説明

携帯型装置のユーザインターフェースにおけるナビゲーション向上のための装置及び方法

主ユーザインターフェース39及び主ユーザインターフェース39に補足するものとして設けられた副ユーザインターフェース40を有する携帯型装置30。副ユーザインターフェースは、主ユーザインターフェースを介して当該ユーザナビゲーション動作を行うのに必要なものよりも短い時間で携帯型装置30におけるユーザナビゲーション動作を行うように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によりここに組み入れられる2005年5月19日付け出願の米国仮特許出願第60/682,639号及び2005年6月29日付け出願の米国仮特許出願第60/695,088号の優先権を主張するものである。
【0002】
この発明は、広く、携帯型装置に記憶される情報のアクセスに関する。より詳しくは、本発明は、携帯型装置に記憶される情報をアクセスするための高速ユーザ対話/ナビゲーション動作を提供するための付加的(補足的)ユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザは、全地球測位システム(GPS)レシーバ、移動電話機、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、電子ブックリーダ及びラップトップのような携帯型装置が提供する利便性に慣れ親しむようになってきている。テクノロジは、このような装置の現代の人々に電気泳動ディスプレイを持たせることを可能にしている。電気泳動ディスプレイは、流体中に荷電粒子を含む電気泳動媒体(電子インク)と、マトリクス状に配列された複数の表示要素(画素)と、各画素に関連付けられた第1及び第2の電極と、各画素の電極に電位差を印加して画像又は他の情報を表示するために、その印加された電位差の値及び持続期間に応じて、荷電粒子が当該電極の間の位置を占めるようにする電圧ドライバとを有する。このタイプの表示装置は、例えば、E Ink社(米国、マサチューセッツ州、ケンブリッジ)により1999年4月9日に公表され、"Full Color Reflective Display With Multichromatic Sub-Pixels"と題された国際特許出願に係る文献のWO99/53373WO号から知られている。
【0004】
その利点にもかかわらず、このような電気泳動ディスプレイにより提示される大きな問題は、ユーザが導くナビゲーション/スクローリング動作に応答した高速ナビゲーションである。特に、電子インク基板に基づく表示スクリーンの場合、ユーザが導くナビゲーション/スクローリング動作に対する応答時間は遅いものである。この欠点は、長いリストをスクロール又はナビゲートするときに非常に著しいものとなる。この遅い応答時間は、付加的な時間を関心の情報にアクセスするのに費やさなければならないユーザのフラストレーションの永続的な原因となりうるものである。このフラストレーションは、当該装置の動作に非常に軽快に対応し当該装置の遅い応答時間に耐えなければならないユーザの場合に特に顕著になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述した不利な点を克服する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、携帯型装置において二次的な(補助的な)ユーザインターフェースを提供し、この二次的(補助的)ユーザインターフェースが、当該装置の主たるユーザインターフェースの応答時間に比べてユーザナビゲーション動作(例えばスクローリングや選択など)に対する高速応答時間を呈するものとすることにより、従来技術の上記不備及びその他の不備に対処するものである。この高速応答時間は、主として、主ユーザインターフェース(例えば電気泳動技術)のために用いられる低速テクノロジと比べて副ユーザインターフェース(例えばLCD技術)のための高速テクノロジを用いることによって達成される。
【0007】
一態様によれば、携帯型装置は、主表示手段と主選択手段とを含む主ユーザインターフェースを有する。主ユーザインターフェースは、第1の技術に従って動作する。携帯型装置は、さらに、副表示手段及び副選択手段を含む副ユーザインターフェースを有する。この副ユーザインターフェースは、第2の技術に従って動作する。副ユーザインターフェースは、ユーザナビゲーション動作の応答時間が主インターフェースよりも速い。
【0008】
他の態様によれば、主及び副ユーザインターフェースを有する携帯型装置においてユーザナビゲーション動作を行うための方法は、(1)主ユーザインターフェースの主ディスプレイに整列リストを表示し、その整列リストがメニューアイテム及び対応のメニューアイテム識別子を有するものとし、(2)副ユーザインターフェースを介して当該整列リストから少なくとも1つのメニューアイテムを選択し、その選択が主ユーザインターフェースを介した当該少なくとも1つのメニューアイテムを選択するよりも高い応答時間をもたらすものとしている。当該副ユーザインターフェースを介して当該整列リストから少なくとも1つのメニューアイテムを選択する動作は、さらに、副ユーザインターフェースに関連づけられたディスプレイにメニューアイテム識別子を表示し、副ユーザインターフェースに関連付けられた選択手段を介して副ユーザインターフェースディスプレイから少なくとも1つのメニューアイテムを選択する動作を有する。
【0009】
一実施例によれば、副ユーザインターフェースは、液晶ダイオード(LED)技術に基づく表示装置と選択手段としてのスクロールホイールとを有する。この主表示装置は、電気泳動技術に基づいた表示装置及び選択手段を含む。かかるLED技術に基づいた副ユーザインターフェースは、電気泳動技術だけに基づいた主ユーザインターフェースよりも、ユーザナビゲーション動作に対する応答時間が高速である。
【0010】
他の実施例によれば、副ユーザインターフェースは、主ユーザインターフェースの主表示装置の周辺に一体的に形成される一連のアイコンとして構成される表示装置を有する。このアイコンは、主表示装置に用いられるのと同じ電気泳動技術に基づくものであるが、非常に短いスイッチング時間を有するものである。なお、より短いスイッチング時間は、或る態様では、より高い駆動電圧を用いて動作するダイレクトドライブアイコンを用いることによって実現可能である。或いは、この表示装置のアイコンは、高速スイッチング電気泳動技術に基づくものとすることができる。他の代替例としては、当該アイコンは、LC、LED又はエレクトロウェッティング(electrowetting)技術に基づくものとすることができる。副ユーザインターフェースの選択手段は、副ユーザインターフェース表示装置のアイコンに関連付けられたスクロール動作を制御するためのアップ/ダウンアイテムセレクタとして具現化される。主表示装置及び選択手段は、電気泳動技術に基づくものとされる。一連のアイコン及び関連付けられた選択手段に基づく副ユーザインターフェースは、電気泳動技術だけに基づく主ユーザインターフェースよりも、ユーザナビゲーション動作に対する応答時間が速い。
【0011】
さらに他の実施例において、副ユーザインターフェースは、主ユーザインターフェースの主表示装置のディスプレイの周辺に一体的に形成される一連のLEDとして構成された副表示装置を有する。副ユーザインターフェースの選択手段は、第2のLEDに基づく表示装置に関連付けられたスクロール動作を制御するためのアップ/ダウンアイテムセレクタとして具現化される。主表示装置及び選択手段は、電気泳動技術だけに基づいている。
【0012】
別の実施例において、副ユーザインターフェースは、上述したように、主ユーザインターフェースの主表示装置のディスプレイの周辺に一体的に形成される一連のLED又はアイコンのとして構成される副ユーザ表示装置を有する。但し、本実施例は、副ユーザインターフェースの選択手段が少なくとも1つのアイテムを選択するための機械的セレクタ(例えば主ディスプレイの側部にあるダイアル又はスライダ)として具現化される点で前述した実施例とは異なる。
【0013】
ここで説明した実施例の各々において、より感応度の高い副ユーザインターフェースは、別の態様で電気泳動技術だけに基づいた低速の主ユーザインターフェースだけを用いることによって提供されることのできるものよりも、当該携帯型装置内で高速な対話/ナビゲーション動作をユーザに提供するものである。
【0014】
本発明の以上説明した特徴及び利点並びにその他の特徴及び利点は、添付図面とともに読まれる現時点で好適な実施例の以下の詳細な説明から、さらに明らかとなる。詳細な説明及び図面は、付随の請求項及びその均等の範囲により規定される本発明の範囲を限定するものではなく例証するものに過ぎないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の主要な特徴は、当該装置の主ユーザインターフェースの補足的手段として副(補足的)ユーザインターフェースを用いることにより携帯型装置におけるユーザナビゲーション動作に対する高速応答時間を提供することであり、当該高速応答時間は、主ユーザインターフェースに用いられる技術よりも感応度の高い副ユーザインターフェースのための技術の用いることによって実現されるものである。
【0016】
一実施例において、主ユーザインターフェースは、電気泳動技術に基づく一方、副ユーザインターフェースは、高速LCD技術に基づいている。
【0017】
電子インク基板(すなわち電気泳動技術)に基づくディスプレイは、普通、ユーザ対話/ナビゲーション動作に関して遅い応答時間を呈することがよく知られている。ユーザが被るこの遅い応答時間の不都合は、ユーザが付加的な時間を当該装置から特定の情報をアクセスするのに費やす必要があるということである。この問題は、ユーザが長いリストをスクロール又はナビゲートするときに非常に著しいものとなる。例えば、10アイテムの典型的リストの場合、ユーザが当該リストから最後のアイテムを選択したがっていることを考える。電子インク基板(電気泳動技術)に基づくディスプレイの場合、一度に1ステップをスクロールすると、当該eインクディスプレイの応答時間は、5.4秒のオーダ(9ステップ×0.6秒/ステップ)となる。比較すると、LDCディスプレイは、20〜50ミリ秒の(100倍速い)オーダで同じ動作を行うことができる。
【0018】
電気泳動技術に基づくユーザインターフェースに関連したこの遅い応答時間を克服するため、本発明は、情報アクセスに必要なユーザ対話/ナビゲーション時間を向上又は高速化するために、電気泳動技術だけに基づく遅い主ユーザインターフェースの補足の手段として電気泳動以外の技術に基づく副(補足的)ユーザインターフェースを提供する。
【0019】
本発明の実施例は、図1ないし図4を参照して説明される。但し、当業者であれば、これら図についてここで提示される詳細な説明は、本発明がこうした限定的実施例を越えて拡張されるので、説明目的のためのものであることが容易に分かる筈である。
【0020】
図1ないし図5は、同様の要素が同様の参照番号を有するものであり、本発明の典型的実施例により構成されるユーザインターフェースの図である。
【0021】
(第1実施例)
図1に示されるような一実施例において、巻込可能型表示装置30は、伸展形態にて示されており、伸展可能型表示装置30の電気泳動に基づく表示部39は、ユーザに対して情報を表示するために広げられている。ここで用いられているように、「伸展」及び「伸展形態」なる文言は、図示のように巻込式表示装置30の第1及び第2のハウジング32,34が分離され、巻込式表示装置30の電気泳動に基づく表示部39が、表示部39がユーザに見えるように広げられた形態と定義される。表示部39は、ここでは、巻込可能型表示装置30の主ユーザインターフェースと定義される。
【0022】
巻込可能型表示装置30の第1のハウジング32は、巻込可能型表示装置30のための演算動作を行う電子回路を閉じる基部ハウジングである。第1のハウジング32はまた、前面上に、LDCディスプレイ42及びスクロールホイール/セレクタ44を含み、かかるセレクタは、巻込可能型表示装置30の副(補足的)ユーザインターフェース40を一括して有するものとしている。スクロールホイール/セレクタ44により、ユーザは、回転移動(+,−)によりLCDディスプレイ42と対話動作することができる。スクロールホイール/セレクタ44は、(+,−)方向にスクロールされると、アイテム識別子52は、LCDディスプレイ42に順次表示される。例えば、(+)方向におけるスクロールホイール/セレクタ44のスクロール動作は、LCDディスプレイ42に、アイテム識別子(01,02,03など)を順次表示させることができる。第1のハウジング32はさらに、その前面上に戻りノブ46を含む。戻りノブ46は、スクロールホイール/セレクタ44が誤って動作させられたときに選択されたメニューの先行レイヤを回復する機能を有する。
【0023】
限定ではない例示として、メニューアイテム52及びそれらに関連付けられたメニューアイテム記述子52の整列リスト50は、図1の巻込可能型表示装置30の電気泳動に基づく表示部39(すなわち、主インターフェース39)に表示される。図1の典型的整列リスト50において、種々のメニューアイテム54は、12個のエントリ(行)によって構成される内容のテーブルを示す。
【0024】
メニューアイテム54の当該リストのスクロールのために、2つの方法を用いることができる。1つのアプローチによれば、主ユーザインターフェース39は、メニューアイテム54を直線的にスクロールするために排他的に用いられる。但し、この方法は、欠点を招く。特に、ナビゲーション/選択方法としては時間がかかりこれによりユーザを失望させる点で、望ましくない方法である。これは、主として、背景技術において説明したように、主ユーザインターフェース39の基礎としている電気泳動技術が比較的に低速なものである点によるものである。簡単に繰り返して言えば、主ユーザインターフェース39だけを用いて整列リスト50の各メニューアイテム54の直線的スクロールをなすのに必要な時間は、代表的電気泳動ディスプレイの場合、行当たり0.6秒のオーダにある。したがって、本例では、当該リストにおける12番目(最後)のアイテムの選択は、(0.6×12=7.2)秒のオーダがかかる可能性がある。
【0025】
この欠点を克服するため、本発明は、記憶された情報をアクセスするために携帯型装置30におけるナビゲーション/選択を行うための第2の方法を提供する。特に、図2の携帯型装置30は、主ユーザインターフェース39の補足として副(補足的)ユーザインターフェース40を含む。本実施例において、副ユーザインターフェース40は、スクロールホイール/セレクタ44、LCDディスプレイ42及び戻りノブ46を有する。副ユーザインターフェース40は、主ユーザインターフェース39の排他的使用と比較して、整列リスト50からのメニューアイテム54の高速識別及び選択を容易にする。メニューアイテム識別子54は、副ユーザインターフェース40のLCDディスプレイ42に表示され、上述したように、スクロールホイール/セレクタ44を用いて選択される。副ユーザインターフェース40は、メニューアイテムのリストが特に長い場合に、より大きな利点を奏するものである。
【0026】
副ユーザインターフェース40を提供することによって、携帯型装置30は、携帯型装置30内に記憶される情報をアクセスするために高速対話/ナビゲーション機能をユーザに提供するものである。したがって、主インターフェース39の排他的使用に関連したフラストレーションの伴う待機時間が克服される。
【0027】
(第2実施例)
図2に示されるような第2の実施例において、巻込可能型表示装置30は、巻込可能型表示装置30の電気泳動に基づく表示部39がユーザに情報を表示するために広げられている伸長形態を有する。巻込可能型表示装置30の第1のハウジング32は、巻込可能型表示装置30の演算動作を行う電子回路を閉じる基部ハウジングである。第1のハウジング32は、前面上にアップ/ダウンセレクタ64を含む。アップ/ダウンセレクタ64は、巻込可能型表示装置30の主ユーザインターフェース39(すなわち、表示部)の左側に位置づけられたアイコン66の行をさらに有する副(又は補足的)ユーザインターフェース40の一部を構成する。図示のように、アイコン66の行における各アイコンは、整列リスト50のそれぞれの行に関連付けられている。
【0028】
限定しない例として、整列リスト50は、図2に示されるものの如き巻込可能型表示装置30の電気泳動に基づく表示部39に表示される。図2の典型的整列リスト50は、各行がアイテム識別子52及び対応するアイテム記述54(例えば、03−Chapter1)を含む12列の行により構成される内容のテーブルである。
【0029】
メニューアイテム54のリストをスクロールするために2つの方法を用いることができる。上述したように、メニューアイテム54を直線的にスクロールするために専ら主ユーザインターフェース39を用いることは望ましくない。より好適なアプローチは、主インターフェース39の左側に位置づけられる複数のアイコン66及びアップ/ダウンセレクタ64により構成される副(又は補足的)ユーザインターフェース40により整列リスト50からユーザがアイテム記述54を迅速に識別し選択することである。アップ/ダウンセレクタ64は、複数のアイコン66の中から好ましいアイコンを強調表示し選択する。なお、各アイコン66は、整列リスト50の対応の行に関連付けられている。図2に示される整列リスト50が12個のエントリを含むとともに、機敏な読者は、場合によっては、整列リスト50が極めて大規模なもの(何10又は何100オーダのアイテム)となる可能性があることが分かる筈である。副ユーザインターフェース40は、ユーザに、別の形態で携帯型装置30の主インターフェース39だけを用いて可能となる場合よりも高速な携帯型装置30による対話/ナビゲーションを提供することにより長いリストを迅速に横切らせる機能を提供する。これは、副ユーザインターフェース40のためのより高い感応度の技術を用いることによって達成され、これにより携帯型装置30のより遅い主インターフェース39に関連した待機時間を排除することになる。
【0030】
(第3実施例)
図3に示されるような第3の実施例において、巻込可能型表示装置30は、ユーザに情報を表示するために巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39が広げられている伸展形態を有する。巻込可能型表示装置30の第1のハウジング32は、巻込可能型表示装置30の演算動作を実行する電子回路を閉じる基部ハウジングである。第1ハウジング32は、アップ/ダウンセレクタ64を前面上に含む。アップ/ダウンセレクタ74により、ユーザは、巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39と一体化されたLED76の行と対話動作することができる。なお、副ユーザインターフェースの各LED76は、整列リスト50のそれぞれの行に関連付けられている。
【0031】
限定しない例示のものとして、整列リス50は、図3に示され上述したものの如き巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39に表示される。
【0032】
メニューアイテム54のリストをスクロールするために、2つの方法を用いることができる。1つのアプローチによれば、主ユーザインターフェース39は、メニューアイテム54を直線的にスクロールするために専ら用いられる。但し、上述したように、この方法は、生じる低速応答時間のために好ましくない。これに代わり、副(又は補足的)ユーザインターフェース40を介して整列リスト50からアイテム記述54を迅速に識別し選択する機能がユーザに提供される。この実施例においては、副ユーザインターフェース40は、主ユーザインターフェース39の左側に位置付けられた複数のLED76及びアップ/ダウンセレクタ74を有する。副ユーザインターフェース40は、複数のLED76の中からLEDをハイライト表示するアップ/ダウンセレクタ74を介してユーザにより制御される。なお、各LED76は、整列リスト50の対応の行に関連付けられている。図3に示される整列リスト50が12個のエントリを含むとともに、敏速な読者は、場合によっては、整列リスト50が極めて大規模な(何10又は何100オーダのアイテムの)ものとなりうるものであることが分かる筈である。副ユーザインターフェース40は、別の形態で携帯型装置30の主インターフェース39を用いることのできるものよりも携帯型装置30により速い対話/ナビゲーションを提供することにより長いリストを迅速に横切らせるための機能をユーザに提供することができて有利である。これは、副ユーザインターフェース40のためのより感応度の高い技術(すなわちLED技術)を用いることによって達成され、これにより、携帯型装置30の低速な主インターフェース39に関連した待機時間を排除することとなる。
【0033】
(第4実施例)
図4に示されるような第4の実施例において、巻込可能型表示装置30は、巻込可能型表示装置30の電気泳動方式表示部39がユーザに情報を表示するために伸展されている伸展形態を有する。巻込可能型表示装置30の第1のハウジング32は、巻込可能型表示装置30のための演算動作を行う電子回路を閉じる基部ハウジングである。第1のハウジング32は、機械的ダイアルセレクタ84を前面上に含む。機械的ダイアルセレクタ84により、ユーザは、主ユーザインターフェース30(すなわち、巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39)に一体的なLED76の行と対話動作することができる。各LED76は、整列リスト50の対応の行に関連付けられている。
【0034】
限定しない例示のものとして、上述した整列リスト50は、図4に示されるものの如き主ユーザインターフェース30(すなわち、巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39)に表示される。ユーザは、主ユーザインターフェース39の表示部39の左側に位置付けられた複数のLED76及び機械的ダイアルセレクタ84により構成される副(補足的)ユーザインターフェースを介して整列リスト50からアイテム記述54を迅速に識別し選択する能力を有する。特に、機械的ダイアルセレクタ84を用いるユーザは、巻込可能型表示装置30の表示部39の左側に位置付けられる複数のLED76の中からLED76を強調表示(オプションとしては選択)する。なお、各LED76は、整列リスト50の対応の行に関連付けられる。
【0035】
副ユーザインターフェース40は、別の形態で携帯型装置30の主インターフェース39だけを用いて可能なものよりも高速な対話/ナビゲーションを提供することにより長いリストを迅速に横切らせる機能をユーザに提供する。これは、説明したように副ユーザインターフェース40のためにより高い感応度の技術(すなわち、LED技術)を用いることにより達成され、これにより、携帯型装置30の遅い主インターフェース39に関連した待機時間を排除することとなる。
【0036】
(第5実施例)
図5に示されるような第5の実施例において、巻込可能型表示装置30は、ユーザに情報を表示するために巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39が広げられる伸展形態を有する。巻込可能型表示装置30の第1のハウジング32は、巻込可能型表示装置30の演算動作を行う電子回路を閉じる基部ハウジングである。第1のハウジング32は、機械的摺動スライダ94を前面上に含む。機械的スライダ/セレクタ94によって、ユーザは、主ユーザインターフェース(すなわち、巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39)と一体的なLED76の行と対話動作することができる。各LED76は、整列リスト50の対応の行と関連付けられる。
【0037】
限定しない例示のものとして、上述した整列リスト50は、図5に示されるものの如き主ユーザインターフェース30(すなわち、巻込可能型表示装置30の電気泳動型表示部39)に表示される。ユーザは、主ユーザインターフェース30の表示部39の左側に位置付けられる複数のLED76及び機械的スライダ/セレクタ94により構成される副(補足的)ユーザインターフェースを介して整列リスト50からアイテム記述54を迅速に識別し選択する機能を有する。特に、機械的スライダ/セレクタ94を用いるユーザは、巻込可能型表示装置30の表示部39の左側に位置付けられる複数のLED76の中からLED76をハイライト表示(オプションとしては選択)する。なお、各LED76は、整列リスト50の対応の行に関連付けられている。
【0038】
以上、特定の実施例について本発明を説明したが、添付の請求項に記載されているような本発明の精神及び範囲を逸脱することなく数多くの変形例によるものとすることができる。本発明の範囲は、添付の請求項に示されており、等価の意味及び範囲に入る全ての変更がその中に含まれることを意図している。したがって、明細書及び図面は、例示の態様と考えるべきであり、添付の請求項の範囲を限定することを意図するものではない。
【0039】
添付の請求項を解釈するに際し、次のことに留意されたい。
【0040】
a)「有する」なる文言は、与えられる請求項に挙げられるもの以外の要素又は動作の存在を排除しない。
【0041】
b)要素の単数表現は、そのような要素の複数の存在を排除しない。
【0042】
c)請求項におけるいずれの参照符号もその範囲を限定しない。
【0043】
d)複数の「手段」は、同じアイテム又はハードウェア若しくはソフトウェアにより実現される構造又は機能によって表すことができる。
【0044】
e)ここで開示の要素のいずれも、ハードウェア部分(例えば、ディスクリートで集積化された電子回路を含むもの)、ソフトウェア部分(例えば、コンピュータプログラム)及びこれらの組み合わせにより構成可能である。
【0045】
f)ハードウェア部分は、アナログ及びディジタル部分の1つ又は双方により構成されるものとすることができる。
【0046】
g)ここで開示の装置又はその部分のいずれも、特に異なる旨につき言及がなければ、別の部分となるように共に組み合わされ又は分離されることもできる。
【0047】
h)動作の特定の順序は、特に示していない限り、必要なものとして意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】主及び副ユーザインターフェースを含む巻込可能な表示装置の伸展形態であって、副ユーザインターフェースが本発明の一実施例によりホイール/セレクタ及びLCDを有するものを示す図。
【図2】主及び副ユーザインターフェースを含む巻込可能な表示装置の伸展形態であって、副ユーザインターフェースが本発明の一実施例によりアップ/ダウンセレクタ及び複数のアイコンを有するものを示す図。
【図3】主及び副ユーザインターフェースを含む巻込可能な表示装置の伸展形態であって、副ユーザインターフェースが本発明の一実施例によりアップ/ダウンセレクタ及び複数のLEDを有するものを示す図。
【図4】主及び副ユーザインターフェースを含む巻込可能な表示装置の伸展形態であって、副ユーザインターフェースが本発明の一実施例によりダイアルセレクタを有するものを示す図。
【図5】主及び副ユーザインターフェースを含む巻込可能な表示装置の伸展形態であって、副ユーザインターフェースが本発明の一実施例により機械的スライダを有するものを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ユーザインターフェース及びこの主ユーザインターフェースに補足するものとして設けられた副ユーザインターフェースを有する携帯型装置であって、前記副ユーザインターフェースは、前記主ユーザインターフェースを介して当該ユーザナビゲーション動作を行うために必要なものよりも短い時間にて当該携帯型装置におけるユーザナビゲーション動作を行うように構成されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型装置であって、前記副ユーザインターフェースは、液晶表示技術に基づき、略0.02秒のオーダでユーザナビゲーション動作を行い、前記主ユーザインターフェースは、電気泳動技術に基づき、0.5秒のオーダで当該ユーザナビゲーション動作を行う、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯型装置であって、前記主ユーザインターフェース39は、電気泳動技術に基づく、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯型装置であって、前記副ユーザインターフェースは、液晶ダイオード技術に基づく、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯型装置であって、前記副ユーザインターフェースは、選択手段及び表示手段により構成される、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型装置であって、前記表示手段は、LCDディスプレイであり、前記選択手段は、スクロールホイール/セレクタである、装置。
【請求項7】
請求項5に記載の携帯型装置であって、前記表示手段は、アイコンの行であり、前記選択手段は、アップ/ダウンセレクタである、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯型装置であって、前記アイコンの行は、LC、OLED及びエレクトロウェッティング技術のうちの1つに基づいている、装置。
【請求項9】
請求項5に記載の携帯型装置であって、前記表示手段は、LEDの行であり、前記選択手段は、アップ/ダウンカウンタである、装置。
【請求項10】
請求項5に記載の携帯型装置であって、前記表示手段は、LEDの行及びアイコンの行のうちの一方であり、前記選択手段は、機械的ダイアルセレクタである、装置。
【請求項11】
請求項5に記載の携帯型装置であって、前記表示手段は、LEDの行及びアイコンの行のうちの一方であり、前記選択手段は、機械的スライダ/セレクタである、装置。
【請求項12】
主及び副ユーザインターフェースを有する携帯型装置においてユーザナビゲーション動作を行う方法であって、
(1)前記主ユーザインターフェースの主ディスプレイに整列リストを表示し、その整列リストがメニューアイテム及び対応のメニューアイテム識別子を有するようにし、
(2)前記副ユーザインターフェースを介して前記整列リストから少なくとも1つのメニューアイテムを選択し、その選択により、前記主ユーザインターフェースを介した前記少なくとも1つのメニューアイテムの選択よりも高速な応答時間をもたらすようにした、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記選択動作はさらに、
a.前記副ユーザインターフェースに関連づけられたディスプレイに前記メニューアイテム識別子を表示すること、及び
b.前記副ユーザインターフェースに関連付けられた選択手段を介して前記副ユーザインターフェースディスプレイから前記少なくとも1つのメニューアイテムを選択すること、
を有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−505168(P2009−505168A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511844(P2008−511844)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051544
【国際公開番号】WO2006/123294
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】