携帯型駐車違反車両撮影装置
【課題】本発明の目的は、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる携帯型駐車違反車両撮影装置を提供することにある。
【解決手段】駐車違反車両を撮影するカメラ2で撮影した車両画像におけるナンバープレートの形状と座標位置を指定し、駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに携帯情報端末1の表示装置4に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得る。ナンバープレート抽出手段8はナンバープレート画像の歪補正を行い正規化し、車番読取手段9で車番を抽出する。
【解決手段】駐車違反車両を撮影するカメラ2で撮影した車両画像におけるナンバープレートの形状と座標位置を指定し、駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに携帯情報端末1の表示装置4に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得る。ナンバープレート抽出手段8はナンバープレート画像の歪補正を行い正規化し、車番読取手段9で車番を抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上に違法駐車されている駐車違反車両の駐車個所全景とナンバープレートを撮影しナンバープレートの車番を読み取る携帯型駐車違反車両撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車違反取締り業務が一部の民間業者に委託され実運用されている。委託された民間業者は駐車違反取締りに駐車違反車両撮影装置を必要とする。駐車違反車両撮影装置は、取締りを行う者が携帯可能な小型の装置で、駐車違反車両の駐車個所全景の撮影機能と車両のナンバープレートから車番の認識機能を搭載する必要がある。
【0003】
このような駐車違反車両撮影装置は、携帯可能でなければならないことから、PDA(Personal Digital Assistants)や小型のタブレットPC等の携帯情報端末が用いられる。また、撮影するカメラとしてはCFカードタイプが用いられ、携帯情報端末と一体化している。
【0004】
従来、撮影した画像から車両のナンバープレートの車番を認識するには、撮影した画像からナンバープレート部分を抽出してナンバープレート領域の中から各文字を切り出し、予め登録しておいた辞書となる各文字パターンとのパターンマッチングを行って、車番を認識している。このことは、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に記載されている。
【0005】
このように車番認識は、ナンバープレートの抽出処理、文字の切り出し及び認識処理について長年にわたる研究開発により、様々なシチュエーションを想定した複雑な処理にて構築され、高精度な認識率を達成するようになっている。
【0006】
また、従来の車番認識装置は、主に道路上の橋桁等の建造物に設置あるいは駐車場に設置する固定型の比較的に大型装置である。車両を撮影するカメラも高機能及び高精度なものを用い、複雑化した車番認識処理を高速に実行可能とするために、画像処理専用のハードウェアを搭載した高価な処理装置を用いている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−161193号公報
【特許文献2】特開2006−18339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
駐車違反車両撮影装置は携帯形であり、固定型車番認識装置のように高機能及び高精度なカメラや、画像処理専用ハードウェアを搭載不可能である。また、処理装置の演算性能やメモリ容量も固定型車番認識装置に比べ格段に非力であるために従来の複雑な処理方式をそのまま用いたのでは、実用上満足できる時間内(例えば1秒以内)で車番認識処理を行うことができないという問題点を有する。
【0009】
具体的には、車番認識処理において、困難で処理時間を多く要する処理として、撮影した車両画像からナンバープレートの抽出処理がある。多様な模様のフロントグリルに装着されるナンバープレートや、白や黄、緑等のナンバープレートへの対応、白い車体に白いナンバープレートが装着される場合等を考慮すると、単純にナンバープレートの四角形(長方形)を特徴として探索するだけでは完全かつ正確にナンバープレートを抽出することが困難になる。
【0010】
また、操作者が手持ちで車両を撮影することから、撮影されるナンバープレートのサイズが一定でなく、ナンバープレート画像からサイズ不定の文字らしき形状を探し出すのに処理時間を多く要し、かつ精度上にも問題がある。
【0011】
本発明の目的は、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる携帯型駐車違反車両撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴とするところは、駐車違反車両を撮影するカメラで撮影した車両画像におけるナンバープレートの形状と位置座標を指定し、駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに携帯情報端末の表示面に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得て画像歪補正を行い正規化したナンバープレート画像を抽出するようにしたことにある。
【0013】
指定ナンバープレート形状は、同じ操作者が最初に撮影したナンバープレート画像のナンバープレート形状であることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに携帯情報端末の表示装置に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得ている。同じ操作者は、車両ナンバープレートを撮影する場合に、毎回ほぼ同じようにナンバープレートを撮影する確率が高いので操作者の前に撮影した指定ナンバープレート形状を利用することにより、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における一実施形態について図面を用いて以下説明する。
【実施例1】
【0016】
図1に本発明の一実施例を示す。
【0017】
図1において、カメラ2を起動し撮影した車両画像は携帯情報端末1の画像記憶手段5に入力される。携帯情報端末1としてはPDAが用いられる。画像記憶手段5に記憶された車両画像は表示装置4とナンバープレート抽出手段8に与えられる。表示装置4には、カメラ2からの入力画像が連続的にプレビュー表示される。
【0018】
ナンバープレート形状記憶手段7には指定ナンバープレート形状が4隅の位置座標と共に記憶されている。指定ナンバープレート形状は形状と大きさが設定されていることになる。ナンバープレート形状指定手段6はナンバープレート形状記憶手段7に記憶されている指定ナンバープレート形状を取り込み表示装置4に表示する。
【0019】
ナンバープレート抽出手段8は、駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに、ナンバープレート形状指定手段により指定されたナンバープレート形状を表示面に表示して駐車違反車両のナンバープレートを撮影した指定ナンバープレート形状と同じ形状のナンバープレート画像を得て、歪補正を行い正規化したナンバープレート画像を抽出する。
【0020】
車番読取手段9はナンバープレート抽出手段8で抽出し正規化したナンバープレート画像を2値化し、各々の文字単位に切り出して、あらかじめ記憶させておいた、各文字ごとの辞書パターンとパターンマッチング等を行って、各文字を認識し、その認識結果を、表示装置4に表示する。
【0021】
このように構成される携帯情報端末1とカメラ2は図2、図3に示すような構造になっている。図2は携帯情報端末1とカメラ2を分離した状態の正面図で、図3は図2の側面図である。
【0022】
カメラ2は図3(a)の状態からCFカードタイプで携帯情報端末1の上面に形成されているカードスロットに差し込むことによって図3(b)に示すように装着される。カメラ2の向きは表示装置4の表示面と反対向きにして携帯情報端末1に装着されている。
【0023】
次に、図4のフロー図を参照して動作を説明する。
【0024】
まず、本発明の理解を容易にするために携帯型カメラを用いてナンバープレートを撮影することについて図5、図6を用いて説明する。
【0025】
一般に、車両10のナンバープレート11は、道路面から略一定の低い位置に設置されている。ナンバープレート11を本発明の携帯型駐車違反車両撮影装置で撮影する場合、立ち姿勢で撮影、かがんで撮影あるいはしゃがんで撮影など操作者12によって色々である。しかし、取締り業務として一日に百台以上にもおよぶ駐車車両10のナンバープレート11を撮影するとなると、毎回、かがんだり、しゃがんで撮影することはほぼ困難である。
【0026】
したがって、操作者2は図5に示すように、直立に近い楽な立ち姿勢で、車両10からほぼ同じ距離離れた場所に立ってナンバープレート11を撮影するのが普通である。このため、同一の操作者12によって、撮影されるナンバープレート11の画像は、図6に示すような台形に近い形で、ほぼ毎回同じように撮影されることになる。
【0027】
さて、動作説明に戻り、図4のステップ101においてカメラ2によりナンバープレート11を含んだ車両10を撮影する。カメラ2を起動すると表示装置4にはカメラ2からの入力画像が連続的にプレビュー表示する。このとき、ナンバープレート11を撮影するためのガイドとして、ナンバープレート形状記憶手段7に記憶されている前回の操作で指定した指定ナンバープレート形状13(四隅の位置座標で示される)を図7(a)に示すような表示装置4の中心を示す太線破線の十字の補助線14に、指定ナンバープレート形状(枠線)13の中心を合わせて表示する。
【0028】
操作者12は、撮影を行っている車両10のナンバープレート11の中心を表示装置4に表示されている十字の補助線14の中心に合わせ、ナンバープレート11の4点を指定ナンバープレート形状13の表示枠線に合うように、カメラ2の撮影方向を微調整してシャッターボタンを押して車両画像15を撮影する。車両画像15は図7(b)に示すように携帯情報端末1に入力される。
【0029】
ステップ102では、ステップ101でカメラ2により撮影された車両画像15を画像記憶手段5に保存し、保存された車両画像15を表示装置4に表示する。このとき、ステップ101におけるプレビュー表示と同じように、表示装置4の中心を示す十字の補助線14と指定ナンバープレート形状13の枠線を車両画像15に重ねて図7(a)のように表示する。
【0030】
ステップ103に移行しナンバープレート形状指定手段6は、図7のように表示されているナンバープレート画像11をペン3でポイントすることにより、撮影されたナンバープレート画像11の四隅の各位置座標を指定する。ナンバープレート画像11の四隅の各位置座標は指定ナンバープレート形状13における四隅の位置座標に指定される。
【0031】
ナンバープレート画像11の四隅(左上、右上、左下、右下)のポイント指定は、操作を簡単にするために必ず順番に指定するのではなく、撮影された車両画像15を図7(a)の十字形補助線14にて上下左右に4分割したと考え、4分割中の左上領域をペン3でポイントした場合は、ナンバープレート画像11の左上隅の座標をポイントしたと解釈し、ナンバープレート画像11の左上隅の座標を更新するよう動作させる。右上隅、左下隅、右下隅も同様である。
【0032】
このように、毎回ほぼ同じように車両画像15を撮影している場合は、その都度ナンバープレート画像11の四隅の点を全て指定する必要は無く、ずれている点のみペン3でクリックするだけで、ナンバープレート画像11の形状を指定することが可能となる。
【0033】
なお、ペン3でナンバープレート画像11の各点を指定した場合は、図7(a)に表示している形状の枠線もその更新された座標に従って表示し直される。
【0034】
ステップ103からステップ104に移り、ナンバープレート形状記憶手段7はナンバープレート形状指定手段6で指定されたナンバープレート画像11の四隅の各位置座標を記憶する。指定した形状をナンバープレート形状記憶手段7に記憶するタイミングは、毎回必ず記憶するようにするか、もしくは、表示装置4に「形状登録」ボタンを設けて指定した場合に行うようにすることもできる。
【0035】
ステップ105に移行してナンバープレート抽出手段8は、ナンバープレート形状指定手段6で指定したナンバープレート画像11の四隅の位置座標に従って車両画像15からナンバープレート画像11のみを抽出する。次に、ナンバープレート抽出手段8は図8に示すようにナンバープレート画像11の歪補正を行い予め決めておいた縦横比の長方形に正規化するようアフィン変換を行う。アフィン変換については、画像処理分野において周知であるので詳細説明を省略する。
【0036】
車番読取手段9はステップ106においてナンバープレート抽出手段8で抽出及び正規化されたナンバープレート画像11を2値化して各々の文字単位に切り出し、各文字の辞書パターンとパターンマッチングを行って文字を認識する。車番読取手段9は認識結果を表示手段4に表示する。
【0037】
このようにして駐車違反車両のナンバープレートを撮影するのであるが、携帯情報端末の表示装置に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得ている。同じ操作者は、車両ナンバープレートを撮影する場合に、毎回ほぼ同じようにナンバープレートを撮影する確率が高いので操作者の前に撮影した指定ナンバープレート形状を利用することにより、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる。
【実施例2】
【0038】
図9、図10に携帯情報端末1とカメラ2の他の実施例を示す。実施例2はカメラ2を携帯情報端末1に90°回動自在に取付け、駐車違反車両の駐車個所全景撮影とナンバープレート撮影のときに撮影方向を切替えるようにしたものである。
【0039】
携帯情報端末1の上面に装着されるカメラ2は、撮影方向が図10(a)に示すように操作者12の目線と同一方向と図10(b)に示すように操作者12の目線と90°方向に回動できるようになっている。また、携帯情報端末1には図9に示すように全景撮影ボタン16とナンバープレート撮影ボタン17が設けられている。
【0040】
カメラ2は全景撮影ボタン16を押圧すると図10(a)に示す撮影方向になり、ナンバープレート撮影ボタン17を押圧すると図10(b)に示す撮影方向になる。したがって、操作者12は、駐車個所全景撮影の場合は図11のように撮影でき、ナンバープレート撮影の場合は図12のように撮影できる。操作者12はいずれの場合にも表示装置4を見ながら立ち姿勢で撮影することができる。
【0041】
このように、実施例2では全景撮影とナンバープレート撮影を立ち姿勢で表示装置を見ながら簡単に撮影することができるという効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の外観構成図である。
【図3】本発明の一実施例の外観構成図である。
【図4】本発明の動作を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明を説明するための車両撮影の概念図である。
【図6】本発明を説明するためのナンバープレート画像の一例図である。
【図7】本発明によるナンバープレート画像の一例図である。
【図8】本発明によるナンバープレート画像の説明図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す携帯情報端末の構成図である。
【図10】本発明における他の実施例の説明図である。
【図11】本発明における他の実施例の説明図である。
【図12】本発明における他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…携帯情報端末、2…カメラ、3…ペン、4…表示装置、5…画像記憶手段、6…ナンバープレート形状指定手段、7…ナンバープレート形状記憶手段、8…ナンバープレート抽出手段、9…車番読取手段、10…車両、11…ナンバープレート、12…操作者、
13…指定ナンバープレート形状、14…ナンバープレート中心補助線、15…車両画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上に違法駐車されている駐車違反車両の駐車個所全景とナンバープレートを撮影しナンバープレートの車番を読み取る携帯型駐車違反車両撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車違反取締り業務が一部の民間業者に委託され実運用されている。委託された民間業者は駐車違反取締りに駐車違反車両撮影装置を必要とする。駐車違反車両撮影装置は、取締りを行う者が携帯可能な小型の装置で、駐車違反車両の駐車個所全景の撮影機能と車両のナンバープレートから車番の認識機能を搭載する必要がある。
【0003】
このような駐車違反車両撮影装置は、携帯可能でなければならないことから、PDA(Personal Digital Assistants)や小型のタブレットPC等の携帯情報端末が用いられる。また、撮影するカメラとしてはCFカードタイプが用いられ、携帯情報端末と一体化している。
【0004】
従来、撮影した画像から車両のナンバープレートの車番を認識するには、撮影した画像からナンバープレート部分を抽出してナンバープレート領域の中から各文字を切り出し、予め登録しておいた辞書となる各文字パターンとのパターンマッチングを行って、車番を認識している。このことは、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に記載されている。
【0005】
このように車番認識は、ナンバープレートの抽出処理、文字の切り出し及び認識処理について長年にわたる研究開発により、様々なシチュエーションを想定した複雑な処理にて構築され、高精度な認識率を達成するようになっている。
【0006】
また、従来の車番認識装置は、主に道路上の橋桁等の建造物に設置あるいは駐車場に設置する固定型の比較的に大型装置である。車両を撮影するカメラも高機能及び高精度なものを用い、複雑化した車番認識処理を高速に実行可能とするために、画像処理専用のハードウェアを搭載した高価な処理装置を用いている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−161193号公報
【特許文献2】特開2006−18339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
駐車違反車両撮影装置は携帯形であり、固定型車番認識装置のように高機能及び高精度なカメラや、画像処理専用ハードウェアを搭載不可能である。また、処理装置の演算性能やメモリ容量も固定型車番認識装置に比べ格段に非力であるために従来の複雑な処理方式をそのまま用いたのでは、実用上満足できる時間内(例えば1秒以内)で車番認識処理を行うことができないという問題点を有する。
【0009】
具体的には、車番認識処理において、困難で処理時間を多く要する処理として、撮影した車両画像からナンバープレートの抽出処理がある。多様な模様のフロントグリルに装着されるナンバープレートや、白や黄、緑等のナンバープレートへの対応、白い車体に白いナンバープレートが装着される場合等を考慮すると、単純にナンバープレートの四角形(長方形)を特徴として探索するだけでは完全かつ正確にナンバープレートを抽出することが困難になる。
【0010】
また、操作者が手持ちで車両を撮影することから、撮影されるナンバープレートのサイズが一定でなく、ナンバープレート画像からサイズ不定の文字らしき形状を探し出すのに処理時間を多く要し、かつ精度上にも問題がある。
【0011】
本発明の目的は、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる携帯型駐車違反車両撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴とするところは、駐車違反車両を撮影するカメラで撮影した車両画像におけるナンバープレートの形状と位置座標を指定し、駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに携帯情報端末の表示面に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得て画像歪補正を行い正規化したナンバープレート画像を抽出するようにしたことにある。
【0013】
指定ナンバープレート形状は、同じ操作者が最初に撮影したナンバープレート画像のナンバープレート形状であることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに携帯情報端末の表示装置に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得ている。同じ操作者は、車両ナンバープレートを撮影する場合に、毎回ほぼ同じようにナンバープレートを撮影する確率が高いので操作者の前に撮影した指定ナンバープレート形状を利用することにより、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における一実施形態について図面を用いて以下説明する。
【実施例1】
【0016】
図1に本発明の一実施例を示す。
【0017】
図1において、カメラ2を起動し撮影した車両画像は携帯情報端末1の画像記憶手段5に入力される。携帯情報端末1としてはPDAが用いられる。画像記憶手段5に記憶された車両画像は表示装置4とナンバープレート抽出手段8に与えられる。表示装置4には、カメラ2からの入力画像が連続的にプレビュー表示される。
【0018】
ナンバープレート形状記憶手段7には指定ナンバープレート形状が4隅の位置座標と共に記憶されている。指定ナンバープレート形状は形状と大きさが設定されていることになる。ナンバープレート形状指定手段6はナンバープレート形状記憶手段7に記憶されている指定ナンバープレート形状を取り込み表示装置4に表示する。
【0019】
ナンバープレート抽出手段8は、駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに、ナンバープレート形状指定手段により指定されたナンバープレート形状を表示面に表示して駐車違反車両のナンバープレートを撮影した指定ナンバープレート形状と同じ形状のナンバープレート画像を得て、歪補正を行い正規化したナンバープレート画像を抽出する。
【0020】
車番読取手段9はナンバープレート抽出手段8で抽出し正規化したナンバープレート画像を2値化し、各々の文字単位に切り出して、あらかじめ記憶させておいた、各文字ごとの辞書パターンとパターンマッチング等を行って、各文字を認識し、その認識結果を、表示装置4に表示する。
【0021】
このように構成される携帯情報端末1とカメラ2は図2、図3に示すような構造になっている。図2は携帯情報端末1とカメラ2を分離した状態の正面図で、図3は図2の側面図である。
【0022】
カメラ2は図3(a)の状態からCFカードタイプで携帯情報端末1の上面に形成されているカードスロットに差し込むことによって図3(b)に示すように装着される。カメラ2の向きは表示装置4の表示面と反対向きにして携帯情報端末1に装着されている。
【0023】
次に、図4のフロー図を参照して動作を説明する。
【0024】
まず、本発明の理解を容易にするために携帯型カメラを用いてナンバープレートを撮影することについて図5、図6を用いて説明する。
【0025】
一般に、車両10のナンバープレート11は、道路面から略一定の低い位置に設置されている。ナンバープレート11を本発明の携帯型駐車違反車両撮影装置で撮影する場合、立ち姿勢で撮影、かがんで撮影あるいはしゃがんで撮影など操作者12によって色々である。しかし、取締り業務として一日に百台以上にもおよぶ駐車車両10のナンバープレート11を撮影するとなると、毎回、かがんだり、しゃがんで撮影することはほぼ困難である。
【0026】
したがって、操作者2は図5に示すように、直立に近い楽な立ち姿勢で、車両10からほぼ同じ距離離れた場所に立ってナンバープレート11を撮影するのが普通である。このため、同一の操作者12によって、撮影されるナンバープレート11の画像は、図6に示すような台形に近い形で、ほぼ毎回同じように撮影されることになる。
【0027】
さて、動作説明に戻り、図4のステップ101においてカメラ2によりナンバープレート11を含んだ車両10を撮影する。カメラ2を起動すると表示装置4にはカメラ2からの入力画像が連続的にプレビュー表示する。このとき、ナンバープレート11を撮影するためのガイドとして、ナンバープレート形状記憶手段7に記憶されている前回の操作で指定した指定ナンバープレート形状13(四隅の位置座標で示される)を図7(a)に示すような表示装置4の中心を示す太線破線の十字の補助線14に、指定ナンバープレート形状(枠線)13の中心を合わせて表示する。
【0028】
操作者12は、撮影を行っている車両10のナンバープレート11の中心を表示装置4に表示されている十字の補助線14の中心に合わせ、ナンバープレート11の4点を指定ナンバープレート形状13の表示枠線に合うように、カメラ2の撮影方向を微調整してシャッターボタンを押して車両画像15を撮影する。車両画像15は図7(b)に示すように携帯情報端末1に入力される。
【0029】
ステップ102では、ステップ101でカメラ2により撮影された車両画像15を画像記憶手段5に保存し、保存された車両画像15を表示装置4に表示する。このとき、ステップ101におけるプレビュー表示と同じように、表示装置4の中心を示す十字の補助線14と指定ナンバープレート形状13の枠線を車両画像15に重ねて図7(a)のように表示する。
【0030】
ステップ103に移行しナンバープレート形状指定手段6は、図7のように表示されているナンバープレート画像11をペン3でポイントすることにより、撮影されたナンバープレート画像11の四隅の各位置座標を指定する。ナンバープレート画像11の四隅の各位置座標は指定ナンバープレート形状13における四隅の位置座標に指定される。
【0031】
ナンバープレート画像11の四隅(左上、右上、左下、右下)のポイント指定は、操作を簡単にするために必ず順番に指定するのではなく、撮影された車両画像15を図7(a)の十字形補助線14にて上下左右に4分割したと考え、4分割中の左上領域をペン3でポイントした場合は、ナンバープレート画像11の左上隅の座標をポイントしたと解釈し、ナンバープレート画像11の左上隅の座標を更新するよう動作させる。右上隅、左下隅、右下隅も同様である。
【0032】
このように、毎回ほぼ同じように車両画像15を撮影している場合は、その都度ナンバープレート画像11の四隅の点を全て指定する必要は無く、ずれている点のみペン3でクリックするだけで、ナンバープレート画像11の形状を指定することが可能となる。
【0033】
なお、ペン3でナンバープレート画像11の各点を指定した場合は、図7(a)に表示している形状の枠線もその更新された座標に従って表示し直される。
【0034】
ステップ103からステップ104に移り、ナンバープレート形状記憶手段7はナンバープレート形状指定手段6で指定されたナンバープレート画像11の四隅の各位置座標を記憶する。指定した形状をナンバープレート形状記憶手段7に記憶するタイミングは、毎回必ず記憶するようにするか、もしくは、表示装置4に「形状登録」ボタンを設けて指定した場合に行うようにすることもできる。
【0035】
ステップ105に移行してナンバープレート抽出手段8は、ナンバープレート形状指定手段6で指定したナンバープレート画像11の四隅の位置座標に従って車両画像15からナンバープレート画像11のみを抽出する。次に、ナンバープレート抽出手段8は図8に示すようにナンバープレート画像11の歪補正を行い予め決めておいた縦横比の長方形に正規化するようアフィン変換を行う。アフィン変換については、画像処理分野において周知であるので詳細説明を省略する。
【0036】
車番読取手段9はステップ106においてナンバープレート抽出手段8で抽出及び正規化されたナンバープレート画像11を2値化して各々の文字単位に切り出し、各文字の辞書パターンとパターンマッチングを行って文字を認識する。車番読取手段9は認識結果を表示手段4に表示する。
【0037】
このようにして駐車違反車両のナンバープレートを撮影するのであるが、携帯情報端末の表示装置に指定ナンバープレート形状を表示して駐車違反車両のナンバープレートを指定ナンバープレート形状と同じ形状に撮影したナンバープレート画像を得ている。同じ操作者は、車両ナンバープレートを撮影する場合に、毎回ほぼ同じようにナンバープレートを撮影する確率が高いので操作者の前に撮影した指定ナンバープレート形状を利用することにより、操作者が簡単な補助的操作を行うことによって実用上満足できる時間内で精度良く車番認識することができる。
【実施例2】
【0038】
図9、図10に携帯情報端末1とカメラ2の他の実施例を示す。実施例2はカメラ2を携帯情報端末1に90°回動自在に取付け、駐車違反車両の駐車個所全景撮影とナンバープレート撮影のときに撮影方向を切替えるようにしたものである。
【0039】
携帯情報端末1の上面に装着されるカメラ2は、撮影方向が図10(a)に示すように操作者12の目線と同一方向と図10(b)に示すように操作者12の目線と90°方向に回動できるようになっている。また、携帯情報端末1には図9に示すように全景撮影ボタン16とナンバープレート撮影ボタン17が設けられている。
【0040】
カメラ2は全景撮影ボタン16を押圧すると図10(a)に示す撮影方向になり、ナンバープレート撮影ボタン17を押圧すると図10(b)に示す撮影方向になる。したがって、操作者12は、駐車個所全景撮影の場合は図11のように撮影でき、ナンバープレート撮影の場合は図12のように撮影できる。操作者12はいずれの場合にも表示装置4を見ながら立ち姿勢で撮影することができる。
【0041】
このように、実施例2では全景撮影とナンバープレート撮影を立ち姿勢で表示装置を見ながら簡単に撮影することができるという効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の外観構成図である。
【図3】本発明の一実施例の外観構成図である。
【図4】本発明の動作を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明を説明するための車両撮影の概念図である。
【図6】本発明を説明するためのナンバープレート画像の一例図である。
【図7】本発明によるナンバープレート画像の一例図である。
【図8】本発明によるナンバープレート画像の説明図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す携帯情報端末の構成図である。
【図10】本発明における他の実施例の説明図である。
【図11】本発明における他の実施例の説明図である。
【図12】本発明における他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…携帯情報端末、2…カメラ、3…ペン、4…表示装置、5…画像記憶手段、6…ナンバープレート形状指定手段、7…ナンバープレート形状記憶手段、8…ナンバープレート抽出手段、9…車番読取手段、10…車両、11…ナンバープレート、12…操作者、
13…指定ナンバープレート形状、14…ナンバープレート中心補助線、15…車両画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末に取付けられ、駐車違反車両を撮影するカメラと、前記カメラで撮影した車両画像を入力しナンバープレートの車番を認識する携帯情報端末とを備え、前記携帯情報端末は、前記カメラで撮影した車両画像におけるナンバープレートの形状と座標位置を指定するナンバープレート形状指定手段と、前記ナンバープレート形状指定手段で指定されたナンバープレートの形状と座標位置を記憶するナンバープレート形状記憶手段と、前記駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに、前記ナンバープレート形状指定手段により指定されたナンバープレート形状を表示装置に表示して前記駐車違反車両のナンバープレートを撮影した指定ナンバープレート形状と同じ形状のナンバープレート画像を得て、歪補正を行い正規化したナンバープレート画像を抽出するナンバープレート抽出手段と、前記ナンバープレート抽出手段で抽出されたナンバープレート画像から車番情報を読み取る車番読取手段を具備することを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ナンバープレート形状指定手段で指定するナンバープレート形状は、同じ操作者が最初に撮影したナンバープレート画像のナンバープレート形状であることを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項3】
請求項1において、前記ナンバープレート抽出手段は歪補正によって長方形のナンバープレート画像を得ることを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項4】
請求項1において、前記カメラは、前記駐車違反車両の駐車個所全景とナンバープレートを撮影するときに90°回動自在に前記携帯情報端末に取付けられていることを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項1】
携帯情報端末に取付けられ、駐車違反車両を撮影するカメラと、前記カメラで撮影した車両画像を入力しナンバープレートの車番を認識する携帯情報端末とを備え、前記携帯情報端末は、前記カメラで撮影した車両画像におけるナンバープレートの形状と座標位置を指定するナンバープレート形状指定手段と、前記ナンバープレート形状指定手段で指定されたナンバープレートの形状と座標位置を記憶するナンバープレート形状記憶手段と、前記駐車違反車両のナンバープレートを撮影するときに、前記ナンバープレート形状指定手段により指定されたナンバープレート形状を表示装置に表示して前記駐車違反車両のナンバープレートを撮影した指定ナンバープレート形状と同じ形状のナンバープレート画像を得て、歪補正を行い正規化したナンバープレート画像を抽出するナンバープレート抽出手段と、前記ナンバープレート抽出手段で抽出されたナンバープレート画像から車番情報を読み取る車番読取手段を具備することを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ナンバープレート形状指定手段で指定するナンバープレート形状は、同じ操作者が最初に撮影したナンバープレート画像のナンバープレート形状であることを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項3】
請求項1において、前記ナンバープレート抽出手段は歪補正によって長方形のナンバープレート画像を得ることを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【請求項4】
請求項1において、前記カメラは、前記駐車違反車両の駐車個所全景とナンバープレートを撮影するときに90°回動自在に前記携帯情報端末に取付けられていることを特徴とする携帯型駐車違反車両撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−40519(P2008−40519A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209582(P2006−209582)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】
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