説明

携帯端末装置、印刷システム及び印刷通信制御方法並びにコンピュータプログラム

【課題】印刷処理に影響しないように、発生したイベントに対応するイベント対応処理を行うことができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置10において、接続部16は、制御部13がメモリ20から読み出した複数の画像データを印刷装置30へ送信する。制御部13が画像データの送信中に、電話着信等のイベントの発生を検出した場合に送信中の1つの画像データの送信が完了したときに、当該画像データに続く他の画像データの送信を中断するとともに印刷装置30へ印刷中断指示を送信し、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタにケーブルを介して直接接続し、画像データをプリンタに出力する携帯端末装置、印刷システム及び印刷通信制御方法並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、プリンタにケーブルを介して直接接続し、ユーザが指定した画像をプリンタに印刷させるデジタルカメラやデジタルビデオが一般的に知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、近年、デジタルカメラやデジタルビデオ以外にも携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置にもカメラが搭載され始めている。これらに搭載されているカメラは高画素化してデジタルカメラ等と同等の性能が得られるようになってきている。こうなると、デジタルカメラに特有の技術についても、携帯端末装置に搭載したいとの市場ニーズが生じてきており、その技術の中の1つに前述のプリンタにケーブルを介して直接接続し、画像を印刷する機能も含まれている。ところで、このようなプリンタで印刷する印刷データはデジタルカメラなどの画素数の増加とともに、年々データサイズも大きくなってきており、プリンタへのデータ転送にも多くの時間を要するようになってきている。
【特許文献1】特開平11−155120号公報
【特許文献2】特開2001−218096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、携帯端末装置をプリンタに直接接続して印刷を行う場合には、画像データの送信処理以外にも例えば、無線通信による電話着信イベントが発生したり、各種警告音の報知や目覚ましなどのアラームの報知を行うイベントが発生したりするため、多数のイベント処理を行わなければならないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、プリンタに対して画像データの送信しているときに、電話着信イベントやアラームなどの報知イベントが発生した場合であっても、印刷処理に影響しないように、当該イベントに対応するイベント対応処理を行うことができる携帯端末装置、印刷システム及び印刷通信制御方法並びにコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した問題を解決するために、本発明は、画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出して前記画像形成装置に送信する印刷通信手段と、を備えた携帯端末装置において、前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出した場合には、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う制御手段を備えたことを特徴とする携帯端末装置である。
【0006】
本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出し、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該イベントに対応する前記イベント対応処理を行う場合に、前記画像形成装置に対して、印刷中断を前記印刷通信手段に通知させることを特徴とする。
【0007】
本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出し、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該一の画像データに続く他の画像データがある場合、当該他の画像データの前記印刷通信手段による送信を中断させることを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記イベント対応処理が終了したときに、前記一の画像データに続く他の画像データがある場合、当該他の画像データを前記印刷通信手段に送信させることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記印刷通信手段による送信を中断させる場合に、再開させるための再開情報を前記記憶手段に格納することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記の発明において、前記イベントがメール受信イベントであって、前記イベント対応処理は、電子メール受信のためのメールサーバへの接続動作であることを特徴とする。
【0011】
本発明は、画像データを印刷する画像形成装置と、画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出し前記画像形成装置に送信する印刷通信手段と、を備えた携帯端末装置と、によって構成される印刷システムにおいて、前記携帯端末装置は、前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出した場合には、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う第1の制御手段を備え、前記画像形成装置は、前記携帯端末装置との接続を検出した時、前記携帯端末装置との間で前記可動確認認証を行う第2の制御手段と、前記携帯端末装置から前記画像データを受信する画像受信手段と、前記画像受信手段が受信した前記画像データを出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする印刷システムである。
【0012】
本発明は、画像データを印刷する画像形成装置と、画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出し前記画像形成装置に送信する携帯端末装置と、によって構成される印刷システムの印刷通信制御方法であって、前記画像形成装置が、前記携帯端末装置との接続を検出した時、前記携帯端末装置との間で前記可動確認認証を行う過程と、前記携帯端末装置が、画像データの送信を行う過程と、前記画像形成装置が、前記携帯端末装置から前記画像データを受信する過程と、前記画像形成装置が、受信した前記画像データを出力する過程と、前記携帯端末装置が、画像データの送信中に、イベントの発生を検出する過程と、前記携帯端末装置が、送信中の一の画像データの送信を完了を検出する過程と、前記携帯端末装置が、前記送信中の一の画像データの送信が完了を検出した場合に、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う過程と、からなることを特徴とする印刷通信制御方法である。
【0013】
本発明は、画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出して前記画像形成装置に送信する印刷通信手段と、を備えた携帯端末装置のコンピュータに、画像データを送信するステップ、画像データの送信中に、イベントの発生を検出するステップ、送信中の一の画像データの送信を完了を検出するステップ、前記送信中の一の画像データの送信が完了を検出した場合に、当該イベントに対応するイベント対応処理を行うステップ、を実行させるコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、プリンタに対して画像データの送信しているときに、電話着信イベントやアラームなどの報知イベントが発生した場合であっても、印刷処理に影響しないように、当該イベントに対応するイベント対応処理を行うことができる携帯端末装置、印刷システム及び印刷通信制御方法並びにコンピュータプログラムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による携帯端末装置及び印刷システムを図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による携帯端末装置10と印刷装置30によって構成される印刷システム1を示す概略ブロック図である。同図において、印刷装置30は、上述した画像形成装置に該当し、例えば、デジタルカメラ等とUSB(Universal Serial Bus)ケーブルで直接接続し、パソコンを介さずに、デジタルカメラ等から直接画像データを受信して印刷することができるダイレクト印刷機能を有するプリンタである。
【0016】
印刷装置30において、接続部33は、上記したUSBなどの接続インタフェースであり、後述する携帯端末装置10に直接接続される。制御部32は、印刷装置30と携帯端末装置10とが接続されたことを接続部33が検出した時、携帯端末装置10が印刷装置30が備えている画像データの送受信方式に合致し可動可能であるか否かを判定し、合致する装置の場合には携帯端末装置10を認証する。また、可動確認認証によって携帯端末装置10が認証されたとき、印刷装置30が印刷可能な画像データのフォーマットなどの情報を接続された携帯端末装置10に送信する。また、さらに、接続部33を介して携帯端末装置10に画像データを要求して画像データを受信する。出力部31は、制御部32が受信した画像データを紙などに印刷する。
【0017】
また、同図において、携帯端末装置10は、例えば携帯電話端末であり、内蔵されたカメラによって画像の撮影が可能であり、また、携帯電話通信事業者の基地局に接続して電話通信やインターネット通信を行う機能を備えている。
【0018】
携帯端末装置10において、接続部16は、例えばUSBインタフェースであり、印刷装置30と直接接続する。撮像部15は、例えば携帯端末装置10に内蔵されたCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、ユーザの操作に基づいて画像を撮像する。通信部14は、アンテナ14aを備えており、携帯電話通信事業者の基地局に接続して電話通信を行い、また、携帯電話通信事業者の通信局を介してインターネットに接続し、電子メールの送受信を行う。
【0019】
画像記憶部17は、撮像部15が撮像した画像データを記憶する。表示部11は、例えば液晶画面に該当し、ユーザの操作によって後述する優先設定などを行う際に、設定項目を選択するためのメニューを表示する。操作部12は、例えばキーボードであり、表示部11に表示された設定項目をユーザがキーボードによって選択することによって、選択された設定項目に該当する指示を制御部13に送信する。
【0020】
メモリ20は、ユーザによって操作部12が操作され制御部13が設定を行う場合に、設定された情報等を記憶する。また、データ処理部18を介して制御部13が受信した電子メールのデータ等を格納する。
【0021】
データ処理部18は、通信部14が電話着信を受信し、制御部13の指示によって呼が確立された場合に、通信部14が受信した音声信号を音声処理部19に送信する。また、音声処理部19から音声信号を受信し、通信部14に送信する。また、電子メールを受信した場合には、制御部13に電子メールを転送する。
【0022】
音声処理部19は、スピーカ19aとマイク19bを備えており、データ処理部18から受信した音声信号を音声に変換してスピーカ19aに出力させる。また、マイク19bが受けたユーザが発生した音声を音声信号に変換してデータ処理部18に送信する。
【0023】
制御部13は、ユーザが操作部12を操作することによって入力された設定情報を受信し、受信した設定情報をメモリ20に記録する。また、撮像部15によって撮像された画像データや、電子メールの添付ファイルとして受信した画像データを画像記憶部17に記録する。また、データ処理部18から受信した電子メールをメモリ20に記録する。
【0024】
なお、上述した画像形成装置は、印刷装置30に対応し、携帯端末装置は、携帯端末装置10に対応する。また、制御手段及び第1の制御手段は、制御部13に対応し、記憶手段は、メモリ20に対応する。また、画像受信手段は、印刷装置30における接続部33に対応し、第2の制御手段は、印刷装置30における制御部32に対応し、出力手段は、出力部31に対応する。
【0025】
なお、携帯端末装置10と印刷装置30はUSBケーブルのように物理的に直接接続される以外に、Bluetooth(登録商標)やIrDAのような近距離無線や、赤外線で接続される構成であってもよい。
【0026】
図2は、印刷装置30が印刷を行う画像データ100のフォーマットのデータ構成を示した図である。本フォーマットに該当するフォーマットとしては例えば、拡張されたJPEG画像フォーマットに該当するExif(Exchange image file format)(登録商標)がある(以下、本フォーマットを拡張JPEGフォーマットと呼ぶ)。
【0027】
同図において、画像データ100は、ヘッダ101と主画像データ120から構成されている。ヘッダ101には主画像データ120が撮像された際の情報である画素数102、撮影日時104、機種名105、絞り値106が存在し、また、主画像データ120を正しく読み取るための情報である圧縮モード103、色空間107等の情報が存在する。これらの情報は、ユーザが携帯端末装置10で撮影した時に、携帯端末装置10によって書込まれる。また、有料コンテンツの制作者などによって画像データ100が生成される場合には、画像を生成するソフトウェアによってこれらの情報が書込まれる。
【0028】
サムネイル110は、主画像データ120を縮小した画像データであり、サイズが予め定められていることから、ソフトウェアなどによって画面に一覧表示する場合に高速に表示を行うことができる。主画像データ120には、画像データの本体が存在し、本実施形態の印刷装置30が印刷可能なJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)フォーマットの画像データが格納されている。
なお、本フォーマットを有する画像データ100のファイル名は、JPEGと同じく、「XXXXX.JPG」と通常のJPEGファイルと同じ拡張子である「JPG」が利用され、本フォーマットの画像データか一般的なJPEGかを識別するためにはヘッダ101の存在を確認することが必要となる。
【0029】
図3及び図4は、携帯端末装置10と印刷装置30の間で実行される画像データの印刷処理を示したフローチャートである。同図において、ステップS1の破線で囲まれた処理は、ユーザによって行われることを示し、それ以外の実線で囲まれた処理は携帯端末装置10もしくは印刷装置30によって実行される処理である。
【0030】
まず最初に、ユーザによって携帯端末装置10と印刷装置30がケーブルを介して接続される(ステップS1)。ケーブルが接続されると、携帯端末装置10の接続部16と印刷装置30の接続部33とが互いの接続を検出する。そして、携帯端末装置10の制御部13は可動確認認証を受けるため携帯端末装置10に予め設定されているデバイスのクラス等の情報を含んだ可動確認認証要求を接続部16を介して印刷装置30に送信する(ステップS2)。可動確認認証要求を受信した印刷装置30の制御部32は、可動確認認証要求に含まれている情報に基づいて、当該携帯端末装置10が印刷装置30に備えられている画像データの送受信の方式に合致する装置であるか否かを判定する。判定によって合致する装置であると判定されたとき携帯端末装置10を認証し、認証応答を送信する(ステップS3)。
【0031】
携帯端末装置10は認証に成功すると、印刷装置30が印刷可能な画像データのフォーマット、例えば、ファイルの拡張子情報や上述した拡張JPEGフォーマットなどの情報などを含む能力情報を要求し(図示しない)、印刷装置30は、これを携帯端末装置10に送信する(ステップS4)。携帯端末装置10の制御部13はメモリ20に受信した能力情報を記録する(ステップS5)。
【0032】
次に、携帯端末装置10はユーザの指示を受けて画像記憶部17から印刷対象となる画像データのファイル名を読み出し、表示部11にファイル名を一覧表示する(ステップS6)。ユーザは印刷対象の画像データのファイル名を選択する。このときユーザは複数の画像データを選択することが可能である。そして、制御部13は、ユーザの操作によって操作部12から印刷開始指示を受信する(ステップS7)。印刷開始指示を受信した携帯端末装置10の制御部13は、選択されたファイル名に対応する画像データごとに検索キーとして個別の識別可能なID番号を付与する(ステップS8)。そして、印刷する画像データとそれぞれのID番号の情報を印刷装置に送信するためのIDリストをXML(eXtensible Markup Language)形式で作成する(ステップS9)。
【0033】
次に図4に示すように、携帯端末装置10は、作成したXML形式の印刷リストを印刷装置30に送信する(ステップS10)。XML形式の印刷リストを受信した印刷装置30は、印刷リストに含まれているIDを例えば、印刷リストの先頭から順に1つ読み出し、読み出したIDに対応する画像データの送信許可として携帯端末装置10に送信する(ステップS11)。IDを受信した携帯端末装置10の制御部13は対応情報を参照し画像記憶部17から受信したIDに対応する画像データを読み出して印刷装置30に送信する(ステップS12)。印刷装置30の出力部31は、受信した画像を印刷する(ステップS13)。印刷が終了すると印刷装置30は、印刷リストにまだ読み出していないIDが存在するか否かを判定し、読み出していないIDが存在する場合にはステップS11からS14の処理を継続する(ステップS14)。読み出していないIDがなくなった場合には印刷完了を携帯端末装置10に送信する(ステップS15)。このように、画像データの一つずつについて印刷することで、一つの画像データの印刷が完了するごとに、次の画像データを印刷装置30が携帯端末装置10に対して要求するように動作させ、印刷完了するとその旨を携帯端末装置10の画面に表示させることができる。
【0034】
印刷完了を受信した携帯端末装置10についてはケーブルを抜いて印刷を終了してもよく、また、ユーザが再度印刷開始指示を行うことで続けて印刷を行うことも可能である。
【0035】
なお、ステップS6からステップS9の処理は、ケーブルを接続する前に携帯端末装置10単体で行うことも可能であり、その場合には、ステップS6からステップS9までの処理がステップS1からステップS5の前段に行われることになる。
【0036】
また、ファイル名を読み出して一覧表示するのではなく、表示部11に画像データを表示しているときに、サブメニューから印刷実行を選択して画像データを1つずつ印刷するようにすることも可能であり、このときにはXML形式の印刷リストには1つのIDだけが登録されることになる。
また、サムネイル110を一覧表示するようにしてもよく、その場合には、ユーザはファイル名の変わりにサムネイルを選択して印刷を行うことになる。
【0037】
次に、図5から図8を参照して、印刷処理中に、電話着信などのイベントが発生した場合に、印刷処理を優先するか、電話着信処理を優先するかユーザが予め携帯端末装置10に設定しておく優先設定処理について説明する。
【0038】
図5及び図6は、機能設定項目のメニューから優先設定を行う場合を示したフローチャートと画面遷移図である。
図5において、最初にユーザが操作部12を操作することによって、表示部11に設定項目を表示する機能設定メニューである図6の画面(符号50)が表示される(ステップSa1)。ユーザの操作を受けた操作部12によって画面(符号50)の「印刷」の項目(符号50a)が選択される(ステップSa2)。「印刷」の項目(符号50a)が選択されると、表示部11の画面は、図6の画面(符号51)に切り替わる。次に、ユーザの操作を受けた操作部12によって画面(符号51)の「印刷優先設定」の項目(符号51a)が選択される(ステップSa3)。「印刷優先設定」の項目(符号51a)が選択されると、ONとOFFを選択する画面が表示部11に表示され、ユーザによってONが選択されるかOFFが選択されるかの判定が行われる(ステップSa4)。ユーザが操作部12を操作することによって「OFF」が選択されると、制御部13は、優先設定を「電話着信優先」として操作部12からの入力を受ける(ステップSa5)。一方、ユーザが操作部12を操作することによって「ON」が選択されると、制御部13は、優先設定を「印刷優先」として操作部12からの入力を受ける(ステップSa6)。操作部12から優先設定の情報が入力された制御部13は、メモリ20に優先設定の情報を記録する(ステップSa7)。ここでは、一例として、着信に対する印刷優先について説明したが、アラームに対する印刷優先などイベントごとに優先設定できるほうがより細かいニーズに沿うことができる。
【0039】
図7及び図8は、印刷処理のメニューから優先設定を行う場合を示したフローチャートと画面遷移図である。
図7において、最初にユーザが操作部12を操作することによって、表示部11に印刷内容確認の画面である図8の画面(符号52)が表示される(ステップSb1)。ユーザの操作を受けた操作部12によって画面(符号52)の「印刷設定」の項目(符号52a)が選択される(ステップSb2)。「印刷設定」の項目(符号52a)が選択されると、表示部11の画面は、図8の画面(符号53)に切り替わる。次に、ユーザの操作を受けた操作部12によって画面(符号53)の「印刷優先設定」の項目(符号53a)が選択される(ステップSb3)。「印刷優先設定」の項目(符号53a)が選択されると、ONとOFFを選択する画面が表示部11に表示され、ユーザによってONが選択されるかOFFが選択されるかの判定が行われる(ステップSb4)。ユーザが操作部12を操作することによって「OFF」が選択されると、制御部13は、優先設定を「電話着信優先」として操作部12からの入力を受ける(ステップSb5)。一方、ユーザが操作部12を操作することによって「ON」が選択されると、制御部13は、優先設定を「印刷優先」として操作部12からの入力を受ける(ステップSb6)。操作部12から優先設定の情報が入力された制御部13は、メモリ20に優先設定の情報を記録する(ステップSb7)。そして印刷内容画面(符号52)を更新して表示部11に表示する(ステップSb8)。
【0040】
図9は、制御部13によってイベントが検出された場合に、制御部13が実行する優先設定の判定処理を示したフローチャートである。
図9において、イベントとは例えば、携帯端末装置10の内部に設定されたアラーム報知設定に基づいて通知されるアラームイベントや、電子メールの着信によって発生するメール受信イベントや、電話着信によって発生する電話着信通知イベントなどが存在し、それぞれのイベントに対応するアラーム報知処理や、メール受信処理や、電話着信処理等のイベント対応処理が存在する。
なお、アラームイベントの場合は制御部13内でイベントが発生し、メール受信イベント及び電話着信イベントの場合には、データ処理部18から制御部13にイベントが通知される。
【0041】
最初に、ユーザにより印刷指示がなされた画像について、印刷装置30側より要求されるIDに従い、接続部13に送出されているときに、制御部13がイベントを検出すると、アラームイベントか否かを判定する(ステップSc1)。アラームイベントの場合には、予め印刷処理を優先することが制御部13によってメモリ20に設定されているため、ステップSc18に進む。アラームイベントでない場合には、メール受信イベントか否かを判定する(ステップSc2)。メール受信イベントの場合にも、予め印刷処理を優先することが制御部13によってメモリ20に設定されているため、報知音を鳴動させたり画面上にメール受信についての表示を行わずに、バックグラウンドでメールを受信し、制御部13がメモリ20に受信メールを格納し、ステップSc18に進む(ステップSc3)。
【0042】
ここで、バックグラウンドで受信するメールについて、詳述する。現在、携帯端末装置10におけるメール受信イベントには複数のアクションが必要とされている。まず、基地局から携帯端末装置10が有するアドレスあてにメールをネットワーク上のメールサーバが受信したことを通知する受信通知を通信部14にて受信する。そして、通信部14が受信通知を受信すると制御部13がメールを受信するように通信部14を制御してメールサーバに接続させる、というような少なくとも2ステップのアクションが必要とされることが多い。そこで、優先設定が「印刷優先」の場合には、接続部13による画像データの送出中に、通信部14がメールの受信通知を受信しても、制御部13はすぐにはメールの受信は行わさせず、まずは現在送出中の画像データ1つについて印刷装置30への送出を完了する。送出を完了すると、引き続き印刷装置30から次の印刷すべき画像データの送出が要求されるが、制御部13は、このタイミングにおいて通信部14にメールサーバと接続させ、受信通知に含まれた情報を基に通知されたメールの受信を開始させる。この間、特に印刷データ送出中の表示を維持しておく。そして、メールの受信が完了すると、制御部13は、印刷装置30から要求されていたIDに対応する画像データを接続部13を介して印刷装置30に送出する。
【0043】
これにより、携帯端末装置10は印刷処理を停止することなくメールをバックグラウンドで受信することができ、ユーザの手を煩わせることがなくなる。特に印刷を指示する類の画像データは画質が問われるためサイズも大きく、複数選択されていると送出に要する時間も長くなる。そのため、一旦印刷処理が開始されるとユーザは携帯端末装置10を手放して端末のそばを離れてしまい、しばらくしてから戻ってくるということも多く想定される。そのような場合、途中でメールを受信したりするだけで印刷処理が万が一途中で停止してしまうと、再び印刷処理開始の操作が必要ということとなるが、上記の構成によってこれを防止することができる。
【0044】
さらに、そのメール受信の報知については、一連の印刷処理が完了してから行うことが好ましい。即ち、印刷指示がされた複数枚の画像データ全てについて、印刷装置30へ送出を完了した後に、メール受信した旨の表示を行ったり、新たに受信したメールがある旨を音で報知したりすることが好ましい。
【0045】
さて、次に、メール受信イベントでない場合には、検出したイベントは電話着信イベントであると判断し、優先設定の判定を行う。優先設定が「OFF」、即ち電話着信が優先されている場合には(ステップSc4;着信)、予め設定されている印刷中断、あるいは印刷停止を示した情報を参照する。印刷を中断する設定がされている場合には(ステップSc5;中断)、メール受信の場合と異なり、一刻も早く着信の報知を行わなければ着信を取り漏らしてしまう可能性がある。そこで、制御部13は、接続部16を介して印刷装置30に印刷を一時保留するために印刷中断指示を送信する(ステップSc6)。印刷装置30では、これを受信すると印刷処理を中断するポーズ状態に移行することに了解する信号を接続部16へ送信する。また、制御部13は印刷中断指示を送信するときに、その直前まで印刷していた情報を再開のためにメモリ20に格納する(ステップSc7)。なお、ここでは印刷リストと、当該印刷リスト中で印刷完了したIDと、印刷装置30へ画像データを送出中であったIDとを再開に必要な情報として格納する。
【0046】
再開のための情報を格納してから、携帯端末装置10は着信音を鳴動させるなど当該着信の報知処理を開始し、ユーザによるオフフック動作などを受けて通話状態に移行する。この間、印刷装置30は、既に携帯端末装置10から送出されており、既に印刷が開始されている画像データがあれば、当該画像データを最後まで印刷しておくことにより、ユーザは時間を有効に使うことにもなる。さらに、携帯端末装置10から画像データを途中までしか受信できていない場合は、当該画像データについては破棄しても良いが、逆に印刷再開まで保持しておき、再開時に印刷装置30から携帯端末装置10に対して画像データの途中まで受信を行った画像データが存在することを通知するとともに、不足分の画像データのみを携帯端末装置10に送信させて補完後に印刷を行うようにしてもよい。
【0047】
さて、その後、着信及び通話の処理などが一通り完了したときには、制御部13は、接続部16を介して印刷装置30に再開を通知し、まだ、印刷されていない画像データについて送出を再開する。
このとき、通話が意外に早く終了し、まだ印刷装置30で印刷が続いていた場合には、携帯端末装置10が印刷再開を通知しても印刷装置30は画像データの送信許可を与えない。印刷装置30は、印刷完了まで携帯端末装置10を待機させ、印刷が完了した時点で、次の画像データのIDを送出許可として携帯端末装置10に送信する。そして、携帯端末装置10は画像データの送出を再開する。
このように、印刷装置30及び携帯端末装置10が、印刷リストを参照したり、確認しあうことで、同じ画像データを2回印刷せず済むようにすることができる。
【0048】
一方、印刷を停止する設定がされている場合には(ステップSc5;停止)、制御部13は、接続部16を介して印刷停止指示を印刷装置30に送信する(ステップSc8)。
【0049】
優先設定が「ON」、即ち印刷が優先されている場合には(ステップSc4;印刷)、次に、予め設定されている電話着信に対する処理の設定情報を参照する。設定情報に上述した所定の転送先に該当する留守番センタへ転送が設定されている場合には(ステップSc9)、制御部13は、データ処理部18へ転送指示を送信し、留守番センタへ電話の着信呼を転送させる(ステップSc10)。次に、設定情報に端末内録音が設定されている場合には(ステップSc11)制御部13は、データ処理部18に電話の着信呼を確立させるとともに、音声信号をデータ処理部18から受信し、メモリ20に音声信号を録音する(ステップSc12)。
【0050】
次に、設定情報に印刷中保留が設定されている場合には(ステップSc13)、制御部13は、データ処理部18に電話の着信呼を確立させる。そして、制御部13は、予めメモリ20に記憶されている保留メロディデータ等を読み出して、データ処理部18を介して受信した保留メロディーを確立した呼に対して送信する。(ステップSc14)。次に、設定情報に印刷中着信拒否が設定されている場合には(ステップSc15)、制御部13は、データ処理部18に電話の着信呼を確立させる。そして、予めメモリ20に記憶されている上述した所定のメッセージに相当する「現在着信できません」などの応答メッセージ等を読み出し、データ処理部18を介して保留メロディーを確立した呼に対して送信する(ステップSc16)。設定情報が上記いずれの設定でもない場合には、制御部13は、非応答の電話着信としてメモリ20に記録する(ステップSc17)。そして、アラームイベント及びメール受信イベント並びに優先設定が印刷の場合には、制御部13は、印刷処理の終了を待機し、イベントの結果を表示部11に表示する(ステップSc18)。即ち、着信が発生したものの、印刷を優先したために留守番センタへ転送した、端末内録音した、保留した、着信拒否した、応答しなかった、といったイベントに対する応答結果を表示または音などでユーザへ通知する。特に保留に関しては呼を確立したままであるため、保留を選択した時点から保留音自体はスピーカ19aから出力し、印刷処理中でも保留音がユーザに聞こえるようにしておくことで保留状態であることをユーザに気付かせやすくなる。
【0051】
なお、ステップSc7における、再開のための情報として、他には、制御部13で行われている印刷ジョブの情報や、印刷サイズなどの設定情報や、上述した印刷装置から受信した能力情報等もある。これらの情報を中断時にメモリ20に格納しておくことで、通話の終了後に印刷処理を再開することが可能となる。
【0052】
図10は、印刷処理中にイベントが発生した場合に、印刷を優先する設定がされている携帯端末装置10における優先処理を示したシーケンス図である。
最初に、携帯端末装置10において、上述した優先設定処理が予め行われており、優先設定が「ON」、即ち印刷処理を優先するように設定されているものとする。携帯端末装置10と印刷装置30の間で図4のステップS11からS14までの印刷処理が行われている(ステップSd1)。印刷処理中に、イベントが発生し、携帯端末装置10の制御部13にイベントが通知される(ステップSd2)。イベントを検出した制御部13は、上述した優先処理を行う(ステップSd3)。優先処理において、検出したイベントが例えば、電話の着信イベントの場合には、電話の着信呼を留守番センタへ転送するなどの応答処理が行われる(ステップSd4)。印刷が優先されている場合には、印刷が終了するまで携帯端末装置10は待機する。印刷装置30が印刷処理を完了すると印刷完了通知を携帯端末装置10に送信する(ステップSd5)。印刷完了通知を受信した携帯端末装置10は表示部11に、イベントの履歴を表示する。例えば、電話着信の場合には、着信履歴を表示する(ステップSd6)。
【0053】
なお、印刷装置30が、上述した全てのIDについて印刷を終了するまで印刷完了を行わない場合以外に、図9の説明において述べたように、携帯端末装置10が、印刷装置30から要求されたIDについての画像データの送信を行った後、印刷装置30からIDが送信されても、新たに受信したIDについては画像データを送信しないようにしてもよい。また、画像データがページ単位で構成されており、携帯端末装置10が、イベントを検出した際に、送信中の画像データについては1ページ分が完了するまで送信し、その後の画像データについては送信を停止するようにしてもよい。その場合、印刷装置30は、一定時間画像データを受信できないことを検出して印刷完了通知を送信することとなる。IDの単位あるいはページの単位で画像データの転送を停止することで、印刷装置30によって1枚の紙の途中で印刷が停止することはなくなり、紙及びインクやトナーの無駄を防ぐことが可能となる。
【0054】
図11は、図10における印刷優先の処理の過程で表示部11に表示される画面の遷移を示した図である。
最初に、AAA.JPGという画像データを印刷していることを示したメッセージが画面(符号60)に表示されている。その時、電話の着信イベントが発生する。優先設定が印刷優先になっているため、AAA.JPGという画像データを印刷していることを示したメッセージが画面(符号61)に継続して表示される。そして、印刷が終了し、印刷装置30から印刷完了通知を受信すると印刷終了のメッセージが画面(符号62)に表示される。その後、電話着信があったことを示すメッセージが画面(符号63)に表示される。
【0055】
図12は、印刷処理中にイベントが発生したときに、電話着信を優先する設定がされており、かつ印刷処理を停止する場合の携帯端末装置10における優先処理を示したシーケンス図である。
最初に、携帯端末装置10において、上述した優先設定処理が予め行われており、優先設定が「OFF」、即ち着信処理を優先するように設定されているものとする。携帯端末装置10と印刷装置30の間で図4のステップS11からS14までの印刷処理が行われている(ステップSe1)。印刷処理中に、イベントが発生し、携帯端末装置10の制御部13にイベントが通知される(ステップSe2)。イベントを検出した制御部13は、上述した優先処理を行う(ステップSe3)。優先処理において、検出したイベントが例えば、電話の着信イベントの場合には、予め設定されている設定情報に基づいて印刷停止指示を印刷装置30に送信する(ステップSe4)。印刷停止指示を受信した印刷装置30は、印刷を停止し、印刷完了通知を携帯端末装置10に送信する(ステップSe5)。そして、ユーザの操作を受けて、制御部13が、データ処理部18に呼を確立させる(ステップSe6)。そして、通話状態となる(ステップSe7)。接続部16のシールド能力によっては、通信部14の通信が行われるときに、若干のノイズが乗ってしまう可能性もあるが、このように印刷処理を完全に停止してから着呼応答を行うようにすればノイズの問題回避に貢献できる。
【0056】
図13は、印刷処理中にイベントが発生したときに、電話着信を優先する設定がされており、かつ印刷処理を中断して再開する場合の携帯端末装置10における優先処理を示したシーケンス図である。
最初に、携帯端末装置10において、上述した優先設定処理が予め行われており、優先設定が「OFF」、即ち着信処理を優先するように設定されているものとする。携帯端末装置10と印刷装置30の間で図4のステップS11からS14までの印刷処理が行われている(ステップSf1)。印刷処理中に、イベントが発生し、携帯端末装置10の制御部13にイベントが通知される(ステップSf2)。イベントを検出した制御部13は、上述した優先処理を行う(ステップSf3)。優先処理において、検出したイベントが例えば、電話の着信イベントの場合には、予め設定されている設定情報に基づいて印刷中断指示を印刷装置30に送信する。その際、携帯端末装置10の制御部13は、再開のための情報をメモリ20に格納する(ステップSf4)。印刷停止指示を受信した印刷装置30は、印刷を中断し、印刷中断通知を携帯端末装置10に送信する(ステップSf5)。そして、ユーザの操作を受けて、制御部13が、データ処理部18に呼を確立させる(ステップSf6)。そして、通話状態となる(ステップSf7)。その後、通話が終了した場合に(ステップSf8)、携帯電話端末10の制御部13は、接続部16を介して印刷装置30に印刷再開指示を送信する(ステップSf9)。印刷装置30は、中断したIDに対応する画像データの送信要求を携帯端末装置10に送信し、印刷処理を再開する(ステップSf10)。そして、印刷が終了すると印刷装置30は印刷完了通知を携帯端末装置10に送信する。
【0057】
図14は、印刷停止及び印刷中断時における電話着信優先の処理の過程で表示部11に表示される画面の遷移を示した図である。
印刷停止の場合には、最初に、AAA.JPGという画像データを印刷していることを示したメッセージが画面(符号65)に表示されている。その時、電話の着信イベントが発生する。優先設定が着信優先になっているため、印刷を停止することを示すメッセージが画面(符号66)に継続して表示される。そして、印刷が停止され、電話着信のメッセージが画面(符号67)に表示される。その後、ユーザの操作によって電話の着信呼が確立され通話中になると、通話中を示すメッセージが画面(符号68)に表示される。
また、印刷中断の場合には、印刷を中断することを示すメッセージが画面(符号66)で表示され、通話中状態の画面(符号68)の後、印刷再開するとともに印刷していることを示す画面(符号65)の画面に戻ることとなる。
【0058】
以上述べたように、印刷処理を優先するかイベントに対応するイベント対応処理を優先するかについての情報を、ユーザの指示を受けて予め設定しておくことで、携帯端末装置10は、印刷処理かイベント対応処理のいずれか一方を選択して処理を行うことが可能となる。それによって、発生したイベントが電話着信イベントの場合に、印刷処理が優先されている場合には、印刷処理を継続した状態で、電話着信呼を留守番センタに転送する処理や、着信呼に応答して内部に録音する処理や、着信呼を保留する処理や、着信呼に応答して応答メッセージを送信する処理を行うことが可能となる。
【0059】
また、印刷処理を常に優先するアラームイベントやメール受信イベントなどのイベントについては、予め印刷処理を優先する設定をしておくことで、携帯端末装置10は、アラームイベントやメール受信イベントについてはバックグラウンドで処理を行い、印刷処理を常に優先することが可能となる。
【0060】
また、メール受信イベントが発生した場合に、現在送出中の画像データ1つについて印刷装置30への送出を完了したタイミングで、通信部14にメールの受信を開始させる。メールの受信が完了した後に、印刷装置30から要求されていたIDに対応する画像データを接続部13を介して印刷装置30に送出することで、携帯端末装置10は印刷処理を停止することなくメールをバックグラウンドで受信することができ、ユーザの手を煩わせることがなくなる。
【0061】
また、電話着信イベントが発生した場合に、電話着信を優先する設定がされている場合には、印刷処理を停止あるいは中断することができ、電話着信に応答することが可能となる。また、さらに、印刷処理を中断した場合には、直前まで印刷していた情報、即ち印刷リストや、当該印刷リスト中で印刷完了したIDや、印刷装置30へ画像データを送出中であったIDなどを再開するために必要な情報として格納しておくことで、通話が終了した後に、再開のために必要な情報を読み出して印刷処理を再開することも可能である。
【0062】
上述の携帯端末装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した優先設定や優先処理の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態による印刷システムを示すブロック図である。
【図2】同実施形態における画像データのデータ構成を示した図である。
【図3】同実施形態における印刷処理を示したフローチャート(その1)である。
【図4】同実施形態における印刷処理を示したフローチャート(その2)である。
【図5】同実施形態における機能設定メニューからの優先設定を示したフローチャートである。
【図6】同実施形態における機能設定メニューからの優先設定を行う場合の画面遷移図である。
【図7】同実施形態における印刷処理のメニューからの優先設定を示したフローチャートである。
【図8】同実施形態における印刷処理のメニューからの優先設定を示した画面遷移図である。
【図9】同実施形態における優先設定の判定処理を示したフローチャートである。
【図10】同実施形態における印刷優先の場合の優先処理を示したシーケンス図である。
【図11】同実施形態における印刷優先の場合の優先処理時の画面遷移図である。
【図12】同実施形態における着信優先の場合で、かつ印刷を停止する場合の優先処理を示したシーケンス図である。
【図13】同実施形態における着信優先の場合で、かつ印刷を中断する場合の優先処理を示したシーケンス図である。
【図14】同実施形態における着信優先の場合の優先処理時の画面遷移図である。
【符号の説明】
【0064】
10 携帯端末装置
12 操作部
13 制御部
14 通信部
16 接続部
18 データ処理部
20 メモリ
30 印刷装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出して前記画像形成装置に送信する印刷通信手段と、を備えた携帯端末装置において、
前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出した場合には、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う制御手段
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出し、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該イベントに対応する前記イベント対応処理を行う場合に、前記画像形成装置に対して、印刷中断を前記印刷通信手段に通知させることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出し、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該一の画像データに続く他の画像データがある場合、当該他の画像データの前記印刷通信手段による送信を中断させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記イベント対応処理が終了したときに、前記一の画像データに続く他の画像データがある場合、当該他の画像データを前記印刷通信手段に送信させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記印刷通信手段による送信を中断させる場合に、再開させるための再開情報を前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置
【請求項6】
前記イベントがメール受信イベントであって、前記イベント対応処理は、電子メール受信のためのメールサーバへの接続動作であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の携帯端末装置。
【請求項7】
画像データを印刷する画像形成装置と、画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出し前記画像形成装置に送信する印刷通信手段と、を備えた携帯端末装置と、によって構成される印刷システムにおいて、
前記携帯端末装置は、
前記印刷通信手段による画像データの送信中に、イベントの発生を検出した場合には、送信中の一の画像データの送信が完了したときに、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う第1の制御手段を備え、
前記画像形成装置は、
前記携帯端末装置との接続を検出した時、前記携帯端末装置との間で前記可動確認認証を行う第2の制御手段と、
前記携帯端末装置から前記画像データを受信する画像受信手段と、
前記画像受信手段が受信した前記画像データを出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
画像データを印刷する画像形成装置と、画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出し前記画像形成装置に送信する携帯端末装置と、によって構成される印刷システムの印刷通信制御方法であって、
前記画像形成装置が、前記携帯端末装置との接続を検出した時、前記携帯端末装置との間で前記可動確認認証を行う過程と、
前記携帯端末装置が、画像データの送信を行う過程と、
前記画像形成装置が、前記携帯端末装置から前記画像データを受信する過程と、
前記画像形成装置が、受信した前記画像データを出力する過程と、
前記携帯端末装置が、画像データの送信中に、イベントの発生を検出する過程と、
前記携帯端末装置が、送信中の一の画像データの送信を完了を検出する過程と、
前記携帯端末装置が、前記送信中の一の画像データの送信が完了を検出した場合に、当該イベントに対応するイベント対応処理を行う過程と、
からなることを特徴とする印刷通信制御方法。
【請求項9】
画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを印刷する画像形成装置と接続し、前記画像形成装置との間で可動確認認証を行い、前記画像データを前記記憶手段から読み出して前記画像形成装置に送信する印刷通信手段と、を備えた携帯端末装置のコンピュータに、
画像データを送信するステップ、
画像データの送信中に、イベントの発生を検出するステップ、
送信中の一の画像データの送信を完了を検出するステップ、
前記送信中の一の画像データの送信が完了を検出した場合に、当該イベントに対応するイベント対応処理を行うステップ、
を実行させるコンピュータプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−87002(P2006−87002A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272053(P2004−272053)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】