットの左、右車輪と踏押部とを路面に当接させることにより、上記駆動ユニットを路面上に自立可能にしている。
【0040】
このため、上記駆動ユニットの不使用時には、この駆動ユニットを路面2上に自立させることにより、この駆動ユニットをコンパクトに収納させることができる。よって、この点でも、上記複数の搬送車と駆動装置とを備える搬送設備を、よりコンパクトにできる。
【0041】
請求項7の発明は、請求項1に記載の駆動装置と搬送車とを備えたという搬送装置であって、請求項1と同様の効果が生じる。
【0042】
請求項8の発明は、上記搬送車に対し、上記ハンドルとスイッチ装置とを着脱可能にし、上記駆動ユニット側と、上記ハンドルおよびスイッチ装置側とを連結するケーブルを設け、このケーブルを上記搬送車の上面にその上方から掛止、離脱可能となるようこの搬送車を形成している。
【0043】
ここで、上記搬送車に固着される駆動ユニットとハンドルおよびスイッチ装置とは互いに離れていて、これら駆動ユニット側とハンドルおよびスイッチ装置側とを互いに連結するケーブルは、物品の「取り扱い作業」や搬送装置の「運転」という各作業の邪魔になるおそれが生じる。
【0044】
そこで、上記のように搬送車を利用して、この搬送車の上面にケーブルを掛止させたのであり、このため、このケーブルは簡単な構成により、上記搬送車の上面の所定位置に保持される。
【0045】
また、上記搬送車への物品の収納、取り出し時の物品の移動方向が上記搬送車の幅方向である場合には、この物品の移動に対し上記搬送車の上面に掛止されケーブルが干渉する、ということは防止される。よって、上記ケーブルが上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業の邪魔になることが防止されて、これら各作業が更に容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の搬送車用駆動装置に関し物品搬送用の搬送車を、この搬送車に固着した駆動装置の駆動により所望位置にまで移動可能にさせる場合に、上記搬送車に比較して駆動装置の数量を少なくさせることにより、駆動装置の効率的活用と設備投資額の軽減を図り、かつ、各搬送車と駆動装置とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0047】
即ち、物品搬送用の搬送車を路面に沿って移動させるよう駆動する搬送車用駆動装置において、この駆動装置は、上記搬送車の後部に着脱可能とされる駆動ユニットと、この駆動ユニットとは別体に設けられ、上記搬送車の前部側に固着されて路面上を歩行するオペレータにより把持可能とされるハンドルと、このハンドルの近傍に配置され、上記オペレータの操作により、上記駆動ユニットの駆動状態を可変とするスイッチ装置とを備えている。
【実施例】
【0048】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0049】
図1−6において、符号1は搬送装置であり、矢印Frはこの搬送装置1の進行方向の前方を示している。なお、下記する左右とは、上記前方Frに向かっての搬送装置1の幅方向をいうものとする。
【0050】
上記搬送装置1は、水平かつ平坦に延びる路面2に沿って任意の方向に移動可能とされる物品3搬送用の搬送車4と、この搬送車4を上記路面2に沿って移動させるよう駆動する駆動装置5とを備えている。上記物品3は、機械、電子などの完成品や部品、薬品、食品などいずれの種類のものであってもよい。
【0051】
上記搬送車4は、上記路面2に沿って移動可能な台車8と、この台車8に支持され、オペレータAの手作業により物品3を収納(図1−5中、実線、二点鎖線)、取り出し(図5中、一点鎖線)可能とする収納台9とを備えている。これら台車8と収納台9とは、搬送車4の幅方向(左右方向)の中央を通る仮想鉛直面10を基準として左右対称形状とされている。
【0052】
上記台車8は、円形パイプ材を枠組みすることにより形成された車台12と、この車台12の前、後端部における各下面側に取り付けられるそれぞれ左右一対の前、後車輪13,14と、これら車輪13,14を前方かつ左右の各外側方から覆って上記車台12の外縁部に支持される樹脂製のプロテクトカバー15とを備えている。上記車台12は、上記各車輪13,14によって路面2上に支持可能とされている。そして、この路面2に対する上記各車輪13,14の転動により、上記搬送車4は、それ自体で所望方向に移動可能とされる。
【0053】
より具体的には、上記車台12は、搬送装置1の平面視で、前後方向に長い長方形の枠構造となるよう形成される外枠体17と、前後方向に水平に長く延び、この外枠体17を構成する前、後部材18,19に架設される複数(4本)の水平材20とを備えている。上記前、後車輪13,14はそれぞれキャスターとされている。これら前、後車輪13,14の各基部は上記水平材20の2本に跨って強固に取り付けられている。図2において、上記各車輪13,14周りに図示した一点鎖線は、キャスターの回動軌跡を示している。上記各プロテクトカバー15は上記外枠体17に支持されている。
【0054】
上記収納台9は、不図示の種々のジョイントを用いて直線的な円形パイプ材を互いに結合することにより枠組構造となるよう形成されている。即ち、上記収納台9は、上記車台12の前、後部材18,19からそれぞれ上方に向かって突設されるそれぞれ左右一対の前、後柱材23,24と、上記車台12の左右水平材20の長手方向の中途部からそれぞれ上方に向かって突設されるそれぞれ左右一対の前、後中間柱材25,26と、前後方向に延びて、左側の前、後柱材23,24、および各中間部材25,26の各上端部を互いに結合させる左結合材27と、前後方向に延びて、右側の前、後柱材23,24、および各中間部材25,26の各上端部を互いに結合させる右結合材28とを備えている。
【0055】
また、上記収納台9は、左側の前、後柱材23,24、および各中間部材25,26の各上端部と右側のそれとをそれぞれ互いに結合させる複数(4本)のクロスメンバ29と、左側の前、後柱材23,24、および各中間部材25,26の長手方向の中途部と右側のそれとをそれぞれ互いに結合させる上下方向で複数(3本)の第1−第3クロスメンバ30−32と、前後方向で隣り合う第1クロスメンバ30同士、第2クロスメンバ31同士、および第3クロスメンバ32同士に架設され、その上面に上記物品3を載置可能とする載置棚33とを備えている。
【0056】
上記車台12の上面と、左、右結合材27,28および各クロスメンバ29と、各載置棚33とは上下方向でほぼ等ピッチに配置され、上記車台12の上面にも上記物品3が載置可能とされている。上記車台12や各載置棚33上への物品3の載置、取り出し時のこの物品3の移動方向Wは、上記搬送車4の平面視で、その幅方向とされている。また、この移動方向Wでの物品3の移動は、上記搬送車4の内部側と、この搬送車4の左右各外側方域との間でそれぞれ可能とされている。
【0057】
上記各載置棚33は、前後方向かつ水平方向に延び、その各端部側が上記第1−第3クロスメンバ30−32のそれぞれ長手方向の中央部に結合される第1水平バー35と、これら各第1水平バー35にほぼ直交する方向かつ水平方向(搬送車4の幅方向)に向かってこの第1水平バー35のそれぞれ長手方向の中央部から突出する左右一対の第2水平バー36と、これら各第2水平バー36の突出端部に形成される径大の鍔部37とを備えている。上記各載置棚33は、上記第1−第3クロスメンバ30−32と各柱材23−26とを介し台車8に支持されている。上記第1、第2水平バー35,36の各上面は一つの仮想水平面上に位置している。つまり、上記各載置棚33は、その平面視で、上記第1、第2水平バー35,36によりほぼ十字形状とされている。
【0058】
特に、図4−6において、上記各第1クロスメンバ30の長手方向の中途部には、それぞれ左右一対のストッパー38が上方に向けて突設されている。これら各ストッパー38は、第2クロスメンバ31と第3クロスメンバ32とにもそれぞれ突設されている。なお、他図には、上記ストッパー38は図示していない。
【0059】
上記収納台9は、物品3を出し入れ可能に収納する収納箱39を備えている。この収納箱39は、上記載置棚33の第1、第2水平バー35,36に跨るように載置可能とされ、上方に向かって開口する底が浅い基箱40と、この基箱40内に若干の隙間をあけて収納され、上記物品3を収納する複数(2つ)の小分け箱(bin)41とを備えている。
【0060】
上記第1水平バー35の長手方向(前後方向)において互いに隣り合う上記両柱材23−26の間、および互いに隣り合う上記両ストッパー38の間に上記収納箱39が配置されている。上記第1水平バー35の長手方向における上記両柱材23−26の間、および両ストッパー38の間の空間寸法L1と上記収納箱39の長さ寸法L2とは互いにほぼ同じとされている。また、上記第1水平バー35の長手方向に沿った視線でみて(図5)、左右の各柱材23−26と、上記収納箱39の少なくとも一部分である左右各端部とはそれぞれ互いに重なることとされている。
【0061】
このため、上記第1水平バー35の長手方向で、上記両柱材23−26、および両ストッパー38に対し収納箱39ががたつく、ということは防止される。また、上記収納箱39が、その平面視での中心を通る仮想垂線回りに自由に回動しようとすることは、特に、上記各ストッパー38により防止される。
【0062】
特に、図5,6中一点鎖線で示すように、上記各後中間柱材26に代えて他の各後中間柱材26´を設け、これら各後中間柱材26´を、上記各後中間柱材26よりも搬送車4の幅方向で仮想鉛直面10側(内側)に配置してもよい。この場合、上記他の後中間柱材26´の下端部は、上記水平材20のうち、仮想鉛直面10に近い側の水平材20に結合させられ、上記各他の後中間柱材26´の上端部はクロスメンバ29に結合させられる。また、上記各前中間柱材25についても、上記他の後中間柱材26´の関連構成と同様の構成とされる。また、この場合、前、後柱材23,24も上記他の後中間柱材26´の関連構成と同様の構成としてもよい。上記のようにすれば、上記各ストッパー38は無くても、これらストッパー38の機能は、上記他の後中間柱材26´などにより達成される。
【0063】
また、上記第2水平バー36の長手方向(搬送車4の幅方向)における両第2水平バー36の各鍔部37間でほぼ隙間がない状態で上記載置棚33上に収納箱39が載置されている。このため、上記第2水平バー36の長手方向で、上記収納箱39が載置棚33に対しがたつく、ということが防止され、かつ、上記収納箱39が載置棚33上から外側下方に滑落するということは、上記各鍔部37により防止される。
【0064】
また、上下に配置された載置棚33のうち、下側の載置棚33の上面に対し、この載置棚33上の収納箱39が所定角θ以上に傾動したとき、この収納箱39の一部が上側の載置棚33に当接して、上記収納箱39のそれ以上の傾動が阻止されるようになっている(図1中、一点鎖線)。
【0065】
図1−3,7−13において、前記駆動装置5は、上記搬送車4の後部に形成された被固着部44に着脱可能に固着されて、駆動力を出力する駆動ユニット46と、上記搬送車4の前部側に形成された被固着部48に着脱可能に固着され、路面2上を歩行するオペレータAにより把持可能とされるハンドル49とを備えている。上記駆動ユニット46は、上記搬送車4に駆動力を与えてこの搬送車4を移動可能にさせる。上記ハンドル49は、上記駆動ユニット46とは別体に設けられ、上記オペレータAから与えられる操作力を上記搬送車4に伝達して、この搬送車4を前方、後方、横方向移動、および操向を可能にさせる。
【0066】
上記搬送車4の被固着部44は、それぞれ搬送車4の幅方向、かつ、互いに平行に延びる上、下一対の固着バー51,52を備えている。これら上、下固着バー51,52は、後柱材24下部の後方近傍に配置され、これら後柱材24に支持されている。上記上、下固着バー51,52には、それぞれ上記仮想鉛直面10を基準として左右対称となるよう左右一対のガイド体51a,52aが取り付けられている。
【0067】
一方、上記他の被固着部48は、それぞれ縦方向、かつ、互いに平行に延びる左、右一対の固着バー53,54を備えている。これら左、右固着バー53,54は、上記前柱材23上部側の前方近傍、かつ、上記搬送車4の一側部(左側部)に偏って配置されている。そして、上記左、右固着バー53,54は、左側の前柱材23、クロスメンバ29の左側部、および第3クロスメンバ32の左側部に支持されている。
【0068】
図1−3,7−9において、上記駆動ユニット46は、この駆動ユニット46の骨格をなす基体57を備えている。この基体57は左右一対の側板58と、これら両側板58を互いに結合させる上、下クロスメンバ59とを備えている。軸心60が搬送車4の幅方向に延びる左右一対の車輪61が上記各側板58に取り付けられている。上記基体57は、上記各車輪61によって路面2上に支持されている。前記したように、搬送車4の被固着部44に上記駆動ユニット46を固着させたとき、上記搬送車4後部は、その各後車輪14が路面2から所定寸法だけ上方に離脱した状態で駆動ユニット46に支持される(図1,7)。これにより、上記搬送装置1は、搬送車4の各前車輪13と駆動ユニット46の各車輪61とによって、所望方向に移動可能となるよう路面2上に支持される。
【0069】
上記各車輪61をそれぞれ回転駆動させる駆動体62が設けられている。これら各駆動体62は、これら各駆動体62の主体をなして上記各車輪61を連動連結させる電動機63と、上記車輪61を上記軸心60回りで回転可能となるよう支持すると共に、上記電動機63を支持する固定ハウジング64とを備えている。これら各固定ハウジング64は上記各側板58に締結具により固着され、つまり、上記各車輪61は上記固定ハウジング64を介し上記側板58に取り付けられている。
【0070】
上記左右各電動機63は、左右の固定ハウジング64のうち、一方の固定ハウジング64から他方の固定ハウジング64に向かって突出している。また、上記各電動機63は、それぞれ、上記軸心60から径方向外方に偏位しており、かつ、上記軸心60の周方向で互いに偏位させられている。上記電動機63に電力を供給可能とするバッテリ65が設けられている。上記左右固定ハウジング64のうち、右側の固定ハウジング64に上記バッテリ65を着脱可能に支持する支持部66が設けられている。
【0071】
上記基体57から上方に向けて突設されるユニットハンドル68が設けられている。このユニットハンドル68は、上記各側板58から上方に突出する左右一対の支持バー69と、搬送車4の幅方向に延び、上記各支持バー69の上端部に支持されるバーハンドル70とを備えている。上記各支持バー69から後方に突出する左右一対の掛止フック71が設けられている。
【0072】
上記支持バー69には、クラッチレバー72が枢支されている。このクラッチレバー72を下方回動Bさせれば(図7,8中、実線)、上記車輪61と駆動体62の電動機63とが互いに連動連結される。一方、上記クラッチレバー72を上方回動Cさせれば、上記車輪61と駆動体62の電動機63との連結が解除され、上記各車輪61は自由に回転可能とされる。
【0073】
また、上記駆動ユニット46は、上記基体57から前方に向かい突出して上記搬送車4の被固着部44に着脱可能に固着される固着部75を備えている。この固着部75は、上記基体57の上方に配置され、前後方向に長く延びる回動アーム77と、この回動アーム77の長手方向の中途部を上記基体57の上部における上側のクロスメンバ59に枢支させる枢支軸78と、上記基体57の各側板58の前下端部から前方に向かって一体的に突出する固定アーム79とを備えている。
【0074】
上記回動アーム77の前回動端部には、上記被固着部44の上固着バー51に対しその上方から係脱可能に係合する上係合凹部81が形成されている。上記上固着バー51に上係合凹部81が係合するよう上記回動アーム77を付勢するばね82が設けられている。上記回動アーム77の後回動端部はオペレータAにより踏動可能とされる操作部83とされている。上記固定アーム79の突出端部には、上記被固着部44の下固着バー52に対しその下方から係脱可能に係合する下係合凹部84が形成されている。そして、上記上、下固着バー51,52に対する上記上、下係合凹部81,84のそれぞれの係合により、上記搬送車4の被固着部44に対し駆動ユニット46の固着部75が固着される。
【0075】
上記駆動ユニット46は、上記基体57の下側のクロスメンバ59から後方に向けて突出し、上記オペレータAにより踏押可能とされる踏押部87を備えている。この踏押部87は、前端部が上記クロスメンバ59の長手方向の中央部に溶接され、そこから後方に向けて突出する踏押アーム88と、この踏押アーム88の突出端部に取り付けられた踏押板89と、この踏押板89の下方近傍に配置され、上記踏押アーム88に支持される車輪90とを備えている。
【0076】
図10において、上記搬送車4の被固着部44に駆動ユニット46を固着させる際の固着作業につき説明する。ここで、図示するように、上記搬送車4の被固着部44に駆動ユニット46が固着されていない状態では、上記搬送車4は、その前、後車輪13,14により路面2上に支持される。
【0077】
まず、上記クラッチレバー72を上方回動Cさせることにより、車輪61と電動機63とを切断させる。この状態で、上記搬送車4の後方において、上記駆動ユニット46のユニットハンドル68を把持し、上記ばね82に対抗しながら上記回動アーム77の操作部83を下方に向けて手操作もしくは踏動により下方回動Dさせる。これにより、この回動アーム77の上係合凹部81を上方回動Eさせる。この状態で、図示するように、上記駆動ユニット46を前傾させて前進させ、上記被固着部44の上固着バー51の上面に対し、上記回動アーム77の中途部をばね82の付勢力により圧接させる。
【0078】
次に、上記ユニットハンドル68を把持したまま、踏押部87を前方に向け踏動して(図10中二点鎖線)、図示するように、上記固定アーム79を上記被固着部44の左右ガイド体52aの間における下固着バー52の下方に入り込ませる。次に、上記ユニットハンドル68を後方回動Fさせることにより、上記基体57側である車輪61の軸心60をほぼ中心として上記固定アーム79を上方回動Gさせ、上記下固着バー52に上記固定アーム79の下係合凹部84を係合させる。
【0079】
次に、上記踏押部87を強く下方へ踏押しながら、上記ユニットハンドル68を更に後方回動Fさせる。すると、上記車輪61の軸心60をほぼ中心として上記固定アーム79が更に上方回動Gし、この固定アーム79により上記搬送車4の後部が持ち上げられる。これにより、この搬送車4の後車輪14が路面2から上方に向けて離脱させられる。
【0080】
一方、上記したユニットハンドル68の後方回動Fにより、上記上固着バー51に対し上記回動アーム77が後方に向けて摺動させられる。そして、上記したユニットハンドル68の後方回動Fにより、上記搬送車4の後車輪14が路面2から所定寸法だけ離脱させられたとき、上記上固着バー51に対し摺動していた回動アーム77の上係合凹部81が上記左右ガイド体51aの間における上固着バー51に合致し、この上固着バー51に上記上係合凹部81が係合させられる。すると、前記したように、搬送車4の被固着部44に対し駆動ユニット46の固着部75が固着される。これにより、前記したように、搬送車4の後部は、その後車輪14が路面2から所定寸法だけ離脱させられた状態で駆動ユニット46に支持される(図1,7)。
【0081】
上記搬送車4から駆動ユニット46を離脱させる場合には、上記固着作業と逆の作業を行えばよい。
【0082】
図1−3,11−13において、前記ハンドル49は、円形のパイプ材をコの字形状に屈曲することにより形成されたハンドル本体92と、このハンドル本体92を補強する補強パイプ93とを備えている。上記ハンドル本体92は、搬送車4の幅方向に延びる上、下パイプ94,95と、縦方向に延び、これら上、下パイプ94,95の各一端部(左端部)を互いに結合させる縦向きパイプ96とを備えている。上記補強パイプ93は、縦方向に延び、上記上、下パイプ94,95に架設される。
【0083】
上記ハンドル49の上、下パイプ94,95の各他端部(右端部)を前記他の被固着部48の左、右固着バー53,54に対し、それぞれ着脱可能に固着させるバックル98が設けられている。これら各バックル98はハンドル操作Hにより固着動作して、上記したように他の被固着部48に対しハンドル49を固着可能とさせる(図1−3,11−13中、実線)。この場合、上記ハンドル49における縦向きパイプ96側が、上記搬送車4の収納台9よりも外側方(左外側方)に突出する。そして、この搬送車4の外側方に位置するオペレータAにより上記ハンドル本体92の縦向きパイプ96が把持可能とされている。上記各バックル98に対し上記とは逆のハンドル操作Iをすれば、固着解除動作して(図13中、一点、二点鎖線)、上記他の被固着部48から上記ハンドル49が離脱可能とされる。
【0084】
上記上、下パイプ94,95の後面に、それぞれ係合突起99とストッパ突起100とが突設されている。上記搬送車4の他の被固着部48に対しハンドル49を固着させる固着作業をする場合には、まず、上記バックル98を固着解除動作させると共に、上記ハンドル49を上記他の被固着部48の前方に配置する。次に、上記ハンドル49の上、下パイプ94,95の他端部と各係合突起99との間を上記他の被固着部48の右固着バー54に係合させる(図13中、一点鎖線)。
【0085】
次に、上記右固着バー54を中心として、上記ハンドル49の縦向きパイプ96側を後方回動Jさせ、上記ハンドル49の縦向きパイプ96側を上記左固着バー53に当接させる(図13中、実線)。すると、上記他の被固着部48の左、右固着バー53,54の間に上記係合突起99とストッパ突起100とが位置することとなり、これら99,100は、上記搬送車4の幅方向で、上記他の被固着部48に対し上記ハンドル49が自由に移動しようとすることを阻止する。つまり、このハンドル49は、上記他の被固着部48に対し位置決めされる。そして、この状態で、上記各バックル98をハンドル操作Hして固着動作させれば、前記したように、他の被固着部48に対しハンドル49が固着される。
【0086】
上記の場合、搬送車4における他の被固着部48の左、右固着バー53,54に対し、任意の高さで上記ハンドル49が固着可能とされている。つまり、このハンドル49の高さが、オペレータAの体格などに合致するよう調整可能とされている。
【0087】
上記他の被固着部48からハンドル49を離脱させるのは、上記固着作業と逆の作業を行えばよい。
【0088】
また、上記駆動装置5は、上記オペレータAの操作により、上記駆動ユニット46の電動機63の駆動状態を可変とするスイッチ装置103を備えている。このスイッチ装置103は上記ハンドル49の近傍に一体的に配置される。ここで、上記駆動状態を可変とする、とは、電動機63への通電のオン、オフと、電動機63における電流制御とを含むものである。
【0089】
上記スイッチ装置103は、上記駆動装置5の駆動ユニット46の電動機63を正転駆動させるための常開押釦式前進スイッチ104と、上記電動機63を逆転駆動させるための常開押釦式後進スイッチ105と、前記バッテリ65から上記各スイッチ104,105への電力の供給を断、接可能とする電源スイッチ106と、上記バッテリ65の蓄電量が所定値以下になったとき、充電が必要である旨の視覚的な警告を発する充電警報灯107と、上記後進スイッチ105、電源スイッチ106、および充電警報灯107を一体的に集合させるスイッチボックス108とを備えている。
【0090】
上記前進スイッチ104は上記ハンドル49の縦向きパイプ96の上部側に取り付けられ、その後方から操作可能とされている。上記スイッチボックス108は上記ハンドル49の下パイプ95に取り付けられている。上記後進スイッチ105と電源スイッチ106とは、上記スイッチボックス108の上面に配置され、上方から操作可能とされている。また、上記充電警報灯107は上記スイッチボックス108の上面に配置され、その上方から視認可能とされている。上記電動機63、バッテリ65、および上記スイッチ装置103の各構成部品104−107とを互いに接続させる電気ケーブル109が設けられている。
【0091】
上記駆動ユニット46の各車輪61を制動可能とするブレーキ装置112が設けられている。このブレーキ装置112は、上記各車輪61に内有された不図示のドラム式ブレーキ本体と、上記ハンドル49の縦向きパイプ96の上部側に取り付けられたブレーキレバー113と、上記ブレーキ本体を上記ブレーキレバー113に連動連結させるブレーキケーブル114とを備えている。
【0092】
上記電気ケーブル109とブレーキケーブル114とを共に挿入させてこれらを結束すると共に保護する保護チューブ115が設けられている。この保護チューブ115が上記電気ケーブル109とブレーキケーブル114と共に、上記搬送車4の上面にその上方から掛止、離脱可能となるよう、この搬送車4が形成されている。
【0093】
具体的には、この搬送車4の収納台9における各前柱材23と各後柱材24との各上端部が上記各クロスメンバ29よりも上方に突出させられて延長部117が形成されている。そして、これら延長部117同士の間であって、上記搬送車4の上面である上記各クロスメンバ29上に保護チューブ115が載置可能とされ、このように載置された保護チューブ115が上記各クロスメンバ29上から外側下方に向かって滑落するということは、上記各延長部117によって防止される。
【0094】
図1−13において、上記構成の搬送装置1を用いることにより物流センター内でピッキング作業を行う場合につき、説明する。
【0095】
上記物流センターには、多数の搬送車4が待機した待機位置が設定されている。一方、多くの物品3を種類別に保管する不図示の物品棚群が設けられている。
【0096】
まず、オペレータAは、上記待機位置における多数の搬送車4のうち、いずれかの搬送車4に駆動装置5の駆動ユニット46とハンドル49とを固着させ、これを搬送装置1とする。上記搬送車4に駆動ユニット46を固着させる際、上記クラッチレバー72を上方回動Cすることにより、上記車輪61と電動機63との接続を解除させる。すると、上記駆動ユニット46の移動は、上記電動機63の影響を受けないで軽快にできる。上記搬送車4への駆動ユニット46の固着後は、上記クラッチレバー72を下方回動Bして、車輪61に電動機63を接続させる。
【0097】
次に、オペレータAは、搬送装置1の「運転」を行う。この場合、まず、オペレータAは上記搬送車4の一側方(左側方)域に位置する。そして、電源スイッチ106をオンし、上記ハンドル49を把持したまま、前進スイッチ104を指で押圧してこの前進スイッチ104をオン操作する。すると、上記駆動ユニット46の電動機63が正転駆動して上記搬送車4が前方移動する。この際、オペレータAが上記ハンドル49に外力を与えることにより、搬送車4を所望方向に操向させる。
【0098】
上記オペレータAによる搬送装置1の「運転」により、この搬送装置1が所望位置である上記物品棚群に到着すれば、上記前進スイッチ104への押圧を解除してこの前進スイッチ104をオフする。この際、上記搬送装置1の停止は、オペレータAがハンドル49に外力を与えることにより行ってもよく、上記ブレーキ装置112のブレーキレバー113を操作することにより行ってもよい。また、上記搬送装置1の「運転」における前方、後方、横方向移動、もしくは操向は、上記搬送車4、ハンドル49、およびブレーキレバー113に外力を与えたり、前進スイッチ104や後進スイッチ105を操作することにより行えばよい。
【0099】
そして、上記搬送装置1の「運転」をしながら、注文先からの注文内容(物品3、その数など)に応じた注文物品3を上記物品棚群から抽出し、これらを上記搬送装置1に収納する。この場合、オペレータAは上記搬送車4の一側方域に位置したまま、上記搬送車4の外側方(左側方)に位置する物品棚群から注文物品3を取り出し、上記搬送車4の幅方向で、この搬送車4の収納台9における各収納箱39に上記注文物品3を収納する。
【0100】
次に、上記搬送装置1への注文物品3の収納が完了すれば、この搬送装置1を「運転」して次工程の梱包部所に移動させる。ここで、上記搬送車4から駆動装置5を離脱させ、この搬送車4を梱包部所に引き渡す。次に、オペレータAにより上記離脱させた駆動装置5を再び初期の待機位置に戻し、必要に応じて次の搬送車4に固着させる。
【0101】
一方、上記梱包部所に引き渡された搬送車4は、この梱包部所で、梱包のための注文物品3の取出しが済むまで待機させられる。そして、この取出しが済むと、再び初期の待機位置に戻される。
【0102】
以下、上記各作業が繰り返される。
【0103】
図14,15において、上記駆動装置5の不使用時において、この駆動装置5の駆動ユニット46とハンドル49とを搬送車4から離脱させた場合、上記駆動ユニット46は、その左、右車輪61と路面2に当接した上記踏押部87の車輪90とにより、上記駆動ユニット46は路面2上に自立させられて収納可能とされている。また、このように自立した駆動ユニット46のユニットハンドル68における掛止フック71には、上記ハンドル49の補強パイプ93が掛脱可能に掛止されて、ハンドル49が収納される。また、上記各ケーブル109,114と保護チューブ115とは、上記ユニットハンドル68のバーハンドル70に巻き掛けられて収納される。
【0104】
上記の場合、駆動ユニット46は、上記各車輪61,90により路面2上に支持される。このため、上記各車輪61,90の転動により、駆動ユニット46は自立したまま手押しで、ハンドル49と共に所望方向に軽快に移動可能とされる。
【0105】
上記構成によれば、搬送車4の後部に着脱可能とされる駆動ユニット46と、この駆動ユニット46とは別体に設けられ、上記搬送車4の前部側に固着されて路面2上を歩行するオペレータAにより把持可能とされるハンドル49と、このハンドル49の近傍に配置され、上記オペレータAの操作により、上記駆動ユニット46の駆動状態を可変とするスイッチ装置103とを備えている。
【0106】
このため、路面2上を歩行するオペレータAがハンドル49を把持してスイッチ装置103を操作することにより、搬送車4に固着した駆動装置5を駆動させて上記搬送車4を所望位置にまで移動させる場合において、複数の搬送車4のうち、正に移動させようとする搬送車4に対し上記駆動装置5を着脱可能に固着させることにより、上記搬送車4を所望位置に移動させることができる。
【0107】
よって、複数の搬送車4に対し駆動装置5を兼用させることができ、その分、上記搬送車4に比較して駆動装置5の数量を少なくできる。この結果、上記駆動装置5の効率的活用と設備投資額の軽減とを図ることができ、かつ、上記のように駆動装置5が少なくて足りる分、各搬送車4と駆動装置5とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにすることができる。
【0108】
また、前記したように、搬送車4が、前、後車輪13,14を備えて路面2に沿って移動可能な台車8と、この台車8に支持されて物品3を収納可能とする収納台9とを備え、上記搬送車4の後部に上記駆動ユニット46を固着させたとき、上記後車輪14が路面2から上方に離脱するようにしている。
【0109】
このため、上記搬送車4の後部に駆動装置5の駆動ユニット46を固着させたとき、これら搬送車4と駆動装置5とにより構成される搬送装置1は、上記搬送車4の前車輪13と駆動ユニット46とにより路面2上に支持される。よって、上記後車輪14に邪魔されることなく、上記駆動ユニット46の駆動力が路面2側に伝達される。このため、上記駆動ユニット46の駆動により、上記搬送車4は路面2に沿ってより確実に、かつ、安定して所望位置にまで移動させられる。
【0110】
また、前記したように、駆動ユニット46が、基体57と、この基体57に取り付けられてこの基体57を路面2上に支持する左、右車輪61と、これら車輪61を回転駆動させる駆動体62と、上記基体57から上方に向けて突設されるユニットハンドル68と、上記基体57から前方に向かい突出して上記搬送車4の後部に着脱可能とされる固着部75と、上記基体57から後方に向けて突出し、オペレータAにより踏動可能とされる踏押部87とを備え、上記固着部75を上記搬送車4の後部に係合させながら、上記ユニットハンドル68と踏押部87とを操作して上記基体57側を中心として上記固着部75を上方回動Gさせたとき、この固着部75に上記搬送車4の後部が持ち上げられて上記後車輪14が路面2から離脱すると共に、上記搬送車4の後部に上記固着部75が固着されて、上記搬送車4の後部に上記駆動ユニット46が固着されるようにしている。
【0111】
このため、上記搬送車4の後部に上記駆動ユニット46を固着させる固着作業をする場合には、まず、この駆動ユニット46の後方域で、ユニットハンドル68を把持すると共に、上記踏押部87を踏動する。次に、上記固着部75を搬送車4の後部に係合させながら、上記ユニットハンドル68を後方回動Fさせ、かつ、上記踏押部87を踏み込む。そして、上記基体57側を中心として上記固着部75を上方回動Gさせる。すると、この固着部75の上方回動Gに伴い上記後車輪14が路面2から離脱すると共に、上記搬送車4の後部に駆動ユニット46が固着される。
【0112】
よって、上記搬送車4の後部への駆動ユニット46の固着作業は、オペレータAが手と足とを用いることにより、ワンタッチ式にでき、この固着作業は容易にできる。つまり、上記駆動装置5の効率的活用と設備投資額の軽減を図り、かつ、各搬送車4と駆動装置5とを全体的に見たときの占有空間をコンパクトにできるものでありながら、上記搬送車4に固着した駆動装置5の駆動により、物品3の搬送作業が容易にできる。
【0113】
また、前記したように、搬送車4に対する物品3の収納、取り出し時のこの物品3の移動方向Wを搬送車4の幅方向とし、上記ハンドル49が上記搬送車4の外側方に向かって突出するようにしている。
【0114】
このため、オペレータAにより上記搬送車4へ物品3を収容させたり、この搬送車4から物品3を取り出したりするという物品3の「取り扱い作業」は、上記搬送車4の外側方域に位置する路面2上のオペレータAによってなされる。一方、上記搬送車4と駆動装置5とによる搬送装置1の「運転」時におけるオペレータAも、上記搬送車4の外側方域に位置する路面2上のオペレータAによってなされる。
【0115】
よって、上記物品3の「取り扱い作業」をすることと、搬送装置1の「運転」をすることとを繰り返す場合でも、上記オペレータAは上記搬送装置1の搬送車4の外側方域において上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業を共にすることができる。この結果、オペレータAが搬送装置1の搬送車4の外側方域と搬送装置1の後方域とを頻繁に往き来する必要があった従来の技術に比べて、上記オペレータAによる上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業は、極めて容易にできる。つまり、上記物品3の搬送作業が、より容易にできる。
【0116】
また、前記したように、搬送車4に対し、上記ハンドル49とスイッチ装置103とを着脱可能にしている。
【0117】
このため、路面2上を歩行するオペレータAがハンドル49を把持してスイッチ装置103を操作することにより、搬送車4に固着した駆動装置5を駆動させて上記搬送車4を所望位置にまで移動させる場合において、複数の搬送車4のうち、正に移動させようとする搬送車4に対し上記ハンドル49とスイッチ装置103とを着脱可能に固着させることにより、上記搬送車4を所望位置に移動させることができる。
【0118】
よって、複数搬送車4に対しハンドル49やスイッチ装置103を兼用させることができ、その分、上記搬送車4に比較してハンドル49やスイッチ装置103の数量を少なくできる。この結果、上記ハンドル49やスイッチ装置103の効率的な活用と設備投資額の軽減とを図ることができる。
【0119】
特に、上記搬送車4に固着されたハンドル49は、上記搬送車4から外方に突出しがちであるため、上記ハンドル49を使用しない場合には、このハンドル49を搬送車4から離脱させてやれば、この搬送車4周りの作業空間においてハンドル49が邪魔になるということが防止されて、作業上有益である。
【0120】
また、前記したように、搬送車4から離脱させた駆動ユニット46の左、右車輪61と踏押部87とを路面2に当接させることにより、上記駆動ユニット46を路面2上に自立可能にしている。
【0121】
このため、上記駆動ユニット46の不使用時には、この駆動ユニット46を路面2上に自立させることにより、この駆動ユニット46をコンパクトに収納させることができる。よって、この点でも、上記複数の搬送車4と駆動装置5とを備える搬送設備を、よりコンパクトにできる。
【0122】
また、前記したように、上記搬送車4に対し、上記ハンドル49とスイッチ装置103とを着脱可能にし、駆動ユニット46側と、上記ハンドル49およびスイッチ装置103側とを連結するケーブル109,114を設け、このケーブル109,114を上記搬送車4の収納台9の上面にその上方から掛止、離脱可能となるようこの収納台9を形成している。
【0123】
ここで、上記搬送車4に固着される駆動ユニット46とハンドル49およびスイッチ装置103とは互いに離れていて、これら駆動ユニット46側とハンドル49およびスイッチ装置103側とを互いに連結するケーブル109,114は、物品3の「取り扱い作業」や搬送装置1の「運転」という各作業の邪魔になるおそれが生じる。
【0124】
そこで、上記のように搬送車4の収納台9を利用して、この収納台9の上面にケーブル109,114を掛止させたのであり、このため、このケーブル109,114は簡単な構成により、上記搬送車4の上面の所定位置に保持される。
【0125】
また、上記搬送車4への物品3の収納、取り出し時の物品3の移動方向Wが上記搬送車4の幅方向である場合には、この物品3の移動に対し上記搬送車4の収納台9の上面に掛止されケーブル109,114が干渉する、ということは防止される。よって、上記ケーブル109,114が上記「取り扱い作業」や「運転」という各作業の邪魔になることが防止されて、これら各作業が更に容易にできる。
【0126】
なお、以上は図示の例によるが、上記搬送装置1は、ピッキング台車に限られるものではなく、例えば、大病院内の給食配膳用などあらゆる物品3の搬送に適用可能である。また、上記ハンドル49は搬送車4の前後方向の中央部よりも前側でこの搬送車4のいずれかの部位に固着させてもよく、この搬送車4の前面に固着させてもよい。また、上記ハンドル49は、搬送車4の左右外側方の少なくともいずれか一方の外側方に突出するようこの搬送車4に固着させるようにしてもよい。また、上記ハンドル49とスイッチ装置103とは、互いに別々に搬送車4に着脱可能としてもよく、また、搬送車4に対し取り外し不能に固着させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】搬送装置の側面図である。
【図2】搬送装置の平面図である。
【図3】搬送車の斜視図である。
【図4】図1の部分拡大部分断面図である。
【図5】図4のV−V線矢視部分断面図である。
【図6】図4のVI−VI線矢視部分断面図である。
【図7】図1の部分拡大詳細図である。
【図8】図7で示したものの背面図である。
【図9】図2の部分拡大詳細図である。
【図10】作用を説明する図で図7に相当する図である。
【図11】図1の部分拡大詳細図である。
【図12】図11で示したものの背面図である。
【図13】図2の部分拡大詳細部分断面図である。
【図14】作用を説明する図で図7に相当する図である。
【図15】図14の一部の背面図である。
【符号の説明】
【0128】
1 搬送装置
2 路面
3 物品
4 搬送車
5 駆動装置
8 台車
9 収納台
12 車台
13 前車輪
14 後車輪
23 前柱材
24 後柱材
25 前中間柱材
26 後中間柱材
27 左結合材
28 右結合材
29 クロスメンバ
30 第1クロスメンバ
31 第2クロスメンバ
32 第3クロスメンバ
33 載置棚
35 第1水平バー
36 第2水平バー
37 鍔部
39 収納箱
44 被固着部
46 駆動ユニット
48 被固着部
49 ハンドル
57 基体
58 側板
59 クロスメンバ
60 軸心
61 車輪
62 駆動体
63 電動機
65 バッテリ
68 ユニットハンドル
75 固着部
77 回動アーム
78 枢支軸
79 固定アーム
81 上係合凹部
82 ばね
83 操作部
84 下係合凹部
87 踏押部
90 車輪
92 ハンドル本体
98 バックル
103 スイッチ装置
104 前進スイッチ
109 電気ケーブル
112 ブレーキ装置
114 ブレーキケーブル
115 保護チューブ
117 延長部
W 移動方向
A オペレータ
θ 所定角
L1 空間寸法
L2 長さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品搬送用の搬送車を路面に沿って移動させるよう駆動する搬送車用駆動装置において、
上記搬送車の後部に着脱可能とされる駆動ユニットと、この駆動ユニットとは別体に設けられ、上記搬送車の前部側に固着されて路面上を歩行するオペレータにより把持可能とされるハンドルと、このハンドルの近傍に配置され、上記オペレータの操作により、上記駆動ユニットの駆動状態を可変とするスイッチ装置とを備えたことを特徴とする搬送車用駆動装置。
【請求項2】
上記搬送車が、前、後車輪を備えて路面に沿って移動可能な台車と、この台車に支持されて物品を収納可能とする収納台とを備え、上記搬送車の後部に上記駆動ユニットを固着させたとき、上記後車輪が路面から上方に離脱するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の搬送車用駆動装置。
【請求項3】
上記駆動ユニットが、基体と、この基体に取り付けられてこの基体を路面上に支持する左、右車輪と、これら車輪を回転駆動させる駆動体と、上記基体から上方に向けて突設されるユニットハンドルと、上記基体から前方に向かい突出して上記搬送車の後部に着脱可能とされる固着部と、上記基体から後方に向けて突出し、オペレータにより踏動可能とされる踏押部とを備え、上記固着部を上記搬送車の後部に係合させながら、上記ユニットハンドルと踏押部とを操作して上記基体側を中心として上記固着部を上方回動させたとき、この固着部に上記搬送車の後部が持ち上げられて上記後車輪が路面から離脱すると共に、上記搬送車の後部に上記固着部が固着されて、上記搬送車の後部に上記駆動ユニットが固着されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の搬送車用駆動装置。
【請求項4】
上記搬送車に対する物品の収納、取り出し時のこの物品の移動方向を搬送車の幅方向とし、上記ハンドルが上記搬送車の外側方に向かって突出するようにしたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の搬送車用駆動装置。
【請求項5】
上記搬送車に対し、上記ハンドルとスイッチ装置とを着脱可能にしたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の搬送車用駆動装置。
【請求項6】
上記搬送車から離脱させた駆動ユニットの左、右車輪と踏押部とを路面に当接させることにより、上記駆動ユニットを路面上に自立可能にしたことを特徴とする請求項3に記載の搬送車用駆動装置。
【請求項7】
請求項1に記載の駆動装置と搬送車とを備えたことを特徴とする搬送装置。
【請求項8】
上記搬送車に対し、上記ハンドルとスイッチ装置とを着脱可能にし、上記駆動ユニット側と、上記ハンドルおよびスイッチ装置側とを連結するケーブルを設け、このケーブルを上記搬送車の上面にその上方から掛止、離脱可能となるようこの搬送車を形成したことを特徴とする請求項7に記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−114942(P2008−114942A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297169(P2006−297169)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【出願人】(000139355)ヤマハモーターエンジニアリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】