説明

携帯端末及び宛先情報表示方法

【課題】 多数の宛先情報が登録されている場合において、宛先情報の検索効率を向上できるようにする。
【解決手段】 ユーザ操作に従って電話番号登録指示を入力すると、CPU3は、登録エリア情報に基づいて、携帯電話機10が現在存在している地域を特定し登録地域情報を求める。そして、CPU3は、登録対象の電話番号を、登録地域情報に対応付けてメモリ7に記憶させる。また、ユーザ操作に従って電話番号表示指示を入力すると、CPU3は、各登録地域情報に基づいて、登録地域が携帯電話機10の現在位置に近い順に、メモリ7が記憶する各登録電話番号を並べ替える。そして、CPU3は、並べ替えた順番に従って、各登録電話番号を表示部8に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録されている電話番号やメールアドレス等の複数の宛先情報を表示する機能を有する携帯端末及び宛先情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末において、多数の宛先情報(例えば、電話番号やメールアドレス)が電話帳に登録されている場合に、位置情報に基づいて宛先情報を検索することが行われている。例えば、特許文献1には、電話番号に含まれる地域コードや国家コードを利用して対応する地域を判断し、位置情報の示す地域における電話番号を選択し表示する携帯電話機が記載されている。また、特許文献2には、位置情報に基づいて現在いるエリアを認識し、認識したエリアに対応する局番の電話番号を優先して表示する情報端末が記載されている。また、特許文献3には、無線基地局からの回線制御信号に基づいて滞在国を判別し、現在の滞在国に対応する登録情報を優先して出力する携帯情報端末が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−069564号公報(段落0014−0016、図1−2)
【特許文献2】特開2003−339066号公報(段落0081−0083、図11)
【特許文献3】特開2003−273973号公報(段落0014−0045、図1−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2に記載された携帯電話機や情報端末を用いれば、地域コードや局番等の地域情報を含む電話番号を位置情報に基づいて優先表示することができる。例えば、固定電話機の電話番号を、その電話番号に含まれる局番に基づいて地域を判断し優先表示することができる。しかし、地域コードや局番等の地域情報を含まない電話番号を、位置情報に基づいて優先表示することはできない。例えば、地域に関わらず「090」又は「080」で始まる携帯電話機の電話番号を、位置情報に基づいて優先表示することはできない。また、位置情報に基づいて電話番号等の宛先情報を優先表示できるにすぎず、多数の宛先情報が電話帳に登録されている場合に、効率的に宛先情報を検索できるとは限らない。
【0005】
また、特許文献3に記載された携帯情報端末を適用すれば、滞在国の国コードを付加してアドレス帳にアドレスデータを登録することによって、滞在国に対応する宛先情報を優先表示することができる。しかし、滞在国に対応する宛先情報だけを表示できるにすぎず、多数の宛先情報が電話帳に登録されている場合に、効率的に宛先情報を検索できるとは限らない。
【0006】
そこで、本発明は、多数の宛先情報が登録されている場合において、宛先情報の検索効率を向上できる携帯端末及び宛先情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による携帯端末は、携帯端末(例えば、携帯電話機10)のユーザの登録操作に従って、宛先情報(例えば、電話番号やメールアドレス)を登録する宛先情報登録手段(例えば、CPU3によって実現される)と、登録対象の宛先情報を、宛先情報の登録操作が行われた時に携帯端末が存在していた地域を示す登録地域情報に対応付けて複数記憶する宛先情報記憶手段(例えば、メモリ7によって実現される)と、宛先情報記憶手段が記憶する各登録地域情報に基づいて、登録操作が行われた時に携帯端末が存在していた地域が携帯端末の現在位置から近い順に、宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を並べ替える宛先情報並替手段(例えば、CPU3によって実現される)と、宛先情報並替手段が並べ替えた順番に従って、宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を表示する宛先情報表示手段(例えば、CPU3の指示に従って動作する表示部8によって実現される)とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、携帯端末は、所定のタイミングで、携帯端末が現在存在している無線エリアを示すエリア情報(例えば、位置登録情報に含まれる基地局ID)を取得するエリア情報取得手段(例えば、無線部5を制御する制御部2によって実現される)を備え、宛先情報登録手段は、宛先情報の登録操作が行われると、エリア情報取得手段が取得したエリア情報を、エリア情報に示される無線エリアに対応する地域を示す地域情報(例えば、国名や都道府県名、市町村名)に変換する地域情報変換手段(例えば、CPU3によって実現される)と、登録対象の宛先情報に、地域情報変換手段が変換した地域情報を登録地域情報として対応付けて、宛先情報記憶手段に記憶させる情報登録手段(例えば、CPU3によって実現される)とを含むものであってもよい。
【0009】
また、携帯端末は、エリア情報と地域情報とを対応付けた地域情報対応テーブルを予め記憶する地域情報対応テーブル記憶手段(例えば、地域情報対応テーブルを記憶するメモリ7によって実現される)を備え、地域情報変換手段は、地域情報対応テーブル記憶手段が記憶する地域情報対応テーブルから、エリア情報に対応する地域情報を抽出することによって、エリア情報を地域情報に変換するものであってもよい。
【0010】
また、携帯端末において、エリア情報取得手段は、所定のタイミングで、基地局から、無線信号としてエリア情報を受信するものであってもよい。
【0011】
また、携帯端末において、宛先情報並替手段は、エリア情報取得手段が取得したエリア情報に基づいて、携帯端末が現在存在している地域を特定する現在地域特定手段(例えば、CPU3によって実現される)と、宛先情報記憶手段が記憶する各登録地域情報に示される地域と、現在地域特定手段が特定した地域との距離が小さい順に、宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を並べ替える並替手段(例えば、CPU3によって実現される)とを含むものであってもよい。
【0012】
また、携帯端末は、地域の組合せと、組合せに示される地域間の距離を示す地域間距離情報とを対応付けた地域間距離対応テーブルを予め記憶する地域間距離対応テーブル記憶手段(例えば、距離対応テーブルを記憶するメモリ7によって実現される)を備え、並替手段は、宛先情報記憶手段が記憶する各登録地域情報に示される地域と、現在地域特定手段が特定した地域との組合せに対応する地域間距離情報を、地域間距離対応テーブル記憶手段から抽出し、抽出した地域間距離情報に示される距離が小さい順に、宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を並べ替えるものであってもよい。
【0013】
また、携帯端末は、宛先情報記憶手段が記憶する登録地域情報を、宛先情報毎に更新する地域情報更新手段(例えば、CPU3によって実現される)を備えたものであってもよい。
【0014】
また、携帯端末において、宛先情報登録手段は、宛先情報として電話番号を登録するものであってもよい。
【0015】
本発明による宛先情報表示方法は、携帯端末に登録されている複数の宛先情報を表示する宛先情報表示方法であって、携帯端末のユーザの登録操作に従って、登録対象の宛先情報を入力するステップと、入力した登録対象の宛先情報を、宛先情報の登録操作が行われた時に携帯端末が存在していた地域を示す登録地域情報に対応付けて記憶するステップと、記憶した各登録地域情報に基づいて、登録操作が行われた時に携帯端末が存在していた地域が携帯端末の現在位置から近い順に、記憶した各宛先情報を並べ替えるステップと、並べ替えた順番に従って、記憶した各宛先情報を表示するステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
また、宛先情報表示方法は、所定のタイミングで、携帯端末が現在存在している無線エリアを示すエリア情報を取得するステップと、宛先情報の登録操作が行われると、取得したエリア情報を、エリア情報に示される無線エリアに対応する地域を示す地域情報に変換するステップと、登録対象の宛先情報に、変換した地域情報を登録地域情報として対応付けて記憶するステップとを含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、宛先情報に登録する際に、登録対象の宛先情報を、登録操作が行われた時に携帯端末が存在していた地域を示す登録地域情報に対応付けて記憶する。そして、各登録地域情報に基づいて、登録操作が行われた時に携帯端末が存在していた地域が携帯端末の現在位置から近い順に、登録している各宛先情報を並べ替えて表示する。従って、多数の宛先情報が登録されている場合において、宛先情報の検索効率を向上させることができる。
【0018】
また、本発明において、取得したエリア情報を地域情報に変換し、変換した地域情報を登録地域情報として登録するように構成すれば、エリア情報をある程度まとまった領域の地域に変換して、登録する各宛先情報を適切にグループ化することができる。
【0019】
また、本発明において、地域情報対応テーブルを予め記憶するように構成すれば、地域情報対応テーブルを用いることによって、エリア情報を容易に地域情報に変換することができる。
【0020】
また、本発明において、地域間距離対応テーブルを予め記憶するように構成すれば、地域間距離対応テーブルを用いることによって、各登録地域情報に示される地域と携帯端末の現在位置との距離を容易に特定することができる。従って、登録地域が現在位置から近い順に、登録している各宛先情報を容易に並べ替えることができる。
【0021】
また、本発明において、各登録地域情報を更新できるように構成すれば、宛先情報の登録後にユーザ操作に従って登録地域情報を変更することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による宛先情報表示方法を用いた携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態では、携帯端末が携帯電話機10である場合を例に説明する。なお、携帯端末は、携帯電話機10に限らず、例えば、PHSや、通信機能を備えたPDA等の携帯機器であってもよい。図1に示すように、携帯電話機10は、操作部1、制御部2、CPU3、アンテナ4、無線部5、メモリ7及び表示部8を含む。
【0023】
本実施の形態では、携帯電話機10は、電話番号の登録操作が行われた場合、入力した電話番号をメモリ7に登録するとともに、登録操作が行われた時に携帯電話機10が存在していた地域を示す登録地域情報(例えば、国名や都道府県名、市町村名)を保存する。また、携帯電話機10は、電話番号の検索指示が行われた場合、登録地域情報に示される登録地域が携帯電話機10が現在存在している無線エリアから近い順に、メモリ7に登録している電話番号をソートして表示する。本実施の形態では、登録地域が現在存在している無線エリアから近い順番に電話番号を表示する表示モードをもつことによって、電話番号の検索効率の向上を実現する。
【0024】
操作部1は、複数のキースイッチを含み、ユーザの操作に従って各種指示を入力する機能を備える。本実施の形態では、ユーザが、操作部1に含まれるいずれかのキースイッチを押下することによって、制御部2を介してCPU3に指示が伝えられる。例えば、操作部1は、ユーザの操作に従って、電話番号の登録を指示する旨の電話番号登録指示を入力する。また、例えば、操作部1は、ユーザの操作に従って、登録対象の電話番号を入力する。また、例えば、操作部1は、ユーザの操作に従って、メモリ7に登録している電話番号の表示を指示する旨の電話番号表示指示を入力する。
【0025】
図2は、操作部1に含まれる各キースイッチの配置の例を示す説明図である。図2に示すように、携帯電話機10の操作部1は、一般に、「0」〜「9」のテンキーや、「*」キー、「#」キー、スクロールキー(「←」や「↑」、「↓」、「→」)、開始キー、終了キー、メニューキー、クリアキー等を含む。
【0026】
例えば、ユーザによってメニューキーが押下されると、操作部1は、メニューモードへの移行を指示する旨のメニューモード移行指示を入力する。CPU3は、制御部2を介してメニューモード移行指示を入力し、制御状態をメニューモードに移行する。また、メニューモードに移行すると、CPU3は、表示部8に各種メニューを表示させる。ユーザは、例えば、表示部8に表示されたメニューから電話番号表示ボタンや電話番号登録ボタンを選択操作することによって、電話番号表示指示や電話番号登録指示を行う。そして、操作部1は、ユーザの選択操作に従って、電話番号表示指示や電話番号登録指示を入力する。
【0027】
無線部5は、アンテナ4を介して、基地局6と無線信号を送受信する機能を備える。制御部2は、CPU3の指示に従って、無線部5や操作部1等の携帯電話機10の各部を制御する機能を備える。例えば、制御部2は、無線部5や操作部1を制御するための各種制御回路によって実現される。例えば、制御部2は、CPU3からのデータを符号化し、符号化したデータを無線部5に出力する。また、例えば、制御部2は、無線部5が受信したデータを復号し、復号したデータをCPU3に出力する。
【0028】
また、制御部2は、操作部1から入力した各種情報をCPU3に出力する機能を備える。例えば、制御部2は、操作部1からの各種指示情報(例えば、電話番号登録指示や電話番号表示指示)をCPU3に出力する。また、例えば、制御部2は、操作部1から入力した登録対象の電話番号をCPU3に出力する。
【0029】
CPU3は、携帯電話機10が搭載するプログラムに従って各種処理を実行する機能を備える。本実施の形態では、CPU3は、制御部2から電話番号登録指示を入力すると、制御状態を電話番号登録モードに移行する。そして、CPU3は、制御部2から登録対象の電話番号を入力すると、入力した電話番号をメモリ7に記憶させる。この場合、CPU3は、メモリ7が記憶する電話番号データ(電話帳)に、登録対象の電話番号を格納する。また、CPU3は、登録操作が行われた時に携帯電話機10が存在していた地域を特定して登録地域情報を求め、登録地域情報を登録対象の電話番号に対応付けて電話番号データに格納する。
【0030】
また、CPU3は、制御部2から電話番号表示指示を入力すると、制御状態を電話番号表示モードに移行する。CPU3は、メモリ7が記憶する電話番号データから各登録電話番号を抽出し、抽出した各登録電話番号を液晶表示部等の表示部8に表示させる。
【0031】
本実施の形態では、CPU3は、通常の表示形式である通常表示モード、又は登録地域に従って並べ替えを行って表示する表示形式である登録地域表示モードのいずれかの表示モードを用いて、抽出した各電話番号を表示する。通常表示モードを用いて表示する場合、CPU3は、予め定められたルールに従って、抽出した各電話番号を表示部8に表示させる。例えば、CPU3は、抽出した各電話番号を、「アイウエオ」順に表示部8に表示させる。
【0032】
また、登録地域表示モードを用いて表示する場合、CPU3は、登録地域情報に示される登録地域が携帯電話機10の現在位置に近い順に、抽出した各電話番号を並べ替える。そして、CPU3は、並べ替え結果に従って、登録地域が携帯電話機10の現在位置に近い順に、抽出した各電話番号を表示部8に表示させる。
【0033】
メモリ7は、複数の登録電話番号を含む電話番号データを記憶する。本実施の形態では、メモリ7は、各登録電話番号を登録地域情報に対応付けて含む電話番号データを記憶する。なお、メモリ7は、電話番号に限らず、メールアドレス等の宛先情報を登録地域情報に対応付けて記憶してもよい。
【0034】
図3は、メモリ7が記憶する電話番号データの例を示す説明図である。図3に示すように、本例では、メモリ7が10件の電話番号を含む電話番号データを記憶する場合を説明する。図3に示すように、メモリ7は、登録番号毎に、相手の名前、フリガナ、電話番号及びメールアドレスを、登録地域情報に対応付けて含む電話番号データを記憶する。
【0035】
本実施の形態では、携帯電話機10は、所定のタイミングで、基地局6から、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示すエリア情報を受信し、受信したエリア情報をメモリ7に登録する。また、CPU3は、電話番号の登録を行うと、現在登録しているエリア情報を、地域を示す地域情報に変換する。そして、CPU3は、変換した地域情報を登録地域情報として、登録対象の電話番号に対応付けてメモリ7に記憶させる。
【0036】
例えば、携帯電話機10は、所定のタイミングで基地局IDを含む位置登録情報を基地局6から受信し、受信した位置登録情報をメモリ7に登録することによって位置登録を行っている。CPU3は、現在登録している位置登録情報から基地局IDをエリア情報として抽出し、抽出した基地局IDを、国名や都道府県名、市町村名等の地域名に変換して登録地域情報を求める。そして、CPU3は、求めた登録地域情報を、登録した電話番号に対応付けてメモリ7に記憶させる。本実施の形態では、地域名に変換することによって、各電話番号を地域毎にグループ化してメモリ7に登録している。
【0037】
次に、動作について説明する。まず、携帯電話機10がエリア情報を取得し登録する動作を説明する。図4は、携帯電話機10がエリア情報を取得し登録する処理、及び所定時間毎にエリア情報を更新するエリア情報取得/更新処理の一例を示す流れ図である。本実施の形態では、携帯電話機10は、ユーザによって電源がオンにされると、携帯電話サービスのサービスエリア圏外であるか否かを判断し、基地局6からエリア情報を取得し登録する。また、携帯電話機10は、電源がオンにされた後、所定時間毎に、サービスエリア圏内であるか否かを判断し、基地局6からエリア情報を取得し更新する。
【0038】
ユーザによって携帯電話機10の電源がオンにされると(ステップS71)、携帯電話機10は、現在いる場所がサービスエリア圏内であるか否かを判定する(ステップS72)。例えば、携帯電話機10は、電源がオンにされると、基地局6から所定の信号を受信し、受信信号にもとづいて受信電界値を測定する。また、携帯電話機10のCPU3は、測定した受信電界値が所定の閾値より小さいか否かを判断する。そして、受信電界値が閾値より小さいと判断すると、CPU3は、携帯電話機10がサービスエリア圏外にいると判定する。受信電界値が閾値より小さくないと判断すると、CPU3は、携帯電話機10がサービスエリア圏内にいると判定する。
【0039】
サービスエリア圏外にいると判定すると、携帯電話機10は、サービスエリア圏内に移動するまで、所定時間毎にステップS72の処理を繰り返し実行する。サービスエリア圏内にいると判定すると、携帯電話機10は、基地局6から、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示すエリア情報を取得する(ステップS73)。そして、CPU3は、取得したエリア情報をメモリ7に記憶(登録)させる(ステップS74)。以下、メモリ7に登録されているエリア情報を登録エリア情報ともいう。
【0040】
例えば、携帯電話機10は、基地局6から所定の位置登録情報を受信することによって、位置登録処理を行う。この場合、携帯電話機10は、現在いる無線エリアの基地局6を示す基地局IDを含む位置登録情報を、基地局6から無線信号として受信する。そして、CPU3は、例えば、受信した位置登録情報から基地局IDを抽出し、抽出した基地局IDをエリア情報としてメモリ7に記憶させる。
【0041】
エリア情報を登録すると、携帯電話機10は、所定時間毎に、無線エリアの移行の有無を判定する(ステップS75)。この場合、例えば、携帯電話機10は、現在のエリア情報を基地局6から取得し、メモリ7に登録している登録エリア情報と一致するか否かを判断する。登録エリア情報と一致すると判断すると、携帯電話機10は、所定時間前から無線エリアを移動していない(無線エリアの移行なし)と判定する。また、登録エリア情報と一致しないと判断すると、携帯電話機10は、所定時間前にいた無線エリアと異なる無線エリアに移動した(無線エリアの移行あり)と判定する。
【0042】
例えば、携帯電話機10は、所定時間毎に、基地局6から位置登録情報を受信し、位置登録処理を行っている。この場合、CPU3は、受信した位置登録情報から基地局IDを抽出し、メモリ7に登録している基地局IDと一致するか否かを判断する。登録している基地局IDと一致すると判断すると、CPU3は、無線エリアの移行なしと判定する。また、登録している基地局IDと一致しないと判断すると、CPU3は、無線エリアの移行ありと判定する。
【0043】
無線エリアの移行なしと判定した場合、携帯電話機10は、所定時間毎に、ステップS75の処理を繰り返し実行する。無線エリアの移行ありと判定すると、携帯電話機10は、ステップS72と同様の処理に従って、現在いる無線エリア(すなわち、移動後の無線エリア)がサービスエリア圏内であるか否かを判定する(ステップS76)。
【0044】
サービスエリア圏内にいると判定すると、携帯電話機10は、ステップS73と同様の処理に従って、基地局6から、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示すエリア情報(すなわち、移動後の無線エリアを示すエリア情報)を取得する(ステップS77)。そして、CPU3は、ステップS74と同様の処理に従って、取得したエリア情報をメモリ7に記憶させる(ステップS78)。
【0045】
すなわち、CPU3は、メモリ7に登録する登録エリア情報を、移動後の無線エリアを示すエリア情報に更新する。また、ステップS78において、CPU3は、最新のエリア情報だけが残るように、古い登録エリア情報(すなわち、移動前の無線エリアを示すエリア情報)に新しいエリア情報(すなわち、移動後の無線エリアを示すエリア情報)を上書きする制御を行う。なお、ステップS75で無線エリアの移動の有無を判定するために、既に現在のエリア情報を基地局6から取得している場合、CPU3は、ステップS75で取得したエリア情報をメモリ7に記憶させて登録エリア情報を更新してもよい。
【0046】
登録エリア情報を更新すると、携帯電話機10は、ステップS75に戻り、ステップS75からステップS78までの処理を繰り返し実行する。すなわち、携帯電話機10は、無線エリアの移行を検出する毎に、繰り返し登録エリア情報を更新する。
【0047】
なお、ステップS76でサービスエリア圏外であると判定すると、携帯電話機10は、ステップS75に戻り、ステップS75以降の処理を繰り返し実行する。すなわち、携帯電話機10は、サービスエリア圏外にいる場合には、登録エリア情報の更新処理を行わずに、最後にサービスエリア圏内にいた時に取得した登録エリア情報をそのまま保持する。
【0048】
以上のように、ステップS71からステップS78までの処理が実行されることによって、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示すエリア情報が登録される。また、携帯電話機10が無線エリアを移動したことを検出する毎に、登録エリア情報が随時更新される。
【0049】
次に、携帯電話機10が電話番号データ(電話帳)に新規に電話番号を登録する動作を説明する。図5は、携帯電話機10が電話番号データに電話番号を登録する電話番号登録処理の一例を示す流れ図である。ユーザは、新規に電話番号登録を行う場合、携帯電話機10の操作部1を操作して電話番号登録モードへの移行指示を行う。この場合、携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、電話番号登録指示を入力する(ステップS61)。
【0050】
例えば、ユーザが図2に示すメニューキーを押下すると、携帯電話機10は、メニューモード移行指示を入力する。すると、CPU3は、制御状態をメニューモードに移行し、表示部8に各種メニューを表示させる。また、例えば、ユーザは、表示部8に表示されたメニューから電話番号登録ボタンを選択操作する。すると、携帯電話機10は、電話番号登録指示を入力する。
【0051】
CPU3は、制御部2から電話番号登録指示を入力すると、制御状態を電話番号登録モードに移行する。また、CPU3は、メモリ7に登録している登録エリア情報を抽出する(ステップS62)。
【0052】
本実施の形態では、図4に示したステップS71からステップS78までの処理が随時実行されることによって、メモリ7には、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示す登録エリア情報が記憶されている。従って、ステップS62において、CPU3は、メモリ7から、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示す登録エリア情報を抽出する。なお、携帯電話機10が駅構内や建物の地下等のサービスエリア圏外に現在いる場合には、CPU3は、メモリ7から、携帯電話機10が最後にサービスエリア圏内にいた時の無線エリアを示す登録エリア情報を抽出することになる。
【0053】
CPU3は、抽出した登録エリア情報に基づいて、携帯電話機10が現在存在している地域を特定し登録地域情報(グループ名)を求める(ステップS63)。例えば、携帯電話機10は、エリア情報(例えば、基地局ID)と地域情報(例えば、国名や都道府県名、市町村名)とを対応付けた地域情報対応テーブルを、予めメモリ7に記憶している。そして、CPU3は、予め記憶する地域情報対応テーブルから、登録エリア情報に対応する地域情報を抽出することによって、登録地域情報を求める。
【0054】
例えば、携帯電話機10を日本だけでなく海外でも用いる場合、CPU3は、登録エリア情報に基づいて、地域情報として「日本国」や「イギリス」等の国名を求める。また、例えば、CPU3は、地域情報として「静岡県」や「東京都」等の都道府県名を求める。また、例えば、CPU3は、地域情報として「浜松市」や「静岡市」等の市町村名を求める。なお、国名や都道府県名、市町村名でグループ化する場合に限らず、例えば、CPU3は、携帯電話機10が現在存在している地域の区や郡の名称を特定してもよい。
【0055】
一般に、基地局6から取得した基地局ID等のエリア情報をそのまま用いて登録地域のグループ化を行うと、グループが細分化されすぎて登録地域のグループ化を適切に行えないことがある。そのため、本実施の形態では、エリア情報を、ある程度まとまった領域の名称である国名や都道府県名、市町村名等の地域情報に変換しグループ化して、電話番号とともにメモリ7に格納する。
【0056】
携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、登録対象の各情報を入力する。また、携帯電話機10は、登録対象の各情報の入力が完了したか否かを判断する(ステップS64)。例えば、携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、登録対象の電話番号やメールアドレス、登録対象の電話番号の端末を所持する相手の名前、フリガナを入力する。また、ユーザは、登録対象の情報を全て入力すると、携帯電話機10の操作部1を用いて、登録完了の指示操作を行う。例えば、ユーザは、携帯電話機10の表示部8に表示された登録完了ボタン等を押下することによって、登録完了の指示操作を行う。ユーザによって登録完了の指示操作が行われると、携帯電話機10は、登録対象の各情報の入力が完了したと判断する。
【0057】
登録対象の各情報の入力を完了すると、CPU3は、登録対象の各情報を、ステップS63で求めた登録地域情報(グループ名)に対応付けてメモリ7に記憶させる(ステップS65)。例えば、CPU3は、図3に示すように、相手の名前、フリガナ、電話番号及びメールアドレスを、登録地の都道府県名を示す登録地域情報に対応付けて、メモリ7が記憶する電話番号データに格納する。
【0058】
なお、携帯電話機10は、例えば、受信したGPS信号に基づいて、電話番号の登録操作が行われた時の携帯電話機10の位置情報(例えば、緯度及び経度。以下、登録位置情報ともいう)を求めてもよい。そして、CPU3は、ステップS65において、求めた登録位置情報を、登録対象の各情報及び登録地域情報に対応付けてメモリ7に記憶させてもよい。
【0059】
以上のように、ステップS61からステップS65までの処理が実行されることによって、電話番号やメールアドレス等の宛先情報が地域情報に対応付けて登録される。
【0060】
なお、本実施の形態では、図5に示すように、電話番号が新規にメモリ7に登録された時にのみ、登録地域情報をメモリ7に格納する。例えば、電話番号の新規登録後に登録電話番号を編集/修正する時にも登録地域情報の更新を行うようにすると、一般にユーザは自宅等の同一エリアで登録電話番号の編集/修正を行うことが多いため、各登録電話番号に対応する登録地域情報が全て同じ情報に書き換えられてしまう虞がある。本実施の形態では、電話番号の新規登録時にのみ登録地域情報を格納することによって、各登録電話番号に対応する登録地域情報が全て同じ情報に書き換えられてしまうことを防止している。
【0061】
次に、携帯電話機10がユーザの指示に従って電話番号を表示する動作を説明する。図6は、携帯電話機10がメモリ7に登録している電話番号を表示する電話番号表示処理の一例を示す流れ図である。ユーザは、電話帳に登録されている電話番号の検索を行う場合、携帯電話機10の操作部1を操作して電話番号表示モードへの移行指示を行う。この場合、携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、電話番号表示指示を入力する(ステップS81)。
【0062】
例えば、ユーザが図2に示すメニューキーを押下すると、携帯電話機10は、メニューモード移行指示を入力する。すると、CPU3は、制御状態をメニューモードに移行し、表示部8に各種メニューを表示させる。また、例えば、ユーザは、表示部8に表示されたメニューから電話番号表示ボタンを選択操作する。すると、携帯電話機10は、電話番号表示指示を入力する。
【0063】
CPU3は、制御部2から電話番号表示指示を入力すると、制御状態を電話番号表示モードに移行する。また、CPU3は、電話番号の表示形式として、登録地域表示モードが選択されたか否かを判定する(ステップS82)。例えば、ユーザは、登録地域表示モードで各電話番号を表示させたい場合、表示部8に表示されたメニューから登録地域表示ボタンを選択操作する。すると、CPU3は、電話番号の表示形式として、登録地域表示モードが選択されたと判定する。登録地域表示ボタンの選択操作が行われなかった場合には、CPU3は、電話番号の表示形式として、登録地域表示モードが選択されなかったと判定する。
【0064】
登録地域表示モードが選択されなかったと判定すると、CPU3は、メモリ7から各電話番号を抽出し、通常表示モードを用いて表示部8に各電話番号を表示させる(ステップS83)。この場合、例えば、CPU3は、メモリ7に登録している各電話番号を、「アイウエオ」順に表示部8に表示させる。
【0065】
登録地域表示モードが選択されたと判定すると、CPU3は、メモリ7に登録している登録エリア情報を抽出する(ステップS84)。本実施の形態では、図4に示したステップS71からステップS78までの処理が随時実行されることによって、メモリ7には、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示す登録エリア情報が記憶されている。従って、ステップS84において、CPU3は、メモリ7から、携帯電話機10が現在存在している無線エリアを示す登録エリア情報を抽出する。なお、携帯電話機10がサービスエリア圏外に現在いる場合には、CPU3は、メモリ7から、携帯電話機10が最後にサービスエリア圏内にいた時の無線エリアを示す登録エリア情報を抽出することになる。
【0066】
CPU3は、抽出した登録エリア情報及びメモリ7に登録されている各登録地域情報に基づいて、メモリ7に登録されている各電話番号を、携帯電話機10が現在存在している位置から近い順にグループ順(地域順)にソートする(ステップS85)。すなわち、CPU3は、登録操作が行われた時に携帯電話機10が存在していた地域が携帯電話機10の現在位置から近い順に、メモリ7に登録されている各電話番号を並べ替える。
【0067】
例えば、携帯電話機10がメモリ7に図3に示す各登録情報を記憶している場合を説明する。図7及び図8は、図3に示す各登録電話番号を、登録エリア情報及び各登録地域情報に基づいてソートした並べ替え結果を示す説明図である。図7は、携帯電話機10が東京都に現在いる場合に、各登録電話番号をソートした並べ替え結果を示す。図8は、携帯電話機10が静岡県に現在いる場合に、各登録電話番号をソートした並べ替え結果を示す。
【0068】
CPU3は、登録エリア情報に基づいて、携帯電話機10が現在存在している地域を特定する。例えば、CPU3は、予め記憶する地域情報対応テーブルから、登録エリア情報に対応する地域情報を抽出することによって、携帯電話機10が現在存在している地域を特定する。なお、携帯電話機10がサービスエリア圏外にいる場合には、CPU3は、携帯電話機10が最後にサービスエリア圏内にいた時の地域を特定することになる。
【0069】
CPU3は、登録エリア情報から特定した地域と、図3に示す各登録地域情報とに基づいて、図3に示す各登録電話番号をソートする。例えば、携帯電話機10は、地域の組合せと、組合せに示される地域間の距離を示す地域間距離情報とを対応付けた距離対応テーブルを予め記憶している。また、CPU3は、各登録地域情報に示される地域と、登録エリア情報から特定した地域との組合せに対応する地域間距離情報を、予め記憶する距離対応テーブルから抽出する。そして、CPU3は、抽出した地域間距離情報に示される距離が小さい順に、メモリ7に登録している各電話番号を並べ替える。
【0070】
例えば、登録エリア情報に基づいて携帯電話機10が東京都にいると特定すると、CPU3は、図3に示す各登録番号のうち、登録地域情報「東京都」に対応する電話番号が現在位置から最も近い場所で登録された番号であると判断する。そして、CPU3は、図7に示すように、東京都で登録された電話番号(本例では、名前が「太田」、「田中」、「村松」及び「佃」の電話番号)が上位になるように、各登録電話番号をソートする。また、CPU3は、登録地域情報「静岡県」に対応する電話番号が東京都の次に現在位置から近い場所で登録された番号であると判断し、東京都の次に上位になるように、静岡県で登録された番号(本例では、名前が「鈴木」、「木村」、「藤田」及び「大山」の電話番号)をソートする。
【0071】
また、CPU3は、登録地域情報「愛知県」に対応する電話番号が静岡県の次に現在位置から近い場所で登録された番号であると判断し、静岡県の次に上位になるように、愛知県で登録された番号(本例では、「山田」の電話番号)をソートする。また、CPU3は、登録地域情報「広島県」に対応する電話番号が現在位置から最も遠い場所で登録された番号であると判断し、広島県で登録された電話番号(本例では、「佐々木」の電話番号)が下位になるように、各登録電話番号をソートする。
【0072】
また、例えば、登録エリア情報に基づいて携帯電話機10が静岡県にいると特定すると、CPU3は、図3に示す各登録番号のうち、登録地域情報「静岡県」に対応する電話番号が現在位置から最も近い場所で登録された番号であると判断する。そして、CPU3は、図8に示すように、静岡県で登録された電話番号(本例では、名前が「鈴木」、「木村」、「藤田」及び「大山」の電話番号)が上位になるように、各登録電話番号をソートする。また、CPU3は、登録地域情報「愛知県」に対応する電話番号が静岡県の次に現在位置から近い場所で登録された番号であると判断し、静岡県の次に上位になるように、愛知県で登録された番号(本例では、名前が「山田」の電話番号)をソートする。
【0073】
また、CPU3は、登録地域情報「東京都」に対応する電話番号が愛知県の次に現在位置から近い場所で登録された番号であると判断し、愛知県の次に上位になるように、東京都で登録された番号(本例では、「太田」、「田中」、「村松」及び「佃」の電話番号)をソートする。また、CPU3は、登録地域情報「広島県」に対応する電話番号が現在位置から最も遠い場所で登録された番号であると判断し、広島県で登録された電話番号(本例では、「佐々木」の電話番号)が下位になるように、各登録電話番号をソートする。
【0074】
なお、メモリ7に登録地域情報に加えて登録位置情報を記憶している場合、例えば、CPU3は、各登録位置情報に基づいて、現在位置から所定の半径以内で登録された電話番号を優先表示するように、各登録電話番号をソートしてもよい。
【0075】
メモリ7に登録している各登録電話番号をソートすると、CPU3は、並べ替え結果に従って、登録地域が現在位置から近い順に、各登録電話番号を表示部8に表示させる(ステップS86)。なお、メモリ7に登録している電話番号の数が、表示部8に表示可能な数を超えている場合には、CPU3は、登録地域が現在位置から近い方から順に、表示可能な数だけ登録電話番号を表示部8に表示させる。そして、ユーザが操作部1を用いてスクロールキー(「←」キーや「↑」キー、「↓」キー、「→」キー)を押下すると、CPU3は、表示部8に、各登録電話番号をスクロール表示させる。
【0076】
以上のように、本実施の形態によれば、電話番号を電話帳等に登録する際に、登録対象の電話番号を、登録操作が行われた時に携帯電話機10が存在していた地域を示す登録地域情報に対応付けてメモリ7に記憶する。そして、各登録地域情報に基づいて、登録操作が行われた時に携帯電話機10が存在していた地域が携帯電話機10の現在位置から近い順に、メモリ7に登録している各電話番号をソートし表示する。従って、多数の電話番号が登録されている場合において、電話番号の検索効率を向上させることができる。
【0077】
例えば、一般に、イギリスやアメリカ等の海外出張が多い場合、ユーザは、イギリスで出会った人物の電話番号登録をイギリス滞在中に行い、アメリカで出会った人物の電話番号登録をアメリカ滞在中に行うことが多い。例えば、イギリス出張からの帰国後、再度イギリスに出張した時にユーザが電話をかける場合、イギリス国内で最初に会った人物に電話をかける可能性が高い。本実施の形態では、携帯電話機10が現在位置で以前登録した電話番号を優先的に上位になるように表示するので、発信対象の相手の電話番号を見つけやすく、ユーザの利便性を高めることができる。
【0078】
また、同様に、日本国内に出かけることが多い場合であっても、発信対象の相手の電話番号を見つけやすく、ユーザの利便性を高めることができる。例えば、日本国内で東京都や静岡県に出かけることが多い場合や、静岡県内で浜松市や静岡市に出かけることが多い場合であっても同様にあてはまり、携帯電話機10が日本国内の現在位置で以前登録した電話番号を優先的に上位になるように表示することによって、発信対象の相手の電話番号を見つけやすくできる。
【0079】
すなわち、電話番号の表示モードが登録地域表示モードに設定されると、携帯電話機10は現在位置から近い地域で登録された電話番号から順位表示するので、使用する可能性が高い電話番号が優先的に上位に表示され、発信対象の相手の電話番号を見つけやすくできる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、電話帳等に登録されている電話番号が多い場合であっても、登録地域が現在位置から近い順にソートして全ての登録電話番号を表示するので、多数の電話番号が登録されている場合であっても発信対象の相手の電話番号を見つけることができ、電話番号の検索効率を向上させることができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、携帯電話機10が宛先情報として電話番号をソートして表示する場合を説明したが、携帯電話機10は、電話番号以外の宛先情報をソートして表示してもよい。例えば、電話帳にメールアドレスを登録してる場合、携帯電話機10は、宛先情報としてメールアドレスをソートして表示してもよい。
【0082】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態では、携帯電話機10は、電話番号の登録処理を行った後に、ユーザの操作に従って、電話番号とともに登録した登録地域情報(グループ名)を編集(変更)する処理を行う。
【0083】
なお、本実施の形態において、携帯電話機10の基本的な構成及び機能は、第1の実施の形態で示した構成及び機能と同様である。また、携帯電話機10が行うエリア情報取得/更新処理、電話番号登録処理、及び電話番号表示処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
【0084】
図9は、携帯電話機10が、ユーザの操作に従って、登録電話番号及び登録地域情報を編集する電話番号編集処理の一例を示す流れ図である。ユーザは、電話番号登録処理で登録した登録電話番号や登録地域情報を編集したい場合、携帯電話機10の操作部1を操作して電話番号編集モードへの移行指示を行う。この場合、携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、登録電話番号や登録地域情報の編集を指示する旨の電話番号編集指示を入力し、制御状態を電話番号編集モードに移行する(ステップS91)。
【0085】
例えば、ユーザが図2に示すメニューキーを押下すると、携帯電話機10は、メニューモード移行指示を入力する。すると、CPU3は、制御状態をメニューモードに移行し、表示部8に各種メニューを表示させる。また、例えば、ユーザは、表示部8に表示されたメニューから電話番号編集ボタンを選択操作する。すると、携帯電話機10は、電話番号選択指示を入力する。
【0086】
携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、各更新情報を入力する。例えば、携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、登録電話番号又は登録地域情報の更新情報を入力する。CPU3は、入力した各更新情報に基づいて、登録地域情報(グループ名)の更新指示があるか否かを判定する(ステップS92)。
【0087】
登録地域情報の更新指示があると判定すると、CPU3は、入力した更新情報に基づいて、メモリ7に格納している登録地域情報を更新する(ステップS93)。なお、複数の登録電話番号に対応する登録地域情報の更新指示がある場合、CPU3は、メモリ7が記憶する登録地域情報を登録電話番号毎に更新する。登録地域情報の更新指示がない(すなわち、登録電話番号の更新指示だけである)と判定すると、CPU3は、ステップS93の処理を実行せずに、そのままステップS94の処理に移行する。
【0088】
携帯電話機10は、ユーザの操作に従って、更新対象の登録電話番号の入力が完了したか否かを判断する(ステップS94)。登録電話番号の更新情報の入力を完了すると、CPU3は、入力した更新情報に基づいて、メモリ7に格納している登録電話番号を更新する(ステップS95)。
【0089】
以上のように、本実施の形態によれば、電話番号の登録後に、ユーザ操作に従って登録地域情報(グループ名)を変更することができ、ユーザにとって更に使い勝手のよい電話帳検索を実現することができる。例えば、ある地域(例えば、東京都)にいる時に発信する頻度が高い相手の電話番号を、偶然他の地域(例えば、愛知県)にいる時に最初に電話帳に登録してしまった場合、登録地域に基づく並べ替え表示を行っても、その相手の電話番号を容易に見つけることはできない。本実施の形態によれば、電話番号の登録後に登録地域情報の変更ができるので、登録地域情報を発信頻度が高い地域に修正することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末において、電話帳に登録されている電話番号やメールアドレスを表示する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による宛先情報表示方法を用いた携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】操作部に含まれる各キースイッチの配置の例を示す説明図である。
【図3】メモリが記憶する電話番号データの例を示す説明図である。
【図4】携帯電話機がエリア情報を取得し登録する処理、及び所定時間毎にエリア情報を更新するエリア情報取得/更新処理の一例を示す流れ図である。
【図5】携帯電話機が電話番号データに電話番号を登録する電話番号登録処理の一例を示す流れ図である。
【図6】携帯電話機がメモリに登録している電話番号を表示する電話番号表示処理の一例を示す流れ図である。
【図7】携帯電話機が東京都に現在いる場合に、各登録電話番号をソートした並べ替え結果を示す説明図である。
【図8】携帯電話機が静岡県に現在いる場合に、各登録電話番号をソートした並べ替え結果を示す説明図である。
【図9】携帯電話機が、ユーザの操作に従って、登録電話番号及び登録地域情報を編集する電話番号編集処理の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0092】
1 操作部
2 制御部
3 CPU
4 アンテナ
5 無線部
6 基地局
7 メモリ
8 表示部
10 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末のユーザの登録操作に従って、宛先情報を登録する宛先情報登録手段と、
登録対象の宛先情報を、前記宛先情報の登録操作が行われた時に前記携帯端末が存在していた地域を示す登録地域情報に対応付けて複数記憶する宛先情報記憶手段と、
前記宛先情報記憶手段が記憶する各登録地域情報に基づいて、登録操作が行われた時に前記携帯端末が存在していた地域が前記携帯端末の現在位置から近い順に、前記宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を並べ替える宛先情報並替手段と、
前記宛先情報並替手段が並べ替えた順番に従って、前記宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を表示する宛先情報表示手段とを備えた
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
所定のタイミングで、携帯端末が現在存在している無線エリアを示すエリア情報を取得するエリア情報取得手段を備え、
宛先情報登録手段は、
宛先情報の登録操作が行われると、前記エリア情報取得手段が取得したエリア情報を、前記エリア情報に示される無線エリアに対応する地域を示す地域情報に変換する地域情報変換手段と、
登録対象の宛先情報に、前記地域情報変換手段が変換した地域情報を登録地域情報として対応付けて、宛先情報記憶手段に記憶させる情報登録手段とを含む
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
エリア情報と地域情報とを対応付けた地域情報対応テーブルを予め記憶する地域情報対応テーブル記憶手段を備え、
地域情報変換手段は、前記地域情報対応テーブル記憶手段が記憶する地域情報対応テーブルから、エリア情報に対応する地域情報を抽出することによって、エリア情報を地域情報に変換する
請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
エリア情報取得手段は、所定のタイミングで、基地局から、無線信号としてエリア情報を受信する請求項2又は請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
宛先情報並替手段は、
エリア情報取得手段が取得したエリア情報に基づいて、携帯端末が現在存在している地域を特定する現在地域特定手段と、
宛先情報記憶手段が記憶する各登録地域情報に示される地域と、前記現在地域特定手段が特定した地域との距離が小さい順に、前記宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を並べ替える並替手段とを含む
請求項2から請求項4のうちのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
地域の組合せと、前記組合せに示される地域間の距離を示す地域間距離情報とを対応付けた地域間距離対応テーブルを予め記憶する地域間距離対応テーブル記憶手段を備え、
並替手段は、
宛先情報記憶手段が記憶する各登録地域情報に示される地域と、現在地域特定手段が特定した地域との組合せに対応する地域間距離情報を、前記地域間距離対応テーブル記憶手段から抽出し、
抽出した地域間距離情報に示される距離が小さい順に、前記宛先情報記憶手段が記憶する各宛先情報を並べ替える
請求項5記載の携帯端末。
【請求項7】
宛先情報記憶手段が記憶する登録地域情報を、宛先情報毎に更新する地域情報更新手段を備えた請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
宛先情報登録手段は、宛先情報として電話番号を登録する請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項9】
携帯端末に登録されている複数の宛先情報を表示する宛先情報表示方法であって、
携帯端末のユーザの登録操作に従って、登録対象の宛先情報を入力するステップと、
入力した登録対象の宛先情報を、前記宛先情報の登録操作が行われた時に前記携帯端末が存在していた地域を示す登録地域情報に対応付けて記憶するステップと、
記憶した各登録地域情報に基づいて、登録操作が行われた時に前記携帯端末が存在していた地域が前記携帯端末の現在位置から近い順に、記憶した各宛先情報を並べ替えるステップと、
並べ替えた順番に従って、記憶した各宛先情報を表示するステップとを含む
ことを特徴とする宛先情報表示方法。
【請求項10】
所定のタイミングで、携帯端末が現在存在している無線エリアを示すエリア情報を取得するステップと、
宛先情報の登録操作が行われると、取得したエリア情報を、前記エリア情報に示される無線エリアに対応する地域を示す地域情報に変換するステップと、
登録対象の宛先情報に、変換した地域情報を登録地域情報として対応付けて記憶するステップとを含む
請求項9記載の宛先情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−319454(P2006−319454A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137601(P2005−137601)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】