説明

携帯端末および携帯端末用ソフトウエア

【課題】 多くの商品の比較を商品購入者が手軽にできる携帯端末を提供する。
【解決手段】 本発明の携帯端末100は、商品情報が表示されたコード画像200を撮像するCCDカメラ108と、CCDカメラ108が撮像したコード画像に含まれている商品情報を抽出し、商品情報にヘッダ情報を付与するマイクロコンピュータ122と、ヘッダ情報を付与した商品情報を記憶するメモリ120とを有し、携帯端末100が、メモリ120に記憶されている複数の商品情報を、各商品情報に付されているヘッダ情報ごとに読みだして比較表示する。また、マイクロコンピュータ122は、商品情報に含まれる商品の種別ごとに商品スペックに対応した少なくとも1以上のスペック項目を商品情報から抽出し、商品情報に含まれる商品の種別ごとに各商品情報をメモリ120から読み出し、各スペック項目に対応させて比較表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末およびそれに使用されるアプリケーションソフトウエアに関する。
【背景技術】
【0002】
商品購入者が価格・機能等の商品情報を入手しようとする場合、商品カタログ・展示パネル・雑誌の広告等の多様な表示媒体を利用する。また、商品購入者は、複数の商品の商品情報を入手し、その中から自分の好みにあった商品を選択し、購入するのが一般的である。このために複数の商品の商品情報を記録し比較する必要があるが、多くの場合は手書きメモや記憶による比較を行う。
【0003】
一方、商品情報を掲示するウエブサイトへのアクセス情報をQRコード等の2次元コードに記録し、携帯端末の画像認識機能によりその記録を表示するシステムが実用化されており、個々の商品の詳細な情報を簡単に入手することが可能となっている。
【0004】
特許文献1には、携帯型端末装置の情報読み取り手段により商品毎に表示された商品情報を読み取り、その商品情報とホストコンピューターに格納された商品情報を比較することにより、商品毎の情報を変更するシステムが開示されている。
【0005】
特許文献2には、2次元コードを携帯端末により商品情報を読み取り、その情報を購入管理および賞味期限管理に用いる商品管理サーバーが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平6−223085号公報
【特許文献2】特開2006−235667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、商品情報を手書きメモや記憶で比較する場合には、記録の手間や人間の記憶力の限界によりその対象となる商品の数が限られてしまう。また、携帯端末の画像認識機能を用いて2次元コードから商品情報を容易に入手できるとしても、上記の従来技術に開示されているように、個々の情報を個別に表示し、また個別に利用するのでは、手書きメモや記憶により商品情報の比較を行う場合と同様に、対象となる商品の数が限られてしまうことに変わりはない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために鑑みてなされたもので、多くの商品の比較を商品購入者が手軽にできる携帯端末及びプログラムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明は、商品情報が表示されたコード画像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像したコード画像に含まれている前記商品情報を抽出する画像認識部と、前記画像認識部で抽出した前記商品情報にヘッダ情報を付与するヘッダ情報生成部と、前記ヘッダ情報を付与した前記商品情報を複数記憶する商品情報記憶部と、前記商品情報記憶部に記憶されている前記複数の商品情報を、前記各商品情報に付されている前記ヘッダ情報ごとに読みだして比較表示する表示制御部と、を備えることを特徴とする携帯端末を提供する。これにより、手書きメモや人間の記憶により保持された商品情報を比較する場合に比べ、多くの商品情報の比較を手軽にすることができる。
【0010】
請求項2に係る発明では、前記表示制御部は、前記商品情報に含まれる商品の種別ごとに、商品スペックに対応した少なくとも1以上のスペック項目を前記商品情報から抽出し、前記商品情報に含まれる商品の種別ごとに前記各商品情報を前記商品情報記憶部から読み出し、前記各スペック項目に対応させて比較表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末を提供する。これにより、比較表示の視認性を向上させることができる。
【0011】
請求項3に係る発明では、比較表示させる商品の種別と、少なくとも1以上のスペック項目と、を指定するための入力手段を有し、前記表示制御部は、前記入力手段により指定された種別の商品情報を前記商品情報記憶部から読み出し、前記入力手段により指定された各スペック項目に対応させて比較表示する請求項2に記載の携帯端末を提供する。これにより、比較表示する商品情報の指定を、購入対象の商品に合わせてすることが可能となり、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来の技術に比べて多くの商品情報の比較を手軽に行うことができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を概念的に示したものである。表示パネル200a、200bは、各店舗において商品の近傍に置かれたものである。ここでは、表示パネル200aと表示パネル200bは別々の店舗に置かれたものであるとする。また、表示パネル200a、200bはいずれも商品としてパーソナルコンピュータに近傍に置かれている。表示パネル200aには、商品情報「メモリ1GB」および「HDD120GB」「¥148,000」が記載されるとともにコード画像200が表示されている。表示パネル200bには、商品情報「メモリ2GB」および「HDD80GB」「¥152,000」が記載されるとともにコード画像200が表示されている。コード画像200は表示パネル200a、200bに記載された商品情報がそれぞれパネル毎にコード化されたものである。携帯端末100は、表示パネル200a、200bのコード画像200をCCDカメラ108(後述の図2参照)で撮像することにより取り込み、その画像データをマイクロコンピュータ122の画像認識機能で処理して商品情報を抽出し、商品情報を携帯端末100の液晶パネル106に比較表示202する。比較表示202は、表示パネル200a、200bに記載された商品情報から「価格」および「メモリ」の項目を選択し、それぞれの項目に該当するスペックの値を表示したものである。
【0014】
このように、本発明においては、商品情報の比較を手軽に行うことができ、また、液晶パネルのサイズに合わせて項目を選択すれば利便性とともに視認性を確保できる。以下に実施形態の詳細を述べる。
【0015】
次に、本発明の実施形態における携帯端末の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態における携帯端末の構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末100は、アンテナ118および無線部110、音声回路112、スピーカー114、マイクロフォン116、CCDカメラ108およびマイクロコンピュータ122、メモリ120、操作部104、液晶パネル106を有する。又、携帯端末100は、電話機能とデータ処理機能を実現する。
【0016】
操作部104はキーボード等からなり、外部からの入力をマイクロコンピュータ122に与える。また、操作部104は、比較表示させる商品の種別と、少なくとも1以上のスペック項目と、を指定するための入力手段として機能する。液晶パネル106は携帯電話のメニューや上述した商品情報を比較表示する。CCDカメラ108は、撮像部としてコード画像を撮像し、画像データとして取り込む機能を有する。メモリ120は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより構成され、商品情報を記憶する商品情報記憶部として機能する。マイクロコンピュータ122は、CCDカメラ108が取り込んだ画像データを処理する画像認識部、および液晶パネル106の表示を制御する表示制御部、ヘッダ情報を付与するヘッダ情報生成部として機能する。
【0017】
図3(a)は表示パネル200aを示す図、(b)は表示パネル200aのQRコードを撮像して認識した後の商品情報を表示した場合の液晶パネル106を示す図である。図3に示すように、利用者は、携帯端末100のCCDカメラ108により表示パネル200aのコード画像200を撮像し、取り込まれた画像データからマイクロコンピュータ122の画像認識機能により抽出した商品情報を、マイクロコンピュータ122の表示制御機能により液晶パネル106に表示することができる。
【0018】
表示パネル200aに記載された商品情報は、「メモリ1GB」および「HDD120GB」「¥148,000」である。液晶パネル106においては、商品スペックの項目として「メモリ」および「HDD」「価格」の3項目が抽出され、それぞれに対して該当するスペック値が表形式に表示されている。
【0019】
さらに、表示パネル200aには記載されていない商品の種別情報「カテゴリ1」が付加されて、液晶パネル106に表示されている。これはコード画像200の画像データから抽出された商品情報をメモリ120に記憶させる際に、マイクロコンピュータ122のヘッダ情報生成機能により付されたヘッダ情報に含まれる商品の種別を示している。
【0020】
利用者が、操作部104を操作して商品の種別をヘッダ情報として入力しても良いし、コード画像の中に商品の種別情報が含まれている場合には、その種別情報をマイクロコンピュータ122が抽出してヘッダ情報を生成しても良い。
【0021】
図4(a)は表示パネル200bを示す図、(b)は表示パネル200bのQRコードを撮像して認識した後の商品情報を表示した場合の携帯端末の液晶パネル106を示す図である。図4に示すように、利用者は、携帯端末100のCCDカメラ108により表示パネル200bのコード画像200を撮像し、取り込まれた画像データからマイクロコンピュータ122の画像認識部が抽出した表示パネル200bに記載された商品情報を、液晶パネル106に表示することができる。
【0022】
表示パネル200bに記載された商品情報は、「メモリ2GB」および「HDD80GB」「¥152,000」である。商品スペックの項目として「メモリ」および「HDD」「価格」の3項目が上記と同じように抽出され、それぞれに対して該当するスペック値が表形式に表示されている。また、商品の種別情報である「カテゴリ1」も同じように表示されている。
【0023】
図5は、メモリ120に記憶された表示パネル200a・200bの商品情報を、マイクロコンピュータ122がヘッダ情報に基づいて読み出し、携帯端末100の液晶パネル106に比較表示した状態を示している。
【0024】
図5の場合には、種別情報「カテゴリ1」を含むヘッダ情報が付与された商品情報がメモリ120から読み出され、商品情報に含まれるスペックの項目の内、「価格」と「メモリ」が選択されて、該当するスペック値が比較表示されている。項目の選択は、操作部104から表示すべき項目を指定して入力することにより行う。
【0025】
尚、操作部104からの入力をしないで全ての項目について比較表示しても良い。携帯端末100の液晶パネル106のサイズが小さいく全ての項目を表示できない場合には、操作部104を操作して表示画面をスクロールすることが必要になる。このような観点からは、項目を指定できる実施態様が好ましい。
【0026】
メモリ120に記憶されたヘッダ情報に商品の種別(カテゴリ)が複数ある場合は、操作部104から表示すべき商品のカテゴリを入力して指定し、そのカテゴリを含むヘッダ情報に従ってメモリ120から商品情報を読み出して比較表示しても良い。さらに、操作部104からカテゴリを指定する入力がない場合、または複数のカテゴリを指定する入力があった場合には、カテゴリごとに商品スペック項目を抽出し、複数の比較表示をする必要がある。
【0027】
カテゴリの異なる複数の比較表示を液晶パネル106に表示する場合には、視認性を確保するための工夫が必要となる。カテゴリごとに異なる画面に表示を行い、操作部104からの入力により画面を切り替えて液晶パネル106に表示されるようにしても良い。また、操作部104の操作により液晶パネル106の画面をスクロールすることにより、複数の比較表示が連続的して視認できるようにしても良い。
【0028】
本発明の実施フローを図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施形態におけるマイクロコンピュータが行う商品情報記憶処理を説明するためのフローチャートである。以下の処理は、マイクロコンピュータ122が、メモリ120に保存されたプログラムを実行することによって行われる。
【0029】
(商品情報の記憶処理)
ステップS201において、利用者が、コード画像200を携帯端末100のCCDカメラ108にて撮像する。次に、ステップS202において、マイクロコンピュータ122が、コード画像200の画像データを画像認識機能にて処理し、商品情報を抽出する。ステップS203において、マイクロコンピュータ122が、抽出された商品情報を携帯端末100の液晶パネル106に表示する。ステップS204において、利用者が、携帯端末100の操作部104を操作することにより商品の種別情報を入力する。ステップS205において、マイクロコンピュータ122が、入力されたカテゴリを加えてヘッダ情報を生成し、抽出された商品情報に付与する。ステップS206において、マイクロコンピュータ122が、ヘッダ情報が付与された商品情報をメモリ120に記憶する。
【0030】
比較表示の実施フローを図7に基づいて説明する。図7は、本発明の実施形態におけるマイクロコンピュータが行う比較表示処理を説明するためのフローチャートである。以下の処理は、マイクロコンピュータ122が、メモリ120に保存されたプログラムを実行することによって行われる。
【0031】
(比較表示処理)
ステップS301において、マイクロコンピュータ122が、メモリ120内に商品情報が蓄積されているか否かを判断し、商品情報が記憶されている場合には処理を実行し、商品情報が記憶されていない場合にはサブルーチンを終了する。次に、ステップS302において、マイクロコンピュータ122が、ヘッダ情報から商品の種別を抽出して液晶パネル106に表示する。ステップS303において、利用者が、操作部104を操作することにより、比較表示すべきカテゴリを選択してマイクロコンピュータ122に入力する。ステップS304において、マイクロコンピュータ122が、選択されたカテゴリの商品情報からスペック項目を抽出して液晶パネル106に表示する。ステップS405において、利用者が、比較表示すべきスペック項目を選択し、操作部104を操作することによりマイクロコンピュータ122に入力する。ステップS406において、マイクロコンピュータ122が、選択されたカテゴリおよびスペック項目に基づいて、比較表を生成する。ステップS407において、マイクロコンピュータ122が、選択されたカテゴリを含むヘッダ情報に基づいて商品情報をメモリ120から読み出し、スペック項目ごとにスペック値を抽出し、液晶パネル106に表示された比較表にあてはめて出力する。
【0032】
尚、メモリ120に格納されたプログラムは、マイクロコンピュータ122を、撮像部に商品情報を含むコード画像を撮像させる手段と、前記撮像部が撮像した前記コード画像に含まれている前記商品情報を画像認識部で抽出する手段と、前記画像認識部で抽出した前記商品情報を商品情報記憶部に記憶させる手段と、前記商品情報記憶部に記憶されている複数の前記商品情報を表示制御部がヘッダ情報ごとに読み出し表示部に比較表示する手段として機能される。マイクロコンピュータ122がメモリ120内のプログラムを実行することにより、上記各機能が実現される。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施形態における携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は表示パネル200aを示す図、(b)は表示パネルのQRコードを撮像して認識した後の商品情報を表示した場合の携帯端末の液晶パネルを示す図である。
【図4】(a)は表示パネル200bを示す図、(b)は表示パネル200bのQRコードを撮像して認識した後の商品情報を表示した場合の携帯端末の液晶パネル106を示す図である。
【図5】メモリに記憶された表示パネルの商品情報をマイクロコンピュータがヘッダ情報に基づいて読み出し、携帯端末の液晶パネルに比較表示した状態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態におけるマイクロコンピュータが行う商品情報記憶処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態におけるマイクロコンピュータが行う比較表示処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
100・・・携帯端末
104・・・操作部
106・・・液晶パネル
108・・・CCDカメラ
110・・・無線部
112・・・音声回路
114・・・スピーカー
116・・・マイクロフォン
118・・・アンテナ
120・・・メモリ
200・・・コード画像
200a・・・表示パネル
200b・・・表示パネル
202・・・比較表示例


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報が表示されたコード画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像したコード画像に含まれている前記商品情報を抽出する画像認識部と、
前記画像認識部で抽出した前記商品情報にヘッダ情報を付与するヘッダ情報生成部と、
前記ヘッダ情報を付与した前記商品情報を複数記憶する商品情報記憶部と、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記複数の商品情報を、前記各商品情報に付されている前記ヘッダ情報ごとに読みだして比較表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記商品情報に含まれる商品の種別ごとに商品スペックに対応した少なくとも1以上のスペック項目を前記商品情報から抽出し、
前記商品情報に含まれる商品の種別ごとに前記各商品情報を前記商品情報記憶部から読み出し、前記各スペック項目に対応させて比較表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
比較表示させる商品の種別と、少なくとも1以上のスペック項目と、を指定するための入力手段を有し、
前記表示制御部は、前記入力手段により指定された種別の商品情報を前記商品情報記憶部から読み出し、前記入力手段により指定された各スペック項目に対応させて比較表示する請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
コンピュータが、
撮像部に商品情報を含むコード画像を撮像させる手段と、
前記撮像部が撮像した前記コード画像に含まれている前記商品情報を画像認識部で抽出する手段と、
前記画像認識部で抽出した前記商品情報を商品情報記憶部に記憶させる手段と、
前記商品情報記憶部に記憶されている複数の前記商品情報を表示制御部がヘッダ情報ごとに読み出し表示部に比較表示する手段と、
を機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−194574(P2009−194574A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32426(P2008−32426)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】