説明

携帯用電子機器

【課題】 情報を送受信するための電波が人体に与える影響が少ない携帯用電子機器を提供すること。
【解決手段】 電波によって通信相手との間で情報を送受信する携帯用電子機器において、通信相手から送信された電波を受信する受信手段(送受信回路20)と、通信相手に対して電波を送信する送信手段(送受信回路20)と、受信手段の受信感度に応じて、送信手段によって送信される電波の送信電力を設定する設定手段(制御回路30)と、設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナから出力される電波の特性を調整する調整手段(制御回路30)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波によって情報を授受する携帯用電子機器が市場に多く流通している。このような携帯用電子機器のうち、特に、ユーザの頭部周辺で使用される電子機器(例えば、携帯電話機)では、アンテナから輻射された電波が脳組織に影響を与えることが懸念されている。
【0003】
特に、近年では、使用される周波数が2GHz帯域と高周波帯域にシフトされ、アンテナのサイズも小さくなっていることから人体頭部における局所SAR(Specific Absorption Rate(比吸収率))が上昇し、脳組織等に与える影響が増大することが懸念されている。
【0004】
そこで、このような携帯用電子機器から輻射される電波を減衰させるための技術が特許文献1〜4に開示されている。
【0005】
ここで、特許文献1には、カーボン粉末または強磁性体を主体とする塗料を用いて金網状の連続模様を印刷した透明なシートにより携帯電話機をカバーする技術が開示されている。また、特許文献2には、アルミニウム箔上にシリコーン樹脂を層着してなる素材を井桁状に成形し、これを携帯電話機の外壁の適所に固定する技術が開示されている。また、特許文献3には、携帯電話機の表示部より上方に内蔵されている受発信部の側面に被覆して使用する、電磁波遮蔽性を有する金属を被覆した繊維生地からなる携帯電話機用の電磁波遮蔽シートが開示されている。さらに、特許文献4には、金属箔からなる略T字形平板状の導体を、絶縁体を介してアンテナの先端部周囲に巻き付け、キャップ状に装着することによって、コイル、コンデンサ、および、抵抗からなる共振アンテナを構成し、この共振アンテナの作用によって電磁波を吸収または反射する電磁波シールド装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−43173号公報(要約書、図1)
【特許文献2】特開平11−284389号公報(要約書、図1,2)
【特許文献3】特開平10−256779号公報(要約書、図2)
【特許文献4】特許2967079号公報(要約書、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、携帯用電子機器では、内蔵されている電池の消耗を防いで効率良い通信を行うために、受信感度に応じて送信電力を設定することが行われている。例えば、携帯電話機では、基地局から送信された電波の受信感度に応じて、携帯電話機の送信電力を設定する。より具体的には、基地局から送信される電波の受信感度が低い場合には送信電力を上げて通話品質が低下することを防止し、受信感度が高い場合には送信電力を下げて電池の消耗を防止する。
【0008】
前述の特許文献1〜4に開示された技術では、携帯電話機から送信される電波の強度を減衰させることができる代わりに、受信する電波の強度も減衰してしまう。そのため、携帯用電子機器は、受信感度が低い場所に居ると判断して、送信電力を上昇させてしまうため、これらの技術によって得られる電波の減衰作用を十分に期待することができないという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、情報を送受信するための電波が人体に与える影響が少ない携帯用電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明の電波によって通信相手との間で情報を送受信する携帯用電子機器は、通信相手から送信された電波を受信する受信手段と、通信相手に対して電波を送信する送信手段と、受信手段の受信感度に応じて、送信手段によって送信される電波の送信電力を設定する設定手段と、設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナから出力される電波の特性を調整する調整手段と、を有する。
【0011】
このため、情報を送受信するための電波が人体に与える影響が少ない携帯用電子機器を提供することが可能になる。
【0012】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、調整手段が、設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナから出力される電波を減衰させるようにしている。このため、通信が開始された場合には、送信される電波の強度を減衰させることにより、局所SAR値を減少させ、電波が人体に与える影響を緩和させることができる。
【0013】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、調整手段が、アンテナの近傍に配置され、所定の幅および長さを有するとともに、長さ方向に複数の部分に分割可能な構造を有する導電性部材と、当該導電性部材の一部に配置されたコンデンサ素子を有し、設定手段によって送信電力が設定された場合には、導電性部材の複数の部分が接続された状態とされ、それ以外の場合には接続されない状態とされる。このため、簡易な構成により電波を効果的に減衰させ、電波が人体に与える影響を緩和することができる。
【0014】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、導電性部材が、有底または無底の筒状部材の外側面または内側面に、長さ方向が当該筒状部材の軸方向と略平行となるように配置されており、筒状部材は軸方向に複数の部分が回動自在に結合されて構成されており、それぞれの部分に導電性部材の部分が配置され、筒状部材の回動に応じて導電性部材の部分が接続または非接続の状態となるようにしている。このため、必要に応じて筒状部材を回動させることにより、電波を減衰させ、人体に与える影響を緩和することが可能になる。
【0015】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、調整手段が、アンテナの近傍に設けられたシールド部材と、当該シールド部材を接地するためのスイッチとを有し、設定手段によって送信電力が設定された場合に、スイッチによりシールド部材を接地することで、アンテナから出力される電波の強度を調整するようにしている。このため、アンテナから送信される電波の一部をシールドすることにより電波の強度を減衰させ、電波が人体に与える影響を緩和することができる。
【0016】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、調整手段が、設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナの共振周波数を変更することにより、アンテナから出力される電波の強度を調整するようにしている。このため、アンテナの利得特性が最良ではない周波数帯域において電波を送信することで、送信される電波の強度を減衰させ、電波が人体に与える影響を緩和することができる。
【0017】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、調整手段が、設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナの指向性を調整することにより、アンテナから所定の方向に向かって出力される電波の強度を調整するようにしている。このため、人体とは異なる方向の指向性を強めることにより、効率的に人体に与える影響を緩和することができる。
【0018】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、アンテナは複数のアンテナを有し、調整手段は、設定手段によって送信電力が設定された場合に、複数のアンテナから電波を送信し、それ以外の場合には単一のアンテナから電波を送信することにより指向性を調整するようにしている。このため、指向性を簡易に調整することが可能になる。
【0019】
また、他の発明の携帯用電子機器は、上述の発明に加えて、調整手段が、ループアンテナと整流回路とを有し、設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナから出力される電波の一部をループアンテナによって受信し、ループアンテナから出力される交流信号を直流信号に変換して電源に還流することにより電波の強度を調整するようにしている。このため、ループアンテナによって受信された電波に応じて送信される電波の強度を減衰させるとともに、電源電力を有効利用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、使用する電波による人体に与える影響が少ない携帯用電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る携帯用電子機器を、図面に基づいて説明する。
【0022】
第1の実施の形態.
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯用電子機器の構成例を示す図である。この図に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る携帯用電子機器は、アンテナ10、送受信回路20、制御回路30、表示部40、音声入出力部50、操作部60、および、送信特性制御部70を主要な構成要素としている。
【0024】
ここで、アンテナ10は、後述するように、携帯用電子機器の筐体内部に内蔵されるコイルアンテナとして構成されており、例えば、通信相手としての図示せぬ基地局との間で電波により情報を授受する。
【0025】
受信手段および送信手段としての送受信回路20は、アンテナ10によって受信された電波に重畳されている情報を復調して制御回路30に出力するとともに、制御回路30から供給された情報に応じて搬送波を変調してアンテナ10を介して送信する。
【0026】
設定手段および調整手段としての制御回路30は、装置の各部を制御するとともに、送信特性制御部70を制御してアンテナ10の送信特性を制御する。
【0027】
表示部40は、例えば、液晶パネル等によって構成され、ユーザの操作に応じた文字情報または画像情報を表示する。
【0028】
音声入出力部50は、例えば、音声を入力するためのマイクロフォンおよびA/D(Analog to Digital)変換回路ならびに音声を出力するためのD/A(Digital to Analog)変換回路およびスピーカ等によって構成されている。
【0029】
操作部60は、例えば、操作ボタンおよびタッチパネル等によって構成されており、ユーザの操作に応じた情報を生成して出力する。
【0030】
送信特性制御部70は、後述するように送信電力が設定された場合に、アンテナ10から送信される電波の送信特性を制御する。
【0031】
図2は、アンテナ10の詳細な構成を示す図である。この図に示すようにアンテナ10は、ケーブル11、ケーブル保持部12、下鍔部13、コイル14、および、上鍔部15を主要な構成要素とし、上鍔部15には電波減衰キャップ80が冠せられる。
【0032】
ここで、ケーブル11は、図1に示す送受信回路20に接続され、コイル14によって受信された電気信号を送受信回路20に導くとともに、送受信回路20から供給された電気信号をコイル14に供給して送信させる。
【0033】
ケーブル保持部12は、下鍔部13の底面に設けられ、ケーブル11を保持することにより、コイル14とケーブル11との接続状態を維持する。
【0034】
下鍔部13には、コイル14の先端部分が挿入されて固定される。また、下鍔部13には、ケーブル11の先端部分が挿入され、その内部にてコイル14の先端部分と接合される。
【0035】
コイル14は、導電性の線材が螺旋状に巻回されて構成されており、図示せぬ基地局から送信された電波を受信するとともに、送受信回路20から供給された電気信号を電波として送信する。
【0036】
上鍔部15には、コイル14の先端部分が挿入される。また、上鍔部15は、電波減衰キャップ80の内部に設けられた空洞に挿入され、電波減衰キャップ80を固定する。
【0037】
電波減衰キャップ80は、後述するように、アンテナ10から送信される電波の強度を減衰する機能を有している。
【0038】
図3は、図2に示す電波減衰キャップ80を断面A−A’で切断した場合の断面図である。この図に示すように、電波減衰キャップ80は、内部が空洞85となっている有底の円柱体として構成されている。電波減衰キャップ80は、例えば、樹脂等の非導電性部材によって構成されている。また、電波減衰キャップ80は、筒状部材の一分である下部分離片81と上部分離片82とが回動自在に接合されて構成されている。すなわち、上部分離片82の下端部の内側面には凹部82aが設けられ、下部分離片81の上端部の外側面には凸部81aが設けられ、これらが互いに係合することにより、回動自在に軸着される。
【0039】
下部分離片81の外側面には、導電性部材である所定の幅を有する2枚の帯状導電材83a,83cが下部分離片81の軸方向に平行になるように対向して設けられている。また、上部分離片82の外側面にはその頂部を覆うようにして導電性部材である1枚の帯状導電材83bが設けられている。帯状導電材83bの頂部には、所定の素子値を有するコンデンサ素子(例えば、チップ素子であるセラミックコンデンサ)がハンダ等によって電気的に帯状導電材83bに接続されるとともに、物理的に固定されている。なお、上部分離片82と下部分離片81を回動させて接続部83d,83eの接続を断続することにより、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとの電気的な接続を断続させることができる。
【0040】
図4は、電波減衰キャップ80がアンテナ10に装着された状態を示す図である。この図に示すように、電波減衰キャップ80は、その空洞85に上鍔部15が挿入されて固定される。これにより、下部分離片81が上鍔部15に固定されることから、上部分離片82を回動させることにより、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとの電気的な接続を断続させることができる。
【0041】
図5は、上部分離片82を回動させ、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとを電気的に非接触の状態にした場合の図である。この図に示すように、上部分離片82を回動させることにより、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとの接続を自由に断続することができる。
【0042】
なお、電波減衰キャップ80には、例えば、後述するような駆動機構が設けられており、送信特性制御部70の制御に応じて、上部分離片82が回動され、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとの電気的な接続を断続することにより、電波を必要に応じて減衰させる。
【0043】
図6は、電波減衰キャップ80に設けられた駆動機構の一例を示す図である。この図の例では、電波減衰キャップ80の上部分離片82の外周下端部には、嵌合歯86が設けられており、この嵌合歯86が図示せぬモータの駆動軸に設けられた歯車と嵌合することによりモータの駆動力によって回動される。なお、上部分離片82の回転角度を検出するポテンショメータを設けておけば、当該ポテンショメータからの出力を参照してモータを駆動することにより、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとの電気的な接続を自由に断続することができる。
【0044】
つぎに、以上の第1の実施の形態の動作を説明する。
【0045】
図7は、第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、図1に示す携帯用電子機器の操作部60が操作されて発信がなされる場合、または、図示せぬ基地局から着信があった場合に実行される。図7のフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0046】
ステップS10:制御回路30は、送信特性制御部70に制御信号を送り、電波減衰キャップ80の上部分離片82を回動させ、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとを非接続状態とする。この結果、帯状導電材83a〜83cのそれぞれの長さは、図1に示す携帯用電子機器が使用する電波の波長に比較して十分に短いので、電波を減衰することなく受信または送信することができる。
【0047】
ステップS11:制御回路30は、送受信回路20の出力を参照して、受信感度を検出する。すなわち、制御回路30は、図示せぬ基地局から送信され、アンテナ10によって受信された信号の大きさ(受信感度)を検出する。
【0048】
ステップS12:制御回路30は、受信感度の検出が完了したか否かを判定し、完了した場合にはステップS13に進み、それ以外の場合にはステップS11に戻って同様の処理を繰り返す。
【0049】
ステップS13:制御回路30は、ステップS12において検出された受信感度を参照して、送信電力を決定する。例えば、送信感度が高い場合、すなわち、受信した電波の強度が大きい場合には、受信状態が良いと判断して低い送信電力に決定する。また、受信した電波の強度が小さい場合には、受信状態が悪いと判断して高い送信電力に決定する。
【0050】
ステップS14:制御回路30は、ステップS13において決定された送信電力になるように送受信回路20の出力を制御する。
【0051】
ステップS15:制御回路30は、ステップS14における設定が完了したか否かを判定し、完了した場合にはステップS16に進み、それ以外の場合にはステップS14に戻って同様の処理を繰り返す。
【0052】
ステップS16:制御回路30は、送信特性制御部70に制御信号を送り、電波減衰キャップ80の上部分離片82を回動させ、帯状導電材83a,83cと、帯状導電材83bとを接続状態とする。この結果、帯状導電材の長さは、図1に示す携帯用電子機器が使用する電波の波長を吸収しやすい長さとなり、また、コンデンサ素子84とによって共振回路が構成されるため、アンテナ10が送信する電波の一部を吸収して減衰させる。これにより、電波の送信強度を下げることができるので、局所SARの値を低減し、電波が人体に与える影響を少なくすることができる。
【0053】
ステップS17:制御回路30は、通信が完了したか否かを判定し、完了した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS18に進む。
【0054】
ステップS18:制御回路30は、所定の時間(例えば、3分)だけディレイ処理を実行し、ステップS10に戻って同様の処理を繰り返す。なお、以上の実施の形態では、携帯用電子機器が移動した場合に対応するためにステップS18の処理によって遅延をした後に、ステップS10の処理に戻るようにしたが、そのような事態を想定しない場合には、通信が完了するまでステップS17の処理を繰り返すようにしてもよい。
【0055】
以上に説明したように、第1の実施の形態によれば、受信感度を検出する場合には、電波減衰キャップ80の電波吸収特性を低下させ、正確な受信感度に基づいて送信電力を設定し、設定が完了した後に電波減衰キャップ80の電波吸収特性を上昇させるようにしたので、局所SARを確実に低下させ、電波が人体に与える影響を低減させることができる。
【0056】
また、第1の実施の形態では、電波減衰キャップ80を用いて電波を減衰させるようにしたので、簡易な構成により、電波を有効に減衰させることができる。
【0057】
なお、以上の実施の形態では、図3に示すような有底の円柱形状を有する電波減衰キャップ80を用いるようにしたが、これ以外の形状であってもよい。例えば、図8に示すように、無底の円柱形状を有する電波減衰キャップ90を用いることも可能である。この図の例では、電波減衰キャップ90は、筒状部材の一部である下部分離片91および上部分離片92によって構成されている。下部分離片91の外側面の対向する位置には、導電性部材である2枚の帯状導電材93a,93eが軸方向に沿って設けられている。また、上部分離片92の外側面の対向する位置には、導電性部材である2枚の帯状導電材93b,93dが同じく軸方向に沿って設けられている。帯状導電材93bおよび帯状導電材93dは、上部分離片92の天部に設けられたドーナッツ状の導電材93cによって相互に接続されている。また、導電材93cの一部には所定の素子値を有するコンデンサ素子95が、例えば、ハンダ付けによって電気的に接続されるとともに、物理的に固定されている。上部分離片92と下部分離片91とは、例えば、図3に示すような方法によって回動自在に固定されており、これらを相互に回動させることにより、上部分離片92と下部分離片91に設けられた帯状導電材93a,93eおよび帯状導電材93d,93eをそれぞれ電気的に断続することができる。
【0058】
図9は、図8に示す電波減衰キャップ90をアンテナ10に装着した状態を示す図である。この例では、電波減衰キャップ90は、アンテナ10の上鍔部15が上部分離片92の内部の空洞の上端部に来る位置で固定されている。したがって、下部分離片91に、例えば、図6に示すような駆動機構を設けて駆動することにより、帯状導電材93a,93eおよび帯状導電材93d,93eをそれぞれ電気的に断続することが可能になる。
【0059】
以上のような電波減衰キャップ90を用いても、図2等に示す電波減衰キャップ80と同様に送信される電波を減衰させ、局所SAR値を減衰させ、電波が人体に与える影響を緩和させることができる。
【0060】
なお、以上の実施の形態では、電波減衰キャップ80,90を回動させて電気的な接続を断続するようにしたが、例えば、下部分離片81,91および上部分離片82,92を軸方向に平行移動可能とし、軸方向の移動によって電気的な接続を断続することも可能である。
【0061】
また、以上の実施の形態では、機械的な回動によって電気的な接続を断続するようにしたが、例えば、複数の帯状導電材の間を電磁スイッチ(例えば、リレー)または半導体スイッチ(例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)またはフォトMOSスイッチ)によって電気的に接続し、これらをオンまたはオフすることにより電波を吸収したり、吸収しないようにしたりしてもよい。
【0062】
また、以上の実施の形態では、コンデンサ素子を電波減衰キャップ80,90の頂部に設けるようにしたが、これ以外の場所に設けてもよい。また、コンデンサ素子の個数は、1つである必要はなく、必要に応じて複数個設けるようにしてもよい。さらに、コンデンサ素子の代わりに抵抗素子を使用することも可能である。
【0063】
また、以上の実施の形態では、モータ等によって電波減衰キャップ80,90を回動させるようにしたが、例えば、折り畳み式の携帯用電子機器の場合には、送信電力の設定が完了した後に、当該電子機器の開閉状態に連動して電波減衰キャップ80,90が回動するようにしてもよい。また、電子機器の筐体の一部に操作部を設けて、送信電力の設定が完了した場合には、その旨をユーザに通知して当該操作部を操作させることにより、電波減衰キャップ80,90を回動させるようにすることも可能である。
【0064】
第2の実施の形態.
【0065】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る携帯用電子機器の構成例を示す図である。なお、この図において、図1と対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
図10に示す例では、図1の場合と比較して、アンテナ10Aが新たに設けられ、また、スイッチ100が新たに追加されている。この図には示していないが電波減衰キャップ80が除外され、また、アンテナ10,10Aは、例えば、モノポールアンテナとされている。これ以外の部分は、図1の場合と同様である。
【0067】
ここで、アンテナ10Aは、アンテナ10と同様の形状を有する、例えば、モノポールアンテナであり、アンテナ10との距離が電波の周波数に応じて設定されている。スイッチ100は、例えば、電磁スイッチまたは半導体スイッチによって構成され、送信特性制御部70の制御に応じてオンまたはオフの状態とされる。スイッチ100がオンの状態になると、アンテナ10とアンテナ10Aとが並列に接続された状態となってこれら双方から電波が送受信され、スイッチ100がオフの状態になると、アンテナ10Aとアンテナ10との接続が遮断され、アンテナ10のみから電波が送受信される。
【0068】
つぎに、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0069】
第2の実施の形態では、スイッチ100がオンにされてアンテナ10とアンテナ10Aが並列接続された状態が第1の実施の形態において電波減衰キャップ80の帯状導電材83a〜83dが接続された状態に対応する。すなわち、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS10の「帯状導電材非接続」の状態がスイッチ100がオフの状態に対応し、ステップS16の「帯状導電材接続」の状態がスイッチ100がオンの状態に対応している。
【0070】
スイッチ100がオンの状態になると、アンテナ10とアンテナ10Aとが同相で並列接続(同相配列)されることになる。その結果、これらのアンテナ10,10Aから送信される電波が相互に干渉するので、2本のアンテナによる指向性は、図11(A)に示すようになる。図11(A)では、アンテナ10とアンテナ10Aが紙面の上下方向に並置されており、紙面の奥行き方向にアンテナ10,10Aの長さ方向が向くように配置されている。このような場合において、アンテナ10,10Aの間の距離dが電波の波長λの半分(d=λ/2)であるとすると、これらのアンテナ10,10Aの指向性は、図11(A)に示す2つの楕円形110のようになる。一方、図11(B)に示すように、アンテナ10のみの指向性は、アンテナ10を中心とする1つの円形111である。
【0071】
したがって、携帯用電子機器が使用されている状態において、アンテナ10,10Aを人体の方向に並べて配置した場合(X方向を携帯用電子機器の厚み方向とした場合)には、人体方向に対する利得が低くなる。このため、スイッチ100をオンの状態としてアンテナ10,10Aを並列接続して使用した場合には、人体方向の利得を下げることにより、局所SARの値を下げることが可能となる。
【0072】
一方、スイッチ100をオフの状態とした場合には、アンテナ10のみが使用されるので、通常の場合と同様に円形の指向性を有することから、基地局との位置関係によらず良好な通信状態を得ることができる。
【0073】
したがって、基地局から送信されてきた電波を受信して受信感度を求める際には、スイッチ100をオフの状態として通常の受信特性とすることで、適正な送信電力に設定することができる。また、送信電力が設定された後、すなわち、通信が開始された後には、スイッチ100をオンの状態にすることで、人体方向の利得を低下させ、局所SAR値を下げることにより、人体への影響を低減することができる。
【0074】
なお、以上の実施の形態では、2本のアンテナ10,10Aを用いるようにしたが、3本以上のアンテナを用いることも可能である。その場合、通常の状態では、例えば、n(n≧2)本のアンテナを並列接続して使用し、それ以外の場合には(n+1)本以上のアンテナを並列接続して使用するようにしてもよい。
【0075】
また、以上の実施の形態では、アンテナ10,10Aとして、モノポールアンテナを使用するようにしたが、モノポールアンテナ以外のアンテナ(例えば、ダイポールアンテナ、コイルアンテナ等)を用いることも可能である。
【0076】
第3の実施の形態.
【0077】
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る携帯用電子機器の構成例を示す図である。なお、この図において、図1と対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0078】
図12に示す例では、図1の場合と比較して、アンテナ10にスイッチ120の一端が接続され、スイッチ120の他端がコンデンサ130の一端に接続されている。また、コンデンサ130の他端は、例えば、回路基板等のアースに接続されている。さらに、図12には示されていないが、電波減衰キャップ80が除外されている。これ以外の部分は、図1の場合と同様である。
【0079】
ここで、スイッチ120は、例えば、電磁スイッチまたは半導体スイッチによって構成され、送信特性制御部70の制御に応じてオンまたはオフの状態とされる。コンデンサ130は、例えば、セラミックコンデンサによって構成され、後述するようにアンテナ10に接続されることによりアンテナ10の共振周波数をシフトする。
【0080】
つぎに、第3の実施の形態の動作について説明する。
【0081】
第3の実施の形態では、スイッチ120がオンにされてアンテナ10の例えば先端部分にコンデンサ130が接続された状態が第1の実施の形態において電波減衰キャップ80の帯状導電材83a〜83dが接続された状態に対応する。すなわち、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS10の「帯状導電材非接続」の状態がスイッチ120がオフの状態に対応し、ステップS16の「帯状導電材接続」の状態がスイッチ120がオンの状態に対応している。
【0082】
スイッチ120がオンの状態の場合には、アンテナ10の先端にはコンデンサ130が接続された状態となる。一般的に、アンテナ10は、送受信する周波数に共振してリアクタンスが最小となるように設計されているので、当該周波数において利得が最も高くなる。したがって、アンテナ10の先端にコンデンサ130が接続されると、共振周波数がシフトし(低下し)、利得が低下する。この結果、アンテナ10から送信される電波の強度が低下するため、局所SAR値を下げることができる。
【0083】
一方、スイッチ120がオフの状態では、コンデンサ130は接続されない状態となる。この場合、アンテナ10の利得は通常通りとなるので、基地局から送信されてくる電波の受信感度に応じた最適な送信電力が設定される。
【0084】
以上のように、第3の実施の形態では、受信感度を検出する際には、スイッチ120をオフの状態として送信電力を最適に設定した後、スイッチ120をオンの状態として、アンテナ10の利得を下げ、送信強度を実質的に低下させることで、局所SAR値を低下させ、電波が人体に与える影響を低減することができる。
【0085】
なお、以上の実施の形態では、アンテナ10の先端部分にコンデンサ130を接続するようにしたが、これ以外の部分であってもよい。また、コンデンサ130の代わりに例えば抵抗を接続することでも電波の強度を下げることができる。
【0086】
第4の実施の形態.
【0087】
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る携帯用電子機器の構成例を示す図である。なお、この図において、図1と対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0088】
図13に示す例では、図1の場合と比較して、電波減衰キャップ80が除外され、シールド部材140およびスイッチ150が付加されている。その他の構成は、図1の場合と同様である。
【0089】
ここで、シールド部材140は、半径がrであり長さがLである筒型形状を有する導電性部材によって構成されており、アンテナ10を囲繞するように配置されている。スイッチ150は、例えば、電磁スイッチまたは半導体スイッチによって構成され、送信特性制御部70の制御に応じてオンまたはオフの状態とされる。そして、スイッチ150がオンの状態となった場合には、シールド部材140を接地し、それ以外の場合には非接地の状態とする。
【0090】
つぎに、第4の実施の形態の動作について説明する。
【0091】
第4の実施の形態では、スイッチ150がオンにされてシールド部材140が接地された状態が第1の実施の形態において電波減衰キャップ80の帯状導電材83a〜83dが接続された状態に対応する。すなわち、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS10の「帯状導電材非接続」の状態がスイッチ150がオフの状態に対応し、ステップS16の「帯状導電材接続」の状態がスイッチ150がオンの状態に対応している。
【0092】
スイッチ150がオンの状態の場合には、シールド部材140がアース電位となり、アンテナ10から放射された電波の一部がシールドされることから、送信強度が低下する。一方、スイッチ150がオフの状態の場合には、シールド部材140は非接地の状態となるので、接地の状態に比較して送信強度の低下の割合は少なくなり、基地局から送信されてくる電波の受信感度に応じた最適な送信電力が設定される。
【0093】
以上のように、第4の実施の形態では、受信感度を検出する際には、スイッチ150をオフの状態として送信電力を最適値に設定した後、スイッチ150をオンの状態として、アンテナ10をシールド部材140によってシールドすることにより、送信強度を実質的に低下させることで、局所SAR値を低下させ、電波が人体に与える影響を低減することができる。
【0094】
なお、以上の実施の形態では、シールド部材140は、筒型形状を有するようにしたが、これ以外の形状であってもよい。例えば、シールド部材140を平板形状とし、人体とアンテナ10との間に配置するようにしてもよい。そのような実施の形態によれば、人体方向の電波の強度を下げることにより、局所SAR値を確実に低下させることができる。
【0095】
第5の実施の形態.
【0096】
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る携帯用電子機器の構成例を示す図である。なお、この図において、図1と対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0097】
図14に示す例では、図1の場合と比較して、電波減衰キャップ80が除外され、ループアンテナ160、スイッチ170、整流回路180、および、二次電池190が付加されている。その他の構成は、図1の場合と同様である。
【0098】
ここで、ループアンテナ160は、一端がスイッチ170に接続され、他端が二次電池190にマイナス側に接続されており、アンテナ10から送信された電波を受信して交流信号として出力する。スイッチ170は、例えば、電磁スイッチまたは半導体スイッチによって構成され、送信特性制御部70の制御に応じてオンまたはオフの状態とされる。そして、スイッチ170がオンの状態となった場合には、ループアンテナ160と整流回路180とが接続された状態となる。整流回路180は、例えば、単一のダイオードまたは複数のダイオードのブリッジ回路によって構成され、ループアンテナ160から出力される交流信号を直流信号に整流して出力する。二次電池190は、携帯用電子機器がもともと電源として有している電池であり、装置の各部に電源電力を供給する。
【0099】
つぎに、第5の実施の形態の動作について説明する。
【0100】
第5の実施の形態では、スイッチ170がオンの状態にされ、ループアンテナ160が整流回路180および二次電池190に接続された状態が第1の実施の形態において電波減衰キャップ80の帯状導電材83a〜83dが接続された状態に対応する。すなわち、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS10の「帯状導電材非接続」の状態がスイッチ170がオフの状態に対応し、ステップS16の「帯状導電材接続」の状態がスイッチ170がオンの状態に対応している。
【0101】
スイッチ170がオンの状態の場合には、ループアンテナ160と整流回路180とが接続されることから、アンテナ10によって送信された電波の一部は、ループアンテナ160によって受信され、整流回路180によって整流されて二次電池190に供給される。二次電池190は、整流回路180から供給された直流電圧によって充電される。このため、ループアンテナ160によって受信された電波の分だけ送信強度が実質的に低下することになる。一方、スイッチ170がオフの状態の場合には、ループアンテナ160と整流回路180とは非接続の状態となるので、送信強度は低下しない。このため、アンテナ10の利得は通常通りとなり、基地局から送信されてくる電波の受信感度に応じた最適な送信電力が設定される。
【0102】
以上のように、第5の実施の形態では、受信感度を検出する際には、スイッチ170をオフの状態として送信電力を最適値に設定した後、スイッチ170をオンの状態として、アンテナ10から送信される電波の一部をループアンテナ160によって受信し、送信強度を実質的に低下させることで、局所SAR値を低下させ、電波が人体に与える影響を低減することができる。また、ループアンテナ160によって受信された電波は、二次電池190に還流されるので、電力の浪費を抑えることが可能になる。
【0103】
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0104】
例えば、上述の第1の実施の形態では、アンテナ10としてコイルアンテナを使用する場合を例に挙げて説明したが、例えば、モノポールアンテナまたはダイポールアンテナその他のアンテナを用いることも可能である。
【0105】
また、上述の各実施の形態では、携帯電話機を想定して説明を行ったが、携帯電話機以外の携帯用電子機器(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、および、携帯用パーソナルコンピュータ等)に適用可能であることはいうまでもない。
【0106】
また、上述の各実施の形態では、情報を授受する通信相手として基地局を想定して説明を行ったが、これ以外にも、例えば、他の装置(例えば、パーソナルコンピュータまたは他の携帯用電子機器)を通信相手とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、電波を用いて情報を授受する携帯用電子機器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯用電子機器の構成例を示す図である。
【図2】図1に示すアンテナと電波減衰キャップの構成例を示す図である。
【図3】図2に示す電波減衰キャップの詳細な構成例を示す断面図である。
【図4】図2に示す電波減衰キャップをアンテナに装着した状態を示す図である。
【図5】図4に示す電波減衰キャップを回動させた状態を示す図である。
【図6】図4に示す電波減衰キャップを駆動するための駆動機構の一例を示す図である。
【図7】図1に示す第1の実施の形態において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】電波減衰キャップの他の構成例を示す図である。
【図9】図8に示す電波減衰キャップをアンテナに装着した状態を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の構成例を示す図である。
【図11】図10に示す2つのアンテナの指向特性を示す図であり、(A)は2つのアンテナによる合成された指向性であり、(B)は単一のアンテナによる指向性である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の構成例を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態の構成例を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
10,10A アンテナ
20 送受信回路(受信手段、送信手段)
30 制御回路(設定手段、調整手段)
81 下部分離片(筒状部材の一部)
82 上部分離片(筒状部材の一分)
83a〜83c 帯状導電材(導電性部材)
84 コンデンサ素子
91 下部分離片(筒状部材の一部)
92 上部分離片(筒状部材の一分)
93a,93b 帯状導電材(導電性部材)
93c 導電材(導電性部材)
93d,93e 帯状導電材(導電性部材)
94 コンデンサ素子
140 シールド部材
150 スイッチ
160 ループアンテナ
180 整流回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波によって通信相手との間で情報を送受信する携帯用電子機器において、
上記通信相手から送信された電波を受信する受信手段と、
上記通信相手に対して電波を送信する送信手段と、
上記受信手段の受信感度に応じて、上記送信手段によって送信される電波の送信電力を設定する設定手段と、
上記設定手段によって送信電力が設定された場合に、アンテナから出力される電波の特性を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項2】
前記調整手段は、前記設定手段によって送信電力が設定された場合に、前記アンテナから出力される電波を減衰させることを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
前記調整手段は、前記アンテナの近傍に配置され、所定の幅および長さを有するとともに、長さ方向に複数の部分に分割可能な構造を有する導電性部材と、当該導電性部材の一部に配置されたコンデンサ素子を有し、
前記設定手段によって送信電力が設定された場合には、上記導電性部材の複数の部分が接続された状態とされ、それ以外の場合には接続されない状態とされる、
ことを特徴とする請求項2記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
前記導電性部材は、有底または無底の筒状部材の外側面または内側面に、前記長さ方向が当該筒状部材の軸方向と略平行となるように配置されており、
上記筒状部材は軸方向に複数の部分が回動自在に結合されて構成されており、それぞれの部分に前記導電性部材の部分が配置され、上記筒状部材の回動に応じて導電性部材の前記部分が接続または非接続の状態となることを特徴とする請求項3記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
前記調整手段は、前記アンテナの近傍に設けられたシールド部材と、当該シールド部材を接地するためのスイッチとを有し、
前記設定手段によって送信電力が設定された場合に、上記スイッチにより上記シールド部材を接地することで、前記アンテナから出力される電波の強度を調整する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。
【請求項6】
前記調整手段は、前記設定手段によって送信電力が設定された場合に、前記アンテナの共振周波数を変更することにより、前記アンテナから出力される電波の強度を調整することを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。
【請求項7】
前記調整手段は、前記設定手段によって送信電力が設定された場合に、前記アンテナの指向性を調整することにより、前記アンテナから所定の方向に向かって出力される電波の強度を調整することを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。
【請求項8】
前記アンテナは複数のアンテナを有し、前記調整手段は、前記設定手段によって送信電力が設定された場合に、複数のアンテナから電波を送信し、それ以外の場合には単一のアンテナから電波を送信することにより指向性を調整することを特徴とする請求項7記載の携帯用電子機器。
【請求項9】
前記調整手段は、ループアンテナと整流回路とを有し、前記設定手段によって送信電力が設定された場合に、前記アンテナから出力される電波の一部を上記ループアンテナによって受信し、上記ループアンテナから出力される交流信号を直流信号に変換して電源に還流することにより電波の強度を調整することを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−174230(P2006−174230A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−365825(P2004−365825)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(595175301)株式会社応微研 (28)
【Fターム(参考)】